JP2023033620A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】データの送信が正常に行われなくなる事態を生じ難くすることが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】パチンコ遊技機PY1は、遊技球が流下可能な遊技板1Xと、演出データを記憶したCGROM145と、CGROM145を部品面a1に実装する画像制御基板140と、画像制御基板140において高速シリアル通信(シリアルATA)によりCGROM145内の演出データを送信するためのパターンPT1~PT5と、を備える。部品面a1は、画像制御基板140が遊技板1Xと対向して配置されている状態で、当該画像制御基板140のうち遊技者側とは反対側の面である。パターンPT1~PT5の一部(パターンPT2~PT4)は、画像制御基板140のうち部品面a1とは反対側の半田面a6に設けられている。【選択図】図12

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
遊技機の一例としてパチンコ遊技機は、例えば下記特許文献1に記載されているように、遊技制御基板や演出制御基板などの特定基板において、シリアル通信でデータ(信号)を送信可能なシリアルラインが設けられているものが知られている。
特開2006-015036号公報
従来において、シリアルラインが設けられている特定基板(例えば画像制御基板)において、特定IC(例えばVRAM)を当該特定基板の部品面に実装している。そして、シリアルラインを介して、特定ICにシリアル通信でデータを送信している。この従来の特定基板において、シリアルラインが、特定ICと共に部品面に設けられているため、外部からの輻射ノイズが、部品面に設けられたシリアルラインに作用して、データの送信が正常に行われない事態が生じるおそれがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題は、データの送信が正常に行われない事態を生じ難くすることが可能な遊技機を提供することにある。
本発明の遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技板と、
演出データを記憶した記憶手段と、
前記記憶手段を部品面に実装する演出基板と、
前記演出基板においてシリアルATAにより前記記憶手段内の前記演出データを送信するための通信パターンと、を備える遊技機において、
前記部品面は、前記演出基板が前記遊技板と対向して配置されている状態で、当該演出基板のうち遊技者側とは反対側の面であり、
前記通信パターンの一部は、前記演出基板のうち前記部品面とは反対側の反部品面に設けられていることを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機によれば、データの送信が正常に行われない事態を生じ難くすることが可能である。
実施形態に係る遊技機の斜視図である。 同遊技機が備える遊技機枠の構造を示す斜視図である。 実施形態に係る遊技機の正面図である。 同遊技機が備える遊技盤の正面図である。 図4に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 本形態に係る遊技機の裏側を示す斜視図である。 演出制御ユニットの分解斜視図である。 (A)は、後側ユニットケースを後方から見た図であり、(B)は、後側ユニットケースを前方から見た図である。 (A)は、本形態の貫通孔を示す図であり、(B)は、比較例の貫通孔を示す図である。 本形態の画像制御基板の断面図である。 比較例の画像制御基板の断面図である。 (A)は、信号線を表面に実装した場合の水平方向の遠方界測定結果を示すグラフであり、(B)は、信号線を内層した場合の水平方向の遠方界測定結果を示すグラフであり、(C)は、(B)に示す結果から(A)に示す結果を差し引いたグラフである。 (A)は、信号線を表面に実装した場合の垂直方向の遠方界測定結果を示すグラフであり、(B)は、信号線を内層した場合の垂直方向の遠方界測定結果を示すグラフであり、(C)は、(B)に示す結果から(A)に示す結果を差し引いたグラフである。 演出データ基板の断面図である。 変形例の遊技制御基板ケースの斜視図である。 変形例の凹部を示す斜視図である。
1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機PY1について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機PY1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、図2に示すように、パチンコ遊技機PY1の外郭を構成するものであり、外枠22と内枠21と前扉23(前枠)とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、後述の遊技盤1を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部23aが形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部23aに取付けられている。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。
図1~図3に示すように、前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(入力部)40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
遊技機枠2には、図4に示す遊技盤1が取付けられている。図4に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。また遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。なお遊技盤1は、前側に起立した状態で配されていて遊技球が流下可能な遊技板1X(図4参照)と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段,画像表示手段)が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。
演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄EZの変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域6における第1始動口11の下方には、第2始動口12(入球口)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口(特別入賞部)ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態(第1状態)と閉状態(第2状態)とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、センター枠61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、一般入賞口10と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、一般入賞口10、第2始動口12、及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
また図4に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄(識別図柄)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図6及び図7に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6及び図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、払出制御基板170とともにメイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、サブドライブ基板162、演出データ基板130とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ620、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源ユニット190を備えている。電源ユニット190(電力供給部)は、パチンコ遊技機PY1の外部からAC24Vの電源を入力して、AC24Vの電源に基づいてパチンコ遊技機PY1の動作に必要な各種電圧(DC5V,DC12V,DC18V,DC24V,DC37V)の電力(電源)を生成するものである。なおDC5Vの電力は主に、各種の集積回路(IC)の電源として用いられる。またDC12Vの電力は主に、各種のセンサやソレノイドの電源として用いられる。またDC18Vの電力は主に、各種のLEDの電源として用いられる。またDC24Vの電力とDC37Vの電力は主に、演出用のモータ(駆動手段)の電源として用いられる。
電源ユニット190(電力供給部)は、生成した電力を、先ず払出制御基板170に供給する。そして生成した電力を、払出制御基板170を介して遊技制御基板100と演出制御基板120に供給する。更に生成した電力を、払出制御基板170と遊技制御基板100と演出制御基板120を介してその他の機器に対して供給するようになっている。
また電源ユニット190には、電源スイッチ195(電力切替部)が接続されている。電源スイッチ195は、外部から供給されるAC24Vの電源に基づいて電力を供給可能な投入状態(ON状態)、又は電力を供給不能な遮断状態(OFF状態)に切替可能なものである。つまり、電源スイッチ195は、ON操作又はOFF操作により、電源の投入又は電源の遮断を切替えるものであり、電源スイッチ195がON操作されると投入状態になり、電源スイッチ195がOFF操作されると遮断状態になる。
また電源ユニット190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ191(RAMクリア操作手段)が設けられている。RAMクリアスイッチ191は、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM(Random Access Memory)104に記憶されている遊技に係る情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留や大当たりの当否判定の結果などの情報)を消去するためのものである。図8に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源ユニット190上(詳しくは、パチンコ遊技機PY1を裏側から見た場合に電源ユニット190における電源スイッチ195の右方)に設けられている。そのため、遊技機枠2を開放可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。本形態では、RAMクリアスイッチ191が電源ユニット190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ191の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば遊技制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101(主制御手段、遊技制御手段)には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が含まれている。遊技用RAM104(記憶手段)には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106とが設けられている。また遊技制御基板100には、図8に示すように、7セグ表示器300と設定キーシリンダ180とが設けられている。
遊技制御基板100には、図6に示すように、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a、および排出口センサ18aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
排出口センサ18aは、パチンコ遊技機PY1外へ遊技球を排出する排出口(図示省略)内に設けられて、排出口を通過した遊技球を検出するものである。排出口は、内枠21の下端部に設けられていて、遊技領域6に打ち込まれた遊技球は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、アウト口19の何れかに入球した後、最終的に排出口を通過するようになっている。従って、排出口を通過した遊技球を排出口センサ18aで検出することにより、遊技領域6に打ち込まれた全ての遊技球を検出することが可能である。なお、遊技領域6に打ち込まれた全ての遊技球の数を、総発射球数と呼ぶことができる。また総発射球数は、パチンコ遊技機PY1外に排出される全ての遊技球の数と同じであるため、排出球数、総排出球数、アウト球数と呼ぶこともできる。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170(第1制御基板)は、プログラムに従って遊技球の払い出しに係る制御処理を実行可能な払出制御用ワンチップマイコン(以下「払出制御用マイコン」)171を実装している。払出制御用マイコン171(払出制御手段)には、払い出しを制御するためのプログラムを記憶した払出用ROM173、ワークメモリとして使用される払出用RAM174、払出用ROM173に記憶されたプログラムを実行する払出用CPU172、データや信号の入出力を行うための払出用I/Oポート部(入出力回路)178が含まれている。なお、払出用ROM173は外付けであっても良い。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。例えば、遊技球が第1始動口11に入球(入賞)すると、第1始動口センサ11aによる検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。これにより、遊技制御用マイコン101は、遊技球が第1始動口11に入球したことを示す賞球信号を払出制御基板170に出力する。この場合、賞球信号を受信した払出制御用マイコン171は、払出用ROM173に記憶されている賞球数情報に基づいて、発射制御回路175を介して発射ソレノイド72sを駆動して、第1始動口11への入球に基づく賞球(例えば3個)の払い出しを行う。このとき、払い出される遊技球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。また払出制御基板170には、バックアップ電源回路179が設けられている。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部128が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。演出制御基板120は、払出制御基板170を介して電源ユニット190から電力(例えばDC5Vの電力)が供給されるようになっている。
また図7に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されていると共に、サブドライブ基板162(サブドライブ回路)が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121(演出制御手段)は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140に画像表示装置50の表示制御を行わせる。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像データを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示画面50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
また画像制御基板140には、演出データ基板130が接続されている。演出データ基板130は、画像表示装置50に表示される画像データや、スピーカ620から出力する音声等の音声データといった演出データを記憶する演出データROM131を備えている。なお、音声データは、画像制御基板140の画像用ROM142や、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されていても良い。
演出制御基板120には、スピーカ620(音出力手段)が接続されている。演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御回路127を介してスピーカ620から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ620から出力する音声等の音声データは、演出制御用マイコン121の指令に基づいて、演出データ基板130の演出データROM131から読み出されるようになっている。
なお演出制御基板120にスピーカ620の音声制御を行わせたが、画像制御基板140にスピーカ620の音声制御を行わせたり、演出制御基板120及び画像制御基板140とは別に音声制御基板を設けて、この音声制御基板にスピーカ620の音声制御を行わせても良い。この場合、音声制御基板は演出制御基板120に接続されていても良いし、画像制御基板140を介して演出制御基板120に接続されていても良い。また音声制御基板にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。
ここで、演出制御基板120には、回転操作可能なマスタースイッチ126が基板上に設けられている(図8参照)。マスタースイッチ126は、回転操作により「0」~「9」までの10段階にわたって操作位置が変化するものである。このマスタースイッチ126は、パチンコ遊技機PY1の裏側に設けられているため、遊技機枠2(内枠21)を開放させることが可能な遊技場の従業員のみに操作され得るものであって、遊技機枠2を開放させることが不能な遊技者には操作されないものである。本形態のマスタースイッチ126は、「0」~「9」までの操作位置に応じて、上限設定音量及び上限設定光量を決定可能なものである。
また図7に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って、盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や、盤可動体55kの駆動制御を行わせてもよい。さらにこの場合、サブドライブ基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また演出制御基板120には、入力部検知センサ(演出ボタン検知センサ)40aおよびセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。入力部検知センサ40aは、入力部40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。入力部40kが押下操作されると入力部検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検知するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図6及び図7は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図6及び図7に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図6及び図7に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図6及び図7に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
次に、図8に基づいて、基板やユニットの配置について説明する。図8に示すように、電源ユニット190は、内枠21の後方の下側に配置されている。電源ユニット190よりも後方には、払出制御基板170が配置されていて、電源ユニット190と払出制御基板170とは、少なくとも一部が前後方向に重なっている。電源ユニット190と払出制御基板170とは、遊技盤1の後方に設けられている透明の外側カバー25よりも、外側に配置されている。よって、払出制御基板170は、遊技盤1ではなく、遊技機枠2(内枠21)に設けられている「枠側基板」ということができる。払出制御基板170は、払出制御用マイコン171の視認性を妨げない払出制御基板ケース170Aに収容されている。つまり、払出制御基板ケース170Aは、透明の合成樹脂で構成されていて、払出制御用マイコン171は、払出制御基板ケース170Aの外側からでも視認できるようになっている。
一方、遊技制御基板100や、上述した演出制御基板120、サブドライブ基板162、画像制御基板140、演出データ基板130は、遊技盤1の外側カバー25の内部に配置されている。そのため、遊技制御基板100、演出制御基板120、サブドライブ基板162、画像制御基板140、演出データ基板130は、遊技機枠2ではなく、遊技盤1に設けられている「盤側基板」ということができる。遊技制御基板(主制御基板)100は、遊技制御用マイコン101の視認性を妨げない遊技制御基板ケース(主基板ケース)100Aに収容されている。つまり、遊技制御基板ケース100Aは、透明の合成樹脂で構成されていて、遊技制御用マイコン101は、遊技制御基板ケース100Aの外側からでも視認できるようになっている。
ここで本形態では、図8に示すように、演出制御基板120と、サブドライブ基板162と、画像制御基板140と、演出データ基板130とは、演出基板ケース120Aに収容されている。よって、演出基板ケース120Aと、この演出基板ケース120Aに収容されている演出制御基板120とサブドライブ基板162と画像制御基板140と演出データ基板130とで、演出基板ユニット120Bが構成されている。
3.演出基板ユニットの構成
次に、演出基板ユニット120Bの構成について説明する。図9は、図8で示した演出基板ユニット120Bの分解斜視図であり、特に演出基板ケース120Aが分解された状態が示されている。図9に示すように、演出基板ケース120A(特定部品、基板ケース)は、前方側に配置されている前側ユニットケース151と、後方側に配置されている後側ユニットケース152と、に2分割可能である。前側ユニットケース151と後側ユニットケース152とは、透明の合成樹脂で構成されている。そして、前側ユニットケース151と後側ユニットケース152とは、それぞれ略直方体形状になっていて、周壁同士が重なり合うように構成されている。
図9に示すように、後側ユニットケース152では、右下部に第1凹部152aが設けられ、右上部に第2凹部152bが設けられ、下部で左右方向の略中央に第3凹部152cが設けられている。第1凹部152aは、演出制御基板120上に設けられているコネクタ129(図9参照)を、演出基板ケース120A外へ露出するためのものである。第2凹部152bは、画像制御基板140上に設けられているコネクタ147を、演出基板ケース120A外へ露出するためのものである。第3凹部152cは、演出制御基板120上に設けられているマスタースイッチ126を、演出基板ケース120A外へ露出するためのものである。
ここで、図10(A)では、後側ユニットケース152の後壁部152dを後方から見た状態が示され、図10(B)では、後側ユニットケース152の後壁部152dを前方から見た状態が示されている。なお後壁部152dは、後側ユニットケース152のうち起立している壁部のことであり、上下方向且つ左右方向の平面を形成している。図10(A)に示すように、後壁部152dの後方側にある後面152x(特定面)は、平面状になっていて、後面152xの右下部(図10(A)の左下部)に、機種名シール153が貼り付けられていて、後面152xの左下部(図10(A)の右下部)に、音量シール154が貼り付けられている。機種名シール153(特定シール)は、パチンコ遊技機PY1の機種名およびメーカー名等が記載された機種情報のシールである。音量シール154(特定シール)は、マスタースイッチ126の操作位置と設定音量との関係が記載されたシールである。なお、図10(B)に示すように、機種名シール153と音量シール154とは、後側ユニットケース152の前面152yに貼り付けられているわけではない。
ところで、従来においては、演出基板ケース120Aを再利用する(使い回す)ということは想定されていなかった。そこで、資源の有効活用のため、演出基板ケース120Aを再利用することが考えられるが、以下の問題点がある。即ち、演出基板ケース120Aを再利用する場合、新しい機種名シールと音量シールとを張り付けるため、古い機種名シール153と音量シール154とを、後側ユニットケース152の後面152xから剥がす必要がある。しかしながら、機種名シール153と音量シール154は、それぞれの全体が、後側ユニットケース152の後面152xのように、凹凸のない平面に貼り付けられている。そのため、貼り付けられている機種名シール153と音量シール154とを容易に剥がし難いという問題点がある。
そこで本形態では、上記した問題点に対処すべく、図10(A)(B)に示すように、後側ユニットケース152の後壁部152dの右下部(図10(A)の左下部)に貫通孔152eが4つ設けられ、後側ユニットケース152の後壁部152dの左下部(図10(A)の右下部)に貫通孔152fが4つ設けられている。ここで、各貫通孔152e、152fは、後壁部152dの後面152x(特定面)から前面152y(裏側面)まで貫通していて、前後方向に延びる孔である。また各貫通孔152e、152fは、図11(A)に示すように、前後方向から見た場合に、円形状になっている。
図10(A)(B)に示すように、4つの貫通孔152eは、機種名シール153の四隅部に対応して設けられている。そして、機種名シール153は、4つの貫通孔152eの後方側を覆うように、後側ユニットケース152の後壁部152dの後面152xに貼り付けられている。即ち、4つの貫通孔152eの後方側は、機種名シール153によって塞がれている。但し、図10(B)に示すように、4つの貫通孔152eの前方側は、塞がれているわけではない。
また図10(A)(B)に示すように、4つの貫通孔152fは、音量シール154の四隅部に対応して設けられている。そして、音量シール154は、4つの貫通孔152fの後端を覆うように、後側ユニットケース152の後壁部152dの後面152xに貼り付けられている。即ち、4つの貫通孔152fの後端は、音量シール154の四隅部によって塞がれている。但し、図10(B)に示すように、4つの貫通孔152fの前端は、塞がれているわけではない。
こうして本形態では、演出基板ケース120Aを再利用する場合、図9に示すように、先ず、前側ユニットケース151と後側ユニットケース152とに分解する。そして、後側ユニットケース152の後壁部152dの貫通孔152eに対して、前方側から、串のような棒状部材を挿入する。そして、棒状部材によって、機種名シール153が貫通孔152eを塞いでいる部分を前方側から押し出す。
ここで、貫通孔152eは、1つではなく、4つ設けられているため、棒状部材によって、機種名シール153が4つの貫通孔152eを塞いでいる部分を、それぞれ前方側から後方側へ押し出す。これにより、機種名シール153と後側ユニットケース152の後面152xとの粘着力を効果的に弱めることが可能である。特に、4つの貫通孔152eは、上述したように、機種名シール153の四隅部にそれぞれ設けられている。従って、棒状部材によって、機種名シール153の四隅部がそれぞれ後方側に向かって押し出されるため、例えば機種名シール153の中央部だけが後方側に向かって押し出される場合に比べて、機種名シール153の粘着力をより効果的に弱めることが可能である。
こうして、機種名シール153の粘着力を弱めた状態にして、貫通孔152eに挿通した棒状部材を、より一層強く後方側に押し出すことで、機種名シール153を容易に剥がすことが可能である。なお上記では、貫通孔153eに棒状部材を挿通して機種名シール153を剥がす場合を説明したが、貫通孔153fに棒状部材を挿通して音量シール154を剥がす場合も同様であるため、その説明を省略する。
次に、図11(A)に基づいて、貫通孔152e、152fの形状及び大きさの意味について説明する。図11(A)に示すように、貫通孔152e、152fは、円形状になっているため、貫通孔152e、152fに角があるわけではない。そのため、貫通孔152e、152fによる応力集中を小さくすることが可能である。つまり、図11(B)に示す比較例のように、貫通孔152gが矩形状である場合には、貫通孔152gに角がある。そのため、貫通孔152gでは、各角で応力集中が生じ易く、後側ユニットケース152の後壁部152dの強度が低下し易い。こうして、貫通孔152e、152fの形状を円形にすることで、後側ユニットケース152の後壁部152dの強度が大きく低下するのを防ぐことが可能である。
また本形態では、貫通孔152e、152fの直径φを、3mmにしている。これは、以下の理由に基づく。即ち、仮に貫通孔152e、152fの直径φが大き過ぎると、機種名シール153又は音量シール154と、後側ユニットケース152の後面152xとの接触面積が少なくなる。そのため、演出基板ケース120Aの通常使用時において、機種名シール153又は音量シール154と後面152xとの粘着力が必要以上に弱くなってしまい、これらシール153、154が剥がれ易くなってしまう。また貫通孔152e、152fの直径φが大き過ぎると、機種名シール153又は音量シール154が後面152xに貼り付けられている状態で、貫通孔152e、152f周りの凹凸が目立ち易くなり、シールとしての見栄えが悪くなってしまう。そこで、機種名シール153又は音量シール154の粘着力の確保、及びシールが貼り付けられている状態での見栄えという観点から、貫通孔152e、152fの直径φを5mm以下とすることが好ましく、本形態では貫通孔152e、152fの直径φを3mmとしている。
ここで本形態では、演出基板ケース120Aには、演出制御基板120と、画像制御基板140と、サブドライブ基板162と、演出データ基板130とが収容されていて、これら各制御基板には、遊技中の処理に係わる電子部品(特定電子部品)が実行されている。具体的に、遊技中の処理に係わる電子部品とは、演出制御用マイコン121、画像用CPU141、画像用ROM142、画像用RAM143、VDP144、CGROM145、VRAM146、演出データROM131などである。これら遊技中の処理に係わる電子部品と、後側ユニットケース152に設けられている各貫通孔152e、152fとは、前後方向に重ならないように(対向しないように)、配置されている。こうして、各貫通孔152e、152fから遊技中の処理に係わる電子部品までの距離が直線的に近くならないようにしている。その結果、遊技中の処理に係わる電子部品に対して、貫通孔152e、152fを利用した不正行為が行われる可能性を低くすることが可能である。
但し、各貫通孔152e、152fを設ける基板ケースとしては、本形態のように、演出制御基板120、画像制御基板140、サブドライブ基板162、演出データ基板130のような演出基板を収容する基板ケース(演出基板ケース120A)であることが好ましい。即ち、遊技制御基板100、払出制御基板170、電源基板などは、正常に動作するかを確認する試験対象の基板であり、それらを収容する基板ケースに貫通孔があると、試験において不適合と判断されるおそれがある。そのため、本形態のように、演出基板(演出制御基板120、画像制御基板140、サブドライブ基板162、演出データ基板130)を収容する演出基板ケース120Aであれば、貫通孔152e、152fが設けられていても、試験において不適合と判断され難くすることが可能である。
ところで、基板ケースの中に、IC(集積回路)などの電子部品を実装する制御基板が収容されていて、この基板ケースに放熱孔が設けられていることがある。しかしながら、この放熱孔と、上記した貫通孔152e,152fとは、技術的特徴が大きく異なる。即ち、放熱孔は、ICなどによって生じた熱が基板ケースの内部にこもらないように設けられたものであり、シールで塞がれることはない。これに対して、上記した貫通孔152e,152fは、シールを剥がし易くするためのものであり、シールで塞がれることを前提としているからである。
次に、図12に基づいて、画像制御基板140の構造について説明する。図12に示すように、画像制御基板140は、多層基板であり、具体的には、6層のプリント基板である。多層基板は、ウェハース状に絶縁体とパターンとを積み重ねたものであり、外側に位置して外面となる外層と、内側に位置して外面とならない内層と、を有する。なお画像制御基板140は、6層以外の多層基板として構成しても良い。また画像制御基板140は、柔軟性のない絶縁体基材を用いるリジッド基板である。なお画像制御基板140は、絶縁体基材に薄くて柔軟性のある材料を用いるフレキシブル基板として構成したり、硬質な材料と薄くて柔軟性のある材料を用いるリジッドフレキシブル基板として構成しても良い。
画像制御基板140には、図12の上から順番に、部品面(配線層)a1、プレーン層a2、配線層a3、配線層a4、プレーン層a5、半田面(半田層)a6が設けられている。部品面a1は、電子部品が実装される外層である。画像制御基板140は、図8に示すように、遊技盤1の後側で起立するように配置されていて、部品面a1は、画像制御基板140のうち遊技者側とは反対側の面になっている。プレーン層a2とプレーン層a5とは、電源層又はグランド層になる内層である。これらプレーン層a2、a5により、安定した電位/グランドを供給することができ、電源ノイズを低減することが可能である。配線層a3と配線層a4とは、実装された電子部品からのパターンを基板の内部に設けるもの(内層)である。半田面a6は、部品面a1に実装された電子部品を半田によって固定する外層である。上述したように、画像制御基板140は、遊技盤1の後側で起立するように配置されていて、半田面a6は、画像制御基板140のうち遊技者側の面になっている。
図12に示すように、部品面a1には、CGROM145(特定IC)とVRAM146(特定IC)とが実装されている状態が示されている。なお部品面a1では、その他に、VDP145等の集積回路(IC)や、抵抗、コンデンサ、DC-DCコンバータ等の周辺部品も実装されているが、図12では図示が省略されている。CGROM145とVRAM146とは、高速シリアル通信(SATA)できるように接続されていて、CGROM145からVRAM146に画像データや音声データなどの演出データが高速シリアル通信で送信されるようになっている。
ところで、従来の画像制御基板において、高速シリアル通信で演出データを送信するためのパターン(「回路配線」や「信号ライン」ともいう)が、部品面a1にのみ現れている。しかしながら、この場合、以下の問題点があった。
即ち、高速シリアル通信(SATA)のパターンにおいて、高速でデータが送信されることで、基本的にノイズに対する耐性が低い。そして、遊技盤1の裏側に配置されている各種制御基板(図8参照)から、遊技場(ホール)に設置されている遊技球の循環設備、カードユニットにおけるお札の搬送レール、本パチンコ遊技機PY1の奥(後方)に設置されている別のパチンコ遊技機までの距離が比較的近いため、これら遊技球の循環設備、お札の搬送レール、別のパチンコ遊技機がノイズの発生源となる。従って、これらの発生源からの輻射ノイズが、画像制御基板140の部品面a1に設けられているパターンに作用し易い。その結果、演出データ(画像データ、音声データ)が化けてしまい、画像が適切に表示されなかったり、音声が適切に出力されない事態が生じるおそれがあった。
そこで本形態では、上記問題点に対処すべく、図12に示すように、高速シリアル通信で演出データを送信するためのパターンが設けられている。即ち、CGROM145には、部品面a1に設けられているパターンPT1が接続されている。なお、CGROM145が部品面a1に設けられている以上、CGROM145に接続されているパターンの少なくとも一部(パターンPT1)は、部品面a1に必ず現れることになる。そして、パターンPT1は、ビアBA1を介して、半田面a6に設けられているパターンPT2に接続されている。ビアBA1は、画像制御基板140を貫通するように設けられていて、部品面a1のパターンPT1と半田面a6のパターンPT2とを電気的に(高速シリアル通信可能に)接続するものである。
パターンPT2は、半田面a6に設けられているパターンPT3に接続されていて、パターンPT3は、半田面a6に設けられているパターンPT4に接続されている。そして、パターンPT4は、ビアBA2を介して、部品面a1に設けられているパターンPT5に接続されている。ビアBA2は、画像制御基板140を貫通するように設けられていて、半田面a6のパターンPT4と部品面a1のパターンPT5とを電気的に(高速シリアル通信可能に)接続するものである。そして、VRAM146には、部品面a1に設けられているパターンPT5に接続されている。なお、VRAM146が部品面a1に設けられている以上、VRAM146に接続されているパターンの少なくとも一部(パターンPT5)は、部品面a1に必ず現れることになる。
こうして、CGROM145とVRAM146とを接続するパターン(シリアルライン)において、パターンPT2、PT3、PT4は、部品面a1に設けられておらず、半田面a6に設けられている。つまり、従来のように、高速シリアル通信で演出データを送信するためのパターンが、部品面a1にのみ設けられているわけではない。従って、遊技球の循環設備、お札の搬送レール、別のパチンコ遊技機からの輻射ノイズが画像制御基板140に作用しても、CGROM145とVRAM146とを接続するパターンを、部品面a1と半田面a6とに分散させることで、輻射ノイズに対する耐性を強くすることが可能である。その結果、高速シリアル通信で、CGROM145から、パターンPT1、PT2、PT3、PT4、PT5を介して、VRAM146に画像データを送信する際に、輻射ノイズの影響により画像データが化けてしまう事態がほぼ生じないようにすることが可能である。なお、パターンPT1~PT5が、「シリアルライン」に相当する。
特に本形態では、上述したように、画像制御基板140は、遊技盤1の後側にて、起立した遊技板1X(図4参照)と対向するように配置されていて(図8参照)、部品面a1は、画像制御基板140が遊技板1Xと対向している状態で、画像制御基板140のうち遊技者側とは反対側の面になっている。その一方で、半田面a6は、画像制御基板140のうち遊技者側の面になっている。従って、半田面a6に設けられているパターンP2、P3、P4は、部品面a1に設けられているパターンP1、P5よりも、ノイズの発生源である遊技球の循環設備、お札の搬送レール、別のパチンコ遊技機から遠くなる。従って、パターンP2、P3、P4に対する輻射ノイズの影響を小さくすることができて、CGROM145からVRAM146への画像データの送信が正常に行われなくなる事態を生じ難くすることが可能である。
そして本形態では、CGROM145とVRAM146とを接続する全パターンのうち、大部分であるパターンPT2、PT3、PT4(シリアルパターンの一部)が、半田面a6に設けられていて、画像制御基板140のうち遊技者側とは反対側の面(部品面a1)に現れていない。言い換えれば、CGROM145とVRAM146とを接続する全パターンのうち、半分以上のパターン(パターンPT2、PT3、PT4)が、ノイズの発生源からできるだけ離れるように設けられている。これにより、CGROM145とVRAM146とを接続するパターンに対して、輻射ノイズによる悪影響が生じる可能性をできるだけ小さくなるようにしている。
ここで、本形態の画像制御基板140では、図12に示すように、パターンPT2、PT3、PT4を、外層として半田面a6に設けた。これに対して、図13に示す画像制御基板140Aのように、パターンPT6を内層として配線層a3に設けることも考えられる。図13に示す画像制御基板140では、パターンPT6の一端部(図13の右端部)が、ビアBA3を介してパターンPT1に接続されていて、パターンPT6の他端部(図13の左端部)が、ビアBA4を介してパターンPT5に接続されている。以上、本形態の図12に示す画像制御基板140では、図13に示す画像制御基板140Aと異なり、パターンPT2、PT3、PT4を内層しないで、半田面a6で外層としたのは、以下の理由に基づく。
先ず、図14(A)(B)(C)には、基板の水平方向に対する遠方界測定結果が示されている。具体的に、図14(A)には、外層として基板の第1層(表面)に配線(パターン)を設けた場合に、基板の水平方向において、周波数[MHz]と電解強度[dBμV/m]との関係を示すグラフが示されている。なお電解強度は、空間の電波の強さを示すものであり、ノイズの大きさを意味していることになる。図14(B)には、内層として基板の第3層(表面から3番目の層)に配線を設けた場合に、基板の水平方向において、周波数[MHz]と電解強度[dBμV/m]との関係を示すグラフが示されている。そして、図14(C)には、図14(A)に示す結果から図14(B)に示す結果を差し引いたグラフが示されている。
従って、図14(C)を見ることで、基板の水平方向において、周波数に応じて、外層の場合と内層の場合のどちらにおいてノイズ(電解強度)が大きくなるのかが分かる。即ち、電解強度が「0」であるラインよりも上に電解強度のグラフが示されていれば、外層の場合の方が内層の場合よりもノイズが大きいことなり、内層によってノイズが小さくなることを意味する。その反対に、電解強度が「0」であるラインよりも下に電解強度のグラフが示されていれば、外層の場合の方が内層の場合よりもノイズが小さいことなり、内層によってノイズが大きくなることを意味する。従って、図14(C)を見た場合に、基板の水平方向では、約850MHzにおいて、内層によってノイズが大きくなることが分かり、それ以外の周波数において、内層と外層とでノイズの大きさが変わらないことが分かる。
次に、図15(A)(B)(C)には、基板の垂直方向に対する遠方界測定結果が示されている。具体的に、図15(A)には、外層として基板の第1層(表面)に配線(パターン)を設けた場合に、基板の垂直方向において、周波数[MHz]と電解強度[dBμV/m]との関係を示すグラフが示されている。図15(B)には、内層として基板の第3層(表面から3番目の層)に配線を設けた場合に、基板の垂直方向において、周波数[MHz]と電解強度[dBμV/m]との関係を示すグラフが示されている。そして、図15(C)には、図15(A)に示す結果から図15(B)に示す結果を差し引いたグラフが示されている。
従って、図15(C)を見ることで、基板の垂直方向において、周波数に応じて、外層の場合と内層の場合のどちらにおいてノイズ(電解強度)が大きくなるのかが分かる。従って、図15(C)を見た場合に、基板の垂直方向では、約600MHz以下までにおいて、内層によってノイズが小さくなることが分かり、約600MHzを超えると、内層によって却ってノイズが大きくなることが分かる。
以上、図14(C)に示す遠方界測定結果と、図15(C)に示す遠方界測定結果とにより、約600MHz以下までの低周波数領域では、配線(パターン)を内層する場合の方が、配線を外層する場合よりも、ノイズを小さくできることになる。その一方で、約600MHzを超える高周波数領域では、配線を外層する場合の方が、配線を内層する場合よりも、ノイズを小さくできることになる。
よって、本形態の画像制御基板140において、高速シリアル通信(SATA)の通信速度は、約3Gbpsという超高速を想定していて、高速シリアル通信でのパターンは、600MHzを超える高周波数領域での信号線になる。そのため、図12に示すように、パターンPT2、PT3、PT4を外層する場合の方が、図13に示すように、パターンPT6を内層する場合よりも、ノイズを小さくできると考えられる。よって、本形態の画像制御基板140では、図13に示す画像制御基板140Aと異なり、パターンPT2、PT3、PT4を内層しないで、外層として半田面a6に設けるようにしている。
次に、図16に基づいて、演出データ基板130の構造について説明する。演出データ基板130(所定基板)は、上述したように、演出データ(画像データ、音声データ等)を記憶する演出データROM131を実装する制御基板である。なお、図8に示すように、演出データ基板130は、画像制御基板140の左上部140Lの後方にて、前後方向に重なるように配置されている。
図16に示すように、演出データ基板130は、多層基板であり、具体的には、6層のプリント基板である。多層基板は、ウェハース状に絶縁体とパターンとを積み重ねたものであり、外側に位置して外面となる外層と、内側に位置して外面とならない内層と、を有する。なお画像制御基板140は、6層以外の多層基板として構成しても良い。また画像制御基板140は、柔軟性のない絶縁体基材を用いるリジッド基板である。なお画像制御基板140は、絶縁体基材に薄くて柔軟性のある材料を用いるフレキシブル基板として構成したり、硬質な材料と薄くて柔軟性のある材料を用いるリジッドフレキシブル基板として構成しても良い。
演出データ基板130には、図16の上から順番に、後面a11、プレーン層a12、配線層a13、配線層a14、プレーン層a15、前面a16が設けられている。後面a11は、演出データ基板130の後側に設けられている外表面である。演出データ基板130は、図8に示すように、遊技盤1の後側で起立するように配置されていて、後面a11は、演出データ基板130のうち遊技者側とは反対側の面になっている。プレーン層a12とプレーン層a15とは、電源層又はグランド層になる内層である。これらプレーン層a12、a15により、安定した電位/グランドを供給することができ、電源ノイズを低減することが可能である。配線層a13と配線層a14とは、実装している電子部品からのパターンを基板の内部に設けるもの(内層)である。前面a16は、演出データ基板130の前側に設けられている外表面である。上述したように、演出データ基板130は、遊技盤1の後側で起立するように配置されていて、前面a16は、演出データ基板130のうち遊技者側の面になっている。そして前面a16は、後面a11に実装された電子部品を半田によって固定する外層(半田面)でもある。
ところで、従来において、メモリ等の記憶手段を実装するメモリ基板は、上述した演出データ基板130のように、遊技盤1の後側にて、起立した遊技板1Xと対向するように配置されている。そして、メモリ基板の後面に、記憶手段や周辺部品(コンデンサや抵抗等)が実装されると共に、パターン(「回路配線」や「信号ライン」ともいう)が設けられていた。なお後面とは、メモリ基板のうち遊技者側とは反対側の面のことである。しかしながら、この場合、以下の問題点がある。
上述したように、遊技場(ホール)に設置されている遊技球の循環設備、カードユニットにおけるお札の搬送レール、本パチンコ遊技機PY1の奥(後方)に設置されている別のパチンコ遊技機は、ノイズの発生源となる。これらノイズの発生源から生じる輻射ノイズは、メモリ基板の後面が遊技者側とは反対側の面であることから(図8参照)、メモリ基板の後面に作用し易い。即ち、メモリ基板の後面と前面とでは、後面の方が前面よりも、輻射ノイズの影響を受け易いように配置されている。そのため、従来において、輻射ノイズにより、メモリ基板の後面に設けられているパターンにノイズが入り込み、記憶手段へのアクセスが正常に行わず、演出データの読み込みができないおそれがあった。また、メモリ基板の後面に設けられている周辺部品や記憶手段(メモリ)自体にノイズが入り込んで、これらが誤作動するおそれがあった。
そこで本形態では、上記問題点に対処すべく、図16に示すように、演出データ基板130が構成されている。即ち、演出データROM131(所定IC、記憶手段)は、後面a11ではなく、前面a16に実装されている。そして、演出データROM131に接続されるパターンPT11も、後面a11ではなく、前面a16に設けられている。パターンPT11(制御ライン)は、演出データROM131にアクセスするための信号ラインであると共に、演出データROM131から演出データを読み込むための信号ラインである。なお図16では、図示を省略しているが、演出データROM131以外の集積回路(IC)も、前面a16に実装されている。
また本形態では、抵抗RRやコンデンサ等の周辺部品も、後面a11ではなく、前面a16に設けられている。こうして、本形態の演出データ基板130では、演出データROM131など、全ての集積回路(IC)が前面a16に設けられていると共に、抵抗RRやコンデンサ等の全ての周辺部品も前面a16に設けられている。言い換えると、演出データ基板130の後面a11に電子部品が全く設けられておらず、前面a16にのみ各電子部品が設けられている。
以上により、演出データ基板130が遊技板1Xと対向している状態で、演出データ基板130の前面a16に、演出データROM131が設けられていることで、後面a11に演出データROM131が設けられている場合に比べて、輻射ノイズにより演出データROM131にノイズが入り込み難くなる。その結果、演出データROM131が誤作動してしまう事態を生じ難くすることが可能である。また演出データ基板130の前面a16に、演出データROM131に接続されるパターンPT11が設けられていることで、後面a11にパターンPT11が設けられている場合に比べて、輻射ノイズによりパターンPT11にノイズが入り込み難くなる。その結果、演出データROM131へのアクセスや演出データの読み込みが正常にできなくなる事態を生じ難くすることが可能である。
また、演出データ基板130の前面a16に、抵抗RRやコンデンサ等の全ての周辺部品が設けられていることで、後面a11に周辺部品が設けられている場合に比べて、輻射ノイズにより周辺部品にノイズが入り込み難くなる。その結果、周辺部品が誤作動してしまう事態を生じ難くすることが可能である。こうして本形態の演出データ基板130aでは、後面a11に電子部品を全く設けずに、前面16aにのみ各電子部品を設けることで、演出データ基板130a全体として、輻射ノイズに対する耐性を大幅に向上させることが可能である。
ここで本形態の演出データ基板130では、図16に示すように、演出データROM131から延びるパターン(信号ライン)の一部は、パターンPT12として、配線層a14に設けられている。パターンPT12(制御ライン)は、図示しないビアを介してパターンP11に接続されていて、内層されていることになる。こうして、演出データROM131に接続されているパターンの全てを、外層として前面16aに設けずに、演出データROM131から延びるパターンの一部を、内層として配線層a14に設けたのは、以下の理由に基づく。
図14(C)及び図15(C)に示す遠方界測定結果で説明したように、約600MHz以下までの低周波数領域では、パターン(配線)を内層する場合の方がノイズを小さくできる一方、約600MHzを超える高周波数領域では、配線を外層する場合の方がノイズを小さくすることができる。従って、内層又は外層のどちらが好ましいかは、どの周波数領域でのパターン(信号線)であるのかに依存する。
本形態の演出データROM131に接続されているパターンでは、約600MHzを超える高周波数領域ではなく、約600MHz以下までの低周波数領域を想定している。従って、ノイズを抑制するという観点において、外層として前面16aにパターンを設ける場合よりも、内層として配線層a14にパターンを設ける方が好ましい。その一方で、演出データROM131は、前面16aに設けられている以上、演出データROM131に接続されているパターンの少なくとも一部(パターンPT11)は、前面16aに必ず現れることになる。以上により、本形態の演出データROM131に接続されているパターンにおいて、パターンP11を外層として前面16aに設けつつ、パターンP12を内層として配線層a14に設けている。
4.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図12に示すように、画像制御基板140では、VRAM146に高速シリアル通信で演出データを送信可能なパターンPT3が、部品面a1に現れないように設けられている。そのため、本パチンコ遊技機PY1の外部(遊技場(ホール)に設置されている遊技球の循環設備、カードユニットにおけるお札の搬送レール、本パチンコ遊技機PY1の奥(後方)に設置されている別のパチンコ遊技機)からの輻射ノイズにより、演出データの送信が正常に行われなくなる事態を生じ難くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図12に示すように、パターンPT2、PT3、PT4は、画像制御基板140のうち部品面a1とは反対側の半田面a6に設けられている。これにより、VRAM146に演出データを送信可能なパターンが画像制御基板140に内層されている場合に比べて、本パチンコ遊技機PY1の外部からの輻射ノイズの影響を小さくすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図8に示すように、画像制御基板140は、遊技板1X(図4参照)と対向するように配置されている。そして、図12に示すように、画像制御基板140の部品面a1は、画像制御基板140のうち遊技者側とは反対側の面になっているため、画像制御基板140のうち遊技者側の面である半田面a6に比べて、本パチンコ遊技機PY1の外部からの輻射ノイズの影響を受け易い。そこで、パターンPT2、PT3、PT4を部品面a1に現れないように設けることで、本パチンコ遊技機PY1の外部からの輻射ノイズの影響を小さくすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図9に示すように、演出基板ケース120Aの後側ユニットケース152の後壁部152dには、各貫通孔152e,152fが設けられている。そして、図10(A)に示すように、各貫通孔152eを塞ぐように後壁部152dの後面152xに機種名シール153が貼り付けられていて、各貫通孔152fを塞ぐように後壁部152dの後面152xに音量シール154が貼り付けられている。そのため、演出基板ケース120Aを再利用する際に、先ず、串のような棒状部材を、貫通孔152eに対して前方側から挿入する(図9参照)。そして、棒状部材を用いて、機種名シール153のうち貫通孔152eを塞いでいる部分を前方側から後方側へ押し出して、機種名シール153を剥がす。同様に、串のような棒状部材を用いて、音量シール154のうち貫通孔152fを塞いでいる部分を前方側から後方側へ押し出して、音量シール154を剥がす。こうして、貫通孔152e,152fを利用することで、機種名シール153及び音量シール154を剥がし易くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図8に示すように、演出基板ケース120Aは、演出制御基板120と画像制御基板140とサブドライブ基板162と演出データ基板130とを収容する基板ケースである。そのため、上述したように、演出基板ケース120Aに貼り付けられている機種名シール153及び音量シール154を剥がし易くすることが可能である。その結果、今まで廃棄されていた演出基板ケース130Aを、簡易に再利用することが可能である。
また本パチンコ遊技機PY1によれば、演出基板ケース120Aには、演出制御基板120と、画像制御基板140と、サブドライブ基板162と、演出データ基板130と、が収容されている。そして、これら各制御基板には、遊技中の処理に係わる電子部品として、演出制御用マイコン121、画像用CPU141、画像用ROM142、画像用RAM143、VDP144、CGROM145、VRAM146、演出データROM131等が実装されている。そこで本形態では、図9に示すように、演出基板ケース120Aに設けられている各貫通孔152e,152fが、上述した遊技中の処理に係わる電子部品に対向しないように(前後方向に重ならないように)配置されている。そのため、各貫通孔152e,152fから、遊技中の処理に係わる電子部品までの距離が近くなり過ぎず、遊技中の処理に係わる電子部品に対する不正行為を行い難くすることが可能である。
また本パチンコ遊技機PY1によれば、図11(A)に示すように、各貫通孔152e,152fは、円形状であることにより、図11(B)に示すように、例えば各貫通孔152gが矩形状である場合に比べて、後側ユニットケース152の後壁部152dに応力集中が生じ難くなる。これにより、貫通孔152e,152fが設けられている後壁部152dの強度が大きく低下するのを防ぐことが可能である。
ところで、仮に、貫通孔152e,152fの直径φ(図11(A)参照)が5mmを超えると、機種名シール153及び音量シール154の貼り付け部分が少なくなり、機種名シール153及び音量シール154が後面152xから剥がれ易くなる。また、貫通孔152e,152fの直径φ(図11(A)参照)が5mmを超えると、機種名シール153及び音量シール154の凹凸が目立ち易くなり、見栄えが悪くなる。そこで本パチンコ遊技機PY1によれば、各貫通孔152e,152fの直径φ(図11(A)参照)は、5mm以下であって、具体的には3mmである。これにより、機種名シール153及び音量シール154が後面152xから剥がれ難くなると共に、見栄えの悪化を防ぐことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図8に示すように、演出データ基板130が遊技板1X(図4参照)と対向して配置されている状態で、図16に示すように、演出データ基板130に実装されている演出データROM131は、演出データ基板130の遊技者側にある前面a16に設けられている。そのため、演出データROM131が演出データ基板130の反遊技者側にある後面a11に設けられている場合に比べて、外部(遊技場(ホール)に設置されている遊技球の循環設備、カードユニットにおけるお札の搬送レール、本パチンコ遊技機PY1の奥(後方)に設置されている別のパチンコ遊技機)からの輻射ノイズの影響を小さくすることが可能である。その結果、演出データ基板130での誤作動を生じ難くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、演出データ基板130の前面a16には、演出データROM131を含めて各電子部品が設けられている一方、演出データ基板130の後面a11には、抵抗RRやコンデンサ等の周辺部品を含む全ての電子部品が設けられていない。これにより、演出データ基板130に設けられている電子部品のうち、外部からの輻射ノイズの影響を受け易い電子部品をゼロにして、演出データ基板130での誤作動を生じ難くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図16に示すように、演出データROM131に接続されるパターンのうち、パターンPT11は外層として前面a16に設けられていて、パターンP12は内層として配線層a14に設けられている。つまり、演出データROM131に接続されるパターンPT11,P12の何れであっても、演出データ基板130の反遊技者側である後面a11に現れないように設けられている。これにより、演出データROM131に接続されるパターンに対して外部からの輻射ノイズの影響を小さくすることができて、演出データ基板130での誤作動を生じ難くすることが可能である。
5.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、図9に示すように、演出基板ケース120Aの後側ユニットケース152に、機種名シール153及び音量シール154が貼り付けられていると共に、貫通孔152e,152fが設けられていた。これに対して、変形例では、図17に示すように、遊技制御基板ケース100Aの後側基板ケース112に、機種名シール113と外部端子情報シール114と基板管理シール115が貼り付けられていると共に、貫通孔112e,112f,112gが設けられている。
以下では、図17に基づいて、変形例について説明する。図17に示すように、遊技制御基板ケース100A(特定部品、基板ケース)は、遊技制御基板100を収容するケースであり、前側に配置されている前側基板ケース111と、後側に配置されている後側基板ケース112と、に2分割可能に構成されている。後側基板ケース112の後面の左下部には、パチンコ遊技機PY1の機種名およびメーカー名等が記載された機種名シール113(特定シール)が貼り付けられている。
後側基板ケース112の後面の左上部には、パチンコ遊技機PY1の外部端子に関する説明が記載された外部端子情報シール114(特定シール)が貼り付けられている。なお、パチンコ遊技機PY1の外部端子(不図示)とは、パチンコ遊技機PY1からホールコンピュータ等の外部機器に情報を出力するための端子であり、例えば、パチンコ遊技機PY1が払い出した賞球数の情報を示す賞球信号、遊技機枠2が開放されていることを示す枠開放信号、特図1や特図2が停止表示されたことを示す図柄確定信号、大当たり遊技中であることを示す大当たり信号1、大当たり遊技中又は時短状態中であることを示す大当たり信号2、などがある。
また後側基板ケース112の後面の右上部には、遊技制御基板100の管理番号が記載されているとともに、検査等のために遊技制御基板ケース100Aを開封した場合(かしめピンを外して遊技制御基板ケース100Aの封印を解除した場合)の開封者および開封年月日の記入欄が設けられた基板管理シール115(特定シール)が貼り付けられている。
そして本形態では、図17に示すように、後側基板ケース112の後壁部には、機種名シール113の四隅部の位置に対応して、前後方向に貫通する各貫通孔112eが設けられている。各貫通孔112eの後端は、機種名シール113の四隅部によって塞がれている。また後側基板ケース112の後壁部には、外部端子情報シール114の四隅部の位置に対応して、前後方向に貫通する各貫通孔112fが設けられている。各貫通孔112fの後端は、外部端子情報シール114の四隅部によって塞がれている。また後側基板ケース112の後壁部には、基板管理シール115の四隅部の位置に対応して、前後方向に貫通する各貫通孔112gが設けられている。各貫通孔112gの後端は、基板管理シール115の四隅部によって塞がれている。
以上、この変形例によれば、遊技制御基板ケース100Aを再利用する際に、前側基板ケース111と後側基板ケース112とを前後方向に離間させた状態で、先ず、串のような棒状部材を、貫通孔112eに対して前方側から挿入する。そして、棒状部材を用いて、機種名シール113のうち貫通孔112eを塞いでいる部分を前方側から後方側へ押し出して、機種名シール113を剥がす。同様に、串のような棒状部材を用いて、外部端子情報シール114のうち貫通孔112fを塞いでいる部分を前方側から後方側へ押し出して、外部端子情報シール114を剥がす。同様に、串のような棒状部材を用いて、基板管理シール115のうち貫通孔112gを塞いでいる部分を前方側から後方側へ押し出して、基板管理シール115を剥がす。こうして、貫通孔112e,112f,112gを利用することで、機種名シール113、外部端子情報シール114、及び基板管理シール115を剥がし易くすることが可能である。
上記形態では、図9に示すように、後側ユニットケース152には、当該後側ユニットケース152の後壁部152dを前後方向に貫通する貫通孔152e,152fが設けられていた。これに対して、変形例では、図18に示すように、後側ユニットケース152の後壁部152dには、当該後側ユニットケース152を前後方向に貫通しない凹部152hが設けられている。
以下では、図18に基づいて、変形例について説明する。図18に示すように、凹部152h(特定穴)は、後側ユニットケース152の後面152xにおいて、機種名シール153の四隅部に対応して設けられている。各凹部152hは、円形状であり、水平方向の断面も円形状になるように形成されている。つまり、各凹部152hは、前方に向かって凸状であるドーム形状に形成されている。なお、各凹部152hの直径は、3mmに設定されている。この変形例では、各凹部152hの後端の全体が、機種名シール153の四隅部によって塞がれておらず、各凹部152hの後端の半分(一部)が、機種名シール153の四隅部によって塞がれている。
以上、この変形例によれば、演出基板ケース120A(後側ユニットケース152)を再利用する際に、串のような棒状部材を、凹部152hに対して後方側から挿入する。そして、棒状部材を用いて、機種名シール113のうち凹部152hを塞いでいる部分(半分)を前方側から後方側へ、引っ掛けるように押し出す。これにより、機種名シール153を剥がし易くすることが可能である。またこの変形例では、各凹部152hの後端の半分(一部)だけが、機種名シール153の四隅によって塞がれているため、上述したように、後側ユニットケース152の後方側からの操作で、機種名シール153を剥がすことができる。よって、演出基板ケース120Aを、前側ユニットケース151と後側ユニットケース152とに分解しないでも、機種名シール153を剥がすことが可能である。なお、本明細書において、「孔」とは、貫通している部分を意味していて、「穴」とは、貫通していない部分も含まれることとする。
上記形態では、図9に示すように、演出基板ケース120A(特定部品、基板ケース)の後側ユニットケース152に、機種名シール153(特定シール)と音量シール154(特定シール)とが貼り付けられると共に、各貫通孔152e,152f(特定穴)が設けられていた(図9参照)。また図17に示すように、遊技制御基板ケース100A(特定部品、基板ケース)の後側基板ケース112に、機種名シール113(特定シール)、外部端子情報シール114(特定シール)、基板管理シール115(特定シール)が貼り付けられると共に、各貫通孔112e,112f,112gが設けられていた。
しかしながら、特定シールが貼り付けられると共に、特定穴が設けられる特定部品は、後側ユニットケース152(後側基板ケース112)や遊技制御基板ケース100A(後側基板ケース112)に限られず、再利用可能なものであれば、適宜変更可能である。従って、特定部品は、例えば、演出基板ケース120Aの前側ユニットケース151や、遊技制御基板ケース100Aの前側基板ケース111であっても良い。また例えば、払出制御基板ケース170Aや電源基板を収容するケースであっても良い。また基板ケースではなく、外側カバー25、演出可動体(盤可動体55kや枠可動体)、操作手段(入力部40k)、装飾部材(ロゴ部材など)、ランプ部材などの演出部材であっても良い。
上記形態では、演出基板ケース120Aが、演出制御基板120と、画像制御基板140と、サブドライブ基板162と、演出データ基板130と、を収容するケースであった。しかしながら、演出制御基板120を収容する演出制御基板ケース、画像制御基板140を収容する画像制御基板ケース、サブドライブ基板162を収容するサブドライブ基板ケース、演出データ基板130を収容する演出データ基板ケースをそれぞれ個別に設けて、これら演出制御基板ケース、画像制御基板ケース、サブドライブ基板ケース、演出データ基板ケースに、特定シールを貼り付けると共に、特定シールによって塞がれる特定穴(貫通孔)を設けるようにしても良い。
また特定シールは、機種名シール113,153、音量シール154、外部端子情報シール114、基板管理シール115に限られるものではなく、例えば、遊技制御基板ケース100Aを開封してはいけない旨を示す「開封禁止」の文字が記載された封印シールや、演出可動体や装飾部材(ロゴ部材など)に貼り付けられている演出用シールであっても良い。
上記形態では、図9に示すように、後側ユニットケース152の後面152x(特定面、図10(A)参照)に、貫通孔152e,152f(特定穴)を塞ぐ機種名シール153(特定シール)が貼り付けられていた。しかしながら、特定シールが貼り付けられる特定面は、後面152xに限られず、前面152y(図10(B)参照)、左側面、右側面、上面、下面であっても良く、適宜変更可能である。
上記形態では、図11(A)に示すように、貫通孔152e,152f(特定穴)の形状は、円形状であり、図18に示すように、凹部152h(特定穴)の形状は、円形状であった。しかしながら、特定穴の形状は、円形状に限られるものではなく、図11(B)に示すように、矩形状(正方形を含む)であったり、楕円形状や三角形状であっても良く、適宜変更可能である。
上記形態では、貫通孔152e,152fの直径φ(図11参照)は、3mmであり、凹部152h(図18参照)の直径も、3mmであった。しかしながら、貫通孔や凹部といった特定穴の直径は、3mmに限られるものではなく、例えば10mmであっても良く、適宜変更可能である。但し、上述したように、特定シールの剥がれ難さの観点と、特定シールの見栄えの観点により、直径は5mm以下であることが好ましい。
上記形態では、機種名シール153(特定シール)に塞がれる貫通孔152e(特定穴)の数は、4個であり(図9参照)、機種名シール153(特定シール)に一部が塞がれる凹部152hの数は、4個(図18参照)であった。しかしながら、特定シールに塞がれる特定穴の数は、4個に限られるものではなく、1個、2個、3個、或いは5個以上であっても良く、適宜変更可能である。但し、特定シールに塞がれる特定穴の数は、多くなるほど、特定シールを剥がれ易くなるというメリットがあるものの、特定穴が設けられている壁部の強度が低下し易くなると共に、特定シールの見栄えが悪くなるというデメリットがある。従って、特定シールの剥がれ易さよりも、特定穴が設けられている壁部の強度低下を抑えること、及び特定シールの見栄えを優先する場合には、1つの特定シールに塞がれる特定穴の数は1個であることが好ましい。
上記形態では、図12に示すように、画像制御基板140において、VRAM146(特定IC)に接続されていて高速シリアル通信で演出データを送信可能なパターンPT2、PT3、PT4(シリアルラインの一部)が、半田面a6に設けられた。しかしながら、パターンPT2、PT3、PT4は、半田面a6に必ず設ける必要はなく、例えば、図13に示すように、内層として配線層a3に設けても良い。また、プレーン層a2,a5や、配線層a4に設けても良い。
上記形態では、図12に示すように、CGROM145とVRAM146(特定IC)に接続されているパターンのうち、パターンPT2、PT3、PT4(シリアルラインの一部)を、部品面a1に現れないようにした。しかしながら、部品面a1に現れないシリアルラインに接続される特定ICは、CGROM145とVRAM146に限られるものではなく、高速シリアル通信可能なICであれば、適宜変更可能である。例えば、VDP144や画像用RAM143であっても良い。また、特定ICは、高速シリアル通信で演出データが送信される側のIC(集積回路)に限られず、高速シリアル通信で演出データを送信する側のICであっても良い。
上記形態では、シリアルラインの一部が部品面に現れない特定基板は、画像制御基板140であった。しかしながら、特定基板は、画像制御基板140に限られるものではなく、高速シリアル通信(SATA)可能な制御基板であれば、適宜変更可能である。例えば、特定基板は、演出制御基板120、演出データ基板130、遊技制御基板100、払出制御基板170、音声制御基板などであっても良い。
上記形態では、パターンPT2、PT3、PT4が部品面a1に現れない画像制御基板140(特定基板)は、図8に示すように、起立するように配置されていて、部品面a1は、画像制御基板140のうち遊技者側とは反対側の面であった。しかしながら、特定基板の配置は、上記したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、特定基板は、起立しておらず、水平方向に延びるように配置されていても良い。この場合において、シリアルラインの一部は、特定基板の部品面とは反対側の面に設けられていて、特に、ノイズの発生源となる外部(遊技場(ホール)に設置されている遊技球の循環設備、カードユニットにおけるお札の搬送レール、本パチンコ遊技機PY1の奥(後方)に設置されている別のパチンコ遊技機)から遠ざかる方の面(上側水平面又は下側水平面)に配置されていると良い。
上記形態では、図16に示すように、演出データ基板130(所定基板)において、演出データROM131(所定IC)が、遊技者側の前面a16(遊技者側面)に設けられていた。しかしながら、所定ICが遊技者側面に設けられる所定基板は、演出データ基板130に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、所定基板は、演出制御基板120、画像制御基板140、サブドライブ基板162、遊技制御基板100、払出制御基板170、電源基板、音声制御基板などであっても良い。よって、例えば、所定基板を演出制御基板120とした場合、特定ICを演出制御用マイコン121(演出用CPU122、演出用ROM123、演出用RAM124の何れか)としても良い。また例えば、所定基板を画像制御基板140とした場合、画像用CPU141、画像用ROM142、画像用RAM143、VDP144、CGROM145、VRAM146の何れかとしても良い。また例えば、所定基板を遊技制御基板100とした場合、特定ICを遊技制御用マイコン101(遊技用CPU102、遊技用ROM103、遊技用RAM104の何れか)としても良い。
上記形態では、図16に示すように、演出データ基板130の前面a16(遊技者側面)には、演出データROM131を含めて各電子部品が設けられている一方、演出データ基板130の後面a11(反遊技者側面)には、抵抗RRやコンデンサ等の周辺部品を含む全ての電子部品が設けられていない。しかしながら、演出データ基板130の後面a11(反遊技者側面)に、電子部品が設けられているようにしても良い。但し、演出データ基板130の前面a16に設けられている電子部品の数は、演出データ基板130の後面a11に設けられている電子部品の数よりも多いようにすると良い。演出データ基板130(所定基板)に設けられている電子部品のうち、外部からの輻射ノイズの影響を受け易い電子部品の数を大幅に減らすことができて、演出データ基板130での誤作動を生じ難くすることができるからである。
上記形態では、図16に示すように、演出データ基板130(所定基板)において、演出データROM131(所定IC)に接続されるパターン(制御ライン)のうち、パターンPT11は外層として前面a16(遊技者側面)に設けられていて、パターンP12は内層として配線層a14に設けられていた。しかしながら、演出データROM131(所定IC)に接続されるパターン(制御ライン)の全て、即ち、パターンPT11及びパターンP12の両方とも、外層として前面a16(遊技者側面)に設けるようにしても良い。
また上記各形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機において、上記した各発明を適用した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)において、上記した各発明を適用しても良い。
スロットマシンのタイプは、どのようなタイプであってもよい。ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機(Aタイプのスロットマシン)であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
6.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
特定IC(CGROM145、VRAM146)を部品面(部品面a1)に実装する特定基板(画像制御基板140)と、
前記特定ICに接続されていてシリアル通信でデータ(演出データ)を送信可能なシリアルライン(パターンPT1~PT5)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記特定基板では、前記シリアルラインの一部(パターンPT2、PT3、PT4)が、前記部品面に現れないように設けられている(図12参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特定基板では、特定ICに接続されていてシリアル通信でデータを送信可能なシリアルラインの一部が、部品面に現れないように設けられている。そのため、外部からの輻射ノイズにより、データの送信が正常に行われなくなる事態を生じ難くすることが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記シリアルラインの一部(パターンPT2、PT3、PT4)は、前記特定基板のうち前記部品面とは反対側の反部品面(半田面a6)に設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、シリアルラインの一部は、特定基板の反部品面に設けられている。これにより、シリアルラインの一部が特定基板に内層されている場合に比べて、外部からの輻射ノイズの影響を小さくすることが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
遊技球が流下可能な遊技板(1X)を備え、
前記部品面(部品面a1)は、前記特定基板が前記遊技板と対向して配置されている状態で(図8参照)、当該特定基板のうち遊技者側とは反対側の面である(図12参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定基板の部品面は、遊技者側とは反対側の面になっていて、外部から輻射ノイズの影響を受け易い。しかしながら、シリアルラインの一部が部品面に現れないように設けられていることで、外部からの輻射ノイズの影響を小さくすることが可能である。
ところで、特開2006-015036号公報に記載の遊技機では、遊技制御基板や演出制御基板などの特定基板において、シリアル通信で信号(データ)を送信可能なシリアルラインが設けられている。このシリアルラインが設けられている特定基板(例えば画像制御基板)において、特定IC(例えばVRAM)を当該特定基板の部品面に実装している。そして、シリアルラインを介して、特定ICにシリアル通信でデータを送信している。この従来の特定基板において、シリアルラインが、特定ICと共に部品面に設けられているため、外部からの輻射ノイズが、部品面に設けられたシリアルラインに作用して、データの送信が正常に行われない事態が生じるおそれがあった。そこで手段A1~A3に係る発明は、特開2006-015036号公報に記載の遊技機に対して、特定基板では、シリアルラインの一部が、部品面に現れないように設けられている点で相違している。これにより、データの送信が正常に行われない事態を生じ難くすることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
特定シール(機種名シール153、音量シール154)が貼り付けられている特定部品(演出基板ケース120A)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記特定部品のうち前記特定シールが貼り付けられている特定面(後面152x))には、特定穴(貫通孔152e,152f)が設けられていて、
前記特定シールは、前記特定穴の少なくとも一部を塞ぐように前記特定面に貼り付けられている(図10(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定部品の特定面には特定穴が設けられていて、その特定穴を塞ぐように特定面に特定シールが貼り付けられている。そのため、特定部品を再利用する際に、特定シールのうち特定穴を塞いでいる部分から、道具等を用いて特定シールを剥がす。こうして、特定穴を利用することで、特定シールを剥がし易くすることが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記特定穴は、前記特定部品のうち前記特定面(後面152x)から前記特定面の裏側の裏側面(前面152y)まで貫通する貫通孔である(図10(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定部品を再利用する際に、貫通孔に対して、道具を裏側面の方から挿入する。そして、貫通孔の内部から、特定シールのうち特定穴を塞いでいる部分を押し出す。これにより、特定シールを剥がし易くすることが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B1又は手段B2に記載の遊技機において、
前記特定部品は、基板(演出制御基板120、画像制御基板140、サブドライブ基板162、演出データ基板130)を収容する基板ケース(演出基板ケース120A)である(図8参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、基板ケースに貼り付けられている特定シールを剥がし易くすることが可能である。その結果、今まで廃棄されていた基板ケースを、簡易に再利用することが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記特定部品は、基板(演出制御基板120、画像制御基板140、サブドライブ基板162、演出データ基板130)を収容する基板ケース(演出基板ケース120A)であり、
前記基板(演出制御基板120、画像制御基板140、サブドライブ基板162、演出データ基板130)には、遊技中の処理に係わる特定電子部品(演出制御用マイコン121、画像用CPU141、画像用ROM142、画像用RAM143、VDP144、CGROM145、VRAM146、演出データROM131)を実装していて、
前記貫通孔は、前記特定電子部品に対向しないように配置されている(図9参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、基板ケースに設けられている貫通孔は、基板に実装されている特定電子部品に対向しないように配置されている。こうして、貫通孔から特定電子部品までの距離が近くなり過ぎないようにすることで、特定電子部品に対する不正行為を行い難くすることが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B1乃至手段B4の何れかに記載の遊技機において、
前記特定穴は、円形状である(図11(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定穴が円形状であることにより、特定穴が例えば矩形状である場合に比べて、特定穴に応力集中が生じ難くなる。これにより、特定部品のうち特定穴が設けられている壁部の強度が大きく低下するのを防ぐことが可能である。
手段B6に係る発明は、
手段B5に記載の遊技機において、
前記特定穴の直径(φ)は、5mm以下であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、仮に特定穴の直径が5mmを超えると、特定シールの貼り付け部分が少なくなり、特定シールが剥がれ易くなる。また特定シールが貼り付けられている状態で、特定シールの凹凸が目立ち易くなり、見栄えが悪くなる。そこで、特定穴の直径を5mm以下にすることで、特定シールが剥がれ難くなると共に、見栄えの悪化を防ぐことが可能である。
ところで、特開2006-212273号公報に記載の遊技機では、特定部品(例えば基板ケース)に、特定シール(検査情報が記入されるシール)が貼り付けられている。ここで、従来において、特定シールが貼り付けられている特定部品を再利用する(使い回す)ことは想定されていなかった。そこで、資源の有効利用を図るため、特定部品を再利用することが考えられるが、以下の問題点がある。即ち、特定部品を再利用する場合、新しい特定シールを張り付けるため、古い特定シールを剥がす必要がある。しかしながら、特定シールは、特定部品の特定面において凹凸のない平面に貼り付けられているため、特定シールを特定部品から容易に剥がし難いという問題点があった。そこで手段B1~B6に係る発明は、特開2006-212273号公報に記載の遊技機に対して、特定部品のうち特定シールが貼り付けられている特定面には、特定穴が設けられていて、特定シールは、特定穴の少なくとも一部を塞ぐように前記特定面に貼り付けられている点で相違している。これにより、特定シールを剥がし易くすることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技板(1X)と、
前記遊技板と対向して配置されている所定基板(演出データ基板130、図8参照)と、
前記所定基板に実装されている所定IC(演出データROM131)と、を備えた遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記所定基板が前記遊技板と対向して配置されている状態で、当該所定基板に実装されている前記所定ICは、当該所定基板のうち遊技者側の遊技者側面(前面a16)に設けられている(図16参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、所定基板が遊技板と対向して配置されている状態で、その所定基板に実装されている所定ICは、所定基板の遊技者側面に設けられている。そのため、所定ICが所定基板のうち遊技者側とは反対側の反遊技者側面に設けられている場合に比べて、所定ICに対する外部からの輻射ノイズの影響を小さくすることが可能である。その結果、所定基板での誤作動を生じ難くすることが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記所定基板が前記遊技板と対向して配置されている状態で、当該所定基板のうち遊技者側の遊技者側面(前面a16)に設けられている電子部品(ICや周辺部品などの全ての電子部品)の数は、当該所定基板のうち遊技者側とは反対側の反遊技者側面(後面a11)に設けられている電子部品の数よりも、多いことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、所定基板が遊技板と対向して配置されている状態で、所定基板の遊技者側面に設けられている電子部品の数は、所定基板の反遊技者側面に設けられている電子部品の数よりも多い。これにより、所定基板に設けられている電子部品のうち、外部からの輻射ノイズの影響を受け易い電子部品の数を大幅に減らすことができて、所定基板での誤作動を生じ難くすることが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C1又は手段C2に記載の遊技機において、
前記所定基板が前記遊技板と対向して配置されている状態で、当該所定基板のうち遊技者側の遊技者側面(前面a16)には電子部品(ICや周辺部品などの全ての電子部品)が設けられている一方、前記所定基板のうち遊技者側とは反対側の反遊技者側面(後面a11)には電子部品が設けられていない(図16参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、所定基板が遊技板と対向して配置されている状態で、所定基板の遊技者側面にのみ電子部品が設けられている。これにより、所定基板に設けられている電子部品のうち、外部からの輻射ノイズの影響を受け易い電子部品をゼロにして、所定基板での誤作動を生じ難くすることが可能である。
手段C4に係る発明は、
手段C1乃至手段C3の何れかに記載の遊技機において、
前記所定ICに接続される制御ライン(パターンP11、PT12)は、前記所定基板が前記遊技板と対向して配置されている状態で、当該所定基板のうち遊技者側とは反対側の反遊技者側面(後面a11)に現れないように設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、所定ICだけでなく、所定ICに接続される制御ラインも、所定基板の反遊技者側面に現れないように設けられている。これにより、制御ラインに対する外部からの輻射ノイズの影響を小さくすることができて、特定基板での誤作動を生じ難くすることが可能である。
ところで、特開2016-221291号公報に記載の遊技機では、遊技盤の裏側にて、所定基板(例えば演出制御基板)が遊技板と対向して配置されていて、所定基板には、所定IC(例えば演出制御手段)が実装されている。この所定基板では、遊技者側の面である遊技者側面と、遊技者側面とは反対側の反遊技者側面と、があり、所定ICは、反遊技者側面に設けられている。しかしながら、所定基板が遊技板と対向して配置されている状態で、所定基板の反遊技者側面は、所定基板の遊技者側面に比べて、遊技機の外部(遊技球の循環設備、お札の搬送レール、奥に設置されている別の遊技機など)からの輻射ノイズの影響を受け易い。そのため、所定基板において、反遊技者側面に設けられている所定ICは、遊技機の外部からの輻射ノイズの影響により誤作動が生じるおそれがあった。そこで手段C1~C4に係る発明は、特開2016-221291号公報に記載の遊技機に対して、所定ICは、所定基板のうち遊技者側の遊技者側面に設けられている点で相違している。これにより、所定基板での誤作動を生じ難くすることが可能な遊技機を提供する(作用効果を奏する)ことが可能である。
PY1…パチンコ遊技機
120…演出制御基板
120A…演出基板ケース
120B…演出基板ユニット
121…演出制御用マイコン
130…演出データ基板
131…演出データROM
140…画像制御基板
145…CGROM
146…VRAM
151…前側ユニットケース
152…後側ユニットケース
152e,152f…貫通孔
152h…凹部
152x…後面
152y…前面
153…機種名シール
154…音量シール
PT1~PT5…パターン
a1…部品面
a6…半田面
a11…前面
a16…後面

Claims (2)

  1. 遊技球が流下可能な遊技板と、
    演出データを記憶した記憶手段と、
    前記記憶手段を部品面に実装する演出基板と、
    前記演出基板においてシリアルATAにより前記記憶手段内の前記演出データを送信するための通信パターンと、を備える遊技機において、
    前記部品面は、前記演出基板が前記遊技板と対向して配置されている状態で、当該演出基板のうち遊技者側とは反対側の面であり、
    前記通信パターンの一部は、前記演出基板のうち前記部品面とは反対側の反部品面に設けられていることを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記演出基板に設けられている前記通信パターンのうち半分以上は、前記演出基板の前記反部品面に設けられていることを特徴とする遊技機。




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