JP2023013150A - 発光素子駆動装置及び画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光素子に過電流が流れることを防止しつつ、より高速に発光素子を点灯させることが可能な発光素子駆動装置及び画像読取装置を提供する。【解決手段】発光素子駆動装置は、第1電流が供給されることに応じて発光する発光素子と、発光素子に供給される第1電流をON/OFFする第1スイッチング素子と、発光素子に供給されない第2電流をON/OFFする第2スイッチング素子と、第1電流及び第2電流の総電流量が一定となるように調整する定電流回路と、第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子のON/OFFを制御する制御回路と、を有し、制御回路は、第2スイッチング素子をONして第2スイッチング素子に第2電流を流した状態で第1スイッチング素子をONし、第1スイッチング素子をONした後に、第2スイッチング素子をOFFして発光素子及び第1スイッチング素子に第1電流を流す。【選択図】図4
Description
本発明は、発光素子駆動装置及び画像読取装置に関する。
近年、媒体を搬送させながら、又は、撮像部を移動させながら媒体を撮像するスキャナ等の画像読取装置では、より高速に媒体を撮像することが求められている。このような画像読取装置には、例えば、媒体にRGB各色の光を照射する発光素子駆動装置と、発光素子によって光が照射された媒体を撮像する撮像部とが設けられている。画像読取装置において、高速に媒体を撮像するためには、発光素子駆動装置により媒体に照射される光の色を高速に切り替える必要がある。
発光素子駆動装置は、例えば、RGB各色の光を照射する発光素子と定電流回路とにスイッチング素子を接続して、各スイッチング素子のON/OFFを切り替えることにより、各発光素子の点灯/消灯を切り替える。このような発光素子駆動装置において、スイッチング素子をOFFからONに切り替えて発光素子を点灯させるタイミングで、発光素子に過電流が流れる可能性がある。発光素子に過電流が流れると、発光素子の光量が大きくなり過ぎる可能性、又は、発光素子が故障する可能性がある。
発光部に定電流を供給するための定電流回路と、発光部と定電流回路との間に直列に挿入される主スイッチング素子と、スイッチング素子と定電流回路との間のノードに接続された副スイッチング素子とを備える発光素子駆動装置が開示されている(特許文献1)。この発光素子駆動装置は、主スイッチング素子をターンオンする前に副スイッチング素子をオンとすることで副スイッチング素子を介して定電流回路に定電流を流し、主スイッチング素子をターンオンすると同時に副スイッチング素子をターンオフする。
発光素子駆動装置では、発光素子に過電流が流れることを防止しつつ、より高速に発光素子を点灯させることが望まれている。
本発明の目的は、発光素子に過電流が流れることを防止しつつ、より高速に発光素子を点灯させることが可能な発光素子駆動装置及び画像読取装置を提供することにある。
本発明の一側面に係る発光素子駆動装置は、第1電流が供給されることに応じて発光する発光素子と、発光素子に供給される第1電流をON/OFFする第1スイッチング素子と、発光素子に供給されない第2電流をON/OFFする第2スイッチング素子と、第1電流及び第2電流の総電流量が一定となるように調整する定電流回路と、第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子のON/OFFを制御する制御回路と、を有し、制御回路は、第2スイッチング素子をONして第2スイッチング素子に第2電流を流した状態で第1スイッチング素子をONし、第1スイッチング素子をONした後に、第2スイッチング素子をOFFして発光素子及び第1スイッチング素子に第1電流を流す。
また、本発明の一側面に係る画像読取装置は、媒体を撮像する撮像部と、媒体にそれぞれ異なる色の光を照射する複数の発光部と、を有し、複数の発光部のそれぞれは、第1電流が供給されることに応じて発光する発光素子と、発光素子に供給される第1電流をON/OFFする第1スイッチング素子と、発光素子に供給されない第2電流をON/OFFする第2スイッチング素子と、第1電流及び第2電流の総電流量が一定となるように調整する定電流回路と、第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子のON/OFFを制御する制御回路と、を有し、制御回路は、第2スイッチング素子をONして第2スイッチング素子に第2電流を流した状態で第1スイッチング素子をONし、第1スイッチング素子をONした後に、第2スイッチング素子をOFFして発光素子及び第1スイッチング素子に第1電流を流す。
本発明によれば、発光装置及び画像読取装置は、発光素子に過電流が流れることを防止しつつ、より高速に発光素子を点灯させることが可能となる。
以下、本発明の一側面に係る画像読取装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図1は、実施形態に係る画像読取装置100を示す斜視図である。
画像読取装置100は、イメージスキャナ等である。画像読取装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙、カード、冊子又はパスポート等である。画像読取装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。
画像読取装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。
上側筐体102は、画像読取装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、画像読取装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。排出台104は、排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
図2は、画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
画像読取装置100内部の搬送経路は、第1媒体センサ111、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第2媒体センサ116、撮像装置117、第1排出ローラ118及び第2排出ローラ119等を有している。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。その場合、各ローラは、それぞれ媒体搬送方向A1と直交する幅方向に間隔を空けて並べて配置される。撮像装置117は、媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置された第1撮像装置117a及び第2撮像装置117bを含む。
下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド101aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド102aを形成する。図2において矢印A1は媒体搬送方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
第1媒体センサ111は、給送ローラ112及び分離ローラ113の上流側に配置される。第1媒体センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。第1媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1媒体信号を生成して出力する。なお、第1媒体センサ111は接触検出センサに限定されず、第1媒体センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
給送ローラ112は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に給送する。分離ローラ113は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112に対向して配置される。
第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115は、給送ローラ112より下流側に、相互に対向して配置され、給送ローラ112及び分離ローラ113によって給送された媒体を撮像装置117に搬送する。
第2媒体センサ116は、第1搬送ローラ114より下流側且つ撮像装置117より上流側に配置され、その位置に搬送された媒体を検出する。第2媒体センサ116は、媒体搬送路に対して一方の側(例えば下側筐体101)に設けられた発光器及び受光器と、媒体搬送路を挟んで発光器及び受光器と対向する位置(例えば上側筐体102)に設けられた導光管とを含む。発光器は、LED(Light Emitting Diode)等であり、媒体搬送路に向けて光を照射する。一方、受光器は、フォトダイオード等であり、発光器により照射され、導光管により導かれた光を受光する。第2媒体センサ116と対向する位置に媒体が存在するときは、発光器から照射された光は媒体により遮られるため、受光器は発光器から照射された光を検出しない。受光器は、受光する光の強度に基づいて、第2媒体センサ116の位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する第2媒体信号を生成して出力する。
なお、導光管の代わりに、ミラー等の反射部材が使用されてもよい。また、発光器及び受光器は、媒体搬送路を挟んで対向して設けられてもよい。また、第2媒体センサ116は、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサ等により、媒体の存在を検出してもよい。
第1排出ローラ118及び第2排出ローラ119は、撮像装置117より下流側に、相互に対向して配置され、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115によって搬送され且つ撮像装置117により撮像された媒体を搬送し、排出台104に排出する。
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が図2の矢印A2の方向、即ち媒体給送方向に回転することによって、下側ガイド101aと上側ガイド102aの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。分離ローラ113は、媒体搬送時、矢印A3の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転する。給送ローラ112及び分離ローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限されるように動作する(重送の防止)。
媒体は、下側ガイド101aと上側ガイド102aによりガイドされながら、第1搬送ローラ114と第2搬送ローラ115の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115がそれぞれ矢印A4及び矢印A5の方向に回転することによって、第1撮像装置117aと第2撮像装置117bの間に送り込まれる。撮像装置117により読み取られた媒体は、第1排出ローラ118及び第2排出ローラ119がそれぞれ矢印A6及び矢印A7の方向に回転することによって排出台104上に排出される。このように、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ118及び/又は第2排出ローラ119は、媒体を搬送する搬送部として機能する。
図3は、撮像装置117について説明するための図である。
図3に示すように、第2撮像装置117bは、第1撮像装置117aと対向して第1撮像装置117aの上方に配置される。第1撮像装置117aは、第1光透過部材121a、第1発光装置122a、第1撮像センサ123a及び第1裏当て部材124a等を有する。第2撮像装置117bは、第2光透過部材121b、第2発光装置122b、第2撮像センサ123b及び第2裏当て部材124b等を有する。
第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bは、透明のガラスにより形成される。なお、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bは、透明のプラスチック等により形成されてもよい。
第1発光装置122aは、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bを挟んで第2裏当て部材124bの反対側に設けられる。第1発光装置122aは、搬送される媒体に光を照射する光源であり、赤色発光装置131a、緑色発光装置132a及び青色発光装置133aを含む。赤色発光装置131a、緑色発光装置132a及び青色発光装置133aは、それぞれ発光素子駆動装置又は発光部の一例であり、搬送部により搬送された媒体にそれぞれ赤色、緑色及び青色の光を照射する。即ち、第1発光装置122aは、搬送された媒体にそれぞれ異なる色の光を照射する複数の発光部を有する。第1発光装置122aは、撮像装置117の位置に搬送された媒体の表面(媒体が搬送されていない場合は対向する第2撮像装置117bの第2裏当て部材124b)に向けて光を照射する。
同様に、第2発光装置122bは、第2光透過部材121b及び第1光透過部材121aを挟んで第1裏当て部材124aの反対側に設けられる。第2発光装置122bは、搬送される媒体に光を照射する光源であり、赤色発光装置131b、緑色発光装置132b及び青色発光装置133bを含む。赤色発光装置131b、緑色発光装置132b及び青色発光装置133bは、それぞれ発光素子駆動装置又は発光部の一例であり、搬送部により搬送された媒体にそれぞれ赤色、緑色及び青色を有する光を照射する。即ち、第2発光装置122bは、搬送された媒体にそれぞれ異なる色の光を照射する複数の発光部を有する。第2発光装置122bは、撮像装置117の位置に搬送された媒体の裏面(媒体が搬送されていない場合は対向する第1撮像装置117aの第1裏当て部材124a)に向けて光を照射する。
第1撮像センサ123aは、撮像部の一例であり、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bを挟んで第2裏当て部材124bの反対側に設けられる。第1撮像センサ123aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。各撮像素子は、RGB各色に対応する信号値を有する電気信号を出力する。また、第1撮像センサ123aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像センサ123aは、撮像位置L1において、搬送部により搬送された媒体の表面を撮像し、入力画像を生成する。
同様に、第2撮像センサ123bは、撮像部の一例であり、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bを挟んで第1裏当て部材124aの反対側に設けられる。第2撮像センサ123bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。各撮像素子は、RGB各色に対応する信号値を有する電気信号を出力する。また、第2撮像センサ123bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル変換するA/D変換器とを有する。第2撮像センサ123bは、撮像位置L2において、搬送部により搬送された媒体の裏面を撮像し、入力画像を生成する。
第1撮像センサ123a及び第2撮像センサ123bは、1ラインモノクロセンサであり、第1発光装置122a及び第2発光装置122bに照射させる光の色を切り替えながら、撮像対象のRGB各色の成分値を特定する。1ラインモノクロセンサは、RGB各色に対応する三つのラインセンサを有する3ラインカラーセンサと比較して低価格であり、且つ、色ずれの発生量を低減させることができる。したがって、画像読取装置100は、第1撮像センサ123a及び第2撮像センサ123bとして1ラインモノクロセンサを使用することにより、装置コストを低減させるとともに、入力画像内での色ずれの発生を抑制することが可能となる。
なお、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。また、第1発光装置122a、第1撮像センサ123a及び第2裏当て部材124bのセット、又は、第2発光装置122b、第2撮像センサ123b及び第1裏当て部材124aのセットの内の何れか一方は省略されてもよい。
第1裏当て部材124aは、第1光透過部材121aの下方に且つ第2発光装置122b及び第2撮像センサ123bと対向する位置に設けられる。第1裏当て部材124aにおいて第2撮像センサ123bと対向する面は例えば白色を有し、第1裏当て部材124aは、第1裏当て部材124aが撮像された画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行うための白基準部材として機能する。
同様に、第2裏当て部材124bは、第2光透過部材121bの上方に且つ第1発光装置122a及び第1撮像センサ123aと対向する位置に設けられる。第2裏当て部材124bにおいて第1撮像センサ123aと対向する面は例えば白色を有し、第2裏当て部材124bは、第2裏当て部材124bが撮像された画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行うための白基準部材として機能する。
以下では、第1発光装置122a及び第2発光装置122bを総じて発光装置122と称する場合がある。また、第1撮像センサ123a及び第2撮像センサ123bを総じて撮像センサ123と称する場合がある。
図4は、第1発光装置122aの赤色発光装置131aの回路図の一例を示す。
図4に示すように、赤色発光装置131aは、発光素子141、第1スイッチング素子142、第2スイッチング素子143、定電流回路144、検出回路145及び制御回路146等を有する。
発光素子141は、電源電圧Vccと定電流回路144の間に接続される。即ち、発光素子141は、定電流回路144に直列接続される。発光素子141の入力端子は電源電圧Vccに接続され、発光素子141の出力端子は第1スイッチング素子142に接続される。発光素子141は、例えば赤色LEDであり、搬送された媒体に赤色を有する光を照射する。発光素子141は、発光素子141に電流が供給されることに応じて発光する。発光素子141に供給される電流量が大きいほど、発光素子141が発光する光量は大きく、発光素子141に供給される電流量が小さいほど、発光素子141が発光する光量は小さい。以下では、発光素子141に供給される電流を第1電流と称する場合がある。
第1スイッチング素子142は、発光素子141と定電流回路144の間に接続される。即ち、第1スイッチング素子142は、発光素子141及び定電流回路144に直列接続される。第1スイッチング素子142は、例えばNPN型トランジスタであり、そのコレクタ端子は発光素子141の出力端子に接続され、エミッタ端子は定電流回路144の入力端子に接続され、ベース端子は抵抗R1を介して制御回路146に接続される。第1スイッチング素子142は、制御回路146から入力される第1制御信号に従って、発光素子141に供給される第1電流をON/OFFする。第1スイッチング素子142は、第1制御信号の信号値が所定閾値以上である場合、ONに設定され、第1スイッチング素子142を介して電源電圧Vccから定電流回路144へ第1電流を流すことにより、発光素子141に第1電流を流す。一方、第1スイッチング素子142は、第1制御信号の信号値が所定閾値未満である場合、OFFに設定され、第1スイッチング素子142を介した電源電圧Vccから定電流回路144への第1電流を止めることにより、発光素子141に第1電流を流さない。第1スイッチング素子142は、ONに設定された場合のコレクタ-エミッタ間の電流量が発光素子141の定格電流以下となるように設定されてもよい。
第2スイッチング素子143は、第1スイッチング素子142に並列接続されるように、電源電圧Vccと定電流回路144の間に接続される。即ち、第2スイッチング素子143は、電源電圧Vcc及び定電流回路144に直列接続される。第2スイッチング素子143は、例えばNPN型トランジスタであり、そのコレクタ端子は抵抗R2を介して電源電圧Vccに接続され、エミッタ端子は定電流回路144の入力端子に接続され、ベース端子は抵抗R3を介して制御回路146に接続される。第2スイッチング素子143は、制御回路146から入力される第2制御信号に従って、第2スイッチング素子に供給される電流をON/OFFする。以下では、第2スイッチング素子に供給される電流、即ち発光素子141に供給されない電流を第2電流と称する場合がある。第2スイッチング素子143は、第2制御信号の信号値が所定閾値以上である場合、ONに設定され、第2スイッチング素子143を介して電源電圧Vccから定電流回路144へ第2電流を流す。一方、第2スイッチング素子143は、第2制御信号の信号値が所定閾値未満である場合、OFFに設定され、第2スイッチング素子143を介した電源電圧Vccから定電流回路144への第2電流を止める。
定電流回路144の入力端子は、第1スイッチング素子142及び第2スイッチング素子143のエミッタ端子に接続される。定電流回路144は、オペアンプU1、トランジスタTr1及び抵抗R4、R5を有する。オペアンプU1の正側電源端子は電源電圧Vccに接続され、負側電源端子はアースに接続される。正側電源端子と電源電圧Vccの接続経路とアースの間には、電源電圧の変動を防止するためのコンデンサC1が接続される。オペアンプU1の非反転入力端子は基準電圧Vrefに接続され、反転入力端子はトランジスタTr1のエミッタ端子に接続され、出力端子は抵抗R4を介してトランジスタTr1のベース端子に接続される。トランジスタTr1は、例えばNPN型トランジスタであり、そのコレクタ端子は定電流回路144の入力端子に接続され、エミッタ端子は抵抗R5を介してアースに接続され、ベース端子は抵抗R4を介してオペアンプU1の出力端子に接続される。なお、オペアンプU1の正側電源端子は、電源電圧Vccに限らず、Vccと異なる任意の電源電圧に接続されてもよい。
オペアンプU1は、トランジスタTr1のエミッタ端子の電位が基準電圧Vrefの出力電位と等しくなるように動作する。これにより、定電流回路144は、トランジスタTr1のコレクタ端子からエミッタ端子に流れる電流の電流量を一定に保ち、第1スイッチング素子142及び第2スイッチング素子143に接続される入力端子に一定の定電流を流す。即ち、定電流回路144は、発光素子141に供給される第1電流及び発光素子141に供給されない第2電流の総電流量が一定となるように調整する。定電流回路144は、第1スイッチング素子142を介して電源電圧Vccから供給される第1電流と、第2スイッチング素子143を介して電源電圧Vccから供給される第2電流の総電流量が、発光素子141の定格電流を超えないように設定される。
検出回路145は、定電流回路144及び制御回路146と接続される。検出回路145は、電流センサであり、定電流回路144の入力端子に供給される電流の電流量を検出する。検出回路145は、検出した電流量が閾値以上であるか否かにより信号値が変化する検出信号を生成して制御回路146へ出力する。閾値は、例えば発光素子141の定格電流に設定される。なお、閾値は、第1スイッチング素子142の定格電流に設定されてもよい。また、検出回路145は、トランジスタTr1のエミッタ電流、ベース電流、エミッタ電位、ベース電位を測定し、定電流回路144の入力端子に供給される電流の電流量に換算することにより、電流量を検出してもよい。検出回路145は、例えばAFE(Analog Front End)である。検出回路145として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
制御回路146は、抵抗R1を介して第1スイッチング素子142のベース端子と接続され、第1スイッチング素子142のON/OFFを制御する。また、制御回路146は、抵抗R3を介して第2スイッチング素子143のベース端子と接続され、第2スイッチング素子143のON/OFFを制御する。制御回路146は、検出回路145と接続され、検出回路145からの検出信号に従って、第1スイッチング素子142及び第2スイッチング素子143のON/OFFを制御する。制御回路146は、信号値が、所定閾値以上であるH値と所定閾値未満であるL値との間で変化する第1制御信号を生成し、第1スイッチング素子142のベース端子へ出力することにより、第1スイッチング素子142のON/OFFを切り替える。また、制御回路146は、信号値が、所定閾値以上であるH値と所定閾値未満であるL値との間で変化する第2制御信号を生成し、第2スイッチング素子143のベース端子へ出力することにより、第2スイッチング素子143のON/OFFを切り替える。
制御回路146は、後述する処理回路から、発光装置122による照射を指示された場合、所定間隔毎に、第2制御信号の信号値をL値からH値に切り替える。所定間隔は、撮像装置117による撮像タイミングと同じ間隔に設定される。一方、制御回路146は、第2制御信号の信号値をL値からH値に切り替えてから第2所定時間が経過した時に、第2制御信号の信号値をH値からL値に切り替える。第2所定時間は、所定間隔より十分に短く、且つ、定電流回路144に電流を流し始めた時に過電流が流れる期間より長い時間に設定される。
また、制御回路146は、第2制御信号の信号値をL値からH値に切り替えた後に、検出回路145から入力された検出信号を監視する。制御回路146は、検出信号の信号値が、定電流回路144に供給される電流の電流量が閾値未満であることを示す値になった時に、第1制御信号の信号値をL値からH値に切り替える。一方、制御回路146は、第1制御信号の信号値をL値からH値に切り替えてから第1所定時間が経過した時に、第1制御信号の信号値をH値からL値に切り替える。第1所定時間は、発光素子141を点灯させる時間に設定される。
制御回路146は、例えばAFEである。制御回路146として、ASIC、DSP、LSI、FPGA等が用いられてもよい。
なお、赤色発光装置131aの回路は、上記したものに限定されず、例えば発光素子141、第1スイッチング素子142及び定電流回路144は、任意の順序で直列に並べられてもよい。
第1発光装置122aの緑色発光装置132a及び青色発光装置133a、並びに、第2発光装置122bの赤色発光装置131b、緑色発光装置132b及び青色発光装置133bは、第1発光装置122aの赤色発光装置131aと同様の構成を有する。即ち、緑色発光装置132a、青色発光装置133a、赤色発光装置131b、緑色発光装置132b及び青色発光装置133bは、それぞれ発光素子、第1スイッチング素子、第2スイッチング素子、定電流回路、制御回路及び検出回路を有する。但し、赤色発光装置131bの発光素子は、赤色LEDであり、搬送された媒体に赤色の光を照射する。一方、緑色発光装置132a及び緑色発光装置132bの発光素子は、緑色LEDであり、搬送された媒体に緑色の光を照射する。また、青色発光装置133a及び青色発光装置133bの発光素子は、緑色LEDであり、搬送された媒体に青色の光を照射する。
赤色発光装置131a、緑色発光装置132a及び青色発光装置133aの各制御回路は、それぞれ異なるタイミングで各発光素子を点灯させる。赤色発光装置131aは、第1撮像センサ123aが赤色成分に対応する電気信号を生成する時に、発光素子を点灯させ、それ以外のタイミングでは、発光素子を消灯させる。緑色発光装置132aは、第1撮像センサ123aが緑色成分に対応する電気信号を生成する時に、発光素子を点灯させ、それ以外のタイミングでは、発光素子を消灯させる。青色発光装置133aは、第1撮像センサ123aが青色成分に対応する電気信号を生成する時に、発光素子を点灯させ、それ以外のタイミングでは、発光素子を消灯させる。
同様に、赤色発光装置131b、緑色発光装置132b及び青色発光装置133bの各制御回路は、それぞれ異なるタイミングで各発光素子を点灯させる。赤色発光装置131bは、第2撮像センサ123bが赤色成分に対応する電気信号を生成する時に、発光素子を点灯させ、それ以外のタイミングでは、発光素子を消灯させる。緑色発光装置132bは、第2撮像センサ123bが緑色成分に対応する電気信号を生成する時に、発光素子を点灯させ、それ以外のタイミングでは、発光素子を消灯させる。第2撮像センサ123bは、第2撮像センサ123bが青色成分に対応する電気信号を生成する時に、発光素子を点灯させ、それ以外のタイミングでは、発光素子を消灯させる。
図5は、赤色発光装置131aにおける電流量と、第1制御信号及び第2信号の信号値とについて説明するためのグラフである。
図5において、グラフG11は、定電流回路144に供給される電流の電流量、即ち第1電流と第2電流の総電流量を示す。グラフG12は、第1スイッチング素子142を介して電源電圧Vccから定電流回路144に供給される電流、即ち発光素子141に供給される第1電流の電流量を示す。グラフG13は、第2スイッチング素子143を介して電源電圧Vccから定電流回路144に供給される電流、即ち発光素子141に供給されない第2電流の電流量を示す。各グラフG11~G13の横軸は時刻を示し、縦軸は電流量を示す。
一方、グラフG14は、制御回路146から出力され、第1スイッチング素子142に入力される第1制御信号の信号値を示す。グラフG15は、制御回路146から出力され、第2スイッチング素子143に入力される第2制御信号の信号値を示す。各グラフG14~G15の横軸は時刻を示し、縦軸は信号値を示す。
グラフG14、G15に示すように、時刻T1より前において、第1制御信号の信号値及び第2制御信号の信号値はL値に設定され、第1スイッチング素子142及び第2スイッチング素子143はOFFに設定されている。これにより、グラフG11~G13に示すように、定電流回路144及び発光素子141に十分な量の電流が供給されず、発光素子141は消灯する。
グラフG15に示すように、発光素子141を点灯させる場合、制御回路146は、まず時刻T1において、第2制御信号の信号値をL値からH値に切り替えて、第2スイッチング素子143をOFFからONに切り替える。これにより、グラフG13に示すように、第2スイッチング素子143を介して電源電圧Vccから定電流回路144に第2電流が供給され、グラフG11に示すように、定電流回路144に第2電流が供給される。第2スイッチング素子143と定電流回路144には、第2電流が流れ始める時に、発光素子141の定格電流Sより大きい過電流が流れる。
その後、グラフG13に示すように、時刻T2において、第2スイッチング素子143を介して電源電圧Vccから定電流回路144に供給される第2電流の電流量は、予め設定された値まで低下する。グラフG11に示すように、定電流回路144に供給される電流の電流量が発光素子141の定格電流S未満になった場合、検出回路145により生成される検出信号の信号値は、定電流回路144に供給される電流の電流量が閾値未満であることを示す。これにより、グラフG14に示すように、制御回路146は、第1制御信号の信号値をL値からH値に切り替えて、第1スイッチング素子142をOFFからONに切り替える。これにより、グラフG12に示すように、第1スイッチング素子142を介して電源電圧Vccから定電流回路144に第1電流が供給され、発光素子141に第1電流が供給される。
この時、既に、定電流回路144には、第2スイッチング素子143を介して第2電流が供給されている。定電流回路144は、総電流量が定格電流Sを超えないように供給される電流を制御するため、第1スイッチング素子142を介して定電流回路144に供給される第1電流の電流量は、定格電流Sより小さくなる。そのため、グラフG12に示すように、時刻T2において、発光素子141に供給される第1電流の電流量は、定格電流Sより小さい。
グラフG15に示すように、時刻T1から第2所定時間が経過した時刻T3において、制御回路146は、第2制御信号の信号値をH値からL値に切り替えて、第2スイッチング素子143をONからOFFに切り替える。これにより、グラフG13に示すように、第2スイッチング素子143を介して電源電圧Vccから定電流回路144に供給される第2電流の電流量が0になる。グラフG11に示すように、定電流回路144は、総電流量が定格電流Sを超えないように、供給される電流を制御する。そのため、グラフG12に示すように、第1スイッチング素子142を介して定電流回路144に供給される第1電流の電流量は、定格電流Sより小さい。
グラフG14に示すように、時刻T2から第1所定時間が経過した時刻T4において、制御回路146は、第1制御信号の信号値をH値からL値に切り替えて、第1スイッチング素子142をONからOFFに切り替える。これにより、グラフG12に示すように、第1スイッチング素子142を介して電源電圧Vccから定電流回路144に供給される第1電流の電流量が0になり、グラフG11に示すように、定電流回路144に供給される第1電流の電流量が0になる。
このように、制御回路146は、第1スイッチング素子142をOFFからONに切り替える際、第2スイッチング素子143をONして第2スイッチング素子143に第2電流を流した状態で第1スイッチング素子142をONする。また、制御回路146は、第1スイッチング素子142をONした後に、第2スイッチング素子143をOFFして発光素子141及び第1スイッチング素子142に第1電流を流す。
上記したように、定電流回路144には、電流が流れ始める時に過電流が流れる。仮に、第1スイッチング素子142をOFFからONに切り替える際に定電流回路144に過電流が流れると、発光素子141に定格電流を超える電流が流れる。その場合、発光素子141の光量が大きくなりすぎて、撮像センサ123により生成される入力画像の品質が低下する可能性がある。また、その場合、発光素子141が故障する可能性もある。
一方、制御回路146は、第1スイッチング素子142をOFFからONに切り替える前に、第2スイッチング素子143をOFFからONに切り替える。これにより、定電流回路144に電流が流れ始める時に発生する過電流は、第2スイッチング素子143側に流れるため、発光素子141に過電流が流れることが防止される。そのため、制御回路146は、撮像センサ123により生成される入力画像の品質の低下、及び、発光素子141の故障の発生を防止することができる。また、制御回路146は、第2スイッチング素子143をONからOFFに戻す前に、第1スイッチング素子142をOFFからONに切り替える。これにより、発光素子141は、早期に点灯し始めるため、撮像センサ123は短時間で十分な量の光を蓄積することができる。したがって、画像読取装置100は、媒体の各ラインを短時間で撮像することが可能となり、媒体を高速に撮像すること可能となる。
なお、上記したように、時刻T1から時刻T2までの間は発光素子141に第1電流が供給されず、時刻T2から時刻T3までの間は発光素子141に供給される第1電流の電流量が定格電流Sより小さくなるため、発光素子141による光量は小さくなる。しかしながら、時刻T1から時刻T2までの時間、及び、時刻T2から時刻T3までの時間は、発光素子141の全発光期間(時刻T1から時刻T4までの時間)と比較して十分に小さい。例えば、発光素子141の発光時間が50μsである場合、時刻T2から時刻T3までの時間は全発光期間の5%以下である。したがって、撮像センサ123は、時刻T1から時刻T4までの間に、トータルとして十分な量の光を蓄積することができる。
また、制御回路146は、第1スイッチング素子142をOFFからONに切り替える際、第2スイッチング素子143をONしてから、定電流回路144の出力電流値が閾値未満になった時に、第1スイッチング素子142をONする。これにより、制御回路146は、発光素子141に過電流が流れることをより確実に防止し、撮像センサ123により生成される画像の品質の低下、及び、発光素子141の故障の発生をより確実に防止することができる。
なお、各発光装置において、検出回路145は省略されてもよい。その場合、制御回路146は、第1スイッチング素子142をOFFからONに切り替える際、第2スイッチング素子143をONしてから第3所定時間が経過した後に、第1スイッチング素子142をONする。第3所定時間は、第2スイッチング素子143をOFFからONに切り替えてから、定電流回路144における電流量が発光素子141又は第1スイッチング素子142の定格電流未満になるまでの時間に予め定められる。この場合も、制御回路146は、発光素子141に過電流が流れることを防止しつつ、より高速に発光素子141を点灯させることが可能となる。さらに、検出回路145が省略されることにより、制御回路146は、装置コストの増大を抑制することが可能となる。
図6は、赤色発光装置131aにおける電流量と、緑色発光装置132aにおける電流量と、青色発光装置133aにおける電流量とについて説明するためのグラフである。
図6において、グラフG21は、赤色発光装置131aの定電流回路に供給される電流の電流量を示す。グラフG22は、緑色発光装置132aの定電流回路に供給される電流の電流量を示す。グラフG23は、青色発光装置133aの定電流回路に供給される電流の電流量を示す。各グラフG21~G23の横軸は時刻を示し、縦軸は電流量を示す。
図6に示すように、赤色発光装置131aは、時刻Trにおいて第2制御信号の信号値をL値からH値に切り替えて定電流回路に電流を供給し、時刻Trから時刻Tgまで発光素子(赤色LED)を点灯させる。緑色発光装置132aは、時刻Tgにおいて第2制御信号の信号値をL値からH値に切り替えて定電流回路に電流を供給し、時刻Tgから時刻Tbまで定電流回路に電流を供給し、発光素子(緑色LED)を点灯させる。青色発光装置133aは、時刻Tbにおいて第2制御信号の信号値をL値からH値に切り替えて定電流回路に電流を供給し、時刻Tbから時刻Trまで定電流回路に電流を供給し、発光素子(青色LED)を点灯させる。
即ち、赤色発光装置131a、緑色発光装置132a及び青色発光装置133aの各制御回路は、それぞれ排他的なタイミングで各定電流回路に電流を供給し、各発光素子を点灯させる。これにより、撮像センサ123は、RGB各色の光が照射された媒体を撮像して、各色に対応する電気信号を良好に生成することが可能となる。
なお、各発光装置の制御回路は、時刻Tr、Tg、Tbの前に第2制御信号の信号値をL値からH値に切り替えて定電流回路に電流を供給し、時刻Tr、Tg、Tbにおいて第1制御信号の信号値をL値からH値に切り替えて定電流回路に電流を供給してもよい。これにより、各発光装置は、より長い期間、各発光素子を点灯させ続けることが可能となり、媒体に良好に光を照射させることが可能となる。
図7は、画像読取装置100の概略構成を示すブロック図である。
画像読取装置100は、前述した構成に加えて、モータ151、インタフェース装置152、記憶装置160及び処理回路170等をさらに有する。
モータ151は、一又は複数のモータを有し、処理回路170からの制御信号によって、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ118及び第2排出ローラ119を回転させて媒体を搬送させる。なお、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115のうちの一方のローラは他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。また、第1排出ローラ118及び第2排出ローラ119のうちの一方のローラは、他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。
インタフェース装置152は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置152の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
記憶装置160は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置又は光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置160には、画像読取装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置160にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
処理回路170は、予め記憶装置160に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路170は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路170として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
処理回路170は、操作装置105、表示装置106、第1媒体センサ111、第2媒体センサ116、発光装置122、撮像センサ123、モータ151、インタフェース装置152及び記憶装置160等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路170は、モータ151の駆動制御、発光装置122の照射制御、撮像センサ123の撮像制御等を行い、入力画像を取得し、インタフェース装置152を介して情報処理装置に送信する。
図8は、記憶装置160及び処理回路170の概略構成を示す図である。
図8に示すように、記憶装置160には、搬送制御プログラム161及び読取制御プログラム162等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路170は、記憶装置160に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、処理回路170は、搬送制御部171及び読取制御部172として機能する。
図9は、画像読取装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
以下、図9に示したフローチャートを参照しつつ、画像読取装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置160に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路170により画像読取装置100の各要素と協働して実行される。
最初に、搬送制御部171は、利用者により操作装置105を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置105から受信するまで待機する(ステップS101)。
次に、搬送制御部171は、第1媒体センサ111から第1媒体信号を取得し、取得した第1媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。載置台103に媒体が載置されていない場合、搬送制御部171は、一連のステップを終了する。
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、搬送制御部171は、モータ151を駆動する。搬送制御部171は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ118及び/又は第2排出ローラ119を回転させて、媒体を搬送させる(ステップS103)。
次に、読取制御部172は、媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過するまで待機する(ステップS104)。読取制御部172は、第2媒体センサ116から定期的に第2媒体信号を取得し、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過したと判定する。
次に、読取制御部172は、発光装置122の各制御回路を制御し、光の照射を開始させる(ステップS105)。
次に、読取制御部172は、撮像センサ123に撮像を開始させる(ステップS106)。
次に、読取制御部172は、媒体の後端が撮像装置117の撮像位置を通過するまで待機する(ステップS107)。読取制御部172は、第2媒体センサ116から定期的に第2媒体信号を取得し、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在することを示す値から媒体が存在しないことを示す値に変化したときに、媒体の後端が第2媒体センサ116の位置を通過したと判定する。読取制御部172は、媒体の後端が第2媒体センサ116の位置を通過してから第4所定時間が経過した時に、媒体の後端が撮像装置117の撮像位置を通過したと判定する。第4所定時間は、媒体が第2媒体センサ116の位置から撮像位置まで移動するために要する時間にマージンを加えた時間に設定される。
次に、読取制御部172は、撮像センサ123に撮像を停止させる(ステップS108)。
次に、読取制御部172は、発光装置122を制御し、各制御回路に光の照射を停止させる(ステップS109)。
次に、読取制御部172は、撮像センサ123から入力画像を取得し、取得した入力画像を、インタフェース装置152を介して情報処理装置へ送信することにより出力する(ステップS110)。
次に、搬送制御部171は、第1媒体センサ111から取得する媒体検出信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS111)。載置台103に媒体が残っている場合、読取制御部172は、ステップS104へ処理を戻し、ステップS104~S111の処理を繰り返す。
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、搬送制御部171は、モータ151を停止し(ステップS112)、一連のステップを終了する。
以上詳述したように、発光装置122は、定電流回路144と発光素子141の間の電流経路と並列に別の電流経路を設けて、発光素子141に電流を流し始める前に別の電流経路に電流を流す。これにより、発光装置122は、定電流回路144による過電流が発光素子141に流れることを防止する。また、発光装置122は、別の電流経路への電流の供給量を0にする前に発光素子141に電流を流し始める。これにより、発光装置122は、発光素子141を早期に点灯させることが可能となる。したがって、発光装置122は、発光素子141に過電流が流れることを防止しつつ、より高速に発光素子141を点灯させることが可能となった。
特に、発光装置122は、第1スイッチング素子142と第2スイッチング素子143のON/OFF切り替えタイミングを同期させる必要がなく、そのON/OFF切り替えタイミングを容易に設計することができる。これにより、発光装置122は、開発コストの増大を抑制しつつ、発光素子141に過電流が流れることを防止し且つ高速に発光素子141を点灯させることが可能となった。
なお、発光装置は、制御回路と第1スイッチング素子の間に抵抗及びコンデンサを接続して、第1スイッチング素子がOFFからONに変化する速度を低減させることにより、発光素子に過電流が流れることを防止することが可能である。しかしながら、その場合、発光素子に一定の電流が供給されるまでに長時間を要し、発光装置は、画像読取装置が必要とする量の光を発光できない可能性がある。発光装置122は、制御回路146と第1スイッチング素子142の間にコンデンサを接続することなく、発光素子141に過電流が流れることを防止することが可能となり、発光素子141に十分な量の光を発光させることが可能となった。
また、発光装置は、応答速度の高い(速い)定電流回路を使用することにより、発光素子に過電流が流れることを防止することが可能である。しかしながら、その場合、定電流回路の部品コストが増大するとともに、消費電力が増大する。発光装置122は、一般的な応答速度を有する安価な定電流回路144を用いて、発光素子141のON/OFFを高速に切り替える。したがって、発光装置122は、装置コスト及び消費電力の増大を抑制しつつ、発光素子141に過電流が流れることを防止し且つ高速に発光素子141を点灯させることが可能となった。
図10は、他の実施形態に係る画像読取装置における処理回路270の概略構成を示す図である。処理回路270は、画像読取装置100の処理回路170の代わりに使用され、処理回路170の代わりに、媒体読取処理等を実行する。処理回路270は、搬送制御回路271及び読取制御回路272等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
搬送制御回路271は、搬送制御部の一例であり、搬送制御部171と同様の機能を有する。搬送制御回路271は、操作装置105又はインタフェース装置152から操作信号を、第1媒体センサ111から第1媒体信号を受信し、受信した各信号に応じてモータ151を駆動する。
読取制御回路272は、読取制御部の一例であり、読取制御部172と同様の機能を有する。読取制御回路272は、第2媒体センサ116から第2媒体信号を受信し、受信した第2媒体信号に基づいて、発光装置122及び撮像センサ123を制御する。読取制御回路272は、撮像センサ123から入力画像を受信し、インタフェース装置152を介して情報処理装置へ送信する。
以上詳述したように、画像読取装置は、処理回路270を用いる場合においても、発光素子141に過電流が流れることを防止しつつ、より高速に発光素子141を点灯させることが可能となった。
なお、画像読取装置は、媒体を搬送しながら撮像する媒体搬送装置に限定されず、撮像装置117を移動させながら、ガラス面に載置された媒体を撮像する、いわゆるフラットベッドタイプの画像読取装置でもよい。その場合、撮像センサは、ガラス面に載置された媒体を撮像し、各発光装置は、ガラス面に載置された媒体にそれぞれ異なる色の光を照射する。
また、発光装置122は、画像読取装置以外の任意の装置で使用されてもよい。
100 画像読取装置、112 給送ローラ、113 分離ローラ、114 第1搬送ローラ、115 第2搬送ローラ、118 第1排出ローラ、119 第2排出ローラ、122 発光装置、123 撮像センサ、141 発光素子、142 第1スイッチング素子、143 第2スイッチング素子、144 定電流回路、146 制御回路
Claims (4)
- 第1電流が供給されることに応じて発光する発光素子と、
前記発光素子に供給される前記第1電流をON/OFFする第1スイッチング素子と、
前記発光素子に供給されない第2電流をON/OFFする第2スイッチング素子と、
前記第1電流及び前記第2電流の総電流量が一定となるように調整する定電流回路と、
前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子のON/OFFを制御する制御回路と、を有し、
前記制御回路は、前記第2スイッチング素子をONして前記第2スイッチング素子に前記第2電流を流した状態で前記第1スイッチング素子をONし、前記第1スイッチング素子をONした後に、前記第2スイッチング素子をOFFして前記発光素子及び前記第1スイッチング素子に前記第1電流を流す、
ことを特徴とする発光素子駆動装置。 - 前記制御回路は、前記第2スイッチング素子をONしてから予め定められた時間が経過した後に、前記第1スイッチング素子をONする、請求項1に記載の発光素子駆動装置。
- 前記制御回路は、前記第2スイッチング素子をONしてから、前記定電流回路の出力電流値が閾値未満になった時に、前記第1スイッチング素子をONする、請求項1に記載の発光素子駆動装置。
- 媒体を撮像する撮像部と、
媒体にそれぞれ異なる色の光を照射する複数の発光部と、を有し、
前記複数の発光部のそれぞれは、
第1電流が供給されることに応じて発光する発光素子と、
前記発光素子に供給される前記第1電流をON/OFFする第1スイッチング素子と、
前記発光素子に供給されない第2電流をON/OFFする第2スイッチング素子と、
前記第1電流及び前記第2電流の総電流量が一定となるように調整する定電流回路と、
前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子のON/OFFを制御する制御回路と、を有し、
前記制御回路は、前記第2スイッチング素子をONして前記第2スイッチング素子に前記第2電流を流した状態で前記第1スイッチング素子をONし、前記第1スイッチング素子をONした後に、前記第2スイッチング素子をOFFして前記発光素子及び前記第1スイッチング素子に前記第1電流を流す、
ことを特徴とする画像読取装置。
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JP2021117115A JP2023013150A (ja) | 2021-07-15 | 2021-07-15 | 発光素子駆動装置及び画像読取装置 |
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