JP2023113100A - 塗布具用液体収容部材 - Google Patents

塗布具用液体収容部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2023113100A
JP2023113100A JP2022062488A JP2022062488A JP2023113100A JP 2023113100 A JP2023113100 A JP 2023113100A JP 2022062488 A JP2022062488 A JP 2022062488A JP 2022062488 A JP2022062488 A JP 2022062488A JP 2023113100 A JP2023113100 A JP 2023113100A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
ink
ink follower
liquid storage
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022062488A
Other languages
English (en)
Inventor
沙希 田中
Saki Tanaka
晃児 高田
Koji Takada
秀寿 市川
Hidetoshi Ichikawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to CN202380019221.0A priority Critical patent/CN118613375A/zh
Priority to PCT/JP2023/002104 priority patent/WO2023149282A1/ja
Publication of JP2023113100A publication Critical patent/JP2023113100A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、紙材を使用した塗布具用液体収容部材において、紙製の液体収容管のインクの後端部に充填するインク追従体に関し、インク追従体の漏出および逆流を防止した塗布具用液体収容部材を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の塗布具用液体収容部材は、紙基材を用いた液体収容管と、降伏応力が16Pa以上であり、好適には、25℃、1Hzにおけるせん断ひずみ振幅が0~30%のときの位相角が35°以上であるインク追従体とを備える。前記インク追従体は筆記具用の紙製リフィールとして好適である。【選択図】なし

Description

本発明は、紙材を使用した塗布具用液体収容部材において、紙製液体収容管のインクの後端部に充填するインク追従体に関する。
ボールペンなどの筆記具用のインク収容部材には、従来から、ポリプロピレンなどの透明もしくは半透明のプラスチックが用いられているが、近年、プラスチックの使用を控えるなど、地球環境問題に対する取り組みの気運が高まり、筆記具を構成する各部品についても、脱プラスチックに着目した提案がなされている。
例えば、特許文献1には、生分解性樹脂により成形された収容管基体の内側に、他の樹脂層を一層または二層以上成形してなる多層構造のインク収容管を用いた筆記具用インク収容部材が開示されている。
これによると、生分解性樹脂により成形された収容管基体は、時間の経過と共に生分解されるので、廃棄処理量の少量化に貢献できると記載されている。
一方、紙を基材として、これにバリア性を有する合成樹脂やアルミニウム等の金属を積層した複合材を用い、これをスパイラル成形してなる軸筒を備えた筆記具の提案もなされている(特許文献2)。
この軸筒は、耐水性やガスバリア性を向上させるために、軸筒の外面側から、裏面がクラフト紙からなるアルミ箔ラベル紙、およびライナー紙を二層重ねた後、さらに内面にポリエチレン層、次いでアルミ蒸着膜を外側に持つポリエステル膜を積層した構造を有している。特許文献2によると、紙基材を含む複合材を軸筒に用いることで、耐久性を維持しながら低公害化を達成し得る筆記具を提供することができる。
また、特許文献3では、紙基材の内層と、該内層の外周面に形成され、金属層またはシリカ蒸着層である中間層とを備える紙基材積層体と、該中間層の外周面に形成された、紙基材からなる外層とからなる少なくとも三層を有する塗布具用液体収容部材が開示されている。前記液体収容部材では、紙基材積層体および外層をそれぞれの隣接面が重ならないように接触させてスパイラル状に巻き付けるとともに、外層同士の継ぎ目と紙基材積層体同士の継ぎ目とが1mm以上でかつ外層の幅の2分の1以下の間隔をおくようにすることで、インク漏れを防止している。
特許文献4では、紙を基材としてインク収容管を構成し、該インク収容管の一端部を、筆記部材もしくは筆記部材を支持する中継部材に形成された接続部に結合した筆記具用インク収容部材が開示されている。前記インク収容部材では、筆記部材を支持する中継部材の接続部に、インク収容管に対する一定の接続強度を確保しうる係止手段を施すことで、実用性を有する筆記具を提供している。
特開2001-146091号公報 特開昭62-70097号公報 特開2021-16976号公報 特開2020-172044号公報
しかしながら、これまでの脱プラスチックを目指したインク収容管にインクおよびインク追従体を充填すると、インク収容管の内壁とインク追従体との密着度や摩擦抵抗が不充分なために、インク追従体が逆流してインク内で飛散したり、漏出したりすることがあった。また、筆記によりインクがある程度消費された場合では、インク収容管の内壁がインクで濡れてしまうことで、フォロワとインク収容管内壁の密着度が一層弱く、滑りやすくなり、その結果、インク追従体の逆流や漏出が起きやすく、筆記具の性能だけでなく、外観にも悪影響を及ぼす。このため、安定した追従性を発揮するインク追従体を開発する必要があった。
本発明は、インク追従体の性能を向上させ、インク追従体の漏出や、逆流現象を抑制できる塗布具用液体収容部材を提供することを目的とする。
本発明の塗布具用液体収容部材は、紙基材を用いた液体収容管と、前記液体収容管に充填した、降伏応力が16Pa以上であるインク追従体とを備えることを特徴とする。
前記インク追従体は、25℃、1Hzにおけるせん断ひずみ振幅0~30%のときの位相角が35°以上であることが好ましい。
筆記具用の紙製リフィールであることが好ましい。
本発明では、インク追従体の降伏応力を16Pa以上、かつ好ましくは25℃、1Hzにおけるせん断ひずみ振幅0~30%のときの位相角を35°以上とする。紙基材を用いた液体収容管に前記インク追従体を充填することにより、塗布具に搭載した後、該塗布具を上向きに静置しても、インク追従体の漏出や逆転を抑制することができる。
図1は、本発明の塗布具用液体収容部材を含むリフィールの一形態を示す図である。図1(a)はリフィールの外観の正面図であり、図1(b)はリフィールのA-A断面図である。 図2は、本発明の塗布具用液体収容部材を構成する内層、中間層および外層の三層構造を示す図である。図2(a)は、内層および中間層の間に接着剤層を有する形態を示し、図2(b)は、中間層および外層の間に接着剤層を有する形態を示し、図2(c)は、内層、中間層および外層の間に接着剤層を有する形態を示す図である。
[塗布具用液体収容部材]
本発明の塗布具用液体収容部材について、図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
図1は、本発明の塗布具用液体収容部材10を含むリフィールの構成の一例を示す図であり、図1(a)はリフィールの外観の正面図を示し、図1(b)はリフィールのA-A断面図を示す。
図1において、例えば、ボールペンの軸筒に収容されるリフィールは、紙を基材とし、かつ、図示しないインクを収容する長細な円筒形状のインク収容管である塗布具用液体収容部材10(以下単に「液体収容部材10」ともいう。)と、この液体収容部材10の先端に装着された継手11と、筆記部材として継手11の先端に装着されたボールペンチップ12とを備えている。
具体的にいうと、継手11には、液体収容部材10と接合する円筒形状の後端部分と、この後端部分よりも外径が大きい円筒形状の先端部分が形成され、この先端部分にボールペンチップ12が取り付けられている。また、継手11の後端部分には液体収容部材10との接合部分に一定の接合強度を持たせるために予め接着剤を塗布しておき、この状態で、継手11の後端部分を液体収容部材10の先端内部に圧入することによって、継手11と液体収容部材10とを接合する。これにより、液体収容部材10とボールペンチップ12が、継手11を介してインクを流通可能に接続される。
前記液体収容部材10は、紙基材を用いた液体収容管と、前記液体収容管に充填した降伏応力が19Pa以上であるインク追従体とを備える。
[インク追従体]
インク追従体について詳細に説明する。
インク追従体は、降伏応力が16Pa以上の非水溶性の不揮発性有機物質であればよい。具体的には、基油を主成分とし、増ちょう剤、界面活性剤および酸化防止剤などを含有する、降伏応力が16Pa以上の非水溶性の不揮発性有機物質が用いられる。
前記基油は、インク追従体の主成分であり、鉱物油、ポリαオレフィン(PAO)、ポリブテンおよびシリコーンオイルなどである。
鉱物油は、石油から得られ、ミネラルオイル、ワセリン、パラフィンまたは流動パラフィンなどと称される。鉱物油の市販品には、例えば、ダイアナプロセスオイルPW-90、PW-150、PW-380、およびNR-26(出光興産(株)製)、バーレルプロセス油B-05、P-2200(松村石油(株)製)などがある。
ポリαオレフィン(PAO)は、α-オレフィンを重合した合成油である。末端アルケンであるα-オレフィンが反応開始部位となり、分子内に分岐構造を形成する。この分岐構造が柔軟性に寄与することから、α-オレフィンを適切に選択することにより、インク追従体の粘度や粘弾性を調節することができる。α-オレフィンには、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセンなどがある。
ポリブテンには、塗布具の性能を長期に渡って維持するという観点から、数平均分子量が600以上の難揮発性のポリブテンが用いられる。具体的には、ニッサンポリブテン200N(日油(株)製)、ポリブテン30N(日油(株)製)、ポリブテン015N(日油(株)製)、ポリブテンHV-15(新日本化学(株)製)および35R(出光興産(株)製)などの市販品が用いられる。
シリコーンオイルは、例えば、KF-54(信越化学工業(株)製)、KF-96(信越化学工業(株)製)、TSF451シリーズ、TSF456シリーズおよびTSF458シリーズ(いずれもGE東芝シリコーン(株)製)などの市販品が用いられる。
これらの基油では、JIS K2283:2000に準拠する40℃での動粘度が1~30,000mm2/sである。
これらの基油は、一種または二種以上を組み合わせて使用してもよく、その使用量は、インク追従体全量に対して、70~99.8重量%、好ましくは85~99.5重量%である。
インク追従体には、基油に加えて、増ちょう剤、界面活性剤および酸化防止剤などが適宜配合される。
増ちょう剤は、グリースの製造に際して添加され、基油中に微細な固体で分散して半固体状の性質を与える成分である。増ちょう剤は、基油と親和性があり、三次元網目構造をつくって基油をその中に含むことで、インク追従体を静止状態にし、せん断がかかるとそれが崩れて軟化する性能を付与し、粘弾性にも作用する。
増ちょう剤には、石けん型と非石けん型(無機系・有機系)とがある。石けん型は、カルシウム石けん、リチウム石けん、リチウムコンプレックス石けん、およびアルミニウムコンプレックス石けんなどである。非石けん型(無機系)は、シリカゲルおよび有機ベントナイトなどであり、非石けん型(有機系)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレア、およびナトリウムテレフタラメートなどである。増ちょう剤には、DYNARON 6200P(オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶 ブロック共重合体;JSR(株)製)、DYNARON 8300P(スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体 JSR(株)製)、ステアリン酸リチウム(川村化成工業(株)製)、AEROSIL R202(日本アエロジル(株)製)、およびAEROSIL R974(日本アエロジル(株)製)などの市販品が用いられる。
これらの添加剤を用いる場合、その添加量は、インク追従体の製造時の加熱攪拌または加熱混練の条件によって異なるが、インク追従体全量に対して、通常は0.2~30%程度、好ましくは0.5~15%である。
これら増ちょう剤は、一種または二種以上を組み合わせて使用することができ、その合計配合量(A)は、インク追従体を半固体状にする程度であればよく、基油の配合量(B)に対してA/Bが0.2~30.0程度、好ましくは1.0~10.0である。
インク追従体には、その他の成分として、界面活性剤および酸化防止剤などを含有することができる。
界面活性剤および酸化防止剤は、インク追従体の粘弾性を示す位相角を調節しながら添加する。
本発明におけるインク追従体の降伏応力は16Pa以上であり、好ましくは16~100Paであり、より好ましくは16~50Paである。降伏応力は、インク追従体に一定以上の外力を加えたとき、急激に流れを生じて弾性変形から流動変形に移る限界の応力である。つまり、本発明におけるインク追従体は、16Pa未満の小さい応力に対しては、固体のように振る舞い流動しないが、16Pa以上では流動する。
25℃、1Hzにおけるせん断ひずみ振幅が0~30%のときの位相角が35°以上であることが好ましい。
せん断ひずみは、動的粘弾性のひとつであり、インク追従体のせん断変形を測定したものである。せん断変形の測定は、平板状試料と測定台との隙間のひずみの変形の比である。具体的には、試料であるインク追従体を平板状にして測定台に載せ、弛まないように荷重を与えて測定台に保持する。その状態で、試料と軸を介して繋げた加振機を駆動させて、試料に動的応力を与える。加振機の駆動により、動的応力が刺激として試料に与えられると、それに応答して試料に動的ひずみが生じる。動的応力と動的ひずみをそれぞれの検出器から電気信号に変換して出力すると、二つの波形(位相)が時間軸上に並ぶ。波形の応力ピーク値とひずみピーク値の比をせん断ひずみとして、せん断ひずみ振幅0~30%における位相角(°)を求める。なお、位相角は、試料の応答がひずみの付加に対してどれだけ遅れているかを表している。
25℃、1Hzにおけるせん断ひずみ振幅が0~30%のときの位相角が35°以上であるとき、インク追従体は追従や、耐衝撃性に優れる。一方、35°に満たないと、インク追従体は充分に高粘度化(ゲル化)して流動性を失うが、耐衝撃性に劣る。
前記インク追従体は、25℃、1Hzにおけるせん断ひずみ振幅が0~30%のとき、その位相角は、より好ましくは35~80°である。
インク追従体の特性は、使用する基油や増ちょう剤などの種類や配合量を選択することにより、また製造条件を選択することにより最適化することができる。
前記インク追従体は、基油および増ちょう剤その他の成分を加熱攪拌や加熱混練することにより製造する。加熱時間や、攪拌・混練回数は、基油や増ちょう剤等の種類や必要な粘弾性によって適宜調節する。得られたインク追従体を、さらにロールミルやニーダーなどの分散機で再混練したり、加熱したりするなどして、粘弾性を調節してもよい。
[紙基材を用いた液体収容管]
次いで、紙基材を用いた液体収容管について詳細に説明する。
紙基材を用いた液体収容管(以下単に「液体収容管」という。)には、インクを充填した後、該インクの後端部に前記インク追従体が充填される。なお、インクは、公知の水性または油性の塗布液が特に制限なく用いられる。
前記液体収容管は、液体と接触する内層1と、中間層2と、外層3との少なくとも三層を有し、かつ、前記内層1と中間層2との間、および、中間層2と外層3との間の少なくとも一方にポリオレフィン樹脂を含む接着剤の層5(以下単に「接着剤層5」という。)を有する。図2cは、前記内層1と中間層2との間、および、中間層2と外層3との間の両方に接着剤層5を有する形態を表している。このような三層構造のうち、内層1および中間層2は、紙基材の表面に金属層またはシリカ蒸着層を積層させた複合材である紙基材積層体である。前記のとおり、紙基材積層体には接着剤層5が介在してもよい。
内層1を構成する紙基材としては、上質紙、中質紙、片艶紙、クラフト紙、片艶クラフト紙、晒クラフト紙、板紙、白板紙、ライナー、微塗工紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラシン紙、パーチメント紙、およびバルカナイズドファイバー等の各種公知のものが使用可能である。
これらの紙基材の密度は0.8g/cm3以上であることが好ましい。密度0.8g/cm3以上の紙基材を使用することにより、充分な耐水性や耐油性を付与することができる。
内層1を構成する紙基材は、グラシン紙、パーチメント紙またはバルカナイズドファイバーでかつ、密度0.8g/cm3以上であるものがより好ましい。
グラシン紙は、高密度で透明性の高い紙であり、バージンパルプを高度に叩解して比表面積を大きくして抄紙し、抄紙した紙をスーパーキャレンダーで処理し、緻密化すると共にセルロース繊維同士の結合を強化したものである。本発明では、坪量が20~50g/m2のグラシン紙が用いられる。内層1を構成する紙基材としてグラシン紙を用いることにより、耐水性や耐油性を付与することが容易となる。また、坪量が20~50g/m2のグラシン紙を基紙としてその片面または両面に、ポリビニルアルコール水溶液等の塗工液を塗工したものを用いてもよい。グラシン紙の厚さは、通常20~50μm、好ましくは20~30μmである。
パーチメント紙およびバルカナイズドファイバーは、製造過程における濃硫酸や塩化亜鉛溶液による処理により、セルロース繊維同士の直接的な結合を強化したもの、すなわち、セルロース繊維の間のセルロースの水素結合の密度を増加したものである。よって、パーチメント紙およびバルカナイズドファイバーを、内層1を構成する紙基材として用いれば、紙粉の発生を効果的に抑えることができる。
パーチメント紙には、例えば、坪量が20~100g/m2のものを用い、好ましくは、紙および板紙の吸水度試験方法(コッブ法)に準拠して水に替えて鉱物油を使用した場合の吸油度が13g/m2以下となるように耐油性を高めたものを用いる。パーチメント紙の厚さは、通常20~100μm、好ましくは20~60μmである。
バルカナイズドファイバーは、製造過程における反応性の違いから、パーチメント紙に比べて厚手にすることが容易である。したがって、紙基材として厚紙が必要な場合に適している。バルカナイズドファイバーの厚さは、液体収容管を形成した後の紙管部分の圧縮強度や、製造時の扱い易さを考慮すると、通常0.08~1mm、好ましくは0.1~0.5mmである。また、バルカナイズドファイバーの密度は、一般的な紙管原紙に比べて高く、通常0.8~1.4g/cm3であるが、本発明では、紙管部分の強度や入手しやすさを考慮すると、0.8~1.3g/cm3とするのが好ましい。
また、パーチメント紙およびバルカナイズドファイバーには、樹脂含浸処理またはガラスコーティング処理を施してもよい。前記処理を施すことによって、セルロース繊維同士の結合がより強化され、これらの紙を、内層1を構成する紙基材として用いた場合に、紙粉の発生を抑えることができる。
中間層2は金属層またはシリカ蒸着層である。金属層は、紙基材の片面に、アルミニウム箔等の金属箔を、ポリオレフィン樹脂を含む接着剤で接着してもよいし、アルミニウム、または、アルミニウムおよび亜鉛の合金等を真空下に電子ビーム蒸着して設けてもよい。
ここで、本発明で使用するポリオレフィン樹脂を含む接着剤について説明する。ポリオレフィン樹脂を含む接着剤は、一種または二種以上のポリオレフィン樹脂からなる接着剤であってもよいし、該ポリオレフィン樹脂とその他の樹脂等とを混合した接着剤であってもよい。
ポリオレフィン樹脂は、具体的には、ポリエチレン系アイオノマー、ポリプロピレンアイオノマー、ポリプロピレンエラストマー、ポリエチレンエラストマー、高密度ポリエチレンおよび低密度ポリエチレンなどの他に、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどの変性ポリオレフィン樹脂も含む。これらのうち、ポリプロピレンアイオノマーおよび無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどが好ましい。
その他の樹脂には、具体的には、アクリル酸共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エポキシ樹脂、カルボジイミド架橋剤、エチレン・酢酸ビニル共重合体またはポリビニルアルコールなどが用いられる。
ポリオレフィン樹脂とその他の樹脂とを混合する場合、接着剤全量中、ポリオレフィン樹脂の割合は60~97重量%程度、好ましくは90~97重量%である。また、ポリオレフィン樹脂とその他の樹脂との合計中、ポリオレフィン樹脂の割合は68~98重量%程度、好ましくは93~98重量%である。
本発明に係るポリオレフィン樹脂を含む接着剤は、ポリオレフィン樹脂、または、ポリオレフィン樹脂およびその他の樹脂の混合物をベースポリマーとする、ディスパージョン型またはエマルション型の樹脂液の形態で使用される。前記樹脂液には、必要に応じて、シランカップリング剤などの添加剤を添加してもよい。これらのうち、接着性および取扱い性に優れる点から、ポリプロピレンアイオノマーおよび無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどのディスパージョン型接着剤が好ましい。
ポリオレフィン樹脂を含む接着剤は、内層1と中間層2との間、および、中間層2と外層3との間の少なくとも一方に塗布される。すなわち、図2に示すように、内層1と中間層2との間に接着剤層5を設けてもよいし(図2a)、中間層2と外層3との間に接着剤層5を設けてもよいし(図2b)、内層1と中間層2との間、および、中間層2と外層3との間の両方に接着剤層5を設けてもよい(図2c)。紙材に対して優れた接着力およびインク耐性を有するポリオレフィン樹脂を含む接着剤を塗布することで、内層1、中間層2および外層3の間を液体収容管の層間が密着し、液体収容管の外部にインクが漏出するのを防止することができる。なお、インク耐性とは、インクへの接着剤樹脂成分の溶出を抑制できる程度を表すものである。ポリオレフィン樹脂を含む接着剤を使用した場合、インクとの相溶性が低いため、インク中にポリオレフィン樹脂が溶け出すことがなく、これらのインク耐性への効果に期待することができる。
なお、本発明では、内層1、中間層2および外層3の間のいずれかをポリオレフィン樹脂を含む接着剤で貼り合わせればよく、その他の接着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂系、アクリル樹脂系およびポリビニルアルコールなどの汎用接着剤を併用しても構わない。
ポリオレフィン樹脂を含む接着剤は、内層1または中間層2の中央付近に盛り上げるように塗布する。次いで、内層1と中間層2とを押し付けながら接着剤を接着面全面に広げて、接着部に気泡を残さず、接着欠陥部がないように両層を接着する。内層1および中間層2を貼り合わせた後、接着剤が硬化するまで加圧して固定する。
内層1または中間層2に対してポリオレフィン樹脂を含む接着剤は5~50g/m2程度、好ましくは5~25g/m2の量で塗布する。
液体収容管の内層1および中間層2は、すべて同厚の紙基材および金属層またはシリカ蒸着層を用いた紙基材積層体で形成してもよいし、異厚の紙基材および金属層またはシリカ蒸着層を用いた紙基材積層体を適宜組み合わせて形成してもよい。
紙基材積層体において、紙基材の厚さと、金属層またはシリカ蒸着層の厚さの割合は、2/1~1200/1程度である。
内層1に中間層2を密着させた後、ボビンスリッターなどで4~20mmの幅に裁断することにより、帯状のシートである紙基材積層体が得られる。次いで、前記紙基材積層体をマンドレル(紙管製造機)に内層1が内側になるようにスパイラル状に巻き付ける。なお、マンドレルには、内層1、中間層2および外層3を形成した後、マンドレルの引き抜きを容易にするため、あらかじめ適正な潤滑剤で表面を処理しておくか、内層1(紙基材)のマンドレルに巻き付ける側の面に適量の潤滑剤を塗布することが好ましい。その後、外層3を接着するため、外側の中間層2にポリオレフィン樹脂を含む接着剤などの接着剤を塗布する。
紙基材積層体は、4~20mm幅、好ましくは5~15mm幅に裁断された帯状シートである。このような幅広の紙基材積層体を用いてスパイラル巻きをすれば、数多く巻かなくても、必要とされる液体収容部材10の長さに到達でき、結果として、紙基材同士の接触面、すなわち、継ぎ目4の数が少なくすることができ、液体収容管内に収容された液体の漏出を抑えることができる。
中間層2の外側には、さらに紙基材をスパイラル状に巻き付けて外層3を形成する。外層3も、4~20mm幅、具体的には6~15mm幅の紙基材で形成することが好ましい。紙基材積層体と同様、継ぎ目4’の数を少なくすれば、液体収容部材10内の液体の漏出を防止できるためである。
外層3を構成する紙基材には、上記した内層1を構成する紙基材が使用可能である。
前記ポリオレフィン樹脂を含む接着剤を用いて、中間層2に外層3を貼り付けてもよい。このときのポリオレフィン樹脂を含む接着剤の塗布方法および塗布量も、内層1または中間層2に対する塗布方法および塗布量と同程度である。
内層1、中間層2および外層3のそれぞれの厚み(μm)の割合は、通常、20~60:0.025~12:50~200であり、好ましくは20~30:0.025~12:50~200である。
前記のとおり、本発明に係る液体収容管は、該液体収容管の長手方向に沿って、紙基材積層体をその隣接面同士が重ならないように接触させてスパイラル状に巻いた構造を有する。この隣接面の重なりは、仮に前記紙基材積層体同士の接触箇所、すなわち、継ぎ目4において隣接面同士が重なるとしても、重なり幅は最大1mmとする。継ぎ目4を重ならないように接触させる、または重なり幅を最大1mmとすることで、継ぎ目4からの液体の漏出を抑えることができる。継ぎ目4において重なり幅が1mmを超えると該重なり部分に段差が生じ、液体の漏出に繋がることがある。
前記外層3も紙基材積層体と同様に、その隣接面同士を接触させて巻くことが好ましい。外層3同士の継ぎ目4’と、紙基材積層体同士の継ぎ目4とは、液体収容部材10の長手方向に沿って1mm以上でかつ前記紙基材積層体または前記外層3の幅の2分の1以下の間隔が離れていることが好ましく、3mm以上でかつ前記紙基材積層体または前記外層3の幅の2分の1以下の間隔が離れていることがより好ましい。なお、外層3同士の継ぎ目4’が多少重なっても、液体の漏出の問題はない。
前記のように作製された液体収容管は、内層1、中間層2および外層3を形成後、マンドレルを引き抜き、筒状の成形体を、液体収容部材10に必要な所定の長さに切断し、適度な温度および湿度の下、数時間乾燥することにより完成する。
得られた液体収容管は、通常の紙管などと比べて細径であり、その外径は、通常20mm以下、好ましくは15mm以下、さらに好ましくは10mm以下であり、前記外径の下限は、通常1mm以上、好ましくは2mm以上である。このような細径の液体収容部材は、厳しい寸法精度が要求される。よって、液体収容管の外径が小さいほど、紙基材積層体および紙基材からなる外層をスパイラル状に巻くに際して、紙基材積層体をその隣接面同士を重ならないように接触させ、かつ、紙基材からなる外層をその隣接面同士を接触させることが好ましい。
液体収容管の管厚は、通常0.07~0.6mm、具体的には0.2~0.4mmである。液体収容管の管厚を前記範囲とすることにより、充分な量の液体を収容できるとともに、バリア性が向上し、液体の漏れや劣化を抑制することが容易となる。
[塗布具]
本発明の塗布具は、前記液体収容部材10を備えるものであれば制限はなく、中綿式および直液式の筆記具でもよいし、アイライナー、マスカラおよびコンシーラーなどの化粧道具でもよいが、好ましくは筆記具である。よって、前記液体収容部材10は、筆記具用の紙製リフィールとして好適である。
筆記具の場合、ペン先は毛筆、軟筆および硬筆など、いずれでもよい。筆記具の具体例は万年筆、ボールペン、マーキングペン、フェルトペン、修正具および筆ペンなどである。このとき、液体収容部材10に収容されるインクは、水性(ゲル)インクおよび油性インクのいずれでもよく、ペンの種類によって、ボールペン用、加圧ボールペン用、またはマーキングペン用などのインクが使用される。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
下記のように、各実施例および比較例に用いた液体収容管を製造した。
[製造例1]
厚さ25μmのグラシン紙(坪量25g/m2、密度1.0g/cm3)と、厚さ6.5μmのアルミニウム箔とをポリオレフィン樹脂を含む接着剤(ケミパールS500;三井化学(株)製)で貼り合わせた接着層厚さ6.5μmで合計厚さが38μmの貼合紙をボビンスリッターで13mm幅に裁断した。
短冊形の貼合紙の外側層であるアルミニウム箔側に、ロール型アプリケーターを用いて、前記ポリオレフィン樹脂を含む接着剤を12g/m2塗布し、紙管製造機(ラングストン)のマンドレルの外周面にグラシン紙が内側になるように一重にスパイラル巻きした。
次いで、ボビンスリッターで13mm幅に裁断した、厚さ66μmのコート紙(坪量85g/m2)を、貼合紙外側層であるアルミニウム箔上に一重にスパイラル巻きした。
このとき、貼合紙およびコート紙は、それぞれ、その隣接面同士を重ねず、突き当てるように巻いた。また、貼合紙同士の接触箇所とコート紙同士の接触箇所とが長手方向に沿って3mm離れるように巻いた。
得られたスパイラルチューブを長さ89.3mmに断裁し、内径3.8mmの紙製液体収容管(紙管1)を得た。
[製造例2]
製造例1において、紙管製造機(ラングストン)のマンドレルの外周面に、短冊形の貼合紙を一重ではなく、二重にスパイラル巻きしたこと以外は、製造例1と同様にして液体収容管(紙管2)を得た。
[製造例3]
製造例2において、貼合紙として、グラシン紙に代えて、厚さ25μmのパーチメント紙(坪量25g/m2、密度1.0g/cm3)と、厚さ6.5μmのアルミニウム箔とをポリオレフィン樹脂を含む接着剤で貼り合わせたものを用いたこと以外は、製造例2と同様にして、液体収容管(紙管3)を得た。
[製造例4]
製造例2において、貼合紙として、厚さ25μmのグラシン紙(坪量25g/m2、密度1.0g/cm3)の上に、アルミニウム箔ではなく、厚さ0.4μmのシリカ蒸着層を形成したものを用いたこと以外は、製造例2と同様にして、液体収容管(紙管4)を得た。
[製造例5]
製造例2において、コート紙の隣接面同士を突き当てるのではなく、1mm重ねて巻いたこと以外は、製造例2と同様にして、液体収容管(紙管5)を得た。
[製造例6]
製造例2において、貼合紙同士の接触箇所とコート紙同士の接触箇所との間隔を3mmではなく、5mm空けたこと以外は、製造例2と同様にして、液体収容管(紙管6)を得た。
各実施例および比較例に用いたインクは、下記処方で調製した。
<塗布液1> (全量100質量%)
スピロンバイオレットC-RH [保土ヶ谷化学工業(株)製] 8%
スピロンイエローC-GNH [保土ヶ谷化学工業(株)製] 5%
Printex#35 [デグッサジャパン(株)製] 8%
ポリビニルブチラール BL-1 [積水化学工業(株)製] 4%
ポリビニルブチラール BH-3 [積水化学工業(株)製] 0.7%
ハイラック110H [日立化成(株)製] 10%
SOLSPERSE 28000 [日本ルーブリゾール(株)製] 1%
(酸価:29、重量平均分子量:約3400)
ベンゾトリアゾール 0.5%
3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール 62.8%
<塗布液2> (全量100質量%)
FUJI RED 2510 [冨士色素(株)製] 8%
ジョンクリル63J [BASFジャパン(株)製] 6%
キサンタンガム KELSAN S [三晶(株)製 0.32%
リン酸イソプロピル 0.5%
バイオデンS [日本曹達(株)製] 0.2%
ベンゾトリアゾール 0.3%
トリエタノールアミン 1.4%
プロピレングリコール 15%
イオン交換水 68.28%
<塗布液3> (全量100質量%)
ビニブランGV5651 [日信化学工業(株)製] 80%
(ポリ酢酸ビニルエマルション;固形分40%)
酸性染料 赤227号 0.22%
黄4号 0.34%
青1号 0.08%
精製水 19.36%
下記のように、各実施例および比較例に用いたインク追従体を調製した。
実施例1で用いたインク追従体の調製方法を代表例として示す。
基油として、ポリブテン 015N(ポリブテン;日油(株)製)55.5質量%およびダイアナプロセスオイルPW-380(鉱物油;出光興産(株)製)40.0質量%と、増ちょう剤として、AEROSIL R202(疎水性フュームドシリカ;日本アエロジル(株)製)4.5質量%とを混合して、プラネタリーミキサーおよびロールミルにより加温混練し、インク追従体を調製した。前記インク追従体をインク追従体1とする。
実施例2~9および比較例1~3で用いたインク追従体は、基油及び増ちょう剤を表1に示す種類及び量で使用し、表1に示す混練条件で調製した。これらをインク追従体2~12とする。
各実施例および比較例で使用したインク追従体1~12の評価方法を以下に示す。
[降伏応力]
降伏応力(τ0)はせん断速度ゼロのときのせん断応力である。せん断応力(τ)は、せん断速度(D)と粘度の測定値(25℃)とから算出できる。降伏応力(τ0、単位Pa)は、3点以上のせん断速度-せん断応力(測定値)のそれぞれの平方根からプロットした一次直線の切片の2乗である。
[位相角]
インク追従体(試料)を測定台に載せ、弛まないように荷重を与えて試料を測定台に保持した。その状態で、試料と軸を介して繋げた加振機((株)アントンパール製;MCR-302)を25℃、1Hzで駆動させて、試料に動的応力を与えた。動的応力および動的ひずみから変換された二つの波形(位相)における、応力ピーク値とひずみピーク値との比をせん断ひずみとして、せん断ひずみ振幅10%、25%、45%の位相角(°)を求めた。
実施例1~7および比較例1~3で使用したインク追従体の25℃、1Hzにおけるせん断ひずみ振幅10%、25%、45%の位相角(°)の結果を表1に示す。
[インク追従体の逆流]
(i)未筆記の場合のインク追従体の逆流
紙製液体収容管にインクおよびインク追従体を充填し、継手とボール径0.7mmのチップからなるペン先とを組み合わせ、リフィールとした。リフィールのペン先を上に向けて25℃で1週間静置した。筆記後のリフィールを長手方向に沿って切断し、逆流の判定は、下記の基準で、リフィール後端からのインク漏れ具合を目視で評価した。
A:インクおよびインク追従体とも移動していなかった
B:インク追従体が移動していた
C:リフィール後端からインク追従体が漏れていた
(ii)筆記後の場合のインク追従体の逆流
前記(i)と同様にして、リフィールを作製後、25℃湿度65%環境で筆記試験機を用いて荷重100g、筆記速度4.5m/分、筆記角度60°で螺旋筆記した。100m毎に測定したインク消費重量の合計が、インク追従体の充填重量の1.5倍以上に到達するまで実施し、筆記後にペン先を上に向けて25℃で1週間静置した。逆流の判定は、前記(i)と同じ基準で行った。
A:インクおよびインク追従体とも移動していなかった
B:インク追従体が移動していた
C:リフィール後端からインク追従体が漏れていた
[実施例1]
紙管1に塗布液1を0.7g充填し、さらにインク追従体1を約10mmの長さに充填して充填重量を測定したのち、塗布液の後端を封止した。
次いで、前記紙管1の封止部とは反対側に、ステンレス鋼製の継手を装着し、さらに継手の先端にボール径0.7mmのチップからなるペン先を装着し、リフィールを作製した。得られたリフィール(未筆記と筆記後)のペン先を上に向けて25℃で1週間静置した。
[実施例2]
紙管2に塗布液1を0.7g充填し、さらにインク追従体2を約10mmの長さに充填して充填重量を測定したのち、塗布液の後端を封止した。実施例1と同様にして、リフィールを作製した。
実施例1と同様の条件下に静置した。
[実施例3]
紙管2に塗布液1を0.7g充填し、さらにインク追従体3を約10mmの長さに充填して充填重量を測定したのち、塗布液の後端を封止した。実施例1と同様にして、リフィールを作製した。
実施例1と同様の条件下に静置した。
[実施例4]
紙管3に塗布液1を0.7g充填し、さらにインク追従体4を約10mmの長さに充填して充填重量を測定したのち、塗布液の後端を封止した。実施例1と同様にして、リフィールを作製した。
実施例1と同様の条件下に静置した。
[実施例5]
紙管4に塗布液2を0.7g充填し、さらにインク追従体5を約10mmの長さに充填して充填重量を測定したのち、塗布液の後端を封止した。実施例1と同様にして、リフィールを作製した。
実施例1と同様の条件下に静置した。
[実施例6]
紙管5に塗布液2を0.7g充填し、さらにインク追従体6を約10mmの長さに充填して充填重量を測定したのち、塗布液の後端を封止した。実施例1と同様にして、リフィールを作製した。
実施例1と同様の条件下に静置した。
[実施例7]
紙管6に塗布液3を0.7g充填し、さらにインク追従体7を約10mmの長さに充填して充填重量を測定したのち、塗布液の後端を封止した。実施例1と同様にして、リフィールを作製した。
実施例1と同様の条件下に静置した。
[実施例8]
紙管1に塗布液1を0.7g充填し、さらにインク追従体8を約10mmの長さに充填して充填重量を測定したのち、塗布液の後端を封止した。実施例1と同様にして、リフィールを作製した。
実施例1と同様の条件下に静置した。
[実施例9]
紙管2に塗布液2を0.7g充填し、さらにインク追従体9を約10mmの長さに充填して充填重量を測定したのち、塗布液の後端を封止した。実施例1と同様にして、リフィールを作製した。
実施例1と同様の条件下に静置した。
インク追従体1~7はいずれも、降伏応力が高く、インク追従体の逆流評価においても、未筆記および筆記後のいずれもAであった。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例2において、インク追従体2に代えて、インク追従体10を使用した以外は、実施例2と同様にして、リフィールを作製した。
インク追従体2と比べて、ポリブテンの割合が多く、増ちょう剤の割合が少ないインク追従体8を使用した比較例1では、降伏応力が9Paと小さく、インク追従体の逆流評価では、インク追従体の漏れが認められ、結果はいずれもCであった。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例5において、インク追従体5に代えて、インク追従体11を使用した以外は、実施例5と同様にして、リフィールを作製した。
インク追従体5と比べて、シリコーンオイルの量が多く、増ちょう剤の量が少ないインク追従体11を使用した比較例1では、降伏応力が12Paと小さく、インク追従体の逆流評価では、インク追従体の漏れが認められ、結果はいずれもCであった。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例7において、インク追従体7に代えて、インク追従体12を使用した以外は、実施例7と同様にして、リフィールを作製した。
インク追従体7と比べて、基油の量が多く、増ちょう剤の量が少ないインク追従体12を使用した比較例3では、降伏応力が15Paと小さかった。インク追従体の逆流評価では、未筆記の場合はBであったが、筆記後ではCであった。結果を表1に示す。
Figure 2023113100000001
10 塗布具用液体収容部材
11 継手
12 ボールペンチップ
1 内層
2 中間層
3 外層
4、4’ 継ぎ目
5 接着剤層

Claims (3)

  1. 紙基材を用いた液体収容管と、
    前記液体収容管に充填した、降伏応力が16Pa以上であるインク追従体と
    を備えることを特徴とする塗布具用液体収容部材。
  2. 前記インク追従体は、25℃、1Hzにおけるせん断ひずみ振幅が0~30%のときの位相角が35°以上である、請求項1に記載の塗布具用液体収容部材。
  3. 筆記具用の紙製リフィールである、請求項1または2に記載の塗布具用液体収容部材。
JP2022062488A 2022-02-02 2022-04-04 塗布具用液体収容部材 Pending JP2023113100A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN202380019221.0A CN118613375A (zh) 2022-02-02 2023-01-24 涂布工具用液体贮存构件
PCT/JP2023/002104 WO2023149282A1 (ja) 2022-02-02 2023-01-24 塗布具用液体収容部材

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022014793 2022-02-02
JP2022014793 2022-02-02

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023113100A true JP2023113100A (ja) 2023-08-15

Family

ID=87565382

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022062488A Pending JP2023113100A (ja) 2022-02-02 2022-04-04 塗布具用液体収容部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023113100A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7292672B2 (ja) 塗布具用液体収容部材
US9550922B2 (en) Hot-melt adhesive for electric instruments
WO2023149282A1 (ja) 塗布具用液体収容部材
US6200053B1 (en) Ink follower composition for ballpoint pen and ballpoint pen using the same
JP2023113100A (ja) 塗布具用液体収容部材
WO2022138498A1 (ja) 塗布具用液体収容部材
JP2023031222A (ja) 塗布具用液体収容部材
CN118613375A (zh) 涂布工具用液体贮存构件
JP2021123080A (ja) 積層体およびチューブ容器
JP2021100804A (ja) 摩擦体用組成物、摩擦体及び筆記具
JP2014050977A (ja) 塗布具用ペン芯
JP2023030910A (ja) 塗布具用液体収容部材
JP7392467B2 (ja) チューブ容器
WO2023026562A1 (ja) 筆記具用液体収容部材、筆記具用リフィル、筆記具および塗布具用液体収容部材
JP2022056686A (ja) 積層体およびチューブ容器
JP2021154525A (ja) 同一品種の軸筒に配設するボールペンリフィル群
JP4699683B2 (ja) 床材溶接棒用樹脂組成物
JP2009221421A (ja) 改良された塗布用隠蔽組成物
JP2023030318A (ja) 筆記具用液体収容部材、筆記具用リフィルおよび筆記具
WO2023162974A1 (ja) 筆記具
WO2003093028A1 (fr) Tube receveur d'encre a ecrire
WO2024080238A1 (ja) 被供給液入り液体収容管
JP3544202B2 (ja) 筆記具用インキ収容管
JP7491019B2 (ja) 積層体およびチューブ容器
WO2023054201A1 (ja) 筆記具用インキ収容管、筆記具用中芯及び筆記具