JP2023020046A - 放電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有効成分の生成量の増大を図る。【解決手段】放電装置は、放電電極41と、対向電極42とを備える。放電電極41は先端部411を有する。対向電極42は、放電電極41の先端部411と隙間を介して対向するように配置されている。放電装置は、放電電極41と対向電極42との間に電圧を印加することにより放電を生じさせる。放電電極41は対向電極42に向かって突出している。対向電極42は、放電電極41の先端部411との間で放電が生じる放電部420を有している。放電部420は、放電電極41の先端部411を中心とする円周に沿って線状に延びている。【選択図】図3

Description

本開示は、一般に放電装置に関し、より詳細には、放電電極及び対向電極を備える放電装置に関する。
特許文献1には、放電電極と、対向電極と、電圧印加部と、を備える放電装置が記載されている。対向電極は、放電電極と対向して位置する。電圧印加部は、放電電極に電圧を印加し、コロナ放電より高エネルギーの放電を放電電極に生じさせる。特許文献1に記載された放電装置における高エネルギーの放電は、放電電極と対向電極との間で両者をつなぐように絶縁破壊された放電経路を、断続的に発生させる放電である。
また、特許文献1に記載された放電装置では、液体供給部によって放電電極に液体が供給される。そのため、放電によって、液体が静電霧化され、内部にラジカルを含有するナノメータサイズの帯電微粒子液が生成される。
特許文献1に記載された放電装置における放電形態では、コロナ放電に比較して大きなエネルギーで有効成分(ラジカルあるいはこれを含む帯電微粒子液)が生成されるため、コロナ放電と比較して大量の有効成分が生成される。さらに、オゾンが生成される量は、コロナ放電の場合と同程度に抑えられる。
特開2018-22574号公報
特許文献1に記載された放電装置では、放電による有効成分の生成量を更に増大させることが望まれている。
本開示は、上記事由に鑑みてなされており、有効成分の生成量の増大を図ることができる放電装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る放電装置は、放電電極と、対向電極とを備える。前記放電電極は先端部を有する。前記対向電極は、前記放電電極の前記先端部と隙間を介して対向するように配置されている。前記放電装置は、前記放電電極と前記対向電極との間に電圧を印加することにより放電を生じさせる。前記放電電極は前記対向電極に向かって突出している。前記対向電極は、前記放電電極の前記先端部との間で前記放電が生じる放電部を有している。前記放電部は、前記放電電極の前記先端部を中心とする円周に沿って線状に延びている。
本開示の上記態様に係る放電装置によれば、有効成分の生成量の増大を図ることができる。
図1は、実施形態に係る放電装置のブロック図である。 図2Aは、同上の放電装置における放電電極に保持されている液体が伸びた状態を示す模式図である。図2Bは、同上の放電電極に保持されている液体が縮んだ状態を示す模式図である。 図3Aは、同上の放電装置における負荷を示す上面図である。図3Bは、図3AのX1-X1線断面図である。 図4Aは、同上の負荷の要部を一部破断した模式図である。図4Bは、同上の負荷の要部の断面図である。図4Cは、同上の放電電極の正面図である。 図5Aは、部分破壊放電の放電形態を示す模式図である。図5Bは、コロナ放電の放電形態を示す模式図である。図5Cは、全路破壊放電の放電形態を示す模式図である。 図6Aは、第1変形例に係る放電装置における負荷の要部の断面図である。図6Bは、第2変形例に係る放電装置における負荷の要部の断面図である。
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する場合がある。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、図面中の各向きを示す矢印は一例であり、放電装置10の使用時の向きを規定する趣旨ではない。また、図面中の各向きを示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
(1)概要
まず、本実施形態に係る放電装置10の概要について、図1~図4Aを参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る放電装置10は、電圧印加装置1と、負荷4(電極装置)と、液体供給部5と、を備えている。
図3Bに示すように、負荷4は、放電電極41及び対向電極42を有している。負荷4は、放電電極41と対向電極42との間に電圧が印加されることにより放電を生じさせる装置である。なお、以下の説明において、放電電極41と対向電極42とが対向する方向を上下方向と規定する。放電電極41側から対向電極42側への向きを上向きと規定し、対向電極42側から放電電極41側への向きを下向きと規定する。
放電電極41は対向電極42に向かって(上向きに)突出している。また、放電電極41は先端部411(図2A参照)を有している。先端部411は、放電電極41が突出する向きにおける放電電極41の先端(上端)に形成されている。また、先端部411は、液体50(図2A参照)を保持する。なお、以下の説明において、放電電極41が突出する向き(上向き)のことを、「放電電極41の突出向き」ということがある。
対向電極42は、放電電極41の先端部411と隙間を介して対向するように配置されている。対向電極42は、放電電極41の先端部411との間で放電が生じる放電部420を有している。放電部420は、放電電極41の先端部411を中心とする円周に沿って線状に延びている。
液体供給部5は、放電電極41の先端部411に液体50を供給する。
電圧印加装置1は、放電電極41と対向電極42との間に電圧を印加することで、放電電極41と対向電極42との間に放電を生じさせる装置である。言い換えると、電圧印加装置1は、放電電極41と対向電極42との間に電圧を印加することで、放電電極41の先端部411と対向電極42との間に部分的に絶縁破壊された放電経路L1(図4A参照)を形成する。本開示でいう「絶縁破壊」は、導体間を隔離している絶縁体(気体を含む)の電気絶縁性が破壊され、絶縁状態が保てなくなることを意味する。気体の絶縁破壊は、例えば、イオン化された分子が電場により加速されて他の気体分子に衝突してイオン化し、イオン濃度が急増して気体放電を起こすために生じる。
また、本実施形態の電圧印加装置1は、放電電極41に液体50が保持されている状態において、放電電極41を含む負荷4に電圧印加回路2から電圧を印加する。これにより、少なくとも放電電極41にて放電が生じ、放電電極41に保持されている液体50が、放電によって静電霧化される。
放電装置10は、負荷4の放電電極41と対向電極42との間に放電を生じさせることによって、ラジカルを生成し、かつ、放電電極41に保持されている液体50を静電霧化する。言い換えると、放電装置10は、静電霧化された液体50の微細液滴中にラジカルを含有しているナノメータサイズの帯電微粒子液を生成する。つまり、放電装置10は、帯電微粒子液生成装置(静電霧化装置)として機能する。ラジカルは、除菌、脱臭、保湿、保鮮、ウイルスの不活性化にとどまらず、様々な場面で有用な効果を奏する基となる。以降、ラジカル、及び帯電微粒子液などを有効成分と総称することがある。また、有効成分には、空気イオンも含まれる。
放電装置10は、ラジカルを含有する帯電微粒子液を生成することによって、ラジカルが単体で空気中に放出される場合に比べて、ラジカルの長寿命化を図ることができる。さらに、帯電微粒子液が例えばナノメータサイズであることで、比較的広範囲に帯電微粒子液を浮遊させることができる。
上述のように、本実施形態の放電装置10の対向電極42は放電部420を有している。放電部420は、放電電極41の先端部411との間で放電を生じさせる部分である。そして、上述のように放電部420が放電電極41の先端部411を中心とする円周に沿って線状に延びているため、針状に形成された放電部を有する従来の負荷(対向電極)と比較して、放電電極41の先端部411を頂点とする放電経路L1が広がる。放電経路L1が広がることで、放電によって発生される有効成分(ラジカル等を含む)の生成量の増大を図ることができる。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る放電装置10について、図1~図5Cを参照して説明する。
(2.1)放電装置の構成
図1に示すように、本実施形態に係る放電装置10は、電圧印加装置1と、負荷4と、液体供給部5と、を備えている。
(2.2)液体供給部の構成
液体供給部5は、放電電極41に対して静電霧化用の液体50を供給する。液体供給部5は、一例として、図3Bに示す冷却装置51を用いて実現される。冷却装置51は、放電電極41を冷却して、放電電極41に液体50(図2A参照)として結露水を発生させる。具体的には、冷却装置51は、一対のペルチェ素子511、及び一対の放熱板512を備えている。一対のペルチェ素子511は、一対の放熱板512に保持されている。冷却装置51は、一対のペルチェ素子511への通電によって放電電極41を冷却する。一対の放熱板512は、一対の放熱板512の各々における一部が負荷4の後述するハウジング40に埋め込まれることにより、ハウジング40に保持されている。一対の放熱板512のうち、少なくともペルチェ素子511を保持する部位は、ハウジング40から露出している。
一対のペルチェ素子511は、放電電極41の後述する基端部41bに対して、例えば、半田により機械的かつ電気的に接続されている。また、一対のペルチェ素子511は、一対の放熱板512に対して、例えば、半田により機械的かつ電気的に接続されている。一対のペルチェ素子511への通電は、一対の放熱板512及び放電電極41を通じて行われる。したがって、液体供給部5を構成する冷却装置51は、基端部41bを通じて放電電極41の全体を冷却する。これにより、空気中の水分が凝結して放電電極41の表面に結露水として付着する。この結露水が、液体50として放電電極41に保持される。すなわち、液体供給部5は、放電電極41を冷却して放電電極41の表面に液体50としての結露水を生成するように構成されている。この構成では、液体供給部5は、空気中の水分を利用して、放電電極41に液体50(結露水)を供給できるため、放電装置10への液体の供給、及び補給が不要になる。
(2.3)電圧印加装置の構成
図1に示すように、本実施形態の電圧印加装置1は、電圧印加回路2と、制御回路3とを備えている。
電圧印加回路2は、駆動回路21と、電圧発生回路22と、を有している。駆動回路21は、電圧発生回路22を駆動する回路である。電圧発生回路22は、電源部6(入力部)からの電力供給を受けて、負荷4に印加する印加電圧V1(図5A参照)を生成する回路である。本開示でいう「印加電圧」は、放電を生じさせるために電圧印加回路2が負荷4に印加する電圧を意味する。電源部6は、数V~十数V程度の直流電圧を発生する電源回路である。本実施形態では、電源部6は電圧印加装置1の構成要素に含まないこととして説明するが、電源部6は電圧印加装置1の構成要素に含まれていてもよい。
電圧印加回路2は、例えば、絶縁型のDC/DCコンバータであって、電源部6からの入力電圧(例えば13.8V)を昇圧し、昇圧後の電圧を印加電圧V1として出力する。電圧印加回路2の印加電圧V1は、負荷4(放電電極41及び対向電極42)に印加される。
電圧印加回路2は、負荷4に対して電気的に接続されている。電圧印加回路2は、負荷4に対して高電圧を印加する。ここでは、電圧印加回路2は、放電電極41を負極(グランド)、対向電極42を正極(プラス)として、放電電極41と対向電極42との間に高電圧を印加するように構成されている。言い換えれば、電圧印加回路2から負荷4に高電圧が印加された状態では、放電電極41と対向電極42との間に、対向電極42側を高電位、放電電極41側を低電位とする電位差が生じることになる。ここでいう「高電圧」とは、放電電極41と対向電極42との間に放電を生じさせるように設定された電圧であればよい。
本開示でいう「放電電極41と対向電極42との間の放電」は、図5Aに示すように、放電電極41と対向電極42との間に、部分的に絶縁破壊された放電経路L1が形成される放電を含む。このように、部分的に絶縁破壊された放電経路L1が形成される形態の放電を、以下では「部分破壊放電」という。言い換えると、部分破壊放電は、放電電極41と対向電極42との間(一対の電極間)に、部分的に絶縁破壊された放電経路L1を形成する。部分破壊放電について詳しくは、「(3)放電形態」の欄で説明する。
また、本開示でいう「放電電極41と対向電極42との間の放電」は、図5Cに示すように、放電電極41と対向電極42との間に、全体的に絶縁破壊された絶縁破壊領域R4が形成される放電を含む。このように、全体的に絶縁破壊された絶縁破壊領域R4が形成される形態の放電を、以下では「全路破壊放電」という。言い換えると、全路破壊放電は、放電電極41と対向電極42との間(一対の電極間)に、連続した絶縁破壊が生じた放電経路(一方の電極から他方の電極に至るまで連続して絶縁破壊されている放電経路)を形成する。全路破壊放電について詳しくは、「(3)放電形態」の欄で説明する。
本実施形態の電圧印加回路2は、印加電圧V1の大きさを周期的に変動させることにより、放電を間欠的(断続的)に生じさせる。印加電圧V1は、印加電圧V1が上昇して高電圧となる期間と、印加電圧V1が低下して低電圧となる期間と、を交互に繰り返す。図2A及び図2Bに示すように、印加電圧V1の大きさが周期的に変動することで、液体50には振動が生じる。なお、ここでいう「高電圧」とは、放電電極41に放電が生じるように設定された電圧であればよく、一例として、ピークが7.0kV程度となる電圧である。ただし、印加電圧V1の電圧値は、7.0kV程度に限らず、例えば、放電電極41及び対向電極42の形状、又は放電電極41及び対向電極42間の距離等に応じて適宜設定される。また、「低電圧」とは、放電電極41に放電が生じないように設定された電圧であればよく、上述の「高電圧」より低い電圧である。なお、以降では、「印加電圧V1の大きさが周期的に変動する」ことを、「印加電圧V1が周期的に変動する」ということがある。
具体的に、負荷4に印加電圧V1が印加されると、印加電圧V1が高電圧となる期間では、放電電極41に保持されている液体50は、図2Aに示すように、電界による力を受けてテイラーコーン(Taylor cone)と呼ばれる円錐状の形状を成す。なお、放電電極41の先端部411の少なくとも一部は、テイラーコーン形状の液体50内に入り込んでいる。テイラーコーンの先端部(頂点部)に電界が集中することで、放電が発生する。このとき、テイラーコーンの先端部が尖っている程、つまり円錐の頂角が小さく(鋭角に)なる程に、絶縁破壊に必要な電界強度が小さくなり、放電が生じやすくなる。
また、印加電圧V1が低電圧となる期間では、放電電極41に保持されている液体50は、図2Bに示すように、電界による力が低下することで略球状の形状を成す。
印加電圧V1が周期的に変動することで、放電電極41に保持されている液体50は、図2Aに示す形状と図2Bに示す形状とに交互に変形する。その結果、上述したようなテイラーコーンが周期的に形成されるため、図2Aに示すようなテイラーコーンが形成されるタイミングに合わせて、放電が間欠的に発生することになる。なお、図2A及び図2Bでは、先端部411と液体50とを区別しやすいように、液体50に対してドットハッチングを施している。
本開示では、印加電圧V1の周期的な変動に応じて、放電電極41と対向電極42との間に間欠的(断続的)に発生する放電のことを「リーダ放電」ということがある。リーダ放電は、放電電極41と対向電極42との間に(一対の電極間)放電経路を間欠的に形成し、放電電流(出力電流)を間欠的に繰り返し発生させる。すなわち、「リーダ放電」は、印加電圧V1の周期的な変動に応じて、放電電極41と対向電極42との間に間欠的(断続的)に発生する部分破壊放電及び全路破壊放電を含む。リーダ放電は、放電電極41と対向電極42との間において瞬間的(単発的)に発生する火花放電と、放電電極41と対向電極42との間において継続的に発生するグロー放電及びアーク放電とは相違する。
制御回路3は、電圧印加回路2の制御を行う。制御回路3は、電圧印加装置1が駆動される駆動期間において、印加電圧V1の大きさを周期的に変動させる制御を行う。本開示でいう「駆動期間」は、放電電極41に放電を生じさせるように電圧印加装置1が駆動される期間である。
本実施形態の制御回路3は、監視対象に基づいて電圧印加回路2を制御する。ここでいう「監視対象」は、電圧印加回路2の出力電流及び出力電圧の少なくとも一方からなる。本実施形態の制御回路3は、電圧制御回路31と、電流制御回路32と、を有している。
電圧制御回路31は、電圧印加回路2の出力電圧からなる監視対象に基づいて、電圧印加回路2の駆動回路21を制御する。電圧制御回路31は、駆動回路21に対して制御信号Si1を出力しており、制御信号Si1によって駆動回路21を制御する。
電流制御回路32は、電圧印加回路2の出力電流からなる監視対象に基づいて、電圧印加回路2の駆動回路21を制御する。電流制御回路32は、駆動回路21に対して制御信号Si2を出力しており、制御信号Si2によって駆動回路21を制御する。
なお、電圧印加回路2の出力電圧(二次側電圧)と、電圧印加回路2の一次側電圧との間には相関関係があるので、電圧制御回路31は、電圧印加回路2の一次側電圧から間接的に電圧印加回路2の出力電圧を検出してもよい。同様に、電圧印加回路2の出力電流(二次側電流)と、電圧印加回路2の入力電流(一次側電流)との間には相関関係があるので、電流制御回路32は、電圧印加回路2の入力電流から間接的に電圧印加回路2の出力電流を検出してもよい。
(2.4)負荷の構成
図3Bに示すように、本実施形態の負荷4は、ハウジング40と、放電電極41と、対向電極42と、を有している。
(2.4.1)ハウジングの構成
図3Bに示すように、ハウジング40は、上面(対向電極42を保持する側の面)が開口である、矩形箱状に形成されている。ハウジング40は、例えば合成樹脂等の電気絶縁性を有する部材で形成されている。ハウジング40は、放電電極41と、対向電極42と、を保持している。より具体的には、ハウジング40は、放電電極41と対向電極42とが上下方向において隙間を介して対向するように、放電電極41及び対向電極42を保持している。
(2.4.2)放電電極の構成
図3Bに示すように、放電電極41は、棒状の電極である。本実施形態では、放電電極41は、ハウジング40の内部空間における下側(下面)に配置されており、上向きに突出している。言い換えると、本実施形態の放電電極41の長手方向は上下方向に沿っている。
放電電極41は、軸部41a、及び基端部41bを有する。軸部41aは、円形断面の棒状に形成されている。軸部41aは上述の先端部411を有している。軸部41aの長手方向の第1端(先端部411とは反対側の端部又は下端)には、平板形状の基端部41bが連続一体に形成されている。
先端部411は、軸部41aの長手方向の第2端(上端又は先端)に形成されている。先端部411は、軸部41aの先端に近付くにつれて断面積が小さくなる先細り形状である。すなわち、放電電極41は、先端部411が先細り形状に形成された針電極である。ここでいう「先細り形状」とは、先端が鋭く尖っている形状に限らず、図2A及び図2Bに示すように、先端が丸みを帯びた形状を含む。
放電電極41の先端部411の形状は、例えば、円錐部を含んだ形状である。先端部411のうち対向電極42との対向部分の形状(ここでは円錐部の先端又は上端の形状)は、例えばR形状(アール形状)である。本開示でいう「R形状」とは、ある部材の表面が丸みを帯びている(丸みを有している)ことを含み得る。本実施形態の先端部411の先端面は、上向きに凸の丸みを有する曲面を含んでいる。本実施形態の放電電極41の先端面は、放電電極41の中心軸を含む断面形状が、先端部411の側面から連続的につながる弧状に形成されており、角を含まない。つまり、放電電極41の先端面は全体が曲面(湾曲面)である。
一例として、放電電極41の先端面の曲率半径r2(図4C参照)は、0.2mm以上であることが好ましい。このように、放電電極41の先端部411がR形状を有することで、放電電極41の先端部411が尖っている場合に比べて、放電電極41の先端部411での電界の過度な集中を緩めることができ、部分破壊放電が生じやすくなる。
(2.4.3)対向電極の構成
図3Bに示すように、対向電極42は、ハウジング40の内部空間における上側(上面)に配置されている。対向電極42は、上下方向において、放電電極41の先端部411と隙間を介して対向するように配置されている。言い換えると、対向電極42は放電電極41と空間的に離れており、対向電極42と放電電極41とは電気的に絶縁されている。対向電極42は、放電部420と、支持部422と、凹部421と、底部4211と、筒部423と、を有している。
図3Aに示すように、凹部421、底部4211、及び、筒部423は、負荷4を上側から見た平面視(上面視)において、放電電極41の先端部411を中心とする円環状に形成されている。すなわち、凹部421、底部4211、及び、筒部423は、負荷4の上面視において、同心の円環状に形成されている。負荷4の上面視において、放電電極41の先端部411を中心として、内側から順に筒部423、底部4211、凹部421、及び、支持部422が配置されている。
支持部422は、ハウジング40に保持されている。図3Bに示すように、支持部422は、厚み方向が上下方向に沿った平板状に形成されている。
凹部421は、支持部422から放電電極41に向かって凹んでいる。すなわち、凹部421は、支持部422から下向きに凹むように形成されている。言い換えると、凹部421は、支持部422から下向きに突出している。図3Aに示すように、凹部421は、負荷4の上面視において、円形状である。また、凹部421は、下向きに凹むにつれて(下方に進むにつれて)径が小さくなる円筒状である。
底部4211は、負荷4の上面視において、凹部421の下端から放電電極41の先端部411に向けて突出している。底部4211は、厚み方向が上下方向に沿った平板状、かつ、円環状に形成されている。
図3Bに示すように、筒部423は、底部4211の内周端から上向きに突出している。すなわち、筒部423は、放電電極41の突出向きに沿って延びている。本実施形態の筒部423は、上方に進むにつれて径が小さくなる円筒状である。言い換えると、筒部423は放電電極41から遠ざかる向きに突出しており、筒部423の外形は円錐台状である。筒部423は、放電電極41の上方において放電電極41を覆うようなドーム形状に形成されている。筒部423は、第1開口部4231と、第2開口部4232と、を有している。
第1開口部4231及び第2開口部4232は、上下方向に沿って並んでいる。言い換えると、第1開口部4231及び第2開口部4232は、放電電極41の突出向き(上向き)に沿って並んでいる。第1開口部4231は第2開口部4232より下方に配置されている。すなわち、第1開口部4231は、第2開口部4232より放電電極41の近くに配置されている。第1開口部4231及び第2開口部4232は、負荷4の上面視において、放電電極41の先端部411を中心とする円状の開口である。図4Bに示すように、本実施形態の第2開口部4232の開口径D3は、第1開口部4231の開口径D4より小さい。
図4Aに示すように、本実施形態の筒部423は、縁部424を更に有している。縁部424は、第1開口部4231の縁の部分であり、底部4211と連続する部分である。また、縁部424は、放電電極41の先端部411と対向電極42との距離が最短となる線L2を含む部分である。すなわち、縁部424は、電界集中が生じやすい部分である。なお、本実施形態における線L2は仮想線である。負荷4の上面視において、線L2は放電電極41の先端部411を中心とする円環状の線であり、縁部424は線L2を含む円環状である。円環状の線L2と放電電極41の先端部411との間の距離D1は、線L2の全周に亘って等しい。本実施形態の線L2は、放電電極41の先端部411を頂点として、母線の長さが距離D1と等しい仮想の直円錐を形成している。なお、線L2と放電電極41の先端部411との間の距離D1は、第2開口部4232の縁と放電電極41の先端部411との間の距離D2より小さい。
本実施形態の縁部424は、曲面を有している。言い換えると、縁部424は、図4Bに示すように、放電電極41の先端部411に向かって凸となる丸みを有している。より具体的には、縁部424は、その断面において、底部4211から連続的につながる半円弧状に形成されており、角を含まない。つまり筒部423の縁部424の表面は全体が曲面(湾曲面)である。
縁部424の曲率半径r1は、放電電極41の先端部411の曲率半径r2(図4C参照)の1/2以上であることが好ましい。つまり、「r1≧r2×1/2」の関係式を満たすことが好ましい。一例として、放電電極41の先端部411の曲率半径r2が0.6mmである場合、縁部424の曲率半径r1は0.3mm以上であることが好ましい。ここでいう「曲率半径」は、縁部424及び放電電極41の先端部411のいずれについても、最小値、つまり曲率が最大となる部位の曲率半径を意味する。ただし、図4Bと図4Cとでは縮尺が異なっているため、図4B中の「r1」と図4C中の「r2」とが、直ちに「r1」と「r2」との比を表す訳ではない。
さらに、縁部424の曲率半径r1は、放電電極41の先端部411の曲率半径r2よりも大きいことがより好ましい。本実施形態の縁部424の曲率半径r1は、放電電極41の先端部411の曲率半径r2より大きい。
図4Aに示す放電部420は、放電電極41の先端部411との間で放電が生じる部分である。放電部420は、放電電極41の先端部411を中心とする円周に沿って線状に延びている。本実施形態の放電部420は、縁部424に形成されている。言い換えると、放電部420は、第1開口部4231の縁に形成されている。
本実施形態の放電部420は、放電電極41の先端部411と対向電極42との距離が最短となる線L2を含む部分(帯状の面)である。放電部420が線L2を含む部分であることで、放電部420と放電電極41の先端部411との間で放電がより発生しやすく、有効成分の生成量の増大をより図ることができる。
また、本実施形態の放電部420は、放電電極41の先端部411を中心とする円周に沿った円環状に形成されている。より具体的には、本実施形態の放電部420は、線L2を含む円環状に形成されている。図4A及び図4B中の点線は、放電部420と放電電極41の先端部411との間の放電経路L1を示している。本実施形態の放電経路L1は、放電電極41の先端部411と放電部420とが形成する仮想の直円錐の母線に沿って形成される。言い換えると、放電経路L1は、放電電極41の先端部411と放電部420とが形成する円錐の側面部に沿って形成される。本開示では、放電電極41の先端部411を頂点として円錐側面状に発生する放電を「ラウンド放電」という。言い換えると、ラウンド放電は、放電電極41と対向電極42との間(一対の電極間)を結ぶ円錐側面状に広がる放電経路を形成する。
また、本実施形態の放電部420は、縁部424に形成されているため、放電部420は曲面である。放電部420が曲面であることで、電界集中が過度に高まることを抑制できる。電界集中が過度に高まることを抑制することで、放電形態が進展して有効成分の生成量が減少することを抑制することができる。
また本実施形態の放電部420の曲率半径r1は、放電電極41の先端部411の曲率半径r2より大きい。言い換えると、放電部420が有する曲面の曲率半径r1は、放電電極41の先端部411の曲率半径r2より大きい。放電部420の曲率半径r1を放電電極41の先端部411における曲率半径r2より大きくすることで、電界集中が過度に高まることをより抑制でき、部分破壊放電を発生させやすい。
また、放電によって第1開口部4231の縁(縁部424)の周辺に発生した有効成分は、筒部423の内部空間を通って第2開口部4232から放出される。すなわち、本実施形態の筒部423は、有効成分の放出経路となる。筒部423が有効成分の放出経路となることで、有効成分を効率よく放出することができる。
さらに、本実施形態の第2開口部4232の開口径D3は第1開口部4231の開口径D4より小さい。開口径D3が開口径D4より小さいことで、筒部423が有効成分を放出するノズルとして機能する。したがって、筒部423の内部空間を通って第2開口部4232から放出される有効成分の流速が増大し、より効率よく有効成分を放出することができる。
(3)放電形態
以下、放電電極41及び対向電極42間に印加電圧V1を印加した場合に発生する放電形態の詳細について、図5A~図5Cを参照して説明する。図5A~図5Cは、放電形態を説明するための概念図であって、図5A~図5Cでは、放電電極41及び対向電極42を模式的に表している。また、本実施形態に係る放電装置10では、実際には、放電電極41には液体50が保持されており、この液体50と対向電極42との間で放電が生じるが、図5A~図5Cでは、液体50の図示を省略する。また、以下では、放電電極41の先端部411に液体50が無い場合を想定して説明するが、液体50が有る場合には、放電の発生箇所等について「放電電極41の先端部411」を「放電電極41に保持された液体50」に読み替えればよい。
ここではまず、本実施形態に係る放電装置10で採用されている部分破壊放電について、図5Aを参照して説明する。放電装置10は、まず放電電極41の先端部411で局所的なコロナ放電を生じさせる。本実施形態では、放電電極41は負極(グランド)側であるから、放電電極41の先端部411に生じるコロナ放電は負極性コロナである。放電装置10は、放電電極41の先端部411に生じたコロナ放電を、更に高エネルギーの放電にまで進展させる。この高エネルギーの放電により、放電電極41と対向電極42との間には、部分的に絶縁破壊された放電経路L1が形成される。
また、部分破壊放電はリーダ放電の一態様である。すなわち、部分破壊放電は、一対の電極(放電電極41及び対向電極42)間での部分的な絶縁破壊を伴うものの、絶縁破壊が継続的に生じるのではなく、絶縁破壊が間欠的に発生する放電である。そのため、一対の電極間に生じる放電電流についても、間欠的に発生する。すなわち、放電経路L1を維持するのに必要な電流容量を電源(電圧印加回路2)が有さない場合等においては、コロナ放電から部分破壊放電に進展した途端に一対の電極間に印加される電圧が低下し、放電経路L1が途切れて放電が停止する。ここでいう「電流容量」は、単位時間に放出可能な電流の容量である。このような放電の発生、及び停止が繰り返されることにより、放電電流が間欠的に流れることになる。このように、部分破壊放電は、放電エネルギーの高い状態と放電エネルギーの低い状態とを繰り返す点において、絶縁破壊が瞬間的(単発的)に発生する火花放電とは相違する。また、部分破壊放電は、放電エネルギーの高い状態と放電エネルギーの低い状態とを繰り返す点において、絶縁破壊が継続的に発生する(つまり放電電流が継続的に発生する)グロー放電及びアーク放電とは相違する。
より詳細には、電圧印加装置1は、互いに隙間を介して対向するように配置される放電電極41及び対向電極42間に印加電圧V1を印加することにより、放電電極41と対向電極42との間に放電を生じさせる。そして、放電の発生時には、放電電極41と対向電極42との間には、部分的に絶縁破壊された放電経路L1が形成される。このとき形成される放電経路L1には、図5Aに示すように、放電電極41の周囲に生成される第1絶縁破壊領域R1と、対向電極42の周囲に生成される第2絶縁破壊領域R2と、が含まれている。
すなわち、放電電極41と対向電極42との間には、全体的にではなく部分的(局所的)に、絶縁破壊された放電経路L1が形成される。このように、部分破壊放電においては、放電電極41と対向電極42との間に形成される放電経路L1は、全路破壊には至らず、部分的に絶縁破壊された経路である。
上述のように、放電電極41の先端部411の形状(R形状)、及び筒部423の縁部424について、電界の集中を適度に緩めるように適切に設定されることで、部分破壊放電を実現しやすくなる。つまり、先端部411の形状及び縁部424の曲率半径r1が、放電電極41の長さ及び印加電圧V1等の他の因子と共に、電界の集中を緩めるように適切に設定されることで、電界の集中を適度に緩めることができる。その結果、放電電極41及び対向電極42間に電圧が印加されたときに、全路破壊放電のような全路破壊には至らず、部分的な絶縁破壊が生じるまでにとどめることができる。その結果、部分破壊放電を実現することができる。
ここで、放電経路L1は、放電電極41の周囲に生成される第1絶縁破壊領域R1と、対向電極42の周囲に生成される第2絶縁破壊領域R2と、を含んでいる。つまり、第1絶縁破壊領域R1は、放電電極41の周囲の絶縁破壊された領域であって、第2絶縁破壊領域R2は、対向電極42の周囲の絶縁破壊された領域である。ここで、放電電極41に液体50が保持されており、液体50と対向電極42との間に印加電圧V1が印加されている場合には、第1絶縁破壊領域R1は、放電電極41の周囲のうち特に液体50の周囲に生成される。
これら第1絶縁破壊領域R1及び第2絶縁破壊領域R2は、互いに接触しないように離れて存在している。言い換えれば、放電経路L1は、少なくとも第1絶縁破壊領域R1と第2絶縁破壊領域R2との間において、絶縁破壊されていない領域(絶縁領域)を含んでいる。そのため、部分破壊放電においては、放電電極41と対向電極42との間の空間について、全路破壊には至らず、部分的に絶縁破壊された状態で、放電経路L1を通して放電電流が流れることになる。要するに、部分的な絶縁破壊が生じた放電経路L1、言い換えれば、一部は絶縁破壊されていない放電経路L1であっても、放電電極41と対向電極42との間には、放電経路L1を通して放電電流が流れ、放電が生じる。
ここにおいて、第2絶縁破壊領域R2は、基本的には、対向電極42のうち、放電電極41までの距離(空間距離)が最短となる部位の周囲に生じる。本実施形態では、対向電極42は、筒部423に曲面状に形成された縁部424(放電部420)において、放電電極41までの距離D1(図4A参照)が最短となるので、第2絶縁破壊領域R2は縁部424の周囲に生成される。つまり、図5Aに示す対向電極42は、実際には筒部423の縁部424に相当する。
また、図4Aに示すように、放電部420は、放電電極41の先端部411と対向電極42との距離が最短となる円環状の線L2を含む部分である。そのため、第2絶縁破壊領域R2は、この円環状の線L2の周囲に生成されることになる。ここで、第2絶縁破壊領域R2が生成される放電部420の領域は、特定の領域には限定されず、円環状の線L2を中心としてランダムに決まることになる。
ところで、部分破壊放電においては、図5Aに示すように、放電電極41の周囲の第1絶縁破壊領域R1は、放電電極41から相手方となる対向電極42に向けて延びている。対向電極42の周囲の第2絶縁破壊領域R2は、対向電極42から相手方となる放電電極41に向けて延びている。言い換えれば、第1絶縁破壊領域R1及び第2絶縁破壊領域R2は、それぞれ放電電極41及び対向電極42から、互いに近付く向きに延びている。そのため、第1絶縁破壊領域R1及び第2絶縁破壊領域R2の各々は、放電経路L1に沿った長さを有することになる。このように、部分破壊放電においては、部分的に絶縁破壊された領域(第1絶縁破壊領域R1及び第2絶縁破壊領域R2の各々)は、特定の方向に長く延びた形状を有する。
部分破壊放電においては、コロナ放電(図5B参照)と比較して大きなエネルギーでラジカルが生成され、コロナ放電と比較して2~10倍程度の大量のラジカルが生成される。このようにして生成されるラジカルは、除菌、脱臭、保湿、保鮮、ウイルスの不活化にとどまらず、様々な場面で有用な効果を奏する基となる。ここで、部分破壊放電によってラジカルが生成される際には、オゾンも発生する。ただし、部分破壊放電では、コロナ放電と比較して2~10倍程度のラジカルが生成されるのに対して、オゾンの発生量はコロナ放電の場合と同程度に抑えられる。
次に、コロナ放電について、図5Bを参照して説明する。
一般的には、一対の電極間にエネルギーを投入して放電を生じさせると、投入したエネルギーの量に応じて、放電形態がコロナ放電から、火花放電、グロー放電、アーク放電へと進展する。
火花放電、グロー放電及びアーク放電は、一対の電極間での絶縁破壊を伴う放電である。火花放電は、瞬間的(単発的)に放電経路が形成される放電である。グロー放電及びアーク放電においては、一対の電極間にエネルギーが投入されている間は、絶縁破壊によって形成される放電経路が維持され、一対の電極間に放電電流が継続的に発生する。これに対して、コロナ放電は、図5Bに示すように、一方の電極(放電電極41)で局所的に発生する放電であり、一対の電極(放電電極41及び対向電極42)間の絶縁破壊を伴わない放電である。要するに、放電電極41及び対向電極42間に印加電圧V1が印加されることで、放電電極41の先端部411で局所的なコロナ放電が発生する。ここで、放電電極41は負極(グランド)側であるから、放電電極41の先端部411に生じるコロナ放電は負極性コロナである。このとき、放電電極41の先端部411の周囲には、局所的に絶縁破壊された絶縁破壊領域R3が生じ得る。この絶縁破壊領域R3は、部分破壊放電における第1絶縁破壊領域R1及び第2絶縁破壊領域R2の各々のように、特定の方向に長く延びた形状ではなく、点状(又は球状)となる。
ここで、電源(電圧印加回路2)から一対の電極間に対して単位時間当たりに放出可能な電流容量が十分に大きければ、一度形成された放電経路は途切れることなく維持され、上述のようにコロナ放電、火花放電から、グロー放電、アーク放電へと進展する。
次に、全路破壊放電について、図5Cを参照して説明する。
全路破壊放電は、図5Cに示すように、コロナ放電から進展して一対の電極間の全路破壊に至る、という現象が間欠的に繰り返される放電形態である。つまり、全路破壊放電においては、放電電極41と対向電極42との間には、放電電極41と対向電極42との間において、全体的に絶縁破壊された放電経路が生じる。このとき、放電電極41の先端部411と、対向電極42(放電部420)との間には、全体的に絶縁破壊された絶縁破壊領域R4が生じ得る。この絶縁破壊領域R4は、部分破壊放電における第1絶縁破壊領域R1及び第2絶縁破壊領域R2の各々のように、部分的に生じるのではなく、放電電極41の先端部411と対向電極42との間を連続してつなぐように生じる。
また、全路破壊放電は、リーダ放電の一態様である。すなわち、全路破壊放電は、一対の電極(放電電極41及び対向電極42)間での絶縁破壊(全路破壊)を伴うものの、絶縁破壊が継続的に生じるのではなく、絶縁破壊が間欠的に発生する放電である。そのため、一対の電極(放電電極41及び対向電極42)間に生じる放電電流についても、間欠的に発生する。すなわち、上述したように放電経路L1を維持するのに必要な電流容量を電源(電圧印加回路2)が有さない場合等においては、コロナ放電から全路破壊に進展した途端に一対の電極間に印加される電圧が低下し、放電経路L1が途切れて放電が停止する。このような放電の発生、及び停止が繰り返されることにより、放電電流が間欠的に流れることになる。このように、全路破壊放電は、放電エネルギーの高い状態と放電エネルギーの低い状態とを繰り返す点において、絶縁破壊が瞬間的(単発的)に発生する火花放電とは相違する。また、全路破壊放電は、放電エネルギーの高い状態と放電エネルギーの低い状態とを繰り返す点において、絶縁破壊が継続的に発生する(つまり放電電流が継続的に発生する)グロー放電及びアーク放電とは相違する。
全路破壊放電においては、部分破壊放電と同様に、コロナ放電と比較して大きなエネルギーでラジカルが生成され、コロナ放電と比較して2~10倍程度の大量のラジカルが生成される。ただし、全路破壊放電のエネルギーは、部分破壊放電のエネルギーに比べても更に大きい。そのため、エネルギー準位が「中」の状態で、オゾンが消失しラジカルが増加することによって、ラジカルが大量に発生したとしても、その後の反応経路においてエネルギー準位が「高」となることで、ラジカルの一部が消失する可能性がある。言い換えれば、全路破壊放電では、その放電に係るエネルギーが高すぎるが故に、生成されたラジカル等の有効成分(空気イオン、ラジカル及びこれを含む帯電微粒子液等)の一部が消失して、有効成分の生成効率の低下につながる可能性がある。
ここで、本実施形態の放電装置10が発生させる部分破壊放電(図5A参照)においては、全路破壊放電(図5C参照)と比較しても、過大なエネルギーによるラジカルの消失を抑制でき、全路破壊放電と比較してもラジカルの生成効率の向上を図ることができる。すなわち、全路破壊放電では、その放電に係るエネルギーが高すぎるが故に、生成されたラジカルの一部が消失して、有効成分の生成効率の低下につながる可能性がある。これに対して、部分破壊放電では、全路破壊放電と比較して放電に係るエネルギーが小さく抑えられるため、過大なエネルギーに晒されることによるラジカルの消失量を低減し、ラジカルの生成効率の向上を図ることができる。結果的に、部分破壊放電を採用した本実施形態に係る放電装置10によれば、コロナ放電及び全路破壊放電と比較して、有効成分(空気イオン、ラジカル及びこれを含む帯電微粒子液等)の生成効率の向上を図ることができる。
さらに、部分破壊放電では、全路破壊放電に比較して電界の集中が緩められる。そのため、全路破壊放電では、全路破壊された放電経路を通じて放電電極41及び対向電極42間には、瞬間的に大きな放電電流が流れ、その際の電気抵抗は非常に小さくなっている。これに対して、部分破壊放電では、電界の集中が緩められることで、部分的に絶縁破壊された放電経路L1の形成時に、放電電極41及び対向電極42間に瞬間的に流れる電流の最大値が、全路破壊放電に比べて小さく抑えられる。これにより、部分破壊放電では、全路破壊放電に比較して、窒化酸化物(NOx)の発生が抑制され、さらに電気ノイズが小さく抑えられる。
本実施形態の放電装置10が発生させる放電は、放電経路L1が放電電極41の先端部411と放電部420とが形成する円錐の側面部に沿って形成されるラウンド放電である。放電部420を円環状とすることで放電部420を円周に沿った最大の長さにできるため、放電電極41の先端部411を頂点とする放電電極41と放電部420との間の放電経路L1がより広がる。すなわち、放電が発生する空間が広がる。放電経路L1がより広がることで、有効成分の生成量の増大をより図ることができる。なお、本実施形態の放電装置10が発生させる放電は、リーダ放電かつラウンド放電である「ラウンドリーダ放電」である。ラウンドリーダ放電は、放電電極41と対向電極42との間(一対の電極間)を結ぶ円錐側面状に広がる放電経路を間欠的に形成し、放電電流(出力電流)を間欠的に繰り返し発生させる。ラウンドリーダ放電は、リーダ放電及びラウンド放電の利点を有している。ラウンドリーダ放電では、放電経路L1を円錐側面状に広げることで電界集中が急激に成長し全路破壊放電へ進展することを防ぎ、部分破壊放電を空間的に広げることができる。すなわち、ラウンドリーダ放電では、従来のリーダ放電と比べて、有効成分の生成量の増大をより図ることができる。
(4)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(4.1)第1変形例
第1変形例の負荷4では、図6Aに示すように、対向電極42の形状が上記実施形態と相違する。図6Aは、負荷4の対向電極42を含む要部の断面図である。また、負荷4では、実際には、放電電極41には液体50が保持されており、この液体50と対向電極42との間で放電が生じるが、図6Aでは、液体50の図示を省略する。また、以下では、放電電極41の先端部411に液体50が無い場合を想定して説明するが、液体50が有る場合には、放電の発生箇所等について「放電電極41の先端部411」を「放電電極41に保持された液体50」に読み替えればよい。
第1変形例の対向電極42は、上記実施形態の筒部423に代えて筒部423aを有している。筒部423aは、段差部4233を有している。言い換えると、筒部423aは少なくとも1つの段差部4233を有している。段差部4233は、筒部423aの内周において第1開口部4231及び第2開口部4232の間に形成されている。段差部4233は、円環状である。より具体的には、段差部4233は、負荷4の上面視において放電電極41の先端部411を中心とする円環状である。
段差部4233の内径D5は、第1開口部4231の開口径D4(図4B参照)より小さく、第2開口部4232の開口径D3(図4B参照)より大きい。つまり、段差部4233は、負荷4を下側から見た平面視(底面視)において、筒部423aの内径が小さくなる部分である。なお、第1開口部4231から段差部4233までの筒部423aの内径は、第1開口部4231の開口径D4と等しい。また、段差部4233から第2開口部4232の下端までの筒部423aの内径は、段差部4233の内径D5と等しい。
本変形例の段差部4233は、曲面を有している。言い換えると、段差部4233は、放電電極41の先端部411に向かって凸となる丸みを有している。段差部4233の曲率半径r3は、放電電極41の先端部411の曲率半径r2(図4C参照)の1/2以上であることが好ましい。本変形例の段差部4233の曲率半径r3は、放電電極41の先端部411の曲率半径r2より大きい。
図6A中の一点鎖線は、放電電極41の先端部411と対向電極42との距離が最短となる範囲を示している。本変形例の段差部4233と放電電極41の先端部411との距離D1aは、縁部424の線L2(図4A参照)と放電電極41の先端部411との距離D1と等しい。すなわち、段差部4233と放電電極41の先端部411との距離D1aは、放電電極41と対向電極42との最短距離である。
そして、本変形例の対向電極42は、複数(図6Aの例では2つ)の放電部420を有している。2つの放電部420のうちの一方は、上記実施形態と同様に第1開口部4231の縁部424に形成されている。すなわち、縁部424に形成された放電部420は、複数の放電部420のうちの1つである。また、2つの放電部420のうちの他方は、段差部4233に形成されている。
段差部4233に形成された放電部420も、縁部424に形成された放電部420と同様に、ラウンドリーダ放電を発生させる。対向電極42が複数の放電部420を有することで、各々の放電部420で電界集中が過度に高まることを抑制することができる。
なお、第2変形例で後述するように、筒部423aは、2以上(複数)の段差部を有していてもよい。そして、2以上の段差部のそれぞれには、放電部420が形成される。
(4.2)第2変形例
図6Bに示すように、第2変形例の対向電極42は、上記実施形態の筒部423aに代えて筒部423bを有している。筒部423bは、複数(図6Bの例では2つ)の段差部4234,4235を有している。段差部4234は段差部4235の下に配置されている。言い換えると、段差部4234は、段差部4235より第1開口部4231に近い部分に配置されている。
複数の段差部4234,4235の内径は、第1開口部4231の開口径D4(図4B参照)より小さく、第2開口部4232の開口径D3(図4B参照)より大きい。そして、段差部4234の内径は、段差部4234の上に配置されている段差部4235の内径より大きい。つまり、上下方向において並ぶ複数の段差部においては、下側に配置された段差部の内径の方が上側に配置された段差部の内径より大きい。2つの段差部4234,4235は、負荷4の底面視において、筒部423bの内径が小さくなる部分である。2つの段差部4234,4235のその他の形状は、第1変形例で説明した段差部4233と同様である。
また、図6B中の一点鎖線は、放電電極41の先端部411と対向電極42との距離が最短となる範囲を示している。本変形例の段差部4234と放電電極41の先端部411との距離D1bは、縁部424の線L2(図4A参照)と放電電極41の先端部411との距離D1と等しい。そして、本変形例の段差部4235と放電電極41の先端部411との距離D1cは、縁部424の線L2と放電電極41の先端部411との距離D1と等しい。すなわち、段差部4234と放電電極41の先端部411との距離D1b、及び、段差部4235と放電電極41の先端部411との距離D1cは、放電電極41と対向電極42との最短距離である。
そして、本変形例の対向電極42は、複数(図6Bの例では3つ)の放電部420を有している。3つの放電部420のうちの1つは、上記実施形態と同様に第1開口部4231の縁部424に形成されている。また、3つの放電部420のうちの1つは、段差部4234に形成されている。また、3つの放電部420のうちの1つは、段差部4235に形成されている。
2つの段差部4234,4235に形成された放電部420も、縁部424に形成された放電部420と同様に、ラウンドリーダ放電を発生させる。対向電極42が複数の放電部420を有することで、各々の放電部420で電界集中が過度に高まることを抑制することができる。
なお、図6A及び図6Bの例に限らず、対向電極42及び放電電極41の各々の形状は適宜変更可能である。例えば、筒部423bは、3以上の段差部を有していてもよい。さらに、放電電極41の先端部411から段差部までの距離が最短距離(距離D1)であることは必須の構成ではない。放電電極41の先端部411から段差部までの距離は、縁部424の曲率半径r1及び複数の段差部のそれぞれの曲率半径、並びに、縁部424と段差部付近に生じる放電の形態、に応じて適宜設定されればよい。
(4.3)その他の変形例
放電装置10は、帯電微粒子液を生成するための液体供給部5が省略されていてもよい。この場合、放電装置10は、放電電極41、及び対向電極42間に生じる部分破壊放電によって、空気イオンを生成する。すなわち、放電装置10は、静電霧化装置以外に、イオン発生装置などであってもよい。
また、液体供給部5は、上記実施形態のように放電電極41を冷却して放電電極41に結露水を発生させる構成に限らない。液体供給部5は、例えば、毛細管現象、又はポンプ等の供給機構を用いて、タンクから放電電極41に液体50を供給する構成であってもよい。さらに、液体50は、水(結露水を含む)に限らず、水以外の液体であってもよい。
また、電圧印加回路2は、放電電極41を正極(プラス)、対向電極42を負極(グランド)として、放電電極41と対向電極42との間に高電圧を印加するように構成されていてもよい。さらに、放電電極41と対向電極42との間に電位差(電圧)が生じればよいので、電圧印加回路2は、高電位側の電極(正極)をグランドとし、低電位側の電極(負極)をマイナス電位とすることで、負荷4にマイナスの電圧を印加してもよい。すなわち、電圧印加回路2は、放電電極41をグランドとし、対向電極42をマイナス電位としもよいし、又は放電電極41をマイナス電位とし、対向電極42をグランドとしてもよい。
また、電圧印加装置1は、電圧印加回路2と、負荷4における放電電極41又は対向電極42との間に、制限抵抗を備えていてもよい。制限抵抗は、部分破壊放電において、絶縁破壊後に流れる放電電流のピーク値を制限するための抵抗器である。制限抵抗は、例えば、電圧印加回路2と放電電極41との間、又は電圧印加回路2と対向電極42との間に電気的に接続される。
電圧印加回路2は、自励式のコンバータであってもよいし、他励式のコンバータであってもよい。また、電圧発生回路22は、圧電素子を有する変圧器(圧電トランス)にて実現されてもよい。
また、放電装置10が採用する放電形態は、上記実施形態で説明した形態に限らない。例えば、放電装置10は、コロナ放電から進展して一対の電極間での絶縁破壊に至る、という現象が間欠的に繰り返される形態の放電、つまり「全路破壊放電」をラウンド放電の一態様として採用してもよい。この場合、放電装置10においては、コロナ放電から進展して一対の電極間での絶縁破壊に至ると比較的大きな放電電流が瞬間的に流れ、その直後に印加電圧が低下して放電電流が遮断され、また印加電圧が上昇して絶縁破壊に至る、という現象が繰り返されることになる。
また、リーダ放電、ラウンド放電、及びラウンドリーダ放電のそれぞれは、部分破壊放電及び全路破壊放電のいずれであってもよい。
また、放電装置10は、コロナ放電を進展させた火花放電、アーク放電、グロー放電をラウンド放電の一形態として採用してもよい。放電経路が広がることで、放電によって発生される有効成分の生成量の増大を図ることができる点は、ラウンドリーダ放電と同じである。
また、対向電極42の形状についても、図3Bに示すような凹凸を有する形状に限られない。すなわち、対向電極42は、凹部421及び筒部423等を有していなくともよい。例えば対向電極42は、厚み方向が上下方向に沿った平板状に形成されていてもよい。対向電極42は、少なくとも放電部420を有していればよい。
また、放電部420の形状は円環状に限られない。放電部420の形状は、放電電極41の先端部411を中心とする円周に沿って線状に延びていればよい。例えば放電部420の形状は、少なくとも一部が欠けた円環状であってもよい。
また、上記実施形態に係る電圧印加装置1と同様の機能は、電圧印加回路2の制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した記録媒体等で具現化されてもよい。すなわち、制御回路3に対応する機能を、電圧印加回路2の制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した記録媒体等で具現化してもよい。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る放電装置(10)は、放電電極(41)と、対向電極(42)とを備える。放電電極(41)は先端部(411)を有する。対向電極(42)は、放電電極(41)の先端部(411)と隙間を介して対向するように配置されている。放電装置(10)は、放電電極(41)と対向電極(42)との間に電圧を印加することにより放電を生じさせる。放電電極(41)は対向電極(42)に向かって(上向き)に突出している。対向電極(42)は、放電電極(41)の先端部(411)との間で放電が生じる放電部(420)を有している。放電部(420)は、放電電極(41)の先端部(411)を中心とする円周(線L2)に沿って線状に延びている。
この態様によれば、放電部(420)が放電電極(41)の先端部(411)を中心とする円周(線L2)に沿って線状に延びているため、針状に形成された放電部(420)を有する従来の放電装置(10)と比較して、放電電極(41)の先端部(411)を頂点とする放電経路(L1)が広がる。放電経路(L1)が広がることで、放電によって発生される有効成分(ラジカル等を含む)の生成量の増大を図ることができる。
第2の態様に係る放電装置(10)では、第1の態様において、放電部(420)は、放電電極(41)の先端部(411)と対向電極(42)との距離(D1)が最短となる線(L2)を含む部分である。
この態様によれば、放電部(420)は放電電極(41)の先端部(411)からの距離(D1)が最短となる線(L2)を含む部分であるため、放電電極(41)の先端部(411)との間で放電がより発生しやすく、有効成分の生成量の増大をより図ることができる。
第3の態様に係る放電装置(10)では、第1又は第2の態様において、放電部(420)は、放電電極(41)の先端部(411)を中心とする円周に沿った円環状に形成されている。
この態様によれば、放電部(420)を円環状とすることで放電部(420)を円周に沿った最大の長さにできるため、放電電極(41)の先端部(411)を頂点とする放電経路(L1)がより広がる。放電経路(L1)がより広がることで、有効成分の生成量の増大をより図ることができる。
第4の態様に係る放電装置(10)では、第1から第3のいずれかの態様において、放電部(420)は、曲面を有している。
この態様によれば、放電部(420)が曲面に形成されることにより電界集中が過度に高まることを抑制できる。電界集中が過度に高まることを抑制することで、放電形態が進展して有効成分の生成量が減少することを抑制することができる。
第5の態様に係る放電装置(10)では、第4の態様において、放電部(420)が有する曲面の曲率半径(r1)は、放電電極(41)の先端部(411)の曲率半径(r2)より大きい。
この態様によれば、放電部(420)の曲率半径(r1)を放電電極(41)の先端部(411)における曲率半径(r2)より大きくすることで、電界集中が過度に高まることをより抑制できる。
第6の態様に係る放電装置(10)では、第1から第5のいずれかの態様において、対向電極(42)は筒部(423)を更に有する。筒部(423)は、放電電極(41)が突出する向き(上向き)に沿って延びている。筒部(423)は、第1開口部(4231)及び第2開口部(4232)を有している。第1開口部(4231)及び第2開口部(4232)は、上記突出する向きに沿って並んでいる。第1開口部(4231)は、第2開口部(4232)より放電電極(41)の近くに形成されている。放電部(420)は、第1開口部(4231)の縁(縁部424)に形成されている。
この態様によれば、筒部(423)が有効成分の放出経路となることで、有効成分を効率よく放出することができる。
第7の態様に係る放電装置(10)では、第6の態様において、筒部(423)は、少なくとも1つの段差部(4233;4234;4235)を更に有する。段差部(4233;4234;4235)は、筒部(423)の内周において第1開口部(4231)及び第2開口部(4232)の間に形成されている。段差部(4233;4234;4235)は円環状に形成されている。放電部(420)は、複数の放電部(420)の1つである。複数の放電部(420)のうちの少なくとも1つの放電部(420)は、少なくとも1つの段差部(4233;4234;4235)に形成されている。
この態様によれば、複数の放電部(420)を有することで、各々の放電部(420)で電界集中が過度に高まることを抑制することができる。
第8の態様に係る放電装置(10)では、第6又は第7の態様において、第1開口部(4231)の縁(縁部424)は、放電電極(41)の先端部(411)と対向電極(42)との距離(D1)が最短となる線(L2)を含む部分である。第2開口部(4232)の開口径(D3)は、第1開口部(4231)の開口径(D4)より小さい。
この態様によれば、放電電極(41)の先端部(411)からの距離(D1)が最短となる線(L2)を含む縁部(424)に放電部(420)が形成されているため、放電電極(41)の先端部(411)と放電部(420)との間で放電がより発生しやすく、有効成分の生成量の増大をより図ることができる。また、第2開口部(4232)の開口径(D3)が第1開口部(4231)の開口径(D4)より小さいことから、第2開口部(4232)からより効率よく有効成分が放出されやすくなる。
第9の態様に係る放電装置(10)では、第1から第8のいずれかの態様において、放電電極(41)の先端部(411)は液体(50)を保持する。液体(50)は、放電によって静電霧化される。
この態様によれば、ラジカルを含有する帯電微粒子液が生成される。したがって、ラジカルが単体で空気中に放出される場合に比べて、ラジカルの長寿命化を図ることができる。さらに、帯電微粒子液が例えばナノメータサイズであることで、比較的広範囲に帯電微粒子液を浮遊させることができる。
第10の態様に係る放電装置(10)は、第9の態様において、液体供給部(5)、を更に備える。液体供給部(5)は、放電電極(41)に液体(50)を供給する。
この態様によれば、放電電極(41)に対して液体供給部(5)により液体(50)が自動的に供給されるので、放電電極(41)に液体(50)を供給する作業が不要とすることができる。
第1の態様以外の構成については、放電装置(10)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
10 放電装置
41 放電電極
411 先端部
42 対向電極
420 放電部
423 筒部
4231 第1開口部
4232 第2開口部
4233,4234,4235 段差部
424 縁部(第1開口部の縁)
5 液体供給部
50 液体
D1 距離
D3 開口径
D4 開口径
L1 放電経路
L2 線
r1 曲率半径
r2 曲率半径

Claims (10)

  1. 先端部を有する放電電極と、前記放電電極の前記先端部と隙間を介して対向するように配置されている対向電極と、を備え、前記放電電極と前記対向電極との間に電圧を印加することにより放電を生じさせる放電装置であって、
    前記放電電極は前記対向電極に向かって突出しており、
    前記対向電極は、前記放電電極の前記先端部との間で前記放電が生じる放電部を有し、
    前記放電部は、前記放電電極の前記先端部を中心とする円周に沿って線状に延びている、
    放電装置。
  2. 前記放電部は、前記放電電極の前記先端部と前記対向電極との距離が最短となる線を含む部分である、
    請求項1に記載の放電装置。
  3. 前記放電部は、前記放電電極の前記先端部を中心とする前記円周に沿った円環状に形成されている、
    請求項1又は2に記載の放電装置。
  4. 前記放電部は、曲面を有している、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の放電装置。
  5. 前記放電部が有する前記曲面の曲率半径は、前記放電電極の前記先端部の曲率半径より大きい、
    請求項4に記載の放電装置。
  6. 前記対向電極は、前記放電電極が突出する向きに沿って延びている筒部を更に有し、
    前記筒部は、前記突出する向きに沿って並んでいる第1開口部及び第2開口部を有し、
    前記第1開口部は、前記第2開口部より前記放電電極の近くに形成されており、
    前記放電部は、前記第1開口部の縁に形成されている、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の放電装置。
  7. 前記筒部は、前記筒部の内周において前記第1開口部及び前記第2開口部の間に形成されている少なくとも1つの円環状の段差部を更に有し、
    前記放電部は、複数の放電部の1つであって、
    前記複数の放電部のうちの少なくとも1つの放電部は、前記少なくとも1つの前記段差部に形成されている、
    請求項6に記載の放電装置。
  8. 前記第1開口部の前記縁は、前記放電電極の前記先端部と前記対向電極との距離が最短となる線を含む部分であり、
    前記第2開口部の開口径は、前記第1開口部の開口径より小さい、
    請求項6又は7に記載の放電装置。
  9. 前記放電電極の前記先端部は液体を保持し、
    前記液体は、前記放電によって静電霧化される、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の放電装置。
  10. 前記放電電極に前記液体を供給する液体供給部、を更に備える、
    請求項9に記載の放電装置。
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