JP2023014551A - タブリード及びその製造方法並びにタブリードを含むラミネート型の電池又はキャパシタ - Google Patents
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Abstract
【課題】リード導体の厚さが大きくなった場合でも、リード導体とその周囲に配置された絶縁部との密閉に優れたタブリードを提供する。【解決手段】帯状のリード導体と、リード導体の縦方向の両端部を含む領域を除く、前記縦方向の一部の領域の外周を覆うように配置された樹脂部と、を備えるタブリードであって、リード導体において、樹脂部が配置される幅方向の部分の厚さが、その他の部分の厚さより小さい、タブリード。【選択図】 図2
Description
本発明は、タブリード及びその製造方法並びにタブリードを含むラミネート型の電池又はキャパシタに関する。
タブリードは、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタ等に使用されるセル内部から電気を取り出すためのリード線である。近年、リチウムイオン電池及びキャパシタは、電気自動車、ハイブリッド車等のバッテリー容量の大型化及び出力の増大が要求され、電池寸法が大型化の傾向にあり、それにともなって電池に用いられる帯状のリード導体も大型化してきている。
特許文献1には、特定の表面処理が施され、特定の抗張力を有するアルミニウム箔からなる長方形状の平形導体の両面から、該平形導体の縦方向の両端側が露出され幅方向の両端の一部を覆って外方にはみ出るように、絶縁樹脂フィルムが貼り合わされたタブリード;及び正極板と負極板とをセパレータを介して積層した積層電極群と電解液を、金属箔を含む多層フィルムからなる封入体に収納した電池であって、前記タブリードを前記正極板又は前記負極板に接続して前記封入体から取り出し、前記タブリードが前記封入体と接する箇所が密閉されている電池が開示されている。
特許文献1のタブリードでは、長方形状の平形導体の両面から、幅方向の両端の一部を覆って外方にはみ出るように、絶縁樹脂フィルムが貼り合わされているが、平形導体が大型化し、その厚さが大きくなると、平形導体の幅方向の両端部の絶縁樹脂フィルムによる密閉が不十分となる問題があった。
本発明は、リード導体の厚さが大きくなった場合でも、リード導体とその周囲に配置された絶縁部との密閉に優れたタブリードを提供することを目的とする。
本発明者らは、タブリードのリード導体の形状に着目し、鋭意検討した結果、リード導体を特定の形状とすることにより、リード導体とその周囲に配置された樹脂部との密閉に優れたタブリードとすることができることを見出した。
本発明は、以下の[1]~[7]に関する。
[1]帯状のリード導体と、リード導体の縦方向の両端部を含む領域を除く、前記縦方向の一部の領域の外周を覆うように配置された樹脂部と、を備えるタブリードであって、リード導体において、樹脂部が配置される幅方向の部分の厚さが、その他の部分の厚さより小さい、タブリード。
[2]リード導体の2つの厚さ方向の形状がR形状を有する、[1]に記載のタブリード。
[3]リード導体の前記外周の2つの幅方向を覆うように配置される樹脂部の厚さが100~500μmである、[1]又は[2]に記載のタブリード。
[4]前記樹脂部は、リード導体上に金属接着層及び絶縁層の順に配置される、[1]~[3]のいずれか一つに記載のタブリード。
[5]ラミネート型の電池又はキャパシタ用である、[1]~[4]のいずれか一つに記載のタブリード。
[6]帯状のリード導体を金型に設置する工程、及び金型内に樹脂部を構成する樹脂組成物を射出する工程を含む、[1]~[5]のいずれか一つに記載のタブリードの製造方法。
[7][1]~[5]のいずれか一つに記載のタブリードを、リード導体の縦方向の両端部の少なくとも一方が外部に露出するように、外装材に封入したラミネート型の電池又はキャパシタであって、前記外装材は、少なくとも金属箔層及びヒートシール層を積層した多層フィルムについて、ヒートシール層同士を接着させて袋状としたものであり、前記外装材の開放部において、前記ヒートシール層とタブリードの樹脂部とを熱融着させることにより、前記タブリードと前記外装材との接触箇所が密閉されている、ラミネート型の電池又はキャパシタ。
[1]帯状のリード導体と、リード導体の縦方向の両端部を含む領域を除く、前記縦方向の一部の領域の外周を覆うように配置された樹脂部と、を備えるタブリードであって、リード導体において、樹脂部が配置される幅方向の部分の厚さが、その他の部分の厚さより小さい、タブリード。
[2]リード導体の2つの厚さ方向の形状がR形状を有する、[1]に記載のタブリード。
[3]リード導体の前記外周の2つの幅方向を覆うように配置される樹脂部の厚さが100~500μmである、[1]又は[2]に記載のタブリード。
[4]前記樹脂部は、リード導体上に金属接着層及び絶縁層の順に配置される、[1]~[3]のいずれか一つに記載のタブリード。
[5]ラミネート型の電池又はキャパシタ用である、[1]~[4]のいずれか一つに記載のタブリード。
[6]帯状のリード導体を金型に設置する工程、及び金型内に樹脂部を構成する樹脂組成物を射出する工程を含む、[1]~[5]のいずれか一つに記載のタブリードの製造方法。
[7][1]~[5]のいずれか一つに記載のタブリードを、リード導体の縦方向の両端部の少なくとも一方が外部に露出するように、外装材に封入したラミネート型の電池又はキャパシタであって、前記外装材は、少なくとも金属箔層及びヒートシール層を積層した多層フィルムについて、ヒートシール層同士を接着させて袋状としたものであり、前記外装材の開放部において、前記ヒートシール層とタブリードの樹脂部とを熱融着させることにより、前記タブリードと前記外装材との接触箇所が密閉されている、ラミネート型の電池又はキャパシタ。
本発明によれば、リード導体の厚さが大きくなった場合でも、リード導体とその周囲に配置された絶縁部との密閉に優れたタブリードを提供することができる。
図1は、本発明のタブリードの使用形態の一例を示す図である。ラミネート型の電池又はキャパシタは、正極板及び負極板を、セパレータを介して積層した積層電極群と電解液(いずれも図示せず)とを、少なくとも金属箔層及びヒートシール層を積層した多層フィルムからなる外装材3に封入し、正極板に接続したタブリード9、負極板に接続したタブリード10を、絶縁性を有する樹脂部(図示せず)を介して外装材3のヒートシール層により密閉封止した状態で取り出して構成される。リード導体1の縦方向の一方の端部は、外装材3から外側に露出され外部装置等への接続端子とされ、他方の端部は、外装材3内で電池の電極板リードとの接続部とされる。なお、リード導体の縦方向とは、外部装置等への接続端子とするために外装材から外側に露出されるリード導体の方向を意味する。リード導体の厚さ方向とは、リード導体の縦方向に対して垂直であり、厚さが最も小さい方向を意味し、リード導体の幅方向とは、リード導体の縦方向に対して垂直であり、厚さ方向ではない方向を意味する。
外装材3は、ラミネート型電池又はキャパシタの外装ケースとなるものである。外装材3に用いる多層フィルムは、少なくとも金属箔層及びヒートシール層を積層したものである。多層フィルムは、金属箔層のヒートシール層とは反対側の面に、保護層を有していてもよい。外装材3は、例えば、長方形の2枚の多層フィルムの周辺のヒートシール層同士を、熱溶着により接着することにより袋状に密閉される。タブリード9及び10には、絶縁樹脂フィルム2等の樹脂部が予め接合されている。この樹脂部と多層フィルムのヒートシール層とが熱融着されてタブリード9及び10と多層フィルムとが密閉される。
図2は、本発明のタブリードの一実施形態について、タブリードを縦方向に平行な面で切断したときの断面図である。図3は、図2のタブリードを上方から見た模式図であり、図4は、図2のタブリードについて、絶縁樹脂フィルムが設けられた部分を幅方向に平行な面で切断したときの断面図である。図5は、図2のタブリードを外装材に封入したラミネート型電池について、絶縁樹脂フィルムが設けられた部分を幅方向に平行な面で切断したときの断面図である。
図6は、従来のタブリードについて、タブリードを縦方向に平行な面で切断したときの断面図である。図7は、図6のタブリードについて、絶縁樹脂フィルムが設けられた部分を幅方向に平行な面で切断したときの断面図である。
図6は、従来のタブリードについて、タブリードを縦方向に平行な面で切断したときの断面図である。図7は、図6のタブリードについて、絶縁樹脂フィルムが設けられた部分を幅方向に平行な面で切断したときの断面図である。
図2~図5に示す本発明のタブリードでは、リード導体の絶縁樹脂フィルムを貼り合わせる部分に凹み部を設けており、リード導体上の2枚の絶縁樹脂フィルムを設けた部分の厚さが、リード導体に凹み部を設けない従来のタブリードに比べ小さくなり、絶縁樹脂フィルムがリード導体の厚さに追随しやすくなり、リード導体の幅方向の両端部の密閉が達成される。図7に示すとおり、従来のタブリードでは、リード導体上の2枚の絶縁樹脂フィルムを設けた部分の厚さが大きくなり、絶縁樹脂フィルムがリード導体の厚さに追随できず、リード導体の幅方向の両端部に空隙5が発生する。リード導体の厚さが大きくなった場合、空隙5の発生は顕著となるが、そうした場合でも、本発明のタブリードでは、空隙が発生することなく、リード導体の幅方向の両端部の密閉が良好である。
凹み部を設けたリード導体は、成形加工により製造することができる。また、凹み部のない帯状の成形体を厚さ方向に圧縮加工又は切削加工して、凹み部を設けたリード導体を製造してもよい。前記凹み部は、リード導体の2つの幅方向のうちの一方のみに設けられていてもよく、両方に設けられていてもよいが、両方に設けられていることが好ましい。凹み部がリード導体の2つの幅方向の両方に設けられている場合、その凹み部の厚さ方向の長さは、互いに同じであっても異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
凹み部を設けたリード導体は、成形加工により製造することができる。また、凹み部のない帯状の成形体を厚さ方向に圧縮加工又は切削加工して、凹み部を設けたリード導体を製造してもよい。前記凹み部は、リード導体の2つの幅方向のうちの一方のみに設けられていてもよく、両方に設けられていてもよいが、両方に設けられていることが好ましい。凹み部がリード導体の2つの幅方向の両方に設けられている場合、その凹み部の厚さ方向の長さは、互いに同じであっても異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
本発明において、リード導体1は、高い電位がかかった場合でも、電解液に溶解しない金属材である。例えば、正極用のリード導体としては、アルミニウムを挙げることができ、負極用のリード導体としては、ニッケルメッキ銅、ニッケルもしくはこれらの合金又はアルミニウムを挙げることができる。これらの金属材に腐食防止の表面処理を施す場合、クロメート処理等が実施される。
帯状のリード導体1は、電池又はキャパシタの形状及び容量により異なるが、厚さが0.05mm~1.0mmであることが好ましく、より好ましくは0.08mm~1.0mmである。電気自動車等のバッテリー容量の大きいものについては、リード導体1の厚さは、0.2mm~1.0mmであることが好ましい。また、リード導体1の縦方向は。10mm~60mmであることが好ましく、幅方向は、15mm~100mmであることが好ましく、縦方向より幅方向の方が大きい場合もある。
リード導体において、樹脂部が配置される幅方向の部分の厚さは、その他の部分の厚さの10%以上90%以下であることが好ましく、10%以上50%以下であることがより好ましく、10%以上25%以下であることがさらに好ましい。また、リード導体の樹脂部が配置される部分の厚さは、100μm以上であることが好ましく、200μm以上であることがより好ましい。上記範囲とすることにより、リード導体の幅方向の両端部における絶縁樹脂フィルムによる密閉が達成しやすくなる。
リード導体1の2つの厚さ方向の形状は、R形状、具体的には、外部に向かってR形状を有することが好ましい。リード導体がこのような形状を有することにより、リード導体1の幅方向の両端部における空隙5の発生をより一層抑制することができる。
図8は、本発明のタブリードの別の実施形態であって、樹脂部を射出成形により設けた場合について、樹脂部が設けられた部分を幅方向に平行な面で切断したときの断面図である。樹脂部を絶縁樹脂フィルムの代わりに射出成形により設けた場合も同様に、リード導体の幅方向の両端部における樹脂部による密閉が達成される。
樹脂部は、帯状のリード導体1の縦方向の両端部を含む領域を除く、前記縦方向の一部の領域の外周を覆うように配置される。樹脂部は、リード導体1と外装材3を構成する多層フィルム中の金属箔層とを絶縁する機能を有する。絶縁樹脂フィルムを用いる場合、該フィルム全体が樹脂部となる。リード導体1と外装材3を構成する多層フィルム中の金属箔層との間の絶縁を確保する観点から、樹脂部の厚さは100~500μmであることが好ましく、100~300μmであることがより好ましく、100~200μmであることがさらに好ましい。樹脂部の厚さが100μm未満であると、リード導体1と多層フィルム中の金属箔層との間の絶縁性が得られにくい。樹脂部の厚さが500μmを超えると、タブリードの樹脂部の幅方向の両端部と外装材との封止性能に欠陥を生じ易くなる。
リード導体との接着性及びリード導体と多層フィルム中の金属箔層との絶縁性の両立の観点から、樹脂部は、リード導体上に金属接着層及び絶縁層の順に配置されることが好ましい。金属接着層は、リード導体との接着性及びリード導体界面における密閉性を確保することを目的とする層であり、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂を無水マレイン酸等で変性した変性ポリオレフィン樹脂;アイオノマー、ポリオレフィン樹脂に極性基をグラフトした機能性ポリオレフィン樹脂等を例示することができる。絶縁層は、リード導体と外装材を構成する多層フィルム中の金属箔層との間の絶縁性の向上、及び多層フィルム中のヒートシール層との接着性の確保を目的とする層であり、通常、金属接着層よりも高融点の樹脂が用いられる。絶縁層の例としては、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、エチレン-α―オレフィン共重合体等のポリオレフィン樹脂、オレフィン系エラストマー、架橋ポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。金属接着層及び絶縁層は、それぞれ、顔料、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含んでいてもよい。
樹脂部における金属接着層及び絶縁層の厚さは、厚さの合計が100~500μmとなるように適宜選択される。金属接着層の厚さは、5~100μmであることが好ましく、5~50μmであることがより好ましく、10~30μmであることがさらに好ましく、10~20μmであることが特に好ましい。絶縁層の厚さは、95~400μmであることが好ましく、100~300μmであることがより好ましく、100~200μmであることがさらに好ましい。
樹脂部の形成方法としては、図2~4に示すとおり、リード導体1の幅方向の両面に、絶縁樹脂フィルムを貼り合わせる方法;図8に示すとおり、リード導体1を金型に設置し、金型内に樹脂部4を構成する樹脂組成物を射出成形する方法等を挙げることができる。
タブリードを、絶縁樹脂フィルムを用いて製造する場合、図2及び4に示すとおり、絶縁樹脂フィルム2は、リード導体1の厚さが薄くなった部分を覆うように、両面の位置を合わせて貼り合わされる。絶縁樹脂フィルム2は、リード導体1の縦方向より短く、リード導体1の幅方向より広いものが用いられ、その幅方向の両端から外方に多少はみ出るようにして貼り合わされる。絶縁樹脂フィルムは、少なくとも金属接着層及び絶縁層の2層から構成されることが好ましい。この場合、加熱溶融等により、金属接着層がリード導体1と接着し、絶縁層が外装材を形成するヒートシール層と接着する。絶縁層として、金属接着層よりも高融点の樹脂を用いることによって、金属接着層とリード導体との接着時に、絶縁層は溶融せず、形状を保持することができる。その後、絶縁層を、外装材を形成する多層フィルム中のヒートシール層と接着させることにより、リード導体と外装材中の金属箔層との絶縁を確保することができる。
タブリードを射出成形により製造する場合、リード導体を金型に設置する工程、及び金型内に樹脂部を構成する樹脂組成物を射出する工程を含む方法により製造することができる。樹脂部が金属接着層及び絶縁層の2層から構成される場合、帯状のリード導体を金属接着層用の第一の金型に設置する工程、第一の金型内に金属接着層を構成する第一の樹脂組成物を射出して第一の成形品を得る工程、第一の成形品を絶縁層用の第二の金型に設置する工程、及び第二の金型内に絶縁層を構成する第二の樹脂組成物を射出する工程を含む製造方法により、タブリードを製造することができる。
なかでも、射出成形による方法は、樹脂部の形状の自由度が大きく、タブリードを外装材に封入したラミネート型電池又はキャパシタとした場合に、樹脂部の幅方向の両端部と外装材との密閉性を考慮して、樹脂部の形状を調整することができ、好ましい。
例えば、図8に示すとおり、樹脂部が、リード導体の外周の2つの幅方向を覆うように配置され、厚さが好ましくは100~500μmである第一の樹脂部4aと;リード導体の外周の2つの厚さ方向を覆うように配置され、厚さが第一の樹脂部の厚さよりも大きい、第二の樹脂部4bと;第一の樹脂部及び第二の樹脂部をそれぞれ連結する、4つの部分からなる第三の樹脂部4cと、を含み、第二の樹脂部4b及び第三の樹脂部4cの少なくとも一部、好ましくはその全体が外部に凸形状を有するように、前記樹脂部を形成することにより、リード導体とその周囲に配置された樹脂部との密閉だけでなく、タブリードの該樹脂部の幅方向の両端部と外装材との密閉にも優れたラミネート型電池又はキャパシタとすることができる。樹脂部が金属接着層及び絶縁層の2層から構成される場合、第二の樹脂部4b及び第三の樹脂部4cにおける金属接着層及び絶縁層の厚さは、その厚さの比が第一の樹脂部4aにおける金属接着層及び絶縁層の厚さの比と近似した値になるように、選択される。
例えば、図8に示すとおり、樹脂部が、リード導体の外周の2つの幅方向を覆うように配置され、厚さが好ましくは100~500μmである第一の樹脂部4aと;リード導体の外周の2つの厚さ方向を覆うように配置され、厚さが第一の樹脂部の厚さよりも大きい、第二の樹脂部4bと;第一の樹脂部及び第二の樹脂部をそれぞれ連結する、4つの部分からなる第三の樹脂部4cと、を含み、第二の樹脂部4b及び第三の樹脂部4cの少なくとも一部、好ましくはその全体が外部に凸形状を有するように、前記樹脂部を形成することにより、リード導体とその周囲に配置された樹脂部との密閉だけでなく、タブリードの該樹脂部の幅方向の両端部と外装材との密閉にも優れたラミネート型電池又はキャパシタとすることができる。樹脂部が金属接着層及び絶縁層の2層から構成される場合、第二の樹脂部4b及び第三の樹脂部4cにおける金属接着層及び絶縁層の厚さは、その厚さの比が第一の樹脂部4aにおける金属接着層及び絶縁層の厚さの比と近似した値になるように、選択される。
外装材3を形成する多層フィルム中のヒートシール層は、電解液で溶解されずシール部から電解液が漏出するのを防止するのに適した樹脂が使用され、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-α―オレフィン共重合体等のポリオレフィン樹脂:エチレン-酢酸ビニル共重合体;ポリオレフィン樹脂を無水マレイン酸等で変性した変性ポリオレフィン樹脂;アイオノマー等を例示することができる。多層フィルム中の金属箔層は、アルミニウム、ニッケルメッキ銅、ニッケル、ステンレス等の金属箔が用いられ、外部環境からの水分侵入に対するバリヤー性を高めている。多層フィルムが保護層を有している場合、該保護層の例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。ヒートシール層及び保護層は、それぞれ、顔料、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含んでいてもよい。
[タブリードの用途]
本発明のタブリードは、リード導体の厚さが大きくなった場合でも、リード導体とその周囲に配置された絶縁部との密閉に優れている。タブリードは、高容量及び高出力のラミネート型の電池及びキャパシタ、特に、リチウムイオン電池及びリチウムイオンキャパシタに好適に使用することができる。
本発明のタブリードは、リード導体の厚さが大きくなった場合でも、リード導体とその周囲に配置された絶縁部との密閉に優れている。タブリードは、高容量及び高出力のラミネート型の電池及びキャパシタ、特に、リチウムイオン電池及びリチウムイオンキャパシタに好適に使用することができる。
本発明のタブリードは、ラミネート型のリチウムイオン電池及びリチウムイオンキャパシタに好適に使用することができる。
1 リード導体
2 樹脂部(絶縁樹脂フィルム)
3 外装材(多層フィルム)
4 樹脂部
4a 第一の樹脂部
4b 第二の樹脂部
4c 第三の樹脂部
5 空隙
9 正極側のタブリード
10 負極側のタブリード
2 樹脂部(絶縁樹脂フィルム)
3 外装材(多層フィルム)
4 樹脂部
4a 第一の樹脂部
4b 第二の樹脂部
4c 第三の樹脂部
5 空隙
9 正極側のタブリード
10 負極側のタブリード
Claims (7)
- 帯状のリード導体と、
リード導体の縦方向の両端部を含む領域を除く、前記縦方向の一部の領域の外周を覆うように配置された樹脂部と、を備えるタブリードであって、
リード導体において、樹脂部が配置される幅方向の部分の厚さが、その他の部分の厚さより小さい、タブリード。 - リード導体の2つの厚さ方向の形状がR形状を有する、請求項1に記載のタブリード。
- リード導体の前記外周の2つの幅方向を覆うように配置される樹脂部の厚さが100~500μmである、請求項1又は2に記載のタブリード。
- 前記樹脂部は、リード導体上に金属接着層及び絶縁層の順に配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のタブリード。
- ラミネート型の電池又はキャパシタ用である、請求項1~4のいずれか一項に記載のタブリード。
- 帯状のリード導体を金型に設置する工程、及び金型内に樹脂部を構成する樹脂組成物を射出する工程を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のタブリードの製造方法。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載のタブリードを、リード導体の縦方向の両端部の少なくとも一方が外部に露出するように、外装材に封入したラミネート型の電池又はキャパシタであって、
前記外装材は、少なくとも金属箔層及びヒートシール層を積層した多層フィルムについて、ヒートシール層同士を接着させて袋状としたものであり、
前記外装材の開放部において、前記ヒートシール層とタブリードの樹脂部とを熱融着させることにより、前記タブリードと前記外装材との接触箇所が密閉されている、ラミネート型の電池又はキャパシタ。
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