JP2023030318A - 筆記具用液体収容部材、筆記具用リフィルおよび筆記具 - Google Patents

筆記具用液体収容部材、筆記具用リフィルおよび筆記具 Download PDF

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Abstract

【課題】脱プラスチックを図りつつ、耐久性および信頼性に優れた筆記具用液体収容部材を提供する。【解決手段】液体収容部材11は、最内層、複数の層で形成された中間層および最外層で構成され、最外層以外の層については、それらの層のうちの少なくとも1つの層を紙基材積層体の層として形成し、その他の層を紙基材の層として形成し、さらに、最外層を紙基材の層として形成することとした。そして、紙基材積層体の層は帯状シートに成形された紙基材積層体をスパイラル状に巻き付けた構造を有し、紙基材の層は帯状シートに成形された紙基材をスパイラル状に巻き付けた構造を有し、最内層および最外層は、帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付けることとした。【選択図】図2

Description

本発明は、紙基材を使用した筆記具用液体収容部材、筆記具用リフィルおよび筆記具に関する。
例えば、ボールペンなどの筆記具用リフィルは、インク収容管の一端部(先端部)に筆記部材であるボールペンチップもしくはボールペンチップを支持する中継部材(継手)を圧入嵌合することにより作製され、ボールペンの軸筒中に収容した状態で使用される。
そして、インク収容管には、成形の容易性とインク量の視認性を確保するために、従来から、例えば、ポリプロピレンなどの透明もしくは半透明のプラスチックが用いられている。
ところで、近年は、海洋に流出するマイクロプラスチックの問題が注目されており、使い捨てを前提としたプラスチックの使用を控えるなど、地球環境問題に対する取り組みの気運が高まっている。
筆記具を構成する各部品についても、脱プラスチックに着目した提案がなされており、特許文献1では、紙を基材として、これにバリア性を有する合成樹脂やアルミニウムなどの金属を積層した複合材を用い、これをスパイラル成形してなる軸筒を備えた筆記具が開示されている。
この筆記具に用いられる軸筒は、耐水性やガスバリア性を向上させるため、軸筒の外面側から、裏面がクラフト紙からなるアルミ箔ラベル紙、ライナー紙を二層重ねた後、さらに内面にポリエチレン層、次いでアルミ蒸着膜を外側に持つポリエステル膜を積層した構造を有している。
この軸筒によると、紙基材を含む複合材を用いることで、耐内容物性を維持しながら低公害化を達成し得る筆記具を提供することができる。
また、下記特許文献2には、ポリプロピレンなどのプラスチックを用いて成形したインク収容管を、紙基材を含むインク収容管に置き換えることによりプラスチックの使用量を低減して、環境への影響を低減させたボールペンのリフィル、が開示されている。具体的には、上記インク収容管は、紙基材の内層と、この内層の外周面に形成された金属層またはシリカ蒸着層である中間層と、の2つの層を有する紙基材積層体、そして、中間層の外周面に形成された紙基材の外層、から構成される少なくとも3層を有し、内層の紙基材の密度が0.8g/cm3以上である。
特開昭62-70097号公報 特開2021-16976号公報
上記したように、紙基材を用いた製品は低公害化に適しており、とりわけパルプまたは紙を含む素材を基材として用いれば、プラスチックの代替材料となり得る環境問題に配慮した製品を提供することができる。
一方で、ボールペンなどの筆記具用リフィルは、インク収容管の先端内部に筆記部材であるボールペンチップもしくはボールペンチップを支持する継手を圧入することにより作製される。そして、継手などをインク収容管の先端内部に圧入する工程では、例えば、図8に示すように、インク収容管の先端を、継手に設けられた係止用の鍔部に当接するまで押し込んでいる。しかしながら、上記プラスチックのインク収容管に代えて、環境問題に配慮した紙基材のインク収容管を採用した場合には、継手などの圧入による内側から外側への圧力により、インク収容管に破れや接着面の剥がれが発生する可能性がある。また、一定の傾斜角度で筆記されることが多いボールペンなどのインク収容管は、曲げやねじれの力に対する寸法変化(変形)や折れなどの問題が起こりやすく、この問題により安定した筆記感覚が得られない可能性がある。すなわち、剛性に優れたプラスチックのインク収容管と比較すると、耐久性および信頼性の面で改善の余地が残る。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、プラスチックを用いて成形していたインクなどの筆記具用液体収容管(インク収容管)を、紙基材を含む筆記具用液体収容管に置き換えることにより脱プラスチックを図りつつ、耐久性および信頼性に優れた筆記具用液体収容部材、筆記具用リフィルおよび筆記具を提供することを目的とする。
本発明にかかる筆記具用液体収容部材は、液体と接触する最内層、少なくとも2層以上で形成された中間層、および最外層で構成され、最外層以外の層については、それらの層のうちの少なくとも1つの層を、紙基材により形成された内層の外表面側に金属層またはシリカ蒸着層を積層させた紙基材積層体の層として形成し、その他の層を紙基材の層として形成し、さらに、最外層を紙基材の層として形成することとした。そして、紙基材積層体の層は帯状シートに成形された紙基材積層体を内層が内側になるようにスパイラル状に巻き付けた構造を、紙基材の層は帯状シートに成形された紙基材をスパイラル状に巻き付けた構造を、それぞれ有し、最内層および最外層については、帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付ける、ことを特徴とする。
特に、上記中間層を2層構造とし、上記最外層以外の層である最内層および中間層については、当該最内層に当該中間層の2層を加えた3層のうちの少なくとも1つの層を、紙基材積層体の層として形成することが望ましい。
本発明によれば、例えば、圧入により液体収容部材の先端部に内側から外側へ圧力(負荷)がかかった場合であっても、接触箇所の重なりによる反発力で容易に破れや接着面の剥がれが発生しない、信頼性および耐久性に優れた液体収容部材を得ることができる。
さらに、本発明にかかる筆記具用液体収容部材は、最内層から最外層までの層間のうちの少なくとも1つの層間に、ポリオレフィン樹脂を含む接着剤の層である接着剤層を設けることとした。これにより、液体収容部材の強度が増すことになるため、液体収容部材の破れや接着面の剥がれの問題に対して一定の効果を得ることができる。
さらに、本発明にかかる筆記具用液体収容部材において、中間層を形成する各層については、帯状シートの周縁部分同士を重ならないように接触させてスパイラル状に巻き付けるか、または、少なくとも1つの層を、上記周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付けることとした。これにより、例えば、重ならないように接触させてスパイラル状に巻き付けた場合には、管厚を抑えることができ、一方、重なるように接触させてスパイラル状に巻き付けた場合には、さらに強度に優れた筆記具用液体収容部材が得られる。
さらに、本発明にかかる筆記具用液体収容部材において、紙基材積層体は、内層と金属層とを、ポリオレフィン樹脂を含む接着剤で接着することとした。これにより、さらに強度に優れた液体収容部材が得られる。
また、本発明にかかる筆記具用液体収容部材は、紙基材積層体および紙基材を4~20mm幅の帯状シートとすることが望ましい。また、本発明にかかる筆記具用液体収容部材は、300m筆記後の全長変化率を0.7%未満とすることが望ましい。さらに、本発明にかかる筆記具用液体収容部材は、60°に傾斜した状態での荷重において、曲げ強さを0.5N以上とすることが望ましい。
また、本発明にかかる筆記具用リフィルは、上記本発明にかかる筆記具用液体収容部材と、この筆記具用液体収容部材の内部に収容された筆記具用インクと、筆記部材と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる筆記具用リフィルは、紙基材積層体の層を形成する金属層またはシリカ蒸着層が露出するまで前記筆記具用液体収容部材の外表面を除去し、当該金属層または当該シリカ蒸着層に情報を表示可能とすることが望ましい。
また、本発明にかかる筆記具は、上記本発明にかかる筆記具用リフィルを軸筒に収容する構成とし、この軸筒はバイオマス由来のポリオレフィンを含むことを特徴とする。
本発明によれば、脱プラスチックを図りつつ、耐久性および信頼性に優れた筆記具用液体収容部材、筆記具用リフィルおよび筆記具を提供することができる。
本発明にかかる筆記具用液体収容部材を含む筆記具用リフィルの構成の一例を示す図である。 図2は、本発明にかかる液体収容部材の層構成の一例を示す図である。 図3は、全長変化の変化量の一例を模式的に示す図である。 図4は、60°に傾斜した状態のリフィルに荷重をかける様子を示す図である。 図5は、露出した金属層またはシリカ蒸着層に文字情報を印字した状態の一例を示す図である。 図6は、筆記具用リフィルを軸筒に収容した筆記具の構成の一例を示す図である。 図7は、比較例1~3における液体収容部材の層構成を示す図である。 図8は、従来のリフィルを示す図である。
以下、本発明にかかる筆記具用液体収容部材、筆記具用リフィルおよび筆記具の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
<筆記具用リフィル>
図1は、本発明にかかる筆記具用液体収容部材を含む筆記具用リフィルの構成の一例を示す図であり、図1(a)は筆記具用リフィルの外観の正面図を示し、図1(b)は筆記具用リフィルのA-A´矢視断面図を示す。
図1において、例えば、ボールペンの軸筒に収容される筆記具用リフィル10(以下、単に「リフィル10」ともいう。)は、紙を基材としかつ図示しないインクを収容する長細な円筒形状のインク収容管である筆記具用液体収容部材11(以下、単に「液体収容部材11」ともいう。)と、この液体収容部材11の先端に装着された継手12と、筆記部材として継手12の先端に装着されたボールペンチップ13とを備えている。
具体的にいうと、継手12には、液体収容部材11と接合する円筒形状の後端部分と、この後端部分よりも外径が小さい円筒形状の先端部分、が形成され、この先端部分にボールペンチップ13が取り付けられている。また、継手12の後端部分には液体収容部材11との接合部分に一定の接合強度を持たせるために予め接着剤を塗布しておき、この状態で、液体収容部材11の先端を継手12の後端部分に圧入することによって、継手12と液体収容部材11とを接合する。これにより、液体収容部材11とボールペンチップ13が、継手12を介してインクを流通可能に接続される。
また、上記ボールペンチップ13は、内部にスプリング13aを収容し、このスプリング13aは、ボールペンチップ13先端の筆記ボール13bを前方に押圧する。これにより、未使用時におけるインク漏出を防ぐ構造となっている。
なお、本実施形態のリフィル10の構成については、一例であり、上記に限るものではない。例えば、液体収容部材11とボールペンチップ13がインクを流通可能に接続されていれば、継手12の構造や形状が図1に示す構造や形状と違っていてもよく、また、継手を不要とし、液体収容部材11とボールペンチップ13が直接接続される構成であってもよい。
<ボールペンチップの詳細>
上記構造を有するボールペンチップ13は、詳細には、上記筆記ボール13bと、この筆記ボール13bを先端に抱持するホルダー13cと、このホルダー13cの内部に装着され筆記ボール13bを前方に付勢する弾発部材であるスプリング13aと、を備える。このホルダー13cは、ビッカース硬度が200以上450以下のビスマス含有のフェライト系ステンレス製であって、ホルダー13cの後端側の部分は円筒形状を呈する筒状部13c1であるとともに、ホルダー13cの先端側の部分は円錐台形状を呈するテーパー部13c2である。また、ホルダー13cの内周には、テーパー部13c2の内部空間であるボールハウス13c3と、ホルダー13cの後端からボールハウス13c3の近傍まで達する孔であるバック孔13c4と、ボールハウス13c3とバック孔13c4との間を貫通する断面円形の孔であるインク孔13c5と、が備えられている。
ボールペンチップ13で使用できる筆記ボール13bとしては、タングステンカーバイドを主成分として、結合相にコバルトやニッケル、クロムなどを使用した超硬合金や、炭化ケイ素やジルコニア、アルミナなどを主成分としたセラミックス焼結体などが使用される。ボールの直径は、従来公知の0.1mm以上2.1mm未満のものを用いればよい。
ボールペンチップ13で使用できる筆記ボール13bを保持するホルダー13cの材料として、ビスマス(Bi)を含むフェライト系ステンレス材が使用されている。ビスマスは、快削性を得る目的で一般的に使用される添加剤である鉛(Pb)と同様の性質を有するものの、イオン化傾向が鉛よりも低い物質である。そのため、鉛よりもインクに溶出しにくい。また、有害な鉛と異なり無害であり、環境への影響がない物質である。また、ホルダー材料のビッカース硬度は、200以上450以下が望ましい。ビッカース硬度が200を下回る場合、筆記時における筆記ボールの回転に伴い接触部であるボール受座が著しく削れてしまい長く筆記し続けることが困難である。また、ビッカース硬度が450を越える場合、先端部分が内側に縮径された先端部の形成が困難となる。なお、ビッカース硬度の測定箇所はホルダーの外面から0.2mmの中心側に向けた内部の位置とし、その他の測定方法については、JIS Z2244に準拠する。
<液体収容部材の構成>
本実施形態にかかる液体収容部材11は、液体と接触する最内層である第1層、中間層である第2層および第3層、最外層である第4層、で構成され、各層間(第1層と第2層の間、第2層と第3層の間、第3層と第4層の間)のうちの少なくとも1つにポリオレフィン樹脂を含む接着剤の層21(以下、単に「接着剤層21」という。)を設ける。なお、図1(b)では、一例として、すべての層間に接着剤層21が設けられている場合が示されている。
図2は、本発明にかかる液体収容部材の層構成の一例を示す図である。上記のとおり、本実施形態の液体収容部材11は、第1層~第4層の4層で構成され、例えば、最外層である第4層は紙基材の層として形成される。また、最内層および中間層である第1層~第3層については、これらの層のうちの少なくともいずれか1つの層が、紙基材の層として形成された内層の外表面側に金属層またはシリカ蒸着層を積層させた複合材として構成された紙基材積層体である。すなわち、第1層~第3層のうちのいずれか1つの層が紙基材積層体の場合、残りの2つの層は紙基材の層として形成される。また、第1層~第3層のうちのいずれか2つの層が紙基材積層体の場合、残りの1つの層は紙基材の層として形成される。また、第1層~第3層のすべてが紙基材積層体であってもよい。なお、図示はしないが、紙基材積層体の層間(内層と金属層の間)には接着剤層21が介在することとしてもよい。
また、本実施形態において、第1層~第3層(最内層および中間層)については、帯状のシートに成形された上記紙基材積層体を内層が内側になるようにスパイラル状に巻き付けた構造または帯状のシートに成形された上記紙基材をスパイラル状に巻き付けた構造を有し、第4層については、帯状のシートに成形された上記紙基材をスパイラル状に巻き付けた構造を有する。このとき、最内層である第1層および最外層である第4層については、帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付ける。接触箇所の重なり幅は、最大1mmとすることが好ましく、0.1mm~1mmとすることがより好ましく、0.2mm~0.8mmとすることが最も好ましい。重なり幅を最大1mmとすることで、接触箇所(継ぎ目)からの液体の漏出を抑えることができる。さらに、圧入により液体収容部材11の先端部に内側から外側へ圧力(負荷)がかかった場合であっても、接触箇所の重なりによる反発力で容易に破れや接着面の剥がれが発生しない、信頼性および耐久性に優れた液体収容部材11を得ることができる。なお、重なり幅が1mmを超えるとその重なり部分に段差が生じ、液体の漏出に繋がることがある。
一方、中間層である第2層および第3層については、例えば、帯状シートの周縁部分同士を重ならないように接触させてスパイラル状に巻き付ける(図2(a)参照)。これにより、管厚を抑えることができる。なお、中間層の巻き方については、特に限定するものではない。例えば、第2層および第3層のうちの少なくともいずれか一方を、帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付けることとしてもよい。また、このときの接触箇所の重なり幅は、上記第1層および第4層と同様である。図2(b)の例では、第2層および第3層の両方を、帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付けている。帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付ける層を増やすことによって、さらに反発力が強化され、より信頼性および耐久性に優れた液体収容部材11を得ることができる。
また、本実施の形態においては、隣接する層間における継ぎ目(接触箇所)の間隔を規定する。例えば、隣接する層間の継ぎ目(第1層の継ぎ目と第2層の継ぎ目、第2層の継ぎ目と第3層の継ぎ目、…など)の間隔は、液体収容部材11の長手方向に沿って1mm以上かつシート幅の2分の1以下であることが好ましく、3mm以上かつシート幅の2分の1以下であることがより好ましい。
なお、本実施形態においては、一例として、中間層を2層構造(第2層、第3層)としたが、これに限るものではない。中間層の層数については、例えば、筆記具の使用条件や製品仕様(材料、寸法など)に応じて、3層以上であってもよい。なお、中間層が3層以上、すなわち、中間層が3層構造、4層構造、…、の場合には、それに伴って、最外層が第5層、第6層、…、となる。この場合、最外層以外の層(最内層および中間層)については、上記同様、それらの層のうちの少なくとも1つの層が、紙基材積層体の層を形成する。
<紙基材および紙基材積層体>
上記紙基材(上記第1層~第4層で使用する紙基材(上記紙基材積層体の内層を含む))としては、上質紙、中質紙、片艶紙、クラフト紙、片艶クラフト紙、晒クラフト紙、板紙、白板紙、ライナー、微塗工紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラシン紙、パーチメント紙、およびバルカナイズドファイバーなどの各種公知のものが使用可能である。これらの紙基材の密度は0.8g/cm3以上であることが好ましい。密度0.8g/cm3以上の紙基材を使用することにより、充分な耐水性や耐油性を付与することができる。また、上記紙基材としては、グラシン紙、パーチメント紙またはバルカナイズドファイバーで、かつ密度0.8g/cm3以上であるものがより好ましい。
グラシン紙は、高密度で透明性の高い紙であり、バージンパルプを高度に叩解して比表面積を大きくして抄紙し、抄紙した紙をスーパーキャレンダーで処理し、緻密化するとともにセルロース繊維同士の結合を強化したものである。本実施形態では、坪量が20~50g/m2のグラシン紙が用いられる。グラシン紙を紙基材として用いることにより、耐水性や耐油性を付与することが容易となる。また、坪量が20~50g/m2のグラシン紙を基紙としてその片面または両面に、ポリビニルアルコール水溶液などの塗工液を塗工したものを用いてもよい。グラシン紙の厚さは、通常20~50μm、好ましくは20~30μmである。
パーチメント紙およびバルカナイズドファイバーは、製造過程における濃硫酸や塩化亜鉛溶液による処理によって、セルロース繊維同士の直接的な結合を強化したもの、すなわち、セルロース繊維の間のセルロースの水素結合の密度を増加したものである。したがって、パーチメント紙およびバルカナイズドファイバーを紙基材として用いれば、紙粉の発生を効果的に抑えることができる。
パーチメント紙には、例えば、坪量が20~100g/m2のものを用い、好ましくは、紙および板紙の吸水度試験方法(コッブ法)に準拠して水に替えて鉱物油を使用した場合の吸油度が13g/m2以下となるように耐油性を高めたものを用いる。パーチメント紙の厚さは、通常20~100μm、好ましくは20~60μmである。
バルカナイズドファイバーは、製造過程における反応性の違いから、パーチメント紙に比べて厚手にすることが容易である。したがって、紙基材として厚紙が必要な場合に適している。バルカナイズドファイバーの厚さは、液体収容部材11を作製した後の紙管部分の圧縮強度や、作製時の扱い易さを考慮すると、通常0.08~1mm、好ましくは0.1~0.5mmである。また、バルカナイズドファイバーの密度は、一般的な紙管原紙に比べて高く、通常0.8~1.4g/cm3であり、本実施形態において、紙管部分の強度や入手しやすさを考慮すると、0.8~1.3g/cm3が好ましい。
また、パーチメント紙およびバルカナイズドファイバーには、樹脂含浸処理またはガラスコーティング処理を施してもよい。この処理を施すことによって、セルロース繊維同士の結合がより強化され、これらの紙を紙基材として用いた場合にも、紙粉の発生を抑えることができる。
上記紙基材積層体は、紙基材の層として形成された内層の外表面側に金属層またはシリカ蒸着層を積層させた複合材である。この紙基材積層体を構成する金属層は、ポリオレフィン樹脂を含む接着剤を用いて紙基材の片面にアルミニウム箔などの金属箔を接着することとしてもよいし、アルミニウム、またはアルミニウムおよび亜鉛の合金などを真空下に電子ビーム蒸着して設けることとしてもよい。
<接着剤>
ここで、上記接着剤層21において使用するポリオレフィン樹脂を含む接着剤について説明する。ポリオレフィン樹脂を含む接着剤は、一種または二種以上のポリオレフィン樹脂からなる接着剤であってもよいし、このポリオレフィン樹脂とその他の樹脂とを混合した接着剤であってもよい。
ポリオレフィン樹脂は、具体的には、ポリエチレン系アイオノマー、ポリプロピレンアイオノマー、ポリプロピレンエラストマー、ポリエチレンエラストマー、高密度ポリエチレンおよび低密度ポリエチレンなどの他に、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどの変性ポリオレフィン樹脂も含む。これらのうち、ポリプロピレンアイオノマーおよび無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどが好ましい。
その他の樹脂としては、具体的には、アクリル酸共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エポキシ樹脂、カルボジイミド架橋剤、エチレン・酢酸ビニル共重合体またはポリビニルアルコールなどが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂とその他の樹脂とを混合する場合、接着剤全量中、ポリオレフィン樹脂の割合は60~97重量%程度、好ましくは90~97重量%である。また、ポリオレフィン樹脂とその他の樹脂とを合計した場合、ポリオレフィン樹脂の割合は68~98重量%程度、好ましくは93~98重量%である。
本実施形態のポリオレフィン樹脂を含む接着剤は、ポリオレフィン樹脂、またはポリオレフィン樹脂およびその他の樹脂の混合物をベースポリマーとする、ディスパージョン型またはエマルション型の樹脂液の形態で使用される。この樹脂液には、必要に応じて、シランカップリング剤などの添加剤を添加してもよい。これらのうち、接着性および取扱い性に優れる点から、ポリプロピレンアイオノマーおよび無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどのディスパージョン型接着剤が好ましい。
上述したポリオレフィン樹脂を含む接着剤は、液体収容部材11における第1層と第2層の間、第2層と第3層の間、第3層と第4層の間、のうちの少なくともいずれか1つに塗布される。すなわち、第1層と第2層の間、第2層と第3層の間、第3層と第4層の間のいずれか1つに接着剤層21を設けることとしてもよいし、これらのうちのいずれか2つに接着剤層21を設けることとしてもよいし、これらすべての層間に接着剤層21を設けることとしてもよい。また、紙基材積層体を構成する各層の間(内層と金属層の間)に接着剤層21を設けることとしてもよい。紙材に対して優れた接着力およびインク耐性を有するポリオレフィン樹脂を含む接着剤を塗布することにより、層間が密着し、液体収容部材11の外部にインクが漏出する不具合を効果的に防止することができる。ここで、インク耐性とは、インクへの接着剤樹脂成分の溶出を抑制できる程度を表すものである。インク耐性が不十分であると、リフィルの強度低下や揮発減量の増加が起こり、さらには、インク漏れによるリフィルの外観不良が発生する場合もある。ポリオレフィン樹脂を含む接着剤を使用した場合、インクとの相溶性が低いため、インク中にポリオレフィン樹脂が溶け出すことがなく、これらのインク耐性への効果に期待することができる。
また、第1層~第4層の各層間、および紙基材積層体を構成する各層の間(内層と金属層の間)に上記の効果を有するポリオレフィン樹脂を含む接着剤を塗布することにより、液体収容部材11の強度が増すため、液体収容部材11の破れや接着面の剥がれの問題に対して一定の効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、液体収容部材11における第1層と第2層の間、第2層と第3層の間、第3層と第4層の間、のうちの少なくとも1つを、ポリオレフィン樹脂を含む接着剤で貼り合わせればよく、ポリオレフィン樹脂を含む接着剤を塗布しない層間については、その他の接着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂系、アクリル樹脂系またはポリビニルアルコールなどの汎用接着剤を併用することとしてもよい。
<作製方法>
つづいて、液体収容部材11の作製方法について説明する。なお、本実施形態では、一例として、第1層(最内層)を紙基材積層体により形成し、第2層から第4層を紙基材の層として形成する場合について説明する。また、紙基材積層体については、一例として、紙基材の層として形成された内層の外表面側に金属層を積層することとした。また、本実施形態においては、第1層および第4層については帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させて、第2層および第3層については上記周縁部分同士を重ならないように接触させて、それぞれスパイラル状に巻き付けることとした。
上記前提に従い、例えば、最内層を形成する場合、まず、ポリオレフィン樹脂を含む接着剤を、紙基材積層体を構成する内層または金属層の中央付近に盛り上げるように塗布する。つぎに、内層と金属層とを押し付けながら接着剤を接着面全面に広げて、接着部分に気泡を残さないように、かつ接着欠陥部分がないように、両層を接着する。そして、内層と金属層を貼り合わせた後、接着剤が硬化するまで加圧固定する。これにより、複合材として構成された紙基材積層体を得る。なお、内層または金属層に対して塗布するポリオレフィン樹脂を含む接着剤の量は、5~50g/m2とし、好ましくは5~25g/m2とする。
また、紙基材積層体は、同厚の紙基材および金属層(またはシリカ蒸着層)を用いて形成することとしてもよいし、異厚の紙基材および金属層(またはシリカ蒸着層)を適宜組み合わせて形成することとしてもよい。紙基材積層体において、紙基材の厚さと金属層(またはシリカ蒸着層)の厚さの割合は、2/1~1200/1程度が好ましい。
つぎに、上記複合材として構成された紙基材積層体をボビンスリッターなどで4~20mmの幅に裁断することにより、帯状のシートに成形された紙基材積層体が得られる。
つぎに、得られた紙基材積層体を、液体収容部材11加工用のマンドレル(紙管製造機)に内層が内側になるように、スパイラル状に巻き付ける。この際、第1層を形成する紙基材積層体については、帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付ける。
以上の工程により、第1層(内最層)が形成される。なお、マンドレルには、第1層(最内層)から第4層(最外層)を形成した後にマンドレルの引き抜きを容易にするため、予め適正な潤滑剤で表面を処理しておくか、または内層のマンドレルに巻き付ける側の面に適量の潤滑剤を塗布しておくこと、が好ましい。
また、上記紙基材積層体は、4~20mm幅に裁断された帯状シートであることが好ましく、5~15mm幅に裁断された帯状シートであることがより好ましい。このような幅広の紙基材積層体を用いてスパイラル状に巻き付けることにより、数多く巻かなくても、必要とされる液体収容部材11の長さに到達でき、結果として、紙基材積層体同士の接触箇所、すなわち、継ぎ目の数を少なくすることができ、液体収容部材11内に収容された液体の漏出を抑えることができる。
つぎに、第1層の外表面側には、さらに帯状のシートに成形された紙基材をスパイラル状に巻き付けて第2層を形成する。この際、第2層を形成する紙基材については、帯状シートの周縁部分同士を重ならないように接触させてスパイラル状に巻き付ける。第2層については、4~20mm幅の紙基材を用いて形成することが好ましく、6~15mm幅の紙基材を用いて形成することがより好ましい。上記紙基材積層体と同様、継ぎ目の数を少なくすることにより、液体収容部材11内の液体の漏出を防止できるからである。また、第2層を形成する紙基材には、上記紙基材積層体の内層を形成する紙基材が使用可能である。また、第1層の外表面側の金属層にポリオレフィン樹脂を含む接着剤を塗布し、この金属層に第2層を接着することとしてもよい。なお、ここで使用するポリオレフィン樹脂を含む接着剤の量は、紙基材積層体の内層または金属層に対する塗布量と同程度である。
つぎに、第2層の外表面側には、さらに帯状のシートに成形された紙基材をスパイラル状に巻き付けて第3層を形成する。この際、第3層を形成する紙基材についても、第2層と同様に、帯状シートの周縁部分同士を重ならないように接触させてスパイラル状に巻き付ける。また、第3層についても、第2層と同様に、4~20mm幅の紙基材を用いて形成することが好ましく、6~15mm幅の紙基材を用いて形成することがより好ましい。上記同様、継ぎ目の数を少なくすることにより、液体収容部材11内の液体の漏出を防止できるからである。また、第3層を形成する紙基材には、上記紙基材積層体の内層および第2層を形成する紙基材が使用可能である。また、第2層の外表面側にポリオレフィン樹脂を含む接着剤を塗布し、この接着剤塗布面に第3層の紙基材を接着することとしてもよい。なお、ここで使用するポリオレフィン樹脂を含む接着剤の量は、紙基材積層体の内層または金属層に対する塗布量と同程度である。
最後に、第3層の外表面側には、さらに帯状のシートに成形された紙基材をスパイラル状に巻き付けて第4層(最外層)を形成する。この際、最外層を形成する紙基材については、帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付ける。また、最外層についても、第3層と同様に、4~20mm幅の紙基材を用いて形成することが好ましく、6~15mm幅の紙基材を用いて形成することがより好ましい。上記同様、継ぎ目の数を少なくすることにより、液体収容部材11内の液体の漏出を防止できるからである。また、最外層を形成する紙基材には、上記紙基材積層体の内層、第2層および第3層を形成する紙基材が使用可能である。また、第3層の外表面側にポリオレフィン樹脂を含む接着剤を塗布し、この接着剤塗布面に最外層の紙基材を接着することとしてもよい。なお、ここで使用するポリオレフィン樹脂を含む接着剤の量は、紙基材積層体の内層または金属層に対する塗布量と同程度である。
そして、第1層、第2層、第3層および第4層を形成後、マンドレルを引き抜き、筒状の成形体を液体収容部材11に必要な所定の長さに切断し、適度な温度および湿度の下、数時間乾燥することにより、所望の液体収容部材11を得る。なお、本実施形態においては、説明の便宜上、第2層および第3層については周縁部分同士を重ならないように接触させてスパイラル状に巻き付けることとしたが、これに限るものではなく、第2層および第3層については、第1層および第4層と同様に、周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付けることも可能である。また、本実施の形態においては、第2層および第3層を紙基材の層として形成することとしたが、これに限るものではなく、第1層と同様に紙基材積層体により形成することとしてもよい。
上記のように作製された液体収容部材11の外径は、通常20mm以下、好ましくは15mm以下、さらに好ましくは10mm以下であり、この外径の下限は、通常1mm以上、好ましくは2mm以上である。
また、液体収容部材11の管厚は、通常0.07~0.6mm、具体的には0.2~0.4mmである。液体収容部材11の管厚を上記範囲とすることにより、充分な量の液体を収容できるとともに、バリア性が向上し、液体の漏れや劣化を抑制することが容易となる。
また、液体収容部材11は、インク充填後(所謂初期)から300m筆記後の全長変化率が、0.7%未満で減少することが好ましい。全長変化とは、筆記により絶えずインク収容管11にかかるクリープ応力によって、液体収容部材11が曲げなどによる変形で軸線方向への全長が短くなることをいう。図3は、初期長さに対する全長変化の変化量の一例を模式的に示す図であり、筆記具用リフィルの筆記前の状態と筆記後の状態が示されている。全長変化率(%)は、以下の(1)式で表すことができる。

全長変化率 = (変化量/初期長さ) × 100(%) …(1)

全長変化率が0.7%以上であると、特にインクが無くなる前の筆記感に影響を及ぼす可能性がある。本実施形態の構成で作製された液体収容部材11は、上記のとおり優れた信頼性および耐久性を有するため、全長変化率0.7%未満を実現することが可能である。
また、リフィル10を60°に傾斜した状態で使用する場合、すなわち、60°に傾斜した状態のリフィル10に荷重をかける場合において、液体収容部材11の曲げ強さは0.5N以上であることが好ましい。図4は、60°に傾斜した状態のリフィル10に荷重をかける様子を示す図である。液体収容部材11の曲げ強さが0.5N未満の場合は、筆記において容易に座屈する可能性がある。本実施形態の構成で作製された液体収容部材11は、上記のとおり優れた信頼性および耐久性を有するため、曲げ強さ0.5N以上を実現することが可能である。
また、液体収容部材11は、外径と内径の差を0.3mm以上とすることが好ましい。
また、本実施形態においては、レーザーなどを使用して、金属層またはシリカ蒸着層が露出するまで、リフィル10における液体収容部材11の外表面を除去する。これにより、液体収容部材11の外表面と金属層またはシリカ蒸着層との視認差により、例えば、品名やロット番号などの文字情報を付加(印字)することができる。図5は、露出した金属層またはシリカ蒸着層に文字情報を印字した状態の一例を示す図である。図5においては、一例として、第3層を形成する紙基材積層体の金属層またはシリカ蒸着層の表面に、文字情報“20210822”が印字されている。
<効果>
以上のように、本実施の形態の液体収容部材11においては、液体と接触する最内層である第1層、中間層である第2層および第3層、最外層である第4層、で構成され、第1層、第2層および第3層については、これらの層のうちの少なくとも1つの層を、紙基材により形成された内層の外表面側に金属層またはシリカ蒸着層を積層させた紙基材積層体の層として形成し、その他の層を紙基材の層として形成し、さらに、第4層を紙基材の層として形成することとした。また、紙基材積層体の層は帯状シートに成形された紙基材積層体を内層が内側になるようにスパイラル状に巻き付けた構造を、紙基材の層は帯状シートに成形された紙基材をスパイラル状に巻き付けた構造を、それぞれ有し、第1層および第4層については、帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付けることとした。これにより、圧入により液体収容部材11の先端部に内側から外側へ圧力(負荷)がかかった場合であっても、接触箇所の重なりによる反発力で容易に破れや接着面の剥がれが発生しない、信頼性および耐久性に優れた液体収容部材11を得ることができる。
なお、本実施形態の液体収容部材11を含むリフィル10については、特に制限はないが、以下のインクを用いることが好適である。
<インク>
本実施形態の液体収容部材11内に収容されるインクとして好適なものは、黒色着色成分と、少なくともC.I.Acid Yellow 36、C.I.Acid Yellow 23、C.I.Acid Yellow 36またはC.I.Acid Yellow 23を構成要素とする造塩染料から選ばれる1種もしくは2種以上の混合物と、両性界面活性剤と、亜鉛イオンとを少なくとも含有するインク組成物を第1の要旨とし、黒色着色成分と、少なくともC.I.Acid Yellow 36、C.I.Acid Yellow 23、C.I.Acid Yellow 36またはC.I.Acid Yellow 23を構成要素とする造塩染料から選ばれる1種もしくは2種以上の混合物と、両性界面活性剤とを少なくとも含有する黒色インク組成物を内蔵している。
両性界面活性剤のプラスチャージ部には酸性染料が結合し、さらにマイナスチャージ部には亜鉛イオンが結合反応を起こして黒色を呈する着色剤としてインク中に溶解するので、黒色度の高い筆跡を形成することができる。
両性界面活性剤は、プラスチャージ部でインク組成物中の酸性染料と結合し、マイナスチャージ部では亜鉛イオンと結合反応させるために用いられる。
両性界面活性剤として、ベタイン型両性界面活性剤やイミダゾリン型両性界面活性剤などが挙げられる。具体的には、NIKKOL AM 301(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、日光ケミカルズ(株)製)、同3130N(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、日光ケミカルズ(株)製)、同101(2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、日光ケミカルズ(株)製)、アモーゲン SH(ラウリルベタイン、第一工業製薬(株)製)、アデカアンホートPB―30L(ラウリルアミドプロピル酢酸ベタイン、(株)アデカ製)、同AB―35L(ラウリルアミノ酢酸ベタイン、(株)アデカ製)などのベタイン型両性界面活性剤や、アモーゲン K(アルキルアミンカルボン酸誘導体、第一工業製薬(株)製)、同AOL(ラウリルジメチルアミノオキシド、第一工業製薬(株)製)などのイミダゾリン型両性界面活性剤などが使用できる。特に、ベタイン型両性界面活性剤であるNIKKOL AM 3130N(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、日光ケミカルズ(株)製)は、酸性染料が、この両性界面活性剤と結合し、さらに亜鉛イオンと結合反応することで、黒色を呈するため、黒色度の高い筆跡を得られるので好ましい。これら両性界面活性剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用してもよい。両性界面活性剤の配合量は、インク組成物全量に対し、0.005重量%以上10.0重量%以下が好ましい。
酸性染料は、C.I.Acid Yellow 36および/まはたC.I.Acid Yellow 23を少なくとも含有していればよく、特に限定されない。また、黒色着色成分として、C.I.Acid Yellow 36および/またはC.I.Acid Yellow 23と塩基性染料との造塩染料を用いる場合は、造塩反応の未反応物質であってもよい。
亜鉛イオンは、インク組成物に亜鉛を含有する化合物を配合させ電離した亜鉛イオンでもよいし、またインク組成物と接触する金属部材が亜鉛または亜鉛含有合金であり、この金属部材から溶出した亜鉛イオンでもよい。
亜鉛を含有する化合物としては、塩化亜鉛、酸化亜鉛、シュウ酸亜鉛、酢酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、ギ酸亜鉛、乳酸亜鉛、リン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硫化亜鉛などが挙げられる。亜鉛を含有する化合物の配合量は、インク組成物全量に対し、0.005重量%以上10.0重量%が好ましい。
インク組成物と接触する金属部材としては、ボールペンチップで使用されるボールホルダーが挙げられる。金属部材の材質としては、亜鉛を含有していればよく、特に限定されない。具体的には、丹銅、黄銅、雷管用銅などの銅-亜鉛合金、快削黄銅、ニップル用黄銅などの銅-亜鉛-鉛合金、ネーバル黄銅、復水器黄銅などの銅-亜鉛-スズ合金、洋白、白銅、バネ用洋白、鍛造用洋白などの銅-亜鉛-ニッケル合金、快削洋白などの銅-亜鉛-ニッケル-鉛合金、楽器弁用黄銅などの銅-亜鉛-鉛-マンガン-スズ合金、バネ用リン青銅などの銅-スズ-リン-亜鉛合金、高力黄銅などの銅-亜鉛-アルミニウム-鉄-マンガン-ニッケル合金、アルミニウム-亜鉛合金などが挙げられる。特に、洋白は、加工性に優れ外観色も綺麗なので好ましい。
黒色着色成分は、従来公知の酸性染料、塩基性染料、造塩染料などが挙げられる。特に酸性染料と塩基性染料との造塩染料が好ましい。
具体的には、C.I.Acid Yellow 36とC.I.Basic Violet3との造塩染料、C.I.Acid Yellow 23とC.I.Basic Violet3との造塩染料、C.I.Acid Yellow 23とC.I.Basic Violet1との造塩染料などが使用できる。
黒色着色成分のインク組成物中における配合量は、インク組成物全量に対し、10重量%以上50重量%以下が好ましい。
その他、本実施形態のインク組成物には、顔料、有機溶剤、樹脂などを適宜配合してもよい。
顔料としては、カーボンブラック、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、ペリノン、ペリレン系顔料などの有機顔料などが挙げられる。これらの顔料は、単独で用いてもよいし、2種以上組合せてもよい。
有機溶剤としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールターシャリブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、3-メチル-3-メトキシ-1-ブチルアセテートなどのグリコールエーテル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、3-メチル-1,3ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオールなどのグリコール類、ベンジルアルコール、β-フェニルエチルアルコール、α-メチルベンジルアルコール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メチル-3-メトキシ-1-ブタノール、3-メチル-3-メトキシペンタノール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコールなどのアルコール類、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2-エチルヘキシルエーテルなどのエーテル類、酢酸-2-エチルヘキシル、イソ酪酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組合せてもよい。これらの有機溶剤の配合量は、インク全量に対し、10重量%以上90重量%以下が好ましい。
樹脂は、顔料などの分散、糸曳き性付与、筆跡の裏写り防止、粘度調整、染料の溶解促進のために添加するものであり、エステルガム、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル系樹脂、メラミン系樹脂、セルロース系樹脂、シクロヘキサノン、アセトフェノン、尿素などのケトンとホルムアルデヒドとの縮合樹脂、シクロヘキサノンの縮合樹脂およびそれらを水素添加した樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸またはそのエステルとの共重合体、重合脂肪酸とポリアミン類との縮合体であるポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン-インデン樹脂、ポリテルペン、ロジン系樹脂やその水素添加物、ロジン変性されたマレイン酸樹脂、ロジン変性されたフェノール樹脂、ビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合物、ポリメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体またはそれらの塩、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ヒドロキシプロピル化グァーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアセトアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマーなどの多糖類、ベンジリデンソルビトールが挙げられる。特に、ポリビニルブチラール樹脂は経時による粘度変化が小さく、顔料の分散安定性、定着性に優れるため好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組合せてもよい。これらの樹脂の配合量は、インク組成物全量に対して、0.05重量%以上30.0重量%以下が好ましい。
25℃、剪断速度100s-1におけるインク粘度は、10mPa・s以上5000mPa・s以下であることが好ましい。特に、200mPa・s以上1000mPa・s以下がより好ましい。
pHは、3.0以上10.0以下であることが好ましい。特に6.0以上8.0以下がより好ましい。
本実施形態の黒色油性インク組成物は、下記の方法で製造できる。
黒色着色成分および/または酸性染料と両性界面活性剤とをホモミキサーなどの撹拌機にて充分に混合し、両性界面活性剤のプラスチャージ部に酸性染料を結合させた後、必要に応じて顔料、有機溶剤、樹脂などを添加し攪拌機にて混合する。つぎに亜鉛を含有する化合物を添加し撹拌機にて充分に混合し、両性界面活性剤のマイナスチャージ部に亜鉛イオンを結合させる。
また、インク組成物と接触する金属部材に亜鉛または亜鉛含有合金を用いる場合は、黒色着色成分および/または酸性染料と両性界面活性剤とをホモミキサーなどの撹拌機にて充分に混合し、両性界面活性剤のプラスチャージ部に酸性染料を結合させた後、必要に応じて顔料、有機溶剤、樹脂などを添加し攪拌機にて混合する。
また、攪拌機をホモジナイザーなどの分散機に変え混合・分散したり、得られた黒色油性インクを濾過や遠心分離機にて、粗大粒子や不溶解成分を除いたりすることもできる。また、電熱ヒーター、バンドヒーターなどを用いて加熱したり、冷却機を用いて冷却したりすることもできる。製造時のインク温度は、5℃以上95℃以下にすることが好ましい。
本実施形態のリフィル10においては、上記黒色油性インク組成物を、継手12を介してボールペンチップ13を先端に装着した液体収容部材11に充填する。そして、このリフィル10を軸筒に収容することにより、本実施形態の筆記具であるボールペンを得た。
<筆記具の構成>
図6は、筆記具用リフィルを軸筒に収容した筆記具であるボールペンの構成の一例を示す図であり、図6(a)は筆記状態の筆記具の外観の正面図を示し、図6(b)は筆記状態の筆記具の断面図を示し、図6(c)は収納状態の筆記具の外観の正面図を示し、図6(d)は収納状態の筆記具の断面図を示す。
図6において、筆記具30は、筒状に成形された筒状部材である軸筒31と、軸筒31の前部に設けられかつ筒状に成形された操作部材32と、上述したリフィル10とを備え、操作部材32が軸筒31に対して前後方向に移動する。このとき、ボールペンチップ13の先端が操作部材32から突出した状態を筆記状態と称し、ボールペンチップ13の先端が操作部材32内に没入した状態を収納状態と称す。
上記軸筒31は、後端部が閉塞した筒状の軸筒本体31aと、軸筒本体31aの閉塞した後端部の内面から前方に向かって軸筒本体を越えて延在する柱状のリフィル保持部31bとを有している。軸筒本体31aの後部の内周面には、尾根状に径方向内側に突出した凸部が螺旋状に形成され、この凸部は全体として雌ネジ部31cを形成している。
また、リフィル保持部31bには、リフィル10を挿入するための挿入孔が形成され、挿入孔の奥には、リフィル10の後端と嵌合する嵌合部31dが形成されている。嵌合部31dの内径は、リフィル10の後端の外径と略同一かまたは僅かばかり小さく形成されている。したがって、リフィル保持部31bの挿入孔に挿入されたリフィル10は、リフィル10の後端とリフィル保持部31bの嵌合部31dとの嵌合によって、容易に抜けないように固定され、保持される。
なお、本実施形態の筆記具30の構成については、一例であり、上記に限るものではない。例えば、リフィル10が収納された状態で筆記が可能であれば、どのような構造および形状であってもよい。
<軸筒および操作部材の材料>
軸筒および操作部材には、環境負荷の材料として、バイオマス由来のポリオレフィンが含まれる。バイオマス由来のポリオレフィンは、バイオマス由来のエチレンを原料として用いている。バイオマス由来のエチレンは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造することができる。特に、植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを用いることが好ましい。植物原料は、特に限定されず、従来公知の植物を用いることができる。例えば、トウモロコシ、サトウキビ、ビートおよびマニオクを挙げることができる。
バイオマス由来のポリオレフィンは、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるものである。原料であるモノマーとしてバイオマス由来のエチレンを用いると、重合されてなるポリオレフィンはバイオマス由来となる。なお、ポリオレフィンの原料モノマーは、バイオマス由来のエチレンを100質量%含むものでなくてもよい。
バイオマス由来のポリオレフィンの原料であるモノマーは、化石燃料由来のエチレンおよび化石燃料由来のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種をさらに含んでもよいし、バイオマス由来のα-オレフィンをさらに含んでもよい。
上記α-オレフィンの炭素数は、特に限定されない。α-オレフィンの炭素数は、通常、3~20の整数である。α-オレフィンは、ブチレン、ヘキセン、オクテンであることが好ましい。
バイオマス由来のポリオレフィンと化石燃料由来のポリオレフィンとは、分子量や機械的性質・熱的性質などの物性に差が生じないので、これらを区別するために、一般にASTM D6866で規定されたバイオマスプラスチック度が用いられる。大気中では1012個に1個の割合で放射性炭素14Cが存在し、この割合は大気中の二酸化炭素でも変わらないので、この二酸化炭素を光合成で固定化した植物の中でも、この割合は変わらない。このため、バイオマス由来のポリオレフィンの炭素には放射性炭素14Cが含まれる。これに対し、石油由来樹脂の炭素には放射性炭素14Cがほとんど含まれない。そこで、加速器質量分析器で樹脂中の放射性炭素14Cの濃度を測定することにより、樹脂中の植物由来樹脂の含有割合、すなわちバイオマスプラスチック度を求めることができる。
バイオマス由来のポリオレフィンのバイオマスプラスチック度は、特に限定されない。バイオマス由来のポリオレフィンのバイオマスプラスチック度は、カーボンニュートラルの考え方において、環境に配慮するという観点から、下限値に関して、80%以上が好ましい。上限値に関して、特に限定されないが、通常、成形時の他剤が混ざることがあり99%未満である。よって、バイオマス由来のポリオレフィンのバイオマスプラスチック度は、80%以上99%未満が好ましい。
バイオマス由来のポリオレフィンとしては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好適に例示される。シラノール架橋により復元率を向上できるため、ポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。ポリエチレン系樹脂としては、密度が0.941g/cm3以上の高密度ポリエチレン(HDPE)、密度が0.910g/cm3以上0.94g/cm3未満の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、密度が0.910g/cm3以上0.940g/cm3未満の低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)が例示される。ポリオレフィンのメルトフローレート(MFR)は、特に限定されない。MFR(JIS K6922-1:1997附属書(190℃、21.18N荷重))は、成形性の観点から、1g~30g/10分であることが好ましく、1g~25g/10分であることがより好ましく、1g~20g/10分であることがさらに好ましい。
バイオマス由来のポリオレフィンとしては、Braskem社製の製品名「SHA7260」(HDPE)、「SBC818」(LDPE)、「SLL118/21」(LLDPE)などを用いることができる。
<実施例1>
<液体収容部材の製造>
実施例1では、第1層(最内層)を紙基材積層体により形成し、第2層~第4層を紙基材の層として形成した。また、実施例1では、図2(a)に示すように、第1層および第4層については帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させて、第2層および第3層については上記周縁部分同士を重ならないように接触させて、それぞれスパイラル状に巻き付けることとした。
具体的には、第1層(最内層)については、厚さ25μmのグラシン紙(坪量25g/m2、密度1.0g/cm3)と厚さ6.5μmのアルミニウム箔とをポリオレフィン樹脂を含む接着剤ケミパールS500 三井化学(株)製で貼り合わせた。そして、接着層の厚さ6.5μmを合計した厚さが38μmの貼合紙を、ボビンスリッターで13mm幅に裁断した。
その後、短冊形の貼合紙の外側層であるアルミニウム箔側に、ロール型アプリケーターを用いて、上記ポリオレフィン樹脂を含む接着剤を12g/m2塗布し、紙管製造機(ラングストン)のマンドレルの外周面にグラシン紙が内側になるようにスパイラル状に巻き付けた。このとき、貼合紙は、その周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付けた。接触箇所の重なり幅は0.5mmとした。
つぎに、第2層については、ボビンスリッターで13mm幅に裁断した厚さ66μmのコート紙(坪量85g/m2)を、貼合紙の外側層であるアルミニウム箔上にスパイラル状に巻き付けた。このとき、コート紙は、その周縁部分同士を重ならないように接触させ、突き当てるようにスパイラル状に巻き付けた。また、第1層の継ぎ目と第2層の継ぎ目が長手方向に沿って3mm離れるように巻き付けた。
つぎに、第3層については、ボビンスリッターで13mm幅に裁断した厚さ66μmのコート紙(坪量85g/m2)を、第2層の紙基材上にスパイラル状に巻き付けた。このとき、コート紙は、その周縁部分同士を重ならないように接触させ、突き当てるようにスパイラル状に巻き付けた。また、第2層の継ぎ目と第3層の継ぎ目が長手方向に沿って3mm離れるように巻き付けた。
つぎに、第4層(最外層)については、ボビンスリッターで13mm幅に裁断した厚さ66μmのコート紙(坪量85g/m2)を、第3層の紙基材上にスパイラル状に巻き付けた。このとき、コート紙は、その周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付けた。接触箇所の重なり幅は0.5mmとした。また、第3層の継ぎ目と第4層の継ぎ目が長手方向に沿って3mm離れるように巻き付けた。
そして、第1層、第2層、第3層および第4層を形成後、マンドレルを引き抜き、筒状のスパイラルチューブを長さ89.3mmに裁断し、適度な温度および湿度の下、数時間乾燥することにより、内径3.8mmの実施例1の液体収容部材(インク収容管)を得た。
<液体収容部材の評価>
得られた実施例1の液体収容部材の先端を継手に圧入し、液体収容部材の破れ、接着面の剥がれを確認した。その結果、実施例1の液体収容部材については、液体収容部材の破れ、接着面の剥がれが、ともに発生することなく、評価は良好(A)であった(表1参照)。
また、実施例1について、300m筆記における全長減少量の評価を行った。300m筆記での全長減少量の評価は、
・筆記荷重:200g
・速度:4.5m/min
・筆記角度:60°
の条件で、その他はJIS S6039(油性ボールペンおよびリフィル)に準拠して行った。全長減少量は、継手およびボールペンチップを除いた液体収容部材の全長において、上記(1)式による全長変化率を示したものである。その結果、実施例1の液体収容部材について、全長変化率は0.3%(0.7%未満)であり、評価は良好であった(表1参照)。
また、実施例1の液体収容部材を装着したリフィルの状態において、液体収容部材の後端から10mm前方の位置を把持し、
・降下速度10mm/min
・60°に傾斜(図4参照)
の条件で、液体収容部材が座屈(折れ曲がり)するまでの荷重を測定した。その結果、実施例1の液体収容部材について、曲げ強さは1.3N(0.5N以上)であり、評価は良好であった(表1参照)。
<実施例2>
<液体収容部材の製造>
実施例2においても、実施例1と同様に、第1層(最内層)を紙基材積層体により形成し、第2層~第4層を紙基材の層として形成した。また、実施例2では、図2(b)に示すように、すべての層(第1層~第4層)について、帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させて、スパイラル状に巻き付けることとした。
具体的には、まず、第1層(最内層)については、上述した実施例1と同様の手順で、紙基材積層体の層を形成した。つぎに、第2層については、ボビンスリッターで13mm幅に裁断した厚さ66μmのコート紙(坪量85g/m2)を、貼合紙の外側層であるアルミニウム箔上にスパイラル状に巻き付けた。このとき、コート紙は、その周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付けた。接触箇所の重なり幅は0.5mmとした。また、第1層の継ぎ目と第2層の継ぎ目が長手方向に沿って3mm離れるように巻き付けた。
つぎに、第3層については、ボビンスリッターで13mm幅に裁断した厚さ66μmのコート紙(坪量85g/m2)を、第2層の紙基材上にスパイラル状に巻き付けた。このとき、コート紙は、その周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付けた。接触箇所の重なり幅は0.5mmとした。また、第2層の継ぎ目と第3層の継ぎ目が長手方向に沿って3mm離れるように巻き付けた。
つぎに、第4層(最外層)については、上述した実施例1と同様の手順で、紙基材の層を形成した。
そして、第1層、第2層、第3層および第4層を形成後、マンドレルを引き抜き、筒状のスパイラルチューブを長さ89.3mmに裁断し、適度な温度および湿度の下、数時間乾燥することにより、内径3.8mmの実施例2の液体収容部材(インク収容管)を得た。
<液体収容部材の評価>
得られた実施例2の液体収容部材の先端を継手に圧入し、液体収容部材の破れ、接着面の剥がれを確認した。その結果、実施例2の液体収容部材については、液体収容部材の破れ、接着面の剥がれが、ともに発生することなく、評価は良好(A)であった(表1参照)。
また、実施例2について、300m筆記における全長減少量の評価を行った。300m筆記での全長減少量の評価は、実施例1と同条件で行った。その結果、実施例2の液体収容部材について、全長変化率は0.3%(0.7%未満)であり、評価は良好であった(表1参照)。
また、実施例2の液体収容部材を装着したリフィルの状態において、実施例1と同条件で、液体収容部材が座屈(折れ曲がり)するまでの荷重を測定した。その結果、実施例2の液体収容部材について、曲げ強さは1.5N(0.5N以上)であり、評価は良好であった(表1参照)。
<比較例1>
<液体収容部材の製造>
図7は、比較例1~3における液体収容部材の層構成を示す図である。比較例1においても、実施例1と同様に、第1層(最内層)を紙基材積層体により形成し、第2層~第4層を紙基材の層として形成した。また、比較例1では、図7(a)に示すように、すべての層(第1層~第4層)について、帯状シートの周縁部分同士を重ならないように接触させて、スパイラル状に巻き付けることとした。
具体的には、第1層(最内層)については、厚さ25μmのグラシン紙(坪量25g/m2、密度1.0g/cm3)と厚さ6.5μmのアルミニウム箔とをポリオレフィン樹脂を含む接着剤ケミパールS500 三井化学(株)製で貼り合わせた。そして、接着層の厚さ6.5μmを合計した厚さが38μmの貼合紙を、ボビンスリッターで13mm幅に裁断した。
その後、短冊形の貼合紙の外側層であるアルミニウム箔側に、ロール型アプリケーターを用いて、上記ポリオレフィン樹脂を含む接着剤を12g/m2塗布し、紙管製造機(ラングストン)のマンドレルの外周面にグラシン紙が内側になるようにスパイラル状に巻き付けた。このとき、貼合紙は、その周縁部分同士を重ならないように接触させ、突き当てるようにスパイラル状に巻き付けた。
つぎに、第2層については、ボビンスリッターで13mm幅に裁断した厚さ66μmのコート紙(坪量85g/m2)を、貼合紙の外側層であるアルミニウム箔上にスパイラル状に巻き付けた。このとき、コート紙は、その周縁部分同士を重ならないように接触させ、突き当てるようにスパイラル状に巻き付けた。また、第1層の継ぎ目と第2層の継ぎ目が長手方向に沿って3mm離れるように巻き付けた。
つぎに、第3層については、ボビンスリッターで13mm幅に裁断した厚さ66μmのコート紙(坪量85g/m2)を、第2層の紙基材上にスパイラル状に巻き付けた。このとき、コート紙は、その周縁部分同士を重ならないように接触させ、突き当てるようにスパイラル状に巻き付けた。また、第2層の継ぎ目と第3層の継ぎ目が長手方向に沿って3mm離れるように巻き付けた。
つぎに、第4層(最外層)については、ボビンスリッターで13mm幅に裁断した厚さ66μmのコート紙(坪量85g/m2)を、第3層の紙基材上にスパイラル状に巻き付けた。このとき、コート紙は、その周縁部分同士を重ならないように接触させ、突き当てるようにスパイラル状に巻き付けた。また、第3層の継ぎ目と第4層の継ぎ目が長手方向に沿って3mm離れるように巻き付けた。
そして、第1層、第2層、第3層および第4層を形成後、マンドレルを引き抜き、筒状のスパイラルチューブを長さ89.3mmに裁断し、適度な温度および湿度の下、数時間乾燥することにより、内径3.8mmの比較例1の液体収容部材(インク収容管)を得た。
<液体収容部材の評価>
得られた比較例1の液体収容部材の先端を継手に圧入し、液体収容部材の破れ、接着面の剥がれを確認した。その結果、比較例1の液体収容部材については、液体収容部材の破れ、接着面の剥がれが、ともに発生し、評価は不良(B)であった(表1参照)。
また、比較例1について、300m筆記における全長減少量の評価を行った。300m筆記での全長減少量の評価は、実施例1と同条件で行った。その結果、比較例1の液体収容部材について、全長変化率は2.8%(0.7%以上)であり、評価は不良であった(表1参照)。
また、比較例1の液体収容部材を装着したリフィルの状態において、実施例1と同条件で、液体収容部材が座屈(折れ曲がり)するまでの荷重を測定した。その結果、比較例1の液体収容部材について、曲げ強さは0.49N(0.5N未満)であり、評価は不良であった(表1参照)。
<比較例2>
<液体収容部材の製造>
比較例2においても、実施例1と同様に、第1層(最内層)を紙基材積層体により形成し、第2層~第4層を紙基材の層として形成した。また、比較例2では、図7(b)に示すように、第1層~第3層については帯状シートの周縁部分同士を重ならないように接触させて、第4層については上記周縁部分同士を重なるように接触させて、それぞれスパイラル状に巻き付けることとした。
具体的には、まず、第1層(最内層)については、上述した比較例1と同様の手順で、紙基材積層体の層を形成した。つぎに、第2層および第3層については、上述した比較例1と同様の手順で、紙基材の層を形成した。そして、第4層(最外層)については、上述した実施例1と同様の手順で、紙基材の層を形成した。
そして、第1層、第2層、第3層および第4層を形成後、マンドレルを引き抜き、筒状のスパイラルチューブを長さ89.3mmに裁断し、適度な温度および湿度の下、数時間乾燥することにより、内径3.8mmの比較例2の液体収容部材(インク収容管)を得た。
<液体収容部材の評価>
得られた比較例2の液体収容部材の先端を継手に圧入し、液体収容部材の破れ、接着面の剥がれを確認した。その結果、比較例2の液体収容部材については、液体収容部材の破れ、接着面の剥がれが、ともに発生し、評価は不良(B)であった(表1参照)。
また、比較例2について、300m筆記における全長減少量の評価を行った。300m筆記での全長減少量の評価は、実施例1と同条件で行った。その結果、比較例2の液体収容部材について、全長変化率は0.6%(0.7%未満)であり、評価は良好であった(表1参照)。
また、比較例2の液体収容部材を装着したリフィルの状態において、実施例1と同条件で、液体収容部材が座屈(折れ曲がり)するまでの荷重を測定した。その結果、比較例2の液体収容部材について、曲げ強さは0.85N(0.5N以上)であり、評価は良好であった(表1参照)。
<比較例3>
<液体収容部材の製造>
比較例3においても、実施例1と同様に、第1層(最内層)を紙基材積層体により形成し、第2層~第4層を紙基材の層として形成した。また、比較例3では、図7(c)に示すように、第1層については帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させて、第2層~第4層については上記周縁部分同士を重ならないように接触させて、それぞれスパイラル状に巻き付けることとした。
具体的には、まず、第1層(最内層)については、上述した実施例1と同様の手順で、紙基材積層体の層を形成した。つぎに、第2層~第4層については、上述した比較例1と同様の手順で、紙基材の層を形成した。
そして、第1層、第2層、第3層および第4層を形成後、マンドレルを引き抜き、筒状のスパイラルチューブを長さ89.3mmに裁断し、適度な温度および湿度の下、数時間乾燥することにより、内径3.8mmの比較例3の液体収容部材(インク収容管)を得た。
<液体収容部材の評価>
得られた比較例3の液体収容部材の先端を継手に圧入し、液体収容部材の破れ、接着面の剥がれを確認した。その結果、比較例3の液体収容部材については、液体収容部材の破れは発生せず、この評価は良好(A)であったが、接着面の剥がれが発生し、こちらの評価は不良(B)であった(表1参照)。
また、比較例3について、300m筆記における全長減少量の評価を行った。300m筆記での全長減少量の評価は、実施例1と同条件で行った。その結果、比較例3の液体収容部材について、全長変化率は0.5%(0.7%未満)であり、評価は良好であった(表1参照)。
また、比較例3の液体収容部材を装着したリフィルの状態において、実施例1と同条件で、液体収容部材が座屈(折れ曲がり)するまでの荷重を測定した。その結果、比較例3の液体収容部材について、曲げ強さは1.1N(0.5N以上)であり、評価は良好であった(表1参照)。
<まとめ>
表1は、上記実施例1、実施例2、比較例1、比較例2および比較例3の評価結果をまとめたものである。表1において、「OW」はオーバーラップ(帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させる)を意味し、「突合せ」はオーバーラップしないことを意味し、「A」は評価が良好であることを表し、「B」は評価が不良であることを表す。
Figure 2023030318000002
10 リフィル
11 筆記具用液体収容部材(液体収容部材)
12 継手
13 ボールペンチップ
13a スプリング
13b 筆記ボール
13c ホルダー
13c1 筒状部
13c2 テーパー部
13c3 ボールハウス
13c4 バック孔
13c5 インク孔
21 接着剤層
30 筆記具
31 軸筒
31a 軸筒本体
31b リフィル保持部
31c 雌ネジ部
31d 嵌合部
32 操作部材

Claims (12)

  1. 液体と接触する最内層、少なくとも2層以上で形成された中間層、および最外層で構成され、
    最外層以外の層については、それらの層のうちの少なくとも1つの層を、紙基材により形成された内層の外表面側に金属層またはシリカ蒸着層を積層させた紙基材積層体の層として形成し、その他の層を紙基材の層として形成し、
    さらに、前記最外層を紙基材の層として形成することとし、
    前記紙基材積層体の層は帯状シートに成形された紙基材積層体を内層が内側になるようにスパイラル状に巻き付けた構造を、前記紙基材の層は帯状シートに成形された紙基材をスパイラル状に巻き付けた構造を、それぞれ有し、
    前記最内層および前記最外層については、帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付ける、
    ことを特徴とする筆記具用液体収容部材。
  2. 前記中間層を2層構造とし、
    前記最外層以外の層である前記最内層および前記中間層については、当該最内層に当該中間層の2層を加えた3層のうちの少なくとも1つの層を、紙基材積層体の層として形成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の筆記具用液体収容部材。
  3. 前記最内層から前記最外層までの層間のうちの少なくとも1つの層間に、ポリオレフィン樹脂を含む接着剤の層である接着剤層を設ける、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の筆記具用液体収容部材。
  4. 前記中間層を形成する各層は、帯状シートの周縁部分同士を重ならないように接触させてスパイラル状に巻き付ける、
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の筆記具用液体収容部材。
  5. 前記中間層を形成する各層のうちの少なくとも1つの層は、帯状シートの周縁部分同士を重なるように接触させてスパイラル状に巻き付ける、
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の筆記具用液体収容部材。
  6. 前記紙基材積層体は、前記内層と前記金属層とをポリオレフィン樹脂を含む接着剤で接着する、
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の筆記具用液体収容部材。
  7. 前記紙基材積層体および前記紙基材を4~20mm幅の帯状シートとする、
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の筆記具用液体収容部材。
  8. 300m筆記後の全長変化率を0.7%未満とする、
    ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の筆記具用液体収容部材。
  9. 60°に傾斜した状態での荷重において、曲げ強さを0.5N以上とする、
    ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1つに記載の筆記具用液体収容部材。
  10. 請求項1~9のいずれか1つに記載の筆記具用液体収容部材と、
    前記筆記具用液体収容部材の内部に収容された筆記具用インクと、
    筆記部材と、
    を備える、
    ことを特徴とする筆記具用リフィル。
  11. 紙基材積層体の層を形成する金属層またはシリカ蒸着層が露出するまで前記筆記具用液体収容部材の外表面を除去し、当該金属層または当該シリカ蒸着層に情報を表示可能とする、
    ことを特徴とする請求項10に記載の筆記具用リフィル。
  12. 請求項10または11に記載の筆記具用リフィルを軸筒に収容する構成とし、
    前記軸筒は、バイオマス由来のポリオレフィンを含む、
    ことを特徴とする筆記具。
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