JP2023019028A - セメント硬化体の除去方法 - Google Patents

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Nao Takayanagi
翔 森田
Sho Morita
博之 山下
Hiroyuki Yamashita
真二 儀部
Shinji Gibe
康義 大庭
Yasuyoshi Oba
正敏 新地
Masatoshi Shinchi
道彦 松原
Michihiko Matsubara
正人 山本
Masato Yamamoto
完 長谷川
Kan Hasegawa
真悟 吉田
Shingo Yoshida
貴大 鈴木
Takahiro Suzuki
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Abstract

【課題】セメント硬化体の除去に要する期間の短縮化を図ることが可能となる、セメント硬化体の除去方法を提供すること。【解決手段】セメント硬化体30の除去方法は、建設部材20に付着しているセメント硬化体30を当該建設部材20から除去するための方法であって、建設部材20を50℃から90℃程度の第2酸溶液AL2に所定期間浸漬することにより、当該建設部材20に付着しているセメント硬化体30を除去する除去工程を含み、第2酸溶液AL2の酸濃度を、3重量%から35重量%程度とした。【選択図】図4

Description

本発明は、セメント硬化体の除去方法に関する。
従来、外壁から取り外した建材を再利用する技術の一つとして、セメント硬化体が付着した建材を常温の酸溶液に40日間浸漬することにより、当該セメント硬化体を除去する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-199458号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、上述したように、セメント硬化体が付着した建材を常温の酸溶液に40日間浸漬するので、当該セメント硬化体の除去に多大な日数を必要とすることから、当該セメント硬化体の除去に要する期間の短縮化を図る観点からは改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、セメント硬化体の除去に要する期間の短縮化を図ることが可能となる、セメント硬化体の除去方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のセメント硬化体の除去方法は、建設部材に付着しているセメント硬化体を当該建設部材から除去するための除去方法であって、前記建設部材を50℃から90℃程度の酸溶液に所定期間浸漬することにより、当該建設部材に付着している前記セメント硬化体を除去する除去工程を含む。
請求項2に記載のセメント硬化体の除去方法は、請求項1に記載のセメント硬化体の除去方法において、前記酸溶液の酸濃度を、3重量%から35重量%程度とした。
請求項3に記載のセメント硬化体の除去方法は、請求項1又は2に記載のセメント硬化体の除去方法において、前記除去工程において、前記建設部材を前記酸溶液に15分程度浸漬した後に、所定の取り外し方法によって前記セメント硬化体を当該建設部材から取り外すことを複数回行う。
請求項4に記載のセメント硬化体の除去方法は、請求項3に記載のセメント硬化体の除去方法において、前記所定の取り外し方法は、前記建設部材を擦り洗いすること、前記建設部材に温風を当てること、又は/及び、煮沸している水(例えば、真水)中に前記建設部材を浸漬することを含む。
請求項5に記載のセメント硬化体の除去方法は、請求項1から4のいずれか一項に記載のセメント硬化体の除去方法において、前記除去工程の前に行われる前処理工程であって、前記除去工程において前記セメント硬化体の除去を促進させるための前処理工程を含み、前記前処理工程において、前記建設部材を絶乾状態又はその近似状態になるまで乾燥させ、又は/及び、前記建設部材を常温の前記酸溶液に所定期間浸漬する。
請求項1に記載のセメント硬化体の除去方法によれば、建設部材を50℃から90℃程度の酸溶液に所定期間浸漬することにより、当該建設部材に付着しているセメント硬化体を除去する除去工程を含むので、従来技術(セメント硬化体が付着した建材を常温の酸溶液で浸漬する技術)に比べて、セメント硬化体を迅速に除去でき、セメント硬化体の除去に要する期間の短縮化を図ることが可能となる。
請求項2に記載のセメント硬化体の除去方法によれば、酸溶液の酸濃度を、3重量%から35重量%程度としたので、セメント硬化体を効果的に除去でき、除去工程を確実に行うことが可能となる。
請求項3に記載のセメント硬化体の除去方法によれば、除去工程において、建設部材を酸溶液に15分程度浸漬した後に、所定の取り外し方法によってセメント硬化体を当該建設部材から取り外すことを複数回行うので、単に建設部材を酸溶液に浸漬する場合に比べて、セメント硬化体を効果的に除去でき、セメント硬化体の除去に要する期間の短縮化を一層図ることが可能となる。
請求項4に記載のセメント硬化体の除去方法によれば、所定の取り外し方法が、建設部材を擦り洗いすること、建設部材に温風を当てること、又は/及び、煮沸している水中に建設部材を浸漬することを含むので、セメント硬化体を建設部材から簡易且つ確実に取り外すことができ、セメント硬化体の除去を一層効率的に行うことが可能となる。
請求項5に記載のセメント硬化体の除去方法によれば、前処理工程において、建設部材を絶乾状態又はその近似状態になるまで乾燥させ、又は/及び、建設部材を常温の酸溶液に所定期間浸漬するので、除去工程においてセメント硬化体の除去を促進させることができ、除去工程の短縮化を図りながら、除去工程の作業性を高めることができる。
本発明の実施の形態に係る躯体を概念的に示す図であり、(a)は正面図、(b)はA-A矢視断面図である。 セメント硬化体の除去方法の準備工程を示す図である。 セメント硬化体の除去方法の前処理工程を示す図であり、(a)は建設部材を乾燥している状態を示す図、(b)は建設部材を第1酸溶液に浸漬している状態を示す図である。 セメント硬化体の除去方法の除去工程を示す図であり、(a)は建設部材を第2酸溶液に浸漬している状態を示す図、(b)は建設部材を擦り洗いしている状態を示す図である。 第1除去確認試験の試験結果を示す図である。 第2除去確認試験の試験結果を示す図であり、(a)は第2酸溶液の温度と各試験体の質量減少量との関係を示す図、(b)は第2酸溶液の温度と第2酸溶液の滴定濃度との関係を示す図である。 第3除去確認試験の試験結果を示す図である。 第4除去確認試験の試験結果を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るセメント硬化体の除去方法の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建設部材に付着しているセメント硬化体を当該建設部材から除去するための除去方法に関する。
ここで、「建設部材」の具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、構造物の躯体(一例として、柱、壁、床、又は天井)に取り付けられる外装材(一例として、タイル系の外装材、レンガ系の外装材、石系の外装材)及び内装材(一例として、タイル系の内装材、レンガ系の内装材、石系の内装材)等を含む概念であるが、実施の形態では、壁用のタイル系の外装材として説明する。
また、「構造物」の具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、オフィスビル、商業施設、公共施設、及びアパートやマンションの如き集合住宅等の建築構造物や、トンネル、ダム等の土木構造物を含む概念であるが、実施の形態では、オフィスビルとして説明する。
また、「セメント硬化体」とは、後述する躯体本体に対して建設部材を取り付けるために用いられるものであり、例えば、成分として少なくともセメントを含む下地材又は/及び張付材等を含む概念であり、実施の形態では、モルタル製の下地材及び張付材を含むものとして説明する。
また、この除去方法によってセメント硬化体が除去された建設部材の具体的な用途は任意であるが、例えば、当該建設部材が取り付けられていた構造物の躯体又は異なる構造物の躯体に外装材又は内装材として再利用されること、外装材又は内装材以外の他の用途(一例として、花壇等の柵材等)に利用されること等が該当する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係るセメント硬化体の除去方法が適用される建設部材を含む構造物(具体的には、オフィスビル)の躯体の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る躯体を概念的に示す図であり、(a)は正面図、(b)はA-A矢視断面図である。
以下の説明では、図1のX方向を躯体の左右方向(-X方向を躯体の左方向、+X方向を躯体の右方向)、図1のY方向を躯体の前後方向(+Y方向を躯体の前方向、-Y方向を躯体の後方向)、図1のZ方向を躯体の上下方向(+Z方向を躯体の上方向、-Z方向を躯体の下方向)と称する。
躯体1は、構造物を構成する壁(例えば、外壁等)であり、図1に示すように、躯体本体10、建設部材20、及びセメント硬化体30を備えている。
(構成-躯体本体)
躯体本体10は、躯体1の基本構造体である。この躯体本体10は、例えばコンクリート製(一例として、鉄筋コンクリート製、プレストレストコンクリート製)の長尺な矩形状の板状体にて形成されており、図1に示すように、長手方向が上下方向に沿うように設けられ、図示しない設置対象(例えば、床部等)に対して固定されている。
(構成-建設部材)
建設部材20は、例えば公知のタイル系の外装材等を用いて構成されており、図1に示すように、躯体本体10よりも外側において躯体本体10の外表面全体(図1では、前面全体)を覆うように設けられており、建設部材本体21を備えている。
(構成-建設部材-建設部材本体)
建設部材本体21は、建設部材20の基本構造体である。この建設部材本体21は、例えば公知のタイル材(一例として、タイル部と目地部とを有する長方形状のタイル材)等を用いて構成されており、図1に示すように、躯体本体10を覆うように左右方向に略沿って複数並設され、且つ上下方向に略沿って複数並設されている。
また、建設部材本体21の具体的な構成については、実施の形態では、以下の通り構成されている。
すなわち、図1に示すように、建設部材本体21の外表面全体(図1では、前面全体)は、平坦状に形成されている。ただし、これに限らず、例えば非平坦状に形成されてもよい。また、建設部材本体21の内表面全体(図1では、後面全体)は、非平坦状に形成されており、具体的には、後方に向けて突出する複数の凸部を有するように形成されている。
(構成-セメント硬化体)
セメント硬化体30は、建設部材20を躯体本体10に対して取り付けるためのものである。このセメント硬化体30は、図1(b)に示すように、躯体本体10と建設部材本体21との相互間に設けられている。
また、セメント硬化体30の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、図1(b)に示すように、下地部31及び張付部32を備えている。
このうち、下地部31は、躯体本体10の不陸を整正するためのものである。この下地部31は、例えば公知のモルタル製の下地材等を用いて構成されており、図1(b)に示すように、躯体本体10の外表面全体を略覆うように設けられている。
また、張付部32は、建設部材20を下地材に張り付けるためのものである。この張付部32は、例えば公知のモルタル製の張付材等を用いて構成されており、図1(b)に示すように、下地部31の外表面全体を略覆うように設けられている。
(セメント硬化体の除去方法)
次に、実施の形態に係るセメント硬化体30の除去方法について説明する。
図2は、セメント硬化体30の除去方法の準備工程を示す図である。図3は、セメント硬化体30の除去方法の前処理工程を示す図であり、(a)は建設部材20を乾燥している状態を示す図、(b)は建設部材20を後述の第1酸溶液AL1に浸漬している状態を示す図である。図4は、セメント硬化体30の除去方法の除去工程を示す図であり、(a)は建設部材20を後述の第2酸溶液AL2に浸漬している状態を示す図、(b)は建設部材20を擦り洗いしている状態を示す図である。
実施の形態に係るセメント硬化体30の除去方法は、建設部材20に付着しているセメント硬化体30を当該建設部材20から除去するための方法であり、図2から図4に示すように、準備工程、前処理工程、及び除去工程を含んでいる。
(セメント硬化体の除去方法-準備工程)
図2に戻り、まず、準備工程について説明する。
準備工程は、建設部材20からセメント硬化体30を除去するための準備を行うための工程である。
具体的には、まず、図2に示すように、図示しない公知の切断器具を用いて、建設部材20の一部の領域をセメント硬化体30と併せて切断し、その後図示しない公知の剥離器具を用いて、当該切断した建設部材20及びセメント硬化体30を躯体本体10から剥離する。この場合には、例えば、建設部材20の再利用性を高めるために、建設部材20の切断領域に建設部材本体21のタイル部が少なくとも1つ以上含まれるように切断すると共に、建設部材本体21のタイル部を切断せずに建設部材本体21の目地部を切断することが望ましい。
(セメント硬化体の除去方法-前処理工程)
次に、前処理工程について説明する。
前処理工程は、準備工程の後であり、且つ除去工程の前に、除去工程においてセメント硬化体30の除去を促進させるための工程である。
前処理工程の処理内容については任意であるが、実施の形態では、建設部材20を絶乾状態又はその近似状態になるまで乾燥させ、又は/及び、建設部材20を常温の酸溶液AL1(以下、「第1酸溶液AL1」と称する)に所定期間浸漬する。
ここで、建設部材20を絶乾状態又はその近似状態になるまで乾燥させる理由は、当該乾燥によって建設部材20に付着しているセメント硬化体30の内部の水分を除去することにより、前処理工程の第1酸溶液AL1又は後述する第2酸溶液AL2を当該セメント硬化体30の内部に浸透させやすくするためである。なお、「絶乾状態又はその近似状態」とは、例えば、建設部材20の含水率が5%程度以下である状態等が該当する。
また、建設部材20を常温の第1酸溶液AL1に所定期間浸漬する理由は、当該浸漬によって建設部材20に付着しているセメント硬化体30の内部に第1酸溶液AL1を浸透させることにより、当該セメント硬化体30への後述する第2酸溶液AL2の浸透時間を短縮するためである。
また、前処理工程の処理内容の詳細については、まず、図3(a)に示すように、後述の第3除去確認試験の試験結果に基づいて、公知の乾燥装置41を用いて建設部材20を100℃程度で3時間程度乾燥させる。次いで、図3(b)に示すように、常温の第1酸溶液AL1が収容された第1容器42内に上記乾燥させた建設部材20を投入して、当該建設部材20を当該第1酸溶液AL1に20時間程度浸漬する。
ただし、これに限らず、例えば、100℃を超える温度で3時間を超える時間(又は3時間未満)建設部材20を乾燥させた後に、当該建設部材20を第1酸溶液AL1に20時間未満又は20時間を超える時間浸漬してもよい。あるいは、乾燥装置41を用いて建設部材20を100℃程度(又は100℃を超える温度)で3時間程度(あるいは、3時間を超える時間又は3時間未満等)乾燥させるだけでもよい。あるいは、建設部材20を常温の第1酸溶液AL1に20時間程度(あるいは、20時間未満又は20時間を超える時間)浸漬するだけでもよい。
また、第1容器42への第1酸溶液AL1の収容量については、セメント硬化体30全体を浸漬可能である限りにおいて任意であるが、実施の形態では、図3(b)に示すように、建設部材20及びセメント硬化体30の両方が完全に浸漬される程度の量に設定してもよい。ただし、これに限らず、例えば、セメント硬化体30が完全に浸漬されるものの、建設部材20の一部が第1酸溶液AL1に浸漬されない量に設定してもよい(なお、後述する第2容器52への第2酸溶液AL2の収容量についても略同様とする)。
また、第1酸溶液AL1に含まれる酸の種類については、セメント硬化体30の少なくとも一部の成分と反応してセメント硬化体30を溶解させることが可能な限り任意であるが、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、クエン酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過臭素酸、メタ過ヨウ素酸、過マンガン酸、チオシアン酸、王水、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、酢酸、ギ酸、酒石酸、安息香酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等を用いることができる(なお、後述する第2酸溶液AL2に含まれる酸の種類についても略同様とする)。
また、第1酸溶液AL1の酸濃度の設定方法については任意であるが、実施の形態では、後述する第2酸溶液AL2の酸濃度と同じ濃度に設定している。ただし、これに限らず、例えば、後述する第2酸溶液AL2の酸濃度よりも低い濃度に設定してもよく、あるいは、後述する第2酸溶液AL2の酸濃度よりも高い濃度に設定してもよい。
このような前処理工程により、除去工程においてセメント硬化体30の除去を促進させることができ、除去工程の短縮化を図りながら、除去工程の作業性(例えば、建設部材20の擦り洗いの回数又は時間を低減できること等)も高めることができる。
(セメント硬化体の除去方法-除去工程)
次に、除去工程について説明する。
除去工程は、前処理工程の後に、建設部材20を50℃から90℃程度の酸溶液AL2(以下、「第2酸溶液AL2」と称する)に所定期間浸漬することにより、当該建設部材20に付着しているセメント硬化体30を除去する工程である。
ここで、第2酸溶液AL2の温度を50℃から90℃程度に設定した理由は、以下の通りとなる。すなわち、後述の第2除去確認試験の試験結果に示すように、第2酸溶液AL2の温度を沸点又はその近傍の温度に設定した場合には、浸漬期間が経過するにつれて第2酸溶液AL2の酸濃度(具体的には、酸の滴定濃度)が低下することで、第2酸溶液AL2の酸濃度を維持できないおそれがある。また、第2酸溶液AL2の温度を50℃未満に設定した場合には、第2酸溶液AL2の温度を50℃以上にする場合に比べてセメント硬化体30の除去効果が低いことから、セメント硬化体30の除去に要する期間の短縮化を図ることが難しくなるおそれがある。よって、これらの問題を回避するためである。
また、この除去工程の処理内容については任意であるが、実施の形態では、建設部材20を第2酸溶液AL2に15分程度浸漬した後に、所定の取り外し方法によってセメント硬化体30を当該建設部材20から取り外すことを複数回行う。
ここで、所定の取り外し方法の具体的な種類については、セメント硬化体30を建設部材20から簡易且つ確実に取り外すことができる限りに任意であるが、実施の形態では、建設部材20を擦り洗いすることとして説明する。ただし、これに限らず、例えば、建設部材20を擦り洗いすること、建設部材20に温風を当てること、煮沸している水中に建設部材20を浸漬すること、又は、これらを組み合わせて行うことであってもよい。
また、除去工程の処理内容の詳細については、図4(a)に示すように、後述の第1除去確認試験、第2除去確認試験の試験結果、及び後述の第4除去確認試験の試験結果に基づいて、公知の加熱装置51(例えば、ガス式加熱装置等)によって80℃程度に加熱された第2酸溶液AL2が収容された第2容器52内に建設部材20を投入して、当該建設部材20を当該第2酸溶液AL2に15分程度浸漬する。その後、図4(b)に示すように、公知のブラシ53等を用いて、水W(例えば、真水)が収容された第3容器54中で上記浸漬された建設部材20を擦り洗いすることにより、溶解したセメント硬化体30を当該建設部材20から取り外す。そして、これら一連の作業を4回繰り返す(つまり、建設部材20の擦り洗いをしながら、建設部材20を第2酸溶液AL2に合計60分間浸漬する)。
これにより、単に建設部材20を第2酸溶液AL2に浸漬する場合に比べて、セメント硬化体30を効果的に除去できる。
ただし、これに限らず、例えば、上記一連の作業を5回以上行ってもよい。あるいは、セメント硬化体30が完全に除去されるまで、建設部材20を80℃より高い温度(又は低い温度)の第2酸溶液AL2に15分を超える期間(又は15分未満)浸漬した後に、建設部材20を擦り洗いすることを、4回以上(又は4回未満)繰り返してもよい。あるいは、建設部材20を擦り洗いすることを省略して、単に建設部材20を第2酸溶液AL2に60分間浸漬(又は60分間を超える期間)浸漬してもよい。
また、第2酸溶液AL2の酸濃度の設定方法については任意であるが、実施の形態では、後述の第2除去確認試験の試験結果に基づいて、3重量%から35重量%程度に設定しており、具体的には、35重量%に設定している。
これにより、セメント硬化体30を効果的に除去でき、除去工程を確実に行うことが可能となる。
このような除去工程により、従来技術(セメント硬化体が付着した建材を常温の酸溶液で浸漬する技術)に比べて、セメント硬化体30を迅速に除去でき、セメント硬化体30の除去に要する期間の短縮化を図ることが可能となる。
以上のような除去方法により、セメント硬化体30の除去に要する期間の短縮化を図ることができ、建設部材20の再利用に関する作業時間を短縮することができる。
(試験結果)
次に、本件出願人が行った各種の試験結果について説明する。ここでは、第1除去確認試験から第4除去確認試験の試験結果について説明する。
(試験結果-第1除去確認試験-概要)
最初に、第1除去確認試験の概要について説明する。
第1除去確認試験は、各種の試験条件(具体的には、温度条件、及び第2酸溶液AL2の酸濃度条件)で各試験体におけるセメント硬化体30の除去量を確認するための試験である。
この第1除去確認試験の試験方法については任意であるが、以下の通りとなる。すなわち、まず、公知の質量測定器を用いて各試験体の質量を測定する。次に、第2酸溶液AL2(具体的には、塩酸を含む酸溶液)が収容された対応する第2容器52に各試験体を投入して、当該試験体を所定期間浸漬する。そして、上記浸漬途中及び上記浸漬後に、質量測定器を用いて各試験体の質量を測定する。
ここで、第2酸溶液AL2の温度の設定については、後述する試験体A1及び試験体A2については常温に設定し、後述する試験体A3については80℃に設定する。
また、第2酸溶液AL2の酸濃度の設定については、後述する試験体A1については3重量%程度(1mol/L)に設定し、後述する試験体A2及び試験体A3については35重量%程度(11.38mol/L)に設定する。
また、第1除去確認試験で用いられる試験体については、試験体A1から試験体A3に分けられる。
具体的には、試験体A1から試験体A3は、建設部材20=平面形状が45mm×45mmであるタイル材、建設部材20に付着しているセメント硬化体30=厚さ40mm程度のモルタル製の下地材及び張付材とした試験体である。
(試験結果-第1除去確認試験-試験結果の詳細)
次いで、第1除去確認試験の試験結果の詳細について説明する。図5は、第1除去確認試験の試験結果を示す図である。
図5に示すように、試験体A1から試験体A3については、浸漬期間が経過するにつれて質量が減少することが確認された。また、試験体A2及び試験体A3については、試験体A1よりも短い浸漬期間で質量が減少することが確認された。特に、試験体A3におけるモルタルの質量が85%程度になるまでの溶解量が、試験体A1におけるモルタルの質量が85%程度になるまでの溶解量の72倍程度であることが確認された。
以上のことから、酸濃度が3重量%から35重量%程度であり、且つ80℃程度の第2酸溶液AL2に建設部材20を浸漬することの有効性が確認できた。
(試験結果-第2除去確認試験-概要)
次に、第2除去確認試験の概要について説明する。
第2除去確認試験は、各種の試験条件(具体的には、温度条件、及び第2酸溶液AL2の酸濃度条件)で各試験体におけるセメント硬化体30の除去量を確認するための試験である。
この第2除去確認試験の試験方法については任意であるが、以下の通りとなる。すなわち、まず、公知の質量測定器を用いて各試験体の質量を測定する。次に、第2酸溶液AL2(具体的には、塩酸を含む酸溶液)が収容された対応する第2容器52に各試験体を投入し、当該試験体を60分間浸漬する。そして、上記浸漬後に、質量測定器を用いて各試験体の質量を再度測定し、浸漬前後の質量差を示す質量減少量を算出すると共に、公知の測定方法を用いて、各第2容器52内の第2酸溶液AL2の滴定濃度を測定する。
ここで、第2酸溶液AL2の温度の設定については、後述する試験体B1から試験体B3については第2酸溶液AL2の沸点温度に設定し、後述する試験体C1から試験体C3については80℃に設定し、後述する試験体D1から試験体D3については50℃に設定し、後述する試験体E1から試験体E3については20℃に設定する。
また、第2酸溶液AL2の酸濃度の設定については、後述する試験体B1、試験体C1、試験体D1、及び試験体E1については8.75重量%に設定し、後述する試験体B2、試験体C2、試験体D2、及び試験体E2については20重量%に設定し、後述する試験体B3、試験体C3、試験体D3、及び試験体E3については35重量%に設定する。
また、第2除去確認試験で用いられる試験体については、試験体B1から試験体B3、試験体C1から試験体C3、試験体D1から試験体D3、及び試験体E1から試験体E3に分けられる。ここで、試験体B1から試験体B3、試験体C1から試験体C3、試験体D1から試験体D3、及び試験体E1から試験体E3は、建設部材20=平面形状が45mm×45mmであるタイル材、建設部材20に付着しているセメント硬化体30=厚さ20mm程度のモルタル製の張付材とした試験体である。
(試験結果-第2除去確認試験-試験結果の詳細)
次いで、第2除去確認試験の試験結果の詳細について説明する。図6は、第2除去確認試験の試験結果を示す図であり、(a)は第2酸溶液AL2の温度と各試験体の質量減少量との関係を示す図、(b)は第2酸溶液AL2の温度と第2酸溶液AL2の滴定濃度との関係を示す図である。
図6(a)に示すように、試験体B1から試験体B3、試験体C1から試験体C3の質量減少量、及び試験体D1から試験体D2の質量減少量については、試験体D3及び試験体E1から試験体E3に比べて、質量減少量が多くなることが確認された。これら試験体B1から試験体B3、試験体C1から試験体C3の質量減少量、及び試験体D1から試験体D2の質量減少量からすると、第2酸溶液AL2の温度が50℃から90℃程度であれば、質量減少量が15g以上になることが推測される。
また、図6(b)に示すように、試験体B1、試験体C1、試験体D1、及び試験体E1の第2酸溶液AL2の滴定濃度については、元の濃度である8.75重量%とほぼ同じであり、試験体B2、試験体C2、試験体D2、及び試験体E2の第2酸溶液AL2の滴定濃度については、元の濃度である25重量%とほぼ同じであることが確認された。一方で、試験体C3、試験体D3、及び試験体E3の第2酸溶液AL2の滴定濃度については、元の濃度である35重量%とほぼ同じであったものの、試験体B3の滴定濃度については、第2酸溶液AL2の成分が蒸発することによって、35重量%よりも著しく低くなることが確認された。
以上のことから、酸濃度が8重量%から35重量%であり、且つ50℃から90℃程度の第2酸溶液AL2に建設部材20を浸漬することの有効性が確認できた。
(試験結果-第3除去確認試験-概要)
次に、第3除去確認試験の概要について説明する。
第3除去確認試験は、各種の試験条件(具体的には、前処理工程の有無の条件)で各試験体におけるセメント硬化体30の除去量を確認するための試験である。
この第3除去確認試験の試験方法については任意であるが、以下の通りとなる。すなわち、まず、公知の質量測定器を用いて各試験体の質量を測定する。次に、後述の試験体F2のみに対して前処理工程(具体的には、乾燥装置41を用いて、後述の試験体F2を100℃程度で3時間程度乾燥させること)を行う。次いで、酸濃度が35重量%であり、且つ80℃の第2酸溶液AL2(具体的には、塩酸を含む酸溶液)が収容された対応する第2容器52に各試験体を投入し、当該試験体を15分間浸漬する。そして、上記浸漬後に、質量測定器を用いて各試験体の質量を再度測定し、浸漬前後の質量差を示す質量減少量を算出する。
また、第3除去確認試験で用いられる試験体については、試験体F1及び試験体F2に分けられる。ここで、試験体F1及び試験体F2は、試験体B1と略同一に構成された試験体である。
(試験結果-第3除去確認試験-試験結果の詳細)
次いで、第3除去確認試験の試験結果の詳細について説明する。図7は、第3除去確認試験の試験結果を示す図である。
図7に示すように、試験体F2については、試験体F1に比べて、質量減少量が多くなることが確認された。具体的には、試験体F2の質量減少量が試験体F1の質量減少量の4倍程度になることが確認された。
以上のことから、除去工程の前に前処理工程を行うことの有効性が確認できた。
(試験結果-第4除去確認試験-概要)
続いて、第4除去確認試験の概要について説明する。
第4除去確認試験は、各種の試験条件(具体的には、浸漬期間の条件、及びセメント硬化体30の取り外し作業の有無の条件)で各試験体におけるセメント硬化体30の除去量を確認するための試験である。
この第4除去確認試験の試験方法については任意であるが、以下の通りとなる。すなわち、まず、公知の質量測定器を用いて各試験体の質量を測定する。次に、酸濃度が35重量%であり、且つ80℃の第2酸溶液AL2(具体的には、塩酸を含む酸溶液)が収容された対応する第2容器52に各試験体を投入し、当該試験体を所定期間浸漬する(なお、後述する試験体G3については、上記浸漬の途中及び後に後述する試験体G3の擦り洗いを合計4回行う)。そして、上記浸漬後に、質量測定器を用いて各試験体の質量を再度測定し、浸漬前後の質量差を示す質量減少量を算出する。
ここで、第2酸溶液AL2の浸漬期間については、後述する試験体G1については15分間に設定し、後述する試験体G2については60分間に設定し、後述する試験体G3については15分間×4回に設定する(すなわち、合計で60分間浸漬する)。
また、第4除去確認試験で用いられる試験体については、試験体G1から試験体G3に分けられる。ここで、試験体G1から試験体G3は、試験体B1と略同一に構成された試験体である。
(試験結果-第4除去確認試験-試験結果の詳細)
次いで、第4除去確認試験の試験結果の詳細について説明する。図8は、第4除去確認試験の試験結果を示す図である。
図8に示すように、試験体G3については、試験体G1及び試験体G2に比べて、質量減少量が多くなることが確認された。具体的には、試験体G3の質量減少量が試験体G2の質量減少量の1.5倍程度になることが確認された。
以上のことから、建設部材20を第2酸溶液AL2に15分程度浸漬した後に、所定の取り外し方法によってセメント硬化体30を当該建設部材20から取り外すことを複数回行うことの有効性が確認できた。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、建設部材20を50℃から90℃程度の第2酸溶液AL2に所定期間浸漬することにより、当該建設部材20に付着しているセメント硬化体30を除去する除去工程を含むので、従来技術(セメント硬化体が付着した建材を常温の酸溶液で浸漬する技術)に比べて、セメント硬化体30を迅速に除去でき、セメント硬化体30の除去に要する期間の短縮化を図ることが可能となる。
また、第2酸溶液AL2の酸濃度を、3重量%から35重量%程度としたので、セメント硬化体30を効果的に除去でき、除去工程を確実に行うことが可能となる。
また、除去工程において、建設部材20を第2酸溶液AL2に15分程度浸漬した後に、所定の取り外し方法によってセメント硬化体30を当該建設部材20から取り外すことを複数回行うので、単に建設部材20を第2酸溶液AL2に浸漬する場合に比べて、セメント硬化体30を効果的に除去でき、セメント硬化体30の除去に要する期間の短縮化を一層図ることが可能となる。
また、所定の取り外し方法が、建設部材20を擦り洗いすること、建設部材20に温風を当てること、又は/及び、煮沸している水中に建設部材20を浸漬することを含むので、セメント硬化体30を建設部材20から簡易且つ確実に取り外すことができ、セメント硬化体30の除去を一層効率的に行うことが可能となる。
また、前処理工程において、建設部材20を絶乾状態又はその近似状態になるまで乾燥させ、及び、建設部材20を常温の第1酸溶液AL1に所定期間浸漬するので、除去工程においてセメント硬化体30の除去を促進させることができ、除去工程の短縮化を図りながら、除去工程の作業性を高めることができる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(酸溶液の酸濃度について)
上記実施の形態では、酸溶液(具体的には、第1酸溶液AL1、第2酸溶液AL2)の酸濃度を3重量%から35重量%程度に設定していると説明したが、これに限らない。例えば、上記実施の形態に比べて、セメント硬化体30の除去に要する期間が要することを許容する場合には(ただし、従来技術に比べてセメント硬化体30の除去に要する期間を短縮できるものとする)、3重量%未満に設定してもよい。あるいは、35重量%を上回る濃度に設定してもよい。
(セメント硬化体の除去方法について)
上記実施の形態では、セメント硬化体30の除去方法が、準備工程及び前処理工程を含んでいると説明したが、これに限らない。例えば、既に建設部材20及びセメント硬化体30が躯体本体10から取り外されている場合には、準備工程を省略してもよい。あるいは、セメント硬化体30が建設部材20から除去されやすい材質で構成されている場合には、前処理工程を省略してもよい。
(付記)
付記1のセメント硬化体の除去方法は、建設部材に付着しているセメント硬化体を当該建設部材から除去するための除去方法であって、前記建設部材を50℃から90℃程度の酸溶液に所定期間浸漬することにより、当該建設部材に付着している前記セメント硬化体を除去する除去工程を含む。
付記2のセメント硬化体の除去方法は、付記1に記載のセメント硬化体の除去方法において、前記酸溶液の酸濃度を、3重量%から35重量%程度とした。
付記3のセメント硬化体の除去方法は、付記1又は2に記載のセメント硬化体の除去方法において、前記除去工程において、前記建設部材を前記酸溶液に15分程度浸漬した後に、所定の取り外し方法によって前記セメント硬化体を当該建設部材から取り外すことを複数回行う。
付記4のセメント硬化体の除去方法は、付記3に記載のセメント硬化体の除去方法において、前記所定の取り外し方法は、前記建設部材を擦り洗いすること、前記建設部材に温風を当てること、又は/及び、煮沸している水(例えば、真水)中に前記建設部材を浸漬することを含む。
付記5のセメント硬化体の除去方法は、付記1から4のいずれか一項に記載のセメント硬化体の除去方法において、前記除去工程の前に行われる前処理工程であって、前記除去工程において前記セメント硬化体の除去を促進させるための前処理工程を含み、前記前処理工程において、前記建設部材を絶乾状態又はその近似状態になるまで乾燥させ、又は/及び、前記建設部材を常温の前記酸溶液に所定期間浸漬する。
(付記の効果)
付記1に記載のセメント硬化体の除去方法によれば、建設部材を50℃から90℃程度の酸溶液に所定期間浸漬することにより、当該建設部材に付着しているセメント硬化体を除去する除去工程を含むので、従来技術(セメント硬化体が付着した建材を常温の酸溶液で浸漬する技術)に比べて、セメント硬化体を迅速に除去でき、セメント硬化体の除去に要する期間の短縮化を図ることが可能となる。
付記2に記載のセメント硬化体の除去方法によれば、酸溶液の酸濃度を、3重量%から35重量%程度としたので、セメント硬化体を効果的に除去でき、除去工程を確実に行うことが可能となる。
付記3に記載のセメント硬化体の除去方法によれば、除去工程において、建設部材を酸溶液に15分程度浸漬した後に、所定の取り外し方法によってセメント硬化体を当該建設部材から取り外すことを複数回行うので、単に建設部材を酸溶液に浸漬する場合に比べて、セメント硬化体を効果的に除去でき、セメント硬化体の除去に要する期間の短縮化を一層図ることが可能となる。
付記4に記載のセメント硬化体の除去方法によれば、所定の取り外し方法が、建設部材を擦り洗いすること、建設部材に温風を当てること、又は/及び、煮沸している水中に建設部材を浸漬することを含むので、セメント硬化体を建設部材から簡易且つ確実に取り外すことができ、セメント硬化体の除去を一層効率的に行うことが可能となる。
付記5に記載のセメント硬化体の除去方法によれば、前処理工程において、建設部材を絶乾状態又はその近似状態になるまで乾燥させ、又は/及び、建設部材を常温の酸溶液に所定期間浸漬するので、除去工程においてセメント硬化体の除去を促進させることができ、除去工程の短縮化を図りながら、除去工程の作業性を高めることができる。
1 躯体
10 躯体本体
20 建設部材
21 建設部材本体
30 セメント硬化体
31 下地部
32 張付部
41 乾燥装置
42 第1容器
51 加熱装置
52 第2容器
53 ブラシ
54 第3容器
AL1 第1酸溶液
AL2 第2酸溶液
W 水

Claims (5)

  1. 建設部材に付着しているセメント硬化体を当該建設部材から除去するための除去方法であって、
    前記建設部材を50℃から90℃程度の酸溶液に所定期間浸漬することにより、当該建設部材に付着している前記セメント硬化体を除去する除去工程を含む、
    セメント硬化体の除去方法。
  2. 前記酸溶液の酸濃度を、3重量%から35重量%程度とした、
    請求項1に記載のセメント硬化体の除去方法。
  3. 前記除去工程において、前記建設部材を前記酸溶液に15分程度浸漬した後に、所定の取り外し方法によって前記セメント硬化体を当該建設部材から取り外すことを複数回行う、
    請求項1又は2に記載のセメント硬化体の除去方法。
  4. 前記所定の取り外し方法は、前記建設部材を擦り洗いすること、前記建設部材に温風を当てること、又は/及び、煮沸している水中に前記建設部材を浸漬することを含む、
    請求項3に記載のセメント硬化体の除去方法。
  5. 前記除去工程の前に行われる前処理工程であって、前記除去工程において前記セメント硬化体の除去を促進させるための前処理工程を含み、
    前記前処理工程において、前記建設部材を絶乾状態又はその近似状態になるまで乾燥させ、又は/及び、前記建設部材を常温の前記酸溶液に所定期間浸漬する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のセメント硬化体の除去方法。
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