JP2023032303A - パワーモジュール - Google Patents

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Abstract

Figure 2023032303000001
【課題】従来型のパワーモジュールと同等の端子配列で配線インダクタンスを低減する。
【解決手段】実施形態のパワーモジュールは、パワーモジュールは、一端側に制御端子と、他端側に電極端子とを有する筐体と、筐体内に配置される回路基板と、を備える。回路基板には、電極端子に含まれる第1の端子と接続される第1の電極パターンと、電極端子に含まれる第2の端子と接続される第2の電極パターンと、上アームを構成するGaN系スイッチング素子を含む第1のスイッチング素子と下アームを構成するGaN系スイッチング素子を含む第2のスイッチング素子とで構成されるレグと、を備える。レグにおいて、上アームと下アームとの接続点は電極端子に含まれる第3の端子と接続される。回路基板において、第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子は、第1の電極パターンと、第2の電極パターンとの間に挟まれるように配置される。
【選択図】図11

Description

本発明の実施形態は、パワーモジュールに関する。
パワーモジュールに搭載されるシリコン(以下Siとも称する)をベースとしたパワーデバイスには、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、FET(Field-Effect Transistor:電界効果トランジスタ)がある。これらSiをベースとするパワーデバイスは、ON電圧を上げずに耐圧を高くすることについて、すでに物理的性能限界に達している。また、Siをベースとするパワーデバイスはスイッチングスピードも物理的性能限界に近づいており、スイッチングの高速化による損失低減も限界に近付いている。
このため、Siの代わりにシリコンカーバイド(以下SiCとも呼称する)やガリウムナイトライド(以下GaNとも呼称する。GaN:Gallium Nitride)といった上記Siの物理的性能限界を超えることのできる材料を用いた新しいパワーデバイスの開発が行われている。また、SiCやGaNを用いたパワーデバイスを搭載したパワーモジュールの提供が進められている。
特開2020-167869号公報 特開2014-7189号公報
しかしながら、上記の従来技術では、近年開発が進むGaNを用いたパワーデバイスについて、パワーモジュール内における配置(GaNを用いたスイッチング素子、コンデンサ、配線など)の最適化が十分に実施されているとは言えない。
例えば、GaNを用いたパワーデバイスは、Siをベースとするスイッチング素子と電極の配置などの構造が異なる。このため、Siをベースとするパワーデバイスを用いた従来型のパワーモジュール内の配置をそのまま用いると、ノイズ発生の原因となる配線インダクタンスが増加する場合がある。また、配線インダクタンスを低減するようにGaNを用いたスイッチング素子を配置する場合には、外部と接続するための端子配列が従来型のパワーモジュールと異なるものとなり、パワーモジュールと外部との接続箇所の設計変更を要することとなる。
そこで、本開示では、従来型のパワーモジュールと同等の端子配列で配線インダクタンスを低減できるパワーモジュールを提案する。
本開示の一態様によるパワーモジュールは、一端側に制御端子と、他端側に電極端子とを有する筐体と、筐体内に配置される回路基板と、を備える。回路基板には、電極端子に含まれる第1の端子と接続される第1の電極パターンと、電極端子に含まれる第2の端子と接続される第2の電極パターンと、上アームを構成するGaN系スイッチング素子を含む第1のスイッチング素子と下アームを構成するGaN系スイッチング素子を含む第2のスイッチング素子とで構成されるレグと、を備える。レグにおいて、上アームと下アームとの接続点は電極端子に含まれる第3の端子と接続される。回路基板において、第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子は、第1の電極パターンと、第2の電極パターンとの間に挟まれるように配置される。
従来型のパワーモジュールと同等の端子配列で配線インダクタンスを低減できる。
図1は、GaN-FETの回路例を示す図である。 図2は、カスケード型GaN-FETの回路例を示す図である。 図3は、GaN-FETのチップ例を示す図である。 図4は、Si-FETのチップ例を示す図である。 図5は、カスケード型GaN-FETの実装例を示す図である。 図6は、実施形態にかかるパワーモジュールの回路例を示す図である。 図7は、実施形態にかかるパワーモジュールの回路例を示す図である。 図8は、実施形態にかかるパワーモジュールにおいて配線インダクタンスの低減について説明するための図である。 図9は、実施形態にかかるパワーモジュールにおいて配線インダクタンスの低減について説明するための図である。 図10は、実施形態にかかるパワーモジュールにおいて配線インダクタンスの低減について説明するための図である。 図11は、実施形態にかかるパワーモジュールにおける第1スイッチング素子~第6スイッチング素子およびコンデンサの最適な配置について説明するための図である。 図12Aは、実施形態にかかるパワーモジュールにおける第1スイッチング素子~第6スイッチング素子およびコンデンサの最適な配置について説明するための図である。 図12Bは、実施形態にかかるパワーモジュールにおける第1スイッチング素子~第6スイッチング素子およびコンデンサの最適な配置について説明するための図である。 図13は、実施形態にかかるパワーモジュールにおける第1スイッチング素子~第4スイッチング素子およびコンデンサの最適な配置について説明するための図である。 図14Aは、実施形態にかかるパワーモジュールにおける第1スイッチング素子~第4スイッチング素子およびコンデンサの最適な配置について説明するための図である。 図14Bは、実施形態にかかるパワーモジュールにおける第1~第4スイッチング素子およびコンデンサの最適な配置について説明するための図である。 図15は、実施形態にかかるパワーモジュールの構成を示す上面図、側面図および断面図を示す図である。 図16は、実施形態にかかるパワーモジュールの構成を示す上面図、側面図および断面図を示す図である。 図17は、実施形態にかかるパワーモジュールの組立工程の一例を示す図である。 図18は、ケースへのパワー基板およびドライバ基板の接着を例示する図である。 図19Aは、実施形態にかかるパワーモジュール内の回路ループについて説明するための図である。 図19Bは、実施形態にかかるパワーモジュール内の回路ループについて説明するための図である。 図19Cは、実施形態にかかるパワーモジュール内の回路ループについて説明するための図である。 図20Aは、実施形態にかかるパワーモジュール内の回路ループについて説明するための図である。 図20Bは、実施形態にかかるパワーモジュール内の回路ループについて説明するための図である。 図20Cは、実施形態にかかるパワーモジュール内の回路ループについて説明するための図である。 図21は、実施形態にかかるパワーモジュール内の共通インピーダンスについて説明するための図である。 図22Aは、参考例におけるパワーモジュールの上面図および側面図を示す図である。 図22Bは、参考例におけるパワーモジュールの上面図および側面図を示す図である。 図23Aは、参考例におけるパワーモジュール内の回路ループについて説明するための図である。 図23Bは、参考例におけるパワーモジュール内の回路ループについて説明するための図である。 図23Cは、参考例におけるパワーモジュール内の回路ループについて説明するための図である。 図24Aは、参考例におけるパワーモジュール内の回路ループについて説明するための図である。 図24Bは、参考例におけるパワーモジュール内の回路ループについて説明するための図である。 図24Cは、参考例におけるパワーモジュール内の回路ループについて説明するための図である。
以下、図面を参照して、実施形態にかかるパワーモジュールを説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明するパワーモジュールは、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
<スイッチング素子の構成>
本開示は、GaN-FETまたはカスケード型GaN-FETであるGaN系スイッチング素子を用いたパワーモジュールに関するものである。そこで、本開示の実施形態の理解を容易とするために、図1~図5を参照しながら、各実施形態に適用可能なGaN-FETおよびカスケード型GaN-FETについて説明する。
図1は、GaN-FETの回路例を示す図である。GaN-FETでは、ゲートに印加される電圧を制御することによって、ドレインからソースに流れる電流が制御される。
図2は、カスケード型GaN-FETの回路例を示す図である。図2に示すように、カスケード型GaN-FETの内部では、GaN-FETのソース端子とSi-FETのドレイン端子とが電気的に接続され、Si-FETのソース端子とGaN-FETのゲート端子とが電気的に接続される。
そして、GaN-FETのドレイン端子がカスケード型GaN-FETのドレイン電極となり、Si-FETのソース端子がカスケード型GaN-FETのソース電極となり、Si-FETのゲート端子がカスケード型GaN-FETのゲート電極となる。
このような回路構成のカスケード型GaN-FETでは、ノーマリーオンのGaN-FETを、ノーマリーオフのスイッチング素子として駆動させることができる。すなわち、カスケード型GaN-FETでは、ゲート電極(すなわち、Si-FETのゲート端子)にローレベルの信号を入力することにより、素子をオフ状態にすることができる。また、カスケード型GaN-FETでは、ゲート電極にハイレベルの信号を入力することにより、素子をオン状態にすることができる。
そして、カスケード型GaN-FETは、GaN-FETの耐圧特性を利用できることから、高い耐圧特性を有する。さらに、カスケード型GaN-FETは、ゲートの駆動に低耐圧Si-FETの特性を利用できることから、GaN-FETの高速性を損なうことなく、高電圧での駆動が可能となる。
図3は、GaN-FETの例を示す図である。このGaN-FETはパッケージのないベアチップであり、図3は、その上面図である。GaN-FETの外形は長方形であり、長辺と短辺とを有する。GaN-FETのおもて面には、一方の長辺の近傍にドレインパッドが設けられる。このドレインパッドは一方の長辺に沿って設けられる。他方の長辺の近傍にはソースパッドが設けられる。このソースパッドは他方の長辺に沿って設けられる。また、GaN-FETのおもて面には、他方の長辺に沿ってソースパッドを挟む位置に1対のゲートパッドが設けられる。
図4は、Si-FETの例を示す図である。このSi-FETはパッケージのないベアチップであり、図4は、その上面図である。図4に示すように、Si-FETは、おもて面にソースパッドおよびゲートパッドを有し、裏面にドレインパッドを有する。
なお、図3および図4はGaN-FETおよびSi-FETの一例であり、本実施形態に限定しない。例えば、GaN-FETおよびSi-FETの外形は長方形には限られず、正方形であってもよい。また、例えばGaN-FETのおもて面のドレインパッドやソースパッドは短辺に沿って設けられてもよい。
図5は、カスケード型GaN-FETの実装例を示す図である。図5に示すように、カスケード型GaN-FETは、長方形状のGaN-FETと、かかるGaN-FETより小さい長方形状のSi-FETとが積層されて形成される。GaN-FETのおもて面に設けられるソースパッドと、Si-FETの裏面に設けられるドレインパッドとが、ハンダや導電性接着剤などの導電性接合材で電気的および機械的に接続される。これにより、GaN-FETのドレインがカスケード型GaN-FETのドレインとなり、Si-FETのソースがカスケード型GaN-FETのソースとなり、Si-FETのゲートがカスケード型GaN-FETのゲートとなる。
また、カスケード型GaN-FETのドレインパッドが沿う長辺に沿ってGaN-FETの一方のドレインのリードフレームが設けられ、GaN-FETの他方の長辺に沿ってソースのリードフレームが設けられる。また、カスケード型GaN-FETのゲートパッドがある側のGaN-FETの短辺に沿ってゲートのリードフレームが設けられる。ドレインパッドとドレインのリードフレームとはAL(Aluminum)ワイヤなどのボンディングワイヤで接続される。ソースパッドとソースのリードフレームとはALワイヤなどのボンディングワイヤで接続される。ゲートパッドとゲートのリードフレームとはALワイヤなどで接続される。また、GaN-FETの2つのゲートパッドとソースのリードフレームとはALワイヤなどで接続される。
ドレインパッド、ソースパッド、ゲートパッドは、絶縁性の樹脂で覆われる。図示例における点線枠は、樹脂で覆われる部分の一例である。このように、樹脂で覆った後には、ドレインパッド、ソースパッド、ゲートパッドは樹脂で封止され、ドレイン、ソースおよびゲートのリードフレームの一部だけが外部と接続される。
なお、カスケード型GaN-FETには、GaN-FETチップとSi-FETチップを重ねる(Chip on Chip)以外に、2つのチップを並列に並べてワイヤ、パターン、リードフレームなどで接続する例もある。
<パワーモジュールの回路構成>
つづいて、実施形態にかかるパワーモジュールの回路構成について、図6~図10を参照しながら説明する。図6および図7は、実施形態にかかるパワーモジュールの回路例を示す図である。
図6では、第1スイッチング素子Q1~第6スイッチング素子Q6の6つのスイッチング素子を備える6in1のパワーモジュール1の回路例である。具体的には、上アームを構成するスイッチング素子(Q1、Q3、Q5)と、下アームを構成するスイッチング素子(Q2、Q4、Q6)とによるレグを3つ備える三相フルブリッジインバータとしてのパワーモジュール1の回路例が示されている。
図7では、第1スイッチング素子Q1~第4スイッチング素子Q4の4つのスイッチング素子を備える4in1のパワーモジュール1aの回路例である。具体的には、上アームを構成するスイッチング素子(Q1、Q3)と、下アームを構成するスイッチング素子(Q2、Q4)とによるレグを2つ備える単相フルブリッジインバータとしてパワーモジュール1aの回路例が示されている。
なお、図6および図7はパワーモジュールにおける回路の一例であり、パワーモジュールは三相フルブリッジインバータまたは単相フルブリッジインバータに限定しない。例えば、パワーモジュールは、上アームを構成するスイッチング素子(Q1)と、下アームを構成するスイッチング素子(Q2)とによるレグを1つ備える単相ハーフブリッジインバータであってもよい。
このパワーモジュール1、1aにおける第1スイッチング素子Q1~第6スイッチング素子Q6は、すべてカスケード型GaN-FETであるスイッチング素子Qで構成され、略等しい耐圧特性およびスイッチング特性を有する。なお、第1スイッチング素子Q1~第6スイッチング素子Q6は、すべてGaN-FETであってもよい。また、一部のスイッチング素子をカスケード型GaN-FETとして、その他のスイッチング素子をGaN-FETとしても良い。
図6に示すように、パワーモジュール1は、点線枠内の回路ブロックK10において、第1スイッチング素子Q1~第6スイッチング素子Q6の6つのスイッチング素子を備える。また、図7に示すように、パワーモジュール1aは、点線枠内の回路ブロックK10aにおいて、第1スイッチング素子Q1~第4スイッチング素子Q4の4つのスイッチング素子を備える。この回路ブロックK10の正極端子Pと負極端子Nとの間には、例えばコンデンサC1、C2が並列に接続される。コンデンサC1は、正極端子Pおよび負極端子N間のノイズ除去を行うためのコンデンサである。具体的には、コンデンサC1は、例えば第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2がON、OFFする際に、リーケージインダクタンス(不要インダクタンス)が発生する急激なスパイクノイズを吸収する。一方、コンデンサC2は、コンデンサC1よりも静電容量が大きく設定されており、大きな電流が必要な場合の一時的な電力の供給源(バッファ)として機能する。
また、パワーモジュール1は、この回路ブロックK10内のスイッチング素子それぞれを駆動させるQ1ドライブ回路d1~Q6ドライブ回路d6を備える。なお、図6では、第1スイッチング素子Q1を駆動させるQ1ドライブ回路d1と、第2スイッチング素子Q2を駆動させるQ2ドライブ回路d2とを例示しており、第3スイッチング素子Q3~第6スイッチング素子Q6に関するQ3ドライブ回路d3~Q6ドライブ回路d6は図示を省略している。
第1スイッチング素子Q1のドレイン端子は、正極端子Pに接続され、第1スイッチング素子Q1のソース端子は、第2スイッチング素子Q2のドレイン端子に接続される。また、第1スイッチング素子Q1のゲート端子Q1-Gは、Q1ドライブ回路d1の第1出力に接続され、第1スイッチング素子Q1のソース端子Q1-Sは、Q1ドライブ回路d1の第2出力に接続される。
第2スイッチング素子Q2のドレイン端子は、第1スイッチング素子Q1のソース端子Q1-Sに接続され、第2スイッチング素子Q2のソース端子Q2-Sは、負極端子Nに接続される。また、第2スイッチング素子Q2のゲート端子Q2-Gは、Q2ドライブ回路d2の第1出力に接続され、第2スイッチング素子Q2のソース端子Q2-Sは、Q2ドライブ回路d2の第2出力に接続される。
第3スイッチング素子Q3のドレイン端子は、正極端子Pに接続され、第3スイッチング素子Q3のソース端子は、第4スイッチング素子Q4のドレイン端子に接続される。また、第3スイッチング素子Q3のゲート端子Q3-Gは、Q3ドライブ回路d3の第1出力に接続され、第3スイッチング素子Q3のソース端子Q3-Sは、Q3ドライブ回路d3の第2出力に接続される。なお、図6では、ゲート端子Q3-G、ソースタンスQ3-SおよびQ3ドライブ回路d3は省略されている。
第4スイッチング素子Q4のドレイン端子は、第3スイッチング素子Q3のソース端子Q3-Sに接続され、第4スイッチング素子Q4のソース端子Q4-Sは、負極端子Nに接続される。また、第4スイッチング素子Q4のゲート端子Q4-Gは、Q4ドライブ回路d4の第1出力に接続され、第4スイッチング素子Q4のソース端子Q4-Sは、Q4ドライブ回路d4の第1出力に接続される。なお、図6では、ゲート端子Q4-G、ソース端子Q4-SおよびQ4ドライブ回路d4は省略されている。
第5スイッチング素子Q5のドレイン端子は、正極端子Pに接続され、第5スイッチング素子Q5のソース端子Q5-Sは、第6スイッチング素子Q6のドレイン端子に接続される。また、第5スイッチング素子Q5のゲート端子Q5-Gは、Q5ドライブ回路d5の第1出力に接続され、第5スイッチング素子Q5のソース端子Q5-Sは、Q5ドライブ回路d5の第2出力に接続される。なお、図6では、ゲート端子Q5-G、ソース端子Q5-SおよびQ5ドライブ回路d5は省略されている。
第6スイッチング素子Q6のドレイン端子は、第5スイッチング素子Q5のソース端子Q5-Sに接続され、第6スイッチング素子Q6のソース端子Q6-Sは、負極端子Nに接続される。また、第6スイッチング素子Q6のゲート端子Q6-Gは、Q6ドライブ回路d6の第1出力に接続され、第6スイッチング素子Q6のソース端子Q6-Sは、Q6ドライブ回路d6の第2出力に接続される。なお、図6では、ゲート端子Q6-G、ソース端子Q6-SおよびQ6ドライブ回路d6は省略されている。
パワーモジュール1の回路ブロックK10では、出力端子OUT1、OUT2、OUT3を有する。また、パワーモジュール1aの回路ブロックK10aでは、出力端子OUT2、OUT3を有する。
図6に示すように、パワーモジュール1の出力端子OUT1は、第1スイッチング素子Q1のソース端子Q1-Sと第2スイッチング素子Q2のドレイン端子とをつなぐラインに接続される。また、パワーモジュール1の出力端子OUT2は、第3スイッチング素子Q3のソース端子Q3-Sと第4スイッチング素子Q4のドレイン端子とをつなぐラインに接続される。また、パワーモジュール1の出力端子OUT3は、第5スイッチング素子Q5のソース端子Q5-Sと第6スイッチング素子Q6のドレイン端子とをつなぐラインに接続される。
図7に示すように、パワーモジュール1aの出力端子OUT2は、第1スイッチング素子Q1のソース端子Q1-Sと第2スイッチング素子Q2のドレイン端子とをつなぐラインに接続される。また、パワーモジュール1aの出力端子OUT3は、第3スイッチング素子Q3のソース端子Q3-Sと第4スイッチング素子Q4のドレイン端子とをつなぐラインに接続される。
Q1ドライブ回路d1は、第1スイッチング素子Q1を駆動(オン/オフ)し、Q2ドライブ回路d2は、第2スイッチング素子Q2を駆動(オン/オフ)する。また、図6では省略されているが、Q3ドライブ回路d3は第3スイッチング素子Q3を、Q4ドライブ回路d4は第4スイッチング素子Q4を、Q5ドライブ回路d5は第5スイッチング素子Q5を、Q6ドライブ回路d6は第6スイッチング素子Q6をそれぞれ駆動(オン/オフ)する。これらQ1ドライブ回路d1~Q6ドライブ回路d6は、制御端子T2より制御端子周辺回路d10(例えば、抵抗やコンデンサで構成された回路)を介して入力される制御信号に基づいて第1スイッチング素子Q1~第6スイッチング素子Q6を駆動する。
そして、図6や図7に示したようなパワーモジュール1、1aにおいて、スイッチング素子をオンオフし大電流が断続的に流れることにより発生するノイズを低減するためには、回路ブロック内の配線インダクタンスを低減することが重要である。そこで、回路ブロック内の配線インダクタンスの低減について、図8~図10を参照しながら説明する。
図8~10は、実施形態にかかるパワーモジュール1、1aにおいて配線インダクタンスの低減について説明するための図である。図8、図9に示すように、パワーモジュール1、1aの内部には、矢印で示される電流の流れによる様々な経路の回路ループが形成される。
たとえば、パワーモジュール1内には、第1スイッチング素子Q1を駆動するQ1ドライブ回路d1から出力された電流が、第1スイッチング素子Q1のゲート端子、第1スイッチング素子Q1のソース端子、Q1ドライブ回路d1の順で戻る回路ループ1-1が形成される。
また、パワーモジュール1内には、第2スイッチング素子Q2を駆動するQ2ドライブ回路d2から出力された電流が、第2スイッチング素子Q2のゲート端子、第2スイッチング素子Q2のソース端子、Q2ドライブ回路d2の順で戻る回路ループ1-2が形成される。
同様に、パワーモジュール1内には、第3スイッチング素子Q3に関して回路ループ1-3が形成され、第4スイッチング素子Q4に関して回路ループ1-4が形成され、第5スイッチング素子Q5に関して回路ループ1-5が形成され、第6スイッチング素子Q6に関して回路ループ1-6が形成される。なお、パワーモジュール1aについても、パワーモジュール1と同様、第1スイッチング素子Q1~第4スイッチング素子Q4に関する回路ループ1-1~回路ループ1-4が形成される。
また、パワーモジュール1内には、第1スイッチング素子Q1から、第2スイッチング素子Q2、第4スイッチング素子Q4、第3スイッチング素子Q3に流れる電流の回路ループ2-1が形成される。なお、パワーモジュール1aについても、パワーモジュール1と同様、第1スイッチング素子Q1から、第2スイッチング素子Q2、第4スイッチング素子Q4、第3スイッチング素子Q3に順に流れる電流の回路ループ2が形成される。
また、パワーモジュール1内には、第3スイッチング素子Q3から、第4スイッチング素子Q4、第6スイッチング素子Q6、第5スイッチング素子Q5に流れる電流の回路ループ2-2が形成される。
また、パワーモジュール1内には、コンデンサC1から、正極端子P、第1スイッチング素子Q1、第2スイッチング素子Q2、負極端子N、コンデンサC1に順に流れる電流の回路ループ3-1が形成される。なお、パワーモジュール1aについても、パワーモジュール1と同様、コンデンサC1から、正極端子P、第1スイッチング素子Q1、第2スイッチング素子Q2、負極端子N、コンデンサC1に順に流れる電流の回路ループ3-1が形成される。
また、パワーモジュール1内には、コンデンサC1から、正極端子P、第3スイッチング素子Q3、第4スイッチング素子Q4、負極端子N、コンデンサC1に順に流れる電流の回路ループ3-2が形成される。なお、パワーモジュール1aについても、パワーモジュール1と同様、コンデンサC1から、正極端子P、第3スイッチング素子Q3、第4スイッチング素子Q4、負極端子N、コンデンサC1に順に流れる電流の回路ループ3-2が形成される。
また、パワーモジュール1内には、コンデンサC1から、正極端子P、第5スイッチング素子Q5、第6スイッチング素子Q6、負極端子N、コンデンサC1に順に流れる電流の回路ループ3-3が形成される。
そして、実施形態にかかるパワーモジュール1、1aでは、上述の回路ループ1-1~1-6、回路ループ2-1、2-2、2、回路ループ3-1~3-3の長さをすべて極力短くすると共に、かかる回路ループに内包される面積(ループ面積)をすべて極力小さくすることにより、回路ループから発生されるノイズ(以下、発生ノイズともいう)を低減(配線インダクタンスを低減)することができる。
また、図10に示すように、パワーモジュール1、1a内の第1スイッチング素子Q1には、ドレイン端子からソース端子に大電流を流す大電流ラインILが形成される。なお、図10の拡大図にある□は配線のインピーダンス(抵抗やインダクタンス)を表す。
また、パワーモジュール1、1a内の第1スイッチング素子Q1には、ゲート端子からソース端子に制御信号を流す制御信号ラインISが形成される。
そして、実施形態にかかるパワーモジュール1、1aでは、上述の大電流ラインILと制御信号ラインISのそれぞれを流れる電流が共通して流れる部位のインピーダンス(図10の拡大図にある□で表現したインピーダンス。以下、共通インピーダンスと呼ぶことがある)を極力小さくすることができる。これにより、スイッチング素子の誤動作の原因となるゲート・ソース間に発生するノイズが低減される。
なお、図10の例では第1スイッチング素子Q1について示したが、第2スイッチング素子Q2~第6スイッチング素子Q6においても同様に、この共通インピーダンスを極力小さくすることができる。これにより、スイッチング素子の誤動作の原因となるゲート・ソース間に発生するノイズが低減される。
図8および図9に示す回路ループは図6および図7の回路に共通して含まれる。すなわち、図8および図9を用いて説明した配線インダクタンスを低減するための考え方は、図6および図7の回路に共通して有効であり、図6および図7に示す回路ブロックを有する多種多様な回路にも有効である。なお、図8および図9では、スイッチング素子としてカスケード型GaN-FETを用いたが、すべてのスイッチング素子はGaN-FETであってもよい。また、一部のスイッチング素子をカスケード型GaN-FETとして、その他のスイッチング素子をGaN-FETとしても良い。
<パワーモジュールの実装例>
次に、パワーモジュール1、1a内の配線インダクタンスを低減する具体的な実装例について、図11~図16を参照しながら説明する。
図11は、実施形態にかかるパワーモジュール1における第1スイッチング素子Q1~第6スイッチング素子Q6およびコンデンサC1の最適な配置について説明するための図である。図11の左側は回路を示し、図10の右側は最適配置を示す。本開示では、図11の左側に示すように、パワーモジュール1の内部の配線を仮想的に分割する(以下、配線部ともいう)。
具体的には、コンデンサC1から正極端子Pを介して第1スイッチング素子Q1のドレイン端子、第3スイッチング素子Q3のドレイン端子または第5スイッチング素子Q5のドレイン端子に至る配線部を、正極端子P-NETとする。また、Q1ドライブ回路d1の第1出力から第1スイッチング素子Q1のゲート端子Q1-G、当該ゲート端子Q1-GからSi-FETの内部を経由して第1スイッチング素子Q1のソース端子Q1-S、当該ソース端子Q1-Sを介してQ1ドライブ回路d1の第2出力に至る配線部をネットワークQ1G-NETとする。
また、出力端子OUT1から第1スイッチング素子Q1のソース端子Q1-Sおよび第2スイッチング素子Q2のドレイン端子に至る配線部を出力端子OUT1-NETとする。また、Q2ドライブ回路d2の第1出力から第2スイッチング素子Q2のゲート端子Q2-G、当該ゲート端子Q2-GからSi-FETの内部を経由して第2スイッチング素子Q2のソース端子Q2-S、当該ソース端子Q2-Sを介してQ2ドライブ回路d2の第2出力に至る配線部をネットワークQ2G-NETとする。
また、Q3ドライブ回路d3の第1出力から第3スイッチング素子Q3のゲート端子Q3-G、当該ゲート端子Q3-GからSi-FETの内部を経由して第3スイッチング素子Q3のソース端子Q3-S、当該ソース端子Q3-Sを介してQ3ドライブ回路d3の第2出力に至る配線部をネットワークQ3G-NETとする。また、出力端子OUT2から第3スイッチング素子Q3のソース端子Q3-Sおよび第4スイッチング素子Q4のドレイン端子に至る配線部を出力端子OUT2-NETとする。
また、Q4ドライブ回路d4の第1出力から第4スイッチング素子Q4のゲート端子Q4-G、当該ゲート端子Q4-GからSi-FETの内部を経由して第4スイッチング素子Q4のソース端子Q4-S、当該ソース端子Q4-Sを介してQ4ドライブ回路d4の第2出力に至る配線部をネットワークQ4G-NETとする。また、Q5ドライブ回路d5の第1出力から第5スイッチング素子Q5のゲート端子Q5-G、当該ゲート端子Q5-GからSi-FETの内部を経由して第5スイッチング素子Q5のソース端子Q5-S、当該ソース端子Q5-Sを介してQ5ドライブ回路d5の第2出力に至る配線部をネットワークQ5G-NETとする。また、出力端子OUT3から第5スイッチング素子Q5のソース端子Q5-Sおよび第6スイッチング素子Q6のドレイン端子に至る配線部を出力端子OUT3-NETとする。
また、Q6ドライブ回路d6の第1出力から第6スイッチング素子Q6のゲート端子Q6-G、当該ゲート端子Q6-GからSi-FETの内部を経由して第6スイッチング素子Q6のソース端子Q6-S、当該ソース端子Q6-Sを介してQ6ドライブ回路d6の第2出力に至る配線部をネットワークQ6G-NETとする。また、コンデンサC1から負極端子Nを介して第2スイッチング素子Q2のソース端子Q2-S、第4スイッチング素子Q4のソース端子Q4-Sまたは第6スイッチング素子Q6のソース端子Q6-Sに至る配線部を、負極端子N-NETとする。
図11の右側に示すように、上記の配線部は、電極パターンP21~P25と、ボンディングワイヤB31~B36とがそれぞれ対応する。具体的には、正極端子P-NETは電極パターンP21に対応し、負極端子N-NETは電極パターンP22に対応する。また、出力端子OUT1-NETは電極パターンP23に対応し、出力端子OUT2-NETは電極パターンP24に対応し、出力端子OUT3-NETは電極パターンP25に対応する。また、ネットワークQ1G-NET~Q6G-NETは、それぞれボンディングワイヤB31~B36に対応する。
また、図11の右側に示すように、第1スイッチング素子Q1~Q6の全ては、Si-FETのゲートが下部に来るように配置される。その上で、回路図の上アーム、下アームとして対をなすスイッチング素子同士(Q1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6)は、互いに隣り合うように配置される。また、互いに隣り合うように配置されたスイッチング素子同士(Q1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6)は、上アーム側のスイッチング素子(Q1、Q3、Q5)のソースが対となる下アームのスイッチング素子(Q2、Q4、Q6)側になる様に配置される。また、下アーム側のスイッチング素子(Q2、Q4、Q6)のドレインは、対となる上アームのスイッチング素子(Q1、Q3、Q5)側となるように配置される。
パワーモジュール1では、このように配置された第1スイッチング素子Q1~Q6を、正極端子P-NETに対応する電極パターンP21と、負極端子N-NETに対応する電極パターンP22とが囲むように配置される。例えばスイッチング素子が四角形である場合には、その四角形のうちの少なくとも1つの角から延びる二つの辺に沿って電極パターンが配置された状態を、「スイッチング素子を電極パターンが囲む」、と定義する。本実施例では、上アーム、下アームとして対をなすスイッチング素子同士(Q1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6)を、電極パターンP21が下側と右側から囲むように配置される。また、電極パターンP22が上側と左側から囲むように配置される。すなわち、上アーム、下アームとして対をなすスイッチング素子(Q1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6)は、電極パターンP21と、電極パターンP22とにより上下または左右に挟まれるような配置である。
より具体的には、電極パターンP21は、第1スイッチング素子Q1~Q6の下側において横方向の辺に沿って平行に伸びるパターンP21aと、パターンP21aの伸びる方向と直交する方向(上方向)に伸びるパターンP21bとを有する。電極パターンP21は、このパターンP21a、P21bにより、第1スイッチング素子Q1~Q6を下または横方向(図示例では右側)から囲む。
また、電極パターンP22は、第1スイッチング素子Q1~Q6の上側において横方向の辺に沿って平行に伸びるパターンP22aと、パターンP22aの伸びる方向と直交する方向(下方向)に伸びるパターンP22bとを有する。電極パターンP22は、このパターンP22a、P22bにより、第1スイッチング素子Q1~Q6を上または横方向(図示例では左側)から囲む。
なお、電極パターンP21のパターンP21a、P21bまたは電極パターンP22のパターンP22a、P22bにおける平行および直交は、厳密なものでなくてよく、例えば第1スイッチング素子Q1~Q6を囲める程度のものでよい。また、電極パターンP21、P22は、一部を円弧状などの直線形状以外のものとしてもよい。
また、正極端子P-NETに対応する電極パターンP21と、負極端子N-NETに対応する電極パターンP22とは、少なくとも一方の電極パターンの一部が他方の電極パターンの一部と隣接するように配置される。なお、ここでいう隣接は、位置が隣り合うということであり、電気的には繋がっていないものとする。
例えば、電極パターンP21のパターンP21aが横方向に伸びる先と、電極パターンP22のパターンP22bとが隣接するように配置される。また、電極パターンP21のパターンP21bが上方向に伸びる先と、電極パターンP22のパターンP22aとが隣接するように配置される。また、電極パターンP22のパターンP22aが横方向に伸びる先と、電極パターンP21のパターンP21bとが隣接するように配置される。また、電極パターンP22のパターンP22bが下方向に伸びる先と、電極パターンP21のパターンP21aとが隣接するように配置される。
回路上で正極端子P-NETと負極端子N-NETの間に配するコンデンサC1は、電極パターンP21と電極パターンP22とが隣接する位置に配置される。具体的には、図示例で示した位置である。しかし、コンデンサC1の配置位置はこの実施形態に限られない。例えば、点線で外形を描写した他の5箇所のいずれかに配置しても構わない。さらに、コンデンサC1は、その全てに複数個配置しても構わない。また、このコンデンサC1は、抵抗(R)を直列に接続した所謂CRスナバでも構わない。
また、出力端子OUT1-NET~OUT3-NETに対応する電極パターンP23~P25は、上アームと下アームとで対をなすスイッチング素子同士の間(Q1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6)に少なくとも一部が配置される。具体的には、第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2との間には電極パターンP23の少なくとも一部が配置される。また、第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4との間には電極パターンP24の少なくとも一部が配置される。また、第5スイッチング素子Q5と第6スイッチング素子Q6との間には電極パターンP25の少なくとも一部が配置される。
なお、電極パターンP21~P25が交差する箇所は、多層基板であれば別層で配線され、単相基板であればジャンパー線などで接続される。また、Q1ドライブ回路d1~d6は、第1スイッチング素子Q1~第6スイッチング素子Q6および電極パターンP21~P25の下部に配置される。このQ1ドライブ回路d1~d6の下には、Q1ドライブ回路d1~d6に制御信号を入力するための制御端子周辺回路d10が配置される。
図12A、図12Bは、実施形態にかかるパワーモジュール1における第1スイッチング素子Q1~第6スイッチング素子Q6およびコンデンサC1の最適な配置について説明するための図である。図12Aに示すように、第1スイッチング素子Q1~第6スイッチング素子Q6に関する配置は、図11に例示した配置構成を左右に入れ替えたものであってもよい。また、図12Bに示すように、正極端子P-NETに対応する電極パターンP21と、負極端子N-NETに対応する電極パターンP22とについても、図11に例示した配置構成から上下配置を入れ替えたものであってもよい。
図13は、実施形態にかかるパワーモジュール1aにおける第1スイッチング素子Q1~第6スイッチング素子Q6、正極端子P-NETに対応する電極パターンP21および、負極端子N-NETに対応する電極パターンP22の最適な配置について説明するための図である。図13の左側は回路を示し、図13の右側は最適配置を示す。
図11と同様に、コンデンサC1から正極端子Pを介して第1スイッチング素子Q1のドレイン端子または第3スイッチング素子Q3のドレイン端子に至る配線部を、正極端子P-NETとする。また、Q1ドライブ回路d1の第1出力から第1スイッチング素子Q1のゲート端子Q1-G、当該ゲート端子Q1-GからSi-FETの内部を経由して第1スイッチング素子Q1のソース端子Q1-S、当該ソース端子Q1-Sを介してQ1ドライブ回路d1の第2出力に至る配線部をネットワークQ1G-NETとする。
また、出力端子OUT1から第1スイッチング素子Q1のソース端子Q1-Sおよび第2スイッチング素子Q2のドレイン端子に至る配線部を出力端子OUT1-NETとする。また、Q2ドライブ回路d2の第1出力から第2スイッチング素子Q2のゲート端子Q2-G、当該ゲート端子Q2-GからSi-FETの内部を経由して第2スイッチング素子Q2のソース端子Q2-S、当該ソース端子Q2-Sを介してQ2ドライブ回路d2の第2出力に至る配線部をネットワークQ2G-NETとする。
また、Q3ドライブ回路d3の第1出力から第3スイッチング素子Q3のゲート端子Q3-G、当該ゲート端子Q3-GからSi-FETの内部を経由して第3スイッチング素子Q3のソース端子Q3-S、当該ソース端子Q3-Sを介してQ3ドライブ回路d3の第2出力に至る配線部をネットワークQ3G-NETとする。また、出力端子OUT2から第3スイッチング素子Q3のソース端子Q3-Sおよび第4スイッチング素子Q4のドレイン端子に至る配線部を出力端子OUT2-NETとする。
また、Q4ドライブ回路d4の第1出力から第4スイッチング素子Q4のゲート端子Q4-G、当該ゲート端子Q4-GからSi-FETの内部を経由して第4スイッチング素子Q4のソース端子Q4-S、当該ソース端子Q4-Sを介してQ4ドライブ回路d4の第2出力に至る配線部をネットワークQ4G-NETとする。また、コンデンサC1から負極端子Nを介して第2スイッチング素子Q2のソース端子Q2-Sまたは第4スイッチング素子Q4のソース端子Q4-Sに至る配線部を、負極端子N-NETとする。
図13の右側に示すように、上記の配線部は、電極パターンP21~P24と、ボンディングワイヤB31~B34とがそれぞれ対応する。具体的には、正極端子P-NETは電極パターンP21に対応し、負極端子N-NETは電極パターンP22に対応する。また、出力端子OUT1-NETは電極パターンP23に対応し、出力端子OUT2-NETは電極パターンP24に対応する。また、ネットワークQ1G-NET~Q4G-NETは、それぞれボンディングワイヤB31~B34に対応する。
また、図13の右側に示すように、第1スイッチング素子Q1~Q4の全ては、Si-FETのゲートが下部に来るように配置される。その上で、回路図の上アーム、下アームとして対をなすスイッチング素子同士(Q1とQ2、Q3とQ4)は、互いに隣り合うように配置される。また、互いに隣り合うように配置されたスイッチング素子同士(Q1とQ2、Q3とQ4)は、上アーム側のスイッチング素子(Q1、Q3)のソースが対となる下アームのスイッチング素子(Q2、Q4)側になる様に配置される。また、下アーム側のスイッチング素子(Q2、Q4)のドレインは、対となる上アームのスイッチング素子(Q1、Q3)となるように配置される。
パワーモジュール1では、このように配置された第1スイッチング素子Q1~Q6を、正極端子P-NETに対応する電極パターンP21と、負極端子N-NETに対応する電極パターンP22とが囲むように配置される。具体的には、上アーム、下アームとして対をなすスイッチング素子同士(Q1とQ2、Q3とQ4)を、電極パターンP21が下側と右側から、電極パターンP22が上側と左側から囲むように配置される。
より具体的には、電極パターンP21は、第1スイッチング素子Q1~Q4の下側において横方向の辺に沿って平行に伸びるパターンP21aと、パターンP21aの伸びる方向と直交する方向(上方向)に伸びるパターンP21bとを有する。電極パターンP21は、このパターンP21a、P21bにより、第1スイッチング素子Q1~Q4を下または横方向(図示例では右側)から囲む。
また、電極パターンP22は、第1スイッチング素子Q1~Q4の上側において横方向の辺に沿って平行に伸びるパターンP22aと、パターンP22aの伸びる方向と直交する方向(下方向)に伸びるパターンP22bとを有する。電極パターンP22は、このパターンP22a、P22bにより、第1スイッチング素子Q1~Q4を上または横方向(図示例では左側)から囲む。
また、出力端子OUT1-NET~OUT2-NETに対応する電極パターンP23~P24は、上アームと下アームとで対をなすスイッチング素子同士の間(Q1とQ2、Q3とQ4)に少なくとも一部が配置される。具体的には、第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2との間には電極パターンP23の少なくとも一部が配置される。また、第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4との間には電極パターンP24の少なくとも一部が配置される。
図14A、図14Bは、実施形態にかかるパワーモジュール1aにおける第1スイッチング素子Q1~第4スイッチング素子Q4、正極端子P-NETに対応する電極パターンP21および、負極端子N-NETに対応する電極パターンP22の最適な配置について説明するための図である。図14Aに示すように、第1スイッチング素子Q1~第4スイッチング素子Q4に関する配置は、図13に例示した配置構成を左右に入れ替えたものであってもよい。また、図14Bに示すように、正極端子P-NETに対応する電極パターンP21と、負極端子N-NETに対応する電極パターンP22とについても、図13に例示した配置構成から上下配置を入れ替えたものであってもよい。
図15は、実施形態にかかるパワーモジュール1の構成を示す上面図、側面図および断面図を示す図である。具体的には、図15(a)は、パワーモジュール1のケース2の上蓋を開けた状態の上面図を示している。また、図15(b)は、パワーモジュール1のケース2の側面図を示している。また、図15(c)は、A-A’断面図を示している。同様に、図16は、実施形態にかかるパワーモジュール1aの構成を示す上面図、側面図および断面図を示す図である。
図15および図16に示すように、パワーモジュール1、1aのケース2は、対となる両側面(図示例では上下の側面)において大電力端子T1および制御端子T2を含む外部接続端子Tを備える。具体的には、ケース2の一方の側面に大電力端子T1が配置され、他方の側面には制御端子T2が配置されている。この大電力端子T1には、例えば正極端子P、負極端子N、出力端子OUT1~OUT3が含まれる。制御端子T2は、全体制御ブロックなどから通知される制御信号を受け付ける端子である。
ケース2内において、大電力端子T1が設けられた側面側には、第1スイッチング素子Q1~Q6および電極パターンP21~P25(符号の図示は省略)を有するパワー基板K1が配置される。また、制御端子T2が設けられた側面側には、ドライブ回路d(d1~d6の総称)および制御端子周辺回路d10を有するドライバ基板K2が配置される。大電力端子T1とパワー基板K1は、ボンディングワイヤB10を介して接続される。また、パワー基板K1とドライバ基板K2との間は、ボンディングワイヤB30(B31~B36の総称)を介して接続される。また、ドライバ基板K2と制御端子T2は、ボンディングワイヤB20を介して接続される。
パワーモジュール1、1aでは、ケース2内に並べて配置されたパワー基板K1、ドライバ基板K2の上を絶縁性の樹脂で覆う。そしてケース2に上蓋4を装着する。これにより、パワーモジュール1、1aでは、パワーモジュール1の内部に配置されたパワー基板K1、ドライバ基板K2を適切に絶縁した上でホコリなどから保護する。
<パワーモジュールの組立例>
ここで、上述したケース2へのパワーモジュール1、1aの組立例を図17、図18を参照して説明する。図17は、実施形態にかかるパワーモジュール1、1aの組立工程の一例を示すフローチャートである。図18は、ケース2へのパワー基板K1およびドライバ基板K2の接着を例示する図である。
図17に示すように、組立工程では、パワー基板K1の組立を行う(S1)。具体的には、パワー基板K1の組立工程では、パワー基板K1にハンダペーストを塗布した上で(S10)、GaN-FETチップ、および、その他電気部品を実装し(S11)、基板洗浄を行う(S12)。同様にして、ドライバ基板K2の組立も行う(S2)。
ついで、組立工程では、ケース2にパワー基板K1、ドライバ基板K2を組み合わせるモジュール化を行う(S3)。具体的には、図18に示すように、ケース2の接着面に接着剤30を塗布した上で、ケース2にパワー基板K1とドライバ基板K2とを接着する(S31)。
ここで、ケース2は、パワー基板K1の大きさに合わせた開口部20を備える。この開口部20の周囲には、パワー基板K1を縁に掛けて止める突起21が設けられている。ケース2へのパワー基板K1の接着では、突起21に接着剤30を塗布したうえで、パワー基板K1を開口部20よりはめ込む。このようにパワー基板K1をケース2に設置することで、パワー基板K1の基板面を筐体内に配置した状態とし、パワー基板K1の裏面は、開口部20より外部に露出される。
S31についで、組立工程では、パワー基板K1、ドライバ基板K2などへのワイヤボンディングを行い(S32)、絶縁性の樹脂を注入して熱硬化させる(S33)。ついで、ケース2に上蓋4を装着することで(S34)、パワーモジュール1、1aの組立が完了する。
なお、ケース2、上蓋4は、たとえば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂やポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリブチレンサクシネート(PBS)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂などで形成される。また、絶縁性の樹脂は、シリコンゲルなどが適用できる。
<参考例との比較>
図19A~Cは、実施形態にかかるパワーモジュール1内の回路ループについて説明するための図である。図19Aに示すように、実施形態にかかるパワーモジュール1では、回路ループ1-1~1-6の長さが極力短くなっていると共に、かかる回路ループ1-1~1-6のループ面積が極力小さくなっている。
また、図19Bに示すように、実施形態にかかるパワーモジュール1では、回路ループ2-1の長さが極力短くなっていると共に、かかる回路ループ2-1のループ面積が極力小さくなっている。同様に、パワーモジュール1では、回路ループ2-2の長さが極力短くなっていると共に、かかる回路ループ2-2のループ面積が極力小さくなっている。
また、図19Cに示すように、実施形態にかかるパワーモジュール1では、回路ループ3-1の長さが極力短くなっていると共に、かかる回路ループ3-1のループ面積が極力小さくなっている。同様に、パワーモジュール1では、回路ループ3-2の長さが極力短くなっていると共に、かかる回路ループ3-2のループ面積が極力小さくなっている。同様に、パワーモジュール1では、回路ループ3-3の長さが極力短くなっていると共に、かかる回路ループ3-3のループ面積が極力小さくなっている。
以上説明したように、パワーモジュール1内の回路ループ1-1~1-6、回路ループ2-1、2-2、3-1、3-2、3-3に関して、それぞれの回路ループの長さが極力短くなっていると共に、それぞれのループ面積が極力小さくなっている。従って、それぞれの回路ループにおける発生ノイズを低減させる効果が得られる。なお、回路ループ1-1~1-6および回路ループ2-1、2-2はコンデンサC1を経由するループでなくても、それぞれの回路ループにおける配線インダクタンスを低減させる効果が得られる。
図20A~Cは、実施形態にかかるパワーモジュール1a内の回路ループについて説明するための図である。図20Aに示すように、実施形態にかかるパワーモジュール1aでは、回路ループ1-1~1-4の長さが極力短くなっていると共に、かかる回路ループ1-1~1-4のループ面積が極力小さくなっている。
また、図20Bに示すように、実施形態にかかるパワーモジュール1aでは、回路ループ2の長さが極力短くなっていると共に、かかる回路ループ2のループ面積が極力小さくなっている。
また、図20Cに示すように、実施形態にかかるパワーモジュール1aでは、回路ループ3-1の長さが極力短くなっていると共に、かかる回路ループ3-1のループ面積が極力小さくなっている。同様に、パワーモジュール1aでは、回路ループ3-2の長さが極力短くなっていると共に、かかる回路ループ3-2のループ面積が極力小さくなっている。
以上説明したように、パワーモジュール1a内の回路ループ1-1~1-4、回路ループ2、3-1、3-2に関して、それぞれの回路ループの長さが極力短くなっていると共に、それぞれのループ面積が極力小さくなっている。従って、それぞれの回路ループにおける発生ノイズを低減させる効果が得られる。なお、回路ループ1-1~1-4および回路ループ2はコンデンサC1を経由するループでなくても、それぞれの回路ループにおける配線インダクタンスを低減させる効果が得られる。
図21は、実施形態にかかるパワーモジュール1、1a内の共通インピーダンスについて説明するための図である。図21に示すように、第1スイッチング素子Q1の共通インピーダンスは、一部のワイヤ部分のみであり、電極パターン上にほとんど無いほどに極小化されている。
図22A、図22Bは、参考例におけるパワーモジュールの上面図および側面図を示す図である。この参考例は、実施形態とは別コンセプトで実装した場合のパワーモジュールの例であり、Si-FET、Si-IGBTを用いた従来型のパワーモジュールで一般的に採用されている形状および大電力端子および制御端子の配置である。具体的には、図22Aはパワーモジュール1と同等の三相フルブリッジインバータの参考例を示しており、図22Bはパワーモジュール1aと同等の単層フルブリッジインバータの参考例を示している。
図22A、図22Bに示すように、大電力端子および制御端子の配置位置は、参考例と実施形態とは同等のものとなっている。このように、パワーモジュール1、1aは、従来型のパワーモジュールと同等の端子配列となっている。
図23A~図23C、図24A~図24Cは、参考例におけるパワーモジュール内の回路ループについて説明するための図である。具体的には、図23A~図23Cは、パワーモジュール1と同等の三相フルブリッジインバータの参考例における回路ループを示している。また、図24A~図24Cは、パワーモジュール1aと同等の単層フルブリッジインバータの参考例における回路ループを示している。
図19Aと図23Aとを比較すると、パワーモジュール1と参考例のパワーモジュールとでは、回路ループの長さに優劣差はない。これに対し、図19Bと図23Bを比較すると、参考例のパワーモジュールでは、実施形態に比べて、回路ループ2-1、2-2の長さが長くなっていると共に、かかる回路ループ2-1、2-2のループ面積が大きくなっている。また、図19Cと図23Cとを比較すると、参考例のパワーモジュールでは、実施形態に比べて、回路ループ3-1~3-3の長さが長くなっていると共に、かかる回路ループ3-1~3-3のループ面積が大きくなっている。
図20Aと図24Aとを比較すると、パワーモジュール1aと参考例のパワーモジュールとでは、回路ループの長さに優劣差はない。これに対し、図20Bと図24Bを比較すると、参考例のパワーモジュールでは、実施形態に比べて、回路ループ2の長さが長くなっていると共に、かかる回路ループ2のループ面積が大きくなっている。また、図20Cと図24Cとを比較すると、参考例のパワーモジュールでは、実施形態に比べて、回路ループ3-1~3-2の長さが長くなっていると共に、かかる回路ループ3-1~3-2のループ面積が大きくなっている。
すなわち、実施形態にかかるパワーモジュール1は、参考例のパワーモジュールに比べて、回路ループの長さが短くなっていると共に、かかる回路ループのループ面積が小さくなっている。これにより、実施形態では、パワーモジュール1、1aの配線インダクタンスを低減することができる。
以上のように、パワーモジュール1、1aは、一端側に制御端子(T2)と、他端側に電極端子(T1)とを有する筐体(2)と、筐体内に配置される回路基板(K1)と、を備える。回路基板には、電極端子に含まれる第1の端子(P)と接続される第1の電極パターン(P21)と、電極端子に含まれる第2の端子(N)と接続される第2の電極パターン(P22)と、上アームを構成するGaN系スイッチング素子を含む第1のスイッチング素子(Q1、Q3、Q5)と下アームを構成するGaN系スイッチング素子を含む第2のスイッチング素子(Q2、Q4、Q6)とで構成されるレグと、を備える。このレグにおいて、上アームと下アームとの接続点は電極端子に含まれる第3の端子(OUT1、OUT2、OUT3)と接続される。この回路基板において、第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子は、第1の電極パターンと、第2の電極パターンとの間に挟まれるように配置される。
これにより、パワーモジュール1、1aでは、従来型のパワーモジュールと同等の端子配列となる。また、パワーモジュール1、1aでは、回路ループ1-1~1-6、回路ループ2-1~2-2、回路ループ3-1~3-3を全て極力短くし、さらにこれらの回路ループのループ面積を極力小さくできる。このため、パワーモジュール1、1aでは、配線インダクタンスを低減できる。
また、パワーモジュール1、1aの回路基板(K1)において、回路基板における第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子を第1の電極パターン(P21)と、第2の電極パターン(P22)とが囲むように配置される。これにより、上記の参考例との比較からも明らかなように、回路ループのループ面積を極力小さくでき、パワーモジュール1、1aにおける配線インダクタンスを低減できる。
また、第1の電極パターン(P21)は、回路基板(K1)の一辺側においてこの辺と平行に伸びる第1のパターン(P21a)と、この第1のパターンと直交する方向に伸びる第2のパターン(P21b)とを有する。第2の電極パターン(P22)は、回路基板(K1)の一辺と対向する辺側においてこの辺と平行して伸びる第3のパターン(P22a)と、この第3のパターンと直交する方向に伸びる第4のパターン(P22b)とを有する。第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子は、第1のパターンおよび第3のパターンの間と、第2のパターンおよび第4のパターンの間とに挟むように配置される。これにより、上記の参考例との比較からも明らかなように、回路ループのループ面積を極力小さくでき、パワーモジュール1、1aにおける配線インダクタンスを低減できる。
また、第1のパターン(P21a)および第4のパターン(P22b)と、第2のパターン(P21b)および第3のパターン(P22a)とは、それぞれが一部で隣接するように配置される。これにより、パワーモジュール1、1aでは、第1のパターンおよび第4のパターンと、第2のパターンおよび第3のパターンとが隣接する位置を介して、電気的な接続を容易とすることができる。
また、回路基板(K1)は、第3の端子(OUT1、OUT2、OUT3)および上アームと下アームの接続点と接続される第3の電極パターン(P23、P24、P25)を備える。この回路基板において、第3の電極パターンは、第1のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子との間に挟むように配置される。これにより、上記の参考例との比較からも明らかなように、回路ループのループ面積を極力小さくでき、パワーモジュール1、1aにおける配線インダクタンスを低減できる。
また、パワーモジュール1aの回路基板は、レグを2つ備える単相フルブリッジインバータである。これにより、単相フルブリッジインバータにおける配線インダクタンスを低減できる。
また、パワーモジュール1の回路基板は、レグ3つを備える三相フルブリッジインバータである。これにより、三相フルブリッジインバータにおける配線インダクタンスを低減できる。
また、回路基板は、第1の電極パターン(P21)と、第2の電極パターン(P22)との間を接続するコンデンサ(C1)を備える。これにより、パワーモジュール1、1aでは、電極パターン間におけるノイズ除去などを行うことができる。
また、回路基板において、第1の電極パターン(P21)と、第2の電極パターン(P22)とは、少なくとも一方の電極パターンの一部が他方の電極パターンの一部と隣接するように配置される。コンデンサ(C1)は、第1の電極パターンおよび第2の電極パターンの一部同士が隣接する位置に配置される。これにより、パワーモジュール1、1aでは、ノイズ除去などを行うコンデンサを容易に設置できる。
また、第1の電極パターン(P21)と第2の電極パターン(P22)は、少なくとも一方の電極パターンの一部が他方の電極パターンに向かって伸びることで、第1の電極パターンと第2の電極パターンとが一部で隣接する。これにより、パワーモジュール1、1aでは、第1の電極パターンと第2の電極パターンとを隣接させることができる。
また、筐体(2)は、回路基板(K1)を掛け止める突起(21)を備えた開口部(20)を有する。この筐体は、突起に回路基板を掛け止めて回路基板を開口部にはめ込むことで、回路基板における第1の電極パターン、第2の電極パターンおよびレグが設けられた基板面を筐体内に配置し、基板面の裏面を筐体の外に露出させる。これにより、パワーモジュール1、1aでは、第1の電極パターン、第2の電極パターンおよびレグが設けられた基板面を筐体内で保護しつつ、基板の裏面からの放熱を容易とすることができる。
また、パワーモジュール1、1aは、制御端子(T2)と、第1のスイッチング素子(Q1、Q3、Q5)と、第2のスイッチング素子(Q2、Q4、Q6)と接続され、制御端子からの入力信号に基づいて第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子を駆動する駆動部としてドライバ基板K2を有する。筐体内において、回路基板(K1)は筐体の一端側に、駆動部は他端側に並べて配置される。これにより、パワーモジュール1、1aでは、回路基板と、その駆動部とを筐体内に収めることができる。
1、1a…パワーモジュール
2…ケース
3…封止樹脂
4…上蓋
20…開口部
21…突起
30…接着剤
B10~B36…ボンディングワイヤ
C1、C2…コンデンサ
d、d1~d6…ドライブ回路
d10…制御端子周辺回路
IS…制御信号ライン
IL…大電流ライン
K1…パワー基板
K2…ドライバ基板
K10、K10a…回路ブロック
OUT1~OUT3…出力端子
P…正極端子
P21、P22、P23~P25…電極パターン
P21a、P21b、P22a、P22b…パターン
N…負極端子
Q1…第1スイッチング素子
Q2…第2スイッチング素子
Q3…第3スイッチング素子
Q4…第4スイッチング素子
Q5…第5スイッチング素子
Q6…第6スイッチング素子
T…外部接続端子
T1…大電力端子
T2…制御端子

Claims (12)

  1. 一端側に制御端子と、他端側に電極端子とを有する筐体と、
    前記筐体内に配置される回路基板と、を備え、
    前記回路基板には、前記電極端子に含まれる第1の端子と接続される第1の電極パターンと、前記電極端子に含まれる第2の端子と接続される第2の電極パターンと、上アームを構成するGaN系スイッチング素子を含む第1のスイッチング素子と下アームを構成するGaN系スイッチング素子を含む第2のスイッチング素子とで構成されるレグと、を備え、
    前記レグにおいて、前記上アームと前記下アームとの接続点は前記電極端子に含まれる第3の端子と接続され、
    前記回路基板において、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子は、前記第1の電極パターンと、前記第2の電極パターンとの間に挟まれるように配置される、
    ことを特徴とするパワーモジュール。
  2. 前記回路基板において、前記回路基板における前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子を前記第1の電極パターンと、前記第2の電極パターンとが囲むように配置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール。
  3. 前記第1の電極パターンは、前記回路基板の一辺側において当該辺と平行に伸びる第1のパターンと、前記第1のパターンと直交する方向に伸びる第2のパターンとを有し、
    前記第2の電極パターンは、前記回路基板の一辺と対向する辺側において当該辺と平行して伸びる第3のパターンと、前記第3のパターンと直交する方向に伸びる第4のパターンとを有し、
    前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子は、前記第1のパターンおよび第3のパターンの間と、前記第2のパターンおよび前記第4のパターンの間とに挟むように配置される、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のパワーモジュール。
  4. 前記第1のパターンおよび前記第4のパターンと、前記第2のパターンおよび前記第3のパターンとは、それぞれが一部で隣接するように配置される、
    ことを特徴とする請求項3に記載のパワーモジュール。
  5. 前記回路基板は、前記第3の端子および前記上アームと前記下アームの接続点と接続される第3の電極パターンを備え、
    前記回路基板において、前記第3の電極パターンは、前記第1のスイッチング素子と、前記第2のスイッチング素子との間に挟むように配置される、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のパワーモジュール。
  6. 前記回路基板は、前記レグを2つ備える単相フルブリッジインバータである、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパワーモジュール。
  7. 前記回路基板は、前記レグを3つ備える三相フルブリッジインバータである、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパワーモジュール。
  8. 前記回路基板は、前記第1の電極パターンと、前記第2の電極パターンとの間を接続するコンデンサを備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のパワーモジュール。
  9. 前記回路基板において、前記第1の電極パターンと、前記第2の電極パターンとは、少なくとも一方の電極パターンの一部が他方の電極パターンの一部と隣接するように配置され、
    前記コンデンサは、前記第1の電極パターンおよび前記第2の電極パターンの隣接する一部に配置される、
    ことを特徴とする請求項8に記載のパワーモジュール。
  10. 前記第1の電極パターンと前記第2の電極パターンは、少なくとも一方の電極パターンの一部が他方の電極パターンに向かって伸びることで、前記第1の電極パターンと前記第2の電極パターンとが一部で隣接する、
    ことを特徴とする請求項9に記載のパワーモジュール。
  11. 前記筐体は、前記回路基板を掛け止める突起を備えた開口部を有し、
    前記突起に前記回路基板を掛け止めて前記回路基板を前記開口部にはめ込むことで、前記回路基板における前記第1の電極パターン、前記第2の電極パターンおよび前記レグが設けられた基板面を前記筐体内に配置し、前記基板面の裏面を前記筐体の外に露出させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のパワーモジュール。
  12. 前記制御端子と、前記第1のスイッチング素子と、前記第2のスイッチング素子と接続され、前記制御端子からの入力信号に基づいて前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子を駆動する駆動部を有し、
    前記筐体内において、前記回路基板は前記一端側に、前記駆動部は前記他端側に並べて配置される、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のパワーモジュール。
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