JP2023031302A - コーンスターチの製造方法 - Google Patents

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Singh Vijay
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Yuri Sakakibara
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Abstract

【課題】穀物ダストを原料とすることで効率よくコーンスターチを製造することができ、設備の損耗を抑えることができるコーンスターチの製造方法の提供。【解決手段】篩いを用いて穀物ダストを前記篩い上に残った第1画分と前記篩いを通過した第2画分とに篩別する(a)工程と、前記第1画分を風選により細粒と果皮類とに分ける(b)工程と、前記細粒を第1の浸漬液に浸漬する(c)工程と、前記第2画分から第1の磁選機を用いて鉄粉を分離する(d)工程と、前記第2画分を第2の浸漬液に浸漬する(e)工程と、前記(c)工程後の前記細粒及び前記(e)工程後の前記第2画分を混合する(f)工程と、前記工程(f)の混合物から異物を除去する(g)工程と、を含み、前記工程(g)後の前記混合物をコーンスターチの製造に使用する、コーンスターチの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、コーンスターチの製造方法に関する。
コーンスターチの製造方法として、例えば、穀物を亜硫酸浸漬やアルカリ浸漬させることによって、コーンスターチを分離し、製造する方法が知られている。
コーンスターチの製造に使用されるとうもろこしには、輸送時における衝撃などによって生じる破砕粒や規格外粒が存在する。コーンスターチの製造には、この破砕粒や規格外粒が除かれ精選された穀物が使用されるのが一般的である。この際に、除かれた破砕粒や規格外粒は、コーンスターチそれ自体の製造に有効的に使用されることはなく、飼料や肥料として処理されている。
しかしながら、破砕粒及び規格外粒は、原材料となるとうもろこしの0.05質量%~20質量%程度発生するものであり、原材料の割合としては少ないが、例えば、1日当たりの発生量とすると、数十~数百トン単位で発生するものである。そして破砕粒及び規格外粒は、破砕粒及び規格外粒全体に対する澱粉の割合が20質量%以上含有されているものであり、相当量の澱粉が有効的に使用されることなく、飼料及び肥料として処理されている。
特許文献1では、破砕粒及び規格外粒には比重の軽い胚芽が殆んど含まれていない点に着目し、簡便に破砕粒及び規格外粒から糖化用原料としての澱粉を得ることができる糖化用原料の製造方法を開示している。
国際公開第2018/116541号
特許文献1では、破砕粒及び規格外粒、いわゆる穀物ダストを原料としているため、穀物ダストを除去して糖化用原料を製造する方法に比べ、糖化用原料の製造効率がよい。一方で、穀物ダストには鉄粉が多く含まれているため、穀物ダストを原料としてコーンスターチを製造する際、鉄粉による設備の損耗が早い。
本発明は、穀物ダストを原料とすることで効率よくコーンスターチを製造することができ、設備の損耗を抑えることができるコーンスターチの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]篩いを用いて穀物ダストを前記篩い上に残った第1画分と前記篩いを通過した第2画分とに篩別する(a)工程と、前記第1画分を風選により細粒と果皮類とに分ける(b)工程と、前記細粒を第1の浸漬液に浸漬する(c)工程と、前記第2画分から第1の磁選機を用いて鉄粉を分離する(d)工程と、前記第2画分を第2の浸漬液に浸漬する(e)工程と、前記(c)工程後の前記細粒及び前記(e)工程後の前記第2画分を混合する(f)工程と、前記工程(f)の混合物から異物を除去する(g)工程と、を含み、前記工程(g)後の前記混合物をコーンスターチの製造に使用する、コーンスターチの製造方法。
[2]前記篩いは、目開きが0.8mm~1.4mmである、[1]に記載の製造方法。
[3]前記穀物ダストはとうもろこしのダストである、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記第1の浸漬液は、亜硫酸含有浸漬液である、[1]~[3]の何れか一項に記載の製造方法。
[5]前記第2の浸漬液は、亜硫酸塩含有浸漬液である、[1]~[4]の何れか一項に記載の製造方法。
[6]前記第1の磁選機が電磁分離機、ドラム型マグネット及び非ドラム型マグネット及びこれらの組み合わせから選択される、[1]~[5]の何れか一項に記載の製造方法。
[7]さらに、前記(e)工程後の前記第2画分から第2の磁選機を用いて鉄粉を分離する工程を含む、[1]~[6]の何れか一項に記載の製造方法。
[8]前記第2の磁選機が電磁分離機、ドラム型マグネット及び非ドラム型マグネット及びこれらの組み合わせから選択されるである、[1]~[7]の何れか一項に記載の製造方法。
[9]さらに、前記(f)工程の前記混合物からタンパク質を除去する工程を含む、[1]~[8]の何れか一項に記載の製造方法。
[10]さらに、前記(g)工程の前記混合物に対し、洗浄、脱水及び乾燥の少なくとも1つを行う工程を含む、[1]~[9]の何れか一項に記載の製造方法。
[11]とうもろこしを選別してとうもろこし整粒と穀物ダストを得る(a)工程と、篩いを用いて前記穀物ダストを前記篩い上に残った第1画分と前記篩いを通過した第2画分とに篩別する(b)工程と、前記第1画分を風選により細粒と果皮類とに分ける(c)工程と、前記細粒を第1の浸漬液に浸漬する(d)工程と、前記第2画分から第1の磁選機を用いて鉄粉を分離する(e)工程と、前記第2画分を第2の浸漬液に浸漬する(f)工程と、前記(d)工程後の前記細粒及び前記(f)工程後の前記第2画分を混合する(g)工程と、前記(g)工程の混合物から異物を除去する(h)工程と、を含み、前記(h)工程後の前記混合物は、コーンスターチの製造に用いられる、コーンスターチの製造方法。
[12]前記(a)工程後に異物が前記とうもろこし整粒から除去される、[11]に記載の製造方法。
[13]前記(c)工程後に前記とうもろこし整粒と前記穀物ダストとを混合する、[11]又は[12]に記載の製造方法。
[14]前記篩いは、目開きが0.8mm~1.4mmである[11]~[13]の何れか一項に記載の製造方法。
[15]前記第1の浸漬液は、亜硫酸含有浸漬液である、[11]~[14]の何れか一項に記載の製造方法。
[16]前記第2の浸漬液は、亜硫酸塩含有浸漬液である、[11]~[15]の何れか一項に記載の製造方法。
[17]前記第1の磁選機が電磁分離機、ドラム型マグネット及び非ドラム型マグネット及びこれらの組み合わせから選択される、[11]~[16]の何れか一項に記載の製造方法。
[18]さらに、前記(f)工程後の前記第2画分から第2の磁選機を用いて鉄粉を分離する工程を含む、[11]~[17]の何れか一項に記載の製造方法。
[19]前記第2の磁選機が電磁分離機、ドラム型マグネット及び非ドラム型マグネット及びこれらの組み合わせから選択されるである、[11]~[18]の何れか一項に記載の製造方法。
[20]さらに、前記(h)工程の混合物に対し、洗浄、脱水及び乾燥の少なくとも1つを行う工程を含む、[11]~[19]の何れか一項に記載の製造方法。
本発明によれば、穀物ダストを原料とすることで効率よくコーンスターチを製造することができ、設備の損耗を抑えることができるコーンスターチの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態におけるコーンスターチの製造方法のフローを示す図である。 本発明の他の実施形態におけるコーンスターチの製造方法のフローを示す図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための単なる例示であって、本発明をこの実施の形態にのみ限定することは意図されない。本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、様々な態様で実施することが可能である。
図1は、本発明の一実施形態におけるコーンスターチの製造方法のフローを示す図である。
本発明の一実施形態におけるコーンスターチの製造方法は、篩いを用いて穀物ダストを前記篩い上に残った第1画分と前記篩いを通過した第2画分とに篩別する(a)工程と、
前記第1画分を風選により細粒と果皮類とに分ける(b)工程と、前記細粒を第1の浸漬液に浸漬する(c)工程と、前記第2画分から第1の磁選機を用いて鉄粉を分離する(d)工程と、前記第2画分を第2の浸漬液に浸漬する(e)工程と、前記(c)工程後の前記細粒及び前記(e)工程後の前記第2画分を混合する(f)工程と、前記工程(f)の混合物から異物を除去する(g)工程と、を含み、前記工程(g)後の前記混合物をコーンスターチの製造に使用する。
図1に示すように、本発明の一実施形態におけるコーンスターチの製造方法は、さらに前記細粒を亜硫酸含有浸漬液に浸漬する工程と前記混合物から異物を除去する工程との間に磨砕工程とを含んでいてもよい。さらに、前記混合物から異物を除去する工程の後に、蛋白除去工程、及び洗浄、脱水、及び乾燥工程を含んでいてもよい。また、第2画分を亜硫酸含有浸漬液に浸漬する工程と前記混合物から異物を除去する工程の間に第2画分から第2の磁選機を用いて鉄粉を分離する工程を含んでいてもよい。以下、図1に示すフローに基づいて、本発明の一実施形態におけるコーンスターチの製造方法について説明する。
(穀物ダスト)
本実施形態において原料として用いられる穀物ダストの元となる穀物は、とうもろこしからなる。つまり、穀物ダストは、とうもろこしの精選において整粒(つまりホールコーン)と分離されるとうもろこしダストである。なお、穀物ダストの澱粉含有率は、穀物の輸送条件などによって異なるが、例えば、穀物ダストの総質量に対し20~80質量%である。
穀物ダストは、澱粉(つまりコーンスターチ)の製造の原材料である穀物の精選工程において使用されることなく、除かれていたものである。澱粉の製造の原材料であるとうもろこしの精選工程では、一般的にシフター(つまり篩い)が用いられる。例えば、目開き17mmの篩いと3.5mmの篩いを使用し、3.5mmの篩い上に残るものが通常のとうもろこし整粒であり、目開き17mmの篩いの上に残るものが穀物規格外粒であり、目開き3.5mmの篩を通過するものが穀物破砕粒である。
穀物破砕粒とは、穀物の輸送時における衝撃などによって発生する、穀物が破砕された粒や種子以外の茎等を含むもののことであり、細かすぎるために、澱粉の製造における穀物の精選工程において、使用されることなく除かれていたものである。穀物破砕粒のように細かい粒が原料に含まれると、以下の現象が生じる。1つ目として、撹拌機を使用しない浸漬工程では、亜硫酸含有浸漬液中に穀物を沈めておくが、穀物破砕粒が含まれると亜硫酸含有浸漬液が穀物破砕粒を含む原料中でチャネリングし、前記原料中に生じた一定の流路にしか前記亜硫酸含有浸漬液が入らず、穀物全体に行き渡り難くなり、浸漬不良に繋がる。二つ目として、浸漬工程後、亜硫酸含有浸漬液と穀物を分離する際、穀物破砕粒の割合が多いと浸漬液の流路が制限され、液が浸漬槽から排出されにくい。3つ目として、穀物破砕粒は、その多くが亜硫酸含有浸漬液を浸漬槽から排出する際に亜硫酸含有浸漬液と共に排出されてしまうため、その後の澱粉回収工程に用いることができない。
目開き3.5mmの篩いを使用する場合、穀物破砕粒の大きさは、3.5mm未満である。穀物規格外粒とは、一定以上の大きさの規格外品であり、澱粉の製造における穀物の精選工程において品質低下及び澱粉収率低下のおそれのある粒として、使用されることなく除かれていた粒のことである。穀物規格外粒は、そのほとんどが穂軸や茎などで澱粉の含有量が少なく、また、浸漬工程に続く粗砕や磨砕の工程で十分に砕けず、配管の詰まりなどを引き起こす場合がある。目開き17mmの篩いを使用する場合、穀物規格外粒の大きさは、17mm以上である。穀物破砕粒と穀物規格外粒は、澱粉の製造の原材料となる穀物の0.1~20質量%程度発生するものであり、原材料全体に対する割合としては少ないが、例えば、1日当たりの発生量とすると、数十~数百トン単位で発生するものである。
なお本実施形態において、目開き3.5mmの篩いを使用し、篩いを通過した大きさが3.5mm以下の穀物破砕粒を穀物ダストと定義する。
(篩別)
図1に示すように、篩い、例えば目開き0.8~1.4mmの篩いを用い、穀物ダストを篩い上に残っている第1画分と篩いを通過した第2画分とに篩別する。目開き0.8~1.4mmの篩いを用いて第1画分と第2画分とに篩別すると、後述するとうもろこしの細粒を含む第1画分と、鉄粉を多く含む第2画分とに分離することができる。このように分離することで、それぞれの画分に適切な処理、即ち、第1画分の風選及び第2画分の鉄粉分離を効率よく行うことができる。その結果、最終的なコーンスターチの収率を向上することができる。
(第1画分の風選)
第1画分は、とうもろこしの細粒と果皮類とを主に含んでいる。第1画分を風選により細粒と果皮類とに分離する。風選時の条件は、風選機のサイズや処理する第1画分の量によって異なる。例えば、処理量が600kg/時間のとき、風選時の風量は、18~35m/minである。風選機としては、例えばテクノワシノ社製の風選機等を用いることができる。細粒は、粒子径が0.8~3.5mmである。分離された果皮類は、コーングルテンフィードに混合され、肥料及び飼料として用いられる。
細粒に含まれる粒径が0.8~3.5mmである粒子の割合は、細粒の総質量に対し90質量%以上である。本明細書において、粒径が0.8~3.5mmである粒子の割合は、以下のように測定する。目開き0.8mmの篩いと目開き3.5mmの篩いを重ねて細粒を通過させ、0.8mmの篩い上に残った粒子の質量を測定する。細粒の総質量に対する0.8mmの篩い上に残った粒子の質量を粒径が0.8~3.5mmである粒子の割合を算出する。
(第1画分の浸漬)
第1画分から分離された細粒は、第1の浸漬液、例えば亜硫酸含有浸漬液に浸漬される。これにより、細粒中の澱粉と蛋白との結合を効率よく切断することができ、細粒から効率よく澱粉を分離することができる。なお本実施形態において、亜硫酸は、亜硫酸、次亜硫酸及びピロ亜硫酸並びにこれらのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩を含む。
亜硫酸含有浸漬液における亜硫酸は、亜硫酸含有浸漬液に含まれる水の質量に対し50ppm~2000ppm含有するものが好ましい。
亜硫酸含有浸漬液は、さらに乳酸を含んでいてもよい。乳酸の割合は、亜硫酸含有浸漬液に含まれる水の質量に対し0.01%~6.0%であってもよい。
細粒の中の澱粉と蛋白との結合を効率よく切断することができるためである。亜硫酸含有浸漬液における亜硫酸が亜硫酸含有浸漬液に含まれる水の質量に対し50ppm以上であれば、浸漬工程の工程時間が長すぎず、コーンスターチの製造を効率よく行うことができ、製造中のコーンスターチの防藻防黴性が保たれ、微生物汚染も防止できる。亜硫酸が亜硫酸含有浸漬液に含まれる水の質量に対し2000ppm以下であれば、経済的にコーンスターチの製造を行うことができる。亜硫酸含有浸漬液における亜硫酸は、より好ましくは、亜硫酸含有浸漬液に含まれる水の質量に対し200ppm~1800ppmであり、さらに好ましくは、600ppm~1200ppmである。
浸漬工程における亜硫酸含有浸漬液の割合は、細粒の質量に対し90質量%~250質量%が好ましい。細粒と亜硫酸含有浸漬液との混合効率に優れるためである。亜硫酸含有浸漬液の割合が細粒の質量に対し90質量%以上であれば、細粒中の澱粉と蛋白との結合を十分に切断することができる。亜硫酸含有浸漬液の割合が250質量%を以下であれば、コーンスターチの製造方法によって得られるコーンスターチの澱粉収率が十分である。亜硫酸含有浸漬液の割合は、細粒の質量に対し95質量%~230質量%であることがより好ましく、100質量%~200質量%であることがさらに好ましい。
浸漬工程における亜硫酸含有浸漬液の温度は、40℃~65℃であることが好ましい。細粒中の澱粉と蛋白との結合を効率よく切断することができるため、より効率よくコーンスターチとしての澱粉を得ることができる。亜硫酸含有浸漬液の温度が40℃以上であれば、細粒中の澱粉と蛋白との結合の切断を十分に行うことができ、また、十分な殺菌効果が得られる。亜硫酸含有浸漬液の温度が65℃以下であれば、細粒中の澱粉と蛋白との結合を効率よく切断することができ、澱粉の糊化も生じない。亜硫酸含有浸漬液の温度は、より好ましくは、50℃~55℃である。
浸漬工程における、細粒と亜硫酸含有浸漬液の混合時間は、亜硫酸含有浸漬液の温度や亜硫酸濃度にもよるが、3時間~24時間であることが好ましい。細粒中の澱粉と蛋白との結合を効率よく切断することができるためである。亜硫酸含有浸漬液の混合時間が1時間以上であれば、細粒中の澱粉と蛋白との結合の切断を十分に行うことができる。亜硫酸含有浸漬液の混合時間が24時間以下であれば、細粒中の澱粉と蛋白との結合を効率よく切断することができ、熱量の観点からも経済的である。亜硫酸含有浸漬液の混合時間は、より好ましくは、2時間~20時間であり、さらに好ましくは、8時間~16時間である。
浸漬工程では、亜硫酸含有浸漬液の温度を一定に保つことができる温水又は冷水循環ジャケットを有する浸漬槽を用いることが好ましい。
浸漬工程後、亜硫酸含有浸漬液を浸漬槽から抜き取る。浸漬により膨潤した細粒は、磨砕してスラリー化してもよい。磨砕には、ディスク型の磨砕機等の磨砕機又はディスインテグレータ等の衝撃式粉砕機により行うことができる。
(第1の鉄粉分離)
第2画分は、鉄粉を多く含んでいるため、そのままコーンスターチの製造工程に投入すると設備の損耗を早める可能性がある。そのため、第2画分から鉄粉を分離する。鉄粉を分離する際の磁力は、5000ガウス以上が好ましく、8000~12000ガウスがより好ましい。鉄粉の分離には第1の磁選機が用いられる。第1の磁選機としては、電磁分離機(例えば、日本マグネティック社製、電磁分離機CG型)又はドラム型マグネット(例えば、カネテック社製、ドラム型磁選機KDS)、非ドラム型マグネットを用いることができる。
第2画分を亜硫酸含有浸漬液に浸漬した後に鉄粉の分離を行うと、鉄粉分離効率が低下する傾向がある。第2画分を浸漬するまでの設備の損耗を早める可能性がある。そのため、第2画分は、亜硫酸含有浸漬液に浸漬する前、つまり第2画分が乾燥している状態で鉄粉が分離される。第2画分が乾燥している状態で鉄粉を分離すると、第2画分に含まれている鉄粉の大部分を分離することができる。
鉄粉分離工程における鉄粉分離率は、鉄粉分離前の第2画分に含まれている鉄粉の質量に対し、78質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましい。鉄粉分離率が鉄粉分離前の第2画分に含まれている鉄粉の質量に対し78%以上であると、コーンスターチの製造に用いる設備の損耗を抑えることができる。第2画分に含まれる鉄粉の分離率の上限は、特に限定されず、98質量%であってもよく、99質量%であってもよい。
(第2画分の浸漬)
第1の磁選機により鉄粉が分離された第2画分は、浸漬液、例えば亜硫酸含有浸漬液に浸漬される。亜硫酸含有浸漬液としては、上述のものを用いることができる。亜硫酸含有浸漬液の割合は、第2画分の質量に対し200質量%~500質量%が好ましい。第2画分と亜硫酸含有浸漬液との混合効率に優れるためである。亜硫酸含有浸漬液の割合が第2画分の質量に対し200質量%以上であれば、第2画分と亜硫酸含有浸漬液とを後述する撹拌機により十分に撹拌することができる。亜硫酸含有浸漬液の割合が500質量%を以下であれば、コーンスターチの製造方法によって得られるコーンスターチの澱粉収率が十分である。亜硫酸含有浸漬液の割合は、第2画分の質量に対し220質量%~450質量%であることがより好ましく、250質量%~400質量%であることがさらに好ましい。
浸漬工程における亜硫酸含有浸漬液の温度は、上述の浸漬工程と同じ温度範囲に設定することができる。
浸漬工程における、第2画分と亜硫酸含有浸漬液の混合時間は、亜硫酸含有浸漬液の温度や亜硫酸濃度にもよるが、1時間~48時間であることが好ましい。第2画分中の澱粉と蛋白との結合を効率よく切断することができるためである。亜硫酸含有浸漬液の混合時間が3時間以上であれば、第2画分中の澱粉と蛋白との結合の切断を十分に行うことができる。亜硫酸含有浸漬液の混合時間が24時間以下であれば、第2画分中の澱粉と蛋白との結合を効率よく切断することができ、熱量の観点からも経済的である。亜硫酸含有浸漬液の混合時間は、より好ましくは、2時間~20時間であり、さらに好ましくは、4時間~8時間である。
第2画分の浸漬工程は、撹拌しながら行うことが好ましい。第2画分の粒径が小さくても亜硫酸含有浸漬液とが分離することなく、混合及び循環を行うことができるからである。撹拌する速度は、使用する反応器の大きさによって適切に設定することができる。例えば、直径3mの反応器である場合、撹拌する速度は、5~50rpmであることが好ましい。撹拌速度が55rpm以上であれば、第2画分が沈殿せず、浸漬効率を向上することができ、かつ第2画分を反応器内に残すことなく、その後の工程に用いることができる。撹拌速度が50rpm以下であれば、過剰な動力コストの発生を抑えることができる。第2画分の浸漬工程を撹拌しながら行う場合、亜硫酸含有浸漬液の温度を一定に保つことができる温水(冷水)循環ジャケットを有し、撹拌機による撹拌を行うことができる反応器を使用することが好ましい。撹拌機は、プロペラ型などの軸回転撹拌機を使用することが好ましい。なお、循環型攪拌機も使用することができるが、浸漬工程の混合液の粘度変化に循環型攪拌機が対応し得るか否かを事前に確認する必要がある。
(第2の鉄粉分離)
浸漬工程後の第2画分からさらに鉄粉を分離することが好ましい。この鉄粉の分離において、第2の磁選機を用いる。第2の磁選機としては、電磁分離機(例えば、日本マグネティック社製、電磁分離機CG型)又はドラム型マグネット(例えば、カネテック社製、ドラム型磁選機KDS)、非ドラム型マグネット湿式のラインマグネット(例えば、協和ステンレス社製、液体用ラインマグネットフィルター)を用いることができる。湿式のラインマグネットは、第2画分を亜硫酸含有浸漬液に浸漬する反応器に接続されている配管に配置することができる。浸漬工程後の第2画分を反応器から排出し、第2画分が配管を流れることで配管に配置されたラインマグネットにより第2画分から鉄粉が分離される。
第2の鉄粉分離を行うことで、第2画分に含まれる鉄粉の量を更に低減することができる。既に第1の鉄粉分離により第2画分から鉄粉の大部分が分離されているため、湿式のラインマグネットを用いても効率よく鉄粉を分離することができ、且つ第2の磁選機の洗浄頻度を下げることができる。
(異物除去)
亜硫酸含有浸漬液と第1画分から得られる細粒との混合物及び亜硫酸含有浸漬液と第2画分との混合物を混合して得られる混合物(以下、細粒と第2画分との混合物、と記載する)に対し、異物除去工程を行う。
異物除去工程とは、細粒と第2画分との混合物から、果皮類、繊維質、砂及び第1及び第2の磁選機では分離できない金属粉等の異物を除去する工程である。異物除去工程は、スクリーンメッシュによるろ過工程及び遠心分離による除去工程の少なくとも一つを工程に備えることができる。
スクリーンメッシュによるろ過工程とは、細粒と第2画分との混合物をスクリーンメッシュに通すことによって、一定の径(つまり、スクリーンメッシュの目開き径)以上の異物を除去する工程である。スクリーンメッシュによるろ過工程に使用するスクリーンメッシュは、500mesh(目開き25μm)~60mesh(目開き250μm)が好ましい。段階的に目開きが小さくなるように複数の工程を組み合わせてもよい。異物を好適に除去することができるためである。スクリーンメッシュが500meshもしくはそれより荒ければ、スクリーンメッシュを透過させる時間が長すぎず、経済的である。250meshもしくはそれより細かければ、異物除去性能が十分である。本実施形態におけるスクリーンメッシュは、より好ましくは、440mesh(目開き32μm)~100mesh(目開き150μm)であり、さらに好ましくは、390mesh(目開き38μm)~200mesh(目開き75μm)である。スクリーンメッシュによるろ過工程を複数組み合わせる場合、例えば混合物を120mesh(目開き125μm)を通過させ大きな異物を除去し、その後250mesh(目開き75μm)を通過させ細かい異物を除去してもよい。
遠心分離による除去工程とは、細粒と第2画分との混合物より、砂や金属など比重の大きい異物を、遠心分離によって除去する工程である。具体的には、デグリッティングサイクロン及びハイドロサイクロン等の遠心分離機を使用することによって、細粒と第2画分との混合物から砂や金属など比重の大きい異物を除去することができる。
(蛋白除去)
蛋白除去工程とは、細粒と第2画分との混合物から比重差によって蛋白を除去し、澱粉を残す工程である。具体的には、遠心分離機を使用することにより蛋白の除去を行うことができる。具体的には、細粒と第2画分との混合物を遠心分離機に投入すると、比重の軽い蛋白は、オーバーフローへ流れ、比重の重い澱粉は、アンダーフローへ流れるため、蛋白を除去することができる。蛋白除去工程に使用する遠心分離機としては、ノズルセパレーター又はハイドロサイクロンなどを使用することができる。
(洗浄、脱水及び乾燥)
洗浄工程とは、必要により蛋白除去工程を経た澱粉を含む沈殿物を更に水によって洗浄する工程である。例えば、複数のハイドロサイクロンを繋げ、一方から蛋白除去工程を経た沈殿物を投入し、もう一方から水を投入し、向流式で澱粉を洗浄する方法が挙げられる。洗浄工程によって、沈殿物から蛋白を更に除き、さらに澱粉より比重の軽い蛋白、繊維及び油分等のその他不純物についても除去することができる。
脱水工程は、洗浄工程を経た沈殿物から水を除去する工程であり、コーンスターチ粉末として必要な場合に採り得る。脱水工程は、濾過及び遠心分離による脱水後、間接加熱式の乾燥機による乾燥などで行うことができる。なお、脱水工程を省くことにより、コーンスターチの製造方法をより簡便なものとすることができる。
洗浄工程及び脱水工程を経たコーンスターチに含まれる蛋白の割合は、コーンスターチの乾燥質量に対し乾燥質量で0.3~0.8質量%であることが好ましい。蛋白がコーンスターチの質量に対し乾燥質量で0.8質量%以下であれば、コーンスターチの糖化後の精製工程における負荷が少ない。コーンスターチに含まれる蛋白の割合は小さいことが好ましいが、蛋白がコーンスターチの乾燥質量に対し乾燥質量で0.8質量%以下であれば、洗浄工程における水の量を増やす等によるコストの増大を必要としない。
以上説明した通り、本実施形態のコーンスターチの製造方法によって穀物ダストから効率よくコーンスターチを得ることができる。従って、穀物ダストを原料として使用しない従来のコーンスターチの製造方法と比較して高い収率でコーンスターチを製造することができる。また、穀物ダストに含まれる鉄粉を効率よく分離することができるため、設備の損耗を抑えることができる。
本実施形態のコーンスターチの製造方法によって得られたコーンスターチは、澱粉を含み、コーンスターチ全体の質量(乾燥質量)に対し、澱粉の割合が97.0~99.9質量%である。脱水工程を経たコーンスターチは、粉体であり、その粒径は、5~20μmである。
(第2実施形態)
本発明のもう一つの態様について、以下に説明する。図2は、本発明の他の実施形態におけるコーンスターチの製造方法のフローを示す図である。第1実施形態では、穀物ダストのみを原料としてコーンスターチを製造しているが、本実施形態では、とうもろこしを精選して得られる整粒と、穀物ダストとの両方を原料として用いている点が異なる。
具体的には、とうもろこしを精選して得られる整粒(つまり、ホールコーン)と、第1画分を風選して得られる細粒とを混合し、亜硫酸含有浸漬液に浸漬している。亜硫酸含有浸漬液への浸漬工程以降の操作については、第1実施形態に記載されている操作と同じ操作を行うことができる。第2画分は、第1実施形態に記載されている鉄粉分離工程及び亜硫酸含有浸漬液への浸漬工程を経て得られ、異物除去工程前に整粒及び細粒と混合され、異物除去工程が行われる。
整粒の粒子径は、3.5~5.0mmである。整粒に含まれる粒子径が3.5~5.0mmである粒子の割合は、整粒の総質量に対し90質量%以上である。本明細書において、粒子径が3.5~5.0mmである粒子の割合は、以下のように測定する。目開き3.5mmの篩いと目開き5.0mmの篩いを重ねて整粒を通過させ、3.5mmの篩い上に残った粒子の質量を測定する。整粒の総質量に対する3.5mmの篩い上に残った粒子の質量を粒径が3.5~5.0mmである粒子の割合を算出する。
整粒には胚芽が含まれるため、浸漬工程後に、整粒を胚芽が砕けない程度に粗粉砕し、その後流体サイクロン等により胚芽を分離し、その後磨砕することが好ましい。
このように従来の整粒を原料としたコーンスターチの製造方法と組み合わせることで、より効率よくコーンスターチの収率を向上することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例においては第1画分及び第2画分それぞれのコーンスターチの収率が明確となるよう、異物除去工程以降の操作についても個別に行っている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、第1画分から得られる細粒及び第2画分とを混合し、その後異物除去工程以降の操作を行うことができる。
(実施例1)
穀物ダストであるとうもろこしダスト100kgを目開き1.2mmのシフター(SWECO社製、円形振動篩)を用いて篩別した。シフター上に残った第1画分は、46kgであり、シフターを通過した第2画分は、54kgだった。第2画分に含まれる鉄粉量は、12.8gだった。
第1画分を風選機(KICE社製、マルチアスピレーター6DT4)を用いて細粒と果皮類とに分離した。細粒は、36.8kgであり、果皮類は、9.2kgだった。細粒の質量の1.1倍の質量の亜硫酸水(亜硫酸濃度が水の総質量に対し500ppm)40.5kgと細粒とを500L容量のステンレスタンクに加え、50℃で48時間浸漬した。
浸漬後の細粒を磨砕機(QCGSYSTEMSLLC社製、GrindingMill)で磨砕し、スクリーンメッシュ(SWECO社製、円形振動篩)を通過させて異物を除去した。除去された異物の乾物換算による質量は、11kgだった。その後、水で洗浄し、遠心分離機(WannerEngineeringInc社製、Hydra-Cell)によって蛋白分離を行い、さらに水で洗浄を行った。その後遠心分離機(株式会社コクサン製、上部排出型遠心分離機H-130E)によって脱水し、乾燥機(エスペック株式会社製、熱風乾燥機LC-114)によって乾燥し、コーンスターチ25kgを得た。
第2画分を電磁分離機(日本マグネティクス社製、電磁分離機CG-180X-1)に投入して鉄粉を分離した。鉄粉を分離した後の第2画分に含まれる鉄粉量は、0.3gであり、鉄粉分離率は、95質量%であった。
鉄粉分離後の第2画分の質量に対し3倍の質量の亜硫酸水(亜硫酸濃度が水の総質量に対し500ppm)162kgを第2画分に加え、50℃で保温しながら撹拌機(佐竹化学工業株式会社製、小型ミキサーA720)により速度120rpmで撹拌しながら4時間浸漬した。
浸漬後の第2画分をスクリーンメッシュ(SWECO社製、円形振動篩)を通過させ異物を除去した。除去された異物の乾物換算による質量は、21kgだった。その後、水で洗浄し、遠心分離機(WannerEngineeringInc社製、Hydra-Cell)によって蛋白分離を行い、さらに水で洗浄を行った。その後遠心分離機(株式会社コクサン製、上部排出型遠心分離機H-130E)によって脱水し、乾燥機(エスペック株式会社製、熱風乾燥機LC-114)によって乾燥し、コーンスターチ31kgを得た。
以上の結果から、穀物ダストから回収されたコーンスターチの収率は、穀物ダストの総質量に対し56質量%だった。
(比較例1)
とうもろこしダスト100kgに対し3倍の質量の亜硫酸水(亜硫酸濃度が水の総質量に対し500ppm)300kgをとうもろこしダストに加え、50℃で保温しながら撹拌機(佐竹化学工業株式会社製、小型ミキサーA720)により撹拌しながら4時間浸漬した。
浸漬後のとうもろこしダストをスクリーンメッシュ(SWECO社製、円形振動篩)を通過させ異物を除去した。除去された異物の乾物換算による質量は、51kgだった。その後、水で洗浄し、遠心分離機(WannerEngineeringInc社製、Hydra-Cell)によって蛋白分離を行い、さらに水で洗浄を行った。その後遠心分離機株式会社コクサン製、上部排出型遠心分離機H-130E)によって脱水し、乾燥機(エスペック株式会社製、熱風乾燥機LC-114)によって乾燥し、コーンスターチ45kgを得た。
以上の結果から、穀物ダストから回収されたコーンスターチの収率は、穀物ダストの総質量に対し45質量%だった。
(比較例2)
とうもろこしダストを風選機(KICE社製、マルチアスピレーター6DT4)を用いて分離した。主に異物を含むオーバーフローは、37.6kgであり、主に細粒を含むアンダーフローは、62.4kgだった。オーバーフローには2.5kgの細粒が混入し、アンダーフローには25kgの果皮類を含む異物が混入していた。このように細粒と異物との分離が十分でなく、アンダーフローを浸漬槽に投入すると排液の際に流路に詰まるおそれがあるためコーンスターチの製造に用いなかった。
オーバーフローの質量の3倍の質量の亜硫酸水(亜硫酸濃度が水の総質量に対し500ppm)112.8kgをオーバーフローに加え、50℃で保温しながら撹拌機(佐竹化学工業株式会社製、小型ミキサーA720)により撹拌しながら4時間浸漬した。
浸漬後のオーバーフローをスクリーンメッシュ(SWECO社製、円形振動篩)を通過させて異物を除去した。除去された異物の乾物換算による質量は、20kgだった。その後、水で洗浄し、遠心分離機(WannerEngineeringInc社製、Hydra-Cell)によって蛋白分離を行い、さらに水で洗浄を行った。その後遠心分離機(株式会社コクサン製、上部排出型遠心分離機H-130E)によって脱水し、乾燥機(エスペック株式会社製、熱風乾燥機LC-114によって乾燥し、コーンスターチ18kgを得た。
(比較例3)
実施例1と同じ方法で、穀物ダストから第1画分46kgと第2画分54kgを得た。第1画分の質量の1.1倍の質量の亜硫酸水(亜硫酸濃度が亜硫酸水の総質量に対し500ppm)51kgと第1画分とを浸漬槽である500L容量のステンレスタンクに加え、50℃で48時間浸漬した。
浸漬後の第1画分を磨砕機(QCGSYSTEMSLLC社製、GrindingMill)で磨砕し、スクリーンメッシュ(SWECO社製、円形振動篩)を通過させて異物を除去した。除去された異物の乾物換算による質量は、24kgだった。その後、水で洗浄し、遠心分離機(WannerEngineeringInc社製、Hydra-Cell)によって蛋白分離を行い、さらに水で洗浄を行った。その後遠心分離機(株式会社コクサン製、上部排出型遠心分離機H-130E)によって脱水し、乾燥機(エスペック株式会社製、熱風乾燥機LC-114によって乾燥し、コーンスターチ21kgを得た。
第2画分は、実施例1と同じ方法で処理を行い、コーンスターチ31kgを得た。除去された異物の乾物換算による質量は、21kgだった。穀物ダストから回収されたコーンスターチの収率は、穀物ダストの総質量に対し52質量%だった。
(比較例4)
実施例1と同じ方法で、穀物ダストから第1画分46kgと第2画分54kgを得た。第1画分は風選を行わず、そのまま異物として除去した。第2画分は、実施例1と同じ方法で処理を行い、コーンスターチ31kgを得た。穀物ダストから回収されたコーンスターチの収率は、穀物ダストの総質量に対し31質量%だった。
(実施例2)
実施例1と同じ方法で、穀物ダストから第1画分46kgと第2画分54kgを得た。第2画分をドラム型マグネット(カネテック株式会社、ドラム型磁選機KSD-HE300Cに投入した。その後、第2画分に含まれる鉄粉量は、1.2gであり、鉄粉分離率は、91質量%であった。
(比較例5)
実施例1と同じ方法で、穀物ダストから第1画分46kgと第2画分54kgを得た。第2画分を実施例1の方法で浸漬した後、インラインマグネット(協和ステンレス株式会社製、液体ラインマグネットフィルター)に投入した。その後、第2画分に含まれる鉄粉量は、3.5gであり、鉄粉分離率は、73質量%であった。
実施例1で得られたコーンスターチの収率である56質量%に対し、比較例1~4ではコーンスターチの収率が低くなった。また、第2画分を亜硫酸含有浸漬液に浸漬する前に鉄粉の分離を行った実施例1及び2では、鉄粉分離率が91質量%以上と高かったが、亜硫酸含有浸漬液に浸漬した後に鉄粉の分離を行った比較例5では、鉄粉分離率が73%と低かった。

Claims (20)

  1. 篩いを用いて穀物ダストを前記篩い上に残った第1画分と前記篩いを通過した第2画分とに篩別する(a)工程と、
    前記第1画分を風選により細粒と果皮類とに分ける(b)工程と、
    前記細粒を第1の浸漬液に浸漬する(c)工程と、
    前記第2画分から第1の磁選機を用いて鉄粉を分離する(d)工程と、
    前記第2画分を第2の浸漬液に浸漬する(e)工程と、
    前記(c)工程後の前記細粒及び前記(e)工程後の前記第2画分を混合する(f)工程と、
    前記工程(f)の混合物から異物を除去する(g)工程と、を含み、
    前記工程(g)後の前記混合物をコーンスターチの製造に使用する、コーンスターチの製造方法。
  2. 前記篩いは、目開きが0.8mm~1.4mmである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記穀物ダストはとうもろこしのダストである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記第1の浸漬液は、亜硫酸含有浸漬液である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 前記第2の浸漬液は、亜硫酸塩含有浸漬液である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  6. 前記第1の磁選機が電磁分離機、ドラム型マグネット及び非ドラム型マグネット及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1又は2に記載の製造方法。
  7. さらに、前記(e)工程後の前記第2画分から第2の磁選機を用いて鉄粉を分離する工程を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  8. 前記第2の磁選機が電磁分離機、ドラム型マグネット及び非ドラム型マグネット及びこれらの組み合わせから選択されるである、請求項7に記載の製造方法。
  9. さらに、前記(f)工程の前記混合物からタンパク質を除去する工程を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  10. さらに、前記(g)工程の前記混合物に対し、洗浄、脱水及び乾燥の少なくとも1つを行う工程を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  11. とうもろこしを精選して得られるとうもろこし整粒と穀物ダストを得る(a)工程と、
    篩いを用いて前記穀物ダストを前記篩い上に残った第1画分と前記篩いを通過した第2画分とに篩別する(b)工程と、
    前記第1画分を風選により細粒と果皮類とに分ける(c)工程と、
    前記細粒を第1の浸漬液に浸漬する(d)工程と、
    前記第2画分から第1の磁選機を用いて鉄粉を分離する(e)工程と、
    前記第2画分を第2の浸漬液に浸漬する(f)工程と、
    前記(d)工程後の前記細粒及び前記(f)工程後の前記第2画分を混合する(g)工程と、
    前記(g)工程の混合物から異物を除去する(h)工程と、を含み、
    前記(h)工程後の前記混合物は、コーンスターチの製造に用いられる、コーンスターチの製造方法。
  12. 前記(a)工程後に異物が前記とうもろこし整粒から除去される、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記(c)工程後に前記とうもろこし整粒と前記細粒とを混合する、請求項11又は12に記載の製造方法。
  14. 前記篩いは、目開きが0.8mm~1.4mmである、請求項11又は12に記載の製造方法。
  15. 前記第1の浸漬液は、硫酸含有浸漬液である、請求項11又は12に記載の製造方法。
  16. 前記第2の浸漬液は、亜硫酸塩含有浸漬液である、請求項11又は12に記載の製造方法。
  17. 前記第1の磁選機が電磁分離機、ドラム型マグネット及び非ドラム型マグネット及びこれらの組み合わせから選択される、請求項11又は12に記載の製造方法。
  18. さらに、前記(f)工程後の前記第2画分から第2の磁選機を用いて鉄粉を分離する工程を含む、請求項11又は12に記載の製造方法。
  19. 前記第2の磁選機が電磁分離機、ドラム型マグネット及び非ドラム型マグネット及びこれらの組み合わせから選択されるである、請求項18に記載の製造方法。
  20. さらに、前記(h)工程の混合物に対し、洗浄、脱水及び乾燥の少なくとも1つを行う工程を含む、請求項11又は12に記載の製造方法。
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