JP2023030996A - 情報処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イベントの検出の精度を向上させる。【解決手段】光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路とを備え、検出回路に含まれるトランジスタのゲートは、複数のメタルの層、High-K層を含む構成である。High-K層は、分極が生じている。本技術は、例えば画素毎にアドレスイベントを検出する情報処理装置に適用できる。【選択図】図12

Description

本技術は、情報処理装置に関し、例えば、イベントの検出をより精度良くできるようにした情報処理装置に関する。
従来、撮像装置などにおいて、垂直同期信号などの同期信号に同期して画像データ(フレーム)を撮像する同期型の撮像素子が用いられている。この一般的な同期型の撮像素子では、同期信号の周期(例えば、1/60秒)ごとにしか画像データを取得することができないため、交通やロボットなどに関する分野において、より高速な処理が要求された場合に対応することが困難になる。そこで、画素アドレスごとに、その画素の輝度の変化量が閾値を超えた旨をアドレスイベントとして検出する非同期型の撮像素子が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このように、画素毎にアドレスイベントを検出する撮像素子は、EVS(event-based Vision Sensor)と呼ばれる。
国際公開第2019/087471号
上述の非同期型の撮像素子では、アドレスイベントの有無の検出により、画像認識などの処理の高速化を図っている。しかしながら、アドレスイベントの有無を検出するには、対数応答部、バッファ、微分器や比較器などの多数の回路を画素毎に配置する必要があり、同期型の撮像素子と比較して、画素毎の回路規模が増大する傾向にある。
これらの回路には複数のトランジスタが含まれ、適切な特性を有するトランジスタが配置されていないと、性能の劣化や高速化の妨げになる可能性がある。適切な特性を有するトランジスタが配置された構成とされることが望まれている。
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、適切な特性を有するトランジスタを提供することができるようにするものである。
本技術の一側面の第1の情報処理装置は、光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、前記複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の前記電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路とを備え、前記検出回路に含まれるトランジスタのゲートは、複数のメタルの層、High-K層を含む構成である情報処理装置である。
本技術の一側面の第2の情報処理装置は、光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、前記複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の前記電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路とを備え、前記検出回路に含まれるトランジスタは、NCFET(Negative Capacitance Field Effect Transistor)である情報処理装置である。
本技術の一側面の第3の情報処理装置は、光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、前記複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の前記電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路とを備え、前記検出回路に含まれるトランジスタは、FD-SOI(Fully-Depleted silicon on Insulator)型のトランジスタである情報処理装置である。
本技術の一側面の第4の情報処理装置は、光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、前記複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の前記電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路とを備え、前記検出回路に含まれるトランジスタは、TFET(Tunnel Field Effect Transistor)である情報処理装置である。
本技術の一側面の第1の情報処理装置においては、光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路とが備えられ、検出回路に含まれるトランジスタのゲートが、複数のメタルの層、High-K層を含む構成とされている。
本技術の一側面の第2の情報処理装置においては、光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路とが備えられ、検出回路に含まれるトランジスタが、NCFET(Negative Capacitance Field Effect Transistor)で構成されている。
本技術の一側面の第3の情報処理装置においては、光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路とが備えられ、検出回路に含まれるトランジスタが、FD-SOI(Fully-Depleted silicon on Insulator)型のトランジスタである。
本技術の一側面の第4の情報処理装置は、においては、光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路とが備えられ、検出回路に含まれるトランジスタが、TFET(Tunnel Field Effect Transistor)で構成されている。
なお、情報処理装置は、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
本技術を適用したEVSカメラの一実施の形態の構成を示すブロック図である。 撮像素子の概略構成例を示すブロック図である。 アドレスイベント検出回路の構成例を示すブロック図である。 電流電圧変換回路、減算器、および、量子化器の詳細構成を示す回路である。 アドレスイベント検出回路のより詳細な回路構成例を示す図である。 量子化器のその他の構成例を示す回路図である。 量子化器を採用した場合のアドレスイベント検出回路のより詳細な回路構成例を示す図である。 第1の実施の形態におけるトランジスタの構成例を示す図である。 メタルゲート、HK層について説明するための図である。 分極について説明するための図である。 第2の実施の形態におけるトランジスタの構成例を示す図である。 第3の実施の形態におけるトランジスタの構成例を示す図である。 第4の実施の形態におけるトランジスタの構成例を示す図である。 第5の実施の形態におけるトランジスタの構成例を示す図である。 第6の実施の形態におけるトランジスタの構成例を示す図である。 第7の実施の形態におけるトランジスタの構成例を示す図である。 第8の実施の形態におけるトランジスタの構成例を示す図である。 第9の実施の形態におけるトランジスタの構成例を示す図である。 第10の実施の形態におけるトランジスタの構成例を示す図である。 車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
以下に、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。
<EVSカメラの構成例>
EVSカメラ10は、光信号を光電変換した電気信号の時間的変化をイベントデータとして出力するイベントセンサを備えるカメラである。このようなイベントセンサは、EVS(event-based vision sensor)とも呼ばれる。一般的なイメージセンサを備えるカメラは、垂直同期信号に同期して撮影を行い、その垂直同期信号の周期で1フレーム(画面)の画像データであるフレームデータを出力するが、EVSカメラ10は、イベントが発生したタイミングにおいてのみイベントデータを出力するため、非同期型またはアドレス制御型のカメラであるということができる。
図1に示されるEVSカメラ10は、光学部11、撮像素子12、制御部13、および、データ処理部14を備える。
光学部11は、被写体からの光を集光して撮像素子12に入射させる。撮像素子12は、光学部11を介して入射される入射光を光電変換してイベントデータを生成し、データ処理部14に供給する。撮像素子12は、画素の輝度変化をイベントとして、イベントの発生を表すイベントデータを出力する受光素子である。
制御部13は、撮像素子12を制御する。例えば、制御部13は、撮像素子12に対して、撮像の開始および終了を指示する。
データ処理部14は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロプロセッサ等により構成され、所定の処理を実行する。データ処理部14は、イベントデータ処理部21と記録部22とを備える。例えば、イベントデータ処理部21は、撮像素子12から供給されるイベントデータを用いたイベントデータ処理、イベント画像を用いた画像データ処理を行う。記録部22は、所定のデータを必要に応じて所定の記録媒体に記録して蓄積する。
<撮像素子の構成例>
図2は、撮像素子12の概略構成例を示すブロック図である。撮像素子12は、画素アレイ部41、駆動部42、Yアービタ43、Xアービタ44、及び、出力部45を備える。
画素アレイ部41には、複数の画素61が二次元格子状に配列されている。各画素61は、光電変換素子としてのフォトダイオード71と、アドレスイベント検出回路72とを備える。アドレスイベント検出回路72は、フォトダイオード71の光電変換によって生成される電気信号としての光電流に所定の閾値を超える変化が発生した場合に、その光電流の変化をイベントとして検出する。イベントが検出された場合、アドレスイベント検出回路72は、イベントの発生を表すイベントデータの出力を要求するリクエストをYアービタ43およびXアービタ44に出力する。
駆動部42は、画素アレイ部41の各画素61に制御信号を供給することにより、画素アレイ部41を駆動する。
Yアービタ43は、画素アレイ部41内の同一行の画素61からのリクエストを調停し、イベントデータの出力の許可又は不許可を表す応答を、リクエストを送信してきた画素61に返す。Xアービタ44は、画素アレイ部41内の同一列の画素61からのリクエストを調停し、イベントデータの出力の許可又は不許可を表す応答を、リクエストを送信してきた画素61に返す。Yアービタ43とXアービタ44の両方から許可の応答が返信された画素61が、イベントデータを出力部45に出力することができる。
なお、撮像素子12は、Yアービタ43とXアービタ44のいずれか一方のみを備える構成としてもよい。例えば、Xアービタ44のみで構成される場合、リクエストを送信してきた画素61を含む同一列の全ての画素61のデータが出力部45へ転送される。そして、出力部45または後段のデータ処理部14(図1)において、実際にイベントを発した画素61のイベントデータのみが選択される。Yアービタ43のみで構成される場合には、行単位で画素データが出力部45へ転送され、後段で必要な画素61のイベントデータのみが選択される。
出力部45は、画素アレイ部41を構成する各画素61が出力するイベントデータに必要な処理を施し、データ処理部14(図1)に供給する。
<アドレスイベント検出回路の構成例>
図3は、アドレスイベント検出回路72の構成例を示すブロック図である。アドレスイベント検出回路72は、電流電圧変換回路81、バッファ82、減算器83、量子化器84、および、転送回路85を備える。
電流電圧変換回路81は、対応するフォトダイオード71からの光電流を電圧信号に変換する。電流電圧変換回路81は、光電流の対数値に応じた電圧信号を生成し、バッファ82に出力する。
バッファ82は、電流電圧変換回路81からの電圧信号をバッファリングし、減算器83に出力する。このバッファ82により、後段のスイッチング動作に伴うノイズのアイソレーションを確保するとともに、後段を駆動する駆動力を向上させることができる。なお、このバッファ82は、省略することもできる。
減算器83は、駆動部42からの制御信号に従ってバッファ82からの電圧信号のレベルを低下させる。減算器83は、低下後の電圧信号を量子化器84に出力する。
量子化器84は、減算器83からの電圧信号をデジタル信号に量子化し、イベントデータとして転送回路85に供給する。転送回路85は、イベントデータを、出力部45に転送(出力)する。すなわち、転送回路85は、イベントデータの出力を要求するリクエストを、Yアービタ43およびXアービタ44に供給する。転送回路85は、リクエストに対して、イベントデータの出力を許可する旨の応答をYアービタ43およびXアービタ44から受け取ると、イベントデータを出力部45に転送する。
<アドレスイベント検出回路の詳細構成例>
図4は、電流電圧変換回路81、減算器83、および、量子化器84の詳細構成を示す回路である。図4では、電流電圧変換回路81と接続されているフォトダイオード71も示されている。
電流電圧変換回路81は、FET111乃至113で構成される。FET111及び113としては、例えば、N型のMOS(NMOS) FETを採用することができ、FET112としては、例えば、P型のMOS(PMOS) FETを採用することができる。
フォトダイオード71は、入射する光を受光し、光電変換を行って、電気信号としての光電流を生成して流す。電流電圧変換回路81はフォトダイオード71からの光電流を、その光電流の対数に対応する電圧(以下、光電圧ともいう)VLOGに変換して、バッファ82に出力する。
FET111のソースは、FET113のゲートと接続され、FET111のソースとFET113のゲートとの接続点には、フォトダイオード71による光電流が流れる。FET111のドレインは、電源VDDに接続され、そのゲートは、FET113のドレインに接続される。
FET112のソースは、電源VDDに接続され、そのドレインは、FET111のゲートとFET113のドレインとの接続点に接続される。FET112のゲートには、所定のバイアス電圧Vbiasが印加される。FET113のソースは接地される。
FET111のドレインは電源VDD側に接続されており、ソースフォロアになっている。ソースフォロアになっているFET111のソースには、フォトダイオード71が接続され、これにより、FET111(のドレインからソース)には、フォトダイオード71の光電変換により生成される電荷による光電流が流れる。FET111は、サブスレッショルド領域で動作し、FET111のゲートには、そのFET111に流れる光電流の対数に対応する光電圧VLOGが現れる。以上のように、フォトダイオード71では、FET111により、フォトダイオード71からの光電流が、その光電流の対数に対応する光電圧VLOGに変換される。
光電圧VLOGは、FET111のゲートとFET113のドレインとの接続点から、バッファ82を介して、減算器83に出力される。
減算器83は、電流電圧変換回路81からの光電圧VLOGについて、現在の光電圧と、現在と微小時間だけ異なるタイミングの光電圧との差を演算し、その差に対応する差信号Vdiffを出力する。
減算器83は、コンデンサ131、オペアンプ132、コンデンサ133、及び、スイッチ134を備える。量子化器184は、コンパレータ151および152を備える。
コンデンサ131の一端は、バッファ82の出力に接続され、他端は、オペアンプ132の入力端子に接続される。したがって、オペアンプ132の(反転)入力端子には、コンデンサ131を介して光電圧VLOGが入力される。
オペアンプ132の出力端子は、量子化器184のコンパレータ151および152の非反転入力端子(+)に接続される。
コンデンサ133の一端は、オペアンプ132の入力端子に接続され、他端は、オペアンプ132の出力端子に接続される。
スイッチ134は、コンデンサ133の両端の接続をオン/オフするように、コンデンサ133に接続される。スイッチ134は、駆動部142の制御信号に従ってオン/オフすることにより、コンデンサ133の両端の接続をオン/オフする。
コンデンサ133及びスイッチ134は、スイッチドキャパシタを構成する。オフになっているスイッチ134が一時的にオンにされ、再び、オフにされることにより、コンデンサ133は、電荷が放電され、新たに電荷を蓄積することができる状態にリセットされる。
スイッチ134をオンした際のコンデンサ131の、フォトダイオード71側の光電圧VLOGをVinitと表すとともに、コンデンサ131の容量(静電容量)をC1と表すこととする。オペアンプ132の入力端子は、仮想接地になっており、スイッチ134がオンである場合にコンデンサ131に蓄積される電荷Qinitは、式(1)により表される。
Qinit = C1 ×Vinit ・・・(1)
また、スイッチ134がオンである場合には、コンデンサ133の両端は短絡されるため、コンデンサ133に蓄積される電荷はゼロとなる。
その後、スイッチ134がオフになった場合の、コンデンサ131の、フォトダイオード71側の光電圧VLOGを、Vafterと表すこととすると、スイッチ134がオフになった場合にコンデンサ131に蓄積される電荷Qafterは、式(2)により表される。
Qafter = C1×Vafter ・・・(2)
コンデンサ133の容量をC2と表すこととすると、コンデンサ133に蓄積される電荷Q2は、オペアンプ132の出力電圧である差信号Vdiffを用いて、式(3)により表される。
Q2 = -C2×Vdiff ・・・(3)
スイッチ134がオフする前後で、コンデンサ131の電荷とコンデンサ133の電荷とを合わせた総電荷量は変化しないため、式(4)が成立する。
Qinit = Qafter + Q2 ・・・(4)
式(4)に式(1)ないし式(3)を代入すると、式(5)が得られる。
Vdiff = -(C1/C2)×(Vafter - Vinit) ・・・(5)
式(5)によれば、減算器83では、光電圧Vafter及びVinitの減算、すなわち、光電圧VafterとVinitとの差(Vafter - Vinit)に対応する差信号Vdiffの算出が行われる。式(5)によれば、減算器183の減算のゲインはC1/C2となる。したがって、減算器183は、コンデンサ133のリセット後の光電圧VLOGの変化をC1/C2倍した電圧を、差信号Vdiffとして出力する。
減算器183は、駆動部142が出力する制御信号によりスイッチ134がオンオフされることにより、差信号Vdiffを出力する。
減算器183から出力される差信号Vdiffは、量子化器184のコンパレータ151および152の非反転入力端子(+)に供給される。
コンパレータ151は、減算器183からの差信号Vdiffと、反転入力端子(-)に入力される+側閾値Vrefpとを比較する。コンパレータ151は、+側閾値Vrefpを超えたか否かを示す、H(High)レベル又はL(Low)レベルの検出信号DET(+)を、差信号Vdiffの量子化値として転送回路185へ出力する。
コンパレータ152は、減算器183からの差信号Vdiffと、反転入力端子(-)に入力される-側閾値Vrefnとを比較する。コンパレータ152は、-側閾値Vrefnを超えたか否かを示す、H(High)レベル又はL(Low)レベルの検出信号DET(-)を、差信号Vdiffの量子化値として転送回路185へ出力する。
図5は、図4に示した電流電圧変換回路81、バッファ82、減算器83、および、量子化器84の、より詳細な回路構成例を示している。図6は、量子化器84のその他の構成例を示す回路図である。
図5に示した量子化器84は、減算器83からの差信号Vdiffを、常時、+側閾値(電圧)Vrefpと-側閾値(電圧)Vrefnの両方と比較し、比較結果を出力した。
これに対して、図6の量子化器84は、1つのコンパレータ153と、スイッチ154とを備え、スイッチ154で切り替えられる2つの閾値(電圧)VthONまたはVthOFFのどちらかと比較した比較結果を出力する。
スイッチ154は、コンパレータ153の反転入力端子(-)に接続されており、駆動部142からの制御信号に応じて、端子aまたはbを選択する。端子aには、閾値としての電圧VthONが供給され、端子bには、閾値としての電圧VthOFF (<VthON)が供給される。したがって、コンパレータ153の反転入力端子には、電圧VthONまたはVthOFFが供給される。
コンパレータ153は、減算器83からの差信号Vdiffと、電圧VthONまたはVthOFFとを比較し、その比較結果を表すHレベル又はLレベルの検出信号DETを、差信号Vdiffの量子化値として転送回路85へ出力する。
図7は、図6に示した量子化器84を採用した場合の電流電圧変換回路81、バッファ82、減算器83、および、量子化器84の、より詳細な回路構成例を示している。
図7の回路構成では、スイッチ154の端子として、電圧VthONおよび電圧VthOFF以外に、初期化(Auto Zero)する際の端子VAZも追加されている。減算器83においてN型のMOS(NMOS) FET で構成されるFET171のゲートにH(High)レベルの初期化信号AZが供給されるタイミングで、量子化器84のスイッチ154は端子VAZを選択し、初期化動作を実行する。その後、スイッチ154は、駆動部42からの制御信号に基づいて、電圧VthONまたは電圧VthOFFの端子を選択し、選択された閾値との比較結果を表す検出信号DETが、量子化器84から転送回路85へ出力される。
<トランジスタに求められる性能について>
上記したようにEVSカメラ10は、フォト電流を対数電圧に変換し、変化量がある閾値を超えた際にイベントがあったと判定する。イベントは、閾値を超えたかが重要であるため、保持ノードのリニアリティは、リセットから閾値を超える範囲(正負ともに)で良ければよく、それ以上はイベントとして判定されるため、多少リニアリティが悪くても良い、換言すればリークがあっても許容範囲とすることができる。
一方で、EVSカメラ10では、変化量を求めるために、まずアンプのリセット動作(以下、AZ動作と適宜記載する)が行われる。AZ動作においては、出力と入力を同一電圧にする必要があるため、低抵抗が求められる(低閾値Vtが求められる)。一方、変化が起きるまで基準電圧を保持(正確には保持電圧は時間で変化し続けており、閾値を超えるまで保持)する必要があり、低リーク特性が求められる(高閾値)。このようにONとOFFとでは求められる性能が異なる。
EVSカメラ10では、減算器の前に対数変換が行われる。入力振幅が圧縮されるため、イベントの閾値はリセット電圧に近い値で設定される。EVSカメラ10で保持部に求められるリニアリティは、リセットから閾値を超える範囲であり、その範囲がフルスイング(電源GND)より狭いことが特徴の1つである。そのため、低閾値を採用することができる。
閾値のフレキシブル性を上げるには、スイッチトランジスタのOFF抵抗は高い方が良い。そこで、スイッチトランジスタにはS値が良いトランジスタが用いられる。
EVSカメラ10のAZ動作に係わるトランジスタは、閾値Vtが0V程度の低閾値であり、かつS値の良いデバイスを用いるのが良い。低閾値であればS値が良くなり、閾値は、おおよそ0Vとすることができる。このようなトランジスタを用いることで、リークを抑えながら、ON抵抗を低くすることができる。
以下に、低閾値VtかつS値の低いトランジスタとして、減算器83に含まれるNMOS FET で構成されるFET171を例に挙げて説明する。FET171をAZトランジスタ171として説明を続ける。
なおここでは、AZトランジスタ171を例に挙げて説明を続けるが、EVSカメラ10に含まれる他のトランジスタに対しても以下に説明する技術を適用することはできる。なおここでは、閾値Vtが低く、S値が良いトランジスタを例に挙げて説明を続けるが、本技術によれば、閾値を低閾値にしたり、高閾値にしたりするといった調整を行え、S値も、低くまたは高く設定するといった調整を行えるため、低閾値0VかつS値の低いトランジスタに本技術の適用範囲が限定されるわけではない。
<第1の実施の形態におけるトランジスタの構成>
図8は、第1の実施の形態におけるAZトランジスタ171aの構成例を示す図である。図8のAは、AZトランジスタ171aの平面視における図である。図8のBは、図8のAに示した平面視のAZトランジスタ171aの線分X-X’における断面視における図である。
AZトランジスタ171aの中央付近にはゲート201が形成され、左側にはN+型のソース202、右側にはn+型のドレイン203が形成されている。AZトランジスタ171aは、P-WELL領域204に形成されている。ゲート201、ソース202、およびドレイン203は、STI((Shallow Trench Isolation)205で囲まれた構成とされ、素子間が分離される構成とされている。
ゲート201は、メタルゲート、High-K(以下、HKと記述)で形成されている。ゲート201は、メタルゲート210、HK層211、および絶縁層212が積層された構成とされている。ゲート201の構成について、図9を参照して説明を加える。
図10は、ゲート201の構成について説明するための図である。ゲート201は、シリコン基板221上に絶縁層(IL : Interfacial Layer)222が積層され、絶縁層222上にHigh-K(HK)層223が積層され、HK層223上にメタル層224が積層された構成とされている。図10に示した絶縁層222、HK層223、およびメタル層224は、それぞれ、図9に示した絶縁層212、HK層211、およびメタルゲート210に該当する。
絶縁層222は、例えばSiO2(二酸化ケイ素)などの絶縁性能を有する材料で形成される。HK層223は、二酸化ケイ素と比べて高い比誘電率を持つ材料で形成され、例えば、HfO2(酸化ハフニウム)、HfSiO4(ケイ酸ハフニウム)などを用いることができる。絶縁層222とHK層223により絶縁層として機能する絶縁層が形成されている。
メタル層224は、複数の金属が積層された構成とされ、仕事関数を制御することができる層として構成される。図9に示した例のうち、nチャネル電界効果トランジスタ(NFET)を低閾値電圧(LVt)側になるように構成した場合、メタル層224は、TiN(錫)層224-1NL、TaN(窒化タンタル)層224-2NL、TiAl(チタン アルミニウム)層224-3NLから構成される。
図9に示した例のうち、nチャネル電界効果トランジスタ(NFET)を標準閾値電圧(SVt)側になるように構成した場合、メタル層224は、TiN層224-1NS、TaN層224-2NS、TaN層224-4NS、TiAl層224-3NSから構成される。
NFETのゲートであっても、低閾値電圧(LVt)側になるように構成した場合と標準閾値電圧(SVt)側になるように構成した場合とでは、メタル層224に含まれるメタルの材料や厚さは異なる。図9に示した例では、標準閾値電圧(SVt)側になるように構成したゲート201には、低閾値電圧(LVt)側になるように構成したゲート201にTaN層224-4NSが追加された構成とされている。
図9に示した例のうち、pチャネル電界効果トランジスタ(PFET)を標準閾値電圧(SVt)側になるように構成した場合、メタル層224は、TiN層224-1PS、TaN層224-2PS、TaN層224-4PS、TiAl層224-3PSから構成される。
図9に示した例のうち、pチャネル電界効果トランジスタ(PFET)を低閾値電圧(LVt)側になるように構成した場合、メタル層224は、TiN層224-1PL、TaN層224-2PL、TaN層224-4PL、TiAl層224-3PLから構成される。
PFETのゲートの場合、低閾値電圧(LVt)側になるように構成した場合と標準閾値電圧(SVt)側になるように構成した場合とで、メタル層224に含まれるメタルの材料や積層順は同一で構成されているが、その厚さは異なる。図9に示した例において、標準閾値電圧(SVt)側になるように構成したゲート201と、低閾値電圧(LVt)側になるように構成したゲート201を比較した場合、TaN層224-4PSの厚さよりも、TaN層224-4PLの厚さの方が厚くなる構成とされる。
NFETの標準閾値電圧(SVt)側になるように構成したゲート201とPFETの標準閾値電圧(SVt)側になるように構成したゲート201とを比較した場合、TaN層224-4NSの厚さよりも、TaN層224-4PSの厚さの方が厚くなる構成とされる。
メタル層224では、TiN層224-1やTaN層224-2などをHigh-K Cap層として機能させる他に、金属の仕事関数を利用して、閾値Vtを制御することができる。例えば、図9に示したNFET(図9中の左側に示した図)で閾値を下げるデバイスは、Conduction band(Ec)に近い仕事関数を有するAlを含むTiAl層224-3がHigh-k cap層上に設けられている。
一方で、NFETの閾値Vtを高くするには、P metal gateとなるTiN層224-4をHigh-k cap層上に薄く設けることで実現できる。またTiN層224-4PLの膜厚を厚くし、Valence band(Ev)側に仕事関数を制御することでPFETに適した閾値を実現することもできる。
このように、メタル層224に含まれるメタルの種類や厚さを変えることで、所望とする電圧に近いゲート201を構成することができる。図9を参照して説明したゲート201の構成は一例であり、限定を示すものではない。トランジスタに求められる性能に応じたメタルの種類や厚さで構成することができる。
ゲート201をメタルゲートとHigh-Kを組み合わせたゲートとすることで、閾値Vtを低く(低閾値Vt化)することができる。またこれによりカウンタードープなどの不純物注入をすることなく低閾値Vt化することでS値を劣化させないため、AZトランジスタ171aに求められる特性を有するトランジスタを提供することができる。
なお、上記したように、メタル層224に含まれるメタルの種類や厚さを変えることで、所望とする電圧に近いゲートを構成することができるため、低閾値Vt化、S値が良いデバイス以外の、例えば、高Vt化、S値が良いデバイスなども形成することができる。
HK層223を設ける場合に、HK層223内にダイポールが形成される構成とし、閾値Vtをさらに下げられるような構成とすることもできる。図10に示すように、HK層223に、例えば、La(ランタン)231を混ぜた構成とする。このように、Hf(ハフニウム)とフェルミレベルが異なるLa(ランタン)などの原子を導入することで、NFETの閾値を下げることもできる。
図示はしないが、HK層223に、アルミニウムを導入した場合、ランタンを導入した場合と逆の極性を作り出すことができる。すなわち、HK層223に導入する原子により極性の方向を制御することができ、所望とする極性を得ることができる。
このように、HK層223にダイポールが形成される構成とし、閾値Vtを調整できる構成としても良い。
第1の実施の形態におけるAZトランジスタ171aにおいては、例えば閾値Vtを、0乃至0.2v程度の範囲内に収め、S値を60乃至90mv/dec程度の範囲内に収めたトランジスタとすることができる。
<第2の実施の形態におけるトランジスタの構成>
図11は、第2の実施の形態におけるAZトランジスタ171bの構成例を示す図である。第2の実施の形態におけるAZトランジスタ171bの平面視における構成は、図8のAに示したAZトランジスタ171aと同様であるため、図示は省略する。図11に示したAZトランジスタ171bは、図8のAの線分X-X’における断面構成例を示す図である。
図11に示したAZトランジスタ171bは、完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ(FD-SOI:Fully-Depleted silicon on Insulator)などと称される構成を有するトランジスタである。FD-SOI型のAZトランジスタ171bのゲート201は、SOI基板上に設けられた絶縁層212上に形成されている。絶縁層212下であり、ソース202とドレイン203の間には、ノンドープの領域253が設けられている。
FD-SOI型のAZトランジスタ171bは、SOI基板に埋め込み酸化層(以下、BOX(buried Oxide)層251と称する)が、非常に薄い(例えば、10乃至300nm)層として形成されている。
FD-SOI型のAZトランジスタ171bは、BOX層251により、ソース202とドレイン203の間の寄生容量値を低減させることができる。ソース202からドレイン203に流れる電子を効率的に制御することができるようになり、リーク電流を大幅に低減させることができる。すなわち、低閾値Vt化でき、S値を良くすることができる。
図11に示したAZトランジスタ171bは、BOX層251の下層は、N-Well層252とされている。ソース202とドレイン203が、N型で構成されているNMOSである場合、SOI基板内であり、BOX層251の下層はN型のWELL層とされる。このN-Well層252に、フォワードバイアスをかける構成としても良い。
NMOSにフォワードバイアスをかける場合、N-Well層252には、プラス(+)のバイアスがかけられる。フォワードバイアスの電圧は、固定(バイアスをかけ続ける)であっても良いし、可変(バイアスを必要に応じてかける)であっても良い。可変に構成した場合、AZトランジスタ171bの動作中に、動的な調整が行える構成とすることができる。N-Well層252にフォワードバイアスをかける構成とすることで、さらに閾値Vtを下げ、S値を良くすることができる。
BOX層251の上層に形成されているソース202とドレイン203と、BOX層251の形成されているWELL層を同極、図11に示した例の場合、N極とすることで、またN-Well層252にフォワードバイアスをかける構成とすることで、より所望とされる閾値Vtであり、S値であるAZトランジスタ171bを得ることができる。
なおここでは、NMOSを例に挙げて説明したが、PMOSに対しても適用できる。上記したNMOSの場合の極性をPMOSの場合の極性に入れ替えるだけで適用できる。例えば、NMOSの場合、N-Well領域252であるが、PMOSの場合、P-WELL領域とすれば良い。以下の説明においても、NMOSである場合を例に上げて説明を続けるが、PMOSに対しても適用できる。
第2の実施の形態におけるAZトランジスタ171bに、第1の実施の形態におけるAZトランジスタ171aを適用し、ゲート201を、メタルゲート210、HK層211、および絶縁層212から構成されるゲートとする構成としても良い。
<第3の実施の形態におけるトランジスタの構成>
図12は、第3の実施の形態におけるAZトランジスタ171cの構成例を示す図である。第3の実施の形態におけるAZトランジスタ171cの平面視における構成は、図8のAに示したAZトランジスタ171aと同様であるため、図示は省略する。図12に示したAZトランジスタ171cは、図8のAの線分X-X’における断面構成例を示す図である。
図12に示した第3の実施の形態におけるAZトランジスタ171cは、ソース202とドレイン203との間のチャネル領域261に、ソース202とドレイン203と同極の不純物をカウンタードープした領域とされている点が、図11に示した第2の実施の形態におけるAZトランジスタ171bとは異なり、他の点は同様である。
図12に示した例では、ソース202とドレイン203は、N型の領域であるため、チャネル領域261も、N型の不純物がカウンタードープされたN型の領域として構成されている。このように、ソース202、ドレイン203、およびチャネル領域261を、同極で構成することで、閾値Vtをより下げることができ、S値が良いトランジスタとすることができる。
なお、閾値Vtを上げたい場合、チャネル領域261の極を、ソース202やドレイン203とは異なる極とすることで実現できる。例えば、ソース202とドレイン203をN型の領域とした場合、チャネル領域261は、P型の不純物がカウンタードープされたP型の領域として構成することで、閾値Vtを上げることができる。
このように、チャネル領域261に不純物をカウンタードープすることで、閾値Vtを調整することができる。カウンタードープする不純物の量を調整することで、閾値Vtを調整することもでき、より所望とされる特性を有するトランジスタを得ることができる。
<第4の実施の形態におけるトランジスタの構成>
図13は、第4の実施の形態におけるAZトランジスタ171dの構成例を示す図である。第4の実施の形態におけるAZトランジスタ171dの平面視における構成は、図8のAに示したAZトランジスタ171aと同様であるため、図示は省略する。図13に示したAZトランジスタ171dは、図8のAの線分X-X’における断面構成例を示す図である。
図13に示した第4の実施の形態におけるAZトランジスタ171dは、第1乃至第3の実施の形態を組み合わせた構成とされている。図13に示したAZトランジスタ171dのゲート201は、メタルゲート210、HK層211、絶縁層212が積層された構造を有する。
図13に示したAZトランジスタ171dは、FD-SOI型のトランジスタであり、N-Well層252にフォワードバイアスがかけられる構成とされている。図13に示したAZトランジスタ171dは、チャネル領域261が、N型の不純物でカウンタードープされた構成とされている。
このよう構成とすることで、より所望とされる閾値Vt、この場合、低閾値vtであり、S値が良いAZトランジスタ171dを得ることができる。
<第5の実施の形態におけるトランジスタの構成>
図14は、第5の実施の形態におけるAZトランジスタ171eの構成例を示す図である。図14のBに示したAZトランジスタ171eは、図14のAに示したAZトランジスタ171eの平面視の線分X-X’における断面構成例を示し、図14のCに示したAZトランジスタ171eは、図14のAの線分Y-Y’における断面構成例を示す。
第5の実施の形態におけるAZトランジスタ171eは、FinFETを適用した構成とされている点が、第1乃至第4の実施の形態におけるAZトランジスタ171と異なる。FinFETは、マルチゲートトランジスタの一例であり、ソース・ドレイン間に形成されるフィン形状の(起立型の)シリコンチャネルと、そのシリコンチャネルを覆うように形成されたゲート電極を有するFET(Field Effect Transistor)である。
図14のAを参照するに、FinFET型のAZトランジスタ171eのソース202eとドレイン203eは、それぞれフィン形状で形成され、平面視においては、ソース202eと絶縁層212eが交互に配置された構成、およびドレイン203eと絶縁層212eが交互に配置された構成とされている。ゲート201eの部分、換言すれば、ソース202eとドレイン203eの間の部分であり、平面視においてはゲート201eに含まれる部分には、チャネル領域261eが形成されている。
図14のBを参照するに、ゲート201e、ソース202e、およびドレイン203eを含む断面構成例において、AZトランジスタ171eは、図8に示した第1の実施の形態におけるAZトランジスタ171aと同じく、ゲート201は、メタルゲート210e、HK層211e、および絶縁層212eが積層された構成とされている。
AZトランジスタ171eは、図13に示したAZトランジスタ171dと同じく、N型の不純物がカウンタードープされたチャネル領域261eを有する。なおここでは、チャネル領域261eは、カウンタードープされている領域である場合を例に挙げて説明するが、ノンドープの領域としても良い。チャネル領域261eに不純物が少ない領域にした場合、例えば、1e18/cm3以下とすることができる。
図14のCを参照するに、ゲート201eの部分には、チャネル領域261eがフィン形状で形成されている。このフィン形状のチャネル領域261eのそれぞれは、絶縁層212eで覆われている。この絶縁層212eは、P-WELL領域204内のチャネル領域261e間にも形成されている。チャネル領域261eに積層された絶縁層212eには、さらにHK層211eが積層されている。
チャネル領域261e、絶縁層212e、およびHK層211eが積層された各チャネル領域261eは、メタルゲート210eで覆われている。
このように、ゲート201eは、図8などを参照して説明した絶縁層212e、HK層211e、メタルゲート210eが積層された構成とされている。ゲート201eをこのような構成とすることで、上述した実施の形態と同じく、閾値Vtを下げ、S値を良くすることができる。メタルゲート210eに用いる材料や厚さを調整する、換言すれば仕事関数を選択することで、より所望とする特性を有するトランジスタを得ることができる。HK層211eは、ダイポールが形成された構成とすることもできる。
ソース202eとドレイン203eは、フィン形状で形成され、ソース202eとドレイン203eとの間に形成されるチャネル領域261eも、フィン形状で形成されている。FinFETは、その特徴として、チャネル領域261eを複数の方向からゲート201eが囲むため、ゲート面積が広くなり、チャネルの電流駆動力を上げることができる。
3方向のゲート201eによってフィン形状の部分がほぼ空乏化されるため、完全空乏型のFinFETとすることができ、図11に示した第2の実施の形態における完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ(FD-SOI)型のAZトランジスタ171bと同じく、閾値Vtを下げ、S値を良くすることができる。リーク電流を減らすこともできるという効果も得られる。よって、閾値Vtを下げ、S値を良くすることができる。
チャネル領域261eを、カウンタードープ構造にすることで、上述した実施の形態と同じく、閾値Vtを下げ、S値を良くすることができる。
このように、第5の実施の形態におけるAZトランジスタ171dにおいても、閾値Vtを下げ、S値を良くしたトランジスタとすることができる。
<第6の実施の形態におけるトランジスタの構成>
図15は、第5の実施の形態におけるAZトランジスタ171fの構成例を示す図である。第6の実施の形態におけるAZトランジスタ171fの平面視における構成は、図14のAに示したAZトランジスタ171eと同様であるため、図示は省略する。図15のAに示したAZトランジスタ171fは、図14のAに示したAZトランジスタ171eの平面視の線分X-X’における断面構成例を示し、図15のBに示したAZトランジスタ171fは、図14のAの線分Y-Y’における断面構成例を示す。
第6の実施の形態におけるAZトランジスタ171fは、GAAFET(Gate All Around FET)またはNano Wire FETなどと称されるトランジスタの構造を適用した構成とされている点が、第1乃至第5の実施の形態におけるAZトランジスタ171と異なる。
GAAFETの構造は、チャネル領域261fが、ゲート201f中に形成されている。図15のBを参照するに、ゲート201f内には、図15のBに示した例では、3×4の12個のチャネル領域261fが形成されている。各チャネル領域261fは、絶縁層212fで囲まれ、絶縁層212fは、HK層211fで囲まれている。
図15では、四角形状のチャネル領域261fを示したが、チャネル領域261fの断面における形状は、円形状や多角形状であっても良い。チャネル領域261fの形状に合わせて、絶縁層212fやHK層211fも形成される。
絶縁層212fとHK層211fが積層されたチャネル領域261fは、メタルゲート210f内に形成されている。メタルゲート210f、HK層211f、および絶縁層212fからゲート201fが形成され、そのゲート201f内に複数のチャネル領域261fが含まれる構成とされている。
図15のAを参照するに、ゲート201f、ソース202f、およびドレイン203fを含む断面構成例において、AZトランジスタ171fのゲート201fは、メタルゲート210f、HK層211f、絶縁層212f、およびチャネル領域261fが積層された構成とされている。
このように、ゲート201fは、図8などを参照して説明したゲート201の構成と同じく、絶縁層212f、HK層211f、メタルゲート210fが積層された構成とされている。ゲート201fをこのような構成とすることで、上述した実施の形態と同じく、閾値Vtを下げ、S値を良くすることができる。メタルゲート210fに用いる材料や厚さを調整する、換言すれば仕事関数を選択することで、より所望とする特性を有するトランジスタを得ることができる。HK層211fは、ダイポールが形成されたた構成とすることもできる。
チャネル領域261fが複数の方向からゲート201fで囲まれた構成であるため、ゲート面積が広くなり、チャネルの電流駆動力を上げることができる。第5の実施の形態のAZトランジスタ171eと比較して、チャネル領域261fは、4面がゲート201fに囲まれているため、よりチャネルの電流駆動力を上げることができる。
4方向のゲート201fによってチャネル領域261fの部分がほぼ空乏化されるため、完全空乏型のGAAFETとすることができ、図11に示した第2の実施の形態におけるFD-SOI型のAZトランジスタ171bと同じく、リーク電流を減らし、閾値Vtを下げ、S値を良くすることができる。
チャネル領域261fを、カウンタードープ構造にすることで、上述した実施の形態と同じく、閾値Vtを下げ、S値を良くすることができる。
このように、第6の実施の形態におけるAZトランジスタ171dにおいても、閾値Vtを下げ、S値を良くしたトランジスタとすることができる。
<第7の実施の形態におけるトランジスタの構成>
図16は、第7の実施の形態におけるAZトランジスタ171gの構成例を示す図である。第7の実施の形態におけるAZトランジスタ171gの平面視における構成は、図8のAに示したAZトランジスタ171aと同様であるため、図示は省略する。図16に示したAZトランジスタ171gは、図8のAに示したAZトランジスタ171aの平面視の線分X-X’における断面構成例を示す。
第7の実施の形態におけるAZトランジスタ171gは、NCFET(Negative Capacitance FET)を適用した構成とされている点が、第1乃至第6の実施の形態におけるAZトランジスタ171と異なる。NCFETは、MOSトランジスタのゲート絶縁層を強誘電体薄膜で置き換えたもので、強誘電体で生じる負性容量を利用して表面ポテンシャルを増大させ、サブスレッショルド特性を急峻にできるとされるトランジスタである。
誘電体をゲート絶縁膜とする負性容量トランジスタ(NCFET)は、ゲート絶縁膜の容量が負になることでトランジスタの表面ポテンシャルが増幅されることを利用したトランジスタである。これにより、サブスレッショルド係数(S値)を通常のMOSトランジスタ限界である60mV/decより小さくすることができる。よって、NCFETを適用することで、閾値Vtを下げ、S値を良くすることができる。
図16に示したAZトランジスタ171gは、図13に示した第4の実施の形態におけるAZトランジスタ171cに対してNCFETの構造を適用した構成例を示している。NCFETの構造を適用したAZトランジスタ171gは、ゲート201gが、絶縁層212g、強誘電体層291、およびメタルゲート210gを積層した構成とされている。絶縁層212gをHigh-Kで形成されたHK層211gとしても良い。
第7の実施の形態におけるAZトランジスタ171dにおいても、閾値Vtを下げ、S値を良くしたトランジスタとすることができる。
<第8の実施の形態におけるトランジスタの構成>
図17は、第8の実施の形態におけるAZトランジスタ171hの構成例を示す図である。第8の実施の形態におけるAZトランジスタ171hの平面視における構成は、図14のAに示したAZトランジスタ171eと同様であるため、図示は省略する。図17に示したAZトランジスタ171hは、図14のAに示したAZトランジスタ171eの平面視の線分Y-Y’における断面構成例を示す。
図17に示した第8の実施の形態におけるAZトランジスタ171hは、図14に示した第5の実施の形態におけるAZトランジスタ171eにNCFETの構造を適用した構成とされている。図14に示した第5の実施の形態におけるAZトランジスタ171eと同様の部分には、同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。
図17に示したAZトランジスタ171hは、フィン形状のチャネル領域261eを備えたFinFETの構造を有し、チャネル領域261eは、絶縁層212eと強誘電体層291hが積層されたNCFETの構造を有する。絶縁層212eと強誘電体層291hが積層されたチャネル領域261eは、ゲート201hを構成するメタルゲート210eにより覆われている。
第8の実施の形態におけるAZトランジスタ171dにおいても、閾値Vtを下げ、S値を良くしたトランジスタとすることができる。
<第9の実施の形態におけるトランジスタの構成>
図18は、第9の実施の形態におけるAZトランジスタ171iの構成例を示す図である。第9の実施の形態におけるAZトランジスタ171iの平面視における構成は、図14のAに示したAZトランジスタ171eと同様であるため、図示は省略する。図18に示したAZトランジスタ171iは、図14のAに示したAZトランジスタ171eの平面視の線分Y-Y’における断面構成例を示す。
図18に示した第9の実施の形態におけるAZトランジスタ171iは、図15に示した第6の実施の形態におけるAZトランジスタ171fにNCFETの構造を適用した構成とされている。図15に示した第6の実施の形態におけるAZトランジスタ171fと同様の部分には、同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。
図18に示したAZトランジスタ171iは、Gate All Around FET構造のチャネル領域261fを備え、チャネル領域261fは、絶縁層212fと強誘電体層291iが積層されたNCFETの構造を有する。絶縁層212fと強誘電体層291iが積層されたチャネル領域261fは、ゲート201iを構成するメタルゲート210fにより覆われている。
第9の実施の形態におけるAZトランジスタ171iにおいても、閾値Vtを下げ、S値を良くしたトランジスタとすることができる。
なお、第7乃至第9の実施の形態は、第4乃至第6の実施の形態にNCFETの構造を適用した例を示したが、第1乃至第3の実施の形態におけるAZトランジスタ171にNCFETの構造を適用することもできる。
<第10の実施の形態におけるトランジスタの構成>
図19は、第10の実施の形態におけるAZトランジスタ171jの構成例を示す図である。図19は、AZトランジスタ171jの断面構成例を示す。
図19に示した第10の実施の形態におけるAZトランジスタ171jは、TFET(Tunnel FET)の構造を有するトランジスタである点が、第1乃至第9の実施の形態におけるAZトランジスタ171と異なる。
AZトランジスタ171jは、ゲート301の図中左側にP+型の半導体領域のソース302が形成され、図中右側にN+型の半導体領域のドレイン303が形成されている。上記したAZトランジスタ171、例えば、図8に示したAZトランジスタ171aのソース202とドレイン203は、ともにN型の半導体領域として形成されていたのに対して、AZトランジスタ171jのソース302とドレイン303は、異なる極性の半導体領域で構成されている。
ソース302とドレイン303との間にはiチャネル領域305が形成されている。iチャネル領域305は、真性半導体の領域であり、i(intrinsic)型半導体などと称される領域である。
P+型のソース302、iチャネル領域305、N+型のドレイン303の材料の組み合わせとしては、P+型のソース302をP+型のGaAsSbで形成し、iチャネル領域305をi型のGaAsで形成し、N+型のドレイン303をN+型のInGaAsで形成する組み合わせを適用できる。他の組み合わせとして、P+型のソース302をGeまたはSiなどを用いて形成し、iチャネル領域305をMoS2などで形成し、N+型のドレイン303をGeまたはSiなどを用いて形成する組み合わせも適用できる。
iチャネル領域305は、Si、III-V属化合物、2次元材料(原子の二次元的結合構造を持った薄膜物質)などを用いることもできる。
TFETは、MOSFETに比べて急峻なオン/オフ特性が得られ、S値を約60mV/decよりも小さくできる。第10の実施の形態におけるAZトランジスタ171jにおいても、閾値Vtを下げ、S値を良くしたトランジスタとすることができる。
上述した実施の形態においては、AZトランジスタ171を例に挙げて説明した。AZトランジスタ171は、低閾値Vt(0V)付近でのS値が良いトランジスタを用いるのが良いため、例に挙げて説明したが、同様に、低閾値Vt付近でのS値が良いトランジスが所望される部分には、本技術を適用したトランジスタを用いることができる。
上述した実施の形態は、低閾値Vt付近でのS値が良いトランジスを例に挙げて説明したが、メタルゲートを構成する材料や厚さなどを調整して仕事関数を調整したり、チャネル領域にカウンタードープする不純物や濃度を調整したりすることで、また、第1乃至第10の実施の形態のいずれか適切な構造を適用することで、閾値VtやS値を調整することができ、所望の閾値VtやS値を有するトランジスタとすることができる。よって、本技術は、低閾値VtやS値が良いトランジスタ以外にも適用できる。そのようなトランジスを含む装置に対しても本技術を適用することはできる。
<移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図20は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図20に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12030に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図20の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
図21は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図21では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図21には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、
前記複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の前記電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路と
を備え、
前記検出回路に含まれるトランジスタのゲートは、複数のメタルの層、High-K層を含む構成である
情報処理装置。
(2)
前記High-K層は、分極が生じている
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記トランジスタは、FD-SOI(Fully-Depleted silicon on Insulator)型のトランジスタである
前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記トランジスタのウェル層に、フォワードバイアスを印加する
前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記トランジスタのチャネル領域は、カウンタードープされた領域である
前記(3)に記載の情報処理装置。
(6)
前記トランジスタは、Fin FET(Field Effect Transistor)である
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7)
前記トランジスタは、GAA FET(Gate All Around Field Effect Transistor)である
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)
前記トランジスタのチャネルは、カウンタードープされた領域である。
前記(6)または(7)に記載の情報処理装置。
(9)
前記トランジスタは、リセット動作に係わる処理を実行する
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10)
光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、
前記複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の前記電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路と
を備え、
前記検出回路に含まれるトランジスタは、NCFET(Negative Capacitance Field Effect Transistor)である
情報処理装置。
(11)
前記トランジスタは、Fin FET(Field Effect Transistor)である
前記(10)に記載の情報処理装置。
(12)
前記トランジスタは、GAA FET(Gate All Around Field Effect Transistor)である
前記(10)に記載の情報処理装置。
(13)
光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、
前記複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の前記電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路と
を備え、
前記検出回路に含まれるトランジスタは、FD-SOI(Fully-Depleted silicon on Insulator)型のトランジスタである
情報処理装置。
(14)
前記トランジスタのチャネル領域は、カウンタードープされた領域である
前記(13)に記載の情報処理装置。
(15)
光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、
前記複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の前記電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路と
を備え、
前記検出回路に含まれるトランジスタは、TFET(Tunnel Field Effect Transistor)である
情報処理装置。
10 EVSカメラ, 11 光学部, 12 撮像素子, 13 制御部, 14 データ処理部, 21 イベントデータ処理部, 22 記録部, 41 画素アレイ部, 42 駆動部, 43 Yアービタ, 44 Xアービタ, 45 出力部, 61 画素, 71 フォトダイオード, 72 アドレスイベント検出回路, 81 電流電圧変換回路, 82 バッファ, 83 減算器, 84 量子化器, 85 転送回路, 131 コンデンサ, 132 オペアンプ, 133 コンデンサ, 134 スイッチ, 142 駆動部, 151 コンパレータ, 152 コンパレータ, 153 コンパレータ, 154 スイッチ, 171 AZトランジスタ, 183 減算器, 184 量子化器, 185 転送回路, 201 ゲート, 202 ソース, 203 ドレイン, 204 WELL領域, 210 メタルゲート, 211 HK層, 212 絶縁層, 221 シリコン基板, 222 絶縁層, 223 HK層, 224 メタル層, 251 BOX層, 252 Well層, 253 領域, 261 チャネル領域, 291 強誘電体層, 301 ゲート, 302 ソース, 303 ドレイン, 305 iチャネル領域

Claims (15)

  1. 光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、
    前記複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の前記電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路と
    を備え、
    前記検出回路に含まれるトランジスタのゲートは、複数のメタルの層、High-K層を含む構成である
    情報処理装置。
  2. 前記High-K層は、分極が生じている
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記トランジスタは、FD-SOI(Fully-Depleted silicon on Insulator)型のトランジスタである
    請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記トランジスタのウェル層に、フォワードバイアスを印加する
    請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記トランジスタのチャネル領域は、カウンタードープされた領域である
    請求項3に記載の情報処理装置。
  6. 前記トランジスタは、Fin FET(Field Effect Transistor)である
    請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 前記トランジスタは、GAA FET(Gate All Around Field Effect Transistor)である
    請求項1に記載の情報処理装置。
  8. 前記トランジスタのチャネルは、カウンタードープされた領域である。
    請求項6に記載の情報処理装置。
  9. 前記トランジスタは、リセット動作に係わる処理を実行する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  10. 光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、
    前記複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の前記電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路と
    を備え、
    前記検出回路に含まれるトランジスタは、NCFET(Negative Capacitance Field Effect Transistor)である
    情報処理装置。
  11. 前記トランジスタは、Fin FET(Field Effect Transistor)である
    請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 前記トランジスタは、GAA FET(Gate All Around Field Effect Transistor)である
    請求項10に記載の情報処理装置。
  13. 光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、
    前記複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の前記電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路と
    を備え、
    前記検出回路に含まれるトランジスタは、FD-SOI(Fully-Depleted silicon on Insulator)型のトランジスタである
    情報処理装置。
  14. 前記トランジスタのチャネル領域は、カウンタードープされた領域である
    請求項13に記載の情報処理装置。
  15. 光電流の対数値に応じた電圧信号を生成する複数の検出画素と、
    前記複数の検出画素のうち、入力された選択信号の示す検出画素の前記電圧信号の変化量が所定の閾値を超えたか否かを検出する検出回路と
    を備え、
    前記検出回路に含まれるトランジスタは、TFET(Tunnel Field Effect Transistor)である
    情報処理装置。
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