JP2023028295A - 固体電解質材料、固体電解質及びその製造方法 - Google Patents

固体電解質材料、固体電解質及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固体電解質として高いリチウムイオン伝導性を有する複合酸化物からなる固体電解質材料、固体電解質及びその製造方法の提供。【解決手段】リチウムタンタルリン酸化合物からなる固体電解質である。原子比でLi、Ta、Pを等量含むようにこれらを含む化合物を溶媒に与えた溶液を混合して混合溶液を得て、これを乾燥させた後に、X線粉末回折パターンにおける2θ=25°よりも低角度側には複数の強度ピークを有し回折強度の最大から4番目までの強度ピークの角度位置2θを2θ=8.6°~8.8°、2θ=19.7°~19.9°、2θ=21.9°~22.1°、2θ=24.4°~24.5°の範囲にそれぞれ有する結晶構造とするように焼成し焼成体を得る。【選択図】 図3

Description

本発明は、高いリチウムイオン伝導性を有する複合酸化物からなる固体電解質材料、固体電解質及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、スマートフォンやノート型パソコンなどの小型電子機器用電源として広く利用されている。また、近年では、ハイブリット自動車や電気自動車用の大型電源として、更に、定置型蓄電池としても利用されている。ここで、安全性や高いエネルギー密度の観点から、可燃性の電解液を使用しない全固体リチウムイオン二次電池の研究開発が進められている。
かかる全固体リチウムイオン二次電池の固体電解質に用いられ得る酸化物材料としては、ガーネット型構造を有するLiLaZr12の元素置換体で高いイオン伝導性を有することが報告されている。また、ペロブスカイト型構造を有するリチウムランタンチタン酸化物、NASICON型構造を有するリチウムアルミニウムチタンリン酸化合物、リチウムアルミニウムゲルマニウムリン酸化合物、リチウムタンタルリン酸化合物(LiTaPO、非特許文献1及び2参照)なども報告されている。
また、特許文献1では、リチウム、タンタル、M1(タンタルを除く、4族、5族、6族、13族及び14族の元素からなる群)、リン及び酸素を構成元素とするリチウムイオン伝導性酸化物を開示している。ここで、リチウム、タンタル、M1、リン及び酸素の各構成元素の原子数の比は、1:2-x:x:1:8(但し、xは0より大きく1未満)であり、単斜晶を含有するものであるとしている。
特開2021-38099号公報
J.Kim et al.; Journal of Materials Chemistry A Vol.6, 22478 (2018) N.Ishigaki et al; Solid State Ionics Vol.351, 115314 (2020)
上記した酸化物材料からなる焼結体では、全導電率が室温で10-4S/cm程度であり、全固体リチウムイオン二次電池の固体電解質としては同程度又はより高いリチウムイオン伝導性を有することが好ましい。また、成分組成とともに、結晶構造等によっても得られるリチウムイオン伝導性が異なり、安定して高いリチウムイオン伝導性を有する焼結体を得る製造方法も求められる。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、固体電解質として高いリチウムイオン伝導性を有する複合酸化物からなる固体電解質材料、固体電解質及びその製造方法を提供することにある。
本発明による固体電解質材料は、リチウムタンタルリン酸化合物からなる固体電解質材料であって、原子比でLi、Ta、Pを等量含み、X線粉末回折パターンにおける2θ=25°よりも低角度側には複数の強度ピークを有し回折強度の最大から4番目までの前記強度ピークの角度位置2θを2θ=8.6°~8.8°、2θ=19.7°~19.9°、2θ=21.9°~22.1°、2θ=24.4°~24.5°の範囲にそれぞれ有する結晶構造であることを特徴とする。
また、本発明による固体電解質は、リチウムタンタルリン酸化合物からなる固体電解質であって、原子比でLi、Ta、Pを等量含み、X線粉末回折パターンにおける2θ=25°よりも低角度側には複数の強度ピークを有し回折強度の最大から4番目までの前記強度ピークの角度位置2θを2θ=8.6°~8.8°、2θ=19.7°~19.9°、2θ=21.9°~22.1°、2θ=24.4°~24.5°の範囲にそれぞれ有する結晶構造の粉体の焼結体からなることを特徴とする。
かかる特徴によれば、固体電解質として高いリチウムイオン伝導性を得られるのである。
更に、本発明による固体電解質の製造方法は、リチウムタンタルリン酸化合物からなる固体電解質の製造方法であって、原子比でLi、Ta、Pを等量含むようにこれらを含む化合物を溶媒に与えた溶液を混合して混合溶液を得る混合工程と、前記混合溶液を乾燥させた後に、X線粉末回折パターンにおける2θ=25°よりも低角度側には複数の強度ピークを有し回折強度の最大から4番目までの前記強度ピークの角度位置2θを2θ=8.6°~8.8°、2θ=19.7°~19.9°、2θ=21.9°~22.1°、2θ=24.4°~24.5°の範囲にそれぞれ有する結晶構造とするように焼成し焼成体を得る焼成工程と、を含むことを特徴とする。
かかる特徴によれば、高いリチウムイオン伝導性を有する固体電解質を得られるのである。
本発明による全固体電池の断面図である。 本発明による固体電解質の製造工程を示す図である。 本発明によるリチウムタンタルリン酸化合物を主相とする粉末X線回折パターンである。但し、実施例1で得られた炭酸リチウムと原料酸化物TaPOを用いて、860℃で焼成して得られた化合物粉末である。 本発明による電解質部材の室温での交流インピーダンス測定の結果を示すグラフである。但し、実施例1で得られたリチウムタンタルリン酸化合物粉末を用いて、880℃で焼結して得たバルクである。
以下、本発明によるリチウムタンタルリン酸化合物からなる固体電解質及びその製造方法について、詳細を説明する。
図1に示すように、典型的な全固体リチウム二次電池1は、外装10、正極タブ11、正極集電体12、正極13、固体電解質セパレータ14、負極15、負極集電体16、負極タブ17を有する。ここでは、固体電解質としてリチウムタンタルリン酸化合物からなるものを用いるが、これは固体電解質セパレータ14だけでなく、適宜、正極13及び/又は負極15にも用い得る。
次に、図2に沿って、固体電解質の製造方法について説明する。
[固体電解質材料の製造]
まず、所定の量比で原材料を混合する(混合工程:S1)。すなわち、原子比でLi、Ta、Pを等量含み、実質的にLi:Ta:P=1:1:1となるように、これらを含む化合物を溶媒に与えた溶液を混合して混合溶液を得る。なお、原子比は正確に等量比であることを要求されないが、その理由については後述する。
原材料としては、Li、Ta、Pの各元素を含む化合物の組み合わせ、又は、これらのうちの2種の元素を含む化合物との組み合わせを選択できる。例えば、リチウム化合物としては、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、水酸化リチウムなどの高温で分解して化合するリチウム塩、又は、酸化リチウム、過酸化リチウムなどを用い得る。また、タンタル化合物としては、酸化タンタル、塩化タンタルなどを用い得る。更に、リン酸化合物としては、NHPO、(NHHPO、HPOなどを用い得る。そして、2種の元素を含む化合物としては、リチウムタンタル化合物、タンタルリン酸化合物、リチウムリン酸化合物などの複合酸化物、複合リン酸化合物などを用い得る。かかる化合物は、取り扱い易さ等の観点から粉末状であることが好ましく、且つ、反応性の観点からは、粒子の微細なものが好ましい。
溶媒としては、原材料が溶解し、容易に溶媒を蒸発できるものであれば特に限定されない。例えば、イオン交換水、エタノール、メタノール、プロパノールなどを用い得る。
溶液の混合方法としては、撹拌子を用いたスターラー等を用いることができる。また、加熱方法としては、ホットプレート、マントルヒーター等を用いることができる。
次に、混合した化合物を含む溶液を加熱し、溶媒を蒸発させ、続いて、化合物同士を焼成させる(焼成工程:S2)。ここで、焼成後に、主相がLi:Ta:P=1:1:1の原子比となればよく、原材料におけるLi、Ta、Pの原子比は正確に等量比でなくともよい。つまり、余剰の元素が固体電解質としての機能を阻害しない程度に不純物として含まれることになるが、焼成後に主相がLi:Ta:P=1:1:1に収斂するような原材料の原子比であればよいのである。
焼成前に、各原料粉末を粉砕・混合する。粉砕方法としては、メカニカルミリング処理が好ましい。かかる処理に用いる装置として、ボールミル、振動ミル、ターボミル、ディスクミル、ビーズミル等を用いることができる。また、粉砕・混合方法としては、乳鉢解砕等を用いることができる。
焼成は大気中又は雰囲気調整された炉内で行う。炉としては、電気加熱型マッフル炉等が、雰囲気は、適宜、アルゴンガス、窒素ガス、酸素ガス雰囲気を選択し得る。焼成に使用する容器としては、化合物と反応しない金属又は無機化合物製の容器、例えば、金、白金、アルミナなどからなる容器である。
焼成温度及び時間は、得られるリチウムタンタルリン酸化合物の主相がLi:Ta:P=1:1:1に収斂するように選択される。これには、雰囲気温度で800℃以上1100℃以下、好ましくは850℃以上950℃以下の比較的低い温度に保持することが好ましい。一方で、原材料由来の窒素、塩素、炭素等の残存物を十分に揮発させ得る温度及び時間だけ焼成する。冷却方法は、自然放冷(炉内放冷)又は徐冷とし得る。
なお、焼成に供する混合化合物の形状については、粉末のまま、又は、板状などの所定形状に静水圧加圧、一軸加圧などの方法で加圧成形した成型体であってもよい。又、基板に塗工、成膜した膜状のものであってもよい。更には、熱プレス、熱間等方圧加圧、通電加熱などの手法で焼成を行ってもよい。
得られた焼成体は、必要に応じて公知の方法で粉砕する(粉砕工程:S3)。なお、焼成工程(S2)と粉砕工程(S3)とを繰り返しても良い。このとき、焼成工程の最高温度を変更しながら1~2回繰り返し実施することが焼結体の相対密度を高める観点から好ましい。なお、粉砕による粒度は、焼成温度などに応じて適宜調節される。
[固体電解質の作製]
得られたリチウムタンタルリン酸化合物からなる固体電解質材料の粉体を焼結して固体電解質(電極部材)を成形する(焼結工程:S4)。なお、粉末には、他の電解質材料を混合し、又は、複合化させてから成形しても良い。焼結温度は、焼結方法によって適宜調節されるが、例えば、電気炉焼成の場合は、800℃以上1100℃以下、好ましくは850℃以上950℃以下の比較的低い温度に保持することが好ましい。また、熱プレスなどの手法の場合は、300℃以上600℃以下、好ましくは400℃以上500℃以下のさらに低い温度に保持することが好ましい。
[電極部材の加工等]
例えば、上記した固体電解質材料に電極材料活物質を混合し、又は複合化して成型体として電極部材を得ることができる。電極材料活物質としては、一般的に、リチウムイオン電池の正極材料又は負極材料として使用されている材料が適用できる。つまり、正極材料活物質としては、LiCoO、LiNiO、Li(Ni,Mn,Co)O、Li(Ni,Co,Al)O、LiMnO-Li(Ni,Mn,Co)O、Li(Ni,Mn)、Li(Co,Mn)、Li(Mn,Al)、LiFePO、LiMnPO、LiCoPO、LiNiPOなどが挙げられる。また、負極材料活物質としては、グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボン、グラフェン、カーボンナノチューブ、SiO、Si、Sn、In、Li、LiTi12、HTi1225、TiNbなどが挙げられる。また、公知のように、リチウムの脱離・挿入反応を可逆的に生じさせる物質であれば特に限定されず、用い得る。
また、電極部材と固体電解質の接合を改善するためには、上記した電極部材に、他の異種材料、例えば、ポリマー、酸化物、硫化物、水素化物、ハロゲン化物などを加えてもよい。更に、電極部材の電子伝導性を向上させるには、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、チタン酸化物などの導電助剤を添加してもよい。
上記したリチウムタンタルリン酸化合物からなる固体電解質は、リチウムイオン伝導性に優れ、全固体リチウム二次電池、リチウム空気電池、リチウム硫黄電池などの電気化学デバイスにおける固体電解質に好適に使用され得る。
実施例1~3の方法で、リチウムタンタルリン酸化合物を合成し、固体電解質を模した焼結バルク体を作製し、導電率を測定した。
[実施例1]
TaPO及びLiCOを混合し、これを焼成してリチウムタンタルリン酸化合物を得た。ここでは、TaPOについて、TaCl及びNHPOから合成して用いた。
(TaPOの合成)
TaCl(レアメタリック社製、99.9%)3.5821gをドライ環境下でエタノール100ccに溶解させるとともに、NHPO(富士フイルム和光純薬社製)1.1503gをイオン交換水100ccに溶解させた。これらの溶液を混合し、スターラーで攪拌しながら、徐々に温度を80℃程度まで上げながら4~5時間程度でエタノールを揮発させた。乾燥が進行した段階で、昇温して350℃で焼成を行った。かかる仮焼粉末をメノウ乳鉢にて軽く粉砕し、電気炉(ヤマト科学社製、商品名:FP101)にて1000℃、12時間だけ高温焼成し、リン酸化合物TaPOを得た。
(リチウムタンタルリン酸化合物の合成)
次に、得られたTaPOの粉末と、LiCO(レアメタリック社製)の粉末とをモル比1:1(Li:Ta:P=1:1:1)にて混合し、電気炉(ヤマト科学社製、商品名:FP101)で860℃にて焼成し、リチウムタンタルリン酸化合物を得た。
(粉末の結晶構造)
得られたリチウムタンタルリン酸化合物の粉末について、粉末X線回折装置(リガク社製、商品名:SmartLab、X線:CuKα、波長λ=1.540980Å、管電圧:40kV、管電流:30mA)により結晶構造を解析した。
図3には、測定されたX線粉末回折パターンを示した。2θ=25°以下の低角度側にある最大から4番目の回折強度までの各強度ピークの角度位置は、2θ=8.68°、19.82°、22.04°、24.50°であった。
(焼結体の導電率)
得られたリチウムタンタルリン酸化合物の粉末を一軸加圧の錠剤成型器にて加圧成形体に加工し、880℃で粉体を焼結させた。かかる焼結体の導電率について、周波数応答アナライザ(FRA:Frequency Response Analyzer、ソーラトロン社製、型番:Model 1260)を用いてナイキストプロットの円弧より抵抗値を求め、導電率を算出した。測定条件として、周波数を32MHz~100Hz、振幅電圧を100mVとし、ブロッキング電極にはAu電極を用いた。
図4には、測定されたCole-Coleプロットを示した。明確な半円弧が観測され、室温条件下でも10-6S/cm程度の導電率を有していた。なお、焼結温度が低く十分な相対密度ではなかったため、導電率は低めの値となったと推測されるが、にも関わらず、良好なリチウムイオン伝導体であることが確認された。本実施例によるリチウムタンタルリン酸化合物を用いることで、高いリチウムイオン伝導性を有する固体電解質を得られることがわかる。
[実施例2]
TaPO、LiTaOを、及びLiCOを混合し、これを焼成してリチウムタンタルリン酸化合物を得た。ここでは、TaPOについては実施例1で合成したものを、LiTaOについては、LiCO及びTaから合成したものを、LiCOは市販の試薬を用いた。
(LiTaOの合成)
Li:Ta=1:1となるように、LiCO(レアメタリック社製、99.99%)0.7388g、及び、Ta(レアメタリック社製、99.99%)4.4189gを秤量し、乳鉢にて混合した。これを電気炉(ヤマト科学社製、商品名:FP101)にて1000℃、12時間だけ高温焼成し、リチウム複合酸化物LiTaOを得た。
(リチウムタンタルリン酸化合物の合成)
得られたTaPO、LiTaO、及びLiCO粉末をモル比1:0.3:0.4、つまり、Li:Ta:Pの原子比で1.1:1.3:1.0にて混合し、電気炉(ヤマト科学社製、商品名:FP101)で880℃にて焼成し、リチウムタンタルリン酸化合物を得た。
(粉末の結晶構造)
得られたリチウムタンタルリン酸化合物の粉末について、粉末X線回折装置(リガク社製、商品名:SmartLab、X線:CuKα、波長λ=1.540980Å、管電圧:40kV、管電流:30mA)により結晶構造を解析した。測定されたX線粉末回折パターンにおいて、2θ=25°以下の低角度側にある最大から4番目の回折強度までの各ピーク位置は、2θ=8.66°、19.77°、22.00°、24.44°であった。ここで、LiTaPO相の生成、及び出発原料由来のLiTaOの残存が認められた。これは、仕込み組成の原子比でLi:Ta:P=1.1:1.3:1.0であったが、得られたリチウムタンタルリン酸化合物の主相の原子比はほぼLi:Ta:P=1:1:1であり、過剰なLi、Taは不純物としてLiTaPO相として生成したと考えられる。
(焼結体の導電率)
得られたリチウムタンタルリン酸化合物の粉末を一軸加圧の錠剤成型器にて加圧成形体に加工し、880℃で焼結させた。かかる焼結体の導電率について、実施例1と同様に、測定されたCole-Coleプロットから室温における全導電率は10-5S/cm、バルク導電率は10-4S/cm以上であることが確認された。本実施例によるリチウムタンタルリン酸化合物を用いることで、高いリチウムイオン伝導性を有する固体電解質を得られることがわかる。
[実施例3]
LiCO、Ta、NHPOを混合し、これを焼成してリチウムタンタルリン酸化合物を得た。
(リチウムタンタルリン酸化合物の合成)
Li:Ta:Pの原子比で1.25:1.25:1.00にて、LiCO(レアメタリック社製)、Ta(レアメタリック社製)、NHPO(富士フイルム和光純薬社製)を混合し、電気炉(ヤマト科学社製、商品名:FP101)で860℃にて焼成し、リチウムタンタルリン酸化合物を得た。
(粉末の結晶構造)
得られたリチウムタンタルリン酸化合物の粉末について、粉末X線回折装置(リガク社製、商品名:SmartLab、X線:CuKα、波長λ=1.540980Å、管電圧:40kV、管電流:30mA)により結晶構造を解析した。X線粉末回折パターンにおいて、2θ=25°以下の低角度側にある最大から4番目の回折強度までの各ピーク位置は、2θ=8.65°、19.77°、22.00°、24.43°であった。ここで、出発原料由来のLiTaOの残存が認められた。これは、仕込み組成の原子比でLi:Ta:P=1.25:1.25:1.00であったが、得られたリチウムタンタルリン酸化合物の主相の原子比はほぼLi:Ta:P=1:1:1であり、過剰なLi、Taは不純物としてLiTaO相として生成したと考えられる。
(焼結体の導電率)
得られたリチウムタンタルリン酸化合物の粉末を一軸加圧の錠剤成型器にて加圧成形体に加工し、880℃で焼結させた。かかる焼結体の導電率について、実施例1と同様に、測定されたCole-Coleプロットから室温における全導電率は10-5S/cm、バルク導電率は10-4S/cm以上であることが確認された。本実施例によるリチウムタンタルリン酸化合物を用いることで、高いリチウムイオン伝導性を有する固体電解質を得られることがわかる。
[共通]
実施例1~3のいずれも複数回の粉末X線回折の測定を行ったところ、上述した4つの強度ピークの角度位置は、2θ=8.6°~8.8°、2θ=19.7°~19.9°、2θ=21.9°~22.1°、2θ=24.4°~24.5°の範囲にあることがわかった。
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
1 全固体リチウム二次電池
10 外装
11 正極タブ
12 正極集電体
13 正極
14 固体電解質セパレータ
15 負極
16 負極集電体
17 負極タブ

Claims (9)

  1. リチウムタンタルリン酸化合物からなる固体電解質材料であって、
    原子比でLi、Ta、Pを等量含み、X線粉末回折パターンにおける2θ=25°よりも低角度側には複数の強度ピークを有し回折強度の最大から4番目までの前記強度ピークの角度位置2θを2θ=8.6°~8.8°、2θ=19.7°~19.9°、2θ=21.9°~22.1°、2θ=24.4°~24.5°の範囲にそれぞれ有する結晶構造であることを特徴とする固体電解質材料。
  2. リチウムタンタルリン酸化合物からなる固体電解質であって、
    原子比でLi、Ta、Pを等量含み、X線粉末回折パターンにおける2θ=25°よりも低角度側には複数の強度ピークを有し回折強度の最大から4番目までの前記強度ピークの角度位置2θを2θ=8.6°~8.8°、2θ=19.7°~19.9°、2θ=21.9°~22.1°、2θ=24.4°~24.5°の範囲にそれぞれ有する結晶構造の粉体の焼結体からなることを特徴とする固体電解質。
  3. 室温での全導電率を10-4S/cmよりも大きくすることを特徴とする請求項2記載の固体電解質。
  4. リチウムタンタルリン酸化合物からなる固体電解質の製造方法であって、
    原子比でLi、Ta、Pを等量含むようにこれらを含む化合物を溶媒に与えた溶液を混合して混合溶液を得る混合工程と、
    前記混合溶液を乾燥させた後に、X線粉末回折パターンにおける2θ=25°よりも低角度側には複数の強度ピークを有し回折強度の最大から4番目までの前記強度ピークの角度位置2θを2θ=8.6°~8.8°、2θ=19.7°~19.9°、2θ=21.9°~22.1°、2θ=24.4°~24.5°の範囲にそれぞれ有する結晶構造とするように焼成し焼成体を得る焼成工程と、を含むことを特徴とする固体電解質の製造方法。
  5. 前記混合工程は、TaPOとリチウム化合物とを混合する工程を含むことを特徴とする請求項4記載の固体電解質の製造方法。
  6. 前記リチウム化合物は、LiCO又はLiTaOであることを特徴とする請求項5記載の固体電解質の製造方法。
  7. 前記混合工程は、LiCO、Ta、NHPOを混合する工程を含むことを特徴とする請求項4記載の固体電解質の製造方法。
  8. 前記焼成工程は、800℃以上1100℃以下で焼成を行う工程であることを特徴とする請求項4乃至7のうちの1つに記載の固体電解質の製造方法。
  9. 前記焼成体を成形した後に焼結する焼結工程と、を更に含むことを特徴とする請求項4乃至8のうちの1つに記載の固体電解質の製造方法。
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