JP2023023278A - 眼科用画像処理プログラムおよび眼科用画像処理装置 - Google Patents

眼科用画像処理プログラムおよび眼科用画像処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 OCTデータに基づく情報と、OCTモーションコントラストデータに基づく情報とを良好に比較すること。【解決手段】被検眼の3次元OCTデータおよび3次元MCデータを取得する取得ステップと、第1スラブを前記3次元OCTデータに対して設定し、第2スラブを前記3次元MCデータに対して設定する設定ステップと、前記3次元OCTデータの前記第1スラブに基づく正面OCT画像または形態解析マップを第1情報として取得し、前記3次元MCデータの前記第2スラブに基づく正面MC画像または血管解析マップを第2情報として取得する、演算処理ステップと、前記第1情報と前記第2情報とを同時に表示する表示制御ステップと、を前記コンピュータに実行させる眼科画像処理プログラムであって、前記設定ステップは、前記第1スラブおよび前記第2スラブのそれぞれの深さ位置を独立に設定する、眼科画像処理プログラム。【選択図】 図4

Description

本開示は、眼科用画像処理プログラムおよび眼科用画像処理装置に関する。
光干渉断層計(OCT:Optical Coherent Tomography)で得られたOCTデータに対して種々の処理を施すことで、種々の情報が処理内容に応じて取得される。例えば、被検眼の形態(構造)を示す画像、および、形態(構造)に関する解析結果等が取得される。検者はOCTデータによって得られる種々の情報を活用して、被検眼の状態を把握する。
例えば、眼底には神経細胞等の構成に基づく層構造が形成されている。眼底の層構造は、OCTデータによって可視化される。
例えば、眼底には幾つかの血管網が異なる深さ位置に存在している。また、例えば、病変部の近傍には新生血管による血管網が生じる場合がある。血管網における血管構造はモーションコントラストデータによって可視化される。モーションコントラストデータは、同一の測定位置における時間の異なる複数のOCTデータに基づいて生成される。モーションコントラストは、例えば、被検眼の血流、網膜組織の変化などを捉えた情報である。
特許文献1には、モーションコントラストデータに基づく血管解析マップと、OCTデータに基づく形態解析マップと、を共通の層領域に関して生成し、並べて表示することで、両者の対比を容易にする技術が開示されている。
特開2017-077414号公報
眼底において、それぞれの層の深さ位置と、それぞれの血管網の深さ位置と、は必ずしも解剖学的に一致していない。また、病変を観察する際に、OCTデータは病変の大きさ判定に利用されるのに対し、モーションコントラストデータを病変に伴う異常血管網の把握に利用される場合がある。この場合、検者が確認したい病変と異常血管網とは、互いに異なる深さ位置に存在する場合がある。
このため、OCTデータに基づく情報と、血管画像または血管解析マップのようなモーションコントラストデータに基づく情報と、を互いに異なる層領域の間で比較したい場合がある。
そこで、本発明者は、OCTデータに基づく情報と、モーションコントラストデータに基づく情報と、のそれぞれに対して、比較の対象となる領域をより適切に設定する手法を検討した。
本開示は、従来技術の問題点の少なくとも一つに鑑み、OCTデータに基づく情報と、OCTモーションコントラストデータに基づく情報とを良好に比較できる眼科用画像処理プログラムおよび眼科用画像処理装置を提供することを技術課題とする。
本開示の第1態様に係る眼科画像処理プログラムは、コンピュータのプロセッサに実行されることによって、被検眼の3次元OCTデータおよび3次元モーションコントラストデータを取得する取得ステップと、第1スラブを前記3次元OCTデータに対して設定し、第2スラブを前記3次元モーションコントラストデータに対して設定する設定ステップと、
前記3次元OCTデータの前記第1スラブに基づく正面OCT画像または形態解析マップを第1情報として取得し、前記3次元モーションコントラストデータの前記第2スラブに基づく正面MC画像または血管解析マップを第2情報として取得する、演算処理ステップと、前記第1情報と前記第2情報とを同時に表示する表示制御ステップと、を前記コンピュータに実行させる眼科画像処理プログラムであって、前記設定ステップは、前記第1スラブおよび前記第2スラブのそれぞれの深さ位置を独立に設定する。
本開示の第2態様に係る眼科画像処理装置は、上記の眼科画像処理プログラムを実行する。
本開示によれば、OCTデータに基づく情報と、モーションコントラストデータに基づく情報と、のそれぞれに対して、比較の対象となる領域を、より適切に設定できる。
本実施例の概略を示すブロック図である。 OCTデバイスの光学系の一例を示す図である。 モーションコントラストの取得について説明するための図である。 第1実施例に係る比較画面を示す図である。 疾患毎に適したスラブ設定の一例を説明するための図である。 第2実施例に係る比較画面を示す図である。 第3実施例に係る比較画面を示す図である。 第4実施例に係る比較画面を示す図である。 第5実施例に係る比較画面を示す図である。 スラブの設定状態を確認するための断層画像の表示態様を示す図である。
「概要」
本開示で例示する眼科画像処理装置(コンピュータ)は、プロセッサによって眼科画像処理プログラムを実行する。これによって、取得ステップ、設定ステップ、演算処理ステップ、および、表示制御ステップ、が少なくとも実行される。
取得ステップによって、被検眼の3次元OCTデータと、被検眼の3次元モーションコントラストデータと、が取得される。説明の便宜上、以下、モーションコントラストデータを「MCデータ」と記す。設定ステップによって、深さ方向に関する第1スラブが、3次元OCTデータに対して設定される。同様に、深さ方向に関する第2スラブが、3次元MCデータに対して設定される。演算処理ステップによって、3次元OCTデータの第1スラブに基づく正面画像または解析マップが、第1情報として取得される。第2スラブの3次元MCデータに基づく正面画像または解析マップが、第2情報として取得される。第1情報と第2情報とは、表示制御ステップによって、同時に表示される。
なお、3次元OCTデータに基づく正面画像を正面OCT画像、3次元OCTデータに基づく解析マップを形態解析マップともいう。3次元MCデータに基づく正面画像を正面MC画像、3次元MCデータに基づく解析マップを血管解析マップともいう。更に、正面OCT画像と正面MC画像とは、en-face画像ともいう。
本実施形態において、スラブとは、例えば、OCTデータおよびMCデータのそれぞれにおける、ある深さ位置における層領域である。スラブとなる層領域は、2つの層境界に挟まれた領域を含んで設定されてもよいし、いずれかの層境界の近傍領域として設定されてもよい。また、スラブは、例えば、OCTデータおよびMCデータのいずれかに対するセグメンテーション処理に基づいて自動で設定されてもよい。また、スラブは、操作入力に基づいて手動で設定されてもよい。
ここで、本実施形態では、設定ステップにおいて、3次元OCTデータに対する第1スラブと、3次元MCデータに対する第2スラブと、のそれぞれの深さ位置が独立に設定される。この場合、それぞれのスラブの上端(以下、始端層ともいう)および下端(以下、終端層ともいう)の深さ位置が各々独立に設定されてもよい。
例えば、疾患に伴って、層構造に異常が現れる領域と、血管網の異常が現れる領域と、が異なっていても、それぞれに対して適切に第1スラブおよび第2スラブを設定できる。結果、より適切に比較の対象となる領域が設定されたうえで、第1情報(3次元OCTデータの第1スラブに基づく正面OCT画像または形態解析マップ)と第2情報(3次元MCデータの第2スラブに基づく正面MC画像または血管解析マップ)とを同時に表示できる。
また、各々の解析マップは、例えば、被検眼に関する計測結果の二次元分布を示す2次元グラフであってもよい。より具体的には、各解析マップは、計測値に応じて色分けされたカラーマップであってもよい。3次元OCTデータに基づく形態解析マップは、例えば、層厚に関するマップであってもよいし、構造の異常度に関するマップであってもよいし、その他の計測結果に関するマップであってもよい。なお、構造の異常度は、画像中の組織を識別するための確率分布が取得される学習済みモデルに対し、3次元OCTデータを入力することで取得される確率分布に基づいて取得されてもよい(より詳しくは、本出願人による特開2020-18794号公報を参照されたい)。また、3次元MCデータに基づく血管解析マップは、例えば、血管密度に関するマップであっても良い。また、各解析マップは、計測値そのものを示すマップであってもよいし、正常眼との比較結果を示す比較マップあるいはデビエーションマップであってもよいし、他の検査日で得られた測定値との差分を示すフォローアップ解析マップであってもよい。なお、形態解析マップおよび血管解析マップを生成するうえでの更なる具体的な手法については、例えば、上述の特許文献1等を参照されたい。
<第1スラブおよび第2スラブを変更(再設定)>
本実施形態の眼科画像処理プログラムは、更に、変更ステップを眼科画像処理装置に実行させてもよい。変更ステップによって、第1スラブと第2スラブとの相対的な位置関係が維持されながら、第1スラブおよび第2スラブの深さ方向に関する位置が変更される。この場合において、変更の前後で、各スラブにおける中心同士の位置関係が維持されてもよいし、各スラブにおける境界位置の位置関係が維持されてもよい。変更ステップによってそれぞれ変更した後の第1スラブに基づく第1情報と第2スラブに基づく第2情報とは、表示制御ステップによって同時に表示される。
更に、変更ステップは、第1変更処理と、第2変更処理と、を択一的に実行してもよい。これにより、処理に応じた手法で、第1スラブと第2スラブとの各々が変更される。第1変更処理では、前述したように、第1スラブと第2スラブとの相対的な位置関係を維持しつつ第1スラブおよび第2スラブの深さ方向に関する位置が変更される。一方、第2変更処理では、第1スラブおよび第2スラブの深さ方向に関する位置が独立に変更される。
<設定情報を利用したスラブの設定>
また、例えば、第1スラブと第2スラブとの深さ位置の組合せを規定する設定情報が予め複数用意されており、設定ステップでは、複数の設定情報の中からいずれかが被検眼毎に選択されてもよい。それぞれの設定情報は、第1スラブにおける境界位置と、第2スラブにおける境界位置と、のいずれか又は両方が、他の設定情報と異なっていてもよい。選択された設定情報に基づいて、第1スラブおよび第2スラブが設定されてもよい。
予め用意された第1スラブと第2スラブとの深さ位置の組み合わせから、いずれかが被検眼に応じて選択されるので、例えば、第1スラブおよび第2スラブを被検眼に応じて設定する作業が容易になる。
また、この場合、眼科画像処理プログラムは、更に、操作受付ステップを眼科画像処理装置に実行させてもよい。操作受付ステップでは、設定情報の選択操作を受け付ける。これにより、選択された設定情報に基づいて第1スラブおよび第2スラブが設定される。
<設定情報は疾患種別毎に用意する>
例えば、設定情報は、疾患の種別毎に用意されていてもよい。つまり、各々の設定情報において、疾患の種別に応じた第1スラブの深さ位置と第2スラブの深さ位置との組み合わせが規定されていてもよい。設定ステップでは、被検眼における疾患の種別を示す情報(以下、疾患情報という)が取得されることによって、第1スラブと第2スラブとのそれぞれが、疾患の種別に応じた適切な深さ位置にそれぞれ設定される。よって、第1情報と第2情報とが疾患の種別に応じて適切に表示され、両者を見比べることができる。
被検眼における疾患情報を特定する情報を取得するために、疾患情報取得ステップが更に実行されてもよい。
疾患情報は、例えば、検者の操作入力に基づいて取得されてもよい。また、被検者に対する過去の診断・検査結果を示す情報として被検者のID等と、疾患情報とが予め対応付けられおり、被検者のID等に基づいて疾患情報が取得されてもよい。
或いは、疾患情報は、3次元OCTデータ、3次元MCデータ、及び、これらとは異なる検査結果(以下、まとめて検査データと称する)のうち少なくともいずれかに対する処理結果として取得されてもよい。例えば、検査データにおける特徴を検出する処理が検査データに対して行われてもよい。ここでいう特徴は、疾患に伴う異常を示す特徴であってもよい。検出すべき特徴は、例えば、3次元OCTデータおよび3次元MCデータ等を画像化したときに現れる画像的な特徴であってもよいし、検査データを解析したときに現れる定量的な特徴であってもよい。定量的な特徴は、形態解析マップ、または、血管解析マップにおける特徴であってもよい。この場合、例えば、3次元OCTデータまたは3次元MCデータに対する画像処理または解析処理に基づいて、特徴が検出されてもよい。特徴を検出する処理では、特定の種別の特徴が検出されてもよいし、複数種類の特徴を、特徴の種別までも判別しつつ検出されてもよい。なお、特徴の有無(加えて、種別)は、手動で入力されてもよい。
<一方のスラブが手動で設定される場合に他方のスラブを自動で設定>
また、例えば、操作受付ステップでは、3次元OCTデータおよび3次元MCデータのいずれか一方に対して、第1スラブまたは第2スラブの深さ位置を指定する操作を、選択操作として受け付けてもよい。
選択操作によって、3次元OCTデータおよび3次元MCデータのいずれか一方に対して第1スラブまたは第2スラブの深さ位置が指定された場合、指定された深さ位置に応じて、3次元OCTデータおよび3次元MCデータの他方(残り一方)に対する第1スラブまたは第2スラブが、自動的に設定される。この場合において、設定情報として予め用意された複数の第1スラブと第2スラブとの組み合わせの中から、選択操作で指定された第1スラブまたは第2スラブの深さ位置に対応する組み合わせが選択されてもよい。なお、この場合において、選択操作は、第1スラブまたは第2スラブにおける上端および下端それぞれを指定する操作であってもよいし、基準位置(例えば、中心の深さ位置)を指定する操作であってもよいし、第1スラブまたは第2スラブの設定対象となる組織を選択する操作であってもよい。
<一方のスラブの区間内に存在する特徴に応じて、他方のスラブを設定>
3次元OCTデータおよび3次元MCデータのいずれか一方に対して第1スラブまたは第2スラブが設定された場合(最初のスラブ設定)、該一方におけるスラブの区間に含まれる特徴に応じて、3次元OCTデータおよび3次元MCデータの他方(残り一方)に対する第1スラブまたは第2スラブが設定されてもよい。これによれば、3次元OCTデータおよび3次元MCデータとの間で見比べるべき層領域が、最初のスラブ設定で設定されたスラブの区間内に含まれる特徴に応じて適切に設定される。
ここで、3次元OCTデータおよび3次元MCデータの一方に対する最初のスラブ設定は、例えば、設定操作に基づいて行われてもよい。また、最初のスラブ設定は、設定操作を要求することなく、自動的に設定されてもよい。例えば、3次元OCTデータおよび3次元MCデータの一方においてデフォルト値として予め定められた深さ領域に、第1スラブまたは第2スラブが自動的に設定されてもよい。
3次元OCTデータおよび3次元MCデータのいずれか一方において、最初のスラブ設定に基づくスラブの区間に含まれる特徴は、疾患に伴う異常を示す特徴であってもよい。3次元OCTデータおよび3次元MCデータのいずれか一方におけるスラブの区間から特徴を検出する処理は、<設定情報は疾患種別毎に用意する>の項目で示した手法を援用できる。また、特徴の有無(加えて、種別)は、手動で入力されてもよい。この場合、最初のスラブ設定が行われた段階で、該最初のスラブ設定に基づくスラブの区間に対応する第1情報または第2情報が、表示されると共に、特徴の有無(加えて、種別)の入力操作を受け付けてもよい。
<第1実施例>
本開示の実施形態に係る実施例を、図面を参照しつつ説明する。なお、特に断りが無い限り、各実施例の装置構成は同一である。
図1に示す眼科画像処理装置1は、OCTデバイス10を介して取得された、OCTデータおよびMCデータを処理する。
眼科画像処理装置1は、例えば、制御部70を備える。制御部70は、例えば、一般的なCPU(Central Processing Unit)71、フラッシュROM72、RAM73、等で実現される。フラッシュROM72には、例えば、OCTデータおよびMCデータを処理するための眼科画像処理処理プログラム、OCTデバイス10の動作を制御してOCTデータおよびMCデータを得るためのプログラム、初期値等が記憶される。RAM73は、例えば、各種情報を一時的に記憶する。
制御部70には、図1に示すように、例えば、記憶部(例えば、不揮発性メモリ)74、操作部76、および表示部75等が電気的に接続されている。記憶部74は、例えば、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、着脱可能なUSBメモリ等を記憶部74として使用することができる。
操作部76には、検者による各種操作指示が入力される。操作部76は、入力された操作指示に応じた信号をCPU71に出力する。操作部76は、例えば、マウス、ジョイスティック、キーボード、タッチパネル等の少なくともいずれかのユーザーインターフェイスであってもよい。
表示部75は、装置1の本体に搭載されたディスプレイであってもよいし、本体に接続されたディスプレイであってもよい。例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)のディスプレイを用いてもよい。表示部75は、例えば、OCTデバイス10によって取得されたOCTデータおよびMCデータ等を表示する。
なお、第1実施例の眼科画像処理装置1には、例えば、OCTデバイス10が接続されている。なお、眼科画像処理装置1は、例えば、OCTデバイス10と同一の筐体に収納された一体的な構成であってもよいし、別々の構成であってもよい。制御部70は、接続されたOCTデバイス10からMCデータを取得してもよい。制御部70は、OCTデバイス10によって取得されたOCTデータおよびMCデータを、記憶媒体を介して取得してもよい。
<OCTデバイス>
以下、図2に基づいてOCTデバイス10の概略を説明する。例えば、OCTデバイス10は、被検眼Eに測定光を照射し、その反射光と測定光とによって取得されたOCT信号を取得する。OCTデバイス10は、例えば、OCT光学系100を主に備える。
<OCT光学系>
OCT光学系100は、被検眼Eに測定光を照射し、その反射光と参照光との干渉信号を検出する。OCT光学系100は、例えば、測定光源102と、カップラー(光分割器)104と、測定光学系106と、参照光学系110と、検出器120等を主に備える。なお、OCT光学系の詳しい構成については、例えば、特開2015-131107号を参考にされたい。
OCT光学系100は、いわゆる光断層干渉計(OCT:Optical coherence tomography)の光学系である。OCT光学系100は、測定光源102から出射された光をカップラー104によって測定光(試料光)と参照光に分割する。分割された測定光は測定光学系106へ、参照光は参照光学系110へそれぞれ導光される。測定光は測定光学系106を介して被検眼Eの眼底Efに導かれる。その後、被検眼Eによって反射された測定光と,参照光との合成による干渉光を検出器120に受光させる。
測定光学系106は、例えば、走査部(例えば、光スキャナ)108を備える。走査部108は、例えば、眼底上でXY方向(横断方向)に測定光を走査させるために設けられてもよい。例えば、CPU71は、設定された走査位置情報に基づいて走査部108の動作を制御し、検出器120によって検出された受光信号に基づいてOCT信号を取得する。参照光学系110は、眼底Efでの測定光の反射によって取得される反射光と合成される参照光を生成する。参照光学系110は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであっても良い。
検出器120は、測定光と参照光との干渉状態を検出する。フーリエドメインOCTの場合では、干渉光のスペクトル強度が検出器120によって検出され、スペクトル強度データに対するフーリエ変換によって所定範囲における深さプロファイル(Aスキャン信号)が取得される。
なお、OCTデバイス10として、例えば、Spectral-domain OCT(SD-OCT)、Swept-source OCT(SS-OCT)、Time-domain OCT(TD-OCT)等が用いられてもよい。
<正面撮影光学系>
正面撮影光学系200は、例えば、被検眼Eの眼底Efを正面方向(例えば、測定光の光軸方向)から撮影し、眼底Efの正面画像を得る。正面撮影光学系200は、例えば、走査型レーザ検眼鏡(SLO)の装置構成であってもよいし(例えば、特開2015-66242号公報参照)、いわゆる眼底カメラタイプの構成であってもよい(特開2011-10944参照)。なお、正面撮影光学系200としては、OCT光学系100が兼用してもよく、検出器120からの検出信号に基づいて正面画像が取得されてもよい。
<固視標投影部>
固視標投影部300は、眼Eの視線方向を誘導するための光学系を有する。投影部300は、眼Eに呈示する固視標を有し、眼Eを誘導できる。例えば、固視標投影部300は、可視光を発する可視光源を有し、固視標の呈示位置を二次元的に変更させる。これによって、視線方向が変更され、結果的にOCTデータの取得部位が変更される。
<OCTデータの取得>
第1実施例の眼科画像処理装置1は、例えば、OCTデバイス10を介して被検眼の3次元OCTデータを取得してもよい。OCT光学系100によって測定光が被検眼上で二次元的に走査されることによって、眼底Efにおける3次元OCTデータを取得できる。例えば、CPU71は、走査部108の駆動を制御し、眼底Ef上の領域A1において測定光を走査させる。なお、図3(a)において、z軸の方向は、測定光の光軸の方向とする。x軸の方向は、z軸に垂直であって被検者の左右方向とする。y軸の方向は、z軸に垂直であって被検者の上下方向とする。
例えば、CPU71は、領域A1において走査ラインSL1,SL2,・・・,SLnに沿ってx方向に測定光を走査させる。なお、測定光の光軸方向に交差する方向(例えば、x方向)に測定光を走査させることを「Bスキャン」と呼ぶ。異なる走査ラインでのBスキャンによって取得された複数の2次元OCTデータを並べることによって、3次元OCTデータを取得する。
<MCデータの取得>
また、第1実施例の眼科画像処理装置1は、例えば、OCTデバイス10によって検出されたOCTデータを処理してMC(モーションコントラスト)データを取得してもよい。モーションコントラストは、例えば、被検眼の血流、網膜組織の変化などを捉えた情報であってもよい。MCデータを取得する場合、CPU71は、被検眼の同一位置に関して時間的に異なる少なくとも2つのOCTデータを取得する。例えば、各走査ラインにおいて、CPU71は、時間の異なる複数回のBスキャンを行い、時間の異なる複数のOCTデータをそれぞれ取得する。
例えば、図3(b)は、走査ラインSL1,SL2,・・・,SLnにおいて時間の異なる複数回のBスキャンを行った場合に取得されたOCT信号を示している。例えば、図3(b)は、走査ラインSL1を時間T11,T12,・・・,T1Nで走査し、走査ラインSL2を時間T21,T22,・・・,T2Nで走査し、走査ラインSLnを時間Tn1,Tn2,・・・,TnNで走査した場合を示している。例えば、CPU71は、各走査ラインにおいて、時間の異なる複数のOCTデータを取得し、そのOCTデータを記憶部74に記憶させる。
CPU71は、上記のように、同一位置に関して時間的に異なる複数のOCTデータを取得すると、OCTデータを処理してMCデータ(図3(c)参照)を取得する。モーションコントラストを取得するためのOCTデータの演算方法としては、例えば、複素OCTデータの強度差を算出する方法、複素OCTデータの位相差を算出する方法、複素OCTデータのベクトル差分を算出する方法、複素OCT信号の位相差及びベクトル差分を掛け合わせる方法、信号の相関を用いる方法(コリレーションマッピング)などが挙げられる。なお、演算手法の一つとして、例えば、特開2015-131107号公報を参照されたい。
また、CPU71は、異なる走査ラインでのMCデータ(2次元MCデータ)を並べることによって、被検眼Eの3次元MCデータが取得される。なお、前述の3次元OCTデータは、MCデータの基礎となるOCTデータによって形成されてもよい。
<セグメンテーション処理>
本実施例では、3次元OCTデータおよび3次元MCデータの各々に対してセグメンテーション処理が行われる。すなわち、CPU71は、セグメンテーション処理によって、3次元OCTデータを構成する各2次元OCTデータおよび3次元MCデータを構成する各2次元MCデータ、の各々をセグメンテーション処理によって、複数の深さ領域に分離させる。
第1実施例において、CPU71は、強度画像に対する画像処理によって検出された網膜層の境界に基づいて深さ領域を分離させてもよい。ここで、強度画像とは、例えば、OCT信号の強度(Intensity)に応じて輝度値が決定された画像である。MCデータについては、MCデータの基礎となるOCTデータへのセグメンテーション処理によって検出された網膜層の境界に基づいて深さ領域を分離させてもよい。
<第1実施例の表示制御>
図4に示すように、第1実施例では、3次元OCTデータに基づく正面OCT画像501と、3次元MCデータに基づく正面MC画像502と、が同時に表示される。便宜上、図4(ないし図6~図9)に示す画面を、比較画面と称する。
正面OCT画像501,正面MC画像502は、例えば、深さ方向の少なくとも一部の領域に関して3次元OCTデータ,3次元MCデータを、それぞれ取り出す(例えば、特願2015-121574号公報参照)ことによって取得されてもよい。例えば、3次元OCTデータ,3次元MCデータにおける深さ方向での積算値又は最大値によってそれぞれの正面OCT画像501,正面MC画像502が生成されてもよい。但し、各3次元データから正面画像への投影方法は、必ずしもこれに限定されるものではない。
以下の説明において、正面OCT画像501と対応する深さ領域を第1スラブと称し、正面MC画像502と対応する深さ領域を第2スラブと称する。
図4に示すように、正面OCT画像501,正面MC画像502と同時に、いずれかの走査ラインにおいて取得された2次元OCT画像511、および、2次元MC画像512が表示される。2次元OCT画像511、および、2次元MC画像512の各々には、セグメンテーション処理によって検出された層境界を示すラインが重畳される。
また、正面OCT画像501と対応する第1スラブの境界位置であって、2次元OCT画像511上での位置が、マーカ521a,521bによって示される。同様に、正面MC画像502と対応する第2スラブの境界位置であって、2次元MC画像512上での位置が、マーカ522a,522bによって示される。なお、マーカ521a,522aは始端層の位置を、マーカ521b,522bは終端層の位置を、スラブの境界位置としてそれぞれ表す。
<各スラブの設定操作>
第1実施例では、正面OCT画像501と正面MC画像502とを同時に表示する際に、各々のスラブを互いに異ならせることができる。第1実施例では、幾つかのGUIを介して、スラブの位置に関する操作入力を受け付ける。図4に示すように、第1実施例では、スラブ選択部530と、詳細設定部(オフセット設定部)540と、を介して、第1スラブと第2スラブとのそれぞれの位置が設定される。その結果、例えば、疾患に伴って、層構造に異常が現れる領域と、血管網の異常が現れる領域と、の深さ位置が異なっていても、それぞれの深さ位置に対して適切に第1スラブおよび第2スラブを設定できる。結果、層構造に異常が現れる領域と、血管網の異常が現れる領域とを、それぞれの領域に対応する正面画像として検者に同時に確認させることができるので、臨床的に有用である。
<スラブ選択部>
スラブ選択部530では、セグメンテーション処理によって分離された複数の深さ領域(つまり、スラブ)のうちいずれかが選択される。前述の通り、第1実施例において、各スラブは、強度画像(または、MCデータの基礎となるOCTデータ)へのセグメンテーション処理に基づいて設定される。第1実施例では正面MC画像のサムネイルと共にスラブ名称が付された複数のアイコン531~538が表示される。なお、図4では、便宜上、スラブ名称が「スラブ1」~「スラブ8」として、抽象的に記されているが、臨床的に慣用されている名称等、より具体的な名称が用いられてもよい。セグメンテーション処理によって分離された複数の深さ領域は、スラブ選択部530によって選択可能な複数のスラブを合わせた領域の中に、漏れなく含まれていることが望ましい。スラブ選択部530によって選択可能な複数のスラブの中には、層領域が部分的に重複する組み合わせが含まれていてもよい。
各アイコン531~538には、自らのスラブ名称と対応する2つの層境界が予め対応付けられている。アイコン531~538のうち、いずれかが選択されることによって、そのいずれかと対応する2つの層境界が、第1スラブおよび第2スラブの各々における基準位置として設定される。基準位置としては、セグメンテーション処理によって検出された複数の層境界のうち、スラブ名称と対応する層境界が利用される。
例えば、図4においてアイコン531が選択された場合は、第1スラブおよび第2スラブの始端層の基準位置はIPL/INLに設定される。また、第1スラブおよび第2スラブの終端層の基準位置はOPL/ONLに設定される。第1実施例において、設定された基準位置は、詳細設定部540においてテキストとして表示される。2次元OCT画像511および2次元MC画像512に重畳される層境界を示すラインのうち基準位置と対応するものが、強調表示されてもよい。
<詳細設定部>
詳細設定部540では、第1スラブと第2スラブとの始端位置と終端位置とを、基準位置に対する変位(オフセット値)として入力し、設定できる。詳細設定部540では、始端位置と終端位置との設定を、第1スラブと第2スラブとの間で独立に入力できる。本実施例では、マイクロメートル単位で、基準位置に対する変位の入力(オフセット値の入力)を受け付ける。
第1実施例において、図4に示す正面OCT画像501と正面MC画像502とには、スラブ選択部530と、詳細設定部(オフセット設定部)540と、によって第1スラブおよび第2スラブのスラブ設定(深さ位置の設定)を変更する操作が入力されると、直ちに変更後のスラブ設定に基づく正面OCT画像501および正面MC画像502が表示される。
例えば、検者は、スラブ選択部530のアイコン531~538を次々に選択し、選択毎に切り替わる正面OCT画像501および正面MC画像502を介して層構造または血管網の異常を大まかに確認する。層構造または血管網の異常が確認された段階で、詳細設定部540を介して第1スラブおよび第2スラブの境界位置を微調整する。このようにして、正面OCT画像501と正面MC画像502とを確認しながら、第1スラブの中に層構造の異常が、第2スラブの中に血管網の異常が、それぞれ含まれるようにそれぞれのスラブが設定される。また、所望の深さ位置にそれぞれのスラブが設定された正面OCT画像501と正面MC画像502とを、良好に見比べることができる。
また、第1実施例では、同期設定部として、チェックボックス551,552がGUIとして表示される。それぞれのチェックボックス551,552に対する選択操作に応じて、チェックマークが入力/未入力に切り替わる。いずれにおいてもチェックが未入力である場合、前述の通り、各スラブの境界位置(始端位置と終端位置)を、スラブ毎に、且つ、境界位置毎に、任意の値に設定できる。
例えば、チェックボックス551にチェックが入力されることで、画像間のオフセットが同期される。すなわち、詳細設定部540において、第1スラブと第2スラブとの一方において、始端位置および終端位置のいずれか一方を変更したときに、同様の変更が他方に対しても適用される。つまり、第1スラブと第2スラブとの間で相対的な位置関係を維持したまま、一方の境界位置が変更される。
また、例えば、チェックボックス552をチェックすることで、始端位置と終端位置との間でオフセットの変更が同期される。例えば、詳細設定部540において、第1スラブの始端位置および終端位置との一方を変更したときに、同様の変更が第1スラブの他方(始端位置および終端位置の残り一方)に対しても適用される。つまり、スラブの幅を変えずにスラブの深さ位置が操作に応じて変更されるようになる。
なお、チェックボックス551,552の両方にチェックが入力されている場合は、第1スラブの始端位置および終端位置との一方を変更しただけで、第1スラブと第2スラブとの両方において、スラブの幅を変えずにスラブの深さ位置が変更される。つまり、第1スラブと第2スラブとの間で相対的な位置関係を維持したまま、各スラブの深さ位置が変更される。
<第2実施例>
次に、図5および図6を参照して、第2実施例を説明する。
第1実施例では、第1スラブおよび第2スラブを互いに異なる深さ位置に設定するうえで、第1スラブおよび第2スラブのうちいずれかの深さ位置を手動で変更するための操作が要求された。これに対し、第2実施例では、予め定められた設定情報を利用することで、第1スラブおよび第2スラブを互いに異なる深さ位置へと、より簡単な操作に基づいて設定できる。
第2実施例において、設定情報は、第1スラブと第2スラブとの深さ位置の組合せを規定する。例えば、1つの設定情報には、第1スラブの境界位置(始端層の位置と終端層の位置)、第2スラブの境界位置(始端層の位置と終端層の位置)が、それぞれ1つずつ定められている。本実施例では、複数の設定情報が予め記憶部74に記憶されている。複数の設定情報の各々は、第1スラブにおける境界位置と、第2スラブにおける境界位置と、のいずれか又は両方が、他の設定情報と異なっている。複数の設定情報のうち少なくともいずれかには、第1スラブの深さ位置と第2スラブの深さ位置とが互いに異なる組合せが含まれている。
第2実施例において、複数の設定情報は、疾患の種別毎に用意されていてもよい。例えば、疾患の種別に応じた層構造の異常箇所が第1スラブに含まれ、疾患の種別に応じた血管網の異常箇所が第2スラブに含まれるように、第1スラブの境界位置、および、第2スラブの境界位置が、疾患の種別毎に定められていてもよい。なお、境界位置は、境界位置の基準となる層境界と該層境界に対するオフセットの組合せによって定められていてもよい。なお、層境界およびオフセットは、始端層と終端層とのそれぞれについて個別に定められる。セグメンテーション処理によって検出される層境界に対し、オフセット分だけ離れた位置が、実際の境界位置となる。複数の設定情報は、疾患の種別毎に、第1スラブの境界位置と第2スラブの境界位置とが対応付けられたルックアップテーブルとして、記憶部74に記憶されていてもよい。
ここで、図5(a)(b)を参照して、設定情報の具体例を示す。
例えば、加齢黄斑変性症(AMD)では、図5(a)に示すように、網膜色素上皮(RPE)がドーム状に隆起すると共に、その周囲に新生血管が生じる。そこで、加齢黄斑変性症に対する設定情報において、第1スラブの深さ位置は、網膜色素上皮に対する浅層側の範囲として定められていてもよい。これにより、隆起部分の大きさを適切に確認できる。また、加齢黄斑変性症に対する設定情報において、第2スラブの深さ位置は、網膜色素上皮を含む網膜色素上皮の周辺領域に定められていてもよい。これにより、新生血管の走行状態を適切に確認できる。
例えば、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)では、図5(b)に示すように、網膜色素上皮(RPE)よりも浅層側にポリープ状の病巣が、加齢黄斑変性症の隆起とよく似た形で生じる。そこで、ポリープ状脈絡膜血管症に対する設定情報において、第1スラブの深さ位置は、加齢黄斑変性症の場合と同様に定められていてもよい。このようなスラブに基づく正面OCT画像を介して、ポリープ状の病巣の大きさを適切に把握できる。また、更に、ポリープ状脈絡膜血管症に対する設定情報において、第2スラブの深さ位置は、脈絡膜毛細血管板(CC)の位置として定められていてもよい。このようなスラブに基づく正面MC画像を介して、脈絡膜毛細血管板における異常血管網を適切に確認できる。
図6に示すように、第2実施例では、第1実施例と同様に、正面OCT画像501,正面MC画像502,2次元OCT画像,2次元MC画像512,マーカ521a,521b,522a,522b等が表示される。
更に、第2実施例では、複数の設定情報の中からいずれかを選択するためのGUIとして、疾患種別選択部560が表示される。疾患種別選択部560では、疾患名が付されたアイコン561~568が表示される。各々のアイコン561~568には、疾患名(つまり、疾患種別)に応じた設定情報が対応付けられている。アイコン561~568に対する選択操作に基づいて、複数の設定情報の中からいずれかを選択される。選択された設定情報が規定する第1スラブおよび第2スラブの深さ位置に基づいて、正面OCT画像501,正面MC画像502が生成され、比較画面上に表示される。
第2実施例によれば、疾患種別選択部560を介して検者が疾患種別を選択することによって、疾患の種別に応じた層構造の異常箇所が含まれる第1スラブに基づいて正面OCT画像501が表示される。また、疾患の種別に応じた血管網の異常箇所が含まれる第2スラブに基づいて正面MC画像502が表示される。よって、例えば、所望の疾患種別に対して適切にスラブが設定された正面OCT画像501と正面MC画像502とを、速やかに表示させることができる。
なお、第2実施例では、第1実施例と同様の詳細設定部540が比較画面上に配置される。例えば、疾患種別選択部560を介して疾患種別が選択された後に、詳細設定部540が操作される。これによって、疾患種別に応じた境界位置を基準として、更に、第1スラブおよび第2スラブの境界位置をそれぞれ独立に調整できる。
なお、図6では、1つの設定情報における第1スラブと第2スラブとの間で、基準となる層境界は共通である場合が図示されている。但し、必ずしもこれに限られるものではなく、1つの設定情報における第1スラブと第2スラブとの間で、基準となる層境界は互いに異なっていてもよい。
また、第2実施例では、正面OCT画像501の基礎となる3次元OCTデータ、および、正面MC画像502の基礎となる3次元MCデータのうち少なくとも一方を処理し、処理結果に応じた設定情報が自動的に選択されてもよい。一例として、第3実施例では、処理結果は、疾患種別の判定結果として出力される。判定結果と設定情報とは予め対応付けられおり、この対応関係に基づいて、解析処理結果に応じた設定情報が自動的に選択される。選択中の設定情報と対応する疾患種別については、疾患種別選択部560を介して表示される。例えば、アイコン561~568のうち選択中の疾患種別と対応するものが強調される。このような自動選択は、画面表示と同時に実行されてもよいし、所定の操作入力をトリガとして実行されてもよい。
なお、設定情報を自動的に選択する手法は、上記のように3次元OCTデータおよび3次元MCデータの処理結果に基づく手法に限定されない。例えば、過去の検査の結果として被検者の疾患種別を特定する情報が予め装置に記憶されている場合は、当該情報に基づいて、設定情報を選択してもよい。
<第3実施例>
図7に示すように、第3実施例では、第1実施例と同様の画像およびGUIが表示される。すなわち、正面OCT画像501,正面MC画像502,2次元OCT画像511,2次元MC画像512,マーカ521a,521b,522a,522b,スラブ選択部530,詳細設定部540が表示される。
加えて、第3実施例では、更に、第2選択部570が比較画面上に配置される。第2選択部570は、第2実施例における疾患種別選択部560がプルダウンメニューの形式で実装されたGUIである。プルダウンメニューを展開することで複数の疾患名(疾患種別)が表示され、いずれかを選択できる。これによって、疾患種別と予め対応付けられた設定情報に基づいて、第1スラブと第2スラブとが互いに異なる深さ領域に設定される。なお、疾患種別は、正面MC画像502の基礎となる3次元MCデータのうち少なくとも一方を処理し、処理結果に応じて自動的に選択されてもよい。
よって、第3実施例では、例えば、スラブ選択部530を操作して大まかに異常部を発見したうえで、疾患の鑑別において適切な境界位置を、第1スラブと第2スラブとに対して設定することができる。また、予め疾患の見当がついている場合には疾患種別選択部560を介して所望の疾患種別に対して適切な第1スラブと第2スラブとを速やかに設定できる。
<第4実施例>
第4実施例では、血管網毎に分離された複数のスラブの中から何れかが第2スラブとして選択される。3次元MCデータの第2スラブに含まれる血管網の特徴の種別に応じて、第1スラブが設定される。
図8に示すように、例えば、第4実施例では、スラブ選択部530を介して第2スラブが選択される。より詳細には、血管網毎に分離された複数のスラブのうちいずれかが、スラブ選択部530を介して選択可能である。第4実施例において、第2スラブの境界位置は、3次元OCTデータに対するセグメンテーション処理に基づいて検出された層境界に、オフセットを加えることによって設定される。各層境界に対するオフセットは、予め定められていてもよい。
第4実施例では、3次元MCデータの第2スラブから、血管網の特徴が検出されてもよい。血管網の特徴は、例えば、虚血、血管瘤、および、新生血管等が挙げられる。血管網の特徴を検出する検出処理には、公知の種々の手法のうちいずれかが、適宜適用可能である。また、血管網の特徴は、第2スラブの区間内の3次元MCデータから検出されてもよいし、第2スラブと対応する正面MC画像から検出されてもよい。
第4実施例では、第2スラブの3次元MCデータに含まれる特徴の種別に応じて、第1スラブの境界位置(始端層および終端層の位置)が設定される。第1スラブの始端層と終端層との少なくとも一方の位置が、第2スラブが設定される血管網の種別と、該血管網における特徴の種別と、に応じて設定される。
第4実施例における詳細設定部540は、第2スラブの境界位置を調整するために利用される。すなわち、第2スラブにおける始端位置と終端位置とが、基準位置に対する変位(オフセット値)として入力され、設定される。これにより、血管網の特徴が適切に含まれるように第2スラブが設定できる。結果、血管網の特徴の種別に応じた第1スラブの設定についても、より適切に行われる。
このように、第4実施例では、正面MC画像と対応する区間内に特徴的な組織が存在する場合において、正面MC画像と見比べるべきスラブにおける正面OCT画像が自動的に表示される。これにより、疾患の見落としが抑制される。
<第5実施例>
第5実施例では、複数種類の比較画面が予め用意されており、比較画面毎に、スラブの初期設定が、互いに異なっている。
図9に示すように、第5実施例では、比較画面としてレポート画面が表示される。レポート画面では、例えば診断の目的毎に予め定められた形式によるレポートが表示される。レポートは、眼科画像処理装置1によって取得された検査結果のデータのうち、レポートのテンプレートに応じて一部を抽出して、ユーザが閲覧しやすいように所定のレポート形式で並べたものである。各々のテンプレートでは、抽出するデータの種類、および、抽出されたデータのレポート上での配置等が定められている。
第5実施例では、黄斑疾患レポート、緑内障レポート、および、アンジオレポート、の3種類のレポートが、択一的に表示される。「Macula」タブ581、「Glaucoma」タブ582、「Angio」タブ583の選択操作に応じてレポート画面が切換わる。ここで、黄斑疾患レポートは黄斑疾患の診断に利用される。緑内障レポートは緑内障の診断に利用される。アンジオレポートでは各血管網の状態を一覧できる。3種類のレポートのうち少なくとも黄斑疾患レポートおよび緑内障レポートでは、疾患種別に応じたスラブの初期設定がそれぞれ行われ、初期状態では、初期設定されるスラブについての正面OCT画像と正面MC画像とが表示される。この場合において、第2,第3実施例と同様に、各レポートと対応する疾患種別に予め対応付けられた設定情報に基づいて、黄斑疾患レポートにおいて初期設定されるスラブ、緑内障レポートにおいて初期設定されるスラブ、がそれぞれ設定される。例えば、図9に示す例では、黄斑疾患では、ORCC(outer retina to choriocapillaris:網膜色素上皮外縁~脈絡毛細血管板(CC)を含むスラブ)が、第2スラブの初期値として少なくとも設定される。また、緑内障では、DCP(Deep capillary plexus:深層毛細血管網)が第2スラブの初期値として少なくとも設定される。但し、ここで示した各疾患とスラブの初期設定は、一例に過ぎず、適宜変更できる。
「変形例」
<スラブ設定を反映した解析マップの表示>
各実施例において、比較画面には、第1スラブに基づく正面OCT画像と、第2スラブに基づく正面MC画像とが、同時に表示されるものとして説明した。但し、必ずしもこれに限られるものではなく、正面OCT画像に代えて又は正面OCT画像と共に、第1スラブに基づく形態解析マップが表示されてもよい。同様に、正面MC画像に代えて又は正面MC画像と共に、第2スラブに基づく血管解析マップが表示されてもよい。各々の解析マップは、対応する正面画像と並べて、又は、重畳して、表示されてもよい。
CPU71は、それぞれのスラブが設定される都度、それぞれのスラブの区間における3次元OCTデータまたは3次元MCデータを解析処理し、解析処理の結果として、解析マップを生成し、画面上に表示させてもよい。
<設定情報のプリセット>
設定情報として、検者によって定義された情報がプリセット登録されていてもよい。プリセット登録された設定情報は、例えば、疾患種別選択部560において選択可能であってもよい。プリセット登録の際には、第1スラブと第2スラブとのそれぞれについて、境界位置の基準となる層境界の選択と、該層境界に対するオフセットの入力と、を受け付ける。また、検者によって定義された設定情報に対し、名称を登録可能であってもよい。登録された名称は、疾患種別選択部560において疾患名の代わりに表示される。なお、層境界の選択およびオフセットの入力は、始端層と終端層とのそれぞれに対し、個別に入力されてもよい。
<フォローアップ検査では、過去の検査における設定情報を利用>
各実施例において、最終的に設定された第1,第2スラブの設定状態を示す設定情報は、過去検査情報として、被検者の識別情報と対応付けた状態で記憶部94に記憶されてもよい。経過観察時等、被検者に対して新たに検査が行われ、比較画面が表示される場合には、被検者の識別情報に基づいて過去検査情報を取得し、新たな検査で得られた3次元OCTデータおよび3次元MCデータに対するスラブ設定が、過去検査情報に基づいて行われてもよい。新たに検査が行われた場合に、過去検査情報はスラブ設定の初期値として利用されてもよいし、検者の選択操作に応じて利用されてもよい。
<比較画面における断層画像(2次元OCT画像、2次元MC画像)の表示例>
上記第1~第4各実施例では、正面OCT画像501および正面MC画像502と共に、第1,第2スラブの設定状態を示すために断層画像を1枚ずつ表示している。具体的には、2次元OCT画像511および2次元MC画像212とマーカ521a,521b,522a,522bを表示している。
但し、必ずしもこれに限られるものではなく、第1,第2スラブの設定状態は、図10に示すようなレイアウトで示されてもよい。
図10に示すように、1枚の断層画像600を用いて第1,第2スラブの設定状態が示されてもよい。断層画像600の片側に、第1スラブを示すマーカ611a,611bが、その反対側には、第2スラブを示すマーカ612a,612bが、それぞれ示される。更に、図10に示すように、2次元OCT画像のセグメンテーション処理によって特定された層境界を示すラインが、画像全体に重畳されていてもよい。このような断層画像600を介して、検者は、より直感的にそれぞれのスラブの設定状態を把握できる。
断層画像600は、2次元OCT画像であってもよいし、2次元MC画像であってもよいし、両者のコラージュ画像であってもよい。コラージュ画像は、例えば、1つのスキャンラインに関する断層画像であり、2次元OCT画像と2次元MC画像とが横断方向に相対して配置されたものであってもよい。
また、例えば、上記実施例では、MCデータに対してセグメンテーション処理が行われる場合は、MCデータの基礎となるOCTデータに対してセグメンテーション処理が行われ、その結果として、MCデータにおける各スラブの境界位置が設定されるものとして説明した。但し、必ずしもこれに限定されるものでは無い。例えば、MCデータに基づく2次元MC画像を画像処理することによって、MCデータに対してセグメンテーション処理が行われてもよい。
1 眼科画像処理装置
501 正面OCT画像
502 正面MC画像

Claims (9)

  1. コンピュータのプロセッサに実行されることによって、
    被検眼の3次元OCTデータおよび3次元モーションコントラストデータを取得する取得ステップと、
    第1スラブを前記3次元OCTデータに対して設定し、第2スラブを前記3次元モーションコントラストデータに対して設定する設定ステップと、
    前記3次元OCTデータの前記第1スラブに基づく正面OCT画像または形態解析マップを第1情報として取得し、前記3次元モーションコントラストデータの前記第2スラブに基づく正面MC画像または血管解析マップを第2情報として取得する、演算処理ステップと、
    前記第1情報と前記第2情報とを同時に表示する表示制御ステップと、を前記コンピュータに実行させる眼科画像処理プログラムであって、
    前記設定ステップは、前記第1スラブおよび前記第2スラブのそれぞれの深さ位置を独立に設定する、眼科画像処理プログラム。
  2. 前記第1スラブおよび前記第2スラブの深さ位置の組合せを規定する設定情報が予め複数用意されており、
    前記設定ステップでは、複数の前記設定情報の中からいずれかを被検眼毎に選択し、選択された設定情報に基づいて前記第1スラブおよび前記第2スラブを設定する、請求項1記載の眼科画像処理プログラム。
  3. 前記設定情報は、疾患の種別毎に用意されており、
    被検眼における疾患の種別を特定する情報を取得する疾患種別情報取得ステップを更に実行し、
    前記設定ステップでは、被検眼における前記疾患の種別を特定する情報に応じた前記設定情報に基づいて、前記第1スラブおよび前記第2スラブを設定する、請求項2記載の眼科画像処理プログラム。
  4. 前記設定情報の選択操作を受け付ける操作受付ステップを更に含む請求項2記載の眼科画像処理プログラム。
  5. 前記操作受付ステップでは、前記3次元OCTデータおよび前記3次元MCデータのいずれか一方に対して、前記第1スラブまたは前記第2スラブの深さ位置を指定する操作を、前記選択操作として受け付け、
    前記設定ステップでは、前記一方に対して指定された深さ位置に応じて、前記3次元OCTデータおよび前記3次元MCデータの他方に対する前記第1スラブまたは前記第2スラブを設定する、請求項4記載の眼科画像処理プログラム。
  6. 前記設定ステップは、
    前記3次元OCTデータおよび前記3次元MCデータのいずれか一方に対して、前記第1スラブまたは前記第2スラブを設定する第1設定ステップと、
    前記3次元OCTデータおよび前記3次元MCデータの他方に対し、前記第1スラブまた前記は第2スラブを、前記一方において前記第1設定ステップで設定されるスラブの区間に含まれる特徴に応じて設定する第2設定ステップと、
    を含む、請求項1から5のいずれかに記載の眼科画像処理プログラム。
  7. 前記第1スラブと前記第2スラブとの相対的な位置関係を維持しつつ前記第1スラブおよび前記第2スラブの深さ方向に関する位置を変更する変更ステップを、更に実行させると共に、
    前記表示制御ステップでは、前記変更ステップによってそれぞれ変更した後の前記第1スラブに基づく前記第1情報と前記第2スラブに基づく前記第2情報とを、同時に表示する、請求項1から6のいずれかに記載の眼科画像処理プログラム。
  8. 前記変更ステップは、前記第1スラブと前記第2スラブとの相対的な位置関係を維持しつつ前記第1スラブおよび前記第2スラブの深さ方向に関する位置を変更する第1変更処理と、前記第1スラブおよび前記第2スラブの深さ方向に関する位置を独立に変更する第2変更処理と、を択一的に実行する、請求項7記載の眼科画像処理プログラム。
  9. 請求項1~8の何れかの眼科画像処理プログラムを実行する眼科画像処理装置。
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