JP2023019092A - 搬送システム、搬送システムの制御方法、加工システム、物品の製造方法及びモータ - Google Patents

搬送システム、搬送システムの制御方法、加工システム、物品の製造方法及びモータ Download PDF

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Abstract

【課題】小型の可動子の場合や固定子の配列に大きな制約がある場合であっても可動子をより安定して非接触状態で搬送することができる搬送システムを提供する。【解決手段】搬送システムは、磁性体を有する可動子と、磁性体に対向可能に第1の方向に沿って配置された複数のコイルを有し、電流が印加された前記複数のコイルにより磁性体に対して力を印加する固定子と、複数のコイルに印加する電流を制御して、磁性体に対して第1の方向、第1の方向と交差する第2の方向並びに第1の方向及び第2の方向と交差する第3の方向に力を印加する制御部とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、搬送システム、搬送システムの制御方法、加工システム、物品の製造方法及びモータに関する。
一般に、工業製品を組み立てるための生産ラインや半導体露光装置等では、搬送システムが用いられている。特に、生産ラインにおける搬送システムは、ファクトリーオートメーション化された生産ライン内又は生産ラインの間の複数のステーションの間で、部品等のワークを搬送する。また、プロセス装置中の搬送装置として使われる場合もある。搬送システムとしては、可動磁石型リニアモータによる搬送システムが既に提案されている。
可動磁石型リニアモータによる搬送システムでは、リニアガイド等の機械的な接触を伴う案内装置を使って搬送システムを構成する。しかしながら、リニアガイド等の案内装置を使った搬送システムでは、リニアガイドの摺動部から発生する汚染物質、例えば、レールやベアリングの摩耗片や潤滑油、あるいはそれが揮発したもの等が生産性を悪化させるという問題があった。また、高速搬送時には摺動部の摩擦が大きくなってリニアガイドの寿命を短くするという問題があった。
そこで、特許文献1には、可動子を非接触で搬送可能な磁気浮上型の搬送システムが記載されている。特許文献1で記載の搬送システムでは、磁極の極性が交互に異なるように可動子の搬送方向に沿って配置された複数の永久磁石と、磁極の極性が交互に異なるように搬送方向と交差する方向に沿って配置された複数の磁石とが可動子に配置されている。特許文献1に記載の搬送システムは、かかる可動子に対して、電流が印加された複数のコイルにより6軸の独立した力を印加して可動子を搬送する。
特開2020-28212号公報
しかしながら、特許文献1に記載の搬送システムでは、搬送方向とそれに直交する方向の磁石の領域が平面内で分割されているため、コイルに印加される単位電流当たりの力に偏りがあった。そのため、特許文献1に記載の搬送システムでは、特に小型の可動子の場合や固定子の配列に大きな制約がある場合に可動子を安定して搬送することが困難となるおそれがあった。
本発明は、小型の可動子の場合や固定子の配列に大きな制約がある場合であっても可動子をより安定して非接触状態で搬送することができる搬送システムを提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、磁性体を有する可動子と、前記磁性体に対向可能に第1の方向に沿って配置された複数のコイルを有し、電流が印加された前記複数のコイルにより前記磁性体に対して力を印加する固定子と、前記複数のコイルに印加する電流を制御して、前記磁性体に対して前記第1の方向、前記第1の方向と交差する第2の方向並びに前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向に前記力を印加する制御部とを有することを特徴とする搬送システムが提供される。
本発明の他の観点によれば、磁性体を有する可動子と、第1の方向に沿って前記磁性体に対向可能に配置された複数のコイルを有し、電流が印加された前記複数のコイルにより前記磁性体に力を印加する固定子とを有する搬送システムの制御方法であって、前記複数のコイルに印加する電流を制御して、前記磁性体に対して前記第1の方向、前記第1の方向と交差する第2の方向並びに前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向に前記力を印加することを特徴とする制御方法が提供される。
本発明によれば、小型の可動子の場合や固定子の配列に大きな制約がある場合であっても可動子をより安定して非接触状態で搬送することができる。
本発明の第1実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおけるコイル及びコイルに関連する構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態よる搬送システムを制御する制御システムを示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおける可動子の姿勢制御方法を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおいて可動子の位置及び姿勢を制御するための制御ブロックの一例を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおける可動子に設置された磁性体を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおける可動子に設置された磁性体を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおけるq軸方向、d軸方向及びY軸方向の推力定数プロファイルを模式的に示すグラフである。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおける可動子に設置された磁性体を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムの構成を示す平面図である。 本発明の第2実施形態による搬送システムにおける可動子に設置された磁性体を示す概略図である。 本発明の第2実施形態による搬送システムにおけるq軸方向、d軸方向及びY軸方向の推力定数プロファイルを模式的に示すグラフである。 本発明の第2実施形態による搬送システムの構成を示す平面図である。 本発明の第2実施形態による搬送システムの別の構成を示す平面図である。 本発明の第3実施形態による搬送システムにおける可動子に設置された磁性体を示す概略図である。 本発明の第4実施形態による搬送システムにおける可動子に設置された磁性体を示す概略図である。 本発明の第4実施形態による搬送システムにおける可動子に設置された磁性体を示す概略図である。 本発明の第4実施形態による搬送システムにおける可動子に設置された磁性体を示す概略図である。 本発明の第4実施形態による搬送システムにおける可動子に設置された磁性体を示す概略図である。 本発明の第5実施形態による回転機器を示す概略図である。 本発明の第5実施形態による回転機器を示す概略図である。 本発明の第5実施形態による回転機器の説明に用いる座標軸及び方向を示す概略図である。 本発明の第5実施形態による回転機器において回転子の変位を算出する方法を説明する概略図である。 本発明の第5実施形態を説明する概略図である。 本発明の第5実施形態を説明する概略図である。 本発明の第5実施形態を説明する概略図である。 本発明の第5実施形態を説明する概略図である。 本発明の第5実施形態による回転機器の制御部を示す概略図である。 本発明の第5実施形態による回転機器において回転子の位置及び姿勢を制御するための制御ブロックの一例を示す概略図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図1乃至図6を用いて説明する。
まず、本実施形態による搬送システム1の構成について図1乃至図3を用いて説明する。図1及び図2は、本実施形態による可動子101及び固定子201を含む搬送システム1の構成を示す概略図である。なお、図1及び図2は、それぞれ可動子101及び固定子201の主要部分を抜き出して示したものである。また、図1は可動子101を斜め上方から見た図、図2は可動子101及び固定子201を後述のX方向から見た図である。図3は、搬送システム1におけるコイル202及びコイル202に関連する構成を示す概略図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態による搬送システム1は、キャリア、台車又はスライダを構成する可動子101と、搬送路を構成する固定子201とを有している。また、搬送システム1は、統合コントローラ301と、コイルコントローラ302と、コイルユニットコントローラ303と、センサコントローラ304とを有している。なお、図1では、可動子101として3つの可動子101a、101b、101c、固定子201として2つの固定子201a、201bを示している。以後、可動子101、固定子201等の複数存在しうる構成要素について特に区別する必要がない場合には共通の数字のみの符号を用い、必要に応じて数字の符号の後に小文字のアルファベットを付して個々を区別する。また、可動子101のR側の構成要素とL側の構成要素とを区別する場合には、小文字のアルファベットの後にR側を示すR又はL側を示すLを付す。
本実施形態による搬送システム1は、固定子201のコイル202と可動子101の磁性体103との間で電磁力を発生させて可動子101を搬送する誘導型リニアモータによる搬送システムである。また、本実施形態による搬送システム1は、可動子101を浮上させて非接触で搬送する磁気浮上型の搬送システムである。本実施形態による搬送システム1は、可動子101により搬送されたワーク102に対して加工を施す工程装置をも有する加工システムの一部を構成している。
搬送システム1は、例えば、固定子201により可動子101を搬送することにより、可動子101に保持されたワーク102を、ワーク102に対して加工作業を施す工程装置に搬送する。工程装置は、特に限定されるものではないが、例えば、ワーク102であるガラス基板上に成膜を行う蒸着装置、スパッタ装置等の成膜装置である。なお、図1では、2台の固定子201に対して3台の可動子101を示しているが、これらに限定されるものではない。搬送システム1においては、1台又は複数台の可動子101が1台又は複数台の固定子201上を搬送されうる。
ここで、以下の説明において用いる座標軸、方向等を定義する。まず、可動子101の搬送方向である水平方向に沿ってX軸をとり、可動子101の搬送方向をX方向とする。また、X方向と直交する方向である鉛直方向に沿ってZ軸をとり、鉛直方向をZ方向とする。鉛直方向は、重力の方向(mg方向)である。また、X方向及びZ方向に直交する方向に沿ってY軸をとり、X方向及びZ方向に直交する方向をY方向とする。さらに、X軸周りの回転方向をWx方向、Y軸周りの回転方向をWy方向、Z軸周りの回転方向をWz方向とする。また、乗算の記号として“*”を使用する。また、可動子101の中心を原点Ocとし、Y+側をR側、Y-側をL側として記載する。なお、可動子101の搬送方向は必ずしも水平方向である必要はないが、その場合も搬送方向をX方向として同様にY方向及びZ方向を定めることができる。なお、X方向、Y方向及びZ方向は、必ずしも互いに直交する方向に限定されるものではなく、互いに交差する方向として定義することもできる。
また、搬送方向の変位を位置とし、それ以外の方向の変位を姿勢とし、位置と姿勢とを合わせて状態と定義する。また以下の説明で用いるq軸及びd軸の表記は、それぞれ一般的に同期式モータ制御で用いられるベクトル制御におけるq軸及びd軸の表記と同様である。q軸に沿った方向をq軸方向とし、d軸に沿った方向をd軸方向とする。本実施形態では、q軸がX軸、d軸がZ軸に相当し、q軸方向がX方向、d軸方向がZ方向に相当する。
また、以下の説明において用いる記号は、次のとおりである。
Oc:可動子101の原点(中心)
j:コイル202を特定するための指標
(ただし、jは、Nを2以上の整数として1≦j≦Nを満たす整数である。)
N:コイル202の設置数
Ij:j番目のコイル202に印加される電流量
P:可動子101の位置及び姿勢を含む状態(X,Y,Z,Wx,Wy,Wz)
X(j,P):j番目のコイル202に対向する永久磁石の状態Pの可動子101の中心からのX座標
Y(j,P):j番目のコイル202に対向する永久磁石の状態Pの可動子101の中心からのY座標
Z(j,P):j番目のコイル202に対向する永久磁石の状態Pの可動子101の中心からのZ座標
なお、永久磁石とは、後述するように可動子101の磁性体103に含まれるものである。
Eq(j,P):j番目のコイル202に単位電流を印加した際の状態Pの可動子101に働くq軸方向の力
Ed(j,P):j番目のコイル202に単位電流を印加した際の状態Pの可動子101に働くd軸方向の力
Ey(j,P):j番目のコイル202に単位電流を印加した際の状態Pの可動子101に働くY方向の力
T:可動子101に印加する力
Tx:力TのX方向の力成分
Ty:力TのY方向の力成分
Tz:力TのZ方向の力成分
Twx:力TのWx方向のトルク成分
Twy:力TのWy方向のトルク成分
Twz:力TのWz方向のトルク成分
Σ:指標jを1からNまで変化させた場合の合計
ΣL:L側のコイル202の指標を変化させた場合の合計
ΣR:R側のコイル202の指標を変化させた場合の合計
*:行列、ベクトルの積
M:トルク寄与行列
K:疑電流ベクトル(列ベクトル)
Tq:トルクベクトル(列ベクトル)
Is:コイル電流ベクトル(列ベクトル)
Fs:コイル力ベクトル(列ベクトル)
M(a,b):トルク寄与行列Mのa行b列の要素
Inv():逆行列
Tr():転置行列
Tr(要素1,要素2,…):要素1、2、…を要素とする列ベクトル
図1中の矢印で示すように、可動子101は、搬送方向であるX方向に沿って移動可能に構成されている。可動子101は、磁性体103と、リニアスケール104と、Yターゲット105と、Zターゲット106とを有している。
磁性体103は、可動子101の上面において、R側及びL側のそれぞれの端部にX方向に沿って取り付けられて設置されている。各磁性体103は、後述するように永久磁石群1102、永久磁石群1103等を有している。なお、磁性体103の設置場所及び設置数は、図1及び図2に示す場合に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
リニアスケール104、Yターゲット105及びZターゲット106は、可動子101において、それぞれ固定子201に設置されたリニアエンコーダ204、Yセンサ205及びZセンサ206により読み取り可能な位置に取り付けられて設置されている。
固定子201は、コイル202と、リニアエンコーダ204と、Yセンサ205と、Zセンサ206とを有している。
コイル202は、可動子101の上面に設置された磁性体103にX方向に沿って対向可能なように固定子201にX方向に沿って複数取り付けられて設置されている。具体的には、複数のコイル202は、可動子101の上面におけるR側及びL側それぞれの端部に設置された2つの磁性体103にZ方向に沿って上方から対向可能なようにX方向に沿って2列に配置されて設置されている。なお、コイル202の設置場所及び設置数は、図1及び図2に示す場合に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
固定子201は、電流が印加された各コイル202により、搬送方向に沿って移動可能な可動子101に力を印加する。これにより、可動子101は、位置及び姿勢が制御されつつ搬送方向に沿って搬送される。
リニアエンコーダ204、Yセンサ205及びZセンサ206は、搬送方向に沿って移動する可動子101の位置及び姿勢を検出する検出部として機能する。
リニアエンコーダ204は、可動子101に設置されたリニアスケール104を読み取り可能なように固定子201に取り付けられて設置されている。リニアエンコーダ204は、リニアスケール104を読み取ることにより可動子101のリニアエンコーダ204に対する相対的な位置を検出する。
Yセンサ205は、可動子101に設置されたYターゲット105との間のY方向の距離を検出可能なように固定子201に取り付けられて設置されている。
Zセンサ206は、可動子101に設置されたZターゲット106との間のZ方向の距離を検出可能なように固定子201に取り付けられて設置されている。
可動子101は、例えば、その上又は下にワーク102が取り付けられ又は保持されて搬送されるようになっている。なお、図2では、ワーク102が可動子101の下に取り付けられた状態を示している。なお、ワーク102を可動子101に取り付け又は保持するための機構は、特に限定されるものではないが、機械的なフック、静電チャック等の一般的な取り付け機構、保持機構等を用いることができる。
また、図2には、ワーク102に対して加工作業を施す工程装置の例である蒸着装置701のチャンバ内に可動子101及び固定子201が組み込まれている場合を示している。蒸着装置701は、可動子101に取り付けられたワーク102に対して蒸着を行う蒸着源702を有している。蒸着源702は、可動子101の下部に取り付けられたワーク102に対向可能なように蒸着装置701のチャンバ内の下部に設置されている。蒸着源702の設置場所に搬送された可動子101の下部に取り付けられたワーク102である基板には、蒸着源702による蒸着により金属、酸化物等の薄膜が成膜される。このように、可動子101とともにワーク102が搬送され、搬送されたワーク102に対して工程装置により加工が施されて物品が製造される。
また、図1は、固定子201aと固定子201bの間に、例えばゲートバルブ等の構造物100が存在している場所を含む領域を示している。構造物100が存在する場所は、生産ライン内又は生産ラインの間の複数のステーションの間で、連続して電磁石やコイルを配置することができない場所になっている。
搬送システム1に対しては、これを制御する制御システム3が設けられている。なお、制御システム3は、搬送システム1の一部を構成しうる。制御システム3は、統合コントローラ301と、コイルコントローラ302と、コイルユニットコントローラ303と、センサコントローラ304とを有している。統合コントローラ301、コイルコントローラ302、コイルユニットコントローラ303及びセンサコントローラ304は、それぞれの処理に応じた制御プログラムを実行して各種の計算を実行することによりそれぞれの処理を実行する。統合コントローラ301には、コイルコントローラ302及びセンサコントローラ304が通信可能に接続されている。コイルコントローラ302には、複数のコイルユニットコントローラ303が通信可能に接続されている。センサコントローラ304には、複数のリニアエンコーダ204、複数のYセンサ205及び複数のZセンサ206が通信可能に接続されている。各コイルユニットコントローラ303には、コイル202が接続されている。
統合コントローラ301は、センサコントローラ304から送信されるリニアエンコーダ204、Yセンサ205及びZセンサ206からの出力に基づき、複数のコイル202に印加する電流指令値を決定する。統合コントローラ301は、決定した電流指令値をコイルコントローラ302に送信する。コイルコントローラ302は、統合コントローラ301から受信した電流指令値を各コイルユニットコントローラ303に送信する。コイルユニットコントローラ303は、コイルコントローラ302から受信した電流指令値に基づき、接続されたコイル202の電流量を制御する。
図3に示すように、各コイルユニットコントローラ303には、1個又は複数個のコイル202が接続されている。コイル202には、電流センサ312及び電流コントローラ313が接続されている。電流センサ312は、接続されたコイル202に流れる電流値を検出する。電流コントローラ313は、接続されたコイル202に流れる電流量を制御する。
コイルユニットコントローラ303は、コイルコントローラ302から受信した電流指令値に基づき、電流コントローラ313に所望の電流量を指令する。電流コントローラ313は、電流センサ312により検出された電流値を検出してコイル202に対して所望の電流量の電流が流れるように電流量を制御する。
次に、本実施形態による搬送システム1を制御する制御システム3についてさらに図4を用いて説明する。図4は、本実施形態による搬送システム1を制御する制御システム3を示す概略図である。
図4に示すように、制御システム3は、統合コントローラ301と、コイルコントローラ302と、センサコントローラ304とを有している。制御システム3は、可動子101と固定子201とを含む搬送システム1を制御する制御装置として機能する。統合コントローラ301には、コイルコントローラ302及びセンサコントローラ304が通信可能に接続されている。
コイルコントローラ302には、複数のコイルユニットコントローラ303が通信可能に接続されている。コイルコントローラ302及びこれに接続された複数のコイルユニットコントローラ303は、コイル202のそれぞれの列に対応して設けられている。各コイルユニットコントローラ303には、コイル202が接続されている。
コイルコントローラ302は、接続された各々のコイルユニットコントローラ303に対して目標となる電流値を指令することができる。コイルユニットコントローラ303は、接続されたコイル202の電流の大きさを制御することができる。
センサコントローラ304には、複数のリニアエンコーダ204、複数のYセンサ205及び複数のZセンサ206が通信可能に接続されている。
複数のリニアエンコーダ204は、可動子101の搬送中もそのうちの1つが必ず1台の可動子101の位置を測定できるような間隔で固定子201に取り付けられている。また、複数のYセンサ205は、そのうちの2つが必ず1台の可動子101のYターゲット105を測定できるような間隔で固定子201に取り付けられている。また、複数のZセンサ206は、その2列のうちの3つが必ず1台の可動子101のZターゲット106を測定できるような間隔でかつ面をなすように固定子201に取り付けられている。
統合コントローラ301は、リニアエンコーダ204、Yセンサ205及びZセンサ206からの出力に基づき、複数のコイル202に印加する電流指令値を決定して、コイルコントローラ302に送信する。コイルコントローラ302は、統合コントローラ301からの電流指令値に基づき、上述のようにコイルユニットコントローラ303に対して電流値を指令する。これにより、統合コントローラ301は、制御部として機能し、固定子201に沿って可動子101を非接触で搬送するとともに、搬送する可動子101の姿勢を6軸で制御する。
統合コントローラ301は、リニアエンコーダ204、Yセンサ205及びZセンサ206により取得された可動子101の位置及び姿勢に基づき、複数のコイル202に印加する電流を制御する。以下、統合コントローラ301により実行される可動子101の姿勢制御方法について図5を用いて説明する。図5は、本実施形態による搬送システム1における可動子101の姿勢制御方法を示す概略図である。図5は、可動子101の姿勢制御方法の概略について主にそのデータの流れに着目して示している。統合コントローラ301は、以下に説明するように、可動子位置算出関数401、可動子姿勢算出関数402、可動子姿勢制御関数403及びコイル電流算出関数404を用いた処理を実行する制御部として機能する。これにより、統合コントローラ301は、可動子101の姿勢を6軸で制御しつつ、可動子101の搬送を制御する。なお、統合コントローラ301に代えて、コイルコントローラ302が統合コントローラ301と同様の処理を実行するように構成することもできる。
まず、可動子位置算出関数401は、複数のリニアエンコーダ204からの測定値及びその取り付け位置の情報から、搬送路を構成する固定子201上にある可動子101の台数及び位置を計算する。これにより、可動子位置算出関数401は、可動子101に関する情報である可動子情報406の可動子位置情報(X)及び台数情報を更新する。可動子位置情報(X)は、固定子201上の可動子101の搬送方向であるX方向における位置を示している。可動子情報406は、例えば図5中にPOS-1、POS-2、…と示すように固定子201上の可動子101ごとに用意される。
次いで、可動子姿勢算出関数402は、可動子位置算出関数401により更新された可動子情報406の可動子位置情報(X)から、各々の可動子101を測定可能なYセンサ205及びZセンサ206を特定する。次いで、可動子姿勢算出関数402は、特定されたYセンサ205及びZセンサ206から出力される値に基づき、各々の可動子101の姿勢に関する情報である姿勢情報(Y,Z,Wx、Wy,Wz)を算出して可動子情報406を更新する。可動子姿勢算出関数402により更新された可動子情報406は、可動子位置情報(X)及び姿勢情報(Y,Z,Wx、Wy,Wz)を含んでいる。
次いで、可動子姿勢制御関数403は、可動子位置情報(X)及び姿勢情報(Y,Z,Wx、Wy,Wz)を含む現在の可動子情報406及び姿勢目標値から、各々の可動子101について印加力情報408を算出する。印加力情報408は、各々の可動子101に印加すべき力の大きさに関する情報である。印加力情報408は、後述する印加すべき力Tの力の3軸成分(Tx,Ty,Tz)及びトルクの3軸成分(Twx,Twy,Twz)に関する情報を含んでいる。印加力情報408は、例えば図5中にTRQ-1、TRQ-2、…と示すように固定子201上の可動子101ごとに用意される。
ここで、力の3軸成分であるTx、Ty、Tzは、それぞれ力のX方向成分、Y方向成分及びZ方向成分である。また、トルクの3軸成分であるTwx、Twy、Twzは、それぞれトルクのX軸周り成分、Y軸周り成分及びZ軸周り成分である。本実施形態による搬送システム1は、これら力Tの6軸成分(Tx,Ty,Tz,Twx,Twy,Twz)を制御することにより、可動子101の姿勢を6軸で制御しつつ、可動子101の搬送を制御する。
次いで、コイル電流算出関数404は、印加力情報408及び可動子情報406に基づき、各コイル202に印加する電流指令値409を決定する。
こうして、統合コントローラ301は、可動子位置算出関数401、可動子姿勢算出関数402、可動子姿勢制御関数403及びコイル電流算出関数404を用いた処理を実行することにより、電流指令値409を決定する。統合コントローラ301は、決定した電流指令値409をコイルコントローラ302に送信する。
可動子101の位置及び姿勢の制御についてさらに図6を用いて詳細に説明する。図6は可動子101の位置及び姿勢を制御するための制御ブロック図の一例を示す概略図である。
図6において、Pは、可動子101の位置及び姿勢(位置姿勢又は状態ともいう)であり、(X,Y,Z,Wx、Wy,Wz)を成分とする。refは、(X,Y,Z,Wx、Wy,Wz)の目標値である。errは、目標値refと位置及び姿勢Pとの間の偏差である。
可動子姿勢制御関数403は、偏差errの大きさ、偏差errの変化、偏差errの積算値等に基づき、目標値refを実現するために可動子101に印加すべき力Tを算出する。コイル電流算出関数404は、印加すべき力T並びに位置及び姿勢Pに基づき、可動子101に力Tを印加するためにコイル202に印加すべきコイル電流Iを算出する。こうして算出されたコイル電流Iがコイル202に印加されることにより、力Tが可動子101に作用して位置及び姿勢Pが目標値refに変化する。
このように制御ブロックを構成することにより、可動子101の位置及び姿勢Pを所望の目標値refに制御することが可能になる。
次に、可動子101に設置された磁性体103及び固定子201に設置されたコイル202について図7A乃至図7Dを用いて詳細に説明する。
図7A乃至図7Cは、可動子101に設置された磁性体103の一例を示している。図7Aは、磁性体103に含まれる永久磁石群1102の永久磁石1108、1109をZ方向に沿って上方から見た平面図である。図7Bは、磁性体103に含まれる永久磁石群1103の永久磁石1106、1107をZ方向に沿って上方から見た平面図である。図7Cは、磁性体103及びこれに対向するコイル202をX方向に沿って見た断面図であり、図7A及び図7B中のA-A′線に沿った磁性体103及びコイル202の断面を示している。図7A乃至図7C中に示すY=0,R及びY=0,LのY方向の位置は、それぞれR側及びL側での基準位置を示している。図7A乃至図7Cは、互いに同一構造であるR側の磁性体103及びL側の磁性体103に関する構造を共通の図で示している。図7Dは、磁性体103に対向したコイル202の単位電流当たりに磁性体103に対して働くq軸方向、d軸方向及びY方向の力の大きさ、即ち各方向の推力定数を模式的に示すグラフである。なお、図7A、図7B及び図7D中には、互いに対応するX方向の位置を一点鎖線で示している。
図7Cに示すように、コイル202は、巻き線1104と、鉄心1105とを有している。巻き線1104は、Z方向に沿った軸を中心軸として鉄心1105に巻かれている。コイル202は、Z方向に沿って磁性体103の上方から磁性体に103に対向する。
図7A乃至図7Cに示すように、磁性体103は、ヨーク板1101と、永久磁石群1102と、永久磁石群1103とを有している。ヨーク板1101は、可動子101の上面に設置されている。永久磁石群1103は、Z方向においてヨーク板1101の上に設置されている。永久磁石群1102は、Z方向において永久磁石群1103の上に設置されている。こうして、ヨーク板1101、永久磁石群1103及び永久磁石群1102が、磁性体103とコイル202とが対向する方向であるZ方向に積み重ねられて固定されている。永久磁石群1102と永久磁石群1103とは、磁束の向きによって互いに反発する部分が存在しうるが、接着剤等により可動子101に固定されている。
なお、上述のようにZ方向において積層された永久磁石群1102及び永久磁石群1103は、Z方向において上記と逆に積層されていてもよい。すなわち、永久磁石群1103が、Z方向において永久磁石群1102の上に設置されていてもよい。
ここで、図7A及び図7Bには、Bvecにより永久磁石群1102、1103から流れ出す磁束の方向を模式的に示している。白丸の中に黒丸が示されたBvecは、Z方向に沿って紙面裏側から表側に向かう磁束の向きを示している。白丸の中に十字が示されたBvecは、Z方向に沿って紙面表側から裏側に向かう磁束の向きを示している。また、図7Cには、永久磁石群1102、1103の磁束の向きを矢印で示している。
図7Aに示すように、永久磁石群1102は、永久磁石1108と、永久磁石1109とを含んでいる。永久磁石1108、1109は、Z方向から見た平面視において、それぞれX方向を長手方向とする長尺矩形状の平面形状を有している。永久磁石1108、1109は、Y方向にR側からL側に隣接するように設置されている。
永久磁石1108は、Z方向に沿って着磁され、図7Aの紙面表側から裏側に磁束が向くように着磁されている。永久磁石1109は、Z方向に沿って着磁され、図7Aの紙面裏側から表側に磁束が向くように着磁されている。このように、互いにY方向に隣接する永久磁石1108と永久磁石1109とは、Z方向に沿って互いに逆向きに着磁され、Z方向に沿った磁束の向きが互いに逆向きになっている。
図7Bに示すように、永久磁石群1103は、複数の永久磁石1106と、複数の永久磁石1107とを含んでいる。永久磁石1106、1107は、Z方向から見た平面視において、それぞれ永久磁石1108、1109と比較してX方向に短くかつY方向に幅広の矩形状の平面形状を有している。永久磁石1106、1107は、X方向に沿って交互に並ぶように設置されている。
永久磁石1106は、Z方向に沿って着磁され、図7Bの紙面裏側から表側に磁束が向くように着磁されている。永久磁石1107は、Z方向に沿って着磁され、図7Bの紙面表側から裏側に磁束が向くように着磁されている。このように、X方向に交互に並んだ永久磁石1106と永久磁石1107とは、Z方向に沿って互いに逆向きに着磁され、Z方向に沿った磁束の向きが互いに逆向きになっている。
このように、本実施形態では、上述のように互いに磁束の向き及び形状が異なる複数種類の永久磁石1106、1107、1108、1109が重畳されて磁性体103が構成されている。複数種類の永久磁石1106、1107、1108、1109が重畳されているため、磁性体103は、搬送方向であるX方向に沿って変化する磁束密度分布を有するとともに、X方向に交差するY方向に沿って変化する磁束密度分布を有する。
すなわち、磁性体103は、永久磁石群1103に含まれるX方向に交互に並んだ互いに磁束の向きが逆向きの永久磁石1106、1107により、X方向に沿って周期的に変化する磁束密度分布を有する。かかる磁束密度分布を形成する永久磁石1106、1107は、磁性体103を含む可動子101に対するq軸方向及びd軸方向の力の印加に寄与する。
さらに、磁性体103は、永久磁石群1103の上に積層された永久磁石群1102に含まれる互いにY方向に隣接する互いに磁束の向きが逆向きの永久磁石1108、1109により、Y方向に沿って勾配を有するように変化する磁束密度分布を有する。かかる磁束密度分布を形成する永久磁石1108、1109は、磁性体103を含む可動子101に対するY方向の力の印加に寄与する。
こうして、磁性体103のコイル202を向く側には、コイル202に対する磁性体103のX方向及びY方向の相対位置が変化すると、いずれの方向でもその巻き線1104に鎖交する磁束の大きさが変化する磁束密度分布が形成される。
そのため、コイル202は、q軸方向、d軸方向及びY方向にそれぞれ図7Dに示すような推力定数プロファイル1121,1122,1123を有する。q軸方向の推力定数プロファイル1121は、コイル202に単位電流を印加した際に磁性体103に働くq軸方向の力を模式的に示している。d軸方向の推力定数プロファイル1122は、コイル202に単位電流を印加した際に磁性体103に働くd軸方向の力を模式的に示している。Y方向の推力定数プロファイル1123は、コイル202に単位電流を印加した際に磁性体103に働くY方向の力を模式的に示している。
このように、本実施形態では、磁性体103により形成される磁束密度分布がY方向に沿っても変化するため、図7Dに示すように、Y方向の力をも磁性体103に働かせて可動子101に対してY方向に力を印加することができる。すなわち、統合コントローラ301は、複数のコイル202に印加する電流を制御して、磁性体103に対してq軸方向、q軸方向と交差するd軸方向並びにq軸方向及びd軸方向と交差するY方向に力を印加することができる。
こうして、本実施形態では、磁性体103を含む可動子101に対してq軸方向、d軸方向及びY方向に力を印加することができるため、可動子101に印加する力を、q軸方向、d軸方向及びY方向の各方向に遍在化することができる。このため、仮にコイル202が磁性体103の全面を覆っていなくても、コイル202に電流を印加することにより、可動子101の状態を制御するのに十分なY方向の力を発生させることができる。
したがって、本実施形態によれば、可動子101に印加する力の遍在化により、小型の可動子101の場合や固定子201の配列に大きな制約がある場合であっても可動子101をより安定して非接触状態で浮上させつつ搬送することができる。
次に、可動子101の姿勢を制御しつつ可動子101を搬送方向に搬送するために必要な力Tを可動子101に印加するために必要なコイル電流の算出方法についてさらに図8を用いて説明する。図8は、本実施形態による搬送システム1をZ方向から見た平面図である。なお、コイル202と磁性体103とは、実際には図2に示すように互いにZ方向に対向するが、図8では説明の便宜上両者をずらして示している。
図8に示すように、j番目のコイル202と磁性体103とは、所定の範囲の相互作用領域207において相互に力を及ぼす。
電流が印加されたコイル202により可動子101に働く力Tの各成分Tx、Ty、Tz、Twx、Twy及びTwzは、それぞれ次式(1a)から(1f)により表される。TxはX方向の力成分、TyはY方向の力成分、TzはZ方向の力成分、TwxはWx方向のトルク成分、TwyはWy方向のトルク成分、TwzはWz方向のトルク成分である。
Tx=Σ(Eq(j,P)*Ij) …式(1a)
Ty=Σ(Ey(j,P)*Ij) …式(1b)
Tz=Σ(Ed(j,P)*Ij) …式(1c)
Twx=Σ{(Ey(j,P)*Z(j,P)-Ed(j,P)*Y(j,P))*Ij} …式(1d)
Twy=Σ{(Ed(j,P)*X(j,P)-Eq(j,P)*Z(j,P))*Ij} …式(1e)
Twz=Σ{(Eq(j,P)*Y(j,P)-Ey(j,P)*X(j,P))*Ij} …式(1f)
ここで、トルク寄与行列Mを定義する。
トルク寄与行列Mの各要素は、式(1a)から(1f)の電流Ijにかかる係数である。トルク寄与行列Mは、可動子101が状態Pにある場合に1~N番目のコイル202の各々に対して単位電流を印加した場合の各力成分及びトルク成分(Tx、Ty、Tz、Twx、Twy、Twz)への寄与の大きさを示す6行N列の行列である。トルク寄与行列Mの1行j列から6行j列までのj列の各要素M(1,j)からM(6,j)は、それぞれ次式(1a′)から(1f′)により表される。
M(1,j)=Eq(j,P) …式(1a′)
M(2,j)=Ey(j,P) …式(1b′)
M(3,j)=Ed(j,P) …式(1c′)
M(4,j)=Ey(j,P)*Z(j,P)-Ed(j,P)*Y(j,P) …式(1d′)
M(5,j)=Ed(j,P)*X(j,P)-Eq(j,P)*Z(j,P) …式(1e′)
M(6,j)=Eq(j,P)*Y(j,P)-Ey(j,P)*X(j,P) …式(1f′)
また、コイル電流ベクトルIsを定義する。コイル電流ベクトルIsの各要素をj番目のコイル202に印加する電流量とする。すると、コイル電流ベクトルIsは、次式(2)により表されるN行1列の列ベクトルである。
Is=Tr(I1,I2,…,Ij,…,IN) …式(2)
さらに、次式(3)によりトルクベクトルTqを定義する。
Tq=Tr(Tx、Ty、Tz、Twx、Twy、Twz) …式(3)
すると、式(1a)から(1f)は、トルク寄与行列M、コイル電流ベクトルIs及びトルクベクトルTqを用いて次式(4)で表現することができる。
Tq=M*Is …式(4)
ここで、疑電流ベクトルKを導入する。疑電流ベクトルKを6行1列の列ベクトル、Tr(M)をトルク寄与行列Mの転置行列とすると、疑電流ベクトルKは、次式(5)を満足するベクトルである。
Tr(M)*K=Is …式(5)
式(4)は、式(5)を用いて次式(6)に変形することができる。
Tq=M*Tr(M)*K …式(6)
ここで、M*Tr(M)は、6行N列の行列とその転置行列の積であるから6行6列の正方行列でかつ逆行列が存在する。このため、式(6)は、次式(7)に変形することができる。
Inv(M*Tr(M))*Tq=K …式(7)
式(7)を式(5)に代入することにより、次式(8)により表されるコイル電流ベクトルIsを得る。
Tr(M)*Inv(M*Tr(M))*Tq=Is …式(8)
以上のようにしてコイル電流ベクトルIsを計算することにより、各コイル202に印加する電流を決定することができる。これにより、可動子101に対して、X方向の力成分Tx、Y方向の力成分Ty、Z方向の力成分Tz、Wx方向のトルク成分Twx、Wy方向のトルク成分Twy及びWz方向のトルク成分Twzを独立して印加することができる。したがって、本実施形態によれば、より安定して可動子101を搬送することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について図9A乃至図10Bを用いて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
第1実施形態では複数種類の永久磁石をZ方向に積み重ねて磁性体103を構成する場合について説明したが、これに限定されるものではない。磁性体103を構成する永久磁石を、同一平面内において所定の方向の幅が部分的に異なるように構成することによっても、第1実施形態と同様の磁束密度分布を有する磁性体103を構成することができる。本実施形態では、Z方向から見た平面視において、Y方向の幅が部分的に異なる複数の永久磁石により磁性体103が構成された場合について説明する。
図9Aは、本実施形態による可動子101に設置された磁性体103に含まれる永久磁石群1130をZ方向に沿って上方から見た平面図である。図9Bは、磁性体103に対向したコイル202の単位電流当たりに磁性体103に対して働くq軸方向、d軸方向及びY方向の力の大きさ、即ち各方向の推力定数を模式的に示すグラフである。なお、図9A及び図9B中には、互いに対応するX方向の位置を一点鎖線で示している。
図9Aに示すように、本実施形態による磁性体103は、永久磁石1131aと、永久磁石1131bと、永久磁石1132aと、永久磁石1132bとを含む永久磁石群1130を有している。永久磁石1131a、1131bは、X方向に沿って交互に並ぶように設置されている。永久磁石1132a、1132bは、永久磁石1131a、1131bに対してX方向にずれてY方向に隣接するとともに、X方向に沿って交互に並ぶように設置されている。
永久磁石1131a、1131bは、Z方向に沿って着磁され、図9Aの紙面表側から裏側に磁束が向くように着磁されている。永久磁石1132a、1132bは、Z方向に沿って着磁され、図9Aの紙面裏側から表側に磁束が向くように着磁されている。このように、互いにY方向に隣接する永久磁石1131a、1131bと永久磁石1132a、1132bとは、Z方向に沿って互いに逆向きに着磁され、Z方向に沿った磁束の向きが互いに逆向きになっている。
永久磁石1131a、1131bは、それぞれ永久磁石1132a、1132bの側にY方向に突出した凸部1131pを有している。凸部1131pは、永久磁石1131a、1131bに対してY方向に隣接する永久磁石1132a、1132bの間に位置するようにY方向に突出している。永久磁石1131a、1131bは、それぞれ凸部1131pを有するため、Y方向の幅が部分的に異なり、Y方向の幅が変化する形状を有している。なお、永久磁石1131a、1131bの形状は、凸部1131pを有する形状に限定されるものではなく、Y方向に幅が変化する形状であればよい。
永久磁石1132a、1132bは、それぞれ永久磁石1131a、1131bの側にY方向に突出した凸部1132pを有している。凸部1132pは、永久磁石1132a、1132bに対してY方向に隣接する永久磁石1131a、1131bの間に位置するようにY方向に突出している。永久磁石1132a、1132bは、それぞれ凸部1132pを有するため、Y方向の幅が部分的に異なり、Y方向の幅が変化する形状を有している。なお、永久磁石1132a、1132bの形状は、凸部1132pを有する形状に限定されるものではなく、Y方向に幅が変化する形状であればよい。
こうして、磁性体103は、Z方向に沿って互いに逆向きに着磁された永久磁石1131、1132がX方向に沿って交互に並ぶように設置されている。永久磁石1131、1132は、それぞれY方向に他の部分よりも幅広の凸部1131p、1132pを有している。互いにX方向に隣接して並んだ永久磁石1131、1132は、凸部1131p、1132p以外の部分が互いにY方向に隣接しており、互いにY方向に部分的に隣接している。
なお、磁性体103におけるX方向の端部では、磁性体103がX方向において所定の長さになるように、永久磁石1131a、1131b、永久磁石1132a、1132bのいずれかの一部に相当する永久磁石が適宜配置されている。
このように、本実施形態では、互いに磁束の向きが異なる永久磁石1131a、1131bと永久磁石1132a、1132bとが、X方向にずれて互いにY方向に部分的に隣接しつつ、X方向に並ぶように配置されて磁性体103が構成されている。さらに、永久磁石1131a、1131b及び永久磁石1132a、1132bとは、それぞれ凸部1131p及び凸部1132pによりY方向の幅が部分的に異なっている。このように構成された磁性体103は、搬送方向であるX方向に沿って変化する磁束密度分布を有するとともに、X方向に交差するY方向に沿って変化する磁束密度分布を有する。
すなわち、磁性体103は、永久磁石1131a、1131bのY方向に突出した凸部1131p及び永久磁石1132a、1132bのY方向に突出した凸部1132pにより、X方向に沿って周期的に変化する磁束密度分布を有する。かかる磁束密度分布を形成する永久磁石1131a、1131bの凸部1131p及び永久磁石1132a、1132bの凸部1132pは、磁性体103を含む可動子101に対するq軸方向及びd軸方向の力の印加に寄与する。
さらに、磁性体103は、X方向にずれて並んだ互いに磁束の向きが逆向きの永久磁石1131a、1131b及び永久磁石1132a、1132bの互いにY方向に隣接する部分によりY方向に沿って勾配を有するように変化する磁束密度分布を有する。かかる磁束密度分布を形成する永久磁石1131a、1131b、1132a、1132bのY方向に互いに隣接する部分は、磁性体103を含む可動子101に対するY方向の力の印加に寄与する。
図9Bは、磁性体103に対向したコイル202の単位電流当たりに磁性体103に対して働くq軸方向、d軸方向及びY方向の力の大きさ、即ち各方向の推力定数を模式的に示すグラフである。
本実施形態において、コイル202は、q軸方向、d軸方向及びY方向にそれぞれ図9Bに示すような推力定数プロファイル1141,1142,1143を有する。q軸方向の推力定数プロファイル1141は、コイル202に単位電流を印加した際に磁性体103に働くq軸方向の力を模式的に示している。d軸方向の推力定数プロファイル1142は、コイル202に単位電流を印加した際に磁性体103に働くd軸方向の力を模式的に示している。Y方向の推力定数プロファイル1143は、コイル202に単位電流を印加した際に磁性体103に働くY方向の力を模式的に示している。
図9Aにおいて、例えば、領域1134にコイル202が位置して磁性体103に対向する場合を考える。この場合、領域1134に位置するコイル202に鎖交する磁束には、永久磁石1132bと永久磁石1131aとが形成するY方向の磁束密度勾配が存在する。このため、図9Bに示すように、領域1134において、Y方向の推力定数(Ey)は、0にはならずに一定以上の大きさを有する。
また、図9Aにおいて、例えば、領域1133にコイル202が位置して磁性体103に対向する場合を考える。この場合、領域1133に位置するコイル202に鎖交する磁束には、永久磁石1132aと永久磁石1131aとが形成するY方向の磁束密度勾配、及び永久磁石1132bと永久磁石1131aとが形成するY方向の磁束密度勾配が存在する。このため、領域1133においても、図9Bに示すように、Y方向の推力定数Eyは、0にはならずに一定以上の大きさを有する。
このように、本実施形態でも、Y方向の推力定数が一定以上の大きさを有するため、Y方向の力成分Tyが一定以上あっても、一定以下の電流をコイル202に印加することにより、所望のY方向の力を得ることができる。このため、コイル202に電流を印加することにより、可動子101の状態を制御するのに十分なY方向の力を発生させることができる。すなわち、統合コントローラ301は、複数のコイル202に印加する電流を制御して、磁性体103に対してq軸方向、q軸方向と交差するd軸方向並びにq軸方向及びd軸方向と交差するY方向に力を印加することができる。
こうして、本実施形態でも、磁性体103を含む可動子101に対してq軸方向、d軸方向及びY方向に力を印加することができるため、可動子101に印加する力を、q軸方向、d軸方向及びY方向の各方向に遍在化することができる。
したがって、本実施形態によれば、可動子101に印加する力の遍在化により、小型の可動子101の場合や固定子201の配列に大きな制約がある場合であってもより安定して可動子101を非接触状態で浮上させつつ搬送することができる。
図10Aは、図9に示すように構成された磁性体103を有する可動子101を含む搬送システム1の例を示すZ方向から見た平面図である。図10Aに示すように、可動子101に設置された磁性体103は、互いに磁束の向きが異なる永久磁石1131、1132により構成されている。永久磁石1131、1132の数及び形状は、可動子101の大きさ等により適宜変更することができる。例えば、図10Bに示すように可動子101に設置された磁性体103は、互いに磁束の向きが異なる永久磁石1131、1132及びY方向に沿って着磁された永久磁石1135により構成してもよい。永久磁石1135は、永久磁石1131と永久磁石1132との間に配置される。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態について図11を用いて説明する。なお、上記第1及び第2実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
上記第1及び第2実施形態では、磁性体103において物理的に互いに別個独立した複数の永久磁石により磁束密度分布が形成されている場合について説明したが、これらに限定されるものではない。磁性体103は、所望の磁束密度分布を有するように予め着磁された単一の永久磁石により構成されていてもよい。本実施形態では、所望の磁束密度分布を有するように予め着磁された単一の永久磁石1203により磁性体103が構成されている場合について説明する。
図11は、本実施形態による可動子101に設置された磁性体103を構成する永久磁石1203をZ方向に沿って上方から見た平面図である。図11に示すように、本実施形態では、磁性体103が、永久磁石群ではなく、単一の永久磁石1203を有している。永久磁石1203は、Z方向に沿って上方から見た平面視において、X方向を長手方向とする矩形状の平面を有している。
永久磁石1203は、物理的には分割されていない一塊の永久磁石である。永久磁石1203は、その製造時における着磁装置による着磁が行われる段階で、搬送方向であるX方向に沿って変化する磁束密度分布を有するとともに、X方向に交差するY方向に沿って変化する磁束密度分布を有するように予め着磁されている。具体的には、永久磁石1203は、X方向に沿って周期的に変化する磁束密度分布を有するとともに、X方向に交差するY方向に沿って勾配が変化する磁束密度分布を有する。
例えば、永久磁石1203は、第1又は第2実施形態による磁性体103の磁束密度分布と同様の磁束密度分布を有するように着磁されている。なお、永久磁石1203は、例えば、後述の第4実施形態による磁性体103の磁束密度分布と同様の磁束密度分布を有するように着磁されていてもよい。
本実施形態のように、磁性体103を、物理的に分離された複数の永久磁石に代えて、所定の磁束密度分布を有するように着磁された単一の永久磁石1203により構成することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態について図12A乃至図12Dを用いて説明する。なお、上記第1乃至第3実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
上記第1乃至第3実施形態では、磁性体103を構成する永久磁石の着磁方向がZ方向である場合について説明したが、これらに限定されるものではない。本実施形態では、磁性体103を構成する永久磁石1201がY方向に着磁され、磁性体103を構成する永久磁石群1202の永久磁石1203、1204がX方向に着磁されている場合について説明する。
図12Aは、磁性体103に含まれる永久磁石1201をZ方向に沿って上方から見た平面図である。図12Bは、磁性体103に含まれる永久磁石群1202の永久磁石1203、1204をZ方向に沿って上方から見た平面図である。図12Cは、磁性体103及びこれに対向するコイル202をX方向に沿って見た断面図であり、図12A及び図12B中のA-A′線に沿った磁性体103及びコイル202の断面を示している。図12Dは、磁性体103及びこれに対向するコイル202をX方向に沿って見た断面図であり、図12A及び図12B中のB-B′線に沿った磁性体103及びコイル202の断面を示している。
図12A乃至図12Dに示すように、磁性体103は、ヨーク板1101と、永久磁石1201と、永久磁石群1202とを有している。ヨーク板1101は、可動子101の上面に設置されている。永久磁石群1202は、Z方向においてヨーク板1101の上に設置されている。永久磁石1201は、Z方向において永久磁石群1202の上に設置されている。
こうして、ヨーク板1101、永久磁石群1202及び永久磁石1201がZ方向に積み重ねられて固定されている。ここで、図12A乃至図12Dには、永久磁石1201及び永久磁石群1202の磁束の向きを矢印で示している。
図12Aに示すように、永久磁石1201は、Z方向から見た平面視において、X方向を長手方向とする長尺矩形状の平面形状を有している。図12A、図12C及び図12Dに示すように、永久磁石1201は、Y方向に沿って一方の側に磁束が向くように着磁されている。
図12Bに示すように、永久磁石群1202は、複数の永久磁石1203と、複数の永久磁石1204とを含んでいる。永久磁石1203、1204は、Z方向から見た平面視において、それぞれ永久磁石1201と比較してZ方向に短くかつY方向に幅広の矩形状の平面形状を有している。永久磁石1203、1204は、X方向に沿って交互に並ぶように設置されている。
図12B乃至図12Dに示すように、永久磁石1203は、X方向に沿って一方の側(X+側)に磁束が向くように着磁されている。永久磁石1204は、X方向に沿って他方の側(X-側)を磁束が向くように着磁されている。このように、X方向に交互に並んだ永久磁石1203と永久磁石1204とは、X方向に沿った磁束の向きが互いに逆向きになっている。
本実施形態のように、磁性体103を構成する永久磁石1201がY方向に着磁され、磁性体103を構成する永久磁石群1202の永久磁石1203、1204がX方向に着磁されていてもよい。本実施形態によっても、磁性体103を、搬送方向であるX方向と交差する方向に沿って変化する磁束密度分布を有するように構成することができる。
なお、上記では、Y方向に沿って着磁された永久磁石1201及びX方向に沿って着磁された永久磁石1203、1204を組み合わせて磁性体103を構成する場合について説明したが、これに限定されるものではない。磁性体103は、X方向に沿っていずれかの向きに着磁された永久磁石、Y方向に沿っていずれかの向きに着磁された永久磁石、及びZ方向に沿っていずれかの向きに着磁された永久磁石を適宜組み合わせて構成することができる。各方向に沿って着磁された永久磁石は、1つであっても複数であってもよい。磁性体103は、これらX方向に沿って着磁された永久磁石、Y方向に沿って着磁された永久磁石及びZ方向に沿って着磁された永久磁石のうちの少なくとも2つを有するように構成することができる。磁性体103に含まれるこれらの互いに着磁方向の異なる複数種類の永久磁石は、Z方向に積層して配置することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態について図13A乃至図17を用いて説明する。上記第1乃至第4実施形態ではリニアモータによる搬送システム1について説明したが、本実施形態では回転式のモータを用いた機器である回転機器について説明する。回転式のモータを用いた回転機器の場合も、回転子に印加される力の偏りを解消して、より安定して回転子を浮上させつつ回転することが求められている。本実施形態では、回転機器において、回転子に印加される力を遍在化することにより、より安定した回転子の回転を実現する場合について説明する。
まず、本実施形態による回転機器の全体構成について図13A乃至図14を用いて説明する。図13Aは、本実施形態による回転機器B10を示す回転軸に沿った縦断面図である。図13Bは、図13AのA-A′線に沿った断面図である。図13Bは、図13AのA-A′線でのXY平面に沿った断面図である。図13Cは、以下において回転機器B10の説明に用いる座標軸及び方向を示す概略図である。図14は、回転子B101の変位を算出する方法を説明する概略図である。
図13A及び図13Bに示すように、本実施形態による回転機器B10は、第1の部分である回転子B101と、第2の部分である固定子B201とを有する回転式のモータB20を含んでいる。回転子B101は、後述する永久磁石群B112と永久磁石群B113とを有する磁性体B111を含んでいる。永久磁石群B112は、複数の永久磁石B102を含んでいる。永久磁石群B113は、複数の永久磁石B103を含んでいる。固定子B201は、複数のコイルB204を含んでいる。モータ20は、回転子B101をその軸線方向に沿って磁気浮上させながら、軸線のまわりに非接触状態で浮上させつつ回転させるラジアル型磁気浮上回転モータである。本実施形態では、モータB20が用いられた機器である回転機器B10の一例として、回転子B101にフィンB104が取り付けられたポンプについて説明する。
ここで、以下の説明において用いる座標軸を定義する。まず、後述の回転子B101が回転する回転軸をZ軸とする。また、Z軸と直交するようにXY平面をとり、XY平面において互いに直交するようにX軸及びY軸をとる。また、X軸に沿った方向をX方向、Y軸に沿った方向をY方向、Z軸に沿った方向をZ方向とする。また、X軸周りの回転方向をWx方向、Y軸周りの回転方向をWy方向、Z軸周りの回転方向をWz方向とする。Wx方向、Wy方向及びWz方向の各回転の正方向は、X軸、Y軸及びZ軸の原点である固定子B201の原点OsからX軸、Y軸及びZ軸が伸びる方向に対して右ねじの方向とする。図13Cに各軸及び各方向を示す。また、Z軸を中心軸として半径が大きくなる方向にR軸をとる。
また、以下の説明において用いる記号は、次のとおりである。
P:回転子B101の位置及び姿勢を含む状態(X,Y,Z,Wx,Wy,Wz)
T:回転子B101に印加する力T
Tx:力TのX方向の力成分
Ty:力TのY方向の力成分
Tz:力TのZ方向の力成分
Twx:力TのWx方向のトルク成分
Twy:力TのWy方向のトルク成分
Twz:力TのWz方向のトルク成分
Tq:(Tx,Ty,Tz,Twx,Twy,Twz)を要素とする列ベクトル
j:コイルB204を特定するための指標
(ただし、jは、Nを2以上の整数として1≦j≦Nを満たす整数である。)
N:コイルB204の設置数
Ij:j番目のコイルB204に印加される電流値
Is:Ijを要素とする列ベクトル
φj:j番目のコイルB204のWz方向の角度
r:回転子B101の回転中心から磁性体B111までの半径
Eq(j,P):j番目のコイルB204に単位電流を印加した際の状態Pの回転子B101に働くq軸方向の力
Ed(j,P):j番目のコイルB204に単位電流を印加した際の状態Pの回転子B101に働くd軸方向の力
Ez(j,P):j番目のコイルB204に単位電流を印加した際の状態Pの回転子B101に働くZ軸方向の力
Σ:指標jを1からNまで変化させた場合の合計
なお、本実施形態では、永久磁石B102等の複数存在しうる構成要素について、特に区別する必要がない限り、共通のBの後に数字を付した符号を用い、必要に応じてその数字の後に「-1」、「-2」等のように「-」を介して数字を付して個別に特定する。
例えば、特に区別する必要がない限り、複数存在するコイルB204を単に「コイルB204」と表記する。各コイルB204を個別に特定する必要がある場合、「コイルB204-1」、「コイルB204-2」等と表記して各コイルB204を個別に特定する。
同様に、特に区別する必要がない限り、複数存在する永久磁石B102を単に「永久磁石B102」と表記する。各永久磁石B102を個別に特定する必要がある場合、「永久磁石B102-1」、「永久磁石B102-2」等と表記して各永久磁石B102を個別に特定する。
固定子B201は、吸入口B202と、排出口B203とを有する筐体として構成されている。固定子B201の内部空間は、Z軸を中心軸とする円筒状に形成されている。固定子B201の内部空間には、円盤状の外形を有する回転子B101がZ軸を回転軸として回転可能に収容されている。吸入口B202は、固定子B201のZ方向における一方の側に設けられている。排出口B203は、固定子B201のZ方向における他方の側に設けられている。回転機器B10は、気体、液体等の流体中で回転子B101が後述するように所定の方向に回転すると、吸入口B202から流体が流れ込み、その流体が排出口B203から排出されるため、ポンプとして動作する。
また、固定子B201は、その内部空間に収容された回転子B101に対向するように設置された複数のコイルB204を有している。複数のコイルB204は、固定子B201の内部空間の円周方向に沿って回転子B101の外周に対向するように配置されている。コイルB204は、鉄芯又は空芯の周りに導線が巻かれて構成されている。
一方、回転子B101は、固定子B201の内部空間に収容された円盤状の外形を有するインペラとして構成されている。回転子B101は、磁性体B111と、複数のフィンB104とを有している。磁性体B111は、永久磁石群B112と、永久磁石群B113とを有している(図15A及び図15B参照)。永久磁石群B112は、複数の永久磁石B102を含んでいる。永久磁石群B113は、複数の永久磁石B103を含んでいる。永久磁石群B112、B113を有する磁性体B111は、回転子B101の外周において回転子B101の回転軸を中心とする円周方向に沿って固定子B201のコイルB204と対向可能に取り付けられて設置されている。磁性体B111において、永久磁石B102は、永久磁石B103よりも外周側に設置されている。永久磁石B102の背面側である外周側には、磁性体B111の磁力を増すために図示しないヨーク板を取り付けて設置することもできる。回転子B101は、固定子B201の内部空間においてZ軸を回転軸として回転する。
回転機器B10では、後述するように電流が印加されたコイルB204と磁性体B111との間に働く電磁力により、固定子B201の内部空間に収容された回転子B101がZ方向に浮上しつつZ軸を回転軸として所定の方向に回転する。なお、回転子B101が浮上するZ方向は、例えば鉛直方向であるが、鉛直方向以外の方向であってもよい。フィンB104が取り付けられ回転子B101が回転することにより、吸入口B202から固定子B201の内部空間に流体が流れ込み、流れ込んだ流体が排出口B203から排出される。こうして、回転機器B10は、吸入口B202から流体を吸入し、吸入した流体を排出口B203から排出して移送するように動作する。なお、回転機器B10は、例えば、流体として液体を移送するように構成することもできるし、流体として気体を移送するように構成することもできる。
回転機器B10は、XセンサB213と、YセンサB214とを有している。XセンサB213及びYセンサB214は、それぞれ固定子B201に取り付けられて設置されている。XセンサB213は、回転子B101とXセンサB213との間のX方向の距離を検出して出力することができる。YセンサB214は、回転子B101とYセンサB214との間のY方向の距離を検出して出力することができる。
また、回転機器B10は、WzセンサB211を有している。WzセンサB211は、固定子B201に取り付けられて設置されている。WzセンサB211は、Wz方向における回転子B101の回転角を検出して出力することができる。WzセンサB211に対向する回転子B101の外周面には、スケールB212が取り付けられて設置されている。WzセンサB211は、スケールB212上のパターンを読み取ることにより、Wz方向における回転子B101の回転角を検出することができる。
また、回転機器B10は、ZセンサB210を有している。ZセンサB210は、固定子B201に3か所取り付けられて設置されている。ZセンサB210は、回転子B101までのZ方向の距離を検出して出力することができる。
ここで、3個のZセンサB210から回転子B101のZ、Wx及びWyの変位を算出する方法を図14を用いて説明する。ここで、Zは回転子B101のZ方向の位置、Wxは回転子B101のWx方向の回転角、Wyは回転子B101のWy方向の回転角である。
図14に示すように、3個のZセンサB210であるZセンサB210a、B210b、B210cは、図14に示すように、XY平面の3か所に分散されて設置されている。3個のZセンサB210a、B210b、B210cの各々による回転子B101までのZ方向の距離の検出値を元に平面ABCを形成する。平面ABCは、回転子B101とみなすことができる。その平面ABCの法線ベクトルの傾き、及び原点Osから平面ABCまでの距離から平面ABCの、すなわち回転子B101の変位(Z,Wx,Wy)を算出することができる。
次に、回転子B101に設置された磁性体B111及び固定子B201に設置されたコイルB204について図15A乃至図15Dを用いて詳細に説明する。図15A及び図15Bは、回転子B101に設置された磁性体B111の一例を示している。図15Aは、磁性体B111に含まれる永久磁石群B113の永久磁石B103をWz方向に展開してR軸に沿った方向に見た展開図である。図15Bは、磁性体B111に含まれる永久磁石群B112の永久磁石B102をWz方向に展開してR軸に沿った方向に見た展開図である。図15Cは、固定子B201に設置されたコイルB204をWz方向に展開してR軸に沿った方向に見た展開図である。Wz方向は、回転子B101の回転軸を中心とする周方向である。図15Dは、磁性体B111に対向したコイルB204の単位電流当たりに磁性体B111に対して働くq軸方向、d軸方向及びZ方向の力の大きさ、即ち各方向の推力定数を模式的に示すグラフである。
ここで、回転子B101のWz方向の回転角の角度をθとする。固定子B201側のWz方向の基準Ocを、コイルB204-1の中心とする。回転子B101側のWz方向の基準Orを、永久磁石B102-1と永久磁石B102-4との中間とする。角度θは、固定子B201側の基準Ocから回転子B101側の基準Orへの角度とする。
図15A及び図15Bに示すように、磁性体B111は、永久磁石群B112と、永久磁石群B113とを有している。永久磁石群B112は、回転子B101の外周部に回転子B101の回転軸を中心とする周方向に沿って設置されている。永久磁石群B113は、永久磁石群B112の内側において回転子B101の回転軸を中心とする周方向に沿って設置されている。こうして、永久磁石群B112及び永久磁石群B113は、R軸に沿った方向に隣接するように並べられて固定されている。永久磁石群B112と永久磁石群B113とは、磁束の向きによって互いに反発する部分が存在しうるが、接着剤等により回転子B101に固定されている。
ここで、図15A及び図15Bには、Bvecにより永久磁石群B112、B113から流れ出す磁束の方向を模式的に示している。白丸の中に黒丸が示されたBvecは、R軸に沿った方向に沿って紙面裏側から表側に向かう磁束の向きを示している。白丸の中に十字が示されたBvecは、R軸に沿った方向に沿って紙面表側から裏側に向かう磁束の向きを示している。
図15Aに示すように、永久磁石群B113は、2個の永久磁石B103-1、B103-2を含んでいる。なお、永久磁石B103の数は、2個に限定されるものではなく、適宜変更することができる。永久磁石B103-1、B103-2は、R軸に沿った方向から見た平面視において、それぞれWz方向を長手方向とする長尺矩形状の平面形状を有している。永久磁石B103-1、B103-2は、Z方向に上側から下側に隣接するように設置されている。
永久磁石B103-1は、R軸に沿った方向に沿って着磁され、図15Aの紙面裏側から表側に磁束が向くように着磁されている。永久磁石B103-2は、R軸に沿った方向に沿って着磁され、図15Aの紙面表側から裏側に磁束が向くように着磁されている。このように、互いにZ方向に隣接する永久磁石B103-1、B103-2は、R軸に沿った方向に沿って互いに逆向きに着磁され、R軸に沿った方向に沿った磁束の向きが互いに逆向きになっている。
図15Bに示すように、永久磁石群B112は、4個の永久磁石B102-1、B102-2、B102-3、B102-4を含んでいる。なお、永久磁石B102の数は、4個に限定されるものではなく、適宜変更することができる。永久磁石B102-1、B102-2、B102-3、B102-4は、R軸に沿った方向から見た平面視において、それぞれ永久磁石B103-1、B103-2と比較してWz方向に短くかつZ方向に幅広の平面形状を有している。永久磁石B102-1、B102-2、B102-3、B102-4は、Wz方向に沿って順に並ぶように設置されている。
4個の永久磁石B102のうち、永久磁石B102-1、B102-3は、R軸に沿った方向に沿って着磁され、図15Bの紙面裏側から表側に磁束が向くように着磁されている。永久磁石B102-2、B102-4は、R軸に沿った方向に沿って着磁され、図15Bの紙面表側から裏側に磁束が向くように着磁されている。このように、Wz方向に沿って順に並んだ永久磁石B102-1、B102-2、B102-3、B102-4は、Z方向に沿って交互に互いに逆向きに着磁され、Z方向に沿った磁束の向きが互いに交互に逆向きになっている。
図15Cに示すように、固定子B201には、6個のコイルB204-1、B204-2、B204-3、B204-4、B204-5、B204-6がWz方向に沿って順に並ぶように設置されている。なお、コイルB204の数は、6個に限定されるものではなく、適宜変更することができる。コイルB204-1、B204-2、B204-3、B204-4、B204-5、B204-6は、R軸に沿った方向に回転子B101の磁性体B111に対向するように設置されている。
こうして、永久磁石B102、B103は、固定子B201に設置されたコイルに対向する方向に着磁されている。例えば、永久磁石B102-1、B102-3、B103-1はコイルB204に対向する面がN極に、永久磁石B102-2、B102-4、B103-2はS極に着磁されている。なお、永久磁石B102、B103の着磁の向きは、これらと逆の向きであってもよい。
このように、本実施形態では、上述のように互いに磁束の向き及び形状が異なる複数種類の永久磁石B102、B103が重畳されて磁性体B111が構成されている。複数種類の永久磁石B102、B103が重畳されているため、磁性体B111は、回転方向であるWz方向(q軸方向)に沿って変化する磁束密度分布を有するとともに、Wz方向に交差するZ方向に沿って変化する磁束密度分布を有する。
すなわち、磁性体B111は、永久磁石群B112に含まれるWz方向に交互に並んだ互いに磁束の向きが逆向きの永久磁石B102-1、B102-2、B102-3、B102-4により、Wz方向に沿って周期的に変化する磁束密度分布を有する。かかる磁束密度分布を形成する永久磁石B102-1、B102-2、B102-3、B102-4は、磁性体B111を含む回転子B101に対するWz方向及びd軸方向の力の印加に寄与する。
さらに、磁性体B111は、永久磁石群B112の内側に配置された永久磁石群B113に含まれる互いにZ方向に隣接する互いに磁束の向きが逆向きの永久磁石B103-1、B103-2により、Z方向に沿って変化する磁束密度分布を有する。かかる磁束密度分布を形成する永久磁石B103-1、B103-2は、磁性体B111を含む回転子B101に対するZ方向の力の印加に寄与する。
こうして、磁性体B111のコイルB204を向く側には、コイルB204に対する磁性体B111のWz方向及びZ方向の相対位置が変化すると、いずれの方向でもコイルB204の巻き線に鎖交する磁束の大きさが変化する磁束密度分布が形成される。
図15Dは、回転子B101の角度θがθ1にある場合のq軸方向、d軸方向及びZ方向の推力定数プロファイルB1311、B1312、B1313を示している。q軸方向の推力定数プロファイルB1311は、コイルB204に単位電流を印加した際に磁性体B111に働くq軸方向の力、すなわちq軸方向の推力定数Eqを模式的に示している。d軸方向の推力定数プロファイルB1312は、コイルB204に単位電流を印加した際に磁性体B111に働くd軸方向の力、すなわちd軸方向の推力定数Edを模式的に示している。Z方向の推力定数プロファイルB1313は、コイルB204に単位電流を印加した際に磁性体B111に働くZ方向の力、すなわちZ方向の推力定数Ezを模式的に示している。
ここにいうq軸及びd軸は、それぞれモータ制御理論におけるq軸及びd軸である。図13Bには、代表してコイルB204-3に対するq軸及びd軸の方向を記載してある。q軸方向は周方向であるWz方向、d軸方向は径方向であるR軸に沿った方向に相当する。
各推力定数Eq、Ed、Ezの大きさは、回転子B101の角度θ及びコイルB204の指標jによって異なる。なお、図15D中、各推力定数Eq、Ed、Ezの最初の引数がコイルB204の指標j(1~4)、2番目の引数が、回転子B101の状態Pを表している。各推力定数Eq、Ed、Ezは、それぞれ指標j及び状態Pを用いてEq(j,P)、Ed(j,P)、Ez(j,P)と表すことができる。
このように、本実施形態では、磁性体B111により形成される磁束密度分布がZ方向に沿っても変化するため、図15Dに示すように、Z方向の力をも磁性体B111に働かせて回転子B101に対してZ方向に力を印加することができる。すなわち、以下に述べるモータコントローラB301は、複数のコイルB204に印加する電流を制御して、磁性体B111に対してq軸方向、q軸方向と交差するd軸方向並びにq軸方向及びd軸方向と交差するZ方向に力を印加することができる。
こうして、本実施形態では、磁性体B111を含む回転子B101に対してq軸方向、d軸方向及びZ方向に力を印加することができるため、回転子B101に印加する力を、q軸方向、d軸方向及びZ方向の各方向に遍在化することができる。
したがって、本実施形態によれば、回転子B101に印加する力の遍在化により、より安定して回転子B101を非接触状態で浮上させつつ回転することができる。
回転機器B10に対しては、図16に示すように、回転機器B10を制御する制御部であるモータコントローラB301が設けられている。モータコントローラB301は、制御プログラムを実行することにより、例えば、回転子B101の姿勢、回転子B101の回転速度等の制御に関する処理を実行して回転子B101を制御する制御部である。モータコントローラB301についてさらに図16を用いて説明する。図16は、回転機器B10を制御するモータコントローラB301を示す概略図である。なお、モータコントローラB301は、回転機器B10の一部を構成しうる。
図16に示すように、モータコントローラB301には、コイルB204ごとに設置された電流制御器B313が接続されている。各電流制御器B313には、コイルB204が接続されている。また、各電流制御器B313には、電流センサB312が接続されている。また、モータコントローラB301には、ZセンサB210、WzセンサB211、XセンサB213及びYセンサB214が接続されている。
モータコントローラB301は、ZセンサB210、WzセンサB211、XセンサB213及びYセンサB214からの検出値に基づき、回転子B101の変位(X,Y,Z,Wx,Wy、Wz)を検出することができる。
また、モータコントローラB301は、その内部に制御プログラム及びクロックが内蔵されており、検出した回転子B101の変位に応じた電流値を計算して各コイルB204に電流を印加する電流を示す電流指令値を計算することができる。
各電流制御器B313は、接続された電流センサB312を用いてコイルB204の電流値を検出することができる。また、各電流制御器B313は、モータコントローラB301からの電流指令値に従って、電流センサB312で電流量を検出しながらその検出結果に応じて、所定の電流をコイルB204に対して独立に印加することができる。
次に、モータコントローラB301による回転子B101の姿勢制御方法について図17を用いて説明する。図17は、回転子B101に印加する力の大きさを算出するための制御ループを模式的に表したものである。
図17中、refは回転子B101の変位の目標値、posはセンサ群から得られる回転子B101の変位である。センサ群は、ZセンサB210、WzセンサB211、XセンサB213及びYセンサB214である。
図17に示すように、モータコントローラB301は、目標値refと変位posとの差分errから回転子B101に印加する力Tを算出する。モータコントローラB301は、例えば、PID制御によるコントローラでもよいし、回転子B101の特性に応じて適宜フィルタを用いたコントローラでもよい。このようなコントローラにより、回転子B101の姿勢を安定させることができる。
モータコントローラB301は、力Tと変位posとから各コイルB204に印加する電流Iを算出する。各電流制御器B313は、モータコントローラB301により算出された電流Iに応じた電流をコイルB204に印加する。
こうして、各コイルB204に電流が印加されると、コイルB204と回転子B101の間に電磁力である力Tが発生し、力Tが回転子B101に作用して回転子B101が回転する。回転子B101が回転する間、変位posの検出及び各コイルB204への電流の印加が繰り返される。
モータコントローラB301は、回転子B101に印加する力Tの力成分Tx、Ty、Tz及びトルク成分Twx、Twy、Twzを要素とするトルクベクトルTqを制御する。これにより、モータコントローラB301は、回転子B101の姿勢(X,Y,Z,Wx,Wy)を制御しつつ、回転子B101を回転させる。トルクベクトルTqは、次式(B1)により表される列ベクトルである。
Tq=(Tx,Ty,Tz,Twx,Twy,Twz) …式(B1)
ここで、コイルB204に印加する電流を示す列ベクトルであるコイル電流ベクトルIsを次式(B2)により定義する。なお、次式(B2)は、コイルB204の設置数Nが6である場合のコイル電流ベクトルIsを示している。
Is=(I1,I2,I3,I4,I5,I6) …式(B2)
以下、回転子B101の回転に応じてコイルB204に発生する磁界を移動させることで、回転子B101のWz方向の任意の回転角で回転子B101にトルクベクトルTqを印加することができることを説明する。
トルクベクトルTqの要素は、各々次式(B3-1)から(B3-6)により表される。
Tx=Σ{(-Eq(j,P)*sin(φj)+Ed(j,P)*cos(φj))*Ij} …式(B3-1)
Ty=Σ{(Eq(j,P)*cos(φj)+Ed(j,P)*sin(φj))*Ij} …式(B3-2)
Tz=Σ(Ez(j,P)*Ij) …式(B3-3)
Twx=Σ(Ed(j,P)*r*sin(φj)*Ij) …式(B3-4)
Twy=Σ(-Eq(j,P)*r*cos(φj)*Ij) …式(B3-5)
Twz=Σ(Eq(j,P)*r*Ij) …式(B3-6)
所望のトルクベクトルTqを印加するために上の式(B3-1)から(B3-6)を満足する電流Ijを以下のようにして算出する。
ここで、トルク寄与行列Mを定義する。トルク寄与行列Mの各要素は、式(B3-1)から(B3-6)の電流Ijにかかる係数である。トルク寄与行列Mは、回転子B101が状態Pにある場合に1~N番目のコイルB204の各々に対して単位電流を印加した場合の各力成分及びトルク成分(Tx、Ty、Tz、Twx、Twy、Twz)への寄与の大きさを示す6行N列の行列である。トルク寄与行列Mの1行j列から6行j列までのj列の各要素M(1,j)からM(6,j)は、それぞれ次式(B3-1′)から(B3-6′)により表される。
M(1,j)=-Eq(j,P)*sin(φj)+Ed(j,P)*cos(φj) …式(B3-1′)
M(2,j)=Eq(j,P)*cos(φj)+Ed(j,P)*sin(φj) …式(B3-2′)
M(3,j)=Ez(j,P) …式(B3-3′)
M(4,j)=Ed(j,P)*r*sin(φj) …式(B3-4′)
M(5,j)=-Eq(j,P)*r*cos(φj) …式(B3-5′)
M(6,j)=Eq(j,P)*r …式(B3-6′)
すると、式(B3-1)から(B3-6)は、トルク寄与行列M、コイル電流ベクトルIs及びトルクベクトルTqを用いて次式(B4-1)で表現することができる。
Tq=M*Is …式(B4-1)
ここで、疑電流ベクトルKを導入する。疑電流ベクトルKを6行1列の列ベクトル、Tr(M)をトルク寄与行列Mの転置行列とすると、すると、疑電流ベクトルは、次式(B4-2)を満足するベクトルである。
Tr(M)*K=Is …式(B4-2)
式(B4-1)は、式(B4-2)を用いて次式(B4-3)に変形することができる。
Tq=M*Tr(M)*K …式(B4-3)
ここで、M*Tr(M)は、6行N列の行列とその転置行列の積であるから6行6列の正方行列でかつ逆行列が存在する。このため、式(B4-3)は、次式(B4-4)に変形することができる。
Inv(M*Tr(M))*Tq=K …式(B4-4)
式(B4-4)を式(B4-2)に代入することにより、次式(B4-5)により表されるコイル電流ベクトルIsを得る。
Tr(M)*Inv(M*Tr(M))*Tq=Is …式(B4-5)
以上のようにしてコイル電流ベクトルIsを計算することにより、各コイルB204に印加する電流を決定することができる。これにより、回転子B101に対して、X方向の力成分Tx、Y方向の力成分Ty、Z方向の力成分Tz、Wx方向のトルク成分Twx、Wy方向のトルク成分Twy及びWz方向のトルク成分Twzを独立して印加することができる。したがって、本実施形態によれば、より安定して回転子B101を非接触状態で浮上させつつ回転することができる。
なお、コイルB204と磁性体B111との位置関係、磁性体B111の具体的構成等は、上記の場合に限定されるものではない。例えば、図13A及び図13Bにおいて、コイルB204を永久磁石B103,B103の内側に配置することもできる。この場合、フィンB104を回転子B101の外側に配配置することができる。また、例えば、固定子B201側に磁性体B111を、回転子B101側にコイルB204を配置してコイルB204に電流を印加するためのバッテリーを回転子B101に搭載して回転子B101を回転させることもできる。すなわち、磁性体B111を含む第1の部分を回転子B101、複数のコイルB204を含む第2の部分を固定子B201とした上記とは逆に、磁性体B111を含む第1の部分を固定子、複数のコイルB204を含む第2の部分を回転子としてもよい。
さらに、磁性体B111は、第2乃至第4実施形態による磁性体103と同様の永久磁石の配置や着磁の態様にて構成することもできる。この場合も、回転子B101に印加する力をq軸方向、d軸方向及びZ方向に遍在化することが可能である。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、X方向、Y方向、Z方向、Wx方向、Wy方向及びWz方向において可動子101の位置及び姿勢する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。X方向、Y方向、Z方向、Wx方向、Wy方向及びWz方向の少なくともいずれかの方向において変位を取得して位置及び姿勢を制御すればよい。
また、上記実施形態では、複数のコイル202が2列で配置されている場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。可動子101に配置された磁性体103に応じて、コイル202を所定の列数で配置することができる。
また、本発明による搬送システムは、電子機器等の物品を製造する製造システムにおいて、物品となるワークに対して各作業工程を実施する工作機械等の各工程装置の作業領域にワークを可動子とともに搬送する搬送システムとして利用することができる。作業工程を実施する工程装置は、ワークに対して部品の組み付けを実施する装置、塗装を実施する装置等、あらゆる装置であってよい。また、製造される物品も特定のものに限定されるものではなく、あらゆる部品であってよい。
このように、本発明による搬送システムを用いてワークを作業領域に搬送し、作業領域に搬送されたワークに対して作業工程を実施して物品を製造することができる。
また、上記実施形態では、回転子B101に磁性体B111が、固定子B201に複数のコイルB204が設置されている場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。第1の部分である回転子B101及び第2の部分である固定子B201において磁性体B111と複数のコイルB204とが互いに入れ替えられて設置されていてもよい。すなわち、回転子B101に複数のコイルB204が、固定子B201に磁性体B111が設置されていてもよい。
また、上記実施形態では、モータB20が用いられた機器である回転機器B10の一例として、回転子B101にフィンB104が取り付けられたポンプを例に説明したが、これに限定されるものではない。モータB20が用いられた回転機器として、ポンプのほか、例えば、高速回転機、工作機械用の高速スピンドル、人工心臓等を構成することができる。また、回転機器に応じて、回転子B101とともに回転する回転部材を構成することができる。
1 搬送システム
3 制御システム
101 可動子
102 ワーク
103 磁性体
201 固定子
202 コイル
204 リニアエンコーダ
205 Yセンサ
206 Zセンサ
301 統合コントローラ
302 コイルコントローラ
303 コイルユニットコントローラ
304 センサコントローラ
312 電流センサ
313 電流コントローラ
1101 ヨーク板
1102、1103、1130 永久磁石群
1104 巻き線
1105 鉄心
1102、1103、1106、1107、1108、1109、1131、1132 永久磁石
B10 回転機器
B20 モータ
B101 回転子
B102、B103 永久磁石
B104 フィン
B111 磁性体
B112、B113 永久磁石群
B201 固定子
B204 コイル
B210 Zセンサ
B211 Wzセンサ
B212 スケール
B213 Xセンサ
B214 Yセンサ
B301 モータコントローラ
B312 電流センサ
B313 電流制御器

Claims (21)

  1. 磁性体を有する可動子と、
    前記磁性体に対向可能に第1の方向に沿って配置された複数のコイルを有し、電流が印加された前記複数のコイルにより前記磁性体に対して力を印加する固定子と、
    前記複数のコイルに印加する電流を制御して、前記磁性体に対して前記第1の方向、前記第1の方向と交差する第2の方向並びに前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向に前記力を印加する制御部と
    を有することを特徴とする搬送システム。
  2. 前記磁性体は、前記第1の方向に沿って変化する第1の磁束密度分布と、前記第3の方向に沿って変化する第2の磁束密度分布とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
  3. 前記第1の磁束密度分布は、前記第1の方向に沿って周期的に変化する
    ことを特徴とする請求項2に記載の搬送システム。
  4. 前記複数のコイルは、前記第2の方向に沿って前記磁性体と対向可能に配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送システム。
  5. 前記磁性体は、前記第2の方向に積層された第1の永久磁石群及び第2の永久磁石群を有し、
    前記第1の永久磁石群は、
    前記第2の方向に沿って着磁された第1の永久磁石と、
    前記第2の方向に沿って前記第1の永久磁石と逆向きに着磁された第2の永久磁石と
    を含み、
    前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石とは、前記第3の方向に隣接するように設置され、
    前記第2の永久磁石群は、
    前記第2の方向に沿って着磁された第3の永久磁石と、
    前記第2の方向に沿って前記第3の永久磁石と逆向きに着磁された第4の永久磁石と
    を含み、
    前記第3の永久磁石と前記第4の永久磁石とは、前記第1の方向に沿って交互に並ぶように設置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の搬送システム。
  6. 前記磁性体は、
    前記第2の方向に沿って着磁された第1の永久磁石と、
    前記第2の方向に沿って前記第1の永久磁石と逆向きに着磁された第2の永久磁石と
    を含み、
    前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石とは、前記第1の方向に沿って交互に並ぶように設置され、
    互いに前記第1の方向に隣接する前記第1の永久磁石及び前記第2の永久磁石は、互いに前記第3の方向に部分的に隣接している
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の搬送システム。
  7. 前記第1の永久磁石及び前記第2の永久磁石は、それぞれ前記第3の方向の幅が変化する形状を有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の搬送システム。
  8. 前記磁性体は、
    前記第2の方向に沿って着磁された第1の永久磁石と、
    前記第2の方向に沿って前記第1の永久磁石と逆向きに着磁された第2の永久磁石と、
    前記第3の方向に沿って着磁された第3の永久磁石と
    を含み、
    前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石とは、前記第1の方向に沿って交互に並ぶように設置され、
    前記第3の永久磁石は、前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石との間に配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の搬送システム。
  9. 前記磁性体は、単一の永久磁石により構成され、
    前記単一の永久磁石は、前記第1の方向に沿って変化する第1の磁束密度分布と、前記第3の方向に沿って変化する第2の磁束密度分布とを有するように着磁されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
  10. 前記磁性体は、前記第1の方向に沿って着磁された第1の永久磁石、前記第2の方向に沿って着磁された第2の永久磁石及び前記第3の方向に沿って着磁された第3の永久磁石のうちの少なくとも2つを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
  11. 前記磁性体が有する前記第1の永久磁石、前記第2の永久磁石及び前記第3の永久磁石のうちの少なくとも2つは、前記第2の方向に積層されている
    ことを特徴とする請求項10に記載の搬送システム。
  12. 前記第1の方向に沿って移動する前記可動子の位置及び姿勢を取得する検出部を有し、
    前記制御部は、前記可動子の前記位置及び前記姿勢に基づき、前記複数のコイルに印加する電流を制御する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の搬送システム。
  13. 前記第2の方向は、鉛直方向である
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の搬送システム。
  14. 磁性体を有する可動子と、第1の方向に沿って前記磁性体に対向可能に配置された複数のコイルを有し、電流が印加された前記複数のコイルにより前記磁性体に力を印加する固定子とを有する搬送システムの制御方法であって、
    前記複数のコイルに印加する電流を制御して、前記磁性体に対して前記第1の方向、前記第1の方向と交差する第2の方向並びに前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向に前記力を印加する
    ことを特徴とする制御方法。
  15. 請求項1乃至14のいずれか1項に記載された搬送システムと、
    前記可動子により搬送されるワークに対して加工を施す工程装置と
    を有することを特徴とする加工システム。
  16. 請求項15に記載の加工システムを用いて物品を製造する物品の製造方法であって、
    前記可動子により前記ワークを搬送する工程と、
    前記可動子により搬送された前記ワークに対して、前記工程装置により前記加工を施す工程と
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
  17. 磁性体を有する第1の部分と、
    複数のコイルを有し、電流が印加された前記複数のコイルにより前記磁性体に対して力を印加する第2の部分とを有し、
    前記第1の部分又は前記第2の部分は、回転軸を中心として回転可能に構成され、
    前記磁性体は、前記回転軸を中心とする周方向である第1の方向に配置され、
    前記複数のコイルは、前記磁性体に対して対向するように配置され、
    前記複数のコイルに印加する電流を制御して、前記第1の方向、前記第1の方向と交差する第2の方向並びに前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向に前記磁性体に対して前記力を印加する制御部をさらに有する
    ことを特徴とするモータ。
  18. 前記磁性体は、前記第1の方向に沿って変化する第1の磁束密度分布と、前記第3の方向に沿って変化する第2の磁束密度分布とを有する
    ことを特徴とする請求項17に記載のモータ。
  19. 前記第1の磁束密度分布は、前記第1の方向に沿って周期的に変化する
    ことを特徴とする請求項18に記載のモータ。
  20. 前記回転軸は、前記第3の方向に沿った軸である
    ことを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載のモータ。
  21. 前記磁性体は、前記第2の方向に積層された第1の永久磁石群及び第2の永久磁石群を有し、
    前記第1の永久磁石群は、
    前記第2の方向に沿って着磁された第1の永久磁石と、
    前記第2の方向に沿って前記第1の永久磁石と逆向きに着磁された第2の永久磁石と
    を含み、
    前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石とは、前記第3の方向に隣接するように設置され、
    前記第2の永久磁石群は、
    前記第2の方向に沿って着磁された第3の永久磁石と、
    前記第2の方向に沿って前記第3の永久磁石と逆向きに着磁された第4の永久磁石と
    を含み、
    前記第3の永久磁石と前記第4の永久磁石とは、前記第1の方向に沿って交互に並ぶように設置されている
    ことを特徴とする請求項17乃至20のいずれか1項に記載のモータ。
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