JP2023032738A - 銀焼結接合のためのめっき方法、銀焼結接合のためのめっき皮膜、パワーモジュール用基板及び半導体装置 - Google Patents

銀焼結接合のためのめっき方法、銀焼結接合のためのめっき皮膜、パワーモジュール用基板及び半導体装置 Download PDF

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幸典 小田
Yukinori Oda
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Abstract

【課題】良好な初期接合強度、耐熱性を有し、基板など接合を行う部材の反りやクラックを抑制できる、銀焼結接合のためのめっき方法、銀焼結接合のためのめっき皮膜、該めっき皮膜を備えたパワーモジュール用基板及び該パワーモジュール用基板を備えた半導体装置を提供する。【解決手段】被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成するバリア層形成工程と、被めっき面の最表層に、銀めっき皮膜を形成する最表層形成工程とを含む銀焼結接合のためのめっき方法。【選択図】図1

Description

本発明は、銀焼結接合のためのめっき方法、銀焼結接合のためのめっき皮膜、パワーモジュール用基板、及び半導体装置に関する。
パワー半導体として従来からSi(シリコン)半導体が使用されている。そして、近年、Si半導体に比べてより高温での動作が可能なSiC(シリコンカーバイド)半導体やGaN(ガリウムナイトライド)半導体の使用が進んできている。そのため、半導体の動作温度は200℃以上に高温化する見込みで、半導体素子を基板に接合するダイボンド部の耐熱性も必要となりつつある。そこで注目されている接合技術の一つに銀焼結接合がある。一方、銀焼結接合を行うためには、基板など接合を行う部材の表面処理が必要となり、その表面処理により形成される皮膜にも同様に耐熱性が必要となってくる。
例えば、特許文献1には、下地層であるニッケルめっき皮膜と、ニッケルめっき皮膜の上に形成された特定の合金めっき皮膜とからなる皮膜により、半導体素子と支持体との接合部であるダイアタッチ部における耐熱信頼性が向上することが開示されている。
特開2018-46276号公報
基板には、基材上に銅やアルミニウムにより形成された回路が設けられている。そして、回路への半導体素子の接合に、銀焼結接合を用いる場合、良好な接合強度を確保するために、銀焼結層と接することとなる回路の最表層に、銀めっき皮膜が用いられることがある。銀めっき皮膜により良好な初期接合強度が得られるものの、銀めっき皮膜は酸素を通しやすく、特に高温条件下では、銅やアルミニウムのような下地金属の酸化を招き、接合強度を低下させるおそれがあり、耐熱性に劣る傾向がある。この問題を解決するためには、下地金属の酸化バリア層を更に設ける必要がある。
本発明者らが鋭意検討した結果、従来の技術では、下地金属の酸化を防ぐために、3μm以上の厚いニッケルめっき皮膜がバリア層として用いられているが、銀めっき皮膜と共に3μm以上の厚いニッケルめっき皮膜を用いると、この厚いニッケルめっき皮膜に起因して、基板など接合を行う部材の反りやクラックが問題となることが判明した。
本発明は、本発明者らが新たに見出した前記課題を解決し、良好な初期接合強度、耐熱性を有し、基板など接合を行う部材の反りやクラックを抑制できる、銀焼結接合のためのめっき方法、銀焼結接合のためのめっき皮膜、該めっき皮膜を備えたパワーモジュール用基板及び該パワーモジュール用基板を備えた半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、コバルトめっき皮膜、白金めっき皮膜が、薄くても(例えば、膜厚が1.0μm以下であっても)酸素に対するバリア層として機能し、良好な耐熱性が得られると共に、基板など接合を行う部材における反りやクラックの発生も抑制することが可能であること、更に、その上側の最表層に銀めっき皮膜を設けることにより、銀焼結材料との初期接合強度も十分に得られ、良好な初期接合強度、耐熱性を有し、基板など接合を行う部材の反りやクラックを抑制できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成するバリア層形成工程と、被めっき面の最表層に、銀めっき皮膜を形成する最表層形成工程とを含む銀焼結接合のためのめっき方法に関する。
前記コバルトめっき皮膜又は前記白金めっき皮膜の膜厚が1.0μm以下であることが好ましい。
前記バリア層形成工程が、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜を形成する工程であり、前記コバルトめっき皮膜の上側に、ニッケルめっき皮膜及び/又は白金めっき皮膜を形成する中間層形成工程を更に含むことが好ましい。
前記バリア層形成工程が、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜を形成する工程であり、前記コバルトめっき皮膜の上側に、白金めっき皮膜を形成する中間層形成工程を更に含むことが好ましい。
前記バリア層形成工程が、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜を形成する工程であり、前記コバルトめっき皮膜が周期表第5族及び/又は第6族遷移金属元素を含有することが好ましい。
前記コバルトめっき皮膜中の周期表第5族及び/又は第6族遷移金属元素の含有率が3~70質量%であることが好ましい。
前記銀焼結接合のためのめっき方法において、めっき皮膜の総膜厚が15μm以下であることが好ましい。
本発明はまた、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と、最表層に、銀めっき皮膜とを有する銀焼結接合のためのめっき皮膜(めっき皮膜積層体)に関する。
前記コバルトめっき皮膜又は前記白金めっき皮膜の膜厚が1.0μm以下であることが好ましい。
前記コバルトめっき皮膜を有し、前記コバルトめっき皮膜の上側に、ニッケルめっき皮膜及び/又は白金めっき皮膜を有することが好ましい。
前記コバルトめっき皮膜を有し、前記コバルトめっき皮膜の上側に、白金めっき皮膜を有することが好ましい。
前記コバルトめっき皮膜を有し、前記コバルトめっき皮膜が周期表第5族及び/又は第6族遷移金属元素を含有することが好ましい。
前記コバルトめっき皮膜中の周期表第5族及び/又は第6族遷移金属元素の含有率が3~70質量%であることが好ましい。
前記めっき皮膜において、総膜厚が15μm以下であることが好ましい。
本発明はまた、基材と、前記基材上に形成された回路と、前記回路表面に形成された前記めっき皮膜とを備えたパワーモジュール用基板に関する。
前記回路が銅及び/又はアルミニウムからなる回路であることが好ましい。
前記めっき皮膜の表面が、銀焼結接合面であることが好ましい。
本発明はまた、前記パワーモジュール用基板と、半導体素子を備え、前記パワーモジュール用基板の前記めっき皮膜の表面と、前記半導体素子が、銀焼結接合されている半導体装置に関する。
本発明によれば、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成するバリア層形成工程と、被めっき面の最表層に、銀めっき皮膜を形成する最表層形成工程とを含む銀焼結接合のためのめっき方法であるので、良好な初期接合強度、耐熱性を有し、基板など接合を行う部材の反りやクラックを抑制できる。
また、本発明によれば、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と、最表層に、銀めっき皮膜とを有する銀焼結接合のためのめっき皮膜(めっき皮膜積層体)であるので、良好な初期接合強度、耐熱性を有し、基板など接合を行う部材の反りやクラックを抑制できる。
また、本発明によれば、基材と、前記基材上に形成された回路と、前記回路表面に形成された、特定のめっき皮膜(めっき皮膜積層体)とを備えたパワーモジュール用基板であるので、良好な初期接合強度、耐熱性を有し、基板の反りやクラックを抑制できる。
また、本発明によれば、特定のパワーモジュール用基板と、半導体素子を備え、前記パワーモジュール用基板の前記めっき皮膜の表面と、前記半導体素子が、銀焼結接合されている半導体装置であるので、良好な初期接合強度、耐熱性を有し、基板の反りやクラックを抑制できており、信頼性の高い半導体装置である。
本発明の一実施形態に係るめっき皮膜の概略を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るめっき皮膜の概略を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るめっき皮膜の概略を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るめっき皮膜の概略を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るパワーモジュール用基板の概略を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るパワーモジュール用基板と、半導体素子の接合の概略を示す断面図である。
本発明の銀焼結接合のためのめっき方法は、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成するバリア層形成工程と、被めっき面の最表層に、銀めっき皮膜を形成する最表層形成工程とを含む。
本発明の銀焼結接合のためのめっき皮膜(めっき皮膜積層体)は、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と、最表層に、銀めっき皮膜とを有する。
これにより、良好な初期接合強度、耐熱性を有し、基板など接合を行う部材の反りやクラックを抑制できる。
前記めっき方法、前記めっき皮膜(めっき皮膜積層体)で前述の効果が得られる理由は、以下のように推察される。
前記の通り、コバルトめっき皮膜、白金めっき皮膜は、薄くても(例えば、膜厚が1.0μm以下であっても)酸素に対するバリア層として十分に機能し、良好な耐熱性が得られると共に、基板など接合を行う部材における反りやクラックの発生も抑制することが可能となる。
更に、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜の上側の最表層に銀めっき皮膜を設けることにより、銀焼結材料との初期接合強度も十分に得られる。
そして、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と、銀めっき皮膜の相乗作用により、良好な初期接合強度、耐熱性を有し、基板など接合を行う部材の反りやクラックを抑制できる。
以上の通り、前記めっき方法、前記めっき皮膜積層体は、最表層に銀めっき皮膜を有するため、良好な初期接合強度を有しつつ、更に、良好な耐熱性を有し、基板など接合を行う部材の反りやクラックを抑制できるため、銀焼結接合に好適に適用可能である。
<めっき方法>
本発明の銀焼結接合のためのめっき方法は、
被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成するバリア層形成工程と、
被めっき面の最表層に、銀めっき皮膜を形成する最表層形成工程と
を含む。
本明細書において、被めっき面とは、めっき皮膜が形成される面を意味し、例えば、基材上に形成された回路にめっき皮膜を形成する場合、被めっき面は、回路表面である。
本明細書において、被めっき面の上側とは、被めっき面の上側に位置すれば特に限定されず、被めっき面の表面、すなわち、めっき皮膜の最下層であってもよく、めっき皮膜の最下層以外の層であってもよい。
よって、本明細書において、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成するとは、被めっき面の上側にコバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成する限り特に限定されず(ただし、めっき皮膜の最表層は除く)、被めっき面の表面、すなわち、めっき皮膜の最下層として、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成する態様だけではなく、めっき皮膜の最下層以外の層(ただし、めっき皮膜の最表層は除く)として、例えば、被めっき面の表面に、1以上のめっき皮膜を形成した後に、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成する態様も含まれる。
また、本明細書において、他の同様の表現、例えば、コバルトめっき皮膜の上側も同様の意味である。
また、本明細書において、被めっき面の表面とは、被めっき面上を意味し、他の同様の表現、例えば、コバルトめっき皮膜の表面も同様の意味で、コバルトめっき皮膜上を意味する。
本明細書において、被めっき面の最表層に、銀めっき皮膜を形成するとは、被めっき面に設けられるめっき皮膜(めっき皮膜積層体)の最表層として、銀めっき皮膜を形成することを意味する。
<<バリア層形成工程>>
バリア層形成工程では、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成する。これにより、薄くても(例えば、膜厚が1.0μm以下であっても)酸素に対するバリア層として十分に機能するコバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成でき、良好な耐熱性が得られると共に、基板など接合を行う部材における反りやクラックの発生も抑制することが可能となる。
バリア層形成工程としては、被めっき面の上側(好ましくは表面)に、コバルトめっき皮膜を形成する工程であることが好ましい。これにより、より良好な耐熱性が得られると共に、コスト面でも有利である。
バリア層として、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成することが重要であり、めっき皮膜の形成方法は特に限定されない。めっき皮膜の形成方法としては、特に限定されず、例えば、無電解めっき、電気めっき、溶融めっき、真空めっき(PVD)、気相めっき(CVD)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、低コスト、設備の簡易さ、生産性という理由から、無電解めっき、電気めっきが好ましく、無電解めっきがより好ましい。
無電解めっきの方法としては、特に限定されず、還元剤によってめっき液中の金属を析出させればよく、当業者であれば、公知の方法に従って適宜実施できる。
還元剤としては、めっき液中の水溶性金属化合物を金属に還元する能力を有するものであって水溶性の化合物であれば特に限定されないが、例えばヒドラジン誘導体、ホルムアルデヒド化合物、ヒドロキシルアミン類、糖類、亜リン酸、ギ酸、水素化ホウ素化合物、次亜リン酸塩、ジメチルアミンボラン、アスコルビン酸等を用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
バリア層形成工程により形成される、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜の膜厚は、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.8μm以下、更に好ましくは0.6μm以下、特に好ましくは0.5μm以下、最も好ましくは0.4μm以下であり、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.2μm以上である。前記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
バリア層形成工程により形成される、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜(特に、コバルトめっき皮膜)は、コバルトと白金の合金皮膜であってもよく、他の金属を含む合金皮膜であってもよい。
他の金属としては、特に限定されず、例えば、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、バナジウム等の周期表第5族又は第6族遷移金属元素等が挙げられる。また、他の金属として、還元剤由来のリン、ホウ素、添加剤由来の、炭素、窒素、酸素、硫黄等が含まれていてもよい。他の金属は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、より良好な耐熱性が得られるという理由から、周期表第5族又は第6族遷移金属元素が好ましく、周期表第5族~第6族遷移金属元素における第5~第6周期の元素がより好ましく、タングステン、ニオブが更に好ましく、タングステンが特に好ましい。
タングステンを含む周期表第6族遷移金属元素と、ニオブ等の周期表第5族遷移金属元素とは、族番号が隣接する遷移金属元素であり、単体金属における結晶格子構造が同一である。よって、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜(特に、コバルトめっき皮膜)が、天然産出可能な周期表第5族及び/又は第6族遷移金属元素(好ましくは環境負荷の観点からクロムを除く)を他の金属として含むことで、実施例において示されているタングステンを含む場合と同様に耐熱性をより好適に改善できる。なかでも、タングステン、モリブデン、ニオブ及びタンタルは、互いに格子定数が近く、互いに完全固溶し、ともに酸性酸化物を構成するなど、化学的性質が近似する。よって、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜(特に、コバルトめっき皮膜)が、周期表第5族~第6族遷移金属元素における、第5~第6周期の元素を他の金属として含むことで、前記のような良好な効果が得られる。更に、タングステン及びニオブは、凝集エネルギーが大きいため、耐熱性をより好適に改善できるものと考えられる。
コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜(好ましくはコバルトめっき皮膜)中の周期表第5族及び/又は第6族遷移金属元素の含有率は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは4質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下、更に好ましくは60質量%以下、特に好ましくは55質量%以下である。前記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
ここで、複数種の周期表第5族及び/又は第6族遷移金属元素を含有する場合は、前記含有率は合計含有率を意味する。
コバルトめっき皮膜中のコバルトの含有率は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは96質量%以下、特に好ましくは95質量%以下である。前記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
白金めっき皮膜中の白金の含有率は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは98質量%以上であり、100質量%であってもよい。前記範囲内であると、効果(特に、耐熱性)がより好適に得られる傾向がある。
本明細書において、めっき皮膜中の各金属の含有率は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置により測定され、具体的には、実施例に記載の方法により測定される。
<<最表層形成工程>>
最表層形成工程では、被めっき面の最表層に、銀めっき皮膜を形成する。すなわち、最表層形成工程では、被めっき面に設けられるめっき皮膜(めっき皮膜積層体)の最表層として、銀めっき皮膜を形成する。これにより、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜の上側の最表層に銀めっき皮膜を形成でき、銀焼結材料との初期接合強度が十分に得られる。
被めっき面の最表層(被めっき面に設けられるめっき皮膜の最表層)として、銀めっき皮膜を形成することが重要であり、めっき皮膜の形成方法は特に限定されない。めっき皮膜の形成方法としては、好ましい態様も含めてバリア層形成工程と同様である。
最表層形成工程により形成される銀めっき皮膜の膜厚は、好ましくは3.0μm以下、より好ましくは2.5μm以下、更に好ましくは2.0μm以下、特に好ましくは1.5μm以下であり、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.3μm以上、更に好ましくは0.4μm以上である。前記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
最表層形成工程により形成される銀めっき皮膜は、他の金属を含む合金皮膜であってもよい。他の金属としては、前記と同様の金属が挙げられ、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
最表層形成工程により形成される銀めっき皮膜中の銀の含有率は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは98質量%以上であり、100質量%であってもよい。前記範囲内であると、効果(特に、初期接合強度)がより好適に得られる傾向がある。
<<他の工程>>
本発明の銀焼結接合のためのめっき方法は、前記バリア層形成工程と、前記最表層形成工程とを含む限り、他の工程を含んでもよい。すなわち、本発明の銀焼結接合のためのめっき方法は、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成しつつ、被めっき面の最表層に、銀めっき皮膜を形成する限り、他の工程を含んでもよい。
他の工程としては、ニッケルめっき皮膜を形成する工程などの他のめっき皮膜を形成する工程の他、必要に応じて、クリーナー工程、エッチング工程、酸洗工程、アクチベーター工程、ポストディップ工程、ジスマット工程、ジンケート工程等を行ってもよい。クリーナー工程、 エッチング工程、酸洗工程、アクチベーター工程、ポストディップ工程、ジスマット工程、ジンケート工程で使用される薬液は公知のものから適宜選択できる。
<<<中間層形成工程>>>
前記バリア層形成工程が、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜を形成する工程であり、
前記コバルトめっき皮膜の上側に、ニッケルめっき皮膜及び/又は白金めっき皮膜を形成する中間層形成工程を更に含むことが好ましく、前記コバルトめっき皮膜の上側に、白金めっき皮膜を形成する中間層形成工程を更に含むことがより好ましい。これにより、効果がより好適に得られる。中間層として、ニッケルめっき皮膜を設けることにより、他の皮膜との密着性が向上する傾向がある。また、中間層として、白金めっき皮膜を設けることにより、耐熱性がより改善される傾向がある。
前記コバルトめっき皮膜の上側に、ニッケルめっき皮膜及び/又は白金めっき皮膜を形成することが重要であり、めっき皮膜の形成方法は特に限定されない。めっき皮膜の形成方法としては、好ましい態様も含めてバリア層形成工程と同様である。
前記コバルトめっき皮膜の上側に、中間層形成工程により形成される、ニッケルめっき皮膜、白金めっき皮膜の膜厚は、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.3μm以下、特に好ましくは0.2μm以下であり、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.03μm以上、更に好ましくは0.05μm以上である。前記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
中間層形成工程により形成される、ニッケルめっき皮膜、白金めっき皮膜(特に、ニッケルめっき皮膜)は、他の金属を含む合金皮膜であってもよい。他の金属としては、好ましい態様も含めて、バリア層形成工程により形成される、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と同様である。
ニッケルめっき皮膜中のニッケルの含有率は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、好ましくは99.5質量%以下、より好ましくは99質量%以下である。前記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
白金めっき皮膜中の白金の含有率は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは98質量%以上であり、100質量%であってもよい。前記範囲内であると、効果(特に、耐熱性)がより好適に得られる傾向がある。
本発明のめっき方法により形成される、めっき皮膜(めっき皮膜積層体)の総膜厚は、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは7μm以下、特に好ましくは5μm以下、最も好ましくは3μm以下、より最も好ましくは2μm以下、更に最も好ましくは1.5μm以下、特に最も好ましくは1μm以下であり、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、更に好ましくは0.4μm以上、特に好ましくは0.6μm以上である。前記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
本明細書において、めっき皮膜の膜厚、総膜厚は、蛍光X線分光分析装置により測定される5箇所の測定値の平均値であり、具体的には、実施例に記載の方法により測定される。
本発明のめっき方法は、めっき皮膜を形成する工程として、バリア層形成工程と、最表層形成工程のみを含むことが好ましく、バリア層形成工程が、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜を形成する工程であることがより好ましい。これにより、めっき皮膜の総膜厚がより小さなめっき皮膜を形成でき、良好な初期接合強度、耐熱性を有しつつ、基板など接合を行う部材の反りやクラックをより好適に抑制できる。
また、本発明のめっき方法は、
被めっき面の上側(好ましくは表面)に、コバルトめっき皮膜を形成するバリア層形成工程と、
前記コバルトめっき皮膜の上側に、ニッケルめっき皮膜及び/又は白金めっき皮膜を形成する中間層形成工程と、
被めっき面の最表層に、銀めっき皮膜を形成する最表層形成工程と
を含むことも好ましく、
前記中間層形成工程が、前記コバルトめっき皮膜の上側に、白金めっき皮膜を形成する工程であることもより好ましく、
前記中間層形成工程が、前記コバルトめっき皮膜の表面に、白金めっき皮膜を形成する工程であることも更に好ましく、
最表層形成工程が、白金めっき皮膜の表面に、銀めっき皮膜を形成する工程であることも特に好ましい。
これにより、良好な初期接合強度、耐熱性を有し、基板など接合を行う部材の反りやクラックを抑制でき、特に耐熱性に優れる。
また、本発明のめっき方法は、
被めっき面の上側(好ましくは表面)に、コバルトめっき皮膜を形成するバリア層形成工程と、
前記コバルトめっき皮膜の上側(好ましくは表面)に、ニッケルめっき皮膜を形成する中間層形成工程と、
前記ニッケルめっき皮膜の上側(好ましくは表面)に、白金めっき皮膜を形成する中間層形成工程と、
被めっき面の最表層(好ましくは白金めっき皮膜の表面)に、銀めっき皮膜を形成する最表層形成工程と
を含んでもよい。
また、本発明のめっき方法は、
被めっき面の表面に、ニッケルめっき皮膜を形成する工程と、
ニッケルめっき皮膜の上側(好ましくは表面)に、白金めっき皮膜を形成するバリア層形成工程と、
被めっき面の最表層(好ましくは白金めっき皮膜の表面)に、銀めっき皮膜を形成する最表層形成工程と
を含んでもよい。
無電解めっきでは、被めっき面が銅やアルミニウムの場合、被めっき面の表面に白金めっき皮膜を形成することは困難であるが、前記方法であれば、被めっき面の表面に、ニッケルめっき皮膜を形成するため、無電解めっきであっても、白金めっき皮膜をバリア層として形成することが可能となる。なお、無電解めっき以外の方法、例えば、電気めっき、PVD、CVD等であれば、被めっき面が銅やアルミニウムの場合であっても、被めっき面の表面に白金めっき皮膜を形成することは可能である。
被めっき面の素材としては、特に限定されず、例えば、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル等が挙げられる。被めっき面の素材は、これらの合金であってもよい。なかでも、銅、アルミニウム、Fe-Ni合金、真鍮等の銅合金が好ましく、銅、アルミニウムがより好ましい。
本発明の銀焼結接合のためのめっき方法は、銀焼結接合を行う部材であれば特に限定なく適用できる。銀焼結接合を行う部材としては、特に限定されず、例えば、セラミック基板、プリント基板等の基板;半導体素子、放熱板、ヒートシンク、チップ、リードフレーム、銅板等が挙げられる。なかでも、下地金属の酸化を防ぎ、耐熱性がより改善できるという理由から、下地金属を有する部材である、基板(特に、セラミック基板)、放熱板、ヒートシンク、チップが好ましく、基板(特に、セラミック基板)がより好ましい。
<めっき皮膜(めっき皮膜積層体)>
本発明の銀焼結接合のためのめっき皮膜(めっき皮膜積層体)は、
コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と、
最表層に、銀めっき皮膜と
を有する。
本発明のめっき皮膜は、例えば、前記本発明のめっき方法により形成される被めっき面に設けられるめっき皮膜である。そのため、本発明のめっき皮膜が有する各皮膜は、前記本発明のめっき方法において説明した各皮膜と好ましい態様等も含めて同様である。また、その他の説明についても好ましい態様等も含めて同様である。
本発明のめっき皮膜(めっき皮膜積層体)は、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と、めっき皮膜の最表層として、銀めっき皮膜とを有すればよく、コバルトめっき皮膜、白金めっき皮膜、銀めっき皮膜以外の皮膜を有してもよい。
<<バリア層>>
本発明のめっき皮膜(めっき皮膜積層体)は、バリア層として、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を有する。バリア層は、被めっき面の上側に位置すればよいが、被めっき面の表面に形成されていることが好ましい。
コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜は、薄くても(例えば、膜厚が1.0μm以下であっても)酸素に対するバリア層として十分に機能するため、良好な耐熱性が得られると共に、基板など接合を行う部材における反りやクラックの発生も抑制することが可能となる。
バリア層としては、コバルトめっき皮膜が好ましい。これにより、より良好な耐熱性が得られると共に、コスト面でも有利である。
コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜の膜厚は、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.8μm以下、更に好ましくは0.6μm以下、特に好ましくは0.5μm以下、最も好ましくは0.4μm以下であり、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.2μm以上である。前記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜(特に、コバルトめっき皮膜)は、コバルトと白金の合金皮膜であってもよく、他の金属を含む合金皮膜であってもよい。他の金属としては、好ましい態様も含めて、バリア層形成工程により形成される、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と同様である。また、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜(好ましくはコバルトめっき皮膜)中の周期表第5族及び/又は第6族遷移金属元素の含有率もバリア層形成工程により形成される、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と同様である。更に、コバルトめっき皮膜中のコバルトの含有率、白金めっき皮膜中の白金の含有率もバリア層形成工程により形成される、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と同様である。
<<最表層>>
本発明のめっき皮膜(めっき皮膜積層体)は、被めっき面に設けられるめっき皮膜の最表層として、銀めっき皮膜を有する。コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜の上側の最表層に銀めっき皮膜を有するため、銀焼結材料との初期接合強度が十分に得られる。
銀めっき皮膜の膜厚は、好ましくは3.0μm以下、より好ましくは2.5μm以下、更に好ましくは2.0μm以下、特に好ましくは1.5μm以下であり、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.3μm以上、更に好ましくは0.4μm以上である。前記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
最表層形成工程により形成される銀めっき皮膜は、他の金属を含む合金皮膜であってもよい。他の金属としては、前記と同様の金属が挙げられ、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、銀めっき皮膜中の銀の含有率も最表層形成工程により形成される銀めっき皮膜と同様である。
<<他の層>>
本発明のめっき皮膜は、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と、めっき皮膜の最表層として、銀めっき皮膜とを有すればよく、他の層を有してもよい。
他の層としては、特に限定されず、例えば、ニッケルめっき皮膜、パラジウム皮膜等が挙げられる。
前記バリア層として、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜を有し、
前記コバルトめっき皮膜の上側に、ニッケルめっき皮膜及び/又は白金めっき皮膜を有することが好ましく、前記コバルトめっき皮膜の上側に、白金めっき皮膜を有することがより好ましい。これにより、効果がより好適に得られる。
コバルトめっき皮膜の上側に設けられる、ニッケルめっき皮膜、白金めっき皮膜は、前記中間層形成工程により形成される、ニッケルめっき皮膜、白金めっき皮膜と好ましい態様等も含めて同様である。
本発明のめっき皮膜(めっき皮膜積層体)の総膜厚は、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは7μm以下、特に好ましくは5μm以下、最も好ましくは3μm以下、より最も好ましくは2μm以下、更に最も好ましくは1.5μm以下、特に最も好ましくは1μm以下であり、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、更に好ましくは0.4μm以上、特に好ましくは0.6μm以上である。前記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
本発明のめっき皮膜(めっき皮膜積層体)は、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と、銀めっき皮膜のみを有することが好ましく、コバルトめっき皮膜と、銀めっき皮膜のみを有することがより好ましい。すなわち、被めっき面の表面にコバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と、該皮膜の表面に銀めっき皮膜のみを有することが好ましく、被めっき面の表面にコバルトめっき皮膜と、コバルトめっき皮膜の表面に銀めっき皮膜のみを有することがより好ましい。これにより、めっき皮膜の総膜厚がより小さなめっき皮膜を形成でき、良好な初期接合強度、耐熱性を有しつつ、基板など接合を行う部材の反りやクラックをより好適に抑制できる。
本発明の一実施形態に係るめっき皮膜1は、図1に示すように、被めっき面6上に形成された、コバルトめっき皮膜2と、コバルトめっき皮膜2上に形成された、銀めっき皮膜3とを有する。
また、本発明のめっき皮膜(めっき皮膜積層体)は、
被めっき面の上側(好ましくは表面)に、コバルトめっき皮膜と、
前記コバルトめっき皮膜の上側に、ニッケルめっき皮膜及び/又は白金めっき皮膜と、
最表層に、銀めっき皮膜と
を有することも好ましく、
被めっき面の上側(好ましくは表面)に、コバルトめっき皮膜と、
前記コバルトめっき皮膜の上側(好ましくは表面)に、白金めっき皮膜と、
最表層に、銀めっき皮膜と
を有することもより好ましく、
被めっき面の上側(好ましくは表面)に、コバルトめっき皮膜と、
前記コバルトめっき皮膜の上側(好ましくは表面)に、白金めっき皮膜と、
最表層として白金めっき皮膜の表面に、銀めっき皮膜と
を有することも更に好ましい。
これにより、良好な初期接合強度、耐熱性を有し、基板など接合を行う部材の反りやクラックを抑制でき、特に耐熱性に優れる。
本発明の一実施形態に係るめっき皮膜1は、図2に示すように、被めっき面6上に形成された、コバルトめっき皮膜2と、コバルトめっき皮膜2上に形成された、白金めっき皮膜4と、白金めっき皮膜4上に形成された、銀めっき皮膜3とを有する。
また、本発明のめっき皮膜(めっき皮膜積層体)は、
被めっき面の上側(好ましくは表面)に、コバルトめっき皮膜と、
前記コバルトめっき皮膜の上側(好ましくは表面)に、ニッケルめっき皮膜と、
前記ニッケルめっき皮膜の上側(好ましくは表面)に、白金めっき皮膜と、
最表層(好ましくは白金めっき皮膜の表面)に、銀めっき皮膜と
を有してもよい。
本発明の一実施形態に係るめっき皮膜1は、図3に示すように、被めっき面6上に形成された、コバルトめっき皮膜2と、コバルトめっき皮膜2上に形成された、ニッケルめっき皮膜5と、ニッケルめっき皮膜5上に形成された、白金めっき皮膜4と、白金めっき皮膜4上に形成された、銀めっき皮膜3とを有する。
また、本発明のめっき皮膜(めっき皮膜積層体)は、
被めっき面の表面に、ニッケルめっき皮膜と、
ニッケルめっき皮膜の上側(好ましくは表面)に、白金めっき皮膜と、
最表層(好ましくは白金めっき皮膜の表面)に、銀めっき皮膜と
を有してもよい。
無電解めっきでは、被めっき面が銅やアルミニウムの場合、被めっき面の表面に白金めっき皮膜を形成することは困難であるが、前記方法であれば、被めっき面の表面に、ニッケルめっき皮膜を形成するため、無電解めっきであっても、白金めっき皮膜をバリア層として形成することが可能となる。なお、無電解めっき以外の方法、例えば、電解めっき、PVD、CVD等であれば、被めっき面が銅やアルミニウムの場合であっても、被めっき面の表面に白金めっき皮膜を形成することは可能である。
本発明の一実施形態に係るめっき皮膜1は、図4に示すように、被めっき面6上に形成された、ニッケルめっき皮膜5と、ニッケルめっき皮膜5上に形成された、白金めっき皮膜4と、白金めっき皮膜4上に形成された、銀めっき皮膜3とを有する。
本発明の銀焼結接合のためのめっき皮膜(めっき皮膜積層体)は、銀焼結接合を行う部材であれば特に限定なく適用できる。銀焼結接合を行う部材としては、前記本発明のめっき方法において説明した部材と好ましい態様等も含めて同様である。また、被めっき面の素材についても、前記本発明のめっき方法において説明した素材と好ましい態様等も含めて同様である。
<パワーモジュール用基板>
前記の通り、本発明のめっき皮膜(めっき皮膜積層体)は、基板に好適に適用可能であり、以下において、本発明のめっき皮膜を用いた基板の一例として、パワーモジュール用基板について説明する。
本発明のパワーモジュール用基板は、
基材と、
前記基材上に形成された回路と、
前記回路表面に形成されためっき皮膜とを備え、
前記めっき皮膜が、前記本発明のめっき皮膜(めっき皮膜積層体)である。
なお、本明細書において、パワーモジュール用基板とは、パワーモジュールに用いられる基板を意味し、具体的には、下記において例示する基板である。なお、本明細書において、パワーモジュール用基板は、パワー半導体に用いられるリードフレームやスペーサーをも含む概念である。
基材と、前記基材上に形成された回路とを備える基板としては、特に限定されず、例えば、DBC基板、DBA基板、AMB基板等が挙げられる。ここで、DBCはDirect Bonded Copper、DBAはDirect Bonded Aluminum、AMBはActive Metal Brazingの略である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る耐熱パワーモジュール用基板について説明する。
本発明の一実施形態に係るパワーモジュール用基板100は、高熱を発するパワー半導体を搭載するための基板である。そして、図5に示すように、発明の一実施形態に係るパワーモジュール用基板100は、基材10と、前記基材上に、直接又はろう材を介して形成された、回路20と、前記回路表面に形成されためっき皮膜(めっき皮膜積層体)1とを備える。
本発明の一実施形態に係るパワーモジュール用基板100に用いられる基材10は、特に限定されず、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、コストや放熱性、強度などに優れているという理由から、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素が好ましい。
図5に示すように基材10上に回路20が形成されている。このとき、基材10上に直接法で回路20が形成されていてもよく、ろう材(不図示)を介して回路20が形成されていてもよい。回路20は、通常、銅及び/又はアルミニウムからなる。ここで、銅、アルミニウムは合金であってもよい。
回路20の形成方法は、公知の方法を用いればよく、特に限定はされないが、直接法では回路部材である銅の板の片面を酸化処理し、基材10と接合させ、回路以外の不要な部分をエッチングしてもよい。アルミニウムは展延性に優れ、銅は放熱性に優れている。またコストの点でもこれら金属は他の金属に比べて優れているためパワーモジュール基板に用いられている。
前記回路20表面に形成されためっき皮膜1は、前記本発明のめっき皮膜である。そして、めっき皮膜の表面と、例えば、半導体素子が、銀焼結接合されることにより、めっき皮膜の表面が、銀焼結接合面を形成することとなり、良好な初期接合強度、耐熱性を有すると共に、基板の反りやクラックを抑制できる。図6では、前記回路20表面に形成されためっき皮膜1の表面と、半導体素子30が、銀焼結接合されている。すなわち、銀焼結体層40を介して、めっき皮膜1の表面と、半導体素子30が接合されている。
本発明において、銀焼結接合の方法は特に限定されず、当業者であれば、公知の方法に従って適宜実施できる。例えば、銀粒子を有機溶剤に分散させたペーストを銀焼結材料として用いて、加熱等により有機溶剤を揮発させて銀粒子同士を接触させ、焼結により接合層を形成すればよい。
<半導体装置>
本発明のパワーモジュール用基板は、半導体装置に好適に適用可能であり、以下において、本発明のパワーモジュール用基板を用いた半導体装置の一例について説明する。
本発明の半導体装置は、
本発明のパワーモジュール用基板と、半導体素子を備え、
前記パワーモジュール用基板の前記めっき皮膜の表面と、前記半導体素子が、銀焼結接合されている。
本明細書において、前記パワーモジュール用基板の前記めっき皮膜の表面と、前記半導体素子が、銀焼結接合されているとは、前記めっき皮膜の表面の全面において、前記半導体素子と銀焼結接合されていてもよく、前記めっき皮膜の表面の一部において、前記半導体素子と銀焼結接合されていてもよい。例えば、基板の表面と裏面に前記めっき皮膜が形成されている場合、どちらか一方の面に形成されている前記めっき皮膜の表面においてのみ前記半導体素子と銀焼結接合されていてもよい。この場合、前記半導体素子と銀焼結接合されている前記表面が、めっき皮膜の表面の全面であっても、表面のうち一部の面のみでもあってもよい。すなわち、一方の面に形成されている前記めっき皮膜の表面のうち一部の面のみにおいてのみ前記半導体素子と銀焼結接合されていてもよい。
また、本明細書において、基板が備える半導体素子のうち、少なくとも1つの半導体素子が、前記パワーモジュール用基板の前記めっき皮膜の表面と、銀焼結接合されていればよく、全ての半導体素子が、前記パワーモジュール用基板の前記めっき皮膜の表面と、銀焼結接合されていてもよい。
本発明の半導体装置は、本発明のめっき皮膜の表面と、半導体素子が、銀焼結接合されているため、めっき皮膜の表面が、銀焼結接合面を形成することとなり、良好な初期接合強度、耐熱性を有すると共に、基板の反りやクラックを抑制できており、信頼性の高い半導体装置である。
半導体素子としては、特に限定されず、例えば、Si(シリコン)半導体素子、SiC(シリコンカーバイド)半導体素子、GaN(ガリウムナイトライド)半導体素子等のパワー半導体素子等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐熱性が特に要求されるという理由から、パワー半導体素子が好ましく、SiC半導体素子、GaN半導体素子がより好ましい。
本発明の半導体装置は、様々な電子部品に用いることが可能である。電子部品としては、例えば、家電機器、車載機器、送電システム、輸送機器、通信機器等に用いられる電子部品が挙げられ、具体的には、エアコン、エレベーター、電気自動車、ハイブリッド自動車、電車、発電装置用のパワーコントロールユニット等のパワーモジュール、一般家電、パソコン等が挙げられる。なかでも、耐熱性が特に要求されるという理由から、パワーモジュールが好ましい。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
表1、2に示す条件に従い、基板に各めっきを施してめっき皮膜積層体を形成した。ここで、被めっき物であるベース基板として、Cuバルク材(25×60×3mm)を用いた。得られためっき皮膜積層体、めっき皮膜積層体が設けられた基板について、下記の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
<めっき皮膜の膜厚の測定>
めっき皮膜の膜厚は、蛍光X線分光分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、商品名:SFT-9550)により、5箇所の測定値の平均値として算出した。
<めっき皮膜の組成の分析>
めっき皮膜形成後に組成を分析した。具体的には、めっき皮膜を硝酸に溶解させ、この溶解液を誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置(HORIBA製、商品名:Ultima Expert)を用いて各元素の定量分析を行い、溶解しためっき皮膜の質量から、皮膜中の各成分の含有率を算出した。
<銀焼結接合評価>
(評価用サンプルの調製)
被めっき物としてベース基板(Cuバルク材;25×60×3mm)および模擬チップ(チップサイズに加工したCuバルク材;5×5×1mm)に対し、表1、2に示す条件に従い、各めっきを施したのち、該ベース基板と模擬チップ(いずれも同じ皮膜積層体を形成)とを銀焼結材料(MAX102:ニホンハンダ社製)を使用して互いに接続させ大気下250℃無加圧で10分の熱処理を行い、銀焼結接合させ、評価用サンプルを調製した。
(接合強度の測定)
評価用サンプルについて、銀焼結接合したチップを横からシェアして、破断した時の強度をボンドテスター(Nordson DAGE社製、商品名:4000Plus)により測定し、接合強度(初期接合強度)とした。
また、評価用サンプルを300℃で500時間熱処理を行い、熱処理後の評価用サンプルを用いて、前記と同様に接合強度(熱処理後の接合強度)を測定した。
測定した初期接合強度、熱処理後の接合強度を表1に示した。
更に、以下の基準により、銀焼結接合について評価した。
◎:問題なし (熱処理後の接合強度:30Mpa以上)
〇:熱処理により強度少し低下(熱処理後の接合強度:20-30MPa未満)
△:熱処理で強度低下(熱処理後の接合強度:20MPa未満)
×:接合せず
<反り(クラック)>
Al-Cu Wafer(100×10mm、厚み 0.2mm)に対し、表1、2に示す条件に従ってめっき処理を行い、反りが発生しているかを確認した。
以下において、各実施例、比較例におけるめっき皮膜積層体、めっき皮膜積層体が設けられた基板の作成方法を詳細に説明する。
(比較例1)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 エピタスHWP-5を用いて、無電解CoWPめっき皮膜(Co:83質量%、W:12質量%、P:5質量%)を膜厚0.3μmの単層体にて形成した。
(比較例2)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 エピタスHWB-31を用いて、無電解CoWBめっき皮膜(Co:49質量%、W:50質量%、B:1質量%)を膜厚0.3μmの単層体にて形成した。
(比較例3)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 ニムデンNPR-4を用いて、無電解NiPめっき皮膜(Ni:94質量%、P:6質量%)を膜厚0.3μmの単層体にて形成した。
(比較例4)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 ニムデンNPR-4を用いて、無電解NiPめっき皮膜(Ni:94質量%、P:6質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 TGM-21を用いて、無電解Ptめっき皮膜を膜厚0.1μm、総皮膜厚0.4μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(比較例5)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 ニムデンNPR-4を用いて、無電解NiPめっき皮膜(Ni:94質量%、P:6質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 ゴブライトTWX-40を用いて、無電解Auめっき皮膜を膜厚0.15μm、総皮膜厚0.45μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(比較例6)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 ニムデンNPR-4を用いて、無電解NiPめっき皮膜(Ni:94質量%、P:6質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 アルタレアTPD-30を用いて、無電解Pdめっき皮膜を膜厚0.1μm、さらにその表面に、上村工業株式会社製 ゴブライトTWX-40を用いて、無電解Auめっき皮膜を膜厚0.15μm、総皮膜厚0.55μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(比較例7)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μmの単層体にて形成した。
(比較例8)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 ニムデンNPR-4を用いて、無電解NiPめっき皮膜(Ni:94質量%、P:6質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 アルタレアTPD-30を用いて、無電解Pdめっき皮膜を膜厚0.1μm、さらにその表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚0.9μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(比較例9)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 ニムデンNPR-4を用いて、無電解NiPめっき皮膜(Ni:94質量%、P:6質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚0.8μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(比較例10)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 BELニッケルを用いて、無電解NiBめっき皮膜(Ni:99質量%、B:1質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚0.8μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(比較例11)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 トリアロイNWPを用いて、無電解NiWPめっき皮膜(Ni:84質量%、W:11質量%、P:5質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚0.8μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(比較例12)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 BELニッケルにタングステン成分を添加しためっき液を用いて、無電解NiWBめっき皮膜(Ni:89質量%、W:10質量%、B:1質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚0.8μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(比較例13)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 ニムデンNPR-4を用いて、無電解NiPめっき皮膜(Ni:94質量%、P:6質量%)を膜厚10.0μm、その表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚10.5μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(実施例1)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 エピタスHWP-5よりタングステン成分を除いためっき液を用いて、無電解CoPめっき皮膜(Co:95質量%、P:5質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚0.8μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(実施例2)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 エピタスHWB-31よりタングステン成分を除いためっき液を用いて、無電解CoBめっき皮膜(Co:99質量%、B:1質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚0.8μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(実施例3)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 エピタスHWP-5よりタングステン成分を除いためっき液を用いて、無電解CoPめっき皮膜(Co:95質量%、P:5質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 TGM-21を用いて、無電解Ptめっき皮膜を膜厚0.1μm、さらにその表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚0.9μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(実施例4)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 エピタスHWB-31よりタングステン成分を除いためっき液を用いて、無電解CoBめっき皮膜(Co:99質量%、B:1質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 TGM-21を用いて、無電解Ptめっき皮膜を膜厚0.1μm、さらにその表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚0.9μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(実施例5)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 エピタスHWP-5を用いて、無電解CoWPめっき皮膜(Co:83質量%、W:12質量%、P:5質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚0.8μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(実施例6)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 エピタスHWB-31を用いて、無電解CoWBめっき皮膜(Co:49質量%、W:50質量%、B:1質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚0.8μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(実施例7)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 エピタスHWP-5を用いて、無電解CoWPめっき皮膜(Co:83質量%、W:12質量%、P:5質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 ニムデンNPR-4を用いて、無電解NiPめっき皮膜(Ni:94質量%、P:6質量%)を膜厚0.3μm、さらにその表面に、上村工業株式会社製 TGM-21を用いて、無電解Ptめっき皮膜を膜厚0.1μm、さらにその表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚1.2μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(実施例8)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 エピタスHWB-31を用いて、無電解CoWBめっき皮膜(Co:49質量%、W:50質量%、B:1質量%)を膜厚0.3μm、その表面に、上村工業株式会社製 ニムデンNPR-4を用いて、無電解NiPめっき皮膜(Ni:94質量%、P:6質量%)を膜厚0.3μm、さらにその表面に、上村工業株式会社製 TGM-21を用いて、無電解Ptめっき皮膜を膜厚0.1μm、さらにその表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚1.2μmのめっき皮膜積層体を形成した。
(実施例9)
被めっき面であるCuバルク材表面に、上村工業株式会社製 ニムデンNPR-4を用いて、無電解NiPめっき皮膜(Ni:94質量%、P:6質量%)を膜厚0.3μm、さらにその表面に、上村工業株式会社製 TGM-21を用いて、無電解Ptめっき皮膜を膜厚0.1μm、さらにその表面に、上村工業株式会社製 アルジェントRSD-4を用いて、無電解Agめっき皮膜を膜厚0.5μm、総皮膜厚0.9μmのめっき皮膜積層体を形成した。
Figure 2023032738000002
Figure 2023032738000003
表1より、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と、最表層に、銀めっき皮膜とを有する実施例では、良好な初期接合強度、耐熱性を有し、基板など接合を行う部材の反りやクラックを抑制できることが分かった。よって、本発明のめっき方法、本発明のめっき皮膜は、銀焼結接合に好適に適用可能である。
1 めっき皮膜(めっき皮膜積層体)
2 コバルトめっき皮膜
3 銀めっき皮膜
4 白金めっき皮膜
5 ニッケルめっき皮膜
6 被めっき面
10 基材
20 回路
30 半導体素子
40 銀焼結体層
100 パワーモジュール用基板

Claims (18)

  1. 被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜を形成するバリア層形成工程と、
    被めっき面の最表層に、銀めっき皮膜を形成する最表層形成工程と
    を含む銀焼結接合のためのめっき方法。
  2. 前記コバルトめっき皮膜又は前記白金めっき皮膜の膜厚が1.0μm以下である請求項1記載のめっき方法。
  3. 前記バリア層形成工程が、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜を形成する工程であり、
    前記コバルトめっき皮膜の上側に、ニッケルめっき皮膜及び/又は白金めっき皮膜を形成する中間層形成工程を更に含む請求項1又は2記載のめっき方法。
  4. 前記バリア層形成工程が、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜を形成する工程であり、
    前記コバルトめっき皮膜の上側に、白金めっき皮膜を形成する中間層形成工程を更に含む請求項1又は2記載のめっき方法。
  5. 前記バリア層形成工程が、被めっき面の上側に、コバルトめっき皮膜を形成する工程であり、
    前記コバルトめっき皮膜が周期表第5族及び/又は第6族遷移金属元素を含有する請求項1~4のいずれかに記載のめっき方法。
  6. 前記コバルトめっき皮膜中の周期表第5族及び/又は第6族遷移金属元素の含有率が3~70質量%である請求項5記載のめっき方法。
  7. めっき皮膜の総膜厚が15μm以下である請求項1~6のいずれかに記載のめっき方法。
  8. コバルトめっき皮膜又は白金めっき皮膜と、
    最表層に、銀めっき皮膜と
    を有する銀焼結接合のためのめっき皮膜。
  9. 前記コバルトめっき皮膜又は前記白金めっき皮膜の膜厚が1.0μm以下である請求項8記載のめっき皮膜。
  10. 前記コバルトめっき皮膜を有し、
    前記コバルトめっき皮膜の上側に、ニッケルめっき皮膜及び/又は白金めっき皮膜を有する請求項8又は9記載のめっき皮膜。
  11. 前記コバルトめっき皮膜を有し、
    前記コバルトめっき皮膜の上側に、白金めっき皮膜を有する請求項8又は9記載のめっき皮膜。
  12. 前記コバルトめっき皮膜を有し、
    前記コバルトめっき皮膜が周期表第5族及び/又は第6族遷移金属元素を含有する請求項8~11のいずれかに記載のめっき皮膜。
  13. 前記コバルトめっき皮膜中の周期表第5族及び/又は第6族遷移金属元素の含有率が3~70質量%である請求項12記載のめっき皮膜。
  14. 総膜厚が15μm以下である請求項8~13のいずれかに記載のめっき皮膜。
  15. 基材と、
    前記基材上に形成された回路と、
    前記回路表面に形成されためっき皮膜とを備えたパワーモジュール用基板であって、
    前記めっき皮膜が、請求項8~14のいずれかに記載のめっき皮膜であるパワーモジュール用基板。
  16. 前記回路が銅及び/又はアルミニウムからなる回路である請求項15記載のパワーモジュール用基板。
  17. 前記めっき皮膜の表面が、銀焼結接合面である請求項15又は16記載のパワーモジュール用基板。
  18. 請求項15~17のいずれかに記載のパワーモジュール用基板と、半導体素子を備え、
    前記パワーモジュール用基板の前記めっき皮膜の表面と、前記半導体素子が、銀焼結接合されている半導体装置。
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