JP2023021832A - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

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佑馬 中尾
Yuma Nakao
耕平 桑畑
Kohei Kuwahata
宏子 川口
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Abstract

【課題】適正な位置に引き上げやすく、且つ尿などの液漏れが低減されるパンツ型使い捨ておむつを提供すること。【解決手段】おむつ1は、吸収性本体10と外装体5とを有する。外装体5は、外層不織布51と内層不織布52とを備え、腹側部A及び背側部Bのそれぞれに、外層不織布51がウエスト開口端に沿って肌対向面側に折り返された折り返し部51aが形成されている。外装体5は、一対のサイドパネル15を備え、その折り返し部51aは、その端部域が接合部53によって接合されている。サイドパネル15は、折り返し部51aからなる第1領域E1と、第1領域E1に隣接し内層不織布が露出した第2領域E2を有する。外層不織布51の摩擦係数と、内層不織布52の摩擦係数とは互いに異なる。第1領域E1における襞の深さが第2領域E2における襞の深さよりも大きい。【選択図】図2

Description

本発明は、パンツ型使い捨ておむつに関する。
パンツ型使い捨ておむつは、典型的には、尿等の排泄物を吸収する吸収体を備えた吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に位置する伸縮性の外装体とを備える。これにより、外装体が着用者のウエスト周りや胴周りにフィットして、良好な装着感が奏される。
特許文献1には、着用者の胴回りにゴム痕を付きにくくすることを目的として、吸収性本体及び胴回り部を有し、胴回り部を構成する内層不織布部のKES法による曲げ剛性は、胴回り部を構成する肌側シート部の前記曲げ剛性より高い吸収性物品が開示されている。また肌側シート部の摩擦係数MIUを少なくとも0.25とすることで、柔軟性を有することも同文献に開示されている。
特許文献2には、弾性ベルト領域を構成する外側シートが少なくとも約1.7mmの表面粗さを有し、この外側シートが内側に折り返されている吸収性物品が開示されている。
特許文献3には、衣類に面する表面の少なくとも一部が少なくとも約16の粗さを有する不織布基材で形成された着用可能物品が開示されている。
特開2019-187743号公報 特表2020-508145号公報 特表2020-508148号公報
パンツ型使い捨ておむつを装着する際は、外装体を引き上げるようにして装着することが一般的である。しかし、外装体を引き上げすぎた状態でおむつを装着すると、液排泄部がおむつの肌対向面と密着してしまい、液の吸収に必要な十分な空間をおむつと着用者との間に確保できないことがある。その結果、尿漏れなどの液漏れが生じることがある。このような装着位置を適切にすることに起因する漏れの防止に関して、特許文献1~3の技術では何ら検討されていない。
したがって本発明の課題は、適正な位置に引き上げやすく、且つ尿などの液漏れが低減されるパンツ型使い捨ておむつを提供することにある。
本発明は、着用者の前後方向に対応する長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有し、着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、
前記腹側部から前記背側部までの領域に配される吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配される外装体とを有するパンツ型使い捨ておむつであって、
前記外装体は、該外装体の非肌対向面を形成する外層不織布と、該外装体の肌対向面を形成する内層不織布とを備え、
前記腹側部及び前記背側部のそれぞれにおいて、前記外層不織布がウエスト開口端に沿って肌対向面側に折り返された折り返し部が形成されており、
前記外装体は、前記吸収性本体の幅方向外方に延出した一対のサイドパネルを備え、
前記サイドパネルにおける前記折り返し部は、その端部域において、前記外層不織布の非肌対向面と前記内層不織布の肌対向面とが接合部によって接合されており、
前記サイドパネルにおける肌対向面は、前記外層不織布の折り返し部からなり前記接合部よりも長手方向外方に位置する第1領域と、該第1領域よりも長手方向内方において隣接し且つ前記内層不織布が肌対向面に露出している第2領域とを有し、
前記外層不織布の摩擦係数と、前記内層不織布の摩擦係数とは互いに異なっており、
自然状態において、前記サイドパネルの少なくとも肌対向面に、前記長手方向に延びる襞が前記幅方向に沿って複数形成されており、
前記第1領域における前記襞の深さが前記第2領域における前記襞の深さよりも大きい、パンツ型使い捨ておむつを提供するものである。
本発明によれば、適正な位置に引き上げやすく、且つ尿などの液漏れが低減されるパンツ型使い捨ておむつが提供される。
図1は、本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの展開且つ伸長状態を模式的に示す平面図である。 図3は、図2のI-I線での模式的な断面図である。 図4は、図2のII-II線での模式的な断面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1及び図2には、吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」ともいう)1が示されている。
図1及び図2に示すおむつ1は、おむつ1の着用状態において着用者の腹側に配される腹側部Aと、着用者の背側部に配される背側部Bと、これらの間に位置する股下部Cとを有している。おむつ1は、着用者の前後方向に対応する方向、すなわち腹側部Aから股下部Cを介して背側部Bに延びる方向に対応する長手方向Xと、これに直交する幅方向Yとを有している。おむつ1は、図2に示すように、長手方向Xに延び且つおむつ1を幅方向Yに二等分する長手方向中心線CLに対して線対称に形成されている。
おむつ1は、後述する吸収体4を有する吸収性本体10を幅方向Yの中央域に備える。これに加えて、吸収性本体10よりも着用者の身体から遠い側、すなわち非肌対向面側に配された外装体5を備えている。本実施形態における外装体5は、吸収性本体10の非肌対向面側に腹側部Aから背側部Bまで連続して配されている。
図2に示す外装体5は、吸収性本体10よりも平面積が大きく形成されており、吸収性本体10の周縁から外方に延出する延出部を有している。この延出部のうち、吸収性本体10の長手方向Xに沿う両側縁の仮想延長線よりも幅方向Yの外方に位置する部分が、一対のサイドパネル15,15を構成している。一対のサイドパネル15は、腹側部A及び背側部Bのそれぞれに形成されている。外装体5は、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおけるサイドパネル15の長手方向Xに沿う両側縁部どうしが接合されていることによって、一対のサイドシール部S,S、並びに着用者の胴が通されるウエスト開口部WH、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部LHがそれぞれ形成されている。
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば表面シート)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌から遠い側である。なお、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、すなわち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
また本明細書において、「展開且つ伸長状態」とは、おむつ1をサイドシール部Sで切り離して展開状態とし、その展開状態のおむつ1を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで広げた状態をいう。「自然状態」とは、おむつ1あるいはその構成部材に外力を加えていない状態をいう。
図2に示すように、吸収性本体10は、おむつ1の展開且つ伸長状態での平面視において、長方形形状となっている。吸収性本体10は、腹側部A、股下部C及び背側部Bに連続して長手方向Xに配されている。吸収性本体10は、その長手方向と、おむつ1の長手方向Xとを一致させて、外装体5の幅方向Yの中央域に配されている。吸収性本体10は、その非肌対向面における一部の領域又は全域が、接着剤などの接合方法によって外装体5の肌対向面と接合されている。
図3に示すように、吸収性本体10は、その肌対向面を形成する液透過性の表面シート2、非肌対向面を形成する液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の裏面シート3、及び両シート2,3間に配された液保持性の吸収体4を備える。表面シート2、裏面シート3及び吸収体4はそれぞれ、接着剤等の公知の接合方法によって一体化されている。吸収性本体10の長手方向Xの全長は、吸収体4の長手方向Xの全長と略同じであり、吸収体4の長手方向の前後に位置する両端縁は、吸収性本体10の長手方向の前後に位置する両端縁と同位置にある。
吸収体4は、液保持性の吸収性コア40を少なくとも備え、その外面を被覆するコアラップシート41を更に含んで構成されていることが好ましい。吸収体4は、吸収性本体10と同様に平面視長方形形状となっており、腹側部Aから背側部Bまで連続して長手方向Xに配されている。
表面シート2及び裏面シート3としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。表面シート2としては例えば、各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート3としては例えば、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
吸収性コア40としては、典型的には、吸水性材料を主体とし、該吸水性材料として、木材パルプ等の繊維材料及び吸水性ポリマーから選択される1種以上を含有する。コアラップシート41は液透過性を有し、典型的には、紙、不織布等からなる。コアラップシート41は無くてもよい。
図3に示すように、吸収性本体10の肌対向面における長手方向Xに沿う両側部には、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性のカフ形成用シート60とカフ形成用弾性部材61とを含んで構成された一対の防漏カフ6,6が設けられている。本実施形態における一対の防漏カフ6,6はそれぞれ、長手方向に沿って二つ折りにし、相対向する2枚のカフ形成用シート60間にカフ形成用弾性部材61を伸長状態で配置し、該相対向するシートどうしを接合することによって形成されている。
図3に示す防漏カフ6は、吸収性本体10に固定された基端部65と、弾性部材61が固定された自由端部67とを有している。本実施形態の基端部65では、カフ形成用シート60が吸収性本体10における表面シート2と裏面シート3との間で接合固定されている。本実施形態の自由端部67は、1枚のカフ形成用シート60が折り返されて形成されており、折り返された一対のカフ形成用シート60間に、1本又は複数本のカフ形成用弾性部材61が長手方向Xに伸長状態で配されている。弾性部材61がおむつ1の着用時に収縮することによって、防漏カフ6が少なくとも股下部Cで起立する。
外装体5は、図2に示すように、展開且つ伸長状態のおむつ1の外形を形成しており、外装体5の周縁は、腹側部A、股下部C及び背側部Bそれぞれの輪郭線を形成している。外装体5は、図2に示すように、股下部Cにおいて、外装体5の長手方向Xに沿う両側縁部が幅方向Yの中央に向かって凸の円弧状に湾曲しており、長手方向Xの中央域が幅方向Yの内方に向けて括れている。
図2に示すように、外装体5は、おむつ1の外面である非肌対向面を形成する外層不織布51と、外層不織布51の肌対向面側に配され、外装体5の肌対向面を形成する内層不織布52とを有する。サイドパネル15についても、上述した外装体5の構成と同様に、外層不織布51と内層不織布52とを有し、幅方向Yに連続して配されている。
本実施形態におけるサイドパネル15及びこれを含む外装体5は、外層不織布51の摩擦係数と、内層不織布52の摩擦係数とは互いに異なるように構成されている。外層不織布51と内層不織布52とが互いに異なる摩擦係数としては、例えば摩擦係数の平均偏差MMDや、後述するような平均摩擦係数MIU、静摩擦係数及び動摩擦係数等の少なくとも1種が挙げられるが、これに限られない。外層不織布51の摩擦係数と、内層不織布52の摩擦係数とを互いに異なるように構成するためには、例えば、製法が互いに異なる不織布を用いたり、不織布に滑剤を塗布又は添加したり、後述するような捲縮繊維等を含む不織布を用いたりすればよい。
図2に示す外装体5は、外層不織布51と内層不織布52との間に配された複数の弾性部材55,56,57をそれぞれ有していることが好ましい。これらの弾性部材は、外層不織布51と内層不織布52との間に接着剤などの方法により接合されている。これらの弾性部材55,56,57は、それぞれ同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
本実施形態の外装体5は、図2に示すように、長手方向Xにおいて吸収性本体10よりも外方側に位置する胴周り弾性部材55と、長手方向Xにおける吸収性本体10の両端部よりも内方側に位置する内方側弾性部材56とを有している。長手方向Xに吸収性本体10と重なる位置に配された弾性部材56,57は、吸収性本体10と厚み方向に重なる領域で、細かく分断する等の処理によって弾性伸縮性を発現しないように配されていてもよい。
サイドパネル15を含む外装体5は、腹側部A及び背側部Bそれぞれに、糸状又は帯状の弾性部材55,56が幅方向Yに伸長状態で複数本配され、それら複数本の弾性部材55,56が長手方向Xに所定間隔を置いて配されている。これらの弾性部材55,56はいずれも、外層不織布51と内層不織布52との間に配されている。各弾性部材55,56が配されていることによって、サイドパネル15を含む外装体5は、幅方向Yに伸縮可能に構成されている。またおむつの自然状態又は着用状態において、ウエスト開口部の周縁端(ウエスト開口端)WEを含む領域には、その全周に実質的に連続した環状のウエストギャザー(襞)が形成される。この襞は長手方向に延び且つ弾性部材55,56の延びる方向である幅方向Yに沿って複数配されていることが好ましい。
図1及び図2に示すように、外装体5の一部分であるサイドパネル15は、レッグ開口部LHそれぞれの開口縁部を形成するレッグ縁部LSに、糸状又は帯状の1本又は複数本の弾性部材57が伸長状態で配されている。弾性部材57は、吸収性本体10の幅方向外方に配されており、おむつ1の装着状態において着用者の脚周りに位置する部位に配される。つまり、弾性部材57は、レッグギャザー形成用のレッグ弾性部材である。弾性部材57は、外層不織布51と内層不織布52との間に配される。弾性部材57が配されていることによってレッグ開口部LHそれぞれの開口縁部には、その全周に亘って実質的に連続した環状のレッグギャザーが形成される。弾性部材57は、上述した各弾性部材55,56と同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
図2に示すように、本実施形態における弾性部材57は、外装体5の長手方向Xに沿う両側縁部が長手方向Xの中央域が幅方向Yの内方に向けて括れている形状に対応して、湾曲して配されている。弾性部材57の両端部域は、幅方向Yに延びるように配されており、弾性部材57の両端部57a,57aは、サイドパネル15におけるサイドシール部S及びその近傍の領域にそれぞれ配されている。これに代えて、弾性部材57は、長手方向Xに沿って延びるように配されていてもよい。
図2に示すように、外装体5は、腹側部A及び背側部Bのそれぞれにおいて、少なくとも外層不織布51がウエスト開口端WEに沿って肌対向面側に折り返されており、これによって折り返し部51aが連続して形成されている。吸収性本体10が存在する位置における折り返し部51aは、その端部域が、吸収性本体10が存在する位置において吸収性本体10の肌対向面上に接合されている。
他方、図4に示すように、吸収性本体10が存在しない位置、すなわちサイドパネル15に位置する折り返し部51aは、その端部域において、折り返し部51aを構成する外層不織布51の非肌対向面と、内層不織布52の肌対向面とが、接合部53によって接合されている。
接合部53は、好ましくは吸収性本体10の長手方向Xの両側縁よりも内方(股下部C側)に形成されている。接合部53は、サイドパネル15に加えて、外装体5における吸収性本体10が重なる位置においても連続的に又は非連続に形成されていてもよい。本実施形態における折り返し部51aは、その端部が接合されていない態様となっているが、これに代えて、折り返し部51aの端部も含むように、接合部53によって接合されていてもよい。
なお外層不織布51は、ウエスト開口端WEに沿って肌対向面側に折り返されているため、折り返し部51aでない位置における外層不織布51の非肌対向面はおむつ1の外面を構成しており、当該面の連続面であり折り返し部51aに位置する外層不織布51は、着用者の肌側に向けられて肌対向面を構成する。
サイドパネル15について着目すると、各サイドパネル15はそれぞれ、接合部53の形成位置である長手方向X内方端を基準として、接合部53よりも長手方向Xの外方であるウエスト開口端WE側に位置する第1領域E1を備える。第1領域E1における肌対向面は折り返し部51a、すなわち外層不織布51によって構成されている。第1領域E1は、各サイドパネル15の肌対向面に加えて、好ましくは外装体5の肌対向面に幅方向Yに連続して形成されている。
これに加えて、各サイドパネル15はそれぞれ、接合部53よりも長手方向Xの内方である股下部C側に位置する第2領域E2を備える。第2領域E2は第1領域E1よりも長手方向内方に位置し、且つ第1領域E1と第2領域E2とは互いに隣接している。第2領域E2における肌対向面は、内層不織布52によって構成されている。つまり、第2領域E2の肌対向面は、内層不織布52が露出した部位を有している。
第1領域E1における肌対向面及び第2領域E2の肌対向面はいずれも、好ましくは着用者の肌と当接する面を構成する。
他方、第1領域E1の非肌対向面及び第2領域E2の非肌対向面はいずれも、外装体5における外層不織布51によって構成されている。
サイドパネル15における肌対向面が上述した構成となっていることによって、上述した外層不織布51及び内層不織布52における摩擦係数の違いと相まって、おむつ1を適切な位置に引き上げやすくすることができる。
上述のとおり、自然状態において、サイドパネル15は襞が形成されていることが好ましい。この襞は、長手方向Xに延び且つ幅方向Yに沿って複数配されていることが好ましく、またサイドパネル15の肌対向面に少なくとも形成されていることも好ましい。これに加えて、第1領域E1における襞の深さは、第2領域E2における襞の深さよりも大きいことが好ましい。この襞の深さの関係は、おむつの着用状態においても満たされていることが好ましい。このような構成となっていることによって、外層不織布51及び内層不織布52における摩擦係数の違いだけでなく、襞の深さの違いに起因する摩擦の違いによって、おむつ1の過度な引き上げを低減して、尿などの液漏れを防止することができる。
各領域E1,E2における襞の深さを異なるようにするためには、例えば、外層不織布51及び内層不織布52を接着剤等で接合する際に、接着剤の塗布パターンを第1領域E1と第2領域E2とで異なるようにしたり、各弾性部材55,56,57の伸長倍率を異なるように配したりすればよい。詳細には、接着剤の塗布パターンとして、第1領域E1の形成予定位置ではスパイラル状や散点状、ストライプ状等の接着剤の非塗布部を有する非連続なパターンで接着剤を塗布し、且つ第2領域E2の形成予定位置では各不織布51,52の面全域に連続して接着剤を塗布することが挙げられる。また弾性部材の伸長倍率が高いものを第1領域E1で用い、弾性部材の伸長倍率が低いものを第2領域E2で用いたりすればよい。
また各領域E1,E2における襞の深さD1,D2はそれぞれ、各領域E1,E2の自然状態の厚みと同一視することができる。襞の深さは、例えば非接触式レーザー変位計(KEYENCE社製レーザーヘッドLK-2100、変位計RV 3-55 R)を用いた測定値とすることができる。厚み測定時の圧力は0.5g/cmとする。
第2領域E2における襞の深さD2に対する第1領域E1における襞の深さD1の比(D1/D2)は、好ましくは1.1以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは4.5以上であり、15以下が現実的である。
第1領域E1における襞の深さD1は、好ましくは3.5mm以上、より好ましくは5.0mm以上、更に好ましくは7.0mm以上であり、好ましくは15mm以下、より好ましくは12mm以下、更に好ましくは10mm以下である。
第2領域E2における襞の深さD2は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上、更に好ましくは1.5mm以上であり、好ましくは3.5mm以下、より好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは1.5mm以下である。
以上の構成を有するおむつ1は、外装体5の構成材料として異なる摩擦係数を有する二種類の不織布を用い、且つサイドパネルにおける着用者の肌と当接する部位において摩擦と異なる複数の領域を構成することによって、おむつ1を適切な位置に装着することができる。
詳細には、パンツ型使い捨ておむつは、外装体を把持して、着用者の上方に向かって引き上げるようにして装着することが一般的であるところ、おむつの着用時におむつ1を過度に引き上げた状態で装着してしまうことがある。これによって、尿道等の液排泄部がおむつの肌対向面と密着してしまい、液の吸収に必要な十分な空間をおむつと着用者との間に確保できないことがある。
この点に関して、本発明によれば、ウエスト開口端側に位置する第1領域の肌対向面を摩擦の少ない外層不織布で構成することによっておむつの引き上げを容易に行いやすくすることができる。また、第1領域よりも股下部側にある第2領域の肌対向面を、摩擦の大きい内層不織布で構成することによって、着用者の肌との間に摩擦力を適度に発生させて、おむつ1の過度な引き上げを防止することができる。そして、尿道等の液排泄部がおむつの肌対向面と密着することなく、液の吸収に必要な空間をおむつと着用者との間に確保することができる。
これに加えて、第2領域で形成される襞の深さを第1領域で形成される襞の深さよりも小さくすることによって、第2領域の肌対向面における不織布と着用者の肌との接触面積を高めて、該不織布と着用者の肌との間に生じる摩擦力を増加させ、この点でもおむつ1の過度な引き上げを防止して、液の吸収に必要な空間をおむつと着用者との間に確保することができる。その結果、排泄された液の吸収性能を高め、おむつ外部への液漏れを防止することができる。
外層不織布51及び内層不織布52における摩擦係数の違いに関する構成の一実施形態として、内層不織布52の平均摩擦係数MIUが、外層不織布51の平均摩擦係数MIUよりも高いように構成されていることが好ましい。このような構成となっていることによって、おむつ1の過度な引き上げを防止して、液の吸収に必要な空間をおむつと着用者との間に効果的に確保しやすくすることができる。
外層不織布51の摩擦係数と、内層不織布52の摩擦係数とを互いに異なるように構成するためには、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布などの製法が互いに異なる不織布を用いたり、不織布に滑剤、柔軟剤を塗布又は添加したり、不織布の構成樹脂の組成を変えたり、繊維径や繊維融着面積、融着率を制御したり、捲縮繊維等を含む不織布を用いることによって達成することができる。
不織布の平均摩擦係数MIUは、以下の方法で測定することができる。
まず、外層不織布51及び内層不織布52等の測定対象の不織布を、それぞれおむつから取り出す。取り出し時においておむつの構成部材が接着剤、融着などによって他の構成部材に固定されている場合、その固定部分にコールドスプレーの冷風を吹き付けて他の構成部材を剥がした後、測定対象の構成部材に付着している接着剤を、有機溶剤を用いて溶解することによって除去する。この操作は、本明細書中の全ての測定において共通である。
次いで、KES-FB4表面試験機(カトーテック株式会社製)における接触子に人工皮革(出光テクノファイン社製、サプラーレPBZ13001)を取り付ける。上述した人工皮革は、着用者の肌を想定した擬似肌であり、本明細書における測定方法において共通である。
そして、測定対象となる不織布の一方の面と人工皮革の面とを接触させ、0.23kPaの荷重を加えた状態下に、該人工皮革を取り付けた接触子を0.1cm/secの一定速度で水平方向に3cm移動させる。この測定を異なる位置3点で計測し、その算術平均値を平均摩擦係数MIUとする。平均摩擦係数MIUが低いほど、摩擦が少なく滑りやすいものである。
外層不織布51の平均摩擦係数MIUは、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.15以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.5以下である。
内層不織布52の平均摩擦係数MIUは、外層不織布51の平均摩擦係数MIUよりも高いことを条件として、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上であり、好ましくは1.6以下、より好ましくは1.1以下、更に好ましくは0.8以下である。
さらに、外層不織布51の平均摩擦係数MIUから、内層不織布52の平均摩擦係数MIUを差し引いた平均摩擦係数MIUの差は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、より好ましくは0.10以上であり、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.80以下、更に好ましくは0.50以下である。上述の平均摩擦係数MIUの差は、外層不織布51の平均摩擦係数MIUが内層不織布52の平均摩擦係数MIUよりも高いことを条件とする。
外層不織布51及び内層不織布52における摩擦係数の違いに関する構成の別の実施形態として、第1領域E1の肌対向面である折り返し部51aを構成する外層不織布51と上述した人工皮革の面(すなわち着用者の肌を想定した擬似肌面)との静摩擦係数が、第2領域E2の肌対向面を構成する内層不織布52と上述した人工皮革の面との静摩擦係数よりも大きいことが好ましい。静摩擦係数が大きいことは、おむつの着用状態におけるおむつ1と着用者の肌との静止状態での摩擦力が大きいことを意味する。したがって、このような構成を有することによって、ウエスト開口端WE及びその近傍でおむつ1の装着後においておむつのズレを防いで、おむつ1の装着後も適正な位置での着用状態を維持させることができ、装着後も液の吸収に必要な空間をおむつと着用者との間に確保することができる。その結果、おむつのフィット性を更に高めつつ、液漏れの防止性能が更に向上する。
このような構成は、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布などの製法が互いに異なる不織布を用いたり、不織布に滑剤、柔軟剤を塗布又は添加したり、不織布の構成樹脂の組成を変えたり、繊維径や繊維融着面積、融着率を制御したり、捲縮繊維等を含む不織布を用いることによって達成することができる。
静摩擦係数は、例えば以下の方法で測定することができる。
まず、KES-FB4表面試験機における接触子に人工皮革を取り付ける。次いで、測定対象となる不織布の一方の面と人工皮革の面とを接触させ、0.23kPaの荷重を加えた状態で、該人工皮革を取り付けた接触子を0.1cm/secの一定速度で水平方向に3cm移動させ、移動距離と平均摩擦係数MIUとの関係を示すグラフを得る。そして、そのグラフにおける平均摩擦係数MIUの極大値を読み取る。この測定を異なる位置3点で計測し、その算術平均値を静摩擦係数とする。
外層不織布51の静摩擦係数は、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.15以上であり、好ましくは0.50以下、より好ましくは0.30以下である。
内層不織布52の静摩擦係数は、外層不織布51の静摩擦係数よりも低いことを条件として、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.20以上であり、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.70以下である。
外層不織布51及び内層不織布52における摩擦係数の違いに関する構成の更に別の実施形態として、第2領域E2の肌対向面を構成する内層不織布52と上述した人工皮革の面(すなわち着用者の肌を想定した擬似肌面)との動摩擦係数が、第1領域E1の肌対向面である折り返し部を構成する外層不織布51と上述した人工皮革の面との動摩擦係数よりも大きいことが好ましい。動摩擦係数が大きいことは、おむつを引き上げる際に生じるおむつ1と着用者の肌との間の摩擦力が大きいことを意味する。したがって、このような構成を有することによって、おむつ1の装着時において、第1領域E1で滑りやすくして、おむつの装着時の引き上げなどの取り扱い性を高めることができる。これに加えて、第2領域E2でおむつの引き上げ力に抵抗する適度な力を発現させることができるので、おむつ1の過度な引き上げを防止して、液の吸収に必要な空間をおむつと着用者との間に十分に確保することができる。その結果、排泄された液の吸収性能を高め、おむつ外部への液漏れを一層防止することができる。
このような構成は、例えば外層不織布51としてエアスルー不織布やスパンボンド不織布といった部材や、あるいは、柔軟剤を付与したり、繊維の繊度を小さくしたり、繊維の捲縮化を行ったり、繊維配向をおむつ長手方向に制御したり、または繊維の融着面積を増やす処理を施した部材を用い、且つ内層不織布52としてスパンボンド不織布、メルトブローン不織布といった部材や、繊維の繊度を増加させる、繊維配向をおむつ幅方向に制御、または繊維の融着面積を増やす処理を施した部材を用いることによって達成することができる。
動摩擦係数は、上述した静摩擦係数での測定によって得られた移動距離と平均摩擦係数MIUとの関係を示すグラフから、測定開始位置から直近の平均摩擦係数MIUの極大点を越えてから収束したときの平均摩擦係数MIU値とする。
外層不織布51の動摩擦係数は、同不織布の静摩擦係数よりも低いことを条件にして、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.15以上であり、好ましくは0.75以下、より好ましくは0.45以下である。
内層不織布52の動摩擦係数は、外層不織布51の動摩擦係数よりも高いことを条件として、好ましくは0.04以上、より好ましくは0.18以上であり、好ましくは0.80以下、より好ましくは0.55以下である。
サイドパネル15を構成する不織布に関し、上述した平均摩擦係数MIU、静摩擦係数及び動摩擦係数の好適な物性は、1つのみを満たしていてもよく、いずれか2つを満たしていてもよく、そのすべてを満たしていてもよい。
上述した平均摩擦係数MIU、静摩擦係数及び動摩擦係数の好適な物性の少なくとも一つを満たすための具体的な方法は、例えば以下の形態が挙げられる。以下に説明する形態は単独で採用してもよく、又は複数組み合わせて採用してもよい。
一実施形態では、各不織布51,52の構成樹脂として、単一モノマーの重合体からなる樹脂と、共重合体樹脂とをそれぞれ含み、外層不織布51の構成繊維中の共重合体成分の含有量を内層不織布52の構成繊維中の共重合体成分の含有量よりも少なくする構成とすることができる。この場合、共重合体成分は、単一モノマーの重合体のモノマーユニットよりも分子量の低いモノマーユニットを含む構成とすることも好ましい。具体的には、繊維の構成樹脂として、ポリプロピレンと、エチレン-プロピレン共重合体を用いることができる。このような構成とすることで、共重合体成分を少なくした不織布である外層不織布51は相対的に硬い構造となり、各摩擦係数を低くしやすくできる。
摩擦係数を異なるように構成する別の実施形態としては、外層不織布51に施される柔軟剤や滑剤の量を内層不織布52に施される柔軟剤や滑剤の量よりも多くする構成が挙げられる。柔軟剤や滑剤の少なくとも一種としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの脂肪酸アミド等を用いることができる。柔軟剤や滑剤の添加量は、外層不織布51>内層不織布52であることを条件として、それぞれ独立して、好ましくは0.05質量%以上であり、好ましくは1質量%以下である。これによって、外層不織布51の各摩擦係数を内層不織布52よりも低くしやすくできる。
摩擦係数を異なるように構成する更に別の実施形態としては、外層不織布51の繊維径を内層不織布52の繊維径よりも細くする形態が挙げられる。詳細には、外層不織布51の平均繊維径が内層不織布52の平均繊維径よりも小さいことを条件として、各不織布の繊維径は、それぞれ独立して、摩擦を小さく構成しやすくする観点から好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である。
また不織布のへたりを防止する観点から、各不織布の繊維径は、外層不織布51の平均繊維径が内層不織布52の平均繊維径よりも小さいことを条件として、それぞれ独立して、好ましくは25μm以下、より好ましくは15μm以下である。
繊維径は、マイクロスコープや電子顕微鏡を用いて、10本の繊維を測定したときの算術平均値とする。これによって、外層不織布51の各摩擦係数を内層不織布52よりも低くしやすくできる。
摩擦係数を異なるように構成する更に別の実施形態としては、外層不織布51に形成されるエンボスの面積率を内層不織布52に形成されるエンボスの面積率よりも多くする形態が挙げられる。詳細には、外層不織布51のエンボス面積率>内層不織布52のエンボス面積率であることを条件として、各不織布のエンボス面積率は、それぞれ独立して、好ましくは12%以下、より好ましくは10%以下である。これによって、外層不織布51の各摩擦係数を内層不織布52よりも低くしやすくできる。
摩擦係数を異なるように構成する更に別の実施形態としては、外層不織布51の親水度が内層不織布52の親水度よりも低くする形態が挙げられる。すなわち、「外層不織布51の接触角<内層不織布52の接触角」の大小関係の成立することが好ましい。詳細には、外層不織布51の接触角<内層不織布52の接触角であることを条件として、各不織布の接触角は、それぞれ独立して、好ましくは90°以上、より好ましくは100°以上、更に好ましくは120°以上である。親水度の調整は、例えば各不織布に含まれる樹脂の種類や含有量をそれぞれ変更したり、又は、構成繊維あるいは不織布に親水化処理若しくは疎水化処理を施したりする方法が挙げられる。これによって、外層不織布51の各摩擦係数を内層不織布52よりも低くしやすくできる。
摩擦係数を異なるように構成する更に別の実施形態としては、外層不織布51の構成繊維として、後述する捲縮繊維を用い、内層不織布52の構成繊維として捲縮繊維を用いない方法が挙げられる。これによって、外層不織布51の各摩擦係数を内層不織布52よりも低くしやすくできる。
サイドパネル15が弾性部材57を備えている場合において、おむつ1は、弾性部材57の端部57aの位置を基準として、サイドパネル15におけるウエスト開口端WE側と、サイドパネル15の股下部C側とで摩擦係数が互いに異なっていることが好ましい。
詳細には、弾性部材57の端部57aの長手方向Xの位置は、図2における第1領域E1と第2領域E2との境界となっているか、又は前記端部57aの長手方向Xの位置よりも長手方向X外方に第1領域E1と第2領域E2との境界があることが好ましい。弾性部材57が複数配されている場合やプレカットされている場合における端部57aの基準位置は、長手方向Xの最も外方側に位置する弾性部材57の端部を基準とする。このような構成となっていることによって、ウエスト開口部で摩擦の大小の領域差が生じ、おむつ装着時の引き上げ直後は引き上げやすくできるとともに、装着位置を引き上げすぎずに、より最適な装着位置に保持させることができる。
このような構成は、例えば折り返し部51aの長手方向Xに沿う折り返し長さや接合部53の位置を適宜調整したり、弾性部材57の配置位置を適宜調整したりすることによって達成できる。
上述のように、サイドパネル15を含む外装体5が複数本の弾性部材55,56を備え、幅方向Yに伸縮可能に構成されている場合において、第1領域E1は複数の伸縮領域を備えていることが好ましい。具体的には、図2に示すように、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける第1領域E1は、これを長手方向に沿ってみたときに、ウエスト開口端WE寄りに位置する第1伸縮領域91と、該第1伸縮領域91に隣接し且つ第1伸縮領域91よりも股下部C側に位置する第2伸縮領域92とを有していることが好ましい。第1伸縮領域91及び第2伸縮領域92はいずれも幅方向Yに伸縮することも好ましい。また、第1伸縮領域91の幅方向Yの伸縮応力は、第2伸縮領域92の幅方向Yの伸縮応力と異なっていることが好ましい。このような構成となっていることによって、ウエスト部における着用者の体形の凹凸形状に応じて適切な伸縮応力を発現させることができ、おむつのフィット性が更に向上する。
本実施形態における第1伸縮領域91は複数本の胴周り弾性部材55を有し、第2伸縮領域92は内方側弾性部材56を有している。また本実施形態における第1伸縮領域91は、第1領域E1を長手方向Xに沿ってみたときに、ウエスト開口端WEと吸収性本体10の端部10aとの間に位置しており、第2伸縮領域92は、第1領域E1における吸収性本体10の端部10aよりも股下部C側に位置している。
これに加えて、図2に示すように、複数本の弾性部材57を少なくとも備えることによって、第2領域E2が幅方向Yに伸縮可能に構成された内方伸縮領域93となっている場合、第1領域E1における各伸縮領域91,92の幅方向Yの各伸縮応力と、第2領域E2における内方伸縮領域93の伸縮応力が所定の関係となっていることが好ましい。
詳細には、第1伸縮領域91の幅方向Yの伸縮応力Faは、第2伸縮領域92の幅方向Yの伸縮応力Fbよりも小さいことが好ましい。また、内方伸縮領域93の幅方向Yの伸縮応力Fcは、上述した伸縮応力Faと伸縮応力Fbとの中間の値であることが好ましい。つまり、Fa<Fc<Fbの順に伸縮応力が大きくなる関係であることが好ましい。
このような構成となっていることによって、ウエスト部及び下腹部における凹凸形状に応じて適切な伸縮応力を発現させることができ、おむつのフィット性を高めることができ、前後方向での液漏れを防止することができる。
伸縮応力は以下の方法で測定することができる。
まずおむつ1のサイドシール部Sを引き剥がして、おむつ1を展開状態とし、その状態で、サイドパネル15における伸縮応力の測定対象部位を、平面視長方形形状の測定サンプルとして切り出す。
具体的には、第1領域E1の長手方向Xにおいて、最もウエスト開口部WH側に位置する弾性部材55よりもウエスト開口部WH側に5mm離間した位置から、長手方向Xにおいて最も股下側に位置する弾性部材55と最もウエスト開口部WH側に位置する弾性部材56との間における各弾性部材が存在しない位置までの領域を切り出し、これを第1伸縮領域91の測定サンプルとする。この領域のサンプルが切り出せない場合は、第1伸縮領域91の測定サンプルは、ウエスト開口端WEから切り出す。
また第1領域E1の長手方向Xにおいて、長手方向Xにおいて最も股下側に位置する弾性部材55と最もウエスト開口部WH側に位置する弾性部材56との間における各弾性部材が存在しない位置をサンプルの一端とする。また第1領域E1の長手方向Xにおいて、おむつの展開状態において外層折り返し端部と厚み方向で重なる部位と、最も股下側に位置する弾性部材56との間の位置をサンプルの他端とする。上述したサンプルの一端から他端までの領域を切り出し、これを第2伸縮領域92の測定サンプルとする。この領域のサンプルが切り出せない場合は、第2伸縮領域92の測定サンプルは、厚み方向における外層折り返し端部と同じ位置から切り出す。
更に、第2領域E2の長手方向Xにおいて、外層折り返し端部と厚み方向で重なる部位と、サイドシール部の股下側端部までの位置との間の領域を切り出し、これを内方伸縮領域93の測定サンプルとする。
切り出した各測定サンプルに関し、おむつ1の長手方向(X方向)に対応する方向の長さと、幅方向(Y方向)に対応する方向の長さ、すなわちサイドシール部S,S間の全長とを測定しておく。次に、測定サンプルを、該測定サンプルの幅方向(Y方向)と引張方向とが一致するように、引張試験機(例えば、オリエンテック社製の「RTA-100」等)のチャック間に固定する。チャック間距離は、100mmとする。そして、チャック間に測定サンプルを固定し、300mm/minの速度で、チャック間距離を、測定サンプルの伸長度が80となる長さまで増大させた後、測定サンプルの伸長度が71となる長さまで減少させたときの引張荷重(N)を測定し、これを測定サンプルの応力(N)とする。
測定サンプルの伸長度は、サイドシール部S,S間の幅方向(Y方向)の全長を100としたとき、該全長に対する、幅方向に伸長させた測定サンプルの幅方向の長さの比率である。すなわち、伸長度100の測定サンプルの幅方向の長さは、サイドシール部S,S間の幅方向(Y方向)の全長と等しい。例えば、前記全長が350mmである場合、伸長度80の測定サンプルの幅方向の長さは280mmであり、伸長度71の測定サンプルの幅方向の長さは250mmである。そして、得られた応力(N)を予め測定した長手方向(X方向)の長さで除して得られる値を、当該測定サンプルの伸縮応力(N/mm)とする。
第1伸縮領域91の幅方向Yの伸縮応力Faは、好ましくは0.8以上、より好ましくは1.0以上であり、好ましくは7.0以下、より好ましくは6.0以下である。
第2伸縮領域92の幅方向Yの伸縮応力Fbは、好ましくは0.8以上、より好ましくは1.0以上であり、好ましくは7.0以下、より好ましくは6.0以下である。
内方伸縮領域93の幅方向Yの伸縮応力Fcは、好ましくは0.8以上、より好ましくは1.0以上であり、好ましくは7.0以下、より好ましくは6.0以下である。
上述した各伸縮応力Fa,Fb,Fcの関係を満たすためには、例えば以下の構成(1)~(3)のうち少なくとも一つを満たすことが好ましい。
(1)各伸縮領域に配された弾性部材の太さが、第1伸縮領域91に配された弾性部材55<内方伸縮領域93に配された弾性部材57<第2伸縮領域92に配された弾性部材56、の順に太い。
(2)各伸縮領域に配された弾性部材の伸長倍率が、第1伸縮領域91に配された弾性部材55<内方伸縮領域93に配された弾性部材57<第2伸縮領域92に配された弾性部材56、の順に大きい。
(3)各伸縮領域に配された隣り合う弾性部材どうしの間隔が、第1伸縮領域91>内方伸縮領域93>第2伸縮領域92、の順に小さい。
第1伸縮領域91及び第2伸縮領域92は、前記の構成(1)~(3)に基づき、以下の方法によって特定してもよい。
まず、長手方向Xに沿って、ウエスト開口端WEから股下部C側に向かって順次、前記構成(1)の弾性部材の太さ、前記構成(2)の弾性部材の伸長倍率、又は前記構成(3)の弾性部材間の間隔を測定する。
前記構成(1)については、第1領域E1において、測定対象とする弾性部材f2の太さが、直前に測定した弾性部材f1の太さよりも太くなった場合、ウエスト開口端WEに最も近い弾性部材から、直前に測定した弾性部材f1までの領域を第1伸縮領域91として特定する。また測定対象とする弾性部材f2から第1領域E1における最も股下部C側に位置する弾性部材までの領域を第2伸縮領域92として特定する。「弾性部材の太さ」は、弾性部材の非伸長状態における太さをいい、弾性部材が糸状である場合には、その断面の直径で表すものである。弾性部材が複数の弾性繊維の束で構成されている場合には、外装体から弾性部材を一定の長さ(例:100mm)で切り出したものをサンプルとし、該サンプルの長さとその質量から、単位長さ当りの重さを「弾性部材の太さ(繊度)」として表してもよい。
前記構成(2)については、第1領域E1において、測定対象とする弾性部材f2の伸長倍率が、直前に測定した弾性部材f1の伸長倍率よりも高くなった場合、ウエスト開口端WEに最も近い弾性部材から、前記の直前に測定した弾性部材f1までの領域を第1伸縮領域91として特定し、第1領域E1において、前記の測定対象とする弾性部材f2から最も股下部C側に位置する弾性部材までの領域を第2伸縮領域92として特定する。
弾性部材の伸長倍率の測定を以下に示す。まず、おむつを弾性部材の伸縮方向に最大に伸長させた状態にして、外層不織布上から弾性部材に油性ペンを用いて、該伸縮方向に一定間隔L0(例:100mm)をあけて2つの印を付ける。この際、油性ペンのインクが、外層不織布から浸み込むため、弾性部材に前記印を付すことができる。次いで、おむつにおける弾性部材から、前記2つの印間を切り出す。この切り出した弾性部材の長さL1を非伸長状態で測定する。次いで、下記式〔I〕により、伸長倍率を求める。
伸長倍率(%)=(L0/L1)×l00・・・〔I〕
前記構成(3)については、第1領域E1において、ウエスト開口端WE側に配された隣り合う弾性部材どうしの間隔に比して、長手方向Xにおける隣り合う弾性部材どうしの間隔が小さい弾性部材を特定し、特定した弾性部材から第1領域E1における最も股下部C側に位置する弾性部材までの領域を第2伸縮領域92として特定する。また、特定した弾性部材のウエスト開口端WE側に隣り合う弾性部材から、最もウエスト開口端WE側に位置する弾性部材までの領域を第1伸縮領域91として特定する。
上述した第1領域E1及び第2領域E2の関係を満たすための具体的な方法は、例えば以下の形態が挙げられる。以下に説明する形態は単独で採用してもよく、又は複数組み合わせて採用してもよい。以下の構成を採用することによって、第1領域E1では一方向に連続的な延びる襞形状が形成されやすくなり、第2領域E2では不連続な襞形状が形成されやすくなり、その結果、第2領域で形成される襞の深さが第1領域で形成される襞の深さよりも小さくなる。
一実施形態では、第1領域E1では弾性部材55を幅方向Yに延びるように配置して、幅方向Yに沿う伸縮応力のみが発生するように構成するとともに、第2領域E2では弾性部材57を長手方向X及び幅方向Yの双方に交差する部位を有するように配置して、長手方向X及び幅方向Yの双方に伸縮応力を発現する構成とすることができる。これによって、第2領域で形成される襞の深さを第1領域で形成される襞の深さよりも小さくすることができる。
また第2領域で形成される襞の深さを第1領域で形成される襞の深さよりも小さくする別の実施形態としては、第1領域E1において配置された隣り合う弾性部材55どうしの間隔を、第2領域E2において配置された隣り合う弾性部材57どうしの間隔よりも大きくする構成が挙げられる。
また、第2領域E2においては、襞がウエスト開口部及び股下領域には形成され、ウエスト開口部から股下領域までの間に襞が形成されない部位を有することが好ましい。このような構成と達成するためには、例えば図2に示すように、長手方向Xまたは幅方向Yに延びるように配された部位と、長手方向X及び幅方向Yに交差するように配された部位との双方を含むように、弾性部材57を湾曲して配置すればよい。
外装体5を構成する外層不織布51及び内層不織布52としては、各種製法による不織布を用いることができる。その具体例としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、メルトブローン不織布、又はこれらの積層不織布等が挙げられる。外層不織布51及び内層不織布52は、それぞれ独立して、単層構造であってもよく、複層構造であってもよい。また外層不織布51及び内層不織布52は、それぞれ独立して、非弾性であってもよく、弾性を有していてもよい。
上述した摩擦係数の関係を効率的に満たすものとしつつ、柔軟性等の肌触りを良好なものとする観点から、外層不織布51は、その構成繊維として捲縮繊維を含むことが好ましい。捲縮繊維は、捲縮の形態が螺旋状、ジグザグ状、U字状又はこれらの組み合わせの形態を有している繊維である。このような繊維を含む不織布は、例えば芯鞘型、サイドバイサイド型等の熱収縮性を有し且つ未捲縮の複合繊維を用いて不織布を製造した後、該不織布を加熱することによって、繊維に捲縮を発現させる方法によって得ることができる。あるいは、スパンボンド不織布の製造方法において、サイドバイサイド型に繊維を紡糸することによって紡糸時に捲縮が発現した繊維を生成させて、この繊維を堆積等させることによって、前記不織布を得ることができる。
外層不織布51が捲縮繊維を含む場合において、外層不織布51は、捲縮繊維を含む繊維層を備えた複層構造であることが好ましく、また捲縮繊維を含む繊維層は外層不織布51の最外面に位置するように配されることが好ましい。つまり、外装体5の外面と、折り返し部51aの肌対向面とはいずれも、外層不織布51の捲縮繊維を含む繊維層によって形成されていることが好ましい。このような構成になっていることによって、上述した摩擦係数の関係をより効率的に満たすものとしつつ、柔軟性等の肌触りを一層良好なものとすることができる。このような外層不織布51は、例えば捲縮繊維を含むスパンボンド不織布等の不織布と、他の不織布とを積層状態で接合する等して得ることができる。
外層不織布51が捲縮繊維を含む場合、上述した摩擦係数の関係を効率的に満たすものとしつつ、柔軟性等の肌触りを良好なものとする観点から、外層不織布51中の捲縮繊維の含有量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。捲縮繊維の含有量は、例えば不織布から1cmの領域を無作為に10箇所採取し、走査型電子顕微鏡(SEM)にて全繊維の本数に対する捲縮した繊維の本数の割合を計測する方法で測定することができる。捲縮繊維はJIS L1015に準じて測定された捲縮数が1以上である繊維を意味する。
肌触りや装着感を両立して向上させる観点から、外層不織布51の総坪量は、好ましくは12g/m以上、より好ましくは15g/m以上であり、好ましくは50g/m以下、より好ましくは40g/m以下である。
同様の観点から、内層不織布52の総坪量は、好ましくは13g/m以上、より好ましくは15g/m以上であり、好ましくは50g/m以下、より好ましくは40g/m以下である。
上述した実施形態において、各伸縮領域91,92,93は、外層不織布51及び内層不織布52との間に複数の弾性部材55,56,57を配することで伸縮性を有していたが、外層不織布51及び内層不織布52との間にシート状の弾性部材を配していてもよい。また、外層不織布51及び内層不織布52のいずれか一方又は双方が幅方向Yに伸縮する伸縮シートで構成されていてもよい。このような伸縮シートとしては、各種公知のものを用いることができ、例えば、特開2008-179128号公報に記載の伸縮シート、特開2007-22066号公報に記載の伸縮シート、特開2007-22066号公報に記載の伸縮性不織布の製造方法によって製造される伸縮性不織布等を用いることもできる。
伸縮シートは、典型的には、互いに交差せずに一方向に延びるように配列した複数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、それらの全長において、1枚の不織布の一方の面に、あるいは2枚の不織布間に接合されているものである。外層不織布51又は内層不織布52として伸縮性不織布を用いる場合、各弾性フィラメントが幅方向Yに沿って延びるように配されることが好ましい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されない。
例えば上述した実施形態のおむつは、内層不織布52がウエスト開口端WEに沿って肌対向面側に折り返されていないが、外層不織布51に加えて内層不織布52も更に折り返されてもよい。この場合、外層不織布51は、内層不織布52の長手方向Xの端縁から延出し、内層不織布52の肌対向面側に折り返される。
また、上述した実施形態のおむつは、展開且つ伸長状態において、外装体5が腹側部A、股下部C及び背側部Bに連続して配されていたが、外装体5は、着用者の背側に配される背側外装体と腹側に配される腹側外装体とに分割されて、股下部Cに配されていないものであってもよい。この場合、吸収性本体が、背側外装体と腹側外装体との間に架け渡して固定される。
上述した実施形態に関し、更に以下のパンツ型使い捨ておむつを開示する。
<1>
着用者の前後方向に対応する長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有し、着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、
前記腹側部から前記背側部までの領域に配される吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配される外装体とを有するパンツ型使い捨ておむつであって、
前記外装体は、該外装体の非肌対向面を形成する外層不織布と、該外装体の肌対向面を形成する内層不織布とを備え、
前記腹側部及び前記背側部のそれぞれにおいて、前記外層不織布がウエスト開口端に沿って肌対向面側に折り返された折り返し部が形成されており、
前記外装体は、前記吸収性本体の幅方向外方に延出した一対のサイドパネルを備え、
前記サイドパネルにおける前記折り返し部は、その端部域において、前記外層不織布の非肌対向面と前記内層不織布の肌対向面とが接合部によって接合されており、
前記サイドパネルにおける肌対向面は、前記外層不織布の折り返し部からなり前記接合部よりも長手方向外方に位置する第1領域と、該第1領域よりも長手方向内方において隣接し且つ前記内層不織布が肌対向面に露出している第2領域とを有し、
前記外層不織布の摩擦係数と、前記内層不織布の摩擦係数とは互いに異なっており、
自然状態において、前記サイドパネルの少なくとも肌対向面に、前記長手方向に延びる襞が前記幅方向に沿って複数形成されており、
前記第1領域における前記襞の深さが前記第2領域における前記襞の深さよりも大きい、パンツ型使い捨ておむつ。
<2>
前記第2領域の前記襞の深さに対する前記第1領域の前記襞の深さの比が、1.1以上、好ましくは2.0以上、より好ましくは4.5以上であり、好ましくは15以下である、前記<1>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<3>
前記第1領域の前記襞の深さは、3.5mm以上15mm以下、好ましくは5.0mm以上12mm以下、より好ましくは7.0mm以上10.0mm以下である、前記<1>又は<2>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<4>
前記第2領域の前記襞の深さは、0.5mm以上3.5mm以下、好ましくは1.0mm以上2.5mm以下、より好ましくは1.5mm以上10.0mm以下である、前記<1>~<3>のいずれか一に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<5>
前記内層不織布の平均摩擦係数MIUが、前記外層不織布の平均摩擦係数MIUよりも高い、前記<1>~<4>のいずれか一に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<6>
前記外層不織布の平均摩擦係数MIUが、0.05以上1.5以下、好ましくは0.1以上1.0以下、より好ましくは0.15以上0.5以下である、前記<5>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<7>
前記内層不織布の平均摩擦係数MIUが、0.1以上1.6以下、好ましくは0.2以上1.1以下、より好ましくは0.3以上0.8以下である、前記<5>又は<6>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<8>
前記外層不織布の平均摩擦係数MIUから、前記内層不織布の平均摩擦係数MIUを差し引いた平均摩擦係数MIUの差は、0.01以上1.0以下、好ましくは0.05以上0.80以下、より好ましくは0.10以上0.50以下である、前記<5>~<7>のいずれか一に記載のパンツ型吸収性物品。
<9>
第1領域の肌対向面を構成する不織布と着用者の肌を想定した擬似肌面との静摩擦係数が、第2領域の肌対向面を構成する不織布と着用者の肌を想定した擬似肌面との静摩擦係数よりも大きい、前記<1>~<8>のいずれか一に記載のパンツ型吸収性物品。
<10>
第1領域の肌対向面を構成する不織布の疑似肌面との静摩擦係数は、0.03以上0.50以下、好ましくは0.15以上0.30以下である、前記<9>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<11>
第2領域の肌対向面を構成する不織布の疑似肌面との静摩擦係数は、0.05以上1.0以下、好ましくは0.20以上0.70以下である、前記<9>又は<10>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<12>
第2領域の肌対向面を構成する不織布と着用者の肌を想定した擬似肌面との動摩擦係数が、第1領域の肌対向面を構成する不織布と着用者の肌を想定した擬似肌面との動摩擦係数よりも大きい、前記<1>~<11>のいずれか一に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<13>
第1領域の肌対向面を構成する不織布と着用者の肌を想定した擬似肌面との動摩擦係数は、0.02以上0.75以下、好ましくは0.15以上0.45以下である、前記<12>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<14>
第2領域の肌対向面を構成する不織布と着用者の肌を想定した擬似肌面との動摩擦係数は、0.04以上0.80以下、好ましくは0.18以上0.55以下である、前記<12>又は<13>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<15>
第1領域の肌対向面を構成する不織布と、第2領域の肌対向面を構成する不織布とはいずれも、その構成繊維中に、単一モノマーの重合体からなる樹脂と、共重合体樹脂とをそれぞれ含み、
第1領域の肌対向面を構成する不織布の構成繊維中の共重合体成分の含有量が第2領域の肌対向面を構成する不織布の構成繊維中の共重合体成分の含有量よりも少ない、前記<12>~<14>のいずれか一に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<16>
第1領域の肌対向面を構成する不織布と第2領域の肌対向面を構成する不織布とがいずれも、柔軟剤及び滑剤のうち少なくとも一種をそれぞれ含み、
第2領域の肌対向面を構成する不織布における柔軟剤及び滑剤のうち少なくとも一種の含有量が、第1領域の肌対向面を構成する不織布における該含有量よりも多い、前記<12>~<15>のいずれか一に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<17>
第1領域の肌対向面を構成する不織布の繊維径が第2領域の肌対向面を構成する不織布の繊維径よりも細い、前記<12>~<16>のいずれか一に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<18>
第1領域の肌対向面を構成する不織布のエンボス面積率が第2領域の肌対向面を構成する不織布のエンボス面積率よりも大きい、前記<12>~<17>のいずれか一に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<19>
第1領域の肌対向面を構成する不織布の親水度が第2領域の肌対向面を構成する不織布の親水度よりも低い、前記<12>~<18>のいずれか一に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<20>
前記サイドパネルは、前記おむつの装着状態において着用者の脚周りに位置する部位に弾性部材を備え、
前記サイドパネルは、前記弾性部材の端部位置を基準として、前記ウエスト開口端側と前記股下部側とで摩擦係数が互いに異なっている、前記<1>~<19>のいずれか一に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<21>
前記外層不織布は捲縮繊維を含む、前記<1>~<20>のいずれか一に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<22>
前記外層不織布は捲縮繊維を含む層を備えた複層構造であり、
前記層は前記外層不織布の最外面に位置する、前記<1>~<21>のいずれか一に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<23>
前記外装体は、前記外層不織布と前記内層不織布との間に配された複数本の弾性部材を更に備え、
前記外装体は、前記幅方向に伸縮可能に構成されており、
第1領域を長手方向に沿ってみたときに、前記ウエスト開口端寄りに位置する第1伸縮領域における前記幅方向の伸縮応力が、前記股下部寄りに位置する第2伸縮領域における前記幅方向の伸縮応力よりも小さく、
第2領域における前記幅方向の伸縮応力が、第1伸縮領域における前記伸縮応力と、第2伸縮領域における前記伸縮応力との中間の大きさである、前記<1>~<22>のいずれか一に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
1 パンツ型使い捨ておむつ
10 吸収性本体
15 サイドパネル
5 外装体
51 外層不織布
51a 折り返し部
52 内層不織布
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
E1 第1領域
E2 第2領域
WE ウエスト開口端
X 長手方向
Y 幅方向

Claims (8)

  1. 着用者の前後方向に対応する長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有し、着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、
    前記腹側部から前記背側部までの領域に配される吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配される外装体とを有するパンツ型使い捨ておむつであって、
    前記外装体は、該外装体の非肌対向面を形成する外層不織布と、該外装体の肌対向面を形成する内層不織布とを備え、
    前記腹側部及び前記背側部のそれぞれにおいて、前記外層不織布がウエスト開口端に沿って肌対向面側に折り返された折り返し部が形成されており、
    前記外装体は、前記吸収性本体の幅方向外方に延出した一対のサイドパネルを備え、
    前記サイドパネルにおける前記折り返し部は、その端部域において、前記外層不織布の非肌対向面と前記内層不織布の肌対向面とが接合部によって接合されており、
    前記サイドパネルにおける肌対向面は、前記外層不織布の折り返し部からなり前記接合部よりも長手方向外方に位置する第1領域と、該第1領域よりも長手方向内方において隣接し且つ前記内層不織布が肌対向面に露出している第2領域とを有し、
    前記外層不織布の摩擦係数と、前記内層不織布の摩擦係数とは互いに異なっており、
    自然状態において、前記サイドパネルの少なくとも肌対向面に、前記長手方向に延びる襞が前記幅方向に沿って複数形成されており、
    前記第1領域における前記襞の深さが前記第2領域における前記襞の深さよりも大きい、パンツ型使い捨ておむつ。
  2. 前記内層不織布の平均摩擦係数MIUが、前記外層不織布の平均摩擦係数MIUよりも高い、請求項1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  3. 第1領域の肌対向面を構成する不織布と着用者の肌を想定した擬似肌面との静摩擦係数が、第2領域の肌対向面を構成する不織布と着用者の肌を想定した擬似肌面との静摩擦係数よりも大きい、請求項1又は2に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  4. 第2領域の肌対向面を構成する不織布と着用者の肌を想定した擬似肌面との動摩擦係数が、第1領域の肌対向面を構成する不織布と着用者の肌を想定した擬似肌面との動摩擦係数よりも大きい、請求項1~3のいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  5. 前記サイドパネルは、前記おむつの装着状態において着用者の脚周りに位置する部位に弾性部材を備え、
    前記サイドパネルは、前記弾性部材の端部位置を基準として、前記ウエスト開口端側と前記股下部側とで摩擦係数が互いに異なっている、請求項1~4のいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  6. 前記外層不織布は捲縮繊維を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  7. 前記外層不織布は捲縮繊維を含む層を備えた複層構造であり、
    前記層は前記外層不織布の最外面に位置する、請求項1~6のいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  8. 前記外装体は、前記外層不織布と前記内層不織布との間に配された複数本の弾性部材を更に備え、
    前記外装体は、前記幅方向に伸縮可能に構成されており、
    第1領域を長手方向に沿ってみたときに、前記ウエスト開口端寄りに位置する第1伸縮領域における前記幅方向の伸縮応力が、前記股下部寄りに位置する第2伸縮領域における前記幅方向の伸縮応力よりも小さく、
    第2領域における前記幅方向の伸縮応力が、第1伸縮領域における前記伸縮応力と、第2伸縮領域における前記伸縮応力との中間の大きさである、請求項1~7のいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
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