JP2023030627A - アクチュエータ構造および流体制御機器 - Google Patents

アクチュエータ構造および流体制御機器 Download PDF

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裕登 芝田
Yuto Shibata
健吾 辻野
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竜太郎 丹野
Ryutaro TANNO
知宏 中田
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裕也 鈴木
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Abstract

【課題】バルブリフトの器差によらず、正確に内部動作を取得可能なアクチュエータ構造を提供する。【解決手段】内部動作に関するデータを取得可能なアクチュエータ構造であって、流路を画定するバルブボディと連結されるボンネット1と、磁性体M1と対向して配置され、磁性体と共に磁気センサMを構成するセンサ部材M2と、ボンネットの内部を摺動し、摺動に応じてダイヤフラムを開閉するステム2と、ステムの上端部が挿通される円環部31と、ボンネットに固定されるとともに磁性体又はセンサ部材の一方を保持する保持部32と、を有するセンサカバー3と、ステムの上端部であってセンサカバーの上方に挿通される、磁性体又はセンサ部材の他方を保持するホルダ4と、を備え、ステムの上端部には、基部21よりも小径の第1小径部22と、第1小径部より小径の第2小径部23とが連続して形成される。【選択図】図3

Description

本発明は、機器内にセンサを備えると共に、当該センサによって検出したデータを出力可能なアクチュエータ構造および流体制御機器に関する。
半導体ウエハの表面に薄膜を形成する成膜処理においては薄膜の微細化が求められ、近年では原子レベルや分子レベルの厚さで薄膜を形成するALD (Atomic Layer Deposition)という成膜方法が使われている。
しかし、そのような薄膜の微細化は流体制御機器に今まで以上の高頻度な開閉動作を要求するようになった。これに答えるため流体制御機器の高耐久化・長寿命化が進んでいる。
流体制御機器の高耐久化のために、機器が作動する際に摺動する距離(リフト量)を小さくし部品への負荷を減らす方法が知られている。また、ALD法では多種のガスを利用するためプロセスライン数が多く、機器サイズを抑えるためにプロセスラインの小型化・集積化が望まれている。そのため、流体制御機器の小型化が進んでおり、このことからもさらにリフト量は小さくなる傾向がある。
加えて、近年では流体制御機器の状態、特に開閉状態をセンサで検知し、そのデータを用いて制御を行う成膜装置の要求が高まっている。一般に、摺動する部品の位置をなんらかの手段で検出することで、流体制御機器の開閉状態を検知する構成が知られている。しかしながら、この構成ではリフト量が小さい流体制御機器においては検出自体の難度が高まると同時に、機械加工や組み立ての状態による流体制御機器各個体の差、すなわち器差の影響により正確な開閉状態の検知が難しくなるという問題があった。
この点、小型化を目的の1つとしたバルブ装置の例として、特許文献1では、ダイヤフラムおよびダイヤフラムの周縁部に接触する押えアダプタを押圧しつつ、バルブボディ内に固定されるアダプタ固定リングを備えるバルブ装置が提案されている。また、高耐久性を目的の1つとした流体制御弁の例として、特許文献2では、弁体の上下動を検出する光センサおよび反射面を備え、反射面はロッドの軸に対し垂直方向円板状の鍔部に形成されてロッドの動きと連動する流体制御弁が提案されている。この流体制御弁では、ロッドの外周面とピストンの内周面の間に弾性部材を配置することで、ピストンの傾きがロッドの傾きより小さくなるよう保持されている。
特許第6170635号公報 特許第5945499号公報
本発明は、バルブリフトの器差によらず、正確に内部動作を取得可能なアクチュエータ構造を提供することを目的の一つとする。
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係るアクチュエータ構造は、流体の流路中に配置され、内部動作に関するデータを取得可能なアクチュエータ構造であって、流路を画定するバルブボディと連結されるボンネットと、磁性体と対向して配置され、前記磁性体と共に磁気センサを構成するセンサ部材と、前記ボンネットの内部を摺動し、摺動に応じてダイヤフラムを開閉するステムと、前記ステムの上端部が挿通される円環部と、前記ボンネットに固定されるとともに前記磁性体または前記センサ部材の一方を保持する保持部と、を有するセンサカバーと、前記ステムの上端部であって前記センサカバーの上方に挿通される、前記磁性体または前記センサ部材の他方を保持するホルダと、を備え、前記ステムの上端部には、基部よりも小径の第1小径部と、前記第1小径部より小径の第2小径部とが連続して形成され、前記第1小径部は前記センサカバーに挿通され、前記第2小径部は前記ホルダに挿通される。
前記第1小径部と前記第2小径部との間には、それらの径の相違による段部が形成され、前記ホルダの底面は、前記ステムが上方に位置する状態において、前記段部に当接して前記センサカバーと離反し、前記ステムが下方に位置する状態において、前記センサカバーに当接し、前記ステムと離反するものとしてもよい。
前記ボンネットの内壁には、前記円環部の外周に対応する溝が形成されているものとしてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の別の観点に係る流体制御機器は、流体の流路中に配置され、内部動作に関するデータを取得可能な流体制御機器であって、アクチュエータ構造と、前記アクチュエータ構造の上下動に応じて中央部が変位するダイヤフラムと、前記流路が連通する箇所の周縁に設けられ、前記ダイヤフラムが当接離反することによって、前記流路中の流体の流通および遮断が切り替わるシートと、を備え、前記アクチュエータ構造は、上述のいずれかに記載のアクチュエータ構造である。
本発明に係るアクチュエータ構造によれば、バルブリフトの器差によらず、正確に内部動作を取得することができる。
本発明の実施形態に係る流体制御機器を示す概略縦断面図である。 本実施形態に係るアクチュエータ構造を示す概略斜視図である。 本実施形態に係るアクチュエータ構造の内部構造を示す概略縦断面図であって、(a)開状態、(b)閉状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係るアクチュエータ構造および流体制御機器について、図を参照して説明する。各図において、流路方向をy方向、流路方向に直交する方向、すなわち流体制御機器Vの幅方向をx方向、鉛直方向をz方向とする。
本実施形態に係る流体制御機器Vは、流体制御機器Vの内部動作を検出するセンサを内蔵し、他の端末等と有線による通信を実行するエア作動式のダイレクトダイヤフラムバルブである。
なお、ここにいう他の端末には、サーバ等の所謂コンピュータのほか、他の流体制御機器や流量制御装置などの機器や装置が含まれる。
図1~図3に示されるように、本実施形態に係る流体制御機器Vは内部動作に関するデータを取得可能な機器である。
流体制御機器Vは、主として、アクチュエータDと、アクチュエータ構造Aと、ダイヤフラム54と、バルブボディ50を有し、アクチュエータDはアクチュエータ構造Aの上部に連結される。また、アクチュエータ構造Aの下部はバルブボディ50に連結されている。また、アクチュエータ構造Aの下方にはダイヤフラム54が配設され、アクチュエータ構造Aに含まれるステム2がダイヤフラム54に当接している。
バルブボディ50は、複数の流路が形成されたブロック状の部材であり、少なくともアクチュエータ構造Aが配設される流路の上流側の流入路、および当該流路の下流側の流出路を画定している。バルブボディ50の底面は、複数の流体制御機器Vによってユニット化された流体制御装置を構成する場合には、基板あるいはマニホールドブロック上に固定される。各流路の底面における開口の周囲には、シール部材を保持する凹状の保持部が形成されている。また、各流路は、底面とは反対側の開口に通じる弁室で互いに連通している。なお、バルブボディ50は、本実施形態においては二方弁のバルブを実現するものとなっているが、三方弁であってもよい。また、複数の流路は、いずれが流入路又は流出路であってもよい。
また、流入路と弁室が連通する箇所の周縁には、環状のシート53が設けられている。シート53上には、シート53に当接離反することによって流入路と流出路間で流体を流通させたり、流通を遮断させたりするダイヤフラム54が設けられている。
ダイヤフラム54は、ステンレス、Ni-Co系合金等の金属やフッ素系樹脂からなると共に、中心部が凸状に膨出した球殻状の部材であり、流路とアクチュエータが動作する空間とを隔離している。このダイヤフラム54は、アクチュエータ構造Aの上下動に応じて中央部が変位する。ダイヤフラム54は、駆動圧としての駆動流体の供給がされていない状態ではダイヤフラム54がダイヤフラム押え55により押圧されて弾性変形し、ダイヤフラム54がシート53と当接し流路が遮断された状態となる。駆動圧としてのエアが供給されてダイヤフラム押え55による押圧から開放されるにつれ、自身の復元力や流路内の圧力によってシート53から離反する方向に変位してシート53から離反し、流路が開放された状態となる。
アクチュエータ構造Aは、主として、ボンネット1、ステム2、センサカバー3、ホルダ4、およびプッシュロッド5を備える。
●ボンネット1
図2に示すように、ボンネット1は、アクチュエータ構造A内の動作を検出するための一又は複数のセンサ、例えば磁気センサMが取り付けられ、バルブボディ50と連結されるとともに、ダイヤフラム54をバルブボディ50に固定する部材である。
ボンネット1は、略円筒状からなる。ボンネット1の長手方向(+z方向)上部には、内側にネジ部11が形成されており、アクチュエータDのケーシングが螺入される。アクチュエータDは、例えば、圧縮エアで駆動させるピストン等とすることができるが、その他、手動、圧電アクチュエータ、ソレノイドアクチュエータ等種々のアクチュエータを採用することができる。ボンネット1の長手方向(-z方向)下部には、外側にネジ部12が形成されており、バルブボディ50と螺合する。
図2に示すように、ボンネット1の長手方向(z方向)中央部、すなわちネジ部11、12を除く部分の少なくとも一部は、円筒面の一部が平面状に切り欠かれ、平面13が形成されている。平面13には、センサ取付部14、および開口部15が形成されている。
センサ取付部14は、ボンネット1を貫通する孔であり、センサカバー3が篏合される。センサカバー3の後述するセンサ部材保持部32は、組立状態において、センサ取付部14に沿ってyz平面に配設されるようになっている。言い換えれば、センサ部材保持部32は平面13に沿って配設されている。平面13は、ボンネット1の円筒面からセンサ部材保持部32の半径方向(+x方向)の厚さよりも大きく切り欠かれており、その結果、図3(a)および(b)に示すように、センサ部材保持部32は、ボンネット1の外周面、特にネジ部11の外周面から半径方向に突出しないように構成されている。
このように、センサ取付部14が円筒面を平面状に切り欠かれてなる平面13に形成されている構成によれば、センサカバー3のセンサ部材保持部32をボンネット1の外周面側に配設するにあたって、センサ部材保持部32がボンネット1の半径方向に突出することがない。また、ボンネット1はバルブボディ50に対してねじ込みによって固定されているため、ボンネット1上の磁気センサMの位置は、量産における個体ごとにばらつきが生じ、確定できない。しかしながら、上述の構成によれば、センサ取付部14がどの位置に配置されても、センサ部材保持部32はボンネット1の円筒面より半径方向内側に位置しているから、センサ部材保持部32が流体制御機器Vの幅方向に突出することがない。すなわち、流体制御機器Vの幅方向の厚さを薄く、例えば10mm程度にすることができる。
センサカバー3の後述する円環部31は、組立状態において、センサ取付部14からボンネット1内部に挿通されている。センサ取付部14に連通するボンネット1の内壁には、円環部31の外周に対応する溝14aが形成され、円環部31が挿通される位置をガイドしている。センサ取付部14の外周には、パッキン等のシール材が配設され、センサ取付部14とセンサ部材保持部32とによりボンネット1内部が密封される。
図3に示すように、平面13に沿って、磁気センサMと接続される回路基板6が配設される。センサの取付面がフラットな平面13になっている構成によれば、センサの取付面が円筒面である構成に比べて、センサの回路基板6の反り返りを防止できる。回路基板6は、少なくとも、センサ部材M2および発光素子と電気的に接続され、磁気センサMにより検出された情報を外部に出力する。なお、回路基板6からケーブルが引き出されていてもよいし、これに代えて、又は加えて、無線通信機能を実現する回路を備え、磁気センサMからの検出信号を無線通信により外部に送信してもよい。
開口部15は、圧力センサ又は音響センサ等、別のセンサが取付可能な開口である。
図3に示すように、ボンネット1の-x側には、内部と連通する孔16が形成されている。孔16は、ホルダ4の凹部41と対応する位置に設けられている。孔16にはボルト等の位置決め部材が挿通され、この位置決め部材が当該凹部41に当接することで、ホルダ4の円周方向の位置を規制する。
●ステム2
図2に示すように、ステム2はボンネット1の内部を摺動し、摺動に応じてダイヤフラム54をシート53から当接離間させる略柱状の部材である。
ステム2の下端にはダイヤフラム押え55(図1参照)が設けられている。ダイヤフラム押え55は、下面側が下に膨らんだ凸面となっていて、ダイヤフラム54の上方に設けられている。ダイヤフラム押え55は、ボンネット1により上下動可能に支持されると共に、摺動するステム2に連動してその下面側においてダイヤフラム54の中央部に当接し、ダイヤフラム54の中央部を押圧する。なお、ダイヤフラム押え55が設けられず、ステム2がダイヤフラム押え55と一体となったような形状をしていてもよい。この場合には、ステム2の下端がダイヤフラム54の中央部に当接する。
ステム2の上端部には、基部21よりも小径の第1小径部22と、第1小径部22より小径の第2小径部23とが形成されている。第1小径部22と第2小径部23は、上端に向かってこの順に連続して形成され、第1小径部22と第2小径部23との間には、それらの径の相違による段部24が形成されている。第1小径部22はセンサカバー3の円環部31の貫通孔31aに挿通され、第2小径部23はホルダ4の貫通孔43に挿通されている。
●センサカバー3
センサカバー3は、ステム2の上端部が挿通される円環部31と、ボンネット1に固定されるとともにセンサ部材M2を保持するセンサ部材保持部32と、を有する部材である。円環部31は、z軸方向に貫通孔31aを有する円環状の部材であり、+x側はセンサ部材保持部32と連結している。円環部31の貫通孔31aには、ステム2の第1小径部22が挿通されている。円環部31の厚さは、第1小径部22の長さよりも薄く、ステム2は円環部31の内部を上下動する。
センサ部材保持部32は、yz平面上に広がる平板状の部材である。センサ部材保持部32の下端部は円環部31と連結しており、センサ部材保持部32は円環部31の上方であって、ホルダ4の側方に伸び上がるように配設されている。センサ部材保持部32は、円環部31との連結面とは反対の面、すなわちアクチュエータ構造Aの外側面に、略直方体状に凹んだ凹部32aが形成されている。凹部32aには、センサ部材M2が保持される。
このセンサ部材M2は、例えば略直方体状である。また、センサ部材M2は、ホルダ4に配設された磁性体M1とセンサ部材保持部32を挟んで対向しており、センサ部材M2は、磁性体M1と共に磁気センサMを構成し、磁性体M1との位置関係に応じて、ダイヤフラム54の開閉状態を検出することができる。
なお、磁気センサMは、センサの例であり、別の種類のセンサであってもよい。
●ホルダ4
ホルダ4は、磁気センサMを構成する磁性体M1を保持する円筒状の部材である。ホルダ4は、主として、凹部41、磁性体保持部42、貫通孔43を備える。
凹部41は、-x側に、軸方向に渡って形成される凹みである。凹部41には、ボンネット1の外側から孔16に挿通される位置決め部材が当接し、ホルダ4の円周方向の回転を防止する。
磁性体保持部42は、磁気センサMを構成する磁性体M1が篏合される凹みであり、ホルダ4の軸方向略中央部に形成されている。
貫通孔43は、ホルダ4の略中央において軸方向に貫通する孔である。ホルダ4は、この貫通孔43により、ステム2の上端部であってセンサカバー3の上方に挿通されている。より具体的には、ホルダ4は、ステム2の第2小径部23に挿通されている。貫通孔43の内径は、第2小径部23の直径より大きく、第1小径部22の直径より小さい。すなわち、ホルダ4は、第2小径部23の長さ方向の範囲において上下動する。
●プッシュロッド5
プッシュロッド5は、上端にアクチュエータDからの駆動力を受けるとともに、下端においてステム2の上端に当接し、駆動力をステム2に伝達する円柱状の部材である。プッシュロッド5とホルダ4の間には弾性部材7が介在している。弾性部材7は、ホルダ4を弁座側に押圧し、ステム2の段部又はセンサカバー3に当接させるため、その位置がずれることがない。弾性部材7は、例えばコイルバネ又は皿バネである。また、アクチュエータ構造Aは、プッシュロッド5を有していなくてもよい。この場合には、例えばアクチュエータDの駆動力をステム2が直接受ける構造としてもよい。
●ステム2の移動に伴う内部構造の動き
図3は、本実施形態に係るアクチュエータ構造Aの内部構造を示す概略縦断面図であって、(a)開状態、(b)閉状態を示す図である。すなわち、図3(a)においては、ステム2がアクチュエータDの駆動力から開放され、ダイヤフラム54が自身の復元力や流路内の圧力によってシート53から離反するとともにステム2を上方に押し上げており、流路が連通されている状態である。図3(b)においては、アクチュエータDからの駆動力を受け、ステム2は下方に押し込まれており、流路が遮断されている状態である。
図3(a)に示すように、ステム2が上方に位置する状態において、ホルダ4の底面は、段部24に当接して、上方に押し上げられる。その結果、ホルダ4は、センサカバー3と軸方向に離反している。
図3(b)に示すように、ステム2が下方に位置する状態において、ホルダ4の底面は、センサカバー3の円環部31上面に当接し、ステム2の段部24と離反する。したがって、ホルダ4は、センサカバー3に当接した状態よりも下方へは移動しない。また、ステム2がホルダ4とセンサカバー3が当接した状態より下方へ移動する場合であっても、センサカバー3とホルダ4の位置関係が変わらず、ステム2のみが下方に移動する。また、この位置は、設計上バルブリフトが最小となる位置であり、磁気センサMは、センサカバー3に当接した状態において閉状態を検知するように構成されている。
従来のステムに直接磁性体M1を取り付けた構成においては、ステムの寸法、ストロークすなわちバルブリフト、又は取付誤差等の器差が生じることで、閉状態において磁性体M1がステムと共に下方に移動した結果、磁気センサMの検知範囲を逸脱し、閉状態を正確に検知できないおそれがある。これに対し、上述の構成によれば、ステム2がホルダ4とセンサカバー3が当接した状態より下方へ移動する場合であっても、センサカバー3とホルダ4の位置関係が変わらないため、磁気センサMにおいて確実に開閉状態、特に閉状態を検知することができる。また、ステム2は、ホルダ4とセンサカバー3が当接した状態よりも下方に移動することができるので、確実に流路を遮断することができる。
また、シート53、ダイヤフラム54、および本発明に係るアクチュエータ構造Aを含む流体制御機器Vとして構成した場合においては、シート53の樹脂の厚さの個体差や、シート53の経年劣化によっても、ステム2のバルブリフトの器差が生じたり、経年変化する場合がある。すなわち、従来の構成においては、シート53が経年劣化により摩耗し薄くなると、磁性体がステムと共により下方に移動することとなり、リフト量は大きくなる。その結果、閉状態における磁性体の位置が磁気センサの検知範囲を逸脱し、閉状態を正確に検知できなくなるおそれがある。これに対し、本発明に係る流体制御機器Vによれば、シート53の厚さが様々である場合においても、センサカバー3とホルダ4の位置関係は変わらないため、磁気センサMにおいて確実に開閉状態、特に閉状態を検知することができる。
このような構成からなるアクチュエータ構造Aおよび流体制御機器Vによれば、器差によらず、正確に内部動作を取得することができる。
なお、以上の本実施形態に係る流体制御機器Vでは、磁性体M1からなる磁気センサを備えたが、これに限らず、異なる種類のセンサを備えたものとすることもできる。センサにより検出された各種のデータは、弁の開閉動作、ダイヤフラムの破損等によるリーク、流体制御機器Vの経年劣化や個体差などを把握するための情報となり得る。
V 流体制御機器
A アクチュエータ構造
D アクチュエータ
1 ボンネット
2 ステム
21 基部
22 第1小径部
23 第2小径部
24 段部
3 センサカバー
4 ホルダ
5 プッシュロッド

Claims (4)

  1. 流体の流路中に配置され、内部動作に関するデータを取得可能なアクチュエータ構造であって、
    流路を画定するバルブボディと連結されるボンネットと、
    磁性体と対向して配置され、前記磁性体と共に磁気センサを構成するセンサ部材と、
    前記ボンネットの内部を摺動し、摺動に応じてダイヤフラムを開閉するステムと、
    前記ステムの上端部が挿通される円環部と、前記ボンネットに固定されるとともに前記磁性体または前記センサ部材の一方を保持する保持部と、を有するセンサカバーと、
    前記ステムの上端部であって前記センサカバーの上方に挿通される、前記磁性体または前記センサ部材の他方を保持するホルダと、
    を備え、
    前記ステムの上端部には、基部よりも小径の第1小径部と、前記第1小径部より小径の第2小径部とが連続して形成され、
    前記第1小径部は前記センサカバーに挿通され、
    前記第2小径部は前記ホルダに挿通される、
    アクチュエータ構造。
  2. 前記第1小径部と前記第2小径部との間には、それらの径の相違による段部が形成され、
    前記ホルダの底面は、前記ステムが上方に位置する状態において、前記段部に当接して前記センサカバーと離反し、前記ステムが下方に位置する状態において、前記センサカバーに当接し、前記ステムと離反する、
    請求項1記載のアクチュエータ構造。
  3. 前記ボンネットの内壁には、前記円環部の外周に対応する溝が形成されている、
    請求項1乃至2のいずれかに記載のアクチュエータ構造。
  4. 流体の流路中に配置され、内部動作に関するデータを取得可能な流体制御機器であって、
    アクチュエータ構造と、
    前記アクチュエータ構造の上下動に応じて中央部が変位するダイヤフラムと、
    前記流路が連通する箇所の周縁に設けられ、前記ダイヤフラムが当接離反することによって、前記流路中の流体の流通および遮断が切り替わるシートと、
    を備え、
    前記アクチュエータ構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載のアクチュエータ構造である、
    流体制御機器。
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