JP2023012616A - 制御部、流体制御装置、バルブ診断用プログラム、及びバルブ診断方法 - Google Patents

制御部、流体制御装置、バルブ診断用プログラム、及びバルブ診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プロセス中に流体制御バルブVの状態を診断できるようにする。【解決手段】流体制御バルブVの正常時におけるCv値又はこれに関連する値である基準Cv値とバルブ電圧との相関を示すCv値-電圧相関データを記憶する相関データ記憶部Z3と、実流量制御時の所定タイミングにおけるCv値又はこれに関連する値である実Cv値を算出する実Cv値算出部Z4と、前記所定タイミングにおける流体制御バルブVのバルブ電圧に対応する基準Cv値を、Cv値-電圧相関データに基づき取得する基準Cv値取得部Z5と、前記基準Cv値及び実Cv値を比較するバルブ診断部Z6とを備えるようにした。【選択図】図5

Description

本発明は、制御部、流体制御装置、バルブ診断用プログラム、及びバルブ診断方法に関する。
例えば、プロセス中の流体制御バルブに異常が発生すると、そのプロセスが無駄となり多大な損失が生じ得ることや、バルブ開度の経時変化により、応答速度を含めた制御性が悪化することなどの理由から、近時、流体制御バルブの状態を自己診断して、故障や異常等を事前に予測することのできる機能が求められている。
このような中、先行文献1には、流体制御バルブのバルブシートが摩耗・変形するとCv値が変化することから、流体制御バルブを半導体製造装置などのシステムに組み込まれた状態において、流体制御バルブのCv値を検査するシステムが開示されている。
より具体的に説明すると、このシステムにおいては、流体制御バルブを全開状態にして流体を流すとともに、差圧計の差圧値を所定値になるようレギュレータを制御し、その状態における流量センサの流量値等を用いてCv値を算出し、この算出されたCv値が適正範囲内か否かを判定している。
しかしながら、このような方法であると、流体制御バルブを全開状態にしたり、差圧計の差圧値を所定値に調整したりする必要があるので、Cv値を介して流体制御バルブの状態を知るためには、わざわざプロセスを止めなければならず、逆に言えば、流体制御バルブに故障や異常等が生じているかなどを、プロセス中に予測することはできない。
特開2021-56806号公報
そこで本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたものであり、流体制御バルブの状態をプロセス中に診断できるようにすることを課題とするものである。
すなわち、本発明に係る制御部は、流体制御バルブの正常時におけるCv値又はこれに関連する値である基準Cv値とバルブ電圧との相関を示すCv値-電圧相関データを記憶する相関データ記憶部と、実流量制御時の所定タイミングにおけるCv値又はこれに関連する値である実Cv値を算出する実Cv値算出部と、前記所定タイミングにおける前記流体制御バルブのバルブ電圧に対応する前記基準Cv値を、前記Cv値-電圧相関データに基づき取得する基準Cv値取得部と、前記基準Cv値及び前記実Cv値を比較するバルブ診断部とを備えることを特徴とするものである。
このように構成された制御部によれば、実流量制御時の所定タイミングに算出された実Cv値と、その所定タイミングのバルブ電圧に対応する基準Cv値とを比較するので、実流量制御時たるプロセス中に流体制御バルブの状態を診断することができる。
ところで、流体制御バルブにより制御されるガス種は、その時々でプロセス毎に変わり得ることから、上述した流体制御バルブの状態の診断は、種々のガス種に応じて適切に行えることが望ましい。
そこで、本願発明者は、種々のガス種に対して上述したCv値-電圧相関データを実験により求めたところ、流体制御バルブの正常時におけるCv値が、バルブ電圧が同じであっても、ガス種に応じて異なる値となることを見出した。なお、Cv値は、ON/OFFバルブの流れやすさの指標として用いられることが多く、この技術分野においては、ガス種によらずCv値として同じ値を用いることが技術常識である。
上述した新たな知見に鑑みれば、種々のガス種に対する種々のCv値-電圧相関データを相関データ記憶部に記憶させておけば、流体制御バルブの異常が生じているかの状態を種々のガス種に応じて適切に診断することができる。しかしながら、そのためには、プロセスで使用され得るガス種が多ければ多いほど、事前に実験で求めるCv値-電圧相関データのデータ数も多くなり、多大な手間や時間を要する。
そこで、前記実Cv値が、前記所定タイミングにおけるCv値を、当該流体制御バルブにより制御されるガス種に応じて定まる物性値を用いて補正した値であることが好ましい。
このような構成であれば、基準となるガス種(以下、基準ガスという)を予め決めておくことで、プロセスに用いられるガス種(以下、制御対象ガスという)が基準ガスと異なる場合に、これらの制御対象ガスに応じて定まる物性値を補正に用いているので、算出される実Cv値は、制御対象ガスが基準ガスであった場合のCv値として算出される。
これにより、基準ガス種のCv値-電圧相関データを実験により求めておくことで、プロセスに用いられる種々のガス種に兼用することができ、言い換えれば、Cv値-電圧相関データを一本化(共通化)することができる。
その結果、時間や手間を多く要することなく、流体制御バルブの状態を種々のガス種に応じて適切に診断することが可能となる。
より具体的な態様としては、前記実Cv値が、前記所定タイミングにおけるCv値を、当該流体制御バルブにより制御されるガスの分子量を用いて補正した値である態様を挙げることができる。
前記相関データ記憶部が、バルブ電圧を変数に含み、前記基準Cv値を算出する算出式を前記Cv値-電圧相関データとして記憶していることが好ましい。
これならば、相関データ記憶部が設定されるメモリの小容量化を図れる。
また、前記バルブ診断部による診断結果を内部メモリ又は外部メモリに蓄えることが好ましい。
これならば、流体制御バルブに生じた異常の原因等を事後分析することができる。
前記バルブ診断部が、実流量制御時に前記実Cv値及び前記基準Cv値とを比較して、当該流体制御バルブに異常が生じているか否かを診断し、前記流体制御バルブに異常が生じていると診断された場合に、そのことを示す異常信号をその実流量制御時に出力する異常報知部をさらに備えることが好ましい。
このような構成であれば、流体制御バルブに異常が生じた場合に、そのことをプロセス中にリアルタイムで知ることができ、適切な対応を取ることが可能となる。
ところで、例えば流体制御バルブに設定流量が入力された後の過渡的な状態等では、流体の流量が安定しておらず、このような状態で算出された実Cv値を用いて診断がなされてしまうと、信頼性の高い診断結果を得ることが難しい。
そこで、前記流体制御バルブにより制御される流体の流量が安定しているか否かを判定する状態判定部をさらに備え、前記状態判定部により流量が安定していると判定された後に、前記バルブ診断部が、前記実Cv値及び前記基準Cv値の比較を開始することが好ましい。
このような構成であれば、状態判定部により流量が安定していると判定された後に、バルブ診断部による診断が開始されるので、信頼性の高い診断結果を得ることができる。
上述した制御部を備える流体制御装置も本発明の1つであり、このような流体制御装置によれば、上述した制御部と同様の作用効果を奏し得る。
また、本発明に係るバルブ診断用プログラムは、流体制御バルブの正常時におけるCv値又はこれに関連する値である基準Cv値とバルブ電圧との相関を示すCv値-電圧相関データを記憶する相関データ記憶部と、実流量制御時の所定タイミングにおけるCv値又はこれに関連する値である実Cv値を算出する実Cv値算出部と、前記所定タイミングにおける前記流体制御バルブのバルブ電圧に対応する前記基準Cv値を、前記Cv値-電圧相関データに基づき取得する基準Cv値取得部と、前記基準Cv値及び前記実Cv値を比較するバルブ診断部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とするものである。
さらに、本発明に係るバルブ診断方法は、流体制御バルブの正常時におけるCv値又はこれに関連する値である基準Cv値とバルブ電圧との相関を示すCv値-電圧相関データを記憶する相関データ記憶ステップと、実流量制御時の所定タイミングにおけるCv値又はこれに関連する値である実Cv値を算出する実Cv値算出ステップと、前記所定タイミングにおける前記流体制御バルブのバルブ電圧に対応する前記基準Cv値を、前記Cv値-電圧相関データに基づき取得する基準Cv値取得ステップと、前記基準Cv値及び前記実Cv値を比較するバルブ診断ステップとを備えることを特徴とする方法である。
上述したバルブ診断用プログラム及びバルブ診断方法によれば、上述した流体制御装置と同様の作用効果を奏し得る。
以上に述べた本発明によれば、流体制御バルブの状態をプロセス中に診断することができる。これにより、別途、流体制御バルブを診断するプロセスを設けること無く、バルブ開度の経時変化等の流体制御バルブの状態を自己診断することができ、故障や異常等を事前に予測することができる。
本発明の一実施形態に係る流体制御装置の構成を示す模式図。 同実施形態の制御部の機能を示す機能ブロック図。 同実施形態のCv値とバルブ電圧との相関を示すグラフ。 同実施形態の補正後のCv値とバルブ電圧との相関を示すグラフ。 同実施形態の制御部の動作を示すフローチャート。 その他の実施形態の制御部の機能を示す機能ブロック図。
以下に、本発明の一実施形態に係る流体制御装置について、図面を参照して説明する。
この流体制御装置100は、例えば半導体製造プロセスに用いられる流体の流量を制御するものであり、図1に示すように、流体が流れる内部流路X(以下、メイン流路Xともいう)が形成された金属製(例えばステンレス製)のブロックBと、このブロックBに設けられた流量センサS及び流体制御バルブVと、流体制御バルブVの開度を制御する制御部Zとを備えたマスフローコントローラである。なお、ここでの流体制御装置100は、周囲温度を検出する温度センサ(不図示)をさらに備えている。
本実施形態の流量センサSは、熱式のものであり、この熱式の流量センサSの上流側には圧力センサPが設けられている。ただし、流量センサSとしては、圧力式のものであっても良い。
制御部Zは、CPU、メモリ、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、各種入出力機器を備えたいわゆるコンピュータであって、図1に示すように、流量センサSからの出力信号に基づいてメイン流路Xを流れるガスの質量流量を算出する流量算出部Z1と、流量算出部Z1により算出された算出流量が設定流量に近づくように流体制御バルブVに印加するバルブ電圧を制御するバルブ制御部Z2としての機能を少なくとも備えている。
然して、この制御部Zは、前記メモリに格納されたバルブ診断用プログラムが実行され、CPU及び周辺機器が協働することにより、図2に示すように、相関データ記憶部Z3、実Cv値算出部Z4、基準Cv値取得部Z5、及びバルブ診断部Z6としての機能をさらに備えている。
ここで、各部の説明をする前にCv値について説明する。
Cv値は、流体制御バルブVの流体の流れやすさを示す指標であり、Cv値が高い流体制御バルブVほど、流体が流れやすいものである。このCv値は、所定の算出式により算出される値であり、具体的には下記の算出式(1)により算出される。
Figure 2023012616000002
なお、Qgは流体制御バルブVを流れる流体の流量、P1は流体制御バルブVの上流側及び下流側の差圧、Ggは流体制御バルブVを流れる流体の比重、Tは流体制御バルブVの周囲温度である。
本実施形態では、Qgとして流体制御バルブVに設定される設定流量、P1として上述した圧力センサPにより検出される検出圧力、Ggとして空気の比重を1とした場合の流体の比重、Tとして流体制御装置100に搭載されている上述の温度センサ(不図示)により検出される検出温度を用いている。
このように、Cv値は、流体制御バルブVの上流側及び下流側の差圧に起因するところ、流体制御バルブVの弁開度、すなわち流体制御バルブVに印加されているバルブ電圧に応じて変動する値である。
ここで、図3に示すグラフは、流体制御バルブVの正常時におけるCv値とバルブ電圧との相関を実験により求めたものであり、具体的には、流体制御バルブVの正常時においてバルブ電圧を変化させた場合のCv値をプロットしたものである。
この図3より、Cv値とバルブ電圧との間には、直線的な相関関係があり、言い換えれば、Cv値は、バルブ電圧を変数とした一次式で近似的に表すことができる。
一方、図3より、Cv値とバルブ電圧との相関関係は、ガス種に応じて異なることが見て取れる。すなわち、流体制御バルブVの正常時におけるCv値は、バルブ電圧が同じであっても、ガス種に応じて異なる値となる。具体的には、Cv値とバルブ電圧との間の直線的な相関関係における傾きが、ガス種に応じて異なる。
このようなガス種に応じて異なる相関関係に対して、本願発明者は、上述した流体制御バルブVの正常時におけるCv値を、ガス種に応じて定まる物性値により補正することで、補正後のCv値とバルブ電圧との相関関係が統一化されることを見出した(図4参照)。
より具体的に説明すると、上述した物性値として例えばガスの分子量を用いる場合、まず実験により求められた流体制御バルブVの正常時におけるCv値を以下の補正式(2)により補正して補正後のCv値を算出する。
Figure 2023012616000003
なお、Mは流体制御バルブVを流れる制御対象ガスの分子量であり、(M/28.01)の項は、予め選択した基準ガスの分子量に対する制御対象ガスの分子量の比率を示している。また、基準ガスは、ここでは分子量が28.01のNガスである。
そして、この補正後のCv値をバルブ電圧に対応させてプロットすると、補正後のCv値とバルブ電圧との間に図4に示す相関が現れる。
この図4から分かるように、Cv値とバルブ電圧との相関関係は、種々のガス種に対して、共通化(一本化)されていることが分かる。すなわち、流体制御バルブVの正常時における補正後のCv値は、バルブ電圧が同じであれば、ガス種によらずほぼ同じ値となる。具体的には、Cv値とバルブ電圧との間の直線的な相関関係における傾きが、ガス種によらずにほぼ同じになる。
続いて、制御部Zが発揮する各部の機能及び動作について、図2及び図5を参照しながら説明する。
相関データ記憶部Z3は、前記メモリの所定領域に設定されており、流体制御バルブVの正常時におけるCv値又はこれに関連する値である基準Cv値とバルブ電圧との相関を示すCv値-電圧相関データを記憶するものである。
このCv値-電圧相関データは、例えば製品出荷時やメンテナンス時などに入力手段等を介して予め入力されたものであり、具体的には図4の説明で述べたように、複数のガス種に共通して現れる相関関係を示すデータである。
本実施形態では、バルブ電圧を変数に含み、基準Cv値を算出する算出式をCv値-電圧相関データとして相関データ記憶部Z3に記憶させている。より具体的には、ここでのCv-電圧相関データは、例えばバルブ電圧から基準Cv値を算出する一次式である。なお、Cv値-電圧相関データは、必ずしも一次式に限らず、種々の関数式を用いて良いし、ルックアップテーブルであっても構わない。
ここでは、流体制御バルブVの正常時において、上述した基準ガスを用いて得られるCv値を基準Cv値として算出し、この基準Cv値とバルブ電圧との相関関係を示すデータをCv値-電圧相関データとしている(図4参照)。なお、本実施形態の基準ガスは、上述した通りNガスであるが、これに限らず、種々のガスを用いて構わない。
実Cv値算出部Z4は、実流量制御時の所定タイミング、すなわち流体制御バルブVの流体制御時でありZ1による実流量測定時の所定タイミングにおけるCv値又はこれに関連する値である実Cv値を算出するものである(S1)。
本実施形態の実Cv値算出部Z4は、流量算出部Z1が実流量測定している間の所定タイミングにおけるCv値を、当該流体制御バルブVにより制御されるガス種に応じて定まる物性値を用いて補正し、その補正後のCv値を実Cv値として算出するものであり、この実施形態では、物性値としてガスの分子量を用いている。
より具体的に説明すると、実Cv値算出部Z4は、実流量制御時に、上述した流量センサS、圧力センサP、及び温度センサの出力値と、予め設定されている設定流量と、予め入力されたガスの比重とを取得して、上述した算出式(1)に代入することにより、実流量制御時の所定タイミングにおけるCv値をリアルタイムで算出する。そして、この算出したCv値を、予め入力されたガスの分子量を取得して上述した補正式(2)に代入することにより、補正後のCv値を実Cv値としてリアルタイムで算出する。
基準Cv値取得部Z5は、実流量制御時の所定タイミングにおける流体制御バルブVのバルブ電圧に対応する基準Cv値を、Cv値-電圧相関データに基づき取得するものである(S2)。なお、ここでいう所定タイミングとは、流量測定時のある一時点を示す意味に限らず、ある程度の時間幅を含む概念である。すなわち、実Cv値算出部Z4が実Cv値を算出するタイミングと、基準Cv値取得部Z5が基準Cv値を取得するタイミングとは、全く同じタイミングであっても良いし、ある程度の時間差があっても良い。
この基準Cv値取得部Z5は、上述した実Cv値算出部Z4による算出と同様、基準Cv値をリアルタイムで取得するものであり、具体的には、実流量制御時の所定タイミングに、流体制御バルブVに印加されているバルブ電圧の大きさをリアルタイムで取得し、バルブ電圧をCv値-電圧相関データとして記憶されている算出式に代入して、基準Cv値を逐次取得する。
バルブ診断部Z6は、実Cv値算出部Z4により算出された実Cv値、及び、基準Cv値取得部Z5により取得された基準Cv値を比較するものである(S3)。
本実施形態のバルブ診断部Z6は、実Cv値及び基準Cv値を比較した比較結果に基づいて、流体制御バルブVの状態を診断するように構成されており、より具体的には、リアルタイムに算出される実Cv値と、リアルタムに取得される基準Cv値とを逐次比較することで、実流量制御時に、その流体制御バルブVに異常が生じているか否かをリアルタイムに診断する(S4)。
このバルブ診断部Z6の具体的な態様としては、例えば実Cv値と基準Cv値との差又は比率が所定の閾値を超えた場合に、流体制御バルブVに異常が生じていると診断する態様などを挙げることができる。
なお、上述した閾値を段階的に設けておくことで、バルブ診断部Z6としては、例えば実Cv値と基準Cv値との差又は比率が第1の閾値を超えた場合に、流体制御バルブVに異常は生じていないもののメンテナンス等が必要であると診断し、実Cv値と基準Cv値との差又は比率が第2の閾値を超えた場合に、流体制御バルブVに異常が生じていると診断するように構成されていても良い。
制御部Zとしては、上述したバルブ診断部Z6が、流体制御バルブVに異常が生じていると診断した場合に、そのことを例えば内部メモリや外部メモリに蓄えるように構成されていても良い。また、図2に示すように、異常が心大されたことを示す異常信号をその実流量制御時に出力する異常報知部Z7をさらに備えていても良い。
この異常報知部Z7としては、バルブ診断部Z6による診断結果に基づいて、流体制御バルブVに異常が生じていることを、例えばディスプレイに表示したり音や光などにより報知する態様を挙げることができる(S5)。
<本実施形態の効果>
このように構成された流体制御装置100によれば、実流量制御時の所定タイミングにおける実Cv値と、その所定のタイミングのバルブ電圧に対応する基準Cv値とを比較するので、実流量制御時たるプロセス中に流体制御バルブVの状態を診断することができる。これにより、別途、流体制御バルブVを診断するプロセスを設けること無く、バルブ開度の経時変化等の流体制御バルブの状態を自己診断することができ、故障や異常等を事前に予測することができる。
しかも、実Cv値の算出には、流体制御装置100に搭載されている種々のセンサの出力値が用いられているので、実Cv値を算出するため専用のセンサを別途設ける必要がなく、既存の流体制御装置100の構成を維持したまま、流体制御バルブVのリアルタイム診断をすることができる。
また、実Cv値として、実流量制御時におけるCv値を、当該流体制御バルブVにより制御されるガス種に応じて定まる物性値を用いて補正した値を用いているので、図4に示すように、Cv値-電圧相関データを一本化(共通化)すること或いは一本化(共通化)に近づけることができる。
これにより、基準ガスのCv値-電圧相関データを、他の種々のガス種にも兼用することができ、時間や手間を多く要することなく、流体制御バルブVの状態を種々のガス種に応じて適切に診断することが可能となる。
さらに、異常報知部Z7が、流体制御バルブVに異常が生じていると診断された場合に、そのことを示す異常信号をその実流量制御時に出力するので、その異常が生じていることをプロセス中にリアルタイムで知ることができ、適切な対応を取ることが可能となる。
<その他の実施形態>
例えば、制御部Zとしては、図6に示すように、流体制御バルブVにより制御される流体の流量が安定しているか否かを判定する状態判定部Z8をさらに備えており、状態判定部Z8により流量が安定していると判定された後に、バルブ診断部Z6が、実Cv値及び基準Cv値の比較を開始するように構成されていても良い。
具体的にこの状態判定部Z8としては、例えば目標となる流量が設定されてから所定時間経過後に流量が安定していると判定する態様を挙げることができる。
なお、状態判定部Z8のその他の態様としては、流体制御バルブVに印加されるバルブ電圧が所定範囲内に収まった場合や、流量算出部Z1により算出された算出流量が所定範囲内に収まった場合に、流体の流量が安定していると判定するものであっても良い。
このような構成であれば、状態判定部Z8により流量が安定していると判定された後に、バルブ診断部Z6による診断が開始されるので、信頼性の高い診断結果を得ることができる。
また、ガス種に応じて定まる物性値として、前記実施形態では分子量を例に挙げたが、例えばガスの密度、粘性、又はレイノルズ数などであっても良いし、これらのうちの複数の物性値を組み合わせた(四則演算した)値であっても良い。
さらに、前記実施形態では、基準ガスに対するCv値-電圧相関データを種々のガス種に対して共通して用いていたが、基準ガスのみならず、種々のガスに対して予め求めた複数のCv値-電圧相関データを相関データ記憶部Z3に記憶させても良い。
この場合、実Cv値算出部Z4としては、ガス種に応じて定まる物性値による補正をせず、算出式(1)に基づいて、実流量制御時の所定タイミングにおけるCv値を実Cv値として算出すれば良い。
一方、基準Cv値取得部Z5は、所定タイミングにおける流体制御バルブVのバルブ電圧に対応する基準Cv値を、制御対象ガスに対応して記憶されているCv値-電圧相関データに基づき取得すれば良い。
そして、バルブ診断部Z6は、これらの実Cv値と基準Cv値とを比較することで、流体制御バルブVに異常が生じているか否かを診断することができる。
加えて、前記実施形態では、流体制御バルブVの正常時におけるCv値を基準Cv値としていたが、流体制御バルブVの正常時におけるCv値に例えば所定の係数を乗じた値など、流体制御バルブVの正常時におけるCv値に関連する値を基準Cv値としても良い。
さらに加えて、前記実施形態では、実流量制御時の所定タイミングにおけるCv値を実Cv値としていたが、実流量制御時の所定タイミングにおけるCv値に例えば所定の係数を乗じた値など、実流量制御時の所定タイミングにおけるCv値に関連する値を実Cv値としても良い。
また、相関データ記憶部Z3、実Cv値算出部Z4、基準Cv値取得部Z5、及びバルブ診断部Z6としての機能の一部又は全部は、流量算出部Z1と別のコンピュータに備えさせても良い。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や組み合わせを行っても構わない。
100・・・流体制御装置
X ・・・メイン流路(内部流路)
B ・・・ブロック
S ・・・流量センサ
V ・・・流体制御バルブ
Z ・・・制御部
Z1 ・・・流量算出部
Z2 ・・・バルブ制御部
Z3 ・・・相関データ記憶部
Z4 ・・・実Cv値算出部
Z5 ・・・基準Cv値取得部
Z6 ・・・バルブ診断部
Z7 ・・・異常報知部
Z8 ・・・状態判定部

Claims (10)

  1. 流体制御バルブの正常時におけるCv値又はこれに関連する値である基準Cv値とバルブ電圧との相関を示すCv値-電圧相関データを記憶する相関データ記憶部と、
    実流量制御時の所定タイミングにおけるCv値又はこれに関連する値である実Cv値を算出する実Cv値算出部と、
    前記所定タイミングにおける前記流体制御バルブのバルブ電圧に対応する前記基準Cv値を、前記Cv値-電圧相関データに基づき取得する基準Cv値取得部と、
    前記基準Cv値及び前記実Cv値を比較するバルブ診断部とを備える、制御部。
  2. 前記実Cv値が、前記所定タイミングにおけるCv値を、当該流体制御バルブにより制御されるガス種に応じて定まる物性値を用いて補正した値である、請求項1記載の制御部。
  3. 前記実Cv値が、前記所定タイミングにおけるCv値を、当該流体制御バルブにより制御されるガスの分子量を用いて補正した値である、請求項2記載の制御部。
  4. 前記相関データ記憶部が、バルブ電圧を変数に含み、前記基準Cv値を算出する算出式を前記Cv値-電圧相関データとして記憶している、請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の制御部。
  5. 前記バルブ診断部による診断結果を内部メモリ又は外部メモリに蓄える、請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の制御部。
  6. 前記バルブ診断部が、実流量制御時に前記実Cv値及び前記基準Cv値とを比較して、当該流体制御バルブに異常が生じているか否かを診断し、
    前記流体制御バルブに異常が生じていると診断された場合に、そのことを示す異常信号をその実流量制御時に出力する異常報知部をさらに備える、請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の制御部。
  7. 前記流体制御バルブにより制御される流体の流量が安定しているか否かを判定する状態判定部をさらに備え、
    前記状態判定部により流量が安定していると判定された後に、前記バルブ診断部が、前記実Cv値及び前記基準Cv値の比較を開始する、請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の制御部。
  8. 請求項1乃至7のうち何れか一項に記載の制御部を備える流体制御装置。
  9. 流体制御バルブの正常時におけるCv値又はこれに関連する値である基準Cv値とバルブ電圧との相関を示すCv値-電圧相関データを記憶する相関データ記憶部と、
    実流量制御時の所定タイミングにおけるCv値又はこれに関連する値である実Cv値を算出する実Cv値算出部と、
    前記所定タイミングにおける前記流体制御バルブのバルブ電圧に対応する前記基準Cv値を、前記Cv値-電圧相関データに基づき取得する基準Cv値取得部と、
    前記基準Cv値及び前記実Cv値を比較するバルブ診断部としての機能をコンピュータに発揮させる、バルブ診断用プログラム。
  10. 流体制御バルブの正常時におけるCv値又はこれに関連する値である基準Cv値とバルブ電圧との相関を示すCv値-電圧相関データを記憶する相関データ記憶ステップと、
    実流量制御時の所定タイミングにおけるCv値又はこれに関連する値である実Cv値を算出する実Cv値算出ステップと、
    前記所定タイミングにおける前記流体制御バルブのバルブ電圧に対応する前記基準Cv値を、前記Cv値-電圧相関データに基づき取得する基準Cv値取得ステップと、
    前記基準Cv値及び前記実Cv値を比較するバルブ診断ステップとを備える、バルブ診断方法。
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