JP2023026361A - 磁気識別センサおよび紙媒体識別装置 - Google Patents

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Takumi Sato
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Abstract

【課題】回路基板のみを防振することで磁気ノイズを低減した磁気識別センサを提供する。【解決手段】媒体1の磁気パターンを検出する磁気検出素子14と、磁気検出素子14が内部に配置された本体11と、磁気検出素子14と回路基板16とを接続するケーブル15と、を備え、回路基板16は、防振部材21(23)を介して本体11に取り付けられていることを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、紙幣等のように磁性体を含んだ磁気インクの印刷もしくは磁性の箔帯を組み込んだ紙状の媒体に対して磁気の検知を行い、種類判別や真贋判定を行う磁気識別センサに関するものである。
従来、紙幣の識別では印刷された磁気インクを磁気センサ内の磁石の磁場により磁化し、印刷パターンに関わる磁場の変化を磁気検出素子により磁気検知し、磁気パターンの認識から種類判別や真贋判定を行っている。
しかしながら、磁場の変化は振動の影響を大きく受けるため、媒体の搬送時の振動による誤作動が生じる恐れがある。特許文献1には、紙幣の搬送時に磁気識別センサの振動を抑制した媒体識別装置が記載されている。具体的には、磁気識別センサの本体に制振部材を介して固定されるものである。
特開2017-10071号公報
しかしながら、特許文献1に記載の磁気識別センサの構成では、磁気検出素子まで防振しているため、磁気識別センサの設置環境では周囲筐体の金属部材やベアリング軸受等の着磁やモータ内の磁石等からの漏れ磁束が掛かり、相対変位が発生することで、その静磁場が変動磁場として認識され、磁気ノイズに変換されてしまう。
つまり、磁気検出素子まで防振してしまうと、振動に関わるノイズを発生してしまうリスクがあり、磁気検出素子は磁気識別センサ本体へ確実に固定し、搬送メカへはネジ等で留めて、搬送メカと磁気識別センサ本体との相対的な変位を抑えておくべき問題がある。
一方、回路基板については、実装されるフェライトビーズインダクタやセラミックコンデンサ等のL、C受動チップ部品が基板の撓みや変形に対する応力変化で、そのインピーダンスが変動し、振動を電圧変動へ変換してしまう。セラミックコンデンサでは、所謂ピエゾ効果と言われるものであり、主信号ルートでのハイパスやローパスフィルターとしてのC定数が変化してしまうと、その影響は無視できないレベルとなる。コンデンサの容量が大きい場合にその影響が顕著である。
回路基板が細長い場合、その方向にチップ部品の長手方向を向けると、撓みや変形の影響を受けやすいので、一般的にはその直交方法に向けるべきとされる。それで、ある程度の抑制はできても、掛かる応力はゼロにはならないために回路基板の防振は重要である。
上記を鑑み、本発明に係る磁気識別センサは、
媒体の磁気パターンを検出する磁気検出素子と、
前記磁気検出素子が内部に配置された本体と、
前記磁気検出素子と回路基板とを接続するケーブルと、
を備え、
前記回路基板は、防振部材を介して前記本体に取り付けられていることを特徴とする。
以上の構成によれば、磁気識別センサ本体に組込まれる回路基板のみを防振し、回路基板内の撓みや変形に弱い部品への振動を抑制することで磁気ノイズを低減することができる。
本発明の第一の実施形態に係る磁気識別装置を搭載した紙媒体識別装置の模式的断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る磁気識別装置を搭載した紙媒体識別装置の制御ユニットに係る構成例を示す模式図である。 本発明の第一の実施形態に係る磁気識別装置の磁気検出ユニットの搬送方向から見た模式的断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る磁気検出ユニットの磁気識別センサの模式的断面図であり、図3のIV-IV端面図である。 本発明の第一の実施形態に係る磁気検出ユニットの図3のV-V端面図である。 本発明の第一の実施形態に係る磁気検出ユニットの回路基板に金属板を固定した斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る磁気識別センサの模式的断面図である。 本発明の他の実施形態に係る磁気識別センサの防振部材の斜視図である。 本発明の第一の実施形態に係る磁気識別センサの回路基板の端部周辺を示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る磁気検出ユニットの防振部材を配置していないときの振動周波数の解析データを示すグラフである。 本発明の第一の実施形態に係る磁気検出ユニットの自己共振周波数に対する比率と振動伝達率の関係を示すグラフある。 本発明の第一の実施形態に係る磁気検出ユニットの回路基板の自己共振周波数を示すグラフである。 磁気検出ユニットの異なる振動周波数を示すグラフである。 本発明の第二の実施形態に係る磁気識別センサの斜視図である。 本発明の第二の実施形態に係る磁気識別センサの模式的断面図であり、図14のXIV-XIV端面図である。 本発明の第二の実施形態に係る磁気識別センサの防振部材である金属板の斜視図である。 本発明の第二の実施形態に係る金属板の加工例を示す上面図である。 本発明の第二の実施形態に係る磁気検出ユニットの回路基板の自己共振周波数を示すグラフである。 本発明の第二の実施形態に係る磁気検出ユニットの回路基板の自己共振周波数とスリットの長さとの関係を示すグラフである。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第一の実施形態)
(磁気識別装置の構成例)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る磁気識別装置を搭載した紙媒体識別装置の模式的断面図である。紙媒体識別装置100には、金種判別や真偽判別を行う紙葉類識別装置101と、紙葉類識別装置101を制御する制御ユニット102Aおよび102Bと、紙媒体を投入する紙媒体投入口103と、入力手段として顧客の操作を受け付けるタッチパネル部104と、が備えられている。また、紙媒体識別装置100には、紙媒体投入口103から投入された磁気媒体1を搬送する搬送路105と、搬送路105上の紙媒体を搬送する一対の搬送ローラ106と、偽造券を収納するリジェクト収納箱107と、各金種がそれぞれ収納される金種別収納庫108A~108Dと、が備えられている。
紙媒体投入口103から投入された紙葉の一例としての磁気媒体1は、搬送路105上を搬送ローラ106や磁気識別センサ10に紙媒体を押し付けて搬送するプラテンローラ4により搬送されていき、先ず紙葉類識別装置101で金種判別や真偽判別を行う。紙葉類識別装置101は、磁気識別センサ10を備える磁気識別ユニット101Aと、光学センサ41を備える光学識別ユニット101Bとを含む。磁気識別ユニット101Aの搬送やセンサの制御及び信号の受け取りは制御ユニット102Aが行い、光学識別ユニット101Bの搬送やセンサの制御及び信号の受け取りは制御ユニット102Bが行い、金種や真偽判別を経て搬送路105下流で振り分けをし、各金種がそれぞれの金種別収納庫108A~108Dに入れられる。偽造券については、スイッチバック搬送により紙媒体投入口103に戻してもよいし、リジェクト収納箱107に入れてもよい。
図2は、本発明の第一の実施形態に係る磁気識別装置を搭載した紙媒体識別装置の制御ユニット102Aの構成例を示す模式図である。CPU201は、ROM202にある識別装置制御、金種判定制御、真偽判定制御、閾値設定等のプログラムを利用して、紙葉類識別装置101を制御する。各種センサのデータはRAM203に格納され、それぞれの閾値に照らし合わせて判定が行われる。CPU201が真偽判定のプログラムを実行することにより、磁気識別センサ10から出力された出力波形は、金種毎に予め記録された磁気波形と照合され、真偽判定が行われる。CPU201は、通信部204を介してホストコンピュータ300とデータの送受信が可能である。
また、制御ユニット102Aには、ローラ106などの構成部品の動作を制御する制御部、磁気検出ユニット50を駆動する駆動電流を制御する駆動部が含まれる。さらに、制御ユニット102Aには、不図示の構成として磁気検出ユニット50からの検出出力信号を受信しそれを増幅する信号増幅部が含まれる。
さらに、制御ユニット102Aは、紙媒体投入口103、タッチパネル部104、搬送路105の振り分けと、搬送ローラ106などの他の部品を制御する制御ユニットと共に、制御部を構成する。
このように、紙媒体識別装置100の紙葉類識別装置101に本実施形態に係る磁気識別センサ10を組み込み、磁気識別センサ10による磁界検出処理を、識別装置制御、金種判定制御、真偽判定制御、閾値設定等のプログラムに利用することで、金種判定や真偽判定の精度を向上させることができる。
(磁気検出ユニットの構成例)
図3は、本発明の第一の実施形態に係る磁気検出ユニットを示す模式的断面図である。本実施形態の磁気検出ユニット50は、磁性体を含む媒体1(以下、磁気媒体1ともいう)の磁気検知を行う磁気識別センサ10と、磁気媒体1を後述する摺動部12の摺動面に押し付けて搬送するためのプラテンローラ4と、搬送モータ8と、駆動ベルト7と、磁気識別センサ10とプラテンローラ4の回転軸4aを支持するフレーム6と、を備えている。磁気識別センサ10は、媒体搬送方向(紙面直交方向)に対する幅方向に複数設けられた磁気検出素子14(図4参照)を有しており、それぞれの磁気検出素子14からの出力信号が伝達されるフラットケーブル15によって回路基板16に接続されている。磁気識別センサ10は、回路基板16を本体11に固定するための固定ネジ22と、防振部材であるばね21を有しているが、詳しくは後述する。なお、プラテンローラ4もそれぞれの磁気検出素子14に対向する位置に複数設けられている。駆動ベルト7は、ガイドローラ7aおよび駆動ローラ8aの間に架け渡されている。搬送モータ8によって駆動ローラ8aが回転されることによって、磁気媒体1は搬送路105(図1参照)上の上流から下流もしくは下流から上流へと移動される。プラテンローラ4とガイドローラ7aは、同軸上に配置され、磁気識別センサ10とプラテンローラ4とは、一対のベアリング5を介してフレーム6によって支持されている。磁気識別センサ10は、図3の紙面上、フレーム6の左右から取付けネジ3によって固定されている。
図4は、本発明の第一の実施形態に係る磁気検出ユニットの磁気識別センサの模式的端面図であり、図3のIV-IV端面図である。磁気識別センサ10は、磁気媒体1の磁気検知を行うために、磁気検出素子14と、2つの磁石13とを備える。磁気検出素子14は、一対の磁石13の間に配置される。磁気媒体1の一例としては、磁性体を含む磁気インクを用いて印刷された紙幣が挙げられる。磁気識別センサ10は、磁気媒体1を磁気検出素子14に対して相対的に移動させ、相対移動に伴って磁石13が発生する磁界により磁性体に生じる磁気パターンもしくは磁気パターンの変化(磁界量)を磁気検出素子14によって検出する。
磁気識別センサ10は、本体11と、摺動部12と、回路基板16を備えている。摺動部12は、本体11の上部に配置され、その下部に磁石13と磁気検出素子14とが配置されている。すなわち本体11の内部に磁石13と磁気検出素子14とが配置されている。
摺動部12は、非磁性材料の平板からなる。磁気媒体1の通過による摩耗を避けるために、銅合金材や非磁性ステンレス材などの非磁性の金属薄板を適用してもよい。また、磁気媒体1と磁気検出素子14のスペーシングロスを低減するためには、摺動部12には、薄板が好適である。
回路基板16は、コネクタ17を備え、磁気検出素子14とコネクタ17とがフラットケーブル15を介して接続されている。フラットケーブル15を介して接続することによって、回路基板16のコネクタ17にストレスがかかることを防止することができる。また、回路基板16は、後述する防振対策のためには、柔軟性のあるケーブルが好適である。
図5は、本発明の第一の実施形態に係る磁気検出ユニットの図3のV-V端面図である。磁気識別センサ10は、回路基板16を本体11に固定するための固定ネジ22と、防振部材であるばね21を有している。回路基板16には、長手方向の両端部に、それぞれ、2つの開口部が形成されている。当該開口部の上下両端にそれぞれ、ばねが配置され、当該開口部とばねの内側を固定ネジ22が挿通される。この固定ネジ22により回路基板16が本体11に対し、基板面が媒体搬送方向と平行になるように固定されている。
本実施形態の回路基板16は、長手方向の両端部に、2つの開口部が形成されているが、回路基板16への振動が抑制できればよく、開口部の数は、1つ、または3つ以上でもよい。
ばね21としては、回路基板16への振動が抑制できればよく、例えば、圧縮コイルばねであってもよい。
このように、回路基板16は、上下両端にばねが配置された状態で固定ネジ22により本体11に固定されることによって、磁気媒体1が搬送される際の振動が回路基板16に伝達されることを抑え、回路基板16の上下方向の位置が大きく変化しないようになっている。
図6は、本発明の第一の実施形態に係る磁気検出ユニットの回路基板に金属板を固定し、裏面から観察した斜視図である。回路基板16の剛性が不足し、例えば、厚みが薄い基板を使用すると、後述する回路基板16自体の共振周波数が、磁気媒体1の搬送時の振動帯域内に入ってしまうことで、防振の効果が得られなくなってしまう。
その場合には、回路基板16の剛性を上げるために、回路基板16の厚みを厚くする。回路基板16を厚くしても回路基板16の剛性が不足している場合は、金属板27を回路基板16に接着などで固定してもよい。
これにより、回路基板16の剛性を向上させ、磁気媒体1の搬送時の振動の影響を抑制することができる。
(磁気識別センサの変形例)
図7は、本発明の他の実施形態に係る磁気識別センサの模式的断面図であり、磁気識別センサの変形例について説明する。図7の防振部材は、図5の防振部材であるばねとは異なり、波型座金23を有している。また、波型座金23を用いることによって、ストロークが狭くなるため、固定ネジ22ではなく、段付きネジ24を用いてもよい。この場合、段付きネジ24の段部が本体11の下面に当接するように締め込まれる。これにより、段付きネジ24を締め込むことで、一定の圧縮量を得ることができ、安定した付勢圧を得ることができる。
波型座金23の山の数は、2つが好ましいが、これに限られず、山の数を3つ以上にしてもよい。これにより、磁気媒体1によって生じる振動を抑制し、回路基板16の上下方向の位置が大きく変化しないようにすることができる。
波型座金23の材料として、硬質な金属が好ましく、例えば、ステンレスや鉄などが好ましい。
さらに、本実施形態の防振部材は、図8に示すような、連結座金23aであってもよい。連結座金23aは、一対の曲げ座金23bと、一方の曲げ座金23bを上側に配置し、他方の曲げ座金23bを下側に配置し、それぞれの曲げ座金23bの側端部を接続する接続部23cを有している。このように、連結座金23aは、ステンレスや鉄などの金属を折り曲げることによって一体に形成されている。
曲げ座金23bの形状は、への字形状やVの字形状に形成されている。これにより、上述した波型座金23と同様に、磁気媒体1によって生じる振動(磁気媒体1が搬送されるときに生じる振動)を抑制し、回路基板16の上下方向の位置が大きく変化しないようにすることができる。
接続部23cは、一対の曲げ座金23bの側端部における端に接続されている。接続部23cは、曲げ座金23bの側端部の端に限られることなく、曲げ座金23bの側端部の中央や側端部の全体に接続されてもよい。これにより、連結座金23aを回路基板16に取り付ける際に、連結座金23aがネジの回転方向の力を受けるため、接続部23cは、ネジの回転する力が加わると回路基板16に当たることで、連結座金23aの回転を防止することができる。なお、図8に示すように、側端部の全体ではなく、一部にのみ設けることにより、連結座金23aが回路基板16に対して強固に固定され過ぎず、曲げ座金23bのへの字形状やVの字形状に形成された形状による振動抑制効果を回路基板16に対し好適に発揮しやすくすることができる。
連結座金23aの材質は、硬質な金属が好ましく、例えば、ステンレスや鉄などが好ましい。
なお、連結座金23aは、一対の曲げ座金を備えるとしたが、一方を曲げ座金、他方を平座金としてもよい。
磁気識別センサ10は、回路基板16のグランドを、金属である本体11を通してフレーム6へ接続するフレームグランド接続(FG)をする必要があり、不十分な場合には、振動の有無に関わらず、ノイズが増える恐れがある。
そこで、磁気識別センサ10では、図9に示すように、回路基板16の開口部25の周囲に金属からなるランドでFG部材26を形成することによって、ばね21や波型座金23や連結座金23aをFG部材26と接触させる。ばね21や波型座金23や連結座金23aを金属材料とすることで、このようにして、磁気識別センサ10は、ばね21や波型座金23や連結座金23aとFG部材26と接触させて安定した導通を得ることができ、ノイズを抑制することができる。なお、FG部材26であるランドは、回路基板16に形成された金属パターンによる配線部と同様にして形成されていることが好ましい。
(磁気識別センサの振動について)
図10は、本発明の第一の実施形態に係る磁気検出ユニットの防振部材が配置されていないときの振動周波数の解析データを示すグラフである。磁気識別センサ10内の本体11上に加速度センサを組み込み、搬送の駆動時の出力を周波数解析(FFT)して、周波数成分を算出し、摺動面と垂直方向の振動成分を算出した。
図10を参照すると、周波数解析では、概ね500Hzから1kHzの区間のノイズ成分が主体であることが示されている。磁気識別センサ10を利用する装置では、高速で磁気媒体1を搬送するために、周波数成分が比較的高くなっている。振動の帯域の下限は、450Hzあたりである。磁気識別センサ10での検知帯域は数kHzまでを対象としているために、この振動成分を電気的にフィルターで除去することは不可能である。
次に、本実施形態の磁気識別センサに防振部材であるばね21を付与し、自己共振を設定して、防振を行う効果を説明する。
図11は、本発明の第一の実施形態に係る磁気検出ユニットの自己共振周波数に対する振動周波数の比率と振動伝達率の関係を示すグラフであり、振動周波数fと自己共振周波数f0の比率に対する振動伝達率の基本的なグラフを示している。詳細には、自己共振周波数f0を設定すると、防振対象の周波数成分fにおいて、元の状態(0dB)からどれくらい振動が変化するか示すものである。
振動伝達率としては、f/f0=1のときには共振状態となり振動伝達率がピークを形成しており、そこから徐々に低下していくが、自己共振周波数f0から√2倍の周波数離れていないと、振動は元の状態よりも減衰しないため、この比率を上回るように自己共振周波数f0を設定する。
図10で示した、振動の帯域下限450Hzを考慮すると、自己共振周波数f0を318Hz以下にすることが好ましい。防振部材は、ばね21や波型座金23などの部材特性によって防振精度が異なるため、振動の帯域上限を300Hzとすることが好ましい。振動の帯域をこの範囲にすることで、周波数の高い側は共振周波数に対する比率が大きくなり、振動を効果的に減衰させることができる。詳細には、約1/3の減衰に相当する-10dBとするならば、f/f0=2とし、さらに、1/10の減衰に相当する-20dBとするならば、f/f0=3として、ばね等の寸法を決定する。
本実施形態の自己共振周波数f0の下限については特に制約はないが、自己共振周波数の収束が遅くなることや振幅が大きくなることで、隣接部材との接触による影響が考えられる。したがって、自己共振周波数f0の範囲を100~300Hzとすることが好ましい。
詳細には、本実施形態の波型座金23は、例えば、内径をΦ3.2、外径をΦ6.5、高さを1mm、厚みを0.15mmの形状を有している。段付きネジ24での締め込み下における波型座金23の圧縮量は、波型座金23の両側合わせて1mm程度押し込むようにした。回路基板16は、厚さが2mmであり、開口部の間隔は、長手方向の長さを210mm、短手方向の長さを17.5mmにした。
上記の条件に基づいて、回路基板16上に加速度センサを設置し、自己共振周波数を測定する実験を行った。この実験においては、回路基板16の両端部において防振部材を介して本体11にネジ固定することで、図12に示すように、自己共振周波数f0が148Hzに設定されていることを確認した。図12は、回路基板16上に加速度センサを設置してインパルス衝撃を与えた際の減衰波形を示しており、横軸を衝撃からの経過時間(秒)、縦軸を加速度センサの出力電圧(V)として描画したグラフである。これは一例であり、他の構成との兼ね合いも考慮して多少ずれた自己共振周波数f0を設定してもよい。これにより、回路基板16への振動を抑制することができ、ノイズなどの影響を抑制することができる。なお、本実施形態においては、上述した波型座金23の形状などによって自己共振周波数f0を148Hzに設定することができた。自己共振周波数f0の調整としては、波型座金23などの防振部材のばね定数や、回路基板16の重さや剛性で調整が可能であり、それぞれの使用環境で適切なf/f0の比率を設定することができる。
図13は、磁気検出ユニットの異なる振動周波数を示すグラフである。図13(a)は、磁気検出ユニット50の防振部材を配置していない場合を示し、図13(b)は、本実施形態の磁気検出ユニット50の防振部材を配置した場合を示している。
防振部材を配置していない場合(図13(a))では、磁気媒体1を搬送すると、周波数の高い成分のノイズが示されており、回路基板16へ与えられた振動によるノイズが影響し、誤検知する可能性がある。
一方、本実施形態の防振部材を配置している場合(図13(b))では、防振部材を配置していない場合とは異なり、周波数の高い成分のノイズが除去されており、回路基板16へ与えられた振動によるノイズなどの影響を抑制している。
(第二の実施形態)
第二の実施形態では、回路基板16に伝わる振動を防振する防振部材の変形例を示す。第一の実施形態と共通する項目については説明を省略する。第二の実施形態は、回路基板16に固定される金属板27を防振部材とする構成である。
図14は、本発明の第二の実施形態に係る磁気識別センサの斜視図である。また、図15は、本発明の第二の実施形態に係る磁気識別センサの模式的断面図であり、図14のXIV-XIV端面図である。図15に示すとおり、磁気識別センサ10は、本体11と、摺動部12と、回路基板16と、防振部材である金属板27とを備えている。本体11は、磁気検出素子14を有しており、摺動部12とは反対側に磁気検出素子14が固定される。磁気検出素子14は、フラットケーブル15等のやわらかいケーブルなどで回路基板16と接続する。
図14に示すとおり、金属板27は、回路基板16の少なくとも一面を覆い、回路基板16と固定される。また、金属板27は、本体11に固定するための本体固定部27Aと、回路基板を固定するための基板固定部27Bと、を有している。金属板27には、本体固定部27Aの近傍に開口部27Cが形成される。金属板27に開口部27Cを形成することによって、回路基板16への振動を抑制することができる。より好ましくは、金属板27における回路基板16の端部(この場合長手方向端部)に対応する位置と本体固定部27Aとの間に開口部27Cが設けられる。この構成によれば、より効果的に開口部27C付近での金属板27の剛性を低下させて弾性作用を生じさせることができる。
本体固定部27Aは、金属板27の長手方向の両端部から本体11側に向けて延在し、固定ネジ80を挿通するための固定ネジ開口部(不図示)が形成される。この固定ネジ80により、金属板27が本体11に固定される。本体固定部27Aは、金属板27の長手方向の両端部から延在するとしたが、これに限られることなく、図16に示すように、金属板27の長手方向の中央付近にも本体11側に向けて延在するように設けてもよい。また、金属板27の両端部と中央付近との3点で固定してもよい。
基板固定部27Bは、金属板27の短手方向の端部に形成され、金属板27を回路基板16側に折り曲げてカシメ固定する。本実施形態では、回路基板16と金属板27を固定するには、カシメ固定したが、これに限られず、ねじ締結や他の係合方法によって金属板27を回路基板16に固定するようにしてもよい。
回路基板16における、基板固定部27Bと回路基板16が接する位置には、回路基板16のグランドが接続されるランドが設けられる。このランドと金属板27が接続されて導通し、金属板27の本体固定部27Aを介して、本体11に対し回路基板16のフレームグランド接続がなされる。
本実施形態では、本体固定部27Aの近傍に開口部27Cを形成するとしたが、弾性作用を有する形状であればよく、例えば、後述する切り欠き(以下、スリットともいう)を形成するようにしてもよい。これにより、本体11と金属板27の間に弾性作用を持たせることができ、回路基板16に伝わる搬送機の振動を減衰させることができる。
図17は、本発明の第二の実施形態に係る金属板の弾性作用ある形状の変形例を示す上面図である。なお、いずれも金属板27を摺動部12側から見たもので、図17(b)~(e)の本体固定部27Aは、紙面上の奥側(背面側)にあり、破線で示す。
金属板27の開口部や切り欠きの形状は、図17に示す形状などである。例えば、図17(b)~(e)に示すように、金属板27と本体11を固定する本体固定部27Aの近傍(回路基板16の端部との間)に開口部や切り欠きを設けることで、金属板27に弾性を持たせることができる。開口部や切り欠きは、本体固定部27Aと基板固定部27Bとの間に形成される。この開口部や切り欠きの形状により、弾性を調整することで、自己共振周波数を設定することができる。
図18は、本発明の第二の実施形態に係る磁気検出ユニットの回路基板の自己共振周波数を示すグラフである。詳細には、図17(c)に示す金属板27は、厚みが0.3mm、長手方向の両端それぞれのスリットの長さL(図18(b)参照)が3mmである。この条件に基づいて、第一の実施形態と同様に自己共振周波数f0を測定する実験を行った。この実験では、金属板27の長手方向の両端に弾性作用を有するスリットを形成することによって、図18に示すように、自己共振周波数f0は、146Hzに設定されていることを確認した。図18は、回路基板16上に加速度センサを設置してインパルス衝撃を与えた際の減衰波形を示しており、横軸を衝撃からの経過時間(秒)、縦軸を加速度センサの出力電圧(V)として描画したグラフである。これは、スリットの長さLを3mmとした一例であり、スリットの長さLを長くした場合について、図19を用いて説明する。
図19(a)は、本発明の第二の実施形態に係る磁気検出ユニットの回路基板の自己共振周波数とスリットの長さLとの関係を示すグラフであり、図19(b)は、金属板27の端部のスリットを示す部分上面図である。金属板27のスリットの長さLが3mmの時は、自己共振周波数が146Hzであったが、スリットの長さLは、短くするほど自己共振周波数は高くなり、長くするほど自己共振周波数は低くなることを確認した。このように、自己共振周波数の設定には、金属板27のスリットや開口部の形状、金属板27の板厚、回路基板16の板厚と質量などのパラメータによって設定することができる。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、媒体搬送時に発生する振動に対して、本体に固定された磁気検出素子には磁気ノイズを発生させず、回路基板に波及する振動に対して所定の自己共振周波数を設定した防振構成で抑制し、振動に強い高精度の磁気識別センサを供給することが可能となる。
1 磁気媒体
10 磁気識別センサ
11 本体
14 磁気検出素子
15 フラットケーブル
16 回路基板
21 ばね
23 波型座金
23a 連結座金
27 金属板

Claims (12)

  1. 媒体の磁気パターンを検出する磁気検出素子と、
    前記磁気検出素子が内部に配置された本体と、
    前記磁気検出素子と回路基板とを接続するケーブルと、
    を備え、
    前記回路基板は、防振部材を介して前記本体に取り付けられていることを特徴とする磁気識別センサ。
  2. 前記磁気検出素子は、前記媒体の搬送方向と直交する方向へ並んで固定されることを特徴とする請求項1に記載の磁気識別センサ。
  3. 前記回路基板は、自己共振周波数を300Hz以下とすることを特徴とした請求項1または2に記載の磁気識別センサ。
  4. 前記回路基板の両端部に開口部が形成され、前記回路基板は、前記防振部材を介して、前記開口部に挿通されるネジによって前記本体に固定されることを特徴とする請求項1に記載の磁気識別センサ。
  5. 前記防振部材は、ばねまたは波型座金であることを特徴とする請求項1に記載の磁気識別センサ。
  6. 前記回路基板と前記防振部材とが接触する位置には、グランド接続するためのランドが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の磁気識別センサ。
  7. 前記回路基板は、前記媒体の搬送方向と平行に配置されることを特徴とする請求項1に記載の磁気識別センサ。
  8. 前記回路基板は、一方の面に金属板が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気識別センサ。
  9. 請求項1に記載された磁気識別センサを含む、金種判別や真偽判別を行う紙葉類識別装置と、
    前記紙葉類識別装置を制御する制御ユニットと、
    紙媒体を投入する紙媒体投入口と、
    入力手段として顧客の操作を受け付けるタッチパネル部と、を備える紙媒体識別装置。
  10. 前記防振部材は、前記回路基板の少なくとも一面を覆い前記回路基板と固定される金属板であることを特徴とする請求項1に記載の磁気識別センサ。
  11. 前記金属板は、前記本体に固定される固定部と前記回路基板との間に切り欠きまたは開口部を備えることを特徴とする請求項10に記載の磁気識別センサ。
  12. 前記回路基板は、前記金属板と接触する位置にグランド接続するためのランドを備え、
    前記金属板を介して前記回路基板と前記本体が電気的に接続されることを特徴とする請求項10または11に記載の磁気識別センサ。
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