JP2023032718A - 物体検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】物体の高さ判定の精度を向上させることができる物体検知装置を提供する。【解決手段】超音波の送受信によって物体を検知する物体検知装置であって、送信信号に応じた超音波を送信する送信部と、超音波を受信して、該受信した超音波に応じた受信信号を出力する受信部と、受信信号の振幅信号を生成する振幅信号生成部63と、振幅信号から振幅特徴点を検出し、振幅特徴点に関する情報である振幅特徴点情報を出力する振幅特徴検出部64と、受信信号と基準信号との位相差信号を生成する位相差信号生成部61と、位相差信号から位相特徴点を検出し、位相特徴点に関する情報である位相特徴点情報を出力する位相特徴検出部62と、振幅特徴点情報および位相特徴点情報に基づいて反射信号を検出し、反射信号に関する情報である反射信号情報を出力する反射信号検出部7と、反射信号情報に基づいて物体の高さを判定する高さ判定部と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、超音波の送受信により物体を検知する物体検知装置に関するものである。
この種の物体検知装置を用いて自動駐車等を行う技術が提案されている。このような技術において、障害物の検知精度を向上させるためには、検知された物体の地面からの高さを判別する必要がある。
例えば特許文献1では、ソナーの反射信号におけるピークの数に基づいて障害物の種類を判定する技術が提案されている。具体的には、背の高い壁等の障害物からは2つの反射波が返り、背の低い縁石等の障害物からは1つの反射波が返ることから、ピークの数が2つであれば障害物が壁であると判定し、ピークの数が1つであれば縁石であると判定している。
しかしながら、アスファルト等の凹凸のある路面では、路面からの反射波の影響でSN比が低下する。また、ソナーと物体との距離が遠いと、反射波の強度が低くなる。そのため、遠方にある背の低い物体については、反射信号のピークが検出できないことがある。
また、ソナーと物体との距離が近いと、超音波の指向性の影響により、物体の根元からの反射波の強度が低くなる。そのため、近くにある背の高い物体について、根元からの反射波に対応する反射信号のピークが検出されず、検出されるピークの数が1つとなる場合がある。
このように、反射信号のピークの数による判定方法では、物体の高さを誤判定するおそれがある。
本発明は上記点に鑑みて、物体の高さ判定の精度を向上させることができる物体検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、超音波の送受信によって物体を検知する物体検知装置であって、送信信号に応じた超音波を送信する送信部(40A)と、超音波を受信して、該受信した超音波に応じた受信信号を出力する受信部(40B)と、受信信号の振幅信号を生成する振幅信号生成部(63)と、振幅信号から振幅特徴点を検出し、振幅特徴点に関する情報である振幅特徴点情報を出力する振幅特徴検出部(64)と、受信信号と基準信号との位相差信号を生成する位相差信号生成部(61)と、位相差信号から位相特徴点を検出し、位相特徴点に関する情報である位相特徴点情報を出力する位相特徴検出部(62)と、振幅特徴点情報および位相特徴点情報に基づいて反射信号を検出し、反射信号に関する情報である反射信号情報を出力する反射信号検出部(7)と、反射信号情報に基づいて物体の高さを判定する高さ判定部(8)と、を備える。
反射波の強度が低い場合にも、受信信号の位相には物体からの反射波の特徴が現れやすい。したがって、振幅特徴点情報および位相特徴点情報に基づいて反射信号を検出することで、物体の高さ判定精度が向上する。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。図1に示す本実施形態の物体検知装置1は、不図示の車両に搭載されていて、当該車両の周囲の物体Bを検知するように構成されている。物体検知装置1を搭載する車両を、以下「自車両」と称する。不図示の車両は、例えば、自動車である。
第1実施形態について説明する。図1に示す本実施形態の物体検知装置1は、不図示の車両に搭載されていて、当該車両の周囲の物体Bを検知するように構成されている。物体検知装置1を搭載する車両を、以下「自車両」と称する。不図示の車両は、例えば、自動車である。
物体検知装置1は、超音波の送受信により物体を検知するものであり、超音波センサ2と、超音波センサ2の動作を制御する制御部3とを備えている。超音波センサ2は、超音波である探査波を送信するとともに探査波の物体Bによる反射波を受信することで、物体Bを検知するように構成されている。
超音波センサ2は、送受信部4と、送信信号生成部5と、受信信号処理部6と、反射信号検出部7と、判定部8とを備えている。
送受信部4は、送信部40Aと、受信部40Bとを有している。送信部40Aは、探査波を外部に向けて送信可能に設けられている。受信部40Bは、送信部40Aから送信された探査波の物体Bによる反射波を含む超音波を受信可能に設けられている。
送受信部4は、トランスデューサ41と、送信回路42と、受信回路43とを備えている。送信部40Aは、トランスデューサ41と送信回路42とによって構成されている。受信部40Bは、トランスデューサ41と受信回路43とによって構成されている。
トランスデューサ41は、探査波を外部に向けて送信する送信器としての機能と、反射波を受信する受信器としての機能とを有していて、送信回路42および受信回路43と電気接続されている。すなわち、超音波センサ2は、いわゆる送受信一体型の構成を有している。
具体的には、トランスデューサ41は、圧電素子等の電気-機械エネルギー変換素子を内蔵した、超音波マイクロフォンとして構成されている。トランスデューサ41は、探査波を自車両の外部に送信可能および反射波を自車両の外部から受信可能なように、自車両の外表面に面する位置に配置されている。
送信回路42は、入力された送信信号に基づいてトランスデューサ41を駆動することで、トランスデューサ41にて探査波を発信させるように設けられている。具体的には、送信回路42は、デジタル/アナログ変換回路等を有している。すなわち、送信回路42は、送信信号生成部5から出力された送信信号に対してデジタル/アナログ変換等の信号処理を施すことで、素子入力信号を生成するように構成されている。素子入力信号は、トランスデューサ41を駆動するための交流電圧信号である。そして、送信回路42は、生成した素子入力信号をトランスデューサ41に印加してトランスデューサ41における電気-機械エネルギー変換素子を励振することで、探査波を発生させるように構成されている。
受信回路43は、トランスデューサ41による超音波の受信結果に対応する受信信号を生成して受信信号処理部6に出力するように設けられている。具体的には、受信回路43は、増幅回路およびアナログ/デジタル変換回路等を有している。すなわち、受信回路43は、トランスデューサ41が出力した素子出力信号に対して、増幅およびアナログ/デジタル変換等の信号処理を施すことで、受信波の振幅および周波数に関する情報を含む受信信号を生成するように構成されている。素子出力信号は、超音波の受信により、トランスデューサ41に設けられた電気-機械エネルギー変換素子が発生する交流電圧信号である。
送信信号生成部5は、送信信号を生成して送信回路42に出力するように設けられている。送信信号は、トランスデューサ41を駆動してトランスデューサ41から探査波を発信させるための信号である。本実施形態の送信信号生成部5は、周波数が一定とされた無変調の送信信号を生成する。
受信信号処理部6は、受信信号を処理し、反射信号検出部7における反射信号の検出に用いられる信号を生成するものである。図2に示すように、受信信号処理部6は、位相差信号生成部61と、位相特徴検出部62と、振幅信号生成部63と、振幅特徴検出部64とを備えている。
位相差信号生成部61は、受信回路43が出力した受信信号と基準信号との位相差信号を生成するものである。具体的には、位相差信号生成部61には、送信信号に対応した基準信号が入力されるようになっており、位相差信号生成部61は、受信信号の位相と基準信号の位相との差を算出して、これにより生成された信号を位相差信号として位相特徴検出部62に出力する。基準信号は、送信信号と同じ周波数のバースト状の信号である。
位相特徴検出部62は、位相差信号生成部61が出力した位相差信号から位相特徴点を検出し、位相特徴点に関する情報である位相特徴点情報を出力するものである。
具体的には、位相特徴検出部62は、送信信号を基準として、位相特徴点の検出範囲を設定する。この検出範囲は、例えば、送信信号の生成が開始された時刻と、この時刻から所定時間経過した後の時刻との間の時間範囲とされる。
そして、位相特徴検出部62は、設定した検出範囲における位相差信号から、位相差がフラットになっている部分、すなわち、位相差の値の変化量が所定範囲内である連続した区間を検出する。位相特徴検出部62は、該区間の長さが送信信号の長さに基づいて設定された判定時間以上であるときに、該区間の中央のサンプルを位相特徴点として、位相特徴点に関する情報を位相特徴点情報として反射信号検出部7に出力する。
該区間の長さが判定時間以上であるか否かについては、該区間の開始時刻と終了時刻の差が所定時間以上であるか否かを判定してもよいし、該区間のサンプル数が所定数以上であるか否かを判定してもよい。位相特徴点情報には、例えば、該区間の開始時刻、終了時刻、中央の時刻、時間範囲の長さ、位相差の値などが含まれる。
例えば、図3に示す位相差信号では、破線で囲まれた2箇所で位相差がフラットになっている。このように、位相差がフラットになった区間が複数検出された場合には、位相特徴検出部62は、最も長い区間の中央のサンプルを位相特徴点として検出する。
振幅信号生成部63は、受信回路43が出力した受信信号の振幅信号を生成するものである。例えば、振幅信号生成部63は、受信信号の強度を振幅として振幅信号を生成する。あるいは、振幅信号生成部63は、受信信号を直交検波し、これにより生成された複素信号の振幅を受信信号の振幅として振幅信号を生成する。あるいは、振幅信号生成部63は、受信信号と、送信信号に基づいて設定された参照信号との相関算出によって振幅信号を生成する。このような相関算出によって振幅信号を生成すると、パルス圧縮の効果で振幅信号の信号幅が小さくなり、SN比が向上して、反射信号の検出精度が向上する。振幅信号生成部63は、生成した振幅信号を振幅特徴検出部64に出力する。
振幅特徴検出部64は、振幅信号生成部63が出力した振幅信号から振幅特徴点を検出し、振幅特徴点に関する情報である振幅特徴点情報を出力するものである。
例えば、振幅特徴検出部64は、位相特徴検出部62と同様に振幅特徴点の検出範囲を設定し、この検出範囲において、振幅信号の閾値以上におけるピークを検出し、このピークを振幅特徴点とする。
そして、振幅特徴検出部64は、検出した振幅特徴点に基づいて振幅特徴点情報を生成し、反射信号検出部7に出力する。振幅特徴点情報には、例えば、振幅信号のピーク値、ピーク時刻、信号値が閾値以上となる区間の幅、該区間の面積、ピーク数のうち、いずれか1つまたは複数が含まれる。該区間の面積は、振幅信号のグラフのうち振幅が閾値以上の部分の面積である。
反射信号検出部7は、振幅特徴点情報および位相特徴点情報に基づいて反射信号を検出し、反射信号に関する情報である反射信号情報を出力するものである。図2に示すように、反射信号検出部7は、第1反射信号検出部71と、第2反射信号検出部72とを備えている。
第1反射信号検出部71は、反射信号の1つである第1反射信号を検出するものである。第2反射信号検出部72は、第1反射信号検出部71によって第1反射信号が検出された場合に、第1反射信号とは別の反射信号である第2反射信号を検出するものである。
反射信号検出部7は、少なくとも1つの反射信号について、振幅特徴点情報および位相特徴点情報の両方に基づいて検出処理を行う。本実施形態では、第1反射信号検出部71は、振幅特徴点情報および位相特徴点情報の両方に基づいて第1反射信号の検出処理を行う。また、第2反射信号検出部72は、振幅特徴点情報および位相特徴点情報のうち、位相特徴点情報に基づいて第2反射信号の検出処理を行う。
具体的には、第1反射信号検出部71は、振幅特徴点情報に含まれる振幅特徴点のピーク時刻を基準として時間範囲を設定し、この時間範囲に位相特徴点が含まれる場合に、この振幅特徴点および位相特徴点に対応する受信信号を第1反射信号として検出する。
例えば図4に示す振幅信号と位相差信号が生成された場合には、振幅が閾値以上でピークをとり、かつ、位相差がフラットとなっている時刻t1の受信信号が第1反射信号とされる。
第1反射信号検出部71によって第1反射信号が検出されると、第2反射信号検出部72は、第1反射信号を基準として第2反射信号の検出範囲を以下のように設定する。
まず、第1反射信号が物体の正面部または上端部からの反射波に対応する場合を想定する。この場合には、第2反射信号は物体の根元からの反射波に対応するものであると考えられる。
したがって、第1反射信号と第2反射信号との時間差は、超音波センサ2と物体の正面部または上端部との距離と、超音波センサ2と物体の根元との距離との差に対応したものになる。この時間差が最大になるのは、物体の高さが超音波センサ2の搭載高さよりも高く、第1反射信号が物体の正面部からの反射波に対応している場合である。
そこで、この場合の時間差を算出し、第1反射信号の受信時刻に算出した時間差を足した時刻を、第2反射信号の検出範囲の終了時刻とする。
具体的には、図5に示すように超音波センサ2の地面からの高さをh1とし、第1反射信号に基づいて推定された超音波センサ2と物体との距離をL1とし、超音波センサ2と物体の根元との距離をL2とする。そして、第2反射信号検出部72は、L2=√(h12+L12)により距離L2を推定する。
なお、距離L1は、例えば、探査波の送信から第1反射信号の受信までの時間と、音速とに基づいて、TOF方式により算出される。TOFはTime of Flightの略である。そして、第2反射信号検出部72は、距離L2-L1に対応する時間差を算出し、第2反射信号の検出範囲の終了時刻を設定する。
つぎに、第1反射信号が物体の根元からの反射波に対応する場合を想定する。この場合には、第2反射信号は物体の正面部または上端部からの反射波に対応するものであると考えられる。
第1反射信号と第2反射信号との時間差が最大になるのは、物体の高さが超音波センサ2の搭載高さよりも高く、第2反射信号が物体の正面部からの反射波に対応している場合である。そこで、この場合の時間差を算出し、第1反射信号の受信時刻から、算出した時間差を引いた時刻を、第2反射信号の検出範囲の開始時刻とする。
具体的には、第2反射信号検出部72は、高さh1と、第1反射信号に基づいて推定された物体の根元との距離L2を用いて、L1=√(L22-h12)により距離L1を推定する。距離L2は、例えばTOF方式により算出される。そして、第2反射信号検出部72は、距離L2-L1に対応する時間差を算出し、第2反射信号の検出範囲の開始時刻を設定する。
第2反射信号検出部72は、設定した検出範囲に、位相差の値が第1反射信号の位相差の値と所定値以上離れた位相特徴点があるとき、この位相特徴点に対応する受信信号を第2反射信号とする。なお、検出範囲に複数の位相特徴点がある場合には、第2反射信号検出部72は、複数の位相特徴点から、位相差がフラットの区間が最も長いものを検出し、この位相特徴点に対応する受信信号を第2反射信号とする。
例えば図4に示すように第2反射信号の検出範囲を設定した場合には、時刻t2の位相特徴点に対応する受信信号が第2反射信号として検出される。
反射信号検出部7は、第1反射信号検出部71、第2反射信号検出部72による第1、第2反射信号の検出結果を含む反射信号情報を判定部8に出力する。
判定部8は、反射信号検出部7から出力された反射信号情報に基づいて、物体検知判定、物体の高さ判定、物体との距離算出等を行うものである。判定部8は、高さ判定部に相当する。
具体的には、第1反射信号検出部71によって第1反射信号が検出された場合には、判定部8は、超音波センサ2の検知範囲に検知対象の物体が存在すると判定する。一方、第1反射信号検出部71によって第1反射信号が検出されなかった場合には、判定部8は、検知範囲に検知対象の物体が存在しないと判定する。物体が存在すると判定されると、判定部8は、以下のように物体の高さ判定を行う。
判定部8は、第2反射信号検出部72によって第2反射信号が検出された場合には、判定部8は、検知された物体の推定高さを算出する。
まず、第1反射信号と第2反射信号のうち、先に受信された方を物体の正面部または上端部からの反射波に対応するものとし、後に受信された方を物体の根元からの反射波に対応するものとする。
そして、後に受信された反射信号の受信時刻を根元からの反射波の受信時刻として、探査波の送信時刻から反射波の受信時刻までの時間と、音速とに基づいて、超音波センサ2と物体の根元との距離L2を算出する。図6に示すように、超音波センサ2と物体の根元との水平距離をL3とすると、距離L3は、L3=√(L22-h12)により求められる。
つぎに、超音波センサ2の高さh1と、距離L3とを用いて、物体の高さを求める。すなわち、先に受信された反射信号の受信時刻を、後に受信された反射信号の受信時刻と同様に設定し、この受信時刻と音速とに基づいて距離L1を求める。そして、物体の高さh2を、h2=h1-√(L12-L32)により求める。なお、図5に示すように物体の上端が超音波センサ2の搭載高さよりも高い位置にある場合には、物体の正面部の高さが物体の高さh2として算出される。
このように推定高さを算出すると、判定部8は、算出した推定高さを閾値と比較して、物体が背の高い物体であるか、背の低い物体であるかを判定する。背の高い物体は、例えば、路面からの高さが所定値より大きく、車体に接触する可能性のある物体である。背の低い物体は、例えば、路面からの高さが所定値未満であり、車体に接触する可能性の低い物体である。
推定高さが閾値よりも大きい場合には、判定部8は、検知された物体が背の高い物体であると判定する。一方、反射信号検出部7により第1、第2反射信号のうち第1反射信号のみが検出され、第2反射信号が検出されなかった場合、および、算出した推定高さが閾値以下の場合には、判定部8は、検知された物体が背の低い物体であると判定する。
判定部8による物体検知判定結果、高さ判定結果、物体との距離L3の算出結果等は、制御部3に送信される。
送信信号生成部5、受信信号処理部6、反射信号検出部7、判定部8は、例えば、送信信号生成、位相差信号生成、振幅信号生成、位相特徴検出、振幅特徴検出、反射信号検出、物体検知判定、物体高さ判定、推定高さ算出、距離算出等の機能がプログラムされたDSPで構成されている。DSPはDigital Signal Processorの略である。
制御部3は、車載通信回線を介して超音波センサ2と情報通信可能に接続されており、超音波センサ2の送受信動作を制御するように構成されている。制御部3は、いわゆるソナーECUとして設けられていて、図示しないCPU、ROM、RAM、不揮発性リライタブルメモリ、等を有する車載マイクロコンピュータを備えている。ECUはElectronic Control Unitの略である。不揮発性リライタブルメモリは、例えば、EEPROM、フラッシュROM、等である。EEPROMはElectronically Erasable and Programmable Read Only Memoryの略である。
前述したように、制御部3には、判定部8から物体検知判定結果、高さ判定結果、物体との距離の算出結果等が送信される。これらの判定結果は、障害物の報知や自動駐車等の処理に用いられる。
物体検知装置1の動作について説明する。物体検知装置1は、図7に示す処理を含む物体検知処理を繰り返し実行する。物体検知処理では、制御部3から送信信号生成部5に送信指示が出され、送信信号生成部5が生成した送信信号に基づいてトランスデューサ41から探査波が送信される。そして、送受信部4による超音波信号の受信が検出されると、物体検知装置1は、図7に示す処理を実行する。
まず、ステップS101では、受信信号処理部6において受信信号の処理が行われる。すなわち、位相差信号生成部61は、送受信部4から出力された受信信号と基準信号との位相差信号を生成し、位相特徴検出部62は、位相差信号から位相特徴点を検出し、位相特徴点情報を反射信号検出部7に出力する。また、振幅信号生成部63は、受信信号の振幅信号を生成し、振幅特徴検出部64は、振幅信号から振幅特徴点を検出し、振幅特徴点情報を反射信号検出部7に出力する。
続くステップS102にて、第1反射信号検出部71は、位相特徴点情報と振幅特徴点情報とに基づいて第1反射信号を検出する。続くステップS103にて、判定部8は、第1反射信号検出部71によって第1反射信号が検出されたか否かを判定する。
第1反射信号が検出されたと判定されると、処理はステップS104に移行する。一方、第1反射信号が検出されなかったと判定されると、処理はステップS105に移行し、判定部8によって検知対象の物体が存在しないと判定されて、処理は終了する。
ステップS104にて、第2反射信号検出部72は、第1反射信号検出部71による第1反射信号の検出結果に基づいて、第2反射信号の検出範囲を設定する。すなわち、前述したように、第2反射信号検出部72は、第1反射信号の受信時刻から、第2反射信号が受信される可能性のある時間範囲を算出し、これを第2反射信号の検出範囲とする。
続くステップS106にて、第2反射信号検出部72は、第2反射信号の検出を行う。すなわち、第2反射信号検出部72は、ステップS104で設定した検出範囲において、位相特徴点情報に基づいて第1反射信号とは別の反射信号を検出し、第2反射信号とする。
続くステップS107にて、判定部8は、第2反射信号検出部72によって第2反射信号が検出されたか否かを判定する。第2反射信号が検出されたと判定されると、処理はステップS108に移行し、判定部8は前述した方法によって物体の推定高さを算出する。
続くステップS109にて、判定部8は、ステップS108で算出した推定高さが閾値よりも大きいか否かを判定する。推定高さが閾値よりも大きいと判定されると、処理はステップS110に移行し、判定部8によって、検知された物体が背の高い物体であると判定されて、処理は終了する。
ステップS107にて第2反射信号が検出されなかったと判定された場合、あるいは、ステップS109にて推定高さが閾値以下であると判定された場合には、処理はステップS111に移行する。そして、判定部8によって、検知された物体が背の低い物体であると判定されて、処理は終了する。
図7に示す処理が終了すると、判定部8は、物体検知判定結果、高さ判定結果、物体との距離の算出結果等を制御部3に送信する。
本実施形態の効果について説明する。物体の高さを判定する方法として、振幅信号のピークの数によって物体の高さを判定する方法が考えられる。
例えば、背の低い物体からの反射波を受信した場合については、図8に示すような振幅信号が想定される。すなわち、上端部からの反射波と根元からの反射波が返るが、上端部からの反射波は強度が低いため、振幅信号において閾値以上のピークが1つとなる。
また、超音波センサ2の搭載高さよりも背の高い物体からの反射波を受信した場合については、図9に示すような振幅信号が想定される。すなわち、物体の正面部と根元から強度の高い反射波が返り、閾値以上のピークが2つとなる。
したがって、振幅信号のピークの数が1つの場合には背の低い物体であると判定し、振幅信号のピークの数が2つの場合には背の高い物体であると判定できるようにも思われる。
しかしながら、実際には、アスファルト等の凹凸のある路面では、路面からの反射波の影響でSN比が低下する。また、超音波センサ2と物体との距離が遠いと、反射波の強度が低くなる。そのため、遠方にある背の低い物体については、図10に示すように、振幅信号が閾値を超えず、ピークが検出できないことがある。
また、超音波センサ2と物体との距離が近いと、超音波の指向性の影響により、物体の根元からの反射波の強度が低くなる。そのため、近くにある背の高い物体について、根元からの反射波に対応するピークが検出されず、図11に示すように、検出されるピークの数が1つとなる場合がある。このように、振幅信号のピークの数による判定方法では、物体の高さを誤判定するおそれがある。
また、自動駐車等では、車体に接触する可能性のある高さの物体と、車体に接触する可能性の低い段差等とを判別する必要がある。しかしながら、振幅信号のピークの数に基づいた判定方法では、超音波センサ2の搭載高さよりも高いか否かの判定しかできない。
これに対して、本実施形態では、振幅特徴点情報および位相特徴点情報に基づいて反射信号を検出し、この反射信号の数によって物体の高さを判定している。
受信信号の振幅は、超音波センサ2を中心とした広い方位範囲から返ったすべての反射波の強度の和に対応する。一方、受信信号の位相は、この方位範囲における最も強度が高い反射波の位相に対応する。そのため、振幅信号のSN比が低い場合にも、受信信号の位相には物体からの反射波の特徴が現れやすい。そして、送信部40Aから送信された探査波の物体からの反射波については、受信信号と基準信号との位相差が、ほぼ一定となる。
したがって、背の低い物体からの反射波については、物体の上端部からの反射波と根元からの反射波との間で伝播距離の差が小さいため、図12に示すように、位相差が一定の領域が、破線で囲まれた1箇所となり、反射信号が1つ検出される。また、背の高い物体からの反射波については、物体の正面部または上端部からの反射波と根元からの反射波との間で伝播距離の差が大きいため、図13に示すように、位相差が一定の領域が、破線で囲まれた2箇所となり、反射信号が2つ検出される。
このように、受信信号と基準信号との位相差を算出し、位相差信号から位相特徴点を検出し、振幅特徴点情報に加えて位相特徴点情報も用いることで、遠方にある背の低い物体の上端部や、近くにある物体の根元等からの強度の低い反射波についても検出可能となる。したがって、高さ判定精度が向上する。
また、強度の低い反射波についても検出可能であるため、超音波センサ2の搭載高さよりも低い物体について、さらに詳細に高さ判定をすることができる。例えば、車体に接触する可能性のある高さの物体と、車体に接触する可能性の低い段差等とを判別することができる。
図14、図15は、それぞれ、背の高い物体、背の低い物体に探査波を送信した場合の、本実施形態の方法による物体検知結果である。ここでの背の高い物体は、超音波センサ2の搭載高さと同程度の高さで、自車両のバンパーに接触する高さの物体である。ここでの背の低い物体は、自車両のバンパーに接触しない高さの物体である。
図14に示すように、背の高い物体については、物体の根元からの反射波に対応する振幅信号が閾値以上でピークをとり、かつ、位相差信号が長い時間一定となっていることから、この反射波に対応する受信信号が第1反射信号として検出された。
そして、この第1反射信号を基準に設定された検出範囲において、物体の上端部からの反射波に対応する位相差信号が一定となっていることから、この反射波に対応する受信信号が第2反射信号として検出された。さらに、2つの反射信号に基づいて算出された推定高さが閾値よりも大きいことから、検知された物体が背の高い物体であると判定された。
図15に示すように、背の低い物体については、物体の根元からの反射波に対応する振幅信号が閾値以上でピークをとり、かつ、位相差信号が一定となっていることから、この反射波に対応する受信信号が第1反射信号として検出された。
一方、この第1反射信号を基準に設定された検出範囲において、位相差信号が一定の領域が存在しないことから、第2反射信号は検出されなかった。このように、反射信号が1つのみ検出されたことから、検知された物体が背の低い物体であると判定された。
以上説明したように、本実施形態では、受信信号と送信信号に対応する基準信号との位相差を算出し、位相差信号から位相特徴点を検出し、振幅特徴点情報および位相特徴点情報に基づいて反射信号を検出する。これにより、強度の低い反射波も検出可能となり、物体の高さ判定の精度が向上する。
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)位相特徴検出部62は、位相差信号から、位相差の値の変化量が所定範囲内である連続した区間を検出し、該区間の長さが、送信信号の長さに基づいて設定された判定時間以上であるときに、該区間の情報を位相特徴点情報として出力する。このように、位相差信号がフラットとなっている部分から位相特徴点を検出することにより、位相特徴点の検出が簡単になり、計算量を低減することができる。
(2)反射信号検出部7は、少なくとも1つの反射信号について、振幅特徴点情報および位相特徴点情報の両方に基づいて検出処理を行う。位相の特性により、位相差が一定となる領域は複数存在することが多い。これに対して、位相差信号に加えて、SN比の大きい振幅信号を用いることにより、物体の正面部、上端部、根元からの反射波に対応する反射信号を精度よく検出し、高さ判定精度を向上させることができる。
(3)反射信号検出部7は、1つの反射信号が検出されたとき、該検出された反射信号を基準として別の反射信号の検出範囲を設定する。このように、第1反射信号を基準として第2反射信号の検出範囲を設定することにより、計算量が低減されるとともに、第2反射信号の検出が容易になる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して反射信号の検出方法を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して反射信号の検出方法を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、送信信号は、時間経過とともに位相または周波数が変化する変調信号とされる。例えば、送信信号生成部5は、所定の周波数変調状態を有する探査波における周波数変調状態に対応する送信信号を生成するようになっている。送信信号生成部5は、トランスデューサ41の共振周波数を含む範囲において探査波の周波数が掃引されるように送信信号を生成する。
所定の周波数変調状態は、アップチャープまたはダウンチャープを含む。アップチャープは、時間経過とともに周波数が単調増加するような周波数変調状態である。ダウンチャープは、時間経過とともに周波数が単調減少するような周波数変調状態である。
探査波は、送信信号の周波数変調によって符号化される。例えば、アップチャープは符号「1」を示し、ダウンチャープは符号「0」を示す。この符号は、受信波の識別に用いられる。
位相差信号生成部61は、受信信号と基準信号との位相差信号を第1位相差信号として、第1位相差信号に加えて、送信信号に基づいて第2位相差信号を生成する。本実施形態の基準信号は、例えば送信信号の平均もしくは中心周波数と同じ周波数のバースト状の信号とされる。第2位相差信号は、送信信号と基準信号との位相差信号とされる。そして、位相差信号生成部61は、第1位相差信号と第2位相差信号との位相差相関信号を生成する。位相差相関信号は、例えば、第1位相差信号と第2位相差信号との相互相関によって生成される。位相差信号生成部61は、生成した位相差相関信号を位相特徴検出部62に出力する。
このように位相差相関信号を生成すると、第1位相差信号が第2位相差信号と同様の形状になる時刻において、位相差相関信号がピークをとるようになる。
位相特徴検出部62は、位相差相関信号から、信号値が所定値以上となる区間を検出し、該区間の情報を位相特徴点情報として出力する。具体的には、位相特徴検出部62は、位相差相関信号が閾値以上でピークをとる部分を検出し、このピークをとるサンプルを位相特徴点とする。位相特徴検出部62が出力する位相特徴点情報は、例えば、位相差相関信号のピーク値、ピーク時刻、信号値が所定値以上となる区間の幅、該区間の面積、ピーク数のうち、いずれか1つまたは複数を含む。
第1反射信号検出部71は、第1実施形態で用いた条件に加えて、送信信号と受信信号との符号が一致しているという条件を用いて、第1反射信号を検出する。すなわち、第1反射信号検出部71は、振幅特徴点情報に含まれる振幅特徴点のピーク時刻を基準として時間範囲を設定し、この時間範囲に位相特徴点が含まれる場合に、この振幅特徴点および位相特徴点に対応する受信信号と、送信信号との符号が一致しているか否かを判定する。
符号判定では、第1反射信号検出部71は、受信信号から周波数信号を抽出し、この周波数信号に対応する符号が送信信号の符号に一致するか否かを判定する。周波数信号の抽出は、例えばFFTによって行われる。FFTはFast Fourier Transformの略である。受信信号と送信信号との符号が一致している場合には、第1反射信号検出部71は、この受信信号を第1反射信号として検出する。
第2反射信号検出部72は、第1反射信号を基準として設定された検出範囲に、第1反射信号とは別の位相特徴点があるとき、この位相特徴点に対応する受信信号を第2反射信号とする。第2反射信号検出部72によって第2反射信号が検出されると、判定部8は、位相差相関信号がピークをとるときの時刻に基づいて、物体の高さ推定を行う。
図16、図17は、それぞれ、背の高い物体、背の低い物体に探査波を送信した場合の、本実施形態の方法による物体検知結果である。ここでの背の高い物体は、超音波センサ2の搭載高さと同程度の高さで、自車両のバンパーに接触する高さの物体である。ここでの背の低い物体は、自車両のバンパーに接触しない高さの物体である。
図16に示すように、背の高い物体については、物体の根元からの反射波に対応する振幅信号が閾値以上でピークをとり、かつ、位相差相関信号が閾値以上でピークをとることから、この反射波に対応する受信信号が第1反射信号として検出された。
そして、この第1反射信号を基準に設定された検出範囲において、物体の上端部からの反射波に対応する位相差相関信号が閾値以上でピークをとることから、この反射波に対応する受信信号が第2反射信号として検出された。さらに、2つの反射信号に基づいて算出された推定高さが閾値よりも大きいことから、検知された物体が背の高い物体であると判定された。
図17に示すように、背の低い物体については、物体の根元からの反射波に対応する振幅信号が閾値以上でピークをとり、かつ、位相差相関信号が閾値以上でピークをとることから、この反射波に対応する受信信号が第1反射信号として検出された。
一方、この第1反射信号を基準に設定された検出範囲において、位相差相関信号が閾値以上でピークをとる領域が存在しないことから、第2反射信号は検出されなかった。このように、反射信号が1つのみ検出されたことから、検知された物体が背の低い物体であると判定された。
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成および作動からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)位相差信号生成部61は、受信信号と基準信号との位相差信号を第1位相差信号として、第1位相差信号に加えて、送信信号に基づいて第2位相差信号を生成し、第1位相差信号と第2位相差信号との位相差相関信号を生成する。そして、位相特徴検出部62は、位相差相関信号が所定値以上となる区間を検出し、該区間の情報を位相特徴点情報として出力する。
これによれば、SN比が向上し、高さ判定精度が向上する。また、送信信号が無変調信号である場合だけでなく、時間経過とともに位相または周波数が変化する変調信号である場合にも、位相相関を高い精度で調べることができる。
(2)位相特徴検出部62は、位相差相関信号のピークに基づいて位相特徴点を検出する。位相差相関信号のピークを基準とすることで、物体の高さ判定、推定高さの算出、物体との距離の算出精度が向上する。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
送信部40Aを構成するトランスデューサ41と、受信部40Bを構成するトランスデューサ41とが、別体として設けられていてもよい。
第2実施形態において、送信信号を無変調信号としてもよい。この場合には、図18に示すように、第1位相差信号がフラットになる時刻において、位相差相関信号がピークをとるようになる。
相関算出によって振幅信号を生成する場合に、受信信号に倍角処理を施し、周波数帯域を広げてから相関算出を行ってもよい。これにより、帯域の狭いマイクロフォンを用いる場合にも検知性能を向上させることができる。
第1実施形態において、物体の推定高さや、物体との距離の算出に用いる受信時刻は、位相特徴点に対応する時刻でもよいし、位相差がフラットとなる区間の最初のサンプルに対応する時刻でもよい。例えば振幅信号に基づいて反射波の受信時刻を求める場合には、振幅信号の立ち上がりはノイズに埋もれて検出が難しいため、振幅信号のピーク時刻が受信時刻とされる。これに対して、該区間の最初のサンプルの受信時刻を反射波の受信時刻とすることで、振幅信号では検出が難しい反射波の受信開始時刻を受信時刻とすることができる。これにより、物体の高さ推定の精度が向上する。
送信信号に基づいて設定した検出範囲において、振幅信号が閾値以上となった時刻におけるサンプルを振幅特徴点としてもよい。この場合には、例えば、振幅が閾値以上となった時刻を基準として第1反射信号の検出範囲が設定される。
上記各実施形態では、第1反射信号を基準に第2反射信号の検出範囲を設定したが、第2反射信号を第1反射信号と同じ範囲で検出してもよい。
振幅特徴点情報と位相特徴点情報のうち、いずれか一方のみに基づいて第1反射信号を検出してもよい。この場合には、振幅特徴点情報と位相特徴点情報のうち、第1反射信号の検出に用いられなかった方のみに基づいて第2反射信号を検出してもよいし、両方に基づいて第2反射信号を検出してもよい。
第1反射信号検出部71において、振幅特徴点に対応する位相特徴点がある場合に、さらに以下の条件を加味して第1反射信号を検出してもよい。すなわち、振幅特徴点情報に含まれる振幅特徴量を所定値と比較し、位相特徴点情報に含まれる位相特徴量を所定値と比較し、振幅特徴量についての比較結果、および、位相特徴量についての比較結果に基づいて、反射信号を検出してもよい。振幅特徴量は、例えば、振幅ピーク値や、振幅が閾値以上となる区間の幅等である。位相特徴量は、例えば、位相差がフラットとなる区間の幅や、相関ピーク値等である。
物体の高さ判定において、物体の推定高さを用いず、検出された反射信号の数のみに基づいて物体の高さ判定を行ってもよい。すなわち、第2反射信号が検出された場合には背の高い物体であると判定し、第2反射信号が検出されず、第1反射信号のみが検出された場合には背の低い物体であると判定してもよい。
振幅信号が所定の閾値よりも大きい場合には、物体が背の高い壁であると判定してもよい。
物体の上端部からの反射波は、物体の高さによって強度が変化する。したがって、2つの反射信号が検出された場合に、反射信号の振幅に基づいて物体の高さを判定してもよい。例えば、第1反射信号の振幅と第2反射信号の振幅との差や、2つの振幅の比が所定値よりも大きい場合には、背の低い物体であると判定されやすくしてもよい。
第1実施形態において、位相差が一定の領域が所定時間以上続いた場合には、その領域に2つの反射信号が含まれると判定してもよい。
第2実施形態において、位相差相関信号が所定時間以上にわたって閾値以上となった場合や、閾値以上となった1つの領域で2つ以上のピークをとる場合には、その閾値以上となった領域に2つの反射信号が含まれていると判定してもよい。
反射信号の検出に用いる位相差に所定値を加算してもよい。例えば、物体が移動する場合のドップラーシフトを考慮して、反射信号の検出に用いる位相差をオフセットさせてもよい。
検知対象とする距離に応じて、反射信号の検出範囲や、反射信号の検出基準となる連続したサンプルの数を変化させてもよい。
反射信号検出部7において、3つ以上の反射信号を検出するようにしてもよい。複雑な形状の物体からは、3つ以上の反射波が返ることがある。例えば、図19に示すような階段状の物体に向かって探査波を送信すると、図20に示すように3つの反射信号が検出される。したがって、第1反射信号を基準に設定された検出範囲から、第1反射信号以外に複数の反射信号が検出された場合には、その検出結果に基づいて物体の形状を推定してもよい。例えば、駐車場に存在し得る物体に関する反射信号のデータを判定部8に記憶させ、自動駐車を行う際に3つ以上の反射信号が検出された場合には、検出結果と記憶されたデータとを照合して物体の形状を推定してもよい。また、物体の形状による影響を考慮して、反射信号の検出基準を広げてもよい。
本開示に記載の送信信号生成部、受信信号処理部、反射信号検出部、判定部、制御部等及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の送信信号生成部、受信信号処理部、反射信号検出部、判定部、制御部等及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の送信信号生成部、受信信号処理部、反射信号検出部、判定部、制御部等及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
40A 送信部
40B 受信部
61 位相差信号生成部
62 位相特徴検出部
63 振幅信号生成部
64 振幅特徴検出部
7 反射信号検出部
8 判定部
40B 受信部
61 位相差信号生成部
62 位相特徴検出部
63 振幅信号生成部
64 振幅特徴検出部
7 反射信号検出部
8 判定部
Claims (14)
- 超音波の送受信によって物体を検知する物体検知装置であって、
送信信号に応じた超音波を送信する送信部(40A)と、
超音波を受信して、該受信した超音波に応じた受信信号を出力する受信部(40B)と、
前記受信信号の振幅信号を生成する振幅信号生成部(63)と、
前記振幅信号から振幅特徴点を検出し、前記振幅特徴点に関する情報である振幅特徴点情報を出力する振幅特徴検出部(64)と、
前記受信信号と基準信号との位相差信号を生成する位相差信号生成部(61)と、
前記位相差信号から位相特徴点を検出し、前記位相特徴点に関する情報である位相特徴点情報を出力する位相特徴検出部(62)と、
前記振幅特徴点情報および前記位相特徴点情報に基づいて反射信号を検出し、前記反射信号に関する情報である反射信号情報を出力する反射信号検出部(7)と、
前記反射信号情報に基づいて物体の高さを判定する高さ判定部(8)と、を備える物体検知装置。 - 前記位相特徴検出部は、
前記位相差信号から、位相差の値の変化量が所定範囲内である連続した区間を検出し、
該区間の長さが、前記送信信号の長さに基づいて設定された判定時間以上であるときに、該区間の情報を前記位相特徴点情報として出力する請求項1に記載の物体検知装置。 - 前記位相差信号生成部は、
前記位相差信号を第1位相差信号として、
前記第1位相差信号に加えて、前記送信信号に基づいて第2位相差信号を生成し、
前記第1位相差信号と前記第2位相差信号との位相差相関信号を生成し、
前記位相特徴検出部は、
前記位相差相関信号が所定値以上となる区間を検出し、
該区間の情報を前記位相特徴点情報として出力する請求項1に記載の物体検知装置。 - 前記位相特徴検出部は、前記位相差相関信号のピークに基づいて前記位相特徴点を検出する請求項3に記載の物体検知装置。
- 前記位相特徴点情報は、前記位相差相関信号のピーク値、ピーク時刻、信号値が所定値以上となる区間の幅、該区間の面積、ピーク数のうち、いずれか1つまたは複数を含む請求項3または4に記載の物体検知装置。
- 前記送信信号は、時間経過とともに位相または周波数が変化する変調信号である請求項3ないし5のいずれか1つに記載の物体検知装置。
- 前記反射信号検出部は、少なくとも1つの前記反射信号について、前記振幅特徴点情報および前記位相特徴点情報の両方に基づいて検出処理を行う請求項1ないし6のいずれか1つに記載の物体検知装置。
- 前記反射信号検出部は、1つの前記反射信号が検出されたとき、該検出された前記反射信号を基準として別の前記反射信号の検出範囲を設定する請求項1ないし7のいずれか1つに記載の物体検知装置。
- 前記反射信号検出部は、
前記振幅特徴点情報に含まれる振幅特徴量を所定値と比較し、
前記位相特徴点情報に含まれる位相特徴量を所定値と比較し、
前記振幅特徴量についての比較結果、および、前記位相特徴量についての比較結果に基づいて、前記反射信号を検出する請求項1ないし8のいずれか1つに記載の物体検知装置。 - 前記振幅特徴点情報は、前記振幅信号のピーク値、ピーク時刻、信号値が所定値以上となる区間の幅、該区間の面積、ピーク数のうち、いずれか1つまたは複数を含む請求項1ないし9のいずれか1つに記載の物体検知装置。
- 前記高さ判定部は、検出された前記反射信号の数に基づいて物体の高さを判定する請求項1ないし10のいずれか1つに記載の物体検知装置。
- 前記反射信号が複数検出されたとき、
前記高さ判定部は、2つの前記反射信号の時間差に基づいて物体の高さを判定する請求項1ないし11のいずれか1つに記載の物体検知装置。 - 前記反射信号が複数検出されたとき、
前記高さ判定部は、2つの前記反射信号の振幅に基づいて物体の高さを判定する請求項1ないし12のいずれか1つに記載の物体検知装置。 - 前記振幅信号は、前記受信信号と、前記送信信号に基づいて設定された参照信号との相関算出によって生成された信号である請求項1ないし13のいずれか1つに記載の物体検知装置。
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