JP2023031516A - 回転動力伝達装置及び回転動力伝達装置の製造方法 - Google Patents

回転動力伝達装置及び回転動力伝達装置の製造方法 Download PDF

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孝雄 木村
Takao Kimura
修平 戸松
Shuhei Tomatsu
俊明 宮竹
Toshiaki Miyatake
慎吾 五十川
Shingo Isogawa
健二 本多
Kenji Honda
拓也 松本
Takuya Matsumoto
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Abstract

【課題】溶接時におけるケース部材とリングギヤとの間の空間の圧力上昇により溶接部に欠陥が生じることを防ぎつつ、この圧力を逃がすための空気孔を形成することにより部品の組み付けに支障を生じさせたりケース部材のフランジ部の強度を低下させたりすることのない回転動力伝達装置及びその製造方法を提供する。【解決手段】差動装置1は、リングギヤ2が嵌合される嵌合面36aが形成された嵌合部36と、リングギヤ2が溶接されるフランジ部37とを有するデフケース3を備える。デフケース3には、一対のサイドギヤ41,42や複数のピニオンギヤ43,44等の収容部材を収容する収容空間、及び空気孔30とが形成されている。空気孔30は、デフケース3の軸方向におけるフランジ部37と嵌合面36aとの間のデフケース3の外周面3aに一端部301が開口し、他端部302がデフケース3における収容部材との接触が発生しない非接触面に開口している。【選択図】図1

Description

本発明は、リングギヤがケース部材に溶接された回転動力伝達装置、及びその製造方法に関する。
従来、リングギヤがケース部材のフランジ部に溶接された回転動力伝達装置が、例えば自動車の駆動源の駆動力を車輪に伝達する駆動力伝達系に用いられている。この回転動力伝達装置の一例として、プロペラシャフトを経て入力される駆動力を一対の出力軸に差動を許容して出力する差動装置(デファレンシャル装置)が、4輪駆動車や後輪駆動車(FR車)に用いられている。
差動装置は、一対のサイドギヤに複数のピニオンギヤを噛み合わせてなる差動歯車機構と、差動歯車機構を収容するデフケースと、デフケースの外周に取り付けられた円環状のリングギヤとを有している。リングギヤは、デフケースに設けられたフランジ部に固定され、プロペラシャフトに連結されたピニオンギヤシャフトのギヤ部に噛み合わされる。デフケースのフランジ部へのリングギヤの固定方法としては、従来はボルトによる締結が一般的であったが、近年では、異種金属の溶接技術の進歩により、リングギヤを溶接によってデフケースのフランジ部に固定することが広く行われるようになってきている。
特許文献1に記載された差動装置は、デフケースの外周面に環状の圧入面が形成されると共に、デフケースの軸方向一端部側に円環板状のフランジ部が設けられており、このフランジ部の径方向外側の端部がケース側の突き当て部となっている。リングギヤには、デフケースの圧入面に圧入される圧入孔、及びケース側の突き当て部に突き当てられるギヤ側の突き当て部が形成されている。リングギヤをデフケースに固定する際には、デフケースの圧入面にリングギヤが圧入され、かつケース側の突き当て部にギヤ側の突き当て部が突き当てられた状態で、ケース側及びギヤ側の突き当て部同士が溶接される。
特許文献2に記載された差動装置は、特許文献1と同様の溶接構造によってリングギヤがデフケースに固定されるが、溶接時の熱によりデフケースとリングギヤとの間に形成される空間内部の圧力が上昇してガスが噴き出し、溶接部に穴が開く欠陥を生じさせることを防ぐために、この空間と大気開放された外部とを連通する連通孔がデフケースに設けられている。また、特許文献2の差動装置では、リングギヤの圧入時に生じた圧入粉や溶接時に生じたスパッタ等の異物が連通孔を介して外部に排出されないよう、差動歯車機構の複数のピニオンギヤを支持するピニオンシャフトが挿入されるシャフト支持孔、又はピニオンシャフトを抜け止め及び回り止めするピンが挿入されるピン挿入孔の内面に連通孔の一端を開口させ、この開口部分をピニオンシャフト又はピンで閉塞するように構成されている。
特許文献3には、デフケースのフランジ部にリングギヤをレーザ溶接する溶接方法が記載されている。この溶接方法では、溶接部にブローホール(溶接部内で発生したガスが凝固時に放出されず、溶接部内に閉じ込められて生じる気孔欠陥)が生じないよう、フランジ部を軸方向に貫通する貫通孔が、デフケースとリングギヤとの間の内部空間を外部に開放する外部開放孔として形成されている。
また、リングギヤが溶接によりフランジ部に固定された差動装置には、例えば特許文献4に記載されたもののように一対のサイドギヤの差動を制限するための多板クラッチを備えたものや、例えば特許文献5に記載されたもののように複数のピニオンギヤが一対のサイドギヤと平行に配置されたものがある。
また、特許文献6には、ケース(デファレンシャルケース又はトランスファケース)のフランジ部とリングギヤとを突合せ溶接した後にフランジ部の外形形状を計測し、計測した形状に基づいて溶接状態の良否を判定することが記載されている。この特許文献6の図8A,図8Bには、中心部にドライブシャフト等の駆動軸を収容する貫通孔が形成されたトランスファケースのフランジ部に、溶接によってリングギヤが固定されたトランスファ装置が記載されている。
特開2016-65582号公報(明細書段落[0017],[0018]参照) 特開2017-62003号公報(明細書段落[0003]-[0006]参照) 特開2020-175418号公報(明細書段落[0058],[0063]、図2A,2B参照) 特開2010-180976号公報(明細書段落[0042]-[0044]、図2参照) 特開2013-160259号公報(明細書段落[0044]、図1,図3参照) 国際公開WO2012/143986号公報(明細書段落[0070]、図8A,図8B参照)
特許文献2に記載されているように、デフケースとリングギヤとの間に形成される空間と外部とを連通する連通孔をシャフト支持孔又はピン挿入孔の内面に開口させるように形成すると、この開口部分の周辺に発生したバリにより、ピニオンシャフト又はピンを孔に挿入できなくなり、差動歯車機構の組み付けに支障が生じるおそれがある。これにより、製造に要する時間が長くなると共に製造コストが増大してしまう。また、特許文献3に記載されているように、デフケースのフランジ部に軸方向の貫通孔を形成すると、フランジ部の強度が低下してしまう。
そこで、本発明は、溶接時におけるケース部材とリングギヤとの間の空間内部の圧力上昇により溶接部に欠陥が生じることを防ぎつつ、この圧力を逃がすための空気孔を形成することに起因して、部品の組み付けに支障を生じさせたりフランジ部の強度を低下させたりすることのない回転動力伝達装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決することを目的として、円環状のリングギヤと、前記リングギヤの内周面が嵌合される嵌合面が形成された環状の嵌合部、及び前記嵌合面よりも径方向外方に突出して設けられたフランジ部を有すると共に、収容部材を収容する収容空間が形成されたケース部材と、を備え、前記リングギヤの少なくとも一部と前記フランジ部とが前記ケース部材の回転軸線に平行な軸方向に並び、前記リングギヤが前記フランジ部に全周にわたって溶接され、前記溶接された部分から前記嵌合部までの前記ケース部材と前記リングギヤとの間に環状空間が形成されており、前記ケース部材には、前記環状空間の内外を連通する空気孔が形成されており、前記空気孔は、前記軸方向における前記フランジ部と前記嵌合面との間の前記ケース部材の外周面に一端が開口し、他端が前記ケース部材における前記収容部材との接触が発生しない非接触面に開口している、回転動力伝達装置を提供する。
また、本発明は、上記の課題を解決することを目的として、前記収容部材として、一対のサイドギヤと、前記一対のサイドギヤに噛み合う複数のピニオンギヤと、前記複数のピニオンギヤを支持するピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフトを前記ケース部材に対して回り止めするピンとを有し、前記ケース部材には、前記ピニオンシャフトが挿入されたシャフト挿入孔、及び前記ピンが挿入されたピン挿入孔が前記収容空間として形成されており、前記空気孔は、前記シャフト挿入孔及び前記ピン挿入孔に連通しないように前記環状空間から前記ケース部材の径方向内方に向かって形成されている、回転動力伝達装置を提供する。
また、本発明は、上記の課題を解決することを目的として、上記の回転動力伝達装置の製造方法であって、前記ケース部材となる鋳造品に前記シャフト挿入孔、前記ピン挿入孔、及び前記嵌合面を形成すると共に、前記空気孔をドリルによって形成して前記ケース部材を作製するケース部材作製工程と、前記ケース部材の前記嵌合部に前記リングギヤを嵌合する嵌合工程と、前記ケース部材の前記フランジ部と前記リングギヤとを溶接する溶接工程と、前記フランジ部と前記リングギヤとの溶接部を前記フランジ部における前記リングギヤ側とは反対側の面から超音波探傷する検査工程と、前記ケース部材に前記一対のサイドギヤ、前記複数のピニオンギヤ、前記ピニオンシャフト、及び前記ピンを組み付ける組付工程とを有する、回転動力伝達装置の製造方法を提供する。
本発明に係る回転動力伝達装置及びその製造方法によれば、溶接時におけるケース部材とリングギヤとの間の空間内部の圧力上昇により溶接部に欠陥が生じることを防ぎつつ、この圧力を逃がすための空気孔を形成することに起因して、部品の組み付けに支障を生じさせたりフランジ部の強度を低下させたりすることを防ぐことができる。
本発明の実施の形態に係る差動装置を示す断面図である。 (a)及び(b)は、デフケースを示す斜視図である。 (a)及び(b)は、デフケースを軸方向から見た構成図である。 (a)~(c)は、差動装置の製造方法を示す説明図である。 空気孔の周辺部におけるデフケースの断面を示す断面図である。 デフケースに発生する応力を色の濃さで示す応力解析図である。 変形例1に係るデフケースの一部の断面を示す断面図である。 変形例2に係るデフケースの一部の断面を示す断面図である。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図6を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。また、本実施の形態では、本発明の回転動力伝達装置として、エンジンや電動モータ等の駆動源が前置きされた後輪駆動車や4輪駆動車の後輪側に搭載される差動装置を例にとって説明する。ただし、これに限らず、前輪駆動車用の差動装置に本発明を適用することも可能であり、例えばトランスファ装置等の差動装置以外の回転動力伝達装置に本発明を適用することも可能である。
図1は、本発明の実施の形態に係る差動装置を示す断面図である。この差動装置1は、車両前後方向に延在するプロペラシャフトを経て入力される駆動力(回転動力)を一対の出力軸(ドライブシャフト)に差動を許容して出力する。図1では、左右のドライブシャフトのそれぞれの端部に設けられた等速ジョイントのアウタレース81,82の一部を図示している。
差動装置1は、円環状のリングギヤ2と、リングギヤ2が固定されたデフケース3と、デフケース3に収容された差動歯車機構4とを備えている。デフケース3は、例えば球状黒鉛鋳鉄からなる中空状の鋳造品に切削等の加工を施して形成されている。リングギヤ2は、デフケース3よりも硬い金属製であり、例えば浸炭鋼からなる。差動装置1は、回転軸線Oを中心としてデフケース3がリングギヤ2と一体に回転して回転動力を伝達する。
デフケース3は、デフキャリア5に収容され、一対の円錐ころ軸受71,72によってデフキャリア5に対して回転可能に支持されている。デフキャリア5は、キャリア本体51と蓋体52とを有し、キャリア本体51と蓋体52とが不図示のボルトによって締結されている。キャリア本体51及び蓋体52には、等速ジョイントのアウタレース81,82を挿通させる挿通孔510,520がそれぞれ形成されている。デフキャリア5の内部には、潤滑油(デフオイル)が封入されており、この潤滑油の漏出を抑止するシール部材73,74が挿通孔510,520の内側に取り付けられている。
デフキャリア5には、プロペラシャフトに連結されたピニオンギヤシャフト6が収容されている。ピニオンギヤシャフト6は、円錐ころ軸受75によってデフキャリア5に対して回転可能に支持された軸部61と、軸部61よりも大径のギヤ部62とを一体に有しており、ギヤ部62がリングギヤ2に噛み合わされている。車両に搭載された差動装置1を鉛直方向上方から見た場合、デフケース3の回転軸線Oとピニオンギヤシャフト6の回転軸線Oとは直交する。リングギヤ2には、エンジン等の車両の駆動源の駆動力がプロペラシャフト及びピニオンギヤシャフト6を介して入力される。以下、デフケース3の回転軸線Oに平行な方向を軸方向といい、回転軸線Oに対して垂直な方向を径方向という。
差動歯車機構4は、左右一対のサイドギヤ41,42と、サイドギヤ41,42に噛み合う複数のピニオンギヤ43,44と、複数のピニオンギヤ43,44を支持するピニオンシャフト45と、ピニオンシャフト45をデフケース3に対して抜け止め及び回り止めするピン46とを有している。ピニオンシャフト45は、ピニオンギヤ43,44のそれぞれの軸孔430,440に挿通されている。
サイドギヤ41,42は、中心部にアウタレース81,82のステム部811,821が相対回転不能にスプライン嵌合された円筒部411,421と、ピニオンギヤ43,44に噛み合うギヤ部412,422とを、それぞれ一体に有している。サイドギヤ41,42のギヤ部412,422及びピニオンギヤ43,44のギヤ背面とデフケース3との間には、それぞれワッシャ11~14が配置されている。
デフケース3は、本発明の「ケース部材」の一態様である。サイドギヤ41,42、ピニオンギヤ43,44、ピニオンシャフト45、ピン46、及びワッシャ11~14は、デフケース3に収容された本発明の「収容部材」の一態様である。
図2(a)及び(b)は、デフケース3を示す斜視図である。デフケース3は、サイドギヤ41,42、ピニオンギヤ43,44を収容する収容空間310が内部に形成された円筒状の円筒部31と、サイドギヤ41,42及びピニオンギヤ43,44を軸方向に挟む第1及び第2の側壁32,33と、第1及び第2の側壁32,33の中心部からそれぞれ軸方向に延出された円筒状の第1及び第2のボス部34,35と、リングギヤ2の内周面2aが嵌合される嵌合面36aが形成された環状の嵌合部36と、嵌合面36aよりも径方向外方に突出して設けられた環状のフランジ部37と、嵌合部36とフランジ部37との間に設けられた角R部38とを一体に有している。第1及び第2のボス部34,35の中心部には、アウタレース81,82のステム部811,821が挿通される挿通孔340,350がそれぞれ形成されている。
円筒部31には、サイドギヤ41,42、ピニオンギヤ43,44、及びワッシャ11~14を収容空間310に導入するための一対の窓部311,312が形成されている。フランジ部37は、円筒部31の軸方向中央部よりも第2の側壁33側の端部の外周に設けられている。角R部38は、フランジ部37の内径側の端部である基端部371(図1参照)の嵌合部36側に形成されている。図2(a)は、一対の窓部311,312のうち一方の窓部311側を示しており、図2(b)は、図2(a)に示す状態からデフケース3を180°回転させて、他方の窓部312側を示している。
デフケース3には、前述の収容空間310の他、ピニオンシャフト45を収容する収容空間としてのシャフト挿入孔313と、ピン46を収容する収容空間としてのピン挿入孔314と、後述する空気孔30とが形成されている。シャフト挿入孔313は、円筒部31の内外を径方向に貫通するように、円筒部31の二箇所に形成されている。ピン挿入孔314は、二つのシャフト挿入孔313のうち一方のシャフト挿入孔313に交差するように、軸方向に沿って円筒部31に形成されている。また、ピン挿入孔314は、第1の側壁32側に開口し、シャフト挿入孔313よりも第2の側壁33側で閉塞されている。
ピン46は、図1に示すようにピニオンシャフト45を径方向に貫通する貫通孔450に挿通されると共に、ピン挿入孔314に圧入されている。シャフト挿入孔313及びピン挿入孔314は、ドリル等の切削工具によってデフケース3に穿設されている。
図3(a)は、デフケース3及びリングギヤ2をフランジ部37側から軸方向に見た構成図である。図3(b)は、デフケース3及びリングギヤ2をフランジ部37とは反対側から軸方向に見た構成図である。デフケース3の第1及び第2の側壁32,33のうちフランジ部37に近い側の第2の側壁33には、デフケース3を肉抜きして軽量化するための凹部330が形成されている。凹部330は、第2の側壁33の外面である軸方向端面33aから軸方向に窪み、第2のボス部35の外周側に環状に形成されている。また、第2の側壁33には、凹部330の外側周面330aと内側周面330bとの間に、補強のための複数のリブ331が形成されている。本実施の形態では、一例として、八つのリブ331が周方向等間隔に、放射状に形成されている。フランジ部37は、凹部330の外周側にあたる部位に形成されている。
リングギヤ2は、デフケース3のフランジ部37と軸方向に並んで配置されている。本実施の形態では、リングギヤ2の外径側の周縁部を除く部分がフランジ部37と軸方向に並んでいる。ただし、リングギヤ2の径方向の全体がフランジ部37と軸方向に並んでいてもよい。すなわち、リングギヤ2は、内径側の端部を含む少なくとも一部がフランジ部37と軸方向に並んでいればよい。
また、本実施の形態では、リングギヤ2が傘歯車の一種であるハイポイドギヤであり、歯面側がフランジ部37とは反対側を向き、背面側がフランジ部37との溶接によってデフケース3に固定されている。リングギヤ2とフランジ部37が溶接された部分である溶接部W(図1参照)は、リングギヤ2及びフランジ部37の全周にわたって形成されている。次に、図4(a)~(c)を参照して、リングギヤ2とフランジ部37との溶接工程を含む差動装置1の製造方法について説明する。
差動装置1は、鋳造及び機械加工によってデフケース3を作製するデフケース作製工程と、デフケース3の嵌合部36にリングギヤ2を嵌合する嵌合工程と、デフケース3のフランジ部37とリングギヤ2とを溶接する溶接工程と、フランジ部37におけるリングギヤ2側とは反対側の面から溶接部Wを超音波探傷する検査工程と、デフケース3内に差動歯車機構4を組み付ける組付工程とによって製造される。
デフケース作製工程では、デフケース3となる鋳造品を鋳造し、この鋳造品にシャフト挿入孔313、ピン挿入孔314、及び嵌合面36aを形成すると共に、空気孔30をドリルによって形成してデフケース3を作製する。空気孔30は、デフケース3の嵌合部36にリングギヤ2を嵌合したときにデフケース3とリングギヤ2との間に形成される環状空間S(図4(b)参照)の内外を連通する丸孔である。また、空気孔30は、デフケース3の円筒部31に形成された一対の窓部311,312と軸方向に並ばない位置に形成されている。
図4(a)は、嵌合工程の前段階として、デフケース3の円筒部31の外周にリングギヤ2が配置された状態を示している。円筒部31の外径は、リングギヤ2の内径よりも小さく、円筒部31の外周面31aとリングギヤ2の内周面2aとの間には隙間が形成される。デフケース3のフランジ部37におけるリングギヤ2側の面には、ケース側対向面37aと、デフケース3の軸方向においてケース側対向面37aよりもリングギヤ2側に位置するケース側当接面37bとが形成されている。ケース側当接面37bは、ケース側対向面37aよりもフランジ部37の先端部372側に形成されている。
リングギヤ2におけるフランジ部37側の面には、フランジ部37のケース側対向面37aと軸方向に対向するギヤ側対向面2bと、フランジ部37のケース側当接面37bと軸方向に対向するギヤ側当接面2cとが形成されている。また、リングギヤ2の内周面2aとギヤ側対向面2bとの間には、ギヤ側対向面2b側ほど内径が大きくなるテーパ面2dが形成されている。
図4(b)は、デフケース3の嵌合部36にリングギヤ2が嵌合された状態を示している。嵌合工程では、ケース側当接面37bとギヤ側当接面2cとが当接するまで、リングギヤ2がデフケース3に対して図4(a)に示す矢印D方向に沿って軸方向に相対移動し、デフケース3の嵌合部36にリングギヤ2が圧入嵌合される。嵌合部36の外径(嵌合面36aの直径)は、リングギヤ2の内径(内周面2aの直径)よりも僅かに大きく、リングギヤ2が所定の締め代をもって嵌合部36に外嵌される。嵌合面36a及びリングギヤ2の内周面2aは、回転軸線Oと平行になるように形成された円筒面であり、例えば研削によって高精度に加工されている。嵌合部36にリングギヤ2が嵌合されたとき、嵌合面36aとリングギヤ2の内周面2aとが全周にわたって隙間なく密着する。なお、嵌合部36の外径とリングギヤ2の内径とが同じであってもよい。この場合にも、嵌合面36aとリングギヤ2の内周面2aとが全周にわたって隙間なく密着する。
図4(b)に拡大して示すように、嵌合部36は、デフケース3の軸方向断面において台形状に形成されており、嵌合面36aを上底とした場合の一組の対辺であるフランジ部側傾斜面36b及び反フランジ部側傾斜面36cがテーパ状に形成されている。フランジ部側傾斜面36bは、角R部38の外面38aと連続して形成されている。反フランジ部側傾斜面36cは、デフケース3の嵌合部36にリングギヤ2を嵌合する際に、リングギヤ2のテーパ面2dに当接してリングギヤ2とデフケース3とを芯合わせするガイド面として機能する。
溶接工程では、所定の押圧力でリングギヤ2をフランジ部37側に向かって軸方向に押圧し、ケース側当接面37bとギヤ側当接面2cとを密着させた状態で溶接を行う。この溶接の際には、ケース側当接面37b及びギヤ側当接面2cの径方向外側に形成された開先10に線状の溶加材であるフィラー91を供給し、このフィラー91を例えばレーザ光あるいは電子ビームによって加熱しながらリングギヤ2及びデフケース3を回転させ、周方向の全体に溶接部Wを形成する。
図4(b)に拡大して示すように、溶接部Wから嵌合部36までのデフケース3とリングギヤ2との間には、環状空間Sが全周にわたって形成されている。環状空間Sは、リングギヤ2のギヤ側対向面2b、テーパ面2d、及び内周面2aの一部と、デフケース3におけるフランジ部37のケース側対向面37a、角R部38の外面38a、及び嵌合部36のフランジ部側傾斜面36bとによって囲まれた空間である。溶接工程では、溶接部Wの一部が環状空間Sに到達するように貫通溶接する。
環状空間Sは、デフケース3の空気孔30を介して外部に開放されている。フィラー91が加熱されることによってガスが発生したり、溶接時の熱により環状空間S内の空気が膨張すると、環状空間S内の空気が空気孔30から排出される。これにより、環状空間S内の圧力が大気圧よりも大きく上昇してしまうことが抑えられ、環状空間S内の圧力上昇によって溶接部Wに欠陥が生じてしまうことが抑制される。
図4(c)は、検査工程を示している。検査工程では、リングギヤ2がフランジ部37の鉛直方向上方となるようにリングギヤ2及びデフケース3を配置し、超音波探傷装置92を用いた超音波探傷検査法により、溶接部Wに気孔欠陥等の欠陥がないかを全周にわたって検査する。超音波探傷装置92は、接触媒質としての水93を噴出するノズル921と、ノズル921内に配置された超音波送受信器922とを有している。超音波送受信器922は、超音波を発生させると共に、検査対象である溶接部Wで反射した超音波を受信する。水93は、フランジ部37におけるリングギヤ2側とは反対側の軸方向端面37cに向かってノズル921から鉛直方向上方に噴出され、超音波送受信器922と軸方向端面37cとの間で超音波を伝達する。この超音波探傷検査によって溶接部Wの強度に影響するような欠陥が見つからなければ、検査結果が合格となる。
組付工程では、窓部311,312からデフケース3内にサイドギヤ41,42及びワッシャ11,12を挿入し、窓部311,312の近傍においてサイドギヤ41,42にピニオンギヤ43,44を噛み合わせる。そして、サイドギヤ41,42及びピニオンギヤ43,44を回転軸線Oを中心として回転させ、ピニオンギヤ43,44を軸孔430,440がシャフト挿入孔313と径方向に並ぶ位置に配置し、ピニオンギヤ43,44とデフケース3の内面との間にワッシャ13,14を介挿した後、図1に示すようにシャフト挿入孔313にピニオンシャフト45を挿入する。その後さらに、ピン挿入孔314にピン46を圧入してピニオンシャフト45を抜け止めする。
デフケース作製工程、嵌合工程、溶接工程、及び検査工程は、この順に行うが、組付工程は、デフケース作製工程と嵌合工程との間に行ってもよく、検査工程の後に行ってもよい。検査工程の後に組付工程を行う場合には、収容部材であるサイドギヤ41,42、ピニオンギヤ43,44、ピニオンシャフト45、ピン46、及びワッシャ11~14に、接触媒質としての水93が掛かってしまうことを抑制できる。また、検査工程の結果が合格であったデフケース3のみに対してワッシャ11~14、サイドギヤ41,42、ピニオンギヤ43,44、ピニオンシャフト45、及びピン46を組み付けることにより、溶接部Wに欠陥があるものに対してこれらの部品を組み付けてしまうことを防ぐことができ、作業効率を向上できる。
図5は、デフケース3の軸方向に沿った空気孔30を含む断面を示す断面図である。空気孔30は、デフケース3の軸方向におけるフランジ部37と嵌合面36aとの間(図5に両矢印Aで示す軸方向範囲)におけるデフケース3の外周面3aに一方の端部301が開口し、環状空間Sに連通している。空気孔30の他方の端部302は、デフケース3の凹部330の内面に開口している。より詳細には、凹部330の底面330cと外側周面330aとの間の湾曲面330dに空気孔30の他方の端部302が開口している。空気孔30の他方の端部302が開口する凹部330の内面(湾曲面330d)は、デフケース3に収容された収容部材との接触が発生しない非接触面である。
また、空気孔30は、シャフト挿入孔313にもピン挿入孔314にも連通しないように、デフケース3の軸方向に対して交差する角度で直線状に、環状空間Sからデフケース3の径方向内方に向かって形成されている。本実施の形態では、空気孔30がデフケース3の軸方向及び径方向に対して傾斜し、かつ周方向に対して垂直に形成されている。
図5に示す断面において、角R部38の外面38aは、湾曲中心点Cを中心として曲率半径Rで円弧状に形成された湾曲面である。空気孔30は、デフケース3の軸方向(図5の左右方向)において、角R部38が形成された範囲の中央部よりも嵌合面36a側に、環状空間S側の端部(一方の端部301)が開口している。つまり、デフケース3の軸方向における曲率半径Rの垂直二等分線Lよりも嵌合面36a側にあたる部分の一箇所に、空気孔30が開口している。
図5に示すように、空気孔30の孔径をDとし、湾曲中心点Cから空気孔30の一方の端部301における開口周縁のフランジ部37側の端部301aまでの間の軸方向の距離をMとしたとき、外面38aの曲率半径R、孔径D、及び距離Mは、次の不等式(1)及び(2)を満たす寸法に設定されている。
M/R≦0.3 …(1)
D/R≦0.5 …(2)
差動装置1は、この不等式(1),(2)を満たす寸法に角R部38及び空気孔30が形成されていることにより、強度が確保されている。
図6は、破線で示す空気孔30を形成する前のデフケース3のフランジ部37のケース側当接面37bの周方向の一部に、矢印D方向の荷重を加えた際にデフケース3に発生する応力を色の濃さで示す応力解析図である。この応力解析図では、濃色の部分ほど高い応力が発生することを示している。矢印Dに示す荷重の方向は、差動装置1の製造時に嵌合工程及び溶接工程においてフランジ部37がリングギヤ2から押し付け力を受ける方向であり、またフランジ部37がリングギヤ2とピニオンギヤシャフト6との噛み合い反力を受ける方向である。
図6に示すように、フランジ部37におけるケース側対向面37a、及び角R部38の外面38aにおけるケース側対向面37aの近傍には、高い応力が発生する。このため、本実施の形態では、図5に示す垂直二等分線Lよりも嵌合面36a側に空気孔30を開口させる。また、上記の不等式(1)を満たすように空気孔30を形成すれば、空気孔30が開口する部分を高い応力が発生する部分からさらに遠ざけることができる。
なお、孔径Dの大きさは、差動装置1が搭載される車両の大きさにもよるが、2mm以上4mm以下であることが望ましい。孔径Dが2mmよりも小さいと、空気孔30を形成する際にドリルが折損しやすくなり、孔径Dが4mmを越えると、デフケース3の強度に影響を与えるためである。
(実施の形態の効果)
以上説明した実施の形態によれば、環状空間Sに空気孔30の一方の端部301が開口し、溶接時に環状空間S内の空気が空気孔30から排出されるので、溶接時における環状空間Sの内部の圧力上昇により溶接部Wに欠陥が生じることを防ぐことができる。また、フランジ部37にリングギヤ2から軸方向の荷重がかかった際に高い応力が発生する部位を避けて空気孔30を形成するので、空気孔30を形成することによるデフケース3の強度の低下を抑えることができる。また、空気孔30がシャフト挿入孔313及びピン挿入孔314に連通せず、他方の端部302の開口周縁がデフケース3に収容された差動歯車機構4の構成部材(ワッシャ11~14、サイドギヤ41,42、ピニオンギヤ43,44、ピニオンシャフト45、及びピン46)に接触しないので、空気孔30を形成する際にバリが発生しても、このバリによって差動歯車機構4の組み付け等に支障が生じることがない。またさらに、空気孔30の他方の端部302が第2の側壁33の外面(軸方向端面33a)から軸方向に窪む凹部330の内面(湾曲面330d)に開口するので、空気孔30の長さを短くして強度の低下を抑制できると共に、検査工程において接触媒質としての水93が空気孔30から環状空間Sに入り込んでしまうこともない。
(変形例)
次に、図7及び図8を参照し、デフケース3の変形例について説明する。図7及び図8において、上記の実施の形態で説明したものと共通する構成要素については、図4等に付したものと同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図7及び図8では、リングギヤ2を仮想線(二点鎖線)で示している。
図7は、変形例1に係るデフケース3Aの一部の断面を示す断面図である。上記の実施の形態では、空気孔30がデフケース3の軸方向及び径方向に対して傾斜して形成された場合について説明したが、変形例1に係るデフケース3Aでは、空気孔30Aがデフケース3Aの軸方向に対して垂直に形成されている。空気孔30Aの一方の端部301は、上記の実施の形態と同様、角R部38の外面38aにおける嵌合部36側の端部に開口している。
空気孔30Aの他方の端部302は、左側のサイドギヤ42の円筒部421の外周面421a(図1参照)に隙間を介して対向する収容空間310の円筒状の内面310aの一部に開口している。この円筒状の内面310aの少なくとも一部は、デフケース3に収容されたサイドギヤ42等の収容部材との接触が発生しない非接触面である。空気孔30Aの他方の端部302は、当該非接触面に開口している。なお、サイドギヤ42の円筒部421の外周面421aは、空気孔30Aが開口しない部分の収容空間310の内面310aに接触してもよい。
図8(a)は、変形例2に係るデフケース3Bの一部の断面を示す断面図である。図8(b)は、図8(a)の一部を拡大した拡大図である。上記の実施の形態では、リングギヤ2の歯面側が円筒部31側を向くように配置される場合について説明したが、変形例2に係るデフケース3Bでは、リングギヤ2の歯面側が円筒部31と反対側を向くように配置される。また、変形例2に係るデフケース3Bでは、空気孔30Bがデフケース3Aの軸方向に対して垂直に形成されている。
空気孔30Aの一方の端部301は、角R部38と嵌合部36との間において回転軸線Oと平行に形成されたデフケース3Bの外周面3Baに開口している。空気孔30Bの他方の端部302は、上記の実施の形態と同様、デフケース3Bに収容された収容部材との接触が発生しない非接触面である凹部330の内面、より具体的には凹部330の底面330cと外側周面330aとの間の湾曲面330dに開口している。
これらの変形例1,2によっても、上記の実施の形態と同様の効果が得られる。また、変形例2に係るデフケース3Bでは、溶接部Wからデフケース3Aのシャフト挿入孔313の周辺部に至る駆動力の伝達経路に空気孔30Bが形成されないので、空気孔30Bを形成することによるデフケース3Bの強度の低下が生じない。
(付記)
以上、本発明を実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組み合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、一部の構成を省略し、あるいは構成を追加もしくは置換して、適宜変形して実施することが可能であり、例えば下記のように変形することも可能である。
上記の実施の形態では、空気孔30がデフケース3の径方向に対して斜めに形成され、凹部330の湾曲面330dに空気孔30が開口する場合について説明したが、これに限らず、凹部330の外側周面330aあるいは底面330cに空気孔30が開口していてもよい。また、凹部330の軸方向の深さによっては、空気孔30を径方向に沿って形成し、凹部330の内面(外側周面330aあるいは湾曲面330d)に空気孔30を開口させてもよい。
また、上記の実施の形態では、空気孔30の環状空間S側の開口部の全体が角R部38の外面38aに形成された場合について説明したが、これに限らず、空気孔30の環状空間S側の開口部の一部がフランジ部側傾斜面36bに形成されていてもよい。また、角R部38と嵌合部36との間のデフケース3の外周面に空気孔30が開口していてもよい。
また、上記の実施の形態では、一対のサイドギヤ41,42の差動回転を制限する差動制限機能を有しない差動装置(所謂オープンデフ)に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、一対のサイドギヤの差動回転を制限する差動制限機能を有する差動装置に本発明を適用することも可能である。このような差動制限機能付きの差動装置としては、例えば上記の特許文献4に記載されたもののように、左右一対のサイドギヤのそれぞれと一体に回転する複数のインナクラッチ板と、デフケースと一体に回転する複数のアウタクラッチ板とを軸方向に交互に配置した多板クラッチを有するものが挙げられる。この場合、複数のアウタクラッチ板及び複数のアウタクラッチ板、ならびに他の収容部材との接触が発生しない非接触面に空気孔を開口させる。
また、上記の特許文献5に記載されたもののように、複数のピニオンギヤを一対のサイドギヤと平行に配置し、ピニオンギヤの歯先面とデフケースの内面との摩擦によって一対のサイドギヤの差動回転を制限する差動制限機能を有する差動装置に本発明を適用してもよい。この場合には、複数のピニオンギヤ等のデフケースに収容された収容部材との接触が発生しない非接触面に空気孔を開口させる。
またさらに、上記の特許文献6に記載されたもののように、トランスファケースのフランジ部にリングギヤを溶接したトランスファ装置に本発明を適用してもよい。この場合、トランスファケースの中心部に形成された収容空間としての貫通孔に収容された駆動軸との接触が発生しない非接触面に空気孔を開口させる。
1…差動装置(回転動力伝達装置) 2…リングギヤ
3,3A,3B…デフケース(ケース部材) 30,30A,30B…空気孔
301…一方の端部 302…他方の端部
310…収容空間 310a…内面(非接触面)
313…シャフト挿入孔(収容空間) 314…ピン挿入孔(収容空間)
330…凹部 36…嵌合部
36a…嵌合面 37…フランジ部
4…差動歯車機構 41,42…サイドギヤ(収容部材)
43,44…ピニオンギヤ(収容部材) 45…ピニオンシャフト(収容部材)
46…ピン(収容部材) S…環状空間
W…溶接部

Claims (6)

  1. 円環状のリングギヤと、
    前記リングギヤの内周面が嵌合される嵌合面が形成された環状の嵌合部、及び前記嵌合面よりも径方向外方に突出して設けられたフランジ部を有すると共に、収容部材を収容する収容空間が形成されたケース部材と、を備え、
    前記リングギヤの少なくとも一部と前記フランジ部とが前記ケース部材の回転軸線に平行な軸方向に並び、
    前記リングギヤが前記フランジ部に全周にわたって溶接され、前記溶接された部分から前記嵌合部までの前記ケース部材と前記リングギヤとの間に環状空間が形成されており、
    前記ケース部材には、前記環状空間の内外を連通する空気孔が形成されており、
    前記空気孔は、前記軸方向における前記フランジ部と前記嵌合面との間の前記ケース部材の外周面に一端が開口し、他端が前記ケース部材における前記収容部材との接触が発生しない非接触面に開口している、
    回転動力伝達装置。
  2. 前記収容部材として、一対のサイドギヤと、前記一対のサイドギヤに噛み合う複数のピニオンギヤと、前記複数のピニオンギヤを支持するピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフトを前記ケース部材に対して回り止めするピンとを有し、
    前記ケース部材には、前記ピニオンシャフトが挿入されたシャフト挿入孔、及び前記ピンが挿入されたピン挿入孔が前記収容空間として形成されており、
    前記空気孔は、前記シャフト挿入孔及び前記ピン挿入孔に連通しないように前記環状空間から前記ケース部材の径方向内方に向かって形成されている、
    請求項1に記載の回転動力伝達装置。
  3. 前記ケース部材には、前記一対のサイドギヤ及び前記複数のピニオンギヤを前記軸方向に挟む一対の側壁のうち前記フランジ部に近い側の側壁に凹部が形成されており、
    前記凹部の内面に前記空気孔の前記他端が開口している、
    請求項2に記載の回転動力伝達装置。
  4. 前記ケース部材には、前記フランジ部の基端部における前記嵌合部側に角R部が形成されており、
    前記空気孔は、前記軸方向における前記角R部が形成された範囲の中央部よりも前記嵌合面側に前記一端が開口している、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の回転動力伝達装置。
  5. 前記軸方向に沿った前記ケース部材の前記空気孔を含む断面において、前記角R部における外面の湾曲中心点から前記空気孔の前記一端における開口周縁の前記フランジ部側の端部までの前記軸方向の距離をMとし、前記角R部の外面の曲率半径をRとしたとき、M/Rの値が0.3以下である、
    請求項4に記載の回転動力伝達装置。
  6. 請求項2又は3に記載の回転動力伝達装置の製造方法であって、
    前記ケース部材となる鋳造品に前記シャフト挿入孔、前記ピン挿入孔、及び前記嵌合面を形成すると共に、前記空気孔を形成して前記ケース部材を作製するケース部材作製工程と、
    前記ケース部材の前記嵌合部に前記リングギヤを嵌合する嵌合工程と、
    前記ケース部材の前記フランジ部と前記リングギヤとを溶接する溶接工程と、
    前記フランジ部と前記リングギヤとの溶接部を前記フランジ部における前記リングギヤ側とは反対側の面から超音波探傷する検査工程と、
    前記ケース部材に前記一対のサイドギヤ、前記複数のピニオンギヤ、前記ピニオンシャフト、及び前記ピンを組み付ける組付工程とを有する、
    回転動力伝達装置の製造方法。
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