JP2023015723A - 電解質組成物、非水電解質及び電解質組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性が高く、電導度を容易に調整できる電解質組成物を提供すること。【解決手段】複素環を有する有機カチオンのハロゲン化物塩と、分子状ヨウ素とを混合してなる、電解質組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、電解質組成物、非水電解質及び電解質組成物の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池の普及により、携帯電話、ノートパソコンなど二次電池を電源として利用する電子機器が急速に普及している。市販のリチウムイオン二次電池は、正極・陰極間で水の電気分解による気体の発生が起こらないよう、水を含まない有機溶媒電解液(非水電解液)が用いられている。しかしながら、有機溶媒電解液には沸点の低い有機溶媒が多量に含まれており、発火及び爆発事故のリスクを含んでいるため、難燃性の性質が重要になる。
石川正司著、未来エネルギー社会をひらくキャパシタ、ケイ・ディー・ネオブック、3章、p.83-88、2007年
この課題解決に当たり、従来、難燃性のイオン液体が検討されてきた(特許文献1~2、非特許文献1等)。しかしながら、一般にイオン液体は、親水性を示すものが多く、電流を流した際にイオン液体に含有される水が電気分解し、気体が発生する危険性がある。
また、イオン液体と同じく、有機溶媒を含まない非水電解質として深共晶溶媒が知られている。深共晶溶媒は、合成後に原材料よりも融点が下がる特徴がある。そのため、原材料から充分な水分除去を行った後に合成が可能であることから、深共晶溶媒を使用すれば電解液の含水量を低減可能である。更に、原料を混合することで容易に合成できることがあり、グリーンケミストリーにおけるイオン液体の代替として近年非常に注目されている(特許文献3)。しかしながら、従来の深共晶溶媒では、電気伝導のため、水素結合供与体が必要であり、水素結合供与体は親水性を持つため合成後に吸水することにより上述の気体発生の問題が起こりうる。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、安全性が高く、電導度を容易に調整できる電解質組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような電解質組成物を含む非水電解質及び電解質組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電解質組成物は、複素環を有する有機カチオンのハロゲン化物塩と、分子状ヨウ素とを混合してなるものである。
上記電解質組成物における前記有機カチオンに対するヨウ素原子のモル比が0より大きく、20以下であると好ましい。
本発明の電解質組成物は、上記ハロゲン化物塩及び分子状ヨウ素のいずれの融点よりも低い融点を有すると好ましい。
上記複素環が環員として窒素族元素、及び酸素族元素の少なくとも一方を含むと好ましい。
上記有機カチオンが、イミダゾリウムカチオン又はその誘導体、ピロリジニウムカチオン又はその誘導体、及びピリジニウムカチオン又はその誘導体の少なくとも一種を含むと好ましい。
上記ハロゲン化物塩が、臭化物イオン及びヨウ化物イオンの少なくとも一方を含むと好ましい。
本発明の電解質組成物は、複素環を有する有機カチオンと、ヨウ素を含むポリハロゲン化物アニオンと、を含むものであってよい。
本発明の電解質組成物は、第四級有機ホスホニウムカチオンのハロゲン化物塩と、分子状ヨウ素とを混合してなるものであってよい。
本発明の電解質組成物は、40℃以下の融点を有すると好ましい。
本発明の非水電解質は上記電解質組成物を含む。
本発明の電解質組成物の製造方法は、複素環を有する有機カチオンのハロゲン化物塩と、分子状ヨウ素とを混合する工程を備える。
本発明によれば、安全性が高く、電導度を容易に調整できる電解質組成物を提供することができる。また、本発明によれば、そのような電解質組成物を含む非水電解質及び電解質組成物の製造方法を提供することができる。
本実施形態の電解質組成物は、ハロゲン化物塩と、分子状ヨウ素とを混合してなる混合物である。当該ハロゲン化物塩は、複素環を有する有機カチオンのハロゲン化物塩及び第四級有機ホスホニウムカチオンのハロゲン化物塩の少なくとも一種である。このような電解質組成物は、水素結合供与体を添加しなくても電池等の電気化学デバイスの電解質として適切な電導度を示す。また、本実施形態の電解質組成物は難燃性にも優れる。なお、分子状ヨウ素とは、実質的にヨウ素分子I2からなる物質を指す。
本実施形態において、ハロゲン化物塩と、分子状ヨウ素とを混合して得られる混合物は、当該ハロゲン化物塩の融点及び分子状ヨウ素の融点(113.5℃)のいずれよりも低い融点を有するものであってよい。つまり、当該混合物は、共晶融点降下が見られる物質であってよい。混合物の融点は、40℃以下であってよく、35℃以下であってよく、30℃以下であってよく、25℃以下であってよい。
上記混合物は、室温(例えば25℃)で固体又は液体(液状)であってよく、液体(液状)であることが好ましい。つまり、本実施形態の混合物は、深共晶溶媒であってよい。
複素環を有する有機カチオンのハロゲン化物塩としては、当該有機カチオンとハロゲン化物イオンとを含む塩であれば特に限定されない。当該複素環は、環員として形式電荷が+1の原子を含んでいてよい。形式電荷が+1の原子は、炭素原子以外の原子であって、例えば、窒素原子、リン原子等の窒素族原子、及び酸素原子、硫黄原子等の酸素族原子の少なくとも一つであってよい。つまり、ハロゲン化物塩は、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、チアゾリウム塩又はその誘導体、及びオキサゾリウム塩又はその誘導体の少なくとも一種であってよい。
複素環を有する有機カチオンとしては、第四級アンモニウムカチオンの場合、イミダゾリウムカチオン又はその誘導体、ピロリジニウムカチオン又はその誘導体、及びピリジニウムカチオン又はその誘導体、ピロリニウムカチオン又はその誘導体、ピロリウムカチオン又はその誘導体、ピペリジニウムカチオン又はその誘導体、ピラゾリウムカチオン又はその誘導体等が挙げられ、イミダゾリウムカチオン又はその誘導体、ピロリジニウムカチオン又はその誘導体、及びピリジニウムカチオン又はその誘導体が好ましい。
イミダゾリウムカチオンの誘導体は、イミダゾールの2位、4位及び5位の炭素原子及び3位の窒素原子のいずれかにアルキル基等の置換基が結合した置換イミダゾールの1位の窒素原子を第四級化又はプロトン化したものであってよい。当該置換イミダゾールは、イミダゾール環に縮合する環を有していてよい(例えば、ベンズイミダゾール等)。イミダゾリウムカチオン又はその誘導体は、例えば、以下の式(A1)で表される有機カチオンであってよい。
(式(A1)中、R1は、1~16個の炭素原子を有する一価の置換又は未置換の炭化水素基又は水素原子であり、R3は、1~16個の炭素原子を有する一価の置換又は未置換の炭化水素基又は水素原子であり、R2は、1~16個の炭素原子を有する一価の置換又は未置換の炭化水素基、水素原子又はハロゲン原子であり、R4及びR5は、それぞれ独立に1~16個の炭素原子を有する一価の置換又は未置換の炭化水素基又は水素原子である、又は一緒になって環を構成していてもよい。)
式(A1)におけるR1が炭化水素基である場合、当該炭化水素基は飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基のいずれであってもよく、例えば、1~12個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であると好ましく、1~6個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であってもよい。R1としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、アリル基、n-ドデシル基等が挙げられる。式(A1)におけるR3が炭化水素基である場合、当該炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基のいずれであってもよく、例えば、1~12個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であると好ましく、1~6個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であるとより好ましい。R3としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、アリル基、n-ドデシル基等が挙げられる。
式(A1)におけるR2が炭化水素基の場合、当該炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基のいずれであってもよく、例えば、1~12個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であると好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、アリル基等の1~6個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であると好ましい。また、R2はハロゲン原子であってもよい。
式(A1)におけるR4及びR5のうちいずれかが一価の炭化水素基である場合、当該炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基のいずれであってもよく、例えば、1~12個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であると好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、アリル基等の1~4個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であると好ましい。式(A1)におけるR4及びR5が一緒になって環を構成する場合、当該環は式(A1)におけるイミダゾール環と縮合する環であり、例えば、ベンゼン環、シクロヘキサン環等の炭化水素環、又は複素環等の5~7員環を構成してよい。当該炭化水素環、又は複素環は、更に1~6個の炭素原子を有する一価の炭化水素基、ハロゲン原子、メトキシ基等のアルコキシ基等で置換されていてもよい。
R1~R5として挙げた炭化水素基が置換炭化水素基である場合、置換基としては、ハロゲン原子、メトキシ基等のアルコキシ基、トリメチルシリル基等の有機シリル基などが挙げられる。置換炭化水素基が有する置換基の数は特に制限はないが、1~3個であってよく、1又は2個であってよく、1個であってよい。置換炭化水素基が含有する炭素原子の数(置換基及び炭化水素部分が有する炭素原子数の合計)は、1~8個であってよく、1~6個であってよく、1~4個であってよい。置換炭化水素基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基等が挙げられる。
式(A1)の有機カチオンとしては、1-アリル-3-メチルイミダゾリウム(AMIm)カチオン、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム(C2MIm)カチオン、1-アリル-3-エチルイミダゾリウム(AEIm)カチオン、1-ドデシル-3-メチルイミダゾリウム(C12MIm)カチオン等が挙げられる。これらは一種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ピロリジニウムカチオンの誘導体は、ピロリジンの2位、3位、4位及び5位のいずれかの炭素原子にアルキル基等の置換基が結合した置換ピロリジンの窒素原子を第四級化又はプロトン化したものであってよい。当該置換ピロリジンは、ピロリジン環に縮合する環を有していてよい(例えば、インドリン、イソインドリン、オクタヒドロインドール、オクタヒドロイソインドール、これらの立体配置異性体等)。ピロリジニウムカチオン又はその誘導体は、例えば、以下の式(A2)で表される有機カチオンであってよい。
(式(A2)中、R1及びR2は、それぞれ独立に1~16個の炭素原子を有する一価の置換又は未置換の炭化水素基又は水素原子であり、R3~R10は、それぞれ独立に1~16個の炭素原子を有する一価の置換又は未置換の炭化水素基又は水素原子である、又はR3~R10のうち隣接する炭素原子に結合する二つが一緒になって式(A2)におけるピロリジン環と縮合する環を構成していてもよい。)
式(A2)におけるR1及びR2は、それぞれ独立に飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基のいずれであってもよく、例えば、1~12個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であると好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、アリル基等の1~6個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であるとより好ましい。
式(A2)におけるR3~R10のうちいずれかが一価の炭化水素基である場合、当該炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基のいずれであってもよく、例えば、1~16個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であると好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、アリル基等の1~4個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であるとより好ましい。R3~R10のうち隣接する炭素原子に結合する二つが一緒になって環を構成する場合、例えば、ベンゼン環、シクロヘキサン環等の炭化水素環、又は複素環等の5~7員環を構成してよい。当該炭化水素環、又は複素環は、更に1~6個の炭素原子を有する一価の炭化水素基、ハロゲン原子、メトキシ基等のアルコキシ基等で置換されていてもよい。例えば、R5(又はR6)とR7(又はR8)とが一緒になってピロリジン環と縮合するベンゼン環を構成する場合、式(A2)の有機カチオンは、イソインドリニウムカチオンとなる。
式(A2)におけるR1~R10のうちいずれかが一価の置換炭化水素基である場合、当該置換炭化水素基としては、式(A1)における置換炭化水素基として例示した置換炭化水素基であってよい。
式(A2)の有機カチオンとしては、1-メチル-1-プロピルピロリジニウム(Pyrr13)カチオン等が挙げられる。
ピリジニウムカチオンの誘導体は、ピリジンの2位、3位、4位、5位、6位のいずれかの炭素原子にアルキル基等の置換基が結合した置換ピリジンの1位の窒素原子を第四級化又はプロトン化したものであってよい。当該置換ピリジンは、ピリジン環に縮合する環を有していてよい(例えば、キノリン、イソキノリン等)。ピリジニウムカチオン又はその誘導体は、例えば、以下の式(A3)で表される有機カチオンであってよい。
(式(A3)中、R1は、1~16個の炭素原子を有する一価の置換又は未置換の炭化水素基であり、R2~R6は、それぞれ独立に1~16個の炭素原子を有する一価の置換又は未置換の炭化水素基又は水素原子である、又はR2~R6のうち隣接する炭素原子に結合する二つが一緒になって式(A3)におけるピリジン環と縮合する環を構成していてもよい。)
式(A3)におけるR1が炭化水素基である場合、当該炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基のいずれであってもよく、例えば、1~12個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であると好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、アリル基等の1~4個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であるとより好ましい。
式(A3)におけるR2~R6のうちいずれかが一価の炭化水素基である場合、当該炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基のいずれであってもよく、例えば、1~12個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であると好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、アリル基等の1~4個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であると好ましい。R2~R6のうち隣接する炭素原子に結合する二つが一緒になって環を構成する場合、例えば、ベンゼン環、シクロヘキサン環等の炭化水素環、又は複素環等の5~7員環を構成してよい。当該炭化水素環、又は複素環は、更に1~6個の炭素原子を有する一価の炭化水素基、ハロゲン原子、メトキシ基等のアルコキシ基等で置換されていてもよい。例えば、R2とR3とが一緒になってピリジン環と縮合するベンゼン環を構成する場合、式(A3)の有機カチオンは、キノリニウムカチオンとなる。
式(A3)におけるR1~R6のうちいずれかが一価の置換炭化水素基である場合、当該置換炭化水素基としては、式(A1)における置換炭化水素基として例示した置換炭化水素基であってよい。
ピリジニウムカチオンの誘導体としては、N-アルキルピリジニウムカチオン(アルキル基の炭素原子数は1~6が好ましい)が挙げられ、1-メチルピリジニウム、1-エチルピリジニウム、1-プロピルピリジニウム、又は1-ブチルピリジニウムが好ましく、1-エチルピリジニウム又は1-ブチルピリジニウムがより好ましい。
複素環を有する第四級ホスホニウムカチオンとしては、ホスホリニウムカチオン又はその誘導体、ホスフィナニウムカチオン又はその誘導体等が好ましい。なお、ホスホリニウムカチオン又はその誘導体は、以下の式(a)で表されるホスホリン又はその誘導体のリン原子を第四級化又はプロトン化したものである。また、ホスホリウムカチオン又はその誘導体は、以下の式(b)で表されるホスホール又はその誘導体のリン原子を第四級化又はプロトン化したものである。また、ホスフィナニウムカチオン又はその誘導体は、以下の式(c)で表されるホスフィナン又はその誘導体のリン原子を第四級化及び/又はプロトン化したものである。
第四級有機ホスホニウムカチオンのハロゲン化物塩としては、当該有機カチオンとハロゲン化物イオンとを含む塩であれば特に限定されない。第四級有機ホスホニウムカチオンは形式電荷が+1のリン原子を環員として含有する複素環を含んでいてもよいが、含まないことが好ましい。すなわち、4つの一価の有機基が結合したリン原子を有する第四級有機ホスホニウムカチオンであると好ましい。
一価の有機基としては、特に限定されないが、リン原子と炭素-リン結合を形成する有機基が好ましく、置換又は未置換の炭化水素基であることがより好ましい。炭化水素基は、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれであってもよく、脂肪族炭化水素基の場合、鎖状(直鎖又は分岐鎖)であっても、脂環式の炭化水素基であってもよい。なお、芳香族炭化水素基は、芳香族部分を含む炭化水素基であればよく、例えば、ベンジル基、トルイル基等のように脂肪族部分を含んでてもよい。また、脂環式の炭化水素基は、脂環式の炭化水素部分を含んでいればよく、4-メチルシクロヘキシル基、シクロヘキサンメチル基等のように、鎖状の炭化水素部分を含んでいてもよい。
第四級有機ホスホニウムカチオンは、以下の式(B)で表される有機カチオンであってよい。
R1~R4の一価の炭化水素基としては、特に制限はなく、飽和炭化水素基及び不飽和炭化水素基のいずれであってもよく、鎖状の炭化水素基及び環状部分を含む炭化水素基のいずれであってもよい。好ましくは、当該炭化水素基は、直鎖又は分岐鎖のアルキル基(CnH2n+1)であると好ましい。
式(B)において、R1~R4がすべて同じ基である場合、式(B)で表される有機カチオンは、PXXXXと表すことができる。また、R2~R4が同じ基であり、R1がR2~R4とは異なる基である場合、PXXXYと表すことができる。ここで、X及びYは、式(B)においてリン原子に結合する基を表す記号であり、同じ記号であれば同じ基を表す。PXXXYの場合、式(B)のR1がYに対応するものとする。
PXXXX型の有機ホスホニウムカチオンについて、Xが炭化水素基である場合、当該炭化水素基としては、1~8個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であるとより好ましく、1~6個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であるとより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、アリル基等の1~4個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であると更に好ましい。Xが置換炭化水素基である場合、当該置換炭化水素基が有する炭素原子の数(置換基及び炭化水素部分が有する炭素原子数の合計)は、1~8個であってよく、1~6個であってよく、1~4個であってよい。置換炭化水素基が有する置換基としては、ハロゲン原子、メトキシ基等のアルコキシ基、トリメチルシリル基等の有機シリル基などが挙げられる。置換炭化水素基が有する置換基の数は特に制限はないが、1~3個であってよく、1又は2個であってよく、1個であってよい。置換炭化水素基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基等が挙げられる。PXXXX型の有機ホスホニウムカチオンとしては、例えば、テトラ-n-ブチルホスホニウムカチオンが挙げられる。
PXXXY型の有機ホスホニウムカチオンについて、Y(R1)は1~18個の炭素原子を有する置換又は未置換の炭化水素基であってよく、X(R2~R4)は、1~6個の炭素原子を有する置換又は未置換の炭化水素基であってよい。この場合、R1は1~6個の炭素原子を有する置換又は未置換の炭化水素基であってもよいが(例えば、t-ブチル-トリメチルホスホニウムカチオン等)、7~18個(好ましくは、7~14個)の炭素原子を有する置換又は未置換の炭化水素基であってもよい(例えば、n-ヘキサデシル-トリ-n-ブチルホスホニウムカチオン等)。
R1が置換炭化水素基である場合、当該置換炭化水素基が有する炭素原子の数(置換基及び炭化水素部分が有する炭素原子数の合計)は、1~18個であってよく、1~6個であってもよく、7~18個であってもよい。R1としての置換炭化水素基が有する置換基としては、ハロゲン原子、メトキシ基等のアルコキシ基、トリメチルシリル基等の有機シリル基などが挙げられ、置換炭化水素基が有する置換基の数は1~3個であってよく、1又は2個であってよく、1個であってよい。R1としての置換炭化水素基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基等が挙げられる。
R2~R4が置換炭化水素基である場合、当該置換炭化水素基が有する炭素原子の数(置換基及び炭化水素部分が有する炭素原子数の合計)は、1~6個であってよく、1~4個であってよい。置換炭化水素基が有する置換基としては、ハロゲン原子、メトキシ基等のアルコキシ基、トリメチルシリル基等の有機シリル基などが挙げられ、置換炭化水素基が有する置換基の数は特に制限はないが、1~3個であってよく、1又は2個であってよく、1個であってよい。R2~R4としての置換炭化水素基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基等が挙げられる。
PXXXY型の有機ホスホニウムカチオンについて、R1としてはメチル基、エチル基、-C3H7基(プロピル基又はイソプロピル基)、-C4H9基(ブチル基、t-ブチル基等)、C5H11基(n-ペンチル基等)、-C6H13基(n-ヘキシル基等)、-C8H17基(n-オクチル基等)、-C10H21基(n-デシル基等)、-C11H23基(n-ウンデシル基等)、-C12H25基(n-ドデシル基等)、-C14H29基(n-テトラデシル基等)、-C16H33基(n-ヘキサデシル基等)、-C18H37基(n-オクタデシル基等)、メトキシメチル基、メトキシエチル基、アリル基、フェニル基、ベンジル基などが挙げられる。
PXXXY型の有機ホスホニウムカチオンについて、R2~R4としてはメチル基、エチル基、-C3H7基(プロピル基又はイソプロピル基)、-C4H9基(ブチル基、t-ブチル基等)、フェニル基、ベンジル基などが挙げられる。
式(B)で表されるカチオンとしては、メチル-トリ-n-ブチルホスホニウム、t-ブチル-トリメチルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
R1が置換炭化水素基である場合、当該置換炭化水素基が有する炭素原子の数(置換基及び炭化水素部分が有する炭素原子数の合計)は、1~18個であってよく、1~6個であってもよく、7~18個であってもよい。R1としての置換炭化水素基が有する置換基としては、ハロゲン原子、メトキシ基等のアルコキシ基、トリメチルシリル基等の有機シリル基などが挙げられ、置換炭化水素基が有する置換基の数は1~3個であってよく、1又は2個であってよく、1個であってよい。R1としての置換炭化水素基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基等が挙げられる。
R2~R4が置換炭化水素基である場合、当該置換炭化水素基が有する炭素原子の数(置換基及び炭化水素部分が有する炭素原子数の合計)は、1~6個であってよく、1~4個であってよい。置換炭化水素基が有する置換基としては、ハロゲン原子、メトキシ基等のアルコキシ基、トリメチルシリル基等の有機シリル基などが挙げられ、置換炭化水素基が有する置換基の数は特に制限はないが、1~3個であってよく、1又は2個であってよく、1個であってよい。R2~R4としての置換炭化水素基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基等が挙げられる。
PXXXY型の有機ホスホニウムカチオンについて、R1としてはメチル基、エチル基、-C3H7基(プロピル基又はイソプロピル基)、-C4H9基(ブチル基、t-ブチル基等)、C5H11基(n-ペンチル基等)、-C6H13基(n-ヘキシル基等)、-C8H17基(n-オクチル基等)、-C10H21基(n-デシル基等)、-C11H23基(n-ウンデシル基等)、-C12H25基(n-ドデシル基等)、-C14H29基(n-テトラデシル基等)、-C16H33基(n-ヘキサデシル基等)、-C18H37基(n-オクタデシル基等)、メトキシメチル基、メトキシエチル基、アリル基、フェニル基、ベンジル基などが挙げられる。
PXXXY型の有機ホスホニウムカチオンについて、R2~R4としてはメチル基、エチル基、-C3H7基(プロピル基又はイソプロピル基)、-C4H9基(ブチル基、t-ブチル基等)、フェニル基、ベンジル基などが挙げられる。
式(B)で表されるカチオンとしては、メチル-トリ-n-ブチルホスホニウム、t-ブチル-トリメチルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
チアゾリウム塩又はその誘導体としては、チアゾール、又はその置換体(メチルチアゾール、ジメチルチアゾール、ベンズチアゾール等)のチアゾール環が有する窒素原子を第四級化又はプロトン化して得られる有機カチオンとハロゲン化物イオンとの塩が挙げられる。オキサゾリウム塩又はその誘導体としては、オキサゾール、又はその置換体(メチルオキサゾール、ジメチルオキサゾール、ベンズオキサゾール等)のオキサゾール環が有する窒素原子を第四級化又はプロトン化して得られる有機カチオンとハロゲン化物イオンとの塩が挙げられる。
ハロゲン化物塩に含まれるハロゲン化物イオンとしては特に限定されず、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、及びヨウ化物イオンのいずれであってもよいが、臭化物イオン又はヨウ化物イオンが好ましい。ハロゲン化物塩に含まれるハロゲン化物イオンは、一種のイオンであっても、2種以上であってもよい。
電解質組成物において、上記ハロゲン化物塩由来のハロゲン化物イオンとヨウ素分子とが結合してヨウ素を含むポリハロゲン化物イオンが形成されていると考えられる。ポリハロゲン化物イオンは、例えば、一般式[XnI2m]n-で記載することができるものである(Xはハロゲン化物塩に含まれるハロゲン化物イオン由来のハロゲンであり、n及びmはそれぞれポリハロゲン化物イオンを形成するハロゲン化物イオン及びヨウ素分子の個数を表す)。例えば、ハロゲン化物塩としてヨウ化物塩又は臭化物塩を使用した場合は、ポリハロゲン化物イオンとしてI3
-、I5
-、I8
2-、BrI2
-等が生じると考えられる。そのため、本実施形態の電解質組成物は、上記ハロゲン化物塩に由来するカチオンと、ヨウ素を含むポリハロゲン化物アニオンと、を含むものであると言える。
本実施形態の電解質組成物において、ヨウ化物イオンが電解質中を移動し、イオン移動が発生し、比較的高い電導度を有すると考えられる。また、電解質組成物中に生じるポリハロゲン化物イオンの具体的な組成及び量は添加するヨウ素分子の量などに依存すると考えられるため、用途に応じて電解質組成物の電導度を適宜調整することも容易である。
電解質組成物におけるハロゲン原子の含有量(分子状ヨウ素含まれるヨウ素原子及びハロゲン化物塩に含まれるハロゲン化物イオンの合計、ポリハロゲン化物イオンに含まれるハロゲン原子の総数、又は電解質組成物に含まれる全ハロゲン原子から、有機カチオンの化学構造内で共有結合しているハロゲン原子を除いたもの)は、有機カチオンに対するハロゲン原子のモル比が1より大きく、20以下であると好ましく、2~18であるとより好ましく、2~15であると更に好ましく、3~13であると特に好ましい。
特にハロゲン化物塩のハロゲンがヨウ素である場合は、電解質組成物におけるハロゲンの含有量は、電解質組成物の総量に対して電解質組成物中に存在するヨウ素をヨウ素原子換算した場合に、50~98質量%であると好ましく、60~95質量%であるとより好ましく、80~95質量%であると更に好ましい。
特にハロゲン化塩のハロゲンがヨウ素以外の場合は、電解質組成物におけるハロゲンの含有量は、電解質組成物の総量に対して電解質組成物中に存在するハロゲンをハロゲン原子換算した場合に、40~95質量%であると好ましく、50~90質量%であるとより好ましく、60~90質量%であるとさらに好ましい。
電解質組成物に存在する有機カチオン及びヨウ素(ヨウ素原子換算)の合計量は、電解質組成物の総量に対して90質量%以上であると好ましく、95質量%以上であるとより好ましく、98質量%以上であると更に好ましい。
本実施形態の電解質組成物を製造する方法は、特に限定されず、上記ハロゲン化物塩と、分子状ヨウ素とを混合する工程を備えるものであればよい。混合の方法としては特に限定されず、例えば、上記ハロゲン化物塩と、分子状ヨウ素とを容器内に投入し、撹拌等を行う方法であってよい。混合の際に溶媒を使用してもよいが、溶媒を使用しないことが好ましい。上記ハロゲン化物塩及び分子状ヨウ素の配合量は、適宜調整することができる。例えば、分子状ヨウ素(I2)の添加量は、ハロゲン化物塩が有する有機カチオン1モルに対して0モルより大きく、10モル以下であってよく、0.1~9モルであってよく、0.5~8モルであってよく、1~6モルであってよい。また、例えば、分子状ヨウ素(I2)の添加量は、ハロゲン化物塩が有するハロゲン化物イオン1モルに対して0モルより大きく、10モル以下であってよく、0.1~9モルであってよく、0.5~8モルであってよく、1~6モルであってよい。
本実施形態の電解質組成物は、電導度と難燃性を両立できるため、様々な用途に応用可能である。そのような用途としては、例えば、電池、キャパシタ、色素増感太陽電池等の電気化学素子の(非水)電解質、帯電防止剤等が挙げられる。また、ヨウ素は触媒としても機能するため、化学反応を行う際の反応場としても有用である。
電気化学素子の非水電解質として使用する場合、溶媒を含んでいてもよいが、溶媒を含まないほうが電位窓を広くすることができるため、好ましい。また、溶媒を使用しないことにより、溶媒の揮発、分解等による気体の発生を防止することができ、安全性の高い電気化学素子を提供することができる。例えば、リチウムイオン電池の電解質として使用する場合、電解質組成物に、LiPF6、LiBF4、LiI、LiN(SO2F)2、LiN(SO2CF3)2等のリチウムイオンを含む電解質と混合して非水電解質としてもよい。また、電解質組成物には、ハロゲン化物イオン以外のアニオンを含む電解質を添加してもよい。ハロゲン化物イオン以外のアニオンとしては、BF4
-、PF6
-、[N(SO2F)2]-、[N(SO2CF3)2]-等が挙げられ、そのようなアニオンを含む塩のカチオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン等の金属イオン、上述した有機カチオンであってよい。
本発明者らが鋭意検討したところによれば、電解質組成物の電導度Y(単位は例えば、mS/cm)は、電解質組成物を製造する際の分子状ヨウ素の添加量Xに対して指数関数的に変化することが判明した。なお、Xは、分子状ヨウ素とハロゲン化物塩との合計質量に対する分子状ヨウ素の質量比(質量%)であり、0以上である。そのため、本実施形態の電解質組成物の製造方法は、所望の電導度が得られるように分子状ヨウ素の添加量を調整する工程を備えていてもよい。YとXの関係は、予めヨウ素の添加量を変化させて調製した電解質組成物を複数用意し、当該電解質組成物の電導度の測定を行ってYとXとの関係式を求めることによって得られる。例えば、本発明者らが予備的に行った実験によれば、電導度YとXとの関係は、Y=AeBX(A及びBは係数であり、eは自然対数の底である。Aは約0.0064、Bは約9.9465である。また、Yの単位は、mS/cmであり、Xの単位は質量%である。)で表される。
(実施例1)
ヨウ化1-アリル-3-メチルイミダゾリウム(AMImIとも呼ぶ)と、AMImI1モルに対して、2モルの分子状ヨウ素(I2)を秤量した。これらを容器内で混合し、薬さじで撹拌したところ、室温(25℃)で液体の電解質組成物が得られた。電解質組成物における、有機カチオンに対するヨウ素原子(AMImIのヨウ化物イオンと、添加した分子状ヨウ素におけるヨウ素原子との総和)のモル比は5である。
ヨウ化1-アリル-3-メチルイミダゾリウム(AMImIとも呼ぶ)と、AMImI1モルに対して、2モルの分子状ヨウ素(I2)を秤量した。これらを容器内で混合し、薬さじで撹拌したところ、室温(25℃)で液体の電解質組成物が得られた。電解質組成物における、有機カチオンに対するヨウ素原子(AMImIのヨウ化物イオンと、添加した分子状ヨウ素におけるヨウ素原子との総和)のモル比は5である。
(電導度の測定)
得られた電解質組成物について、以下のとおり電導度を測定した。すなわち、ペルチェ恒温器(型式:VPE35-5-20TS, VICS)の中に深共晶溶媒が入ったガラスセルを入れて、温度20℃で一定として、電導度計(型式:メトラー・トレド製 セブンエクセレンス導電率メーターS470)を差し込んで伝導度を測定した。結果を表1に示す。
得られた電解質組成物について、以下のとおり電導度を測定した。すなわち、ペルチェ恒温器(型式:VPE35-5-20TS, VICS)の中に深共晶溶媒が入ったガラスセルを入れて、温度20℃で一定として、電導度計(型式:メトラー・トレド製 セブンエクセレンス導電率メーターS470)を差し込んで伝導度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2~11)
表1及び表2に示すように有機カチオンのハロゲン化物塩及び分子状ヨウ素の添加量を変更した以外は、実施例1と同様に電解質組成物を製造し、電導度を測定した。結果を表1及び表2に示す。なお、実施例1~11の電解質組成物は、いずれも室温(25℃)で液状であった。
なお、表1中の略号及び項目は以下のとおりである。
C2MImI:ヨウ化1-エチル-3-メチルイミダゾリウム
Pyrr13I:ヨウ化1-メチル-1-プロピルピロリジニウム
AEImI:ヨウ化1-アリル-3-エチルイミダゾリウム
C4MImI:ヨウ化1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム
C12MImI:ヨウ化1-ドデカン-3-メチルイミダゾリウム
P1444I:ヨウ化-トリブチル-メチルホスホニウム
C4MImBr:臭化1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム
Pyrr13Br:臭化1-メチル-1-プロピルピロリジニウム
ハロゲン原子数:電解質組成物における、有機カチオンの総数に対するハロゲン原子の総数(ハロゲン化物塩に含まれるハロゲン化物イオン及びヨウ素分子に含まれるヨウ素原子の総和)
ヨウ素原子数:電解質組成物における、有機カチオンの総数に対するヨウ素原子の総数(ヨウ化物塩に含まれるヨウ化物イオン及びヨウ素分子に含まれるヨウ素原子の総和)
ハロゲン含量:電解質組成物の全量に対するハロゲン原子(ハロゲン化物塩に含まれるハロゲン化物イオン及びヨウ素分子に含まれるヨウ素原子の総和)の含有量(質量%)
表1及び表2に示すように有機カチオンのハロゲン化物塩及び分子状ヨウ素の添加量を変更した以外は、実施例1と同様に電解質組成物を製造し、電導度を測定した。結果を表1及び表2に示す。なお、実施例1~11の電解質組成物は、いずれも室温(25℃)で液状であった。
なお、表1中の略号及び項目は以下のとおりである。
C2MImI:ヨウ化1-エチル-3-メチルイミダゾリウム
Pyrr13I:ヨウ化1-メチル-1-プロピルピロリジニウム
AEImI:ヨウ化1-アリル-3-エチルイミダゾリウム
C4MImI:ヨウ化1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム
C12MImI:ヨウ化1-ドデカン-3-メチルイミダゾリウム
P1444I:ヨウ化-トリブチル-メチルホスホニウム
C4MImBr:臭化1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム
Pyrr13Br:臭化1-メチル-1-プロピルピロリジニウム
ハロゲン原子数:電解質組成物における、有機カチオンの総数に対するハロゲン原子の総数(ハロゲン化物塩に含まれるハロゲン化物イオン及びヨウ素分子に含まれるヨウ素原子の総和)
ヨウ素原子数:電解質組成物における、有機カチオンの総数に対するヨウ素原子の総数(ヨウ化物塩に含まれるヨウ化物イオン及びヨウ素分子に含まれるヨウ素原子の総和)
ハロゲン含量:電解質組成物の全量に対するハロゲン原子(ハロゲン化物塩に含まれるハロゲン化物イオン及びヨウ素分子に含まれるヨウ素原子の総和)の含有量(質量%)
(比較例1)
比較例1として、AEImIに分子状ヨウ素を添加しないで電導度を測定した。結果を表1に示す。
比較例1として、AEImIに分子状ヨウ素を添加しないで電導度を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例2として、分子状ヨウ素の電導度を測定した。結果を表1に示す。
比較例2として、分子状ヨウ素の電導度を測定した。結果を表1に示す。
Claims (11)
- 複素環を有する有機カチオンのハロゲン化物塩と、分子状ヨウ素とを混合してなる、電解質組成物。
- 前記電解質組成物における前記有機カチオンのモル数に対する、前記分子状ヨウ素含まれるヨウ素原子及び前記ハロゲン化物塩に含まれるハロゲン化物イオンの合計のモル数の比が1より大きく、20以下である、請求項1に記載の電解質組成物。
- 前記塩及び分子状ヨウ素のいずれの融点よりも低い融点を有する、請求項1又は2に記載の電解質組成物。
- 前記複素環が環員として窒素族元素、及び酸素族元素の少なくとも一方を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の電解質組成物。
- 前記有機カチオンが、イミダゾリウムカチオン又はその誘導体、ピロリジニウムカチオン又はその誘導体、及びピリジニウムカチオン又はその誘導体の少なくとも一種を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の電解質組成物。
- 前記塩が、臭化物イオン及びヨウ化物イオンの少なくとも一方を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の電解質組成物。
- 複素環を有する有機カチオンと、ヨウ素を含むポリハロゲン化物アニオンと、を含む、電解質組成物。
- 第四級有機ホスホニウムカチオンのハロゲン化物塩と、分子状ヨウ素とを混合してなる、電解質組成物。
- 40℃以下の融点を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の電解質組成物。
- 請求項1~9のいずれか一項に記載の電解質組成物を含む、非水電解質。
- 複素環を有する有機カチオンのハロゲン化物塩と、分子状ヨウ素とを混合する工程を備える、電解質組成物の製造方法。
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