JP2023019939A - 操作入力装置および電子機器 - Google Patents

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英昭 横尾
Hideaki Yokoo
潤一郎 岩松
Junichiro Iwamatsu
彰 高浦
Akira Takaura
裕典 福地
Hironori Fukuchi
章悟 里村
Shogo Satomura
崇之 岩佐
Takayuki Iwasa
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Abstract

【課題】誤検出を低減して高品位な操作入力が可能な操作入力装置を提供する。【解決手段】操作入力装置は、把持部(60)における静電容量を検出する第1の検出手段(63)と、把持部(60)における圧力を検出する第2の検出手段(64)と、第2の検出手段(64)により検出された圧力の変化に基づいて、第1の検出手段(63)の検出値を用いるか否かを判定する制御手段(80)とを有する。【選択図】図8

Description

本発明は、操作入力装置および電子機器に関する。
近年、静電容量センサおよび圧力センサを備えた操作入力装置において、ユーザの意図しない操作入力に対する誤検出を防止する技術が知られている。
特許文献1には、タッチセンサ(静電容量センサ)により検出された押圧力が所定の閾値よりも小さいか否かを判定し、通常動作モードと清掃モードとを切り替える制御装置が開示されている。これにより、清掃のために表示ユニットを拭う動作がユーザの意図したスライド動作として誤検出されることを防止することができる。
特開2018-128957号公報
しかしながら、特許文献1に開示された制御装置では、押圧力が動作モードの判定トリガーとなるため、撮像装置のグリップ部のようにユーザが常に把持する場所に操作入力装置を搭載した場合、常に押圧力が検出されるため、誤検出を防止することができない。
そこで本発明は、誤検出を低減して高品位な操作入力が可能な操作入力装置および電子機器を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての操作入力装置は、把持部における静電容量を検出する第1の検出手段と、前記把持部における圧力を検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段により検出された前記圧力の変化に基づいて、前記第1の検出手段の検出値を用いるか否かを判定する制御手段とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、誤検出を低減して高品位な操作入力が可能な操作入力装置および電子機器を提供することができる。
本実施形態におけるカメラ本体の外観斜視図である。 本実施形態における撮像装置のブロック図である。 本実施形態におけるカメラ本体の操作入力装置の説明図である。 本実施形態におけるグリップ部の分解斜視図である。 本実施形態における操作入力装置のスライド入力の説明図である。 本実施形態におけるシステム制御部、メモリ、およびシステムメモリのブロック図である。 本実施形態における圧力センサの検出値と変化量との関係を示す概要図である。 本実施形態における制御方法のフローチャートである。 本実施形態におけるビデオカメラの外観斜視図である。 本実施形態におけるHMDの外観斜視図である。 本実施形態におけるHMDコントローラの外観斜視図である。 本実施形態におけるゲームコントローラの外観斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1(a)、(b)を参照して、本実施形態におけるカメラ本体(デジタルカメラ)100について説明する。図1(a)、(b)はカメラ本体100の外観斜視図であり、図1(a)は前面から見た図、図1(b)が背面から見た図をそれぞれ示す。カメラ本体100は、交換レンズとしてのレンズ装置200(図2参照)を装着可能なレンズ交換式カメラである。ただし、本実施形態は、これに限定されるものではなく、カメラ本体とレンズ装置とが一体的に構成された撮像装置にも適用可能である。本実施形態において、互いに直交するX軸およびZ軸を定義し、X軸およびZ軸のそれぞれに対して直交する軸をY軸と定義する。Z軸方向は撮像装置10の光軸OAに平行な方向である。
図1(b)に示されるように、メイン表示部11は、カメラ本体100の背面に設けられ、画像や各種情報を表示する。メイン表示部11の表示面にタッチパネルを有する構成の場合、表示面(操作面)に対するタッチ操作を検出することができる。サブ表示部12は、シャッタ速度や絞り値(F値)などのカメラ本体100の種々の設定値を表示する。カメラ本体100は覗き込み型ファインダを備え、接眼部20を介して内部のEVF(Electronic View Finder)に表示された映像を視認することができる。接眼検知部22は、接眼部20に対する目の接近(接眼)および離反(離眼)を検知する。
カメラ本体100は、ユーザが各種の操作に用いる操作部材を有する。本実施形態において、カメラ本体100の上面部には、操作部材として、メイン電子ダイヤル31、電源スイッチ32、サブ電子ダイヤル33、動画ボタン36、モード切替スイッチ41、およびシャッタボタン42が配置されている。メイン電子ダイヤル31は、回転操作部材であり、その回転によりシャッタ速度や絞り値等の設定値の変更等の指示が行われる。電源スイッチ32は、カメラ本体100の電源のONおよびOFFを切り替える操作部材である。サブ電子ダイヤル33は、回転操作部材であり、その回転により選択枠の移動や画像送り等の指示が行われる。動画ボタン36は、動画撮影(記録)の開始、停止の指示に用いられる。モード切替スイッチ41は、各種モードを切り替えるための操作部材である。シャッタボタン42は、被写体側に配置され、撮影指示を行うための操作部材である。
また本実施形態において、カメラ本体100の背面部には、操作部材として、十字キー34、SETボタン35、AEロックボタン37、拡大ボタン38、再生ボタン39、およびメニューボタン40が配置されている。十字キー34は、上下左右の各部分をそれぞれ押し込み可能な十字キー(4方向キー)である。SETボタン35は、押しボタンであり、主に選択項目の決定等に用いられる。AEロックボタン37は、撮影待機状態で押下され、露出状態を固定することができる。拡大ボタン38は、ライブビュー表示において拡大モードのON/OFFを行うための操作部材である。再生ボタン39は、撮影モードと再生モードとを切り替える操作部材である。メニューボタン40は、各種の設定用のメニュー画面をメイン表示部11に表示するための操作部材である。
また本実施形態において、グリップ部(把持部)60の内部に、操作入力装置としての静電容量センサ(第1の検出手段)63および圧力センサ(第2の検出手段)64が配置されている(図2参照)。静電容量センサ63は、グリップ部60における静電容量を検出する。圧力センサ64は、グリップ部60における圧力を検出する。このような構成により、ユーザのカメラ把持状態や指の動きを検出することができる。
記録媒体300(図2参照)を格納したスロットの蓋50は、カメラ本体100の側面部に配置されている。通信端子51は、カメラ本体100がレンズ装置と通信を行う為の通信端子である。端子カバー52は、カメラ本体100の側面部に配置され、外部機器とカメラ本体100とを電気的に接続する接続ケーブル等のコネクタ(不図示)を保護する。
グリップ部60は、ユーザがカメラ本体100を構えた際に右手で握りやすい形状とした把持部である。ユーザがグリップ部60を右手の小指、薬指、中指で握ってカメラ本体100を把持した状態において、右手の人差指で操作可能な位置に、シャッタボタン42およびメイン電子ダイヤル31が配置されている。この状態において右手の親指で操作可能な位置には、サブ電子ダイヤル33、十字キー34、SETボタン35、AEロックボタン37、拡大ボタン38、および再生ボタン39が配置されている。
次に、図2を参照して、撮像装置10の内部構成について説明する。図2は、撮像装置10のブロック図である。撮像装置10は、カメラ本体100と、カメラ本体100に対して着脱可能なレンズ装置200とを備えて構成される。カメラ本体100はシステム制御部(制御手段)80を備え、レンズ装置200はレンズシステム制御回路203を備え、両者は互いに通信可能である。
まず、カメラ本体100の構成を説明する。接眼検知部22は、赤外線近接センサ等を有し、ファインダの接眼部20に対する接眼および離眼を検知する。システム制御部80は、接眼検知部22による検知状態に応じて、メイン表示部11とEVF21の表示状態と非表示状態とを切り替える。具体的には、少なくとも撮影待機状態で、かつ、自動切替である場合、非接眼中にメイン表示部11の表示がオンとなり、EVF21が非表示となる。また、接眼中にはEVF21の表示がオンとなり、メイン表示部11は非表示となる。
操作部30は、システム制御部80に各種指示を入力する際にユーザが使用し、ユーザ操作を受け付ける入力部としての各種の操作部材を備える。操作部材については図1を参照して説明済みであり、例えば、メニューボタン40の押下によりメニュー画面がメイン表示部11に表示され、ユーザはメニュー画面を見ながら十字キー34やSETボタン35を用いて直感的に設定を行うことができる。また、拡大ボタン38により、拡大モードをONとしてからメイン電子ダイヤル31を操作することにより、ライブビュー画像の拡大、縮小の指示を行い、再生モードにて再生画像の拡大指示を行うことができる。
操作部30は、グリップ部60の内部に設けられた静電容量センサ63および圧力センサ64を含む。グリップ部60において、ユーザがカメラ本体100を把持する領域には静電容量センサ63および圧力センサ64が配置され、ユーザによるカメラ本体100の把持状態や指の動きを検出することができる。
システム制御部80は、モード切替スイッチ41からの信号により、動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード、または再生モード等に切り替える。第1シャッタスイッチ43および第2シャッタスイッチ44は、シャッタボタン42の操作によってON/OFFする段階式スイッチである。第1シャッタスイッチ43は、シャッタボタン42の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり、第1シャッタスイッチ信号SW1を発生する。システム制御部80はSW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備動作を開始させる。第2シャッタスイッチ44は、シャッタボタン42の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタスイッチ信号SW2を発生する。システム制御部80はSW2により、撮像部84からの信号読み出しから撮像された画像を記録媒体300に画像ファイルとして書き込むまでの一連の撮影処理を開始させる。
AEセンサ81は、レンズ装置200を通した被写体の輝度を測光し、測光結果をシステム制御部80に出力する。焦点検出部82は、撮像光学系の焦点状態を検出してシステム制御部80にデフォーカス量の情報を出力する。システム制御部80は当該情報に基づいてレンズ装置200を制御し、位相差AFを行う。焦点検出部82は、専用の位相差センサを有するか、または撮像部84が備える撮像素子(撮像面位相差センサ)を利用して焦点検出を行う。シャッタ83はフォーカルプレーンシャッタであり、システム制御部80の指令により撮像部84の露光時間を制御する装置である。
撮像部84は、撮像光学系を介して結像される光学像を電気信号に光電変換する撮像素子を備える。CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)を用いたイメージセンサが使用される。A/D変換器85は、撮像部84の出力するアナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器85の出力データは、画像処理部86およびメモリ制御部87を介して、或いは、メモリ制御部87を介してメモリ88に直接書き込まれる。
画像処理部86は、A/D変換器85からのデータ、またはメモリ制御部87からのデータに対してリサイズ処理や色変換処理等を行い、また、撮像画像のデータを用いて所定の演算処理を行う。演算結果に基づいてシステム制御部80は露光制御、測距制御を行い、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF処理、AWB処理、AE処理、EF処理等が行われる。
メモリ88は、撮像部84によって得られ、A/D変換器85によりデジタルデータに変換された画像データや、メイン表示部11、EVF21に表示するための画像データを格納する。また、システム制御部80の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいうプログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。また、静電容量センサ63の機能が有効/無効かの情報のモデルデータを記憶する機能も担う。メモリ88は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。またメモリ88は、画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。
D/A変換器89は、メモリ88に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換してメイン表示部11、EVF21に供給する。メモリ88に書き込まれた表示用の画像データは、メイン表示部11、EVF21により表示される。メモリ88に蓄積されたデジタル信号を、D/A変換器89においてアナログ変換して、メイン表示部11またはEVF21に逐次転送して表示させることにより、ライブビュー表示が行われる。サブ表示部駆動回路90はシステム制御部80の指令にしたがい、サブ表示部12の画面上にシャッタ速度や絞り値等の設定値を表示させる。
不揮発性メモリ91は、EEPROM等の電気的に消去および記録が可能なメモリであり、システム制御部80の動作用の定数、プログラム等を記憶している。システム制御部80は、例えばCPU(中央演算処理装置)を備え、カメラ本体100の全体を制御する。CPUは不揮発性メモリ91に記録されたプログラムを実行することで各処理を実現する。システムメモリ92は、例えばRAM(ランダム・アクセス・メモリ)が用いられ、システム制御部80の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ91から読み出したプログラム等が展開される。また、静電容量センサ63の有効/無効かの情報を蓄積する機能も担う。システムタイマ93は、各種制御に用いる時間や内蔵時計の時間を計測する。
電源制御部94は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。電源スイッチ32の操作信号をトリガーとして電源制御部94は、その検出結果およびシステム制御部80の指令にしたがい、内部のDC-DCコンバータを制御し、記録媒体300を含む各部への電源供給を行う。電源部95は一次電池または二次電池、ACアダプタ等を備える。
記録媒体I/F(インターフェース)部96は、記録媒体300とシステム制御部80とを接続する。撮像画像データ等を記録する記録媒体300は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。例えば、撮影モード中にユーザが再生ボタン39を押下すると、再生モードに移行し、記録媒体300に記録された画像のうち最新の画像をメイン表示部11に表示させることができる。
通信部97は、映像信号や音声信号の送受信を行う際、ネットワークに接続可能である。通信部97は撮像部84による撮像画像データや記録媒体300に記録された画像データを外部機器へ送信可能であり、また外部機器から画像データや各種情報を受信可能である。
姿勢検知部98は、加速度センサやジャイロセンサ等を備え、重力方向に対するカメラ本体100の姿勢を検知する。例えば、姿勢検知部98で検知された姿勢に基づいて、ユーザがカメラ本体100を横に構えているか、縦に構えているかを判別可能であり、パンニング等の状態や静止状態を検知可能である。
次に、レンズ装置200の構成を説明する。レンズ装置200は、ズームレンズおよびフォーカスレンズ等のレンズユニットを備えるが、図2では1枚のレンズ201として簡略的に示される。レンズ装置200は、カメラ本体100と通信を行う通信端子202を備える。レンズ装置200は、通信端子51、202を介してシステム制御部80と通信可能である。レンズシステム制御回路203は、システム制御部80の指令にしたがって、絞り駆動回路204とAF駆動回路206を制御する。絞り駆動回路204を介して絞り205の制御が行われ、AF駆動回路206を介して、レンズ201内のフォーカスレンズの位置を変位させることで焦点調節制御が行われる。
次に、図3および図4を参照して、本実施形態における操作入力装置について説明する。図3は、カメラ本体100の操作入力装置の説明図であり、カメラ本体100に操作入力装置を適用したときの検出範囲(操作検出範囲)を示している。図3に示されるように、操作入力装置の検出範囲は、グリップ部60のハッチングで示す範囲60aである。操作入力装置は、グリップ部60を把持する中指、薬指、小指(図5参照)の接触、押圧、スライド操作など(すなわち、静電容量および圧力)を略同時に検出することが可能である。
図4(a)~(c)は、グリップ部60の構成部品を表す分解斜視図である。図4(a)に示されるように、グリップ部60は、外観面から順に、弾性部材61、外装部材62、静電容量センサ63、圧力センサ64、およびベース部材65が層状に(重なり合って)配置されて構成される。外観面は、操作入力装置の外観上の外表面である。静電容量センサ63の検出精度を考慮すると、静電容量センサ63は圧力センサ64よりも外表面に近い位置に配置されることが望ましい。ただし本実施形態において、グリップ部60の構成部品の配置順序は、図4(a)に示される順序に限定されるものではない。例えば、図4(b)に示されるように、外観面から順に、弾性部材61、静電容量センサ63、圧力センサ64、外装部材62、およびベース部材65を配置しても良い。または、図4(c)に示されるように、外観面から順に、弾性部材61、静電容量センサ63、外装部材62、圧力センサ64、およびベース部材65を配置しても良い。
次に、図5を参照して、操作入力装置のスライド入力(スライド操作)について説明する。図5(a)は、グリップ部60を把持する中指を用いてカメラ本体100の前方にスライド操作する一連の流れの説明図である。図5(b)は、カメラ本体100の後方にスライド操作する一連の流れの説明図である。なお、図5(a)、(b)において、+Z方向および-Z方向をそれぞれ「カメラ前方」、「カメラ後方」とする。また本実施形態において、ユーザがカメラ本体100の撮影パラメータの変更を行うために、スライド操作をすることを想定している。
図5(a)に示されるように、カメラ前方へのスライド操作は、動作(1)~(4)に大別できる。動作(1)に示される把持状態から動作(2)に示されるスライド操作に移行するには、ユーザは把持するためにグリップ部60を押圧していた中指を、スライド操作するためにカメラ前方に動かす。このときユーザは、中指をグリップ部60の表面に押し付けながら、または表面を軽くさするような動作でグリップ部60の表面に略一定の押圧力をかけた状態でスライド操作を行う。グリップ部60のカメラ前方の端までスライド操作すると、動作(3)に示されるように中指は一度グリップ表面から離れる。その後、動作(4)のようにユーザは元の把持状態に戻すため、またはさらに追加でスライド操作を行うため、中指をカメラ後方に戻す。中指が動作(1)の把持状態の位置に戻った後、撮影動作に移行するか、続けてパラメータ変更を行う。この工程においてユーザの意図するスライド操作は、把持状態から中指をカメラ前方に移動させる動作(2)のみである。
次に、図5(b)に示されるように、カメラ後方へのスライド操作は動作(1)から動作(4)に大別できる。カメラ後方にスライド操作するには、ユーザはグリップ部60を把持するために押圧していた中指を、一度カメラ前方に抜く(動作(2))必要がある。一度指を抜いた(動作(3))後、ユーザは中指をグリップ部60の表面に押し付けながら、または表面を軽くさするような動作で表面に略一定の圧力をかけた状態で、カメラ後方にスライド操作を行う。中指が把持状態の位置に戻った後、撮影動作に移行するか、続けてパラメータ変更を行う。この工程においてユーザの意図するスライド操作は、一度抜いた中指を把持状態位置に戻しながらカメラ後方に移動させる動作(4)のみである。なお、動作(1)におけるグリップ部60に対する中指の位置によっては、動作(2)および動作3を省略して動作(4)に移行することも可能である。
このようなスライド操作を想定した場合、タッチパネルのような静電容量センサのみを搭載した入力装置や特許文献1に開示されている制御装置では、ユーザの意図するスライド操作と意図しない動作とを切り分けることができない。例えば、ユーザの意図するスライド操作(図5(a)中の動作(2)や図5(b)中の動作(4)のようなユーザの意図するスライド操作と、図5(a)中の動作(4)や図5(b)中の動作(2)のような意図しない動作とを切り分けることができない。このため、どちらもスライド操作された、またはどちらもスライド操作されていないと誤検出してしまう。
また、通常、カメラ本体100を使用する際には、レンズマウント53に不図示のレンズが装着されており、ユーザは、レンズとグリップ部60の限られたすき間で操作を行う必要がある。そのため、誤検出を防止するためにグリップ部60の表面から指を浮かした状態で指を移動することが難しく、ユーザの意図しない誤検出に繋がりやすい構成となっている。一方、レンズとグリップ部60とのすき間を広くするためにグリップ形状を変更することは、カメラ本体100の大型化やグリップ性の低下に繋がるため、望ましくない。
次に、図6乃至図8を参照して、操作入力装置に入力された信号がユーザの意図する入力か否かの判別方法について説明する。図6は、システム制御部80、メモリ88、およびシステムメモリ92のブロック図である。システムメモリ92の蓄積領域92aは、有限バッファなどで構成される。メモリ88の記憶領域88aは、モデルデータとそれに準ずるルールベースを記憶しており、判定部80cにより信号のパターンマッチングを行う際に参照される。システム制御部80の演算部80aは、グリップ部60の静電容量センサ63から出力された信号に対して絶対変位量を演算し、システム制御部80の制御部80bへ出力する。
システム制御部80の制御部80bは、演算部80aから閾値を上回る信号が出力された場合のみ、グリップ部60の静電容量センサ63および圧力センサ64から出力された信号を蓄積させる制御を行う。システム制御部80の判定部80cは、蓄積領域92aに蓄積された信号と記憶領域88aに記憶された信号のパターンマッチングを行い、ルールベースに基づいて蓄積領域92aに蓄積された信号を「キャンセル」若しくは「パラメータ変更」に分類する。パラメータ変更と分類された場合は撮影パラメータ変更を行うためにパラメータ制御部80eに出力する。
パラメータ制御部80eは判定部80cからの分類結果に基づいて撮影パラメータを変更する。システム制御部80の学習部80dは、蓄積領域92aに蓄積された信号と記憶領域88aに記憶された信号のパターンマッチング(分類)を判定部80cで行う。その後、分類結果が誤っていると判定された場合に、蓄積領域92aに蓄積された信号を正しいモデルデータに学習し、記憶領域88aに記憶された学習モデルを更新する。分類結果の正誤判定は、ユーザの操作検知により行う。なお学習部80dは、本実施形態に必須ものではなく、学習部80dを設けなくても良い。
機械学習の具体的なアルゴリズムとしては、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシンなどが挙げられる。また、ニューラルネットワークを利用して、学習するための特徴量、結合重み付け係数を自ら生成する深層学習(ディープラーニング)も挙げられる。適宜、上記アルゴリズムのうち利用できるものを用いて本実施形態に適用することができる。
図7は、図5(a)に示されるユーザがパラメータ変更をするためにカメラ後方から前方にかけて繰り返しスライド操作を行った時の、圧力センサ64に加えられる圧力の検出値と圧力変化量との関係を示す概要図である。グラフの横軸は時間、縦軸は圧力(実線)および圧力変化量(破線)の大きさをそれぞれ示す。グラフ上部に示される長丸は、グリップ部60をスライド操作する時間を示し、グラフ下部の番号はグラフの下に示されるスライド操作のどの動作に相当するかを示している。
図7に示されるように、スライド操作が行われるのは動作(2)と動作(4)である。このうち、動作(2)で検出される操作はユーザの意図した操作であり、フェーズ(4)で検出される操作はユーザの意図しないものである。破線で示した圧力変化量は実線で示す圧力の時間微分値であり、動作(2)では小さく、動作(4)で大きくなっている。すなわち、ユーザの意図するスライド操作においては操作中の圧力変化量が小さく、ユーザの意図しない操作においては、グリップ部60を握りこみながら若しくは離しながらスライド操作を行うため、操作中の圧力変化量は大きくなる。
制御部80bは、入力されたスライド操作がユーザの意図するものかを判定する。その判定基準として、ユーザの把持状態の圧力に対するスライド操作時の圧力変化量が用いられる。本実施形態では、圧力の絶対値ではなく操作中の圧力変化量を用いて操作の有効性を判別するため、常に圧力が加わっているグリップ部60のような場所にも適応可能である。
学習部80dは、誤差検出部と更新部とを備えてもよい。誤差検出部は、入力層に入力される入力データに応じてニューラルネットワークの出力層から出力される出力データと、モデルデータとの誤差を得る。誤差検出部は、損失関数を用いて、ニューラルネットワークからの出力データとモデルデータとの誤差を計算するようにしてもよい。学習部80dを含むことで、ユーザ個々のクセや好みにも対応可能となり、使用していくにつれて分類精度が向上し、誤検出のないユーザの意図した通りの操作ができる。
更新部は、誤差検出部で得られた誤差に基づいて、その誤差が小さくなるように、ニューラルネットワークのノード間の結合重み付け係数等を更新する。この更新部は、例えば、誤差逆伝播法を用いて、結合重み付け係数等を更新する。誤差逆伝播法は、前述の誤差が小さくなるように、各ニューラルネットワークのノード間の結合重み付け係数等を調整する手法である。
図8は、入力されたスライド操作(スライド入力)がユーザの意図するスライド操作か否かを判別する方法(制御方法)のフローチャートである。図8の各ステップは、主に、システム制御部80により実行される。
まずステップS01において、カメラ本体100の電源スイッチ32がONの状態で、電源が各ユニットに供給されている(準備状態)。続いてステップS02において、システム制御部80は、圧力センサ64を用いて、グリップ部60に加えられている圧力(把持状態の圧力)を検出する。続いてステップS03において、システム制御部80は、圧力センサ64に加えられた圧力(把持状態の圧力)を初期の把持力としてシステムメモリ92の蓄積領域92aに蓄積する。
続いてステップS04において、システム制御部80は、スライド入力を検出したか否かを判定する。具体的には、静電容量センサ63がスライド操作を検出すると、信号はシステム制御部80の演算部80aに送られてスライド操作の絶対変位量が算出され、システム制御部80の制御部80bへ出力される。スライド入力が検出されない場合、ステップS04を繰り返す。一方、スライド入力が検出された場合、ステップS05に進む。
ステップS05において、システム制御部80の制御部80bは、演算部80aから出力されたスライド操作(スライド入力)の絶対変位量(スライド量)が閾値よりも大きいか否かを判定する。スライド量が閾値よりも大きい場合、システム制御部80は、静電容量センサ63および圧力センサ64から出力された信号を蓄積させる制御を行う。一方、スライド量が閾値よりも小さい場合、ステップS08に進む。
ステップS06において、システム制御部80は、圧力センサ64を用いて圧力の変化を検出したか否かを判定する。具体的には、システム制御部80の演算部80aは、圧力センサ64で検出された信号に基づいて圧力の時間変化量を算出し、制御部80bを介してシステムメモリ92の蓄積領域92aに蓄積する。圧力の変化が検出された場合、ステップS07に進む。一方、圧力の変化が検出されない場合、ステップS09に進む。
ステップS07において、システム制御部80の判定部80cは、システムメモリ92の蓄積領域92aに蓄積された、スライド量(静電容量)と圧力の時間変化量(圧力の変化)とを取得する。そして判定部80cは、圧力の時間変化量がメモリ88の記憶領域88aに記憶されている閾値(所定の閾値)よりも大きいか否か(圧力の変化が閾値よりも大きいか否か)を判定する。なお閾値は、ユーザが事前に設定された値を用いることができる。または閾値は、システム制御部80の学習部80dにより算出された、ユーザのクセや好みを反映した値でもよい。この場合、システム制御部80は、学習部80dにより蓄積された学習データに基づいて閾値を決定する。またはシステム制御部80は、静電容量センサ63および圧力センサ64によりそれぞれ検出された静電容量および圧力を用いて判別された押圧体に基づいて、押圧体に適した閾値を決定してもよい。ステップS07にて圧力の変化が閾値よりも大きい場合、判定部80cはスライド入力が無効であると判定し、ステップS08に進む。一方、圧力の変化が閾値よりも小さい場合、判定部80cはスライド入力が有効であると判定し、ステップS09に進む。
ステップS08において、システム制御部80は、ステップS07にて無効と判定された信号(スライド入力)をキャンセル(無視)し、スライド入力の検出ステップであるステップS04に戻る。
ステップS09において、システム制御部80のパラメータ制御部80eは、ステップS07にて有効と判定された信号(スライド入力)を取得し、その信号に基づいてパラメータを変更する。パラメータは、電子機器がカメラ本体100である場合、カメラ本体100の絞り値やシャッタスピードなどの任意の撮像パラメータなどであるが、これに限定されるものではない。
なお本実施形態において、ユーザの中指のみによる操作を想定しているが、薬指のみでの操作や複数の指を組み合わせた操作など操作に使用する部位は限定されるものではない。システム制御部80は、接触する位置や初期の把持力などに基づいて、どの指による操作であるかを判定し、それぞれの指に適した圧力変化量の閾値を割り当てることも可能である。
以上、本実施形態の操作入力装置をデジタルカメラに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、操作入力装置をデジタルカメラ以外の撮像装置や、撮像装置以外の電子機器にも適用可能である。
次に、図9乃至図12を参照して、本実施形態の操作入力装置をデジタルカメラ以外の電子機器に適用した場合の構成例について説明する。図9(a)は、電子機器としてのビデオカメラ101の外観斜視図である。図9(b)は、ビデオカメラ101を右手で把持した状態を示す斜視図である。図9(a)中のハッチング部101aは、ビデオカメラ101に本実施形態の操作入力装置を適用したときの検出範囲を示し、図9(b)に示される親指以外の指により操作が可能である。操作を行うことで動画撮影中にズーム切替やシャッタスピードの変更などの撮影パラメータの変更に用いることができる。また、従来搭載されている機械的な操作部に対してフラットな表面形状にすることができ、確実なグリップを実現することが可能となる。
図10(a)、(c)は、電子機器としてのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)102の外観斜視図である。図10(b)、(d)は、HMD102を右手で把持した状態を示す斜視図である。図10(a)、(c)中のハッチング部102aは、HMD102に本発明の操作入力装置を適用したときの検出範囲を示している。HMD102被った状態で操作を行う場合、ユーザは操作部を目視で確認することが難しく、機械的な操作部を用いた簡単な操作しか行うことができない。本実施形態の操作入力装置を適用することで検出範囲内の任意の場所で操作が可能となり、一般的なタッチパネルで行える直感的な操作が可能となる。
図11(a)は、電子機器としてのHMDコントローラ(HMDに付属するコントローラ)103の外観斜視図である。図11(b)は、HMDコントローラ103を右手で把持した状態を示す斜視図である。図11(a)中のハッチング部103aは、HMDコントローラ103に本実施形態の操作入力装置を適用したときの検出範囲を示している。HMDコントローラ103に適用することで、従来のコントローラに対して入力機能を拡張することができる。
図12(a)、(c)は、電子機器としてのゲームコントローラ104の外観斜視図である。図12(b)、(d)は、ゲームコントローラ104を右手で把持した状態を示す斜視図である。図12(a)、(c)中のハッチング部104aは、ゲームコントローラ104に本実施形態の操作入力装置を適用したときの検出範囲を示している。操作入力装置をゲームコントローラ104に適用することで、従来のコントローラに対して入力機能を拡張することができる。
以上のように、制御手段(システム制御部80)は、第2の検出手段(圧力センサ64)により検出された圧力の変化(圧力の時間微分値)に基づいて、第1の検出手段(静電容量センサ63)の検出値を用いるか否かを判定する。好ましくは、制御手段は、圧力の変化が所定の閾値よりも大きい場合、第1の検出手段の検出値を用いない。本実施形態によれば、ユーザの意図しないスライド入力による誤検出を低減して高品位な操作入力が可能な操作入力装置および電子機器を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
63 静電容量センサ(第1の検出手段)
64 圧力センサ(第2の検出手段)
80 システム制御部(制御手段)

Claims (9)

  1. 把持部における静電容量を検出する第1の検出手段と、
    前記把持部における圧力を検出する第2の検出手段と、
    前記第2の検出手段により検出された前記圧力の変化に基づいて、前記第1の検出手段の検出値を用いるか否かを判定する制御手段と、を有することを特徴とする操作入力装置。
  2. 前記制御手段は、前記圧力の変化が所定の閾値よりも大きい場合、前記第1の検出手段の前記検出値を用いないことを特徴とする請求項1に記載の操作入力装置。
  3. 前記圧力の変化は、前記圧力の時間微分値であることを特徴とする請求項1または2に記載の操作入力装置。
  4. 前記第1の検出手段および前記第2の検出手段は、重なり合って配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の操作入力装置。
  5. 前記静電容量および前記圧力は、前記第1の検出手段および前記第2の検出手段によりそれぞれ同時に検出されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の操作入力装置。
  6. 前記制御手段は、前記第1の検出手段および前記第2の検出手段によりそれぞれ検出された前記静電容量および前記圧力を用いて判別された押圧体に基づいて、前記所定の閾値を決定することを特徴とする請求項2に記載の操作入力装置。
  7. 前記制御手段は、学習部により蓄積された学習データに基づいて、前記所定の閾値を決定することを特徴とする請求項2に記載の操作入力装置。
  8. 前記第1の検出手段は、静電容量センサであり、
    前記第2の検出手段は、圧力センサであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の操作入力装置。
  9. 把持部と、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の操作入力装置と、を有することを特徴とする電子機器。
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