JP2023016118A - 圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】キャラクタリゼーションで温度を一定にする対象物の熱容量が小さい状態でキャラクタリゼーションを行うことが可能な圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールを提供する。【解決手段】基板16上のセンサパッケージ17を有しかつセンサパッケージ17から延びる第1および第2の圧力導入パイプ18,19を有する圧力センサ14を収容し、圧力センサ14のキャラクタリゼーションを行うために用いられる圧力センサ14のキャラクタリゼーション用モジュール11である。基板16の周縁部と係合して基板16を収容保持する基板保持部27と、第1および第2の圧力導入パイプ18,19の先端の第1および第2のワッシャ35,36を挿通するとともに外部からの流体圧力が第1および第2の圧力導入パイプ18,19に伝達されることを可能とする第1および第2のワッシャ挿通孔53,54とを有する圧力センサ保持部材15を備えている。【選択図】 図11

Description

本発明は、圧力センサに対してキャラクタリゼーションを行うために用いる圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールに関する。
工業用の圧力計は、例えば特許文献1に記載されているように、圧力を検出するためにSiなどで構成されるセンサ素子を備えている。この種の圧力計は、製造工程が終了した後、キャラクタリゼーションと呼ばれる補正を行ってから次の工程に送られる。キャラクタリゼーションは、周囲の温度や圧力などの周囲の環境の影響を除去するために行われる。
特許文献1に示す圧力測定装置は、図19に示すように、センサ素子1を収容するセンサヘッダー2と、センサヘッダー2を支持する金属ボディ3およびカバー4などを備えている。この圧力測定装置5は、センサ素子1を測定媒体など外部腐食環境から保護するために、センサ素子1をセンサヘッダー2に収容し、さらに、ステンレス鋼などによって形成された金属ボディ3にセンサヘッダー2が内包される構成が採られている。金属ボディ3内の導圧路6には、センサ素子1に圧力を伝達する圧力伝達媒体としてオイル7が封入されている。センサ素子1は、センサヘッダー2内の配線8を介してカバー4の外部出力ピン9に電気的に接続されている。
特許文献1に示す圧力測定装置5のセンサヘッダー2は、金属ボディ3およびカバー4に溶接して固定されている。この圧力測定装置5においてセンサ素子1のキャラクタリゼーションは、センサヘッダー2を金属ボディ3およびカバー4に溶接した後に外部出力ピン9にキャラクタリゼーション用の基板(図示せず)を接続して行っている。
特開2020-187047号公報
特許文献1に記載された圧力測定装置5では、センサヘッダー2が金属ボディ3およびカバー4に溶接された後にセンサ素子1のキャラクタリゼーションが行われる。このため、キャラクタリゼーションを行うにあたっては、金属ボディ3およびカバー4などの温度もセンサ素子と同温度に保持しなければならない。すなわち、特許文献1に示す圧力測定装置5では、キャラクタリゼーションを行う設備が大型化するとともに、キャラクタリゼーションで温度を一定にする対象物の熱容量が大きいために温度安定化に長い時間が必要になるという問題があった。
本発明の目的は、キャラクタリゼーションで温度を一定にする対象物の熱容量が小さい状態でキャラクタリゼーションを行うことが可能な圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールを提供することである。
この目的を達成するために、本発明に係る圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールは、基板の第1の面上に載置されたセンサパッケージを有しかつ前記センサパッケージから前記基板を貫いて前記基板の第1の面の反対側に延伸して先端にワッシャが設けられた圧力導入パイプを有する圧力センサを収容し、この圧力センサのキャラクタリゼーションを行うために用いられる圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールであって、前記基板の周縁部と係合して前記基板を収容保持する基板保持部と、前記圧力導入パイプの前記ワッシャを挿通するとともに、外部からの流体圧力が前記圧力導入パイプに伝達されることを可能とするワッシャ挿通孔とを有する圧力センサ保持部材を備えたものである。
本発明は、前記圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、前記圧力センサ保持部材と係合する保持部材係合部と、外部からの電線と前記基板上の配線とを接続するための電線接続孔とを有し、前記基板の前記第1の面を覆うように前記圧力センサ保持部材と結合することによりハウジングを形成するカバー部材を備えていてもよい。
本発明は、前記圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、前記圧力センサ保持部材の底面には、キャラクタリゼーション装置のステージ部上面に形成された凸部または凹部と係合して前記ステージ部上の位置決めを行うための凹部または凸部を有する位置決め部が設けられていてもよい。
本発明によれば、圧力センサを圧力測定装置のボディに組付けることなくキャラクタリゼーションを行うことができる。したがって、キャラクタリゼーションで温度を一定にする対象物の熱容量が小さい状態でキャラクタリゼーションを行うことが可能な圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールを提供することができる。
図1は、本発明に係る圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールの斜視図である。 図2は、圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールの分解斜視図である。 図3は、カバー部材の斜視図である。 図4は、カバー部材と圧力センサ保持部材の一部を拡大して示す斜視断面図である。 図5は、キャラクタリゼーション用モジュールの斜視断面図である。 図6は、圧力測定装置ボディを破断して示す圧力測定装置の分解斜視図である。 図7は、センサパッケージと圧力導入パイプの斜視断面図である。 図8は、圧力センサの分解斜視図である。 図9は、圧力センサ保持部材の斜視図である。 図10は、圧力センサ保持部材と基板の一部を拡大して示す斜視断面図である。 図11は、キャラクタリゼーション用モジュールの斜視断面図である。 図12は、キャラクタリゼーション装置の斜視図である。 図13は、キャラクタリゼーション装置の一部の斜視断面図である。 図14は、台座部材の一部を示す斜視図である。 図15は、キャラクタリゼーション装置とキャラクタリゼーション用モジュールの一部を拡大して示す断面図である。 図16は、キャラクタリゼーション装置とキャラクタリゼーション用モジュールの一部を拡大して示す断面図である。 図17は、ワッシャ押さえピンを示す斜視図である。 図18は、トグルクランプの動作を説明するための側面図である。 図19は、従来の圧力測定装置の断面図である。
以下、本発明に係る圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールの一実施の形態を図1~図18を参照して詳細に説明する。
図1に示すキャラクタリゼーション用モジュール11は、保管、運搬時の形態で、有底円筒状のカバー部材12と、カバー部材12の開口部を閉塞して内部を保護するキャップ13とを備えている。キャラクタリゼーションを行うときには、カバー部材12からキャップ13が取外される。以下において、キャラクタリゼーション用モジュール11の説明を行ううえで方向を示すにあたっては、キャラクタリゼーション用モジュール11をキャラクタリゼーション時の姿勢として説明する。キャラクタリゼーション時の姿勢とは、図1に示すカバー部材12の底壁12aが上方を指向する姿勢である。
カバー部材12とキャップ13の中には、図2に示すように、圧力センサ14と、圧力センサ保持部材15とが収容されている。圧力センサ14は、詳細は後述するが、基板16の第1の面16a上に載置されたセンサパッケージ17と第1、第2の圧力導入パイプ18,19などを備えている。
カバー部材12は、キャラクタリゼーション用モジュール11のハウジングを形成するもので、圧力センサ14の基板16の第1の面16aを覆うように圧力センサ保持部材15に結合される。
図3(A)に示すように、このカバー部材12の底壁12a{図3(A)においては上側の壁}には、二つの挿通孔21,22が形成されている。これらの挿通孔21,22は、後述するキャラクタリゼーション時に押圧用の部品を挿通するための孔である。
図3(B)に示すように、カバー部材12の周壁12bには、保持部材係合部23と、電線接続孔24と、基板位置決めガイド25とが設けられている。
保持部材係合部23は、後述する圧力センサ保持部材15と係合するモジュール取付フック26によって構成されている。このモジュール取付フック26は、カバー部材12の径方向に撓むことができるように形成されており、図4に示すように、圧力センサ保持部材15の基板保持部27に係止される。モジュール取付フック26が基板保持部27に係止されることにより、カバー部材12が圧力センサ保持部材15に結合される。
電線接続孔24は、キャラクタリゼーション時に図示していないキャラクタリゼーション用回路からの電線28(図12参照)を通すための孔である。
基板位置決めガイド25は、カバー部材12を圧力センサ保持部材15に取付ける際にカバー部材12の周方向の位置を決めるためのものである。カバー部材12を圧力センサ保持部材15に取付ける際に周方向の角度が180度異なると、基板位置決めガイド25が基板16上のコネクタ30(図5参照)と干渉してカバー部材12を取付けることができないように構成されている。
図3(B)に示すように、基板位置決めガイド25には凹部25aが形成されている。凹部25aは、図5に示すように、圧力センサ保持部材15の位置決め用突起29と係合するように形成されている。
キャップ13は、図5に示すように、カバー部材12の開口端部に外側から嵌合する有底円筒状に形成されている。
圧力センサ14は、図6に示すように、図6において最も上に位置するセンサパッケージ17と、センサパッケージ17に一端が接続された第1および第2の圧力導入パイプ18,19と、センサパッケージ17が載置されて固定される基板16とによって構成されている。
センサパッケージ17は、図7に示すように、センサケース31の内部に圧力センサチップ32を収容して構成されている。
第1および第2の圧力導入パイプ18,19は、クランク状に曲げられた第1および第2の細管33,34と、これらの細管33,34の一端(下端)に溶接された第1および第2のワッシャ35,36とによって構成されている。第1および第2の細管33,34の他端(上端)は、センサケース31の底壁31aを貫通して圧力センサチップ32に接合されている。センサケース31の底壁31aには、電極パッド37が設けられている。電極パッド37は、センサパッケージ17を基板16に搭載するときに基板16の半田付け用ランド38(図6および図8参照)に接続される。この電極パッド37は、図示してはいないが、センサケース31内の配線と、センサケース31と圧力センサチップ32との間に架け渡されたボンディングワイヤなどを介して圧力センサチップ32に電気的に接続されている。
基板16は、図8に示すように、略円板状に形成され、円形の二つの貫通穴41,41と、これらの貫通穴41,41どうしを接続するスリット42と、コネクタ30を接続するための複数の穴43などが形成されている。41貫通穴は、圧力センサ14の第1および第2のワッシャ35,36を通すために形成されている。スリット42は、第1および第2の圧力導入パイプ18,19の第1、第2の細管33,34を通すために形成されている。第1および第2の圧力導入パイプ18,19は、貫通穴41とスリット42とを通って基板16を貫いて基板16の第1の面16aの反対側に延伸している。
また、基板16の第1の面16aには、センサケース31を接続するための半田付け用ランド38が設けられている。この半田付け用ランド38は、図示していない配線パターンを介してコネクタ30に電気的に接続される。コネクタ30は、本発明でいう「基板上の配線」の先端となるものである。
基板16の周縁部には、一対の切欠き44,44と、平坦部45とが形成されている。切欠き44は、基板16を周方向に2等分する位置にそれぞれ設けられており、後述する圧力センサ保持部材15の基板取付フック46(図2参照)が挿入される。
平坦部45は、上述したカバー部材12の基板位置決めガイド25との干渉を避けるために形成されている。
圧力センサ保持部材15は、圧力センサ14のキャラクタリゼーションを行うときに後述するキャラクタリゼーション装置47(図12参照)にカバー部材12とともに組み付けられるものである。この実施の形態による圧力センサ保持部材15は、キャラクタリゼーションが終了した後に圧力センサ14や基板16などと共に圧力測定装置ボディ48(図6参照)に組み込まれる。キャラクタリゼーション装置47と圧力測定装置ボディ48の説明は後述する。
圧力センサ保持部材15は、図9(A),(B)に示すように、上方に向けて開口する有底円筒状に形成されている。圧力センサ保持部材15の上端部には、基板16を収容保持する基板保持部27が設けられている。基板保持部27は、圧力センサ保持部材15の周壁51の上端51aと、上端51aから上方に向けて突出する位置決め用突起29および基板取付フック46などによって構成されている。上端51aは平坦に形成されている。
基板取付フック46は、圧力センサ保持部材15の径方向に撓むことができるように形成されており、図10に示すように、基板16の切欠き44に挿入されて基板16に係合する。基板16は、基板16の下面の周縁が上端51a上に載置された状態で、基板取付フック46と係合して圧力センサ保持部材15に保持される。
図9(B)に示すように、圧力センサ保持部材15の底壁52には、第1のワッシャ挿通孔53と第2のワッシャ挿通孔54とが形成されている。第1のワッシャ挿通孔53は、圧力センサ14の第1のワッシャ35を挿通するための孔であり、第2のワッシャ挿通孔54は、第2のワッシャ36を挿通するための孔である。第1のワッシャ挿通孔53に第1のワッシャ35が挿入され、第2のワッシャ挿通孔54に第2のワッシャ36が挿入されることにより、外部からの(後述するキャラクタリゼーション装置47や圧力測定装置ボディ48からの)流体圧力が圧力導入パイプ18,19に伝達されることが可能になる。
図9(A)に示すように、底壁52の上面には、これらの第1および第2のワッシャ挿通孔53,54を囲むように突条55,56が形成されている。これらの突条55,56には、第1および第2の細管33,34を通すためのパイプ位置決め溝57が形成されている。図11に示すように、パイプ位置決め溝57の溝壁となる突条の上端部には、第1および第2の細管33,34が溝内に導かれるように丸められた丸み部57aが形成されている。
図9(B)に示すように、圧力センサ保持部材15の底面52a(底壁52の下面)には、3つの突起58からなる位置決め部59が設けられている。位置決め部59の突起58は、圧力センサ保持部材15がキャラクタリゼーション装置47や圧力測定装置ボディ48の正しい位置に取付けられるようにキャラクタリゼーション装置47や圧力測定装置ボディ48に対する圧力センサ保持部材15の位置決めを行うものである。
この実施の形態においては、これらの突起58が本発明でいう「圧力センサ保持部材の底面に設けられた凸部」に相当する。これらの突起58は、円柱状に形成されて底壁52から下方に向けて突出している。また、これらの突起58は、第1のワッシャ挿通孔53と第2のワッシャ挿通孔54とを結ぶ仮想線Lを中心にして一方(例えば前方)と他方(例えば後方)とに振り分けられるように形成されている。図9(B)に示す圧力センサ保持部材15においては、仮想線Lより一方(前方)に二つの突起58が設けられ、仮想線Lより他方(後方)には一つの突起58が設けられている。すなわち、突起58の個数、位置を前後で非対称にしている。
圧力センサ保持部材15は、キャラクタリゼーション用モジュール11の骨格をなす部品である。図11に示すように、圧力センサ保持部材15の内部に圧力センサ14を収容した状態で圧力センサ保持部材15の外側にカバー部材12とキャップ13とを取付けることによって、キャラクタリゼーション用モジュール11が組み立てられる。キャラクタリゼーション用モジュール11は、図11に示す形態で保管、運搬され、キャラクタリゼーション時にはキャップ13が取外された形態で後述するキャラクタリゼーション装置47に装填される。図11に示すように、保管、運搬形態においては、キャップ13の内側底面13aと圧力センサ保持部材15との間および第1、第2のワッシャ35,36との間に隙間が形成されている。
キャラクタリゼーション装置47は、圧力センサ14をキャラクタリゼーション用モジュール11に収容した状態で圧力センサ14のキャラクタリゼーションを行うためのもので、図12に示すように、キャラクタリゼーション用モジュール11が載せられる台座部材61と、キャラクタリゼーション時に台座部材61に対するキャラクタリゼーション用モジュール11の移動を規制するモジュール固定部62とを備えている。このキャラクタリゼーション装置47は、後述する圧力測定装置ボディ48より熱容量が小さくなるように形成されている。
台座部材61は、金属材料によって所定の形状に形成されている。台座部材61の上面には、キャラクタリゼーション用モジュール11の底面と当接してキャラクタリゼーション用モジュール11を支持するステージ部63が設けられている。台座部材61の一側部と他側部とには、図13に示すように、圧力センサ14のキャラクタリゼーションのために用いられる試験流体(図示せず)の圧力を導入する第1の試験流体導入孔64と第2の試験流体導入孔65とが形成されている。台座部材61の内部には、これらの第1、第2の試験流体導入孔64,65からステージ部63に向けて延びる第1の圧力導入路66および第2の圧力導入路67が形成されている。
ステージ部63は、図14(A),(B)に示すように、第1および第2のワッシャ挿入孔68,69と、3つの位置決め穴70と、これらの第1および第2のワッシャ挿入孔68,69、位置決め穴70を囲む一つの環状溝71とが形成されている。第1および第2のワッシャ挿入孔68,69は、図15および図16に示すように、ステージ部63上に載置された圧力センサ保持部材15の第1および第2のワッシャ挿通孔53,54と対向する位置に、第1および第2のワッシャ35,36を挿入可能な形状に形成されている。上述した第1の圧力導入路66は第1のワッシャ挿入孔68に開口している。第2の圧力導入路67は、第2のワッシャ挿入孔69に開口している。
第1および第2のワッシャ挿入孔68,69の内部には、ステージ部63と第1および第2のワッシャ35,36との間をシールするためのOリング72がそれぞれ挿入されている。Oリング72は、第1および第2のワッシャ挿入孔68,69の中に形成されたOリング溝73と第1および第2のワッシャ35,36との間に挟まれている。
位置決め穴70は、圧力センサ保持部材15の底面52aに設けられた位置決め部59の突起58と対応する位置に突起58が嵌合するように形成されている。この実施の形態においては、この位置決め穴70が本発明でいう「ステージ部上面に形成された凹部」に相当する。
突起58が位置決め穴70に嵌合することにより、圧力センサ保持部材15をステージ部63上の正しい位置に位置決めすることができる。ここでいう正しい位置とは、カバー部材12の電線接続孔24および基板16上のコネクタ30がキャラクタリゼーション装置47の前方を指向するような位置である。
環状溝71は、カバー部材12の開口端部を挿入するための溝である。キャラクタリゼーション用モジュール11は、図13に示すようにカバー部材12の開口端部が環状溝71の底に当接するとともに、第1および第2のワッシャ35,36がOリング72に接触する状態でステージ部63の上に載置される。
図13に示す第1および第2のワッシャ35,36には、モジュール固定部62の一部を構成する第1および第2のワッシャ押さえピン74,75が上方から重ねられている。
モジュール固定部62は、第1および第2のワッシャ35,36の上部に一端(下端)が当接する状態で上下方向に延びる棒状の第1および第2のワッシャ押さえピン74,75と、これらの第1および第2のワッシャ押さえピン74,75の他端(上端)を保持するワッシャ押さえピン保持部材76と、ワッシャ押さえピン保持部材76を下方に向けて押すトグルクランプ77(図12参照)などによって構成されている。
第1および第2のワッシャ押さえピン74,75は、図16に示すように、カバー部材12に形成された挿通孔21,22を通してキャラクタリゼーション用モジュール11内に挿入され、基板16に形成された貫通穴41を貫通して一端が第1および第2のワッシャ35,36の上部に当接している。この実施の形態による第1および第2のワッシャ押さえピン74,75は、それぞれ円柱状に形成されており、下端部(ワッシャ側の端部)にそれぞれスリット78が形成されている。このスリット78は、第1の圧力導入パイプ18の第1の細管33と第2の圧力導入パイプ19の第2の細管34との干渉を避けるためのスリット78で、第1および第2のワッシャ押さえピン74,75を径方向に貫通するように形成されている。
第1および第2のワッシャ押さえピン74,75の上端部(ワッシャ押さえピン保持部材76側となる他端部)には、他の部分より外径が小さい小径部74a,75aが形成されている。小径部74a,75aは、後述するワッシャ押さえピン保持部材76に穿設されたワッシャ押さえピン挿通孔79,80に挿通されている。
小径部74a,75aには、図17に示すように扁平な平坦部81が形成されている。平坦部81は、小径部74a,75aを周方向に2等分する位置にそれぞれ形成されている。平坦部81は、上述したスリット78の延びる方向(図16においては左右方向)とは直交する方向(図16の紙面と垂直な方向)に延びるように形成されている。
ワッシャ押さえピン保持部材76は、金属材料によって平面視矩形の板状に形成されており、図12に示すように、台座部材61に上下方向に延びるように立設された複数のガイドロッド82に昇降自在に支持されている。ワッシャ押さえピン保持部材76の側面76aには貫通孔83が開口している。貫通孔83は、図16に示すように、ワッシャ押さえピン挿通孔79,80と直交し、かつ、ワッシャ押さえピン挿通孔79,80からワッシャ押さえピン保持部材76の側面76aの開口83aまで貫通している。
貫通孔83のワッシャ押さえピン挿通孔79,80に近接する端部は、ネジ孔83bによって構成されている。ネジ孔83bには止めネジ84がねじ込まれている。
第1および第2のワッシャ押さえピン74,75がワッシャ押さえピン保持部材76のワッシャ押さえピン挿通孔79,80に挿通された状態で貫通孔83の開口83aから止めネジ84を貫通孔83に挿入し、止めネジ84の先端が第1および第2のワッシャ押さえピン74,75の平坦部81に当接することによって、第1および第2のワッシャ押さえピン74,75の回動が防止される。止めネジ84が平坦部81に当接する状態は、スリット78が第1および第2の細管33,34の延びる方向と平行になる状態である。
トグルクランプ77は、図18(A),(B)に示すように、台座部材61の上であってステージ部63の後方近傍に取付けられたフレーム91と、このフレーム91にリンク機構92を介して連結されたハンドル93および押圧子94などを備えている。このトグルクランプ77においては、ハンドル93を図18(A)に示すように倒すことにより押圧子94が下がり、ハンドル93を図18(B)に示すように起立させることにより押圧子94が上昇する。
このように構成されたキャラクタリゼーション装置47にキャラクタリゼーション用モジュール11を装填するためには、先ず、図18(B)に示すようにトグルクランプ77のハンドル93を起立させ、ワッシャ押さえピン保持部材76をガイドロッド82から上方に外す。そして、キャラクタリゼーション用モジュール11をガイドロッド82で囲まれた空間に上方から挿入し、ステージ部63に載置させる。その後、ワッシャ押さえピン保持部材76をガイドロッド82に通して下方にスライドさせ、図16に示すように第1および第2のワッシャ押さえピン74,75をカバー部材12の挿通孔21,22と基板16の貫通穴41とを通して第1および第2のワッシャ35,36に当接させる。
このようにキャラクタリゼーション用モジュール11がステージ部63上に載置固定された状態であって、かつ、第1および第2のワッシャ押さえピン74,75がワッシャ押さえピン保持部材76により保持された状態で、図18(A)に示すようにトグルクランプ77のハンドル93を倒す。ハンドル93が倒されることにより、押圧子94がワッシャ押さえピン保持部材76の上面側からステージ部63に向かって押圧力を印加する。
この押圧力が第1および第2のワッシャ押さえピン74,75に伝達されることにより、第1および第2のワッシャ35,36がステージ部63に向けて押圧されてOリング72が圧縮され、第1および第2の圧力導入路66,67から第1および第2のワッシャ35,36内に至る導圧経路からの漏洩が阻止されるようになる。この押圧状態は、キャラクタリゼーションが終了するまで維持される。
キャラクタリゼーションは、キャラクタリゼーション用モジュール11のコネクタ30にキャラクタリゼーション用回路から延びる電線28(図12参照)を接続した状態で、キャラクタリゼーション装置47を所定の検査温度として第1および第2の試験流体導入孔64,65に所定の流体圧を加えて行う。このキャラクタリゼーションを行うことにより、圧力センサチップ32のセンサ出力の直線性、温度特定、静圧特性などが補正され、周囲の温度や圧力などの周囲の環境の影響を除去することができるようになる。
キャラクタリゼーションが終了した後、キャラクタリゼーション用モジュール11をキャラクタリゼーション装置47から取外し、圧力測定装置ボディ48に取付ける。この取付作業は、キャラクタリゼーション用モジュール11からカバー部材12を取外して行う。
圧力測定装置ボディ48は、図6に示すように、キャラクタリゼーション用モジュール11の圧力センサ保持部材15を収容する有底円筒状のセンサ収容部101を有している。センサ収容部101の底部には、第1および第2のワッシャ35,36が挿入される第1および第2の穴102,103と、圧力センサ保持部材15の3つの突起58が嵌合する3つの穴104(図6には二つの穴104のみが図示されている)と、圧力センサ保持部材15が載置される載置面105などが形成されている。
第1および第2の穴102,103の穴壁面には、第1および第2のワッシャ35,36が抵抗溶接によって溶接される。
第1および第2の穴102,103には、圧力測定装置ボディ48内に形成された第1および第2の導圧路106,107が開口している。第1、第2の導圧路106,107は、圧力測定装置ボディ48に形成された第1の圧力伝達室108および第2の圧力伝達室109と、第1および第2の穴102,103とを連通している。この第1、第2の導圧路106,107の中には、図示してはいないが、圧力伝達媒体が充填される。
第1の圧力伝達室108は、第1の受圧ダイアフラム110を壁の一部として形成され、第1の受圧ダイアフラム110に加えられた第1のプロセス流体の圧力が第1の受圧ダイアフラム110を介して伝達される。
第2の圧力伝達室109は、第2の受圧ダイアフラム111を壁の一部として形成され、第2の受圧ダイアフラム111に加えられた第2のプロセス流体の圧力が第2の受圧ダイアフラム111を介して伝達される。
第1の圧力伝達室108に加えられた圧力は、第1の導圧路106と第1の圧力導入パイプ18とを介して圧力センサチップ32に伝達される。
第2の圧力伝達室109に加えられた圧力は、第2の導圧路107と第2の圧力導入パイプ19とを介して圧力センサチップ32に伝達される。
このため、第1のプロセス流体の圧力と第2のプロセス流体の圧力との圧力差を圧力センサチップ32によって測定することができる。
上述した実施の形態によれば、圧力センサ保持部材15に圧力センサ14を装着して形成されたキャラクタリゼーション用モジュール11を圧力測定装置ボディ48より小さい(熱容量が小さい)キャラクタリゼーション装置47に装填して圧力センサ14のキャラクタリゼーションを行うことができる。このため、この実施の形態によるキャラクタリゼーション用モジュール11によれば、キャラクタリゼーションで温度を一定にする対象物の熱容量が小さい状態でキャラクタリゼーションを行うことが可能になる。
したがって、この実施の形態によるキャラクタリゼーション用モジュール11を使用することにより、キャラクタリゼーションを行う設備の小型化を図ることができるとともに、キャラクタリゼーション時に短時間で温度が安定するようになる。
この実施の形態によるキャラクタリゼーション用モジュール11は、圧力センサ保持部材15と係合する保持部材係合部23と、外部からの電線28と基板16上の配線とを接続するための電線接続孔24とを有している。また、キャラクタリゼーション用モジュール11は、基板16の第1の面16aを覆うように圧力センサ保持部材15と結合することによりハウジングを形成するカバー部材12を備えている。このため、圧力センサ14をカバー部材12で覆って保護した状態でキャラクタリゼーションを行うことができる。
この実施の形態による圧力センサ保持部材15の底面52aには、キャラクタリゼーション装置47のステージ部上面に形成された位置決め穴70(凹部)と係合してステージ部63上の位置決めを行うための突起58(凸部)を有する位置決め部59が設けられている。このため、キャラクタリゼーション用モジュール11をキャラクタリゼーション装置47の正しい位置に装填することができるし、コネクタ30や第1および第2のワッシャ35,36を正しい位置に位置付けることができる。
上述した実施の形態においては、圧力センサ保持部材15の底面に位置決め部59の凸部として3つの突起58を設け、ステージ部63に凹部として位置決め穴70を設ける例を示した。しかし、本発明はこのような限定にとらわれることはなく、圧力センサ保持部材15の底面52aに複数の凹部を設け、この凹部に係合する凸部をステージ部63に設けることができる。凹部と凸部の数も3つに限定されることはなく、2つあるいは4つ以上でもよい。
11…キャラクタリゼーション用モジュール、12…カバー部材、14…圧力センサ、15…圧力センサ保持部材、16…基板、16a…第1の面、17…センサパッケージ、18…第1の圧力導入パイプ、19…第2の圧力導入パイプ、21,22…挿通孔、23…保持部材係合部、24…電線接続孔、27…基板保持部、28…外部からの電線、35…第1のワッシャ、36…第2のワッシャ、47…キャラクタリゼーション装置、52a…底面、53…第1のワッシャ挿通孔、54…第2のワッシャ挿通孔、58…突起、59…位置決め部、63…ステージ部、70…位置決め穴。

Claims (3)

  1. 基板の第1の面上に載置されたセンサパッケージを有しかつ前記センサパッケージから前記基板を貫いて前記基板の第1の面の反対側に延伸して先端にワッシャが設けられた圧力導入パイプを有する圧力センサを収容し、この圧力センサのキャラクタリゼーションを行うために用いられる圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールであって、
    前記基板の周縁部と係合して前記基板を収容保持する基板保持部と、
    前記圧力導入パイプの前記ワッシャを挿通するとともに、外部からの流体圧力が前記圧力導入パイプに伝達されることを可能とするワッシャ挿通孔とを有する圧力センサ保持部材
    を備えたことを特徴とする圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール。
  2. 請求項1に記載の圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、
    前記圧力センサ保持部材と係合する保持部材係合部と、
    外部からの電線と前記基板上の配線とを接続するための電線接続孔とを有し、
    前記基板の前記第1の面を覆うように前記圧力センサ保持部材と結合することによりハウジングを形成するカバー部材
    を備えたことを特徴とする圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール。
  3. 請求項1または2に記載の圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、
    前記圧力センサ保持部材の底面には、キャラクタリゼーション装置のステージ部上面に形成された凸部または凹部と係合して前記ステージ部上の位置決めを行うための凹部または凸部を有する位置決め部が設けられていることを特徴とする圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール。
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