JP2023029038A - 垂直共振器型発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い発光効率を有する垂直共振器型発光素子を提供する。【解決手段】本発明の面発光レーザは、窒化ガリウム系半導体基板と、前記基板上に形成された第1の多層膜反射鏡と、前記第1の多層膜反射鏡上に形成された活性層を含む半導体構造層と、前記半導体構造層の前記第1の半導体層に電気的に接触している第1の電極層と、前記半導体構造層の上面に形成され前記上面の1の領域において前記半導体構造層の前記第2の半導体層に電気的に接触している第2の電極層と、前記第1の多層膜反射鏡との間で共振器を構成する第2の多層膜反射鏡と、を有し、前記半導体基板の上面は、c面からM面またはA面のいずれかの結晶面にオフセットした面であり、前記1の領域は前記上面が前記M面にオフセットしている場合にはm軸方向に長手方向を有する形状を有し、前記上面がA面にオフセットしている場合にはa軸方向に長手方向を有する形状を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:vertical cavity surface emitting laser)などの垂直共振器型発光素子に関する。
従来から、半導体レーザの1つとして、電圧の印加によって光を放出する半導体層と、当該半導体層を挟んで互いに対向する多層膜反射鏡と、を有する垂直共振器型の半導体面発光レーザ(以下、単に面発光レーザとも称する)が知られている。例えば、特許文献1には、n型半導体層及びp型半導体層にそれぞれ接続されたn電極及びp電極を有する垂直共振器型の半導体レーザが開示されている。
特開2017-98328号公報
例えば、面発光レーザなどの垂直共振器型発光素子には、対向する反射鏡によって光共振器が形成されている。例えば、面発光レーザ内においては、電極を介して半導体層に電圧が印加されることで、当該半導体層から放出された光が当該光共振器内で共振し、レーザ光が生成される。
しかし、垂直共振器型の半導体レーザ素子には、例えば、活性層を含む半導体層の面内方向に共振器を有する水平共振器型の半導体レーザに比べ発光効率が低いということが課題の一例として挙げられる。
また、GaN系の基板を用いた垂直共振器型の半導体レーザ素子にから出射される光は、楕円偏光であったり、偏光方向がまちまちな直線偏光であることが多かった。また、駆動電流や動作温度の変化に依って偏光方向が変わってしまう等、動作中に偏光方向を安定させることが困難であった。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、高い発光効率を有し、安定して特定の偏光方向の光を出射することが可能な垂直共振器型発光素子を提供することを目的としている。
本発明による垂直共振器型発光素子は、窒化ガリウム系半導体基板と、前記基板上に形成された窒化物半導体よりなる第1の多層膜反射鏡と、前記第1の多層膜反射鏡上に形成された第1の導電型を有する窒化物半導体よりなる第1の半導体層、前記第1の半導体層上に形成された窒化物半導体よりなる活性層、及び前記活性層上に形成されかつ前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する窒化物半導体よりなる第2の半導体層を含む半導体構造層と、前記半導体構造層の前記第1の半導体層に電気的に接触している第1の電極層と、前記半導体構造層の上面に形成され前記上面の1の領域において前記半導体構造層の前記第2の半導体層に電気的に接触している第2の電極層と、前記電極層上に前記1の領域を覆うように形成され、前記第1の多層膜反射鏡との間で共振器を構成する第2の多層膜反射鏡と、を有し、前記窒化ガリウム系半導体基板の上面は、c面からM面またはA面のいずれかの結晶面にオフセットした面であり、前記1の領域は前記上面が前記M面にオフセットしている場合にはm軸方向に長手方向を有する形状を有しており、前記上面がA面にオフセットしている場合にはa軸方向に長手方向を有する形状を有していることを特徴とする。
実施例1の面発光レーザの斜視図である 実施例1の面発光レーザの上面図である。 実施例1の面発光レーザの断面図である。 実施例2の面発光レーザの底面図である。 実施例2の面発光レーザの断面図である。 実施例3の面発光レーザの底面図である。 実施例3の面発光レーザの断面図である。 変形例の面発光レーザの上面図である。 変形例の面発光レーザの上面図である。 変形例の面発光レーザの上面図である。 変形例の面発光レーザの上面図である。 変形例の面発光レーザの上面図である。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。以下の説明においては、半導体面発光レーザ素子を例に説明するが、本発明は、面発光レーザのみならず、垂直共振器型発光ダイオードなど、種々の垂直共振器型発光素子に適用することができる。
図1は、実施例1に係る垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser、以下、単に面発光レーザとも称する)10の斜視図である。
基板11は、窒化ガリウム系半導体基板、例えばGaN基板である。基板11は、例えば、上面形状が矩形の基板である。基板11は、転位を全体に均一に分布させ、転位欠陥の集合体であるコアが形成されないように製造されたコアレス型の基板である。
基板11の上面は、C面からM面方向に0.5°オフした面である。また、基板11の上面は、C面からA面方向にはほとんどオフしておらず、C面からA面方向へのオフ角は0±0.1°である。
第1の多層膜反射鏡13は、基板11の上に成長させられた半導体層からなる半導体多層膜反射鏡である。第1の多層膜反射鏡13は、AlInNの組成を有する低屈折率半導体膜と、GaN組成を有し低屈折率半導体膜よりも屈折率が高い高屈折率半導体膜とが交互に積層されることで形成されている。言い換えれば、第1の多層膜反射鏡13は、半導体材料からなる分布ブラッグ反射器(DBR:Distributed Bragg Reflector)である。
第1の多層膜反射鏡13は、例えば、基板11の上面に、GaN組成を有するバッファ層を設け、当該バッファ層上に上記高屈折率半導体膜と低屈折率半導体膜とを交互に成膜させることで形成される。
半導体構造層15は、第1の多層膜反射鏡13上に形成された複数の半導体層からなる積層構造体である。半導体構造層15は、第1の多層膜反射鏡13上に形成されたn型半導体層(第1の半導体層)17と、n型半導体層17上に形成された発光層(または活性層)19と、活性層19上に形成されたp型半導体層(第2の半導体層)21と、を有する。
第1の導電型の半導体層としてのn型半導体層17は、第1の多層膜反射鏡13上に形成された半導体層である。n型半導体層17は、GaN組成を有し、n型不純物としてSiがドーピングされている半導体層である。n型半導体層17は、角柱状の下部17Aとその上に配された円柱状の上部17Bとを有する。具体的には、例えば、n型半導体層17は、角柱状の下部17Aの上面17Sから突出した円柱状の上部17Bを有している。言い換えれば、n型半導体層17は、上部17Bを含むメサ形状の構造を有する。
活性層19は、n型半導体層17の上部17B上に形成されており、InGaN組成を有する井戸層及びGaN組成を有する障壁層を含む量子井戸構造を有する層である。面発光レーザ10においては、活性層19において光が発生する。
第2の導電型の半導体層としてのp型半導体層21は、活性層19上に形成されたGaN組成を有する半導体層である。p型半導体層21には、p型の不純物としてMgがドーピングされている。
n電極23は、n型半導体層17の下部17Aの上面17Sに設けられ、n型半導体層17と電気的に接続されている金属電極である。n電極23は、n型半導体層17の上部17Bを囲繞するように環状に形成されている。n電極23は、n型半導体層17と電気的に接触し、半導体構造層15に外部からの電流を供給する第1の電極層を形成している。
絶縁層25は、p型半導体層21上に形成されている絶縁体からなる層である。絶縁層25は、例えばSiO等のp型半導体層21を形成する材料よりも低い屈折率を有する物質によって形成されている。絶縁層25は、p型半導体層21上において環状に形成されており、中央部分にp型半導体層21を露出する開口部(図示せず)を有している。
透明電極27は、絶縁層25の上面に形成された透光性を有する金属酸化膜である。透明電極27は、絶縁層25の上面全体及び絶縁層25の中央部分に形成された開口から露出するp型半導体層21の上面の全体を覆っている。透明電極27を形成する金属酸化膜としては、例えば、活性層19からの出射光に対して透光性を有するITOやIZOを用いることができる。
p電極29は、透明電極27上に形成された金属電極である。p電極29は、絶縁層25の上記開口部から露出したp型半導体層21の上面と、透明電極27を介して電気的に接続されている。透明電極27とp電極29とで、p型半導体層21に電気的に接触しかつ半導体構造層15に外部からの電流を供給する第2の電極層が形成されている。本実施例において、p電極29は、透明電極27の上面に当該上面の外縁に沿って環状に形成されている。
第2の多層膜反射鏡31は、透明電極27の上面のp電極29に囲まれた領域に形成された円柱上の多層膜反射鏡である。第2の多層膜反射鏡31は、Alからなる低屈折率誘電体膜と、Taからなり低屈折率誘電体膜よりも屈折率が高い高屈折率誘電体膜とが交互に積層された誘電体多層膜反射鏡である。言い換えれば、第2の多層膜反射鏡31は、誘電体材料からなる分布ブラッグ反射器(DBR:Distributed Bragg Reflector)である。
図2は、面発光レーザ10の上面図である。上述したように、面発光レーザ10は、矩形の上面形状を有する基板11上に形成されたn型半導体層17、上面形状が楕円形の活性層19及びp型半導体層21を含む半導体構造層15を有している(図1参照)。p型半導体層21上には、絶縁層25及び透明電極27が形成されている。透明電極27上には、p電極29及び第2の多層膜反射鏡31が形成されている。なお、図2において、軸AX1に沿った方向が基板11のm軸方向である。
絶縁層25は、上述した絶縁層25のp型半導体層21を露出する楕円形の開口部である開口部25Hを有している。図2に示すように、開口部25Hは、面発光レーザ10の上方からみて絶縁層25の中央部に形成されており、面発光レーザ10の上方からみて第2の多層膜反射鏡31に覆われている。言い換えれば、開口部25Hは、絶縁層25の多層膜反射鏡31の下面と対向する領域に形成されている。
開口部25Hは、軸AX1に沿った方向に長軸を有する楕円形状を有している。従って、p型半導体層21は、p型半導体層21の上面の開口部25Hから露出しているm軸方向に長軸を有する楕円状の領域にある電気的接触面21Sを介して透明電極27と電気的に接続されている。言い換えれば、開口部25H及び開口部25Hその輪郭が画定される電気的接触面21Sは、m軸方向に長手方向を有する形状を有している。
さらに言えば、上面視において、すなわち基板11の上面と垂直な法線方向から見て、p型半導体層21の上面の電気的接触面21Sの中心を通る直線の内、電気的接触面21Sを通っている部分が一番長い直線の延伸方向とm軸方向が一致している。
図3は、面発光レーザ10の図2の3-3線に沿った断面図である。上述のように、面発光レーザ10は、GaN基板である基板11を有し、基板11上に第1の多層膜反射鏡13が形成されている。なお、基板11の下面には、ARコートが施されていてもよい。
第1の多層膜反射鏡13上には、半導体構造層15が形成されている。半導体構造層15は、n型半導体層17、活性層19及びp型半導体層21がこの順に形成されてなる積層体である。p型半導体層21の上面の中央部には、上方に突出している突出部21Pが形成されている。
絶縁層25は、p型半導体層21の上面の突出部21P以外の領域を覆うように形成されている。絶縁層25は、上述のようにp型半導体層21よりも低い屈折率を有している材料からなっている。絶縁層25は、突出部21Pを露出せしめる開口部25Hを有している。例えば、図2に示すように開口部25Hは楕円形である。例えば、開口部25Hと突出部21Pとは同様の形状を有しており、開口部25Hの内側面と突出部21Pの外側面は接している。言い換えれば、突出部21Pも楕円形の上面形状を有している。
透明電極27は、絶縁層25及び絶縁層25の開口部25Hから露出している突出部21Pの上面を覆うように形成されている。すなわち、透明電極27は、p型半導体層21の上面の開口部25Hによって露出している領域において、p型半導体層21と電気的に接触している。言い換えれば、p型半導体層21の上面の開口部25Hを介して露出している領域が、p型半導体層21と透明電極27との電気的接触をもたらす電気的接触面21Sとなっている。
p電極29は、上述したように金属電極であり、透明電極27の上面の外縁に沿って形成されている。すなわち、p電極29は、透明電極27と電気的に接触している。従って、p電極29は、p型半導体層21の上面の開口部25Hによって露出している電気的接触面21Sにおいて、透明電極27を介してp型半導体層21と電気的に接触または接続している。
第2の多層膜反射鏡31は、透明電極27の上面であって、絶縁層25の開口部25H上の領域、言い換えれば電気的接触面21S上の領域すなわち透明電極27の上面の中央部分に形成されている。第2の多層膜反射鏡31の下面は、透明電極27及び半導体構造層15を挟んで第1の多層膜反射鏡13の上面と対向している。この第1の多層膜反射鏡13及び第2の多層膜反射鏡31の配置により、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31とで、活性層19から出射した光を共振させる共振器が形成される。
面発光レーザ10において、第1の多層膜反射鏡13は、第2の多層膜反射鏡31よりもわずかに低い反射率を有する。従って、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間で共振した光は、その一部が第1の多層膜反射鏡13及び基板11を透過し、外部に取り出される。
ここで、面発光レーザ10の動作について説明する。面発光レーザ10において、n電極23及びp電極29との間に電圧が印加されると、図中太線一点鎖線に示す様に、半導体構造層15内に電流が流れ、活性層19から光が放出される。活性層19から放出された光は、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間において反射を繰り返し、共振状態に至る(すなわちレーザ発振する)。
面発光レーザ10においては、p型半導体層21には、開口部25Hによって露出している部分、すなわち電気的接触面21Sのみから電流が注入される。また、p型半導体層21は非常に薄いため、p型半導体層21内では面内方向、すなわち半導体構造層15の面内に沿った方向には電流は拡散しない。
従って、面発光レーザ10においては、活性層19のうち、開口部25Hによって画定される電気的接触面21Sの直下の領域にのみ電流が供給されて、当該領域からのみ光が放出される。すなわち、面発光レーザ10において、開口部25Hが活性層19における電流の供給範囲を制限する電流狭窄構造となっている。言い換えれば、面発光レーザ10においては、活性層19のうち、電気的接触面21Sを底面とする柱状の領域である中央領域CAのみに電流が流れるように電流が狭窄される電流狭窄構造が形成されている。言い換えれば、活性層19内の電流が流れる領域を含む中央領域CAは、電気的接触面21Sによって画定される。
上述のように、本実施例においては、第1の多層膜反射鏡13は、第2の多層膜反射鏡31よりもわずかに低い反射率を有する。従って、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間で共振した光は、その一部が第1の多層膜反射鏡13及び基板11を透過し、外部に取り出される。このようにして、面発光レーザ10は、基板11の下面から、基板11の下面及び半導体構造層15の各層の面内方向に対して垂直な方向に光を出射する。言い換えれば、基板11の下面が、面発光レーザ10の光出射面となっている。
なお、半導体構造層15のp型半導体層21の電気的接触面21S及び絶縁層25の開口部25Hは、活性層19における発光領域の中心である発光中心を画定し、共振器OCの中心軸(発光中心軸)AX2を画定する。共振器OCの中心軸AX2は、p型半導体層21の電気的接触面21Sの中心を通り、半導体構造層15の面内方向に対して垂直な方向に沿って延びる。
なお、活性層19の発光領域とは、例えば、活性層19内における所定の強度以上の光が放出される所定の幅を有する領域であり、その中心が発光中心である。また、例えば、活性層19の発光領域とは、活性層19内において所定の密度以上の電流が注入される領域であり、その中心が発光中心である。また、当該発光中心を通る基板11の上面または半導体構造層15の各層の面内方向に対して垂直な直線が中心軸AX2である。発光中心軸AX2は、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31とによって構成される共振器OCの共振器長方向に沿って延びる直線である。また、中心軸AX2は、面発光レーザ10から出射されるレーザ光の光軸に対応する。
ここで、面発光レーザ10における第1の多層膜反射鏡13、半導体構造層15及び第2の多層膜反射鏡31各層の例示的な構成について説明する。本実施例においては、第1の多層膜反射鏡13は、基板11の上面に形成された1μmのGaN下地層、及び42ペアのn-GaN層及びAlInN層からなる。
n型半導体層17は、1580nmの層厚のn-GaN層である。活性層19は、4nmのGaInN層及び5nmのGaN層が4ペア積層された多重量子井戸構造の活性層からなる。活性層19上には、MgドープされたAlGaNの電子障壁層が形成され、その上に50nmのp-GaN層からなるp型半導体層21が形成されている。第2の多層膜反射鏡31は、Nb及びSiOを10.5ペア積層したものである。この場合の共振波長は、440nmであった。
絶縁層25は、20nmのSiOからなる層である。言い換えれば、p型半導体層21の上面の突出部21Pは、周囲から20nm突出している。すなわち、p型半導体層21は、突出部21Pにおいて50nmの層厚を有し、それ以外の領域において30nmの層厚を有する。また、絶縁層25の上面は、p型半導体層21の突出部21Pの上面と同一の高さ位置に配置されるように構成されている。なお、これらの構成は一例に過ぎない。
以下、面発光レーザ10内部の光学的な特性について説明する。上述のように、面発光レーザ10において、絶縁層25は、p型半導体層21よりも低い屈折率を有する。また、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間において、活性層19及びn型半導体層17の層厚は、面内のいずれの箇所においても同じ層内であれば同一である。
従って、面発光レーザ10の第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間で形成される共振器OC内における等価的な屈折率(第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間の光学的距離であり、共振波長に対応する)は、p型半導体層21と絶縁層25との屈折率の差によって、m軸に沿った方向に長軸を有する楕円形状の電気的接触面21Sを底面とする楕円柱状の中央領域CAとその周りの筒状の周辺領域PAとで異なる。
具体的には、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間において、周辺領域PAの等価屈折率は中央領域の等価屈折率よりも低い、すなわち、中央領域CAにおける等価的な共振波長は、周辺領域PA等価的な共振波長よりも小さい。なお、上述のように、活性層19において光が放出されるのは、開口部25H及び電気的接触面21Sの直下の領域である。すなわち、活性層19において光が放出される発光領域は、活性層19のうち中央領域CAと重なる部分、言い換えれば上面視において電気的接触面21Sと重なる領域である。
このように、面発光レーザ10においては、活性層19の発光領域を含む中央領域CAと、中央領域CAを囲繞しかつ中央領域CAよりも屈折率が低い周辺領域PAとが形成されている。これによって、中央領域CA内の定在波が周辺領域PAに発散(放射)することによる光損失が抑制される。すなわち、中央領域CAに多くの光が留まり、またその状態でレーザ光が外部に取り出される。従って、多くの光が共振器OCの発光中心軸AX2の周辺の中央領域CAに集中し、高出力かつ高密度なレーザ光を生成及び出射することができる。
上述のように、本実施例の面発光レーザ10では、基板11の上面がC面からM面方向に0.5°オフした面となっている。本実施例の面発光レーザ10のように、基板11のM面にオフセットした成長面に半導体層を成長させた場合、m軸方向に偏光方向を有する光の光学利得が他の方向に偏光方向を有する光よりも大きくなるため、m軸方向に偏光方向を有するレーザ光が発振しやすい。そのため、面発光レーザ10の中央領域CAから出射される光は、m軸方向に偏光方向を有する光が多くなる。
また、本実施例の面発光レーザ10では、電気的接触面21Sの上面形状がm軸に沿った長軸を有する楕円形状となっている。すなわち、電気的接触面21Sの形状がm軸に沿った方向に長手方向を有している。それにより、中央領域CAが、m軸に沿った方向に長軸を有する楕円を底面とする楕円柱状になっている。言い換えれば、本実施例の面発光レーザ10においては、中央領域CAの形状がm軸方向と他の軸の方向で中央領域CAの径が異なる非対称な形状になっている。また、m軸方向において中央領域CAの径が最大になっている。
面発光レーザ10において、電気的接触面21Sをm軸方向に長軸を有する楕円形状とすると、すなわち中央領域CAを上記したようなm軸方向に長軸を有する楕円形の底面を有する楕円柱状とすると、m軸方向に沿った偏光方向を有する光の中央領域CA内での反射率が高まり、m軸方向に沿った偏光方向を有する光の光利得が高くなり、かつm軸方向損失が低くなることが、本願発明の発明者によって見出された。
従って、面発光レーザ10によれば、面発光レーザ10の光出射面となっている基板11の下面から、m軸方向に沿った偏光方向を有する光を多く取り出すことができ、かつm軸に沿った方向以外の偏光方向を有する光の出射を抑制することができる。よって、面発光レーザ10によれば、光出射面から取り出される光の、光出射面の面内方向における偏光方向バラツキを抑制することが可能となる。
なお、実施例1の面発光レーザ10を実際に駆動して出射光の偏光方向を確認したところ、3mA~13mAの駆動電流で駆動した場合に、装置温度が20℃~80℃の温度という条件下で安定してm軸方向に偏光方向を有する光が支配的な出射光が得られることが確認された。
また、電気的接触面21Sの長軸が上面視においてm軸方向に対して±5°程度傾いていても、上記したm軸方向に沿った偏光方向を有する光の利得向上効果が充分に得られることが確認されている。
上述のように、本発明の面発光レーザによれば、高い発光効率を有し、安定して特定の偏光方向の出射光を得ることが可能となる。これは、面発光レーザの出射光を、液晶や偏光子を用いた光学系を有する装置に用いる場合に非常に有効である。
[製造方法]
以下に、面発光レーザ10の製造方法の一例について説明する。まず、基板11として、c面からM面方向に0.5°オフしたn-GaN基板を用意し、当該基板上に、有機金属気相成長法(MOVPE)により、下地層としてn-GaN(層厚1μm)層を形成する。その後、当該下地層上にn-GaN/AlInNの層を42ペア成膜し、第1の多層膜反射鏡13を形成する。
次に、第1の多層膜反射鏡13上に、Siドープn-GaN(層厚1580nm)を形成してn型半導体層17を形成し、その上に、GaInN(層厚4nm)及びGaN(層厚5nm)からなる層を4ペア積層することで、活性層19を形成する。
次に、活性層19上に、MgドープAlGaNからなる電子障壁層を形成し(図示せず)、当該電子障壁層上にp-GaN層(層厚50nm)を成膜してp型半導体層21を形成する。
次に、p型半導体層21、活性層19及びn型半導体層17の周囲の部分をエッチングして、当該周囲の部分においてn型半導体層17の上面17Sが露出するようなメサ形状を形成する。言い換えれば、この工程で、図1のn型半導体層17、活性層19及びp型半導体層21からなる楕円柱上の部分を有する半導体構造層15が完成する。
次に、p型半導体層21の上面の中央部の周囲をエッチングして、突出部21Pを形成する。その後、半導体構造層15上に、SiOを成膜して、その一部を除去して開口部25Hを形成することで絶縁層25を形成する。言い換えれば、p型半導体層21の上面のエッチング除去された部分に、SiOを埋め込む。
次に、絶縁層25上にITOを20nm成膜して透明電極27を形成し、透明電極27上及びn型半導体層17の上面17SにそれぞれAuを成膜してp電極29及びn電極23を形成する。
次に、透明電極27上にNbを40nm、スペーサー層(図示せず)として成膜し、当該スペーサー層上に、1ペアがNb25/SiO2からなる層を10.5ペア成膜して、第2の多層膜反射鏡31を形成する。
次に、基板11の裏面を研磨し、当該研磨面に、Nb25/SiO2からなるARコートを形成することで、面発光レーザ10が完成する。
以下、本発明の実施例2である面発光レーザ40について説明する。面発光レーザ40は、基板11の下面、すなわち面発光レーザ40の光出射面にスリット溝41が形成されている点において、面発光レーザ10とは異なる。
図4に実施例2の面発光レーザ40の底面図を示す。また、図5に、面発光レーザ40を、上記実施例1の図2に示したのと同様の切断線である5-5線で切断した断面図を示す。図4及び図5に示すように、面発光レーザ40においては、基板11の下面の開口部25H及び電気的接触面21Sと対向する領域、すなわち出射光が出射する領域に、複数のスリット溝41が形成されている。
スリット溝41は、各々が基板11の下面において軸AX1と平行に伸張しており、かつ軸AX1と垂直な方向に配列されている溝、すなわちスリット状の凹部である。すなわちスリット溝41は、基板11の下面において、m軸方向に沿って伸張している溝である。
このスリット溝41によって形成される回折格子は、第1の多層膜反射鏡13及び基板11によって形成される反射構造の中央領域CAにおいて、回折格子を形成するスリット溝41の各々の伸長方向、すなわちm軸方向が偏光方向となっている光に対する高い反射率をもたらす。すなわち、スリット溝41が形成されていることで、他の偏光方向を有する光よりもm軸方向が偏光方向になっている光の反射率が高まり、m軸方向が偏光方向になっている光が優先的に発振しやすくなる。
従って、面発光レーザ40によれば、基板11の下面にスリット溝41からなる回折格子構造を形成することで、出射光の更なる偏光制御を行い、1の偏光方向を有する光が支配的な出射光を安定して得ることが可能となる。
なお、スリット溝41は、上記説明した実施例1の面発光レーザ10の製法の最後の工程において、基板11の下面を研磨した後に、例えば基板11の下面にドライエッチング等のエッチング処理をすることで形成することが可能である。
また、図4において、スリット溝41は、開口部25Hと対向する領域にのみ形成されているが、スリット溝41は、開口部25Hと対向する領域のみならずさらに外側に延伸していてもよい。
以下、本発明の実施例3である面発光レーザ50について説明する。面発光レーザ50は、基板11の下面、すなわち面発光レーザ50の光出射面に凸部を形成し、当該凸型レンズ構造の表面に実施例2において説明したスリット溝41が形成されている点において、面発光レーザ40とは異なる。
図6に実施例3の面発光レーザ50の底面図を示す。また、図6に、面発光レーザ50を、上記実施例1の図2に示したのと同様の切断線である7-7線で切断した断面図を示す。図6及び図7に示すように、面発光レーザ50においては、基板11の下面の開口部25H及び電気的接触面21Sと対向する領域を含む領域に、下向きに凸の凸型レンズ状の凸部51が形成されている。
凸部51は、実施例1において説明した中心軸AX2を頂点とする凸レンズ形状を有している。複数のスリット溝41は、当該凸部51の表面に形成されている。
実施例3の面発光レーザ50によれば、凸部51により、第1の多層膜反射鏡13及び基板11によって形成される反射構造によって、中央領域CAに反射される光の量を増加させることができる。これにより、面発光レーザ50によれば、出射光の主たる部分を生み出す中央領域CAにおいて光の発振効率をさらに高めることが可能となる。
なお、例えば、凸部51は、基板11の裏面に凸部51の同様の形状にレジストを堆積させ、基板11の裏面全体をドライエッチングすることで、レジストの形状を基板11の裏面に転写することで形成することが可能である。
上記説明においては、凸部51は凸レンズ状であるとしたが、凸部51の形状は、第1の多層膜反射鏡13と基板11からなる反射構造によって反射される光が中央領域CAに集められる形状であれば他の形状でも構わない。例えば、凸部51は、下方に凸のパラボラ形状であってもよい。
また、図6において、スリット溝41は、開口部25Hと対向する領域にのみ形成されているが、スリット溝41は、開口部25Hと対向する領域のみならずさらに外側に延伸していてもよい。
上記実施例1乃至3において、開口部25Hによって画定される電気的接触面21Sは楕円形状であるとしたが、電気的接触面21Sは、軸AX1に沿った方向を長手方向とする形状であれば他の形状であってもよい。言い換えれば、中央領域CAは、軸AX1に沿った方向を長手方向とする形状であれば楕円以外の他の形状の底面を有する角柱等の柱状部分であってもよい。
例えば、図8に示すように電気的接触面21Sは、軸AX1に沿った方向を長手方向とする長方形または矩形状であってもよい。すなわち、中央領域CAは、軸AXに沿った方向を長手方向とする長方形を底面にする柱状領域であってもよい。
また、例えば、図9に示すように、電気的接触面21Sは、軸AX1方向に沿った方向を長手方向とする陸上トラックと同一の輪郭を有する長円状の面であってもよい。すなわち、中央領域CAは、底面が軸AXに沿った方向を長手方向とする陸上トラック形状と同一の外形を有する長円状である柱体と重なる領域であってもよい。
また、例えば、電気的接触面21Sは、電気的接触面21Sは、軸AX1方向に沿った方向を長手方向とする菱形状の面であってもよい。
電気的接触面21Sは、楕円環状、四角枠状、陸上トラック形状等の環形状、枠形状であってもよい。
上記した例において、本発明の面発光レーザにおける偏光制御は、電気的接触面21Sが楕円、長方形、陸上トラック形状ど同一の輪郭を有する長円といった軸AX1を長手方向とする2回対称の形状である場合を説明した。しかし、本発明の面発光レーザにおける上記偏光制御は、電気的接触面21Sが、4回対称、6回対称等、2n回対称(n>1)の図形であっても実現可能である。
例えば、図10に示す実施例1の面発光レーザ10の変形例の上面図のように、電気的接触面21Sを8回対称の図形としてもよい。このような場合、当該電気的接触面21Sを形作る図形の線対称軸X1、X2(図中太い二点鎖線)の内、当該図形と重なる長さが最も長い軸と、図10で示す場合はX1と軸AXとが一致していれば、上記した実施例1乃至3の面発光レーザと同様の偏光制御効果を得ることができる。
なお、図10に示す電気的接触面21Sの形状は、円に当該円の外縁から中心に向かって径方向に伸張する切れ込み部分NOが形成されてなる形状となっている。すなわち、図10に示す電気的接触面21Sは、この切れ込み部分によって円周方向にある程度区切られている、言い換えれば切れ込み部分NOに挟まれている区分領域を有している。
図10に示すような電気的接触面21Sを有する面発光レーザを駆動した際に、共振器OC内の上記区分領域に対応する領域の各々に定在波が閉じ込められ、発光中心軸AX2の周方向において定在波の位置が固定される。それにより、面発光レーザの発光パターンをその発光中心軸AX2の周方向において制御することが容易となる。例えば、電気的接触面21Sの形状が図10に示すような形状である場合、基板11の下面の光出射面から出射する光、いわゆる出射光の近視野像においては、上記区分領域に対応する位置に強度ピークを有する発光パターンが確認される。出射光の遠視野像においては、発光中心軸AX2上の一点に強度ピークを有する単峰性のビームパターンが確認される。
図11は、電気的接触面21Sの形状が、図10で示した電気的接触面21Sの形状の中央を円状にくり抜いた形状を有する面発光レーザ10の上面図を示している。中央の円状にくり抜かれた形状部分は、電極とp型半導体層21との電気的な接触がない非導通の領域となっている。すなわち、図11に示され散る電気的接触面21Sは、円環に当該円環の外縁から中心に向かって径方向に伸張する切れ込み部分NOが形成されてなる形状となっている。
この場合も、電気的接触面21Sの軸X1を軸AX1と一致させることで、図10に示した面発光レーザと同様の偏光制御及び発光パターン制御を実現することが可能である。
図12は、電気的接触面21Sの形状が、円環に当該円環の内縁から外方に向かって径方向に伸張する切れ込み部分NOが形成されてなる形状となっている面発光レーザ10の上面図を示している。切れ込み部分NOを含む円環の中央の領域は、電極とp型半導体層21の電気的な接触がない非導通の領域となっている。すなわち、図12に示す電気的接触面21Sは、この切れ込み部分NOによって円周方向にある程度区切られている、言い換えれば切れ込み部分NOに挟まれている区分領域を有している。
この場合も、電気的接触面21Sの軸X1を軸AX1と一致させることで、図10に示した面発光レーザと同様の偏光制御及び発光パターン制御を実現することが可能である。
上述の実施例においては、p型半導体層21の上面に電気的接触面21S及びその周囲の絶縁領域を形成して電流狭窄を生じさせかつ屈折率が低い領域を形成するために、絶縁層25を設けることとしたが、絶縁層25を設ける代わりに他の方法で電流狭窄を生じさせかつ屈折率の低い領域を生じさせてもよい。
例えば、上記実施例で絶縁層25が設けられているp型半導体層21の上面をエッチングすることによって、絶縁領域及び屈折率の低い領域並びに電気的接触面21Sを形成してもよい。また、絶縁層25が設けられているp型半導体層21の上面に、イオン注入をすることによって、絶縁領域及び屈折率の低い領域並びに電気的接触面21Sを形成して、上記実施例における絶縁層25を形成したのと同様の効果を生じさせることとしてもよい。イオン注入をする場合、例えば、p型半導体層21に、Bイオン、Alイオン、又は酸素イオンを注入する。
また、上述のような面発光レーザ素子において、n型半導体層17上にp-GaN層、上記実施例と同様の活性層、n-GaN層をこの順に積層させて半導体構造層15を形成することとしてもよい。この場合、p-GaN層のn型半導体層17に接する領域の、上面視において上記実施例の中央領域CAと重なる部分に、n-GaN層及びp-GaNからなるトンネル接合層を形成することとしてもよい。
この構成を有する半導体構造層において、p-GaN層からn型半導体層17には、トンネル接合層の部分のみから電流が流入する。そのため、上記した絶縁層25を形成した場合と同様な電流狭窄効果を生じさせることが可能となる。言い換えれば、上面視において、上記した電気的接触面21Sと同じ領域にトンネル接合を形成するトンネル接合層を形成することで、上記した電気的接触面21Sを形成したのと同様の電流狭窄効果、偏光制御効果を得ることが可能となる。
上述の実施例においては、基板11の上面は、C面からM面方向に0.5°オフした面である場合、すなわちC面からM面方向へのオフ角が0.5°である場合を説明したが、オフ角はこの角度に限られない。オフ角が、例えば、0.3°から0.8°程度であれば充分に上記した偏光制御効果を得ることができる。また、基板11の上面のオフ角が0.8°以下であれば、第1の多層膜反射鏡13を構成する半導体多層膜が、安定して十分な反射率をもつように形成可能である。
また、上述の実施例においては、基板11としてコアレス型の基板を用いることとしたが、ストライプコア型の基板用いることとしてもよい。その場合、基板11の上面視において、基板11のコアのストライプの方向と基板11の上面の結晶面の傾斜方向とを平行かもしくは垂直とする。すなわち、上述の実施例においては、基板11のm軸方向と基板11のコアのストライプの方向を平行かまたは垂直とする。
また、上記実施例においては、基板11の上面は、C面からM面方向にオフしている場合を説明したが、基板11の上面がC面からA面方向にオフしており、C面方向にはほとんどオフしていなくともよい。
この場合、上記偏光制御効果を得るために、上記C面のオフ角の範囲についての説明と同様の理由で、C面からA面方向へのオフ角は0.3°~0.8°程度が好ましく、C面からM面へのオフ角は0±0.1°であるのが好ましい。なお、基板11の上面がC面からA面にオフしている場合、上記実施例における電気的接触面21Sの形状に付いて説明において、AX1がa軸に対応するとして読み替えて理解されたい。
基板11の上面がC面からA面方向にオフしている場合、a軸方向に沿った偏光方向を有する光を多く取り出すことができ、かつa軸に沿った方向以外の偏光方向を有する光の出射を抑制することができる。よって、面発光レーザ10によれば、光出射面から取り出される光の、光出射面の面内方向における偏光方向バラツキを抑制することが可能となる。
上述した実施例における種々の数値、寸法、材料等は、例示に過ぎず、用途及び製造される面発光レーザに応じて、適宜選択することができる。
10、40、50 面発光レーザ
11 基板
13 第1の多層膜反射鏡
15 半導体構造層
17 n型半導体層
19 活性層
21 p型半導体層
23 n電極
25 絶縁層
27 透明電極
29 p電極
31 第2の多層膜反射鏡

Claims (9)

  1. 窒化ガリウム系半導体基板と、
    前記基板上に形成された窒化物半導体よりなる第1の多層膜反射鏡と、
    前記第1の多層膜反射鏡上に形成された第1の導電型を有する窒化物半導体よりなる第1の半導体層、前記第1の半導体層上に形成された窒化物半導体よりなる活性層、及び前記活性層上に形成されかつ前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する窒化物半導体よりなる第2の半導体層を含む半導体構造層と、
    前記半導体構造層の前記第1の半導体層に電気的に接触している第1の電極層と、
    前記半導体構造層の上面に形成され前記上面の1の領域において前記半導体構造層の前記第2の半導体層に電気的に接触している第2の電極層と、
    前記電極層上に前記1の領域を覆うように形成され、前記第1の多層膜反射鏡との間で共振器を構成する第2の多層膜反射鏡と、を有し、
    前記窒化ガリウム系半導体基板の前記上面は、C面からM面またはA面のいずれかの結晶面にオフセットした面であり、
    前記1の領域は前記上面がM面にオフセットしている場合にはm軸方向に長手方向を有する形状を有しており、前記上面がA面にオフセットしている場合にはa軸方向に長手方向を有する形状を有していることを特徴とする垂直共振器型発光素子。
  2. 前記窒化ガリウム系半導体基板の下面の前記窒化ガリウム系半導体基板の法線方向から見て前記1の領域と重なる領域に互いに平行な複数のスリット状の凹部が形成されており、前記スリット状の凹部の各々は、前記1の面が前記M面にオフセットしている場合にはm軸方向に長手方向を有し、前記1の面がA面にオフセットしている場合にはa軸方向に長手方向を有することを特徴とする請求項1に記載の垂直共振器型発光素子。
  3. 前記窒化ガリウム系半導体基板の下面の前記窒化ガリウム系半導体基板の法線方向から見て前記1の領域と重なる領域が下向きに凸な凸レンズ形状を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の垂直共振器型発光素子。
  4. 前記窒化ガリウム系半導体基板の前記上面は、前記上面がM面にオフセットしている場合にはc面からM面に0.8°以下の角度だけオフセットした面であり、前記上面がA面にオフセットしている場合にはc面からA面に0.8°以下の角度だけオフセットした面であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の垂直共振器型発光素子。
  5. 前記窒化ガリウム系半導体基板は、ストライプコア型の基板であり、前記窒化ガリウム系半導体基板のコアが伸張する方向は、前記上面がM面にオフセットしている場合にはm軸に沿った方向であり、前記上面がA面にオフセットしている場合にはa軸に沿った方向であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の垂直共振器型発光素子。
  6. 前記1の領域は、長円状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の垂直共振器型発光素子。
  7. 前記1の領域は、矩形状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の垂直共振器型発光素子。
  8. 窒化ガリウム系半導体基板と、
    前記基板上に形成された窒化物半導体よりなる第1の多層膜反射鏡と、
    前記第1の多層膜反射鏡上に形成された第1の導電型を有する窒化物半導体よりなる第1の半導体層、前記第1の半導体層上に形成された窒化物半導体よりなる活性層、及び前記活性層上に形成されかつ前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する窒化物半導体よりなる第2の半導体層を含む半導体構造層と、
    前記半導体構造層の前記第1の半導体層に電気的に接触している第1の電極層と、
    前記半導体構造層の上面に形成され前記上面の1の領域において前記半導体構造層の前記第2の半導体層に電気的に接触している第2の電極層と、
    前記電極層上に前記1の領域を覆うように形成され、前記第1の多層膜反射鏡との間で共振器を構成する第2の多層膜反射鏡と、を有し、
    前記窒化ガリウム系半導体基板の前記上面は、C面からM面またはA面のいずれかの結晶面にオフセットした面であり、
    前記1の領域は2n回対称(n>1)であって第1の線対称軸および第2の線対称軸を有する形状となるように設けられ、
    前記第1の線対称軸および前記第2の線対称軸の前記1の領域と重なる長さが最も長い軸の方向は、前記1の面が前記M面にオフセットしている場合にはm軸方向であり、前記1の面がA面にオフセットしている場合にはa軸方向であることを特徴とする垂直共振器型発光素子。
  9. 前記1の領域は前記第2の電極層が前記第2の半導体層に電気的に接触していない領域を囲う形状に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の垂直共振器型発光素子。
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