JP2023017426A - 既設管補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のマンホール区間に亘る既設管を補修する場合に、補修の手間を低減し、工期を短縮することが可能な既設管補修方法を提供する。【解決手段】マンホール2に開口する2つの既設管1内に、そのマンホール2を通過させて筒状硬化性のライニング材4を未硬化状態で挿通し、そのライニング材4のマンホール通過部分には、ライニング材4を径方向外側から覆うように、既設管1の内径と略同等の内径を有する筒状体からなる規制スリーブ5を配置することで、その後、ライニング材4を拡径して既設管1の内周面に押圧する際、ライニング材4のマンホール通過部分の径方向の伸び、すなわち膨出が規制される。その状態で、ライニング材4を硬化せしめて更生管3を形成し、その後、マンホール2内における硬化後のライニング材4及び規制スリーブ5を除去する。【選択図】図4

Description

本発明は、既設管補修方法、特に、既設管内に更生管を設置することで補修する既設管補修方法に関する。
地中に埋設された既設管、例えば下水管等は、長年の使用により劣化し、その耐用年数は一般に約50年とされている。近年、耐用年数を超える下水管が増加しており、老朽化した下水管は、管路に生じた亀裂等から下水管周囲の地下水や土砂が管路内に流入することがあり、これにより、地中に空洞が生じて地面陥没の原因となっている。また、下水管は地震等の地盤変動による影響を受けやすい等、種々の事情から所定の時期に何らかの補修が必要となる。
下水管等の既設管の補修方法としては、例えば、既設管を撤去することなく、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いたライニング材により既設管内に内層管(更生管)を形成する補修方法が知られている(特許文献1及び2)。このうち、下記特許文献1に記載の熱硬化性ライニング材による補修方法では、未硬化状態の熱硬化性光ライニング材を例えば折り畳まれた状態で既設管内に挿通した後、両端部を密閉部材で密閉する。そして、その状態で、ライニング材の内部に圧縮空気を供給することによりライニング材を拡径させて既設管内周面に密着させる。その状態で、ライニング材を加熱することにより熱硬化性樹脂の重合架橋反応を開始させて硬化させ、既設管内周面に硬化したライニング材からなる更生管を形成している。
また、下記特許文献2に記載の光硬化性ライニング材による補修方法では、未硬化状態の光硬化性ライニング材を例えば折り畳まれた状態で既設管内に挿通した後、両端部を密閉部材で密閉する。そして、その状態で、ライニング材の内部に圧縮空気を供給することによりライニング材を拡径させて既設管内周面に密着させる。その状態で、光照射装置を光硬化性ライニング材の内側で移動させながら光照射することにより光硬化性樹脂の重合架橋反応を開始させて硬化させ、既設管内周面に硬化したライニング材からなる更生管を形成している。
特開平9-123279号公報 特開2009-214407号公報
上記のようにライニング材を拡径及び硬化させて更生管を既設管の内周面に形成する既設管補修方法は、一般に、伸長する既設管に対して所定間隔で配置されたマンホールの隣り合うマンホール相互間の1区間毎の既設管に対して実施される。すなわち、隣り合うマンホール間の1区間ずつ、既設管の補修が行われる。隣り合うマンホールの間隔は、凡そ30~70m程度とされている。しかし、マンホールは、通常、道路に配置されており、また、既設管は真直ぐに配管されることから、例えば、道路が曲がっているような場合には、マンホール間の間隔が小さくなることが多い。すなわち、既設管を構成するヒューム管は直管であることから、既設管の伸長方向は直線状であるのに対し、マンホールは、この直線状に伸長する既設管と湾曲する道路の交点に配置されることから、道路が曲がっているとマンホール間の間隔が小さくなる傾向にある。同様の傾向は、勾配の大きい坂道に沿って配設される既設管にも見られる。マンホール間の間隔が小さくなると、1回の施工で補修できる既設管の長さが短くなることから、補修作業の1単位である区間の数が増加し、補修に係る手間が増大すると共に、その工期も長くなる。また、1区間の既設管を補修する際、その両側のマンホール内でも更生管が拡径・硬化されるが、このマンホール内の硬化後の更生管は施工後に除去されるだけであるから、補修材料の無駄も多い。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の区間に亘る既設管を補修する場合に、補修の手間を低減し、工期を短縮することが可能な既設管補修方法を提供することにある。
上記目的を達成するための既設管補修方法は、
筒状の硬化性ライニングを既設管内で拡径及び硬化させることで更生管を形成し、所定間隔で配置されたマンホール間に設置された前記既設管内に前記更生管を設置することで該既設管を補修する既設管補修方法において、
前記ライニング材を未硬化の状態で、前記マンホールを通過させて該マンホールに開口する2つの前記既設管内に挿通するライニング材挿通工程と、前記ライニング材の拡径時に前記既設管の内径と略同等の内径を有する筒状体として前記マンホールを通過する部分の少なくとも前記既設管の開口部にて前記ライニング材を径方向外側から覆い且つ少なくとも該ライニング材よりも径方向に伸びにくい規制スリーブを該ライニング材のマンホール通過部分に配置するスリーブ配置工程と、前記ライニング材挿通工程及びスリーブ配置工程の後、前記ライニング材を拡径して前記既設管の内周面に押圧し、その状態で該ライニング材を硬化させることにより前記更生管を形成する更生管形成工程と、前記更生管形成工程の後、前記マンホール内における硬化後の前記ライニング材及び規制スリーブを除去するマンホール内除去工程と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、マンホールに開口する2つの既設管内に、そのマンホールを通過させて筒状硬化性のライニング材を未硬化状態で挿通し、そのライニング材のマンホール通過部分の少なくとも既設管の開口部は、既設管の内径と略同等の内径を有する規制スリーブで径方向外側から覆われる。したがって、その後、ライニング材を拡径して既設管の内周面に押圧する際、ライニング材のマンホール通過部分の径方向の伸び、すなわち膨出が規制スリーブによって規制される。その状態で、ライニング材を硬化せしめて更生管を形成し、その更生管形成の後、マンホール内における硬化後のライニング材及び規制スリーブが除去される。したがって、この更生管設置方法では、少なくとも1つのマンホールに跨がる2つの既設管の内周面に同時に更生管を形成することができるので、これを拡張することで、例えば、隣り合うマンホール相互間の既設管を1区間とした場合、複数区間の既設管内に同時に更生管を形成すれば、複数の区間に亘る既設管をあたかも1本の既設管のように一度に補修することができる。その結果、この更生管設置方法では、複数区間の既設管を補修する際の補修の手間を低減することができ、同時に、補修の工期を短縮することも可能となる。
また、上記既設管補修方法の他の構成は、前記規制スリーブは変形可能であり、前記スリーブ配置工程は、前記既設管内に挿通される以前に前記ライニング材の前記マンホール通過部分の外周部分に前記規制スリーブを予め取付け、そのライニング材をマンホールを通過して既設管内に挿通することで実施されることを特徴とする。
この構成によれば、既設管内に挿通される以前に、ライニング材のマンホール通過部分の外周部分に変形可能な規制スリーブを予め取付けておくことにより、例えば、規制スリーブをライニング材と共に折りたたんだ状態で、マンホールを通過するようにして、そのマンホールに開口する2つの既設管内にライニング材を挿通するだけで、ライニング材のマンホール通過部分に該ライニング材を覆う規制スリーブを配置することが可能となり、その分だけ、ライニング材挿通工程からスリーブ配置工程に係る工程を簡略化することができる。
上記既設管補修方法の更なる構成は、前記更生管形成工程の前に、前記拡径されるライニング材の径方向外側で前記マンホールにおける前記既設管の開口部から該マンホール内に所定寸度で突出し且つ内径又は外径が前記既設管の内径と略同等であり且つ前記ライニング材の拡径時に径方向に略非変形の剛性を有する筒状部材を配設する筒体配設工程を有し、前記マンホール内除去工程では、前記マンホール内における筒状部材を除去することを特徴とする。
この構成によれば、ライニング材の拡径及び硬化による更生管の形成時、特に既設管のマンホール内開口部における更生管のしわの発生が防止される。すなわち、例えば、規制スリーブが変形性を有し、マンホール内に開口する2つの既設管の開口部に高低差がある場合、そのマンホールを通過して2つの既設管内に挿通されたライニング材を拡径する際、上記規制スリーブによってライニング材の径方向の伸びは規制されるものの、既設管のマンホール開口部におけるライニング材は、高い方の既設管開口部の上部の伸びが下部の伸びより大きく、逆に、低い方の既設管開口部の上部の伸びが下部の伸びより小さいといったように、ライニング材の伸びに差異が生じ、この伸びの差異によって、硬化後のライニング材からなる更生管のマンホール開口部(マンホール通過部分除去後)にしわが生じ、このしわが既設管との間の隙間となるおそれがある。こうしたしわや、そのしわに起因する既設管と更生管の隙間は、2つの既設管の高低差以外にも、例えばマンホールに開口する2つの既設管の伸長方向が異なる場合など、すなわち芯ずれがある場合やそれら既設管に内径差がある場合も同様に発生するおそれがある。このように既設管のマンホール開口部と更生管のマンホール開口部に隙間が生じると、既設管の亀裂等の破損裂箇所などから流入した地下水やこれに付随する土砂が、既設管と更生管との間に生じた隙間を通って管路内に流れ込むおそれがある。そして、地下水や土砂が管路内に流入すると、地中に空洞が形成される恐れがあり、地面陥没等の原因となり得る。マンホールに開口する既設管開口部における拡径前のライニング材及び規制スリーブの外側に、そのマンホール内に所定寸度で突出する筒状部材があることで、既設管のマンホール開口部におけるライニング材の伸びが全周に亘って均等化され、これにより硬化後のライニング材からなる更生管と既設管の間に隙間が生じない。また、マンホールに開口する2つの既設管に高低差や芯ずれ、内径差がなくとも、規制スリーブが径方向に変形するものにあっては、完成後の更生管のマンホール開口部におけるライニング材の径方向の伸びを抑制することで更生管のマンホール開口部の厚さの変動を抑制することができる。
上記既設管の補修方法の更なる構成は、前記筒状部材は、端部の少なくとも一部に伸長方向に窪む切欠き部が設けられており、前記筒体配設工程では、前記切欠き部が既設管の下部に位置するように前記筒状部材を配置することを特徴とする。
この構成によれば、マンホール内において、そのマンホールに開口する2つの既設管の開口部が例えばコンクリートやモルタルを盛り上げて作った略半円形断面の溝で接続され、それらの底が一連に形成されている構造がある。このような場合に、筒状部材の切欠き部を既設管の下部に位置するように配置することで、既設管の内部の底に筒状部材が入り込まないようにすることができる。そして、このようにすることで、ライニング材の拡径・硬化後にマンホール内の硬化後のライニング材及び筒状部材を除去すれば、既設管の底、すなわち更生管の底部に盛り上がりはできない。既設管の内部に差し込まれている筒状部材は、ライニング材の拡径・硬化後に除去することが困難なので、この筒状部材に載っている更生管の底部が盛り上がる。上記のように、略半円形断面の溝の底と既設管の底が一連に形成されている箇所に更生管の盛り上がり部があると、その部分にごみや汚物が堆積しやすいが、この盛り上がり部を作らないことで、そうした問題を回避することができる。
以上説明したように、上記既設管補修方法によれば、少なくとも1つのマンホールに跨がる2つの既設管の内周面に同時に更生管を形成することができるので、これを拡張することで、3以上のマンホールに亘る複数区間の既設管を一度に補修することができる。したがって、複数区間の既設管を補修する際の補修の手間を低減することができ、同時に、補修の工期を短縮することも可能となる。
本発明の既設管補修方法の第1の実施の形態におけるライニング材挿通工程の説明図である。 図1の既設管補修方法における更生管形成工程前の状態の説明図である。 図1のライニング材挿通工程で使用されるライニング材及び規制スリーブの説明図である。 図1の既設管補修方法における更生管形成工程の説明図である。 図4のライニング材のマンホール通過部分の詳細図である。 図1の既設管補修方法におけるマンホール内除去工程の説明図である。 図1の既設管補修方法における筒体配設工程後の状態の説明図である。 本発明の既設管補修方法の第2の実施の形態における更生管形成工程前の状態の説明図である。 図8の既設管補修方法における更生管形成工程の説明図である。 本発明の既設管補修方法の第3の実施の形態に用いられる筒状部材の正面図である。 図10の既設管補修方法における更生管形成工程の詳細図である。 図10の既設管補修方法が実施される既設管及びマンホール内の説明図である。 図12に示す既設管及びマンホールに図2の筒状部材を用いた場合の更生管形成工程の詳細図である。
以下、本発明の既設管補修方法の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1~図6は、本発明の第1の実施の形態に係る既設管補修方法の説明図であり、図1はライニング材挿通工程の説明図、図2は更生管形成工程前の状態の説明図、図3は図1のライニング材挿通工程で使用されるライニング材4及び規制スリーブ5の説明図、図4は更生管形成工程の説明図、図5は図4のライニング材4のマンホール通過部分の詳細図、図6はマンホール内除去工程の説明図である。この実施の形態の既設管補修方法で用いられるライニング材4は、前述した光硬化性樹脂製管状部材からなるライニング材、或いは、熱硬化性樹脂製管状部材からなるライニング材の何れも適用可能であり、何れも筒状であり、未硬化状態のものを既設管1の内部に挿通して用いる。周知のように、光硬化性樹脂製ライニング材は、熱硬化性樹脂製ライニング材に比して、光硬化性樹脂の光照射による硬化時間が熱硬化性樹脂の熱流体による硬化時間よりも短いというメリットを有するが、光照射硬化時の発熱反応によりライニング材4の温度が上昇しすぎるおそれがある。ここでは、一例として、熱硬化性樹脂製ライニング材を用いた。
この実施の形態では、少なくとも1つのマンホール2に開口する2つの既設管1内にライニング材4を挿通することを前提とし、例えば図1に示すように、3つのマンホール2を通過して計4つ(隣り合うマンホール2間を1区間とすると4区間)の既設管1内にライニング材4を挿通する。ライニング材挿通工程は、従来のライニング材挿通工程と同様に、例えば4区間(4つ)の既設管1を挟む両端部のマンホール2の一方から折り畳み状態で未硬化状態のライニング材4をライニング材送給装置7から送給する。そして、例えばライニング材4の送給方向先端部に取付けられた索条体8を索条体巻取り装置9で巻取ることにより、他方(出口側)のマンホール2からライニング材4の送給方向先端部を引っ張って行う。このようにマンホール2を跨いで既設管1内にライニング材4を挿通し、前述のようにライニング材4の内部に加圧気体、具体的には圧縮空気を供給してライニング材4を拡径する場合、マンホール2の内部のライニング材4が既設管1の内径を超えて径方向に大幅に拡径してしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、ライニング材4のマンホール通過部分に、ライニング材4の径方向の伸びを規制する規制スリーブ5を配置する(規制スリーブ配置工程)。具体的には、ライニング材4のマンホール通過部分を覆うことで、ライニング材4の外径が既設管1の内径と略同等となるようにライニング材4の径方向の伸びを規制する。すなわち、規制スリーブ5は、ライニング材4の拡径時、既設管1の内径と略同等の内径を有する筒状体からなる。また、材料の特性として、ライニング材4の拡径時、少なくともライニング材4よりも径方向に伸びにくいことが要求される。
この規制スリーブ5は、種々の素材で構成可能である。一例として、布帛や合成樹脂が挙げられる。スリーブであるから、筒状体であるが、例えばシート状の材料を円筒形状に巻き、その突合せ部又は重合部を互いに接合又は結合して筒状体とすることも可能である。この実施の形態では、布帛製の規制スリーブ5を用いた。布帛は、拡径時におけるライニング材4の径方向の伸びを完全に防止することは困難かもしれないが、変形性に富み、厚さが小さい、すなわち薄いという特徴がある。この実施の形態では、この布帛製の規制スリーブ5の変形性を利用し、例えば図3に示すように、上記既設管1挿通以前のライニング材4のマンホール通過部分の外周面に規制スリーブ5を予め取付けておく。各既設管1の長さは既知であり、マンホール2の内部の大きさも既知であることから、ライニング材4のマンホール通過部分も既知である。したがって、このマンホール通過部分の外周面に規制スリーブ5を予め取付けておけば、ライニング材4を既設管1の内部に挿通するだけで、ライニング材4のマンホール通過部分を覆う状態で規制スリーブ5を配置することができる。なお、規制スリーブ5のライニング材4への取付けは、例えば接着剤による接着や、個別の係止部材による係止などが挙げられる。周知のように、ライニング材4はかなり重い。この重いライニング材4は、既設管1内で引っ張られるとき、既設管1の内周面と擦れる。したがって、布帛製の規制スリーブ5も、ライニング材4と同様に、既設管1の内周面と擦れるので、その擦れに対して規制スリーブ5がライニング材4の外周面に残存するように両者を固定する必要がある。なお、図1では、規制スリーブ5の図示を省略している。
上記規制スリーブ配置工程は、上記以外の手法によっても実施可能である。一例として、後述するように、変形性に乏しい筒状の合成樹脂製規制スリーブ5の場合、例えば、マンホール2の半径よりも短い2つの規制スリーブ5を用い、マンホール2を通過して上記ライニング材4を既設管1内に挿通する以前に、マンホール2内で2つの既設管1のそれぞれの開口部(以下、既設管1のマンホール開口部と記す)内に差し込むか又はマンホール開口部にあてがうようにして各既設管1のマンホール開口部に合成樹脂製規制スリーブ5を配設し、その後、マンホール2を通過してライニング材4を既設管1内に挿通すれば、ライニング材4のマンホール通過部分における既設管1のマンホール開口部の外側に合成樹脂製規制スリーブ5を配置することができる。また、塑性変形可能なシート材料、例えば金属板で規制スリーブ5を構成する場合、例えば、先にマンホール2を通過して既設管1内にライニング材4を挿通し、その後、マンホール2内でライニング材4の外周に、例えば既設管1の内径相当の筒状に金属板を巻回し、必要に応じてその金属板の突き合わせ部又は重合部を互いに接合又は結合して規制スリーブ5とすることで、ライニング材4のマンホール通過部分の外側に規制スリーブ5を配置することも可能である。この規制スリーブ5は、マンホール2内で一連でなくともよい。後述するように、この規制スリーブ5もマンホール2内における硬化後のライニング材4も、マンホール2の内部の部分は除去してしまうので、拡径時におけるライニング材4の径方向の規制は、少なくとも既設管1のマンホール開口部でよい。なお、既設管1のマンホール開口部に規制スリーブ5をあてがう場合には、そのマンホール開口部においてマンホール2の内壁と規制スリーブ5の間に隙間ができないようする。
この実施の形態では、布帛製の規制スリーブ5を用いるので、既設管1のマンホール開口部には、予め筒状部材6を配設しておく。この実施の形態の布帛製の規制スリーブ5は、拡径時のライニング材4よりも径方向に伸びにくいものの、ライニング材4の拡径に伴って径方向に少し伸びる(膨らむ)。拡径時におけるライニング材4の径方向の伸びが周方向に均一であっても、既設管1のマンホール開口部よりもマンホール2の内部でライニング材4が径方向に伸びると、その内側部分でライニング材4が薄くなり、結果として硬化後のライニング材4からなる更生管3の厚さが既設管1のマンホール開口部で、その他の部分より薄くなってしまう。そこで、既設管1のマンホール開口部には、予め筒状部材6を配設しておき、規制スリーブ5及びライニング材4の外径が既設管1の内径よりも大きくなる径方向の伸びを防止する(筒体配設工程)。したがって、この筒状部材6は、既設管1のマンホール開口部からマンホール2内に所定寸度で突出すると共に、ライニング材4の拡径時に径方向に変形しない剛性が要求される。こうした筒状部材6には、例えば、筒体の肉厚を薄くすることが可能な金属、例えばステンレス鋼などが用いられる。このような特徴を有する筒状部材6を、上記ライニング材1の既設管内挿通の以前に、既設管1のマンホール開口部から既設管1内に差し込み、その端部がマンホール2の内部に突出するようにして各既設管1のマンホール開口部に取付けておく。したがって、この場合には、筒状部材6の外径は既設管1の内径に略等しい。なお、後述するように、また上記規制スリーブ5と同様に、既設管1のマンホール開口部において、そのマンホール開口部に筒状部材6をあてがうようにして配設してもよい。そして、既設管1のマンホール開口部に筒状部材6をあてがう場合には、そのマンホール開口部においてマンホール2の内壁と筒状部材6の間に隙間ができないようする。この場合には、筒状部材6の内径を既設管1の内径と略同等とする。
図2は、上記図3の規制スリーブ5付きライニング材4を、3つのマンホール2を通過して4つの既設管1内に挿通するライニング材挿通工程により同時に規制スリーブ配置工程が完了された、更生管形成工程前の状態を示す。計4つの既設管1内に挿通されたライニング材4は、図2の右端部でマンホール2内に突出しており、左端部でもマンホール2内に突出している。この実施の形態では、この後、ライニング材4に圧縮空気を供給してライニング材4を拡径するために、ライニング材4の両端部の開口端をエンドパッカー10で閉塞する。エンドパッカー10には、周知のように、圧縮空気を送気したり排気したりするための通気穴や、後述するライトトレイン11を引っ張るための索条体を挿通したり、ライトトレイン11に電力を供給したりするための穴が設けられている。そこで、例えば、ライニング材4の図の左端部のエンドパッカー10の通気穴から図示しない圧縮空気送給装置によって圧縮空気を供給し、余分の空気を図の右端部のエンドパッカー10の通気穴から排気する。これにより、図4に示すように、ライニング材4が拡径されて既設管1の内周面に押圧される。その状態で、ライニング材4を硬化せしめて更生管3を形成する(更生管形成工程)。この実施の形態では、ライニング材4に熱硬化性樹脂製のライニング材を用いているので、拡径状態のライニング材4の内部にライトトレイン(光照射・加熱装置)11を通過させながらライトをオンすると、ライトの温度でライニング材4が加熱されて硬化する。光硬化樹脂製のライニング材4の場合も、同様に、拡径状態のライニング材4の内部にライトトレイン11を通過させながらライトをオンし、ライニング材4に光を照射してライニング材4を硬化せしめる。
図5は、図4の更生管形成工程で形成された硬化後のライニング材4のマンホール通過部分の詳細図である。図は、筒状部材6で覆われた部分を除き、規制スリーブ5の内径及び硬化後のライニング材4の外径が既設管1の内径よりも少し径方向に膨らんでいる状態を示す。この実施の形態の規制スリーブ5は布帛製である。なお、図は模式的に描かれており、実際の布帛製規制スリーブ5はもっと薄い。布帛は、経糸(繊維)と緯糸(繊維)を織って形成される。繊維には、伸長方向に伸びやすいものもある。また、経糸と緯糸の織り目の大きさ、すなわち隣り合う繊維同士の隙間(間隔)の大きさも様々である。このように、布帛を構成する繊維が伸びやすかったり、隣り合う繊維同士の間隔が大きかったりすると、布帛の面広がり方向に布帛が伸びやすいという特性がある。したがって、ライニング材4の拡径時、布帛製の規制スリーブ5は、ライニング材4の径方向の伸びを規制することはできるが、径方向の伸びを防止することができない場合もある。しかしながら、硬化後のライニング材4のマンホール通過部分は、後述のように除去されるので、拡径並びに硬化時にライニング材4の径方向の伸びを或る程度規制することができればよい。なお、布帛を織るための繊維に伸びにくいものを用いたり、布帛の隣り合う繊維間の間隔を小さくして織り目を詰めたりすることで、布帛の面広がり方向の伸びを小さくすることができるので、そうした布帛を用いることでライニング材4の拡径或いは硬化時の径方向の伸びをより一層規制することができる。また、布帛に代えて、他の繊維製の規制スリーブ5を用いることもできる。
上記のようにして既設管1内に挿通したライニング材4を拡径及び硬化して更生管3が形成されたら、図6に示すように、硬化後のライニング材4のマンホール通過部分及び上記規制スリーブ5及び筒状部材6を除去し、既設管1内の更生管3だけを残す(マンホール内除去工程)。その結果、この実施の形態の既設管補修方法では、3つのマンホール2を跨ぐ4つの既設管1内に同時に更生管3を設置することができるので、更生管3の設置、すなわち既設管補修の手間を低減し、工期を短縮することができる。周知のように、ライニング材4を拡径したり硬化せしめたりする工程はさほど手間を要しない。これに対し、前述のようにライニング材4はかなり重く、この重いライニング材4を既設管1の内部に挿通することに手間がかかる。このライニング材4の挿通を隣り合うマンホール2相互間の既設管1の1区間毎に行い、その後にライニング材4を拡径して硬化する従来の補修方法では、複数区間の既設管1の1区間ずつにライニング材4を挿通しなければならないことから非常に手間がかかる。これに対して、この実施の形態の既設管補修方法では、複数のマンホール2を跨ぐ複数区間の既設管1内にほぼ同時に更生管3を設置することができることから、既設管補修の手間を大幅に低減することができ、これにより補修工期を短縮することもできる。なお、ライニング材4を挿通する既設管1は、図に示すように、直線状に並んでいる以外にも、例えば既設管1の伸長方向が交差しているものや、後述のように、マンホール2を挟んで高低差のあるもののように既設管1同士がいわゆる芯ずれしているものや、既設管1の内径が異なるものも同様に適用することができる。
図7は、図1の既設管補修方法における変形例の説明図であり、マンホール2に開口する2つの既設管1のうち、図の左方の既設管1が高く、右方の既設管1が低い例を示している。この例では、例えば上記ライニング材4の拡径時においても布帛製の規制スリーブ5が径方向に伸びないと仮定している。このような場合、規制スリーブ5が径方向に伸びないとしても、図のようにマンホール2を通過してライニング材4を既設管1内に挿通し、そのライニング材4を拡径及び硬化させて更生管3を形成すると、既設管1のマンホール開口部で更生管3にしわが発生することがある。すなわち、図からも推察されるように、左方の既設管1のマンホール開口部では、ライニング材4の上側部分の伸びが大きく、逆に下側部分の伸びが小さい。逆に、図の右方の既設管1のマンホール開口部では、ライニング材4の上側部分の伸びが小さく、下側部分の伸びが大きい。こうした伸びの差が、ライニング材4の拡径及び硬化時、すなわち更生管3の形成時にしわの原因となる。この例では、マンホール2に開口する2つの既設管1の開口部に高低差がある場合を示しているが、2つの既設管1が芯ずれしている場合や、2つの既設管1の内径が異なる場合なども同様である。
そこで、この例でも、既設管1の内周面全周に当接し且つマンホール2の内部に所定寸度で突出する上記筒状部材6を既設管1のマンホール開口部内に挿入しておき、この筒状部材6の内側に上記規制スリーブ5及びライニング材4が配置されるようにして上記更生管形成工程を行う。このように、径方向に非変形の剛性を有する筒状部材6を既設管1の内周面全周からマンホール2の内部に所定寸度で突出させておくことにより、拡径及び硬化時の既設管1のマンホール開口部におけるライニング材4の伸びを周方向で略均一にすることができ、これにより既設管1のマンホール開口部における更生管3のしわの発生を防止することができる。更生管形成後には、硬化後のライニング材4及び規制スリーブ5のマンホール通過部分と同時に筒状部材6のマンホール2内突出部分も除去される。前述のように、既設管1のマンホール開口部において更生管3にしわができると、既設管1と更生管3の間に隙間ができるおそれがある。このように既設管1と更生管3に隙間が生じると、既設管1の亀裂等の破損裂箇所などから流入した地下水やこれに付随する土砂が、既設管1と更生管3との間に生じた隙間を通って管路内に流れ込むおそれがある。そして、地下水や土砂が管路内に流入すると、地中に空洞が形成される恐れがあり、地面陥没等の原因となり得る。この例では、既設管1のマンホール開口部において更生管3のしわの発生を防止することにより、既設管1と更生管3の間の隙間の発生も防止することができる。
次に、本発明の既設管補修方法の第2の実施の形態について説明する。図8、図9は、この実施の形態に係る既設管補修方法の説明図であり、図8は更生管形成工程前の状態の説明図、図9は更生管形成工程の説明図である。例えば、この実施の形態の既設管補修方法における上記マンホール内除去工程後の状態は、上記第1の実施の形態の図6と同等である。以下は、第1の実施の形態と異なる態様についてのみ説明する。この実施の形態では、一例として、上記光硬化性樹脂製ライニング材4を用いた。
この実施の形態では、上記規制スリーブ5に合成樹脂製の規制スリーブを用いた。合成樹脂製の規制スリーブ5は、上記第1実施の形態の布帛製の規制スリーブ5と比較して、変形性に優れていないので、例えば、上記ライニング材4の複数の既設管1内への挿通に先立ち、例えば、マンホール2内において開口する2つの既設管1の内部に規制スリーブ5を差し込んでおく必要がある。そこで、この実施の形態では、例えば、マンホール2の半径よりも短尺な合成樹脂製規制スリーブ5を各マンホール2ごとに2つ用い、それらを予めマンホール2内で開口する2つの既設管1のそれぞれのマンホール開口部から内部に1つずつ差し込んでおき、その後、マンホール2を通過して、すなわち各マンホール2ごとに2つの規制スリーブ5内を通過してライニング材4を既設管1内に挿通する。なお、前述のように、規制スリーブ5を構成する部材がシート状である場合には、マンホール2を通過してライニング材4を既設管1内に挿通した後、マンホール2内でライニング材4の外周にシート状の規制スリーブ部材を巻回し、その突合せ部又は重合部を接合又は結合して規制スリーブ5としてもよい。なお、前述のように、合成樹脂製の規制スリーブ5を既設管1のマンホール開口部にあてがうようにして使用してもよい。
図9は、更生管形成工程の説明図であり、より具体的には、拡径されたライニング材4の内部にライトトレイン11を通過させて光硬化させている状態を示す。前述のように、光硬化性樹脂製のライニング材4は、光照射による硬化時間が短いというメリットがある。この実施の形態では、規制スリーブ5が変形し難い合成樹脂製規制スリーブであることから、ライニング材4のマンホール通過部分のうち、規制スリーブ5で覆われた部分では、ライニング材4の径方向の伸びが防止されている。そして、光硬化性樹脂製のライニング材4を光硬化させて更生管3を形成したら、前述のように、マンホール2内の硬化後のライニング材4及び規制スリーブ5を除去して、既設管1の内部にのみ更生管3を残す。ライニング材4のマンホール通過部分のうち、規制スリーブ5で覆われていない部分では、ライニング材4が径方向に伸びて膨らんでいるが、この部分は、その他のマンホール内部と一緒に除去されてしまうので、更生管3として何らの支障にならない。なお、同じようなライトトレイン11でも、この実施の形態のライトトレイン11は、第1の実施の形態のライトトレイン11のように、ライニング材4を加熱する必要はないので、さほど昇温しないライト、例えば発光ダイオードなどのライトを用いることができる。
次に、本発明の既設管補修方法の第3の実施の形態について説明する。図10~図13は、この実施の形態に係る既設管補修方法の説明図であり、図10は、この実施の形態の既設管補修方法に用いられる筒状部材の正面図、図11は、この実施の形態の既設管補修方法における更生管形成工程の詳細図である。また、図12は、この実施の形態の既設管補修方法が実施される既設管及びマンホール内の説明図であり、図13は、図12に示す既設管及びマンホールに図2の筒状部材を用いた場合の更生管形成工程の詳細図である。この実施の形態の既設管補修方法は、大まかには上記第1の実施の形態の変形例である。
まず、この実施の形態の既設管補修方法の対象となるマンホールの構造について、図12を用いて説明する。このマンホール2では、マンホール2の底部をコンクリートやモルタルで盛り上げて、マンホール2に開口している上流側既設管1と下流側既設管1の間に略半円形断面の溝8を形成したものである。こうしたマンホール構造を、インバートともいう。このようなマンホール構造では、一般に、マンホール2に開口する2つの既設管1の底と溝8の底は一連に形成されている。
この実施の形態の既設管補修方法に用いられる筒状部材6は、図10に示すように、端部の一部を筒体伸長方向に窪ませて切欠き部7が形成されている。この筒状部材6を用いる場合には、切欠き部7が溝8の底になるように筒状部材6を配置し、筒状部材6の本体(円筒部)が既設管1の内部に入らないようにする。このように、切欠き部7が既設管1の底になるように筒状部材6を配置し、更に切欠き部7においては筒状部材6の本体(円筒部)が既設管1の内部に入り込まないようにすると共に、この実施の形態では、筒状部材6の端部を既設管1のマンホール開口部にあてがって筒状部材6を配設する。筒状部材6の端部を既設管1のマンホール開口部にあてがう場合には、マンホール開口部におけるマンホール2の内壁と筒状部材6の間に隙間ができないようにする。図11は、その筒状部材6の内部に規制スリーブ5及びライニング材4を挿通し、ライニング材4を拡径・硬化させた状態のマンホール開口部の詳細図である。なお、図は、特に筒状部材6やライニング材4の厚さを強調している。この図に示すように、既設管1のマンホール開口部の底部の近傍には、筒状部材6、規制スリーブ5、硬化したライニング材4からなる盛り上がり部9ができるが、この盛り上がり部9は既設管1より外側、すなわち溝8の底(=マンホール2の内部)に形成されるので、マンホール2の内部の硬化したライニング材4を除去する際、盛り上がり部9も一緒に除去することができる。
図13は、上記第1の実施の形態の筒状部材6、すなわち切欠き部のない円筒管部材をインバート構造のマンホール2に用いてライニング材4を拡径・硬化させた状態のマンホール開口部の詳細図である。切欠き部のない円筒管部材からなる筒状部材6は、その端部が内周面全周に当接するように既設管1の内部に挿入されており、端部の下端部は既設管1の底に当接している。この状態で、その内部に規制スリーブ5及びライニング材4を挿通し、そのライニング材4を拡径・硬化させると、その硬化物からなる更生管4が既設管1の底で盛り上がる。この既設管1の底における更生管4の盛り上がり部9は、筒状部材6の厚さが大きいほど、大きくなる。例えば、筒状部材6が樹脂製である場合には、筒状部材6の変形や破損を回避しながらライニング材4の拡径を規制するために筒状部材6の厚さが大きくなり、そうした場合には、特に既設管1の底における更生管4の盛り上がり部9が大きくなる。既設管1の内部では、ライニング材4が拡径・硬化してできた更生管4も、この構成管4と既設管1の間に挟まれている筒状部材6も除去しにくいので、マンホール2の内部の更生管4や規制スリーブ5、筒状部材6を除去した後も、既設管1の底には、更生管4の盛り上がり部9が残存する。このように既設管1の底に盛り上がり部9があると、そこにごみや汚物が堆積し、管路内部の流れを阻害するおそれがある。
このように、この実施の形態の既設管補修方法によれば、1つのマンホール2に開口する2つの既設管1内に、そのマンホール2を通過させて筒状硬化性のライニング材4を未硬化状態で挿通し、そのライニング材4のマンホール通過部分における少なくとも既設管1のマンホール開口部は、既設管1の内径と略同等の内径を有する筒状体からなる規制スリーブ5で径方向外側から覆われる。したがって、その後、ライニング材4を拡径して既設管1の内周面に押圧する際、ライニング材4のマンホール通過部分の径方向の伸び、すなわち膨出が規制スリーブ5によって規制される。その状態で、ライニング材4を硬化せしめて更生管3を形成し、その更生管3形成の後、マンホール2内における硬化後のライニング材4及び規制スリーブ5が除去される。したがって、この既設管補修方法では、少なくとも1つのマンホール2に跨がる2つの既設管1の内周面に同時に更生管3を形成することができるので、これを拡張して、例えば、複数のマンホール2を通過する複数区間の既設管1で更生管3を形成すれば、複数のマンホール2に亘る複数区間の既設管1をあたかも1本の既設管のように一度に補修することができる。その結果、この既設管補修方法では、複数のマンホール2に亘る複数区間の既設管1を補修する際の補修の手間を低減することができ、同時に、補修の工期を短縮することも可能となる。
また、既設管1内に挿通される以前に、ライニング材4のマンホール通過部分の外周部分に変形性を有する規制スリーブ5を予め取付けておくことにより、マンホール2を通過するようにして、そのマンホール2に開口する2つの既設管1内にライニング材4を挿通するだけで、ライニング材4のマンホール通過部分の外側に規制スリーブ5を配置することが可能となり、その分だけ、ライニング材挿通工程からスリーブ配置工程に係る工程を簡略化することができる。
また、更生管形成工程の前に、拡径されるライニング材4の径方向外側でマンホール2における既設管1の開口部からマンホール2内に所定寸度で突出し且つ内径又は外径が前記既設管の内径と略同等であり且つライニング材4の拡径時に径方向に略非変形の剛性を有する筒状部材6を既設管1のマンホール開口部に配設する。これにより、ライニング材4の拡径及び硬化による更生管3の形成時、特に既設管1のマンホール内開口部における更生管3のしわの発生や厚さの変動が防止される。
また、筒状部材6の端部に設けられた切欠き部7が既設管1の下部に位置するように筒状部材6を配置することで、既設管1の内部の底に筒状部材6が入り込まないようにすることができ、したがってライニング材4の拡径・硬化後にマンホール2内の硬化後のライニング材4及び筒状部材6を除去すれば、既設管1の底、すなわち更生管4の底部に盛り上がり部はできない。
以上、実施の形態について説明したが、本発明の構成はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。例えば、上記第1の実施の形態の変形例では、1つのマンホール2に開口する2つの既設管1の開口部に高低差がある場合、或いは、それらの既設管1に芯ずれがある場合や内径差がある場合に上記筒状部材6を既設管1のマンホール開口部内に差し込むようにしているが、この筒状部材6は、例えば2つの既設管1のマンホール開口部に高低差や芯ずれ、内径差がないような場合であっても、同様に既設管1のマンホール開口部内に差し込んで更生管3を形成しても何ら問題ない。
また、上記実施の形態では、規制スリーブ5を既設管1の内部に差し込むようにして用いているが、規制スリーブ5は、少なくとも既設管1のマンホール開口部におけるライニング材4の径方向の伸びを規制するものであるから、既設管1のマンホール開口部よりもマンホール2の内部に存在すればよいことから、それを既設管1の内部に差し込んで使用する必要はない。また、規制スリーブ5と筒状部材6を接着剤などで予め一体化しておくことも可能である。この場合、スリーブ配置工程と筒体配設工程はほぼ同時に行われる。
1 既設管
2 マンホール
3 更生管
4 ライニング材
5 規制スリーブ
6 筒状部材
7 切欠き部

Claims (4)

  1. 筒状の硬化性ライニングを既設管内で拡径及び硬化させることで更生管を形成し、所定間隔で配置されたマンホール間に設置された前記既設管内に前記更生管を設置することで該既設管を補修する既設管補修方法において、
    前記ライニング材を未硬化の状態で、前記マンホールを通過させて該マンホールに開口する2つの前記既設管内に挿通するライニング材挿通工程と、
    前記ライニング材の拡径時に前記既設管の内径と略同等の内径を有する筒状体として前記マンホールを通過する部分の少なくとも前記既設管の開口部にて前記ライニング材を径方向外側から覆い且つ少なくとも該ライニング材よりも径方向に伸びにくい規制スリーブを該ライニング材のマンホール通過部分に配置するスリーブ配置工程と、
    前記ライニング材挿通工程及びスリーブ配置工程の後、前記ライニング材を拡径して前記既設管の内周面に押圧し、その状態で該ライニング材を硬化させることにより前記更生管を形成する更生管形成工程と、
    前記更生管形成工程の後、前記マンホール内における硬化後の前記ライニング材及び規制スリーブを除去するマンホール内除去工程と、を含むことを特徴とする既設管補修方法。
  2. 前記規制スリーブは変形可能であり、
    前記スリーブ配置工程は、前記既設管内に挿通される以前に前記ライニング材の前記マンホール通過部分の外周部分に前記規制スリーブを予め取付け、そのライニング材をマンホールを通過して既設管内に挿通することで実施されることを特徴とする請求項1に記載の既設管補修方法。
  3. 前記更生管形成工程の前に、前記拡径されるライニング材の径方向外側で前記マンホールにおける前記既設管の開口部から該マンホール内に所定寸度で突出し且つ内径又は外径が前記既設管の内径と略同等であり且つ前記ライニング材の拡径時に径方向に略非変形の剛性を有する筒状部材を配設する筒体配設工程を有し、
    前記マンホール内除去工程では、前記マンホール内における筒状部材を除去することを特徴とする請求項1又は2に記載の既設管補修方法。
  4. 前記筒状部材は、端部の少なくとも一部に伸長方向に窪む切欠き部が設けられており、
    前記筒体配設工程では、前記切欠き部が既設管の下部に位置するように前記筒状部材を配置することを特徴とする請求項3に記載の既設管補修方法。
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