JP2023028715A - 樹脂フィルム、積層体、及び、包装体又は容器 - Google Patents

樹脂フィルム、積層体、及び、包装体又は容器 Download PDF

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昌信 内藤
Masanobu Naito
健弘 藤田
Takehiro Fujita
康史 渡辺
Yasushi Watanabe
伸一 大原
Shinichi Ohara
貴司 玉岡
Takashi Tamaoka
周輔 平井
Shusuke Hirai
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Abstract

【課題】十分な抗菌性、滅菌性、殺菌性を発現して、高い信頼性を実現することができる積層体を提供する。【解決手段】樹脂フィルムは、ポリオレフィン樹脂と、複数の水酸基のうちの少なくとも一部が炭素原子数1~18の鎖状炭化水素基により置換されたタンニン酸誘導体と、を含有する。前記ポリオレフィン樹脂は、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブチレン系樹脂から選択される1種又は複数種である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂フィルム、積層体、及び、該積層体を有する包装体又は容器に関する。
従来、食品包装、医薬品包装業界では、内容物の安全性を保持するために、大腸菌等の菌による感染をレトルト殺菌等の殺菌工程、無菌充填等のプロセスによる技術が検討され、実用化されてきた。一方、近年、感染症の拡大とともに、衛生性の意識が消費者に広がり、包装材の安全性が求められている。また、抗菌、抗ウィルスに効果のある物質は無機系の化合物、銀、銅等が知られているが、コスト面や、食品に直接接触する包装材用途としては食品の安全性の観点から未だ改善の余地がある。
ポリフェノールの一種であるタンニンは、防錆剤として古くから使用されており、例えば、亜鉛表面上に安定な皮膜を形成することが知られている。但し、タンニンは有機溶媒にほとんど溶解せず、用途が限定される。そこで、該タンニン分子中に含まれる水酸基の少なくとも一部をアルキルエーテルまたはアルキルエステルで置換して水不溶性タンニン酸誘導体とすることにより、その用途を広げることが可能となっている(特許文献1)。
しかし、上記の皮膜は、タンニン酸中の没食子酸等が亜鉛と反応して形成された膜上に、タンニン酸が凝集性重合あるいは会合性重合を起こして形成された膜が重なったものであるとされている(非特許文献1)。これらの反応に関与するのは、タンニン酸中に含まれる没食子酸等の水酸基である。従って、この水酸基をアルキルエーテル等に変えてしまうと、皮膜が形成され難くなり、防錆効果が低下することが懸念される。特許文献1においても、専ら溶液状態で評価されている。
そこで、タンニン酸の少なくとも一部の水酸基における水素原子が、炭素数3~18の鎖状炭化水素基により置換されたタンニン酸誘導体を含む皮膜形成性組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。この皮膜形成性組成物は膜形成性を有しており、種々の基材上に安定な膜を形成できるとされている。その理由としては、タンニン酸誘導体分子同士が、その鎖状炭化水素基同士を揃えるようにして並ぶことで、秩序立った配向をすると考えられる。この配向は、水酸基の減少を補って余りある膜の安定性をもたらし、その結果、タンニン酸の凝集膜よりも優れた防錆性、抗菌性、殺菌性等を発現するとされている。
特開2004-307362号公報 国際公開第2016/076311号
金属表面技術、第29巻、第1号、第38~42頁及び図10、1978年
しかしながら、上記従来のタンニン酸誘導体を含む皮膜形成性組成物では、コスト低減は可能であるものの、抗菌性の信頼性が十分とは言えず、食品、医療品等に直接接触する包装材用途としては未だ改善の余地がある。特に、包装材には容器への貼着或いは包装材同士の貼着のためのシール層が設けられるが、内容物とシール層とが直接接触する使用態様の場合、シール層に含まれる抗菌性物質の溶出などに因る内容物の汚染の発生を防止する必要がある。更に近年、ライフスタイルの多様化や、非常時等の保存食の必要性に伴い、食品包装材の用途が多岐に亘ることから、様々な使用用途において十分な防錆性、抗菌性、殺菌性を発現できる食品包装材が求められている。
本発明の目的は、十分な抗菌性、滅菌性、殺菌性を発現して、高い信頼性を実現することができる樹脂フィルム、積層体、及び、包装体又は容器を提供することにある。
上記目的を達成するために、発明者らは鋭意研究を重ねた結果、樹脂フィルムに、ポリオレフィン樹脂と、複数の水酸基のうちの少なくとも一部が炭素原子数1~18の鎖状炭化水素基により置換されたタンニン酸誘導体と、を含有させることにより、樹脂内部或いは樹脂表面に上記特定のタンニン酸誘導体を安定的に保持することができ、その結果十分な抗菌性、滅菌性、殺菌性を発現して、高い信頼性を実現できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の構成を提供する。
[1]ポリオレフィン樹脂と、複数の水酸基のうちの少なくとも一部が炭素原子数1~18の鎖状炭化水素基により置換されたタンニン酸誘導体と、を含有する、樹脂フィルム。
[2]前記ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブチレン系樹脂から選択される1種又は複数種である、上記[1]に記載の樹脂フィルム。
[3]前記タンニン酸誘導体が、前記樹脂フィルムの全量に対して0.5質量%以上30質量%以下である、上記[1]又は[2]に記載の樹脂フィルム。
[4]上記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂フィルムが用いられる、包装体又は容器。
[5]容器本体と、前記容器本体に取り付けられた上記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂フィルムの一又は複数とを備える、包装体又は容器。
[6]前記樹脂フィルムが、前記容器本体の蓋材を構成する、上記[5]に記載の包装体又は容器。
[7]前記樹脂フィルムが、前記容器本体の外面に取り付けられる、上記[5]に記載の包装体又は容器。
[8]上記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂フィルムの一又は複数を貼り合わせて構成される外装部と、前記外装部の内側に形成された収容部と、を備える包装体又は容器。
[9]上記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂フィルムと、熱可塑性樹脂フィルムとを含む積層構造を有し、
前記樹脂フィルムを最外層に有する、積層体。
[10]上記[9]に記載の積層体が用いられる、包装体又は容器。
[11]容器本体と、前記容器本体に取り付けられた上記[9]に記載の積層体の一又は複数とを備える、包装体又は容器。
[12]前記積層体が、前記容器本体の蓋材を構成する、上記[11]に記載の包装体又は容器。
[13]前記積層体が、前記容器本体の外面に取り付けられる、上記[11]に記載の包装体又は容器。
[14]上記[9]に記載の積層体の一又は複数を貼り合わせて構成される外装部と、前記外装部の内側に形成された収容部と、を備える包装体又は容器。
本発明によれば、十分な抗菌性、滅菌性、殺菌性を発現して、高い信頼性を実現することができる。
図1は、タンニン酸の誘導化の一例を示す化学反応工程図である。 図2Aは、本発明の実施形態に係る積層体の具体的構成の一例を示す断面図である。 図2Bは、本実施形態に係る積層体の他の具体的構成の一例を示す断面図である。 図3は、本実施形態に係る積層体を用いた容器の具体的構成の一例を示す斜視図である。 図4は、本実施形態に係る積層体を用いた包装体の具体的構成の他の一例を示す斜視図である。 図5Aは、本実施形態に係る積層体を用いた包装体の具体的構成の他の一例を示す斜視図である。 図5Bは、図5Aの線I-Iに沿う断面図である。 図6は、本実施形態に係る積層体を用いた容器の具体的構成の他の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されない。
<樹脂フィルム>
本実施形態の樹脂フィルムは、ポリオレフィン樹脂と、複数の水酸基のうちの少なくとも一部が炭素原子数1~18の鎖状炭化水素基により置換されたタンニン酸誘導体と、を含有する。
[ポリオレフィン樹脂]
本実施形態で使用するポリオレフィン樹脂は、具体的には、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブチレン系樹脂から選択される1種又は複数種であることが好ましく、より好ましくは、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂である。
(ポリエチレン系樹脂)
樹脂フィルムのポリエチレン系樹脂としては、例えば直鎖状ポリエチレンが挙げられる。直鎖状ポリエチレンとしては、シングルサイト触媒を用いた低圧ラジカル重合法により、エチレン単量体を主成分として、これにコモノマーとして1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチルペンテン等のα-オレフィンを共重合したものである。直鎖状ポリエチレン中のコモノマー含有率としては、0.5~20モル%の範囲であることが好ましく、1~18モル%の範囲であることがより好ましい。
前記シングルサイト触媒としては、周期律表第IV又はV族遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せ等のメタロセン触媒系などの種々のシングルサイト触媒が挙げられる。また、シングルサイト触媒は活性点が均一であるため、活性点が不均一なマルチサイト触媒と比較して、得られる樹脂の分子量分布がシャープになるため、フィルムに成膜した際に低分子量成分の析出が少なく、シール強度の安定性や耐ブロッキング適性に優れた物性の樹脂が得られるので好ましい。
直鎖状ポリエチレンの密度は0.900~0.945g/cmであることが好ましく、0.910~0.940g/cmであることがより好ましい。密度がこの範囲であれば、適度な剛性を有し、ヒートシール強度や耐ピンホール性等の機械強度も優れ、フィルム成膜性、押出適性が向上する。直鎖状ポリエチレンの融点は、一般的には60~130℃の範囲であることが好ましく、70~120℃がより好ましい。融点がこの範囲であれば、加工安定性が向上し、更に柔軟性もあることから、耐ピンホール性も良好となる。また、エチレン樹脂のMFR(190℃、21.18N)は2~20g/10分であることが好ましく、3~10g/10分であることがより好ましい。MFRがこの範囲であれば、フィルムの押出成形性が向上する。
樹脂フィルム中における前記直鎖状ポリエチレンの使用割合としては、当該樹脂を主成分としていることが好ましく、樹脂成分中の70質量%以上で含有していることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
また、樹脂フィルム中には、直鎖状ポリエチレン以外の他の樹脂を併用してもよい。その他の併用できる樹脂種としては、直鎖状ポリエチレン以外の他のポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂、或いは併用可能な樹脂として例示したものを好ましく使用できる。
これら他の樹脂を使用する場合には、樹脂フィルムに含まれる樹脂成分中の30質量%以下とすることが好ましく、20質量%以下とすることがより好ましく、10質量%以下とすることがより好ましい。また下限は特に制限されるものではないが、所望する特性に応じて1質量%以上の含有量にて適宜使用すればよい。
(ポリプロピレン系樹脂)
樹脂フィルムのポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体;プロピレン-エチレン共重合体;プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテン三元共重合体等のプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体;メタロセン触媒系ポリプロピレンなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。
また、ポリプロピレン系樹脂は、MFR(230℃)が0.5~30.0g/10分で、融点が110~165℃であるものが好ましく、より好ましくは、MFR(230℃)が2.0~15.0g/10分で、融点が115~162℃のものである。MFR及び融点がこの範囲であれば、加工安定性や他の層と共押出加工する際の加工性、更にフィルムの成膜性も向上する。
樹脂フィルムがポリプロピレン系樹脂を主成分とする場合、他の基材と接着剤を用いてラミネートする際や、印刷を施す等の際に、接着剤や印刷インキとの密着性を向上させる等の目的の観点から、その他の樹脂を併用してもよい。この時併用できるその他の樹脂としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や低密度ポリエチレン(LDPE)等の直鎖状ポリエチレン、分岐状ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン-エチルアクリレート-無水マレイン酸共重合体(E-EA-MAH)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;更にはエチレン-アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン-メタクリル酸共重合体のアイオノマー等や、ノルボルネン系モノマー等の環状オレフィン構造を有するモノマーとエチレン等との共重合体が挙げられ、単独でも、2種以上を混合して使用しても良い。
これらの他の樹脂を使用する場合には、樹脂フィルムを形成する樹脂成分全量に対して35質量%以下とすることが好ましく、20質量%以下とすることがより好ましい。また下限は特に制限されるものではないが、所望する特性に応じて1質量%以上の含有量にて適宜使用すればよい。
[タンニン酸誘導体]
タンニンは、加水分解で多価フェノールを生じる植物成分の総称であり、没食子酸やエラグ酸がグルコースなどの糖にエステル結合し、酸や酵素で加水分解されやすい加水分解型タンニンと、フラバノール骨格を持つ化合物が重合した縮合型タンニンに大別される。いずれのタイプのタンニンであっても、また、それらの混合物であっても、本開示における誘導体化は可能であり、本開示の効果が奏されるものと考えられる。好ましくは加水分解型タンニンであり、例えば下記式(1)で表されるタンニン酸を主成分とするものが誘導体化される。
Figure 2023028715000001
タンニン酸は複数の水酸基を有するが、本開示における誘導体は、該複数の水酸基のうちの少なくとも一部の水酸基における水素原子が炭素数1~18の鎖状炭化水素基により置換されている。原料タンニン酸の水酸基の総数は種類に応じて異なる。好ましくは、置換基数の10%以上が置換されており、より好ましくは20%以上、特に好ましくは40%以上が置換されている。例えば上記式(1)の場合、水酸基の総数は25個であり、そのうちの1個、好ましくは3個以上、より好ましくは5個以上、特に好ましくは10個以上置換されている。
置換基数の上限は、置換基の種類、適用する基材及び使用目的に応じて異なる。使用する基材に対して、所望の固着性が達成できるのであれば、全ての水酸基が置換されていてもよい。金属、ガラス等の極性基材へ適用する際には、置換基数の80%以下が置換されていることが好ましく、より好ましくは60%以下が置換されている。例えば上記式(1)の場合、好ましくは20個以下、より好ましくは15個以下である。
炭素数1~18の鎖状炭化水素基としては、直鎖もしくは分岐状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられ、これが水酸基由来の酸素原子を含む結合を介して、タンニン酸骨格に結合される。鎖状炭化水素基の具体例には、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、プロピレン基、ヘキシレン基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基等が包含される。鎖状炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~18、より好ましくは4~18であり、更に好ましくは6~16である。該酸素原子を含む結合としては、例えばエーテル結合、エステル結合、ウレタン結合が挙げられる。
タンニン酸誘導体は、樹脂フィルムの全量に対して0.5質量%以上30質量%以下であるのが好ましく、より好ましくは2質量%以上25質量%以下、更に好ましくは5質量%以上15質量%以下である。タンニン酸誘導体の含有量が5質量%以上15質量%以下であると、タンニン酸誘導体をより安定的に樹脂中に保持できると共に、より優れた抗菌性を発現することができる。
(タンニン酸誘導体の製造方法)
タンニン酸誘導体は、アルキル化反応の一つであるウィリアムソンエーテル合成法によって得られる。具体的には、テトラヒドロフラン、ジメチルスホキサイド等の溶媒中で、塩基性触媒の存在下で、タンニン酸にハロゲン化アルキルを反応させて作ることができる。塩基性触媒としてはMH、MCO、M(M:アルカリ金属)の群から選択されるいずれか1又は2以上の触媒を使うことができる。例えば、KCOは、OH基をOに変換し、ハロゲン化アルキル(X-R1:X:ハロゲン、R1:アルキル基)へのO-基の求核反応を促進することができる。ハロゲン化アルキルとしては、例えば、ヨウ化アルキルを用いることができる。また、ハロゲン化アルキルの代わりに、スルホニル基などを脱離基として有するものも使用できる。また、上記、ウィリアムソンエーテル合成法以外のアルキル化反応を用いることもできる。さらに、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の縮合剤を用いたカルボン酸類との脱水縮合反応や、イソシアネートとの縮合反応を用いることもできる。
反応は70℃以上100℃以下で、約1時間程度加熱する。図1は、式(1)のタンニン酸の誘導体化の一例を示す。塩基性触媒としてKCOを用い、DMF中で、85℃に加熱して、デシル基を9つ有する誘導体(TA(C10)を合成する例を示している。タンニン酸に対するハロゲン化アルキルのモル比を変えることにより、アルキル基のタンニン酸中への導入数であるnの値を所望の値に設定できる。
[その他の添加剤]
本実施形態の樹脂フィルムは、本発明の目的を損なわない範囲で、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分の1又は複数を含有してもよい。特に、フィルム成形時の加工適性、充填機の包装適性を付与するため、フィルム表面の摩擦係数は1.5以下、中でも1.0以下であることが好ましいので、滑剤、アンチブロッキング剤、及び/又は帯電防止剤を適宜含有することが好ましい。樹脂フィルム中のこれら添加剤の含有量は、5質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましい。このため、樹脂フィルムにおいては樹脂成分の含有量(防曇剤を含有する場合には樹脂成分と防曇剤の総含有量)が、95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましい。
<樹脂フィルムの製造方法>
本実施形態の樹脂フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂とタンニン酸誘導体とを、押出機等で溶融混練して得たマスターバッチペレットをそのまま得るか、あるいは、ポリオレフィン樹脂ペレットにその他添加剤を添加し、押出法により得ることができる。
<積層体>
本実施形態の積層体は、上述の樹脂フィルムと熱可塑性樹脂フィルムとを含む積層構造を有し、上記樹脂フィルムを最外層に有する。積層体の総数は、樹脂フィルムと熱可塑性樹脂フィルムを有していれば特に制限されず、樹脂フィルムと熱可塑性樹脂フィルムの2層で構成されてもよいし、樹脂フィルム(表面層)と、熱可塑性樹脂フィルム(シール層)と、樹脂フィルムと熱可塑性樹脂フィルムとの間の中間フィルム(中間層)との3層で構成されてもよい。また、積層体が、樹脂フィルムと熱可塑性樹脂フィルムを含む4層以上で構成されてもよい。
[熱可塑性樹脂フィルム]
熱可塑性樹脂フィルムは、具体的には、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂から選択される1種又は2種であることが好ましく、より好ましくは、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂である。
(ポリエチレン系樹脂)
熱可塑性樹脂フィルムのポリエチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状中密度ポリエチレン(LMDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン-エチルアクリレート-無水マレイン酸共重合体(E-EA-MAH)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;エチレン-アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン-メタクリル酸共重合体のアイオノマー等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。これらの中でも易引裂き性の観点と、多層フィルムとしての耐ピンホール性や剛性等の観点よりLLDPE、LMDPE、HDPEを用いることが好ましい。
(ポリプロピレン系樹脂)
熱可塑性樹脂フィルムのポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体;プロピレン-エチレン共重合体;プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテン三元共重合体等のプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体;メタロセン触媒系ポリプロピレン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。これらのうち、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体が好ましく、特にメタロセン触媒を用いて重合されたプロピレン・α-オレフィンランダム重合体が好ましい。これらのポリプロピレン系樹脂を熱可塑性樹脂フィルムとして用いた場合には、フィルムの耐熱性が向上し、軟化温度を高くすることができるため、100℃以下のボイル、あるいはホット充填、または100℃以上のレトルト殺菌等の蒸気・高圧加熱殺菌特性に優れた包装材用のラミネート用フィルムとしても好適に用いることが出来る。
上記で得られた熱可塑性樹脂フィルムは、他の基材フィルムと貼りあわせて使用してもよい。この時使用することができる他の基材フィルムとしては、特に限定されるものではないが、本発明の効果を容易に発現させる観点から、プラスチック基材、特には二軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムを用いることが好ましい。また透明性を必要としない用途の場合はアルミ箔を単独あるいは組み合わせて使用することもできる。
延伸された熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、二軸延伸ポリエステル(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリアミド(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)を中心層とした共押出二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコートした共押出二軸延伸ポリプロピレン等が挙げられる。これらは、単独あるいは複合化して使用してもよい。
上記樹脂フィルムを(F1)、熱可塑性樹脂フィルムを(F2)とすると、積層体の具体的態様としては以下の構成が考えられるが、これに限定されるものではない。
ポリエチレン系樹脂とタンニン酸誘導体との樹脂フィルム(f1)/ポリプロピレン系樹脂(f2)
ポリエチレン系樹脂とタンニン酸誘導体との樹脂フィルム(f1)/ポリエチレン系樹脂(f2)
ポリプロピレン系樹脂とタンニン酸誘導体との樹脂フィルム(f1)/ポリプロピレン系樹脂(f2)
ポリプロピレン系樹脂とタンニン酸誘導体との樹脂フィルム(f1)/ポリエチレン系樹脂(f2)
ポリエステル系樹脂とタンニン酸誘導体との樹脂フィルム(f1)/ポリエチレン系樹脂(f2)
ポリエステル系樹脂とタンニン酸誘導体との樹脂フィルム(f1)/ポリプロピレン系樹脂(f2)
ポリスチレン系樹脂とタンニン酸誘導体との樹脂フィルム(f1)/ポリエチレン系樹脂(f2)
ポリスチレン系樹脂とタンニン酸誘導体との樹脂フィルム(f1)/ポリプロピレン系樹脂(f2)
<積層体の製造方法>
本実施形態の積層体を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂とタンニン酸誘導体とを、押出機等で溶融混練してマスターバッチペレットを得、次いでマスターバッチペレットと、積層体に用いる各樹脂又は樹脂混合物を、それぞれ別々の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等を用いて、加熱溶融させながら溶融状態で積層した後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法等により得ることができる。
[積層体、及び、包装体又は容器の具体的構成]
本実施形態に係る包装体又は容器は、上記の樹脂フィルム又は上記の積層体が用いられるものであり、その態様は特に制限されない。以下、積層体が用いられる包装体又は容器を例に挙げて説明する。樹脂フィルムが用いられる包装体又は容器は、積層体が用いられる包装体又は容器と同様であるので、その説明を省略する。
図2A及び図2Bは、本実施形態に係る積層体の具体的構成の一例を示す断面図である。
図2Aに示すように、積層体10は、樹脂フィルム11と、熱可塑性樹脂フィルム12とを含む積層構造を有し、樹脂フィルム11を最外層に有している。樹脂フィルム11は、(1)ポリオレフィン樹脂と、(2)複数の水酸基のうちの少なくとも一部が炭素原子数1~18の鎖状炭化水素基により置換されたタンニン酸誘導体とを含有する。これにより、簡略化された層構成にて菌、ウィルス等の増殖を抑制することができる。
また、図2Bに示すように、樹脂フィルム11と、熱可塑性樹脂フィルム12と、樹脂フィルム11及び熱可塑性樹脂フィルム12の間に配置された中間フィルム13とを含む積層構造を有し、樹脂フィルム11を最外層に有していてもよい。
中間フィルム13は、特に制限されないが、好ましくはポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂である。中間フィルムのポリエチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状中密度ポリエチレン(LMDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン-エチルアクリレート-無水マレイン酸共重合体(E-EA-MAH)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;エチレン-アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン-メタクリル酸共重合体のアイオノマー等が挙げられる。
中間フィルムのポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体;プロピレン-エチレン共重合体;プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテン三元共重合体等のプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体;メタロセン触媒系ポリプロピレン等が挙げられる。
図3は、本実施形態に係る積層体10を用いた容器の具体的構成の一例を示す斜視図である。
図3に示すように、容器30は、容器本体31と、容器本体31に取り付けられた積層体10とを備える。
積層体10は、樹脂フィルム11と、熱可塑性樹脂フィルム12とを含む積層構造を有し、樹脂フィルム11を最外層に有している。また、熱可塑性樹脂フィルム12は、蓋材の最内層を構成している。本実施形態では、積層体10は、容器本体31の蓋材を構成しており、容器本体31の開口部32を閉塞するように当該容器本体31に取り付けられる。このとき、熱可塑性樹脂フィルム12の封止により、内部空間33が外部と隔離され、内部空間33の密閉状態或いは密封状態が維持される。
本実施形態では、樹脂フィルム11は、蓋材の最外層を構成しており、上記特定のタンニン酸誘導体が樹脂フィルム11の樹脂内部或いは樹脂表面に保持されている。これにより、樹脂フィルム11によって容器30における菌、ウィルス等の増殖が抑制される。
図4は、本実施形態に係る積層体10を用いた包装体の具体的構成の他の一例を示す斜視図である。
図4に示すように、包装体40は、積層体10の複数枚を貼り合わせて構成される外装部41と、外装部41の内側に形成された収容部42とを備えている。積層体10は、樹脂フィルム11と、熱可塑性樹脂フィルム12とを含む積層構造を有し、樹脂フィルム11を最外層に有している。収容部42は、例えば底部に位置する積層体10と、外周部に位置する積層体10とが貼り合わされて構成されている。
熱可塑性樹脂フィルム12は、樹脂フィルム11の表面の一部に設けられており、外装部41の開口部43に配置されている。包装体40の収容部42に内容物を収容した後、開口部43を閉塞して熱可塑性樹脂フィルム12同士を当接させた状態でヒートシールすることにより、収容部42が外部と隔離され、収容部42の密閉状態或いは密封状態が維持される。
本実施形態では、樹脂フィルム11は、包装体40の最外層を構成しており、上記特定のタンニン酸誘導体が樹脂フィルム11の樹脂内部或いは樹脂表面に保持されている。本構成によれば、樹脂フィルム11によって包装体40における菌、ウィルス等の増殖が抑制される。
図5Aは、本実施形態に係る積層体10を用いた包装体の具体的構成の他の一例を示す斜視図であり、図5Bは、図5Aの線I-Iに沿う断面図である。
図5A及び図5Bに示すように、包装体50は、積層体10の2枚を貼り合わせて構成される外装部51と、外装部21の内側に形成された収容部52とを備えている。収容部52には内容物Cが収容可能であり、食品、医薬品などが収容される。収容部52は、空気などの気体を含んでいてもよいし、真空などの減圧状態であってもよい。
積層体10は、樹脂フィルム11と、熱可塑性樹脂フィルム12とを含む積層構造を有し、樹脂フィルム11を最外層に有している。
外装部51は、例えば、2枚の積層体10に設けられた2つの熱可塑性樹脂フィルム12同士の接着によって形成されている。この熱可塑性樹脂フィルム12の封止により、収容部52が外部と隔離され、収容部52の密閉状態或いは密封状態が維持される。
本実施形態では、樹脂フィルム11は、包装体50の最外層を構成しており、上記特定のタンニン酸誘導体が樹脂フィルム11の樹脂内部或いは樹脂表面に保持されている。本構成によれば、樹脂フィルム11によって包装体50における菌、ウィルス等の増殖が抑制される。また、層構成を簡略化することができ、包装体の軽量化やコスト低減を図ることができる。
図6は、本実施形態に係る積層体10を用いた容器の具体的構成の他の一例を示す斜視図である。
図6に示すように、容器60は、容器本体61と、容器本体61に取り付けられた2つの積層体10-1,10-2とを備える。
積層体10-1は、樹脂フィルム11と、熱可塑性樹脂フィルム12とを含む積層構造を有し、樹脂フィルム11を最外層に有する。積層体10-1は、容器本体61の蓋材を構成しており、容器本体61の開口部62を閉塞するように当該容器本体31に取り付けられる。このとき、熱可塑性樹脂フィルム12の封止により、内部空間63が外部と隔離され、内部空間63の密閉状態或いは密封状態が維持される。
積層体10-1の樹脂フィルム11は、容器60の最外層を構成しており、上記特定のタンニン酸誘導体が樹脂フィルム11の樹脂内部或いは樹脂表面に保持されている。
積層体10-2は、積層体10-1と同様、樹脂フィルム11と、熱可塑性樹脂フィルム12とを含む積層構造を有し、樹脂フィルム11を最外層に有する。積層体10-2は、容器本体61の外面、例えば外周面に取り付けられている。積層体10-2の樹脂フィルム11は、容器60の最外層を構成しており、上記特定のタンニン酸誘導体が樹脂フィルム11の樹脂内部或いは樹脂表面に保持されている。本構成によれば、積層体10-1,10-2の樹脂フィルム11,11によって容器60における菌、ウィルス等の増殖を抑制することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。実施例中、特段の記載がない限り、「部」は質量%である。
(タンニン酸誘導体の合成)
[合成例1]
タンニン酸(東京化成社製)を35部とし、ヨウ化n-メチル65部をN,N-ジメチルホルムアミド(以下DMFと称す)に溶解し、63部の炭酸カリウムを加え、85℃ 10時間反応した。その後、DMFを減圧蒸留、水洗、乾燥工程を経た炭素原子数1のアルキル基が5当量(置換基数の20%)置換されたタンニン酸誘導体(TA1-5)を得た。
(プロピレン-エチレン共重合体をベースとする抗菌剤マスターバッチ「抗菌剤MB(1)」の調製)
[調製例1]
プロピレン-エチレン共重合体(MFR(230℃)7g/10min、融点130℃〕と、タンニン酸誘導体(TA1-5)とを質量比が80/20となるように混合し、押出機で溶融混練したのち、造粒機で抗菌剤マスターバッチペレットを得た。(以下、抗菌剤MB(1)とする。)
(直鎖状ポリエチレンをベースとする抗菌剤マスターバッチ「抗菌剤MB(2)」の調製)
[調製例2]
直鎖状ポリエチレン(MFR(190℃)4g/10min、密度0.905g/cm3)と、タンニン酸誘導体(TA1-5)とを質量比が80/20となるように混合し、押出機で溶融混練したのち、造粒機で抗菌剤マスターバッチペレットを得た。(以下、抗菌剤MB(2)とする。)
(実施例1)
表面層、中間層及びシール層の各層を形成する樹脂成分として、各々下記の樹脂を使用して、各層を形成する樹脂混合物を調整した。これら混合物を3台の押出機に各々供給し、表面層/中間層/シール層にて形成される積層体の各層の平均厚さが7μm/18μm/5μmとなるように共押出して、厚さ30μmの積層体を成形した。
表面層:プロピレン-エチレン共重合体(エチレン由来成分含量:4.2%、密度:0.90g/cm、メルトインデックス(以下、MIという。):6g/10分間、融点140℃)15質量部と、プロピレン-エチレン-1-ブテン三元共重合体(密度:0.90g/cm、MFR:5.4g/10分(190℃、21.18N))25質量部と、結晶性エチレン-1-ブテン共重合体(密度:0.88g/cm、MI:4g/10分)10質量部と、抗菌剤MB(1)50質量部との混合物
中間層:プロピレン単独重合体(密度:0.90g/cm、MFR:7.5g/10分)75質量部と、プロピレン-エチレン共重合体(エチレン含量:5.2%、密度:0.90g/cm、MFR:5.4g/10分間)10質量部と、直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.905g/cm、MFRI:4.0g/10分間)10質量部との樹脂混合物
シール層:プロピレン-エチレン共重合体(エチレン由来成分含量:5.0質量%、密度:0.90g/cm、MFR(測定温度230℃):7g/10分間)70質量部と、プロピレン-1-ブテン共重合体(密度:0.90g/cm、MFR(測定温度230℃):4g/10分間)30質量部との樹脂混合物
(実施例2)
表面層、中間層及びシール層の各層を形成する樹脂成分として、各々下記の樹脂を使用して、各層を形成する樹脂混合物を調整した。これら混合物を3台の押出機に各々供給し、表面層/中間層/シール層にて形成される積層体の各層の平均厚さが7μm/18μm/5μmとなるように共押出して、厚さ30μmの積層体を成形した。次いで、得られた積層体の表面層に、表面エネルギーが35mN/mになるようにコロナ放電処理を施して、積層体を得た。
表面層:プロピレン-エチレンブロック共重合体樹脂(プロピレン由来成分含量:90質量%、密度:0.90g/cm、MFR(測定温度230℃):5g/10分)50質量部と、抗菌剤MB(1)50質量部との混合物
中間層:プロピレン-エチレンブロック共重合体(密度:0.90g/cm3、MI:8g/10分間、融点160℃)50質量部と、プロピレン-エチレンランダム共重合体(エチレン含量:5.2%、密度:0.90g/cm、MFR:5.4g/10分間)40質量部と、直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.905g/cm、MFRI:4.0g/10分間)10質量部との樹脂混合物
シール層:プロピレン-エチレンランダム共重合体(エチレン由来成分含量:5.0質量%、密度:0.90g/cm、MFR(測定温度230℃):7g/10分間)70質量部と、プロピレン-1-ブテン共重合体(密度:0.90g/cm、MFR(測定温度230℃):4g/10分間)30質量部との樹脂混合物
(実施例3)
表面層、中間層及びシール層の各層を形成する樹脂成分として、各々下記の樹脂を使用して、各層を形成する樹脂混合物を調整した。これら混合物を3台の押出機に各々供給し、表面層/中間層/シール層にて形成される積層体の各層の平均厚さが10/16/4μmとなるように共押出して、厚さ30μmの積層体を成形した。次いで、得られた積層体の表面層に、表面エネルギーが39mN/mになるようにコロナ放電処理を施して、積層体を得た。この後、ポリエステルフィルム12μmをディックドライLX510/KR90接着剤で貼り合わせ、積層体を得た。
表面層:(ラミネート層)の樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.935g/cm、MFRI:4.0g/10分間)50質量部と、抗菌剤MB(2)50質量部との混合物
中間層:直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.933g/cm、MFR5.0g/10min)100質量部
ヒートシール層:プロピレン-エチレン共重合体〔MFR(230℃)7g/10min、融点130℃〕100質量部
この結果、実施例1~3のいずれにおいても、炭素原子数1のアルキル基が置換されたタンニン酸誘導体を、ポリオレフィン樹脂に含有させた混合物を用いて表面層を形成すると、タンニン酸を安定的に保持した樹脂フィルムを形成できることが確認された。よって樹脂フィルム或いは該樹脂フィルムを有する積層体により、細菌の増殖が抑制され、十分な抗菌性を発現すると推察される。
10 積層体
10-1 積層体
10-2 積層体
11 樹脂フィルム
12 熱可塑性樹脂フィルム
13 中間フィルム
20 包装体
21 外装部
22 収容部
30 容器
31 容器本体
32 開口部
33 内部空間
40 包装体
41 外装部
42 収容部
43 開口部
50 包装体
51 外装部
52 収容部
60 容器
61 容器本体
62 開口部
63 内部空間

Claims (14)

  1. ポリオレフィン樹脂と、複数の水酸基のうちの少なくとも一部が炭素原子数1~18の鎖状炭化水素基により置換されたタンニン酸誘導体と、を含有する、樹脂フィルム。
  2. 前記ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブチレン系樹脂から選択される1種又は複数種である、請求項1に記載の樹脂フィルム。
  3. 前記タンニン酸誘導体が、前記樹脂フィルムの全量に対して0.5質量%以上30質量%以下である、請求項1又は2に記載の樹脂フィルム。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂フィルムが用いられる、包装体又は容器。
  5. 容器本体と、前記容器本体に取り付けられた請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの一又は複数とを備える、包装体又は容器。
  6. 前記樹脂フィルムが、前記容器本体の蓋材を構成する、請求項5に記載の包装体又は容器。
  7. 前記樹脂フィルムが、前記容器本体の外面に取り付けられる、請求項5に記載の包装体又は容器。
  8. 請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの一又は複数を貼り合わせて構成される外装部と、前記外装部の内側に形成された収容部と、を備える包装体又は容器。
  9. 請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂フィルムと、熱可塑性樹脂フィルムとを含む積層構造を有し、
    前記樹脂フィルムを最外層に有する、積層体。
  10. 請求項9に記載の積層体が用いられる、包装体又は容器。
  11. 容器本体と、前記容器本体に取り付けられた請求項9に記載の積層体の一又は複数とを備える、包装体又は容器。
  12. 前記積層体が、前記容器本体の蓋材を構成する、請求項11に記載の包装体又は容器。
  13. 前記積層体が、前記容器本体の外面に取り付けられる、請求項11に記載の包装体又は容器。
  14. 請求項9に記載の積層体の一又は複数を貼り合わせて構成される外装部と、前記外装部の内側に形成された収容部と、を備える包装体又は容器。
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