JP2023017273A - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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宏典 高橋
Hironori Takahashi
伸也 眞戸原
Shinya Matohara
和也 齋藤
Kazuya Saito
好彦 赤城
Yoshihiko Akagi
猛 江頭
Takeshi Egashira
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Abstract

【課題】振動センサの検出信号をフィルタに入力した結果を基に内燃機関のノッキングの有無を判定する場合においてノッキングの検出精度を向上させることができる内燃機関制御装置を提供する。【解決手段】ECU40は、エンジン1の振動を検出する振動センサ35からの検出信号を基にノッキングの有無の判定処理を行う処理装置43と処理装置43の判定に必要な情報を記憶する記憶装置41を備える。処理装置43は、振動センサ35の検出信号を少なくとも1つのフィルタに入力して特定の周波数帯域の振動成分を抽出するフィルタ処理部53と、フィルタ処理部53のフィルタからの出力信号を基に積分演算を行う積分演算部54と、積分演算部54の演算結果を基にノッキングの有無を判定するノック判定部58と、積分演算部54の積分期間を予め設定した期間に対してフィルタの特性に応じて補正するノックウィンドウ補正部52とを備える。【選択図】 図7

Description

本発明は、容積型の内燃機関を制御する内燃機関制御装置に係り、更に詳しくは、内燃機関の振動を検出する振動センサの検出信号を基に内燃機関のノッキングの発生の有無を判定する内燃機関制御装置に関する。
レシプロエンジンなどの容積型内燃機関(以下、エンジンと称することがある)では、動作中にノッキングと称する現象が発生することがある。ノッキングは、エンジンの燃焼室内の末端部の未燃ガスが自己着火することにより、強い衝撃波が燃焼室内で発生して振動としてエンジン本体に伝播する現象である。ノッキングは、エンジンの燃焼行程で発生しやすく、エンジンに取り付けた振動センサによってノッキング特有の周波数帯域の振動成分として検出可能である。
エンジンのノッキングを検出する技術として、例えば、特許文献1に記載の内燃機関用ノッキング検出装置が知られている。当該ノッキング検出装置は、内燃機関のノッキング現象に対応した振動要素を検出するノッキング検出器(振動センサ)と、このノッキング検出器に接続され、ノッキング周波数帯において互いに異なる周波数帯域のフィルタ特性を持つ複数のフィルタを有するフィルタ回路と、複数のフィルタのうち機関状態に応じて所定の出力を選択してフィルタ回路より出力するためのフィルタ制御回路とを備えている。当該内燃機関用ノッキング検出装置においては、エンジンに生じる振動ノイズが低周波数帯で比較的小さくなる時は低周波帯のフィルタ特性を使用し、逆に低周波数帯で振動ノイズが大きな時は高周波帯のフィルタを使用すべく、エンジンの運転状態に応じてフィルタを切や換えている。
特開昭56-000637号公報
ところで、インジェクタやバルブ等の作動時に発生する振動(ノイズ)をノッキング特有の振動から分離するため、エンジンのノッキングが発生する可能性のある期間を示すノックウィンドウにおいて、振動センサの検出信号を周波数解析することでノッキングを検出する方法が知られている。ノックウィンドウは、例えば、クランク角度センサが検出するクランク角度の所定の範囲として予め設定しておくことが可能である。このような限定した期間(ノックウィンドウ)内においてノッキングを検出する方法を特許文献1に記載の内燃機関用ノッキング検出装置に適用する場合を考える。
特許文献1に記載の内燃機関用ノッキング検出装置においては、振動センサの検出信号をフィルタ回路の複数のフィルタのうちの選択したフィルタに入力することで、ノッキング特有の周波数帯域の振動成分を抽出している。しかし、選択されたフィルタの特性によっては応答遅れが発生する。このような特性のフィルタでは、ノッキングの発生を示す振動成分が入力されても、フィルタの出力波形の少なくも一部が応答遅れによって予め設定したノックウィンドウから外れてしまうことがある。この場合、ノックウィンドウから外れた出力波形の分が考慮されずにノッキングの判定が行われてしまうので、ノッキングの発生を見逃す誤判定が懸念される。
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、振動センサの検出信号をフィルタに入力した結果を基にノッキングの有無を判定する場合においてノッキングの検出精度を向上させることができる内燃機関制御装置を提供することである。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、内燃機関の振動を検出する振動センサからの検出信号を基に前記内燃機関のノッキングの発生の有無の判定処理を行う処理装置と、前記処理装置の判定処理に必要な情報を記憶する記憶装置とを備える内燃機関制御装置において、前記処理装置は、前記振動センサの検出信号を少なくとも1つのフィルタに入力して特定の周波数帯域の振動成分を抽出するフィルタ処理部と、前記フィルタ処理部の前記フィルタからの出力信号に基づいて積分演算を行う積分演算部と、前記積分演算部の演算結果を基に前記内燃機関のノッキングの発生の有無を判定する判定部と、前記積分演算部の積分期間を予め設定された期間に対して前記フィルタの特性に応じて補正する期間補正部とを備える。
本発明によれば、フィルタの出力信号を基に積分演算部が行う積分演算の積分期間を予め設定した期間に対して当該フィルタの特性に応じて補正することで、当該積分演算の積分期間に対する当該フィルタの応答遅れ(特性)の影響を低減することができるので、積分演算の演算結果を基に判定するノッキングの有無に対する誤判定を抑制することができる。すなわち、振動センサの検出信号をフィルタに入力した結果を基にノッキングの有無を判定する場合においてノッキングの検出精度を向上させることができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置を含む内燃機関システムを示す概略構成図である。 図1に示す本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置のハード構成を示すブロック図である。 内燃機関のノッキングの非発生時における内燃機関の振動の周波数成分の解析結果の一例を示す図である。 内燃機関のノッキングの発生時における内燃機関の振動の周波数成分の解析結果の一例を示す特性である。 内燃機関のノッキングの発生の有無を判定する方法の一例を示す説明図である。 ノッキング特有の周波数成分を抽出するフィルタの応答遅れに起因するノッキングの発生の有無の誤判定を示す説明図である。 図2に示す本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置におけるノッキング判定の機能を示すブロック図である。 図7に示す本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置のノックウィンドウ補正部における各フィルタに対するノックウィンドウ補正量の設定(ノックウィンドウ補正マップ)の一例を示す図である。 図8に示すノックウィンドウ補正量(ノックウィンドウ補正マップ)の決定方法を示す説明図である。 図7に示す本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置のノックウィンドウ補正部における各フィルタに対するノックウィンドウ補正量の設定(ノックウィンドウ補正マップ)の別の一例を示す図である。 図7に示す本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置におけるノッキング判定の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図11に示す本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置のノッキング判定のフローチャートにおけるフィルタの選択切替の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図11に示す本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置のノッキング判定のフローチャートにおけるノックウィンドウの補正の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置のノッキング判定における補正後のノックウィンドウ及びフィルタの切替時期の一例を示すタイムチャートである。 図2に示す本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置におけるエンジンの点火時期の演算の処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の内燃機関制御装置の実施の形態について図面を用いて説明する。本実施の形態においては、内燃機関制御装置の制御対象の一例としてレシプロエンジンを例に挙げて説明する。
まず、本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置を含む内燃機関システムの概略構成について図1を用いて説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置を含む内燃機関システムを示す概略構成図である。
図1において、内燃機関1(以下、エンジンと称する)は、例えば、自動車に原動機として搭載される火花点火式のレシプロエンジンであり、複数(図1中、1つのみ図示)のシリンダ2(気筒)と、シリンダ2の一方に取り付けられるシリンダヘッド3と、各シリンダ2内に往復運動可能に配置されたピストン4と、ピストン4の往復運動を回転運動に変換するクランク軸5とを備えている。シリンダヘッド3には、開閉する吸気弁6及び排気弁7が設けられている。シリンダ2、シリンダヘッド3、ピストン4、吸気弁6、排気弁7によって燃焼室9が形成されている。
エンジン1は、各シリンダ2に対応したインジェクタ11を有している。インジェクタ11は、例えば、吸気弁6の上流側に配置されており、図示しない燃料タンクから供給される燃料を噴射するものである。インジェクタ11は、燃料を直接シリンダ2内に噴射する筒内直接噴射式のものも可能である。
シリンダヘッド3には、各シリンダ2に対応した点火プラグ13が燃焼室9に臨むように配置されている。各シリンダ2の点火プラグ13は、分配器15を介して点火コイル14に電気的に接続されている。これにより、点火コイル14が発生した高電圧は、分配器15によって分配されて各シリンダ2の点火プラグ13に供給される。
エンジン1の吸気弁6側には吸気管21が設けられておりダクト22を介してエアクリーナ23に接続されている。エアクリーナ23は、エンジン1に取り込む空気をろ過するものである。吸気管21には、吸入する空気量を調節可能なスロットルバルブ24が配置されている。エンジン1の排気弁7側に排気管26が設けられている。
吸気管21の上流側のダクト22には、エアフローセンサ31が設置されている。エアフローセンサ31は、吸入する空気量(ダクト22を通過する空気流量)を検出するものであり、検出した吸入空気量に応じた検出信号を後述の内燃機関制御装置40へ出力する。スロットルバルブ24には、スロットルバルブ24のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ32が設置されている。
排気管26には、排気センサ33が設置されている。排気センサ33は、エンジン1の排気に含まれる成分濃度(例えば、酸素濃度)を検出するものであり、検出した成分濃度に応じた検出信号を後述の内燃機関制御装置40へ出力する。
クランク軸5には、クランク角度センサ34が設置されている。クランク角度センサ34は、クランク角度及びエンジン回転数を検出可能なものである。クランク角度センサ34は、例えば、クランク軸5の1回転毎の基準位置(Ref位置)を示すRef信号及び当該基準位置から所定角度分を移動した位置を示すPos信号を後述の内燃機関制御装置40へ出力する。
シリンダ2には、エンジン1の振動を検出する振動センサ35が設置されている。振動センサ35は、検出した振動に応じた検出信号を後述の内燃機関制御装置40へ出力する。
上述した構成の内燃機関システムにおいては、エアクリーナ23を通過した空気をスロットルバルブ24により流量を調節した後にインジェクタ11から吸気管21内に噴射された燃料と混合する。この空気と燃料の混合気はエンジン1の燃焼室9に吸い込まれる。燃焼室9内の混合気は、ピストン4により圧縮され、点火プラグ13により着火される。爆発後の混合気は、排気管26を介して外部へ排出される。
内燃機関制御装置40は、各種の情報を基にエンジン1の制御全般を司る電子制御装置(以下、ECU(Electric Control Unit)と称することがある)である。本実施の形態に係るECU40は、エンジン1のノッキングの発生の有無を判定し、判定結果に応じてエンジン1の点火時期を演算する処理を実行する。
次に、本発明の一実施の形態に係るECUのハード構成について図2を用いて説明する。図2は図1に示す本発明の一実施の形態に係るECUのハード構成を示すブロック図である。
ECU40は、各種センサからの検出信号を取り込み、取り込んだ検出信号に基づき燃料供給量や点火時期などを演算し、インジェクタ11と点火コイル14とスロットルバルブ24(駆動モータ)に対して演算結果に応じた制御信号を出力する。ECU40は、記憶装置としてのROM41(Read Only Memory)及びRAM42(Random Access Memory)、処理装置としてのMPU43(Micro Processor Unit)、入力回路44、ドライバ45を含むマイクロコンピュータを備えている。ROM41やRAM42とMPU43とはバス46を介して接続されている。
ROM41は、ノッキングの判定及び燃料供給量や点火時期の演算など、エンジン1の制御を実行するための各種のプログラムを格納している。また、MPU43の後述の判定に必要な情報を記憶するものである。入力回路44は、エアフローセンサ31によって検出された吸入空気量Qに応じた検出信号、クランク角度センサ34によって検出されたRef信号(Ref位置)及びPos信号、排気センサ33の検出信号、振動センサ35によって検出された振動に応じた検出信号V、スロットル開度センサ32の検出信号、アクセルの開度を検出するアクセル開度センサ37の検出信号、エンジン水温を検出するエンジン水温センサ38の検出しン信号など、入力される各種の検出信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。MPU43は、ROM41から読み込んだプログラムにしたがって各種の演算を実行する。RAM42は、MPU43の演算処理中に必要な各種データを一時的に格納する。ドライバ45は、MPU43の演算結果に応じて、燃料噴射量を指示する燃料噴射時間信号、点火時期を指示する点火時期信号、スロットルバルブ24の開度を指示する開度信号などの各種の制御信号を生成し、生成した制御信号をインジェクタ11、点火コイル14、スロットルバルブ24(駆動モータ)などの各種のアクチュエータに対して出力する。
本実施の形態のECU40は、ROM41に格納されているプログラムにしたがって、振動センサ35の出力信号Vを基にエンジン1のノッキングの発生の有無を判定し、判定結果に応じてエンジン1の点火時期を調整するものである。
<ノッキング検出の一般的原理>
次に、エンジンのノッキングの一般的な検出方法について図3~図5を用いて説明する。エンジンにノッキングが発生すると、ノッキングに特有な振動がエンジンに発生する。しかし、エンジンの振動には、ピストンの摩擦、クランク軸の回転、吸気弁や排気弁の作動などに起因する多くの振動成分が含まれている。しかも、これらの振動成分はエンジンの運転状態によって変化する。そこで、ノッキングの発生の有無の判定は、振動センサが検出するエンジン全体の振動からノッキングに特有な振動を分離することで行われる。振動センサの検出した振動の分離は、所定の周波数帯域のみを抽出可能な特性を有するフィルタを用いて行われる。
図3は、エンジンにノッキングが発生していない場合における振動センサの検出結果(出力)の周波数成分の解析結果を示した図である。なお、当該解析結果は、エンジンが第1の運転状態(或るエンジン回転数)のときのものである。当該解析結果は、20KHzを少し超えた範囲までについて例示している。しかし、ノッキングに対する周波数成分の解析範囲は上記範囲に限らない。以下の解析結果の図においても同様である。
図4は、エンジンにノッキングが発生した場合における振動センサの検出結果(出力)の周波数成分の解析結果を示した図である。なお、当該解析結果は、エンジンが第1の運転状態(相対的に低速の第1のエンジン回転数)及び第2の運転状態(相対的に高速の第2のエンジン回転数)の異なる2つ運転状態のときのものである。図4中、実線D1が第1の運転状態のときの解析結果を示しており、点線D2が第2の運転状態のときの解析結果を示している。
図3と図4との比較から、ノッキングが発生している場合、ノッキングが発生していない場合に比べ、異なる複数の共鳴周波数の振動成分が存在していることがわかる。これらの共鳴周波数の振動成分がノッキング特有な周波数帯域の振動成分であることが理解できる。例えば、周波数f10、f01、f11の帯域の振動を伴うノッキングが発生している。
また、図4における解析結果D1と解析結果D2の比較から、エンジンの運転状態の相違(エンジン回転数の相違)に応じてノッキング特有の周波数帯域が変化することが理解できる。例えば、第1の運転状態においては、周波数f10、f01、f11の帯域の振動を伴うノッキングが発生している(実線D1を参照)。一方、第2の運転状態においては、周波数g10、g01、g30、g11の帯域の振動を伴うノッキングが発生している(点線D2を参照)。
そこで、フィルタによって抽出する周波数帯域の設定をエンジンの運転状態の変化に応じて切り替えることで、エンジンの運転状態に応じて変化するノッキング特有の周波数帯域の振動成分が分離可能となる。これにより、ノッキングの発生の有無の判定に対して信頼性の高い判定が可能となる。
図5は、ノッキング判定指標を用いることでノッキングの発生の有無を判定する一般的な原理を説明する図である。以下の説明においては、便宜上、図4で示す共鳴周波数f10(約6.3KHz)及びf01(約18.0KHz)の振動強度を用いてノッキング判定指標を算出する例を説明する。ただし、ノッキング判定指標を算出するための共鳴周波数の振動強度は、これに拘束されるものではなく、任意の2以上の共鳴周波数の振動強度を用いることができる。
振動センサは、ノッキングの発生による振動とバックグラウンド振動(ノッキング以外の要因によって発生する振動)とが重なり合った振動を検出する。ノッキング判定指標Iは、ノッキングが発生していない場合、バックグラウンド振動に対応する指標Ibとなる。一方、ノッキングが発生した場合、バックグラウンド振動に対応する指標Ibとノッキングの発生による振動に対応する指標Ikとの合成により求められる。
具体的には、ノッキング判定指標Iは、図4に示す主要な共鳴周波数の振動成分を用いて次の式(1)により表すことができる。P(f)は、共鳴周波数fの振動強度である。ωは、エンジン回転数により定まる実数値である。なお、ωは1か0かの2値をとるようにすることも可能である。
I=ω10P(f10)+ω20P(f20)+ω01P(f01)+ω11P(f11) … 式(1)
図5に示すように、バックグラウンド振動の共鳴周波数の振動強度を用いて示される指標Ibと、ノッキングの発生に起因する共鳴周波数の振動強度を用いて示される指標Ikとは、方向及び大きさを異にしている。これは、人間による聴覚試験でも明らかなように、ノッキングが無い場合のエンジン音に対し、ノッキングが発生した場合の例えばカリカリ等という音で聴き分けられることに対応する。
ノッキング判定指標Iは、バックグラウンド振動にノッキング発生による振動が加わると、閾値Ithを超過する。ノッキング判定指標Iが閾値Ithを超過した場合、ノッキングが発生していると判定する。なお、式(1)の右辺の4つの項に限らず、振動センサの出力に含まれる複数の共鳴周波数の振動成分の組み合わせを用いて算出する指標をノッキング判定指標(以下、ノック指標と称す)と定義する。
このように、ノック指標は、バックグラウンド振動に加えてノッキングの発生による特有な周波数成分の振動を考慮して算出される。したがって、バックグラウンド振動が大きくなっても、ノッキングの発生の有無を判定することが可能である。
<本実施の形態におけるノッキングの検出の基本的考え方>
本実施の形態に係るECU40は、ノック指標の算出の際に、以下の演算を行う。振動センサ35から出力される検出信号(エンジン1の振動)に対して常時フィルタによる処理を実行することで、振動センサ35の検出信号を基にノッキング特有の周波数帯域の振動成分を抽出する。フィルタによって抽出されたノッキング特有の周波数帯域の振動成分(フィルタの出力)を予め設定したノックウィンドウを積分区間(積分期間)として積分する。この積分演算の結果を閾値と比較することで、ノッキングの発生の有無を判定する。ノックウィンドウは、エンジン1にノッキングが発生しる可能性がある期間であり、例えば、クランク角度の所定の範囲として予め設定されている。本ノッキングの判定は、フィルタの出力を基にしたノッキングが発生し得る期間の積分値の大小によって行うものである。なお、振動センサ35の検出信号を処理するフィルタとして、エンジン1の運転状態(例えば、エンジン回転数)に応じて変化するノッキング特有な周波数帯域に対応した特性を有するフィルタが選択される。
しかし、選択されたフィルタの特性によっては、ノッキングの発生を示す振動成分が入力されても、当該フィルタの出力波形の少なくも一部が応答遅れによって予め設定した積分期間としてのノックウィンドウから外れてしまうことがある。この場合、ノックウィンドウから外れたフィルタの出力波形の分が考慮されずにノッキングの判定が行われてしまうので、ノッキングの発生を見逃す誤判定が懸念される。
図6は、フィルタの応答遅れ(特性)によってノックキングの発生の有無を誤判定する原理を示した例である。図6において、フィルタA及びフィルタBは、中心周波数及び周波数帯幅が同じである一方、次数がフィルタAよりもフィルタBの方が高くなっている。このような特性を有するフィルタA及びフィルタBに対して、ノッキングの発生を示す同じ振動波形を入力する。
フィルタAでは、ノッキングの発生を示す出力波形の全てがノックウィンドウの開始点Wsから終了点Weまでの間に入る。このため、ノックウィンドウを積分期間としてフィルタAの出力波形を基に積分した結果を用いて判定すれば、ノッキングの発生を正しく判定することができる。
それに対して、フィルタBでは、フィルタの応答遅れによって、ノッキングの発生を示す出力波形の一部がノックウィンドウから外れてしまう。このため、ノックウィンドウを積分期間としてフィルタBの出力波形を基に積分した結果を用いてノッキングの発生の有無を判定すると、ノックキングが発生しているにも関わらず、ノックキングが発生していないと誤判定してしまう。
また、フィルタAやフィルタBの処理では減衰されないノイズがノックウィンドウの開始点Wsの直前に発生した場合には、フィルタAやフィルタBの応答遅れによってノイズ成分がノックウィンドウ内に入ってしまう懸念がある。この場合、ノックキングが発生していない状況であるのに、ノックキングが発生していると誤判定する虞がある。
本実施の形態のECU40は、ノック指標の算出の際に行う積分演算の積分期間として用いられるノックウィンドウの開始点や終了点をフィルタの特性に応じて補正することで、当該フィルタの応答遅れに起因するノックキングの誤判定を低減するものである。これにより、エンジン1の定常運転や過渡運転を問わずにノッキングの検出精度を向上させる。
次に、本発明の一実施の形態に係るECUにおけるノッキング判定の機能部について図7~図10を用いて説明する。図7は図2に示す本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置におけるノッキング判定の機能を示すブロック図である。
図7において、ECU40は、振動センサ35の検出信号を基にノッキングの発生の有無を判定するMPU43(図2参照)の処理機能として、フィルタ切替部51、ノックウィンドウ補正部52、フィルタ処理部53、フィルタ出力積分演算部54、全体強度演算部55、平滑化処理部56、ノック指標演算部57、ノック判定部58の機能部を備えている。ECU40は、当該機能部51~58による判定結果であるノッキングの発生の有無に応じて、点火プラグ13の点火時期を変更する。なお、ノッキングの発生の有無に応じて点火プラグ13の点火時期を変更するECU40の制御の概略は後述する(後述の図15参照)。
フィルタ切替部51は、フィルタ処理部53で用いるフィルタをエンジン1の運転状態に応じて選択して切り替えるものである。ノッキングにより発生する振動に特有な共鳴周波数は、エンジン1の運転状態に応じて変化する。そこで、フィルタ切替部51は、エンジン1の運転状態に対応したノッキング特有の共鳴周波数の振動成分を抽出可能な特性を有するフィルタを選択する。例えば、図4に示す第1の運転状態の場合には、周波数f01を含む周波数帯域や周波数f10を含む周波数帯域の振動成分を抽出可能な特性を有する複数のフィルタを選択するように構成することが可能である。また、図4に示す第2の運転状態の場合には、周波数g10、周波数g01、周波数g30、周波数g11の各周波数成分を含む周波数帯域の振動成分を抽出可能な特性を有する複数のフィルタを選択するように構成することが可能である。フィルタとしては、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタなどを用いることが可能である。例えば、FIRフィルタやIIRフィルタによって実行することができる。フィルタ切替部51は、クランク角度センサ34からのRef信号の入力に対応してフィルタの選択切替の処理を実行するように構成されている。すなわち、フィルタ切替部51によるフィルタの切替は、クランク角度センサ34が検出するクランク軸5の位置がRef位置になったときに行われる。
ノックウィンドウ補正部52は、フィルタ切替部51が選択して切り替えたフィルタの特性に応じてノックウィンドウ(フィルタ出力積分演算部54の積分期間)を補正するものである。具体的には、ウィンドウ補正量マップを用いて補正量を算出し、算出した補正量を用いてノックウィンドウの開始点及び終了点を補正する。Ref位置(クランク軸5の基準位置)並びにノックウィンドウの開始点及び終了点は、予め設定されているものであり、ROM41に格納されている。ウィンドウ補正量マップは、複数のフィルタの各々に対して補正量が予め設定されてマップ検索によって補正量を出力するものであり、ROM41に予め格納されている。Ref位置は、フィルタ処理部53のフィルタの切替タイミング(切替位置)を示すものである。なお、ノックウィンドウの終了点は、基本的には、ウィンドウ補正量マップの補正量を用いて補正される。ただし、ウィンドウ補正量マップの補正量を用いて補正するノックウィンドウの終了点がRef位置を超える場合には、ノックウィンドウの終了点はRef位置を用いて補正される。これは、積分期間としての補正後のノックウィンドウ中にフィルタが切り替えられることを回避するためである。
図8はウィンドウ補正量マップの一例である。図8に示すウィンドウ補正量マップM1おいては、フィルタAに対してウィンドウ補正量として+Taが設定され、フィルタBに対してウィンドウ補正量として+Tbが設定されている。ウィンドウ補正量は、フィルタA及びフィルタBの特性に応じて設定されるものである。このウィンドウ補正量マップM1は、フィルタが無い場合の出力を基準としたときのものであり、例えば次のように当該補正量が決定されている。
図9は、フィルタ無し、フィルタA、フィルタBに対してそれぞれ同じ周波数のsin波形を入力した場合におけるフィルタ無しの出力を基準としたフィルタA及びフィルタBの応答遅れを示した図である。フィルタAは、周波数帯域幅A1、中心周波数A2、フィルタ次数A3の特性を有するものである。フィルタBは、周波数帯域幅B1、中心周波数B2、フィルタ次数B3の特性を有するものである。
フィルタ無しの場合のsin波形の立上がり時間を基準時間T0とする。この場合、フィルタAの出力は、sin波形の立上がりまで、時間Taだけ応答が遅れる。一方、フィルタBの出力は、sin波形の立上がりまで、時間Tbだけ応答が遅れる。フィルタAの時間Taの応答遅れ及びフィルタBの時間Tbの応答遅れがそれぞれウィンドウ補正量マップにおけるフィルタAの補正量及びフィルタBの補正量として設定される。これらの補正量Ta及び補正量Tbは、時間又は角度として予め計測や計算により求めることができる。
図8に示すウィンドウ補正量マップM1は、フィルタが無い場合と比較したときの補正量が設定されてるものである。しかし、ウィンドウ補正量マップは、基準フィルタの応答遅れを基準として補正量を設定することも可能である。図10はウィンドウ補正量マップの別の一例である。図10に示すウィンドウ補正量マップM2においては、フィルタBを基準フィルタとして、フィルタBの応答遅れが0に設定される一方、フィルタAの応答遅れはTa-Tb(<0)に設定される。
ノックウィンドウをフィルタ無しの状態で適合させた場合には、図8に示すウィンドウ補正量マップM1を用いる。一方、フィルタBを基準フィルタとして用いてノックウィンドウを適合させた場合には、図10に示すウィンドウ補正量マップM2を用いる。
フィルタ処理部53は、フィルタ切替部51によって選択されて切り替えられたフィルタを用いて、振動センサ35の検出信号(入力回路44のA/D変換により変換されたA/D値)を処理して特定の周波数帯域の振動成分を抽出して出力するものである。フィルタ処理部53は、フィルタ切替部51の説明でも述べたように、異なる特性を有する複数のフィルタを用いることが可能であり、これらの複数のフィルタがそれぞれ出力する。
フィルタ出力積分演算部54は、ノックウィンドウ補正部52によって補正されたノックウィンドウを積分区間(積分期間)として、フィルタの出力を基に積分する。この積分演算は、フィルタの出力値の絶対値を積分するものである。複数のフィルタを用いている場合には、各フィルタの出力値の絶対値をそれぞれ積分する。例えば、フィルタ出力積分演算部54は、ノッキング特有の各周波数帯域の振動成分の絶対値をそれぞれ積分するものである。つまり、各周波数帯域の振動強度を演算している。
全体強度演算部55は、フィルタ出力積分演算部54の演算結果の各フィルタからの出力を基にした積分値を全て加算するものである。例えば、全体強度演算部55は、ノッキング特有の各周波数帯域の振動成分の積分値を全て加算することで、ノッキング特有の複数の周波数帯域を含んだ全体の振動強度Fを演算するものである。
平滑化処理部56は、平滑化処理によってバックグラウンドレベルBGLを演算するものである。バックグラウンドレベルBGLは、例えば、全体強度演算部55の演算結果の全体強度Fと前回のノッキング判定のサイクルにおける平滑化処理部56の演算結果とを加重平均したものである。
ノック指標演算部57は、ノック指標としてのSN比を演算するものである。SN比は、全体強度演算部55の演算結果の全体強度Fを平滑化処理部56の演算結果のバックグラウンドレベルBGLによって除算することで算出される(SN比=F/BGL)。
ノック判定部58は、ノック指標演算部57の演算結果のノック指標(SN比)を閾値と比較することで、ノッキングの発生の有無を判定するものである。ノック指標(SN比)が閾値よりも大きい場合には、ノッキングが発生していると判定する一方、それ以外の場合には、ノッキングが発生していないと判定する。判定に用いる閾値は、例えば、予め設定されているものであり、ROM41に格納されている。なお、当該閾値は、運転状態などに応じて変更するように構成することも可能である。例えば、エンジン回転数やエンジン水温などの運転状態と閾値との間の対応関係を予め定義したマップを用いることが可能である。
次に、本発明の一実施の形態に係るECUにおけるノッキング判定の処理手順の一例について図11~図13を用いて説明する。図11は図7に示す本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置におけるノッキング判定の処理手順の一例を示すフローチャートである。図12は図11に示す本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置のノッキング判定のフローチャートにおけるフィルタの選択切替の処理手順の一例を示すフローチャートである。図13は図11に示す本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置のノッキング判定のフローチャートにおけるノックウィンドウの補正の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図11に示すフローチャートは、エンジン1の爆発サイクル毎に実行されるものであり、図2に示すMPU43に対して割り込みをかけることにより、MPU43が実行するものである。
図11において、MPU43(図7に示すフィルタ切替部51)は、先ず、図7に示すフィルタ処理部53で用いるフィルタをエンジン1の運転状態に応じて選択して切り替える(ステップS101)。具体的には、クランク角度センサ34により検出されるRef信号が立ち上がったタイミングで、エンジン回転数、エンジン負荷、エンジン水温、燃焼気筒などの情報をRAM42から読み込み、読み込んだ情報を基にエンジン1の運転状態を判定する。さらに、判定した運転状態に対応したフィルタを選択し、選択したフィルタをフィルタ処理部53のフィルタとしてセットする。
フィルタの選択切替を行うステップS101の具体的な処理手順の一例について図12を用いて説明する。図12に示すフローチャートは、フィルタ切替後のフィルタ出力が安定するまでの十分な時間を確保するために、例えばノックウィンドウの開始点(開始位置)よりも前側にあるRef位置(Ref信号の立上がり)になってから実行が開始される。
MPU43(フィルタ切替部51)は、先ず、運転状態の情報としてのエンジン回転数NをRAM42から読み込み(ステップS201)、読み込んだエンジン回転数NがROM41から読み出した閾値Ncよりも大きいか否かを比較判定する(ステップS202)。エンジン回転数Nが閾値Nc以下の場合、すなわち、ステップS202においてNOの場合には、前述のフィルタA(図9参照)をフィルタ処理部53で用いるフィルタとしてセットする(ステップS203)。一方、エンジン回転数Nが閾値Ncより小さい場合、すなわち、ステップS202においてYESの場合には、前述のフィルタB(図9参照)をフィルタ処理部53で用いるフィルタとしてセットする(ステップS204)。
本フローチャートにおいては、説明を簡単にするために、エンジン回転数Nの高低に応じて2種類のフィルタを選択する例を示した。しかし、エンジン負荷やエンジン水温の情報又は燃焼気筒毎にフィルタの特性を切り替えるように構成することが可能で、かつ、切り替えるフィルタの対象を同時に複数とする構成も可能である。
図11に戻り、MPU43(図7に示すノックウィンドウ補正部52)は、ステップS101にて選択したフィルタに対応したノックウィンドウの補正量を算出し、算出した補正量を基にノックウィンドウの開始点及び終了点を補正する(ステップS102)。この補正は、選択されたフィルタ毎に行うものである。ノックウィンドウを補正するステップS102の具体的な処理手順の一例について図13を用いて説明する。
図13において、MPU43(ノックウィンドウ補正部52)は、ステップS101にて選択したフィルタに関する情報をROM41から読み込む(ステップS301)。加えて、予め設定されているノックウィンドウの基準開始点Wsb及び基準終了点Web並びにRef位置の情報をROM41から読み込む(ステップS302)。
次に、MPU43は、ノックウィンドウの補正量Tdlyを算出する(ステップS303)。具体的には、例えば、前述した図8に示すウィンドウ補正量マップM1を検索することで、ステップS101にて選択したフィルタに対応する補正量を補正量Tdlyとして算出する。なお、ウィンドウ補正量マップとして、図8に示すマップM1を用いる例を示したが、図10に示すマップM2を用いる構成も可能である。
次いで、MPU43は、ノックウィンドウの補正後の開始点Wsを設定する(ステップS304)。具体的には、ノックウィンドウの補正後の開始点Wscは、ノックウィンドウの基準開始点WsbにステップS303で算出した補正量Tdlyを加算することで算出される。すなわち、Wsc=Wsb+Tdlyとなる。
続いて、MPU43は、ノックウィンドウの基準終了点Webに対してステップS303で算出した補正量Tdlyを加算することで得られる演算結果がRef位置を超えているか(進んでいるか)否かを判定する(ステップS305)。すなわち、Web+Tdly > Refであるか否かを判定する。
ステップS305の判定がNOの場合、ノックウィンドウの補正後の終了点Wecとして、ノックウィンドウの基準終了点Webに対してステップS303で算出した補正量Tdlyを加算した演算結果を設定する(ステップS306)。すなわち、Wec=Web+Tdlyである。
一方、ステップS305の判定がYESの場合、ノックウィンドウの補正後の終了点WecとしてRef位置を設定する(ステップS307)。すなわち、Wec=Refである。ステップS307にてノックウィンドウの補正後の終了点WecとしてRef位置を設定する理由は、フィルタ切替部51によるフィルタの選択切替(ステップS101)がRef位置で行われるので、ノックウィンドウの補正後の終了点Wec(すなわち、フィルタ出力の積分演算の積分区間の終了点)がRef位置(フィルタの切替位置)よりも後ろになることを回避するためである。
このように、MPU43は、これらの一連のステップS301~S307の処理を実行することにより、ノックウィンドウの開始点及び終了点の補正を行うように構成されている。
図11に戻り、MPU43は、振動センサ35からの検出信号を入力回路44を介してA/D変換により変換されたA/D値を取り込む(ステップS103)。本ステップS103においては、クランク角度センサ34の検出値から演算可能な特定の角度間における振動センサ35の検出信号をバッファしておき、MPU43への割込み処理のタイミングでバッファしていた信号データを取り込むようにすることが可能である。また、図7に示すフィルタ処理部53を回路デバイスなどのハードウェアで実現する場合には、振動センサ35からの検出信号を所定のサンプリングで常に取り込むようにすることも可能である。
次に、MPU43(フィルタ処理部53)は、ステップS101にて選択して切り替えたフィルタを用いて取り込んだA/D値からノッキング特有の周波数帯域の振動成分を抽出する(ステップS104)。前述の図12に示すフローチャートでは選択されるフィルタが1つのみであったが、ノッキングに特有の周波数成分に応じて複数のフィルタを用いることが可能である。
次いで、MPU43(図7に示すフィルタ出力積分演算部54)は、ステップS102にて補正したノックウィンドウを積分期間として、ステップS104の処理結果であるフィルタの出力を基に積分する(ステップS105)。すなわち、本積分演算は、ステップS102の処理結果に応じて、ノックウィンドウの補正後の開始点Wscを積分区間の始点に設定すると共にノックウィンドウの補正後の終了点Wecを積分区間の終点に設定し、設定した積分区間でフィルタ出力の絶対値を積分する。本積分演算は各フィルタの出力に対してそれぞれ行うものであり、積分区間(ノックウィンドウ)は各フィルタの特性に応じてそれぞれ補正されている。
続いて、MPU43(図7に示す全体強度演算部55)は、ステップS105の演算結果である複数のフィルタ出力の積分値f、f、f、…を全て加算することで、複数のフィルタに対応した複数の周波数帯域の全体強度Fを演算する(ステップS106)。当該複数の周波数帯域はノッキング特有の周波数成分に一致するものであるので、ノッキングの検出精度を高めることが可能になる。
さらに、MPU43(図7に示すノック指標演算部57)は、ノック指標SとしてS/N比を演算する(ステップS107)。具体的には、ステップS106の演算結果の全体強度Fに対して図7に示す平滑化処理部56の演算結果(ノッキング判定の前回のサイクルにおける後述のステップS109の演算結果)であるバックグラウンドレベルBGLを除算することで算出する。すなわち、S=F/BGLである。
MPU43(図7に示すノック判定部58)は、ステップS107の演算結果のノック指標Sが閾値よりも大きいか否かの比較判定を行う(ステップS108)。ノック指標Sが閾値よりも大きい場合(YESの場合)にはステップS111へ進む一方、それ以外の場合(NOの場合)にはステップS109へ進む。
ステップS108にてNOの場合、MPU43は、ノッキングが発生していないと判定し、バックグラウンドレベルBGLを更新する(ステップS109)と共に、ノッキング発生の判定を示すノック判定フラグを“0”にセットする(ステップS110)。バックグラウンドレベルBGLの更新は、例えば、ステップS106の演算結果の全体強度Fと前回のノッキング判定の演算サイクルのステップS109の演算結果のバックグラウンドレベルBGLとの加重平均を演算する。
一方、ステップS108にてYESの場合、MPU43は、ノッキングが発生したと判定しノック判定フラグを“1”にセットする(ステップS111)。ステップS110及びS111のノック判定フラグは、後述の点火時期の演算処理(制御タスク)のときに用いられるものである。
次に、本発明の一実施の形態に係るECUのノッキング判定についての作用効果について図14を用いて説明する。図14は本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置のノッキング判定における補正後のノックウィンドウ及びフィルタの切替時期の一例を示すタイムチャートである。
図14において、ノックウィンドウにおける基準開始点Wsb及び基準終了点Webは、燃焼気筒♯1のピストン4の上死点(TDC)及び燃焼気筒♯2の上死点(TDC)の後に予め設定されている。図14に示すタイムチャートでは、燃焼気筒#1の爆発サイクルにおけるノック判定のときにフィルタBが選択され、燃焼気筒#2の爆発サイクルにおけるノック判定のときにフィルタAが選択されている。このようなフィルタの選択による切替えが行われたときのノックウィンドウの補正処理を行った時のタイムチャートである。
燃焼気筒♯1の爆発サイクルにおけるノックキング判定においては、フィルタBの応答遅れの特性に応じて、ノックウィンドウの開始点が基準開始点Wsbから+Tb(図8に示すマップM1を参照)分だけ遅れた補正開始点Wscへ移動されている。また、ノックウィンドウの終了点は、基準終了点Webから+Tb分だけ遅延させた位置に設定するとRef位置を超えてフィルタが切り替わってしまうので、基準終了点WebからRef位置に補正された補正終了点Wecに移動されている(図13に示すフローチャートのステップS307)。この補正された積分期間でフィルタBの出力を積分する。
続く燃焼気筒♯2の爆発サイクルにおけるノックキング判定においては、フィルタBの場合と同様に、フィルタAの応答遅れの特性に応じて、ノックウィンドウの開始点が基準開始点Wsbから+Ta(図8に示すマップM1を参照)分だけ遅延させた補正開始点Wscへ移動されている。一方、ノックウィンドウの終了点は、フィルタBの場合とは異なり、基準終了点Webから+Ta分だけ遅延させてもRef位置の前になるので、基準終了点Webから+Ta分だけ遅延させた補正終了点Wecへ移動されている(図13に示すフローチャートのステップS306)。この補正された積分期間でフィルタAの出力を積分する。
このように、本実施の形態に係るECU40においては、フィルタ出力の積分演算の積分期間としてのノックウィンドウをフィルタ処理部53で用いるフィルタの特性(応答遅れ)に応じて補正することで、フィルタの応答遅れの影響によるノックキングの誤判定を低減することができる。
次に、本発明の一実施の形態に係るECUにおける点火装置の点火時期の演算処理の手順について図15を用いて説明する。図15は、図2に示す本発明の一実施の形態に係る内燃機関制御装置におけるエンジンの点火時期の演算処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ECU40は、前述したノッキングの発生の有無の判定結果に応じて、点火時期を調整するものである。したがって、前述のノックキングの判定精度を向上させることで、点火時期の調整も向上させることができる。ECU40は、点火装置の点火時期の次の一連の演算処理を周期的(例えば10msec毎)に実行する。
図14において、ECU40のMPU43は、先ず、クランク角度センサ34により検出されたエンジン回転数N及びエアフローセンサ31により検出された吸入空気量QをRAM42を介して読み込む(ステップS401)。
次に、MPU43は、ステップS401にて読み込んだエンジン回転数N及び吸入空気量Qに基づいて基本点火時期マップから基本点火時期θbaseを求める(ステップS402)。具体的には、単位回転数当たりの吸入空気量Q/N(基本燃料噴射量)を演算し、演算結果の単位回転数当たりの吸入空気量Q/Nから燃料噴射時間幅Tiを算出する。演算結果の吸入空気量Q/N及び読み込んだエンジン回転数Nから基本点火時期マップを用いて基本点火時期θbaseを算出する。基本点火時期マップは、単位回転数当たりの吸入空気量Q/N及びエンジン回転数Nと基本点火時期θbaseとの対応関係を記述したデータマップであり、ROM41に予め格納されている。
次いで、MPU43は、ノッキングが発生しているか否かを判定する(ステップS403)。具体的には、ノッキング判定の処理結果であるノックフラグ(前述した図11に示すフローチャートにしたがって実行した処理結果)に応じてノッキングの発生の有無を判定する。MPU43は、ノックフラグが“1”の場合(YESの場合)、すなわち、ノッキングが発生していると判定した場合には、ステップS412へ進む。一方、ノックフラグが“0”の場合(NOの場合)、すなわち、ノッキングが発生していないと判定した場合には、ステップS404へ進む。
ステップS403においてYESの場合、MPU43は、進角値θadvから所定の遅角量Δθretを減算する(ステップS412)。この減算は、点火装置の点火時期を遅角(リタード)するものである。続いて、MPU43は、カウント値Aを初期化し(ステップS413)、ステップS408に進む。カウント値Aは、ノッキングの発生回数をカウントするための変数である。カウント値Aの用い方については後述のステップで説明する。
ステップS403においてNOの場合、MPU43は、カウント値Aを1つカウントアップし(ステップS404)、カウント値Aが所定値(例えば図14においては50)に到達したか否かを判定する(ステップS404)。カウント値Aが所定値に到達している場合(YESの場合)にはステップS406へ進む一方、到達していない場合(NOの場合)にはステップS408へスキップする。
ステップS405においてYESの場合、MPU43は、進角値θadvに対して所定の進角量Δθadvを加算する(ステップS406)。この加算は、ステップS412において遅角された点火時期をリカバーするものである。本フローチャートを10msec毎に実行する場合、カウント値Aが初期化されてから50に到達した時点で0. 5秒が経過したことになる。すなわち、本ステップS406は、ノッキングの発生に応じて点火時期を遅角させてから0. 5秒が経過する毎に、点火時期をリカバーするものである。続いて、MPU43は、カウント値Aを初期化し(ステップS407)、ステップS408に進む。
ステップS408において、MPU43は、基本点火時期θbaseに対して進角値θadvを加算することで、点火時期θignを演算する。
次に、MPU43は、ステップS401~S402にて得られたエンジン回転数N及び単位回転数当たりの吸入空気量Q/Nを基に、最大進角値マップから最大進角値θresを求める(ステップS409)。最大進角値マップは、単位回転数当たりの吸入空気量Q/N及びエンジン回転数Nと最大進角値θresとの対応関係を記述したデータマップであり、予めROM41に格納されている。
次いで、MPU43は、ステップS408の演算結果の点火時期θignがステップS409の演算結果の最大進角値θresを超えたか否かを判定する(ステップS410)。点火時期θignが最大進角値θresを超えていない場合(NOの場合)にはスキップする。一方、点火時期θignが最大進角値θresを超えている場合(YESの場合)場合には、点火時期θignを最大進角値θresに設定する(ステップS411)。これは、進角しすぎている点火時期θignを最大進角値θresに制限するものである
このように、本実施の形態に係るECU40は、ノッキングの発生の有無の判定結果に応じて点火時期θignを変更している。このため、ノッキングの発生の有無の判定精度を向上させることで、エンジン1の点火装置の点火時期を適切に設定することが可能となる。
上述したように、本発明の一実施の形態に係るECU40(内燃機関制御装置)は、エンジン1(内燃機関)の振動を検出する振動センサ35からの検出信号を基にエンジン1(内燃機関)のノッキングの発生の有無の判定処理を行う処理装置43と、処理装置43の判定処理に必要な情報を記憶する記憶装置41とを備える。処理装置43は、振動センサ35の検出信号を少なくとも1つのフィルタに入力して特定の周波数帯域の振動成分を抽出するフィルタ処理部53と、フィルタ処理部53のフィルタからの出力信号を基に積分演算を行う積分演算部54と、積分演算部54の演算結果を基にエンジン1(内燃機関)のノッキングの発生の有無を判定するノック判定部58(判定部)と、積分演算部54の積分期間をノックウィンドウ(予め設定された期間)に対してフィルタの特性に応じて補正するノックウィンドウ補正部52(期間補正部)とを備える。
この構成によれば、フィルタ処理部53のフィルタの出力信号を基にフィルタ出力積分演算部54が行う積分演算の積分期間をノックウィンドウ(予め設定された期間)に対して当該フィルタの特性に応じて補正することで、当該積分演算の積分期間に対する当該フィルタの応答遅れ(特性)の影響を低減することができるので、積分演算の演算結果を基に判定するノッキングの有無に対する誤判定を抑制することができる。すなわち、振動センサ35の検出信号をフィルタに入力した結果を基にノッキングの有無を判定する場合においてノッキングの検出精度を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、フィルタ処理部53が互いに異なる特性を有するフィルタA及びフィルタB(複数のフィルタ)を有する。フィルタA及びフィルタB(複数のフィルタ)は、振動成分を抽出する周波数帯域の中心周波数、振動成分を抽出する周波数帯域の幅、フィルタ次数、フィルタ種類のうちの少なくとも1つが異なるように構成されている。
この構成によれば、異なる特性を有する複数のフィルタを用いることで、ノッキング特有の振動成分をより抽出することが可能となるので、ノッキングの誤判定を低減してノッキングの検出精度を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、フィルタ処理部53が複数のフィルタを用いて振動センサ35の検出信号を処理するように構成されていると共に、フィルタ出力積分演算部54(積分演算部)が複数のフィルタの各々の出力信号を基にそれぞれ積分演算を行うように構成されている。ノックウィンドウ補正部52(期間補正部)は、積分演算部54の積分期間を複数のフィルタの各々の特性に応じてそれぞれ補正するように構成されている。
この構成によれば、各フィルタの出力の積分演算の積分期間を当該フィルタの特性に応じてそれぞれ補正することで、各フィルタの出力の積分演算における各フィルタの応答遅れの影響を低減することができるので、ノッキングの誤判定を低減してノッキングの検出精度を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、処理装置43がフィルタ処理部53のフィルタA及びフィルタB(複数のフィルタ)の中から少なくとも1つのフィルタをエンジン1(内燃機関)の運転状態に応じて選択してフィルタ処理部53の処理を行うフィルタとして切り替えるフィルタ切替部51の機能を更に備えている。
この構成によれば、エンジン1(内燃機関)の運転状態が変化することでノッキング特有の振動成分が変化しても、それに対応したフィルタを用いることでノッキングの誤判定を低減することができる。
また、本実施の形態においては、フィルタA及びフィルタB(複数のフィルタ)の各々に対して積分演算部54の積分期間の補正量が複数のフィルタの各々の特性に応じて設定されている補正量マップが予め記憶装置41に記憶されている。処理装置43のノックウィンドウ補正部52(期間補正部)は、補正量マップから求められる補正量を用いて積分演算部54の積分期間の開始点を補正すると共に、補正量マップから求められる補正量及びフィルタ切替部51のフィルタの切替時期のいずれか一方を用いて積分演算部54の積分期間の終了点を補正するように構成されている。
この構成によれば、積分演算部54の積分期間の終了点をフィルタの切替後になることを回避することができる。
また、本実施の形態においては、補正量マップにおけるフィルタA及びフィルタB(複数のフィルタ)の各々に対する補正量は、フィルタが無い場合と比較したときのフィルタA及びフィルタB(複数のフィルタ)の各々の出力の遅れ時間として設定されている。
この構成によれば、積分期間の補正量を容易に設定することができる。
また、本実施の形態においては、補正量マップにおけるフィルタA及びフィルタB(複数のフィルタ)の各々に対する補正量は、フィルタB(或る基準フィルタ)の出力と比較したときのフィルタA及びフィルタB(複数のフィルタ)の各々の出力の遅れ時間として設定されている。
この構成によれば、積分期間の補正量を容易に設定することができる。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は本実施の形態に限られるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施形態は本発明をわかり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
例えば、上述した一実施の形態においては、ECU40がソフトウェアを実行することによりノッキングの判定処理の各ステップを実行する例を示した。しかし、当該ソフトウェアの実行と同等の機能を有する回路デバイスなどのハードウェアを実装することで実現する構成も可能である。例えば、特定の周波数帯域の振動成分を抽出するフィルタ、フィルタの出力を積分する積分演算部54、全体強度演算部55、平滑化処理56、ノック指標演算部57、ノック判定58のうちのいずれか1つの機能部を回路デバイスによって実現する構成も可能である。
また、一実施の形態においては、バックグラウンドレベルBGLに対する全体強度の比率(S/N比)をその周波数成分のノック指標として算出している例を示した。しかし、バックグラウンドレベルBGLに対する全体強度の比率(S/N比)に代えて、バックグラウンドレベルに対する全体強度の差分をノック指標として用いる構成も可能である。
また、上述した実施の形態においては、フィルタA及びフィルタBの各々に対して積分演算部54の積分期間の補正量が複数のフィルタの各々の特性に応じて設定されている補正量マップが予め記憶装置41に記憶され、処理装置43のノックウィンドウ補正部52が補正量マップから求められる補正量を用いて積分演算部54の積分期間の開始点を補正すると共に、補正量マップから求められる補正量及びフィルタ切替部51のフィルタの切替時期のいずれか一方を用いて積分演算部54の積分期間の終了点を補正するように構成されている例を示した。
しかし、ROM41(記憶装置)に、複数のフィルタの各々に対して積分演算部54の積分期間の補正量が複数のフィルタの各々の特性に応じて設定されている補正量マップが予め記憶され、処理装置43のノックウィンドウ補正部52(期間補正部)が補正量マップから求められる補正量を用いて積分演算部54の積分期間の開始点及び終了点を補正するように構成することも可能である。この構成は、複数のフィルタが切り替えられずに同時に用いる場合に適用することが可能である。
1…エンジン(内燃機関)、 35…振動センサ、 40…ECU(内燃機関制御装置)、 41…ROM(記憶装置)、 43…MPU(処理装置)、 51…フィルタ切替部、 52…ノックウィンドウ補正部(期間補正部)、 53…フィルタ処理部、 54…フィルタ出力積分演算部(積分演算部)、 58…ノック判定部(判定部)

Claims (8)

  1. 内燃機関の振動を検出する振動センサからの検出信号を基に前記内燃機関のノッキングの発生の有無の判定処理を行う処理装置と、
    前記処理装置の判定処理に必要な情報を記憶する記憶装置とを備える内燃機関制御装置において、
    前記処理装置は、
    前記振動センサの検出信号を少なくとも1つのフィルタに入力して特定の周波数帯域の振動成分を抽出するフィルタ処理部と、
    前記フィルタ処理部の前記フィルタからの出力信号に基づいて積分演算を行う積分演算部と、
    前記積分演算部の演算結果を基に前記内燃機関のノッキングの発生の有無を判定する判定部と、
    前記積分演算部の積分期間を予め設定された期間に対して前記フィルタの特性に応じて補正する期間補正部とを備える
    ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関制御装置において、
    前記フィルタ処理部は、互いに異なる特性を有する複数のフィルタを有し、
    前記複数のフィルタは、振動成分を抽出する周波数帯域の中心周波数、振動成分を抽出する周波数帯域の幅、フィルタ次数、フィルタ種類のうちの少なくとも1つが異なるように構成されている
    ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関制御装置において、
    前記フィルタ処理部は、前記複数のフィルタを用いて前記振動センサの検出信号を処理するように構成され、
    前記積分演算部は、前記複数のフィルタの各々の出力信号を基にそれぞれ積分演算を行うように構成され、
    前記期間補正部は、前記積分演算部の積分期間を前記複数のフィルタの各々の特性に応じてそれぞれ補正するように構成されている
    ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  4. 請求項2に記載の内燃機関制御装置において、
    前記処理装置は、前記フィルタ処理部の前記複数のフィルタの中から少なくとも1つのフィルタを前記内燃機関の運転状態に応じて選択して前記フィルタ処理部の処理を行うフィルタとして切り替えるフィルタ切替部の機能を更に備える
    ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  5. 請求項3に記載の内燃機関制御装置において、
    前記記憶装置には、前記複数のフィルタの各々に対して前記積分演算部の積分期間の補正量が前記複数のフィルタの各々の特性に応じて設定されている補正量マップが予め記憶されており、
    前記処理装置の前記期間補正部は、前記補正量マップから求められる補正量を用いて前記積分演算部の積分期間の開始点及び終了点を補正するように構成されている
    ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  6. 請求項4に記載の内燃機関制御装置において、
    前記記憶装置には、前記複数のフィルタの各々に対して前記積分演算部の積分期間の補正量が前記複数のフィルタの各々の特性に応じて設定されている補正量マップが予め記憶されており、
    前記処理装置の前記期間補正部は、前記補正量マップから求められる補正量を用いて前記積分演算部の積分期間の開始点を補正すると共に、前記補正量マップから求められる補正量及び前記フィルタ切替部のフィルタの切替時期のいずれか一方を用いて前記積分演算部の積分期間の終了点を補正するように構成されている
    ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  7. 請求項5又は6に記載の内燃機関制御装置において、
    前記補正量マップにおける前記複数のフィルタの各々に対する補正量は、フィルタが無い場合と比較したときの前記複数のフィルタの各々の出力の遅れ時間として設定されている
    ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  8. 請求項5又は6に記載の内燃機関制御装置において、
    前記補正量マップにおける前記複数のフィルタの各々に対する補正量は、或る基準フィルタの出力と比較したときの前記複数のフィルタの各々の出力の遅れ時間として設定されている
    ことを特徴とする内燃機関制御装置。
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