JP2023028093A - 衝撃吸収体の製造装置、衝撃吸収体および衝撃吸収体の製造方法 - Google Patents

衝撃吸収体の製造装置、衝撃吸収体および衝撃吸収体の製造方法 Download PDF

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一郎 萩原
Ichiro Hagiwara
希禄 趙
Xilu Zhao
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Abstract

Figure 2023028093000001
【課題】従来の加工方法に比べて、衝撃吸収体の製造を容易且つ任意の軸方向の長さを実現しつつ、加工に必要な時間を減らすこと。
【解決手段】第1の支持体(3)と第2の支持体(4)の間の筒体(2)の一部分の被加熱部を加熱して、非加熱時の塑性変形に必要な回転トルクに対して、被加熱部の塑性変形に必要な回転トルクを低下させる加熱手段(21)と、被加熱部の塑性変形に必要な回転トルクを超え且つ非加熱時の塑性変形に必要な回転トルク未満の回転トルクで、第1の支持体(3)と第2の支持体(4)とを相対的に移動させる移動手段(M1)と、を備えた衝撃吸収体の製造装置(1)。
【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 日本機械学会論文集,Vol.87,No.895,一般社団法人日本機械学会
本発明は、衝撃吸収体の製造装置、衝撃吸収体および衝撃吸収体の製造方法に関し、特に、自動車等に使用されて衝突時の衝撃を吸収可能な衝撃吸収体の製造装置、衝撃吸収体および衝撃吸収体の製造方法に関する。
自動車の軽量化、衝突安全性を確保するために、軽量且つ高剛性な様々な中空の衝撃吸収体が開発されており、特に、オイラー座屈することなく軸方向の圧潰が極力長く続くような車体構造の開発が求められている。このような衝撃吸収体に関して、下記の特許文献1に記載の技術が公知である。
特許文献1(特開2011-58579号公報)には、反転らせん型の折り紙構造を用いたエネルギ吸収構造体を自動車のサイドメンバとして使用することが記載されている。特許文献1には、筒状の金属体に予め折り目を付したり、切り欠きや薄肉加工をして折線の位置で折れるように構成することが記載されている。
また、非特許文献1や特許文献2(特開2011-104612号公報)には、金型内に配置された筒状の管の内部に、高圧の流体を導入して、管を金型の内面に沿うように膨らませて変形させることで、管を加工するハイドロフォームと呼ばれる技術が記載されている。
特許文献3(特開2018-187637号公報)には、筒体を2つの支持体の金型(17,27)で挟み込んで、金型(17,27)の間の部分を加熱し、支持体を相対的に移動させる(ねじる)ことで、筒体の表面に折り線(凹凸の線)を形成し、2つの金型(17,27)を筒体の軸方向にずらしていって、段階的に折り線を形成していく技術が記載されている。
特開2011-58579号公報(「0021」~「0022」、「0037」) 特開2011-104612号公報(「0033」~「0041」) 特開2018-187637号公報
"自動車部品成形へのチューブハイドロフォーミングの適用"、自動車技術、Vol.57,No.6、(2003)、23-28頁
(従来技術の問題点)
特許文献1に記載されているような筒状の金属体に折り目を付したり、切り欠き、肉薄加工等の加工をする場合、折線の数が多くなっていくと、加工が困難になる問題がある。特に、管の軸方向の長さが長くなり、段数が多くなっていくと、折線の数も飛躍的に増大するため、特許文献1に記載の加工法では加工作業が面倒になる問題がある。
非特許文献1や特許文献2に記載のハイドロフォーム法では、剛性の高い金属の加工をしようとすると、流体の圧力を非常に高圧にする必要があり、加工が難しいと共に、費用が高額になる問題もある。特に、管の軸方向の長さが長くなるほど、流体に必要な圧力をかけることが難しくなるとともに、圧力ムラが発生しやすくなり、加工ムラも発生しやすくなる問題もある。したがって、ハイドロフォーム法では、製造装置のサイズに応じた軸方向長さの管しか加工できず、任意のサイズの衝撃吸収体の加工ができない問題もある。
特許文献3に記載の技術では、特許文献1,2や非特許文献1における問題点は解消可能である。しかし、特許文献3のように2つの金型(治具)を軸方向にずらしていって、段階的に折り線を形成していく技術では、1段分の折り線の加工後に、次の段の折り線の加工前に、金型を取り外し(緩めて)、筒体を軸方向にずらした後に金型を取付ける(締める)、という作業を行う必要がある。よって、特許文献3では、1段分の加工を行うのに必要な工程が多く、加工に必要な時間が長くなる問題がある。また、特許文献3記載の技術では、最初の段の加工時は折り線が形成される前の筒体に対応した金型であるのに対して、2段目以降では折り線が形成された後の筒体に対応する金型を使用しなければ金型を資材(筒体)に密着させることができない。したがって、最初の段と2段目以降とで金型を変える必要があり、金型の種類が増えて、費用が上昇する問題もある。また、折り線の形状によっては、金型の製作も容易でない問題もある。
本発明は、従来の加工方法に比べて、衝撃吸収体の製造を容易且つ任意の軸方向の長さを実現しつつ、加工に必要な時間を減らすことを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の衝撃吸収体の製造装置は、
軸方向に延びる中空の筒体に対して、前記筒体の未加工の部分を支持する第1の支持体と、
前記筒体の軸方向に沿って前記第1の支持体と間隔をあけ且つ前記筒体の未加工の部分を支持する第2の支持体と、
前記第1の支持体と前記第2の支持体の間の前記筒体の一部分であって、前記軸方向の予め定められた長さを有する被加熱部を加熱して、非加熱時の塑性変形に必要な回転トルクに対して、前記被加熱部の塑性変形に必要な回転トルクを低下させる加熱手段と、
前記被加熱部の塑性変形に必要な回転トルクを超え、且つ、非加熱時の塑性変形に必要な回転トルク未満の回転トルクで、前記第1の支持体と前記第2の支持体とを相対的に移動させる移動手段と、
前記移動手段を制御して、前記第1の支持体と前記第2の支持体とを前記筒体の周方向に沿って相対的に移動させることで、前記筒体に凹凸線を形成する制御手段であって、前記凹凸線の前記軸方向に対する傾斜角に応じた相対移動量だけ前記第1の支持体と前記第2の支持体とを相対移動させる前記制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衝撃吸収体の製造装置において、
非加熱時の塑性変形に必要な回転トルクに対して前記被加熱部の塑性変形に必要な回転トルクが1/3倍以下となる温度まで前記被加熱部を加熱する前記加熱手段、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項3に記載の発明の衝撃吸収体は、
請求項1または2に記載の衝撃吸収体の製造装置で製造されたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明の衝撃吸収体の製造方法は、
軸方向に延びる中空の筒体の未加工の部分を、間隔をあけて第1の支持体と第2の支持体とで支持し、
前記第1の支持体と前記第2の支持体の間の前記筒体の一部分の被加熱部を加熱手段で加熱して、非加熱時の塑性変形に必要な回転トルクに対して、前記被加熱部の塑性変形に必要な回転トルクを低下させ、
前記筒体に形成する凹凸線の前記軸方向に対する傾斜角に応じた相対移動量に応じて、前記被加熱部の塑性変形に必要な回転トルクを超え且つ非加熱時の塑性変形に必要な回転トルク未満の回転トルクで、前記第1の支持体と前記第2の支持体とを相対的に移動させることで、前記筒体に凹凸線を形成する
ことを特徴とする。
請求項1,3,4に記載の発明によれば、従来の加工方法に比べて、衝撃吸収体の製造を容易且つ任意の軸方向の長さを実現しつつ、加工に必要な時間を減らすことができる。
請求項2に記載の発明によれば、被加熱部とそれ以外の部分とで塑性変形に必要な回転トルクの差を十分に確保し易く、被加熱部分を効率的に加工できると共に、非加熱の部分の塑性変形を抑制でき、目的の形状の衝撃吸収体を実現しやすい。
図1は本発明の実施例1の衝撃吸収体の製造装置の説明図である。 図2は実施例1の筒体における塑性変形に必要な回転トルクの説明図であり、横軸に時間、縦軸にトルクを取った図である。 図3は衝撃吸収体の説明図であり、図3Aは加工前の説明図、図3Bは1段分加工された状態の説明図、図3Cは2段分加工された状態の説明図、図3Dは3段分加工された状態の説明図、図3Eは4段分加工された状態の説明図である。 図4は変更例1の説明図であり、図4Aは加工前の状態の説明図、図4Bは1段分加工された状態の説明図、図4Cは2段分加工された状態の説明図である。 図5は変更例2の説明図であり、図5Aは加工前の状態の説明図、図5Bは1段分加工された状態の説明図、図5Cは2段分加工された状態の説明図である。 図6は変更例3の説明図であり、図6Aは加工前の状態の説明図、図6Bは1段分加工された状態の説明図である。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例である実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は本発明の実施例1の衝撃吸収体の製造装置の説明図である。
図1において、本発明の実施例1の衝撃吸収体の製造装置1は、筒体2の一端側に配置された第1の支持部3と、他端側に配置された第2の支持部4とを有する。なお、各支持部3,4は、筒体2の未加工の部分、すなわち、後述する凹凸線31が形成されていない部分を支持するように配置されている。
なお、実施例1では、筒体2の一例として、四角筒状の鉄パイプが使用されている。また、筒体2は、軸方向に延びる筒状、いわゆるパイプ状に形成されている。さらに、実施例1では、筒体2は、水平方向に沿って配置されているが、重力方向(鉛直方向)に沿って配置したり、斜めに配置したり等、製造装置1の設置環境等に応じて任意に変更可能である。また、実施例1の筒体2は、一例として、鋼鉄製の軟鋼材を使用するが、材料はこれに限定されず、他の金属や合金、樹脂等とすることが可能である。
第1の支持部3および第2の支持部4は、例えば、特許文献3に記載の上流部および下流部とほぼ同様に構成されており、従来公知の種々の構成を適用可能であるため、詳細な説明は省略する。なお、実施例1では、特許文献3のハンドル15に替えて、歯車の一例としてのギア15が外周に形成されているが、特許文献3のハンドル15の構成を採用することも可能である。
実施例1では、ギア15に、移動手段の一例としてのモータM1から図示しない歯車列(ギアトレイン)を介して駆動が伝達される。実施例1では、モータM1とギア15を含む複数の歯車で、第1の支持部3を第2の支持部4に対して相対的に移動(回転)させることで、筒体2に対して所定のトルクを作用させることが可能に構成されている。なお、実施例1では、第2の支持部4を固定して、第1の支持部3を回転させる構成を例示したがこれに限定されない。第1の支持部3を固定して、第2の支持部4を回転させる構成とすることも可能であるし、第1の支持部3と第2の支持部4の両方を回転させる構成とすることも可能である。
実施例1の衝撃吸収体の製造装置1は、加熱手段の一例としての加熱装置21を有する。実施例1の加熱装置21は、第1の支持部3と第2の支持部4の側方において筒体2の軸方向に沿って延びるレール22を有する。レール22には、スライダ23が、筒体2の軸方向に沿って移動可能に支持されている。スライダ23には加熱装置本体24が支持されている。加熱装置本体24は、筒体2の外周を囲むコイル状(リング状)の加熱部26を有する。加熱部26は、通電時に電磁誘導加熱(Induction Heating:IH)で筒体2の所定の範囲(加工対象の1段分)を非接触で加熱可能に構成されている。
スライダ23には、スライダ23を移動させる図示しないモータが配置されている。前記モータM1や、スライダ23用のモータ、加熱装置本体24は、制御手段の一例としてのコントローラCとの間で制御信号の送受信が可能に構成されている。コントローラCは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/Oを有する。また、コントローラCは、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリを有する。また、コントローラCは、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリを有する。また、コントローラCは、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置を有する。したがって、実施例1のコントローラCは、情報処理装置、いわゆるコンピュータ装置により構成されている。よって、コントローラCは、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
(コントローラCの機能)
コントローラCは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、コントローラCは次の機能を有している。
図2は実施例1の筒体における塑性変形に必要な回転トルクの説明図であり、横軸に時間、縦軸にトルクを取った図である。
加熱制御手段C1は、加熱装置21を制御して、筒体2の部分的な加熱を制御する。実施例1の加熱制御手段C1は、加熱装置21を制御して、筒体2において、加熱部26で囲まれた部分(すなわち、加工対象の1段分)を、予め定められた温度の一例としての950℃に加熱する。
図2において、実施例1の筒体2で使用されている軟鋼材について、塑性変形に必要な回転トルクの値について実験を行った。なお、図2において、実験では、軟鋼材が座屈と加工硬化を繰り返すような形となるため回転トルクの履歴(プロファイル)は波打つような結果となっている。
図2において、非加熱時(室温:25℃)には、塑性変形に必要な回転トルクの平均が約1200Nmであるのに対して、950℃では塑性変形に必要な回転トルクの平均が約350Nm(非加熱時の1/3以下)であることに基づいている。したがって、使用する材料によって加熱時の回転トルクの低下の度合いが異なったり、加熱時に非加熱時に比べて低下させたい程度(1/3ではなく、1/2とか1/4)が異なっている場合には、使用する材料や目的の回転トルクの低下度合いに応じて温度は適宜変更可能である。実施例1の加熱制御手段C1は、凹凸線(31)を形成する前に加熱装置21で筒体2の加熱を開始し、凹凸線(31)の形成が終了すると、加熱装置21での加熱を終了する。
図3は衝撃吸収体の説明図であり、図3Aは加工前の説明図、図3Bは1段分加工された状態の説明図、図3Cは2段分加工された状態の説明図、図3Dは3段分加工された状態の説明図、図3Eは4段分加工された状態の説明図である。
変形制御手段C2は、モータM1を制御して、第1の支持部3を第2の支持部4に対して相対的に移動(回転)させて、筒体2を変形させる。図3において、実施例1の変形制御手段C2では、形成したい凹凸線31において、筒体2の軸方向に延びる外辺32に対する傾斜角θに応じて、第1の支持部3を第2の支持部4に対して回転させる。実施例1では、傾斜角θが、一例として5°の場合、第1の支持部3を5°回転させる。なお、実施例1の変形制御手段C2は、筒体2の奇数段目(1段目、3段目、5段目、…)の加工を行う場合には、第1の支持部3を正回転方向に回転させ、偶数段目(2段目、4段目、6段目、…)の加工を行う場合には、第1の支持部3を逆回転方向に回転させる。したがって、凹凸線31は、いわゆる反転螺旋に沿って形成される。なお、実施例1では凹凸線31が反転螺旋に沿って形成されるように、第1の支持部3を奇数段目と偶数段目で逆方向に回転させたが、これに限定されない。凹凸線を螺旋に沿って形成されるように、奇数段目も偶数段目も第1の支持部3を同方向に回転する構成とすることも可能である。また、段ごとに傾斜角を変更することも可能である。
なお、実施例1では、第1の支持部3を回転させる場合に、筒体2には、700Nm程度の回転トルクが作用するように、モータM1や歯車列、第1の支持部3等が構成されている。
スライダ制御手段C3は、筒体2の1段分の加工が完了すると、スライダ23を筒体2の軸方向に沿って予め定められた長さ(1段分)だけ移動させる。
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の衝撃吸収体の製造装置1では、筒体2に凹凸線31を形成する場合に、筒体2の両端が支持部3,4で支持された状態で、筒体2の一部が加熱装置21で加熱される。そして、第1の支持部3が第2の支持部4に対して回転される。この時、筒体2には、700Nm程度の回転トルクが作用する。すなわち、筒体2に対して、非加熱時に塑性変形に必要な回転トルクである約1200Nmに達せず、且つ、被加熱部が塑性変形に必要な回転トルクである約350Nmを超えるトルクが作用する。したがって、非加熱の部分は塑性変形せず、加熱部26で囲まれた被加熱部だけが塑性変形する。よって、被加熱部だけ(1段分だけ)に凹凸線31が形成されることとなる。
次に、加熱部26が筒体2の軸方向に沿って1段分移動し、2段目の部分が加熱される。この時、加工済みの1段目の部分は加熱されておらず、温度が低下して、塑性変形に必要な回転トルクが戻る。よって、2段目の部分だけに凹凸線31が形成可能である。
同様にして、3段目以降にも凹凸線31が形成可能であり、筒体2に凹凸線31が形成された衝撃吸収体41が形成可能である。また、段数は任意に増やすことが可能であり、軸方向の長さは任意に変更可能である。
したがって、実施例1の衝撃吸収体の製造装置1では、1段分の加工後に次の段の加工に移行する際に、筒体2に対して加熱装置21をスライドさせるだけで次の段に移行可能である。よって、特許文献3に記載の技術に比べて、次の段に移行する際に必要な工程や時間を短縮することが可能である。したがって、全体の加工時間も短縮可能である。よって、実施例1の衝撃吸収体の製造装置1は、従来の加工方法に比べて、衝撃吸収体41の製造を容易且つ任意の軸方向の長さを実現しつつ、加工に必要な時間を減らすことが可能である。
特に実施例1の加熱装置21は、加熱部26が筒体2に対して非接触で配置されており、加熱装置21のスライド時の移動も円滑に行うことが可能である。よって、加熱部26が筒体2に接触している構成に比べて、加工時間の短縮が可能であると共に、筒体2と加熱部26との接触、離間に伴う筒体2の変形や損傷等も抑制される。
また、実施例1では、非加熱時に比べて、加熱部では、塑性変形に必要な回転トルクが1/3以下となる温度まで加熱されている。したがって、凹凸線31を形成したい加工対象の部分と、加工対象ではない部分との間で必要なトルクの差が大きい。よって、加工対象の部分だけを効率的に加工でき、加工したくない部分の塑性変形を抑制できる。したがって、目的の形状の衝撃吸収体41を実現しやすくなっている。
なお、実施例1の衝撃吸収体の製造装置1では、30秒程度で目的の温度である950℃に加熱することが可能であった。すなわち、加工の時間も非常に短時間で行うことも可能である。さらに、加工時に必要なトルクが700Nm程度であったが、これは、筒体2に、既存のプレス加工で凹凸線31を形成しようとする場合に比べて、大幅に少ないエネルギー量で実現可能である。
そして、このようにして製造された実施例1の衝撃吸収体41は、反転螺旋に沿った凹凸線31が形成されており、凹凸線31が形成されていない筒体に比べて、初期ピーク荷重が下がり、圧潰量も大きな衝撃吸収体41を得ることができる。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、加熱部26の形状はリング状(円環状)に限定されず、四角状や六角状とすることも可能である。また、加熱部26は非接触であることが望ましいが、接触させて加熱する構成とすることも可能である。
また、実施例では、四角筒状の筒体2を使用する場合を例示したがこれに限定されない。例えば、六角筒、八角筒等の多角筒状や、楕円筒状、円筒状、断面星型や台形状、菱形等の筒体を使用することも可能である。なお、円筒を使用する場合は、捻る際に金型と円筒との間で滑る恐れがあるため、円筒と金型に突起と溝のように引っ掛かる部分を設けて、捻る力が伝わりやすい構成を付加することが望ましい。
さらに、実施例では、筒体2は、一端側から他端側に向かって内径及び外径が同一の筒体を例示したが、これに限定されない。一端側から他端側に向けて、径が大きくなっていく筒体、いわゆる錐体(錐殻)状の筒体を使用することも可能である。他にも、一端側から他端側に向けて、径が周期的に膨張、収縮する筒体、いわゆる、蛇腹状の筒体を使用することも可能である。
また、実施例1では、第1の支持部3を1段ごとに逆方向に回転させることで反転螺旋状の凹凸線31が形成された衝撃吸収体41を得る構成を例示したが、これに限定されない。第1の支持部3を1段ごとに同方向に回転させることで、(順)螺旋状の凹凸線が形成された衝撃吸収体を製造することも可能である。
さらに、実施例1では、加熱部26で加熱する範囲(1段分の長さ)が固定の場合を例示したがこれに限定されない。例えば、加熱部26を、第1の加熱部と第2の加熱部が軸方向に沿って並んだ構成として、第1の加熱部と第2の加熱部を個別に制御可能としておき、1段分の長さを短くしたい場合は、第1の加熱部のみで加熱し、1段分の長さを長くしたい場合は第1の加熱部と第2の加熱部の両方で加熱することで、1段分の長さを2段階で調整可能とする構成も可能である。また、加熱部を3つ以上とすることで、1段分の長さを3段階以上で調整可能とすることも可能である。したがって、衝撃吸収体41ごとに1段分の長さを任意に変更することが可能であるし、1つの衝撃吸収体41の中で1段分の長さが各段ごとに異なる構成とすることも可能である。
図4は変更例1の説明図であり、図4Aは加工前の状態の説明図、図4Bは1段分加工された状態の説明図、図4Cは2段分加工された状態の説明図である。
前記実施例1では、各支持部3,4は、筒体2の両端部を支持し、軸方向には移動しない構成を例示したが、これに限定されない。図4A~図4Cに示すように、1段分の加工を行うたびに、第1の支持部3を軸方向に1段分ずつ移動させていく構成とすることも可能である。この時、第1の支持部3は未加工の部分を支持する。よって、変更例1でも、特許文献3と異なり、第1の支持部3の内形形状を変える必要がなく、第1の支持部(型)の種類が増えることを防止しつつ、加工が可能である。
図5は変更例2の説明図であり、図5Aは加工前の状態の説明図、図5Bは1段分加工された状態の説明図、図5Cは2段分加工された状態の説明図である。
図5において、変更例2では、加工前の段階の図5Aでは、第1の支持部3と第2の支持部4とを、2段分の間隔をあけて配置し、図5A~図5Cに示すように、2段分の加工が行われると、第1の支持部3を軸方向に2段分移動させる(ずらす)ことも可能である。
図6は変更例3の説明図であり、図6Aは加工前の状態の説明図、図6Bは1段分加工された状態の説明図である。
図6において、変更例3では、加工前の段階の図6Aでは、第1の支持部3と第2の支持部4とを、3段分(以上)の間隔をあけて配置し、図6A、図6Bに示すように、筒体2に沿って支持部3,4に隣接しない部分の加工を行っていく構成とすることも可能である。
なお、実施例1および変更例1~3に例示した構成において、第2の支持部4の位置は、筒体2の端部である必要はなく、筒体2の軸方向の中央部とすることも可能である。また、第2の支持部4を加工の進捗に伴って軸方向に移動させることも可能である。
また、実施例1では、筒体2として軟鋼材を使用する場合を例示したが、これに限定されない。加熱で回転トルクが低下する任意の材料、アルミやステンレス、アルミ合金、チタン合金等、任意の材料を使用することが可能である。
1…衝撃吸収体の製造装置、
2…筒体、
3…第1の支持体、
4…第2の支持体、
21…加熱手段、
31…凹凸線、
41…衝撃吸収体、
C…制御手段、
M1…移動手段。

Claims (4)

  1. 軸方向に延びる中空の筒体に対して、前記筒体の未加工の部分を支持する第1の支持体と、
    前記筒体の軸方向に沿って前記第1の支持体と間隔をあけ且つ前記筒体の未加工の部分を支持する第2の支持体と、
    前記第1の支持体と前記第2の支持体の間の前記筒体の一部分であって、前記軸方向の予め定められた長さを有する被加熱部を加熱して、非加熱時の塑性変形に必要な回転トルクに対して、前記被加熱部の塑性変形に必要な回転トルクを低下させる加熱手段と、
    前記被加熱部の塑性変形に必要な回転トルクを超え、且つ、非加熱時の塑性変形に必要な回転トルク未満の回転トルクで、前記第1の支持体と前記第2の支持体とを相対的に移動させる移動手段と、
    前記移動手段を制御して、前記第1の支持体と前記第2の支持体とを前記筒体の周方向に沿って相対的に移動させることで、前記筒体に凹凸線を形成する制御手段であって、前記凹凸線の前記軸方向に対する傾斜角に応じた相対移動量だけ前記第1の支持体と前記第2の支持体とを相対移動させる前記制御手段と、
    を備えたことを特徴とする衝撃吸収体の製造装置。
  2. 非加熱時の塑性変形に必要な回転トルクに対して前記被加熱部の塑性変形に必要な回転トルクが1/3倍以下となる温度まで前記被加熱部を加熱する前記加熱手段、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収体の製造装置。
  3. 請求項1または2に記載の衝撃吸収体の製造装置で製造されたことを特徴とする衝撃吸収体。
  4. 軸方向に延びる中空の筒体の未加工の部分を、間隔をあけて第1の支持体と第2の支持体とで支持し、
    前記第1の支持体と前記第2の支持体の間の前記筒体の一部分の被加熱部を加熱手段で加熱して、非加熱時の塑性変形に必要な回転トルクに対して、前記被加熱部の塑性変形に必要な回転トルクを低下させ、
    前記筒体に形成する凹凸線の前記軸方向に対する傾斜角に応じた相対移動量に応じて、前記被加熱部の塑性変形に必要な回転トルクを超え且つ非加熱時の塑性変形に必要な回転トルク未満の回転トルクで、前記第1の支持体と前記第2の支持体とを相対的に移動させることで、前記筒体に凹凸線を形成する
    ことを特徴とする衝撃吸収体の製造方法。
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