JP2023023030A - 電源装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023023030000001
【課題】複数の蓄電池パックを電気的に直列に接続する構成としながらも、蓄電池パックの数を適宜変更することのできる電源装置、を提供する。
【解決手段】蓄電池パック40が接続される複数の接続部50と、接続部50に接続されたそれぞれの蓄電池パック40を、電気的に直列に接続する内部回路100と、蓄電池パック40からの電力を出力する交流出力部30と、を備える。それぞれの接続部50毎に、内部回路100は、蓄電池パック40の一方の電極401が接続される端子51と、蓄電池パック40の他方の電極402が接続される端子52と、蓄電池パック40が接続部50に接続されていないときに、端子51と端子52との間を電気的に接続する接続経路110と、を有している。
【選択図】図8

Description

本発明は、電源装置に関する。
例えば屋外等のような、商用電源を直接利用できない場所においても電気機器を使用可能とするために、可搬型の電源装置の需要が高まっている。このような電源装置としては、蓄電池を内蔵しており、当該蓄電池から電力を出力する構成のものが一般的である。しかしながら、そのような構成では、蓄電池に蓄えられた電力がなくなると、電源装置を商用電源に接続し、時間をかけて蓄電池への充電を行う必要がある。
下記特許文献1には、電動工具用の蓄電池パックを着脱可能とした構成の電源装置が記載されている。このような構成においては、蓄電池パックに蓄えられた電力がなくなった後、当該蓄電池パックを充電済みの蓄電池パックに交換すれば、電源装置からの電力の供給を継続して行うことができる。
また、下記特許文献2には、複数の蓄電池パックを着脱可能とした構成の電源装置が記載されている。複数の蓄電池パックから同時に電力を出力することで、負荷に向けて大きな電力を出力することができる。
特開2013-46481号公報 特許第5616104号公報
上記特許文献2に記載された電源装置は、複数の蓄電池パックの接続態様を切り換え可能とするために、複数のスイッチング素子やダイオードにより構成されたバッテリ接続回路を備えた構成となっている。このような構成においては、電源装置の構成が複雑化し且つ大型化してしまうことに加え、状況に応じたバッテリ接続回路の制御も必要となる。
そこで、本発明者らは、複数の蓄電池パックを電気的に直列に接続し、比較的簡易な構成で、電源装置から大きな電力を出力可能とすることについて検討を進めてきた。
しかしながら、そのような構成においては、複数の蓄電池パックのうちの1つを取り外すと、当該部分において回路が切断されてしまうので、電源装置から電力を出力することができなくなってしまう。このため、電源装置に設けられた蓄電池パックの接続部の全てに対し、使用時においては常に蓄電池パックを接続しておく必要がある。
しかしながら、電源装置の使い勝手に鑑みれば、電源装置に接続される蓄電池パックの数は、出力すべき電力の大きさ等に応じて、使用者が適宜選択できることが好ましい。
本発明は、複数の蓄電池パックを電気的に直列に接続する構成としながらも、蓄電池パックの数を適宜変更することのできる電源装置、を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る電源装置は、蓄電池パックが接続される複数の接続部と、接続部に接続されたそれぞれの蓄電池パックを、電気的に直列に接続する内部回路と、蓄電池パックからの電力を出力する出力部と、を備える。それぞれの接続部毎に、内部回路は、蓄電池パックの一方の電極が接続される第1端子と、蓄電池パックの他方の電極が接続される第2端子と、蓄電池パックが接続部に接続されていないときに、第1端子と第2端子との間を電気的に接続する接続経路と、を有している。
このような構成の電源装置では、複数の蓄電池パックが、内部回路により電気的に直列に接続されるので、蓄電池パックの数に応じた大きさの電力を出力することができる。一部の接続部に蓄電池パックが取り付けられていない状態においては、当該接続部では、第1端子と第2端子との間が接続経路により電気的に接続される。これにより、その他の接続部に接続された蓄電池パックから電力が出力される経路は、切断されることなく維持される。また、第1端子と第2端子との間の電気的な接続は、蓄電池パックが接続部に接続されていないときに行われる。このため、接続部に蓄電池パックが接続されているときに、第1端子と第2端子との間が短絡してしまうことは無い。
上記構成の電源装置では、複数の接続部のうちの一部に蓄電池パックが取り付けられていない状態であっても、負荷に電力を供給することができる。このため、接続される蓄電池パックの個数を、使用者が適宜変更することができる。尚、上記のような電源装置は、出力部に対して外部機器である負荷を接続して使用するような、汎用型の電源装置であってもよいが、負荷と一体の装置として構成された電源装置であってもよい。つまり、例えば可搬型電動工具のような電気機器の一部として、上記の電源装置が構成されていてもよい。
本発明によれば、複数の蓄電池パックを電気的に直列に接続する構成としながらも、蓄電池パックの数を適宜変更することのできる電源装置、が提供される。
図1は、第1実施形態に係る電源装置の正面図である。 図2は、第1実施形態に係る電源装置の側面図である。 図3は、第1実施形態に係る電源装置の斜視図である。 図4は、第1実施形態に係る電源装置から、下部筐体を外した状態を示す図である。 図5は、第1実施形態に係る電源装置のうち、下部筐体及びその内部に収容された蓄電池パックを示す図である。 図6は、第1実施形態に係る電源装置から、上部筐体を外した状態を示す図である。 図7は、図2のVII-VII断面を示す図である。 図8は、第1実施形態に係る電源装置の内部構成を模式的に示す回路図である。 図9は、変形例に係る電源装置の一部構成を示す回路図である。 図10は、第1実施形態に係る電源装置の一部構成を示す回路図である。 図11は、比較例に係る電源装置の一部構成を示す回路図である。 図12は、第1実施形態に係る電源装置で実行される処理の流れを示すフローチャートである。 図13は、第2実施形態に係る電源装置の内部構成を模式的に示す回路図である。 図14は、第2実施形態に係る電源装置で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
第1実施形態について説明する。本実施形態に係る電源装置10は、屋外でも利用可能な可搬型の電源装置であって、例えば電動工具のような機器に電力を供給可能な装置である。電源装置10には、電力源として複数の蓄電池パック40が接続される。蓄電池パック40としては、例えば、電動工具用として市販されているものを用いることができる。
図1乃至図5を主に参照しながら、電源装置10の構成について説明する。図1は電源装置10の正面図であり、図2は電源装置10の側面図であり、図3は電源装置10の斜視図である。図4は、電源装置10から後述の下部筐体23を取り外した状態を示す図である。図5は、下部筐体23及びその内部に収容された蓄電池パック40を示す図である。これらの各図に示されるように、電源装置10は、上部筐体21と、中部筐体22と、下部筐体23と、を備えており、全体の形状が概ね直方体となっている。
上部筐体21は、電源装置10のうち最も上方側の部分である。上部筐体21は、次に述べる中部筐体22を上方側から覆う蓋体として構成されている。上部筐体21の上面には把持部201が形成されている。把持部201は、電源装置10を使用者が持ち運ぶ際において、使用者によって把持される取手である。通常時においては、上部筐体21は中部筐体22に対して固定されている。
中部筐体22は、上記の上部筐体21と、後述の下部筐体23との間の部分である。中部筐体22の内部には空間が形成されており、当該空間に、後に説明する基板80やファン90等(図6を参照)の構成部品が収容されている。図1等に示されるように、中部筐体22の左右の側面のそれぞれには、一対の把持部202が形成されている。また、中部筐体22の前後の側面のそれぞれには、一対の把持部203が形成されている。これらはいずれも、上記の把持部201と同様に、持ち運びの際において使用者によって把持される取手として設けられている。
図1に示されるように、中部筐体22の前方側側面には、交流出力部30と、報知部60と、操作部70と、が設けられている。
交流出力部30は、電源装置10から外部に向けて交流電力を出力する部分である。交流出力部30から出力される電力は、蓄電池パック40に蓄えられている電力であって、後に説明するインバータ回路124等(図8を参照)を経て交流電力へと変換されたものである。本実施形態では、交流出力部30はACコンセントとして設けられている。交流出力部30には、電動工具等の機器が有するコンセントプラグが接続される。交流出力部30は、本実施形態における「出力部」の一つに該当する。交流出力部30には、開閉カバー31が設けられている。交流出力部30にコンセントプラグが接続されていない不使用時等においては、開閉カバー31を閉じることにより、交流出力部30を開閉カバー31によって覆われた状態とすることができる。
尚、電源装置10には、交流出力部30に加えて、直流出力部32(図8を参照)も設けられているのであるが、図1等においてはその図示が省略されている。直流出力部32は、電源装置10から外部に向けて直流電力を出力する部分である。直流出力部32から出力される電力は、蓄電池パック40に蓄えられている電力であって、後に説明するDC-DCコンバータ125(図8を参照)を経て電圧調整されたものである。直流出力部32は、例えばUSBコネクタとして設けられていてもよい。直流出力部32は、上記の交流出力部30と共に、本実施形態における「出力部」の一つに該当する。尚、出力部として、交流出力部30及び直流出力部32のうちいずれか一方のみを備えた構成としてもよい。
報知部60は、電源装置10の動作状態を示す各種情報を表示して、使用者に対し当該情報を報知する部分である。本実施形態では、報知部60は液晶の表示パネルとして構成されている。このような態様に換えて、報知部60による各種情報の報知が、例えば音声によって行われる態様としてもよい。報知部60によって報知される情報の種類については後に説明する。
操作部70は、電源装置10の使用者によって操作される部分である。操作部70には複数のスイッチが含まれる。これらのスイッチには、電圧切り換えスイッチ71と、周波数切り換えスイッチ72と、が含まれる。
電圧切り換えスイッチ71は、交流出力部30から出力される交流電力の実効値を、例えば100Vと200Vとの間で切り換えるためのスイッチである。周波数切り換えスイッチ72は、交流出力部30から出力される交流電力の周波数を、例えば50Hzと60Hzとの間で切り換えるためのスイッチである。
中部筐体22の前方側側面には更に、一次側スイッチ73と、二次側スイッチ74と、が設けられている。これらはいずれも、電圧切り換えスイッチ71や周波数切り換えスイッチ72とは別の位置に設けられているのであるが、本実施形態における操作部70に含まれるものである。
一次側スイッチ73は、蓄電池パック40から電源装置10の各部へと電力が出力される部分の開閉を切り換えるためのスイッチである。一次側スイッチ73が開状態となっているときには、後述の昇圧回路123やコントローラ121に対する電力の供給が停止される。一次側スイッチ73が閉状態となっているときには、昇圧回路123やコントローラ121等の各部に対して電力が供給され、電源装置10が動作可能な状態となる。
二次側スイッチ74は、交流出力部30や直流出力部32からの電力が出力される部分の開閉を切り換えるためのスイッチである。二次側スイッチ74が開状態となっているときには、インバータ回路124やDC-DCコンバータ125が動作中であっても、交流出力部30等からの電力の出力は行われない。二次側スイッチ74が閉状態となっているときには、交流出力部30からの交流電力の出力、及び、直流出力部32からの直流電力の出力がそれぞれ行われる。
下部筐体23は、電源装置10のうち最も下方側の部分である。下部筐体23は、中部筐体22に対して下方側から接続されている。下部筐体23には、蓄電池パック40が接続される部分である接続部50が、計4つ設けられている。図5に示されるように、このうちの2つは、電源装置10の正面側から蓄電池パック40を接続するように構成されており、残りの2つは、電源装置10の背面側から蓄電池パック40を接続するように構成されている。このように、本実施形態では、接続部50が4つ設けられており、最大で4つの蓄電池パック40を接続可能となっている、。
図4に示されるように、中部筐体22の底板220のうち、接続部50の上方側となる部分のそれぞれには、一対のスライドガイド230が設けられている。それぞれのスライドガイド20は、中部筐体22の底板から下方側に向かって伸びる垂直壁231と、垂直壁231の下端から蓄電池パック40側(内側)に向かって伸びる水平壁232と、を有している。接続部50に接続される際において、蓄電池パック40は、垂直壁231によって左右方向の動きを規制され、水平壁232によって上下方向の動きを規制された状態で、前後方向(図1における紙面奥行き方向)に沿ってスライドすることができる。
図4に示されるように、中部筐体22の底板220のうち、一対のスライドガイド230の間の部分には、下方側に向けて突出する端子51、52、53、54が設けられている。また、図5に示されるように、蓄電池パック40の上面には、4つの端子51、52、53、54のそれぞれに対応する4つの凹部410が設けられている。それぞれの凹部410の内側には電極401等(図5においては不図示、図10を参照)が設けられている。蓄電池パック40を奥側にスライドさせて接続部50に接続すると、端子51、52、53、54のそれぞれが蓄電池パック40の凹部410に入り込み、その内側の電極401等に対して電気的に接続された状態となる。端子51、52、53、54や電極401等のそれぞれの機能については後に説明する。
図4に示されるように、中部筐体22の底板220のうち、一対のスライドガイド230よりも蓄電池パック40の入口側となる部分のそれぞれには、下方側に向けて突出する一対の案内突起251が設けられている。図1のように正面側から見た場合において、それぞれの案内突起251は、蓄電池パック40を左右両側から挟み込むような位置に設けられている。案内突起251同士の間の幅は、手前側から奥側に行くに従って次第に狭くなっている。このため、蓄電池パック40を接続部50に挿入する際には、蓄電池パック40は、案内突起251に当たることでその左右方向の位置が矯正され、正しい接続位置へと導かれる。「正しい接続位置」とは、端子51、52、53、54のそれぞれが、対応する凹部410へと入り込むような位置である。
図5に示されるように、下部筐体23の側壁のうち下方側の部分には、内側に向かって凹状に後退する凹部204が形成されている。また、下部筐体23の側壁のうち、蓄電池パック40と対向する内面側には、傾斜面261が形成されている。傾斜面261は、蓄電池パック40を受け入れる空間の幅が、手前側から奥側に行くに従って次第に狭くなるように形成された面であって、凹部204の内面へと繋がっている。図1のように電源装置10を正面側から見た場合において、凹部204、及び傾斜面261は、左側の蓄電池パック40の更に左側にある側壁、及び、右側の蓄電池パック40の更に右側にある側壁、のそれぞれに設けられている。電源装置10を背面側から見た場合においても同様である。
蓄電池パック40を接続部50に挿入する際には、蓄電池パック40は、先ず傾斜面261に当たることでその左右方向の位置が大まかに矯正される。その後、蓄電池パック40は、案内突起251へと当たることで、先に述べたように正しい接続位置へと導かれる。このように、凹部204は、案内突起251と協業することで、蓄電池パック40を正しい接続位置へと導くためのものである。使用者は、接続部50に設けられた端子51等の位置を気にすることなく、蓄電池パック40を接続部50に容易に接続することができる。
図5に示されるように、下部筐体23の側壁に凹部204が形成されたことの結果として、凹部204の上部には把持部205が形成されている。図1のように電源装置10を正面側から見た場合において、把持部205は電源装置10の左右両側に形成されている。使用者は、それぞれの把持部205を下方側から把持して電源装置10を持ち上げることができる。
このように、電源装置10では、様々な位置に複数の把持部201、202、203、205が形成されているので、使用者は、電源装置10の設置場所の高さや自らの姿勢等に応じて、持ちやすい位置の把持部201等を選んで把持することができる。
図5等に示されるように、下部筐体23は底板233を有しており、それぞれの蓄電池パック40は底板233の上面側において接続部50に接続される。このため、電源装置10が設置される場所の上面に対して、スライドする蓄電池パック40が接触してしまうことは無い。その結果、電源装置10は、その下方側の部分に蓄電池パック40を接続する構成としながらも、蓄電池パック40をスムーズに着脱することが可能となっている。
電源装置10の内部構成について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、電源装置10から上部筐体21を外した状態を、斜め上方から見て描いた斜視図である。図7は、図2のVII-VII断面を示す図である。図6等に示されるように、電源装置10は、基板80と、ファン90と、を備えており、これらが中部筐体22の内側に収容されている。
基板80は、電源装置10が備えるコントローラ121や昇圧回路123等(図8を参照)が構成されている電子基板である。基板80はケース81の内側に収容されている。ケース81の周囲には、中部筐体22の底面から上方側に向かって伸びる4つの支持柱82が設けられている。ケース81は、これらの支持柱82によって、中部筐体22の底面から上方側へと離間した位置において保持されている。その結果、図7に示されるように、基板80及びケース81の下方側には空間SP1が形成されている。また、基板80及びケース81の上方側には空間SP2が形成されている。
ファン90は、基板80を空冷して適温に保つための送風装置である。図7のように電源装置10を後方側から見た場合においては、ファン90は、基板80の左側となる位置に配置されている。ファン90は、例えば基板80側に向けて空気を送り出すことで基板80を空冷する。中部筐体22の側面のうち、空気が通過する方向に沿った一方側の側面、及び他方側の側面には、当該側面を貫通する複数の通気孔210が形成されている。ファン90によって送り出される空気は、一方側の側面にある通気孔210から中部筐体22の内部に流入し、空間SP1、SP2を通過した後、他方側の側面にある通気孔210から中部筐体22の外へと排出される。このように、本実施形態では、基板80の上下両側に空気の通る空間SP1、SP2が形成されているので、基板80を効率的に空冷することが可能となっている。
基板80の冷却効率を高めるために、ケース81を金属材料により形成し、ケース81にヒートシンクとしての機能を持たせてもよい。この場合、ケース81の一部に例えばフィンを設けてもよい。
図4に示されるように、中部筐体22の底板220のうち、それぞれの接続部50の上方側となる部分には、底板220を上下に貫く開口221が形成されている。これによりファン90によって送り出された空気の一部を、開口221を通じて蓄電池パック40に到達させ、蓄電池パック40の温度上昇を抑制することができる。
図8を主に参照しながら、電源装置10の回路構成について説明する。図8に示される各構成要素のうち、コントローラ121、レギュレータ122、昇圧回路123、インバータ回路124、及びDC-DCコンバータ125は、基板80上の回路要素として構成されている。
先ず、蓄電池パック40の構成について説明する。図8において符号「40」が付されている点線は、接続部50に接続された蓄電池パック40を模式的に表している。蓄電池パック40は、セル41と、一対の電極401、402とを有している。
セル41は、電力を蓄える部分であって、具体的にはリチウムイオンバッテリである。尚、図8においては、一つの蓄電池パック40が一つのセル41を有しているように模式的に描かれているのであるが、実際には、一つの蓄電池パック40は複数のセル41を有しており、それぞれのセル41が電気的に直列に接続されている(図10を参照)。セル41の形状は略円柱形状である。図7には、一部のセル41の断面が示されている。
電極401、402は、セル41からの電力を外部に出力するための一対の端子である。このうち、電極401は正極側の端子であり、電極402は負極側の端子である。電極401、402は、蓄電池パック40の上面側に設けられた凹部410(図5を参照)の内側に設けられている。尚、蓄電池パック40には、電極401、402の他にあと二つの端子(過放電端子403、温度端子404)が設けられているのであるが、図8においてはその図示が省略されている。これらの端子については、図10を参照しながら後に説明する。
先に述べたように、電源装置10は、蓄電池パック40が接続されるそれぞれの接続部50毎に、4つの端子51、52、53、54を有している。図8においては、このうち2つの端子51、52のみが図示されており、残りの端子53、54については図示が省略されている。端子53、54については、図10を参照しながら後に説明する。
端子51、52は、蓄電池パック40からの電力供給を受けるための端子である。端子51は、蓄電池パック40の正極側の電極401が接続される端子であり、本実施形態における「第1端子」に該当する。端子52は、蓄電池パック40の負極側の電極402が接続される端子であり、本実施形態における「第2端子」に該当する。
図8に示される回路のうち、符号「100」が付された点線で囲まれた部分においては、蓄電池パック40が電気的に直列に接続されている。符号「100」が付された点線で囲まれた部分の回路、すなわち、接続部50に接続されたそれぞれの蓄電池パック40を電気的に直列に接続するように構成された回路のことを、以下では「内部回路100」とも称する。
図8において符号「101」が付されている部分は、内部回路100のうち正極側の端部である。また、図8において符号「102」が付されている部分は、内部回路100のうち負極側の端部である。これらは、互いに直列に接続された蓄電池パック40の電力を、内部回路100の外にある昇圧回路123等の要素に対して入力する部分、ということができる。以下では、当該部分のことを「電力入力部101、102」のように表記する。
本実施形態では、接続部50に接続される蓄電池パック40のそれぞれが直列に接続される。このため、電力入力部101、102から各部へと入力される電圧は、単一の蓄電池パック40から入力される電圧に比べて高くなる。このため、蓄電池パック40からの電流を抑えながらも、大きな電力を取り出すことが可能となる。
また、蓄電池パック40のそれぞれが直列に接続される構成においては、各蓄電池パック40の端子間電圧(つまり、電極401と電極402との間の電圧)を、全ての蓄電池パック40について揃える必要は無い。このため、異なる種類の蓄電池パック40を混在させた状態で電源装置10を動作させることができる。例えば、端子間電圧が18Vの蓄電池パック40を一部の接続部50に接続し、端子間電圧が36Vの蓄電池パック40を他の一部の接続部50に接続した状態で、電源装置10から外部へと電力を供給することができる。
ところで、蓄電池パック40のそれぞれが直列に接続される構成においては、一部の接続部50から蓄電池パック40が取り外されると、当該部分において回路が切断されてしまい、内部回路100の電力入力部101、102から電力を入力することができなくなってしまうようにも思われる。このような事態を防止するために、本実施形態に係る電源装置10では、蓄電池パック40が接続される接続部50のそれぞれに対応して、内部回路100に接続経路110が設けられている。接続経路110は、接続部50の蓄電池パック40に対し電気的に並列となるように設けられた経路であって、端子51と端子52との間を繋いでいる。それぞれの接続経路110の途中には、ダイオード111が設けられている。ダイオード111は、そのアノードが端子52側であり、カソードが端子51側となるように配置されている。つまり、端子52から端子51へと向かう方向が順方向となるようにダイオード111が配置されている。
一部の接続部50に蓄電池パック40が取り付けられていない状態においては、当該接続部50では、端子51と端子52との間が接続経路110によって電気的に接続される。これにより、その他の接続部50に接続された蓄電池パック40から電力が出力される経路は、切断されることなく維持される。
尚、接続部50に蓄電池パック40が接続されている状態においては、蓄電池パック40の端子51と端子52との間が接続経路110によって短絡してしまい、端子51から接続経路110を経て端子52へと電流が流れてしまうことが懸念される。しかしながら、そのような電流はダイオード111によって遮断されるので、端子51と端子52との間が短絡してしまうことは無い。このように、ダイオード111は、蓄電池パック40が接続部50に接続されているときに、接続経路110における電流を遮断する機能を発揮するものであり、本実施形態における「遮断部」に該当する。
遮断部としては、ダイオード111とは別の回路要素を用いることもできる。図9には、ダイオード111に換えて、遮断部としてスイッチ112を用いた変形例の構成が示されている。接続部50に蓄電池パック40が接続されている状態においては、図9(A)に示されるように、当該接続部50ではスイッチ112が開状態とされる。一方、接続部50に蓄電池パック40が接続されていない状態においては、図9(B)に示されるように、当該接続部50ではスイッチ112が閉状態とされる。このような遮断部の制御を実現するためには、例えば、後述のコントローラ121が、蓄電池パック40の接続状態を電圧等に基づいて検知し、当該接続状態に応じてスイッチ112の開閉を切り換えることとすればよい。スイッチ112としては、例えばMOFSETのようなスイッチング素子や、有接点のメカニカルリレー等を用いることができる。また、遮断部は、ダイオード111やスイッチ112に加えて、他の回路要素を含んでいてもよい。
以上のような構成により、電源装置10では、複数の蓄電池パック40を接続可能な構成としながらも、接続部50の全てに対して蓄電池パック40を接続しておく必要が無い。例えば、電源装置10から比較的小さな電力しか出力する必要が無い場合には、接続部50の総数よりも少ない数の蓄電池パック40を接続した状態で、電源装置10を使用することができる。この場合、電源装置10の総重量が小さくなるので、電源装置10を持ち運びやすくすることができる。このように、電源装置10は、複数の蓄電池パック40を電気的に直列に接続する構成としながらも、接続される蓄電池パック40の数を適宜変更することが可能となっている。
このため、電源装置10に接続される蓄電池パック40の数は、用途に応じて適宜変更することができる。例えば、大型の電動工具のように比較的消費電力の大きな機器に電力を供給する際には、4つの蓄電池パック40を接続する一方で、スマートフォンのように比較的消費電力の小さな機器に電力を供給する際には、1つの蓄電池パック40のみを接続し、電源装置10の全体を軽量化することができる。
また、電源装置10に接続された複数の蓄電池パック40のうち、一部の蓄電池パック40で電池残量が0となった場合には、当該蓄電池パック40のみを電源装置10から取り外し、残りの蓄電池パック40からの出力によって電源装置10を使い続けることも可能となる。
更に、電源装置10は、仕様や残量において互いに異なる複数の蓄電池パック40が接続された状態であっても、問題なく動作することができる。例えば、電池容量において互いに異なる複数の蓄電池パック40を同時に接続することができるので、使用者の手元にある既存の蓄電池パック40を組み合わせて有効に活用することができる。また、フル充電された蓄電池パック40と、使いかけの蓄電池パック40とを同時に接続することもできるので、例えば工具等で使用されていた蓄電池パック40を適宜使い回すことが可能となり、必要以上の蓄電池パック40を持ち歩かなくてもよくなるという利点も生じる。
再び図8を参照しながら、電源装置10の回路構成についての説明を続ける。電源装置10は、先に述べた内部回路100の他、コントローラ121と、レギュレータ122と、昇圧回路123と、インバータ回路124と、DC-DCコンバータ125と、を備えている。
コントローラ121は、電源装置10の全体の動作を制御するマイクロコンピュータである。コントローラ121の動作用の電力は、蓄電池パック40からレギュレータ122を経てコントローラ121へと供給される。コントローラ121は、操作部70に設けられた各種スイッチの状態に基づいて、インバータ回路124やDC-DCコンバータ125等の動作を制御する。また、コントローラ121は、電源装置10の動作状態を示す信号を報知部60に送信し表示させることで、使用者に対し各種情報の報知を行う。コントローラ121は、本実施形態における「制御部」に該当する。
レギュレータ122は、蓄電池パック40の電力から一定の電圧を生成し、当該電圧をコントローラ121等の各部へと供給するための装置である。本実施形態では、電力入力部101とレギュレータ122との間に一次側スイッチ73が配置されている。このため、一次側スイッチ73が使用者によって閉状態とされると、レギュレータ122からの電圧が直ちにコントローラ121に供給され、コントローラ121が動作し始める。このように、一次側スイッチ73は、電源装置10の電源スイッチとして機能する。
このような構成に換えて、コントローラ121へは動作用の電力が常に供給されている構成としてもよい。この場合、例えば一次側スイッチ73とは別に電源スイッチを設けた構成とした上で、電源スイッチが使用者によってOFFからONとされると、これを検知したコントローラ121が、インバータ回路124やDC-DCコンバータ125等の電源をONとする構成としてもよい。
昇圧回路123は、電力入力部101の電圧を昇圧し、昇圧後の電圧をインバータ回路124へと供給する電力変換器である。インバータ回路124は、昇圧回路123から入力される直流電圧を、例えばPWM制御によって交流電圧に変換し、変換後の交流電力を交流出力部30に供給する電力変換器である。インバータ回路124から交流出力部30に供給される交流電力の実効値は、電圧切り換えスイッチ71により予め設定されていた実効値とされる。同様に、インバータ回路124から交流出力部30に供給される交流電力の周波数は、周波数切り換えスイッチ72により予め設定されていた周波数とされる。また、昇圧回路123からインバータ回路124へと入力される電圧は、上記の実効値及び周波数に応じた電圧となるように適宜調整される。昇圧回路123及びインバータ回路124のそれぞれの動作はコントローラ121により制御される。図8においては図示が省略されているが、交流出力部30から交流電力が出力される経路は、二次側スイッチ74への操作に基づいて開閉可能となっている。
このように、コントローラ121は、操作部70に対して行われた操作に応じて、交流出力部30から出力される交流電力の仕様を変更する。ここでいう「仕様」には、交流出力部30から出力される交流電力の実効値、及び、交流出力部30から出力される交流電力の周波数が含まれる。このような態様に換えて、実効値又は周波数のうちの何れか一方のみが、操作部70に対して行われた操作に応じて変更される態様であってもよい。
DC-DCコンバータ125は、電力入力部101の電圧を調整し、調整後の電圧を直流出力部32へと供給する電力変換器である。DC-DCコンバータ125は、直流出力部32に接続される機器の仕様に合わせた電圧、例えば5Vの電圧を生成し、当該電圧を直流出力部32へと供給する。操作部70に対し使用者が行う操作に基づいて、DC-DCコンバータ125による電圧の調整が行われることとしてもよい。DC-DCコンバータ125の動作はコントローラ121により制御される。図8においては図示が省略されているが、直流出力部32から直流電力が出力される経路は、二次側スイッチ74への操作に基づいて開閉可能となっている。
昇圧回路123、インバータ回路124、及びDC-DCコンバータ125のそれぞれは、接続部50と出力部(交流出力部30や直流出力部32)との間で電力変換を行うものであり、本実施形態における「電力変換部」に該当する。
電源装置10の回路構成のうち、図8においては省略されている部分の構成について、図10を参照しながら説明する。図10において符号「40」が付されている点線は、接続部50に接続された蓄電池パック40を模式的に表している。図10においては、電源装置10に接続された4つの蓄電池パック40のうちの2つのみ、具体的には、図8において最も上段に接続された蓄電池パック40と、その1つ下段に接続された蓄電池パック40と、の2つのみが示されている。説明の便宜上、図10の上段に示される蓄電池パック40のことを、以下では「蓄電池パック40A」とも称することがある。また、図10の下段に示される蓄電池パック40のことを、以下では「蓄電池パック40B」とも称することがある。
それぞれの蓄電池パック40には、図8を参照しながら先に説明した一対の電極401、402に加えて、過放電端子403と、温度端子404と、が設けられている。
過放電端子403は、セル41を通る電流が所定値以上となったこと、すなわち、蓄電池パック40において過放電が生じたことを示す信号を、外部に出力するための端子である。蓄電池パック40の内部において、過放電端子403と電極402とを結ぶ経路の途中となる位置には、スイッチング素子42が設けられている。通常時においては、スイッチング素子42は閉状態となっている。セル41を通る電流が所定値以上になると、蓄電池パック40の内部に設けられた不図示の制御回路がこれを検知し、スイッチング素子42を開状態に切り換える。図10のように、過放電端子403に対し外部から所定の電圧が印加された状態においては、スイッチング素子42の開閉状態に応じて過放電端子403の電位が変化する。過放電端子403の電位が、蓄電池パック40において過放電が生じたことを示す信号として用いられる。
温度端子404は、蓄電池パック40の内部温度、具体的にはセル41の温度を示す信号を、外部に出力するための端子である。蓄電池パック40の内部において、温度端子404と電極402とを結ぶ経路の途中となる位置には、サーミスタ43が設けられている。サーミスタ43は所謂「NTCサーミスタ」であり、検知された温度の上昇に伴ってその電気抵抗を減少させるものである。図10のように、温度端子404に対し外部から所定の電圧が印加された状態においては、サーミスタ43の電気抵抗に応じて温度端子404の電位が変化する。温度端子404の電位が、蓄電池パック40の内部温度を示す信号として用いられる。
蓄電池パック40において過放電が生じたか否かの情報や、蓄電池パック40の内部温度は、いずれも蓄電池パック40の状態を示す「電池情報」に該当する。過放電端子403及び温度端子404は、いずれも電池情報を示す信号(具体的には電位)を蓄電池パック40の外部へと出力するための端子であって、本実施形態における「情報端子」に該当する。また、過放電端子403及び温度端子404から出力される信号は、本実施形態における「第1信号」に該当する。
尚、上記の電池情報には、蓄電池パック40において過放電が生じたか否かの情報に替えて、もしくは当該情報に加えて、蓄電池パック40において過電流が生じたか否かの情報が含まれていてもよい。つまり、過放電端子403から出力される信号は、蓄電池パック40において過放電又は過電流のうち少なくとも一方が生じたか否かを示すものであればよい。また、蓄電池パック40において過放電が生じたか否かの情報と、蓄電池パック40において過電流が生じたか否かの情報とが、互いに別の端子から出力される構成であってもよい。
先ず、蓄電池パック40Aが接続された接続部50と、その近傍における回路構成について説明する。蓄電池パック40Aが接続された接続部50では、図8を参照しながら説明したように、端子51にレギュレータ122が接続されている。レギュレータ122は、コントローラ121に供給するための電圧としてVCC1を生成する。VCC1は、コントローラ121に供給される他、図10において「VCC1」が付された各電源ラインにも供給される。
蓄電池パック40Aが接続された接続部50の端子51には、レギュレータ122のみならず、レギュレータ122Aも接続されている。レギュレータ122Aは、蓄電池パック40Aが接続された接続部50の端子52、の電位を基準としてVCC2の電圧を生成する。VCC2は、図10において「VCC2」が付された各電源ラインに供給される。
内部回路100には、それぞれの接続部50ごとに、端子53、54が更に設けられている。端子53、54は、端子51、52と共に、蓄電池パック40の有する凹部410の内側に入り込むものである。
端子53は、蓄電池パック40の過放電端子403が接続される端子である。情報端子である過放電端子403が接続される端子53は、本実施形態における「第3端子」に該当する。
蓄電池パック40Aが接続された接続部50の端子53には、抵抗R1を介してVCC2の電圧が印加されている。また、端子53から伸びる配線は、フォトカプラPC1の一次側(発光素子側)を介して、レギュレータ122Aの基準電位へと接続されている。
フォトカプラPC1の二次側(受光素子側)は、一端がコントローラ121の信号入力端子P11に接続され、他端がコントローラ121の基準電位へと接続されている。また、フォトカプラPC1と信号入力端子P11との間の部分には、抵抗R5を介してVCC1の電圧が印加されている。
先に述べたように、蓄電池パック40Aにおいて過放電が生じていない通常時においては、スイッチング素子42は閉状態となっている。このとき、端子53の電位は端子52の電位と同じとなるので、フォトカプラPC1の一次側には電流が流れず、フォトカプラPC1の二次側は開状態となる。このため、コントローラ121の信号入力端子P11には、VCC1の電圧が入力される。
蓄電池パック40Aにおいて過放電が生じると、スイッチング素子42は開状態とされる。このとき、端子53の電位はVCC2と同じとなるので、フォトカプラPC1の一次側には電流が流れて、フォトカプラPC1の二次側は閉状態となる。このため、コントローラ121の信号入力端子P11の電位は、コントローラ121の基準電位まで低下する。
このように、コントローラ121の信号入力端子P11の電位は、蓄電池パック40Aにおける過放電の有無に応じて、コントローラ121の基準電位とVCC1との間で変化する。コントローラ121は、信号入力端子P11に入力される信号、すなわち信号入力端子P11の電位の変化に応じて、蓄電池パック40Aにおいて過放電が生じたか否かを判定することができる。信号入力端子P11に入力される信号は、端子53の電位の変化に応じた信号(第1信号)を、コントローラ121に入力される信号(第2信号)に変換したもの、ということができる。また、抵抗R1、抵抗R5、及びフォトカプラPC1により構成された回路は、上記の第1信号を第2信号に変換するための回路であって、本実施形態における「信号変換部」の一つに該当する。
端子54は、蓄電池パック40の温度端子404が接続される端子である。情報端子である温度端子404が接続される端子54は、先に述べた端子53と共に、本実施形態における「第3端子」に該当する。
蓄電池パック40Aが接続された接続部50の端子54には、抵抗R2を介してVCC2の電圧が印加されている。また、端子54から伸びる配線は、比較器CPの第1入力端子t1へと接続されている。
蓄電池パック40Aが接続された接続部50の端子52には、蓄電池パック40Bに向かって伸びる配線が接続されていることに加え、抵抗R3及び抵抗R4を介してVCC2の電圧が印加されている。互いに直列に接続された抵抗R3と抵抗R4との間は、比較器CPの第2入力端子t2へと接続されている。比較器CPの出力端子t3から伸びる配線は、フォトカプラPC2の一次側(発光素子側)を介して、レギュレータ122Aの基準電位へと接続されている。
フォトカプラPC2の二次側(受光素子側)は、一端がコントローラ121の信号入力端子P12に接続され、他端がコントローラ121の基準電位へと接続されている。また、フォトカプラPC2と信号入力端子P12との間の部分には、抵抗R6を介してVCC1の電圧が印加されている。
比較器CPは、第1入力端子t1の電位が第2入力端子t2の電位以上の時に、出力端子t3の電位がLowとなり、第1入力端子t1の電位が第2入力端子t2の電位を下回ると、出力端子t3の電位がHighとなるように構成された素子である。
蓄電池パック40Aの温度が所定温度以下に収まっている通常時においては、サーミスタ43の電気抵抗は比較的大きくなり、第1入力端子t1の電位は第2入力端子t2の電位以上となる。この場合、フォトカプラPC2の一次側には電流が流れず、フォトカプラPC2の二次側は開状態となる。このため、コントローラ121の信号入力端子P12には、VCC1の電圧が入力される。
蓄電池パック40Aの温度が上昇して上記所定温度を超えると、すなわち、蓄電池パック40Aで過昇温が生じると、サーミスタ43の電気抵抗は比較的小さくなり、第1入力端子t1の電位は第2入力端子t2の電位を下回る。この場合、フォトカプラPC2の一次側には電流が流れて、フォトカプラPC2の二次側は閉状態となる。このため、コントローラ121の信号入力端子P12の電位は、コントローラ121の基準電位まで低下する。
このように、コントローラ121の信号入力端子P12の電位は、蓄電池パック40における過昇温の有無に応じて、コントローラ121の基準電位とVCC1との間で変化する。コントローラ121は、信号入力端子P12に入力される信号、すなわち信号入力端子P12の電位の変化に応じて、蓄電池パック40において過昇温が生じたか否かを判定することができる。信号入力端子P12に入力される信号は、端子54の電位の変化に応じた信号(第1信号)を、コントローラ121に入力される信号(第2信号)に変換したもの、ということができる。また、抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R6、比較器CP、及びフォトカプラPC2により構成された回路は、上記の第1信号を第2信号に変換するための回路であって、本実施形態における「信号変換部」の一つに該当する。
蓄電池パック40Bが接続された接続部50と、その近傍における回路構成については、蓄電池パック40Aについて説明した上記の構成と概ね同じである。蓄電池パック40Bに繋がる回路部分では、上記のレギュレータ122Aがレギュレータ122Bに置き換えられている。レギュレータ122Bは、蓄電池パック40Bが接続された接続部50の端子52、の電位を基準としてVCC3の電圧を生成するものである。VCC3は、図10において「VCC3」が付された各電源ラインに供給される。
蓄電池パック40Bにおいて過放電が生じたか否かを示す信号は、蓄電池パック40Aの場合と同様にフォトカプラPC1の二次側から送出され、コントローラ121の信号入力端子P21に入力される。コントローラ121は、信号入力端子P21に入力される信号、すなわち信号入力端子P21の電位の変化に応じて、蓄電池パック40Bにおいて過放電が生じたか否かを判定することができる。
また、蓄電池パック40Bにおいて過昇温が生じたか否かを示す信号は、蓄電池パック40Aの場合と同様にフォトカプラPC2の二次側から送出され、コントローラ121の信号入力端子P22に入力される。コントローラ121は、信号入力端子P22に入力される信号、すなわち信号入力端子P22の電位の変化に応じて、蓄電池パック40Bにおいて過昇温が生じたか否かを判定することができる。
図10においては一部の図示が省略されているが、以上のような信号変換部を構成する回路は、電源装置10が備える4つの接続部50のそれぞれに対応して個別に設けられている。コントローラ121は、4つの接続部50のそれぞれに対応して、蓄電池パック40において過放電が生じたか否かを示す信号が入力される信号入力端子と、蓄電池パック40において過昇温が生じたか否かを示す信号が入力される信号入力端子と、を有している。また、4つの接続部50のそれぞれに対応して、レギュレータ122Aやレギュレータ122Bと同様のレギュレータが設けられている。それぞれのレギュレータは、当該接続部50の端子52の電位を基準として、信号変換部の動作に必要な電圧を生成し各部に供給する。
以上のような構成により、コントローラ121は、接続された複数の蓄電池パック40のそれぞれについて、過放電や過昇温が生じているか否かを常に把握することができる。
尚、情報端子である過放電端子403及び温度端子404を有する蓄電池パック40の構成自体は、従来から知られているものである。蓄電池パック40の情報端子から電池情報を取り出すための回路構成としては、例えば、図11に示される比較例の構成とするのが一般的である。この比較例では、本実施形態と異なり接続部50を1つしか有しておらず、蓄電池装置には単一の蓄電池パック40のみが接続される構成となっている。コントローラ121の信号入力端子P11には、端子53の電位が直接入力される。また、コントローラ121の信号入力端子P12には、端子54の電位が直接入力される。
このような構成であっても、コントローラ121は、蓄電池パック40において過放電や過昇温が生じているか否かを判定することが可能である。そこで、本実施形態のように複数の接続部50を有する構成についても、図11と同様の簡易な回路構成を採用してもよいように思われる。
しかしながら、図11の回路構成を採用した場合には、それぞれの蓄電池パック40の状態を、情報端子の電位に基づいて正確に判定することができなくなってしまう。その理由は以下の通りである。
本実施形態のように複数の蓄電池パック40が直列に接続される構成においては、負極側の電極402の電位が、蓄電池パック40ごとに異なる電位となる。このため、最も電力入力部102側(図8において最も下段)となる位置に配置された蓄電池パック40を除いて、電極402の電位は、コントローラ121の基準電位とは一致しなくなってしまう。その結果、コントローラ121に入力される情報端子(過放電端子403及び温度端子404)の電位と、蓄電池パック40の状態と、の対応関係が変化してしまうので、コントローラ121が蓄電池パック40の状態を把握できなくなってしまうのである。
また、蓄電池パック40の電極402の電位は、当該蓄電池パック40の接続位置が電力入力部101側(図8において上段側)に近い程、高くなる。このため、最も電力入力部101側(図8において最も上段)となる位置に配置された蓄電池パック40では、過放電端子403及び温度端子404の電位が高くなり過ぎて、コントローラ121の入力レンジを超えてしまうという問題も生じ得る。
そこで、本実施形態に係る電源装置10では、図10を参照しながら説明した回路構成を採用することで、上記の各問題を解決している。
先に述べたように、本実施形態では、蓄電池パック40の情報端子(過放電端子403及び温度端子404)からの信号(第1信号)がコントローラ121に直接入力されるのではなく、信号変換部であるフォトカプラPC1等によって変換された後の信号(第2信号)がコントローラ121に入力される構成となっている。
例えば過放電端子403からの信号については、端子52と端子53との間の電圧に基づいてフォトカプラPC1が動作し、フォトカプラPC1の動作で生じた信号が、第2信号としてコントローラ121に入力される。また、温度端子404からの信号については、端子52と端子54との間の電圧に基づいて比較器CP及びフォトカプラPC2が動作し、フォトカプラPC2の動作で生じた信号が、第2信号としてコントローラ121に入力される。いずれの場合であっても、信号変換部は、コントローラ121に入力される第2信号が、第2端子である端子52と、第3端子である端子53、54との間の電圧に基づいた信号となるように、第1信号から第2信号への変換を行う。これにより、コントローラ121は、直列接続された複数の蓄電池パック40のいずれについても、その状態を第2信号に基づいて正確に把握することができる。
尚、信号変換部による変換後の第2信号は、本実施形態のように第2端子(端子52)と第3端子(端子53、54)との間の電圧に基づいた信号として生成されてもよいが、第1端子(端子51)と第3端子(端子53、54)との間の電圧に基づいた信号として生成されてもよい。
端子53とコントローラ121との間には、絶縁素子であるフォトカプラPC1が介在している。また、端子54とコントローラ121との間にも、絶縁素子であるフォトカプラPC2が介在している。このように、第3端子である端子53、54は、コントローラ121のうち第2信号が入力される部分から電気的に絶縁されている。このため、蓄電池パック40が直列接続されている状態において、一部の過放電端子403や温度端子404の電位が高くなっていたとしても、コントローラ121の信号入力端子P11等に、その入力レンジを超えた高い電圧が印加されてしまうことは無い。
端子52、53とコントローラ121との間に介在する信号変換部は、本実施形態のように、比較器CPや抵抗R1等を含む回路として構成されてもよいのであるが、信号変換部の少なくとも一部が、マイクロコンピュータのような制御回路として構成されていてもよい。この場合、コントローラ121は、当該制御回路との間で送受信される信号に基づいて、各蓄電池パック40の状態を把握することとすればよい。フォトカプラPC1等の絶縁素子は、上記制御回路の一部として設けられていてもよく、制御回路とコントローラ121との間に介在する形で設けられていてもよい。
主にコントローラ121によって実行される処理の具体的な流れについて、図12を参照しながら説明する。同図のフローチャートで示される一連の処理は、電源スイッチに該当する一次側スイッチ73がONに切り換えられた時点で開始されるものである。
当該処理の最初のステップS01では、電源装置10の電源がONとなり、蓄電池パック40からの電力がコントローラ121を含む各部へと供給される。コントローラ121は、電力の供給により起動され、自動的にステップS02以降の処理を実行し始める。
ステップS01に続くステップS02では、いずれかの蓄電池パック40において過放電が検出されたか否かが判定される。コントローラ121は、電源装置10に接続された蓄電池パック40のそれぞれについて、過放電が生じているか否かを、端子53からフォトカプラPC1を介して入力される信号に基づいて常に監視している。いずれかの蓄電池パック40で過放電が生じていると判定された場合には、後述のステップS16に移行する。いずれの蓄電池パック40においても過放電が生じていないと判定された場合には、ステップS03に移行する。
ステップS03では、いずれかの蓄電池パック40において過昇温が検出されたか否かが判定される。コントローラ121は、電源装置10に接続された蓄電池パック40のそれぞれについて、過昇温が生じているか否かを、端子54からフォトカプラPC2を介して入力される信号に基づいて常に監視している。いずれかの蓄電池パック40で過昇温が生じていると判定された場合には、ステップS16に移行する。いずれの蓄電池パック40においても過昇温が生じていないと判定された場合には、ステップS04に移行する。
ステップS04では、交流出力部30からの交流電力の出力、及び、直流出力部32からの直流電力の出力、のそれぞれが開始される。先に述べたように、コントローラ121は、昇圧回路123、インバータ回路124、及びDC-DCコンバータ125のそれぞれの動作を制御することで、交流出力部30等から出力される電力を調整する。
ステップS04に続くステップS05では、入力電圧の検出が行われる。ここでいう「入力電圧」とは、互いに直列に接続された蓄電池パック40の全体から、昇圧回路123等へと入力される直流電圧のことであり、具体的には、電力入力部101と電力入力部102との間に印加されている電圧のことである。入力電圧は、例えば、電源装置10に設けられた不図示の電圧センサによって検出することができる。
ステップS05に続くステップS06では、出力可能電力の算出が行われる。「出力可能電力」とは、電源装置10から、出力部(交流出力部30及び直流出力部32)を介して外部に出力することが許容される電力の上限値、のことである。本実施形態において、コントローラ121は、所定の定格電流値に対し、ステップS05で検出された入力電圧を乗算して得られる電力の値を、上記の「出力可能電力」として算出する。出力可能電力の算出に用いられる上記の「定格電流値」とは、電源装置10の回路構成に応じて予め設定された固定値である。例えば、電力変換部を構成する各要素の定格電流のうち最も小さい値が、上記の「定格電流値」として予め設定される。このように算出される出力可能電力は、電源装置10に接続されている蓄電池パック40の個数や、各蓄電池パック40の端子間電圧等に基づいて、都度変化するものである。
ステップS06に続くステップS07では、ステップS06で算出された出力可能電力の値を使用者に報知する処理が行われる。コントローラ121は、出力可能電力の値を、報知部60の画面に表示させることで使用者に報知する。これにより、使用者は、電源装置10に対しどのような負荷を接続できるのかを、容易に知ることができる。このように、報知部60によって使用者へと報知される情報には、出力部から出力可能な電力の大きさが含まれる。
出力可能電力の値は、交流出力部30から交流電力が出力される場合と、直流出力部32から直流電力が出力される場合と、の両方について個別に算出され、それぞれの値が報知部60に表示されることとしてもよい。
ステップS07に続くステップS08では、入力電流の検出が行われる。ここでいう「入力電流」とは、互いに直列に接続された蓄電池パック40の全体から、昇圧回路123等へと入力される直流電流のことであり、具体的には、電力入力部101と電力入力部102との間で流れている電流のことである。入力電流は、例えば、電源装置10に設けられた不図示の電流センサによって検出することができる。
ステップS08に続くステップS09では、消費電力の算出が行われる。ここでいう「消費電力」とは、電源装置10の出力部から外部へと出力されている電力の値のことである。コントローラ121は、例えば、ステップS05で検出された入力電圧の値に、ステップS08で検出された入力電流の値を乗算することで、現時点における消費電力の値を算出する。
ステップS09に続くステップS10では、ステップS09で算出された消費電力が、ステップS06で算出された出力可能電力を上回っているか否かが判定される。消費電力が出力可能電力を上回っている場合には、ステップS16に移行する。消費電力が出力可能電力以下に収まっている場合には、ステップS11に移行する。
ステップS11では、ステップS02と同様に、いずれかの蓄電池パック40において過放電が検出されたか否かが再び判定される。いずれかの蓄電池パック40で過放電が生じていると判定された場合には、ステップS16に移行する。いずれの蓄電池パック40においても過放電が生じていないと判定された場合には、ステップS12に移行する。
ステップS11に続くステップS12では、ステップS03と同様に、いずれかの蓄電池パック40において過昇温が検出されたか否かが再び判定される。いずれかの蓄電池パック40で過昇温が生じていると判定された場合には、ステップS16に移行する。いずれの蓄電池パック40においても過昇温が生じていないと判定された場合には、ステップS13に移行する。
ステップS13において、電源スイッチに該当する一次側スイッチ73がONのままであれば、ステップS05以降の処理が再度実行される。一次側スイッチ73がOFFとされた場合には、蓄電池パック40からの電力供給が停止される。この場合、ステップS14において出力部からの電力の出力が停止すると共に、ステップS15において電源装置10が電源OFFの状態になる。
ステップS02やステップS11において、いずれかの蓄電池パック40で過放電が生じていると判定された場合や、ステップS03やステップS12において、いずれかの蓄電池パック40で過昇温が生じていると判定された場合は、いずれかの蓄電池パック40で異常が生じているということであるから、電源装置10から電力を出力し続けることは好ましくない。また、ステップS10において、消費電力が出力可能電力を上回っている場合には、過剰な電力が電源装置10から出力されているということであるから、やはり電源装置10から電力を出力し続けることは好ましくない。このため、ステップS16では、電源装置10において異常が生じている旨を使用者に報知する処理が行われる。コントローラ121は、例えば、異常が生じていることを示す文字列等を、報知部60の画面に表示させる。
このように、報知部60によって使用者へと報知される情報には、蓄電池パック40の異常が生じたことを示す情報や、出力部から出力される電力が上限値(出力可能電力)を超えたことを示す情報が含まれる。
ステップS16の処理が完了した後は、ステップS14に移行する。この場合、コントローラ121は、電力変換部である昇圧回路123等の動作を停止させることで、交流出力部30からの交流電力の出力、及び、直流出力部32からの直流電力の出力、のそれぞれを停止させる。その後のステップS15では、コントローラ121は自動的にシャットダウンすることで、電源装置10を電源OFFの状態とする。このように、出力部から出力される電力が上限値(出力可能電力)を超えた場合には、本実施形態に係るコントローラ121は、出力部からの電力の出力を停止させる処理を行う。
尚、ステップS15の処理が行われた以降においても、報知部60による報知は継続して行われることとしてもよい。
第2実施形態について説明する。本実施形態は、内部回路100の構成において第1実施形態と異なっている。図13には、本実施形態に係る電源装置10の構成が、図8と同様の方法で模式的に示されている。
図13に示されるように、本実施形態の内部回路100では、蓄電池パック40から電流が出力される経路の途中となる位置に、リレーRLが設けられている。リレーRLは有接点のメカニカルリレーである。リレーRLは、接続部50の蓄電池パック40と直列に並ぶ位置に設けられており、リレーRL及び蓄電池パック40の全体が、ダイオード111に対して電気的に並列に接続されている。換言すれば、ダイオード111を含む接続経路110は、リレーRLと接続部50の全体を迂回する電流経路として設けられている。
4つの接続部50に対応して設けられたそれぞれのリレーRLは、コントローラ121に接続されており、コントローラ121からの信号に基づいて開閉動作を行う。蓄電池パック40に異常が生じていない通常時においては、リレーRLは閉状態とされる。一方、蓄電池パック40の異常が検知された際には、当該蓄電池パック40に対応して設けられたリレーRLが開状態に切り換えられる。これにより、異常が生じた蓄電池パック40から電流が出力される経路が、リレーRLによって遮断される。リレーRLは、本実施形態における「異常遮断部」に該当する。異常遮断部としては、本実施形態のようなリレーRLに換えて、例えばMOFSETのようなスイッチング素子を用いることとしてもよい。
本実施形態において実行される処理の具体的な流れについて、図14を参照しながら説明する。同図のフローチャートで示される一連の処理は、図12に示される一連の処理に換えて実行されるものである。
図14のフローチャートは、図12のフローチャートに対し、ステップS21乃至S29の処理を追加したものとなっている。以下においては、図12の第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
ステップS02で、いずれかの蓄電池パック40で過放電が生じていると判定された場合や、ステップS03で、いずれかの蓄電池パック40で過昇温が生じていると判定された場合には、本実施形態ではステップS21に移行する。ステップS21では、電源装置10に接続された複数の蓄電池パック40の全てにおいて異常が生じたのか、それとも、複数の蓄電池パック40の一部においてのみ異常が生じたのか、が判定される。
電源装置10に接続された複数の蓄電池パック40の全てにおいて異常が生じている場合には、ステップS16に移行する。この場合、正常に電力供給し得る蓄電池パック40が存在しないということである。このため、先に述べたように、異常が生じている旨が報知部60によって報知されると共に、電源装置10からの電力の出力が停止されることとなる。
ステップS21において、複数の蓄電池パック40の一部においてのみ異常が生じている場合、すなわち、正常に電力供給し得る蓄電池パック40が存在する場合には、ステップS22に移行する。ステップS22では、異常が生じている蓄電池パック40に対応するリレーRLが開状態に切り換えられ、当該蓄電池パック40からの電流の出力経路が遮断される。尚、異常が生じていない蓄電池パック40に対応するリレーRLは、閉状態のままに維持される。このため、正常な蓄電池パック40からの電力の供給は、以降においても継続される。
異常が生じている蓄電池パック40が接続された端子51と端子52との間は、当該蓄電池パック40が接続されていない場合と同様に、接続経路110によって電気的に接続されている。このため、その他の蓄電池パック40から電力を供給する経路が遮断されてしまうことはない。このように、本実施形態の接続経路110は、蓄電池パック40の異常が検知された際に、当該蓄電池パック40が接続された端子51と端子52との間を電気的に接続するもの、ということができる。
尚、ステップS21の判定においては、蓄電池パック40の電池残量が0(又は所定値以下)となった場合に、当該蓄電池パック40において異常が生じている、と判定されることとしてもよい。このような構成とすることで、電源装置10に接続された複数の蓄電池パック40のうち、一部の蓄電池パック40で電池残量が0となった場合には、当該蓄電池パック40を取り外すことなく、残りの蓄電池パック40からの出力によって電源装置10を使い続けることも可能となる。
ステップS22に続くステップS23では、一部の蓄電池パック40において異常が生じている旨が、報知部60に表示され、使用者に報知される。当該蓄電池パック40の取り外しや交換を促すメッセージが、併せて報知部60に表示されてもよい。
ステップS23の後は、ステップS04以降の処理が行われる。これにより、異常が生じていない蓄電池パック40のみを用いて、電源装置10から引き続き電力が出力される。尚、異常が生じた蓄電池パック40からの出力経路がリレーRLによって遮断されることにより、ステップS05において検出される入力電圧は、それまでよりも小さな電圧となる。また、ステップS07で報知される出力可能電力の値は、正常な蓄電池パック40の数に応じた値に変化することとなる。これにより、使用者は、蓄電池パック40の状態に応じて変化する出力可能電力の値を、リアルタイムで知ることができる。
ステップS11で、いずれかの蓄電池パック40で過放電が生じていると判定された場合には、ステップS24に移行する。その後、ステップS24、S25、S26で実行されるそれぞれの処理は、ステップS21、S22、S23で実行されるそれぞれの処理と同じである。これにより、異常(過放電)が生じている蓄電池パック40からの電力供給が停止され、その旨が報知されると共に、正常な蓄電池パック40からの電力供給が継続される。ステップ26の後は、ステップS12以降の処理が行われる。
ステップS12で、いずれかの蓄電池パック40で過昇温が生じていると判定された場合には、ステップS27に移行する。その後、ステップS27、S28、S29で実行されるそれぞれの処理は、ステップS21、S22、S23で実行されるそれぞれの処理と同じである。これにより、異常(過昇温)が生じている蓄電池パック40からの電力供給が停止され、その旨が報知されると共に、正常な蓄電池パック40からの電力供給が継続される。ステップ29の後は、ステップS13以降の処理が行われる。
以上のように、本実施形態に係る電源装置10では、接続された複数の蓄電池パック40のうちの一部において過昇温等の異常が生じた場合でも、残りの正常な蓄電池パック40を用いて、電源装置10からの外部への電力供給を継続して行うことができる。このような効果は、接続部50に接続される蓄電池パック40の数を、適宜変更可能としたことにより得られるもう一つの効果、ということができる。
尚、以上のような動作は、コントローラ121によって自動的に行われるのであるが、使用者の手動操作によって行われることとしてもよい。例えば、異常遮断部として、リレーRLに換えて手動で操作される開閉スイッチを設けてもよい。この場合、使用者は、例えば報知部60に表示される各蓄電池パック40の状態に応じて、一部の開閉スイッチを開状態に切り換えることで、異常な蓄電池パック40からの電力供給を遮断することができる。
以上に説明した電源装置10には、種々の変更や改良を加えることができる。例えば、交流出力部30等の出力部に接続された負荷の大きさ(例えば、電気機器の消費電力)に応じて、コントローラ121が、インバータ回路124等の電力変換部の動作を変化させることとしてもよい。
例えば、電源装置10に接続された電気機器の消費電力が大きい場合には、昇圧回路123がより高い電圧まで昇圧することとしたり、インバータ回路124におけるPWM制御のデューティをより大きくしたりすることとしてもよい。このように、出力する必要のある電力に応じて、電力変換部の動作を適宜変化させることで、電源装置10からの電力の供給をより効率的に行うことが可能となる。
以上においては、電源装置10が、様々な外部機器を接続することのできる汎用の電源装置である場合の例について説明した。しかしながら、以上のような電源装置10の構成は、例えば可搬型電動工具に内蔵される電源回路のような、電気機器と一体に設けられる電源装置にも適用することができる。上記の電気機器としては、例えば、大型の電動工具等を挙げることができる。電動工具等に内蔵された電源部、又は電動工具等に外付けされる電源部に対し、これまでに説明した本発明技術を適用すれば、蓄電池パックの仕様や個数、電池残量を気にせずに、接続された蓄電池パックに応じた大出力を得ることが可能になる。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
10:電源装置
30:交流出力部
32:直流出力部
40:蓄電池パック
50:接続部
51,52,53,54:端子
100:内部回路
110:接続経路
111:ダイオード

Claims (21)

  1. 蓄電池パックが接続される複数の接続部と、
    前記接続部に接続されたそれぞれの前記蓄電池パックを、電気的に直列に接続する内部回路と、
    前記蓄電池パックからの電力を出力する出力部と、を備え、
    それぞれの前記接続部毎に、前記内部回路は、
    前記蓄電池パックの一方の電極が接続される第1端子と、
    前記蓄電池パックの他方の電極が接続される第2端子と、
    前記蓄電池パックが前記接続部に接続されていないときに、前記第1端子と前記第2端子との間を電気的に接続する接続経路と、を有している電源装置。
  2. 前記内部回路は、
    前記蓄電池パックが前記接続部に接続されているときに、前記接続経路における電流を遮断する遮断部を有する、請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記遮断部はダイオードを含む、請求項2に記載の電源装置。
  4. 前記遮断部は、前記接続経路の開閉を切り換えるスイッチを含む、請求項2に記載の電源装置。
  5. 電源装置の動作を制御する制御部を更に備え、
    前記蓄電池パックは、電池情報を示す第1信号を出力する情報端子、を有するものであり、
    それぞれの前記接続部毎に、前記内部回路は、
    前記情報端子が接続される第3端子と、
    前記情報端子から前記第3端子に入力された前記第1信号を、前記制御部に入力される第2信号に変換する信号変換部と、を有している、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電源装置。
  6. 前記信号変換部は、
    前記第2信号が、前記第1端子又は前記第2端子のいずれか一方と、前記第3端子との間の電圧に基づいた信号となるように、前記第1信号を前記第2信号に変換する、請求項5に記載の電源装置。
  7. 前記第3端子は、前記制御部のうち前記第2信号が入力される部分から電気的に絶縁されている、請求項5又は6に記載の電源装置。
  8. 前記電池情報とは、前記蓄電池パックの内部温度を示す情報である、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の電源装置。
  9. 前記電池情報とは、前記蓄電池パックにおいて過放電又は過電流のうち少なくとも一方が生じたか否かを示す情報である、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の電源装置。
  10. 前記接続部と前記出力部との間で電力変換を行う電力変換部を更に備える、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電源装置。
  11. 前記出力部は、直流電力を出力する直流出力部を含む、請求項10に記載の電源装置。
  12. 前記出力部は、交流電力を出力する交流出力部を含む、請求項10に記載の電源装置。
  13. 電源装置の動作を制御する制御部と、
    使用者によって操作される部分である操作部と、を更に備え、
    前記制御部は、
    前記操作部に対して行われた操作に応じて、前記交流出力部から出力される交流電力の仕様を変更する、請求項12に記載の電源装置。
  14. 前記仕様には、前記交流出力部から出力される交流電力の実効値、及び、前記交流出力部から出力される交流電力の周波数、のうち少なくとも1つが含まれる、請求項13に記載の電源装置。
  15. 前記出力部に接続された負荷の大きさに応じて、前記電力変換部の動作を変化させる、請求項10乃至14のいずれか1項に記載の電源装置。
  16. 蓄電池パックが接続される複数の接続部と、
    前記接続部に接続されたそれぞれの前記蓄電池パックを、電気的に直列に接続する内部回路と、
    前記蓄電池パックからの電力を出力する出力部と、を備え、
    それぞれの前記接続部毎に、前記内部回路は、
    前記蓄電池パックの一方の電極が接続される第1端子と、
    前記蓄電池パックの他方の電極が接続される第2端子と、
    前記蓄電池パックの異常が検知された際に、前記第1端子と前記第2端子との間を電気的に接続する接続経路と、を有しており、
    前記蓄電池パックの異常が検知された際に、当該蓄電池パックから電流が出力される経路を遮断する異常遮断部、を更に備える電源装置。
  17. 電源装置の動作を制御する制御部を更に備え、
    前記出力部から出力される電力が上限値を超えた場合には、
    前記制御部は、前記出力部からの電力の出力を停止させる、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の電源装置。
  18. 使用者に対し情報を報知する報知部を更に備える、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の電源装置。
  19. 前記報知部は、前記出力部から出力可能な電力の大きさを報知する、請求項18に記載の電源装置。
  20. 前記報知部は、前記蓄電池パックの異常が生じたことを報知する、請求項18に記載の電源装置。
  21. 前記報知部は、前記出力部から出力される電力が上限値を超えたことを報知する、請求項18に記載の電源装置。
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