JP2023018879A - 導電性シート及びその巻回体 - Google Patents

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Abstract

【課題】裏移りを抑制することのできる導電性シートを提供すること。【解決手段】 基材と、該基材上に積層された、遷移金属を含む粒子が結合した粒子層から構成される細線と、を含み、該粒子層が、前記基材に対して略平行な面を有する平坦部と、はね上がり部と、を有する、導電性シート。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性シート及びその巻回体に関する。
従来、電子ペーパー、タッチパネル、及びフラットパネルディスプレイ等の電子デバイスには、酸化インジウムスズ(以下、「ITO」ともいう。)を用いた透明な導電性シートが用いられている。今後、更なる電子デバイスの高付加価値化にむけて、大面積化や応答性向上、フレキシブル化が重要である。そのため、これに用いられる導電性シートには、高い透過率を維持しながら導電性と可撓性を向上させることが求められる。
ITOは材料固有の導電率が低いため、高い導電性を発現するためには厚膜化が必要でありそれに伴い透過率が低下する。また厚膜化により曲げや撓み、屈曲等の変形によりクラックが発生しやすくなるため、ITOを用いた導電性シートでは高い透過率、導電性、可撓性を同時に発現することは困難である。
そこで、ITOに代わる導電性シートの研究開発が精力的に行われており、透明基材上にパターニングした金属細線を有する導電性シートが注目されており、種々の研究がなされている。
例えば、特許文献1には、金属微粒子焼結膜と基材との密着性と導電性の向上を目的として、金属微粒子焼結膜のX線回折により測定した結晶子径と、金属微粒子焼結膜の断面の空隙率を規定することが開示されている。
また、特許文献2には、重ねたときに機能性パターンに圧力が集中することを抑制することを目的として、支持体上の機能性パターンが形成されていない部分に厚み調整用パターンを設ける方法が開示されている。さらに、特許文献3には、電子材料を対象とした反転オフセット印刷装置が開示されている。
また、特許文献4には、導電層とハードコート層の密着性に優れ、導電性にも優れた導電性シートが開示されており、フィルムの巻き取りの際のブロッキング防止を目的として、導電層とハードコート層の密着不良を改善するために、導電層を形成するハードコート層の表面自由エネルギーを規定している。
特開2010-192841号公報 特開2016-51194号公報 特表2015-523244号公報 特開2017-019273号公報
ところで、上記のようにして得られる導電性シートは、製造後に巻回体に巻き取られ、保管や流通する。また、巻回体から巻き戻された後も、複数枚重ねられて保管されるなど様々な取り扱いが考えられる。しかしながら、巻回体のように、導電性シートの表面に形成された金属細線などの導電部が、他の部材、例えば、導電性シートの裏面と接触した場合には、表面に形成された導電部の一部が裏面に移り、剥がれなどが生じるという問題があることが分かってきた。
特に、特許文献2のように、連続プロセスによって導電性シートを製造する場合には、このような問題が顕著となり、導電性シートの巻回体において、導電性パターンと接触するフィルムの裏面に導電性パターンが移ってしまう裏移り現象が生じやすい。
また、特許文献4においては、フィルムの巻き取りの際のブロッキング防止を目的として、導電層とハードコート層の密着不良を改善しているが、特許文献4における導電層とは、ハードコート層上に形成される導電材を含む層であり、樹脂バインダーを含む透明導電層であり、均一な層である。そのため、細線パターンにより構成された導電層へは適用できず、表面に形成された細線パターンの一部が裏面に移る問題があった。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、裏移りを抑制することのできる導電性シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を可決するために鋭意検討した。その結果、所定の形状を有するパターンを形成することで、上記課題を解決しうる導電性シートとできることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
基材と、
該基材上に積層された、遷移金属を含む粒子が結合した粒子層から構成される細線と、を含み、
該粒子層が、前記基材に対して略平行な面を有する平坦部と、はね上がり部と、を有する、
導電性シート。
〔2〕
前記はね上がり部の厚さT1が、前記平坦部の厚さT0に対して、1.1倍以上2.0倍以下である、
〔1〕に記載の導電性シート。
〔3〕
前記平坦部の少なくとも一方の端に、前記はね上がり部を有する、
〔1〕又は〔2〕に記載の導電性シート。
〔4〕
前記基材と前記粒子層との接触率が、30%以上100%以下である、
〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔5〕
前記平坦部の厚さT0が、10nm以上5.0μm以下である、
〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔6〕
前記粒子層が、開口を有する接続したパターンを構成する、
〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔7〕
前記パターンが、複数の細線が交差して構成されるパターンである、
〔6〕に記載の導電性シート。
〔8〕
前記粒子層の線幅が、100nm以上1000μm以下である、
〔7〕に記載の導電性シート。
〔9〕
前記細線のピッチが、1.0μm以上1000μm以下である、
〔7〕又は〔8〕に記載の導電性シート。
〔10〕
前記基材が複数の層を有する、
〔1〕~〔9〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔11〕
前記基材が、ケイ素化合物を含む表面層を有する、
〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔12〕
前記基材が、プラスチックである、
〔1〕~〔11〕のいずれか一項に記載の導電性シート。
〔13〕
前記プラスチックが、ポリエチレンテレフタレートである、
〔12〕に記載の導電性シート。
〔14〕
前記遷移金属が、IUPACの周期表における第11族元素の金属を含む、
〔1〕~〔13〕のいずれか1項に記載の導電性シート。
〔15〕
前記遷移金属が、銅を含む、
〔1〕~〔14〕のいずれか1項に記載の導電性シート。
〔16〕
前記粒子層を構成する前記粒子の平均粒径が、1.0nm以上500nm以下である、
〔1〕~〔15〕のいずれか1項に記載の導電性シート。
〔17〕
可視光透過率が、70%以上99%以下である、
〔1〕~〔16〕のいずれか1項に記載の導電性シート。
〔18〕
シート抵抗が、0.001Ωcm-2以上20Ωcm-2以下である、
〔1〕~〔17〕のいずれか1項に記載の導電性シート。
〔19〕
〔1〕~〔18〕のいずれか1項に記載の導電性シートを巻回した、
巻回体。
〔20〕
〔1〕~〔18〕のいずれか1項に記載の導電性シートを備える、
タッチパネル。
〔21〕
〔1〕~〔18〕のいずれか1項に記載の導電性シートを備える、
ディスプレイ。
〔22〕
〔1〕~〔18〕のいずれか1項に記載の導電性シートを備える、
ヒーター。
〔23〕
〔1〕~〔18〕のいずれか1項に記載の導電性シートを備える、
電磁波シールド。
〔24〕
〔1〕~〔18〕のいずれか1項に記載の導電性シートを備える、
アンテナ。
〔25〕
基材に、前駆体薄膜を形成する膜形成工程と、
前記前駆体薄膜をプラズマと反応させて粒子層を形成するプラズマ反応工程と、を含む、
〔1〕~18〕のいずれか1項に記載の導電性シートの製造方法。
〔26〕
前記プラズマ反応工程において、マイクロ波プラズマを用いる、
〔25〕に記載の導電性シートの製造方法。
〔27〕
前記プラズマ反応工程における雰囲気に、水素分子を含む気体を含む、
〔25〕又は〔26〕に記載の導電性シートの製造方法。
〔28〕
前記マイクロ波の出力が0.5kW以上1.4kW以下である、
〔25〕~〔27〕のいずれか1項に記載の導電性シートの製造方法。
〔29〕
前記マイクロ波の出力が1.1kW以上1.4kW以下であり、プラズマ反応時間が30秒以上200秒以下である、
〔25〕~〔28〕のいずれか1項に記載の導電性シートの製造方法。
〔30〕
前記マイクロ波の出力が0.5kW以上1.1kW未満であり、プラズマ反応時間が200秒以上600秒以下である、
〔25〕~〔29〕のいずれか1項に記載の導電性シートの製造方法。
〔31〕
前記前駆体薄膜の膜厚が260nm以上1μm以下である、
〔25〕~〔30〕のいずれか1項に記載の導電性シートの製造方法。
〔32〕
〔25〕~〔31〕のいずれか1項に記載の導電性シートの製造方法により得られた導電性シートを巻回して巻回体を得る、
巻回体の製造方法。
本発明によれば、裏移りを抑制することのできる導電性シートを提供することができる。
本実施形態の導電性シートの一例を示す概略断面図である。 図1における断面S1の拡大図である。 本実施形態の導電性シートの一例を示す概略上面図である。 本実施形態の導電性シートの巻回体の一態様を表す概略斜視図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。又上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
1.導電性シート
本実施形態の導電性シートは、基材と、該基材上に積層された、遷移金属を含む粒子が結合した粒子層から構成される細線と、を含み、該粒子層が、前記基材に対して略平行な面を有する平坦部と、はね上がり部と、を有する。
図1に、本実施形態の導電性シートの一例を示す概略断面図を示し、図2に図1における断面Sの拡大図を示す。図1には、基材20上に粒子層10が配された導電性シート100の概略断面図が示されている。図1に示す粒子層10は、遷移金属の粒子が結合して形成された粒子層として表現されており、その断面は空孔11を有していてもよい。
裏移りについて説明するために、図4に、導電性シート100の巻回体200を示す。なお、図4においては、説明の都合上、裏移りをした模式図を示すが、実際には本実施形態の巻回体200は図4に示したような裏移りが抑制されたものである。
図4では、粒子層10が形成された表面100aが内側に向き、その裏面100bが外側に向くように導電性シート100を巻回した巻回体200を示す。このような巻回体200は、必要に応じて、2000mもの長さの導電性シート100を巻きとったものとなることがある。そのため、巻回体200の導電性シート間には相応の荷重がかかっており、粒子層10が裏面100bに密着する。このような粒子層10と裏面100bの密着により、粒子層10が部分的に裏面100bに付着することを裏移りという。このような裏移りが生じると、粒子層10の断線や、不要な面(裏面100b)への導電性物質の付着による不良品の発生などが生じる。
これに対して、本実施形態の導電性シート100は、粒子層10ははね上がり部12と平坦部13とを有し、はね上がり部12が他の面に対する裏移りを抑制させることができる(図2参照)。これは、はね上がり部12により、裏面100bと粒子層10との接触面積が減少するためである。一般に、基材Aに配された細線などが、別の基材Bに先述の裏移りのような転写する現象は、(単位面積当たりの粒子層10の裏面100bへの密着力)と(細線と裏面100bとの接触面積)とを乗じた力が粒子層から構成される細線にかかることによって発生する。そのため、本実施形態の導電シート100がはね上がり部12を有することにより、粒子層10が裏面100bに接触する際に、はね上がり部12と逆端に接触部が支持され、非接触部が生じるために裏面100bと粒子層10との接触面積が減少する。これにより、粒子層10から構成される細線にかかる力が減少するために裏移りが抑制できる。よって、本実施形態における導電シートおよび巻回体において、はね上がり部12を有することで裏移りを抑制させることができる。これにより、例えば、導電性シート100の保管や流通過程、あるいは使用過程において、導電性シート100同士が重ねられて粒子層10と裏面100bとが接するような場合においても、裏面100bに粒子層10が裏移りを含む、付着することを抑制することができる。以下、本実施形態の導電性シートの各構成について詳説する。
1.1.粒子層
粒子層10は、遷移金属を含む粒子が結合したものである。なお、粒子層10は基材20との界面に空孔11を有していてもよいし、基材20との界面以外の箇所に空孔11を有していてもよい。この粒子層10によって、導電性シート100の導電性が発揮される。
基材20との界面に存在する空孔11の程度を表現する観点から、本実施形態においては、基材20と粒子層10との接触率を用いる。基材20と粒子層10との接触率は、30~100%であり、好ましくは40~95%であり、より好ましくは50~90%である。接触率が、上記範囲内であることにより、曲げなどの応力がかけられた場合であっても粒子層10はより断線し難いものとなり、導電性シートの可撓性がより向上する傾向にある。
上記接触率を調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する製造方法により、前駆体薄膜を特定の条件下でプラズマ処理する方法が挙げられる。この特定条件下によるプラズマ処理の際に、前駆体薄膜の表面側で優先的に遷移金属の焼結粒子の成長が進行し、それに伴い基材20と粒子層10の界面側でも空孔がやや成長する。これにより、上記接触率を達成し得るものと考えられる。しかしながら、接触率の調製方法は上記に限定されない。
粒子層10を構成する粒子の平均粒径は、好ましくは1.0~500nmであり、より好ましくは5.0~400nmであり、さらに好ましくは10~300nmである、平均粒径が上記範囲内であることにより、シート抵抗がより低下する傾向にある。粒子層10を構成する粒子の平均粒径は、粒子層10断面の透過電子像により測定することができる。
1.1.1.平坦部
平坦部13は、粒子層10において基材20に対して略平行な面13aを有する部分であり、本実施形態においては、後述するはね上がり部12を定義するために相対的に決められる基準となる部分である。したがって、平坦部13ははね上がり部12を定義するために十分であれば、その特定方法は特に限定されないが、例えば、図1のように粒子層10の幅方向の横断面のうち、両端を0.2Lずつ除外した、長さ0.6Lの中心部分を平坦部13とすることができる。これにより、基材20に対して略平行な面を有しないことがある粒子層10の端部を含めずに平坦部13及びその厚さT0を規定することができる。
粒子層10の平坦部13の厚さT0は、好ましくは10nm~5.0μmであり、より好ましくは25nm~2.5μmであり、さらに好ましくは50~1000nmであり、よりさらに好ましくは100~500nmである。厚さT0が10nm以上であることにより、粒子層10のシート抵抗がより低下する傾向にある。また、厚さT0が5.0μm以下であることにより、粒子層10の裏移り抑制効果が向上する傾向にある。
粒子層10の平坦部13の厚さT0は、後述の粒子層10の断面STEM―EDX評価により、求めることができる。より具体的には、粒子層10中の遷移金属の原子濃度が20%以上となる領域を該粒子層10の膜厚と定義し、任意の3か所において測定したその膜厚の平均値を平坦部13の厚さT0とすることができる。なお、本実施形態の粒子層10は、一様な厚さを有する薄膜の他、表面に凹凸が存在したり、粒子層10の位置によって部分的に薄い部分があったりする薄膜であってもよい。
基材20と粒子層10の界面に比較的多くの空孔11を有するか否かに関わらず、本実施形態における粒子層10の平坦部13の厚さT0は、基材20表面から粒子層10の表面までの距離とする。
1.1.2.はね上がり部
はね上がり部12は、粒子層10において基材に対して立ち上がった面を有する部分であり、より具体的には、平坦部13の厚さT0と同程度の厚さのところを始点として、厚さがさらに漸増する面12aを有する部分をいう。
粒子層10においてはね上がり部12の位置は、特に限定されないが、例えば、図1のように粒子層10の幅方向の横断面のうち、中心であっても、一方又は両方の端であってもよい。このなかでも、はね上がり部12は、粒子層10の幅方向の横断面のうち一方又は両方の端にあることが好ましく、図1に示すように、平坦部13(粒子層10)の少なくとも一方の端にはね上がり部12を有することがより好ましい。一方の端にはね上がり部12を有するものは両端にあるものに比べ、導電シートの透明性に優れる傾向にある。なお、本実施形態の導電性シート100は、粒子層10の細線の端が全てはね上がり部12を有するものである必要はなく、粒子層10の一部にはね上がり部12が形成されていればよい。
粒子層10のはね上がり部12の厚さT1は、好ましくは20nm~10μmであり、より好ましくは50nm~5.0μmであり、さらに好ましくは100~2000nmであり、よりさらに好ましくは200~1000nmであり、さらにより好ましくは200~500nmである。厚さT1が20nm以上であることにより、裏移りがより抑制される傾向にある。また、厚さT1が10μm以下であることにより、はね上がり部12に曲げなどの応力がかけられた場合の断線などがより抑制される傾向にある。またこのほか、厚さT1が10μm以下であることにより、各用途においてはね上がり部12が厚くなっていることによる影響を少なくし、後述するタッチパネル用途などに使用した際に平滑な部材を構成することが可能となる。
また、はね上がり部12の厚さT1は、平坦部13の厚さT0に対して、好ましくは1.1~2.0倍であり、より好ましくは1.2~1.8倍であり、さらに好ましくは1.2~1.6倍である。厚さT0に対する厚さT1の比が1.1倍以上であることにより、裏移りがより抑制される傾向にある。また、厚さT0に対する厚さT1の比が2.0倍以下であることにより、はね上がり部12に曲げなどの応力がかけられた場合の断線などがより抑制される傾向にある。またこのほか、厚さT1を厚さT0よりに近くすることで、各用途においてはね上がり部12が厚くなっていることによる影響を少なくし、後述するタッチパネル用途などに使用した際に平滑な部材を構成することが可能となる。
このようなはね上がり部12を有する粒子層10は、後述する製造方法における膜形成工程の条件を制御することによって、形成することができる。例えば、円筒状の転写媒体表面と基材の表面とを接触して、転写媒体表面に残ったインクを基材の表面に転写する際において、基材の表面にインクを転写させた後の転写媒体の引きはがし速度や引きはがし方向によって、はね上がり部12の形成される位置や厚さを制御することができる。但し、これに限定されない。
1.1.3.組成
本実施形態の粒子層10は、遷移金属を含み、必要に応じて、酸素原子、炭素原子、リン原子などその他の原子を含んでいてもよい。また、遷移金属は、金属単体の状態の他、酸化物などの金属化合物の状態で存在していてもよい。
粒子層10において、遷移金属は、金属単体の状態の他、酸化物などの金属化合物の状態で存在していてもよい。粒子層10に含まれる遷移金属原子は、IUPACの周期表における、第3族元素から第11族元素の金属であれば特に限定されないが、第11族元素の金属を含むことが好ましく、銀又は銅を含むことがより好ましく、銅を含むことがさらに好ましい。このような遷移金属を用いることにより、粒子層10の導電性がより向上する傾向にある。
また、遷移金属を含む金属化合物の種類としては、特に限定されないが、例えば、硫化物、セレン化物、テルル化物、窒化物、リン化物、酸化物などが挙げられる。このなかでも、人体への害が少なく、製造が比較的容易であるため、酸化物であることが好ましい。
1.1.4.パターン
粒子層10は、開口を有する連続したパターンを有してもよいし、開口を有しないベタパターンを有してもよい。粒子層10が有するパターンは、目的とする電子デバイスの用途に応じて設計することができ、規則的なパターンであっても不規則なパターンであってもよい。ここで、開口とは、導電性シートが存在しない部分をいい、開口部分では光が透過できる。また、連続したパターンとは、光学顕微鏡にて接続(接触)していることが確認されることをいい、このようなパターンは電気的に接続されたものとなる。
このなかでも、粒子層10は、開口を有する連続したパターンを有することが好ましい。このように開口を設けることで、光透過性の導電性シートとすることができる。また、開口を有する連続したパターンとしては、特に限定されないが、例えば、複数の細線が交差して構成されるパターンが好ましい。この場合、細線が導電性シートに相当し、細線間の間隙が開口となる。
以下、複数の細線により形成されるパターンの具体的態様について説明するが、本実施形態におけるパターンは以下に限定されるものではない。なお、以下において、金属細線とは平面視において細線状の粒子層10を意味し、金属細線パターンとは複数の金属細線により形成されるパターンをいう。
図3に、本実施形態の導電性シート100のパターン40の一例を示す概略上面図を示す。図3は、基材20上に粒子層10が配された導電性シート100を、粒子層10の形成面側から見た上面図である。図3において、粒子層10は、細線状になっており、その細線がグリッド状に交差した状態として表されている。ここで、細線状である粒子層10を金属細線10’という。前述の図1の断面は、この金属細線10’をA-A’の断面で表したものである。
図3に示すように、連続したパターンとは、例えば、複数の金属細線10’が互いに交差して連続層を形成することで、平面方向に広がる粒子層10上の任意の2点において通電できるように構成されるものをいう。また、開口を有するとは、例えば、複数の金属細線10’の間に不連続な開口30を有することをいう。そして、このように金属細線10’によって形成される導電性の連続層と開口とからなるものを、本実施形態においては金属細線パターン40という。
ここで、金属細線パターン40を構成する金属細線10’の線幅Wとは、基材20の金属細線パターン40が配された面側から、金属細線10’を基材20の表面上に投影したときの金属細線10’の線幅をいう。「投影したときの線幅」とは、例えば、図1に示すように、粒子層10の基材と接する界面が最も太くなるような場合には、その太さを線幅と定義する。また、ピッチPは、線幅Wと金属細線間の距離Lの和として定義する。
上記のような金属細線パターンとしては、具体的には、複数の金属細線が網目状に交差して形成されるメッシュパターンや、複数の略平行な金属細線が形成されたラインパターンが挙げられる。また、金属細線パターンは、メッシュパターンとラインパターンとが組み合わされたものであってもよい。メッシュパターンの網目は、正方形又は長方形であっても、ひし形等の多角形であってもよい。また、ラインパターンを構成する金属細線は、直線であっても、曲線であってもよい。さらに、メッシュパターンを構成する金属細線においても、金属細線を曲線とすることができる。
1.1.5.線幅
線幅Wは、好ましくは100nm~1000μmであり、より好ましくは200nm~500μmであり、さらに好ましくは300nm~100μmであり、よりさらに好ましくは400nm~50μmであ、さらにより好ましくは500nm~5.0μmである。
金属細線の線幅Wが100nm以上であることにより、金属細線の導電性を十分に確保でき、シート抵抗がより低下する傾向にある。また、金属細線表面の酸化や腐食等による導電性の低下を十分に抑制できる。さらに開口率を同じとした場合、金属細線の線幅が細いほど、金属細線の本数を増やすことが可能となる。これにより、導電性シートの電界分布がより均一となり、より高解像度の電子デバイスを作製することが可能となる。また、一部の金属細線で断線が生じたとしても、それによる影響を他の金属細線が補うことができる。
他方、金属細線の線幅Wが5.0μm以下であることにより、金属細線の視認性がより低下し、導電性シート及びそれを備える導電性シートの透明性がより向上する傾向にある。
1.1.6.アスペクト比
金属細線の線幅Wに対する金属細線の厚さTで表されるアスペクト比は、好ましくは0.05~1.00であり、より好ましくは0.08~0.90であり、さらに好ましくは0.10~0.80である。線幅Wが一定である場合にはアスペクト比が大きいほど、透過率を低下させることなく導電性がより向上する傾向にある。また、アスペクト比が1.00以下であることにより、膜厚が厚すぎることによって、かえって透過率が低下することが抑制される傾向にある。
1.1.7.ピッチ
ピッチPは、好ましくは1.0~1000μmであり、より好ましくは5.0~500μmであり、さらに好ましくは50~250μmであり、よりさらに好ましくは100~250μmである。ピッチPが1.0μm以上であることにより、導電性シート及びそれを備える導電性シートの透明性がより向上する傾向にある。また、ピッチPが1000μm以下であることにより、導電性がより向上する傾向にある。なお、金属細線パターンの形状がメッシュパターンである場合には、線幅1μmの金属細線パターンのピッチを200μmとすることにより、開口率99%とすることができる。
1.1.8.開口率
金属細線パターンの開口率は、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。金属細線パターンの開口率が60%以上であることにより、導電性シートの透過率がより向上する傾向にある。
また、金属細線パターンの開口率は、好ましくは100%未満であり、より好ましくは95%以下であり、さらに好ましくは90%以下であり、よりさらに好ましくは80%以下であり、さらにより好ましくは70%以下であり、特に好ましくは60%以下である。金属細線パターンの開口率が100%未満であることにより、導電性シートの導電性がより向上する傾向にある。
金属細線パターンの開口率は、金属細線パターンの形状によっても適正な値が異なる。また、金属細線パターンの開口率は、目的とする電子デバイスの要求性能(透過率及びシート抵抗)に応じて、上記上限値と下限値を適宜組み合わせることができる。
なお、「金属細線パターンの開口率」とは、基材上の金属細線パターンが形成されている領域について以下の式で算出することができる。基材上の金属細線パターンが形成されている領域とは、金属細線パターンが形成されていない縁部等は除かれる。
金属細線パターンの開口率=(1-金属細線パターンの占める面積/基材の面積)×100
なお、金属細線パターンの線幅W、アスペクト比、及びピッチPは、導電性シート断面を電子顕微鏡等で見ることにより確認することができる。また、金属細線パターンの線幅とピッチはレーザー顕微鏡や光学顕微鏡でも観察できる。また、ピッチPと開口率は後述する関係式を有するため、一方が分かればもう一方を算出することもできる。また、金属細線パターンの線幅W、アスペクト比、及びピッチPを所望の範囲に調整する方法としては、後述する導電性シートの製造方法において用いる版の溝を調整する方法、インク中の金属粒子の平均粒径を調整する方法等が挙げられる。
1.1.9.可視光透過率
導電性シートの可視光透過率は、好ましくは70~99%であり、より好ましくは75~95%であり、さらに好ましくは80~90%である。ここで、可視光透過率は、JIS K 7361-1:1997の全光線透過率に準拠して、その可視光(360~830nm)の範囲の平均透過率を算出することで測定することができる。パターン付き薄膜の可視光透過率は、金属細線パターンの線幅を小さくしたり、開口率を向上させたりすることにより、向上する傾向にある。
1.1.10.シート抵抗
導電性シートのシート抵抗は、好ましくは0.001~20Ωcm-2であり、より好ましくは0.01~17.5Ωcm-2であり、さらに好ましくは0.01~15Ωcm-2であり、好ましくは0.1~10Ωcm-2である。シート抵抗が低いほど導電性がより向上する傾向にある。
導電性シートのシート抵抗は、金属細線のアスペクト比(高さ)を向上させることにより、低下する傾向にある。また、金属細線を構成する金属材料種の選択によっても調整することが可能である。
1.1.11.ヘイズ
導電性シートのヘイズは、好ましくは0.01~5.00%であり、より好ましくは0.01~3.00%であり、さらに好ましくは0.01~1.00%である。ヘイズが5.00%以下であることにより、可視光に対する導電性シートの曇りがより抑制される傾向にある。本明細書におけるヘイズは、JIS K 7136:2000のヘイズに準拠して測定することができる。
1.2.基材
基材としては、導電性シートの用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、ガラス等の透明無機基材、金属板等の不透明無機基材、プラスチックフィルムなどの透明又は不透明の有機基材が挙げられる。このなかでも、柔軟かつ透明な導電性シートを得る観点から、プラスチックが好ましい。また、これら基材は、表面に任意の層を有していたり、コロナ処理など任意の表面処理がされていたりするものであってもよい。
基材の形態は、板状のものや、フィルム状のものが利用でき、形態自由度に優れる観点から、フィルム状のものが好ましい。
プラスチックとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の透明有機基材が挙げられる。
このなかでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることが、導電性シートのコスト削減や生産性が高い観点から好ましい。また、導電性シートの耐熱性に優れる観点から、ポリイミドを用いることが好ましい。さらに、薄膜と基材の密着に有利である観点から、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリエチレンナフタレートを用いることが好ましい。
本実施形態に使用される基材は、1種の材料からなるものであっても、2種以上の材料が積層されたものであってもよい。また、透明基材が、2種以上の材料が積層された多層体である場合、透明基材は、有機基材又は無機基材同士が積層されたものであっても、有機基材及び無機基材が積層されたものであってもよい。
基材の厚さは、形態自由度に優れる、及び/又は透明性に優れる観点から、好ましくは5.0~500μmであり、より好ましくは5.0~300μmであり、さらに好ましくは10~100μmである。
1.2.1.表面層
基材は、複数の層を有していてもよく、導電性シートとの接触部に表面層を有していてもよい。表面層を基材上に積層することで、プラズマ等の焼成手段でインク中の金属成分を焼結させる際に、プラズマ等によって金属細線パターン部で被覆されていない箇所の基材のエッチングを防ぐことができる。
表面層に含まれる成分としては、特に限定されないが、例えば、ケイ素化合物(例えば、(ポリ)シラン類、(ポリ)シラザン類、(ポリ)シルチアン類、(ポリ)シロキサン類、ケイ素、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、塩化ケイ素、ケイ素酸塩、ゼオライト、シリサイド等)、アルミニウム化合物(例えば、酸化アルミニウム等)、マグネシウム化合物(例えばフッ化マグネシウム)等が挙げられる。なお、上記ポリシラン類、ポリシラザン類、ポリシルチアン類、ポリシロキサン類は、直鎖若しくは分岐状、環状、網目状の形態を有してもよい。これら成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このなかでも、ケイ素化合物、酸化アルミニウム、及びフッ化マグネシウムが好ましく、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、及びフッ化マグネシウムがより好ましい。このような成分を用いることにより、プラズマに対する耐久性がより向上し、また、導電性シートと基材との密着性がより向上する傾向にある。また、このような成分を用いることにより、導電性シートの透明性及び耐久性がより向上する傾向にあり、導電性シートを製造するためのコスト削減効果などに寄与する生産性がより優れる傾向にある。
表面層は、物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)などの気相成膜法や、上記表面層に含まれる成分が分散媒に分散した組成物を塗布、乾燥する方法により成膜することができる。この組成物は、必要に応じて、分散剤、界面活性剤、結着剤等を含有してもよい。
なお、表面層を含む場合、ケイ素は、プラズマ反応を経て導電性シート中に取り込まれてもよい。金属細線中に含まれるケイ素原子Siは、ケイ素原子やケイ素化合物の形態で存在していてもよく、ケイ素原子やケイ素化合物と金属原子とが結合した形態(例えば、Si-M、Si-O-M等)で存在していてもよい。
1.2.2.厚さ
表面層の厚さは、好ましくは0.01~500μmであり、より好ましくは0.05~300μmであり、さらに好ましくは0.10~200μmである。表面層の厚みが0.01μm以上であることにより、粒子層10の裏移りがより抑制される傾向にある。また、表面層の厚みが500μm以下であることにより、基材の可撓性が担保できる。
1.2.3.体積抵抗率
表面層は静電気による金属細線パターンの断線を防ぐための、帯電防止機能を持っていることが好ましい。帯電防止機能を有する観点から、表面層は導電性無機酸化物及び導電性有機化合物の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
帯電防止機能の観点から表面層の体積抵抗率は、好ましくは100~100000Ωcmであり、好ましくは1000~10000Ωcmであり、好ましくは2000~8000Ωcmである。表面層の体積抵抗率が100000Ωcm以下であることにより、帯電防止機能がより向上する傾向にある。また、表面層の体積抵抗率が100Ωcm以上であることにより、金属細線パターン間の電気伝導性がより低下し、タッチパネル等の用途に好適に用いることができる。
体積抵抗率は、表面層内の導電性無機酸化物や導電性有機化合物等の含有量により調整することができる。例えば、プラズマ耐性の高い酸化ケイ素(体積抵抗率1014Ω・cm以上)と導電性有機化合物である有機シラン化合物を表面層に含む場合、有機シラン化合物の含有量を増やすことで体積抵抗率を低下することができる。一方で、酸化ケイ素の含有量を増やすことで体積抵抗率は増加するが高いプラズマ耐性を有するため薄膜にすることができ、光学的特性を損なうことがない。
1.3.保護層
本実施形態の導電性シートは粒子層10の上に、保護層(不図示)を有していてもよい。保護層は基材20とともに粒子層10を挟むように形成することができる。
保護層としては、特に限定されないが、例えば、透明性を有し、導電性シートや基材と良好な密着性が発現できるものであれば、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、熱硬化型エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂や、ウレタンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート、エポキシアクリレート、シリコーンアクリレート、UV硬化型エポキシ樹脂などのUV硬化性樹脂、市販のコーティング剤などを用いることができる。
2.導電性シートの製造方法
本実施形態の導電性シートの製造方法は、基材に、前駆体薄膜を形成する膜形成工程と、前駆体薄膜をプラズマと反応させて、はね上がり部を有する粒子層を形成するプラズマ反応工程と、を含み、必要に応じて、膜形成工程前に、基材上に表面層を形成する表面層形成工程を有していてもよい。
2.1.表面層形成工程
表面層形成工程は、基材上に上述した表面層を形成する工程である。表面層を形成することにより、例えば、プラスチックの基材を用いる場合、表面層によってプラズマ反応によるプラスチックの変性やエッチングを防ぐことができる。
表面層形成方法の具体例としては、物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)等の気相成膜法を用いて表面層を形成する成分を透明基材の表面に成膜させることにより表面層を形成する方法が挙げられる。表面層形成工程の別の具体例としては、表面層を形成する成分が分散媒に分散してなる組成物を透明基材の表面に塗布し、乾燥させることにより表面層を形成する方法が挙げられる。また、表面層形成組成物は、必要に応じて、分散剤、界面活性剤等を含んでもよい。
表面層形成工程において、表面層を形成する成分としては上述したケイ素化合物を用いることが好ましい。
2.2.膜形成工程
膜形成工程は、基材に前駆体薄膜を形成する工程である。
2.2.1.前駆体薄膜
前駆体薄膜は遷移金属を含むものであり、これに対して後述のプラズマ反応工程を施すことで本実施形態の導電性シートとなるものである。
このような前駆体薄膜は、真空装置などを用いた乾式法、インクなどを用いた湿式法など様々な手法を用いて成膜することができる。このうち、大規模製造に適するという観点から、インクを基材上に印刷して前駆体薄膜を成膜する方法が好ましい。
用いることのできる印刷方法としては、特に限定されないが、例えば、凸版印刷、グラビア印刷、バーコート印刷、スプレーコート、スピンコート、反転転写印刷などが挙げられる。このなかでも、比較的精密なパターンを印刷できる観点から、有版印刷方法による前駆体薄膜の成膜が好ましい。
有版印刷方法とは、例えば、転写媒体表面にインクをコーティングする工程と、インクをコーティングした転写媒体表面と、凸版の凸部表面とを接触して、凸版の凸部表面に転写媒体表面上のインクの一部を転移させる工程と、一部のインクが転移した後の転写媒体表面と基材の表面とを接触して、転写媒体表面に残ったインクを基材の表面に転写する工程が挙げられる。
例えば、このような印刷方法において、印刷条件やインクを調製することで、前駆体薄膜の厚さ、幅、ピッチ等の各種形状や、前駆体薄膜に含まれる各原子の濃度を制御できる。また、前駆体薄膜がはね上がり形状を有することができ、これにより後述するプラズマ反応工程を経て、遷移金属粒子層から構成される細線のはね上がり構造の制御をすることもできる。
2.2.2.インク
上記印刷方法に用いられるインクは、金属成分、溶剤を含み、必要に応じて、界面活性剤、分散剤、還元剤等を含んでもよい。
2.2.2.1.金属粒子
金属成分は、金属粒子としてインクに含まれていてもよいし、金属錯体としてインクに含まれていてもよい。このなかでも金属粒子としてインクに含まれることが好ましい。金属粒子としては、上述した遷移金属原子を含むものであれば、酸化銅等の金属酸化物やその他の金属化合物、コア部が銅でありシェル部が酸化銅であるようなコア/シェル粒子の態様であってもよい。このなかでも、取扱性の観点からは、酸化銅等の金属酸化物が好ましい。
金属粒子の平均一次粒径は、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは50nm以下であり、さらに好ましくは30nm以下である。また、金属粒子の平均一次粒径の下限は特に限定されないが、1nm以上が挙げられる。得られる金属細線の線幅Wをより細くすることができる観点から、金属粒子の平均一次粒径が100nm以下であることが好ましい。
金属粒子の平均二次粒径は、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは50nm以下であり、さらに好ましくは30nm以下である。薄膜成膜時の塗布性に優れる観点から、各粒子が単分散しており、平均二次粒径は平均一次粒径に近いことが好ましい。
なお、本実施形態において「平均一次粒径」とは、金属粒子1つ1つ(所謂一次粒子)の粒径をいい、金属粒子が複数個集まって形成される凝集体(所謂二次粒子)の粒径である平均二次粒径とは区別される。
2.2.2.3.界面活性剤
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤などが挙げられる。このような界面活性剤を用いることにより、転写媒体(ブランケット)へのインクのコーティング性、コーティングされたインクの平滑性が向上し、より均一な塗膜が得られる傾向にある。なお、界面活性剤は、金属成分を分散可能であり、かつ焼成の際に残留しにくいよう構成されていることが好ましい。
2.2.2.4.溶媒
インクの溶媒は、保存安定性に優れる点、及び光損失が少ない点から、有機溶媒であることが好ましい。上記観点から、有機溶媒は、アルコールであることが好ましい。上記観点から、有機溶媒の炭素数は1以上7以下であることが好ましく、より好ましくは2以上、またより好ましくは5以下、又は4以下であり、2が最も好ましい。溶媒としては、水、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシ-3-メチル-ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2-ペンタンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、2,5-ヘキサンジオール、2,4-ヘプタンジオール、2-エチルヘキサン-1,3-ジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、トリエチレングリコール、トリ-1,2-プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、n-ペンタノール、i-ペンタノール、2-メチルブタノール、2-ペンタノール、t-ペンタノール、3-メトキシブタノール、n-ヘキサノール、2-メチルペンタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、2-エチルブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、2-オクタノール、n-ノニルアルコール、2、6ジメチル-4-ヘプタノール、n-デカノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3、3、5-トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられ、保存安定性に優れる点、及び光損失が少ない点から、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、及びこれらの異性体であることがより好ましく、エタノール、プロパノール、ブタノール及びこれらの異性体であることがさらに好ましく、エタノールが最も好ましい。
2.2.2.5.分散剤
分散剤としては、特に制限されないが、例えば、金属成分に非共有結合又は相互作用をする分散剤、金属成分に共有結合をする分散剤が挙げられる。非共有結合又は相互作用をする官能基としてはリン酸基を有する分散剤が挙げられる。このような分散剤を用いることにより、金属成分の分散性がより向上する傾向にある。
2.3.プラズマ反応工程
プラズマ反応工程は、上記前駆体薄膜をプラズマと反応させて、はね上がり部を有する粒子層を得る工程である。これにより前駆体薄膜が焼成され、インク中の金属粒子同士が焼結することではね上がり部を有する粒子層(導電性薄膜)が形成される。そしてこれにより、裏移り抑制性に優れる導電性シートを得ることができる。なお、プラズマ反応中の雰囲気を水素分子を含む気体とすることで、導電性シートに含まれる酸素濃度も調整することができる。
プラズマ反応工程によりはね上がり部が形成するメカニズムは特定のものに限定されないが、例えば次のように推定される。プラズマ反応が進行することで前駆体薄膜の堆積は収縮する傾向にある。一方、プラズマ反応を進行させることによって発熱が生じ、この発熱のために、遷移金属細線の中央部が端部よりもより反応速度が速くなり反応がより進行する、すなわち金属細線の中央部が端部よりも体積がより小さくなる。これにより、端部にはね上がり部が形成される傾向にある。しかし、プラズマ反応をさらに進行させると遷移金属細線が融解する。特に、プラズマとの接触面積の大きなはねがあり部において顕著に融解が発生し、はね上がり部が消失する。すなわち、緻密に制御したプラズマ反応条件とすることで、適切な体積収縮が生じ、かつ融解が生じていない際にのみ、はね上がり部が形成される。
プラズマは様々な方法により生じさせることができる。なかでも、マイクロ波プラズマや高周波プラズマが比較的制御が容易なため好ましく、特に装置内のプラズマ発生のための電極などによる汚染が少なくできる観点から、マイクロ波プラズマがより好ましい。
マイクロ波プラズマにおけるマイクロ波出力は、好ましくは0.5~1.4kWであり、より好ましくは0.7~1.3kWである。マイクロ波出力が0.5kW以上であることにより、遷移金属細線の中央部と端部との反応進行度に差をつけることに有利になるためはね上がり部が形成されやすくなる傾向にあり、さらに、プラズマの反応時間を短縮することができる。また、マイクロ波出力が1.4kW以下であることにより遷移金属細線の融解が抑制されることで、はね上がり部が形成されやすくなる傾向にあり、さらに、プラズマによって基材がエッチングされたり変性したりすることが抑制される傾向にある。
プラズマ反応の処理時間は、マイクロ波出力が1.1kW~1.4kWの範囲である場合は30秒以上、250秒以下が好ましい。マイクロ波出力が0.5kW以上1.1kW未満の範囲である場合は200秒以上、600秒以下が好ましい。この範囲であることで、はね上がり部を形成することに好ましい。この観点から、マイクロ波出力が1.1kW~1.4kWの範囲である場合は60秒以上、200秒以下が好ましい。マイクロ波出力が0.5kW以上1.1kW未満の範囲である場合は250秒以上、500秒以下が好ましい。
プラズマ反応の雰囲気は、水素分子を含む気体や希ガスを含むことが好ましい。水素分子を含む気体を用いることにより、製造する導電性シートの導電性がより向上する傾向にある。なお、水素分子を含む気体の分圧は、好ましくは0.1~1000Paであり、より好ましくは1.0~500Paであり、さらに好ましくは10~300Paである。水素分子を含む気体は一種類又は複数種類の分子を用いてもよい。
希ガスとしては、特に限定されないが、例えば、ヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトンが挙げられる。このなかでも、これらのプラズマによるサンプルエッチングが少ない観点から、分子量の比較的小さい、ヘリウムまたはアルゴンが好ましく、ヘリウムが最も好ましい。このような希ガスを用いることにより、プラズマ反応をより制御しやすくなる。
水素分子を含む気体と希ガスは混合して用いてもよく、これにさらにその他の気体を混合して用いてもよい。還元性を有し、かつその還元反応の制御が比較的容易にできる観点から、水素分子を含む気体と希ガスを共に含むことが好ましい。具体的には、水素分子と、ヘリウムを共に含む気体であることが好ましい。
プラズマ反応の圧力は、加圧下、減圧下、大気圧下のいずれでもよい。このなかでもプラズマの平均自由行程を長くできる観点から、減圧下であることが好ましい。具体的には、圧力は、好ましくは0.1~1000Paであり、より好ましくは1.0~500Paであり、さらに好ましくは10~300Paである。圧力が0.1Pa以上であることにより、プラズマの平均自由行程がより長くなる傾向にある。また、圧力が1000Paであることにより、水素分子を含む気体や希ガスをより多く用いることができる。
プラズマ反応工程を施す前駆体薄膜の膜厚は、260nm以上1μm以下であることが好ましい。260nm以上とすることで、はね上がり部が形成されやすくなる傾向にある。一方、1μm以下とすることで、斜め方向からの透明性に優れるようになる。
プラズマ反応工程を施す、前駆体薄膜細線の線幅は、2μm以上5μm以下であることが好ましい。2μm以上とすることで、遷移金属細線の中央部と端部との反応進行度に差をつけることに有利になるためはね上がり部が形成されやすくなる傾向にある。また、5μm以下とすることで、視認されにくくなり、透明性に優れるようになる。
3.タッチパネル
本実施形態のタッチパネルは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、静電容量方式のタッチパネルにおいては、絶縁体の表裏面に2枚の導電性シートが存在し、2枚の導電性シートは、例えば金属細線のラインパターンが交差するように対向する。導電性シートは、取り出し電極に接続されており、取り出し電極は、金属細線と、金属細線への通電切り替えを行うためのコントローラー(CPU等)とを接続する。
なお、本実施形態のタッチパネルは、静電容量方式に限定されず、抵抗膜方式、投影型静電容量方式、及び表面型静電容量方式等としてもよい。
4.ディスプレイ
本実施形態のディスプレイは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイにおいては、有機EL膜を電極で挟んだ構造を有し、その電極の一つとして上記導電性シートを用いることができる。また、液晶ディスプレイにおいては、液晶層を電極で挟んだ構造を有し、その電極の一つとして上記導電性シートを用いることができる。
5.ヒーター
本実施形態のヒーターは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、電熱ヒーターにおいては、電気を供給することでジュール熱を発する電熱部と、電熱部に対して電力を供給する給電装置とを有し、その電熱部として導電性シートを用いることができる。導電性シートを透明に構成すれば、透明ヒーターとなり、また、導電性シートの抵抗が高くなるように設計することで、発熱量の高いヒーターとなる。
例えば、透明ヒーターは、その用途は特に限定されないが、例えば、自動車のヘッドランプ、テールランプ等に用いられるLED照明器具の防曇又凍結防止用ヒーター、街灯等に用いられる屋外用LED照明器具の防曇又凍結防止用ヒーターが挙げられる。
6.電磁波シールド
本実施形態の電磁波シールドは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、電磁波シールドにおいては、入射する電磁波を電磁波の反射や吸収するシールド材を有するが、そのシールド材として、上記導電性シートを用いることができる。
7.アンテナ
本実施形態のアンテナは、上記導電性シートを備えるものであれば特に制限されない。例えば、RFタグにおいては、半導体素子とそれに接続されたアンテナを有することにより特定の周波数の送受信が可能となっており、そのアンテナとして導電性シートを用いることができる。導電性シートを透明に構成すれば、透明アンテナとなる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(粒子層の形態評価)
得られた粒子層付き基材をカミソリで切り出し、蒸着したカーボン層により包埋し、焦点イオン線で厚さ約100nmの薄切片を形成した。得られた薄切片を測定サンプルとして、下記条件にて電子線を照射し、評価サンプルを準備することで、STEM-EDX分析を行った。粒子層の膜厚、及び粒子層が金属粒子同士が焼結して形成された層であること、接触率については、この断面TEM像より求めた。薄膜の酸素濃度は、STEM-EDX分析によって行った。さらに粒子層の、パターン形状、線幅、ピッチなどは、レーザー顕微鏡(OLYMPUS社製、OLS-4500)により評価した。
[STEM-EDX装置条件]
STEM:日立ハイテクノロジーズ社製、走査型透過電子顕微鏡 HD―2300A
EDX :EDAX社製、エネルギー分散型X線分析装置 Octane T Plus(ソフトウェア:GENESIS)
加速電圧 :200kV
測定倍率 :100,000倍
マッピング元素:Cu、O、P、Si、C
(裏移り防止性)
裏移り防止性は、はね上がり部を有した場合:〇、はね上がり部を有さなかった場合:×、として評価した。
<実施例1>
(透明基材の調製)
ポリエチレンテレフタレート(PET)を透明基材として用いて、その上に酸化ケイ素ナノ粒子と導電性の有機シラン化合物を含む表面層形成組成物を塗布し、乾燥して、帯電防止機能を有する厚み150nm、体積抵抗率5000Ωcmの酸化ケイ素を含有した表面層を形成することにより基材を得た。なお、この基材は、基材であるPET上に表面層が積層した形態である。
(インクの調製)
一次粒径21nmの酸化第一銅ナノ粒子20質量部と、分散剤(ビッグケミー社製、製品名:Disperbyk-145)4質量部と、界面活性剤(セイミケミカル社製、製品名:S-611)1質量部と、エタノール75質量部とを混合し、酸化第一銅ナノ粒子の含有割合が20質量%のインクを調製した。
(前駆体薄膜形成工程)
先ず転写媒体表面にインクを塗布し、次いでインクが塗布された転写媒体表面と金属細線パターンの溝を有する版を接触して、版の凸部表面に転写媒体表面上の一部のインクを転移させた。その後、残ったインクがコーティングされた転写媒体表面と基材とを接触させ、基材の上に金属細線パターン状のインクを転写させた。この工程により、はね上がりを有する前駆体薄膜を製造した。この前駆体薄膜の膜厚は360nmであり、線幅は3μmであり、ピッチは60μm、開口率は90%であった。表1にこれらの結果を記す。
(プラズマ反応工程)
上記のようにして得られた前駆体薄膜にプラズマ反応を施した。具体的には、減圧下で水分子の分圧を100Paとした水素とヘリウムの混合雰囲気に、1.2kWの出力で発生させたマイクロ波によりプラズマを発生させ、このプラズマと前駆体薄膜を150秒反応させて、はね上がり部を有する導電性シートを得た。
このようにして得られた実施例1の導電性シートについて、各評価を行った。これらの結果を表1に示す。
<実施例2>
プラズマ反応工程の反応時間を180秒としたこと以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
プラズマ反応工程の出力を0.9kWとし、反応時間を480秒としたこと以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
前駆体薄膜の膜厚は250nm、線幅は1μm、ピッチは100μm、開口率は98%とし、プラズマ反応工程のプラズマ出力を1.5W、反応時間を180秒としたこと以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
Figure 2023018879000002
10…粒子層、10’…金属細線、11…空孔、12…はね上がり部、12a…面、はね上がり部、13…平坦部、13a…面、20…基材、30…開口、40…金属細線パターン、100…導電性シート、100a…表面、100b…裏面、200…巻回体

Claims (32)

  1. 基材と、
    該基材上に積層された、遷移金属を含む粒子が結合した粒子層から構成される細線と、を含み、
    該粒子層が、前記基材に対して略平行な面を有する平坦部と、はね上がり部と、を有する、
    導電性シート。
  2. 前記はね上がり部の厚さT1が、前記平坦部の厚さT0に対して、1.1倍以上2.0倍以下である、
    請求項1に記載の導電性シート。
  3. 前記平坦部の少なくとも一方の端に、前記はね上がり部を有する、
    請求項1又は2に記載の導電性シート。
  4. 前記基材と前記粒子層との接触率が、30%以上100%以下である、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の導電性シート。
  5. 前記平坦部の厚さT0が、10nm以上5.0μm以下である、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の導電性シート。
  6. 前記粒子層が、開口を有する連続したパターンを構成する、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の導電性シート。
  7. 前記パターンが、複数の細線が交差して構成されるパターンである、
    請求項6に記載の導電性シート。
  8. 前記粒子層の線幅が、100nm以上1000μm以下である、
    請求項7に記載の導電性シート。
  9. 前記細線のピッチが、1.0μm以上1000μm以下である、
    請求項7又は8に記載の導電性シート。
  10. 前記基材が複数の層を有する、
    請求項1~9のいずれか一項に記載の導電性シート。
  11. 前記基材が、ケイ素化合物を含む表面層を有する、
    請求項1~10のいずれか一項に記載の導電性シート。
  12. 前記基材が、プラスチックである、
    請求項1~11のいずれか一項に記載の導電性シート。
  13. 前記プラスチックが、ポリエチレンテレフタレートである、
    請求項12に記載の導電性シート。
  14. 前記遷移金属が、IUPACの周期表における第11族元素の金属を含む、
    請求項1~13のいずれか1項に記載の導電性シート。
  15. 前記遷移金属が、銅を含む、
    請求項1~14のいずれか1項に記載の導電性シート。
  16. 前記粒子層を構成する前記粒子の平均粒径が、1.0nm以上500nm以下である、
    請求項1~15のいずれか1項に記載の導電性シート。
  17. 可視光透過率が、70%以上99%以下である、
    請求項1~16のいずれか1項に記載の導電性シート。
  18. シート抵抗が、0.001Ωcm-2以上20Ωcm-2以下である、
    請求項1~17のいずれか1項に記載の導電性シート。
  19. 請求項1~18のいずれか1項に記載の導電性シートを巻回した、
    巻回体。
  20. 請求項1~18のいずれか1項に記載の導電性シートを備える、
    タッチパネル。
  21. 請求項1~18のいずれか1項に記載の導電性シートを備える、
    ディスプレイ。
  22. 請求項1~18のいずれか1項に記載の導電性シートを備える、
    ヒーター。
  23. 請求項1~18のいずれか1項に記載の導電性シートを備える、
    電磁波シールド。
  24. 請求項1~18のいずれか1項に記載の導電性シートを備える、
    アンテナ。
  25. 基材に、前駆体薄膜を形成する膜形成工程と、
    前記前駆体薄膜をプラズマと反応させて粒子層を形成するプラズマ反応工程と、を含む、
    請求項1~18のいずれか1項に記載の導電性シートの製造方法。
  26. 前記プラズマ反応工程において、マイクロ波プラズマを用いる、
    請求項25に記載の導電性シートの製造方法。
  27. 前記プラズマ反応工程における雰囲気に、水素分子を含む気体を含む、
    請求項25又は26に記載の導電性シートの製造方法。
  28. 前記マイクロ波の出力が0.5kW以上1.4kW以下である、
    請求項25~27のいずれか1項に記載の導電性シートの製造方法。
  29. 前記マイクロ波の出力が1.1kW以上1.4kW以下であり、プラズマ反応時間が30秒以上200秒以下である、
    請求項25~28のいずれか1項に記載の導電性シートの製造方法。
  30. 前記マイクロ波の出力が0.5kW以上1.1kW未満であり、プラズマ反応時間が200秒以上600秒以下である、
    請求項25~29のいずれか1項に記載の導電性シートの製造方法。
  31. 前記前駆体薄膜の膜厚が260nm以上1μm以下である、
    請求項25~30のいずれか1項に記載の導電性シートの製造方法。
  32. 請求項25~30のいずれか1項に記載の導電性シートの製造方法により得られた導電性シートを巻回して巻回体を得る、
    巻回体の製造方法。
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