JP2023013640A - 有機性排水の処理方法および有機性排水の処理装置 - Google Patents

有機性排水の処理方法および有機性排水の処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機性排水の生物処理の後段で膜分離を行う処理において、高い処理効率を維持しながら安定した膜による固液分離を行うことができる有機性排水の処理方法および有機性排水の処理装置を提供する。【解決手段】担体44を備える反応槽12により、好気条件で有機性排水を生物処理し、その生物処理水中のSS成分を膜分離する有機性排水の処理方法であって、反応槽12に流入する有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、反応槽12内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ有機性排水のBOD:窒素の重量比で1~3となるように、反応槽12に窒素源を添加して、生物処理を行う、有機性排水の処理方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、有機性排水の処理方法および有機性排水の処理装置に関する。
有機性排水の処理には一般的に活性汚泥法による生物処理が用いられているが、BOD容積負荷は0.5~1.0kg/m/day程度であるため、広い敷地面積が必要である。一方、担体を用いる生物処理法は、BOD容積負荷1.5kg/m/day以上の高負荷化が可能であり、敷地面積を削減することができる。
特許文献1に示されるように、担体を用いる流動床式生物処理法の処理水に対する固液分離方法として膜分離法が提案されている。精密ろ過膜(MF膜)や限外ろ過膜(UF膜)で汚泥の固液分離を行うことによって良好な処理水を得ることができる一方、BOD容積負荷を高く設定した高負荷処理では、汚泥が膜に付着し易く、安定運転に課題がある。
特開2013-208560号公報
本発明の目的は、有機性排水の生物処理の後段で膜分離を行う処理において、高い処理効率を維持しながら安定した膜による固液分離を行うことができる有機性排水の処理方法および有機性排水の処理装置を提供することにある。
本発明は、担体を備える反応槽により、好気条件で有機性排水を生物処理し、その生物処理水中のSS成分を膜分離する有機性排水の処理方法であって、前記反応槽に流入する前記有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、前記反応槽内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ前記有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるように、前記反応槽に窒素源を添加して、前記生物処理を行う、有機性排水の処理方法である。
前記有機性排水の処理方法において、前記反応槽内の溶解性リン濃度を0.1mg/L以上に維持して、前記生物処理を行うことが好ましい。
前記有機性排水の処理方法において、前記反応槽は、直列2段以上の反応槽から構成され、直列2段以上の反応槽のうちの少なくとも1つの反応槽において、前記反応槽に流入する前記有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、前記反応槽内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ前記有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるように、前記反応槽に窒素源を添加して、前記生物処理を行うことが好ましい。
前記有機性排水の処理方法において、前記反応槽は流動床式反応槽であり、前記反応槽のBOD容積負荷は1.5kg/m/day以上であることが好ましい。
本発明は、担体を備える反応槽により、好気条件で有機性排水を生物処理し、その生物処理水中のSS成分を膜分離する有機性排水の処理装置であって、前記反応槽に流入する前記有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、前記反応槽内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ前記有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるように、前記反応槽に窒素源を添加して、前記生物処理を行う、有機性排水の処理装置である。
前記有機性排水の処理装置において、前記反応槽内の溶解性リン濃度を0.1mg/L以上に維持して、前記生物処理を行うことが好ましい。
前記有機性排水の処理装置において、前記反応槽は、直列2段以上の反応槽から構成され、直列2段以上の反応槽のうちの少なくとも1つの反応槽において、前記反応槽に流入する前記有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、前記反応槽内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ前記有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるように、前記反応槽に窒素源を添加して、前記生物処理を行うことが好ましい。
前記有機性排水の処理装置において、前記反応槽は流動床式反応槽であり、前記反応槽のBOD容積負荷は1.5kg/m/day以上であることが好ましい。
本発明により、有機性排水の生物処理の後段で膜分離を行う処理において、高い処理効率を維持しながら安定した膜による固液分離を行うことができる有機性排水の処理方法および有機性排水の処理装置を提供することができる。
本実施形態に係る有機性排水の処理装置の構成の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る有機性排水の処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る有機性排水の処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。
図1に示す有機性排水の処理装置1は、担体44を備える反応槽12により、好気条件で有機性排水を生物処理し、その生物処理水中のSS成分を膜分離する有機性排水の処理装置である。処理装置1は、例えば、担体44を備え、好気条件で有機性排水を生物処理するための反応槽12と、生物処理で得られた生物処理水中のSS成分を膜分離する膜分離装置48と、反応槽12内の溶解性窒素濃度を検出する溶解性窒素濃度検出手段として、検出器20と、反応槽12に窒素源を添加する窒素源添加手段と、反応槽12に流入する有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、反応槽12内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるように、反応槽12への窒素源の添加を制御する制御手段として、制御装置16と、を備える。処理装置1は、反応槽12にリン源を添加するリン源添加手段を備えてもよい。
処理装置1は、原水である有機性排水を貯留する原水槽10と、生物処理水を貯留する生物処理水槽14と、窒素源を貯留する窒素源タンク26と、リン源を貯留するリン源タンク32と、を備えてもよい。処理装置1は、反応槽12内の溶解性リン濃度を検出する溶解性リン濃度検出手段として、検出器21を備えてもよい。処理装置1は、反応槽12に流入する有機性排水のBODを測定するBOD測定手段を備えてもよい。
図1に示す処理装置1において、原水槽10の原水出口には流入ライン22の一端が接続され、反応槽12の入口には流入ライン22の他端が接続されている。流入ライン22には原水ポンプ18が設置されている。流入ライン22における原水ポンプ18の下流側には窒素源添加ライン28の一端が接続され、窒素源タンク26には窒素源添加ライン28の他端が接続されている。流入ライン22における原水ポンプ18の下流側にはリン源添加ライン34の一端が接続され、リン源タンク32にはリン源添加ライン34の他端が接続されている。窒素源添加ライン28には窒素源添加ポンプ30が設置され、リン源添加ライン34にはリン源添加ポンプ36が設置されている。反応槽12の出口には生物処理水ライン24の一端が接続され、生物処理水槽14の入口には生物処理水ライン24の他端が接続されている。生物処理水槽14の出口には生物処理水ライン50の一端が接続され、膜分離装置48の入口には生物処理水ライン50の他端が接続されている。膜分離装置48の出口には処理水ライン52の一端が接続されている。窒素源タンク26、窒素源添加ライン28、窒素源添加ポンプ30等が、反応槽12に窒素源を添加する窒素源添加手段として機能し、リン源タンク32、リン源添加ライン34、リン源添加ポンプ36等が、反応槽12にリン源を添加するリン源添加手段として機能する。
制御装置16と、原水ポンプ18、窒素源添加ポンプ30、リン源添加ポンプ36、検出器20、検出器21とはそれぞれ、有線または無線の電気的接続等によって接続されている。
反応槽12内には、微生物を保持した担体44が充填されている。担体44は、特に限定されるものではないが、例えば、プラスチック製担体、スポンジ状担体、ゲル状担体等が挙げられる。
反応槽12内の底部には、空気等の酸素含有気体を供給する酸素含有気体供給手段として曝気装置46が設置されている。曝気装置46には、例えば、不図示のブロアが接続され、ブロアから供給される空気等の酸素含有気体が、曝気装置46から反応槽12内に供給される。
反応槽12には、反応槽12内の溶解性窒素濃度を検出する検出器20、反応槽12内の溶解性リン濃度を検出する検出器21が設置されている。検出器20、検出器21は、生物処理水槽14または生物処理水ライン24に設置されていてもよい。そして、生物処理水槽14または生物処理水ライン24において検出器20、検出器21により検出された生物処理水の溶解性窒素濃度や溶解性リン濃度を反応槽12内の溶解性窒素濃度や溶解性リン濃度としてもよい。なお、溶解性窒素は、例えば、窒素源添加手段から供給された窒素源由来の窒素、有機性排水中に当初から含まれていたアンモニア態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素等である。また、溶解性リンは、例えば、リン源添加手段から供給されたリン源由来のリン、有機性排水中に当初から含まれていたリン化合物等である。
制御装置16は、例えば、プログラムを演算するCPU、プログラムや演算結果を記憶するROMおよびRAMから構成されるマイクロコンピュータと電子回路等で構成され、ROM等に記憶された所定のプログラムを読み出し、当該プログラムを実行して、処理装置1の動作を制御する。制御装置16は、反応槽12に流入する有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、反応槽12内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるように、反応槽12への窒素源の添加を制御する機能を有する。制御装置16は、例えば、原水ポンプ18の稼働、停止を制御する。また、制御装置16は、例えば、有機性排水中のBODや検出器20により検出された溶解性窒素濃度等に基づいて、窒素源添加ポンプ30の稼働、停止や窒素源添加ライン28に設けられたバルブの開閉等を制御する。また、制御装置16は、例えば、検出器21により検出された溶解性リン濃度等に基づいて、リン源添加ポンプ36の稼働、停止やリン源添加ライン34に設けられたバルブの開閉等を制御する。
本実施形態に係る有機性排水の処理方法および処理装置1の動作について説明する。
処理装置1で処理される有機性排水、すなわち原水槽10内に投入される有機性排水は、有機物を含有する排水である。
制御装置16により、原水ポンプ18が稼働されると、原水槽10内の有機性排水が流入ライン22を通り、反応槽12に供給される。そして、曝気装置46から空気等の酸素含有気体が反応槽12に供給され、好気条件で、反応槽12内で有機性排水中の有機物が、担体44に付着した微生物等により生物処理される(生物処理工程)。反応槽12で処理された生物処理水は、生物処理水ライン24を通り生物処理水槽14に供給される。生物処理水槽14に貯留された生物処理水は、生物処理水ライン50を通り膜分離装置48に供給され、膜分離装置48においてSS成分等が膜分離される(膜分離工程)。膜分離処理された処理水は、処理水ライン52を通り排出される。
本発明者らが鋭意検討したところ、有機性排水の生物処理の後段で膜分離を行う処理において、反応槽12に流入する有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、反応槽12内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下の窒素枯渇状態に維持し、かつ有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるように、反応槽12に窒素源を添加して、生物処理を行うことによって、高い処理効率を維持しながら、生物処理水中のSS成分を膜分離する膜分離装置48において安定した膜による固液分離を行うことができることを見出した。有機物性排水の生物処理において後段の膜を用いた固液分離のろ過性能を向上させることができる。なお、本明細書において、有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満とは、有機性排水のBOD100重量部に対して窒素が3重量部未満を意味し、有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:1~3とは、有機性排水のBOD100重量部に対して窒素が1~3重量部を意味している。
以下に、溶解性窒素濃度の制御の一例について説明する。
処理装置1では、制御装置16により、窒素源添加ポンプ30が稼働されて、窒素源が反応槽12内に導入される。この際、制御装置16は、有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満での範囲で予め規定された規定重量比から、窒素源の供給量を算出し、算出した供給量の窒素源が反応槽12内に供給されるように、窒素源添加ポンプ30を制御する。有機性排水のBODの測定は、BOD測定手段としてBOD測定装置を原水槽10または流入ライン22に設置して、BODを随時測定してもよい。有機性排水のBODの測定は、例えば、JIS K0102に規定される方法に従って行われる。当該方法によるBODの測定は時間が掛かることがあるため、処理装置1の運転前に予めBODの測定を行ってもよい。また、例えば、BOD測定手段としてTOC測定装置を原水槽10または流入ライン22に設置して、有機性排水のTOCを検出し、検出したTOCからBODを推定してもよい。TOCは速やかに測定できるため、TOCからBODを推定する方法により、処理装置1を運転しながら、随時、有機性排水のBODを求めることができる。測定したBODは、窒素源の供給量算出のために、制御装置16に記憶される。また、必要に応じて、有機性排水の窒素量を測定してもよい。測定した窒素量は、窒素源の供給量算出のために、制御装置16に記憶される。
そして、制御装置16は、検出器20により検出された溶解性窒素濃度が、5mg/L以下、かつ有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3の範囲であれば、例えば、上記算出した窒素源の供給量が維持されるように、窒素源添加ポンプ30を制御する。また、制御装置16は、検出器20により検出された溶解性窒素濃度が、5mg/Lを超える場合には、窒素源添加ポンプ30の出力を制限し、窒素源の供給量を低減する。
反応槽12内の溶解性リン濃度を0.1mg/L以上のリン残存状態に維持することが好ましく、0.5~1.0mg/Lの範囲に維持することがより好ましい。反応槽12内のリン濃度が低く、検出器21により検出された溶解性リン濃度が0.1mg/L未満の場合には、制御装置16は、リン源添加ポンプ36を稼働させ、リン源を反応槽12内に導入してもよい。また、有機性排水中のリン濃度が高く、検出器21により検出された溶解性リン濃度が0.1mg/Lを超えるような場合であっても、リン源添加ポンプ36を稼働させ、リン源を反応槽12内に導入してもよい。ただし、放流基準等を考慮すれば、反応槽12内の溶解性リン濃度の上限は8mg/L以下に維持することが好ましく、4mg/L以下に維持することがより好ましい。
反応槽12内の溶解性窒素濃度および溶解性リン濃度の検出は、検出器によるオンライン分析が望ましいが、検出器を設置しない場合には、作業者によるマニュアル分析でもよい。
また、例えば、検出器20を原水槽10に設置し、有機性排水の溶解性窒素濃度等から、反応槽12内の溶解性窒素濃度を推定してもよい。この場合、例えば、予め実験等により、有機性排水の溶解性窒素濃度と反応槽12内の溶解性窒素濃度の相関を示すマップ(または式やテーブル等)を作成し、これを制御装置16に記憶させる。そして、制御装置16は、検出器20により検出された有機性排水の溶解性窒素濃度と、有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:1~3の範囲で設定された窒素源の供給量から求められる溶解性窒素濃度との和を、上記マップ等に当てはめて、反応槽12内の溶解性窒素濃度を推定する。制御装置16は、推定した反応槽12内の溶解性窒素濃度が5mg/Lを超え、かつ有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:3よりも窒素が多い場合には、窒素源添加ポンプ30の出力を制限し、窒素源の供給量を低減する。
また、例えば、検出器21を原水槽10に設置し、有機性排水の溶解性リン濃度から、反応槽12内の溶解性リン濃度を推定してもよい。この場合、例えば、予め実験等により、有機性排水の溶解性リン濃度と反応槽12内の溶解性リン濃度の相関を示すマップ(または式やテーブル等)を作成し、これを制御装置16に記憶させる。そして、制御装置16は、検出器21により検出された有機性排水の溶解性リン濃度を上記マップ等に当てはめて、反応槽12内の溶解性リン濃度を推定する。制御装置16は、推定した反応槽12内の溶解性リン濃度が0.1mg/L未満の場合には、リン源添加ポンプ36を稼働させ、リン源を反応槽12に導入してもよい。
図2は、本実施形態に係る有機性排水の処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。図2の処理装置2において、図1の処理装置1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図2の処理装置2は、反応槽として第1反応槽12aおよび第2反応槽12bを有する反応槽群を備える。反応槽群は、第1反応槽12aを前段とし、第2反応槽12bを後段として、第1反応槽12aおよび第2反応槽12bを直列配置した構成となっている。なお、反応槽群は、反応槽を3段以上に直列配置した構成でもよい。
図2に示す処理装置2において、原水槽10の原水出口には流入ライン22aの一端が接続され、第1反応槽12aの入口には流入ライン22aの他端が接続されている。流入ライン22aには原水ポンプ18が設置されている。流入ライン22aにおける原水ポンプ18の下流側には窒素源添加ライン28aの一端が接続され、窒素源タンク26aには窒素源添加ライン28aの他端が接続されている。流入ライン22aにおける原水ポンプ18の下流側にはリン源添加ライン34aの一端が接続され、リン源タンク32aにはリン源添加ライン34aの他端が接続されている。窒素源添加ライン28aには窒素源添加ポンプ30aが設置され、リン源添加ライン34aにはリン源添加ポンプ36aが設置されている。第1反応槽12aの出口には流入ライン22bの一端が接続され、第2反応槽12bの入口には流入ライン22bの他端が接続されている。流入ライン22bには窒素源添加ライン28bの一端が接続され、窒素源タンク26bには窒素源添加ライン28bの他端が接続されている。流入ライン22bにはリン源添加ライン34bの一端が接続され、リン源タンク32bにはリン源添加ライン34bの他端が接続されている。窒素源添加ライン28bには窒素源添加ポンプ30bが設置され、リン源添加ライン34bにはリン源添加ポンプ36bが設置されている。第2反応槽12bの出口には生物処理水ライン24の一端が接続され、生物処理水槽14の入口には生物処理水ライン24の他端が接続されている。生物処理水槽14の出口には生物処理水ライン50の一端が接続され、膜分離装置48の入口には生物処理水ライン50の他端が接続されている。膜分離装置48の出口には処理水ライン52の一端が接続されている。窒素源タンク26a、窒素源添加ライン28a、窒素源添加ポンプ30a等が、第1反応槽12aに窒素源を添加する窒素源添加手段として機能し、窒素源タンク26b、窒素源添加ライン28b、窒素源添加ポンプ30b等が、第2反応槽12bに窒素源を添加する窒素源添加手段として機能する。リン源タンク32a、リン源添加ライン34a、リン源添加ポンプ36a等が、第1反応槽12aにリン源を添加するリン源添加手段として機能し、リン源タンク32b、リン源添加ライン34b、リン源添加ポンプ36b等が、第2反応槽12bにリン源を添加するリン源添加手段として機能する。
制御装置16と、原水ポンプ18、窒素源添加ポンプ30a,30b、リン源添加ポンプ36a,36b、検出器20a,20b、検出器21a,21bとはそれぞれ、有線または無線の電気的接続等によって接続されている。
第1反応槽12a、第2反応槽12bのそれぞれの内部には、微生物を保持した担体44が充填されている。
第1反応槽12a、第2反応槽12bのそれぞれの内部の底部には、空気等の酸素含有気体を供給する酸素含有気体供給手段として曝気装置46a,46bが設置されている。曝気装置46a,46bにはそれぞれ、例えば、不図示のブロアが接続され、ブロアから供給される空気等の酸素含有気体が、曝気装置46a,46bから第1反応槽12a、第2反応槽12bのそれぞれの内部に供給される。
第1反応槽12aには、第1反応槽12a内の溶解性窒素濃度を検出する検出器20a、第1反応槽12a内の溶解性リン濃度を検出する検出器21aが設置されている。第2反応槽12bには、第2反応槽12b内の溶解性窒素濃度を検出する検出器20b、第2反応槽12b内の溶解性リン濃度を検出する検出器21bが設置されている。第1反応槽12aの検出器20a、検出器21aは、流入ライン22bにおける窒素源添加ライン28bおよびリン源添加ライン34bの接続点の上流側に設置されていてもよい。そして、流入ライン22bにおいて検出器20a、検出器21aにより検出された生物処理水の溶解性窒素濃度や溶解性リン濃度を第1反応槽12a内の溶解性窒素濃度や溶解性リン濃度としてもよい。第2反応槽12bの検出器20b、検出器21bは、生物処理水槽14または生物処理水ライン24に設置されていてもよい。そして、生物処理水槽14または生物処理水ライン24において検出器20b、検出器21bにより検出された生物処理水の溶解性窒素濃度や溶解性リン濃度を第2反応槽12b内の溶解性窒素濃度や溶解性リン濃度としてもよい。
制御装置16は、例えば、原水ポンプ18の稼働、停止を制御する。また、制御装置16は、例えば、有機性排水中のBODや検出器20a,20bにより検出された溶解性窒素濃度等に基づいて、窒素源添加ポンプ30a,30bの稼働、停止や窒素源添加ライン28a,28bに設けられたバルブの開閉等を制御する。また、制御装置16は、例えば、検出器21a,21bにより検出された溶解性リン濃度等に基づいて、リン源添加ポンプ36a,36bの稼働、停止やリン源添加ライン34a,34bに設けられたバルブの開閉等を制御する。
次に、図2に示す処理装置2の動作について説明する。
制御装置16により、原水ポンプ18が稼働されると、原水槽10内の有機性排水が流入ライン22aを通り、第1反応槽12aに供給される。そして、曝気装置46aから空気等の酸素含有気体が第1反応槽12aに供給され、好気条件で、第1反応槽12a内で有機性排水中の有機物が、担体44に付着した微生物等により生物処理される(第1生物処理工程)。第1反応槽12aで処理された第1生物処理水は、流入ライン22bを通り、第2反応槽12bに供給される。そして、曝気装置46bから空気等の酸素含有気体が第2反応槽12bに供給され、好気条件で、第2反応槽12b内で第1生物処理水中の有機物が、担体44に付着した微生物等により生物処理される(第2生物処理工程)。第2反応槽12bで処理された生物処理水は、生物処理水ライン24を通り生物処理水槽14に供給される。生物処理水槽14に貯留された生物処理水は、生物処理水ライン50を通り膜分離装置48に供給され、膜分離装置48においてSS成分等が膜分離される(膜分離工程)。膜分離処理された処理水は、処理水ラインを通り排出される。
ここで、反応槽が2段以上で構成されている場合には、そのうちの少なくとも1つの反応槽において、反応槽に流入する有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、反応槽内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるように、反応槽に窒素源を添加して、生物処理を行えばよい。これにより、高い処理効率を維持しながら、生物処理水中のSS成分を膜分離する膜分離装置において安定した膜による固液分離を行うことができる。なお、反応槽が2段以上で構成されている場合には、1段目の反応槽に流入する有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、1段目の反応槽内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるように、1段目の反応槽に窒素源を添加して、生物処理を行うことが好ましい。この場合、1段目の反応槽で有機物の大半が除去されて、2段目の反応槽内で除去する有機物は少なくなるため、2段目以降の反応槽で、溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるようにする制御を行わなくても、システム全体での高い処理効率を維持しながら、生物処理水中のSS成分を膜分離する膜分離装置において安定した膜による固液分離を行うことができる。
以下、本実施形態の処理装置の運転条件等を説明する。
反応槽12内のpHは、微生物の育成等の点から、例えば、弱酸性~弱アルカリ性に調整されることが好ましく、pH6~8の範囲に調整されることがより好ましい。pH調整剤としては、酸やアルカリを用いればよい。
反応槽12内の溶存酸素濃度は、例えば、0.5mg/L以上であることが好ましく、1mg/L以上であることがより好ましい。反応槽12内の溶存酸素濃度の上限は、特に制限はないが、例えば、5.0mg/L以下である。
反応槽12は、担体が流動しない固定床式、担体が流動する流動床式のいずれでもよい。流動床式は原水のショートパスがおきにくい、メンテナンス性に優れる、導入コストが低い等といったメリットがあるため、流動床式反応槽であることが好ましい。
反応槽12のBOD容積負荷(反応槽群の場合は全反応槽のBOD容積負荷)は、1.5kg/m/day以上が好ましく、2.0kg/m/day以上がより好ましい。反応槽12のBOD容積負荷の上限は、特に制限はないが、例えば、8.0kg/m/day以下である。
窒素源としては、窒素化合物であればよく、特に制限はないが、例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、尿素等が挙げられる。工場で発生した余剰の廃硫酸アンモニウム等も適用可能である。
リン源としては、リン酸およびリン化合物であればよく、特に制限はないが、例えば、リン酸二カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸アンモニウム等が挙げられる。
窒素源やリン源以外の栄養塩および微量元素を有機性排水中に添加してもよく、例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、マンガン等が挙げられる。
担体44は、例えば、プラスチック製担体、スポンジ状担体、ゲル状担体等が挙げられるが、これらの中では、コストや耐久性の点で、スポンジ状担体が好ましい。
担体44のセル数(細孔の数)は、生物処理の処理速度を向上させる点で、好ましくは30個/25mm以上であり、より好ましくは30個/25mm以上、100個/25mm以下であり、さらに好ましくは40個/25mm以上、100個/25mm以下であり、特に好ましくは46個/25mm以上、100個/25mm以下である。担体のセル数は、例えば、JIS K 65400-1(附属書1)に基づいて求められる。
担体44の表面積は、生物処理の処理速度を向上させる点で、好ましくは3000m/m以上であり、より好ましくは3500m/m以上であり、さらに好ましくは4000m/m以上であり、特に好ましくは4500m/m以上である。担体の表面積の上限は、セル数や担体の大きさ等を考慮して決めればよく、特に制限はない。
担体44の生物付着量は、生物処理の処理速度を向上させる点で、500mg/L以上であることが好ましく、1000mg/L以上であることがより好ましい。担体の生物付着量は多ければ多い方がよく、特に上限はないが、上限は、例えば、5000mg/Lである。
担体44の形状は、特に限定されず、立方体状等の四角体状、粒状、球状、ペレット状、円筒状、繊維状、フィルム状等が挙げられる。
担体44の大きさは、特に限定されず、反応槽12の大きさや担体の形状等に応じて、適宜設定されればよく、例えば、立方体状であれば、一辺の長さが3~20mmの範囲が好ましく、球状であれば、径が0.5~20mm程度の範囲が好ましい。担体44の大きさは、ノギスまたはマイクロスコープ等を用いて測定することができる。
担体44の比重は、反応槽12の内部で流動状態を形成するために、例えば、少なくとも1.0より大きく、真比重として、1.1以上、または見かけ比重として、1.01以上のものが好ましい。
反応槽12への担体44の投入量は、反応槽12の容積に対して10~70%の範囲が好ましい。担体44の投入量が反応槽12の容積に対して10%未満であると反応速度が小さくなる場合があり、70%を超えると担体44が流動しにくくなり、長期運転において汚泥による閉塞等で原水がショートパスし生物処理水質が悪くなる場合がある。
膜分離装置48で用いられる膜は、例えば有機膜であり、生物処理水中のSS成分(懸濁物質)等をろ過することができるものであればよく、特に制限はないが、例えば、限外ろ過膜(UF膜)、精密ろ過膜(MF膜)等が挙げられる。限外ろ過膜の公称孔径は、0.01μm以上、0.1μm未満であり、精密ろ過膜の孔径は、0.1μm以上、0.3μm以下である。
有機膜の材質は、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PS)、酢酸セルロース(CA)、ポリエチレン(PE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)等の有機膜が挙げられる。
膜分離装置48は、例えば、モジュール型の膜ろ過装置であり、円筒状等の筒状の容器(ケーシング)に密閉されたろ過膜を有する加圧型の膜ろ過装置である。ろ過膜の形態としては、チューブラ膜、中空糸膜等が挙げられる。ろ過膜の通液方式は、内圧式、外圧式いずれの方式でもよい。膜分離装置48としては、浸漬型の平膜を用いてもよい。
膜分離装置48のSS濃度を低く保ち、ろ過速度を高く設定するために、膜分離装置48において膜で固液分離した汚泥は担体44を備える反応槽12には流入させないことが好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[試験条件]
反応槽容積:2L
担体:疎水性ポリウレタン製のスポンジ担体(セル数:46個/25mm、形状:立方体)
担体充填率:嵩体積として20%充填
反応槽での滞留時間:6時間
反応槽のBOD容積負荷:約3.2kg/m/day
反応槽内の水温:約20℃、
反応槽内の溶存酸素濃度(DO):2mg/L以上
反応槽内のpH:6.5~8.0
有機性排水:イソプロピルアルコール含有排水(BOD約800mg/L(BOD/TOC=2.7)、N 2mg/L以下、P 0.1mg/L以下)
上記流動床式生物処理の生物処理水を、限外ろ過膜(UF膜)(外圧型、中空糸膜、材質:PVDF)を用い、フラックス3.0m/dayで吸引ろ過し、その際の膜間差圧を評価した。
<比較例1>
窒素源として塩化アンモニウムとリン源としてリン酸を原水である有機性排水に添加し、BOD:N:Pは100:6.6:1.1として反応槽へ流入させた。生物処理水の溶解性窒素濃度は19mg/Lで窒素残存状態であり、溶解性リン濃度も4.4mg/Lでリン残存状態であった。UF膜の膜間差圧は36kPa、BOD除去速度は2.8kg/m/dayであった。
<比較例2>
比較例1の運転条件から、塩化アンモニウムとリン酸の添加量を減少させ、BOD:N:Pは100:4.7:0.5として反応槽へ流入させた。生物処理水の溶解性窒素濃度は13mg/Lで窒素残存状態であり、溶解性リン濃度は0.06mg/Lでリン枯渇状態となった。UF膜の膜間差圧は33kPa、BOD除去速度は2.9kg/m/dayとなり、比較例1と同等であった。
<実施例1>
比較例1の運転条件から、塩化アンモニウムとリン酸の添加量を減少させ、BOD:N:Pは100:2.8:0.9として反応槽へ流入させた。生物処理水の溶解性窒素濃度は1.1mg/L(アンモニア性窒素濃度0.3mg/L)で窒素枯渇状態となり、溶解性リン濃度は2.8mg/Lでリン残存状態となった。UF膜の膜間差圧は12kPaまで大幅に減少した。BOD除去速度は2.7kg/m/dayとなり、高い除去速度を維持した。
<実施例2>
比較例1の運転条件から、塩化アンモニウムとリン酸の添加量を減少させ、BOD:N:Pは100:1.9:0.9として反応槽へ流入させた。生物処理水の溶解性窒素濃度は1.0mg/L(アンモニア性窒素濃度0.2mg/L)で窒素枯渇状態となり、溶解性リン濃度は3.6mg/Lでリン残存状態となった。UF膜の膜間差圧は14kPaまで大幅に減少した。BOD除去速度は2.4kg/m/dayとなり、高い除去速度を維持した。
<実施例3>
比較例1の運転条件から、塩化アンモニウムとリン酸の添加量を減少させ、BOD:N:Pは100:1.0:0.8として反応槽へ流入させた。生物処理水の溶解性窒素濃度は2.6mg/L(アンモニア性窒素濃度0.4mg/L)で窒素枯渇状態となり、溶解性リン濃度は5.3mg/Lでリン残存状態となった。UF膜の膜間差圧は11kPaまで大幅に減少した。BOD除去速度は2.1kg/m/dayとなり、高い除去速度を維持した。
<比較例3>
比較例1の運転条件から、塩化アンモニウムとリン酸の添加量を減少させ、BOD:N:Pは100:0.2:0.8として反応槽へ流入させた。生物処理水の溶解性窒素濃度は1.6mg/Lで窒素枯渇状態となり、溶解性リン濃度は6.5mg/Lでリン残存状態となった。UF膜の膜間差圧は9kPaと低いが、BOD除去速度は1.3kg/m/dayとなり、除去速度の大幅な低下がみられた。
以上の結果から、反応槽内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下の窒素枯渇状態に維持し、かつ有機性排水のBOD:窒素の重量比を100:1~3となるように窒素源を添加し、反応槽内の溶解性リン濃度をリン残存状態にすることによって、高い処理効率を維持しながら安定した膜処理が実施できることがわかった。生物処理の後段におけるUF膜の膜間差圧を20kPa以下とすることができ、かつ、BOD除去速度を2kg/m/day以上とすることができた。
このように、実施例の方法によって、有機性排水の生物処理の後段で膜分離を行う処理において、高い処理効率を維持しながら安定した膜による固液分離を行うことができた。
1,2 処理装置、10 原水槽、12 反応槽、12a 第1反応槽、12b 第2反応槽、14 生物処理水槽、16 制御装置、18 原水ポンプ、20,20a,20b,21,21a,21b 検出器、22,22a,22b 流入ライン、24,50 生物処理水ライン、26,26a,26b 窒素源タンク、28,28a,28b 窒素源添加ライン、30,30a,30b 窒素源添加ポンプ、32,32a,32b リン源タンク、34,34a,34b リン源添加ライン、36,36a,36b リン源添加ポンプ、44 担体、46,46a,46b 曝気装置、48 膜分離装置、52 処理水ライン。

Claims (8)

  1. 担体を備える反応槽により、好気条件で有機性排水を生物処理し、その生物処理水中のSS成分を膜分離する有機性排水の処理方法であって、
    前記反応槽に流入する前記有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、前記反応槽内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ前記有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるように、前記反応槽に窒素源を添加して、前記生物処理を行うことを特徴とする有機性排水の処理方法。
  2. 請求項1に記載の有機性排水の処理方法であって、
    前記反応槽内の溶解性リン濃度を0.1mg/L以上に維持して、前記生物処理を行うことを特徴とする有機性排水の処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の有機性排水の処理方法であって、
    前記反応槽は、直列2段以上の反応槽から構成され、直列2段以上の反応槽のうちの少なくとも1つの反応槽において、前記反応槽に流入する前記有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、前記反応槽内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ前記有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるように、前記反応槽に窒素源を添加して、前記生物処理を行うことを特徴とする有機性排水の処理方法。
  4. 請求項1~3に記載の有機性排水の処理方法であって、
    前記反応槽は流動床式反応槽であり、前記反応槽のBOD容積負荷は1.5kg/m/day以上であることを特徴とする有機性排水の処理方法。
  5. 担体を備える反応槽により、好気条件で有機性排水を生物処理し、その生物処理水中のSS成分を膜分離する有機性排水の処理装置であって、
    前記反応槽に流入する前記有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、前記反応槽内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ前記有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるように、前記反応槽に窒素源を添加して、前記生物処理を行うことを特徴とする有機性排水の処理装置。
  6. 請求項5に記載の有機性排水の処理装置であって、
    前記反応槽内の溶解性リン濃度を0.1mg/L以上に維持して、前記生物処理を行うことを特徴とする有機性排水の処理装置。
  7. 請求項5または6に記載の有機性排水の処理装置であって、
    前記反応槽は、直列2段以上の反応槽から構成され、直列2段以上の反応槽のうちの少なくとも1つの反応槽において、前記反応槽に流入する前記有機性排水のBOD:窒素の重量比が100:3未満であり、前記反応槽内の溶解性窒素濃度を5mg/L以下に維持し、かつ前記有機性排水のBOD:窒素の重量比で100:1~3となるように、前記反応槽に窒素源を添加して、前記生物処理を行うことを特徴とする有機性排水の処理装置。
  8. 請求項5~7に記載の有機性排水の処理装置であって、
    前記反応槽は流動床式反応槽であり、前記反応槽のBOD容積負荷は1.5kg/m/day以上であることを特徴とする有機性排水の処理装置。
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