JP2023024000A - 熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】密着してガスが漏れないように扉を本体側へ密着させる手段が本体及び扉の前面から突出しないようにすることができる熱処理装置を提供する。【解決手段】熱処理装置1は、本体11と、扉12と、ロッド27と、分力手段28とを備える。本体11は、ガスを充填して被処理物10を熱処理する処理室を構成する。扉12は、本体11に設けられた開口22を開閉する。ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面に沿って延びるように配置され、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向と異なる方向に移動する。分力手段28は、扉12が開口22を閉じた状態でロッド27をロッド27の移動方向に操作する操作力を分力して扉12を本体11側へ密着させる力を発生させる。【選択図】 図1
Description
本発明は、被処理物に対して熱処理をするための熱処理装置に関する。
被処理物に対して熱処理をするための熱処理装置においては、被処理物の種類により、ガスを充填して被処理物を熱処理する処理室の気密性を保った状態で熱処理をすることが要求される。そのような気密性を確保するためには、処理室を構成する本体に対して本体の開口を閉じる扉をロックすることに加え、ガスが漏れないように扉を本体に対して密着させることが必要となる。
熱処理装置において本体へ扉を密着させる構成として、例えば、特許文献1に記載されているように、扉にロックハンドル及び水平ハンドルが設けられた構成が知られている。ロックハンドルは、扉の前面に突出して設けられて作業者によって操作される操作部と、操作部の操作に伴って本体側と扉側とで係合する機構とを備えて構成されている。また、水平ハンドルは、本体の前面に設けられて作業者によって操作される操作部と、操作部の操作に伴って作動して扉を押さえる機構とを備えて構成されている。特許文献1に記載された構成においては、作業者が、ロックハンドル及び水平ハンドルを手動で締める操作を行い、扉を本体に対して押さえ込むことで、扉が本体に対して密着する。
特許文献1に開示された構成では、ロックハンドル及び水平ハンドルのように、作業者によって操作される操作部が、本体及び扉の前面に突出して設けられている。このため、作業者が操作部に自らの身体をぶつけてしまうことがあり、或いは、作業者の衣服が操作部に引っ掛かってしまうことがあり、作業者の作業の邪魔となるという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、密着してガスが漏れないように扉を本体側へ密着させる手段が本体及び扉の前面から突出しないようにすることができる熱処理装置を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するために、本発明のある局面に係わる熱処理装置は、ガスを充填して被処理物を熱処理する処理室を構成する本体と、前記本体に設けられた開口を開閉する扉と、前記本体における前記開口が設けられた面に沿って延びるように配置され、前記扉を前記本体側へ押圧する押圧方向と異なる方向に移動するロッドと、前記扉が前記開口を閉じた状態で前記ロッドを当該ロッドの移動方向に操作する操作力を分力して前記扉を前記本体側へ密着させる力を発生させる分力手段と、を備えている。
この構成によると、本体の開口を閉じた状態の扉を本体側へ密着させる手段が、扉の押圧方向と異なる方向に移動するロッドと、ロッドの移動方向の操作力を分力する分力手段とによって構成される。そして、ロッドは、本体における開口が設けられた面に沿って延びるように配置され、分力手段は、ロッドの移動に伴って作動するように、扉が開口を閉じた状態でのロッドの近傍に配置される。このため、扉を本体側へ密着させる手段であるロッド及び分力手段を本体及び扉の前面から突出しないようにすることができる。よって、上記の構成によると、密着してガスが漏れないように扉を本体側へ密着させる手段が本体及び扉の前面から突出しないようにすることができる熱処理装置を提供することができる。
(2)前記分力手段は、前記ロッドに取り付けられたカム部材と、前記ロッドの移動量に対して前記カム部材の移動量を抑制する弾性体と、前記扉に設けられて前記カム部材と当接することで前記操作力から分力された力を前記扉へ伝達するカムフォロアと、を有している場合がある。
カム部材及びカムフォロアといった部品に寸法誤差がある場合、及び、カム部材及びカムフォロアといった部品を組み立てる際の組立誤差がある場合は、ロッド側のカム部材と扉側のカムフォロアとの位置の精度が一定ではなく、ばらつきが生じることになる。このため、カム部材とカムフォロアとの位置決めを精度よく調整することが必要になる。しかし、上記の構成によると、扉側のカムフォロアに当接してロッドの操作力を分力するロッド側のカム部材が、弾性体によって、移動量を抑制される。このため、ロッドが移動してカム部材がカムフォロアに当接する際に、部品の寸法誤差及び組立誤差がある場合であっても、弾性体の変形によって誤差が吸収される。これにより、ロッドの移動方向の操作量のみでカム部材とカムフォロアとの位置決めを精度よく調整することができる。
(3)前記熱処理装置は、前記分力手段を複数備え、複数の前記分力手段のそれぞれは、前記カム部材と前記弾性体と前記カムフォロアとを有している場合がある。
例えば、ロッドに設けたネジ部とネジ部に螺合するナットとによって、ロッドの軸線上に配置された個々のカム部材の位置を調整する調整手段が備えられているような場合でも、カム部材が複数あると、ロッドの軸線上でカム部材を精度よく位置合わせすることが困難となる。しかし、この構成によると、各分力手段に設けられた弾性体によって、各分力手段に存在する個別の誤差を個々に吸収することができる。このため、ロッドの移動に伴って同じタイミングで作動する複数の分力手段のそれぞれにおいて、カム部材とカムフォロアとの位置決めを精度よく調整することができる。
(4)前記扉は、前記本体に対して丁番を介して取り付けられた開き戸として設けられ、複数の前記分力手段が有する複数の前記弾性体において、前記丁番側に配置された前記弾性体に対して、前記丁番側から離れた側に配置された前記弾性体の弾性力が大きく設定されている場合がある。
この構成によると、複数の弾性体のうち、丁番側に配置された弾性体に対して、丁番側から離れた側に配置された弾性体の弾性力が大きく設定される。このため、複数の分力手段のうち、丁番側から離れた側に配置された分力手段において、カム部材がカムフォロアを付勢する力を大きくすることができる。一般的に内圧がかかると扉が開こうとして、丁番側はシールのシール圧が確保されていても、丁番から離れたところほどシールのシール圧が低下する。よって、離れて配置された弾性体ほど、弾性力を強くする必要がある。しかし、シールのシール圧を均一にしたいが、扉の形状や扉のロック手段との配置関係などで、シールのシール圧が均一にならない場合でも、上記のように構成することで、シールのシール圧を均一にすることができる。
(5)前記カムフォロアは、前記扉の縁部分に設けられ、前記本体には、前記開口の縁部分において、前記扉が前記開口を閉じる際に前記カムフォロアを受け入れる凹部が設けられており、前記扉が前記開口を閉じて前記カムフォロアが前記凹部に受け入れられた状態で前記ロッドが前記移動方向に移動することで、前記カム部材が前記カムフォロアに当接する場合がある。
この構成によると、扉が閉じる際は、扉側のカムフォロアが本体の開口の縁部分の凹部に受け入れられるため、カムフォロアが本体と干渉することなく本体の内側に配置された状態で、扉を閉じることができる。このため、扉が閉じた際に、カムフォロアが本体の前面側に配置された状態となることを防止することができる。また、扉が閉じられた後は、本体側に設けられたロッドが移動し、カム部材がカムフォロアに当接することで、ロッドの操作力から分力された力がカムフォロアに伝達され、扉を本体側へ密着させることができる。したがって、上記の構成によると、開口の縁部分に凹部を設けた簡素な構成により、扉を本体へ密着させる分力手段が本体の前面側に配置されてしまうことを防止できる構造を容易に構築することができる。
(6)前記ロッドを前記移動方向に操作する操作量は、前記扉が前記開口を閉じて前記ロッドが移動する前の状態での前記移動方向における前記カム部材と前記カムフォロアとの間の設定距離よりも所定量大きくなるように設定されている場合がある。
この構成によると、ロッドの操作量が、扉が閉じた後でロッドが移動する前の状態でのカム部材とカムフォロアとの間の設定距離よりも所定量大きく設定される。このため、ロッドが移動してカム部材がカムフォロアに当接する際に、部品の寸法誤差及び組立誤差がある場合であっても、弾性体の変形によって誤差をより確実に吸収することができる。
(7)前記弾性体は、前記ロッドの外周に配置されている場合がある。
この構成によると、ロッドと弾性体とを同軸方向に連続して配置することがなく、ロッドと弾性体との組み合わせ構成物をロッド軸方向で短く構成することができる。
本発明によると、密着してガスが漏れないように扉を本体側へ密着させる手段が本体及び扉の前面から突出しないようにすることができる熱処理装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
[熱処理装置の構成]
図1は、本発明の第1実施形態にかかる熱処理装置1の斜視図である。図1は、熱処理装置1において扉12が開かれた状態を示している。図2は、熱処理装置1の斜視図であって扉12が閉じられた状態を示す図である。
[熱処理装置の構成]
図1は、本発明の第1実施形態にかかる熱処理装置1の斜視図である。図1は、熱処理装置1において扉12が開かれた状態を示している。図2は、熱処理装置1の斜視図であって扉12が閉じられた状態を示す図である。
図1及び図2を参照して、熱処理装置1は、被処理物10に対して熱処理をするための装置として構成されている。熱処理装置1による熱処理としては、ガスが充填された室内に被処理物10が配置された状態で被処理物10を加熱する加熱処理又は被処理物10を冷却する冷却処理を例示することができる。例えば、熱処理装置1による熱処理としては、浸炭処理、焼入処理、焼戻処理、焼鈍処理、脱脂処理、焼結処理などを例示することができる。また、熱処理装置1においては、例えば、金属製の部材として設けられた被処理物10の熱処理が行われる。
熱処理装置1は、本体11、本体11を開閉する扉12、本体11と扉12とをロックするロック手段13、本体11に扉12を密着させる密着機構14、制御部15、等を備えて構成されている。
本体11は、ガスを充填して被処理物10を処理する処理室を構成している。本体11に充填されるガスは、窒素ガス、空気など、の気体や、また過熱水蒸気のような蒸気としてのガスであってもよい。また、本体11にガスが充填される形態としては、本体11の外部からガスを本体11内に導入する形態を例示することができるが、この形態に限られなくてもよい。即ち、本体11内に外部からガスを導入することなく本体11にガスが充填される形態が実施されてもよい。具体的には、本体11内に外部からガスを導入することなく、本体11内に被処理物10が搬入された際に本体11内に空気が存在していることで、本体11に空気としてのガスが充填されており、被処理物10の熱処理が行われる形態が実施されてもよい。
本体11は、前方壁16、後方壁17、側壁18、側壁19、天井壁20、及び底壁21を備え、被処理物10が配置される中空の領域を内部に区画する直方体状の箱状に形成されている。本体11には、前方壁16において、本体11の内部の中空の領域を外部に開放する開口22が設けられている。開口22は、扉12の外周形状に対応した形状で前方壁16を貫通するように開口している。開口22の周縁には、扉12との間で気密性を確保する耐熱性のシール49が配置されている。
被処理物10は、開口22を介して、本体11の内部に搬入される。被処理物10は、例えば、薄型の箱状に形成されたケース10aに複数収納された状態で、開口22から搬入されて本体11の内部に配置される。尚、ケース10aは、周囲のガスがほぼ抵抗無く通過して流動できるように構成されており、例えば、網状の部材で形成されている。
また、熱処理装置1が加熱処理を行うように構成されている場合は、例えば、本体11内には、被処理物10を加熱するためのヒータ(図示省略)が設置される。また、熱処理装置1が、被処理物10を過熱水蒸気等の加熱用ガスで加熱して熱処理するように構成されている場合は、本体11には、加熱用ガスを本体11の内部に対して給排するための給排系統が設置される。また、熱処理装置1が、被処理物10を冷却用ガスで冷却して熱処理するように構成されている場合は、本体11には、冷却用ガスを本体11の内部に対して給排するための給排系統が設置される。
扉12は、本体11の前方壁16に設けられた開口22を開閉する扉として設けられている。扉12は、本体11の開口22の全体を塞ぐ形状に形成されており、本実施形態では、矩形の外形を有する扉として設けられている。扉12は、本体11に対して複数の丁番23を介して取り付けられた開き戸として設けられている。本実施形態では、扉12は、本体11の前方壁16に対して2つの丁番23を介して横開きの状態で開くように構成されている。即ち、扉12は、その水平方向における一端側において、前方壁16に沿って上下に並ぶ2つの丁番23を介して、本体11に対して丁番23を中心として水平方向に沿って回転するように、前方壁16に取り付けられている。また、扉12における丁番23側と反対側には、扉12の開閉の際に作業者によって操作されるハンドル25が設けられている。
また、扉12には、開口22を閉じた状態において本体11の外側に対向する外側部分12aと本体11の内側に対向する内側部分12bとが設けられている。外側部分12a及び内側部分12bは、いずれも板状の部分として設けられ、扉12の厚み方向に重なって一体に形成されている。そして、内側部分12bの外周の形状は、外側部分12aの外周の形状よりも小さくなるように形成されている。このため、内側部分12bは、外側部分12aに対して段状に盛り上がった板状の部分として構成されている。また、本体11における開口22の縁部分には、段状に凹む外側縁部23aと、外側縁部23aから内側に向かって僅かにテーパ状に窄まるように開口する内側縁部23bとが設けられている。そして、扉12は、開口22を閉じる際、扉12の外側部分12aの外周縁部が開口22の外側縁部23aに当接して開口22を塞ぐとともに、扉12の内側部分12bの外周縁部が開口22の内側縁部23bに嵌り込むように構成されている。
ロック手段13は、扉12が開口22を閉じた状態で扉12を本体11に対してロックする機構として設けられている。ロック手段13は、複数設けられており、本実施形態では、例えば、2つ設けられている。2つのロック手段13は、本実施形態では、扉12が開口22を閉じた状態で、扉12に対して丁番23側と反対側に配置される。また、2つのロック手段13は、扉12が開口22を閉じた状態で前方壁16に沿って上下に並んで配置される。
各ロック手段13は、扉12に設けられたフック13aと、本体11の前方壁16に設けられたフック保持部13bとを有して構成されている。フック13aは、扉12において丁番23側と反対の端部側に設けられており、扉12の外側部分12aから突出した鉤爪状に形成されている。フック13aは、扉12が開口22を閉じた状態で外側部分12aから本体11の内側に向かって突出するように設けられている。
フック保持部13bは、扉12が開口22を閉じた状態でフック13aと係合することで、フック13aを保持する機構として設けられている。フック保持部13bは、本体11の前方壁16における開口22の縁部分に設けられており、外側縁部23aに設けられている。また、フック保持部13bは、外側縁部23aにおいて、開口22を介して丁番23側と反対側に設けられている。フック保持部13bは、例えば、外側縁部23aにおいて開口し、扉12が開口22を閉じる際にフック13aが挿入される挿入孔と、挿入孔に挿入されたフック13aに対して係合する係合ピン(図示省略)とを有して構成されている。係合ピンは、例えば、制御部15からの制御指令に基づいて作動するソレノイド(図示省略)によって駆動されるように構成されている。扉12によって開口22が閉じられ、フック13aがフック保持部13bの挿入孔に挿入されると、制御部15からの制御指令によって作動したソレノイドによって駆動された係合ピンが移動して、フック13aと係合ピンとが係合する。これにより、フック13aがフック保持部13bによって保持され、開口22を閉じた状態の扉12が、本体11に対してロックされる。
制御部15は、ロック手段13、密着機構14、及び、本体11に設けられた熱処理のための機構、のそれぞれの動作を制御する制御装置として設けられている。制御部15は、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェア・プロセッサ、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等のメモリ、ユーザによって操作される操作パネル等の操作部、インターフェース回路、等を備えて構成されている。制御部15のメモリには、ロック手段13、密着機構14、本体11に設けられた熱処理のための機構、のそれぞれの動作を制御する制御指令を作成するためのプログラムが記憶されている。例えば、作業者によって操作部が操作されることで、メモリから上記のプログラムがハードウェア・プロセッサによって読み出されて実行される。これにより、上記の制御指令が作成され、その制御指令に基づいて、ロック手段13、密着機構14、及び、本体11に設けられた熱処理のための機構、のそれぞれが作動する。
[密着機構の構成]
図3は、図1に示す熱処理装置1の一部を拡大して示す図である。図4は、熱処理装置1の扉12と密着機構14とを示す図であって、熱処理装置1の内部側から視た状態を示す図である。図5は、図4に示す密着機構14を拡大して示す図である。図6(A)は、熱処理装置1の扉12と密着機構14とについて上方から見た状態で示す図であり、図6(B)は、図6(A)の一部を拡大して示す図である。尚、図4及び図5においては、熱処理装置1における扉12及び密着機構14以外の要素の図示を省略している。また、図6(A)及び図6(B)では、熱処理装置1における扉12、密着機構14、及び本体11の前方壁16の一部以外の要素の図示を省略しており、前方壁16の一部については、断面図として図示している。
図3は、図1に示す熱処理装置1の一部を拡大して示す図である。図4は、熱処理装置1の扉12と密着機構14とを示す図であって、熱処理装置1の内部側から視た状態を示す図である。図5は、図4に示す密着機構14を拡大して示す図である。図6(A)は、熱処理装置1の扉12と密着機構14とについて上方から見た状態で示す図であり、図6(B)は、図6(A)の一部を拡大して示す図である。尚、図4及び図5においては、熱処理装置1における扉12及び密着機構14以外の要素の図示を省略している。また、図6(A)及び図6(B)では、熱処理装置1における扉12、密着機構14、及び本体11の前方壁16の一部以外の要素の図示を省略しており、前方壁16の一部については、断面図として図示している。
図1乃至図5、図6(A)及び図6(B)を参照して、密着機構14は、扉12が開口22を閉じた状態で扉12を本体11に対して密着させる機構として設けられている。密着機構14は、複数設けられており、本実施形態では、2つ設けられている。本実施形態では、2つの密着機構14として、密着機構14aと密着機構14bとが設けられている。密着機構14aは、扉12が開口22を閉じた状態で扉12の上端側に配置されている。密着機構14bは、扉12が開口22を閉じた状態で扉12の下端側に配置されている。
2つの密着機構14のそれぞれは、駆動機構26と、ロッド27と、分力手段28とを備えて構成されている。即ち、密着機構14aは、駆動機構26と、ロッド27と、分力手段28とを備えて構成され、密着機構14bも、駆動機構26と、ロッド27と、分力手段28とを備えて構成されている。尚、扉12が開口22を閉じた状態で扉12の上端側に配置される密着機構14aと扉12の下端側に配置される密着機構14bとは、ロッド27及び分力手段28の上下位置が逆であることを除き、同様に構成されている。密着機構14aにおいては、ロッド27が分力手段28の上側に配置され、密着機構14bにおいては、ロッド27が分力手段28の下側に配置されている。
[駆動機構]
駆動機構26は、ロッド27をロッド27の軸線方向に沿って移動させるように駆動してロッド27を操作するシリンダ機構として設けられている。駆動機構26は、例えば、空圧式のシリンダ機構として設けられており、圧縮空気が給排される一対の圧力室(図示省略)とピストン26aとを有し、ピストン26aにロッド27が連結されている。そして、駆動機構26は、一対の圧力室に圧縮空気が給排されることで、ピストン26aを変位させ、ピストン26aに連結されたロッド27を往復駆動するように構成されている。即ち、駆動機構26は、圧縮空気の給排に伴って作動して、ロッド27を駆動機構26に引き込む方向又は駆動機構26から押し出す方向に駆動するように構成されている。また、駆動機構26は、本体11に固定された状態で本体11の内部側に設置されており、例えば、前方壁16の内側に固定されて設置されている。
駆動機構26は、ロッド27をロッド27の軸線方向に沿って移動させるように駆動してロッド27を操作するシリンダ機構として設けられている。駆動機構26は、例えば、空圧式のシリンダ機構として設けられており、圧縮空気が給排される一対の圧力室(図示省略)とピストン26aとを有し、ピストン26aにロッド27が連結されている。そして、駆動機構26は、一対の圧力室に圧縮空気が給排されることで、ピストン26aを変位させ、ピストン26aに連結されたロッド27を往復駆動するように構成されている。即ち、駆動機構26は、圧縮空気の給排に伴って作動して、ロッド27を駆動機構26に引き込む方向又は駆動機構26から押し出す方向に駆動するように構成されている。また、駆動機構26は、本体11に固定された状態で本体11の内部側に設置されており、例えば、前方壁16の内側に固定されて設置されている。
また、駆動機構26によるロッド27の移動操作は、制御部15からの制御指令に基づいて駆動機構26が作動することで、行われる。より具体的には、圧縮空気の供給源(図示省略)と駆動機構26とを接続する圧縮空気の給排系統に設けられた電磁弁(図示省略)が、制御部15からの制御指令に基づいて作動することで、駆動機構26における一対の圧力室に圧縮空気が給排され、駆動機構26が作動する。これにより、ロッド27が駆動機構26に引き込まれる方向又は駆動機構26から押し出される方向に移動するように、操作される。
尚、本実施形態では、駆動機構26が、空圧式のシリンダ機構として構成された形態を例示したが、この通りでなくもよい。駆動機構26は、油圧式のシリンダ機構や電磁ソレノイド機構として構成されてもよい。また、駆動機構26は、シリンダ機構以外の機構として構成されてもよい。例えば、電動モータとラックアンドピニオンとを備えた機構、又は、電動モータとボールスクリューとを備えた機構、等として構成されてもよい。
[ロッド]
ロッド27は、直線状に延びる部材として設けられており、軸線方向を有し、例えば、円形断面で軸線方向に延びる部材として設けられている。ロッド27は、本体11の内部に配置されており、一方の端部において、本体11に固定された駆動機構26に連結されている。また、ロッド27は、本体11の内部において、前方壁16の内側に配置されている。そして、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面である前方壁16の表面16aに沿って延びるように配置されている。即ち、ロッド27は、ロッド27の軸線方向が、本体11における開口22が設けられた面(前方壁16の表面16a)に沿って延びた状態で、前方壁16の内側に配置されている。尚、ロッド27が、本体11における開口22が設けられた面(表面16a)に沿って延びる状態とは、開口22が設けられた面(表面16a)と平行にロッド27が延びる状態に限らず、開口22が設けられた面(表面16a)に対して多少傾斜している状態も含まれる。
ロッド27は、直線状に延びる部材として設けられており、軸線方向を有し、例えば、円形断面で軸線方向に延びる部材として設けられている。ロッド27は、本体11の内部に配置されており、一方の端部において、本体11に固定された駆動機構26に連結されている。また、ロッド27は、本体11の内部において、前方壁16の内側に配置されている。そして、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面である前方壁16の表面16aに沿って延びるように配置されている。即ち、ロッド27は、ロッド27の軸線方向が、本体11における開口22が設けられた面(前方壁16の表面16a)に沿って延びた状態で、前方壁16の内側に配置されている。尚、ロッド27が、本体11における開口22が設けられた面(表面16a)に沿って延びる状態とは、開口22が設けられた面(表面16a)と平行にロッド27が延びる状態に限らず、開口22が設けられた面(表面16a)に対して多少傾斜している状態も含まれる。
また、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面に沿って延びるとともに、開口22の縁部分に沿って水平方向に延びるように配置されている。尚、扉12の上端側に配置される密着機構14aのロッド27は、開口22の上端側の縁部分に沿って水平方向に延びるように配置され、扉12の下端側に配置される密着機構14bのロッド27は、開口22の下端側の縁部分に沿って水平方向に延びるように配置されている。
また、ロッド27は、駆動機構26によって操作されることで、ロッド27の軸線方向に沿って移動するように構成されている。更に、ロッド27は、駆動機構26によってロッド27の軸線方向に沿って移動するように操作されることで、開口22が扉12によって閉じられた状態で扉12を本体11側へ押圧する押圧方向と異なる方向として直角方向に移動するように構成されている。開口22が扉12によって閉じられた状態で扉12を本体11側へ押圧する押圧方向は、前方壁16の表面16aに対して垂直な方向であって、開口22を塞ぐ扉12を本体11側へ密着させるように本体11側へ押し付ける方向である。尚、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向については、図6(A)及び図6(B)において矢印X1で示している。また、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向の直角方向は、押圧方向に対して直交する方向であって、駆動機構26によって操作されたロッド27がその軸線方向に沿って駆動機構26に引き込まれるように移動するロッド27の移動方向である。尚、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向の直角方向であって、駆動機構26によって操作されるロッド27の移動方向については、図6(A)及び図6(B)において矢印X2で示している。上記のように、ロッド27は、駆動機構26によって操作されることで、駆動機構26に引き込まれ、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向の直角方向に移動する。尚、ロッド27は、駆動機構26に引き込まれる方向に操作された状態から、ロッド27の軸線方向に沿って逆方向に操作されることで、駆動機構26から押し出される方向に移動するようにも構成されている。
[分力手段]
分力手段28は、扉12が開口22を閉じた状態でロッド27をロッド27の移動方向に操作する操作力を分力して扉12を本体11側へ密着させる機構として設けられている。密着機構14において、分力手段28は、複数備えられている。即ち、密着機構14a及び密着機構14bのいずれにおいても、分力手段28が複数備えられている。本実施形態では、密着機構14a及び密着機構14bのそれぞれにおいて、分力手段28が4つ設けられている。
分力手段28は、扉12が開口22を閉じた状態でロッド27をロッド27の移動方向に操作する操作力を分力して扉12を本体11側へ密着させる機構として設けられている。密着機構14において、分力手段28は、複数備えられている。即ち、密着機構14a及び密着機構14bのいずれにおいても、分力手段28が複数備えられている。本実施形態では、密着機構14a及び密着機構14bのそれぞれにおいて、分力手段28が4つ設けられている。
密着機構14における複数の分力手段28のそれぞれは、カム部材29と、カムフォロア30と、弾性体31とを有している。カム部材29及び弾性体31は、本体11側に設けられ、ロッド27に取り付けられている。カムフォロア30は、扉12側に設けられている。そして、分力手段28は、扉12が開口22を閉じた状態で駆動機構26によって操作されたロッド27が移動すると、カム部材29とカムフォロア30とが当接し、ロッド27を移動方向に操作する操作力から、カム部材29からカムフォロア30へと向かう成分の力を分力するように構成されている。そして、分力手段28は、ロッド27を操作する操作力から分力した力をカム部材29からカムフォロア30へ伝達することで、カムフォロア30が設けられた扉12を本体11側へ押圧して密着させるように構成されている。以下、カム部材29、弾性体31、及びカムフォロア30の構成について、更に詳しく説明する。
カム部材29は、密着機構14における複数の分力手段28のそれぞれに設けられ、本実施形態では、密着機構14において4つ設けられている。密着機構14における4つのカム部材29は、いずれもロッド27に取り付けられており、ロッド27の軸線方向に沿って並んで取り付けられている。そして、ロッド27に取り付けられたカム部材29は、くさび状の部材として設けられている。カム部材29には、カム部材29がロッド27に取り付けられた状態で駆動機構26の操作によるロッド27の移動方向に対して傾斜した面に沿って延びるテーパ面38が設けられている。また、テーパ面38は、上下方向とロッド27の軸線方向に対して斜めの方向とに広がる面に沿って延びるように構成されている。
また、カム部材29は、取付部材32を介して、ロッド27に取り付けられている。より具体的には、カム部材29が取付部材32に固定され、カム部材29が固定された取付部材32がロッド27に装着されることで、カム部材29がロッド27に取り付けられている。取付部材32は、一体に設けられたロッド挿通部32aとカム台座部32bとを有して構成されている。ロッド挿通部32aは、ロッド27が軸線方向に貫通して挿通される挿通孔が設けられた板状の部分として設けられ、ロッド27に対してロッド27の軸線方向にスライドして相対変位可能に支持されている。尚、ロッド27には、ロッド27に対してスライドして相対変位可能なロッド挿通部32aに対して当接するカム位置規定部33が設けられている。カム位置規定部33は、ロッド挿通部32aに当接することで、カム部材29が固定される取付部材32のロッド27の軸線方向における一方への変位を規制して取付部材32とともにカム部材29の位置を規定するように設けられている。カム位置規定部33は、例えば、ロッド27に係合してロッド27に固定されるリング状の部材として設けられている。
カム台座部32bは、ロッド27の軸線方向と平行に延びる板状の部分として設けられ、カム部材29が固定されている。また、カム台座部32bは、ロッド27の移動に伴って取付部材32及びカム部材29が移動するときに、本体11の前方壁16の内側に設けられたレール34に対してスライド移動自在に支持されている。尚、レール34は、本体11の前方壁16の内側において前方壁16に固定されており、ロッド27の軸線方向及びロッド27の移動方向と平行に延びるように設置されている。また、レール34は、本体11において、分力手段28と同数設置されており、各レール34は、各分力手段28の取付部材32に対応する位置に設けられている。尚、ロッド27に取り付けられた取付部材32がレール34に対してスライド移動自在に設けられていることで、ロッド27もレール34に対してスライド移動自在に支持されている。
カムフォロア30は、密着機構14における複数の分力手段28のそれぞれに設けられ、本実施形態では、密着機構14において4つ設けられている。密着機構14における4つのカムフォロア30は、いずれも扉12の縁部分に設けられており、扉12の外側部分12aにおける縁部分に設けられている。尚、密着機構14aにおける4つのカムフォロア30は、扉12の上端側の縁部分に設けられており、扉12の上端側の縁分に沿って略均等間隔で並んで配置されている。また、密着機構14bにおける4つのカムフォロア30は、扉12の下端側の縁部分に設けられており、扉12の下端側の縁部分に沿って略均等間隔で並んで配置されている。
扉12の縁部分に設けられるカムフォロア30は、高さの低い円柱ローラ状の部材として設けられている。より具体的には、カムフォロア30は、扉12の縁分に対して、上下に延びる中心軸回りに回転自在な状態で取り付けられ、中心軸と垂直な断面が円形で、円形断面の直径寸法よりも高さ寸法が小さい円柱状の部材として設けられている。そして、カムフォロア30は、扉12が開口22を閉じた状態で、駆動機構26がロッド27を駆動機構26に引き込む方向に移動するように操作した際に、ロッド27とともに移動したカム部材29と当接するように構成されている。更に、カムフォロア30は、カム部材29と当接することで、駆動機構26によるロッド27の操作力から分力された力を扉12に伝達するように構成されている。
図7(A)は、熱処理装置1の扉12と密着機構14とについて上方から見た状態で示す図であり、図7(B)は、図7(A)の一部を拡大して示す図である。尚、図7(A)及び図7(B)は、図6(A)及び図6(B)に対応して示す図であって、ロッド27が駆動機構26によって引き込む方向に移動するように操作された状態を示している。図7(A)及び図7(B)に示すように、カムフォロア30は、扉12が開口22を閉じた状態でロッド27が駆動機構26に引き込まれる方向に移動した際に、ロッド27とともに移動したカム部材29と当接する。このとき、カム部材29のテーパ面38と円柱状のカムフォロア30の外周面39とが当接することで、カム部材29とカムフォロア30とが当接する。
カム部材29とカムフォロア30とが当接すると、駆動機構26によるロッド27の操作力の一部が、駆動機構26によって操作されて移動したロッド27とともに移動したカム部材29からカムフォロア30へと伝達される。即ち、カム部材29とカムフォロア30とが当接することで、ロッド27が駆動機構26に引き込まれる方向に移動する方向であるロッド27の移動方向における駆動機構26によるロッド27の操作力から、カム部材29からカムフォロア30へと向かう方向の力が分力され、カムフォロア30に伝達される。ロッド27の操作力から分力された力は、カム部材29からカムフォロア30へと伝達されると、更に、扉12に設けられたカムフォロア30から扉12へと伝達される。これにより、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向(図7(A)及び図7(B)において矢印X1で示す方向)に扉12が付勢され、開口22を塞ぐ扉12が本体11側へ密着するように本体11に対して押し付けられる。上記のように、カムフォロア30は、カム部材29と当接することでロッド27の操作力から分力された力を扉12に伝達するように構成されている。
また、カムフォロア30は、扉12が開口22を閉じた状態では、本体11の前方壁16の内側に配置され、前方壁16から外部に突出しないように構成されている。具体的には、図1乃至図3に示すように、本体11には、開口22の縁部分において、扉12が開口22を閉じる際にカムフォロア30を受け入れる凹部37が設けられている。凹部37は、本体11の前方壁16における開口22の縁部分において、前方壁16が部分的に切り欠かれることで、前方壁16の内側に向かって凹むように形成された領域として設けられている。そして、凹部37は、カムフォロア30と同数設けられており、前方壁16における開口22の縁部分において、扉12が開口22を閉じた状態でカムフォロア30に対応する位置に設けられている。尚、密着機構14aの複数のカムフォロア30に対応する複数の凹部37は、前方壁16における開口22の上端側の縁部分に設けられており、開口22の上端側の縁部分に沿って並んで設けられている。また、密着機構14bの複数のカムフォロア30に対応する複数の凹部37は、前方壁16における開口22の下端側の縁部分に設けられており、開口22の下端側の縁部分に沿って並んで設けられている。
扉12が開口22を閉じると、扉12の外側部分12aの外周縁部が開口22の外側縁部23aに当接して開口22を塞ぐとともに、カムフォロア30が凹部37に受け入れられた状態となる。扉12が開口22を閉じ、ロッド27が駆動機構26に引き込まれる方向に移動していない状態においては、図1及び図3に示すように、カム部材29は、前方壁16の内側で凹部37から露出しない位置に位置している。また、ロッド27も、前方壁16の内側で凹部37の上方で凹部37から露出しない位置で延びるように配置されている。そして、扉12が開口22を閉じてカムフォロア30が凹部37に受け入れられた状態でロッド27が駆動機構26に引き込まれる方向に移動することで、カム部材29が、カムフォロア30に向かって移動し、カムフォロア30に当接する。
弾性体31は、密着機構14における複数の分力手段28のそれぞれに設けられ、本実施形態では、密着機構14において4つ設けられている。密着機構14における4つの弾性体31は、いずれもロッド27に装着されており、ロッド27の外周において軸線方向に沿って並んで配置されている。そして、ロッド27に装着された弾性体31は、弾性力を有する部材として設けられており、本実施形態では、金属製のコイルバネとして設けられている。
また、弾性体31は、ロッド27の軸に嵌め込まれた状態でロッド27に装着されている。即ち、コイルバネとして設けられた弾性体31は、コイルバネの内側にロッド27が挿通された状態で、且つ、コイルバネとしての弾性変形方向とロッド27の軸線方向とが同じ方向に延びる状態で、ロッド27に装着されている。このため、弾性体31は、ロッド27の軸線上に配置されている。そして、密着機構14における複数の弾性体31は、ロッド27の軸線上に並んで配置されている。
また、弾性体31は、ロッド27の軸線方向において取付部材32のロッド挿通部32aと隣接して並んだ状態で、ロッド27に装着されている。また、ロッド27には、弾性体31に対してロッド挿通部32a側と反対側で弾性体31の端部に当接することで、弾性体31のロッド27の軸線方向における位置を規定する弾性体位置規定部35が設けられている。弾性体位置規定部35は、例えば、ロッド27に係合してロッド27に固定されるリング状の部材として設けられている。
尚、ロッド27には、ロッド27の軸線方向に沿って並ぶ複数の弾性体31の間において、スペーサ36が設けられている。スペーサ36は、ロッド27の軸線方向において隣り合う弾性体31の間であって、カム位置規定部33と弾性体位置規定部35との間において、ロッド27に装着されている。スペーサ36は、ロッド27が挿通される筒状の部材として設けられ、一方の端部がカム位置規定部33に当接し、他方の端部が弾性体位置規定部35に当接している。このため、ロッド27に固定されたカム位置規定部33と弾性体位置規定部35との間の距離が確実に一定の距離に維持されている。
弾性体位置規定部35と、弾性体31と、取付部材32のロッド挿通部32aと、カム位置規定部33とは、ロッド27の軸線方向に沿って、この順番で並んで配置されている。そして、弾性体31は、その一方の端部のロッド27に対する位置が弾性体位置規定部35によって規定された状態で、その他方の端部がロッド挿通部32aに当接してロッド挿通部32aを付勢するように、ロッド27に装着されている。また、ロッド27が駆動機構26によって引き込まれる方向に操作されていない状態では、弾性体31に付勢されたロッド挿通部32aは、カム位置規定部33に当接している。
弾性体31は、弾性体位置規定部35とロッド挿通部32aとに当接しているため、ロッド挿通部32aがカム位置規定部33に当接した状態のままロッド27が移動する際には、弾性変形量が変わることなく同一の長さのまま、ロッド27とともに移動する。しかし、図7(A)及び図7(B)に示すように、ロッド27が駆動機構26によって引き込まれる方向に操作され、カム部材29とカムフォロア30とが当接すると、ロッド27の軸線方向に沿ったカム部材29の移動が規制される。
ロッド27の移動に伴ってカム部材29とカムフォロア30とが当接し、カム部材29の移動が規制されると、カム部材29が固定された取付部材32のロッド挿通部32aから弾性体31に対して弾性体31を弾性体位置規定部35側へ付勢する力が作用する。このため、ロッド27が移動しても、弾性体31が圧縮方向に弾性変形して、取付部材32及びカム部材29のロッド27の軸線方向に沿った移動が吸収される。即ち、取付部材32及びカム部材29のロッド27の軸線方向に沿った移動量が、ロッド27の移動量に比して抑制される。尚、カム部材29とカムフォロア30とが当接して、カム部材29及び取付部材32の移動量が、ロッド27の移動量に対して抑制された状態では、取付部材32のロッド挿通部32aとカム位置規定部33とがロッド27の軸線方向において離間した状態となる。
上記のように、弾性体31は、ロッド27が移動した際に、カムフォロア30に当接したカム部材29が固定された取付部材32からの付勢力によって弾性変形することで、ロッド27の移動量に対してカム部材29の移動量を抑制するように構成されている。
[ロッドの操作量の設定]
熱処理装置1においては、制御部15からの制御指令に基づいて駆動機構26が作動してロッド27が操作され、ロッド27が駆動機構26に引き込まれる方向に移動し、カム部材29がカムフォロア30と当接し、扉12が本体11側へ密着するように押圧される。その際に、ロッド27をロッド27の移動方向に操作する操作量(即ち、ロッド27の移動方向のストローク量)については、扉12が開口22を閉じてロッド27が移動する前の状態でのロッド27の移動方向におけるカム部材29とカムフォロア30との間の設定距離よりも所定量大きくなるように設定されている。これにより、ロッド27を移動方向に操作する操作量については、カム部材29及びカムフォロア30といった部品の寸法誤差及びそれらの部品を組み立てる際の組立誤差があっても、カム部材29とカムフォロア30との位置決めを精度よく制御できるように設定される。以下、ロッド27を駆動機構26に引き込む方向に移動させるように操作する際のロッド27の操作量の設定について更に詳しく説明する。
熱処理装置1においては、制御部15からの制御指令に基づいて駆動機構26が作動してロッド27が操作され、ロッド27が駆動機構26に引き込まれる方向に移動し、カム部材29がカムフォロア30と当接し、扉12が本体11側へ密着するように押圧される。その際に、ロッド27をロッド27の移動方向に操作する操作量(即ち、ロッド27の移動方向のストローク量)については、扉12が開口22を閉じてロッド27が移動する前の状態でのロッド27の移動方向におけるカム部材29とカムフォロア30との間の設定距離よりも所定量大きくなるように設定されている。これにより、ロッド27を移動方向に操作する操作量については、カム部材29及びカムフォロア30といった部品の寸法誤差及びそれらの部品を組み立てる際の組立誤差があっても、カム部材29とカムフォロア30との位置決めを精度よく制御できるように設定される。以下、ロッド27を駆動機構26に引き込む方向に移動させるように操作する際のロッド27の操作量の設定について更に詳しく説明する。
図8(A)、図8(B)、及び図8(C)は、密着機構14におけるロッド27の操作量Yの設定について説明するための図である。尚、図8(A)~(C)では、密着機構14が、4つのカム部材29として、カム部材29a、カム部材29b、カム部材29c、及びカム部材29dを有し、4つのカムフォロア30として、カムフォロア30a、カムフォロア30b、カムフォロア30c、及びカムフォロア30dを有し、4つの弾性体31として、弾性体31a、弾性体31b、弾性体31c、及び弾性体31dを有する形態を示している。
ロッド27の操作量Yの設定においては、まず、ロッド27の操作量Yを設定するための基準値としての設定距離Xが、決定される。そして、基準値としての設定距離Xが決定されると、次いで、設定距離Xに対して上乗せされる分の移動量となる所定量が決定される。そして、最終的に、設定距離Xに対して所定量が加算された値として、ロッド27の操作量Yが決定される。
図8(A)を参照して、ロッド27の操作量Yの設定に際し、まず、ロッド27の操作量Yを設定するための基準値としての設定距離Xが決定される。設定距離Xは、扉12が開口22を閉じてロッド27が移動する前の状態でのロッド27の移動方向におけるカム部材29とカムフォロア30との間の設定距離である。設定距離Xは、カム部材29及びカムフォロア30といった部品の寸法誤差及び組立誤差が無いと仮定される場合における、カム部材29におけるカムフォロア30に当接する部分の位置と、カムフォロア30におけるカム部材29に当接する部分の位置との間の距離に相当する。また、設定距離Xは、カム部材29及びカムフォロア30といった部品の寸法誤差及び組立誤差が無いと仮定される場合における、ロッド27を駆動機構26に引き込む方向に移動させるように操作する際のカム部材29の移動量に相当する。設定距離Xは、次のステップ1からステップ5を経て決定される。
まず、ステップ1では、扉12の気密性と、扉12が開口22を閉じた状態で本体11内に充填されたガスによって扉12にかかる内圧に抗して扉12を本体11に密着させることが可能な力とに基づいて、扉12を本体11側にどの程度の強さで押圧するかを規定するための扉12の押圧力が設定される。次いで、ステップ2では、ステップ1で設定された扉12の押圧力に基づいて、1つのカム部材29当たりの押圧力が設定される。具体的には、ステップ1で設定された扉12の押圧力を熱処理装置1に備えられるカム部材29の数で除して得られる商の値が、1つのカム部材29当たりの押圧力として設定される。
ステップ3では、ステップ2で設定された1つのカム部材29当たりの押圧力に耐える力を有するようにカムフォロア30の最大許容荷重が設定され、カムフォロア30の選定が行われる。ステップ3では、カムフォロア30の選定が行われることで、カムフォロア30の直径寸法も決定する。
ステップ4では、くさび状の部材であるカム部材29の傾斜角度が設定される。即ち、カム部材29のテーパ面38がロッド27の軸線方向に対して傾斜する角度であるカム部材29の傾斜角度が設定される。カム部材29の傾斜角度は、駆動機構26の推力を小さくするためには、傾斜角度をより緩い角度に設定する必要がある。一方、傾斜角度を緩い角度に設定すると、カム部材29の長さが長くなってしまう。このため、カム部材29の長さの増大を抑制するためには、傾斜角度をより急な角度に設定する必要がある。そこで、カム部材29の傾斜角度は、駆動機構26の推力を小さくする観点と、カム部材29の長さの増大を抑制する観点との兼ね合いで、最適な傾斜角度に設定される。
ステップ5では、カム部材29がカムフォロア30に接触しない位置まで離間した位置である、カム部材29の移動開始位置が設定される。カム部材29の移動開始位置は、ロッド27が操作されて駆動機構26に引き込まれる方向に移動する前の状態でのカム部材29の位置であって、ロッド27が操作された際にカム部材29の移動が開始される位置である。また、ステップ5では、カム部材29がカムフォロア30に接触して扉12の押圧が完了するまでカム部材29を移動させた位置である、カム部材29の移動終了位置が設定される。カム部材29の移動終了位置は、カム部材29がカムフォロア30に当接してカム部材29の移動が終了し、ロッド27の操作力から分力した力をカムフォロア30に伝達する位置である。カム部材29の移動終了位置は、ステップ3で決定されたカムフォロア30の直径寸法と、ステップ4で設定されたカム部材29の傾斜角度とに基づいて、設定される。そして、ステップ5では、カム部材29の移動開始位置と、カム部材29の移動終了位置とに基づいて、設定距離Xが決定される。即ち、設定距離Xが、カム部材29の移動開始位置とカム部材29の移動終了位置との間でカム部材29を移動させるために必要なストローク量として決定される。
設定距離Xが決定されると、次いで、設定距離Xに対して上乗せされる分のロッド27の移動量となる所定量が決定される。所定量は、カム部材29をカムフォロア30に押し付けるときに弾性体31を圧縮方向に弾性変形させる際の弾性体31の圧縮量と、カム部材29及びカムフォロア30といった部品の寸法誤差及び部品の組立誤差によるバラツキ量の最大値との和として決定される。この所定量として、さらに、安全係数(安全率)をかけてもよい。弾性体31の圧縮量については、設定距離Xの決定のプロセスにおけるステップ2において設定された1つのカム部材29当たりの押圧力と、選定された弾性体31の弾性係数とに基づいて、決定される。部品の寸法誤差及び部品の組立誤差によるバラツキ量の最大値は、熱処理装置1においてカム部材29とカムフォロア30とが設置された際における、設定距離Xに対応する距離の実際の寸法のバラツキ量の最大値である。
ここで、部品の寸法誤差及び部品の組立誤差によるバラツキ量の最大値について、更に詳しく説明する。図8(A)に示すように、カム部材29及びカムフォロア30といった部品の寸法誤差及び組立誤差が無ければ、カム部材29におけるカムフォロア30に当接する部分の位置と、カムフォロア30におけるカム部材29に当接する部分の位置との間の距離である当接位置間距離は、設定距離Xとなる。即ち、カム部材29a及びカムフォロア30aの当接位置間距離と、カム部材29b及びカムフォロア30bの当接位置間距離と、カム部材29c及びカムフォロア30cの当接位置間距離と、カム部材29d及びカムフォロア30dの当接位置間距離とは、いずれも、設定距離Xとなる。しかし、熱処理装置1においてカム部材29とカムフォロア30とが実際に設置される際には、設定距離Xに対応する距離である当接位置間距離の実際の寸法にバラツキが生じる。
図8(B)は、熱処理装置1においてカム部材29とカムフォロア30とが実際に設置された状態を示している。図8(B)に示す状態では、カム部材29a及びカムフォロア30aの当接位置間距離はXaであり、カム部材29b及びカムフォロア30bの当接位置間距離はXbであり、カム部材29c及びカムフォロア30cの当接位置間距離はXcであり、カム部材29d及びカムフォロア30dの当接位置間距離はXdである。そして、部品の寸法誤差及び部品の組立誤差によるバラツキ量は、設定距離Xと、カム部材29及びカムフォロア30の当接位置間距離との差分の大きさ(絶対値)となる。このため、部品の寸法誤差及び部品の組立誤差によるバラツキ量は、カム部材29a及びカムフォロア30aについては|X-Xa|であり、カム部材29b及びカムフォロア30aについては|X-Xb|であり、カム部材29c及びカムフォロア30cについては|X-Xc|であり、カム部材29d及びカムフォロア30dについては|X-Xd|である。そして、部品の寸法誤差及び部品の組立誤差によるバラツキ量の最大値は、|X-Xa|、|X-Xb|、|X-Xc|、及び|X-Xd|のうちの最大の値となる。
弾性体31の圧縮量と、部品の寸法誤差及び部品の組立誤差によるバラツキ量の最大値とが決定されると、これらの和として、設定距離Xに対して上乗せされる分のロッド27の移動量となる所定量が決定される。所定量が決定されると、最終的に、設定距離Xに対して所定量が加算された値として、ロッド27の操作量Yが決定され、熱処理装置1におけるロッド27の操作量Yが設定される。
ここで、ロッド27の操作量Yが設定され、設定された操作量Yを移動するようにロッド27が操作される場合について説明する。図8(B)を参照して、扉12が開口22を閉じてロッド27が移動する前の状態では、各カム部材29a~29dと各カムフォロア30a~30dとの当接位置間距離は、それぞれ、Xa~Xdである。図8(B)に示す状態から、操作量Yを移動するようにロッド27が操作される。そうすると、図8(C)を参照して、ロッド27は、操作量Yの移動量を移動し、ロッド27に固定されたカム位置規定部33も操作量Yの移動量をカムフォロア30側へ向かって移動する。
一方、ロッド27が操作量Yを移動する際には、各カム部材29a~29dは、各カムフォロア30a~30dに向かって各当接位置間距離Xa~Xdを移動し、各カムフォロア30a~30dに当接する。そして、各カム部材29a~29dは、各カムフォロア30a~30dに当接した状態で、ロッド27の軸線方向に沿った移動が停止する。そして、各カム部材29a~29dの移動が停止した後も、ロッド27は、操作量Yに亘る移動を終了するまで移動する。このため、各カム部材29a~29dと各カムフォロア30a~30dとが当接する前の状態では接触していたロッド27側のカム位置規定部33とカム部材29側のロッド挿通部32aとが、ロッド27の軸線方向に沿って離間することになる。そして、各弾性体31a~31dが、圧縮方向に弾性変形し、取付部材32を介して各カム部材29a~29dを付勢する。これにより、各カム部材29a~29dによって各カムフォロア30a~30dが押圧され、各カムフォロア30a~30dが、扉12を本体11側へ密着させるように押圧する。
ロッド27の操作量Yに亘る移動が終了すると、弾性体31aに隣接したロッド挿通部32aとカム位置規定部33とが、操作量Yと当接位置間距離Xaとの差分の距離Da(Da=Y―Xa)離間し、弾性体31aは、ロッド27の移動前の状態から距離Daだけ圧縮された状態となる。また、弾性体31bに隣接したロッド挿通部32aとカム位置規定部33とが、操作量Yと当接位置間距離Xbとの差分の距離Db(Db=Y―Xb)離間し、弾性体31bは、ロッド27の移動前の状態から距離Dbだけ圧縮された状態となる。また、弾性体31cに隣接したロッド挿通部32aとカム位置規定部33とが、操作量Yと当接位置間距離Xcとの差分の距離Dc(Dc=Y―Xc)離間し、弾性体31cは、ロッド27の移動前の状態から距離Dcだけ圧縮された状態となる。また、弾性体31dに隣接したロッド挿通部32aとカム位置規定部33とが、操作量Yと当接位置間距離Xdとの差分の距離Dd(Dd=Y―Xd)離間し、弾性体31dは、ロッド27の移動前の状態から距離Ddだけ圧縮された状態となる。
[弾性体の弾性力の設定]
密着機構14においては、分力手段28が複数備えられ、複数の分力手段28のそれぞれにおいて弾性体31が備えられている。そして、密着機構14では、複数の分力手段28が有する複数の弾性体31において、開口22を閉じた状態の扉12を基準として丁番23側に配置された弾性体31に対して、開口22を閉じた状態の扉12を基準として丁番23側から離れた側に配置された弾性体31の弾性力が大きく設定されている。尚、弾性体31の弾性係数がより大きく設定されることで、弾性体31の弾性力がより大きく設定される。以下、弾性体31の弾性力の設定について更に詳しく説明する。
密着機構14においては、分力手段28が複数備えられ、複数の分力手段28のそれぞれにおいて弾性体31が備えられている。そして、密着機構14では、複数の分力手段28が有する複数の弾性体31において、開口22を閉じた状態の扉12を基準として丁番23側に配置された弾性体31に対して、開口22を閉じた状態の扉12を基準として丁番23側から離れた側に配置された弾性体31の弾性力が大きく設定されている。尚、弾性体31の弾性係数がより大きく設定されることで、弾性体31の弾性力がより大きく設定される。以下、弾性体31の弾性力の設定について更に詳しく説明する。
図9(A)、図9(B)、図9(C)、図9(D)、図9(E)、及び図9(F)は、密着機構14における弾性体31の弾性力の設定について説明するための図である。尚、図9(A)は、密着機構14における弾性体31a~31dの配置を示す図である。図9(A)に示すように、弾性体31a~31dは、いずれもコイルバネとして設けられており、以下、弾性体31a、弾性体31b、弾性体31c、及び弾性体31dについて、それぞれ、バネa、バネb、バネc、及びバネdとも称する。図9(B)~(E)は、バネa~dの弾性力の設定例を示す図であり、各バネa~dについての弾性力の大きさを示す図である。尚、バネa~dは、バネd、バネc、バネb、バネaの順番で、開口22を閉じた状態の扉12を基準として、丁番23側から、丁番23側と反対側で丁番23側から離れた側である扉12の端部側へと、並んで配置されている。
図9(B)に示すバネa~dの弾性力の設定例では、バネd、バネc、バネb、バネaの順番で弾性力が大きくなるように設定されており、バネdの弾性力が最も小さく設定され、バネaの弾性力が最も大きく設定されている。この例では、複数のバネa~dにおいて、丁番23側に配置されたバネdに対して、丁番23側から離れた側である扉12の端部側に配置されたバネaの弾性力が大きく設定されている。また、この例では、複数のバネa~dにおいて、丁番23側から最も離れた側に配置されたバネaの弾性力が最も大きく設定されている。
図9(C)に示すバネa~dの弾性力の設定例は、ロック手段13が、扉12に対して、丁番23側と反対側の扉12の端部側ではなく、扉12の上端側と下端側とに配置されており、更に、バネbに対応する位置にロック手段13が配置されている形態において適用される設定例である。この例では、複数のバネa~dにおいて、丁番23側に配置されたバネd、バネc、及びバネbに対して、丁番23側から離れた側である扉12の端部側に配置されたバネaの弾性力が大きく設定されている。また、この例では、複数のバネa~dにおいて、ロック手段13に対応する位置に配置されているバネbの弾性力が最も小さく設定され、丁番23側から最も離れた側に配置されたバネaの弾性力が最も大きく設定されている。
図9(D)に示すバネa~dの弾性力の設定例では、バネdの弾性力が最も小さく設定され、バネaの弾性力が最も大きく設定されている。そして、バネc及びバネbの弾性力は、同じ大きさで、バネdの弾性力よりも大きくてバネaの弾性力よりも小さく設定されている。この例では、複数のバネa~dにおいて、丁番23側に配置されたバネdに対して、丁番23側から離れた側である扉12の端部側に配置されたバネaの弾性力が大きく設定されている。また、この例では、複数のバネa~dにおいて、丁番23側から最も離れた側に配置されたバネaの弾性力が最も大きく設定されている。
図9(E)に示すバネa~dの弾性力の設定例は、扉12が、バネbに対応する位置において、部分的に上下に広がるように形成されている形態において適用される設定例である。図9(F)は、バネbに対応する位置において、部分的に上下に広がるように形成された扉12の形態を模式的に示す図である。この例では、複数のバネa~dにおいて、丁番23側に配置されたバネcに対して、丁番23側から離れた側である扉12の端部側に配置されたバネbの弾性力が大きく設定されている。また、この例では、複数のバネa~dにおいて、扉12における部分的に広がった部分に対応する位置に配置されているバネbの弾性力が最も大きく設定されている。
熱処理装置1の密着機構14においては、弾性体31が4つ備えられているが、密着機構14に備えられる弾性体31の数が3つ又は2つ或いは5つ以上である場合であっても、弾性体31の数が4つの場合と同様に弾性体31の弾性力を設定することができる。即ち、弾性体31の数が4つ以外の複数の場合であっても、複数の弾性体31において、開口22を閉じた状態の扉12を基準として丁番23側に配置された弾性体31に対して、開口22を閉じた状態の扉12を基準として丁番23側から離れた側に配置された弾性体31の弾性力を大きく設定することができる。
図10(A)、図10(B)、及び図10(C)は、弾性体31が3つ備えられている変形例に係る密着機構14における弾性体31の弾性力の設定について説明するための図である。尚、図10(A)は、変形例に係る密着機構14における3つの弾性体31a~31cの配置を示す図である。図10(A)に示す変形例に係る密着機構14では、分力手段28が3つ備えられており、3つの分力手段28のそれぞれが、弾性体31を備えている。図10(A)に示すように、弾性体31a~31cは、いずれもコイルバネとして設けられており、以下、弾性体31a、弾性体31b、及び弾性体31cについて、それぞれ、バネa、バネb、及びバネcとも称する。図10(B)及び図10(C)は、バネa~cの弾性力の設定例を示す図であり、各バネa~cについての弾性力の大きさを示す図である。尚、バネa~cは、バネc、バネb、バネaの順番で、開口22を閉じた状態の扉12を基準として、丁番23側から、丁番23側と反対側で丁番23側から離れた側である扉12の端部側へと、並んで配置されている。
図10(B)に示すバネa~cの弾性力の設定例では、バネc、バネb、バネaの順番で弾性力が大きくなるように設定されており、バネcの弾性力が最も小さく設定され、バネaの弾性力が最も大きく設定されている。この例では、複数のバネa~cにおいて、丁番23側に配置されたバネcに対して、丁番23側から離れた側である扉12の端部側に配置されたバネaの弾性力が大きく設定されている。また、この例では、複数のバネa~cにおいて、丁番23側から最も離れた側に配置されたバネaの弾性力が最も大きく設定されている。
図10(C)に示すバネa~cの弾性力の設定例は、ロック手段13が、扉12に対して、丁番23側と反対側の扉12の端部側ではなく、扉12の上端側と下端側とに配置されており、更に、バネbに対応する位置にロック手段13が配置されている形態において適用される設定例である。この例では、複数のバネa~cにおいて、丁番23側に配置されたバネc及びバネbに対して、丁番23側から離れた側である扉12の端部側に配置されたバネaの弾性力が大きく設定されている。また、この例では、複数のバネa~cにおいて、ロック手段13に対応する位置に配置されているバネbの弾性力が最も小さく設定され、丁番23側から最も離れた側に配置されたバネaの弾性力が最も大きく設定されている。
図11(A)、図11(B)、図11(C)、及び図11(D)は、弾性体31が2つ備えられている変形例に係る密着機構14における弾性体31の弾性力の設定について説明するための図である。尚、図11(A)及び図11(B)は、変形例に係る密着機構14における2つの弾性体31a及び31bの配置例を示す図である。図11(A)及び図11(B)のそれぞれに示す変形例に係る密着機構14では、分力手段28が2つ備えられており、2つの分力手段28のそれぞれが、弾性体31を備えている。尚、図11(A)に示す密着機構14と、図11(B)に示す密着機構14とでは、弾性体31aと弾性体31bとの間の距離が異なっている。より具体的には、図11(B)に示す密着機構14は、図11(A)に示す密着機構14に対して、弾性体31bが弾性体31aにより近い位置に配置されている。
図11(A)及び図11(B)に示すように、弾性体31a及び弾性体31bは、いずれもコイルバネとして設けられており、以下、弾性体31a及び弾性体31bについて、それぞれ、バネa及びバネbとも称する。図11(C)は、図11(A)に示す密着機構14におけるバネa及びバネbの弾性力の設定例を示す図であり、バネa及びバネbの弾性力の大きさを示す図である。図11(D)は、図11(B)に示す密着機構14におけるバネa及びバネbの弾性力の設定例を示す図であり、バネa及びバネbの弾性力の大きさを示す図である。尚、図11(A)に示す密着機構14と図11(B)に示す密着機構14とのいずれにおいても、開口22を閉じた状態の扉12を基準として、バネbが、丁番23側に配置され、バネaが、丁番23側と反対側で丁番23側から離れた側である扉12の端部側に配置されている。
図11(C)に示すバネa及びバネbの弾性力の設定例では、複数のバネa~bにおいて、丁番23側に配置されたバネbに対して、丁番23側から離れた側である扉12の端部側に配置されたバネaの弾性力が大きく設定されている。尚、図11(C)に示すように、扉12の端部側に配置されたバネaに対してバネbが丁番23側に大きく離れて配置された図11(A)に示す密着機構14においては、バネaの弾性力に対して、バネbの弾性力が相当に小さく設定され、例えば、半分以下の大きさに設定されている。
図11(D)に示すバネa及びバネbの弾性力の設定例では、複数のバネa~bにおいて、丁番23側に配置されたバネbに対して、丁番23側から離れた側である扉12の端部側に配置されたバネaの弾性力が大きく設定されている。尚、図11(C)に示すように、丁番23側に配置されたバネbが扉12の端部側に配置されたバネaに対してより扉12の端部側に近い位置に配置された図11(A)に示す密着機構14においては、バネaの弾性力に対して、バネbの弾性力が少しだけ小さく設定されている。
[分力手段の配置]
熱処理装置1においては、密着機構14としての密着機構14a及び密着機構14bが、開口22を閉じた状態の扉12の上端側及び下端側にそれぞれ設けられている。そして、密着機構14a及び密着機構14bは、それぞれ、互いに当接するカム部材29及びカムフォロア30を有する分力手段28を4つ備えている。更に、扉12の上端側の密着機構14aにおける4つの分力手段28のそれぞれと、扉12の下端側の密着機構14bにおける4つの分力手段28のそれぞれとは、上下方向において並んで配置されている。これにより、熱処理装置1は、上下方向に対応して配置された分力手段28によって、扉12の上下それぞれの4箇所の位置において扉12を本体11側へ密着させて押圧するように構成されている。
熱処理装置1においては、密着機構14としての密着機構14a及び密着機構14bが、開口22を閉じた状態の扉12の上端側及び下端側にそれぞれ設けられている。そして、密着機構14a及び密着機構14bは、それぞれ、互いに当接するカム部材29及びカムフォロア30を有する分力手段28を4つ備えている。更に、扉12の上端側の密着機構14aにおける4つの分力手段28のそれぞれと、扉12の下端側の密着機構14bにおける4つの分力手段28のそれぞれとは、上下方向において並んで配置されている。これにより、熱処理装置1は、上下方向に対応して配置された分力手段28によって、扉12の上下それぞれの4箇所の位置において扉12を本体11側へ密着させて押圧するように構成されている。
上記のように、熱処理装置1においては、上下方向に対応して配置された分力手段28によって、扉12の上下それぞれの4箇所の位置において扉12が本体11側へと押圧される。しかし、この例に限らず、扉12の上下それぞれにおいて熱処理装置1とは異なる位置に配置された分力手段28によって、扉12が本体11側へ押圧される形態が実施されてもよい。
図12(A)、図12(B)、及び図12(C)は、変形例に係る熱処理装置1a~1cの密着機構14における分力手段28の配置について説明するための図である。尚、図12(A)は、変形例に係る熱処理装置1aの正面図であり、図12(B)は、変形例に係る熱処理装置1bの正面図であり、図12(C)は、熱処理装置1cの正面図である。尚、変形例に係る熱処理装置1a~1cの説明においては、熱処理装置1と同様の構成或いは対応する構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
図12(A)に示す変形例に係る熱処理装置1aにおいては、密着機構14としての密着機構14a及び密着機構14bが、開口22を閉じた状態の扉12の上端側及び下端側にそれぞれ設けられている。そして、密着機構14a及び密着機構14bは、それぞれ、互いに当接するカム部材29及びカムフォロア30を有する分力手段28を1つ備えている。
密着機構14aの分力手段28は、開口22を閉じた状態の扉12の上端側に配置されている。そして、密着機構14aの分力手段28は、開口22を閉じた状態の扉12を基準として、丁番23側よりも丁番23側と反対側である扉12の端部側に配置されている。また、密着機構14bの分力手段28は、開口22を閉じた状態の扉12の下端側に配置されている。そして、密着機構14bの分力手段28は、開口22を閉じた状態の扉12を基準として、丁番23側よりも丁番23側と反対側である扉12の端部側に配置されている。更に、扉12の上端側の密着機構14aにおける1つの分力手段28と、扉12の下端側の密着機構14bにおける1つの分力手段28とは、上下方向において並んで配置されている。これにより、熱処理装置1aは、上下方向に対応して配置された分力手段28によって、扉12の上下それぞれの1箇所の位置において扉12を本体11側へ密着させて押圧するように構成されている。
尚、熱処理装置1aにおいては、密着機構14a及び密着機構14bの分力手段28は、開口22を閉じた状態の扉12を基準として、丁番23側よりも扉12の端部側に配置さていたが、この通りでなくてもよい。例えば、密着機構14a及び密着機構14bの分力手段28は、丁番23側と扉12の端部側との間の中間部に配置されていてもよい。
図12(B)に示す変形例に係る熱処理装置1bにおいては、密着機構14としての密着機構14a及び密着機構14bが、開口22を閉じた状態の扉12の上端側及び下端側にそれぞれ設けられている。そして、密着機構14a及び密着機構14bは、それぞれ、互いに当接するカム部材29及びカムフォロア30を有する分力手段28を2つ備えている。
密着機構14aの2つの分力手段28は、開口22を閉じた状態の扉12の上端側に配置されている。そして、開口22を閉じた状態の扉12を基準として、密着機構14aの2つの分力手段28のうちの一方が、丁番23側と扉12の端部側との間の中間部に配置され、2つの分力手段28のうちの他方が、扉12の端部側に配置されている。また、密着機構14bの2つの分力手段28は、開口22を閉じた状態の扉12の下端側に配置されている。そして、開口22を閉じた状態の扉12を基準として、密着機構14bの2つの分力手段28のうちの一方が、丁番23側と扉12の端部側との間の中間部に配置され、2つの分力手段28のうちの他方が、扉12の端部側に配置されている。更に、扉12の上端側の密着機構14aにおける2つの分力手段28のそれぞれと、扉12の下端側の密着機構14bにおける2つの分力手段28のそれぞれとは、上下方向において並んで配置されている。これにより、熱処理装置1bは、上下方向に対応して配置された分力手段28によって、扉12の上下それぞれの2箇所の位置において扉12を本体11側へ密着させて押圧するように構成されている。
図12(C)に示す変形例に係る熱処理装置1cにおいては、密着機構14としての密着機構14a及び密着機構14bが、開口22を閉じた状態の扉12の上端側及び下端側にそれぞれ設けられている。そして、密着機構14a及び密着機構14bは、それぞれ、互いに当接するカム部材29及びカムフォロア30を有する分力手段28を3つ備えている。
密着機構14aの3つの分力手段28は、開口22を閉じた状態の扉12の上端側に配置され、扉12の上端側の縁部分に沿って略均等間隔で並んで配置されている。そして、開口22を閉じた状態の扉12を基準として、密着機構14aの3つの分力手段28のうちの1つが、丁番23側に配置され、3つの分力手段28のうちの他の1つが、丁番23側と扉12の端部側との間の中間部に配置され、3つの分力手段28のうちの残りの1つが、扉12の端部側に配置されている。また、密着機構14bの3つの分力手段28は、開口22を閉じた状態の扉12の下端側に配置され、扉12の下端側の縁部分に沿って略均等間隔で並んで配置されている。そして、開口22を閉じた状態の扉12を基準として、密着機構14bの3つの分力手段28のうちの1つが、丁番23側に配置され、3つの分力手段28のうちの他の1つが、丁番23側と扉12の端部側との間の中間部に配置され、3つの分力手段28のうちの残りの1つが、扉12の端部側に配置されている。更に、扉12の上端側の密着機構14aにおける3つの分力手段28のそれぞれと、扉12の下端側の密着機構14bにおける3つの分力手段28のそれぞれとは、上下方向において並んで配置されている。これにより、熱処理装置1cは、上下方向に対応して配置された分力手段28によって、扉12の上下それぞれの3箇所の位置において扉12を本体11側へ密着させて押圧するように構成されている。
尚、上述した熱処理装置1及びその変形例に係る熱処理装置1a~1cの例に限らず、扉12の上下それぞれにおいて更に異なる位置に配置された分力手段28によって、扉12が本体11側へ押圧される形態が実施されてもよい。例えば、上下方向に対応して配置された分力手段28によって、扉12の上下それぞれの5箇所以上の位置において扉12が本体11側へ押圧される形態が実施されてもよい。
[熱処理装置の動作]
次に、熱処理装置1の処理動作の一例について説明する。熱処理装置1の処理動作が開始される際には、まず、扉12が開口22を開いた状態で、ケース10aに収納された被処理物10が、開口22から搬入されて本体11の内部に配置される。被処理物10の本体11内への搬入が終了すると、扉12が操作されて閉じられ、開口22が扉12によって塞がれる。扉12が閉じられる際には、扉12の上端側及び下端側の縁部分に設けられたカムフォロア30は、本体11における開口22の縁部分に設けられた凹部37に受け入れられる。扉12が閉じられると、制御部15からの制御指令に基づいてロック手段13が作動し、扉12が本体11に対してロックされる。
次に、熱処理装置1の処理動作の一例について説明する。熱処理装置1の処理動作が開始される際には、まず、扉12が開口22を開いた状態で、ケース10aに収納された被処理物10が、開口22から搬入されて本体11の内部に配置される。被処理物10の本体11内への搬入が終了すると、扉12が操作されて閉じられ、開口22が扉12によって塞がれる。扉12が閉じられる際には、扉12の上端側及び下端側の縁部分に設けられたカムフォロア30は、本体11における開口22の縁部分に設けられた凹部37に受け入れられる。扉12が閉じられると、制御部15からの制御指令に基づいてロック手段13が作動し、扉12が本体11に対してロックされる。
扉12が閉じられて扉12がロック手段13によってロックされた状態で、制御部15からの制御指令に基づいて駆動機構26が作動し、ロッド27が操作され、ロッド27が駆動機構26に引き込まれる方向に移動する。そして、ロッド27の移動に伴い、複数のカム部材29が複数のカムフォロア30にそれぞれ当接し、複数のカムフォロア30が本体11側へ押圧されることで、扉12が本体11側へ密着した状態で本体11側へ押圧される。扉12が本体11側へ密着して押圧された状態で、本体11内に配置された被処理物10に対して熱処理が行われる。
被処理物10の熱処理が終了すると、被処理物10を本体11から取り出す処理が開始される。このとき、まず、制御部15からの制御指令に基づいて駆動機構26が作動し、ロッド27が駆動機構26から押し出される方向に移動するように操作される。ロッド27が駆動機構26から押し出される方向に移動することで、扉12側の複数のカムフォロア30にそれぞれ当接していた複数のカム部材29が、扉12側の複数のカムフォロア30からそれぞれ離間する。これにより、扉12が本体11側へ密着した状態が解除される。
扉12の本体11側への密着状態が解除されると、制御部15からの制御指令に基づいてロック手段13が作動し、扉12の本体11に対するロックが解除される。扉12の本体11に対するロックが解除されると、扉12が操作されて開かれ、開口22が開放される。そして、ケース10aに収納された被処理物10が、開口22から搬出されて本体11の外部へと取り出される。これにより、熱処理装置1の処理動作が終了する。
以上、上述した実施形態では、駆動機構26によるロッド27の引き込みにより、ロッド27とともに移動したカム部材29がカムフォロア30に当接することで、駆動機構26によるロッド27の操作力から分力された力を扉12に伝達するように構成されている例について述べたが、駆動機構26によるロッド27の押し出しにより、ロッド27とともに移動したカム部材29がカムフォロア30に当接することで、駆動機構26によるロッド27の操作力から分力された力を扉12に伝達するように構成されていてもよい。
即ち、駆動機構26がロッド27を駆動機構26から押し出す方向に移動するように操作した際に、ロッド27とともに移動したカム部材29がカムフォロア30と当接するように構成されていてもよい。
即ち、駆動機構26がロッド27を駆動機構26から押し出す方向に移動するように操作した際に、ロッド27とともに移動したカム部材29がカムフォロア30と当接するように構成されていてもよい。
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の熱処理装置1によると、本体11の開口22を閉じた状態の扉12を本体11側へ密着させる手段が、扉12の押圧方向と異なる方向である直角方向に移動するロッド27と、ロッド27の移動方向の操作力を分力する分力手段28とによって構成される。そして、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面である前方壁16の表面16aに沿って延びるように配置され、分力手段28は、ロッド27の移動に伴って作動するように、扉12が開口22を閉じた状態でのロッド27の近傍に配置される。このため、扉12を本体11側へ密着させる手段であるロッド27及び分力手段28を本体11及び扉12の前面から突出しないようにすることができる。よって、本実施形態によると、密着してガスが漏れないように扉12を本体11側へ密着させる手段が本体11及び扉12の前面から突出しないようにすることができる熱処理装置1を提供することができる。
以上説明したように、本実施形態の熱処理装置1によると、本体11の開口22を閉じた状態の扉12を本体11側へ密着させる手段が、扉12の押圧方向と異なる方向である直角方向に移動するロッド27と、ロッド27の移動方向の操作力を分力する分力手段28とによって構成される。そして、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面である前方壁16の表面16aに沿って延びるように配置され、分力手段28は、ロッド27の移動に伴って作動するように、扉12が開口22を閉じた状態でのロッド27の近傍に配置される。このため、扉12を本体11側へ密着させる手段であるロッド27及び分力手段28を本体11及び扉12の前面から突出しないようにすることができる。よって、本実施形態によると、密着してガスが漏れないように扉12を本体11側へ密着させる手段が本体11及び扉12の前面から突出しないようにすることができる熱処理装置1を提供することができる。
カム部材29及びカムフォロア30といった部品に寸法誤差がある場合、及び、カム部材29及びカムフォロア30といった部品を組み立てる際の組立誤差がある場合は、ロッド27側のカム部材29と扉12側のカムフォロア30との位置の精度が一定ではなく、ばらつきが生じることになる。このため、カム部材29とカムフォロア30との位置決めを精度よく調整する必要がある。しかし、本実施形態の熱処理装置1によると、扉12側のカムフォロア30に当接してロッド27の操作力を分力するロッド27側のカム部材29が、弾性体31によって、移動量を抑制される。このため、ロッド27が移動してカム部材29がカムフォロア30に当接する際に、部品の寸法誤差及び組立誤差がある場合であっても、弾性体31の変形によって誤差が吸収される。これにより、ロッド27の移動方向の操作量のみでカム部材29とカムフォロア30との位置決めを精度よく調整することができる。
例えば、ロッド27に設けたネジ部とネジ部に螺合するナットとによって、ロッド27の軸線上に配置された個々のカム部材29の位置を調整する調整手段が備えられているような場合でも、カム部材29が複数あると、ロッド27の軸線上でカム部材29を精度よく位置合わせすることが困難となる。しかし、本実施形態の熱処理装置1によると、各分力手段28に設けられた弾性体31によって、各分力手段28に存在する個別の誤差を個々に吸収することができる。このため、ロッド27の移動に伴って同じタイミングで作動する複数の分力手段28のそれぞれにおいて、カム部材29とカムフォロア30との位置決めを精度よく調整することができる。
また、本実施形態の熱処理装置1によると、複数の弾性体31のうち、丁番23側に配置された弾性体31に対して、丁番23側から離れた側に配置された弾性体31の弾性力が大きく設定される。このため、複数の分力手段28のうち、丁番23側から離れた側に配置された分力手段28において、カム部材29がカムフォロア30を付勢する力を大きくすることができる。一般的に内圧がかかると扉12が開こうとして、丁番23側はシール49のシール圧が確保されていても、丁番23から離れたところほどシール49のシール圧が低下する。よって、離れて配置された弾性体31ほど、弾性力を強くする必要がある。しかし、シール49のシール圧を均一にしたいが、扉12の形状や扉12のロック手段13との配置関係などで、シール49のシール圧が均一にならない場合が考えられる。しかし、本実施形態のように構成することで、シール49のシール圧を均一にすることができる。
また、本実施形態の熱処理装置1によると、扉12が閉じる際は、扉12側のカムフォロア30が本体11の開口22の縁部分の凹部37に受け入れられるため、カムフォロア30が本体11と干渉することなく本体11の内側に配置された状態で、扉12を閉じることができる。このため、扉12が閉じた際に、カムフォロア30が本体11の前面側に配置された状態となることを防止することができる。また、扉12が閉じられた後は、本体11側に設けられたロッド27が移動し、カム部材29がカムフォロア30に当接することで、ロッド27の操作力から分力された力がカムフォロア30に伝達され、扉12を本体11側へ密着させることができる。したがって、本実施形態の熱処理装置1によると、開口22の縁部分に凹部37を設けた簡素な構成により、扉12を本体11へ密着させる分力手段28が本体11の前面側に配置されてしまうことを防止できる構造を容易に構築することができる。
また、本実施形態の熱処理装置1によると、ロッド27の操作量が、扉12が閉じた後でロッド27が移動する前の状態でのカム部材29とカムフォロア30との間の設定距離よりも所定量大きく設定される。このため、ロッド27が移動してカム部材29がカムフォロア30に当接する際に、部品の寸法誤差及び組立誤差がある場合であっても、弾性体31の変形によって誤差をより確実に吸収することができる。
また、本実施形態の熱処理装置1によると、ロッド27の軸線上に配置された弾性体31によって、ロッド27の軸の外周に弾性体31をはめ込むように装着させる簡単な構造で、ロッド27と弾性体31とを同軸方向に連続して配置することがなく、ロッド27と弾性体31との組み合わせ構成物をロッド軸方向で短く構成することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態にかかる熱処理装置2について説明する。図13は、本発明の第2実施形態に係る熱処理装置2の斜視図である。第2実施形態の熱処理装置2は、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、被処理物10に対して熱処理をするための装置として構成されている。尚、以下の第2実施形態の説明においては、前述の第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同様の構成或いは対応する構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態にかかる熱処理装置2について説明する。図13は、本発明の第2実施形態に係る熱処理装置2の斜視図である。第2実施形態の熱処理装置2は、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、被処理物10に対して熱処理をするための装置として構成されている。尚、以下の第2実施形態の説明においては、前述の第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同様の構成或いは対応する構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
図13に示す熱処理装置2は、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、本体11、本体11を開閉する扉12、本体11と扉12とをロックするロック手段13、本体11に扉12を密着させる密着機構14、制御部15、等を備えて構成されている。しかし、熱処理装置2は、ロック手段13及び密着機構14の配置に関する構成において、熱処理装置1とは異なっている。
熱処理装置2においては、扉12は、熱処理装置1の扉12と同様に、本体11の前方壁16に設けられた開口22を開閉する扉として設けられ、本体11に対して複数の丁番23を介して横開きの状態で開くように構成された開き戸として設けられている。扉12が開口22を閉じた状態で扉12を本体11に対してロックするロック手段13は、複数設けられており、第2実施形態では、例えば、2つ設けられている。
2つのロック手段13は、第2実施形態では、扉12が開口22を閉じた状態で、扉12に対して上端側と下端側とに配置される。即ち、2つのロック手段13のうちの1つのロック手段13が、扉12の上端側に配置され、もう1つのロック手段13が、扉12の下端側に配置されている。また、各ロック手段13は、開口22を閉じた状態の扉12を基準として、丁番23側と、丁番23側とは反対側である扉12の端部側と、の間の中間部に配置されている。そして、2つのロック手段13は、扉12が開口22を閉じた状態で前方壁16に沿って上下に並んで配置される。尚、各ロック手段13は、開口22を閉じた状態の扉12を基準として、扉12の端部側に配置されていてもよい。
熱処理装置2の各ロック手段13は、熱処理装置1のロック手段13と同様に、扉12に設けられたフック13aと、本体11の前方壁16に設けられたフック保持部13bとを有して構成されている。扉12から突出した鉤爪状に形成されたフック13aは、扉12の上端側と下端側とにそれぞれ設けられており、扉12の外側部分12aから本体11の内側に向かって突出して設けられている。扉12が開口22を閉じた状態でフック13aと係合してフック13aを保持するフック保持部13bは、本体11の前方壁16における開口22の縁部分に設けられ、外側縁部23aに設けられている。また、フック保持部13bは、外側縁部23aにおいて、開口22の上端側と下端側とにそれぞれ設けられている。
熱処理装置2は、上述のようにロック手段13が設けられていることで、横開きの開き戸として設けられた扉12が開口22を閉じた状態では、扉12の上下に配置されたロック手段13によって、扉12が本体11に対してロックされる。
熱処理装置2においては、扉12が開口22を閉じた状態で扉12を本体11に対して密着させる密着機構14は、1つ設けられている。そして、密着機構14は、扉12が開口22を閉じた状態で扉12に対して丁番23側とは反対側である扉12の端部側に配置されている。
熱処理装置2の密着機構14は、熱処理装置1の密着機構14と同様に、駆動機構26と、ロッド27と、分力手段28とを備えて構成されている。
熱処理装置2の密着機構14のロッド27は、本体11の内部に配置されており、一方の端部において、本体11に固定された駆動機構26に連結されている。また、ロッド27は、本体11の内部において、前方壁16の内側に配置されている。そして、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面である前方壁16の表面16aに沿って延びるように配置されている。即ち、ロッド27は、ロッド27の軸線方向が、本体11における開口22が設けられた面(前方壁16の表面16a)に沿って延びた状態で、前方壁16の内側に配置されている。また、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面に沿って延びるとともに、開口22を閉じた状態の扉12に対して丁番23側と反対側である扉12の端部側において、開口22の縁部分に沿って上下方向に延びるように配置されている。
また、ロッド27は、駆動機構26によって操作されることで、ロッド27の軸線方向に沿って上下方向に移動するように構成されている。更に、ロッド27は、駆動機構26によってロッド27の軸線方向に沿って上下方向に移動するように操作されることで、開口22が扉12によって閉じられた状態で扉12を本体11側へ押圧する押圧方向の直角方向に移動するように構成されている。開口22が扉12によって閉じられた状態で扉12を本体11側へ押圧する押圧方向は、前方壁16の表面16aに対して垂直な方向であって、開口22を塞ぐ扉12を本体11側へ密着させるように本体11側へ押し付ける方向である。また、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向の直角方向は、押圧方向に対して直交する方向であって、駆動機構26によって操作されたロッド27がその軸線方向に沿って駆動機構26に引き込まれるように移動するロッド27の移動方向である。
熱処理装置2の分力手段28は、熱処理装置1の分力手段28と同様に、扉12が開口22を閉じた状態でロッド27をロッド27の移動方向に操作する操作力を分力して扉12を本体11側へ密着させる機構として設けられている。そして、分力手段28は、熱処理装置2の密着機構14においても、複数備えられており、第2実施形態では、密着機構14において、分力手段28が2つ設けられている。
熱処理装置2の密着機構14における複数の分力手段28のそれぞれは、熱処理装置1の密着機構14の分力手段28と同様に、カム部材29と、カムフォロア30と、弾性体31とを有している。よって、第2実施形態では、密着機構14において、カム部材29、カムフォロア30、及び弾性体31は、それぞれ2つずつ備えられている。
密着機構14における2つのカム部材29は、ロッド27に取り付けられており、上下方向に延びるロッド27の軸線方向に沿って並んで取り付けられている。密着機構14における2つの弾性体31は、ロッド27に装着されており、ロッド27の移動量に対してカム部材29の移動量を抑制するように構成されている。また、2つの弾性体31は、ロッド27の軸線上に並んで配置され、ロッド27と同軸上に配置されている。密着機構14における2つのカムフォロア30は、扉12における丁番23側と反対側である扉12の端部側において、扉12の縁部分に設けられている。また、2つのカムフォロア30は、扉12の外側部分12aにおける縁部分に設けられており、上下方向に沿って並んで配置されている。
熱処理装置2の密着機構14の分力手段28は、熱処理装置1の分力手段28と同様に作動する。即ち、熱処理装置2の分力手段28は、扉12が開口22を閉じた状態で駆動機構26によって操作されたロッド27が移動すると、カム部材29とカムフォロア30とが当接し、ロッド27を移動方向に操作する操作力から、カム部材29からカムフォロア30へと向かう成分の力を分力する。そして、分力手段28は、ロッド27を操作する操作力から分力した力をカム部材29からカムフォロア30へ伝達することで、カムフォロア30が設けられた扉12を本体11側へ押圧して密着させる。
上述した第2実施形態の熱処理装置2によると、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、本体11の開口22を閉じた状態の扉12を本体11側へ密着させる手段が、扉12の押圧方向の直角方向に移動するロッド27と、ロッド27の移動方向の操作力を分力する分力手段28とによって構成される。そして、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面である前方壁16の表面16aに沿って延びるように配置され、分力手段28は、ロッド27の移動に伴って作動するように、扉12が開口22を閉じた状態でのロッド27の近傍に配置される。このため、扉12を本体11側へ密着させる手段であるロッド27及び分力手段28を本体11及び扉12の前面から突出しないようにすることができる。よって、第2実施形態によると、密着してガスが漏れないように扉12を本体11側へ密着させる手段が本体11及び扉12の前面から突出しないようにすることができる熱処理装置2を提供することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る熱処理装置3について説明する。図14は、本発明の第3実施形態に係る熱処理装置3の斜視図である。第3実施形態の熱処理装置3は、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、被処理物10に対して熱処理をするための装置として構成されている。尚、以下の第3実施形態の説明においては、前述の第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同様の構成或いは対応する構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
次に、本発明の第3実施形態に係る熱処理装置3について説明する。図14は、本発明の第3実施形態に係る熱処理装置3の斜視図である。第3実施形態の熱処理装置3は、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、被処理物10に対して熱処理をするための装置として構成されている。尚、以下の第3実施形態の説明においては、前述の第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同様の構成或いは対応する構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
図14に示す熱処理装置3は、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、本体11、本体11を開閉する扉12、本体11と扉12とをロックするロック手段13、本体11に扉12を密着させる密着機構14、制御部15、等を備えて構成されている。しかし、熱処理装置3は、扉12の開閉方向と、ロック手段13及び密着機構14の配置とに関する構成において、熱処理装置1とは異なっている。
熱処理装置3においては、扉12は、本体11の前方壁16に設けられた開口22を開閉する扉として設けられ、開口22の全体を塞ぐ矩形の外形を有する扉12として設けられている。扉12は、本体11に対して複数の丁番23を介して取り付けられた開き戸として設けられている。第3実施形態では、扉12は、本体11の前方壁16に対して2つの丁番23を介して縦開きの状態で開くように構成されている。即ち、扉12は、開口22を閉じた状態における扉12の上端側において、前方壁16に沿って水平方向に沿って並ぶ2つの丁番23を介して、本体11に対して丁番23を中心として上下方向に沿って回転するように、前方壁16に取り付けられている。
熱処理装置3においては、扉12が開口22を閉じた状態で扉12を本体11に対してロックするロック手段13は、複数設けられており、第3実施形態では、例えば、2つ設けられている。2つのロック手段13は、第3実施形態では、扉12が開口22を閉じた状態で、扉12に対して丁番23側と反対側に配置され、扉12に対して下端側に配置される。そして、2つのロック手段13は、扉12が開口22を閉じた状態で前方壁16に沿って水平方向に並んで配置される。
熱処理装置3の各ロック手段13は、熱処理装置1のロック手段13と同様に、扉12に設けられたフック13aと、本体11の前方壁16に設けられたフック保持部13bとを有して構成されている。扉12から突出した鉤爪状に形成されたフック13aは、扉12の丁番23側とは反対側の扉12の端部側に設けられており、扉12が開口22を閉じた状態で扉12の下端側に設けられている。更に、フック13aは、扉12における外側部分12aから本体11の内側に向かって突出して設けられている。扉12が開口22を閉じた状態でフック13aと係合してフック13aを保持するフック保持部13bは、本体11の前方壁16における開口22の縁部分に設けられ、外側縁部23aに設けられている。また、フック保持部13bは、外側縁部23aにおいて、開口22の下端側に設けられている。
熱処理装置3は、上述のようにロック手段13が設けられていることで、縦開きの開き戸として設けられた扉12が開口22を閉じた状態では、扉12の丁番23側とは反対側の扉12の端部側であって扉12の下端側に配置されたロック手段13によって、扉12が本体11に対してロックされる。
熱処理装置3においては、扉12が開口22を閉じた状態で扉12を本体11に対して密着させる密着機構14は、複数設けられており、第3実施形態では、2つ設けられている。第3実施形態では、2つの密着機構14として、密着機構14aと密着機構14bとが設けられている。密着機構14aは、扉12が開口22を閉じた状態で、扉12及び開口22に対して、水平方向における一端側であって本体11における側壁18側に配置されている。密着機構14bは、扉12が開口22を閉じた状態で、扉12及び開口22に対して、水平方向における他端側であって本体11における側壁19側に配置されている。
熱処理装置3における2つの密着機構14のそれぞれは、熱処理装置1の密着機構14と同様に、駆動機構26と、ロッド27と、分力手段28とを備えて構成されている。即ち、密着機構14aは、駆動機構26と、ロッド27と、分力手段28とを備えて構成され、密着機構14bは、駆動機構26と、ロッド27と、分力手段28とを備えて構成されている。尚、扉12が開口22を閉じた状態で扉12に対して側壁18側に配置される密着機構14aと扉12に対して側壁19側に配置される密着機構14bとは、ロッド27及び分力手段28の水平方向の位置が逆であることを除き、同様に構成されている。密着機構14aにおいては、ロッド27が分力手段28に対して側壁18側に配置され、密着機構14bにおいては、ロッド27が分力手段28に対して側壁19側に配置されている。
熱処理装置3の密着機構14のロッド27は、本体11の内部に配置されており、一方の端部において、本体11に固定された駆動機構26に連結されている。また、ロッド27は、本体11の内部において、前方壁16の内側に配置されている。そして、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面である前方壁16の表面16aに沿って延びるように配置されている。即ち、ロッド27は、ロッド27の軸線方向が、本体11における開口22が設けられた面(前方壁16の表面16a)に沿って延びた状態で、前方壁16の内側に配置されている。また、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面に沿って延びるとともに、開口22の縁部分に沿って上下方向に延びるように配置されている。尚、密着機構14aのロッド27は、開口22における水平方向の一端側の縁部分であって側壁18側の縁部分に沿って上下方向に延びるように配置されている。密着機構14bのロッド27は、開口22における水平方向の他端側の縁部分であって側壁19側の縁部分に沿って上下方向に延びるように配置されている。
また、ロッド27は、駆動機構26によって操作されることで、ロッド27の軸線方向に沿って上下方向に移動するように構成されている。更に、ロッド27は、駆動機構26によってロッド27の軸線方向に沿って上下方向に移動するように操作されることで、開口22が扉12によって閉じられた状態で扉12を本体11側へ押圧する押圧方向の直角方向に移動するように構成されている。開口22が扉12によって閉じられた状態で扉12を本体11側へ押圧する押圧方向は、前方壁16の表面16aに対して垂直な方向であって、開口22を塞ぐ扉12を本体11側へ密着させるように本体11側へ押し付ける方向である。また、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向の直角方向は、押圧方向に対して直交する方向であって、駆動機構26によって操作されたロッド27がその軸線方向に沿って駆動機構26に引き込まれるように移動するロッド27の移動方向である。
熱処理装置3の分力手段28は、熱処理装置1の分力手段28と同様に、扉12が開口22を閉じた状態でロッド27をロッド27の移動方向に操作する操作力を分力して扉12を本体11側へ密着させる機構として設けられている。そして、分力手段28は、熱処理装置3の密着機構14においても、複数備えられている。即ち、密着機構14a及び密着機構14bのいずれにおいても、分力手段28が複数備えられている。第3実施形態では、密着機構14a及び密着機構14bのそれぞれにおいて、分力手段28が3つ設けられている。
熱処理装置3の密着機構14における複数の分力手段28のそれぞれは、熱処理装置1の密着機構14の分力手段28と同様に、カム部材29と、カムフォロア30と、弾性体31とを有している。よって、第3実施形態では、密着機構14において、カム部材29、カムフォロア30、及び弾性体31は、それぞれ3つずつ備えられている。
密着機構14における3つのカム部材29は、ロッド27に取り付けられており、上下方向に延びるロッド27の軸線方向に沿って並んで取り付けられている。密着機構14における3つの弾性体31は、ロッド27に装着されており、ロッド27の移動量に対してカム部材29の移動量を抑制するように構成されている。また、3つの弾性体31は、ロッド27の軸線上に並んで配置され、ロッド27と同軸上に配置されている。密着機構14における3つのカムフォロア30は、扉12における水平方向の一端側及び他端側のそれぞれにおいて、扉12の縁部分に設けられている。また、3つのカムフォロア30は、扉12の外側部分12aにおける縁部分に設けられており、扉12が開口22を閉じた状態で、上下方向に沿って並んで配置されている。
熱処理装置3の密着機構14の分力手段28は、熱処理装置1の分力手段28と同様に作動する。即ち、熱処理装置3の分力手段28は、扉12が開口22を閉じた状態で駆動機構26によって操作されたロッド27が移動すると、カム部材29とカムフォロア30とが当接し、ロッド27を移動方向に操作する操作力から、カム部材29からカムフォロア30へと向かう成分の力を分力する。そして、分力手段28は、ロッド27を操作する操作力から分力した力をカム部材29からカムフォロア30へ伝達することで、カムフォロア30が設けられた扉12を本体11側へ押圧して密着させる。
上述した第3実施形態の熱処理装置3によると、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、本体11の開口22を閉じた状態の扉12を本体11側へ密着させる手段が、扉12の押圧方向の直角方向に移動するロッド27と、ロッド27の移動方向の操作力を分力する分力手段28とによって構成される。そして、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面である前方壁16の表面16aに沿って延びるように配置され、分力手段28は、ロッド27の移動に伴って作動するように、扉12が開口22を閉じた状態でのロッド27の近傍に配置される。このため、扉12を本体11側へ密着させる手段であるロッド27及び分力手段28を本体11及び扉12の前面から突出しないようにすることができる。よって、第3実施形態によると、密着してガスが漏れないように扉12を本体11側へ密着させる手段が本体11及び扉12の前面から突出しないようにすることができる熱処理装置3を提供することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る熱処理装置4について説明する。図15は、本発明の第4実施形態に係る熱処理装置4を示す図であって、図15(A)は、熱処理装置4の斜視図であり、図15(B)は、熱処理装置4の平面図である。第4実施形態の熱処理装置4は、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、被処理物10に対して熱処理をするための装置として構成されている。尚、以下の第4実施形態の説明においては、前述の第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同様の構成或いは対応する構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
次に、本発明の第4実施形態に係る熱処理装置4について説明する。図15は、本発明の第4実施形態に係る熱処理装置4を示す図であって、図15(A)は、熱処理装置4の斜視図であり、図15(B)は、熱処理装置4の平面図である。第4実施形態の熱処理装置4は、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、被処理物10に対して熱処理をするための装置として構成されている。尚、以下の第4実施形態の説明においては、前述の第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同様の構成或いは対応する構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
図15に示す熱処理装置4は、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、本体11、本体11を開閉する扉12、本体11と扉12とをロックするロック手段13、本体11に扉12を密着させる密着機構14、制御部15、等を備えて構成されている。しかし、熱処理装置4は、本体11及び密着機構14に関する構成において、熱処理装置1とは異なっている。
熱処理装置4においては、本体11は、前方壁16、後方壁17、側壁18、側壁19、天井壁20、及び底壁21を備え、被処理物10が配置される中空の領域を内部に区画する箱状に形成されている。本体11は、前方壁16において、本体11の内部の中空の領域を外部に開放する開口22が設けられている。開口22は、扉12の外周形状に対応した形状で前方壁16を貫通するように開口している。
本体11においては、上下方向に沿って広がるように延びる側壁18と側壁19とが互いに平行に広がるように設けられ、水平方向に沿って広がるように延びる天井壁20と底壁21とが互いに平行に広がるように設けられている。また、本体11においては、上下方向に沿って広がるように延びる後方壁17は、側壁18、側壁19、天井壁20、及び底壁21の何れに対しても垂直な方向に沿って広がるように設けられている。一方、上下方向に沿って広がるように延びる前方壁16は、側壁18、側壁19、及び後方壁17の何れに対しても斜めの方向に沿って広がるように設けられている。このため、 本体11は、上方から見た状態で台形形状の外形を成すように形成されている。また、本体11においては、側壁19における水平方向に沿って延びる長さが、側壁18における水平方向に沿って延びる長さよりも、長く構成されている。尚、図15(A)においては、水平方向の長さの短い側壁18の端部から後方壁17と平行に延びる仮想の面17aを二点鎖線で示している。前方壁16は、水平方向における側壁18に結合する端部側よりも、水平方向における側壁19に結合する端部側の方が、前方に突出するように設けられている。そして、前方壁16は、仮想の面17aに対して、前方側に向かって斜めに突出するように設けられている。
熱処理装置4においては、扉12が開口22を閉じた状態で扉12を本体11に対して密着させる密着機構14は、複数設けられており、第4実施形態では、2つ設けられている。2つの密着機構14のうちの一方は、扉12が開口22を閉じた状態で扉12の上端側に配置されている。2つの密着機構14のうちの他方は、扉12が開口22を閉じた状態で扉12の下端側に配置されている。
熱処理装置4における2つの密着機構14のそれぞれは、熱処理装置1の密着機構14と同様に、駆動機構26と、ロッド27と、分力手段28とを備えて構成されている。
熱処理装置4の密着機構14の駆動機構26は、本体11の内部に配置されており、側壁19に固定されて配置されている。また、熱処理装置4の密着機構14のロッド27は、本体11の内部に配置されており、一方の端部において、本体11の側壁19に固定された駆動機構26に連結されている。また、ロッド27は、本体11の内部において、本体11における開口22が設けられた面である前方壁16の表面16aに沿って水平方向に延びるように配置されている。即ち、ロッド27は、ロッド27の軸線方向が、本体11における開口22が設けられた面(前方壁16の表面16a)に沿って水平方向に延びた状態で、本体11の内部に配置されている。尚、熱処理装置4の密着機構14においては、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面(表面16a)に対して傾斜した状態で、開口22が設けられた面(表面16a)に沿って延びるように配置されている。
図16は、図15に示す熱処理装置4の密着機構14の作動を説明するための図であって、図16(A)は、密着機構14が作動する前の状態を示す図であり、図16(B)は、密着機構14が作動した状態を示す図である。図15及び図16を参照して、ロッド27は、駆動機構26によって操作されることで、ロッド27の軸線方向に沿って水平方向に移動するように構成されている。更に、ロッド27は、駆動機構26によってロッド27の軸線方向に沿って水平方向に移動するように操作されることで、開口22が扉12によって閉じられた状態で扉12を本体11側へ押圧する押圧方向とは異なる方向として押圧方向の直角方向に対して傾斜した方向に移動するように構成されている。
開口22が扉12によって閉じられた状態で扉12を本体11側へ押圧する押圧方向は、前方壁16の表面16aに対して垂直な方向であって、開口22を塞ぐ扉12を本体11側へ密着させるように本体11側へ押し付ける方向である。尚、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向については、図15(B)、図16(A)及び図16(B)において矢印X1で示している。
また、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向の直角方向は、押圧方向に対して水平方向において直交する方向であって、駆動機構26によって操作されたロッド27がその軸線方向に沿って駆動機構26に引き込まれる側及び側壁19側に向かう方向である。尚、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向の直角方向については、図15(B)、図16(A)及び図16(B)において矢印X3で示している。
また、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向とは異なる方向として押圧方向の直角方向に対して傾斜した方向は、押圧方向の直角方向に対して斜めに延びる方向であって、駆動機構26によって操作されたロッド27がその軸線方向に沿って駆動機構26に引き込まれるように移動するロッド27の移動方向である。尚、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向の直角方向に対して傾斜した方向であって、駆動機構26によって操作されるロッド27の移動方向については、図15(B)、図16(A)及び図16(B)において矢印X2で示している。
上記のように、ロッド27は、駆動機構26によって操作されることで、駆動機構26に引き込まれ、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向とは異なる方向として押圧方向の直角方向に対して傾斜した方向に移動する。尚、扉12の本体11側への押圧方向の直角方向(矢印X3で示す方向)と、その直角方向に対して傾斜した方向であってロッド27が駆動機構26に引き込まれるように移動する方向(矢印X2で示す方向)とは、それらの方向が成す角度が過度に大きな角度とならないように、設定される。具体的には、扉12の押圧方向の直角方向と、その直角方向に対して傾斜した方向でロッド27が駆動機構26に引き込まれるように移動する方向との成す角度は、例えば15°の角度に設定される。この角度の設定は、熱処理装置の全体構成において、何等かの事情により本体に対して扉12を斜めに配置せざるを得ない場合の形態に伴うものであり、その事情に合わせた角度設定を行えばよい。これにより、ロッド27を本体11の内部で前方壁16の表面16aに沿って延びるように配置することができる。
熱処理装置4の分力手段28は、熱処理装置1の分力手段28と同様に、扉12が開口22を閉じた状態でロッド27をロッド27の移動方向に操作する操作力を分力して扉12を本体11側へ密着させる機構として設けられている。分力手段28は、熱処理装置4の密着機構14においては、1つ備えられている。そして、熱処理装置4の密着機構14における分力手段28は、カム部材29とカムフォロア30とを有している。
分力手段28のカム部材29は、ロッド27に取り付けられており、ロッド27における駆動機構26に連結された端部とは反対側の端部において、ロッド27に取り付けられている。カム部材29は、例えば、ロッド27における駆動機構26に連結される側の端部と反対側の端部において、ロッド27に対して固定されて取り付けられている。ロッド27に取り付けられたカム部材29は、くさび状の部材として設けられている。カム部材29には、カム部材29がロッド27に取り付けられた状態で、駆動機構26の操作によるロッド27の移動方向に対して傾斜した面に沿って広がるテーパ面38が設けられている。また、テーパ面38は、上下方向とロッド27の軸線方向に対して斜めの方向とに広がる面に沿って広がるように構成されている。
分力手段28のカムフォロア30は、扉12の上端側の縁部分と下端側の縁部分とにそれぞれ設けられている。尚、2つの密着機構14のうちの一方における分力手段28のカムフォロア30が、扉12の上端側の縁部分に設けられ、2つの密着機構14のうちの他方における分力手段28のカムフォロア30が、扉12の下端側の縁部分に設けられている。扉12の縁部分に設けられるカムフォロア30は、高さの低い円柱ローラ状の部材として設けられ、扉12の縁分に対して、上下に延びる中心軸回りに回転自在な状態で取り付けられている。そして、円柱ローラ状のカムフォロア30の外周面39は、カム部材29に対して当接するように構成されている。
熱処理装置4の分力手段28は、図15(B)及び図16(A)に示すように、扉12が開口22を閉じた状態でロッド27が駆動機構26に引き込まれる方向に移動するように操作されることで、作動する。扉12が開口22を閉じた状態でロッド27が駆動機構26によって操作されて移動すると、図16(B)に示すように、ロッド27とともに移動したカム部材29が、カムフォロア30に当接する。このとき、カム部材29のテーパ面38とカムフォロア30の外周面39とが当接することで、カム部材29とカムフォロア30とが当接する。カム部材29とカムフォロア30とが当接すると、ロッド27を移動方向に操作する操作力から、カム部材29からカムフォロア30へと向かう成分の力が分力される。そして、ロッド27を操作する操作力から分力された力がカム部材29からカムフォロア30へ伝達されることで、カムフォロア30が設けられた扉12が本体11側へ押圧され、扉12が本体11側へ密着する。
上述した第4実施形態の熱処理装置4によると、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、本体11の開口22を閉じた状態の扉12を本体11側へ密着させる手段が、扉12の押圧方向の直角方向に対して傾斜した方向に移動するロッド27と、ロッド27の移動方向の操作力を分力する分力手段28とによって構成される。そして、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面である前方壁16の表面16aに沿って延びるように配置され、分力手段28は、ロッド27の移動に伴って作動するように、扉12が開口22を閉じた状態でのロッド27の近傍に配置される。このため、扉12を本体11側へ密着させる手段であるロッド27及び分力手段28を本体11及び扉12の前面から突出しないようにすることができる。よって、第4実施形態によると、密着してガスが漏れないように扉12を本体11側へ密着させる手段が本体11及び扉12の前面から突出しないようにすることができる熱処理装置4を提供することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る熱処理装置5について説明する。図17は、本発明の第5実施形態に係る熱処理装置5を示す図であって、図17(A)は、熱処理装置5の斜視図であり、図17(B)は、熱処理装置5の平面図である。第5実施形態の熱処理装置5は、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、被処理物10に対して熱処理をするための装置として構成されている。尚、以下の第5実施形態の説明においては、前述の第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同様の構成或いは対応する構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
次に、本発明の第5実施形態に係る熱処理装置5について説明する。図17は、本発明の第5実施形態に係る熱処理装置5を示す図であって、図17(A)は、熱処理装置5の斜視図であり、図17(B)は、熱処理装置5の平面図である。第5実施形態の熱処理装置5は、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、被処理物10に対して熱処理をするための装置として構成されている。尚、以下の第5実施形態の説明においては、前述の第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同様の構成或いは対応する構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
図17に示す熱処理装置5は、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、本体11、本体11を開閉する扉12、本体11と扉12とをロックするロック手段13、本体11に扉12を密着させる密着機構14、制御部15、等を備えて構成されている。しかし、熱処理装置5は、本体11及び密着機構14に関する構成において、熱処理装置1とは異なっている。
熱処理装置5においては、本体11は、前方壁16、後方壁17、側壁18、側壁19、天井壁20、及び底壁21を備え、被処理物10が配置される中空の領域を内部に区画する箱状に形成されている。本体11は、前方壁16において、本体11の内部の中空の領域を外部に開放する開口22が設けられている。開口22は、扉12の外周形状に対応した形状で前方壁16を貫通するように開口している。
本体11においては、上下方向に沿って広がるように延びる側壁18と側壁19とが互いに平行に広がるように設けられ、水平方向に沿って広がるように延びる天井壁20と底壁21とが互いに平行に広がるように設けられている。また、本体11においては、上下方向に沿って広がるように延びる後方壁17は、側壁18、側壁19、天井壁20、及び底壁21の何れに対しても垂直な方向に沿って広がるように設けられている。一方、上下方向に沿って広がるように延びる前方壁16は、側壁18、側壁19、及び後方壁17の何れに対しても斜めの方向に沿って広がるように設けられている。このため、 本体11は、上方から見た状態で台形形状の外形を成すように形成されている。また、本体11においては、側壁18における水平方向に沿って延びる長さが、側壁19における水平方向に沿って延びる長さよりも、長く構成されている。尚、図17(A)においては、水平方向の長さが短い側壁19の端部から後方壁17と平行に延びる仮想の面17aを二点鎖線で示している。前方壁16は、水平方向における側壁19に結合する端部側よりも、水平方向における側壁18に結合する端部側の方が、前方に突出するように設けられている。そして、前方壁16は、仮想の面17aに対して、前方側に向かって斜めに突出するように設けられている。
熱処理装置4においては、扉12が開口22を閉じた状態で扉12を本体11に対して密着させる密着機構14は、複数設けられており、第5実施形態では、2つ設けられている。2つの密着機構14のうちの一方は、扉12が開口22を閉じた状態で扉12の上端側に配置されている。2つの密着機構14のうちの他方は、扉12が開口22を閉じた状態で扉12の下端側に配置されている。
熱処理装置5における2つの密着機構14のそれぞれは、熱処理装置1の密着機構14と同様に、駆動機構26と、ロッド27と、分力手段28とを備えて構成されている。
熱処理装置5の密着機構14の駆動機構26は、本体11の内部に配置されており、側壁19に固定されて配置されている。また、熱処理装置5の密着機構14のロッド27は、本体11の内部に配置されており、一方の端部において、本体11の側壁19に固定された駆動機構26に連結されている。また、ロッド27は、本体11の内部において、本体11における開口22が設けられた面である前方壁16の表面16aに沿って水平方向に延びるように配置されている。即ち、ロッド27は、ロッド27の軸線方向が、本体11における開口22が設けられた面(前方壁16の表面16a)に沿って水平方向に延びた状態で、本体11の内部に配置されている。尚、熱処理装置4の密着機構14においては、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面(表面16a)に対して傾斜した状態で、開口22が設けられた面(表面16a)に沿って延びるように配置されている。
図18は、図17に示す熱処理装置5の密着機構14の作動を説明するための図であって、図18(A)は、密着機構14が作動する前の状態を示す図であり、図18(B)は、密着機構14が作動した状態を示す図である。図17及び図18を参照して、ロッド27は、駆動機構26によって操作されることで、ロッド27の軸線方向に沿って水平方向に移動するように構成されている。更に、ロッド27は、駆動機構26によってロッド27の軸線方向に沿って水平方向に移動するように操作されることで、開口22が扉12によって閉じられた状態で扉12を本体11側へ押圧する押圧方向とは異なる方向として押圧方向の直角方向に対して傾斜した方向に移動するように構成されている。
開口22が扉12によって閉じられた状態で扉12を本体11側へ押圧する押圧方向は、前方壁16の表面16aに対して垂直な方向であって、開口22を塞ぐ扉12を本体11側へ密着させるように本体11側へ押し付ける方向である。尚、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向については、図17(B)、図18(A)及び図18(B)において矢印X1で示している。
また、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向の直角方向は、押圧方向に対して水平方向において直交する方向であって、駆動機構26によって操作されたロッド27がその軸線方向に沿って駆動機構26に引き込まれる側及び側壁19側に向かう方向である。尚、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向の直角方向については、図17(B)、図18(A)及び図18(B)において矢印X3で示している。
また、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向とは異なる方向として押圧方向の直角方向に対して傾斜した方向は、押圧方向の直角方向に対して斜めに延びる方向であって、駆動機構26によって操作されたロッド27がその軸線方向に沿って駆動機構26に引き込まれるように移動するロッド27の移動方向である。尚、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向の直角方向に対して傾斜した方向であって、駆動機構26によって操作されるロッド27の移動方向については、図17(B)、図18(A)及び図18(B)において矢印X2で示している。
上記のように、ロッド27は、駆動機構26によって操作されることで、駆動機構26に引き込まれ、扉12を本体11側へ押圧する押圧方向とは異なる方向として押圧方向の直角方向に対して傾斜した方向に移動する。尚、扉12の本体11側への押圧方向の直角方向(矢印X3で示す方向)と、その直角方向に対して傾斜した方向であってロッド27が駆動機構26に引き込まれるように移動する方向(矢印X2で示す方向)とは、それらの方向が成す角度が過度に大きな角度とならないように、設定される。具体的には、扉12の押圧方向の直角方向と、その直角方向に対して傾斜した方向でロッド27が駆動機構26に引き込まれるように移動する方向との成す角度は、例えば15°の角度に設定される。この角度の設定は、熱処理装置の全体構成において、何等かの事情により本体に対して扉12を斜めに配置せざるを得ない場合の形態に伴うものであり、その事情に合わせた角度設定を行えばよい。これにより、ロッド27を本体11の内部で前方壁16の表面16aに沿って延びるように配置することができる。
熱処理装置5の分力手段28は、熱処理装置1の分力手段28と同様に、扉12が開口22を閉じた状態でロッド27をロッド27の移動方向に操作する操作力を分力して扉12を本体11側へ密着させる機構として設けられている。分力手段28は、熱処理装置5の密着機構14においては、1つ備えられている。そして、熱処理装置5の密着機構14における分力手段28は、カム部材29とカムフォロア30とを有している。
分力手段28のカム部材29は、ロッド27に取り付けられており、ロッド27における駆動機構26に連結された端部とは反対側の端部において、ロッド27の軸線方向に対して屈曲して延びる連結棒27aを介して、ロッド27に取り付けられている。カム部材29は、例えば、ロッド27における駆動機構26に連結される側の端部と反対側の端部に設けられた連結棒27aを介して、ロッド27に対して固定されて取り付けられている。ロッド27に取り付けられたカム部材29は、くさび状の部材として設けられている。カム部材29には、カム部材29がロッド27に取り付けられた状態で、駆動機構26の操作によるロッド27の移動方向に対して傾斜した面に沿って広がるテーパ面38が設けられている。また、テーパ面38は、上下方向とロッド27の軸線方向に対して斜めの方向とに広がる面に沿って広がるように構成されている。
分力手段28のカムフォロア30は、扉12の上端側の縁部分と下端側の縁部分とにそれぞれ設けられている。尚、2つの密着機構14のうちの一方における分力手段28のカムフォロア30が、扉12の上端側の縁部分に設けられ、2つの密着機構14のうちの他方における分力手段28のカムフォロア30が、扉12の下端側の縁部分に設けられている。扉12の縁部分に設けられるカムフォロア30は、高さの低い円柱ローラ状の部材として設けられ、扉12の縁分に対して、上下に延びる中心軸回りに回転自在な状態で取り付けられている。そして、円柱ローラ状のカムフォロア30の外周面39は、カム部材29に対して当接するように構成されている。
熱処理装置5の分力手段28は、図17(B)及び図18(A)に示すように、扉12が開口22を閉じた状態でロッド27が駆動機構26に引き込まれる方向に移動するように操作されることで、作動する。扉12が開口22を閉じた状態でロッド27が駆動機構26によって操作されて移動すると、図18(B)に示すように、ロッド27とともに移動したカム部材29が、カムフォロア30に当接する。このとき、カム部材29のテーパ面38とカムフォロア30の外周面39とが当接することで、カム部材29とカムフォロア30とが当接する。カム部材29とカムフォロア30とが当接すると、ロッド27を移動方向に操作する操作力から、カム部材29からカムフォロア30へと向かう成分の力が分力される。そして、ロッド27を操作する操作力から分力された力がカム部材29からカムフォロア30へ伝達されることで、カムフォロア30が設けられた扉12が本体11側へ押圧され、扉12が本体11側へ密着する。
上述した第5実施形態の熱処理装置5によると、第1実施形態の熱処理装置1と同様に、本体11の開口22を閉じた状態の扉12を本体11側へ密着させる手段が、扉12の押圧方向の直角方向に対して傾斜した方向に移動するロッド27と、ロッド27の移動方向の操作力を分力する分力手段28とによって構成される。そして、ロッド27は、本体11における開口22が設けられた面である前方壁16の表面16aに沿って延びるように配置され、分力手段28は、ロッド27の移動に伴って作動するように、扉12が開口22を閉じた状態でのロッド27の近傍に配置される。このため、扉12を本体11側へ密着させる手段であるロッド27及び分力手段28を本体11及び扉12の前面から突出しないようにすることができる。よって、第5実施形態によると、密着してガスが漏れないように扉12を本体11側へ密着させる手段が本体11及び扉12の前面から突出しないようにすることができる熱処理装置5を提供することができる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、次のような変形例が実施されてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、次のような変形例が実施されてもよい。
(1)前述の実施形態では、分力手段のカム部材がくさび状の部材として設けられ、分力手段のカムフォロアが円柱ローラ状の部材として設けられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、カム部材及びカムフォロアが他の形状を有する形態が実施されてもよい。図19(A)、図19(B)、図19(C)、及び図19(D)は、熱処理装置の密着機構の分力手段におけるカム部材及びカムフォロアの形状例を示す図である。
図19(A)に示す形状例は、前述の実施形態のカム部材29及びカムフォロア30の形状例であって、テーパ面と曲面とが当接する形態の形状例である。この例においては、本体11側のカム部材29は、くさび状の部材として設けられ、扉12側のカムフォロア30は、円柱ローラ状の部材として設けられる。カム部材29には、ロッド27の移動方向に対して傾斜したテーパ面38が設けられ、カムフォロア30には、円柱状の外周面39が設けられる。そして、ロッド27の移動に伴って、図19(A)において矢印X2で示す方向にカム部材29が移動し、カム部材29のテーパ面38とカムフォロア30の外周面39とが当接する。そして、カム部材29とカムフォロア30とが当接することでロッド27の操作力から分力された力が、図19(A)において矢印X1で示す方向に沿って、カムフォロア30から扉12へ伝達され、扉12が本体11側へ密着して押圧される。
図19(B)に示す形状例は、同様の形状に形成されたカム部材40及びカムフォロア41の形状例であって、曲面同士が当接する形態の形状例である。この例においては、本体11側のカム部材40は、曲率半径が変化しながら湾曲して延びる湾曲面40aが形成された部材として設けられている。湾曲面40aは、例えば、楕円形状の円弧の一部を形成するように延びる面として設けられている。扉12側のカムフォロア41も、カム部材40と同様に、曲率半径が変化しながら湾曲して延びる湾曲面41aが形成された部材として設けられている。湾曲面41aは、例えば、楕円形状の円弧の一部を形成するように延びる面として設けられている。カム部材40とカムフォロア41とは、カム部材40の湾曲面40aとカムフォロア41の湾曲面41aとが、ロッド27の軸線方向に垂直な方向にずれた位置でロッド27の軸線方向において向かい合った状態で、配置される。そして、ロッド27の移動に伴って、図19(B)において矢印X2で示す方向にカム部材40が移動し、カム部材40の湾曲面40aとカムフォロア41の湾曲面41aとが当接する。そして、カム部材40とカムフォロア41とが当接することでロッド27の操作力から分力された力が、図19(B)において矢印X1で示す方向に沿って、カムフォロア41から扉12へ伝達され、扉12が本体11側へ密着して押圧される。
図19(C)に示す形状例は、同様の形状に形成されたカム部材42及びカムフォロア43の形状例であって、テーパ面同士が当接する形態の形状例である。この例においては、本体11側のカム部材42は、ロッド27の移動方向に対して傾斜したテーパ面42aが形成された部材として設けられている。扉12側のカムフォロア43も、ロッド27の移動方向に対して傾斜したテーパ面43aが形成された部材として設けられている。カム部材42とカムフォロア43とは、カム部材42のテーパ面42aとカムフォロア43のテーパ面43aとが、ロッド27の軸線方向において向かい合った状態で、配置される。そして、ロッド27の移動に伴って、図19(C)において矢印X2で示す方向にカム部材42が移動し、カム部材42のテーパ面42aとカムフォロア43のテーパ面43aとが当接する。そして、カム部材42とカムフォロア43とが当接することでロッド27の操作力から分力された力が、図19(C)において矢印X1で示す方向に沿って、カムフォロア43から扉12へ伝達され、扉12が本体11側へ密着して押圧される。
図19(D)に示す形状例は、互いに異なる形状に形成されたカム部材44及びカムフォロア45の形状例であって、曲面同士が当接する形態の形状例である。この例においては、本体11側のカム部材44は、円弧状に湾曲して凹むように延びる曲面としての円弧面44aが形成された部材として設けられている。円弧面44aは、一定の曲率半径の円の円弧の一部を形成するように延びる面として設けられている。扉12側のカムフォロア45は、円柱ローラ状の部材として設けられ、一定の曲率半径の円の円弧を形成する外周面45aが設けられている。そして、カムフォロア45の外周面45aの曲率半径は、カム部材44の円弧面44aの曲率半径よりも小さく設定されている。カム部材44とカムフォロア45とは、カム部材44の円弧面44aとカムフォロア45の外周面45aとが、ロッド27の軸線方向において向かい合った状態で、配置される。そして、ロッド27の移動に伴って、図19(D)において矢印X2で示す方向にカム部材44が移動し、カム部材44の円弧面44aとカムフォロア45の外周面45aとが当接する。そして、カム部材44とカムフォロア45とが当接することでロッド27の操作力から分力された力が、図19(D)において矢印X1で示す方向に沿って、カムフォロア45から扉12へ伝達され、扉12が本体11側へ密着して押圧される。
(2)前述の実施形態では、弾性体がコイルバネとして設けられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、弾性体がコイルバネ以外の弾性体として構成される形態が実施されてもよい。図20(A)、図20(B)、及び図20(C)は、熱処理装置の密着機構の分力手段における弾性体の形態の例を示す図である。
図20(A)に示す形態の例は、前述の実施形態の弾性体31の形態の例であって、金属製のコイルバネとして設けられた形態の例である。コイルバネとして設けられた弾性体31は、ロッド27に対して図20(A)において矢印で示す方向に装着され、ロッド27の軸に嵌め込まれてロッド27に装着される。このため、コイルバネとして設けられた弾性体31は、ロッド27の外周においてロッド27の軸線上に配置された状態で、ロッド27に装着される。
図20(B)に示す形態の例は金属製の板バネとして設けられた弾性体47の形態の例である。弾性体47は、交互に傾斜して折れ曲がるように形成された傾斜板部47aが一体で直列に並んで設けられた板バネとして構成されている。直列に並ぶ各傾斜板部47aには、貫通孔47bが設けられている。そして、板バネとして設けられた弾性体47は、ロッド27に対して図20(B)において矢印で示す方向に装着され、各傾斜板部47aの貫通孔47bをロッド27が挿通した状態で、ロッド27の軸に嵌め込まれてロッド27に装着される。このため、板バネとして設けられた弾性体47は、ロッド27の外周においてロッド27の軸線上に配置された状態で、ロッド27に装着される。
図20(C)に示す形態の例は、耐熱ゴム部材として設けられた弾性体48の形態の例である。弾性体48は、円筒状の耐熱ゴム部材として設けられ、円筒軸方向に延びる貫通孔48aが設けられている。そして、耐熱ゴム部材として設けられた弾性体48は、ロッド27に対して図20(C)において矢印で示す方向に装着され、貫通孔48aをロッド27が挿通した状態で、ロッド27の軸に嵌め込まれてロッド27に装着される。このため、耐熱ゴム部材として設けられた弾性体48は、ロッド27の外周においてロッド27の軸線上に配置された状態で、ロッド27に装着される。
(3)前述の実施形態では、本体の開口を閉じる扉が、矩形の外形を有する扉である形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、扉の形状は、矩形に限らず、種々の形状であってもよい。例えば、本体に円形の開口が設けられ、扉が、本体の円形の開口を塞ぐように円形の外形を有する形状に形成された形態が実施されてもよい。また、扉は、本体に設けられた開口の全体を塞ぐ形状であればよく、本体の開口の形状と扉の外形とが異なる形態が実施されてもよい。
(4)前述の実施形態では、本体の開口を閉じる扉が、丁番を介して開閉する扉である形態を例にとって説明したが、これに限らず、スライド式の扉であってもよい。例えば、扉が横方向にスライドすることで本体の開口を塞ぐ扉である形態が実施されてもよいし、扉が縦方向にスライドすることで本体の開口を塞ぐ扉である形態が実施されてもよい。
(5)前述の実施形態では、分力手段のカム部材がくさび状の部材として設けられ、分力手段のカムフォロアが円柱ローラ状の部材として設けられた形態を例にとって説明したが、これらが逆の関係で設けられる形態が実施されてもよい。即ち、分力手段のカム部材が円柱ローラ状の部材として設けられ、分力手段のカムフォロアがくさび状の部材として設けられた形態が実施されてもよい。この場合、円柱ローラ状のカム部材は、ロッドに対して取付部材を介して回転自在に取り付けられ、くさび状のカムフォロアは、扉の縁部分に固定されて設けられる。このように、本体側に円柱ローラ状のカム部材が設けられ、扉側にくさび状のカムフォロアが設けられた形態が実施されてもよい。
本発明は、被処理物に対して熱処理をするための熱処理装置に関して、広く適用することができる。
1、2、3、4、5 熱処理装置
10 被処理物
11 本体
12 扉
14、14a、14b 密着機構
22 開口
27 ロッド
28 分力手段
29 カム部材
30 カムフォロア
31 弾性体
10 被処理物
11 本体
12 扉
14、14a、14b 密着機構
22 開口
27 ロッド
28 分力手段
29 カム部材
30 カムフォロア
31 弾性体
Claims (7)
- ガスを充填して被処理物を熱処理する処理室を構成する本体と、
前記本体に設けられた開口を開閉する扉と、
前記本体における前記開口が設けられた面に沿って延びるように配置され、前記扉を前記本体側へ押圧する押圧方向と異なる方向に移動するロッドと、
前記扉が前記開口を閉じた状態で前記ロッドを当該ロッドの移動方向に操作する操作力を分力して前記扉を前記本体側へ密着させる力を発生させる分力手段と、
を備えている、熱処理装置。 - 請求項1に記載の熱処理装置であって、
前記分力手段は、前記ロッドに取り付けられたカム部材と、前記ロッドの移動量に対して前記カム部材の移動量を抑制する弾性体と、前記扉に設けられて前記カム部材と当接することで前記操作力から分力された力を前記扉へ伝達するカムフォロアと、を有している、熱処理装置。 - 請求項2に記載の熱処理装置であって、
前記分力手段を複数備え、
複数の前記分力手段のそれぞれは、前記カム部材と前記弾性体と前記カムフォロアとを有している、熱処理装置。 - 請求項3に記載の処理装置であって、
前記扉は、前記本体に対して丁番を介して取り付けられた開き戸として設けられ、
複数の前記分力手段が有する複数の前記弾性体において、前記丁番側に配置された前記弾性体に対して、前記丁番側から離れた側に配置された前記弾性体の弾性力が大きく設定されている、熱処理装置。 - 請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の熱処理装置であって、
前記カムフォロアは、前記扉の縁部分に設けられ、
前記本体には、前記開口の縁部分において、前記扉が前記開口を閉じる際に前記カムフォロアを受け入れる凹部が設けられており、
前記扉が前記開口を閉じて前記カムフォロアが前記凹部に受け入れられた状態で前記ロッドが前記移動方向に移動することで、前記カム部材が前記カムフォロアに当接する、熱処理装置。 - 請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の熱処理装置であって、
前記ロッドを前記移動方向に操作する操作量は、前記扉が前記開口を閉じて前記ロッドが移動する前の状態での前記移動方向における前記カム部材と前記カムフォロアとの間の設定距離よりも所定量大きくなるように設定されている、熱処理装置。 - 請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の熱処理装置であって、
前記弾性体は、前記ロッドの外周に配置されている、熱処理装置。
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