JP2023022659A - コンクリート表面保護方法 - Google Patents

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Ryosuke Inubushi
亘 池元
Wataru Ikemoto
萌 河合
Moe Kawai
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Abstract

【課題】中性化され、劣化したセメント系構造体表面上に表面保護膜を形成させることができる、表面保護方法を提供する。【解決手段】アルカリ剤(A)を塗布する工程(1)と、下記式(I)で表される化合物(B)を有する硬化性組成物を塗布する工程(2)を含む、セメント系構造体の表面保護方法。TIFF2023022659000008.tif32150(式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、若しくは1~15個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である、又はR1及びR2が一緒になって3~15個の炭素原子を有する2価の炭化水素基を形成しており、R3及びR4は、それぞれ独立に1~30個の炭素原子を有する1価の有機基を表す、又はR3及びR4が一緒になって3~30個の炭素原子を有する2価の有機基を形成している。)【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート表面保護方法に関する。
セメント系材料は、強度や耐久性に優れた硬化物を与える。セメント系材料は建築構造物を構築する上で必要とされる材料である。建築構造物などのセメント系構造体は、二酸化炭素や塩化物イオンなどの劣化因子の侵入を防ぐことが求められる。
例えば、特許文献1には、セメント系構造体の表面の少なくとも一部を、下記式(I)で表されるジエステル化合物を含有する表面保護剤でモルタル供試体を保護することにより、二酸化炭素や塩化物イオン等の劣化因子の侵入を抑制できることが開示されている。
Figure 2023022659000001
式(I)において、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、若しくは1~15個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である、又はR及びRが一緒になって3~15個の炭素原子を有する2価の炭化水素基を形成しており、R及びRは、それぞれ独立に1~30個の炭素原子を有する1価の有機基を表す、又はR及びRが一緒になって3~30個の炭素原子を有する2価の有機基を形成している。
国際公開第2020-158756号
上記のとおり、メチレンマロネートを含む表面保護剤が良好な劣化因子の侵入抑制効果を有することが知られているが、二酸化炭素などの劣化因子によってセメント系構造体のアルカリ度が低下した表面を補修し、内部の劣化を抑制する目的で表面保護することについては、セメント系構造体表面上での表面保護膜が形成されず、改善する余地があった。
よって、本開示は、中性化され、劣化したセメント系構造体の表面保護方法に関することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成する為に種々検討を行ない、本発明に想到した。すなわち本発明は、以下の発明を含む。
[1]アルカリ剤(A)を塗布する工程(1)と、
下記式(I)で表される化合物(B)を有する硬化性組成物を塗布する工程(2)を含む、
セメント系構造体の表面保護方法。
Figure 2023022659000002
(式(I)において、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、若しくは1~15個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である、又はR及びRが一緒になって3~15個の炭素原子を有する2価の炭化水素基を形成しており、R及びRは、それぞれ独立に1~30個の炭素原子を有する1価の有機基を表す、又はR及びRが一緒になって3~30個の炭素原子を有する2価の有機基を形成している。)
[2]アルカリ剤(A)を有する塗布層と、下記式(I)で表される化合物(B)を有する塗布層を含む、セメント系構造体用硬化性膜。
Figure 2023022659000003
(式(I)において、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、若しくは1~15個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である、又はR及びRが一緒になって3~15個の炭素原子を有する2価の炭化水素基を形成しており、R及びRは、それぞれ独立に1~30個の炭素原子を有する1価の有機基を表す、又はR及びRが一緒になって3~30個の炭素原子を有する2価の有機基を形成している。)
本開示の表面保護方法によれば、中性化され、劣化したセメント系構造体の表面上に表面保護膜を形成させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
[本開示の表面保護方法]
<工程(1)>
本開示の表面保護方法は、セメント系構造体の表面に、アルカリ剤(A)を塗布する工程(以下、工程(1)ともいう)を含む。
(アルカリ剤(A))
工程(1)において使用するアルカリ剤(A)は、アルカリ化合物を含有する。
アルカリ化合物は特に限定されないが、アンモニア;エタノールアミンやポリエチレンイミンなどのアミン化合物;酢酸ナトリウムやホウ酸ナトリウム等の弱酸と強塩基の塩;生石灰;炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウムなどのアルカリ金属炭酸塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物等が挙げられる。
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩を含有することが好ましく、より好ましくは、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムである。
本開示のアルカリ剤(A)には、1種または2種以上のアルカリ化合物を含むことができる。
本開示のアルカリ剤は、アルカリ化合物の他に任意の成分を含んでいても良く、溶剤、増粘剤、チクソ性付与剤、レベリング剤等が例示される。本開示のアルカリ剤は、本開示のアルカリ剤(A)100質量%に対し、アルカリ化合物を0.1質量%以上、100質量%以下含むことが好ましく、1質量%以上、50質量%以下含むことがより好ましい。
本開示のアルカリ剤(A)は、固体であっても液体であってもよいが、セメント系構造体の表面に塗布する際の操作性の観点から、アルカリ化合物を有する溶液(アルカリ溶液という場合もある)として用いることが好ましい。
アルカリ溶液に含まれる溶剤は特に限定されない。例えば、具体的には、アルコール、ケトン、水などが挙げられるが、アルカリ化合物の溶解性の観点から、より好ましくは水である。
アルカリ溶液としては、pHが7~14であることが好ましく、より好ましくは8~13であり、さらに好ましくは8~12である。
アルカリ溶液としては、粘度が、1~1000m・Paであることが好ましく、より好ましくは1~500m・Paであり、さらに好ましくは1~300m・Paである。
アルカリ溶液に含まれるアルカリ化合物の濃度は、0.1~100wt%であることが好ましく、より好ましくは1~50wt%であり、さらに好ましくは1~30wt%である。
(アルカリ剤(A)の塗布方法)
本開示のアルカリ剤(A)を塗布する方法としては特に限定されないが、公知のハケ、ローラー、または噴霧器によって塗布することができる。
本開示のアルカリ剤(A)を塗布する量は特に限定されないが、塗布する表面に対し、10~5000g/m2であることが好ましく、より好ましくは20~5000g/m2、さらに好ましくは30~5000g/m2である。
本開示のアルカリ剤(A)を塗布した後に保持する時間は、好ましくは、10分~72時間であり、より好ましくは30分~72時間であり、さらに好ましくは60分~72時間である。
本開示のアルカリ剤(A)を塗布した後保持する温度は、―20~50℃であり、より好ましくは-10~45℃であり、さらに好ましくは0~40℃である。
<工程(2)>
本開示の表面保護方法は、セメント系構造体の表面に、一般式(I)で表される化合物(B)を含有する硬化性組成物を塗布する工程(以下、工程(2)ともいう)を含む。
(一般式(I)で表される化合物(B))
本開示の硬化性組成物は、1種または2種以上の単官能メチレンマロン酸エステルを含むことができる。例えば、下記一般式(I)で表される化合物(B)が例示される。
Figure 2023022659000004
(式(I)において、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、若しくは1~15個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である、又はR及びRが一緒になって3~15個の炭素原子を有する2価の炭化水素基を形成しており、R及びRは、それぞれ独立に1~30個の炭素原子を有する1価の有機基を表す、又はR及びRが一緒になって3~30個の炭素原子を有する2価の有機基を形成している。)
式(I)において、R及びRの炭化水素基の炭素数としては、1~10個が好ましく、1~5個が好ましい。R及びRの具体例としては、メチル基、エチル基、n-ブチル基、n-ペンチル基(アミル基)、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、イソプロピル基、2-メチルブチル基、イソアミル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-エチル-2-メチルプロピル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、2-プロピルペンチル基、ネオノニル基、2-エチルヘプチル基、2-プロピルヘキシル基、2-ブチルペンチル基、イソデシル基、ネオデシル基、2-エチルオクチル基、2-プロピルヘプチル基、2-ブチルヘキシル基、イソウンデシル基、ネオウンデシル基、2-エチルノニル基、2-プロピルオクチル基、2-ブチルヘプチル基、2-ペンチルヘキシル基、イソドデシル基、ネオドデシル基、2-エチルデシル基、2-プロピルノニル基、2-ブチルオクチル基、2-ペンチルヘプチル基、イソトリデシル基、ネオトリデシル基、2-エチルウンデシル基、2-プロピルデシル基、2-ブチルオクチル基、2-ペンチルオクチル基、2-ヘキシルヘプチル基、イソテトラデシル基、ネオテトラデシル基、2-エチルドデシル基、2-プロピルウンデシル基、2-ブチルデシル基、2-ペンチルノニル基、2-ヘキシルオクチル基、イソペンタデシル基、ネオペンタデシル基、シクロヘキシルメチル基、ベンジル基等が挙げられる。
式(I)において、R及びRは、少なくとも一方が水素原子であってもよく、両方が水素原子であってよい。なお、R及びRの両方が水素原子であることが好ましい。
及びRが一緒になって3~15個の炭素原子を有する2価の炭化水素基を形成している場合、2価の炭化水素基の炭素数としては、4~12個が好ましく、5~9個がより好ましい。2価の炭化水素基の具体例としては、1,3-プロピレン基、1、4-ブチレン基、1,5-ペンチレン基、1,6-へキシレン基、1,5-へキシレン基等が挙げられる。
式(I)において、R及びRは、1価の有機基であり、そのような有機基としては、1価の炭化水素基、1価のヘテロ原子含有基が例示される。当該1価の炭化水素基、1価のヘテロ原子含有基は置換基を有していてもよい。上記置換基としては、アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、アジド基、シアノ基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、複素環基、エステル基、他の単量体の残基等が例示され、これらはさらに置換基で置換されていてもよい。R及びRの炭素数はそれぞれ1~30であり、1~20であることが好ましく、1~15であることがより好ましく、1~10であることがさらに好ましい。R及びRが1又は2以上の置換基を有する場合には、置換基を含めた炭素数がそれぞれ上記炭素数の範囲であることが好ましい。R及びRの有する置換基の数に制限はないが、それぞれ5個以下であることが好ましく、3個以下であることがより好ましく、1個又は2個であることが更に好ましい。1価のヘテロ原子含有基としては、ポリアルキレンオキシド基、ポリエステル基等が例示される。
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれであってもよく、脂肪族炭化水素基は、直鎖状脂肪族炭化水素基、分岐鎖状脂肪族炭化水素基、及び脂環式炭化水素基のいずれであってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれであってもよい。なお、芳香族炭化水素基は、芳香環を有する基であって、脂肪族部分を有していてもよく、脂環式炭化水素基は、環状の脂肪族炭化水素部分を有する基であって、直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素部分を有していてもよい。
直鎖の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基(アミル基)、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-イコシル基、n-ヘンイコシル基、n-ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖の飽和炭化水素基としては、イソプロピル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、1-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、イソアミル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、tert-アミル基、1,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1-メチルペンチル基、1-メチルブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、2-エチル-2-メチルプロピル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソオクチル基、1-エチルヘキシル基、1-プロピルペンチル基、2-エチルヘキシル基、2-プロピルペンチル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、1-エチルヘプチル基、1-プロピルヘキシル基、1-ブチルペンチル基、2-エチルヘプチル基、2-プロピルヘキシル基、2-ブチルペンチル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、1-エチルオクチル基、1-プロピルヘプチル基、1-ブチルヘキシル基、2-エチルオクチル基、2-プロピルヘプチル基、2-ブチルヘキシル基、イソウンデシル基、sec-ウンデシル基、tert-ウンデシル基、ネオウンデシル基、1-エチルノニル基、1-プロピルオクチル基、1-ブチルヘプチル基、1-ペンチルヘキシル基、2-エチルノニル基、2-プロピルオクチル基、2-ブチルヘプチル基、2-ペンチルヘキシル基、イソドデシル基、sec-ドデシル基、tert-ドデシル基、ネオドデシル基、1-エチルデシル基、1-プロピルノニル基、1-ブチルオクチル基、1-ペンチルヘプチル基、2-エチルデシル基、2-プロピルノニル基、2-ブチルオクチル基、2-ペンチルヘプチル基、イソトリデシル基、sec-トリデシル基、tert-トリデシル基、ネオトリデシル基、1-エチルウンデシル基、1-プロピルデシル基、1-ブチルノニル基、1-ペンチルオクチル基、1-ヘキシルヘプチル基、2-エチルウンデシル基、2-プロピルデシル基、2-ブチルオクチル基、2-ペンチルオクチル基、2-ヘキシルヘプチル基、イソテトラデシル基、sec-テトラデシル基、tert-テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1-エチルドデシル基、1-プロピルウンデシル基、1-ブチルデシル基、1-ペンチルノニル基、1-ヘキシルオクチル基、2-エチルドデシル基、2-プロピルウンデシル基、2-ブチルデシル基、2-ペンチルノニル基、2-ヘキシルオクチル基、イソペンタデシル基、sec-ペンタデシル基、tert-ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec-ヘキサデシル基、tert-ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、イソヘプタデシル基、sec-ヘプタデシル基、tert-ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル(イソステアリル)基、sec-オクタデシル基、tert-オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec-ノナデシル基、tert-ノナデシル基、ネオノナデシル基、イソイコシル基、sec-イコシル基、tert-イコシル基、ネオイコシル基、イソヘンイコシル基、sec-ヘンイコシル基、tert-ヘンイコシル基、ネオヘンイコシル基、イソドコシル基、sec-ドコシル基、tert-ドコシル基、ネオドコシル基、イソトリコシル基、sec-トリコシル基、tert-トリコシル基、ネオトリコシル基、イソテトラコシル基、sec-テトラコシル基、tert-テトラコシル基、ネオテトラコシル基、イソペンタコシル基、sec-ペンタコシル基、tert-ペンタコシル基、ネオペンタコシル基、イソヘキサコシル基、sec-ヘキサコシル基、tert-ヘキサコシル基、ネオヘキサコシル基、イソヘプタコシル基、sec-ヘプタコシル基、tert-ヘプタコシル基、ネオヘプタコシル基、イソオクタコシル基、sec-オクタコシル基、tert-オクタコシル基、ネオオクタコシル基、イソノナコシル基、sec-ノナコシル基、tert-ノナコシル基、ネオノナコシル基、イソトリアコンチル基、sec-トリアコンチル基、tert-トリアコンチル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等が挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、直鎖アルケニル基、又は分岐鎖アルケニル基が挙げられ、直鎖アルケニル基としては、具体的には、ビニル基、アリル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。
分岐鎖アルケニル基としては、イソプロペニル基、イソブテニル基、イソペンテニ)基、イソヘキセニル基、イソヘプテニル基、イソオクテニル基、イソノネニル基、イソデセニル基、イソドデセニル基、イソオクタデセニル基、イソイコセニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基;ナフチル基;ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、3-フェニルプロピル基、4-フェニルブチル基、等のアラルキル基;スチリル基(Ph-CH=C-基);シンナミル基(Ph-CH=CHCH2-基);1-ベンゾシクロブテニル基;1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、ジスチレン化フェニル基などが挙げられる。
及びRが一緒になって3~30個の炭素原子を有する2価の有機基を形成している場合、2価の有機基の炭素数としては、3~10個が好ましく、3~6個がより好ましい。また、2価の有機基としては、2価の炭化水素基が挙げられ、2価の炭化水素基の具体例としては、2,2-プロピレン基、1,3-プロピレン基、1、4-ブチレン基、1,5-ペンチレン基、1,6-へキシレン基、1,5-へキシレン基等が挙げられる。当該2価の有機基は、3~15個の炭素原子を有する2価の炭化水素基の一つ以上の水素原子が置換基に置換された基であってもよい。置換基としては、上述のR及びRが一価の有機基である場合に例示した置換基を挙げることができる。当該2価の有機基は、置換基を1~5個以下有すると好ましく、1~3個有するとより好ましい。
2価の有機基は、2価のヘテロ原子含有基であってもよく、2価のヘテロ原子含有基としては、ポリアルキレンオキシド基、ポリエステル基等が例示される。
式(I)で表される化合物(B)(単官能メチレンマロン酸エステルという場合もある)としては、メチレンマロン酸メチルプロピル、メチレンマロン酸ジ-n-ヘキシル、メチレンマロン酸ジシクロヘキシル、メチレンマロン酸ジイソプロピル、メチレンマロン酸ブチルメチル、メチレンマロン酸エトキシエチルエチル、メチレンマロン酸メトキシエチルメチル、メチレンマロン酸ヘキシルエチル、メチレンマロン酸ジ-n-ペンチル、メチレンマロン酸エチルペンチル、メチレンマロン酸メチルペンチル、メチレンマロン酸エチルエチルメトキシル、メチレンマロン酸エトキシエチルメチル、メチレンマロン酸ブチルエチル、メチレンマロン酸ジ-n-ブチル、メチレンマロン酸ジエチル(DEMM)、メチレンマロン酸ジエトキシエチル、メチレンマロン酸ジメチル、メチレンマロン酸ジ-n-プロピル、メチレンマロン酸エチルヘキシル、メチレンマロン酸フェンキルメチル、メチレンマロン酸メンチルメチル、メチレンマロン酸2-フェニルプロピルエチル、メチレンマロン酸3-フェニルプロピル、メチレンマロン酸ジメトキシエチル、メチレンマロン酸ジ-n-ヘプチル、メチレンマロン酸ジ-n-オクチル、メチレンマロン酸ジ-n-ノニル、メチレンマロン酸ジ-n-デシル等が挙げられる。これらの中でも、メチレンマロン酸ジ-n-ヘキシル、メチレンマロン酸ジシクロヘキシルが好ましい。
(硬化性組成物)
本開示の硬化性組成物は、式(I)で表される化合物(B)の含有量としては、特に制限されないが、硬化性組成物の総質量に対して、30質量%以上であってよく、40質量%以上であってよく、50質量%以上であってよい。
式(I)で表される化合物(B)としては、以下の(a)及び(b)の少なくとも一方の条件を満たす第1の単官能メチレンマロン酸エステルが好ましい。硬化性組成物が、第1の単官能メチレンマロン酸エステルを含むことにより、硬化性組成物をセメント系構造体に塗布した際の硬化速度が大きくなる傾向がある。なお、以下では、単官能メチレンマロン酸エステルについて、ホモポリマーのガラス転移温度を単にTgとも呼ぶ。
(a)ホモポリマーのガラス転移温度が30℃未満である。
(b)R及びRが、それぞれ独立に3~30個の炭素原子を有する1価の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。
(a)の条件について、第1の単官能メチレンマロン酸エステルのTgは、25℃以下であると好ましく、20℃以下であるとより好ましく、10℃以下であると更に好ましく、0℃以下であると特に好ましい。なお、ホモポリマーのガラス転移点は、例えば、示差熱量測定(DSC)、示差熱分析(DTA)、熱機械分析(TMA)等により測定することができる。
(b)の条件について、R及びRのアルキル基が有する炭素数としては、3~12個が好ましく、4~10個が好ましく、5~10個が更に好ましい。
第1の単官能メチレンマロン酸エステルとしては、メチレンマロン酸ジ-n-ブチル、メチレンマロン酸ジ-n-ペンチル、メチレンマロン酸ジ-n-ヘキシル、メチレンマロン酸ジ-n-ヘプチル、メチレンマロン酸ジ-n-オクチル、メチレンマロン酸ジ-n-ノニル、メチレンマロン酸ジ-n-デシル等が挙げられる。
硬化性組成物における第1の単官能メチレンマロン酸エステルの含有量は、特に制限されないが、硬化性組成物の総量に対して、20質量%以上であると好ましく、25質量%以上であると更に好ましい。また、硬化性組成物における第1の単官能メチレンマロン酸エステルの含有量としては、硬化性組成物の総量に対して、80質量%以下であってもよく、75質量%以下であってもよい。
式(I)で表される化合物(B)としては、第1の単官能メチレンマロン酸エステルと共にホモポリマーのガラス転移温度が60℃以上である第2の単官能メチレンマロン酸エステルを併用してもよい。第1の単官能メチレンマロン酸エステルと第2の単官能メチレンマロン酸エステルとを併用することにより、塗膜のタック性が小さくなり取り扱いが容易となる。
第2の単官能メチレンマロン酸エステルのTgとしては、80℃以上であると好ましく、100℃以上であるとより好ましい。
硬化性組成物における、第2の単官能メチレンマロン酸エステルの含有量は特に制限されないが、硬化性組成物の総量に対して、20質量%以上であると好ましく、25質量%以上であると更に好ましい。また、硬化性組成物における第2の単官能メチレンマロン酸エステルの含有量としては、硬化性組成物の総量に対して、80質量%以下であってもよく、75質量%以下であってもよい。
第2の単官能メチレンマロン酸エステルとしては、式(I)のR及びRとして、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基を有するものが挙げられ、具体的には、メチレンマロン酸フェンチルエチル、メチレンマロン酸メンチルエチル、メチレンマロン酸フェニルプロピルメチル、メチレンマロン酸フェニルプロピルエチル、メチレンマロン酸ジシクロヘキシル等が挙げられる。
本開示の硬化性組成物には、上述した各成分以外に、他の成分を含んでいてもよい。そのような成分としては、
例えば、アニオン重合禁止剤、ラジカル重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、溶剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、赤外線吸収剤、重合開始剤、離型剤、艶消し剤、消泡剤、レベリング剤、帯電防止剤、フィラー、難燃剤、粘着付与剤、ワックス、導電剤、可塑剤、改質剤、チクソトロピック付与剤など等が挙げられる。
例えば、アニオン重合禁止剤、ラジカル重合禁止剤や酸化防止剤等が挙げられる。アニオン重合禁止剤としては水中での酸解離定数が2以下である酸が好ましく、具体的には例えば、硫酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などのスルホン酸類、亜硫酸、リン酸、トルフルオロ酢酸などが挙げられる。貯蔵安定性と反応性のバランスを取る観点から、硬化性組成物の総量に対して、適宜調整できるが、硬化性組成物の総量に対して、0.1~2000質量ppmであることが好ましく、より好ましくは1~1000質量ppmである。ラジカル重合禁止剤、酸化防止剤としては、着色抑制の観点からヒンダードフェノール類、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましい。
例えば、溶剤としては、特に制限されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、2-ブタノン等のケトン類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類等が挙げられる。硬化性組成物の総量に対して、適宜調整することができるが、0~50%であることが好ましく、より好ましくは0~30質量%である。
例えば、チクソトロピック付与剤としては、塗布する際に、硬化性組成物が表面から垂れることや移動することを防止することができる。チクソトロピック付与剤としては、特に制限されないが、具体的には、コロイダルシリカ、フィームドシリカ、シリカエーロゲル、有機改質粘土、クレー、シリカパウダー、酢酸セルロース、アエロジル(日本アエロジル株式会社製)、チクソゲル(横浜化成株式会社製)、ディスパロン(楠本化成株式会社製)、レオロシール(株式会社トクヤマ製)、ユリヤウレタン樹脂等が挙げられる。好ましくは、硬化性組成物の総量に対して、適宜調整することができるが、0~5質量%であることが好ましく、より好ましくは0~3質量%である。
(硬化性組成物の塗布方法)
本開示の硬化性組成物を塗布する方法としては特に限定されないが、公知のハケ、ローラー、または噴霧器によって塗布することができる。
本開示の硬化性組成物を塗布する量は特に限定されないが、塗布する表面に対し、10~500g/m2であることが好ましく、より好ましくは25~300g/m2、さらに好ましくは50~200g/m2である。
本開示の硬化性組成物を塗布した後に保持する時間は、好ましくは、10分~72時間であり、より好ましくは1~72時間であり、さらに好ましくは24~72時間である。
本開示の硬化性組成物を塗布した後保持する温度は、―20~50℃であり、より好ましくは-10~45℃であり、さらに好ましくは0~40℃である。
本開示の表面保護方法において、工程(2)は1回のみ行ってもよいが、2回以上行ってもよい。
本開示の表面保護方法において、工程(1)および/または工程(2)を2回以上行う場合には、使用するアルカリ剤および/または硬化性組成物は、それぞれ同種のものを使用しても良く、異なるものを使用しても良い。工程(1)と工程(2)の順番は特に制限されないが、工程(1)、工程(2)の順番で実施しても良い。
<その他工程>
(工程3)
本開示の表面保護方法には、アルカリ剤(A)と式(I)で表される化合物(B)を含有する硬化性組成物を混合する工程(3)を含んでいてもよい。
工程(3)において得られた、アルカリ剤(A)と化合物(B)を含有する組成物を、セメント系構造体に塗布してもよい。
本開示の表面保護方法において、その他工程は、1回のみ行ってもよいが、2回以上行ってもよい。
[本開示のセメント構造体用表面硬化性膜]
<アルカリ剤(A)を有する塗布層>
本開示のアルカリ剤(A)を有する塗布層には、1種又は2種以上のアルカリ化合物を含むことができる。
本開示のアルカリ剤(A)を有する塗布層に含まれる、アルカリ剤(A)の含有量としては、特に制限されないが、アルカリ剤(A)を有する塗布層の総質量に対して、1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3%以上である。一方、100質量%以下であることが好ましく、より好ましくは50質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。
<化合物(B)を有する塗布層>
本開示の化合物(B)を有する塗布層には、1種または2種以上の式(I)で表される化合物(B)を含むことができる。
本開示の化合物(B)を有する塗布層に含まれる、化合物(B)の含有量としては、特に制限されないが、化合物(B)を有する塗布層の総質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。一方、100質量%以下であることが好ましく、より好ましくは100質量%以下であり、さらに好ましくは100質量%以下である。
本開示の化合物(B)を有する塗布層の厚みは特に制限されないが、10μm~500μmであることが好ましく、より好ましくは、50μm~200μmである。
本開示の表面硬化性膜には、アルカリ剤(A)を有する塗布層は、1層または2層以上含まれていてもよい。化合物(B)を有する塗布層は、1層又は2層以上含まれていてもよい。
本開示のアルカリ剤(A)を有する塗布層に含まれるアルカリ剤(A)の作用により、本開示の一般式(I)で表される化合物(B)に由来する構造単位を有する重合体が形成され、硬化する反応によって、セメント系構造体に耐久性の高い被膜が得られる傾向にある。
本開示のセメント系構造体を得る方法は、特に制限されず、公知の方法により得ることができる。例えば、コンクリート打設用の型枠にセメント組成物を流し込み、セメント系組成物を硬化させる方法が挙げられる。鉄筋コンクリート、鉄骨コンクリート等を得る場合には、型枠内の所定の位置に鉄筋等の芯材を配置してから打設を行う方法が挙げられる。
本開示の表面保護方法により、セメント系構造体に外観にも優れた塗膜を形成することもできる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<モルタル試験板の作製>
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)450g、水225g、及びセメント強さ試験用標準砂(JIS R5201-1997附属書2の5.1.3に規定:セメント協会)1350gを、ホバート型モルタルミキサー(ホバート社製、型番:N-50)を用い、JIS R5201-1997の方法に従い、モルタルの混練を行った。
混練して得られたモルタルをポリスチレン製ケース(アズワン社製、スチロール角型ケース18cm×9cm×4.5cm 9型)に200g流し込み、密閉し、20℃で7日間養生した。養生後、型枠から脱型し、モルタル試験板が得られた。
<モルタル試験板の中性化>
前記モルタル試験板の中性化を図るため、該モルタル試験板とドライアイスを半密閉容器内に24時間静置することで、中性化の促進を行なった。得られたモルタル試験板表面にフェノールフタレインを吹き付けて、赤色化しなければ、表面は中性化が進行しているものと判断した。
<アルカリ剤(A)>
炭酸水素ナトリウム粉末(富士フィルム和光純薬社製)8gをイオン交換水92gに攪拌しながら溶解させて、濃度が8重量%の炭酸ナトリウム水溶液を調製した。pH試験紙で確認するとpH8であった(アルカリ剤(A)-i)。
同様に、セスキ炭酸ナトリウム二水和物(セラケム社製)85gをイオン交換水95gに攪拌しながら溶解させて、濃度が5重量%の炭酸ナトリウム水溶液を調製した。pH試験紙で確認するとpH10であった(アルカリ剤(A)-ii)。
同様に、炭酸ナトリウム粉末(富士フィルム和光純薬社製)10gをイオン交換水90gに攪拌しながら溶解させて、濃度が10重量%の炭酸ナトリウム水溶液を調製した。pH試験紙で確認するとpH12であった。(アルカリ剤(A)-iii)
<プルオフ式付着性試験>
付着力はJIS規格準拠(JIS K 5600-5-7)に則り測定した。モルタル試験板上の硬化塗膜とステンレススチール製の接着子(ドリー)の表面をダイヤモンドヤスリで粗面化した。接着剤(コニシ製、商品名「アロンアルファEXTRA」)を用いて、硬化塗膜にドリーを接着させた。1日間硬化後、このドリーの周囲にカッターナイフで切り込みを入れた後、プルオフ式試験機(ポジテストAT-A、DeFelsko製)により付着強度を測定した。
<製造例1>
ポリプロピレン製バイアルに、メチレンマロン酸ジ-n-ヘキシルと、メチレンマロン酸ジシクロヘキシルと、ディスパロン6900-20X(楠本化成株式会社製)とを、それぞれ表1に示した固形分含有量(単位:質量部)になるように配合し、卓上ホモジナイザーを用いて回転数10,000rpmで3分間撹拌混合することで、硬化性組成物を得た。
[実施例1]
pH8の8wt%炭酸水素ナトリウム水溶液(アルカリ剤(A)-i)アルカリ剤に中性化したモルタル試験板を1時間沈める(全没)ことで、再アルカリ化の促進を行った。表面の水分を拭き取り、このモルタル試験板の1面に上記硬化性組成物を滴下し、アプリケーターを用いて滴下した組成物を均一に引き延ばし、100μmの厚みで上記モルタル試験板上に塗布された塗膜を得た。その状態で20℃、大気雰囲気下で静置し、コットンボールをピンセットで押し当ててコットン繊維が塗膜表面に付着残存しない時間を記録し、タックフリータイム(硬化時間)とした。塗膜が硬化してから3日後に上記プルオフ式付着性試験に基づき、モルタルへの付着性を測定した。
[実施例2]
pH8の8wt%炭酸水素ナトリウム水溶液(アルカリ剤(A)-i)を中性化したモルタル試験板に噴霧することで、再アルカリ化の促進を行った。10分後にモルタル試験板の表面水分を拭き取り、このモルタル試験板の1面に上記硬化性組成物を滴下し、アプリケーターを用いて滴下した組成物を均一に引き延ばし、100μmの厚みで上記モルタル試験板上に塗布された塗膜を得た。その状態で20℃、大気雰囲気下で静置し、コットンボールをピンセットで押し当ててコットン繊維が塗膜表面に付着残存しない時間を記録し、タックフリータイム(硬化時間)とした。塗膜が硬化してから3日後に上記プルオフ式付着性試験に基づき、モルタルへの付着性を測定した。
[実施例3]
pH10の5wt%セスキ炭酸ナトリウム水溶液(アルカリ剤(A)-ii)に中性化したモルタル試験板を1時間沈める(全没)ことで、再アルカリ化の促進を行った。表面の水分を拭き取り、このモルタル試験板の1面に上記硬化性組成物を滴下し、アプリケーターを用いて滴下した組成物を均一に引き延ばし、100μmの厚みで上記モルタル試験板上に塗布された塗膜を得た。その状態で20℃、大気雰囲気下で静置し、コットンボールをピンセットで押し当ててコットン繊維が塗膜表面に付着残存しない時間を記録し、タックフリータイム(硬化時間)とした。塗膜が硬化してから3日後に上記プルオフ式付着性試験に基づき、モルタルへの付着性を測定した。
[実施例4]
pH10の5wt%セスキ炭酸ナトリウム水溶液(アルカリ剤(A)-ii)を中性化したモルタル試験板に噴霧することで、再アルカリ化の促進を行った。10分後にモルタル試験板の表面水分を拭き取り、このモルタル試験板の1面に上記硬化性組成物を滴下し、アプリケーターを用いて滴下した組成物を均一に引き延ばし、100μmの厚みで上記モルタル試験板上に塗布された塗膜を得た。その状態で20℃、大気雰囲気下で静置し、コットンボールをピンセットで押し当ててコットン繊維が塗膜表面に付着残存しない時間を記録し、タックフリータイム(硬化時間)とした。塗膜が硬化してから3日後に上記プルオフ式付着性試験に基づき、モルタルへの付着性を測定した。
[実施例5]
pH12の10wt%炭酸ナトリウム水溶液(アルカリ剤(A)-iii)に中性化したモルタル試験板を1時間沈める(全没)ことで、再アルカリ化の促進を行った。表面の水分を拭き取り、このモルタル試験板の1面に上記硬化性組成物を滴下し、アプリケーターを用いて滴下した組成物を均一に引き延ばし、100μmの厚みで上記モルタル試験板上に塗布された塗膜を得た。その状態で20℃、大気雰囲気下で静置し、コットンボールをピンセットで押し当ててコットン繊維が塗膜表面に付着残存しない時間を記録し、タックフリータイム(硬化時間)とした。塗膜が硬化してから3日後に上記プルオフ式付着性試験に基づき、モルタルへの付着性を測定した。
[実施例6]
pH12の10wt%炭酸ナトリウム水溶液(アルカリ剤(A)-iii)を中性化したモルタル試験板に噴霧することで、再アルカリ化の促進を行った。10分後にモルタル試験板の表面水分を拭き取り、このモルタル試験板の1面に上記硬化性組成物を滴下し、アプリケーターを用いて滴下した組成物を均一に引き延ばし、100μmの厚みで上記モルタル試験板上に塗布された塗膜を得た。その状態で20℃、大気雰囲気下で静置し、コットンボールをピンセットで押し当ててコットン繊維が塗膜表面に付着残存しない時間を記録し、タックフリータイム(硬化時間)とした。塗膜が硬化してから3日後に上記プルオフ式付着性試験に基づき、モルタルへの付着性を測定した。
[比較例1]
pH7以下の脱イオン水に中性化したモルタル試験板を1時間沈めた。表面の水分を拭き取り、このモルタル試験板の1面に上記硬化性組成物を滴下し、アプリケーターを用いて滴下した組成物を均一に引き延ばし、100μmの厚みで上記モルタル試験板上に塗布された塗膜を得た。その状態で20℃、大気雰囲気下で静置し、コットンボールをピンセットで押し当ててコットン繊維が塗膜表面に付着残存しない時間を記録し、タックフリータイム(硬化時間)とした。塗膜が硬化してから3日後に上記プルオフ式付着性試験に基づき、モルタルへの付着性を測定した。
[比較例2]
中性化したモルタル試験板の1面に上記硬化性組成物を滴下し、アプリケーターを用いて滴下した組成物を均一に引き延ばし、100μmの厚みで上記モルタル試験板上に塗布された塗膜を得た。その状態で20℃、大気雰囲気下で静置し、コットンボールをピンセットで押し当ててコットン繊維が塗膜表面に付着残存しない時間を記録し、タックフリータイム(硬化時間)とした。塗膜が硬化してから3日後に上記プルオフ式付着性試験に基づき、モルタルへの付着性を測定した。
Figure 2023022659000005
以上より、本開示の表面保護方法により、接着強度が回復した表面保護膜を形成することが明らかとなった。

Claims (2)

  1. アルカリ剤(A)を塗布する工程(1)と、
    下記式(I)で表される化合物(B)を有する硬化性組成物を塗布する工程(2)を含む、
    セメント系構造体の表面保護方法。
    Figure 2023022659000006
    (式(I)において、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、若しくは1~15個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である、又はR及びRが一緒になって3~15個の炭素原子を有する2価の炭化水素基を形成しており、R及びRは、それぞれ独立に1~30個の炭素原子を有する1価の有機基を表す、又はR及びRが一緒になって3~30個の炭素原子を有する2価の有機基を形成している。)
  2. アルカリ剤(A)を有する塗布層と、下記式(I)で表される化合物(B)を有する塗布層を含む、セメント構造体用硬化性膜。
    Figure 2023022659000007
    (式(I)において、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、若しくは1~15個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である、又はR及びRが一緒になって3~15個の炭素原子を有する2価の炭化水素基を形成しており、R及びRは、それぞれ独立に1~30個の炭素原子を有する1価の有機基を表す、又はR及びRが一緒になって3~30個の炭素原子を有する2価の有機基を形成している。)
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