JP2023033936A - 封止用樹脂組成物および電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形時において流動性が高く成形性に優れるとともに、硬化時において熱伝導率が高く放熱性に優れた封止用樹脂組成物、およびこれを用いて製造される信頼性に優れた電子装置を提供する。【解決手段】エポキシ樹脂と、フェノール樹脂硬化剤と、硬化促進剤と、第一の無機フィラーと第二の無機フィラーとを含む無機フィラーと、を含む封止用樹脂組成物であって、前記第一の無機フィラーは、アルミナ粒子であり、前記第二の無機フィラーは、酸化アルミニウムとホウ酸アルミニウムとを含む複合体粒子である、封止用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、封止用樹脂組成物、および当該封止用樹脂組成物を封止材として用いて製造される電子装置に関する。
近年、IC等の発熱性電子部品の高機能化と高速化の進展に伴い、それが搭載された電子機器の発熱量が増大しており、半導体封止材においても高い放熱特性が求められている。樹脂組成物の熱伝導性を向上させるためには、窒化アルミニウムや窒化ホウ素、アルミナ、結晶性シリカなどの無機フィラーを充填することが一般的である。中でも、熱伝導性、化学的な安定性、コストのバランスに優れているアルミナは、放熱フィラーとして最も多く使用されている。
しかしながら、樹脂に配合するアルミナ粉末の充填量が多くなると、樹脂組成物の粘度が上昇して成形性が悪くなり、その結果、生産性が低下するといった問題が生じる。さらに、アルミナはモース硬度が高いため、粘度が高い状態で金型の金属部分と接触することにより容易に装置が磨耗してしまうという問題がある。これらの問題を解決するためには、アルミナ粉末を充填した樹脂組成物の粘度を低下させる必要がある。組成樹脂組成物の粘度を調整するための方法としては、破砕形状やカッティングエッジを持たない不定形状ではなく真球状に近いアルミナを用いる方法、数種類の平均粒子径を持つアルミナ粒子を組み合わせて樹脂に配合する方法等が提案されてきた(たとえば、引用文献1)。
引用文献1には、粒度域3~40μmの構成粒子である無機粉末の真円度が0.80以上の球状無機粉末と、粒度域0.1~1.5μmの構成粒子である無機粉末の真円度が0.30以上0.80未満である球状または非球状の無機粉末とを混合した高熱伝導性無機粉末が開示されている。また、実施例には、平均粒子径0.5μmもしくは0.3μmの非球状酸化アルミニウム粉末と平均粒子径15μmもしくは8μmの球状酸化アルミニウム粉末とのアルミナ混合粉末が開示されている。
特開2003-137627号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、アルミナ粉末を高充填した場合に、樹脂組成物の著しい増粘現象が生じるため、樹脂組成物の成形性や得られる電子機器の信頼性において改善の余地があった。
本発明は、上記課題を鑑みなされたものであり、成形時において流動性が高く成形性に優れるとともに、硬化時において熱伝導率が高く放熱性に優れた封止用樹脂組成物、およびこれを用いて製造される信頼性に優れた電子装置を提供することを目的とするものである。
本発明者は、無機フィラーとして、アルミナ粒子と、酸化アルミニウム/ホウ酸アルミニウムとの複合体粒子とを組み合わせて用いることにより、成形時において流動性が高く、硬化時において熱伝導性が高い封止上樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
エポキシ樹脂と、
フェノール樹脂硬化剤と、
硬化促進剤と、
第一の無機フィラーと第二の無機フィラーとを含む無機フィラーと、
を含む封止用樹脂組成物であって、
前記第一の無機フィラーは、アルミナ粒子であり、
前記第二の無機フィラーは、酸化アルミニウムとホウ酸アルミニウムとを含む複合体粒子である、封止用樹脂組成物が提供される。
また本発明によれば、
半導体素子と、
前記半導体素子を封止する封止材と、を備える電子装置であって、
前記封止材は、上記封止用樹脂組成物の硬化物からなる、電子装置が提供される。
本発明によれば、成形時において流動性が高く成形性に優れるとともに、硬化時において熱伝導率が高く放熱性に優れた封止用樹脂組成物、およびこれを用いて製造される信頼性に優れた電子装置が提供される。
本実施形態の樹脂組成物を用いて製造される、両面封止型の電子装置の一例について、断面構造を示した図である。 本実施形態の樹脂組成物を用いて製造される、片面封止型の電子装置の一例について、断面構造を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応するものではない。本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、「a以上b以下」のことを表す。例えば、「5~90質量%」とは「5質量%以上90質量%以下」を意味する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の封止用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」と称する場合がある)は、基板上に搭載された半導体素子を封止するための封止材として用いられる樹脂材料であり、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂硬化剤と、硬化促進剤と、第一の無機フィラーと第二の無機フィラーとを含む無機フィラーと、を含み、ここで、第一の無機フィラーは、アルミナ粒子であり、第二の無機フィラーは、酸化アルミニウムとホウ酸アルミニウムとを含む複合体粒子である。
本実施形態の樹脂組成物は、無機フィラーとして、アルミナ粒子と、酸化アルミニウム/ホウ酸アルミニウム複合体粒子とを組み合わせて含むことにより、成形時における高い流動性と、硬化物の高い熱伝導性とを両立して備える。
以下、本実施形態の樹脂組成物に用いられる成分について説明する。
(エポキシ樹脂)
本実施形態の半導体封止用樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格含有ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、アルコキシナフタレン骨格含有フェノールアラルキルエポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の3官能型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂等の変性フェノール型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂等の複素環含有エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、溶融粘度を最適範囲に維持することができ、成形性が良好であり、低コストであることから、ビフェニル型エポキシ樹脂が好ましい。前記エポキシ樹脂のエポキシ当量としては、90~300であることが好ましい。エポキシ当量が小さすぎると、硬化剤との反応性が低下する傾向がある。また、エポキシ当量が大きすぎると、樹脂組成物の硬化物の強度が低下する傾向がある。
エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(例えばo-クレゾールノボラックエポキシ樹脂)、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、およびトリフェノールメタン型エポキシ樹脂のうちの少なくとも1つを含むことがより好ましい。高温の弾性率を制御するためにはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂がとくに好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂、下記一般式(2)で表されるエポキシ樹脂、下記一般式(3)で表されるエポキシ樹脂、下記一般式(4)で表されるエポキシ樹脂、および下記一般式(5)で表されるエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含有するものを用いることができる。これらの中でも、下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂、および下記一般式(4)で表されるエポキシ樹脂から選択される一種以上を含むものがより好ましい態様の一つとして挙げられる。
Figure 2023033936000001
一般式(1)中、
Arはフェニレン基またはナフチレン基を表し、Arがナフチレン基の場合、グリシジルエーテル基はα位、β位のいずれに結合していてもよい。
Arはフェニレン基、ビフェニレン基またはナフチレン基のうちのいずれか1つの基を表す。
およびRは、それぞれ独立に炭素数1~10の炭化水素基を表す。
gは0~5の整数であり、hは0~8の整数である。nは重合度を表し、その平均値は1~3である。
Figure 2023033936000002
一般式(2)中、
複数存在するRcは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1~4の炭化水素基を表す。
は重合度を表し、その平均値は0~4である。
Figure 2023033936000003
一般式(3)中、
複数存在するRおよびRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~4の炭化水素基を表す。
は重合度を表し、その平均値は0~4である。
Figure 2023033936000004
一般式(4)中、
複数存在するRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~4の炭化水素基を表す。
は重合度を表し、その平均値は0~4である。
Figure 2023033936000005
一般式(5)中、
複数存在するRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~4の炭化水素基を表す。
は重合度を表し、その平均値は0~4である。
エポキシ樹脂の数分子量は特に限定されず、流動性、硬化性などの観点から適宜選択すればよい。一例として数分子量は100~700程度である。また、流動性などの観点から、エポキシ樹脂の、150℃でのICI粘度は、0.1~5.0poiseであることが好ましい。
エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは100~400g/eq、より好ましくは150~350g/eqである。なお、封止用樹脂組成物が複数種のエポキシ樹脂を含む場合、複数種のエポキシ樹脂の全体としてのエポキシ当量が、上記数値範囲内となることが好ましい。
エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全量に対して、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。配合割合の下限値が上記範囲内であると、封止工程において流動性の低下等を引き起こす恐れが少ない。また、樹脂組成物全体の配合割合の上限値についても、特に限定されないが、樹脂組成物全量に対して、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。配合割合の上限値が上記範囲内であると、樹脂組成物のガラス転移温度の低下が少ない。
(フェノール樹脂硬化剤)
本実施形態の樹脂組成物に用いられるフェノール樹脂硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック、フェノール‐ビフェニルノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;ポリビニルフェノール;トリフェノールメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格含有ナフトールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル型フェノール樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール化合物などが挙げられる。フェノール樹脂系硬化剤としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。フェノール樹脂系硬化剤としては、上記具体例のうち、フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂を含むことが好ましい。これにより樹脂組成物において、エポキシ樹脂を良好に硬化することができる。
フェノール樹脂硬化剤の配合割合の下限値については、特に限定されないが、樹脂組成物全体に対して、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。配合割合の下限値が上記範囲内であると、充分な流動性を得ることができる。また、硬化剤の配合割合の上限値についても、特に限定されないが、樹脂組成物全体に対して、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。配合割合の上限値が上記範囲内であると、樹脂組成物の流動性および融け性を所望の範囲とすることができる。
また、エポキシ樹脂とフェノール樹脂系硬化剤との配合比率としては、エポキシ樹脂のエポキシ基数(EP)とフェノール樹脂系硬化剤のフェノール性水酸基数(OH)との当量比(EP)/(OH)が0.8以上、1.3以下であることが好ましい。当量比がこの範囲内であると、樹脂組成物の成形時に充分な硬化性を得ることができる。また、当量比がこの範囲内であると、樹脂組成物の流動性および融け性を所望の範囲とすることができる。
(硬化促進剤)
本実施形態の樹脂組成物に用いられる硬化促進剤としては、上述のフェノール樹脂と上述のフェノール樹脂硬化剤との硬化反応を促進することができるものであれば、特に制限することなく使用することができ、例えば、オニウム塩化合物;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン等の有機ホスフィン;テトラ置換ホスホニウム化合物;ホスホベタイン化合物;ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物;スホニウム化合物とシラン化合物との付加物;2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール(EMI24)、2-フェニル-4-メチルイミダゾール(2P4MZ)、2-フェニルイミダゾール(2PZ)、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシイミダゾール(2P4MHZ)、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール(1B2PZ)などのイミダゾール化合物;1,8-ジアザ-ビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤との合計量に対して、0.1質量%以上2質量%以下であることが好ましい。硬化促進剤の含有量が上記下限値より少ないと、硬化促進効果を高めることができない場合がある。また、上記上限値より多いと、流動性や成形性に不具合を生じる傾向があり、また、製造コストの増加につながる場合がある。
(無機フィラー)
本実施形態の樹脂組成物は、第一の無機フィラーとしてのアルミナ粒子と、第二の無機フィラーとしての複合酸化物粒子とを組み合わせて含む。以下、各無機フィラーについて説明する。
(アルミナ粒子)
本実施形態の樹脂組成物に用いられるアルミナ粒子は、樹脂組成物に熱伝導性を付与する作用を有する。アルミナ粒子は、例えば、シリカ粒子のような他の無機フィラーに比べ、熱伝導性が高く、封止材として用いる際に熱設計が容易である。また、アルミナ粒子は、シリカ粒子よりも熱伝導率が高い他の無機フィラー(例えば、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミ、ダイヤモンドなど)に比べて低コストであり、また真球度を高くしやすく、耐熱性に優れる。
一実施形態において、アルミナ粒子は、レーザー解析散乱法により測定した場合の50%体積累積粒径D50が、10~50μmの第一のアルミナ粒子を含む。
好ましい実施形態において、アルミナ粒子は、上記第一のアルミナ粒子に加え、50%体積累積粒径D50が0.1μm以上10μm以下である第二のアルミナ粒子を含む。
アルミナ粒子の50%体積累積粒径D50が0.1μm未満である場合、樹脂組成物の粘度が非常に高くなるため、充填性、封止工程における作業性が悪化する。また、アルミナ粒子の50%体積累積粒径D50が0.1μm未満である場合、樹脂組成物の硬化物の弾性率が下がり、結果として得られるパッケージの反りが生じる。一方、アルミナ粒子の50%体積累積粒径D50が50μmを超える場合、充填不良が発生するおそれがある。また充填できたとしても充填時にボイドを巻き込むため、不適切である。上記の第一および第二のアルミナ粒子を組み合わせて含むことにより、本発明の封止用樹脂組成物は、充填性と封止工程における作業性とを両立して備え得る。
50%体積累積粒径D50が、10~50μmの第一のアルミナ粒子と、50%体積累積粒径D50が0.1μm以上10μm以下である第二のアルミナ粒子とを組み合わせて用いる場合、アルミナ粒子全体に対する第一のアルミナ粒子の割合は、60~100体積%であり、好ましくは、80~100体積%である。
上記の粒径分布を有するアルミナ粒子を用いることにより、流動性が改善され、よって封止工程における作業性が良好であるとともに、充填不良が低減された、封止材として好適な樹脂組成物を得ることができる。
アルミナ粒子の形状は特に限定されず、球状、鱗片状、粒状、粉末状のいずれであってもよい。
好ましい実施形態において、アルミナ粒子は、真球度が0.8以上、好ましくは0.9以上の球状アルミナ粒子を含むことが好ましい。このような球状アルミナ粒子は、封止材中で最密充填状態に近い状態で存在し、よって得られる封止材の熱伝導性が改善される。また、このような球状アルミナを含む樹脂組成物は、流動性が改善され、封止工程における取り扱い性が良好である。
ここで、本明細書中において、「真球度」は、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した二次元像における「粒子の最大径に対する最小径の比」と定義する。すなわち、本実施形態において、アルミナ粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した二次元像における最大径に対する最小径の比が、0.8以上であることを指す。
(複合体粒子)
本実施形態の封止用樹脂組成物は、第二の無機フィラーとして、酸化アルミニウムとホウ酸アルミニウムとを含む複合体粒子を含む。複合体粒子としては、例えば、酸化アルミニウムとホウ酸アルミニウムと二酸化チタンから構成される複合体粒子、または酸化アルミニウムとホウ酸アルミニウムと三酸化タングステンから構成される複合体粒子、あるいはこれらの組み合わせを使用することができる。このような複合体粒子の市販品としては、大日精化工業社製のダイピロキサイド#7321、#7323、#7330が挙げられる。
第二の無機フィラーである複合体粒子の50%体積累積粒径D50は、例えば、0.5μm以上20μm以下であり、好ましくは、0.5μm以上15μm以下である。
一実施形態において、第二の無機フィラーである複合体粒子の体積基準の頻度分布を表す粒度分布曲線は、0.5~20μmの間に2つのピークを有し、好ましくは、0.5~15μmの間位に2つのピークを有する。
第二の無機フィラーである複合体粒子は、特に限定されず、球状、鱗片状、粒状、粉末状のいずれであってもよいが、角のない丸みを帯びた形状を有することが好ましく、球状に近い形状であるほどより好ましい。これにより、流動性が改善され、封止工程における取り扱い性が良好な樹脂組成物を得ることができる。
複合体粒子の配合量は、無機フィラー全体(第一および第二の無機フィラーの合計)に対して、例えば、1~30体積%であり、好ましくは、5~20体積%である。このような粒径分布を有する無機フィラーを用いることにより、流動性が改善され、よって封止工程における作業性が良好であるとともに、充填不良が低減された、封止材として好適な樹脂組成物を得ることができる。
一実施形態における樹脂組成物中の無機フィラーは、例えば、以下の配合例とすることができる。以下の配合例における配合量は、使用する無機フィラー全体に対する割合(体積%)である。
(配合例1)
・50%体積累積粒径D50が10~50μmの第一のアルミナ粒子:70~90体積%
・50%体積累積粒径D50が0.5μm以上20μm以下の複合体粒子:10~30体積%
(配合例2)
・50%体積累積粒径D50が10~50μmの第一のアルミナ粒子:70~85体積%
・50%体積累積粒径D50が0.1μm以上10μm以下の第二のアルミナ粒子:5~15体積%
・50%体積累積粒径D50が0.5μm以上20μm以下の複合体粒子:5~15体積%
(配合例3)
・50%体積累積粒径D50が10~50μmの第一のアルミナ粒子:70~85
・50%体積累積粒径D50が0.5μm以上20μm以下の小粒径複合体粒子:5~15体積%
(配合例4)
・50%体積累積粒径D50が10~50μmの第一のアルミナ粒子:60~80体積%
・50%体積累積粒径D50が0.1μm以上10μm以下の第二のアルミナ粒子:5~20体積%
・50%体積累積粒径D50が0.5μm以上5μm以下の小粒径複合体粒子:5~15体積%
・50%体積累積粒径D50が5μm以上20μm以下の大粒径複合体粒子:5~15体積%
(他の無機フィラー)
本実施形態の樹脂組成物は、上述のアルミナ粒子および複合酸化物粒子に加え、他の無機フィラーを含んでもよい。他の無機フィラーとしては、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶性シリカ、2次凝集シリカ等のシリカ;炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化チタン、炭化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チタンホワイト、タルク、クレー、マイカ、ガラス繊維等が挙げられる。これらのむきフィラーの粒子形状は限りなく真球状であることが好ましく、また、粒子の大きさの異なるものを混合することにより充填量を多くすることができる。
他の無機フィラーを使用する場合、その配合量は、無機フィラー全体に対して、0.5~5体積%の量であることが好ましい。
無機フィラーの含有量は、樹脂組成物全体に対して、例えば、80~95質量%であり、好ましくは、85~95質量%であり、より好ましくは、88~95質量%である。なお、無機フィラーの量は、上述の第一の無機フィラー、第二の無機フィラー、および用いられる場合には上記の他の無機フィラーの合計量を指す。無機フィラーを上記配合量で用いることにより、得られる樹脂組成物は、高い熱伝導性を有するとともに、優れた作業性を有する。
(他の添加剤)
本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて、上述の成分に加えて他の添加剤をさらに含んでもよい。他の添加剤としては、カップリング剤、流動性付与剤、離型剤、イオン捕捉剤、低応力剤、着色剤、難燃剤等が挙げられる。以下、代表成分について説明する。
(カップリング剤)
カップリング剤としては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン;2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン;p-スチリルトリメトキシシランなどのスチリルシラン;3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのメタクリルシラン;3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン;N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン;イソシアヌレートシラン;アルキルシラン;3-ウレイドプロピルトリアルコキシシランなどのウレイドシラン;3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン;3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネートシラン;チタン系化合物;アルミニウムキレート類;アルミニウム/ジルコニウム系化合物などが挙げられる。カップリング剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
(流動性付与剤)
流動性付与剤は、リン原子含有硬化促進剤などの潜伏性を有さない硬化促進剤が樹脂組成物の溶融混練時に反応するのを抑制するように働く。これにより、樹脂組成物の生産性を向上できる。流動性付与剤としては、具体的には、カテコール、ピロガロール、没食子酸、没食子酸エステル、1,2-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン及びこれらの誘導体などの芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物などが挙げられる。
(離型剤)
離型剤としては、具体的には、カルナバワックスなどの天然ワックス;モンタン酸エステルワックス、酸化ポリエチレンワックスなどの合成ワックス;ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸及びその金属塩;パラフィン;エルカ酸アミドなどのカルボン酸アミドなどが挙げられる。離型剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
(イオン捕捉剤)
上記イオン捕捉剤は、具体的には、ハイドロタルサイト、ハイドロタルサイト状物質などのハイドロタルサイト類;マグネシウム、アルミニウム、ビスマス、チタン、ジルコニウムから選ばれる元素の含水酸化物などが挙げられる。イオン捕捉剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
(低応力剤)
低応力剤としては、具体的には、シリコーンオイル、シリコーンゴムなどのシリコーン化合物;ポリブタジエン化合物;アクリロニトリル-カルボキシル基末端ブタジエン共重合化合物などのアクリロニトリル-ブタジエン共重合化合物などを挙げることができる。低応力剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
(着色剤)
着色剤としては、具体的には、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタンなどを挙げることができる。着色剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
(難燃剤)
難燃剤としては、具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ホスファゼン、カーボンブラックなどを挙げることができる。難燃剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
(封止用樹脂組成物の製造)
本実施形態の樹脂組成物は、上記成分および必要に応じて用いられる添加剤を所定の含有量となるように、タンブラーミキサーやヘンシェルミキサー等のミキサーやブレンダー等で均一に混合した後、ニーダー、ロール、ディスパー、アジホモミキサー、及びプラネタリーミキサー等で加熱しながら混練することにより製造できる。なお、混練時の温度としては、硬化反応が生じない温度範囲である必要があり、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂硬化剤の組成にもよるが、70~150℃程度で溶融混練することが好ましい。混練後に冷却固化し、混練物を、粉粒状、顆粒状、タブレット状、またはシート状に加工してもよい。
粉粒状の樹脂組成物を得る方法としては、たとえば、粉砕装置により、混練物を粉砕する方法が挙げられる。混練物をシートに成形したものを粉砕してもよい。粉砕装置としては、たとえば、ハンマーミル、石臼式磨砕機、ロールクラッシャーを用いることができる。
顆粒状または粉末状の樹脂組成物を得る方法としては、たとえば、混練装置の出口に小径を有するダイスを設置して、ダイスから吐出される溶融状態の混練物を、カッター等で所定の長さに切断するというホットカット法に代表される造粒法を用いることもできる。この場合、ホットカット法等の造粒法により顆粒状または粉末状の樹脂組成物を得た後、樹脂組成物の温度があまり下がらないうちに脱気を行うことが好ましい。
上述のようにして製造された本実施形態の樹脂組成物は、その硬化物のレーザーフラッシュ法により測定した場合の熱拡散率が、2.52mm/sec以上であり、好ましくは、2.55mm/sec以上であり、より好ましくは、2.57mm/sec以上である。
また本実施形態の樹脂組成物は、その硬化物のレーザーフラッシュ法により測定した場合の熱伝導率が、8.32W/m・K以上であり、好ましくは、8.42W/m・K以上であり、より好ましくは、8.48W/m・K以上であり、特に好ましくは、8.58W/m・K以上である。
本実施形態の樹脂組成物の溶融粘度は、例えば、1~150Pa・s以上であり、好ましくは、5~100Pa・sである。上記値未満であると、無機フィラーが沈降し、均一な成形体が得られないおそれがある。上記値を超えると、充填性が低下し、ボイドや未充填部分が発生するおそれがある。ここで、溶融粘度は、高化式フローテスターを用いて、スリット径φ0.5mm、測定温度175℃、荷重40kgfで測定した場合の、樹脂組成物の溶融粘度である。
(電子装置)
本実施形態に係る封止用樹脂組成物を封止剤として用いて製造される電子装置の一例について説明する。
図1は本実施形態に係る両面封止型の電子装置100を示す断面図である。
本実施形態の半導体装置100は、電子素子20と、電子素子20に接続されるボンディングワイヤ40と、封止材50と、を備えるものであり、当該封止材50は、前述の樹脂組成物の硬化物により構成される。
より具体的には、電子素子20は、基材30上にダイアタッチ材10を介して固定されており、電子装置100は、電子素子20上に設けられた図示しない電極パッドからボンディングワイヤ40を介して接続されるアウターリード34を有する。ボンディングワイヤ40は用いられる電子素子20等を勘案しながら設定することができるが、たとえばCuワイヤを用いることができる。
図2は、本実施形態の樹脂組成物を用いて、回路基板に搭載した電子素子を封止して得られる片面封止型の電子装置の一例について、断面構造を示した図である。回路基板408上にダイアタッチ材402を介して電子素子401が固定されている。電子素子401の電極パッド407と回路基板408上の電極パッド407との間はボンディングワイヤ404によって接続されている。本実施形態の樹脂組成物の硬化体で構成される封止材406によって、回路基板408の電子素子401が搭載された面が封止されている。回路基板408上の電極パッド407は回路基板408上の非封止面側の半田ボール409と内部で接合されている。
以下に、本実施形態に係る封止用樹脂組成物を用いた半導体装置の製造方法について説明する。
本実施形態に係る半導体装置は、例えば、上述した封止用樹脂組成物の製造方法により、封止用樹脂組成物を得る工程と、基板上に電子素子を搭載する工程と、前記封止用樹脂組成物を用いて、前記電子素子を封止する工程とにより製造される。封止剤を形成するために用いられる手法として、例えば、トランスファー成形法、圧縮成形法、インジェクション成形法等を用いることができる。封止する工程は、樹脂組成物を、80℃から200℃程度の温度で10分から10時間程度の時間をかけて硬化させることにより実施される。
封止される電子素子の種類としては、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子などの半導体素子が挙げられるが、これらに限定されない。得られる電子装置の形態としては、例えば、デュアル・インライン・パッケージ(DIP)、プラスチック・リード付きチップ・キャリヤ(PLCC)、クワッド・フラット・パッケージ(QFP)、ロー・プロファイル・クワッド・フラット・パッケージ(LQFP)、スモール・アウトライン・パッケージ(SOP)、スモール・アウトライン・Jリード・パッケージ(SOJ)、薄型スモール・アウトライン・パッケージ(TSOP)、薄型クワッド・フラット・パッケージ(TQFP)、テープ・キャリア・パッケージ(TCP)、ボール・グリッド・アレイ(BGA)、チップサイズ・パッケージ(CSP)などが挙げられるが、これらに限定されない。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例、比較例で用いた成分を以下に示す。
(エポキシ樹脂)
・エポキシ樹脂1:以下構造式を有するビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学社製、YX4000HK)
Figure 2023033936000006
(フェノール樹脂硬化剤)
・硬化剤1:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、PR-55617)
(アルミナ粒子)
・アルミナ粒子1:球状アルミナ(平均粒子径(D50)42μm)
・アルミナ粒子2:球状アルミナ(平均粒子径(D50)0.6μm)
(複合体粒子)
・複合体粒子1:ダイピロキサイド#7321(大日精化工業社製、酸化アルミニウム90~99%/ホウ酸アルミニウム1~5%/二酸化チタン(ルチル)<1%の構成を有する複合体、平均粒子径(D50)1μm)
・複合体粒子2:ダイピロキサイド#7323(大日精化工業社製、酸化アルミニウム90~99%/ホウ酸アルミニウム1~5%/三酸化タングステン<1%の構成を有する複合体、平均粒子径(D50)3μm)
・複合体粒子3:ダイピロキサイド#7330(大日精化工業社製、酸化アルミニウム90~99%/ホウ酸アルミニウム1~5%/三酸化タングステン<1%の構成を有する複合体、平均粒子径(D50)10μm)
(カップリング剤)
・カップリング剤1:N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、CF-4083)
(硬化促進剤)
・硬化促進剤1:下記式(P1)で表される硬化促進剤(テトラフェニルホスホニウムビス(ナフタレン-2,3-ジオキシ)フェニルシリケート)
Figure 2023033936000007
(ワックス)
・ワックス1:カルナバワックス(東亞合成社製、TOWAX-132)
・ワックス2:エルカ酸アミド(日油株式会社製、アルフローP-10)
(着色剤)
・着色剤1:カーボンブラック(東海カーボン社製、ERS-2001)
(イオン捕捉剤)
・イオン捕捉剤1:マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート(協和化学工業社製、DHT-4H)
(低応力剤)
・低応力剤1:エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング社製、FZ-3730)
(実施例1~8、比較例1)
表1で示す配合の原料をスーパーミキサーにより5分間粉砕混合したのち、この混合原料を直径65mmのシリンダー内径を持つ同方向回転二軸押出機にてスクリュー回転数400rpm、100℃の樹脂温度で溶融混練した。次に、直径20cmの回転子の上方より溶融混練された樹脂組成物を2kg/hrの割合で供給し、回転子を3000rpmで回転させて得られる遠心力によって、115℃に加熱された円筒状外周部の複数の小孔(孔径1.2mm)を通過させた。その後、冷却することで顆粒状の封止用樹脂組成物を得た。得られた顆粒状の封止用樹脂組成物は、15℃で相対湿度を55%RHに調整した空気気流下3時間撹拌した。
(混練性の評価)
混合原料を直径65mmのシリンダー内径を持つ同方向回転二軸押出機にて100℃の樹脂温度で溶融混練した際に、スクリュー回転数200rpmで混練できたものを、混練性「〇」、二軸押出機の回転トルクが上昇し回転数200rpmを維持できなかったものを、「△」として評価した。結果を表1に示す。
上記方法で得られた封止用樹脂組成物を、以下の項目について、以下に示す方法により評価した。
(流動性(スパイラルフロー))
低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製、KTS-15)を用いて、EMMI-1-66に準じたスパイラルフロー測定用金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、樹脂組成物を注入し、流動長を測定した。スパイラルフローは、流動性の指標であり、数値が大きい方が、流動性が良好である。単位はcm。
(高化式粘度)
高化式フローテスター(島津製作所社製、CFT-500C)を用いて、温度175℃、荷重40kgf(ピストン面積1cm)、ダイ穴直径0.50mm、ダイ長さ1.00mmの試験条件で高化式粘度を測定した。なお、高化式粘度の単位は、Pa・sである。
(熱拡散性)
得られた封止用樹脂組成物を180℃、10MPaで40分間熱処理して硬化物を得た。次いで、レーザーフラッシュ法を用いて上硬化物の厚み方向の熱拡散率(m/s)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2023033936000008
実施例の封止用樹脂組成物は、熱伝導性と流動性とを良好なバランスで備えており、封止材として好適に使用できた。
10 ダイアタッチ材
20 電子素子
30 基材
32 ダイパッド
34 アウターリード
40 ボンディングワイヤ
50 封止材
100 電子装置
401 電子素子
402 ダイアタッチ材
404 ボンディングワイヤ
406 封止材
407 電極パッド
408 回路基板
409 半田ボール

Claims (13)

  1. エポキシ樹脂と、
    フェノール樹脂硬化剤と、
    硬化促進剤と、
    第一の無機フィラーと第二の無機フィラーとを含む無機フィラーと、
    を含む封止用樹脂組成物であって、
    前記第一の無機フィラーは、アルミナ粒子であり、
    前記第二の無機フィラーは、酸化アルミニウムとホウ酸アルミニウムとを含む複合体粒子である、
    封止用樹脂組成物。
  2. 前記第二の無機フィラーは、酸化アルミニウムとホウ酸アルミニウムと二酸化チタンから構成される複合体粒子、または酸化アルミニウムとホウ酸アルミニウムと三酸化タングステンから構成される複合体粒子、あるいはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の封止用樹脂組成物。
  3. 前記第二の無機フィラーの50%体積累積粒径D50は、0.5μm以上20μm以下である、請求項1または2に記載の封止用樹脂組成物。
  4. 前記第二の無機フィラーの体積基準の頻度分布を表す粒度分布曲線は、0.5~20μmの間に2つのピークを有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
  5. 前記第二の無機フィラーは、角のない丸みを帯びた形状を有する、請求項1乃至4のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
  6. 前記アルミナ粒子は、球状アルミナを含む、請求項1乃至5のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
  7. 前記アルミナ粒子は、50%体積累積粒径D50が10μm以上50μm以下であるアルミナ粒子を含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
  8. 前記アルミナ粒子は、50%体積累積粒径D50が0.1μm以上10μm未満であるアルミナ粒子をさらに含む、請求項7に記載の封止用樹脂組成物。
  9. 前記無機フィラーは、当該封止用樹脂組成物全体に対して、80質量%以上95質量%以下の量である、請求項1乃至8のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
  10. 高化式フローテスターを用いて、スリット径φ0.5mm、測定温度175℃、荷重40kgfで測定した、当該封止用樹脂組成物の溶融粘度が、1Pa・s以上150Pa・s以下である、請求項1乃至9のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
  11. 前記無機フィラーは、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、タルク、およびマイカから選択される少なくとも1つをさらに含む、請求項1乃至10のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
  12. 低応力剤をさらに含む、請求項1乃至11のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
  13. 半導体素子と、
    前記半導体素子を封止する封止材と、を備える電子装置であって、
    前記封止材は、請求項1乃至12のいずれかに記載の封止用樹脂組成物の硬化物からなる、電子装置。
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