JP2023012591A - 作業者評価支援システム及び作業者評価支援方法 - Google Patents

作業者評価支援システム及び作業者評価支援方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023012591000001
【課題】作業者が実施した作業の作業実績を収集して作業者を評価する作業者評価支援システム及び作業者評価支援方法を提供する。
【解決手段】作業者評価支援システムにおいて、情報処理装置40は、意識調査DB41と、作業解析部45と、作業者特性変換部47と、レポート作成部48と、を備える。意識調査DB41は、作業に対する作業者の意識を調査した意識調査結果を格納する。作業解析部45は、作業者の作業実績を解析する。作業者特性変換部47は、作業解析部45による作業実績の解析結果と、作業の難易度と、意識調査DB41に格納された意識調査結果とを、作業者の特性を表す作業者特性に変換する。レポート作成部48は、作業者特性変換部47が出力する作業者特性に基づいて作業者の評価レポートを作成し出力する。
【選択図】図3

Description

本発明は、作業実績を基に作業者を評価する作業者評価支援システム及び作業者評価支援方法に関する。
一般に、生産現場の作業の標準化や単調化により、従業員は一定のスキルに到達すると作業に対する満足感や達成感が希薄化する。そして、満足感や達成感が希薄化すると従業員は作業に対するモチベーションが低減し、生産の効率や製品の品質などが低下する。モチベーションとは、向上心、意欲や動機づけなどの複合的な心理、仕事に対する前向きな気持ちである。従業員の気持ちが前向きの場合、従業員は業務に対する姿勢が積極的、建設的なものになる。
従来、生産の効率や製品の品質を向上させるために、従業員の作業を管理する複数の方法が提案されてきた。例えば、作業結果のみならず、従業員の作業時の状態を正確に推定することで、生産性や品質の改善を図る方法も提案されている。例えば、生体センサや環境センサ等から従業員の作業時の状態(集中状態、感情状態など)を推定する技術が、特許文献1に開示されている。この特許文献1には、従業員が、作業時に自身の感情を情報処理端末に入力することが開示されている。そして、入力された従業員の作業時の状態は、従業員の作業時の状態を推定するモデルの学習及び更新に利用されている。
特開2018-142259号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、従業員の作業時の感情がわかるものの、実施した作業に対する従業員の意識(満足感、達成感など)はわからないという問題があった。このため、従業員の作業に対するモチベーションが低下する懸念があった。
上記の状況から、従業員の作業に対するモチベーションの向上と生産性の最大化を実現する手法が要望されていた。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の作業者評価支援システムは、作業者が実施した作業の作業実績を収集して作業者を評価する作業者評価支援システムであって、作業者評価支援システムは、作業に対する作業者の意識を調査した意識調査結果を格納する意識調査データベースと、作業者の作業実績を解析する作業解析部と、当該作業解析部による作業実績の解析結果と、作業の難易度と、意識調査データベースに格納された意識調査結果とを、作業者の特性を表す作業者特性に変換する作業者特性変換部と、当該作業者特性変換部が出力する作業者特性を用いて作業者の評価レポートを作成し出力するレポート作成部と、を備える。
本発明の少なくとも一態様によれば、従業員の作業に対するモチベーションの向上と生産性の最大化を実現することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施形態に係る作業者評価支援システムの全体構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る作業者評価支援システムが備える各装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る作業員に対するアンケート内容の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る作業者特性変換部のスコア算出部によるスコア算出の基本アルゴリズムの例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る作業者特性変換部の経験値算出部による経験値算出の基本アルゴリズムの例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る解析診断部の処理の手順例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係るレポート作成部が作成する評価レポートの例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る作業者評価支援システムの全体構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る生産ライン編成計画部の処理の手順例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る生産ライン編成計算部の生産ラインスコア算出部による生産ラインスコア算出の基本アルゴリズムの例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る生産ライン編成計算部の作業者貢献値算出部による各工程における作業者の要素別貢献値一覧の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る生産ライン編成計画の評価例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<第1の実施形態>
[作業者評価支援システムの全体構成]
まず、本発明の第1の実施形態に係る作業者評価支援システムの全体構成を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る作業者評価支援システムの全体構成例を示すブロック図である。作業者評価支援システムは、従業員の作業実績に基づいて従業員を評価する業務を支援するシステムである。本明細書では、従業員として、組立作業などを行って製品を生産する作業者を例に説明するが、本発明は生産現場での作業を伴わないデスクワークを行う従業員の評価にも利用できる。また、本明細書では、製品として制御盤や配電盤を想定して説明するが、製品は家電製品など種々の製品が考えられる。
作業者評価支援システム1は、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続された、生産システム10、実績管理装置20、作業者端末30、情報処理装置40、管理者端末50、及び画像形成装置60を備える。ネットワークNは、有線又は無線のLAN(Local Area Network)又はインタネット等のWAN(Wide Area Network)である。画像形成装置60は入力された印刷ジョブに基づいて用紙に画像を形成するプリンターである。
生産システム10は、生産ライン、組立てや検査に作業に必要な設備、及び3D作業ビューアー11などを備える。3D作業ビューアー11は、部品や製品を3次元モデル化して示した作業指示情報を表示し、製品の組立てや検査等の作業を支援するソフトウェア又は機器であって、製品名、工程名、作業内容、及び作業対象の時系列の3次元モデルなどが表示される。
例えば、作業者は、作業を開始する前に3D作業ビューアー11に接続されたリーダー/ライター装置にICカードからなる従業員証カードをかざし、従業員証カードの無線ICチップに記録された作業者情報(作業者名、個人ID等)を3D作業ビューアー11に入力する。そして、作業者は、3D作業ビューアー11に表示された作業指示情報又はその印刷物に記載された作業内容に従い、ある工程の3次元モデルを閲覧しながら製品の組立て等を実施する。作業完了後にその製品(組み立て品)の検査が実施され、検査で不合格の場合には、作業者は該当製品に対して修正作業を行う。一方、検査に合格した製品は次工程に送られる。
作業者は、3D作業ビューアー11に「作業開始」、「終了」、「中断」、「修正」などの情報を入力する。生産システム10では、3D作業ビューアー11に作業者ごとに入力された各種情報を作業データとして、実績管理装置20に送信する。なお、生産システム10が、従業員情報、作業の開始、終了、中断等の製品の生産にかかわる情報を取得する方法は、上述した例に限らず周知の方法を採用できる。
実績管理装置20は、生産システム10から作業者ごとの作業データを受信し、作業者の作業実績として作業実績データベース21に保存し管理する。本明細書及び図面においてデータベースを「DB」と表記する。例えば、作業実績DB21には、「製品分野」、「作業者情報」(作業者名、個人ID)、「作業日時」、「作業場所」、「作業人数」、「生産数」、「部品数」、「作業実績時間」、「停止時間」、「作業内容」(例えば、修正数、修正内容)などが格納される。部品数には、製品の組立てなどの作業に必要な電気/電子部品の数だけではなく、副資材の数も含まれる。副資材は、例えばテープ、クッション材(保護用部材)、パッキン(シール用部材)などである。これらは、作業指示情報で指示される場合や作業標準書で推奨される場合などがある。
作業者端末30は、作業者ごとに割り当てられた端末装置である。作業者は、作業者端末30を操作して自身が実施した作業に対するアンケートに回答し、当該作業に対する満足感や達成感などの意識を申告する。作業者が作業者端末30を使用して申告した実施済み作業に対するアンケートの回答は、意識調査結果として情報処理装置40に送信される。また、作業者端末30は、情報処理装置40で作成された評価レポートを受信し、表示パネルに表示する。2名以上の作業者が一つの作業者端末30を共用してもよい。
情報処理装置40は、実績管理装置20から作業者ごとの作業実績と、該当作業に対する作業者の意識調査結果とを取得する。そして、情報処理装置40は、取得した作業実績及び意識調査結果を基に作業者を評価して評価レポートを作成し、当該評価レポートを作業者端末30及び管理者端末50に送信する。作業者評価支援システム1の目的は、従業員の作業実績に基づいて従業員を評価する業務を支援することであって、情報処理装置40はその主要な要素である。
管理者端末50は、管理者(例えば作業者の上長)ごとに割り当てられた端末装置である。管理者端末50は、情報処理装置40で作成された評価レポートを受信し、表示パネルに表示する。また、管理者端末50は、評価レポートに対する管理者の評価を登録する機能を有し、管理者はその評価レポートを見て作業者に対する管理者の評価を入力することができる。また、管理者端末50を複数の管理者で共用してもよい。
[各装置のハードウェア構成]
次に、作業者評価支援システム1の機能を実現するための各装置のハードウェア構成について、図2を参照して説明する。
図2は、作業者評価支援システム1が備える各装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。計算機70は、いわゆるコンピューターとして用いられるハードウェアである。計算機70は、バス74にそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit)71、ROM(Read Only Memory)72、RAM(Random Access Memory)73を備える。さらに、計算機70は、表示部75、操作部76、不揮発性ストレージ77、及びネットワークインターフェース78を備える。
CPU71は、作業者評価支援システム1を構成する各装置の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM72から読み出し、RAM73に展開して実行する。RAM73には、CPU71の演算処理の途中で発生した変数やパラメーター等が一時的に書き込まれる。計算機70は、CPU71の代わりに、MPU(Micro Processing Unit)等の他の演算処理装置を備えてもよい。
表示部75は、例えば、液晶ディスプレイや表示灯で構成され、計算機70で行われる処理の結果等を表示する。操作部76は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成され、ユーザーが情報や指示を入力することが可能である。なお、表示部75と操作部76とは、タッチパネルとして一体に構成されてもよい。また、計算機70は、作業者評価支援システム1の各装置の構成によっては表示部75及び/又は操作部76を備えない構成とされてもよい。例えば、実績管理装置20及び情報処理装置40では、表示部75及び操作部76を不要としてよい。
不揮発性ストレージ77としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、又は不揮発性のメモリカード等が用いられる。この不揮発性ストレージ77には、OS(Operating System)、各種のパラメーターの他に、計算機70を機能させるためのプログラムが記録されている。ROM72及び不揮発性ストレージ77は、CPU71が動作するために必要なプログラムやデータ等を記録可能であり、計算機70によって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。
ネットワークインターフェース78には、例えばNIC(Network Interface Card)等が用いられる。ネットワークインターフェース78は、端子に接続されたLAN等のネットワークN又は専用線等を介して、外部装置との間で各種のデータを送受信することが可能である。
[情報処理装置の機能構成]
次に、情報処理装置40の機能構成について図3を参照して説明する。
図3は、情報処理装置40の機能構成例を示すブロック図である。情報処理装置40は、意識調査データベース41、製品特徴データベース42、力量評価データベース43、解析診断部44、レポート作成部48、及び入出力インターフェース49を備える。図3では、インターフェースを「I/F」と表記している。意識調査DB41、製品特徴DB42、及び力量評価DB43は、不揮発性ストレージ77により実現される。
入出力I/F49は、ネットワークN(図1)を通じて、他の装置からデータを入力及び他の装置へデータを出力するためのインターフェースである。入出力I/F49の機能は、図2のネットワークインターフェース78によって実現される。
(意識調査DB)
意識調査DB41は、情報処理装置40が収集した各作業者の実施済み作業に対する意識調査結果を格納するデータベースである。アンケート内容について図4を参照して説明する。
(アンケート内容の例)
ここで、実施した作業に対する作業者の意識を調査するアンケートについて、図4を参照して説明する。
図4は、作業者に対するアンケート内容の一例を示す。図示するアンケート80は、作業者が作業を終了後に回答する。作業者は、作業者端末30にインストールされたアンケート回答アプリケーションを立ち上げ、各質問項目に対して回答を入力していく。なお、アンケートに対する回答の入力については、アンケート80が印刷された用紙に作業者が手書きで記入(意識申告)する方式でもよい。作業者又は入力担当者がアンケート用紙に記載された回答をコンピューターに入力し、その入力データが意識調査DB41に転送される。
図4では、アンケート80には、アンケートが実施された週(図4においては「X月Y週」と表記)、属性(作業者名、個人ID)、作業日、作業名(コード)についての入力欄が設けられている。また、アンケート80には、質問項目として、体調、満足感、達成感、作業不備点、作業改善点、作業相性、作業外乱、及び自由記述欄が記載されている。
「体調」の質問項目では、作業者は、作業を実施したとき(又は当日)の作業者自身の体調を回答する。基本的には、質問項目に対して段階別に評価してもらえる選択肢を用意する。例えば、選択肢を、体調が最も悪い状態(Bad)から最も良い状態(Good)までを“1~5”の数字によって5段階で表す。図4では選択肢“3”に“〇”印が入力された例が示されており、作業者の作業時の体調は普通であったことがわかる。
「満足感」の質問項目では、作業者は、実施した作業に対する満足感を回答する。例えば、満足感の選択肢を、満足感が最も低い状態(Bad)から最も高い状態(Good)までを“1~5”の数字によって5段階で表す。
「達成感」の質問項目では、作業者は、実施した作業に対する達成感を回答する。例えば、達成感の選択肢を、達成感が最も低い状態(Bad)から最も高い状態(Good)までを“1~5”の数字によって5段階で表す。
「作業不備点」の質問項目では、作業者は、実施した作業に対する不備点の製品に対する影響度の大きさを回答する。「作業不備点」は、作業指示情報などの作業の指示が間違えているレベル(度合い)、不備による製品への影響の大きさを意味する。例えば、作業不備点の選択肢を、製品への影響の大きさが最も小さい状態(無)から最も大きい状態(大)までを“無、小、大”の3段階で表す。図中“2件 指摘”という記載は、作業者が作業中に2件の作業不備点を発見したことを示している。例えば、作業者は、作業指示情報の指示の誤りを管理者に報告する、又は3D作業ビューアー11において作業指示情報の指示が誤っていたことを入力するなどの形で作業不備点を指摘する。
「作業改善点」の質問項目では、作業者は、実施した作業に対する改善の提案件数に応じて回答する。「作業改善点」に関しては、作業後に作業者が改善提案することを想定している。例えば、作業改善点の選択肢を、改善提案の件数が最も少ない状態(無)から最も大きい状態(多)までを“無、少、多”の3段階で表す。図中“2件 提案予定”という記載は、作業者がアンケート80に回答後に、2件の改善提案をする予定であることを示している。作業者は、「作業改善点」の選択肢を選択する際に、提案する件数だけでなく改善内容の技術的レベル、効果、重要度などを反映してもよい。
「作業相性」の質問項目では、作業者は、実施した作業と自身の相性の自己評価を回答する。例えば、作業相性の選択肢を、相性が最も悪い状態(Bad)から最も良い状態(Good)までを“1~5”の数字によって5段階で表す。作業者は、対象作業がやりやすかった、自分に向いている作業だと思った場合には、より大きな数字を選択する。
「作業外乱」では、作業者は、作業時の外乱についての評価を回答する。例えば、指定の作業を実施時に他の緊急の作業が入った場合や、生産ラインが停止した場合は、外乱が発生したと言える。例えば、作業外乱の選択肢を、外乱が最も小さい状態(小)から最も大きい状態(大)までを“1~5”の数字によって5段階で表す。
「自由記述欄」では、作業者は、担当する作業や職場などに関して、感想や要望などをテキスト入力形式によって自由に記述する。図4には、作業者が「本作業の知識不足を感じるも他の作業も行ってみたい。」という要望を入力した例が示されている。
なお、上記質問項目の選択肢に作業者に当てはまる選択肢がなかった場合などは、作業者の意識について有効な情報が得られない可能性があるので、“その他”の項目を用意してもよい。また、作業者が“その他”の項目を選択した場合には、テキスト入力形式によって作業者に自由に文章を入力してもらうようにしてもよい。さらに、選択肢を用意せずに始めからテキスト入力形式としてもよい。
(製品特徴DB)
図3に示す情報処理装置40の機能構成の説明に戻る。製品特徴DB42は、製品の特徴を表す情報を製品ごとに格納するデータベースである。製品特徴DB42には、例えば製品の分野、組立性、取扱性、及び作業性などの情報が格納される。
「分野」は、製品の特徴や特性に基づいた分類を表す。例えば、「分野」として、制御盤、配電盤、家電製品(例えばテレビジョン受像機、冷蔵庫、洗濯機)などがある。
「組立性」は、部品を組み合わせて行う組立てのしやすさを表す。例えば、部品の形状が複雑な場合、部品の組立てにコツがいる場合などでは、作業の難易度が上がり組立性が低下する。
「取扱性」は、製品を構成する部品の取り扱いやすさを表す。例えば、部品が極端に小さい、大きい、形状が不安定である、取扱いに専門知識を要するなどの場合、取扱性が低下する。
「作業性」は、作業を円滑及び正確に実施するための環境を整えやすい製品かどうかを表す。例えば、製品と作業環境(工具、設備など)のマッチングが低い場合には、作業性が低下する。
また、製品特徴DB42に格納する他の情報として、作業の難易度にかかわる「手順数」や、精密さの度合いを表す「精密性」なども挙げられる。
(力量評価DB)
力量評価DB43は、作業者の力量に関する評価を作業者ごとに格納するデータベースである。力量評価DB43には、例えば作業スコア、経験値、スキルランク、及び作業履歴などの情報が格納される。
「作業スコア」は、作業者が実施した作業の作業実績と意識調査結果を評価して点数に換算(スコア化)した値を表す。なお、後述する図5に示すように、作業スコアの要素は、「スキル」と「意欲」に分けられる。「スキル」は、部品を用いて製品を組み立てるなどの、指示された作業を遂行する能力のことである。
「経験値」は、作業スコアのうちスキルをベースとして意識調査DB41に格納された意識調査結果を所定のルールで加味して点数に換算した値を表す。作業スコア及び経験値の算出方法については後で詳細に説明する。
「スキルランク」は、作業レベルに応じて必要とされる経験値を設定し、その経験値に基づいた作業レベルの順位付け(等級)である。
「作業履歴」は、作業者が過去に実施した作業の作業実績を記録した情報である。力量評価DB43内の所定の領域に、作業者ごとの作業履歴の情報を格納した作業履歴DBが構築されていると考えても差し支えない。なお、「作業実績」は、作業者が直近に実施した作業の作業実績、つまり作業履歴DBに登録される前の作業実績である。
また、力量評価DB43には、管理者端末50から作業者の作業実績に対する上長評価が登録される。上長評価には役割評価が含まれる。「役割評価」とは、現状の生産現場(例えば生産ライン)における作業者の作業実績から、当該作業者が生産現場又は作業に対してどの程度役割を果たす又は貢献できる力量を持っているかを評価することである。また、「役割評価」は、作業者が取得している「スキル」や「意欲」が他の生産現場でも役割を果たすことができる可能性を評価することでもある。これにより、評価された作業者の向上心を生むとともに、他の生産ライン又は新規の生産ラインの最適な人員構成の候補を計画できることが期待される。
[解析診断部の構成]
解析診断部44は、入出力I/F49を介して作業実績DB21、意識調査DB41、製品特徴DB42、及び力量評価DB43から得られる情報に基づいて、作業者の能力や対象作業に対する適正などを解析及び診断するブロックである。解析診断部44は、作業解析部45、難易度解析部46、及び作業者特性変換部47を備える。
(作業解析部)
作業解析部45は、作業実績DB21に格納された作業者の対象作業に対する作業実績の情報に基づいて、作業者が実施した作業を解析する。例えば、作業解析部45は、標準時間偏差、自己履歴比較、職場履歴比較、修正率、及びばらつき率などを解析する。実施作業の解析結果は、作業者特性変換部47に出力される。
「標準時間偏差」は、作業者が実際に作業を実施した作業実績時間と標準時間との偏差(時間差)である。
「自己履歴比較」は、作業者が作業を実施したときの作業時間と、当該作業者が過去に同じ作業を実施したときの作業時間を比較した結果(時間差)を表す。または、「自己履歴比較」は、作業者が作業を実施したときの作業時間と標準時間の差と、当該作業者が過去に同じ作業を実施したときの作業時間と標準時間の差とを比較した結果(時間差)としてもよい。
「職場履歴比較」は、作業者が作業を実施したときの作業時間と、職場内の他の作業者が同じ作業を実施したときの作業時間を比較した結果(時間差)を表す。または、「職場履歴比較」は、作業者が作業を実施したときの作業時間と、職場内の同じ作業の平均作業時間を比較した結果(時間差)としてもよい。
「修正率」は、作業者が生産した製品の数(生産数)に対する修正した製品の数(修正数)の比率である。
「ばらつき率」は、製品1個当たりの作業時間のばらつきの程度を表す。例えば、同じ製品を複数個生産した場合に、製品ごとの作業時間と平均作業時間を基にばらつき率を求めることができる。
(難易度解析部)
難易度解析部46は、作業解析部45による作業者が実施した作業の解析結果と、製品特徴DB42に格納されている製品特徴の情報に基づいて、製品又は作業者が実施した作業の難易度を解析する。つまり、難易度解析部46は、作業難易度を計算する。計算した作業難易度は、一例として製品特徴DB42に格納する。本明細書では、製品又は作業の難易度を「作業難易度」と略称する。
なお、予め製品名などの製品を特定する情報と作業難易度とを紐づけて、製品特徴DB42に登録しておいてもよい。つまり、難易度解析部46は、製品特徴DB42から予め製品ごとに設定された作業難易度を取得する。標準的な製品では、予め作業難易度が設定されていると考えてよい。難易度解析部46は、作業難易度を作業者特性変換部47に出力する。作業難易度は、後述する図5及び図6に示す各算出処理の基本アルゴリズムに記載された作業基準点の計算に用いられる。
(作業者特性変換部)
作業者特性変換部47は、作業解析部45及び難易度解析部46による解析結果を、(作業時における)作業者の特性を表す要素に変換するブロックである。このとき、作業者特性変換部47は、解析結果に対して、作業実績DB21、意識調査DB41、製品特徴DB42及び力量評価DB43から得られる情報を適宜利用して、作業者特性を表す要素の値を計算する。作業者特性を表す要素は、作業者特性を表す指標とも言い換えることができる。
本実施形態では、作業者特性を表す要素として、スキル、意欲、外的考慮を設定している。「スキル」は、指示された作業に対する作業者の処理能力を表す。「意欲」は、作業に対する作業者の前向きな気持ちを表す。「外的考慮」は、作業スコアの「スキル」や「意欲」に影響を与える因子として考慮すべき要素を表している。
作業者特性変換部47は、作業者の対象作業に対するスキルと意欲についての評価点(スコア)を算出するスコア算出部471と、対象作業を通じた作業者の経験値を算出する経験値算出部472を備える。以下、スコア算出部471と経験値算出部472について説明する。
(スコア算出部)
スコア算出部471は、作業者が実施した作業(作業実績)と意識申告内容を評価して作業実績に対する評価点を計算(スコア化)する。例えば、スコア算出部471は、後述する図5に示すように、作業又は製品ごとに設定される作業基準点101に対し、スキルや意欲に応じた加減評価点102を加減又は減算し、その合計を作業スコアとして算出する。求めた作業スコアは、レポート作成部48に出力されるとともに、該当する作業と紐づけて力量評価DB43に記録される。スコア算出部471は、難易度解析部46で計算された対象作業の作業難易度、又は、予め製品特徴DB42に格納されている作業難易度のいずれを用いてもよい。ここで、スコア算出部471によるスコア算出処理の詳細について、次の図5を参照して説明する。
[スコア算出の基本アルゴリズム]
図5は、スコア算出部471によるスコア算出の基本アルゴリズムの例を示す。図示するスコア算出の基本アルゴリズム100は、作業スコアを構成する複数の項目、各項目の設定(定義)、及び項目ごとの評価点の例を示している。作業スコア(スコア算出合計103)は、作業基準点101と加減評価点102の合計である。図5には、作業工程112の一例として「A組立作業」に対する各項目の評価点が示されている。
作業基準点101は、対象とする作業(製品)の作業難易度と、生産すべき製品の数(生産数)により設定される。作業基準点101は、スコア算出部471ではなく、上位の作業者特性変換部47により計算してもよい。既述したように、作業基準点101の設定に用いる作業難易度は、難易度解析部46で計算するか、製品特徴DB42に予め保存されている場合にはそれを用いる。図5では、A組立作業の作業基準点101として“50”が設定されている。
加減評価点102は、スキル104の評価点と意欲105の評価点の合計である。スキル104は、スピード106、正確性107、及び持続力108の各項目を有する。以下、各項目について説明する。
スピード106は、指示された作業を完了するまでに要した時間を基に定義される、作業を実行する速さを表す。例えば、スピード106の指標として、標準時間偏差(作業実績時間と標準時間との偏差)、自己履歴比較、職場履歴比較などがある。本実施形態では、これらの指標から少なくとも1以上の指標を用いてスピード106の評価点を算出するアルゴリズムを定義する。図5では、スピード106の評価点として“+3”が付与された例が示されている。
正確性107は、実行した作業の正確さの程度を表す。正確性107を表す指標の一つに、作業者の生産数に対する修正数の比率(修正率)が挙げられる。また、正確性107を表す他の指標として、仕上がり加算がある。「仕上がり加算」とは、製品の仕上がり性の良しあしや製品の出来栄えに応じて加算される評価点である。作業者とは別に検査員が仕上がり性を判断する。なお、仕上がり加算の計算において、仕上がり性に加えて、不良の修正に要した時間や検査員が検査に要した時間などを加味してもよい。仕上がり性が良いほど、検査時間が短くなる傾向がある。図5では、正確性107の評価点として“+3”が付与された例が示されている。
持続力108は、一定レベル以上の品質で作業を継続できる能力を表す。例えば、持続力108を表す指標として、製品1個当たりの作業時間のばらつき率が挙げられる。ばらつき率が小さいほど、持続力が高いと評価することができる。図5では、持続力108の評価点として“+2”が付与された例が示されている。
次に、意欲105について説明する。意欲105は習熟度109、注意力110、及び提案力111の各項目を有する。以下、各項目について説明する。
習熟度109は、作業のスピードと正確性のバランスに関係し、過去の作業のスピード(時間)と正確性を表す値を用いて求められる。一例として、習熟度109は、スピード106の評価点と正確性107の評価点との差分として求められる。図5では、習熟度109の評価点の例として、スピード106の評価点“+3”から正確性107の評価点“+3”を引いた“0”が示されている。
例えば、スピードが速くかつ正確性も高い作業者は、習熟度109の評価点が低くなるが、そのような作業者は熟練者であろうから改めて高い評価点を付与しなくてよい、と考えることができる。すなわち、作業者の作業のスピードに重きを置いて習熟度109の評価点を付与する。ただし、作業の正確性が低すぎても問題である。したがって、正確性107の評価点が予め設定した値よりも低い場合には習熟度109の評価点を制限するといった対応は必要である。
注意力110は、何か問題がないかを気を付けながら作業を遂行する能力を表す。注意力110の評価点は、作業者が製品の部材や作業指示情報などの不備を発見した数に基づいて計算される。具体的には、注意力110の評価点は、意識調査DB41に格納されている、アンケート80(図4)の「作業不備点」に対する作業者の回答によって判断される。「部材の不備」とは、生産現場に用意された製品の部材や部品が違っていたり、不足があったりする状況を指す。また、「作業指示情報の不備」とは、作業指示情報の指示に誤りや漏れがある状況を指す。例えば、作業指示情報の不備として、生産現場に用意された部材等は合っているが作業指示情報で指示された部材等が違う場合や、作業指示情報において指示された組立て順序に誤りがある場合などである。図5では、注意力110の評価点として“+3”が付与された例が示されている。
提案力111は、作業や環境に対する改善策を提案する能力を表す。提案力111の評価点は、意識調査DB41に格納されている、アンケート80(図4)の「作業改善点」に対する作業者の回答によって判断される。一般に、作業や環境に対する改善提案は、その内容(重要度や効果など)に応じて等級が決定される。提案力111に、改善提案の件数に加えて等級を考慮することで、改善提案の内容も加味して提案力111の評価点を決定することができる。図5では、提案力111の評価点として“+5”が付与された例が示されている。
図5では、加減評価点102として、スキル104が備える各項目の評価点の合計“8”と、意欲105が備える各項目の評価点の合計“8”とを小計した“16”が付与されている。スコア算出部471は、計算した加減評価点102を力量評価DB43に格納する。そして、スコア算出合計103(作業スコア)として、作業基準点101“50”と加減評価点102“16”を合計して“66”が得られる。スコア算出部471は、計算したスコア算出合計103(作業スコア)を力量評価DB43に格納する。
このように、本実施形態に係る情報処理装置40では、スコア算出部471は、作業の難易度と生産数とにより設定される作業基準点101を作業スコア(スコア算出合計103)に加算し、経験値算出部472は、作業基準点121を経験値(経験値算出合計123)に加算するように構成されている。
(経験値算出部)
図3に示す情報処理装置40の機能構成の説明に戻る。経験値算出部472は、作業スコアの算出と同様に対象作業の作業基準点に対し、スコア算出部471によるスコア化で求められたスキルの評価点に基づいて、作業スコアのスキルや意欲に影響を与える因子である外的考慮の各項目の状況に応じた評価点を加算することで経験値を算出(「経験値化」と呼ぶ)する。求めた経験値は、レポート作成部48に出力されるとともに、該当する作業と紐づけて力量評価DB43に格納されている経験値累計に加算される。上述したように力量評価DB43には、作業レベルに応じてスキルランクが設定されており、現在の経験値累計から次の作業レベルへ上がるために必要な経験値が評価レポートに出力される。ここで、経験値算出部472による経験値算出処理について、次の図6を参照して説明する。
[経験値算出の基本アルゴリズム]
図6は、経験値算出部472による経験値算出の基本アルゴリズムの例を示す。図示する経験値算出の基本アルゴリズム120は、経験値を構成する複数の項目、各項目の設定(定義)、及び項目ごとの評価点の例を示している。経験値(経験値算出合計123)は、作業基準点121と加点評価点122の合計である。図6には、作業工程129の一例として「A組立作業」に対する各項目の評価点が示されている。
作業基準点121は、図5に示した作業基準点101と同じである。よって、作業基準点121は、経験値算出部472で求めてもよいし、スコア算出部471で求めたものを使用してもよい。または、作業者特性変換部47が作業基準点を求めて、その作業基準点をスコア算出部471と経験値算出部472で共用してもよい。
加点評価点122は、外的考慮125が備える各項目の評価点の合計である。外的考慮125は、本人状態126、作業相性127、及び環境状態128の各項目を有する。基本的に、外的考慮125の各項目の評価点は、スキル実績124に、意識調査DB41に格納された意識調査結果を所定のルールで加味して付与される。以下、各項目について説明する。
スキル実績124は、スコア算出時のスキル104の各項目(スピード、正確性、持続力)の評価点である。すなわち、経験値は、スコア算出部471が計算した作業スコアのスキルと連動する。図6の例では、スピード“+3”、正確性“+3”、及び持続力“+2”が経験値のベースとなる。
本人状態126は、作業者本人の健康状態と作業実績との関係を評価する項目である。本人状態126では、作業者本人の健康状態(作業努力)により加点する。図4に示したように、健康状態は、良好/普通/不調などに分けられる。例えば、意識調査DB41に格納された体調が“不調”であるのに及第点以上の作業を実施してくれた場合は高く評価する。また、次のような評価もあり得る。例えば、健康状態の自己申告が“良好”でスコア算出合計103も高い場合には、本人状態126の評価点を高くし、健康状態の自己申告が“不調”でスコア算出合計103も低い場合には、本人状態126の評価点を低くする。図6では、本人状態126の評価点として“+22”が付与された例が示されている。
作業相性127は、作業者の作業に対する相性と作業実績との関係を評価する項目である。作業相性127では、作業と作業者本人との相性により加点する。図4に示したように、作業相性は、向き/普通/不向き/得意/不得意などに分けられる。例えば、意識調査DB41に格納された作業相性の自己申告が“不向き”(例えば、図4の作業相性で“2”以下)でもスコア算出合計103が高い場合には、作業相性127の評価点を高くし、作業相性の自己申告が“向き”でもスコア算出合計103が低い場合には、作業相性127の評価点を低くする。図6では、作業相性127の評価点として“+15”が付与された例が示されている。
環境状態128は、作業時に外乱が発生しても作業を遂行できる能力を評価する項目である。環境状態128では、作業時の外乱(又は安寧)と作業実績との関係により加点する。環境状態は、集中/普通/非集中/作業停止多などに分けられる。例えば、意識調査DB41に格納された作業時の外乱の自己申告が“大”でもスコア算出合計103が高い場合には、環境状態128の評価点を高くし、作業時の外乱の自己申告が“小”でスコア算出合計103が低い場合には、環境状態128の評価点を低くする。実際の生産現場では緊急の作業が入ることがあるので、しっかり作業を仕上げていれば高い評価が得られる。図6では、環境状態128の評価点として“+35”が付与された例が示されている。
図6では、加点評価点122として、外的考慮125が備える本人状態126の評価点“+22”、作業相性127の評価点“+15”、及び環境状態128の評価点“+35”を合計した“72”が付与されている。経験値算出部472は、計算した加点評価点122を力量評価DB43に格納する。そして、経験値算出合計123(経験値)として、作業基準点121“50”と加点評価点122“72”を合計して“122”が得られる。経験値算出部472は、計算した経験値算出合計123(経験値)を力量評価DB43に格納する。
このように、本実施形態に係る情報処理装置40では、作業者の作業に対する経験値(経験値算出合計123)は、作業スコアの作業を遂行する能力(スキル実績124)の評価点を基に、意識調査結果から得られる作業スコアに影響を与える因子(外的考慮125)を加味して求められる。
[解析診断部の処理]
次に、上記のように構成された解析診断部44の処理について図7を参照して説明する。
図7は、解析診断部44の処理の手順例を示すフローチャートである。解析診断部44が処理を実行する前に、情報処理装置40は、作業実績DB21から作業者の作業実績を取得する。そして、情報処理装置40において、解析診断部44は、意識調査DB41から対象作業に対する作業者の意識調査結果(意識申告データ)を読み出す。さらに、解析診断部44は、製品特徴DB42から製品の特徴を表す各種情報を読み出し、また力量評価DB43から作業者の力量を表す各種情報を読み出す。
まず、解析診断部44において、作業解析部45は、作業実績DB21から取得した作業者の作業実績について作業解析を実施する(S1)。作業解析部45は、作業解析において、スコア算出の基本アルゴリズム100(図5)で使用される各項目を計算する。例えば、作業解析部45は、標準時間偏差、自己履歴比較、職場履歴比較、修正率、仕上がり加算、ばらつき率、スピードと正確性の値の差分などを計算する。
次いで、難易度解析部46が、作業者が実施した作業の難易度を解析する(S2)。
次いで、解析診断部44の作業者特性変換部47が作業基準点101(121)を算出する(S3)。あるいは、作業解析部45又は難易度解析部46が作業基準点101(121)を算出してもよい。なお、ステップS3の処理は、ステップS1,S2と並行して、又は、ステップS1,S2よりも前に実行してもよい。
次いで、作業者特性変換部47のスコア算出部471が、スコア算出の基本アルゴリズム100に従い、作業者の作業実績DB21及び作業履歴DB(力量評価DB43)に格納された情報からスキル104の各項目の評価点を算出する(S4)。すなわち、スコア算出部471は、スピード106、正確性107、及び持続力108の各評価点を算出する。
次いで、作業者特性変換部47のスコア算出部471が、スコア算出の基本アルゴリズム100に従い、作業者の作業実績DB21及び意識調査DB41に格納された情報から意欲105の各項目の評価点を算出する(S5)。すなわち、スコア算出部471は、習熟度109、注意力110、及び提案力111の各評価点を算出する。
次いで、スコア算出部471は、作業基準点101と、ステップS4で算出したスキル104の各項目の評価点と、ステップS5で算出した意欲105の各項目の評価点とを合計し、作業スコア(スコア算出合計103)を算出する(S6)。
次いで、作業者特性変換部47の経験値算出部472が、経験値算出の基本アルゴリズム120(図6)に従い、作業者の意識調査DB41に格納された情報から外的考慮125の各項目の評価点を算出する(S7)。すなわち、経験値算出部472は、本人状態126、作業相性127、及び環境状態128の各評価点を算出する。
次いで、経験値算出部472は、作業基準点121と、ステップS7で算出した外的考慮125の各項目の評価点を合計し、経験値(経験値算出合計123)を算出する(S8)。
次いで、解析診断部44は、作業者の作業実績及び意識調査結果を解析及び診断した結果として、評価レポートを作成するために必要な各種情報をレポート作成部48に出力する(S9)。例えば、解析診断部44は、作業適正(作業スコア、意欲など)、経験レベル(獲得経験値、次までの残り経験値)、潜在能力、作業実績、意識調査結果(自己評価)などを出力する。ステップS9の処理後、本フローチャートの処理を終了する。
(レポート作成部)
図3に示す情報処理装置40の機能構成の説明に戻る。レポート作成部48は、解析診断部44による解析及び診断の結果を基に、作業者の作業実績に関する評価レポートを作成するブロックである。後述する図8に示すように、評価レポートに出力される内容には、作業者の作業実績及び意識調査等に基づく作業評価と、上長による評価登録の2種類がある。
(評価レポート)
次に、レポート作成部48が作成する評価レポートについて図8を参照して説明する。
図8は、レポート作成部48が作成する評価レポートの例を示す図である。図示する評価レポート130は、作業者本人用の作業評価レポート(本人)140と、上長用の評価登録(上長)150とから構成される。
作業評価レポート(本人)140には、解析診断部44の処理結果と、各DB(作業実績DB21、意識調査DB41、力量評価DB43、製品特徴DB42)に格納された情報が出力される。作業評価レポート(本人)140には、作業評価レポート(本人)140と一緒に評価登録(上長)150も出力される。情報処理装置40が評価レポート130を画像形成装置60により紙で出力した場合、破線のキリトリ線で作業評価レポート(本人)140から評価登録(上長)150を切り離して、上長が作業者の役割評価を行う。そして、上長からの依頼者又は上長が、その役割評価の内容を力量評価DB43にデータ登録及び更新する。
なお、評価レポート130を紙で出力しない場合には、情報処理装置40は、評価レポート130のうち作業評価レポート(本人)140のみを作業者端末30に表示する。作業者は、作業評価レポート(本人)140を作業者端末30の画面上で確認し、自己評価する。また、情報処理装置40は、評価レポート130の作業評価レポート(本人)140及び評価登録(上長)150を、管理者端末50に表示する。管理者は、作業評価レポート(本人)140を管理者端末50の画面上で確認する。そして、管理者は、作業評価レポート(本人)140に添付された評価登録(上長)150に役割評価を直接入力し、その内容を力量評価DB43にデータ登録及び更新する。
(作業評価レポート(本人))
作業評価レポート(本人)140は、表示内容として、レポート番号(No.)、作業者情報(作業者名、個人ID)、作業日、作業名(コード)、作業実績141、自己評価(振り返り)142、評価分析結果143、作業スコア144、作業履歴145、獲得経験値146、及び評価ポイント(潜在能力)147の各項目を備える。
作業実績141は、作業実績DB21に格納された作業者の作業実績に関する情報を表す。例えば、作業実績141として、製品分野、作業難易度、作業場所、作業人数、生産数、作業時間(段取/正味)などが表示される。作業難易度は、製品特徴DB42から読み出したものでもよい。
自己評価(振り返り)142は、意識調査DB41に格納された、作業者がアンケート80(図4)に回答した内容を表す。例えば、自己評価(振り返り)142として、体調、満足度、達成感、作業不備点、作業改善点、作業相性、作業外乱などが表示される。
評価分析結果143は、図5に示すスコア算出の基本アルゴリズム100で計算した、スキル104及び意欲105の各項目の評価点を表す。
作業スコア144は、今回の作業を解析及び診断して求めた作業スコア(図5のスコア算出合計103)を表す。ここでは、作業スコア144に、スコア算出合計103の評価点“66”が記載されている。
作業履歴145は、これまでの作業実績を表す。図中、作業回数“3回”、最高スコア“71点”の例が示されている。
獲得経験値146は、今回の作業で得られた経験値を表す。ここでは、図6に示す経験値算出合計123の評価点“122”が記載されている。
評価ポイント(潜在能力)147は、今回の作業評価レポート(本人)140において作業者の作業実績に対する評価のポイントを表す。例えば、図8には「過去作業の中で最も速い作業スピードで品質も安定。集中し作業できていますが、まだ余力があるようです。次の作業レベルに上がるまで残り315経験値が必要です。」と記載されている。上記の余力は、今回の作業によって評価された作業者の「潜在能力」の一例である。「潜在能力」の他の例として、保有資格、又は習熟スピード(例えば、スキル、作業履歴、作業の相性などの情報に基づく)が挙げられる。または、作業者が、体調が悪いのに作業を一定レベル以上のスピード及び正確性をもってこなせたことを潜在能力の一つに含めてもよい。
作業者は、作業評価レポート(本人)140を確認して自己評価する。例えば、図8には、作業者Xによる「作業不備点(指示誤り)があったが挽回できた(作業速度が自己ベスト更新)。」、「まだ改善余地あり、トライしていこう。」という自己評価の例が示されている。このように、作業者は、実施した作業に対する本人の意識調査結果が反映された作業評価レポート(本人)140を確認することで、作業(業務)に対するモチベーションを上げることができる。
(評価登録(上長))
評価登録(上長)150は、表示内容として、レポート番号(No.)、作業者情報(作業者名、個人ID)、発行日、本人意向151、上長評価152、及び上長コメント153の各項目を備える。
本人意向151は、意識調査DB41に格納された、作業者がアンケート80(図4)の自由記述欄に記載した内容を表す。図8の例では、「本作業の知識不足を感じるも他の作業も行ってみたい。」という作業者の要望が表示されている。
上長評価152は、上長が作業者の作業実績を確認して、項目ごとに作業者の評価を登録する欄である。図8の例では、「作業力量」(現状の作業レベル:B)、「向上心」、「作業相性」、及び「作業配転」の各項目が表示されている。「現状の作業レベル」は、力量評価DB43に登録されたスキルランクに相当する。
また、上長コメント153を自由記述形式で入力できる機能が用意されている。図8の例では、「向上意欲が高く、精密な作業に向いている。ただし、技能教育要。」という上長コメントが登録されている。
上述したように、上長(上司Y)は、作業評価レポート(本人)140を確認し、作業評価レポート(本人)140を介して本人対話と上長評価を実施する。本人対話は、本人意向151を確認することである。そして、上長は、力量評価DB43に上長評価152の各項目に対する評価を登録する。上長は、実施した作業に対する作業者の意識調査結果が反映された作業評価レポート(本人)140を確認することで、作業者への理解が深まり、より的確な適材適所配置が可能となる。また、的確な適材適所配置により作業者と上長の相互理解が深まる。
従来は、生産数や不良数といった指標を用いて作業者を絶対評価していた。しかし、本実施形態に係る作業者評価支援システム1(情報処理装置40)では、作業者の新しい作業実績を過去の作業者本人の作業実績と比較したり、職場内の他の作業者と比較したりするなど、作業者を相対評価(定性評価)する。これにより、作業者の競争心をあおり、作業者のモチベーションの低下を小さくすることができる。
以上のとおり、本発明の第1の実施形態に係る作業者評価支援システム(情報処理装置40)は、作業者が実施した作業の作業実績を収集して作業者を評価する作業者評価支援システムである。この作業者評価支援システムは、作業に対する作業者の意識を調査した意識調査結果を格納する意識調査データベース41と、作業者の作業実績を解析する作業解析部45と、当該作業解析部45による作業実績の解析結果と、作業の難易度と、意識調査データベース41に格納された意識調査結果とを、作業者の特性を表す作業者特性に変換する作業者特性変換部47と、当該作業者特性変換部47が出力する作業者特性を用いて作業者の評価レポートを作成し出力するレポート作成部48と、を備える。
また、上記第1の実施形態に係る作業者評価支援システム(情報処理装置40)において、作業者特性変換部47は、作業の作業実績の解析結果及び意識調査結果を基に、作業者特性として作業を遂行する能力の評価点と、作業に対する意欲の評価点からなる作業スコアを計算するスコア算出部471と、作業スコアのうち作業を遂行する能力を基に意識調査結果を加味して、作業者特性として作業者の作業に対する経験値を計算する経験値算出部472と、を有する。
また、上記第1の実施形態に係る作業者評価支援システム(情報処理装置40)において、レポート作成部48は、作業者の上長による作業者の作業実績についての評価を入力する機能と、作業者の作業実績についての評価が格納されたデータベースに登録する機能とを有する。
上述した第1の実施形態に係る情報処理装置40は、作業者の作業実績と意識調査結果を解析し、作業者の作業適正と経験レベル、潜在能力に変換し、評価レポートを作成して作業者に提示する。そして、上長は、作業者の作業適正と経験レベル、潜在能力から作業者の役割評価を行い、適材適所配置を実施して作業者のモチベーション(作業に対する意欲、前向きな気持ち)をアップさせる。それにより、生産性の効率アップにつながり、さらには品質不良を削減する。このようにして、本実施形態に係る情報処理装置40は、従業員の作業に対するモチベーションの向上と生産性の最大化を実現することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態として、情報処理装置40が備える解析診断部44の解析診断結果を利用して、新規又は試作の生産ラインに対して最適な生産ライン編成計画を実行する例を説明する。
[作業者評価支援システムの全体構成]
まず、本発明の第2の実施形態に係る作業者評価支援システムの全体構成を説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る作業者評価支援システムの全体構成例を示すブロック図である。図示する情報処理装置40Aは、第1の実施形態に係る作業者評価支援システム1の情報処理装置40に対し、生産ライン編成計算部160と、生産能力DB163が追加されている。生産ライン編成計算部160は、情報処理装置40の解析診断部44内に設けられる。解析診断部44の作業解析部45、難易度解析部46、及び作業者特性変換部47の処理は、第1の実施形態(図3)と同じであるため、詳細な説明を省略する。
(生産能力DB)
生産能力DB163は、生産現場(生産ライン)の生産能力に関する情報を格納するデータベースである。生産能力DB163には、例えば、保有設備、生産条件/制約、必要人数などの情報が格納される。
「保有設備」は、例えば特定の加工機、セル屋台(セル生産設備)、特定の試験機などである。
「生産条件/制約」は、対象製品を生産するために必要な条件や制約である。例えば、
生産条件/制約の例として、使用する工具や部品、ネジ締結時の規定トルクなどが挙げられる。
「必要人数」は、指定された作業を実行するために必要な作業員の人数である。
なお、図9に示す力量評価DB43には、第1の実施形態で説明した各種情報(登録値)の他に、図12に示す力量評価DB登録値183の各々が格納されている。また、力量評価DB43には、作業者相性が格納されている。「作業者相性」は、ある作業者と他の作業者との相性の良しあしの情報である。作業者同士の相性によるマッチングの技術は、特開2020-57176号公報等に開示された技術など、周知の技術を用いることができる。例えば、例示した公開特許公報には、作業員同士の人間関係(相性)を考慮して協同作業を効率的に実施する技術が開示されている。
(生産ライン編成計画部)
生産ライン編成計算部160は、情報処理装置40が備える解析診断部44の解析診断結果を利用して、新規又は試作の生産ラインに対して最適な生産ライン編成計画を実行するブロックである。生産ライン編成計算部160は、生産ラインの工程ごとに各作業者の貢献値を算出する作業者貢献値算出部161と、作業者を配置した生産ライン編成ごとの生産ラインスコアを算出する生産ラインスコア算出部162とを備える。
[生産ライン編成計画部の処理]
次に、生産ライン編成計算部160の処理について図10を参照して説明する。
図10は、生産ライン編成計算部160の処理の手順例を示すフローチャートである。まず、生産ライン編成計算部160は、3D作業ビューアー11(図1)又は上位コンピューターなどから製品の生産ライン工程データを取得する(S11)。生産工程データは、後述する図11に示すような生産品名171(製品名)に対する生産ラインの工程設定172の情報を含んでいる。
次いで、生産ライン編成計算部160の作業者貢献値算出部161は、図12に示す各工程における作業者の要素別貢献値一覧180内の力量評価DB登録値183から作業者の要素別貢献値184を計算する(S12)。
次いで、生産ラインスコア算出部162は、図11に示す生産ラインスコア算出の基本アルゴリズム170に従って、生産ラインスコアを計算する(S13)。次いで、生産ラインスコア算出部162は、上記生産ラインスコアに基づいて生産ライン編成を計画し、生産ライン編成計画を評価、決定する(S14)。ステップS14の処理が終了後、本フローチャートの処理を終了する。
このように、生産ラインを設定する責任者が生産ライン工程を設定し、情報処理装置40Aを利用して工程ごとに必要な作業者候補を力量評価DB43より選出する。そして、作業者候補の経験値やスキルデータなどをベースに、工程に貢献する要素ごとに点数(貢献値)に変換する。同じように、各工程について作業者候補を選定し、作業者人数分の貢献値の合計点が生産ラインのスコア値となる。以下、生産ライン編成計算部160の作業者貢献値算出部161及び生産ラインスコア算出部162の動作について詳細に説明する。
[生産ラインスコア算出の基本アルゴリズム]
図11は、生産ラインスコア算出部162による生産ラインスコア算出の基本アルゴリズム170の例を示す。生産ラインスコア算出の基本アルゴリズム170には、生産品名171、生産ラインの工程設定172、作業者設定173、及び生産ラインスコア合計174などが示されている。生産ラインの工程設定172では、生産品名171に対応する生産ラインを構成する工程を表す工程No.、作業コード、必要作業員数、必要設備等、作業者設定173、標準LT(リードタイム)が示されている。
「必要作業員数」は、その工程で必要な作業員の数である。「必要設備等」は、その工程で必要な設備や工具、部材(例えば副資材)等である。作業者設定173は各工程の作業者の候補を表し、不図示の確定ボタンを押下することで、作業者設定173に表示された作業者候補が確定する。
例えば、工程“C01”では、作業コード“111”、必要作業員数“2”、必要設備“-”(特になし)、作業者設定173における候補者“A”の貢献値“36”、候補者“Z”の貢献値“33”の例が示されている。図5に示す生産品名171の製品の場合、推定される標準LTは“45分/台”である。
生産ラインスコア合計174の値は、次式により求められる。
生産ラインスコア=工程C01貢献値(作業者人数分の貢献値合計)+工程C02貢献値(作業者人数分の貢献値合計)+・・・・
なお、工程C07は、後述する図13に示す生産ラインフォーメーション評価190では、一時保管棚管理に該当する。工程C06において検査員は検査した製品を一時保管棚に保管するため、一時保管棚を管理する作業員の必要数は“0”となっている。
[作業者の要素別貢献値一覧]
図12は、作業者貢献値算出部161により算出した各工程における作業者の要素別貢献値一覧180の例を示す。作業者の要素別貢献値一覧180には、工程を表すタブ181、作業者候補182、力量評価DB登録値183、要素別貢献値184、及び工程貢献値合計185などが示されている。
例えば図12では、タブ181に工程“C01”~“C07”が示されている。作業者候補182には、図11に示した作業者設定173の作業者候補となる作業者が示される。例えば、作業者候補182として、作業者“A”、“Z”、“M”が示されている。
力量評価DB登録値183は、力量評価DB43に格納されている。例えば、力量評価DB登録値183の設定として、経験値、スキル、向上心、現状工程、力量、相性などの項目を有する例が示されている。
「経験値」では、経験値が高いほど種々の工程に対する柔軟性があり、イレギュラーな事象に対応できる能力(適合性)が高いと推定される(設定(1))。
「スキル」では、図5のスキル104が高いほどQ(品質)、D(納期)、C(コスト)を満足できる能力が高く、それらの総合的能力も高いと推定される(設定(2))。この「スキル」は、図8に示した評価登録(上長)150の“現状の作業レベル”に相当する。
「向上心」では、向上心が高いほど作業や環境に対する改善力や、作業を推進する能力が高いと推定される(設定(3))。「向上心」は、例えば図5に示した意欲105の各項目の合計点に基づき設定される。
「現状工程」は、作業者が現在担当している工程を表す。
「力量」では、力量が高いほど習熟性が高く、様々な作業(工程)に対応できる多能工性が高いと推定される(設定(4))。「力量」は、例えば図5に示したスキル104の各項目と習熟度109の合計点に基づき設定される。この「力量」は、図8に示した評価登録(上長)150の“作業力量”に相当する。
「相性」では、作業者の協調性が求められる。例えば、図9の「作業者相性」において多くの作業者と高い相性を示し、かつ経験値が高い作業者ほど、協調性が高いと考えられる。
各工程における作業者(候補)の貢献値は、次式により求められる。
各工程における作業者(候補)の貢献値=設定(1)~(5)の値を基に工程貢献値(タクトタイム+品質安定性+チームワーク+生産LT+ライン最善化)に変換する。
要素別貢献値184に示す各要素の貢献値の算出方法を以下に説明する。
「タクトタイム」は、設定(1)と設定(2)の値を配点することで求められる。本実施形態では、タクトタイムは“柔軟力”に貢献する。
「品質安定性」は、設定(2)と設定(4)の値を配点することで求められる。本実施形態では、品質安定性は“総合力”に貢献する。
「チームワーク」は、設定(4)と設定(5)の値を配点することで求められる。本実施形態では、チームワークは“集結力”に貢献する。
「生産LT」は、設定(3)と設定(4)の値を配点することで求められる。本実施形態では、生産LTは“習熟力”に貢献する。
「ライン最善化」は、設定(1)と設定(3)の値を配点することで求められる。本実施形態では、ライン最善化は“改善力”に貢献する。この「ライン最善化」は改善を積み重ねることで最善につながることを意味する。
図12には、作業者“A”の各要素別貢献値の合計“8+7+6+8+7”である工程貢献値合計185が“36”、作業者“Z”の工程貢献値合計185が“33”、作業者“M”の工程貢献値合計185が“24”である例が示されている。この作業者の工程貢献値合計が、タブ181に示す各工程C01~C07で計算されている。
[生産ライン編成計画の評価]
次に、生産ラインスコア算出部162による生産ライン編成計画の評価について図13を参照して説明する。
図13は、生産ライン編成計画の評価例を示す図である。図示する生産ラインフォーメーション評価190は、要求する生産ライン構成の登録や修正を実施するための出力イメージである。生産ラインフォーメーション評価190は、生産ライン検討者の使用端末に表示される。管理者と生産ライン検討者が同一人物であれば、生産ラインフォーメーション評価190は管理者端末50に表示される。
生産ラインフォーメーション評価190には、工程フロー193(既述の生産ライン工程に該当)ごとに、リソース配置候補191と評価ポイント192が表示される。また、生産ラインフォーメーション評価190には、分析結果出力日、現場名、生産品名が表示される。
リソース配置候補191には、工程ごとに必要な人数の作業者が配置される。評価ポイント192の各項目は、図12に示した要素別貢献値184の各要素と同じである。評価ポイント192には、項目ごとに評価を表す記号(例えば“◎”、“○”、“△”)が記載されている。図13の工程フロー193に示した工程は、図11及び図12で示した工程と対応している。工程フロー193の下側には、生産ライン編成ごとに生産ラインスコアが表示されている。
図13の例では、図11の工程C01に該当する工程z(配膳作業)に作業者“A、Z”を配置した生産ライン編成194の生産ラインスコアは“278点”である。また、その下側に記載された、上記と同じ工程zに作業者“E、Z”を配置した生産ライン編成195の生産ラインスコアは“261点”である。下側の生産ライン編成195は、評価ポイント192の「チームワーク」が“◎”であり生産ライン編成194の“○”よりも評価が高い。しかし、生産ライン編成195の「生産リードタイム」は“△”であるなどの理由から、生産ライン編成195は生産ライン編成194よりも生産ラインスコアの合計で低い値となっている。
生産ライン検討者は、太い一点鎖線で示されたカーソルを生産ライン編成間で移動させることにより、生産ライン編成を選択し、作業者の配置を所望の生産ライン編成に変更することができる。生産ラインスコア算出部162は、選択された生産ライン編成に基づいて、生産ラインスコアを再計算し、入出力I/F49を介して、生産ライン検討者の使用端末に表示する。この生産ライン編成の変更機能は、同じ生産ラインでも流す生産品が異なる場合、作業員の増員や補充を必要とすることがあり、そのような場合に活用する。
例えば、複数の作業工程が流れる生産ラインにおいて、途中の作業工程が遅いと全体に影響が出る。このため、生産ライン編成を適宜修正することで、作業者のスキルに応じ、投入作業員などを調整し全体の平均タクトバランスを整えること(タクトタイムを最短化)ができる。すなわち、生産ライン編成を見直すことで、タクトタイムを最短化することできる。
また、生産ライン編成を適宜修正することが可能となることで、設備の停止や作業トラブルによる生産ラインの停止時間を最小(ロス最小化)にすることができる。このような場合の生産ライン編成においても、作業者の経験とスキルが重要となる。
一般に製品ごとに生産工程が計画されるため、標準リードタイムに対し、対象とする生産ラインの生産実績や実力リードタイムが大切になる。このような場合においても、生産ライン編成を適宜修正することが可能となることで、生産する製品の投入から完成までの期間を最短化(生産LT最短化)することができる。
以上のとおり、第2の実施形態に係る作業者評価支援システム(情報処理装置40A)は、生産ライン編成計算部160を備える。生産ライン編成計算部160は、作業者特性変換部47から出力される作業者特性に基づいて、生産ラインの工程ごとに各作業者の貢献値(要素別貢献値184)を算出し、工程ごとの各作業者の貢献値を用いて各作業者を配置した生産ライン編成ごとの生産ラインスコア(工程貢献値合計185)を算出するように構成されている。
上述した第2の実施形態に係る情報処理装置40Aは、作業者の作業適正と経験レベル、潜在能力に、役割評価を加え、これらの項目に基づいて、新たな製品を製造する場合に工程(生産ラインのポジション)に求められる作業者の選定を容易にする。また、作業者は、経験レベルと作業実績に基づいて、新たな作業による成長機会を得ることができ、働き甲斐を得ることで満足感が大きくなる。このようにして、本実施形態に係る情報処理装置40Aにおいても、第1の実施形態の場合と同様に、従業員の作業に対するモチベーションの向上と生産性の最大化を実現することができる。
<変形例>
さらに、本発明は上述した第1及び第2の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。例えば、上述した各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために作業者評価支援システム(特に情報処理装置)の構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成要素の追加又は置換、削除をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。ハードウェアとして、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの広義のプロセッサデバイスを用いてもよい。
また、上述した各実施形態に係る情報処理装置の各構成要素は、それぞれのハードウェアがネットワークを介して互いに情報を送受信できるならば、いずれのハードウェアに実装されてもよい。また、ある処理部により実施される処理が、1つのハードウェアにより実現されてもよいし、複数のハードウェアによる分散処理により実現されてもよい。
また、図7及び図10に示すフローチャートにおいて、処理結果に影響を及ぼさない範囲で、複数の処理を並列的に実行したり、処理順序を変更したりしてもよい。
1…作業者評価支援システム、 30…作業者端末、 40,40A…情報処理装置、 41…意識調査DB、 42…製品特徴DB、 43…力量評価DB、 44…解析診断部、 45…作業解析部、 46…難易度解析部、 47…作業者特性変換部、 471…スコア算出部、 472…経験値算出部、 48…レポート作成部、 50…管理者端末、 80…アンケート、 100…スコア算出の基本アルゴリズム、 101…作業基準点、 102…加減評価点、 103…スコア算出合計、 104…スキル、 105…意欲、 120…経験値算出の基本アルゴリズム、 121…作業基準点、 122…加点評価点、 123…経験値算出合計、 124…スキル実績、 125…外的考慮、 130…評価レポート、 140…作業評価レポート(本人)、 141…作業実績、 142…自己評価(振り返り)、 143…評価分析結果、 144…作業スコア、 145…作業履歴、 146…獲得経験値、 147…評価ポイント、 150…評価登録(上長)、 152…上長評価、 153…自由記述欄、 160…生産ライン編成計算部、 161…作業者貢献値算出部、 162…生産ラインスコア算出部、 163…生産能力DB、 170…生産ラインスコア算出の基本アルゴリズム、 180…各工程における作業者貢献値一覧表、 190…生産ラインフォーメーション評価

Claims (10)

  1. 作業者が実施した作業の作業実績を収集して作業者を評価する作業者評価支援システムであって、
    前記作業者評価支援システムは、
    前記作業に対する前記作業者の意識を調査した意識調査結果を格納する意識調査データベースと、
    前記作業者の前記作業実績を解析する作業解析部と、
    前記作業解析部による前記作業実績の解析結果と、前記作業の難易度と、前記意識調査データベースに格納された前記意識調査結果とを、前記作業者の特性を表す作業者特性に変換する作業者特性変換部と、
    前記作業者特性変換部が出力する前記作業者特性を用いて前記作業者の評価レポートを作成し出力するレポート作成部と、を備える
    作業者評価支援システム。
  2. さらに、前記作業者特性変換部は、
    前記作業の作業実績の解析結果及び前記意識調査結果を基に、前記作業者特性として前記作業を遂行する能力の評価点と、前記作業に対する意欲の評価点からなる作業スコアを計算するスコア算出部と、
    前記作業スコアのうち前記作業を遂行する能力を基に前記意識調査結果を加味して、前記作業者特性として前記作業者の作業に対する経験値を計算する経験値算出部と、を有する
    請求項1に記載の作業者評価支援システム。
  3. 前記レポート作成部は、前記作業者の上長による前記作業者の前記作業実績についての評価を入力する機能と、前記作業者の前記作業実績についての評価が格納されたデータベースに登録する機能とを有する
    請求項2に記載の作業者評価支援システム。
  4. 前記スコア算出部は、前記作業の難易度と生産数とにより設定される作業基準点を前記作業スコアに加算し、
    前記経験値算出部は、前記作業基準点を前記経験値に加算する
    請求項3に記載の作業者評価支援システム。
  5. 前記作業を遂行する能力を表す項目は、前記作業を実行する速さを表すスピードと、実行した前記作業の正確さを表す正確性と、一定レベル以上の品質で作業を継続できる能力のうち、少なくとも1以上の組み合わせを含む
    請求項4に記載の作業者評価支援システム。
  6. 前記作業に対する意欲を表す項目は、過去の作業のスピードと正確性を表す値を用いて求められる習熟度と、注意しながら作業を遂行する能力と、作業や環境に対する改善策を提案する能力のうち、少なくとも1以上の組み合わせを含む
    請求項4に記載の作業者評価支援システム。
  7. 前記作業者の作業に対する経験値は、前記作業スコアの前記作業を遂行する能力の評価点を基に、前記意識調査結果から得られる前記作業スコアに影響を与える因子を加味して求められる
    請求項4に記載の作業者評価支援システム。
  8. 前記作業者の作業に対する経験値を表す項目は、前記作業者の健康状態と前記作業実績との関係を評価する項目である本人状態と、前記作業者の作業に対する相性と前記作業実績との関係を評価する項目である作業相性と、作業時の外乱と前記作業実績との関係を評価する項目である環境状態のうち、少なくとも1以上の組み合わせを含む
    請求項7に記載の作業者評価支援システム。
  9. 前記作業者特性変換部から出力される前記作業者特性に基づいて、生産ラインの工程ごとに各作業者の貢献値を算出し、前記工程ごとの各作業者の貢献値を用いて各作業者を配置した生産ライン編成ごとの生産ラインスコアを算出する生産ライン編成計画部、を備える
    請求項1に記載の作業者評価支援システム。
  10. 作業者が実施した作業の作業実績を収集して作業者を評価する作業者評価支援システムによる作業者評価支援方法であって、
    前記作業者評価支援システムは、
    前記作業者の前記作業実績を解析する処理と、
    前記作業実績の解析結果と、前記作業の難易度と、意識調査データベースに格納された前記作業に対する前記作業者の意識を調査した意識調査結果とを、前記作業者の特性を表す作業者特性に変換する処理と、
    前記作業者特性を用いて前記作業者の評価レポートを作成し出力する処理と、を含む
    作業者評価支援方法。
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