JP2023023216A - 衝突回避方法、地上設備、コマンド送信方法、および、コマンド送信プログラム - Google Patents

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Abstract

Figure 2023023216000001
【課題】北上する衛星と南下する衛星との衝突が予見された場合に、一方の衛星である回避衛星のみが衝突回避行動をとることにより衛星同士の衝突を回避する衝突回避方法を提供したい。
【解決手段】衝突回避方法は、複数の軌道面が経度方向に分散して配置され、複数の軌道面の各々は傾斜円軌道に対応する軌道面であり、複数の軌道面の各々には、位相角を分散させて複数機の衛星が飛翔軌道高度を飛翔している衛星コンステレーションにおいて、北上衛星と、南下衛星とが衝突するリスクが予見された場合に、北上衛星と、南下衛星との一方である回避衛星が軌道を変更することにより、北上衛星と、南下衛星との衝突を回避する方法である。
【選択図】図13

Description

本開示は、衝突回避方法、地上設備、コマンド送信方法、および、コマンド送信プログラムに関する。
メガコンステレーションの登場とデブリ増加等に伴う軌道上物体数の激増により宇宙空間における衝突リスクが増大している。そのため、他の衛星またはデブリ等との衝突を回避する方法が待望されている。さらに、万が一同一軌道高度で衛星同士等の衝突が発生した結果飛散した多数の破片がデブリ化し、デブリ化した多数の破片が近傍軌道を飛翔し始めた場合に、同一軌道高度の他の衛星に連鎖的に衝突するリスクが発生する。この連鎖的な衝突が止まらなくなる状態は、ケスラーシンドロームと呼ばれ、警戒されている。特許文献1は、複数の軌道面の軌道高度が互いに異なる場合における衝突回避方法を開示している。
国際公開第2020/158505号パンフレット
特許文献1が開示する衝突回避方法によれば、複数の軌道面の軌道高度が同じである場合において衛星同士の衝突を回避することができないという課題がある。
本開示は、北上する衛星と南下する衛星との衝突が予見された場合に、一方の衛星である回避衛星のみが衝突回避行動をとることにより衛星同士の衝突を回避する衝突回避方法を提供することを目的とする。
本開示に係る衝突回避方法は、
複数の軌道面が経度方向に分散して配置され、前記複数の軌道面の各々は傾斜円軌道に対応する軌道面であり、前記複数の軌道面の各々には、位相角を分散させて複数機の衛星が飛翔軌道高度を飛翔している衛星コンステレーションにおける衝突回避方法であって、
前記衛星コンステレーションを構成するいずれかの衛星であって、南半球から北半球に向かって北上している衛星である北上衛星と、前記衛星コンステレーションを構成する前記北上衛星以外のいずれかの衛星であって、北半球から南半球に向かって南下している衛星である南下衛星とが衝突するリスクが予見された場合に、前記北上衛星と、前記南下衛星との一方である回避衛星が軌道を変更することにより、前記北上衛星と、前記南下衛星との衝突を回避する方法である。
本開示によれば、北上する衛星と南下する衛星との衝突が予見された場合に、一方の衛星である回避衛星のみが衝突回避行動をとることにより衛星同士の衝突を回避する衝突回避方法を提供することができる。
中緯度交差点の衝突危険領域を示す図。 実施の形態1に係る衛星コンステレーション維持システム100の概略を示す図。 実施の形態1に係る衛星コンステレーション維持システム100の構成例を示す図。 実施の形態1に係る衛星30の構成例を示す図。 実施の形態1に係る地上設備500の構成例を示す図。 実施の形態1に係る衛星コンステレーション維持システム100の構成例を示す図。 8機の衛星30が均等位相で飛翔する円軌道を示す図。 法線ベクトルが互いに異なる軌道面同士が交差する点における衝突リスクを示す図。 軌道面毎の衛星30の飛翔位置の位相をずらした様子を示す図であり、(a)は位相をずらしていない図、(b)は位相を9度ずらした図、(c)は位相を18度ずらした図、(d)は位相を27度ずらした図、(e)は位相を36度ずらした図。 図9に示す軌道面を重ねた様子を示す図であり、(a)は傾斜がない場合を示す図、(b)は傾斜がある場合を示す図。 図9に示す軌道面に軌道傾斜角をつけた様子を示す図であり、(a)は軌道面1を示す図、(b)は軌道面2を示す図、(c)は軌道面3を示す図、(d)は軌道面4を示す図、(e)は軌道面5を示す図、(f)は第1の軌道面を示す図、(g)は第2の軌道面を示す図、(h)は第3の軌道面を示す図、(i)は第4の軌道面を示す図、(j)は第5の軌道面を示す図。 軌道の交点を説明する図であり、(a)は第1の軌道面を示す図、(b)は第2の軌道面を示す図、(c)は第3の軌道面を示す図、(d)は第4の軌道面を示す図、(e)は第5の軌道面を示す図、(f)は第1の軌道面を示す図、(g)は第2の軌道面を示す図、(h)は第3の軌道面を示す図、(i)は第4の軌道面を示す図、(j)は第5の軌道面を示す図。 軌道面同士の交線上で軌道高度が一致する点を示す図であり、(a)は第1の軌道面を示す図、(b)は第2の軌道面を示す図、(c)は第3の軌道面を示す図、(d)は第4の軌道面を示す図、(e)は第5の軌道面を示す図、(f)は第1の軌道面を示す図、(g)は第2の軌道面を示す図、(h)は第3の軌道面を示す図、(i)は第4の軌道面を示す図、(j)は第5の軌道面を示す図。 軌道面同士の交線上で軌道高度が一致する点を示す図であり、(a)は第1の軌道面を示す図、(b)は第2の軌道面を示す図、(c)は第3の軌道面を示す図、(d)は第4の軌道面を示す図、(e)は第5の軌道面を示す図。 軌道面同士の交線上で軌道高度が一致する点を示す図であり、(a)は第1の軌道面を示す図、(b)は第2の軌道面を示す図、(c)は第3の軌道面を示す図、(d)は第4の軌道面を示す図、(e)は第5の軌道面を示す図。 位相をずらした軌道面の順番を変更した具体例を示す図であり、(a)は第1の軌道面を示す図、(b)は第4の軌道面を示す図、(c)は第2の軌道面を示す図、(d)は第5の軌道面を示す図、(e)は第3の軌道面を示す図、(f)は第1の軌道面を示す図、(g)は第4の軌道面を示す図、(h)は第2の軌道面を示す図、(i)は第5の軌道面を示す図、(j)は第3の軌道面を示す図。 実施の形態1の変形例に係る地上設備500の構成例を示す図。
以下、本開示の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。また、以下の図面では各構成の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。図中の矢印はデータの流れまたは処理の流れを主に示している。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向あるいは位置が示されている場合がある。それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、あるいは部品といった構成の配置および向きを限定するものではない。
また、「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」、「手段」または「サーキットリー」に適宜読み替えてもよい。
実施の形態1.
以下、本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
***構成の説明***
傾斜円軌道を採用するメガコンステレーションでは、図1に示すように、中緯度帯に格子状に形成される複数の軌道面の交差線上における同一高度の交差点が全て衝突リスクを有する。そこで、予め設計段階において全ての通過タイミングをずらすこと、および、想定外のタイミングずれが発生した場合においても、衛星同士の衝突を回避できる仕組みが必要となる。
本実施の形態では、軌道面毎の衛星30の飛翔位置を変えて、北上する衛星30同士ないし南下する衛星30同士の衝突を解消し、さらに、北上する衛星30と南下する衛星30との衝突が予見された場合に、北上する衛星30が衝突回避行動をとる衝突回避方法を提供する。
図2は、本実施の形態に係る衛星コンステレーション維持システム100の概略を示している。
衛星コンステレーション維持システム100は、本図に示すように、衛星コンステレーション20と、地上設備500とを備える。本明細書では、人工衛星を単に衛星と表記することもある。
衛星コンステレーション20は、典型的には100機以上の衛星30を備える衛星メガコンステレーションである。衛星コンステレーション20の具体例は[参考文献1]および[参考文献2]に開示されている。メガコンステレーションの具体例は[参考文献3]に開示されている。衛星コンステレーション維持システム100は、これらの参考文献に開示されている機能を適宜備える。
衛星コンステレーション20が含む各衛星30は、具体例として、地上に存在する利用者に通信サービス等を提供する。
[参考文献1]
特開2021-054167号公報
[参考文献2]
特開2021-070342号公報
[参考文献3]
国際公開第2021/060492号パンフレット
地上設備500は、通信装置950と衛星制御装置501とを備え、各衛星30と通信することによって衛星コンステレーション20を制御する。
衛星制御装置501は、各衛星30を制御するための各種コマンドを生成するコンピュータであり、処理回路および入出力インタフェース等のハードウェアを備える。処理回路は各種コマンドを生成する。入出力インタフェースには入力装置および出力装置が接続される。衛星制御装置501は、入出力インタフェースを介して、通信装置950に接続される。
通信装置950は、各衛星30と通信を行う。具体的には、通信装置950は、各種コマンドを各衛星30へ送信する。
図3は、本実施の形態に係る衛星コンステレーション維持システム100の構成例を示している。
衛星コンステレーション維持システム100は、コンピュータを備える。図3では、1つのコンピュータの構成を示しているが、実際には、衛星コンステレーション20を構成する複数の衛星の各衛星30、および、衛星30と通信する地上設備500の各々にコンピュータが備えられる。そして、複数の衛星の各衛星30、および、衛星30と通信する地上設備500の各々に備えられたコンピュータが連携して、本実施の形態に係る衛星コンステレーション維持システム100の機能を実現する。以下において、衛星コンステレーション維持システム100の機能を実現するコンピュータの構成の一例について説明する。
衛星コンステレーション維持システム100は、衛星30と地上設備500とを備える。衛星30は、地上設備500の通信装置950と通信する衛星通信装置32を備える。
衛星コンステレーション維持システム100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
衛星コンステレーション維持システム100は、機能要素として、衛星コンステレーション維持部110を備える。衛星コンステレーション維持部110の機能は、ハードウェアあるいはソフトウェアにより実現される。
衛星コンステレーション維持部110は、衛星コンステレーション20を維持するための処理を実行する機能を有する。
プロセッサ910は、衛星コンステレーション維持プログラムを実行する装置である。衛星コンステレーション維持プログラムは、衛星コンステレーション維持部110の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU、DSP(Digital Signal
Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、あるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDD(Hard Disk Drive)である。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)(Secure Digital)メモリカード、CF(CompactFlash(登録商標))、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、またはDVD(Digital Versatile Disk)といった可搬記憶媒体であってもよい。
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB(Universal Serial Bus)端子である。なお、入力インタフェース930は、LAN(Local Area Network)と接続されるポートであってもよい。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった出力機器のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。衛星コンステレーション維持システム100は、通信装置950を介して、地上設備500と衛星30との通信を行う。
衛星コンステレーション維持プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、衛星コンステレーション維持プログラムだけでなく、OS(Operating System)も記憶されている。プロセッサ910は、OSを実行しながら、衛星コンステレーション維持プログラムを実行する。衛星コンステレーション維持プログラムおよびOSは、補助記憶装置に記憶されていてもよい。補助記憶装置に記憶されている衛星コンステレーション維持プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、衛星コンステレーション維持プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
衛星コンステレーション維持システム100は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、衛星コンステレーション維持プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、衛星コンステレーション維持プログラムを実行する装置である。
衛星コンステレーション維持プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
衛星コンステレーション維持プログラムは、衛星コンステレーション維持部110の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程を、コンピュータに実行させる。また、衛星コンステレーション維持方法は、衛星コンステレーション維持システム100が衛星コンステレーション維持プログラムを実行することにより行われる方法である。
本明細書に記載のいずれのプログラムも、コンピュータ読取可能な記録媒体あるいは記憶媒体に格納されて提供されてもよい。また、本明細書に記載のいずれのプログラムも、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
図4は、本実施の形態に係る衛星30の構成例を示している。
衛星30は、衛星制御装置31と衛星通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35とを備える。衛星30は、その他、各種の機能を実現する構成要素を備えるが、図4に関して、衛星制御装置31と衛星通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35とについて説明する。
衛星制御装置31は、推進装置33と姿勢制御装置34とを制御するコンピュータであり、処理回路を備える。具体的には、衛星制御装置31は、地上設備500から送信される各種コマンドに従って、推進装置33と姿勢制御装置34とを制御する。
衛星通信装置32は、地上設備500と通信する装置である。具体的には、衛星通信装置32は、自衛星に関する各種データを地上設備500へ送信する。また、衛星通信装置32は、地上設備500から送信される各種コマンドを受信する。
推進装置33は、衛星30に推進力を与える装置であり、衛星30の速度を変化させる。具体的には、推進装置33は電気推進機である。具体的には、推進装置33は、イオンエンジンまたはホールスラスタである。
姿勢制御装置34は、衛星30の姿勢と衛星30の角速度と視線方向(Line Of
Sight)といった姿勢要素を制御するための装置である。姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に変化させる。もしくは、姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に維持する。姿勢制御装置34は、姿勢センサとアクチュエータとコントローラとを備える。姿勢センサは、ジャイロスコープ、地球センサ、太陽センサ、スター・トラッカ、スラスタおよび磁気センサといった装置である。アクチュエータは、姿勢制御スラスタ、モーメンタムホイール、リアクションホイールおよびコントロール・モーメント・ジャイロといった装置である。コントローラは、姿勢センサの計測データまたは地上設備500からの各種コマンドにしたがって、アクチュエータを制御する。
電源装置35は、太陽電池、バッテリおよび電力制御装置といった機器を備え、衛星30に搭載される各機器に電力を供給する。
衛星制御装置31に備わる処理回路について説明する。
処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路において、一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。
専用のハードウェアは、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)またはこれらの組み合わせである。
図5は、本実施の形態に係る地上設備500の構成例を示している。
地上設備500は、全ての軌道面の多数の衛星30をプログラム制御する。地上設備500は、地上装置の例である。地上装置は、地上アンテナ装置、地上アンテナ装置に接続された通信装置、あるいは電子計算機といった地上局と、地上局にネットワークで接続されたサーバあるいは端末としての地上設備から構成される。また、地上装置には航空機、自走車両、あるいは移動端末といった移動体に搭載された通信装置を含んでもよい。
地上設備500は、各衛星30と通信することによって衛星コンステレーション20を形成する。地上設備500は、衛星コンステレーション維持システム100に備えられる。地上設備500は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。地上設備500のハードウェアについては、図3に示す衛星コンステレーション維持システム100で説明したものと同様である。図3および図4では、地上設備500に備えられるハードウェアについて説明した。しかし、同様の機能を有するハードウェアは、衛星30および地上設備50以外の、システム、衛星、装置、あるいは設備に備えられていてもよい。
地上設備500は、機能要素として、軌道制御コマンド生成部510と、衛星解析部520とを備える。軌道制御コマンド生成部510および衛星解析部520の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、あるいはこれらの組み合わせにより実現される。
通信装置950は、衛星コンステレーション20を構成する衛星群の各衛星30を追跡管制する信号を送受信する。また、通信装置950は、軌道制御コマンド51を各衛星30に送信する。
衛星解析部520は、衛星コンステレーション20の状態と、衛星30の状態等を解析する。具体例として、衛星解析部520は、衛星30同士が衝突するリスクがあるか否かを判定する。
軌道制御コマンド生成部510は、衛星30に送信する軌道制御コマンド51を生成する。具体的には、軌道制御コマンド生成部510は、下記の動作例を実現するコマンドを衛星30に送信する。なお、軌道制御コマンド生成部510がコマンドを送信する方法はコマンド送信方法に相当する。軌道制御コマンド生成部510にコマンドを送信させるプログラムはコマンド送信プログラムに相当する。コマンド送信プログラムは衛星コンステレーション維持プログラムの一部であってもよい。コマンド送信プログラムは、地上設備500に、衝突回避方法を実現するための処理を実行することを要求するコマンドを衛星30に適宜送信させる。
このようにして軌道制御コマンド生成部510および衛星解析部520は、衛星コンステレーション維持部110の機能を実現する。すなわち、軌道制御コマンド生成部510および衛星解析部520は、衛星コンステレーション維持部110の機能の具体例に相当する。
図6は、本実施の形態に係る衛星コンステレーション維持システム100の機能構成例を示す図である。
衛星30は、さらに、衛星コンステレーション20を形成する衛星コンステレーション維持部110bを備える。そして、複数の衛星の各衛星30の衛星コンステレーション維持部110bと、地上設備500の各々に備えられた衛星コンステレーション維持部110とが連携して、本実施の形態に係る衛星コンステレーション維持システム100の機能を実現する。なお、衛星30の衛星コンステレーション維持部110bは、衛星制御装置31に備えられていてもよい。
***動作の説明***
<実施の形態1に係る動作例1>
本動作例は衛星コンステレーション20における衝突回避方法に当たる。衛星コンステレーション20において、複数の軌道面が経度方向に分散して配置され、複数の軌道面の各々は傾斜円軌道に対応する軌道面であり、複数の軌道面の各々には、位相角を分散させて複数機の衛星30が飛翔軌道高度を飛翔している。飛翔軌道高度は、ある範囲の軌道高度であってもよく、楕円軌道における各高度であってもよい。また、各衛星30は地球周回軌道を飛翔している。衛星コンステレーション20において、複数の軌道面を構成する軌道面の数はn(nは2以上の整数)であり、複数の軌道面の各々を飛翔している衛星の数はm(mは2以上の整数)であり、複数の軌道面は経度方向に均等に配置されており、複数の軌道面の各々において、複数機の衛星30は、位相角が均等になるよう飛翔しており、衛星コンステレーション20において、複数の軌道面の各軌道面を飛翔している衛星が赤道上空を北上して飛翔する位相が360/(m×n)度ずつずれるよう同期して飛翔するのが合理的である。
本動作例において、北上衛星と南下衛星とが衝突するリスクが予見された場合に、北上衛星と南下衛星との一方である回避衛星が軌道を変更することにより、北上衛星と、南下衛星との衝突を回避する。北上衛星は、衛星コンステレーション20を構成するいずれかの衛星30であって、南半球から北半球に向かって北上している衛星30である。南下衛星は、衛星コンステレーション20を構成する北上衛星以外のいずれかの衛星30であって、北半球から南半球に向かって南下している衛星30である。回避衛星は、北上衛星であってもよく、南下衛星であってもよいが、以下では回避衛星は北上衛星であるものとする。回避衛星を北上衛星と南下衛星との一方に定めることは、本動作例の特徴の1つである。
海洋を航行する船舶同士が衝突するリスクが予見された場合に、衝突を回避する回避行動をとるべき船舶の条件が予め定められている。しかし、宇宙空間において衛星同士が衝突するリスクが予見された場合に、回避行動をとるべき衛星の条件は現時点では定められていない。そのため、衛星同士が衝突するリスクが予見された場合に、双方が回避行動をとらなければ衛星同士が衝突するリスクが解消せず、また、双方が回避行動をとった結果、予見された場所とは異なる場所で衛星同士が衝突するリスクが生じることがある。
地球周回衛星コンステレーションでは、複数の軌道面が交差する点において、南半球から北半球に向かって北上している衛星と、北半球から南半球に向かって南下している衛星とが衝突するリスクがある。しかし、予めこれらの衛星同士の衝突が予見された場合に、ある条件を満たす衛星のみが回避行動をとるよう定めれば、衛星同士の衝突を確実に回避することができる。ある条件は、典型的には南半球から北半球に向かって北上していることである。
また、仮に双方の衛星が独立して回避行動をとるものとすると、回避した結果として予見された位置とは別の位置で衛星同士が衝突するリスクが生じることがある。そのため、船舶の海上航行ルールと同様に回避行動をとる側を予めルールとして決めることが要諦となる。
また、衛星30が赤道上空を北上して飛翔する位相が軌道面毎に360/(m×n)度ずつずれていることにより、南半球から北半球に向けて北上している衛星30同士、および、北半球から南半球に向けて南下している衛星30同士は、同じ緯度を通過するタイミングが互いに異なるので、衛星30同士が衝突するリスクがないという効果がある。
任意の2つの軌道間では、北半球側と南半球側とでそれぞれ、南半球から北半球に向けて北上する衛星30と、北半球から南半球に向けて南下する衛星30とのそれぞれの軌道が交差する点がある。北上する衛星30と南下する衛星30との交差点における各衛星30が通過するタイミングを予めずらしておくことにより、衛星30同士の衝突を回避することができる。
想定外の理由で設計公差を逸脱して交差点を通過するタイミングがずれることにより2つの衛星30同士の衝突が予見される場合がある。この場合において、北上する側の衛星30が推進装置33を稼働して軌道を変更することにより、2つの衛星30同士の衝突を回避することができる。この際、推進装置33を稼働させて衛星30が衛星30の進行方向において増速することにより衛星30の軌道高度が上昇する性質、または、推進装置33を稼働させて衛星30が衛星30の進行方向において減速することにより衛星30の軌道高度が下降する性質を利用して、北上する側の衛星30が高度方向に移動して2つの衛星30の軌道高度を互いに異なる軌道高度とすることにより衛星30同士の衝突を回避することができる。また、衛星30が赤道上空または赤道上空近傍を通過する際に当該衛星30の軌道面外方向に推進装置33を稼働することにより、当該衛星30の軌道傾斜角が変化する性質がある。そこで、北上する側の衛星30は、この性質を利用して高度方向と直行する方向へ移動することにより、軌道高度以外の通過位置を変化させて衛星30同士の衝突を回避してもよい。
衛星コンステレーション維持システム100は、衛星30同士の衝突の予見方法として、衛星コンステレーション20の事業者が衛星群の軌道情報を収集し、収集した軌道情報に基づいて予め接近衝突解析をする方法を採用してもよいし、近年SSA(Space Situation Awareness)の活動が活発になっていることに伴い、宇宙監視をする事業者から接近衝突警報を受ける方法を採用してもよい。
回避行動については、北上する衛星30に対して衛星コンステレーション20の具備する地上設備500から推進装置33の稼働指令を送信すればよい。
ここで、n面の傾斜円軌道に対応する軌道面が経度方向に360/n度ずつ位相をずらして均等に配置されており、各軌道面にm機の衛星30が360/m度ずつ位相をずらして均等に配置されて飛翔している衛星コンステレーション20の例として、m=8、n=5である場合を説明する。
図7は、8機の衛星30が均等位相で飛翔する円軌道を軌道面の法線方向から見た様子を模式的に示している。
1つの軌道面内で位相角45度おきに衛星30を均等に配置した場合、8機の衛星30が同位相を維持しながら同一高度を飛翔するので、同一軌道面内で衛星30同士が衝突するリスクはない。
図8は、法線ベクトルが互いに異なる軌道面同士が交差する点において、衛星30同士の衝突リスクがある様子を示している。ここで、衝突リスクがある2点の各々において、衛星30の軌道高度が一致しているものとする。衝突リスクを解消する手段として、交線上の2点を通過するタイミングをずらすことは有効である。各衛星30が赤道上空の通過タイミングに着目して、5つの軌道面の全ての衛星30の赤道上空通過タイミングが互いに異なれば交点において衛星30同士が衝突するリスクを解消することができる。
法線ベクトルの経度成分が均等に分散配置された5つの軌道面の各々を法線方向から見た様子を並べ、さらに、軌道面毎の衛星30の飛翔位置を赤道面を基準にして均等にずらすと図9に示すようになる。なお、図9の(a)から(e)は、位相が360/(m×n)度ずつずれている様子を示している。
図10の(a)は、図9に示す5つの軌道面の法線ベクトルを一致させて、5つの軌道面全てを重ね合わせた様子を示している。図10の(b)は、図10の(a)と同様の図であり、各軌道が傾斜軌道である場合において各軌道を北極から見た様子を示す図である。
軌道面毎に9度ずつ位相をずらすことにより5つの軌道面で赤道上空を衛星30が通過するタイミングが互いに異なる。そのため、各8機の合計40機が、赤道上空で衝突することはない。なお、1つの軌道面内で偶数機の衛星30が均等に配置されて飛翔する場合に、当該軌道面内において対向する位置に配置された衛星30同士が赤道上空を通過するタイミングが一致するが、当該衛星30同士は当該軌道面内における衝突対象ではない。
次に、傾斜軌道の法線ベクトルの相違の影響を説明する。
仮に、図9に示す5つの軌道面を全て軌道傾斜角相当分同じ方向に傾斜させて北極から見ると、図11の(a)から(e)に示すようになる。
さらに、法線ベクトルの経度方向成分を等配分して傾斜させると図11の(f)から(j)に示すようになる。ここで、各軌道面に対して第k(kは1以上5以下の整数)の軌道面と名称をつけている。なお、軌道面の数が5つであるため、各軌道面は経度方向に72度ずつ回転されている。
第1の軌道面を基準とした場合に、第2の軌道面から第5の軌道面の各々と第1の軌道面との交点を描くと図12の(a)から(e)に示すようになる。
軌道面の傾斜を示すために軌道面の最北端に星印をつけると、図12の(f)から(j)に示すようになる。
軌道面同士の交線上で軌道高度が一致する点を北半球側と南半球側との各々において示すと図13の(a)から(e)に示すようになる。なお、矢印は衛星30の飛翔方向を示している。
各軌道面8機の位相を表示すると図13の(f)から(j)に示すようになる。
南半球から北上する衛星30に「昇」と示し、北半球から南下する衛星30に「降」と示し、第1の軌道面を飛翔する衛星30を示す文字を上に記載し、その他の軌道面を飛翔する衛星30を示す文字を下に記載すると図14に示すようになる。図14より、いずれの交点も南半球から北上する衛星30と、北半球から南下する衛星30との交点であることがわかる。
なお、赤道を通過するタイミングが全ての衛星30間で互いに異なっていても、北上する衛星30の軌道と南下する衛星30の軌道との交点であって赤道上空以外の中緯度帯で発生する交点においては、衛星30同士が衝突するリスクが発生する。法線ベクトルの経度方向を一致させて各軌道面を赤道上空から見た場合に、図10の(b)に示すように同一緯度において異なる軌道面の衛星30が同じタイミングで北上と南下をしているためである。ただし、互いに異なる2つの軌道の交点は上述の通り予め既知であるため、当該2つの軌道の各々を飛翔する衛星30同士が同じタイミングで当該交点を通過しないよう、設計初期段階において設定することは可能である。
8機の衛星30が飛翔する軌道面を5つ組み合わせる場合においては図15に示す通り交点を同時に通過する組み合わせがないので、定常運用において衛星30同士の衝突は発生しない。
このように、衝突回避方法では、衛星コンステレーション20の設計段階において、理想的運用状態において全ての交点で衛星30同士が衝突しないことを確認する。
本動作例によれば、軌道面毎に衛星30の飛翔位置をずらすことにより、北上する衛星30同士、南下する衛星30同士の衝突リスクを解消することができる。また、本動作例によれば、北上する衛星30と南下する衛星30との衝突が予見された場合に、一方の衛星30である回避衛星のみが衝突回避行動をとることにより衛星30同士の衝突を回避することができる。
<実施の形態1に係る動作例2>
本動作例は、実施の形態1に係る動作例1を拡張した動作例に当たる。本動作例では、衛星コンステレーション20において、複数の軌道面は、衛星コンステレーション20を構成する衛星30が赤道上空を北上して飛翔する位相が(360/(m×n))×i(iは1以上n-1以下の整数)度となる順番に経度方向に配置されている。
本動作例によれば、軌道面の交点が形成される緯度と、衛星30が軌道面を飛翔する位置の組み合わせによって衝突確率が変動することから、設計段階において最も衝突確率が低くなる軌道面の並び順を選択することにより、設計公差を超える不慮の事態においても衝突リスクを低減することができるという効果がある。
本動作例では、設計公差の範囲内で、軌道面内の衛星30同士の位相角と、軌道面同士の経度方向の法線ベクトル成分の離角と、軌道高度と、離心率と、軌道傾斜角との少なくともいずれかが変化した場合においても、全ての交点で衛星30同士の衝突がないことを確認する。
実施例として、9度ずつ位相をずらした軌道面の並び順を変更した具体例を説明する。本例は実施の形態1に係る動作例1において説明した具体例に基づく。隣り合う軌道面の位相差が常に9度ではなく、1つおきに18度となる順番に軌道面を左から順に並べると、各軌道面の交点と衛星飛翔位置の関係は図16の(a)から(e)に示すようになる。
本例に示す位相差が保たれている場合、衛星30同士が衝突する懸念はない。しかしながら、図16の(h)に示すように、各交点近傍を飛翔する衛星30が見られる。そのため、各交点近傍において第1の軌道面を飛翔する衛星30と第2の軌道面を飛翔する衛星30との間で位相差が小さく、誤差要因に起因して位相差が0になれば衝突する。具体的には、図16の(h)において、各交点を第2の軌道面の衛星30が飛翔しており、第1の軌道面の衛星30が各交点近傍を飛翔している。そのため、第1の軌道面の衛星30の位相が誤差要因等により少し交点側にずれると、第1の軌道面の衛星30と第2の軌道面の衛星30とが衝突する。なお、他の軌道面の組み合わせにおいても、同様に衝突リスクがある。
軌道面あたりの衛星30の数の増加、または軌道面数の増加等に伴い、設計公差の範囲内での衝突リスクが高まることから、衛星30の飛翔位置の位相をずらす順番を変えて軌道面を設定することにより衝突確率が変動することを前提として、設計段階において最適な軌道面配置を設定することが有効である。具体的には、設計段階において相対位相差が常に大きな離角になるような軌道面の組み合わせを選択することが、衛星30同士の衝突回避において効果的である。
設計段階において設計公差を含めて衛星30同士の衝突が発生しないことを確認すれば、定常運用時には衛星30同士の衝突が発生しない。
しかしながら、衛星コンステレーション20の整備段階において新規に衛星30を軌道投入する場合、寿命を迎えて衛星30が軌道離脱する場合、または、軌道上の衛星30に故障が発生して設計段階で想定した軌道情報から逸脱する場合等に、衛星30同士が衝突するリスクが発生する。
本動作例で示すように、各軌道面に8機の衛星30が飛翔し、軌道面の数が5つである合計40機程度の衛星30から成る衛星コンステレーション20であれば、広い宇宙空間で衛星30同士が衝突するリスクはネグリジブルスモールである。しかしながら、近年、同一軌道高度に数千機の衛星30を飛翔させる構想も増えており、衛星30の数が十分に増えれば衛星30同士が衝突するリスクが無視することができないオーダーとなる。
<実施の形態1に係る動作例3>
本動作例は、衝突回避方法に相当する。本動作例において、北上衛星と南下衛星とが衝突するリスクが予見された場合に、北上衛星が軌道を変更することにより北上衛星と南下衛星との衝突を回避する。
実施の形態1に係る動作例1に示す衝突回避方法は、各衛星30が同一高度を飛翔する衛星コンステレーション20において有効であるだけでなく、いかなる地球周回軌道を飛翔する衛星30にとっても、北上する衛星30と南下する衛星30とが衝突するリスクが予見された場合の衝突回避方法として有効である。地球周回軌道は、極軌道と、傾斜軌道と、円軌道と、楕円軌道とのいずれでもよい。なお、衝突回避方法は、北上衛星と南下衛星とが衝突するリスクが予見された場合において、南下衛星が推進装置33を稼働して衝突を回避するルールを採用する方法であってもよい。
<実施の形態1に係る動作例4>
本動作例は、衝突回避方法に相当する。赤道周回衛星と、北上衛星とが衝突するリスクが予見された場合に、北上衛星と、赤道周回衛星との一方である回避衛星が軌道を変更することにより、赤道周回衛星と、北上衛星との衝突を回避する。回避衛星は、典型的には北上衛星である。赤道周回衛星は、地球周回軌道を飛翔している衛星30であって、赤道上空を飛翔している衛星30である。
なお、赤道上空を周回する衛星30は北上も南下もしない。そのため、赤道上空を周回する衛星30と、北上する衛星30とが衝突するリスクが予見された場合において、北上する衛星30のみが衝突回避行動をとることには、実施の形態1に係る動作例1の効果と同様の効果がある。
<実施の形態1に係る動作例5>
本動作例は、衝突回避方法に相当する。赤道周回衛星と、南下衛星とが衝突するリスクが予見された場合に、赤道周回衛星と、南下衛星との一方である回避衛星が軌道を変更することにより、赤道周回衛星と、南下衛星との衝突を回避する。回避衛星は、典型的には赤道周回衛星である。
なお、赤道上空を周回する衛星30は北上も南下もしない。そのため、赤道上空を周回する衛星30と、南下する衛星30とが衝突するリスクが予見された場合において、赤道上空を周回する衛星30のみが衝突回避行動をとることには、実施の形態1に係る動作例1の効果と同様の効果がある。
***他の構成***
<変形例1>
本実施の形態では、衛星コンステレーション維持部110の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、衛星コンステレーション維持部110の機能がハードウェアで実現されてもよい。図17は、本変形例を示している。
地上設備500は、プロセッサ910に替えて電子回路909を備える。
電子回路909は、衛星コンステレーション維持部110の機能を実現する専用の電子回路である。
電子回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA(Gate Array)、ASIC、または、FPGAである。
衛星コンステレーション維持部110の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
別の変形例として、衛星コンステレーション維持部110の一部の機能が電子回路909で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
プロセッサ910と電子回路909とメモリ921と補助記憶装置922とを総称して、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、衛星コンステレーション維持システム100において、衛星コンステレーション維持部110の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
***他の実施の形態***
実施の形態1について説明したが、本実施の形態のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、本実施の形態を部分的に実施しても構わない。その他、本実施の形態は、必要に応じて種々の変更がなされても構わず、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施されても構わない。
なお、前述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示と、その適用物と、用途の範囲とを制限することを意図するものではない。説明した手順は、適宜変更されてもよい。
20 衛星コンステレーション、30 衛星、31 衛星制御装置、32 衛星通信装置、33 推進装置、34 姿勢制御装置、35 電源装置、51 軌道制御コマンド、100 衛星コンステレーション維持システム、110,110b 衛星コンステレーション維持部、500 地上設備、501 衛星制御装置、510 軌道制御コマンド生成部、520 衛星解析部、909 電子回路、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、950 通信装置。

Claims (10)

  1. 複数の軌道面が経度方向に分散して配置され、前記複数の軌道面の各々は傾斜円軌道に対応する軌道面であり、前記複数の軌道面の各々には、位相角を分散させて複数機の衛星が飛翔軌道高度を飛翔している衛星コンステレーションにおける衝突回避方法であって、
    前記衛星コンステレーションを構成するいずれかの衛星であって、南半球から北半球に向かって北上している衛星である北上衛星と、前記衛星コンステレーションを構成する前記北上衛星以外のいずれかの衛星であって、北半球から南半球に向かって南下している衛星である南下衛星とが衝突するリスクが予見された場合に、前記北上衛星と、前記南下衛星との一方である回避衛星が軌道を変更することにより、前記北上衛星と、前記南下衛星との衝突を回避する衝突回避方法。
  2. 前記回避衛星は前記北上衛星である請求項1に記載の衝突回避方法。
  3. 前記複数の軌道面を構成する軌道面の数はn(nは2以上の整数)であり、前記複数の軌道面の各々を飛翔している衛星の数はm(mは2以上の整数)であり、
    前記複数の軌道面は、経度方向に均等に配置されており、
    前記複数の軌道面の各々において、前記複数機の衛星は、位相角が均等になるよう飛翔しており、
    前記衛星コンステレーションを構成する衛星において、前記複数の軌道面の各軌道面を飛翔している衛星が赤道上空を北上して飛翔する位相が360/(m×n)度ずつずれるよう同期して飛翔している請求項1または2に記載の衝突回避方法。
  4. 前記複数の軌道面は、前記衛星コンステレーションを構成する衛星が赤道上空を北上して飛翔する位相が(360/(m×n))×i(iは1以上n-1以下の整数)度となる順番に経度方向に配置されている請求項3に記載の衝突回避方法。
  5. 地球周回軌道を飛翔している衛星であって、南半球から北半球に向かって北上している衛星である北上衛星と、地球周回軌道を飛翔している衛星であって、北半球から南半球に向かって南下している衛星である南下衛星とが衝突するリスクが予見された場合に、前記北上衛星と、前記南下衛星との一方である回避衛星が軌道を変更することにより前記北上衛星と前記南下衛星との衝突を回避する衝突回避方法。
  6. 地球周回軌道を飛翔している衛星であって、赤道上空を飛翔している衛星である赤道周回衛星と、地球周回軌道を飛翔している衛星であって、南半球から北半球に向かって北上している衛星である北上衛星とが衝突するリスクが予見された場合に、前記北上衛星と、前記赤道周回衛星との一方である回避衛星が軌道を変更することにより、前記赤道周回衛星と、前記北上衛星との衝突を回避する衝突回避方法。
  7. 地球周回軌道を飛翔している衛星であって、赤道上空を飛翔している衛星である赤道周回衛星と、地球周回軌道を飛翔している衛星であって、北半球から南半球に向かって南下している衛星である南下衛星とが衝突するリスクが予見された場合に、前記赤道周回衛星と、前記南下衛星との一方である回避衛星が軌道を変更することにより、前記赤道周回衛星と、前記南下衛星との衝突を回避する衝突回避方法。
  8. 複数の軌道面が経度方向に分散して配置され、前記複数の軌道面の各々は傾斜円軌道に対応する軌道面であり、前記複数の軌道面の各々には、位相角を分散させて複数機の衛星が飛翔軌道高度を飛翔している衛星コンステレーションを構成する衛星と通信する地上設備であって、
    前記衛星コンステレーションを構成するいずれかの衛星であって、南半球から北半球に向かって北上している衛星である北上衛星と、前記衛星コンステレーションを構成する前記北上衛星以外のいずれかの衛星であって、北半球から南半球に向かって南下している衛星である南下衛星とが衝突するリスクが予見された場合に、前記北上衛星と、前記南下衛星との一方である回避衛星が軌道を変更することにより、前記北上衛星と、前記南下衛星との衝突を回避するよう前記回避衛星にコマンドを送信する地上設備。
  9. 複数の軌道面が経度方向に分散して配置され、前記複数の軌道面の各々は傾斜円軌道に対応する軌道面であり、前記複数の軌道面の各々には、位相角を分散させて複数機の衛星が飛翔軌道高度を飛翔している衛星コンステレーションを構成する衛星と通信する地上設備が実行するコマンド送信方法であって、
    前記衛星コンステレーションを構成するいずれかの衛星であって、南半球から北半球に向かって北上している衛星である北上衛星と、前記衛星コンステレーションを構成する前記北上衛星以外のいずれかの衛星であって、北半球から南半球に向かって南下している衛星である南下衛星とが衝突するリスクが予見された場合に、前記北上衛星と、前記南下衛星との一方である回避衛星が軌道を変更することにより、前記北上衛星と、前記南下衛星との衝突を回避するよう前記回避衛星にコマンドを送信するコマンド送信方法。
  10. 複数の軌道面が経度方向に分散して配置され、前記複数の軌道面の各々は傾斜円軌道に対応する軌道面であり、前記複数の軌道面の各々には、位相角を分散させて複数機の衛星が飛翔軌道高度を飛翔している衛星コンステレーションを構成する衛星と通信する地上設備が備えるコンピュータが実行するコマンド送信プログラムであって、
    前記地上設備に、前記衛星コンステレーションを構成するいずれかの衛星であって、南半球から北半球に向かって北上している衛星である北上衛星と、前記衛星コンステレーションを構成する前記北上衛星以外のいずれかの衛星であって、北半球から南半球に向かって南下している衛星である南下衛星とが衝突するリスクが予見された場合に、前記北上衛星と、前記南下衛星との一方である回避衛星が軌道を変更することにより、前記北上衛星と、前記南下衛星との衝突を回避するよう前記回避衛星にコマンドを送信させるコマンド送信プログラム。
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