JP2023027525A - 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】データや状況に合わせて、データを送るか否かを判定する。【解決手段】情報処理装置は、データを取得する取得部と、前記データ及びコンテキストに応じて、前記データをサーバ側へ送るか否かを判定する判定部と、前記データを前記サーバ側へ送ると判定した場合、前記データを前記サーバ側へ送信する送信部と、前記サーバ側から前記データを用いたグローバルモデルでの機械学習の結果を受信する受信部と、前記データをサーバ側へ送らないと判定した場合、前記データを用いてローカルモデルで機械学習を行う学習部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
サーバ装置に機械学習させるための教師データをサーバ装置へ送る技術が開示されている。
特許第6880290号公報
上記の従来技術のように、機械学習はサーバ装置によって行われるのが一般的である。しかしながら、データに個人の行動等を特定可能な情報が含まれている場合、企業等の外部のサーバ装置へ送るのが好ましくないこともある。また、個人の行動等を特定可能な情報を含むデータの送受信には様々な制限があるため、自由に送受信することが容易ではないこともある。そのため、機械学習を行う際に、データや状況に合わせて、データを送るか否かを判定できると好ましい。
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、データや状況に応じて、データを送るか否かを判定することを目的とする。
本願に係る情報処理装置は、データを取得する取得部と、前記データ及びコンテキストに応じて、前記データをサーバ側へ送るか否かを判定する判定部と、前記データを前記サーバ側へ送ると判定した場合、前記データを前記サーバ側へ送信する送信部と、前記サーバ側から前記データを用いたグローバルモデルでの機械学習の結果を受信する受信部と、前記データをサーバ側へ送らないと判定した場合、前記データを用いてローカルモデルで機械学習を行う学習部と、を備えることを特徴とする。
実施形態の一態様によれば、データや状況に応じて、データを送るか否かを判定することができる。
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。 図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。 図3は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。 図4は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。 図5は、利用者情報データベースの一例を示す図である。 図6は、履歴情報データベースの一例を示す図である。 図7は、レコメンド情報データベースの一例を示す図である。 図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。 図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.情報処理方法の概要〕
まず、図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法の概要について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。なお、図1では、データや状況に合わせて、データを送るか否かを判定する場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置10と情報提供装置100とを含む。端末装置10と情報提供装置100とは、それぞれネットワークN(図2参照)を介して有線又は無線で互いに通信可能に接続される。本実施形態では、端末装置10は、情報提供装置100と連携する。
端末装置10は、利用者U(ユーザ)により使用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、4G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置10は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、利用者Uから指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付ける。なお、画面のうち、コンテンツが表示されている領域上で行われた操作を、コンテンツに対する操作としてもよい。また、端末装置10は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。
情報提供装置100は、各利用者Uの端末装置10と連携し、各利用者Uの端末装置10に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
また、情報提供装置100は、各利用者Uの端末装置10に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報提供装置100は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、情報提供装置100は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
なお、情報提供装置100は、利用者Uに関する利用者情報を取得可能である。例えば、情報提供装置100は、利用者Uの性別、年代、居住地域といった利用者Uの属性に関する情報を取得する。そして、情報提供装置100は、利用者Uを示す識別情報(利用者ID等)とともに利用者Uの属性に関する情報を記憶して管理する。
また、情報提供装置100は、利用者Uの端末装置10から、あるいは利用者ID等に基づいて各種サーバ等から、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報(ログデータ)を取得する。例えば、情報提供装置100は、利用者Uの位置や日時の履歴である位置履歴を端末装置10から取得する。また、情報提供装置100は、利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を検索サーバ(検索エンジン)から取得する。また、情報提供装置100は、利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴をコンテンツサーバから取得する。また、情報提供装置100は、利用者Uの商品購入や決済処理の履歴である購入履歴(決済履歴)を電子商取引サーバや決済処理サーバから取得する。また、情報提供装置100は、利用者Uのマーケットプレイスへの出品の履歴である出品履歴や販売履歴を電子商取引サーバや決済サーバから取得してもよい。また、情報提供装置100は、利用者Uの投稿の履歴である投稿履歴を口コミの投稿サービスを提供する投稿サーバやSNSサーバから取得する。
〔1-1.情報処理方法の処理フロー〕
図1に示すように、利用者Uの端末装置10は、端末装置10の機能により計測又は記録されるデータを取得する(ステップS1)。例えば、端末装置10は、データとして、端末装置10の位置情報、センサデータ、利用者Uの属性情報、履歴情報(操作履歴、決済履歴等)等を取得する。端末装置10は、GPS(Global Positioning System)やRTK(Real Time Kinematic)等の測位方法で、第1精度(例えば、10メートル精度、10mメッシュ)での詳細な位置情報を取得する。また、端末装置10は、端末に搭載又は接続された各センサで計測されたセンサデータを取得してもよい。
本実施形態では、利用者Uの端末装置10は、位置情報やセンサデータ等のデータを取得した際に、所定のルールに基づいて、端末側(端末装置10)のローカルモデル(局所モデル)と、サーバ側(情報提供装置100)のグローバルモデル(全体モデル)とのうち、いずれのモデルにおいて機械学習するかを判定する(ステップS2)。すなわち、ローカルモデルとグローバルモデルとのいずれを更新するかを判定する。ローカルモデルとグローバルモデルとは、精度が異なる。例えば、利用者Uの端末装置10は、取得されたデータとコンテキストから、サーバ側のグローバルモデルと、端末側のローカルモデルとのいずれを学習するかを決定する。
続いて、利用者Uの端末装置10は、サーバ側(情報提供装置100)のグローバルモデルにおいて機械学習すると判断した場合、所定のルールに基づいて、サーバ側(情報提供装置100)に送信対象のデータを抽象化して送るか否かを判定する(ステップS3)。例えば、利用者Uの端末装置10は、取得されたデータとコンテキストから、サーバ側(情報提供装置100)に送信対象のデータを生データの状態で送るか抽象化して送るかを決定する。
<コンテキスト>
本実施形態では、利用者Uの端末装置10は、オンデバイス(端末側)で学習するか、オンライン(サーバ側)で学習するかをコンテキストによって判断する。すなわち、利用者Uの端末装置10は、取得したデータを送るか否かをコンテキストによって判断する。また、利用者Uの端末装置10は、サーバ側(情報提供装置100)に送信対象のデータを生データの状態で送るか抽象化して送るかについてもコンテキストによって判断する。判断基準となるコンテキストの例として、以下のような状況が挙げられる。
(1)データのプライバシー具合(周辺の混雑具合)
利用者Uの端末装置10は、利用者Uが鉄道駅や繁華街のような混雑しているエリアにいる場合には、位置情報等のデータを抽象化せず送ってもよい。すなわち、端末装置10は、同じ場所に不特定多数の人がいて、同じデータ(同じ位置情報等)が多数集まる場合、あるいは個人を特定することが容易でない場合には、データを抽象化せず送ってもよい。この場合、利用者Uの端末装置10は、データをオンライン(サーバ側)で学習するように判定する。
また、利用者Uの端末装置10は、利用者Uが自宅や閑散とした場所のような周りに人がいない状況である場合には、例えば位置情報を1キロメートル精度(例えば1kmメッシュ単位)や地域単位(エリア単位)に抽象化して送る。すなわち、端末装置10は、同じ場所に他の人がおらず、個人を特定することが容易である場合には、データを抽象化して送ってもよい。この場合、利用者Uの端末装置10は、データをオンデバイス(端末側)で学習するように判定する。また、端末装置10は、抽象化されたデータ(抽象化データ)をオンライン(サーバ側)で学習するように判定する。なお、実際には、端末装置10は、抽象化の実施の有無にかかわらず、サーバ側にデータを送らないようにしてもよい。
(2)電池残量(電池消費との兼ね合い)
多くの端末装置において、オンデバイスで機械学習を行うと、電池(バッテリー等)の残量の消費が激しい。そこで、利用者Uの端末装置10は、当該端末装置10の残り電池(電池残量)が少ない時(例えば、電池残量が所定の閾値未満の場合)には、オンライン(サーバ側)で機械学習を行うように判断する。反対に、端末装置10は、当該端末装置10の残り電池(電池残量)が多い時(例えば、電池残量が所定の閾値以上の場合)には、オンデバイス(端末側)で機械学習を行うように判断する。
(3)データの取得の許可・黙認
利用者Uの端末装置10は、利用者Uの位置情報等のデータが、利用者Uにわからないように暗黙的に取得(例えば、バックグラウンドで取得)されているか、利用者Uにもわかるように明示的に取得(例えば、ナビアプリで取得)されているかにより、オンデバイス(端末側)で学習するか、オンライン(サーバ側)で学習するかを判断する。
例えば、利用者Uの端末装置10は、利用者Uのデータの取得が、暗黙的(implicit:インプリシット)に実施されている場合には、データを抽象化してサーバ側へ送る。この場合、端末装置10は、抽象化されたデータ(抽象化データ)をオンライン(サーバ側)で学習するように判定する。また、利用者Uの端末装置10は、生データをオンデバイス(端末側)で学習するように判定する。この場合、オンデバイス機械学習を優先させる。
また、利用者Uの端末装置10は、利用者Uのデータの取得が、明示的(explicit:エクスプリシット)に実施されている場合には、データを生データの状態でサーバ側へ送る。この場合、利用者Uの端末装置10は、生データをオンライン(サーバ側)で学習するように判定する。このとき、利用者Uの端末装置10は、生データをオンデバイス(端末側)でも学習するように判定してもよいし、オンデバイス(端末側)では学習しないように判定してもよい。すなわち、オンライン機械学習を優先させる。
なお、利用者Uの端末装置10は、学習のタイミングについて、ローカルモデルとグローバルモデルの整合又は同期が取れるようにしてもよい。例えば、利用者Uの端末装置10は、データを取得した際、サーバ側のグローバルモデルを更新していない場合、端末側のローカルモデルの更新を制限又は禁止してもよい。あるいは、利用者Uの端末装置10は、端末側のコンテキストが変わらない時には、モデル自体を更新しないようにしてもよい。
<オンライン(サーバ側)での機械学習>
続いて、端末装置10は、オンライン(サーバ側)で学習すると判断した場合、送信対象のデータを抽象化して送るか否かの判断に応じて、生データの状態で又はデータを抽象化した抽象化データを情報提供装置100に送信する(ステップS4)。このとき、端末装置10は、送信対象のデータを生データの状態で送ると判断した場合、取得されたデータを生データの状態で情報提供装置100に送信する。また、端末装置10は、送信対象のデータを抽象化して送ると判断した場合、取得されたデータを抽象化した抽象化データを情報提供装置100に送信する。
例えば、端末装置10は、抽象化データとして、生データである第1精度(例えば、10メートル精度、10mメッシュ)での詳細な位置情報の精度を落とした第2精度(例えば、1キロメートル精度、1kmメッシュ)での粗い位置情報を情報提供装置100に送信する。なお、第2精度での粗い位置情報は、都道府県や市区町村等の地域(エリア)単位の情報(地域名称、住所等)であってもよいし、地域メッシュ単位の情報(地域メッシュコード等)であってもよい。また、端末装置10は、第1精度での詳細な位置情報から、第2精度での粗い位置情報を生成する際に、端数処理(丸め処理)を行ってもよい。
また、送信データ(生データ又は抽象化データ)を暗号化して伝送することは技術常識の範疇で可能である。また、トンネリング(tunneling)により、端末側とサーバ側との間に閉じられた仮想的な直結回線を確立してもよい。例えば、端末側とサーバ側との間にVPN(Virtual Private Network)を構築してもよい。
このとき、端末装置10は、送信データをベクトルに変換(ベクトル化)したベクトルデータの形式で送信してもよい。ベクトルデータは不可逆な情報であり、ベクトルデータのベクトル値から元のデータを復元することはできない。例えば、端末装置10は、いわゆるエンベディング(embedding:埋め込み)を行い、送信データに基づくエンベディングベクトル(埋め込みベクトル)を生成してもよい。
続いて、情報提供装置100は、端末装置10からの送信データ(生データ又は抽象化データ)を受信し、受信データに基づいて機械学習を行い、グローバルモデルを構築する(ステップS5)。例えば、情報提供装置100は、端末装置10は、機械学習により受信データのグループ分けやパターン化を行う。また、受信データと利用者Uの現在や将来の位置や行動とを学習データとして機械学習を行う。あるいは、情報提供装置100は、受信データと利用者Uに提供する提供情報とを学習データとして機械学習を行う。提供情報は、周辺の店舗の広告やクーポン等のレコメンド情報(recommendation)等である。
続いて、情報提供装置100は、受信データをグローバルモデルに入力して推論を行い、推論結果を得る(ステップS6)。例えば、情報提供装置100は、受信データに基づいて、利用者Uの現在や将来の位置や行動を推測したり、利用者Uに提供するレコメンド情報(提供情報)を推測したりする。
続いて、情報提供装置100は、推論結果に基づく情報を、利用者Uの端末装置10に提供する(ステップS7)。本実施形態では、情報提供装置100は、推論結果に基づいて、利用者Uの端末装置10にレコメンド情報を提供する。例えば、情報提供装置100は、周辺の店舗の情報提供や、クーポンの配信等を行う。
このとき、情報提供装置100は、この提供情報を決定する際に、グローバルモデルを利用してもよい。例えば、情報提供装置100は、グローバルモデルと受信データとで、閲覧確度が所定の閾値を超えると推定された複数のレコメンド情報を提供する。
なお、レコメンド情報は一例に過ぎない。実際には、位置情報に対応又は関連する情報であってもよいし、位置情報からの推論に基づく各種情報であってもよい。例えば、位置情報からの推論に基づくユーザ行動等に関する情報であってもよい。
<オンデバイス(端末側)での機械学習>
一方、利用者Uの端末装置10は、オンデバイス(端末側)で学習すると判断した場合、生データに基づいて機械学習を行い、ローカルモデルを構築する(ステップS8)。すなわち、端末装置10は、オンデバイス(on device)の機械学習を行う。例えば、端末装置10は、機械学習により生データのグループ分けやパターン化を行う。また、端末装置10は、生データと利用者Uの現在や将来の位置や行動とを学習データとして機械学習を行う。このとき、端末装置10は、生データと、端末装置10に搭載(又は接続)されたセンサにより収集されたセンサデータとを組み合わせて機械学習を行ってもよい。
続いて、利用者Uの端末装置10は、生データをローカルモデルに入力して推論を行い、推論結果を得る(ステップS9)。例えば、端末装置10は、生データに基づいて利用者Uの現在や将来の位置や行動を推測する。このとき、端末装置10は、生データとして、位置情報と、端末装置10に搭載(又は接続)されたセンサにより収集されたセンサデータとを組み合わせて推論を行ってもよい。
例えば、端末装置10は、生データとして、位置情報と、センサデータとを組み合わせて、位置情報が同じである場合(高層ビルや大型施設等にいる場合)でも、光センサのデータが明るめである(照度が高い)場合には「エントランスや通路等」にいると推測し、光センサのデータが暗めである(照度が低い)場合には「飲食店内」にいると推測してもよい。あるいは、気圧センサのデータが高めである(気圧が高い)場合には「低層階」にいると推測し、気圧センサのデータが低めである(気圧が低い)場合には「高層階」にいると推測してもよい。
また、端末装置10は、センサデータの他に、単に端末装置10を触っているかどうか(接触・操作)、どのアプリを使っているか(アプリ起動)、充電がされているかどうか(電池残量)等の情報を組み合わせて学習及び推論を行ってもよい。これらの情報は容易に取得可能であり、ユーザの位置情報の高精度化を実現するのに適当な情報である。すなわち、端末装置10は、端末装置10の位置情報と、端末装置10の状態情報・操作情報とを組み合わせて学習及び推論を行ってもよい。無論、端末装置10は、これらの情報とセンサデータとを組み合わせて学習及び推論を行ってもよい。
続いて、利用者Uの端末装置10は、生データを用いた推論結果に基づいて、利用者Uに提示する情報(提示情報)を決定する(ステップS10)。例えば、利用者Uの端末装置10は、生データを用いた推論結果に基づいて、情報提供装置100から受信した複数のレコメンド情報(提供情報)を絞り込み、利用者Uに提示する情報(提示情報)を決定する。すなわち、端末装置10は、情報提供装置100から受信した複数のレコメンド情報と、生データとに基づいて、利用者Uに提示する情報(提示情報)を制御する。
このとき、端末装置10は、利用者Uに提示する情報(提示情報)を決定する際に、ローカルモデルを利用してもよい。例えば、端末装置10は、情報提供装置100から提供された複数のレコメンド情報のうち、ローカルモデルと生データとで、閲覧確度が所定の閾値を超えるレコメンド情報のみを表示する。
<オンライン(サーバ側)での再学習>
なお、端末装置10は、サーバ側のグローバルモデルが100メートル精度(例えば100mメッシュ単位)で選択された複数の提供情報(レコメンド情報)を受信し、これら複数の提供情報について端末側のローカルモデルでスコアリングをして、複数の提供情報のうちいずれかの提供情報を提示情報として出力する。
そして、端末装置10は、端末側のローカルモデルでスコアリングをした結果、いずれの提供情報も提示情報として出力されない場合には、サーバ側のグローバルモデルで再学習するために、データを送信し、サーバ側のグローバルモデルで再学習するように指示する。この結果、サーバ側である情報提供装置100は、グローバルモデルの再学習を行う。なお、サーバ側に送るデータは、生データであってもよいし、抽象化したデータ(抽象化データ)であってもよい。
一方、端末側である端末装置10は、サーバ側のグローバルモデルで選択された複数の提供情報のうちいずれかの提供情報を表示した際に、表示された提供情報(提示情報)をユーザがあまりクリック/タップしてくれない(クリック/タップした割合が低い)場合には、自装置内で収集したデータを用いて、ローカルモデルの再学習を行う。
ここで、上記の説明では、グローバルモデルが選択した複数の提供情報のうち表示された提供情報(提示情報)に対するクリック/タップの有無や割合等で学習対象の判断を行っているが、上記以外にも、様々なパターンが想定される。
例えば、利用者Uの端末装置10は、所定期間経過した場合や、所定件数のデータが収集された場合、あるいは所定金額以上の購買履歴がある場合等には、グローバルモデルを更新するように判定する。
また、利用者Uの端末装置10は、利用者Uの現在位置が変化した場合や、利用者Uが所定期間内に所定の閾値以上移動した場合(旅行中、出張中、出勤中等)等には、ローカルモデルを更新するように判定する。
<判断の主体>
なお、上記の実施形態において、データをサーバ側に送るか否かの判断は、端末側で行ってもよいし、サーバ側で行ってもよい。例えば、以下のような手順で判断してもよい。なお、サーバ側に送るデータは、生データであってもよいし、抽象化したデータ(抽象化データ)であってもよい。
(端末側での判断)
利用者Uの端末装置10は、データを取得した際に、様々な基準で、そのデータをサーバ側に送るか、サーバ側に送らず端末側だけで処理するかを判断する。例えば、基準は、上記のように、電池の残量と行うタスクの予測電池消費量や、データのプライバシー具合(プライバシー性の程度)等のコンテキストである。データのプライバシー具合とは、そのデータは混雑した公共の施設で明示的に取得されたデータか、周囲に人がいない状況で暗黙的/秘密裡に得られたデータかといったデータの取得状況等を示す。
(サーバ側での判断)
利用者Uの端末装置10は、データを取得した際に、そのデータをサーバ側に送るか否かを情報提供装置100(サーバ側)に問い合わせる。このとき、端末装置10は、試しにデータを1件分(又は数件分)のみサーバ側に送信して以降(今後)の送信を希望するか否かを問い合わせてもよい。
情報提供装置100(サーバ側)は、端末装置10からの問い合わせに応じて、そのデータをサーバ側に送るか否かを判断する。例えば、判断基準として、情報提供装置100(サーバ側)は、そのデータが希少(レア)である場合や、そのエリアでそのデータに価値がある場合、あるいは最近当該ユーザ又は当該エリアからデータが送られてきていない場合等に、端末装置10がそのデータをサーバ側に送るように判断する。そして、情報提供装置100(サーバ側)は、データの送信希望の有無を利用者Uの端末装置10に回答する。
利用者Uの端末装置10は、情報提供装置100(サーバ側)からの回答を受信し、情報提供装置100(サーバ側)がデータの送信希望の有無を確認する。そして、端末装置10は、情報提供装置100(サーバ側)がデータの送信希望がある場合、コンテキストを考慮し、問題がなければデータを送信する。
上記のように、本実施形態では、利用者の端末装置が位置情報やセンサデータ等のデータを取得した際に、データの内容やコンテキストに応じて、サーバ側のグローバルモデルと、端末側のローカルモデルとのいずれで学習するかを判断する。このとき、変化したユーザコンテキストの種別に応じて、どちらのモデルを更新するかをルールベースで設定してもよい。
〔2.情報処理システムの構成例〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報提供装置100が含まれる情報処理システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10と情報提供装置100とを含む。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
また、図2に示す情報処理システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、図2では、図示の簡略化のため、端末装置10を1台のみ示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
端末装置10は、利用者Uによって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、フィーチャーフォン、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、通信機能を備えたゲーム機やAV機器、カーナビゲーションシステム、スマートウォッチやヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルデバイス(Wearable Device)、スマートグラス、スマートスピーカ、カメラ等である。但し、実際には、これらの例に限定されない。
また、かかる端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報提供装置100と通信することができる。
情報提供装置100は、例えばPCやサーバ装置、あるいはメインフレーム又はワークステーション等である。なお、情報提供装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
〔3.端末装置の構成例〕
次に、図3を用いて、端末装置10の構成について説明する。図3は、端末装置10の構成例を示す図である。図3に示すように、端末装置10は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、測位部14と、センサ部20と、制御部30(コントローラ)と、記憶部40とを備える。
(通信部11)
通信部11は、ネットワークN(図2参照)と有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報提供装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)やアンテナ等によって実現される。
(表示部12)
表示部12は、位置情報等の各種情報を表示する表示デバイスである。例えば、表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)である。また、表示部12は、タッチパネル式のディスプレイであるが、これに限定されるものではない。
(入力部13)
入力部13は、利用者Uから各種操作を受け付ける入力デバイスである。例えば、入力部13は、文字や数字等を入力するためのボタン等を有する。なお、入力部13は、入出力ポート(I/O port)やUSB(Universal Serial Bus)ポート等であってもよい。また、表示部12がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部12の一部が入力部13として機能する。また、入力部13は、利用者Uから音声入力を受け付けるマイク等であってもよい。マイクはワイヤレスであってもよい。
(測位部14)
測位部14は、GPS(Global Positioning System)の衛星から送出される信号(電波)を受信し、受信した信号に基づいて、自装置である端末装置10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を取得する。すなわち、測位部14は、端末装置10の位置を測位する。なお、GPSは、GNSS(Global Navigation Satellite System)の一例に過ぎない。
また、測位部14は、GPS以外にも、種々の手法により位置を測位することができる。例えば、測位部14は、位置補正等のための補助的な測位手段として、下記のように、端末装置10の様々な通信機能を利用して位置を測位してもよい。
(Wi-Fi測位)
例えば、測位部14は、端末装置10のWi-Fi(登録商標)通信機能や、各通信会社が備える通信網を利用して、端末装置10の位置を測位する。具体的には、測位部14は、Wi-Fi通信等を行い、付近の基地局やアクセスポイントとの距離を測位することにより、端末装置10の位置を測位する。
(ビーコン測位)
また、測位部14は、端末装置10のBluetooth(登録商標)機能を利用して位置を測位してもよい。例えば、測位部14は、Bluetooth(登録商標)機能によって接続されるビーコン(beacon)発信機と接続することにより、端末装置10の位置を測位する。
(地磁気測位)
また、測位部14は、予め測定された構造物の地磁気のパターンと、端末装置10が備える地磁気センサとに基づいて、端末装置10の位置を測位する。
(RFID測位)
また、例えば、端末装置10が駅改札や店舗等で使用される非接触型ICカードと同等のRFID(Radio Frequency Identification)タグの機能を備えている場合、もしくはRFIDタグを読み取る機能を備えている場合、端末装置10によって決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。測位部14は、かかる情報を取得することで、端末装置10の位置を測位してもよい。また、位置は、端末装置10が備える光学式センサや、赤外線センサ等によって測位されてもよい。
測位部14は、必要に応じて、上述した測位手段の一つ又は組合せを用いて、端末装置10の位置を測位してもよい。
(センサ部20)
センサ部20は、端末装置10に搭載又は接続される各種のセンサを含む。なお、接続は、有線接続、無線接続を問わない。例えば、センサ類は、ウェアラブルデバイスやワイヤレスデバイス等、端末装置10以外の検知装置であってもよい。図3に示す例では、センサ部20は、加速度センサ21と、ジャイロセンサ22と、気圧センサ23と、気温センサ24と、音センサ25と、光センサ26と、磁気センサ27と、画像センサ(カメラ)28とを備える。
なお、上記した各センサ21~28は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、センサ部20は、各センサ21~28のうちの一部を備える構成であってもよいし、各センサ21~28に加えてあるいは代えて、湿度センサ等その他のセンサを備えてもよい。
加速度センサ21は、例えば、3軸加速度センサであり、端末装置10の移動方向、速度、及び、加速度等の端末装置10の物理的な動きを検知する。ジャイロセンサ22は、端末装置10の角速度等に基づいて3軸方向の傾き等の端末装置10の物理的な動きを検知する。気圧センサ23は、例えば端末装置10の周囲の気圧を検知する。
端末装置10は、上記した加速度センサ21やジャイロセンサ22、気圧センサ23等を備えることから、これらの各センサ21~23等を利用した歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead-Reckoning)等の技術を用いて端末装置10の位置を測位することが可能になる。これにより、GPS等の測位システムでは取得することが困難な屋内での位置情報を取得することが可能になる。
例えば、加速度センサ21を利用した歩数計により、歩数や歩くスピード、歩いた距離を算出することができる。また、ジャイロセンサ22を利用して、利用者Uの進行方向や視線の方向、体の傾きを知ることができる。また、気圧センサ23で検知した気圧から、利用者Uの端末装置10が存在する高度やフロアの階数を知ることもできる。
気温センサ24は、例えば端末装置10の周囲の気温を検知する。音センサ25は、例えば端末装置10の周囲の音を検知する。光センサ26は、端末装置10の周囲の照度を検知する。磁気センサ27は、例えば端末装置10の周囲の地磁気を検知する。画像センサ28は、端末装置10の周囲の画像を撮像する。
上記した気圧センサ23、気温センサ24、音センサ25、光センサ26及び画像センサ28は、それぞれ気圧、気温、音、照度を検知したり、周囲の画像を撮像したりすることで、端末装置10の周囲の環境や状況等を検知することができる。また、端末装置10の周囲の環境や状況等から、端末装置10の位置情報の精度を向上させることが可能になる。
(制御部30)
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポート等を有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部30は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部30は、送信部31と、受信部32と、処理部33と、取得部34と、判定部35と、変換部36と、学習部37とを備える。
(送信部31)
送信部31は、例えば入力部13を用いて利用者Uにより入力された各種情報や、端末装置10に搭載又は接続された各センサ21~28によって検知された各種情報、測位部14によって測位された端末装置10の位置情報等を、通信部11を介して情報提供装置100へ送信することができる。
(受信部32)
受信部32は、通信部11を介して、情報提供装置100から提供される各種情報や、情報提供装置100からの各種情報の要求を受信することができる。
(処理部33)
処理部33は、表示部12等を含め、端末装置10全体を制御する。例えば、処理部33は、送信部31によって送信される各種情報や、受信部32によって受信された情報提供装置100からの各種情報を表示部12へ出力して表示させることができる。なお、処理部33は、下記の取得部34と、判定部35と、変換部36と、学習部37とを含んでいてもよい。
(取得部34)
取得部34は、測位部14やセンサ部20又は入力部13を介して、データを取得する。具体的には、取得部34は、データとして、端末装置10の位置情報、センサデータ、利用者Uの属性情報、履歴情報(操作履歴、決済履歴等)等を取得する。例えば、取得部34は、GPS(Global Positioning System)やRTK(Real Time Kinematic)等の測位方法で、第1精度(例えば、10メートル精度、10mメッシュ)での位置情報を取得する。また、取得部34は、端末に搭載又は接続された各センサで計測されたセンサデータを取得する。
(判定部35)
判定部35は、データ及びコンテキストに応じて、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送るか否かを判定する。このとき、送信部31は、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送ると判定した場合、通信部11を介して、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送信する。受信部32は、通信部11を介して、情報提供装置100(サーバ側)からデータを用いたグローバルモデルでの機械学習の結果を受信する。
また、判定部35は、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送ると判定した場合、データを抽象化するか否かを判定する。このとき、送信部31は、データを抽象化すると判定した場合、通信部11を介して、抽象化データを情報提供装置100(サーバ側)へ送信する。受信部32は、通信部11を介して、情報提供装置100(サーバ側)から抽象化データを用いたグローバルモデルでの機械学習の結果を受信する。また、送信部31は、データを抽象化しないと判定した場合、通信部11を介して、生データを情報提供装置100(サーバ側)へ送信する。受信部32は、通信部11を介して、情報提供装置100(サーバ側)から生データを用いたグローバルモデルでの機械学習の結果を受信する。
また、判定部35は、データのプライバシー具合(プライバシー性の程度)に応じて、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送るか否かを判定する。例えば、判定部35は、同じ場所に不特定多数の人がいて、同じデータ(同じ位置情報等)が多数集まる場合、あるいは個人を特定することが容易でない場合には、データを抽象化せず、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送る。この場合、判定部35は、データをオンライン(サーバ側)で学習するように判定する。また、判定部35は、同じ場所に他の人がおらず、個人を特定することが容易である場合には、データを抽象化して情報提供装置100(サーバ側)へ送ってもよいし、データをオンデバイス(端末側)で学習するように判定してもよい。
また、判定部35は、データを取得した端末装置の電池残量に応じて、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送るか否かを判定する。例えば、判定部35は、当該判定部35の残り電池(電池残量)が少ない時(例えば、電池残量が所定の閾値未満の場合)には、オンライン(サーバ側)で機械学習を行うように判定する。反対に、判定部35は、当該判定部35の残り電池(電池残量)が多い時(例えば、電池残量が所定の閾値以上の場合)には、オンデバイス(端末側)で機械学習を行うように判定する。
また、判定部35は、データの取得が明示的か暗黙的かに応じて、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送るか否かを判定する。具体的には、判定部35は、利用者Uの位置情報等のデータの取得が、利用者Uにわからないように暗黙的に取得(例えば、バックグラウンドで取得)されているか、利用者Uにもわかるように明示的に取得(例えば、ナビアプリで取得)されているかにより、オンデバイス(端末側)で学習するか、オンライン(サーバ側)で学習するかを判定する。
例えば、判定部35は、利用者Uのデータの取得が、暗黙的(implicit:インプリシット)に実施されている場合には、データを抽象化してサーバ側へ送る。この場合、判定部35は、抽象化されたデータ(抽象化データ)をオンライン(サーバ側)で学習するように判定する。また、判定部35は、データをオンデバイス(端末側)で学習するように判定する。この場合、オンデバイス機械学習を優先させる。
また、判定部35は、利用者Uのデータの取得が、明示的(explicit:エクスプリシット)に実施されている場合には、取得されたデータを生データの状態でサーバ側へ送る。この場合、判定部35は、生データをオンライン(サーバ側)で学習するように判定する。このとき、判定部35は、生データをオンデバイス(端末側)でも学習するように判定してもよいし、オンデバイス(端末側)では学習しないように判定してもよい。すなわち、オンライン機械学習を優先させる。
また、判定部35は、データに基づいてグローバルモデルが更新されるまで、データに基づいてローカルモデルを更新しないように判定する。すなわち、判定部35は、学習のタイミングについて、ローカルモデルとグローバルモデルの整合又は同期が取れるようにしてもよい。例えば、判定部35は、データを取得した際、サーバ側のグローバルモデルを更新していない場合、端末側のローカルモデルの更新を制限又は禁止してもよい。あるいは、判定部35は、端末側のコンテキストが変わらない時には、モデル自体を更新しないようにしてもよい。
(変換部36)
変換部36は、データを抽象化して抽象化データに変換する。このとき、変換部36は、判定部35がデータを抽象化すると判定した場合、データを抽象化して抽象化データに変換する。
また、変換部36は、取得部34がデータとして位置情報を取得し、判定部35がデータを抽象化すると判定した場合、位置情報を特定の地点を示す位置情報から広域の位置情報に変換する。例えば、変換部36は、生データである第1精度(例えば、10メートル精度、10mメッシュ)での詳細な位置情報を、第1精度よりも精度を落とした第2精度(例えば、1キロメートル精度、1kmメッシュ)での粗い位置情報に変換する。なお、第2精度での粗い位置情報は、都道府県や市区町村等の地域(エリア)単位の情報(地域名称、住所等)であってもよいし、地域メッシュ単位の情報(地域メッシュコード等)であってもよい。また、変換部36は、第1精度での詳細な位置情報から、第2精度での粗い位置情報に変換する際に、端数処理(丸め処理)を行ってもよい。
(学習部37)
学習部37は、生データを用いてローカルモデルで機械学習を行う。すなわち、学習部37は、オンデバイス機械学習を行う。例えば、学習部37は、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送らないと判定した場合、生データを用いてローカルモデルで機械学習を行う。
また、学習部37は、生データを用いたローカルモデルでの推論結果に基づいて、利用者Uに提示する情報(提示情報)を決定する。例えば、学習部37は、利用者Uの現在位置の周辺の店舗の広告やクーポン等のレコメンド情報を、利用者Uに提示する情報(提示情報)として決定する。このとき、送信部31は、通信部11を介して、利用者Uの現在位置の周辺の店舗の広告やクーポン等のレコメンド情報を要求してもよい。また、学習部37は、情報提供装置100(サーバ側)から複数の提供情報(レコメンド情報等)を受信している場合、生データを用いたローカルモデルでの推論結果に基づいて、情報提供装置100から受信した複数の提供情報(レコメンド情報等)を絞り込み、利用者Uに提示する情報(提示情報)を決定する。
(記憶部40)
記憶部40は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部40には、各種プログラムや各種データ等が記憶される。
なお、記憶部40は、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、記憶部40は、利用者Uのデモグラフィック(人口統計学的属性)、サイコグラフィック(心理学的属性)、ジオグラフィック(地理学的属性)、ベヘイビオラル(行動学的属性)等の属性に関する情報を記憶してもよい。例えば、記憶部40は、氏名、家族構成、出身地(地元)、職業、職位、収入、資格、居住形態(戸建、マンション等)、車の有無、通学・通勤時間、通学・通勤経路、定期券区間(駅、路線等)、利用頻度の高い駅(自宅・勤務地の最寄駅以外)、習い事(場所、時間帯等)、趣味、興味、ライフスタイル等の情報を記憶してもよい。また、記憶部40は、利用者Uの位置や日時の履歴である位置履歴、利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴、利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴、利用者Uの商品購入や決済処理の履歴である購入履歴(決済履歴)、利用者Uのマーケットプレイスへの出品の履歴である出品履歴や販売履歴、利用者Uの投稿の履歴である投稿履歴等を記憶してもよい。また、記憶部40は、利用者Uが端末装置10にインストールした各種アプリの利用履歴や、利用者Uの端末装置10を用いた決済(電子決済)での決済履歴等を記憶してもよい。これらの情報は、位置情報やセンサデータとともに学習データとして使用可能である。
〔4.情報提供装置の構成例〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る情報提供装置100の構成について説明する。図4は、実施形態に係る情報提供装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、情報提供装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部110は、ネットワークN(図2参照)と有線又は無線で接続される。
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、HDD、SSD、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図4に示すように、記憶部120は、利用者情報データベース121と、履歴情報データベース122と、レコメンド情報データベース123とを有する。
(利用者情報データベース121)
利用者情報データベース121は、利用者Uに関する利用者情報を記憶する。例えば、利用者情報データベース121は、利用者Uの属性等の種々の情報を記憶する。図5は、利用者情報データベース121の一例を示す図である。図5に示した例では、利用者情報データベース121は、「利用者ID(Identifier)」、「年齢」、「性別」、「自宅」、「勤務地」、「興味」といった項目を有する。
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。なお、「利用者ID」は、利用者Uの連絡先(電話番号、メールアドレス等)であってもよいし、利用者Uの端末装置10を識別するための識別情報であってもよい。
また、「年齢」は、利用者IDにより識別される利用者Uの年齢を示す。なお、「年齢」は、利用者Uの具体的な年齢(例えば35歳など)を示す情報であってもよいし、利用者Uの年代(例えば30代など)を示す情報であってもよい。あるいは、「年齢」は、利用者Uの生年月日を示す情報であってもよいし、利用者Uの世代(例えば80年代生まれなど)を示す情報であってもよい。また、「性別」は、利用者IDにより識別される利用者Uの性別を示す。
また、「自宅」は、利用者IDにより識別される利用者Uの自宅の位置情報を示す。なお、図5に示す例では、「自宅」は、「LC11」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「自宅」は、地域名や住所であってもよい。
また、「勤務地」は、利用者IDにより識別される利用者Uの勤務地(学生の場合は学校)の位置情報を示す。なお、図5に示す例では、「勤務地」は、「LC12」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「勤務地」は、地域名や住所であってもよい。
また、「興味」は、利用者IDにより識別される利用者Uの興味を示す。すなわち、「興味」は、利用者IDにより識別される利用者Uが関心の高い対象を示す。例えば、「興味」は、利用者Uが検索エンジンに入力して検索した検索クエリ(キーワード)等であってもよい。なお、図5に示す例では、「興味」は、各利用者Uに1つずつ図示するが、複数であってもよい。
例えば、図5に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uの年齢は、「20代」であり、性別は、「男性」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、自宅が「LC11」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、勤務地が「LC12」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「スポーツ」に興味があることを示す。
ここで、図5に示す例では、「U1」、「LC11」及び「LC12」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「LC11」及び「LC12」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。以下、他の情報に関する図においても、抽象的な値を図示する場合がある。
なお、利用者情報データベース121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、利用者情報データベース121は、利用者Uの端末装置10に関する各種情報を記憶してもよい。また、利用者情報データベース121は、利用者Uのデモグラフィック(人口統計学的属性)、サイコグラフィック(心理学的属性)、ジオグラフィック(地理学的属性)、ベヘイビオラル(行動学的属性)等の属性に関する情報を記憶してもよい。例えば、利用者情報データベース121は、氏名、家族構成、出身地(地元)、職業、職位、収入、資格、居住形態(戸建、マンション等)、車の有無、通学・通勤時間、通学・通勤経路、定期券区間(駅、路線等)、利用頻度の高い駅(自宅・勤務地の最寄駅以外)、習い事(場所、時間帯等)、趣味、興味、ライフスタイル等の情報を記憶してもよい。
(履歴情報データベース122)
履歴情報データベース122は、利用者Uの行動を示す履歴情報(ログデータ)に関する各種情報を記憶する。図6は、履歴情報データベース122の一例を示す図である。図6に示した例では、履歴情報データベース122は、「利用者ID」、「位置履歴」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購買履歴」、「投稿履歴」といった項目を有する。
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。また、「位置履歴」は、利用者Uの位置や移動の履歴である位置履歴を示す。また、「検索履歴」は、利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を示す。また、「閲覧履歴」は、利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴を示す。また、「購買履歴」は、利用者Uによる購買の履歴である購買履歴を示す。また、「投稿履歴」は、利用者Uによる投稿の履歴である投稿履歴を示す。なお、「投稿履歴」は、利用者Uの所有物に関する質問を含んでいてもよい。
例えば、図6に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「位置履歴#1」の通りに移動し、「検索履歴#1」の通りに検索し、「閲覧履歴#1」の通りにコンテンツを閲覧し、「購買履歴#1」の通りに所定の店舗等で所定の商品等を購入し、「投稿履歴」の通りに投稿したことを示す。
ここで、図6に示す例では、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購買履歴#1」及び「投稿履歴#1」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購買履歴#1」及び「投稿履歴#1」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。
なお、履歴情報データベース122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、履歴情報データベース122は、利用者Uの所定のサービスの利用履歴等を記憶してもよい。また、履歴情報データベース122は、利用者Uの実店舗の来店履歴又は施設の訪問履歴等を記憶してもよい。また、履歴情報データベース122は、利用者Uの端末装置10を用いた決済(電子決済)での決済履歴等を記憶してもよい。
(レコメンド情報データベース123)
レコメンド情報データベース123は、利用者Uに対する提供情報(レコメンド情報)に関する各種情報を記憶する。図7は、レコメンド情報データベース123の一例を示す図である。図7に示した例では、レコメンド情報データベース123は、「地域」、「区域」、「施設」、「提供情報」といった項目を有する。
(レコメンド情報データベース123)
レコメンド情報データベース123は、利用者Uに対する提供情報(レコメンド情報)に関する各種情報を記憶する。図7は、レコメンド情報データベース123の一例を示す図である。図7に示した例では、レコメンド情報データベース123は、「地域」、「区域」、「施設」、「提供情報」といった項目を有する。
「地域」は、抽象化データである第2精度での粗い位置情報に対応する地域を示す。なお、「地域」は、都道府県や市区町村等の地域(エリア)単位であってもよいし、地域メッシュ単位(地域メッシュコード等)であってもよい。また、「区域」は、地域内に含まれる区域(地区等)を示す。例えば、地域が「赤坂」を示し、区域が「赤坂見附」を示す。また、「施設」は、生データである第1精度での詳細な位置情報に対応する店舗等の施設であって、区域内に存在する店舗等の施設を示す。例えば、「施設」は、区域「赤坂見附」に所在する「飲食店A」を示す。また、「提供情報」は、店舗等の施設に関連するレコメンド情報や各種情報を示す。例えば、提供情報は、店舗等の施設に関する広告やクーポン等であってもよい。
例えば、図7に示す例において、情報提供装置100は、抽象化データである第2精度での粗い位置情報が地域「赤坂」を示す場合、区域「赤坂見附」に所在する施設「飲食店A」に関する提供情報「クーポン」を含む周囲の各店舗等に関する提供情報の候補を利用者Uの端末装置10に提供することを示す。また、情報提供装置100は、生データである第1精度での詳細な位置情報が区域「赤坂見附」に所在する施設「飲食店A」を示す場合、施設「飲食店A」に関する提供情報「クーポン」を含む周囲の各店舗等に関する提供情報の候補を利用者Uの端末装置10に提供することを示す。
例えば、情報提供装置100は、地域「赤坂」を示す第2精度での粗い位置情報に基づき、地域「赤坂」に所在する店舗等に関する提供情報の候補を利用者Uの端末装置10に提供する。このとき、情報提供装置100は、地域「赤坂」を示す第2精度での粗い位置情報から利用者Uが区域「赤坂見附」にいると推定可能である場合には、区域「赤坂見附」に所在する店舗等に関する提供情報の候補を利用者Uの端末装置10に提供する。
なお、レコメンド情報データベース123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、レコメンド情報データベース123は、地域に加え、さらにレコメンド情報の提供条件(例えば、提供対象となる利用者Uの属性又は行動履歴等)に関する情報を記憶してもよい。また、レコメンド情報データベース123は、レコメンド情報を提供する時間帯(例えば、17:00~20:00等)に関する情報を記憶してもよい。
(制御部130)
図4に戻り、説明を続ける。制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報提供装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。図4に示す例では、制御部130は、収集部131と、推定部132と、提供部133とを有する。
(収集部131)
収集部131は、通信部110を介して、各利用者Uの端末装置10から、生データ又は抽象化データを収集する。
また、収集部131は、通信部110を介して、各利用者Uに関する利用者情報を取得してもよい。例えば、収集部131は、利用者Uの端末装置10から、利用者Uを示す識別情報(利用者ID等)や、利用者Uの位置情報、利用者Uの属性情報等を取得する。また、収集部131は、利用者Uのユーザ登録時に、利用者Uを示す識別情報や、利用者Uの属性情報等を取得してもよい。そして、収集部131は、利用者情報を、記憶部120の利用者情報データベース121に登録する。
また、収集部131は、通信部110を介して、各利用者Uの行動を示す各種の履歴情報(ログデータ)を取得してもよい。例えば、収集部131は、利用者Uの端末装置10から、あるいは利用者ID等に基づいて各種サーバ等から、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報を取得する。そして、収集部131は、各種の履歴情報を、記憶部120の履歴情報データベース122に登録する。
(推定部132)
推定部132は、生データ又は抽象化データに基づいて学習及び推論を行う。例えば、推定部132は、生データ又は抽象化データに基づいて機械学習を行い、グローバルモデルを構築する。例えば、推定部132は、生データ又は抽象化データと利用者Uの大まかな現在や将来の位置や行動とを学習データとして機械学習を行う。あるいは、推定部132は、生データ又は抽象化データと利用者Uに提供するレコメンド情報(recommendation)とを学習データとして機械学習を行う。
また、推定部132は、生データ又は抽象化データをグローバルモデルに入力して推論を行い、推論結果を得る。例えば、推定部132は、生データ又は抽象化データに基づいて、利用者Uの大まかな現在や将来の位置や行動を推測したり、利用者Uに提供するレコメンド情報を推測したりする。
(提供部133)
提供部133は、通信部110を介して、生データ又は抽象化データに応じた推論結果に基づく提供情報を、当該データの送信元である利用者Uの端末装置10に提供する。例えば、提供部133は、グローバルモデルによる推論結果に基づいて、利用者Uの端末装置10にレコメンド情報を提供する。
〔5.処理手順〕
次に、図8を用いて実施形態に係る端末装置10による処理手順について説明する。図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、端末装置10の制御部30によって繰り返し実行される。
図8に示すように、端末装置10の取得部34は、測位部14やセンサ部20又は入力部13を介して、データを取得する(ステップS101)。例えば、取得部34は、データとして、端末装置10の位置情報、センサデータ、利用者Uの属性情報、履歴情報(操作履歴、決済履歴等)等を取得する。
続いて、端末装置10の判定部35は、データ及びコンテキストに応じて、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送るか否かを判定する(ステップS102)。
このとき、判定部35は、データのプライバシー具合(プライバシー性の程度)に応じて、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送るか否かを判定する。例えば、判定部35は、同じ場所に不特定多数の人がいて、同じデータ(同じ位置情報等)が多数集まる場合、あるいは個人を特定することが容易でない場合には、データを抽象化せず、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送る。この場合、判定部35は、データをオンライン(サーバ側)で学習するように判定する。また、判定部35は、同じ場所に他の人がおらず、個人を特定することが容易である場合には、データを抽象化して情報提供装置100(サーバ側)へ送ってもよいし、データをオンデバイス(端末側)で学習するように判定してもよい。
また、判定部35は、データを取得した端末装置の電池残量に応じて、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送るか否かを判定する。例えば、判定部35は、当該判定部35の残り電池(電池残量)が少ない時(例えば、電池残量が所定の閾値未満の場合)には、オンライン(サーバ側)で機械学習を行うように判定する。反対に、判定部35は、当該判定部35の残り電池(電池残量)が多い時(例えば、電池残量が所定の閾値以上の場合)には、オンデバイス(端末側)で機械学習を行うように判定する。
また、判定部35は、データの取得が明示的か暗黙的かに応じて、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送るか否かを判定する。具体的には、判定部35は、利用者Uの位置情報等のデータの取得が、利用者Uにわからないように暗黙的に取得(例えば、バックグラウンドで取得)されているか、利用者Uにもわかるように明示的に取得(例えば、ナビアプリで取得)されているかにより、オンデバイス(端末側)で学習するか、オンライン(サーバ側)で学習するかを判定する。
続いて、端末装置10の判定部35は、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送ると判定した場合(ステップS102:Yes)、データを抽象化するか否かを判定する(ステップS103)。
続いて、端末装置10の送信部31は、データを抽象化すると判定した場合(ステップS103:Yes)、通信部11を介して、データを抽象化した抽象化データを情報提供装置100(サーバ側)へ送信する(ステップS104)。このとき、変換部36は、データを抽象化して抽象化データに変換する。
あるいは、端末装置10の送信部31は、データを抽象化しないと判定した場合(ステップS103:No)、通信部11を介して、データを生データの状態で情報提供装置100(サーバ側)へ送信する(ステップS105)。
続いて、情報提供装置100(サーバ側)の収集部131は、通信部110を介して、各利用者Uの端末装置10から、生データ又は抽象化データを収集した際に、生データ又は抽象化データを用いたグローバルモデルでの学習及び推論を行うものと判定する(ステップS106)。すなわち、端末装置10の送信部31は、データを情報提供装置100(サーバ側)へ送信することにより、グローバルモデルでの学習及び推論を要求する。
このとき、情報提供装置100(サーバ側)の収集部131は、通信部110を介して、各利用者Uの端末装置10から、生データ又は抽象化データを収集する。推定部132は、生データ又は抽象化データを用いたグローバルモデルでの学習及び推論を行う。提供部133は、通信部110を介して、グローバルモデルでの推論結果に基づく提供情報(レコメンド情報等)を、当該データの送信元である利用者Uの端末装置10に提供する。
続いて、端末装置10の受信部32は、通信部11を介して、情報提供装置100(サーバ側)からグローバルモデルでの推論結果に基づく提供情報を受信する(ステップS107)。
一方、端末装置10の学習部37は、判定部35がデータを情報提供装置100(サーバ側)へ送らないと判定した場合(ステップS102:Yes)、生データを用いてローカルモデルで機械学習を行う(ステップS108)。
続いて、端末装置10の学習部37は、生データを用いたローカルモデルでの推論を行い、推論結果を得る(ステップS109)。
続いて、端末装置10の学習部37は、生データを用いたローカルモデルでの推論結果に基づいて、利用者Uに提示する情報(提示情報)を決定する(ステップS110)。例えば、端末装置10の学習部37は、利用者Uの現在位置の周辺の店舗の広告やクーポン等のレコメンド情報を、利用者Uに提示する情報(提示情報)として決定する。このとき、送信部31は、通信部11を介して、利用者Uの現在位置の周辺の店舗の広告やクーポン等のレコメンド情報を要求してもよい。また、学習部37は、情報提供装置100(サーバ側)から複数の提供情報(レコメンド情報等)を受信している場合、生データを用いたローカルモデルでの推論結果に基づいて、情報提供装置100から受信した複数の提供情報(レコメンド情報等)を絞り込み、利用者Uに提示する情報(提示情報)を決定する。
〔6.変形例〕
上述した端末装置10及び情報提供装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
上記の実施形態において、情報提供装置100が実行している処理の一部又は全部は、実際には、端末装置10が実行してもよい。例えば、スタンドアローン(Stand-alone)で(端末装置10単体で)処理が完結してもよい。この場合、端末装置10に、上記の実施形態における情報提供装置100の機能が備わっているものとする。また、上記の実施形態では、端末装置10は情報提供装置100と連携しているため、利用者Uから見れば、情報提供装置100の処理も端末装置10が実行しているように見える。すなわち、他の観点では、端末装置10は、情報提供装置100を備えているともいえる。
また、上記の実施形態において、情報提供装置100(サーバ側)は、フェデレーテッドラーニング(Federated Learning:連合学習)を採用し、各利用者Uの端末装置10(端末側)に共有モデル(コアモデル)を提供してもよい。そして、端末装置10は、共有モデルをベースとして、生データ(及びセンサデータ)と結果情報とを学習データとしてオンデバイス機械学習を行うことでパターンを作り、そのパターンを利用して生データ(及びセンサデータ)を入力データとして推論を行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、端末装置10は、オンデバイスAI(Artificial Intelligence:人工知能)によりカメラ機能の高機能化を実現したスマートフォン等であってもよい。また、端末装置10は、オンデバイスAIを搭載したロボットや自動運転車、ドローン等であってもよい。
〔7.効果〕
上述してきたように、本願に係る情報処理装置(端末装置10)は、データを取得する取得部34と、データ及びコンテキストに応じて、データをサーバ側へ送るか否かを判定する判定部35と、データをサーバ側へ送ると判定した場合、データをサーバ側へ送信する送信部31と、サーバ側からデータを用いたグローバルモデルでの機械学習の結果を受信する受信部32と、データをサーバ側へ送らないと判定した場合、データを用いてローカルモデルで機械学習を行う学習部37と、を備える。
また、本願に係る情報処理装置は、データを抽象化して抽象化データに変換する変換部36と、をさらに備える。
また、判定部35は、データをサーバ側へ送ると判定した場合、データを抽象化するか否かを判定する。変換部36は、データを抽象化すると判定した場合、データを抽象化して抽象化データに変換する。送信部31は、抽象化データをサーバ側へ送信する。受信部32は、サーバ側から抽象化データを用いたグローバルモデルでの機械学習の結果を受信する。
また、取得部34は、データとして位置情報を取得する。変換部36は、データを抽象化すると判定した場合、位置情報を特定の地点を示す位置情報から広域の位置情報に変換する。
また、判定部35は、データのプライバシー性の程度に応じて、データをサーバ側へ送るか否かを判定する。
また、判定部35は、データを取得した端末装置10の電池残量に応じて、データをサーバ側へ送るか否かを判定する。
また、判定部35は、データの取得が明示的か暗黙的かに応じて、データをサーバ側へ送るか否かを判定する。
また、判定部35は、データに基づいてグローバルモデルが更新されるまで、データに基づいてローカルモデルを更新しないように判定する。
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、データや状況に合わせて、データを送るか否かを判定することができる。
〔8.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る端末装置10や情報提供装置100は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置100を例に挙げて説明する。図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080がバス1090により接続された形態を有する。
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現される。
一次記憶装置1040は、RAM(Random Access Memory)等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。また、二次記憶装置1050は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Storage)、ファイルサーバ等であってもよい。
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェクタ、及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン、及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェースであり、例えば、USB等により実現される。
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器から取得したプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行してもよい。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器と連携し、プログラムの機能やデータ等を他の機器の他のプログラムから呼び出して利用してもよい。
〔9.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、上述した情報提供装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
1 情報処理システム
10 端末装置
11 通信部
14 測位部
20 センサ部
30 制御部
31 送信部
32 受信部
33 処理部
34 取得部
35 判定部
36 変換部
37 学習部
100 情報提供装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報データベース
122 履歴情報データベース
123 レコメンド情報データベース
130 制御部
131 収集部
132 推定部
133 提供部

Claims (10)

  1. データを取得する取得部と、
    前記データ及びコンテキストに応じて、前記データをサーバ側へ送るか否かを判定する判定部と、
    前記データを前記サーバ側へ送ると判定した場合、前記データを前記サーバ側へ送信する送信部と、
    前記サーバ側から前記データを用いたグローバルモデルでの機械学習の結果を受信する受信部と、
    前記データをサーバ側へ送らないと判定した場合、前記データを用いてローカルモデルで機械学習を行う学習部と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記データを抽象化して抽象化データに変換する変換部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記判定部は、前記データを前記サーバ側へ送ると判定した場合、前記データを抽象化するか否かを判定し、
    前記変換部は、前記データを抽象化すると判定した場合、前記データを抽象化して抽象化データに変換し、
    前記送信部は、前記抽象化データをサーバ側へ送信し、
    前記受信部は、前記サーバ側から前記抽象化データを用いたグローバルモデルでの機械学習の結果を受信する
    ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記取得部は、前記データとして位置情報を取得し、
    前記変換部は、前記データを抽象化すると判定した場合、前記位置情報を特定の地点を示す位置情報から広域の位置情報に変換する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
  5. 前記判定部は、前記データのプライバシー性の程度に応じて、前記データをサーバ側へ送るか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
  6. 前記判定部は、前記データを取得した端末装置の電池残量に応じて、前記データをサーバ側へ送るか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1~5のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
  7. 前記判定部は、前記データの取得が明示的か暗黙的かに応じて、前記データをサーバ側へ送るか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
  8. 前記判定部は、前記データに基づいて前記グローバルモデルが更新されるまで、前記データに基づいて前記ローカルモデルを更新しないように判定する
    ことを特徴とする請求項1~7のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
  9. 情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
    データを取得する取得工程と、
    前記データ及びコンテキストに応じて、前記データをサーバ側へ送るか否かを判定する判定工程と、
    前記データを前記サーバ側へ送ると判定した場合、前記データを前記サーバ側へ送信する送信工程と、
    前記サーバ側から前記データを用いたグローバルモデルでの機械学習の結果を受信する受信工程と、
    前記データをサーバ側へ送らないと判定した場合、前記データを用いてローカルモデルで機械学習を行う学習工程と
    を含むことを特徴とする情報処理方法。
  10. データを取得する取得手順と、
    前記データ及びコンテキストに応じて、前記データをサーバ側へ送るか否かを判定する判定手順と、
    前記データを前記サーバ側へ送ると判定した場合、前記データを前記サーバ側へ送信する送信手順と、
    前記サーバ側から前記データを用いたグローバルモデルでの機械学習の結果を受信する受信手順と、
    前記データをサーバ側へ送らないと判定した場合、前記データを用いてローカルモデルで機械学習を行う学習手順と
    をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
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