JP2023031950A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の周縁部を加熱しながら当該基板の周縁部に流体を供給して所定の基板処理を基板に施す基板処理技術において、上記基板処理の処理精度を高める。【解決手段】本発明は、回転する基板の周縁部に流体を供給する流体供給機構と、回転する基板の周縁部を加熱する周縁加熱機構と、流体供給機構および周縁加熱機構を制御する制御部と、を備えている。そして、制御部は、流体の供給前に周縁加熱機構により基板の周縁部を加熱し、加熱された基板の周縁部の温度および鉛直方向における反り量の少なくとも一方に基づいて流体の供給開始タイミングを決定する。【選択図】図6

Description

この発明は、水平姿勢で鉛直軸周りに回転する基板の周縁部を加熱しながら周縁部に流体を供給して所定の基板処理を施す基板処理技術に関するものである。ここで、基板には、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用ガラス基板、太陽電池用基板、等(以下、単に「基板」という)が含まれる。また、基板処理には、エッチング処理が含まれる。
半導体ウエハなどの基板に加熱処理を加えつつ当該基板の被処理面に処理液を供給して薬液処理や洗浄処理などを施す基板処理装置として、例えば特許文献1に記載の装置が知れられている。この基板処理装置では、基板の上面(被処理面)とは反対側の下面(被加熱面)を加熱するために、発熱体を内蔵する環状のヒーターが基板の下面周縁部に沿って基板の周方向に延在している。
特開2017-11015号公報
近年、非接触で基板を加熱するための加熱源として、発熱体の代わりに、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子を用いることが検討されている。例えば、日亜化学工業株式会社製の紫外発光LED(型番NVCUQ096A-D4)を基板処理装置における加熱源として用いることができる。
このように構成されたLEDを用いることで優れた加熱効果が得られる。その一方で、基板面内での温度分布が大きくなり、それに起因して基板の周縁部において反りが発生することがある。このような場合、基板の周縁部において処理液が供給される着液位置、つまり基板のエッジから着液位置までの距離が変動する。その結果、処理精度の悪化を招くおそれがある。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、基板の周縁部を加熱しながら当該基板の周縁部に流体を供給して所定の基板処理を基板に施す基板処理技術において、上記基板処理の処理精度を高めることを目的とする。
この発明の第1の態様は、基板処理装置であって、基板を水平に保持し、鉛直軸周りに回転可能に設けられた基板保持部と、基板保持部を鉛直軸周りに回転させる回転駆動部と、
回転する基板の周縁部に流体を供給する流体供給機構と、 回転する基板の周縁部を加熱する周縁加熱機構と、 流体供給機構および周縁加熱機構を制御する制御部と、を備え、制御部は、流体の供給前に周縁加熱機構により基板の周縁部を加熱し、加熱された基板の周縁部の温度および鉛直方向における反り量の少なくとも一方に基づいて流体の供給開始タイミングを決定する、ことを特徴としている。
また、この発明の第2の態様は、基板処理装置であって、基板を水平に保持し、鉛直軸周りに回転可能に設けられた基板保持部と、基板保持部を鉛直軸周りに回転させる回転駆動部と、
回転する基板の周縁部に流体を供給する流体供給機構と、 回転する基板の周縁部に対し、流体供給機構により流体が供給される流体供給位置の近傍で基板の周縁部を加熱する周縁加熱機構と、
流体供給機構および周縁加熱機構を制御する制御部と、を備え、制御部は、流体の供給による流体供給位置での周縁部の温度低下量を記憶する記憶部を有し、温度低下量に応じた加熱部による加熱によって、流体の供給による周縁部の温度低下を補償するように周縁加熱機構を制御することを特徴としている。
また、この発明の第3の態様は、基板処理装置であって、基板を水平に保持し、鉛直軸周りに回転可能に設けられた基板保持部と、基板保持部を鉛直軸周りに回転させる回転駆動部と、
回転する基板の周縁部に流体を供給する流体供給機構と、 回転する基板の周縁部に対し、流体供給機構により流体が供給される流体供給位置の近傍で基板の周縁部を加熱する周縁加熱機構と、
回転する基板の中央部を加熱する中央加熱機構と、流体供給機構、周縁加熱機構および中央加熱機構を制御する制御部と、を備え、制御部は、周縁加熱機構により周縁部を加熱する期間と、中央加熱機構により中央部を加熱する期間とを少なくとも一部で重複させるように周縁加熱機構と中央加熱機構を制御することを特徴としている。
さらに、この発明の第4の態様は、水平姿勢で鉛直軸周りに回転する基板の周縁部を加熱しながら周縁部に流体を供給する基板処理方法であって、加熱された基板の周縁部の温度および鉛直方向における反り量の少なくとも一方を周縁部情報として測定する工程と、周縁部情報に基づいて加熱された基板の周縁部に流体の供給を開始する供給開始タイミングを調整する工程と、を備えることを特徴としている。
このように構成された発明によれば、流体の供給開始タイミング、周縁部の温度低下の補償や基板中央部の加熱により、基板の温度均一性が向上され、基板処理の処理精度を高めることができる。
本発明に係る基板処理装置の第1実施形態を示す図である。 図1に示す基板処理装置を上方から見た平面図である。 図1に示す基板処理装置を制御する制御部の構成を示すブロック図である。 図1に示す基板処理装置に装備される周縁加熱機構を鉛直方向から見た平面図である。 図4のIV-IV線断面図である。 基板処理の経過時間に対する周縁部温度の変化を示すグラフである。 加熱機構により基板の周縁部を加熱したときに発生する、反り量の時間依存性を示すグラフである。 発光部の点灯開始から10秒経過して流体を供給する直前での基板の周縁部温度と、反り量との関係を示すグラフである。 基板の温度に対する周縁部温度の標準偏差の変化を示すグラフである。 図1に示す基板処理装置で実行される基板処理を示すフローチャートである。 図1に示す基板処理装置における、中央部温度に対する反り量の変化特性を示すグラフである。 本発明に係る基板処理装置の第3実施形態の部分構成図である。 第1実施形態における基板処理中の基板の温度分布を模式的に示す図である。 第1実施形態におけるノズル位置に対する発光部の位置関係および各発光部から基板への投入熱量を示す図である。 本発明に係る基板処理装置の第4実施形態を上方から見た平面図である。 第4実施形態におけるノズル位置に対する発光部の位置関係および各発光部から基板への投入熱量を示す図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る基板処理装置の第1実施形態を示す図である。図2は、図1に示す基板処理装置を上方から見た平面図である。図3は、図1に示す基板処理装置を制御する制御部の構成を示すブロック図である。なお、以下に参照する各図では、理解容易のため、各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。上下方向は鉛直方向であり、スピンチャックに対して基板側が上である。
基板処理装置1は、回転保持機構2、飛散防止機構3、流体供給機構4、ノズル移動機構6および周縁加熱機構7を備えている。これら各部は、制御部10と電気的に接続されており、制御部10からの指示に応じて動作する。制御部10としては、例えば、一般的なコンピュータと同様のものを採用できる。すなわち、制御部10においては、記憶部12に予め記憶されたプログラムに記述された手順にしたがって主制御部としての演算処理部11が演算処理を行うことにより、基板処理装置1の各部を制御する。なお、制御部10の詳しい構成および動作については、後で詳述する。
回転保持機構2は、基板Wを、その表面を上方に向けた状態で、略水平姿勢に保持しつつ回転可能な機構である。回転保持機構2は、基板Wを、主面の中心c1を通る鉛直な鉛直軸a1周りに回転させる。回転保持機構2は、基板Wより小さい円板状の部材であるスピンチャック(本発明の「基板保持部」の一例に相当)21を備えている。スピンチャック21は、その上面が略水平となり、その中心軸が鉛直軸a1に一致するように設けられている。スピンチャック21の下面には、円筒状の回転軸部22が連結されている。回転軸部22は、その軸線を鉛直軸a1と一致させた状態で、鉛直方向に延設されている。また、回転軸部22には、回転駆動部(例えば、モータ)23が接続されている。回転駆動部23は、制御部10からの回転指令に応じて回転軸部22をその軸線周りに回転駆動する。このように、スピンチャック21は、回転軸部22とともに鉛直軸a1周りに回転可能となっている。回転駆動部23と回転軸部22とは、スピンチャック21を、鉛直軸a1を中心に回転させる回転機構231である。回転軸部22および回転駆動部23は、筒状のケーシング24内に収容されている。
スピンチャック21の中央部には、図示省略の貫通孔が設けられており、回転軸部22の内部空間と連通している。内部空間には、図示省略の配管、開閉弁を介して図示省略のポンプが接続されている。当該ポンプ、開閉弁は、制御部10に電気的に接続される。制御部10は、当該ポンプおよび開閉弁の動作を制御する。当該ポンプは、制御部10の制御にしたがって、負圧と正圧とを選択的に供給可能である。基板Wがスピンチャック21の上面に略水平姿勢で置かれた状態でポンプが負圧をスピンチャックに付与すると、スピンチャック21は、基板Wの中央部を下方から吸着保持する。ポンプが正圧をスピンチャックに付与すると、基板Wは、スピンチャック21の上面から取り外し可能となる。
この構成において、スピンチャック21が基板Wの下面の中央部を吸着保持した状態で、制御部10からの指令に応じて回転駆動部23が回転軸部22を回転すると、スピンチャック21が鉛直方向に沿った軸線周りで回転される。これによって、スピンチャック21上に保持された基板Wが、その面内の中心c1を通る鉛直な鉛直軸a1を中心に矢印AR1方向に回転される。
なお、基板Wの保持方式は、これに限定されるものではなく、複数個(例えば6個)のチャックピンにより保持する、いわゆるメカチャック方式であってもよい。
飛散防止機構3は、スピンチャック21とともに回転される基板Wから飛散する処理液等を受け止める。飛散防止機構3は、スプラッシュガード31を備える。スプラッシュガード31は、上端が開放された筒形状の部材であり、回転保持機構2を取り囲むように設けられる。スプラッシュガード31には、これを昇降移動させるガード駆動機構32が接続されており、制御部10からの昇降指令に応じて駆動される。
流体供給機構4は、4つのノズルヘッド41a~41dを有している。ノズルヘッド41a~41dは、それぞれノズル移動機構6のアーム61a~61dの先端に取り付けられている。アーム61a~61dはそれぞれ水平面に沿って延在する。ノズル移動機構6は、それぞれアーム61a~61dを移動させることによって、ノズルヘッド41a~41dを処理位置(図2中の実線位置)と退避位置(図2中の1点鎖線位置)との間で移動させる。より詳しくは、アーム61aの基端部は、ノズル基台62aの上端部分に連結されている。ノズル基台62aは、その軸線を鉛直方向に沿わすような姿勢でケーシング24の周りに分散して配置されている。ノズル基台62aは、その軸線に沿って鉛直方向に延在し、軸線周りに回転可能な回転軸をそれぞれ備えている。ノズル基台62aの軸線と各回転軸の軸線とは一致する。各回転軸の上端には、ノズル基台62aの上端部分がそれぞれ取り付けられている。各回転軸が回転することにより、ノズル基台62aの各上端部分は各回転軸の軸線、すなわちノズル基台62aの軸線を中心に回転する。ノズル基台62aには、それぞれの回転軸を軸線周りに回転させるノズル駆動部63aが設けられている。ノズル駆動部63aは、例えば、ステッピングモータなどをそれぞれ備えて構成される。このため、制御部10からの指令に応じてノズル駆動部63aが作動すると、ノズル基台62aの回転軸を介してノズル基台62aの上端部分が回転する。上端部分の回転に伴って、ノズルヘッド41aもノズル基台62aの軸線周りに回転する。これにより、ノズル駆動部63aは、ノズルヘッド41aを処理位置と、退避位置との間で水平に移動させる。なお、その他のアーム61b~61dも、アーム61aと同様に、それぞれノズル駆動部63b~63dの駆動によって、ノズル基台62b~62dの軸線を中心に回転する。その結果、ノズルヘッド41b~41dをそれぞれ処理位置と退避位置との間で水平に移動させる。
ノズルヘッド41aは中央気体供給部4Aの一構成要素である。この中央気体供給部4Aでは、ノズルヘッド41aは、アーム61aの先端部の下面に取り付けられた円柱部材42と、円柱部材42の下面に取り付けられた円板状の遮断板43と、円筒状のノズル44aとを備えている。円柱部材42の軸線と遮断板43の軸線とは、一致しており、それぞれ鉛直方向に沿う。遮断板43の下面は、水平面に沿う。ノズル44aは、その軸線が遮断板43、円柱部材42の軸線と一致するように、円柱部材42、遮断板43を鉛直方向に貫通している。ノズル44aの上端部は、さらにアーム61aの先端部も貫通して、アーム61aの上面に開口する。ノズル44aの上側の開口には、配管45aの一端が接続されている。配管45aの他端は、ガス供給源46aに接続している。配管45aの経路途中には、ガス供給源46a側から順に流量制御器47a、開閉弁48aが設けられている。ノズル44aの下端は、遮断板43の下面に開口している。当該開口は、ノズル44aの吐出口である。ノズルヘッド41aが、ノズル移動機構6により処理位置に配置されると、基板Wの上面の中央部に対向する。この対向状態で制御部10からの指令に応じて中央気体供給部4Aが、スピンチャック21上に保持されて回転している基板Wの上面の中央部に気体(本実施形態では不活性ガス)のガス流を吐出する。「不活性ガス」は、基板Wの材質およびその表面に形成された薄膜(図4参照)との反応性に乏しいガスであり、例えば、窒素(N2)ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどである。本実施形態では、不活性ガスとして窒素ガスを用いている。
ノズルヘッド41bは周縁気体供給部4Bの一構成要素である。この周縁気体供給部4Bでは、ノズルヘッド41bは、ノズル44bを有し、アーム61bの先端に取り付けられている。ノズル44bは、その先端部(下端部)をノズルヘッド41bの下面から下方に突出させ、その上端部を上面から上方に突出させている。ノズル44bの上端には、配管45bの一端が接続されている。配管45bの他端は、ガス供給源46bに接続している。配管45bの経路途中には、ガス供給源46b側から順に流量制御器47b、開閉弁48bが設けられている。ノズル44bの下端は吐出口である。ノズルヘッド41bが、ノズル移動機構6により処理位置に配置されると、ノズル44bは、図2に示すように、気体供給位置Pbに位置する。
ノズルヘッド41cも、上記ノズルヘッド41bと同様に、周縁気体供給部4Bの一構成要素である。ノズルヘッド41cは、ノズル44cを有し、アーム61cの先端に取り付けられている。ノズル44cは、その先端部(下端部)をノズルヘッド41cの下面から下方に突出させ、その上端部を上面から上方に突出させている。ノズル44cの上端には、配管45cの一端が接続されている。配管45cの他端は、ガス供給源46cに接続している。配管45cの経路途中には、ガス供給源46c側から順に流量制御器47c、開閉弁48cが設けられている。ノズル44cの下端は吐出口である。ノズルヘッド41cが、ノズル移動機構6により処理位置に配置されると、ノズル44cは、図2に示すように、気体供給位置Pcに位置する。
ノズルヘッド41dは、周縁気体供給部4Bの一構成要素であるとともに、処理液供給部4Cの一構成要素でもある。ノズルヘッド41dは、1本の気体供給用のノズル44dと2本の処理液供給用のノズル44e、44fを有し、アーム61dの先端に取り付けられている。
気体供給用のノズル44dは、その先端部(下端部)をノズルヘッド41dの下面から下方に突出させ、その上端部を上面から上方に突出させている。ノズル44dの上端には、配管45dの一端が接続されている。配管45dの他端は、ガス供給源46dに接続している。配管45dの経路途中には、ガス供給源46d側から順に流量制御器47d、開閉弁48dが設けられている。ノズル44dの下端は吐出口である。
処理液供給用のノズル44e、44fは、それぞれ第1処理液(薬液)および第2処理液(DIW:脱イオン水)を供給するために設けられている。薬液用のノズル44eは、その先端部(下端部)をノズルヘッド41dの下面から下方に突出させ、その上端部を上面から上方に突出させている。ノズル44eの上端には、配管45eの一端が接続されている。配管45eの他端は、薬液供給源46eに接続している。配管45eの経路途中には、薬液供給源46e側から順に流量制御器47e、開閉弁48eが設けられている。ノズル44eの下端は吐出口である。一方、DIW用のノズル44fは、その先端部(下端部)をノズルヘッド41dの下面から下方に突出させ、その上端部を上面から上方に突出させている。ノズル44fの上端には、配管45fの一端が接続されている。配管45fの他端は、DIW供給源46fに接続している。配管45fの経路途中には、DIW供給源46f側から順に流量制御器47f、開閉弁48fが設けられている。ノズル44fの下端は吐出口である。なお、これら3本のノズル44d~44fは、図2に示すように、基板Wの回転方向AR1において互いに隣接して配置されている。
周縁気体供給部4Bおよび処理液供給部4Cは上記のように構成されているため、ノズル移動機構6がノズルヘッド41b~41dを処理位置に配置すると、ノズル44b~44fはそれぞれ位置Pb~Pfに位置し、ノズル44b~44fの吐出口は、回転保持機構2が回転させる基板Wの周縁部の回転軌跡に対向する。この対向状態で、制御部10からの指令に応じて処理液供給部4Cが周縁部に処理液(薬液、DIW)を供給する。このうち薬液供給によって、基板Wの上面に形成された薄膜(図5中の符号TF)の周縁部がエッチング除去される。また、DIW供給によって、エッチング部分に対してリンス処理が施される。なお、本実施形態では、当該リンス処理のためにDIWを処理液(リンス液)として用いているが、DIWの代わりに、純水、温水、オゾン水、磁気水、還元水(水素水)、イオン水、各種の有機溶剤(IPA(イソプロピルアルコール)、機能水(CO2水など)、などが用いられてもよい。
スピンチャック21上に保持されて回転している基板Wの下面周縁部の下方には、周縁加熱機構7が設けられている。図4は、図1に示す基板処理装置に装備される周縁加熱機構を鉛直方向から見た平面図である。図5は、図4のIV-IV線断面図である。なお、周縁加熱機構7の内部構造を明確にするため、図4では加熱筐体71を省略して図示している。
周縁加熱機構7は、上方からの平面視で円環形状を有する樹脂製の加熱筐体71を有している。加熱筐体71は、上方の開口した樹脂製のボックス部材711と、ボックス部材711の円環開口を上方から塞ぐように配置された透明部材712とを有している。これらボックス部材711および透明部材712により形成される収納空間713に対し、加熱源として機能する発光部72、ヒートシンク73およびベース部材74が収納されている。つまり、加熱筐体71によって、発光部72などが薬液などの雰囲気から保護されている。そして、後述するように発光部72は点灯すると、発光部72からの光(本実施形態では、波長365nm程度の紫外光)が透明部材712を介して基板Wの下面Wdに向けて照射される。このように第1実施形態では、透明部材712全体が透過窓として機能している。
収納空間713の内底部には、加熱筐体71に対応して円環形状のベース部材74が配置されている。ベース部材74は、例えばアルミニウム板で構成されている。このベース部材74上にヒートシンク73が配置され、発光部72を下方から冷却する機能を担っている。より具体的には、ヒートシンク73は、ベース部材74と同一の平面形状、つまり円環形状を有した金属プレートを有している。そして、図示を省略する冷却水循環供給部により金属プレートの内部で冷却水が循環される。これによって、発光部72が冷却される。
ヒートシンク73の上面には、既述の紫外発光LEDなどの発光部72が、透明部材(透過窓)712を介して基板Wの下面Wdと対向するように、配置されている。第1実施形態では、5個の発光部72が基板周縁部の形状に対応して円環状に配列されている。つまり、発光部72は、加熱筐体71の回転対称軸a71を中心に等角度間隔(本実施形態では、72゜間隔)で放射状に配置されている。また、各発光部72は、素子基板721と、光(紫外線)を射出する発光素子722と、発光素子722の制御信号や温度検出信号を制御部10との間で授受するためのコネクタ723とを有している。発光素子722およびコネクタ723は素子基板721の一方主面上で隣接して取り付けられている。そして、発光素子722およびコネクタ723が透明部材712を介して基板Wの下面Wdに対向するように、発光部72はヒートシンク73の上面に固定されている。
このように構成された発光部72では、制御部10からの点灯信号がコネクタ723を介して与えられると、発光素子722が点灯し、紫外光Lを基板Wの下面Wdに向けて射出する。紫外光Lは透明部材712を介して鉛直軸a1を中心に回転している基板Wの下面Wdに照射される。これによって、基板周縁部が加熱されて所望温度に到達する。例えば制御部10からの指令に応じ、5個の発光部72が全部点灯すると、回転している基板Wの下面Wdに紫外光Lが照射され、その結果、図6中の曲線C(10)に示すように、比較的短時間(点灯開始から約10秒)で基板Wの周縁部は85℃程度まで昇温される。その時点で基板Wの上面Wuに流体供給機構4から流体(薬液、DIW、窒素ガス)が供給されると、基板Wの周縁部の温度(以下、「周縁部温度」という)は若干低下するものの、処理液の供給中も紫外光Lを照射し続けることで基板Wの周縁部温度を75℃程度に維持することができる。
ここで、処理レートを向上させるためには、基板Wの周縁部温度を高めるのが望ましい。しかしながら、本実施形態では、発光部72により基板Wの周縁部を部分的に加熱しているため、周縁部温度が高くなるにつれて基板Wの面内温度差が多くなり、基板Wの周縁部がポテトチップスの周縁部のように波打った形状に反ることがある。レーザ変位計などで構成される反り量測定部81(図3)を基板処理装置1に設け、上記曲線C(10)に示す昇温特性で基板W(本実施形態では、直径300mmのシリコンウエハ)の周縁部を加熱したときの基板Wの周縁部の変形量を測定すると、例えば図7中の実線で示す変形特性が得られる。
図7は、加熱機構により基板の周縁部を加熱したときに発生する、反り量の時間依存性を示すグラフである。同図において、縦軸は、鉛直方向において非加熱状態での周縁部の位置をゼロとしたときの上方および下方への周縁部の変形量を示している。同図中の実線で示すように、発光部72の点灯から5秒が経過した時点より、変形量が上方および下方のいずれにおいても急速に増大している。そして、点灯開始から10秒経過して周縁部温度が85℃程度まで上昇した後に窒素ガスおよび処理液(DIW)を基板Wの周縁部に向けて吐出すると、変形量は急速に減少する。一方、点灯開始から周縁部温度が50℃程度まで上昇した後に窒素ガスおよび処理液(DIW)を基板Wの周縁部に向けて吐出すると、同図中の破線で示すように、基板Wの周縁部の変形量は上方および下方に約0.1mm程度である。この変形量は実質的に測定誤差の範囲であり、反りは発生していないと言える。
このように発光部72の点灯後において流体を基板Wの周縁部に供給するタイミング(以下「流体の供給開始タイミング」という)での基板Wの周縁部温度が基板Wの周縁部の反り量と密接に関連している。そこで、流体の供給開始タイミングにおける基板の周縁部温度と反り量との関係を調べたところ、図8に示すグラフが得られた。
図8は、発光部の点灯開始から10秒経過して流体を供給する直前での基板の周縁部温度と、反り量との関係を示すグラフである。同図では、点灯開始から10秒経過した時点での基板Wの周縁部温度が種々の値となるように加熱条件を変更設定し、各条件下での周縁部温度と基板Wの周縁部の反り量との関係を丸印で示している。それからさらに30秒経過(点灯開始からの経過時間=40秒)時点での周縁部温度と基板Wの周縁部の反り量との関係を四角印で示している。これら丸印で示される周縁部温度と反り量との関係から、流体を供給する直前(以下「Dry期間」という)の基板Wの周縁部温度が65℃を超えると、基板Wの反り量が急激に増大することが解る。一方、四角印で示される周縁部温度と反り量との関係から、流体により処理を行っている間(以下「Wet期間」という)の反り量は、点灯開始から10秒経過時点での基板Wの周縁部温度に影響されないことが解る。つまり、Dry期間の経過直後における基板Wの周縁部温度を65℃以下に抑えることが基板Wの反りを抑制する上で重要であることがわかる。
また、基板Wの反り量が大きくなると、基板Wの周縁部温度ムラも大きくなることが知られている。例えばKLA-Tencor社のSensArrayシリーズの300mm、24点基板測温計を用いてWet期間における基板Wの周縁部の温度分布を測定し、それらの測定値の平均値と標準偏差とを求めると、図9に示す測定結果が得られた。同図に示されているように周縁部温度が上昇するのに比例して周縁部温度のムラは大きくなるという現象は、反り量の増大に伴って処理液が薄膜TFに供給される着液位置、つまり基板Wのエッジから着液位置までの距離が変動することで、温度低下度合いも変化させてしまうことに起因する。したがって、周縁部温度のムラは処理精度の悪化およびエッチングレートの不均一性を招く主要因の一つになるといえる。
これら図7~図9に示す検証結果に基づき、Dry期間において基板Wの周縁部温度が65℃を超えない、また反り量で0.5mmを超えないように周縁加熱機構7による基板加熱を制御するのが望ましいことがわかる。一方、Dry期間における周縁部温度が低くなると、エッチングレートが低くなり、流体による処理に要する時間が長くなってしまい、処理効率の低下を招く。したがって、Dry期間において基板Wの周縁部温度が55℃以上、また反り量が0.4mm以上となるように周縁加熱機構7による基板加熱を制御するのが望ましい。つまり、これらの点を総合的に考慮すると、処理精度を維持しつつ基板Wの周縁部を良好に処理するためには、Dry期間において反り量や周縁部温度が適正範囲(反り量では0.4mm以上0.5mm未満、周縁部温度では55℃以上65℃以下)に収まるように基板加熱を制御するのが好適であると考察することができる。
そこで、本実施形態では、Dry期間において反り量を適正範囲に収めることで、処理液によって基板Wの上面Wuに形成された薄膜TFの周縁部をエッチング除去する、いわゆるエッチング処理を良好に行うべく、制御部10を次のように構成している。すなわち、制御部10は、各種演算処理を行う演算処理部11、基本プログラムや上記適正範囲を記憶する記憶部12および各種情報を表示するとともに操作者からの入力を受け付ける入力表示部13を有している。そして、制御部10においては、プログラムに記述された手順にしたがって主制御部としての演算処理部11が演算処理を行うことにより、基板処理装置1の各部を以下のように制御する。
図10は、図1に示す基板処理装置で実行される基板処理を示すフローチャートである。未処理の基板Wが、図示を省略する搬送ロボットなどにより装置外部から基板処理装置1に搬入されてスピンチャック21の上面に載置されると、スピンチャック21が当該基板Wを保持する。また、搬送ロボットが基板処理装置1から退避する。それに続いて、ノズルヘッド41a~41dはノズル移動機構6によって処理位置に配置されるとともに、スプラッシュガード31はガード駆動機構32によって上方位置に配置される(図1参照)。
こうして、基板処理の準備が完了すると、基板処理装置1の回転機構231が、基板Wを保持するスピンチャック21の回転を開始する(ステップS1)。また、制御部10からの点灯信号を受け、発光部72の点灯が開始される(ステップS2)。各発光部72から紫外光Lが射出され、透明部材712を介して回転している基板Wの下面Wdの周縁部に照射される。
こうして、基板Wの周縁部の加熱が開始されると、例えば図6に示すように、点灯開始からの時間経過に伴って基板Wの周縁部温度が上昇する。周縁部温度が50℃を超えると、図8に示すように、基板Wの反り量が緩やかに上昇し始め、さらに周縁部温度が60℃を超えると、反り量が急激に上昇する。そこで、本実施形態では、基板処理中に反り量測定部81が基板Wの反り量を測定し、当該測定値を演算処理部11に送る(ステップS3)。一方、これを受け取った演算処理部11は、測定値が反り量に関する適正範囲(300mmシリコンウエハについては0.4mm以上かつ0.5mm以下の範囲)内であるか否かを判定する(ステップS4)。このステップS4で測定値が適正範囲に達していない(未達)の間、基板Wの周縁部が十分に加熱されていないと演算処理部11は判断し、ステップS3に戻って基板加熱とともに反り量の測定が繰り返される。逆に、ステップS4で測定値が適正範囲を超える(超過)と、演算処理部11は、エッチング処理を良好に行うことができない程度にまで基板Wが反っていると判断し、基板Wに対するエッチング処理を中止する。つまり、ステップS5で発光部が消灯され、ステップS10に進む。これによって、基板Wが大きく反った状態で処理液による基板Wの周縁部に対する処理が実行されるのを未然に防止することができる。また、このとき、その旨のメッセージを入力表示部13に表示してもよい。
一方、ステップS4で測定値が適正範囲内であると演算処理部11が判定すると、中央気体供給部4Aによるノズル44aからガス流の吐出および周縁気体供給部4Bによるノズル44b~44dからガス流の吐出を開始する(ステップS6)。こうして、窒素ガスの供給を受けた状態で、処理液供給部4Cが基板Wの上面の周縁部に当たるように処理液(薬液)を供給して薄膜TF(図5)の周縁部をエッチング除去する。それに続いて、処理液供給部4Cが基板Wの上面Wuの周縁部に当たるように処理液(DIW)を供給してリンス処理を施す。こうして、基板Wの周縁部に対する処理が実行される(ステップS7)。演算処理部11が、基板Wの処理に要する処理時間の経過などを検出すると、処理液供給部4Cに吐出停止指令を与え、処理液の供給を停止する。
それに続いて、演算処理部11からの消灯信号を受け、発光部72が消灯し、基板Wの周縁部の加熱が停止される(ステップS8)。また、ガス流の供給も停止される(ステップS9)。さらに、スピンチャック21の回転が停止される(ステップS10)。その後で、図示を省略する搬送ロボットのハンドが基板処理装置1に進入し、処理済の基板Wを受け取ると、スピンチャック21による基板Wの保持が解除される。そして、搬送ロボットは受け取った基板Wを次の基板処理装置に搬出する。
以上のように、第1実施形態によれば、周縁加熱機構7により加熱される基板Wの反り量を本発明の「周縁部情報」の一例として測定し、当該反り量が適正範囲となっていることを確認した上で、流体供給機構4から流体(薬液、DIW、窒素ガス)の供給が開始される。例えば図6の曲線C(10)に示すように発光部72の点灯開始から10秒経過した時点で流体の供給を開始するように初期設定していたとしても、発光部72の点灯開始から7秒経過した時点で基板Wの反り量が適正範囲となると、流体供給タイミングが「10秒経過後」から「7秒経過後」に調整される。このため、基板Wの周縁部に対する流体の供給位置の変動を抑えた状態で、Wet期間内において流体によるエッチング処理を行うことができる。その結果、基板処理の処理精度を高めることができる。
また、基板Wの反り量が適正範囲に到達していない、いわゆる未達状態においては流体供給を規制したまま加熱を継続し、その後に適正範囲に到達した時点で流体供給を開始している。つまり、基板Wを十分に加熱した状態で流体によるエッチングを行っている。したがって、上記したように処理精度を高めつつ、優れたエッチングレートが得られる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、基板Wの反り量に基づいて流体供給タイミングを調整しているが、基板Wの周縁部温度を本発明の「周縁部情報」の一例として測定し、当該周縁部温度に基づいて流体供給タイミングを調整してもよい。この場合、反り量測定部81の代わりに、放射温度計などで構成される温度測定部(図示省略)を設け、当該温度測定部により周縁部温度を測定すればよく、温度測定部による測定値が適正範囲(55℃以上かつ65℃以下の範囲)内であることを確認した上で流体供給を開始することができる(第2実施形態)。この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。もちろん、反り量測定部81と温度測定部とを並存させ、反り量測定部81による測定値および温度測定部による測定値の両方が適正範囲内であることを確認した上で流体供給を開始するように構成してもよい。
<第3実施形態>
上記第1実施形態および第2実施形態では、周縁加熱機構7により基板Wの周縁部のみを加熱している。このため、基板Wの面内において周縁部と中央部とで比較的大きな温度差が生じることがある。例えば図1に示す基板処理装置1において、Dry期間中に基板Wの周縁部温度を80℃に加熱しながら基板Wの中央部の温度(以下「中央部温度」という)を22℃、30℃および40℃に設定したときの基板Wの周縁部の反り量を測定すると、図11に示すようなグラフが得られた。
図11は、図1に示す基板処理装置における、中央部温度に対する反り量の変化特性を示すグラフである。同図に示すように、基板Wの周縁部の反り量は中央部温度の上昇、つまり周縁部温度と中央部温度との温度差が縮まるのに応じて減少する。したがって、上記第1実施形態や第2実施形態に対し、基板Wの周縁部の加熱と並行して中央部温度を上昇させるように構成してもよい(第3実施形態)。
図12は、本発明に係る基板処理装置の第3実施形態の部分構成図である。第3実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、中央気体供給部4Aの構成であり、その他の構成は第1実施形態と基本的に同一である。したがって、以下においては、相違点を中心に説明し、同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
中央気体供給部4Aの一構成要素であるノズル44aの中間部には、図12に示すように、吐出口の内径よりも大きな内径を有する拡径空間44a1が設けられている。この拡径空間44a1に発熱体49が遊挿されている。このため、配管45aを介してノズル44aの導入口に圧送されてきた窒素ガスは、拡径空間44a1を規定するノズル内壁と発熱体49との間に形成された流通通路を経由して吐出口に送られ、吐出口から基板Wの上面Wuの中央部に向けて吐出される。
発熱体49は、制御部10と電気的に接続され、制御部10からの指令に応じて作動することで発熱して表面温度を上昇させる。これにより、発熱体49により上記流通通路を流れる窒素ガスが暖められ、窒素ガスの温度が室温(例えば25℃)よりも高い温度、例えば40℃程度まで上昇する。こうして加熱された窒素ガスは、基板Wの周縁部の加熱と並行して、スピンチャック21上に保持されて回転している基板Wの上面Wuの中央部に供給される。これによって、基板Wの中央部が昇温され、中央部温度と周縁部温度との温度差が縮まる。つまり、基板Wの面内温度差が小さくなる。その結果、基板Wの反りを効果的に抑えることができ、基板処理の精度をさらに向上させることができる。
この第3実施形態では、上記したように発熱体49をノズル44aに内蔵させることにより基板Wの上面Wuの中央部に供給する窒素ガスを加熱しているが、発熱体49の配設位置はこれに限定されるのではなく、中央気体供給部4Aにおいて窒素ガスが流通する経路のいずれかに設けてもよい。また、発熱体49の代わりに、特許文献1に記載された加熱機構と同様に構成されたものを用いてもよい。さらに、予め加熱した窒素ガスをガス供給源46aに貯留させるとともに配管45aに対して断熱材を巻回するなどの断熱処置を施すことで、中央気体供給部4Aが加熱された窒素ガスを基板Wの上面Wuの中央部に供給するように構成してもよい。
また、第3実施形態では、発熱体49を装備する中央気体供給部4Aが本発明の「中央加熱機構」の一例に相当している。そして、周縁加熱機構7により基板Wの周縁部を加熱する期間と、中央加熱機構により基板Wの中央部を加熱する期間とを一致させている。ただし、両期間を一致させることは必須要件ではなく、少なくとも一部で重複させるように構成してもよい。
上記したように第3実施形態では、基板Wの上面Wuの中央部に供給する窒素ガスを加熱することにより基板Wにおける中央部と周縁部との温度差を縮めるという発明を有している。つまり、上記発明を第1実施形態に適用しているが、第2実施形態や次に説明する第4実施形態にも適用することができる。また、当該発明の適用範囲は、基板Wの周縁部を発光部72以外の方法で加熱する装置、例えば特許文献1に記載の装置に対しても適用することができる。
<第4実施形態>
上記第1実施形態ないし第3実施形態では、5つの発光部72が、図4に示すように、加熱筐体71の回転対称軸a71を中心に等角度間隔で放射状に配置されている。これは、専ら回転している基板Wの周縁部の温度を均一にする観点から設計されている。しかしながら、基板処理中においては、周縁部に対して流体(薬液、DIW、窒素ガス)が供給され、部分的に周縁部温度を低下させる要因となる。したがって、基板処理中に、基板Wの回転方向AR1における周縁部温度の均一化を図るためには、流体の供給位置を考慮するのが望ましい。そこで、第4実施形態では、この点を考慮して基板処理装置1が構成されている。以下、図4、図13~図16を参照しつつ、第4実施形態について詳述する。
図13は、第1実施形態における基板処理中の温度分布を模式的に示す図であり、同図中の実線は等温線である。図14は、第1実施形態におけるノズル位置に対する発光部の位置関係および各発光部から基板への投入熱量を示す図である。図15は、本発明に係る基板処理装置の第4実施形態を上方から見た平面図である。図16は、第4実施形態におけるノズル位置に対する発光部の位置関係および各発光部から基板への投入熱量を示す図である。ここでは、第1実施形態について説明した後で、第4実施形態について説明する。
第1実施形態では、図4に示すように、発光部72により基板Wの周縁部を加熱しながら当該基板Wを回転させることで、基板Wの回転方向AR1において基板Wの周縁部温度を均一にしている。しかしながら、基板処理を行うために、流体供給機構4から流体(薬液、DIW、窒素ガス)が基板Wに供給される。特に、基板処理においては、周縁気体供給部4Bのノズル44b~44dおよび処理液供給部4Cのノズル44e、44fはそれぞれ基板Wの周縁部近傍の位置Pb~Pfに位置し、基板Wの周縁部の回転軌跡に向かって流体を吐出する。しかも、図14の下段図に示すように、各発光部72a~72eからの紫外光Lが基板Wの周縁部に照射されることで投入される熱量は一定である。したがって、周縁部の特定点での周縁部温度は、基板Wが1回転する間に、図14の上段グラフに示すように比較的大きく変動する。つまり、上記特定点は位置Pb~Pfをそれぞれ通過する際に、流体供給を受ける。そのため、図13に示すように、位置Pb~Pfの近傍位置で周縁部温度が低くなり、回転方向AR1に沿った周方向位置で部分的に温度低下が認められる。
これに対し、第4実施形態では、図15に示すように、5つの発光部72はそれぞれ回転方向AR1において位置Pb~Pfの近傍に配置されている。より詳しくは、回転方向AR1において位置Pdに対して上流側で発光部72が隣接して配置されている。この発光部72をその他の発光部72と区別するため、以下において「発光部72a」と称する。また、回転方向AR1において位置Pf、Pd、Pcに対して下流側で発光部72がそれぞれ隣接して配置されている。これらの発光部72をその他の発光部72と区別するため、以下において位置Pf、Pd、Pcに隣接するものをそれぞれ「発光部72b」、「発光部72d」、「発光部72e」と称する。さらに、それら発光部72a、72b、72d、72e以外の発光部72を「発光部72c」と称する。
第4実施形態では、制御部10の演算処理部11は、回転方向AR1における発光部72a~72eとノズル44b~44fの位置Pb~Pfとの位置関係に対応し、各発光部72a~72eから紫外光Lを周縁部に照射することで基板Wに投入する熱量(以下「投入熱量」という)を調整する。より詳しくは、基板処理を行うレシピ毎に、黒体スプレ-等を塗布した基板Wに対して基板処理を実行したときの流体供給による位置Pb~Pfでの温度低下量を計測し、その計測結果を記憶部12に記憶している。そして、ユーザに指定されたレシピで基板処理を行う際には、演算処理部11は、記憶部12からレシピに対応する計測結果(位置Pb~Pfでの温度低下量)を読み出し、例えば図16の下段グラフに示すように、当該計測結果に基づいて発光部72a~72eによる投入熱量を制御する。つまり、3本のノズル44d~44fが隣接して配置され、窒素ガス、薬液、DIWの供給を連続的に受ける区間(位置Pd~Pfが存在する区間)では、温度低下量が比較的大きい。そこで、その最下流に位置Pfに隣接する発光部72bについては、投入熱量が大きくなるように制御している(最高熱量の投入)。また、基板処理中にノズル44b~44fのいずれとも隣接しない発光部72cについては、投入熱量が小さくなるように制御している(最低熱量の投入)。さらに、それ以外の発光部72a、72d、72eについては、上記最高熱量と上記最低熱量との間の中間熱量が投入されるように制御している。その結果、例えば図16の上段グラフに示すように、周縁部温度の変動幅が第1実施形態のそれ(図14の上段グラフ)よりも小さくなっている。
以上のように、第4実施形態によれば、基板Wの周縁部に対して流体が供給される位置Pb~Pd、Pfの近傍に発光部72を配置している。しかも、流体供給に伴う位置Pb~Pfでの温度低下量に応じて発光部72a~72eによる周縁部の加熱を制御し、流体供給に伴う周縁部の温度低下を補償している。このため、図16の上段グラフに示すように、周縁部温度の変動量を抑えることができる。その結果、基板Wの反りを効果的に抑えることができ、基板処理の精度をさらに向上させることができる。
このように第4実施形態では、位置Pe、Pfが本発明の「流体供給位置」および「処理液供給位置」の一例に相当し、それらのうち位置Pfに対応して配設された発光部72bが本発明の「第1加熱部」の一例に相当している。位置Pb~Pdが本発明の「流体供給位置」および「気体供給位置」の一例に相当し、それらに対応して配設された発光部72d、72e、72aが本発明の「第2加熱部」の一例に相当している。また、基板Wの回転方向AR1において、位置Pdに対する上流側が本発明の「処理液供給位置に対して気体供給位置の反対側」に相当し、位置Pfに対する下流側が本発明の「気体供給位置に対して処理液供給位置の反対側」に相当している。
第4実施形態では、周縁加熱機構7が、第1加熱部および第2加熱部を有するように構成するとともに、記憶部12に記憶される温度変動量(=第1温度低下量+第2温度低下量)に基づき第1加熱部による加熱と第2加熱部による加熱とによって、流体供給による基板Wの周縁部の温度低下を補償するという発明を有している。つまり、上記発明を第1実施形態に適用しているが、第2実施形態や第3実施形態にも適用することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば第1実施形態ないし第4実施形態では、周縁加熱機構7は5つの発光部72を有しているが、第1実施形態ないし第3実施形態における発光部72の個数は、「5」に限定されるものではなく、任意である。一方、第4実施形態における発光部72の個数は、「5」に限定されるものではなく、2~4または6以上であってもよい。
上記第1実施形態ないし第4実施形態では、発光部72は紫外光Lを基板Wの周縁部に照射して加熱している。ただし、本発明の「加熱部」として、紫外波長以外の光を照射する発光部を用いてもよい。
この発明は、水平姿勢で鉛直軸周りに回転する基板の周縁部を加熱しながら周縁部に流体を供給して所定の基板処理を施す基板処理全般に対して適用することができる。
1…基板処理装置
4…流体供給機構
4B…周縁気体供給部
4C…処理液供給部
7…周縁加熱機構
10…制御部
11…演算処理部
12…記憶部
21…スピンチャック(基板保持部)
23…回転駆動部
49…発熱体(中央加熱機構)
72a、72d、72e…発光部(第2加熱部)
72b…発光部(第1加熱部)
81…反り量測定部
a1…鉛直軸
AR1…回転方向
Pb~Pd…気体供給位置(流体供給位置)
Pe、Pf…処理液供給位置(流体供給位置)
W…基板

Claims (15)

  1. 基板を水平に保持し、鉛直軸周りに回転可能に設けられた基板保持部と、
    前記基板保持部を前記鉛直軸周りに回転させる回転駆動部と、
    回転する前記基板の周縁部に流体を供給する流体供給機構と、
    回転する前記基板の周縁部を加熱する周縁加熱機構と、
    前記流体供給機構および前記周縁加熱機構を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記流体の供給前に前記周縁加熱機構により前記基板の周縁部を加熱し、
    加熱された前記基板の周縁部の温度および鉛直方向における反り量の少なくとも一方に基づいて前記流体の供給開始タイミングを決定する、
    ことを特徴とする、基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記流体供給機構は、
    回転する前記基板の周縁部に処理液を供給する処理液供給部と、
    回転する前記基板の周縁部に気体を供給する周縁気体供給部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記供給開始タイミングから前記処理液または前記気体を前記流体として供給するように前記流体供給機構を制御する、基板処理装置。
  3. 請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記制御部は、前記供給開始タイミングで前記周縁気体供給部から前記気体の供給を開始し、前記気体が前記周縁部に供給されたまま前記処理液供給部から前記処理液を供給して前記周縁部を処理するように前記流体供給機構を制御する、基板処理装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の基板処理装置であって、
    回転する前記基板の周縁部の温度を測定する温度測定部を備え、
    前記制御部は、前記温度測定部により測定された温度が65℃を超えるときには、前記流体の供給を規制するように前記流体供給機構を制御する、基板処理装置。
  5. 請求項4に記載の基板処理装置であって、
    前記制御部は、前記温度測定部により測定された温度が55℃以上であるときに、前記流体の供給を開始するように前記流体供給機構を制御する、基板処理装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の基板処理装置であって、
    回転する前記基板の周縁部の前記鉛直方向における反り量を測定する反り量測定部を備え、
    前記制御部は、前記反り量測定部により測定された反り量が0.5mmを超えるときには、前記流体の供給を規制するように前記流体供給機構を制御する、基板処理装置。
  7. 請求項6に記載の基板処理装置であって、
    前記制御部は、前記反り量測定部により測定された反り量が0.4mm以上であるときに、前記流体の供給を開始するように前記流体供給機構を制御する、基板処理装置。
  8. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記周縁加熱機構は、前記流体が供給される流体供給位置の近傍で前記周縁部を加熱する加熱部を有し、
    前記制御部は、
    前記流体の供給による前記流体供給位置での前記周縁部の温度変動量を記憶する記憶部を有し、
    前記温度変動量に応じた前記加熱部による加熱によって、前記流体の供給による前記周縁部の温度低下を補償するように前記周縁加熱機構を制御する、基板処理装置。
  9. 請求項8に記載の基板処理装置であって、
    前記流体供給機構は、
    回転する前記基板の周縁部に処理液を前記流体として供給する処理液供給部と、
    回転する前記基板の周縁部に気体を前記流体として供給する周縁気体供給部と、
    を有し、
    前記周縁加熱機構は、前記処理液供給部により前記処理液が供給される処理液供給位置の近傍で前記周縁部を加熱する第1加熱部と、前記周縁気体供給部により前記気体が供給される気体供給位置の近傍で前記周縁部を加熱する第2加熱部と、を有し、
    前記記憶部に記憶される前記温度変動量は、前記処理液の供給により前記処理液供給位置での前記周縁部の第1温度低下量と、前記気体の供給による前記気体供給位置での前記周縁部の第2温度低下量と、を含み、
    前記制御部は、前記第1温度低下量に応じた前記第1加熱部による加熱と、前記第2温度低下量に応じた前記第2加熱部による加熱とによって、前記処理液および前記気体の供給による前記周縁部の温度低下を補償するように前記周縁加熱機構を制御する、基板処理装置。
  10. 請求項9に記載の基板処理装置であって、
    前記基板の回転方向において前記処理液供給位置および前記気体供給位置が隣接するとき、
    前記回転方向において、前記第1加熱部は前記気体供給位置に対して前記処理液供給位置の反対側に配置されるとともに、前記第2加熱部は前記処理液供給位置に対して前記気体供給位置の反対側に配置される、基板処理装置。
  11. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    回転する前記基板の中央部を加熱する中央加熱機構を備え、
    前記制御部は、前記周縁加熱機構により前記周縁部を加熱する期間と、前記中央加熱機構により前記中央部を加熱する期間とを少なくとも一部で重複させるように前記周縁加熱機構と前記中央加熱機構とを制御する、基板処理装置。
  12. 請求項11に記載の基板処理装置であって、
    前記基板保持部は前記基板の下面の中央部を吸着して保持し、
    前記中央加熱機構は、前記基板保持部に吸着保持された前記基板の前記中央部に向けて気体を吐出して加熱する、基板処理装置。
  13. 基板を水平に保持し、鉛直軸周りに回転可能に設けられた基板保持部と、
    前記基板保持部を前記鉛直軸周りに回転させる回転駆動部と、
    回転する前記基板の周縁部に流体を供給する流体供給機構と、
    回転する前記基板の周縁部に対し、前記流体供給機構により前記流体が供給される流体供給位置の近傍で前記基板の周縁部を加熱する周縁加熱機構と、
    前記流体供給機構および前記周縁加熱機構を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記流体の供給による前記流体供給位置での前記周縁部の温度低下量を記憶する記憶部を有し、
    前記温度低下量に応じた前記周縁加熱機構による加熱によって、前記流体の供給による前記周縁部の温度低下を補償するように前記周縁加熱機構を制御することを特徴とする、基板処理装置。
  14. 基板を水平に保持し、鉛直軸周りに回転可能に設けられた基板保持部と、
    前記基板保持部を前記鉛直軸周りに回転させる回転駆動部と、
    回転する前記基板の周縁部に流体を供給する流体供給機構と、
    回転する前記基板の周縁部に対し、前記流体供給機構により前記流体が供給される流体供給位置の近傍で前記基板の周縁部を加熱する周縁加熱機構と、
    回転する前記基板の中央部を加熱する中央加熱機構と、
    前記流体供給機構、前記周縁加熱機構および前記中央加熱機構を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記周縁加熱機構により前記周縁部を加熱する期間と、前記中央加熱機構により前記中央部を加熱する期間とを少なくとも一部で重複させるように前記周縁加熱機構と前記中央加熱機構とを制御することを特徴とする、基板処理装置。
  15. 水平姿勢で鉛直軸周りに回転する基板の周縁部を加熱しながら前記周縁部に流体を供給する基板処理方法であって、
    加熱された前記基板の周縁部の温度および鉛直方向における反り量の少なくとも一方を周縁部情報として測定する工程と、
    前記周縁部情報に基づいて加熱された前記基板の周縁部に前記流体の供給を開始する供給開始タイミングを調整する工程と、
    を備えることを特徴とする、基板処理方法。
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