JP2023013587A - 保持装置 - Google Patents

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慶吾 杉山
Keigo Sugiyama
考史 山本
Takashi Yamamoto
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Abstract

【課題】保持する対象物における面内温度の均一性を向上させることができる保持装置を提供すること。【解決手段】複数の凸部16,17,30aが形成された保持面11と、保持面11とは反対側に設けられる下面12とを備える板状部材10を有し、板状部材10の保持面11上に半導体ウエハWを保持する静電チャック1において、保持面11にて凸部16,17,30a以外の凹部18の底面18aに、凸部16,17,30aの底部側面BSからの距離が所定距離Aより大きい領域である第1領域181と、凸部16,17,30aの底部側面BSからの距離が所定距離A以内の領域である第2領域182とを有し、第1領域181の表面粗さが、第2領域182の表面粗さよりも大きくなっている。【選択図】図4

Description

本開示は、対象物を保持する保持装置に関する。
対象物を保持する保持面を凹凸面として、凹凸面の凸部を対象物を保持する保持面にするとともに、凹凸面の凹部をガス(ヘリウムなど)の供給路にする保持装置が知られている。このような保持装置では、パーティクル(微粒子)が発生すると、製品の歩留まりが低下してしまうため、パーティクルの発生を抑制する必要がある。そのため、例えば特許文献1に記載の吸着固定装置(保持装置)では、凹凸面の凸部の頂面及び側面と、凹凸面の凹部の底面とを、共に鏡面研磨することにより、パーティクルの発生を抑制している。
特開2003-86664号公報
しかしながら、上記の保持装置の保持面では、凸部は対象物に接触するが、凹部では対象物と接触せず、ガスを介して対象物との間で熱移動するため、対象物と保持装置との間における熱移動に差が生じてしまい、対象物の面内温度が不均一になってしまう。つまり、対象物において、凸部との接触域(凸部の直上部分)では熱移動が行われやすい一方、凸部との非接触域(凹部の直上部分)では熱移動が行われにくい。そして、凹部においては、凸部近傍では凸部における熱移動の影響で、凹部内のガスが温められやすい(又は冷えやすい)一方で、凸部から離れている部分では凸部における熱移動の影響がほぼない。そのため、凸部の近傍部分と凸部から離れた部分とにおいても熱移動に差が生じてしまう。このように、保持面において、保持装置と対象物との間における熱移動に差が生じてしまうため、対象物における面内温度が不均一になりやすく、面内温度の均一性が低下してしまっていた。
そこで、本開示は上記した問題点を解決するためになされたものであり、保持する対象物における面内温度の均一性を向上させることができる保持装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、
複数の凸部が形成された第1の面と、前記第1の面とは反対側に設けられる第2の面とを備える板状部材を有し、
前記板状部材の前記第1の面上に対象物を保持する保持装置において、
前記第1の面にて前記凸部以外の凹部の底面に、
前記凸部の底部側面からの距離が所定距離より大きい領域である第1領域と、
前記凸部の底部側面からの距離が前記所定距離以内の領域である第2領域とを有し、
前記第1領域の表面粗さが、前記第2領域の表面粗さよりも大きいことを特徴とする。
第1領域と第2領域を比較すると、第2領域は凸部の周辺領域であるため、凸部を介した熱移動の影響を受けるので、第2領域は第1領域よりも、対象物と凹部によって形成される空間内に充填されるガスを介した熱移動が促進される。ここで、第1領域は第2領域よりも凸部から離れているため、凸部を介した熱移動の影響が小さく、第1領域と第2領域の底面の表面粗さが同じであれば、第1領域は第2領域よりも対象物と凹部によって形成される空間内に充填されるガスを介した熱移動の点で不利となる。
そこで、この保持装置では、第1領域の表面粗さを、第2領域の表面粗さよりも大きくしているため、第1領域において、板状部材と凹部に充填されるガスとの接触面積が大きくなり、板状部材と凹部に充填されるガスとの間における熱移動を促進させることができる。そのため、対象物の凸部との非接触部分において、凹部に充填されるガスを介しての板状部材と対象物との熱移動が促進される。また、凸部における熱移動の影響を受けやすい第2領域においては、表面粗さを第1領域よりも小さくしているため、パーティクルの発生を抑えることができる。これにより、対象物と凸部との非接触部分(凹部の第1領域と第2領域)において、板状部材と対象物との間における熱移動が改善されるため、対象物において凸部との接触部分と非接触部分(凹部の第1領域と第2領域)とにおける温度分布の不均一が緩和され、対象物における面内温度の均一性を向上させることができるとともに、パーティクルの発生を抑えることができる。
上記した保持装置において、
前記第1領域における表面粗さは、Ra(Sa)1.0μm以下であり、
前記第2領域における表面粗さは、Ra(Sa)0.5μm未満であることが好ましい。
表面粗さを大きくするほど、凹部において対象物と板状部材との間における、凹部に充填されるガスを介した熱移動を促進することができる一方、パーティクルが発生するおそれが高まる。そこで、第1領域と第2領域のそれぞれの表面粗さをこのように設定することにより、対象物における面内温度の均一性の向上とパーティクルの発生防止の両立を図ることができる。
上記した保持装置において、
前記第2領域の前記凸部の底部側面からの大きさは、隣接する前記凸部間の距離の1/3より小さいことが好ましい。
ここで、第2領域の大きさを、隣接する凸部間の距離の1/3以上にすると、凹部の底面の大半が第2領域となって第1領域が非常に小さくなる。そうすると、凹部において、対象物と凹部によって形成される空間内に充填されるガスを介した熱移動を促進することができなくなって、対象物における面内温度の均一性を向上させることが困難になるおそれがある。
そこで、このように第2領域の大きさを、隣接する凸部間の距離の1/3より小さくなるように設定することにより、対象物と凹部によって形成される空間内に充填されるガスを介した熱移動を確実に促進させることができる。これにより、対象物において、凸部と非接触の部分(凹部)における凹部に充填されるガスを介しての板状部材との熱移動が確実に促進される。従って、対象物における温度分布の不均一が緩和されるため、対象物における面内温度の均一性を確実に向上させることができる。
上記した保持装置において、
前記凸部の縦断面形状は、上面側寸法が底面側寸法より小さい台形状であることが好ましい。
凸部をこのような形状にすることにより、対象物において凸部との接触部分周辺における温度分布の変化(温度勾配)を緩やかにすることができる。その結果として、対象物における面内温度の均一性を更に向上させることができる。
本開示によれば、保持する対象物における面内温度の均一性を向上させることができる保持装置を提供することができる。
第1実施形態の静電チャックの概略斜視図である。 第1実施形態の静電チャックのXZ側面(一部は断面)の概略構成図である。 第1実施形態の静電チャックのXY平面の概略構成図である。 板状部材の凸部付近の一部を拡大して示すXZ断面の拡大図である。 従来構造において半導体ウエハの面内温度の均一性が低下する要因を説明する図である。 第1実施形態の静電チャックにおける熱移動の様子を模式的に示す図である。 第2実施形態の静電チャックにおける熱移動の様子を模式的に示す図である。 第3実施形態の静電チャックの凸部付近の一部を拡大して示すXZ断面の拡大図である 実施形態における静電チャックの変形例を示す図である。
本開示に係る実施形態である保持装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、保持装置として、例えば、成膜装置(CVD成膜装置やスパッタリング成膜装置など)やエッチング装置(プラズマエッチング装置など)といった半導体製造装置に使用される静電チャックを例示して説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態の静電チャック1について、図1~図4を参照しながら説明する。本実施形態の静電チャック1は、半導体ウエハW(対象物)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば、半導体製造装置の真空チャンバー内で半導体ウエハWを固定するために使用される。図1に示すように、静電チャック1は、板状部材10と、ベース部材20と、板状部材10とベース部材20とを接合する接合層40とを有する。
以下の説明においては、説明の便宜上、図1に示すようにXYZ軸を定義する。ここで、Z軸は、静電チャック1の軸線方向(図1において上下方向)の軸であり、X軸とY軸は、静電チャック1の径方向の軸である。
板状部材10は、図1に示すように、円盤状の部材であり、セラミックスにより形成されている。セラミックスとしては、様々なセラミックスが用いられるが、強度や耐摩耗性、耐プラズマ性等の観点から、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)または窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミックスが用いられることが好ましい。なお、ここでいう主成分とは、含有割合の最も多い成分(例えば、体積含有率が90vol%以上の成分)を意味する。
また、板状部材10の直径は、例えば150~300mm程度である。板状部材10の厚さは、例えば2~6mm程度である。なお、板状部材10の熱伝導率は、10~50W/mK(より好ましくは、18~30W/mK)の範囲内が望ましい。
図1、図2に示すように、板状部材10は、半導体ウエハWを保持する保持面11と、板状部材10の厚み方向(Z軸方向に一致する方向)について保持面11とは反対側に設けられる下面12とを備えている。なお、保持面11は本開示の「第1の面」の一例であり、下面12は本開示の「第2の面」の一例である。
板状部材10の内部には、図2に示すように、チャック電極50とヒータ電極52を備えている。チャック電極50は、Z軸方向視で、例えば略円形をなしており、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成されている。ヒータ電極52は、Z軸方向視で、例えば略螺旋状に延びるパターンを構成しており、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン、白金等)により形成されている。
そして、チャック電極50に対して図示しない電源から電力が供給されることによって、静電引力(吸着力)が発生し、この静電引力により半導体ウエハWが板状部材10の保持面11に吸着固定される。また、ヒータ電極52に対して図示しない電源から電力が供給されてヒータ電極52が発熱することによって、保持面11ひいては半導体ウエハWが加熱される。
板状部材10の保持面11は、凹凸形状をなしている。具体的には、保持面11には、図2、図3に示すように、その外縁付近に環状の環状凸部16が形成され、環状凸部16の内側に複数の独立した柱状の凸部17が形成されている。なお、環状凸部16は、シールバンドとも呼ばれる。環状凸部16の断面(XZ断面)の形状は、図2に示すように、略矩形状である。このような環状凸部16の高さ(Z軸方向の寸法)は、例えば、10μm~20μm程度である。また、環状凸部16の幅(X軸方向の寸法)は、例えば、0.5mm~5.0mm程度である。
各凸部17は、図3に示すように、Z軸方向視(平面視)で略円形をなしており、略均等間隔で配置されている。また、各凸部17の断面(XZ断面)の形状は、図2に示すように、略矩形状である。このような凸部17の高さは、環状凸部16の高さと略同一であり、例えば、10~20μm程度である。また、凸部17の幅(Z軸方向視での凸部17の最大径)は、例えば、0.5~1.5mm程度である。そして、隣接する凸部17間の距離B(図4参照)は、10mm程度である。なお、板状部材10の保持面11における環状凸部16より内側において、凸部17が形成されていない部分が、凹部18となっている。
板状部材10には、図3に示すように、静電チャック1をZ軸方向に貫通するリフトピン挿入孔30が形成されている。このリフトピン挿入孔30の周囲には、保持面11においてリフトピン挿入孔30を囲むように環状の凸部30aが形成されている。リフトピン挿入孔30には、半導体ウエハWを保持面11上から押し上げるリフトピン(不図示)が、ベース部材20の下面22側から挿入されている。このリフトピンの先端部(上端部)が板状部材10の保持面11から外部に突出することで、保持面11上に載置されている半導体ウエハWを保持面11から離間させる(リフトピンによって半導体ウエハWを持ち上げる)ようになっている。
本実施形態の静電チャック1では、リフトピン挿入孔30が3個形成されており、各々のリフトピン挿入孔30内にリフトピンが挿入されている。なお、3個のリフトピン挿入孔30は、静電チャック1の周方向に等間隔で形成されている(図3参照)。
また、板状部材10には、図3に示すように、静電チャック1をZ軸方向に貫通するガス孔31が形成されている。このガス孔31は、不活性ガス(例えば、ヘリウムガス)が流通するガス流路である。これにより、ベース部材20の下面22側からガス孔31内に不活性ガス(例えば、ヘリウムガス)を供給することで、半導体ウエハWの下面と板状部材10の保持面11(凹部18)との間の空間S内に、この不活性ガスを充填することができるようになっている。
そして、半導体ウエハWは、板状部材10の保持面11における環状凸部16と、複数の凸部17及び凸部30aとに支持されて、静電チャック1に保持される。半導体ウエハWが静電チャック1に保持された状態では、半導体ウエハWの表面(下面)と、板状部材10の保持面11(詳細には、保持面11の凹部18)との間に、空間Sが存在することとなる(図2参照)。この空間Sには、ガス孔31を介して不活性ガス(例えば、ヘリウムガス)が供給される。
ここで、保持面11における凸部16,17,30aの頂面は(場合によっては側面(周面)も)、鏡面加工されている。これにより、半導体ウエハWと凸部16,17,30aとが摺動して半導体ウエハWの表面および凸部16,17,30aの表面が細かく削れてパーティクル(微粒子)が発生することを防止している。
一方、保持面11における凹部18の底面18aには、凸部16,17,30aの頂面及び側面よりも表面粗さが大きく、それぞれの表面粗さが異なる2つの領域が形成されている。すなわち、図4に示すように、凸部16,17(30a)の底部側面BSからの距離が所定距離Aより大きい領域である第1領域181と、凸部16,17(30a)の底部側面BSからの距離が所定距離A以内の領域である第2領域182とが設けられている。具体的には、凸部16,17(30a)の周辺に第2領域182が凸部16,17(30a)を囲むように環状に形成され、第2領域182以外の部分に第1領域181が形成されている。なお、凸部16,17(30a)の底部側面BSとは、凸部16,17(30a)の側面のうち凹部18の底面18a(第2領域182)と繋がる箇所を意味する。第1領域181と第2領域182は、それぞれの領域に対して条件の異なる研磨加工またはサンドブラスト加工を行うことにより設けることができる。
そして、第2領域182の凸部16,17(30a)の底部側面BSからの大きさ(幅寸法)である所定距離Aは、半導体ウエハWにおける面内温度を所望の温度分布とするように、適宜設定すれば良いが、隣接する凸部間の距離B(本実施形態では、例えば10mm程度)の1/3より小さく設定されている。なお、距離Bは、隣接する凸部における底部側面間の最短距離である。本実施形態では、第2領域182の大きさ(幅寸法)に相当する所定距離Aは、例えば1~2mm程度である。そして、第1領域181の表面粗さが、第2領域182の表面粗よりも大きい。例えば、第1領域181の表面粗さはRa(Sa)1.0μm以下であり、第2領域182の表面粗さはRa(Sa)0.5μm未満となっている。本実施形態では、例えば、第1領域181の表面粗さがRa(Sa)0.8μmであり、第2領域182における表面粗さがRa(Sa)0.5μmとなっている。また、第1領域181と第2領域182との表面粗さの差は、0.1μm以上あればよく0.3μm以上あればより好ましい。
なお、表面粗さの測定方法としては、「接触式測定」や「非接触式」があり、詳細な測定方法は以下に基づき測定、計測を行うことができる。
接触式:JIS B 0633:2001
非接触式:ISO25178
ベース部材20は、図1、図2に示すように、上面21と、ベース部材20の厚さ方向(すなわち、Z軸方向)について上面21とは反対側に設けられる下面22とを備え、円柱状に形成されている。このベース部材20は、金属(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されていることが好ましいが、金属以外であってもよい。
ベース部材20の直径は、例えば180mm~350mm程度である。また、ベース部材20の厚さ(Z軸方向の寸法)は、例えば20mm~50mm程度である。なお、ベース部材20(アルミニウムを想定)の熱伝導率は、板状部材10よりも大きく、180~250W/mK(好ましくは、230W/mK程度)の範囲内が望ましい。
なお、ベース部材20には、冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)を流すための冷媒流路(不図示)が形成されており、この冷媒流路内に冷媒を流すことにより、ベース部材20が冷却され、これにより、接合層40を介して板状部材10が冷却されるようになっている。
接合層40は、板状部材10の下面12とベース部材20の上面21との間に配置され、板状部材10とベース部材20とを接合している。この接合層40を介して、板状部材10の下面12とベース部材20の上面21とが熱的に接続されている。接合層40は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。なお、接合層40の厚さ(Z軸方向の寸法)は、例えば0.1~1.0mm程度である。また、接合層40の熱伝導率は、例えば1.0W/mKである。なお、接合層40(シリコーン系樹脂を想定)の熱伝導率は、0.1~2.0W/mK(好ましくは、0.5~1.5W/mK)の範囲内が望ましい。
ここで、本実施形態の静電チャック1の保持面11において、凸部16,17,30aと凹部18とでは、半導体ウエハWと板状部材10との間における熱移動に差が生じてしまう。つまり、凸部16,17,30aでは半導体ウエハWに直接接触するため、半導体ウエハWと板状部材10との間で熱移動が行われやすい。一方、凹部18では半導体ウエハWと接触しないため、凹部18(空間S)に充填されるガスを介して半導体ウエハWと板状部材10との間で熱の授受が行われるため、両者間での熱移動が行われにくくなる。そして、従来の静電チャックでは、図5に示すように、凹部18において、凸部16,17,30aの近傍では、凸部16,17,30aにおける熱移動が生じるため、凸部16,17,30aの近傍以外の凹部18に比べて、半導体ウエハWと板状部材10との間での熱移動が促進される。つまり、板状部材10と半導体ウエハWとの非接触部分である凹部18においても、熱移動に差が生じてしまう。
そのため、従来の静電チャックの保持面においては、半導体ウエハWと板状部材10との間における熱移動の生じやすさの順番が、凸部16,17,30a、凹部18の凸部16,17,30a近傍(第2領域182付近)、凹部18の凸部16,17,30aから離れた部分(第1領域181付近)の順となっている。つまり、凸部16,17,30aから離れた部分(第1領域181付近)が、熱移動で最も不利な領域となっている。このように従来の静電チャックでは、保持面において、半導体ウエハWと板状部材10との間における熱移動に差が生じてしまうため、半導体ウエハWに温度差が生じやすく面内温度が不均一になりやすかった。
そこで、本実施形態の静電チャック1では、凹部18の底面18aの表面粗さを、凸部16,17,30aの頂面及び側面よりも大きくし、凹部18の底面18aにおいて、第1領域181より表面粗さが小さい第2領域182を、凸部16,17,30aの周辺に凸部16,17,30aを囲むように環状に形成している。これにより、凹部18では、凹部18(空間S)に充填されるガスとの接触面積が大きくなるため、板状部材10と凹部18に充填されるガスとの熱移動が促進される。その結果として、凹部18に充填されるガスを介しての板状部材10と半導体ウエハWとの間における熱移動が促進される。
そして、第1領域181の表面粗さを、第2領域182の表面粗さよりも大きくしているため、図6に示すように、熱移動で最も不利な第1領域181において、凹部18(空間S)に充填されるガスとの接触面積が第2領域182よりも大きくなる。その結果、第1領域181において、凹部18に充填されるガスを介しての板状部材10と半導体ウエハWとの間における熱移動がより促進される。このようにして、保持面11において、半導体ウエハWと非接触の部分で、凹部18(空間S)に充填されるガスを介しての板状部材10と半導体ウエハWとの間における熱移動が改善される。つまり、半導体ウエハWでは、凸部16,17,30aとは非接触の部分(凹部18の直上部分)における加熱が均一かつ効率良く行われる。従って、半導体ウエハWにおいて、凸部16,17,30aとの接触部分と非接触部分(凹部18の第1領域181及び第2領域182)とにおける熱移動(加熱量)の差を小さくすることができる。これにより、半導体ウエハWにおける温度差を緩和することができ、面内温度の均一性を向上させることができる。
ここで、凹部18の底面18aの表面粗さを大きくするほど、凹部18に充填されるガスを介しての半導体ウエハWと板状部材10との間における熱移動を促進することができる一方、パーティクルが発生するおそれが高まる。そのため、本実施形態の静電チャック1では、第1領域181における表面粗さをRa(Sa)1.0μm以下に、第2領域182における表面粗さをRa(Sa)0.5μm未満にそれぞれ設定している。これにより、パーティクルの発生を防止することができるため、半導体ウエハWにおける面内温度の均一性の向上とパーティクルの発生防止の両立を図ることができる。特に、凸部16,17,30aにおける熱移動の影響を受けやすい第2領域182においては、表面粗さを第1領域181よりも小さくしているため、パーティクルの発生を効果的に抑えることができる。
そして、本実施形態の静電チャック1では、第2領域182の凸部16,17,30aの底部側面BSからの所定距離A(つまり第2領域182の大きさ)が、隣接する凸部16,17,30a間の距離Bの1/3より小さく設定されている。これにより、凹部18の底面18aの大半が第2領域182となって第1領域181が非常に小さくなることがない。従って、熱移動で最も不利な第1領域181において、半導体ウエハWと凹部18に充填されるガスとの熱移動を確実に促進させることができる。その結果、凹部18において、凹部18に充填されるガスを介しての板状部材10と半導体ウエハWとの熱移動が確実に促進される。これにより、半導体ウエハWにおける温度差が確実に緩和されるため、半導体ウエハWにおける面内温度の均一性を確実に向上させることができる。
以上のように、本実施形態の静電チャック1によれば、保持面11にて凹部18の底面18aに、第1領域181と、凸部16,17,30aの周辺にて第1領域181より表面粗さが小さい第2領域182とを設けている。そのため、凹部18において、第1領域181では第2領域182と比べて、凹部18に充填されるガスとの接触面積が大きくなるので、半導体ウエハWと凹部18に充填されるガスを介した熱移動が促進される。従って、半導体ウエハWと凸部16,17,30aとの非接触部分である凹部18において、板状部材10と半導体ウエハWとの間における熱移動が改善される。これにより、半導体ウエハWにおいて凸部16,17,30aとの接触部分と非接触部分とにおける温度分布の不均一が緩和されるため、半導体ウエハWにおける面内温度の均一性を向上させることができる。また、凸部16,17,30aにおける熱移動の影響を受けやすい第2領域182においては、表面粗さを第1領域181よりも小さくしているため、パーティクルの発生を効果的に抑えることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について、図7を参照しながら説明する。第2実施形態は、第1実施形態と基本的な構成は同じであるが、ヒータ電極を備えていない点が第1実施形態とは異なる。そこで、第1実施形態と同様の構成については同符号を付して説明を適宜省略し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態の静電チャック1aでは、図7に示すように、板状部材10の内部に、ヒータ電極がなく、チャック電極50だけが設けられている。つまり、静電チャック1aでは、半導体ウエハWを加熱することができなくて、半導体ウエハWを冷却(半導体ウエハWから熱引き)することのみ可能となっている。このような静電チャック1aでは、例えばプロセス実施中に、プラズマからの入熱により加熱された半導体ウエハWから熱引きを行って半導体ウエハWを冷却する。
この静電チャック1aでも、凹部18の底面18aの表面粗さを凸部16,17,30aの頂面及び側面よりも大きくし、凹部18の底面18aにおいて、第1領域181より表面粗さが小さい第2領域182を、凸部16,17,30aの周辺に凸部16,17,30aを囲むように環状に形成している。そして、第1領域181の表面粗さを、第2領域182の表面粗さよりも大きくしているため、図7に示すように、熱移動で最も不利な第1領域181において、凹部18(空間S)に充填されるガスとの接触面積が第2領域182よりも大きくなる。その結果、第1領域181において、凹部18に充填されるガスを介しての板状部材10と半導体ウエハWとの間における熱移動がより促進される。
従って、保持面11において、半導体ウエハWと非接触の部分で、凹部18(空間S)に充填されるガスを介しての板状部材10と半導体ウエハWとの間における熱移動が改善される。つまり、半導体ウエハWにおいて、凸部16,17,30aと非接触の部分(凹部18の直上部分)での冷却が均一かつ効率良く行われる。そのため、半導体ウエハWにおいて、凸部16,17,30aとの接触部分と非接触部分(凹部18の第1領域181及び第2領域182)とにおける熱移動(熱引き量)の差を小さくすることができる。これにより、半導体ウエハWにおける温度差を緩和することができ、面内温度の均一性を向上させることができる。
ここで、第1実施形態のように静電チャック1内にヒータ電極52がある場合、半導体ウエハWにおける面内温度が不均一の際には、ヒータ電極52の配置や抵抗値の調整により、面内温度を調整することも可能であるが、本実施形態の静電チャック1aのように、ヒータ電極を備えていない場合には、このようなヒータ電極による温度制御を行うことができない。そこで、ヒータ電極を備えていない場合には、本実施形態の静電チャック1aのような構成にすることにより、半導体ウエハWにおける面内温度を均一にすることが可能となる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について、図8を参照しながら説明する。第3実施形態は、第1実施形態と基本的な構成は同じであるが、凸部の形状が第1実施形態とは異なる。そこで、第1実施形態と同様の構成については同符号を付して説明を適宜省略し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態の静電チャック1bでは、図8に示すように、板状部材110の保持面11に設けられる環状凸部116と凸部117の断面(XZ断面)の形状が矩形ではなく台形状になっている。すなわち、環状凸部116の断面(XZ断面)の形状は、上面側寸法が底面側寸法より小さい台形状になっている。より詳細には、環状凸部116の内周側の側面のみが傾斜している台形状になっている。また、各凸部117の断面(XZ断面)の形状は、上面側寸法が底面側寸法より小さい台形状になっている。より詳細には、凸部117の周面(側面)全体が傾斜面となっている。なお、凸部116,117の頂面の大きさ(面積)は、第1実施形態の凸部16,17と同じである。また、所定距離Aの基準点となる凸部116,117の底部側面BSは、凸部116,117の側面のうち凹部18の底面18a(第2領域182)と繋がる箇所となる。
このような静電チャック1bでは、第1実施形態と同様の効果が得られることに加えて、半導体ウエハWにおいて、凸部116,117との接触部分の周辺における温度分布の変化(温度勾配)を緩やかにすることができる。これにより、半導体ウエハWにおいて、凸部116,117との接触部分と非接触部分との境界で生じる急激な温度変化を緩和することができるため、面内温度の均一性を更に向上させることができる。
<変形例>
ここで、上記の実施形態における変形例について、図9を参照しながら説明する。第1実施形態から第3実施形態においては、凹部18の底面18aが平坦、つまり第1領域181と第2領域182との境界に段差がない場合を例示したが、図9に示すように、第1領域181と第2領域182との境界に段差が形成されていてもよい。より詳細には、第1領域181と第2領域182との境界に、凹部18の底面18aにおいて表面粗さが大きい方の第2領域182が下段となり、表面粗さが小さい方の第1領域が上段となるような段差が形成されていてもよい。図9には、断面形状が略矩形状の凸部を例示しているが、凸部の断面形状は、第2実施形態のように台形状であってもよい。なお、所定距離Aの基準となる凸部16,17(30a)の底部側面BSは、凸部16,17(30a)の側面のうち凹部18の底面18aの上段(第2領域182)と繋がる箇所となる。
なお、上記の実施形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記の実施形態では、本開示を静電チャックに適用した場合を例示したが、本開示は、静電チャックに限られることなく、表面に対象物を保持する保持装置全般について適用することができる。
また、上記の実施形態では、ベース部材を備える静電チャックを例示したが、ベース部材を備えない保持装置(例えば、セラミックヒータなど)にも本開示を適用することができる。このようなベース部材がない保持装置でヒータ電極を備える場合には、ヒータ電極は、板状部材に内蔵されていてもよいし、板状部材に内蔵されずに下面(保持面とは反対側の面)に設けられていてもよい。
1 静電チャック
10 板状部材
11 保持面
12 下面
16 環状凸部
17 凸部
18 凹部
18a 底面
30a 凸部
40 接合層
181 第1領域
182 第2領域
A 所定距離(第2領域の大きさ)
B 隣接する凸部間距離
BS 底部側面
W 半導体ウエハ

Claims (4)

  1. 複数の凸部が形成された第1の面と、前記第1の面とは反対側に設けられる第2の面とを備える板状部材を有し、
    前記板状部材の前記第1の面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記第1の面にて前記凸部以外の凹部の底面に、
    前記凸部の底部側面からの距離が所定距離より大きい領域である第1領域と、
    前記凸部の底部側面からの距離が前記所定距離以内の領域である第2領域とを有し、
    前記第1領域の表面粗さが、前記第2領域の表面粗さよりも大きい
    ことを特徴とする保持装置。
  2. 請求項1に記載する保持装置において、
    前記第1領域における表面粗さは、Ra(Sa)1.0μm以下であり、
    前記第2領域における表面粗さは、Ra(Sa)0.5μm未満である
    ことを特徴とする保持装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する保持装置において、
    前記所定距離は、隣接する前記凸部間の距離の1/3より小さい
    ことを特徴とする保持装置。
  4. 請求項1から請求項3に記載するいずれか1つの保持装置において、
    前記凸部の縦断面形状は、上面側寸法が底面側寸法より小さい台形状である
    ことを特徴とする保持装置。
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WO2024190729A1 (ja) * 2023-03-16 2024-09-19 東京エレクトロン株式会社 静電チャック

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