以下、本発明に係るプロジェクト管理教育装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係るプロジェクト管理教育装置は、研修者にプロジェクト管理を擬似的に体験させることで、研修者に対する効果的なプロジェクト管理教育を実施することができる。
本実施の形態においては、プロジェクト管理教育の一例として、引越しにおけるタイムマネージメントに関する研修を行う場合について説明する。
まず、本実施の形態に係るプロジェクト管理教育装置の構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係るプロジェクト管理教育装置1000の構成を示す図である。
図1に示すプロジェクト管理教育装置1000は、研修者にプロジェクト管理を擬似的に体験させることで、プロジェクト管理の教育を行う。プロジェクト管理教育装置1000は、指導者用端末100と、複数の研修者用端末200a〜200eとを備える。なお、複数の研修者用端末を特に区別しない場合には、研修者用端末200と記す。
指導者端末100は、プロジェクト管理教育を行う指導者が使用する端末である。例えば、指導者端末100は、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称す。)等である。
研修者用端末200は、プロジェクト管理教育を受ける研修者が使用する端末である。例えば、研修者用端末200は、PC等である。各研修者用端末200は、ネットワーク300を介して、指導者用端末と接続される。また、各研修者用端末200は、1〜十数名程度の研修者が使用する。例えば、10名のグループに対して、1個の研修者用端末200を割り当てる。図1に示すように、5台の研修者用端末200を用いる場合には、約50名の研修者に対して、指導を行うことができる。
図2は、研修者用端末200の構成を示すブロック図である。
図2に示す研修者用端末200は、表示部210と、入力部220と、通信部230と、判定部240と、タイマ部250と、保持部260と、制御部270とを備える。
表示部210は、制御部270の制御により、研修者にプロジェクト管理の教育における方針および課題等を表示する。例えば、表示部210は、PC等のディスプレイである。
入力部220は、研修者からの指示等が入力される。入力部220は研修者からの指示等を制御部270に送る。例えば、入力部220は、キーボードおよびマウス等である。
通信部230は、ネットワーク300を介して、指導者用端末100とのデータの受け渡しを行う。例えば、通信部230は、通信インターフェース等である。
判定部240は、研修者が作成した答案が適切であるか否かを判定する。判定部240は、研修者が入力した答案と、保持部260が保持する解答データ262とから判定を行う。また、判定部240は、判定結果に基づき、保持部260に保持されている研修者データ261を変更する。
タイマ部250は、制御部270の制御により、所定の時間をカウントする。ここで、所定の時間とは、例えば、プロジェクト管理教育において課せられる課題に対する、研修者の答案提出の制限時間である。
保持部260は、研修者データ261と、解答データ262とを保持する。例えば、保持部260は、ハードディスクまたはRAM等である。研修者データ261は、研修者用端末200を使用するグループ(研修者)のプロジェクト管理教育に関するデータである。研修者データ261は、プロジェクト管理の教育におけるグループ(研修者)の評価を示す評価値である進捗ポイントと、課題の解決に対するヘルプ(補助)を受けることのできる回数であるヘルプ回数とを含む。解答データ262は、プロジェクト管理教育において課せられる課題に対する模範解答である。また、保持部260は、研修に用いられる研修者に表示する課題および答案を記入するフォーマット等のデータを保持する。
制御部270は、研修者用端末200の全体の制御を行う。例えば、制御部270は、CPU等である。
図3は、指導者用端末100の構成を示すブロック図である。
図3に示す指導者用端末100は、表示部110と、入力部120と、通信部130と、算出部140と、保持部150と、制御部160とを備える。
表示部110は、制御部160の制御により、指導者に研修者が作成した答案等を表示する。例えば、表示部110は、PC等のディスプレイである。
入力部120は、指導者からの指示等が入力される。入力部120は研修者からの支持等を制御部160に送る。例えば、入力部120は、キーボードおよびマウス等である。
通信部130は、ネットワーク300を介して、研修者用端末200とのデータの受け渡しを行う。例えば、通信部130は、通信インターフェース等である。
算出部140は、各研修者用端末200を使用する研修者が入力した順位等から、各研修者が作成した答案の順位を算出する。
保持部150は、各研修者用端末200から送信された各研修者の答案等を保持する。
制御部170は、指導者用端末100の全体の制御を行う。例えば、制御部170は、CPU等である。
次に、本実施の形態に係るプロジェクト管理教育装置1000の動作を説明する。
本実施の形態においては、プロジェクト管理教育の一例として、引越しにおけるタイムマネージメントに関する研修を行う場合について説明する。
図4は、本実施の形態に係るプロジェクト管理教育装置1000によるタイムマネージメントに関する研修の流れを示す図である。本実施の形態に係るプロジェクト管理教育装置1000によるタイムマネージメントに関する研修は4つのフェーズを含む。まず、第1フェーズが行われ(S100)、次に第2のフェーズが行われ(S200)、次に第3フェーズが行われ(S300)、次に第4フェーズが行われる(S400)。第1フェーズでは、引越しにおいて実施する作業項目の洗い出し、および、スケジュールについての研修が行われる。第2フェーズでは、引越し後のレイアウトのフロアタイプについての研修が行われる。第3フェーズでは、引越し後のレイアウトの配置につていの研修が行われる。第4フェーズでは、引越し内容を社内に指示する通知書の作成についての研修が行われる。
本実施の形態においては、指導者用端末100を使用する指導者は、実際のプロジェクト管理における上司に相当し、研修者は、上司のグループに所属する部下に相当する。
各フェーズにおいて、研修者に対する課題が研修者用端末200の表示部210に表示される。研修者は、課題に対する答案を研修者用端末200の入力部120に入力する。研修者用端末200は、研修者が入力した答案に応じ、日程が進む/遅れる等の判定を行い、判定結果を研修者に表示する。
以下に、各フェーズの処理について詳細に説明する。まず、第1フェーズについて、詳細に説明する。
図5は、第1フェーズにおける研修者用端末200の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、表示部210は、制御部270の制御により、保持部260に保持されている引越しにおける方針を研修者に表示する(S101)。図6は、表示部210が表示する方針の一例を示す図である。図6に示すように、例えば、表示部210に表示される方針は、「オフィスの移転期限は2006年7月下旬か8月上旬。」および「1フロアーに全部門入れる」等である。表示部210が表示する方針は、第1〜第4フェーズの全てに関する方針であり、研修者は、各フェーズにおいて、どの方針が関係あるかを判断し、各方針に沿った計画をたてることとなる。また、図6に示すような方針は、研修の開始時(ステップS101)において表示されると共に、研修中の任意の時間に、研修者用端末200の表示部210に表示することができる。例えば、研修者が、方針を表示するためのボタンまたはアイコン等をクリックすることで、図6に示すような方針が表示される。
次に、表示部210は、制御部270の制御により、保持部260に保持されている研修者がプロジェクト管理を擬似的に体験できる、引越しに関する課題である第1フェーズの第1の課題を表示する(S102)。ここで、第1の課題は、引越しに際して実施する作業の項目の洗い出しである。また、第1の課題を行うにあたっての注意事項および説明等が表示される。なお、課題、および、課題を行うにあたっての注意事項等についても、上述した方針と同様に、研修中の任意の時間に、研修者用端末200の表示部210に表示することができる。例えば、研修者が、課題を表示するための、ボタンまたはアイコン等をクリックすることで、課題の内容が表示される。
タイマ部250は、表示部210の課題の表示に伴い、制御部270の制御により、時間のカウントを開始する(S103)。
図7は、表示部210の画面表示の例を示す図である。例えば、図7に示すように、現在実行中のフェーズ名401として「第1フェーズ」と、残り時間402と、進捗ポイント403と、ヘルプ回数404と、ヘルプコマンド405と、結果コマンド406と、課題コマンド407と、方針コマンド408とを表示する。
残り時間402は、答案を提出するまでの残り時間であり、タイマ部250がカウントするカウント値である。各フェーズの各課題には、制限時間が設けられており、制限時間内に答案を提出しない場合には、超過した時間に応じたペナルティーが科せられる。また、制限時間内に答案を提出した場合には、余った時間に応じた報酬が得られる。
進捗ポイント403は、保持部260が保持する研修者データ261に含まれるプロジェクト管理の教育においける研修者の評価を示す評価値である。具体的には進捗ポイント403は、予定の日程に対する現在の作業の進み/遅れを示すポイントであり、進捗ポイント403が小さいほど、評価が高い(評価値が大きい)ことを意味し、進捗ポイント403が大きいほど評価が低い(評価値が小さい)ことを意味する。例えば、進捗ポイント403が+1.0であれば、日程より1日作業が遅れていることを意味し、−2.0であれば、日程より2日作業が進んでいることを意味する。進捗ポイント403は、提出した答案の判定結果に応じて増減する。また、答案提出時の残り時間の量に応じて増減する。例えば、進捗ポイント403は、制限時間内に答案を提出しない場合には、超過した時間に応じ増加し、制限時間内に答案を提出した場合には、余った時間に応じて減少する。
ヘルプ回数404は、保持部260が保持する研修者データ261に含まれる課題の解決に対するヘルプを受けることのできる回数である。ヘルプは、各課題に対するヒントとなる情報等を得ることができるコマンドである。ヘルプは、任意のタイミングで使用することができる。例えば、引越しに際して実施しなくてはいけない作業の項目の洗い出しに対してヘルプを使用した場合には、制御部270は、解答データ262に含まれる模範解答の一部(例えば、項目の一つ)をランダムに表示する。また、ヘルプが1回使用されると、制御部270は、ヘルプ回数404は1減少させる。また、ヘルプ回数404は、提出した答案の内容および提出時の残り時間等に応じて増加する。また、ヘルプは、各フェーズ中に使用できるヘルプの回数および一度の使用できるヘルプの回数は制限される。例えば、第1フェーズの第1の課題に対しては、ヘルプは1回のみ使用可能とし、同時に使用できる回数は4回分までとする。また、使用できるヘルプの回数および一度の使用できるヘルプの回数の制限を変更することで、容易に研修の難易度の調整を行うことができる。例えば、使用できるヘルプの回数および一度の使用できるヘルプの回数を増加させることで、難易度を下げることができる。
ヘルプコマンド405は、ヘルプに関するコマンドであり、選択することで、ヘルプに関するコマンドが表示される。例えば、ヘルプコマンド405を選択することで、ヘルプ使用409と、説明410と、指導者に質問411とが表示される。研修者がヘルプ使用409を選択することで、制御部270は、研修者がヘルプを受ける旨の情報を取得する。これにより、制御部270は、課題の解決の補助となる情報であるヘルプを表示し、ヘルプ回数を減少させる。説明410を選択すると、ヘルプを使用した場合の効果等が表示される。例えば、引越しに際して実施しなくてはいけない作業の項目の洗い出しに対しては、「正解となる項目の一つがランダムに表示される」と表示される。指導者に質問411を選択すると、ネットワーク300を介して、指導者用端末100に質問等を送ることができる。例えば、チャットシステム等により、リアルタイムで質問事項等のコメントを送ることができる。
結果コマンド406は、研修に参加している全てのグループの各フェーズにおける順位および進捗ポイントの推移等を表示する。
課題コマンド407は、現在与えられている課題を表示する。
方針コマンド408は、ステップS101で表示された方針を表示する。
一方、研修者は、ステップS102で表示された課題に対して答案を作成する。例えば、研修者は、図7に示す答案フォーマット412に作業項目を打ち込む。研修者は、必要な項目を記載した後、提出ボタン413を押すことで、答案を提出する。なお、表示部210が複数の作業項目を表示し、研修者が複数の作業項目から必要と考える作業項目を選択する方法を用いてもよい。
判定部240は、研修者が提出した答案を取得する(S104)。研修者用端末200の判定部240は、取得した答案に含まれる項目と、保持部260に保持されている解答データ262に含まれる課題に対する模範解答の項目とを比較し、答案に含まれる項目と、模範解答に含まれる項目とが一致するか否かに基づき、答案が適切であるか否かを判定する(S105)。例えば、模範解答の項目に含まれる文言が、答案の項目に含まれるか否かにより、答案に含まれる項目と、模範解答に含まれる項目とが一致するか否かを判定する。また、判定部240は、模範解答に含まれており、答案に含まれていない項目の重要度に応じて、進捗ポイントを減少させる。また、制御部270は、答案を取得した時点のカウント部250のカウント値と、制限時間との差分を算出する。制御部270は、提出が制限時間内に行われた(カウント値が制限時間より小さい)場合に、カウント値と制限時間との差分に応じて、進捗ポイントの減少およびヘルプ回数の増加うち少なくとも一方を行う。例えば、制限時間内に研修者による提出が行われた場合は、差分の5分毎に進捗ポイントが1.0減少する。また、制限時間を超過した場合には、5分毎に進捗ポイントが1.0増加する。
図8は、保持部260に保持されている解答データ262の一例を示す図である。図8に示す解答データ262は、項目501と、進捗ポイント502と、ヘルプ503とを含む。項目501は、模範解答の引越しに際して実施する作業の項目である。進捗ポイント502は、対応する項目が答案に含まれていなかった場合の、進捗ポイントの増加量を示す。ヘルプ503は、対応する項目が答案に含まれていなかった場合のヘルプ回数の減少値を示す。例えば、図8に示すように「現状オフィス面積および一人当りの面積を確認」に対応する項目が、取得した答案に含まれていない場合は、判定部240は、進捗ポイントを1.0増加する。
次に、表示部210は、制御部270の制御により、判定部240による判定結果と、模範解答とを表示する(S106)。同時に、制御部270は、変更された保持部260に保持されている進捗ポイントの値およびヘルプ回数に、表示部210が表示している進捗ポイント403の値およびヘルプ回数404を変更する。また、制御部270は、タイマ部250によるカウント値をリセットする。
次に、表示部210は、制御部270の制御により、保持部260が保持している第1フェーズの第2の課題を表示する(S107)。第1フェーズの第2の課題は、引越しのスケジュールの作成である。また、第1の課題において、研修者が記載できなかった項目についても表示され、研修者は、模範解答の全ての項目に対してスケジュールを作成する。なお、研修者が提出した答案の項目に含まれており、第1の課題の模範解答に含まれていない項目に対してもスケジュールを作成してもよい。また、第2の課題を行うにあたっての注意事項および説明等が表示される。さらに、表示部210は、保持部260が保持している研修者が引越しのスケジュールを入力するためのフォーマットを表示する。ステップS103と同様に、タイマ部250は、第2の課題の表示に伴い、制御部270の制御により、カウントを開始する(S108)。
研修者は、表示部210が表示したフォーマットに対してスケジュールを入力する。図9は、研修者が入力したスケジュールの一例を示す図である。例えば、図9に示すように、各項目は、実際に実施される順序で上から記載される。各項目に対して実施に要する日程が記載される。
判定部240は、研修者が入力したスケジュールを取得する(S109)。判定部240は、取得したスケジュールの各項目の順序と、解答データ262の模範解答の項目の順序を比較し、答案が適切であるか否かを判定する(S110)。判定部240は、例えば、取得したスケジュールに含まれる模範解答と順序の異なる項目の数に応じて、進捗ポイントを増加、または、ヘルプ回数を減少させる。また、判定部240は、各項目に要する日数、項目に対する日程の重なり、および、移転日までに全ての項目が終了しているかを判定する。例えば、解答データ262は、各項目に必要な最低の日数に関するデータが含まれており、判定部240は、スケジュールに記載された日数が最低の日数より少ない場合には、進捗ポイントを増加、または、ヘルプ回数を減少させる。
次に、制御部270は、通信部230を介して指導者端末100に、保持部260が保持している現時点の進捗ポイントのデータを送信する(S111)。指導者端末100の算出部140は、各研修者端末200a〜200eから送信された進捗ポイントを集計し、各研修者端末200a〜200eを使用しているそれぞれのグループの順位を判定する。指導者端末100の制御部160は、通信部130を介して、各グループの順位および進捗ポイントを各研修者端末200a〜200eに送信する。研修者端末の表示部210は、制御部270の制御により、答案の判定結果、模範解答、各グループの順位および進捗ポイントを研修者に表示する(S112)。以上により、第1フェーズが終了する。
また、第1フェーズ中には、所定のタイミングでプロジェクト管理において実際に発生する可能性のある事象であるアクシデントが発生する。例えば、第2の課題が表示された後の、タイマ部250のカウント値が所定の値となったタイミングで、アクシデントが発生する。また、保持部260は、複数のアクシデントの内容と、各アクシデントに対応する進捗ポイントおよびヘルプ回数の変動値と、各アクシデントに対応する該アクシデントに対する打消し方法とを保持する。アクシデントの内容は、保持部260に保持される複数のアクシデントのパターンからランダムに選択される。
図10は、アクシデントが発生した場合の、表示部210が表示する画面例を示す図である。例えば、図10に示すように、アクシデント発生ウィンドウ601が表示される。アクシデント発生ウィンドウ601には、アクシデント内容602と、アクシデント効果603と、効果打消し方法604とが表示される。アクシデント内容602は、実際の作業上発生する可能性のあるアクシデントの内容であり、例えば、「上司に突然の出張が入った。」等である。アクシデント効果603は、アクシデントの発生により生ずる進捗ポイントおよびヘルプ回数の変動値であり、例えば、「進捗ポイントが+1.0される」等である。効果打消し方法604は、研修者が行うことで、効果603に記載されている効果を打ち消す方法であり、例えば、「ヘルプを1回使用することで進捗ポイントの増加をなくすことができる」等である。また、アクシデント発生後は、アクシデントアイコン605が画面に表示されるようになり、任意のタイミングでアクシデントアイコン605をクリックすることで、アクシデントの内容を確認することができる。また、アクシデント発生後は、ヘルプコマンド405を選択した後に、「アクシデントに対応」のコマンドが追加表示され、研修者が該コマンドを選択することで、ヘルプを使用して、アクシデントの効果を打ち消すことができる。
制御部270は、アクシデントが発生し、アクシデント発生ウィンドウ601を表示部210に表示させた後に、効果603に応じて進捗ポイントを増加させる。例えば、制御部270は、進捗ポイント1.0を増加させる。また、制御部270は、アクシデントの発生後に、研修者による打消し方法604に対応した入力を取得した場合に、効果603に応じて進捗ポイントを減少させる。すなわち、アクシデントによる進捗ポイントの増加を打ち消す。例えば、図10に示すように、打ち消し方法604がヘルプ回数を減少させる旨(ヘルプを1回使用することで進捗ポイントの増加をなくすことができる)を含む場合は、制御部270は、研修者の入力に応じて、ヘルプ回数を減少させ、アクシデントによる進捗ポイントの増加を打ち消す。また、図10に示すように、打ち消し方法604が、「スケジュールの提出が、制限時間より5分以上早ければ、自動的に効果が打ち消される。」の場合には、制御部270は、スケジュールが提出された時点のタイマ部250のカウント値が、制限時間より5分以上早いか否かを判定する。制御部270は、タイマ部250のカウント値が制限時間の5分前より小さい場合に、進捗ポイントを−1.0し、アクシデント発生の効果は打ち消す。また、アクシデントが発生するタイミングおよび回数を変更することで、容易に研修の難易度を変更することができる。例えば、アクシデントが発生する回数を増加させることで、難易度を上げることができる。
次に、第2フェーズについて説明する。第2フェーズは、移転先のフロアのレイアウトタイプを選択する研修である。
図11は、第2フェーズにおける研修者用端末200の処理の流れを示すフローチャートである。
図11に示すように、まず、研修者用端末200の表示部210は、制御部270の制御により、保持部260に保持されている第2フェーズに関する課題および情報を表示する(S201)。研修者は、第2フェーズにおいても引き続き第1フェーズのステップS101において表示された方針を考慮する必要がある。第2フェーズの課題は、各部署の移転先のフロアのレイアウトタイプを選択することである。また、表示部210は、第2フェーズの課題を行うにあたっての注意事項および説明等を表示する。表示部210が表示する第2フェーズに関する情報は、各部署の要求と、レイアウト情報とを含む。
図12は、表示部210が表示する情報に含まれる各部署の要求の一例を示す図である。図12に示す各部署の要求は、各部署の要求である「部門の声」701と、引越し前のレイアウトにおける各部署の会議室の個数702と、応接室の個数703とを含む。例えば、研究開発部からの部門の声701としては「時期によって個人での集中業務になったりプロジェクト単位での業務になったりする。」等が記載される。
レイアウト情報は、複数のレイアウトタイプの情報を含む。図13は、表示部210が表示する情報に含まれるレイアウト情報の一例を示す図である。図13に示すようにレイアウト情報は、レイアウトタイプ801と、特徴802と、概略図803と、イメージ図804とを含む。図13に示すレイアウト情報は、レイアウトタイプ801がユニバーサル・レイアウトのレイアウト情報である。特徴802は、ユニバーサル・レイアウトの特徴が記載される。例えば、特徴802として「在席率の高い業務に向いています。」等が記載される。概略図803は、ユニバーサル・レイアウトの概略構成を示す図である。イメージ図804は、ユニバーサル・レイアウトのイメージを示すイメージ図である。また、図13に示したレイアウト情報以外に、複数のレイアウトタイプのレイアウト情報が表示部210に表示される。例えば、他のレイアウトタイプとしては、アクティビティー・レイアウト、インディビデュアル・レイアウトおよびフリーセッティング・レイアウト等である。
また、各部署の要求およびレイアウト情報は、ステップS201以降、任意のタイミングで表示部210に表示することができる。例えば、方針コマンド408を選択することで、各部署の要求およびレイアウト情報を表示するコマンドが表示され、該コマンドを選択することで、各部署の要求およびレイアウト情報が表示される。
表示部210の課題および情報の表示に伴い、タイマ部250は、制御部270の制御により、カウントを開始する(S202)。
研修者は、入力部220から所定のフォーマットに、各部署のレイアウトタイプをどのレイアウトタイプにするかを入力する。研修者は、与えられた各部署の要求と、レイアウト情報とから、各部署の要求に合致したレイアウトタイプを選択する。研修者は、各部署のレイアウトタイプをどのレイアウトタイプにするかを入力したのち、第1フェーズと同様に、提出ボタンをクリックすることで、答案を提出する。
判定部240は、研修者が提出した答案を取得する(S203)。判定部240は、提出された答案の各部署に対するレイアウトタイプが、保持部260が保持している解答データ262に含まれる第2フェーズの課題に対する模範解答と一致するか否かを判定する。答案が模範解答と一致していない場合は、研修者にはペナルティーが科せられる。例えば、模範解答のレイアウトタイプと一致しない部署の数分、進捗ポイントが加算される。また、制御部270は、答案を提出した時点の残り時間に応じて、進捗ポイントおよびヘルプ回数を増減させる。例えば、制御部270は、残り時間5分毎に対して、進捗ポイントが1減少させる。
次に、制御部270は、通信部230を介して指導者端末100に、保持部260が保持している現時点の進捗ポイントのデータを送信する(S205)。指導者端末100は、各研修者端末200a〜200eから送信された進捗ポイントを集計し、各研修者端末200a〜200eを使用しているそれぞれのグループの順位を判定し、各グループの順位および進捗ポイントを各研修者端末200a〜200eに送信する。研修者端末の表示部210は、答案の判定結果、模範解答、各グループの順位および進捗ポイントを研修者に表示する(S206)。以上により、第2フェーズが終了する。
なお、上記説明において、研修者は各部署のレイアウトタイプを提出するとしたが、各部署のレイアウトタイプに加え、選択した理由を提出してもよい。この場合、研修者が提出した答案は、ステップS205において、通信部230を介して、指導者用端末100に送信される。指導者用端末100を使用している指導者は、送信された答案を採点し、コメント等を付して研修者用端末200に送信する。また、コメントを含む答案のできを判定し、指導者用端末100に入力する。指導者用端末100の制御部160は、入力された判定結果を、研修者用端末200に送信する。研修者用端末200の判定部240は、指導者用端末100から送信された判定結果に応じて、ペナルティー(進捗ポイントの増加およびヘルプ回数の減少等)を判定してもよい。
次に、第3フェーズについて説明する。第3フェーズは、移転先オフィスのレイアウトを作成する研修である。
図14は、第3フェーズにおける研修者用端末200の処理の流れを示すフローチャートである。
図14に示すように、まず、表示部210は、制御部270の制御により、保持部260が保持している第3フェーズに関する課題および情報を表示する(S301)。第3フェーズの課題は、移転先のフロアのレイアウトを作成することである。また、表示部210は、第3フェーズの課題を行うにあたっての注意事項および説明等が表示される。また、第3フェーズに関する情報は、各部署の所属員数等の情報である部署情報を含む。
図15は、ステップS301において表示部210が表示する部署情報の一例を示す図である。図15に示すように部署情報は、部門長数811と、グループマネジャー数812と、メンバ数813と、ミーティングディスク数814と、キャビネット数815と、複合機数816とを含む。
タイマ部250は、表示部210の課題および情報の表示に伴い、制御部270の制御により、カウントを開始する(S302)。
研修者は、表示された部署情報と、第1フェーズで与えられた方針と、第2フェーズで与えられた部署情報およびレイアウト情報とに基づき、レイアウトを作成する。研修者は、表示部210に表示された所定のフォーマットに対し、各部署を配置する位置を入力する。また、研修者は、机等を配置してレイアウトを作成する。
図16は、研修者が入力するレイアウトの一例を示す図である。図16に示すように、レイアウトを入力するフォーマットは、方位と、廊下901、出入り口902および窓903が記載されている。研修者は、各部署の配置および大きさを決定し、壁およびパーティション等を配置する。また、研修者は、フォーマット上に、部門長のディスク、グループマネジャーのディスク、メンバーのディスク、ミーティング用ディスク、キャビネットおよび複合機等を配置する。また、図示していないが、業務に必要なディスク等のみでなく、癒し効果のある観葉植物およびマスコット動物等を配置できるようにしてもよい。また、研修者は、作成したレイアウトの利点等のコメントを作成する。研修者は、レイアウトおよびコメントの作成後に、第1フェーズと同様に、提出ボタンをクリックすることで答案を提出する。
研修者用端末200の制御部270は、研修者により提出された答案(レイアウトおよびコメント)を取得する(S303)。また、第1フェーズおよび第2フェーズと同様に、制御部270は、各グループの順位およびコメントを提出した時の、残り時間に応じて、進捗ポイントおよびヘルプ回数が増減させる。例えば、残り時間5分毎に対して、進捗ポイントが1減少させる。
制御部270は、通信部230を介して、取得した答案を指導者用端末100に送信する(S304)。また、制御部270は、研修者用端末200を使用しているグループの、現時点での保持部260が保持している進捗ポイントおよびヘルプ回数の情報を、指導者用端末100に送信する。
指導者用端末100の制御部160は、研修を行っている全ての研修者用端末200a〜200eからの答案を取得すると、取得した全ての答案を各研修者用端末200a〜200eに送信する。
研修者用端末200の制御部270は、指導者用端末100から送信された全てのグループの答案を受信する(S305)。表示部210は、受信した全てのグループの答案を研修者に表示する(S306)。
研修者は、表示部210に表示された全てのグループのレイアウトおよびコメントを確認し、各グループのレイアウトの良否を判定する。研修者は、第1フェーズと同様に、提出ボタンをクリックすることで、研修者用端末200からレイアウトの判定結果を提出する。例えば、研修者は、自身のグループを除く4グループのうちの上位2グループのレイアウトを選択する。また、自身のグループを除く4グループの答案に対し1〜4位の順位をつけてもよい。また、最も良い答案と、最も悪い答案とを選択してもよい。また、研修者は、各レイアウトの評価できる点等をコメントとして記載して提出する。
研修者用端末200の制御部270は、研修者が提出したレイアウトの判定結果およびコメントを取得し(S307)、通信部230を介して、指導者用端末100に送信する(S308)。
指導者用端末100の算出部140は、研修を行っている全ての研修者用端末200a〜200eからの複数の判定結果を取得すると、集計を行い、各グループのレイアウトの順位を算出する。また、集計結果の順位に応じて、下位のグループには、ペナルティーが科せられる。具体的には、最下位のグループの進捗ポイントの増加、または、ヘルプ回数の減少等が行われる。また、上位のグループには、進捗ポイントの減少、または、ヘルプ回数の増加等が行われる。例えば、順位が1位のグループはヘルプ回数が3増加し、順位が2位のグループはヘルプ回数が2増加し、順位が3位のグループはヘルプ回数が1増加する。最下位のグループは、レイアウトの提出時間に応じて、進捗ポイントが2増加、または、ヘルプ回数が1〜5減少する。制御部160は、先に取得した各グループの進捗ポイントおよびヘルプ回数を、集計結果の順位に応じて増減させる。指導者用端末100の制御部160は、集計結果、コメントおよび各グループの進捗ポイント等を各研修者用端末200に送信する。
研修者用端末200の制御部270は、指導者用端末100が送信した集計結果、コメントおよび各グループの進捗ポイントを受信する(S309)。表示部210は、受信した集計結果、コメントおよび各グループの進捗ポイントを表示する(S310)。
また、第3フェーズ中には、ステップS302以降の所定のタイミングで、プロジェクト管理において実際に生じる可能性のある事象であるイベントが発生する。保持部260は、複数のイベントを保持する。発生するイベントは、保持部260が保持する複数のイベントのなかからランダムに選択される。
図17は、イベントが発生した場合の、表示部210が表示する画面例を示す図である。例えば、図17に示すように、イベント発生ウィンドウ1001が表示される。イベント発生ウィンドウ1001には、イベント内容1002と、対応方法1003と、効果1004とが表示される。イベント内容1002は、実際の作業上発生する可能性のあるイベントの内容であり、例えば、「営業部が「専用の会議室を持ちたい」と言ってきた。」等である。対応方法1003は、発生したイベントに対して、研修者が行わなければならない動作を示す。図17においては、研修者は、発生したイベントに対応する対応案を作成し、提出しなくてはならない。例えば、対応ボタン1005をクリックすると、保持部260が保持する所定のフォーマットが表示され、研修者は、所定のフォーマットに対応案を記入して、提出する。効果1004は、発生したイベントの効果を示す。例えば、研修者の対応に応じて進捗ポイントおよびヘルプ回数が増減する等が示される。また、イベント発生後は、イベントアイコン1006が画面に表示される。研修者は、任意のタイミングでイベントアイコン1006をクリックすることで、イベント発生ウィンドウ1001が表示させ、イベントの内容を確認することができる。
研修者用端末200の制御部270は、提出されたイベントに対する対応案を取得すると、イベント発生から提出までの時間から、イベントに対する研修者の対応を判定する。制御部270は、対応案を取得した時点のタイマ部250のカウント値が所定の値より大きい場合に、タイマポイントの増加およびヘルプ回数の減少のうち少なくとも一方を行う。すなわち、制御部270は、イベント発生から提出までの時間に応じて、進捗ポイントおよびヘルプ回数の増減を行う。これは、実際の業務において、対応案の内容以前に、問題が発生した場合に、いかに早く上司に報告を行うかが重要であるためである。よって、所定の時間内に上司に報告がなされない(対応案の提出がされない)が最も悪い判定となる。
なお、イベント発生から提出までの時間に加えて、対応案の内容を判定の基準として加えてもよい。この場合は、提出された応答案は、指導者用端末100に送信される。指導者は、提出された応答案を確認し、採点を行い、採点結果を研修者用端末200に送信する。採点結果を受信した研修者用端末200の判定部240は、イベント発生から提出までの時間と、受信した採点結果とに応じて、進捗ポイントおよびヘルプ回数の増減を行う。
次に、第4フェーズについて説明する。第4フェーズは、オフィス移転に関する社内説明会の資料の作成についての研修である。
図18は、第4フェーズにおける研修者用端末200の処理の流れを示すフローチャートである。図18に示すように、まず、表示部210は、制御部270の制御により、保持部260が保持する第4フェーズの第1の課題を表示する(S401)。第4フェーズの第1の課題は、オフィス移転に関する社内説明会の資料に記載する項目の洗い出しである。
表示部210の第1の課題の表示に伴い、タイマ部250は、制御部270の制御により、カウントを開始する(S402)。
表示部210は、保持部260に保持されている所定のフォーマットを表示し、研修者は、オフィス移転に関する社内説明会の資料に記載する項目を記入する。
図19は、研修者が記入したオフィス移転に関する社内説明会の資料に記載する項目の一例を示す図である。図19に示すように表示部210が表示するフォーマットは、項目1101と、時期1102と、担当1103と、完了目安1104とを含む。項目1101は、オフィスの移転に伴う作業の項目である。時期1102は、該項目を行う時期であり、例えば、「移転前」および「移転後」等である。担当1103は、該項目を行う担当部署等である。完了目安1104は、該項目を完了させる必要がある日時であり、例えば、「移転日の前日まで」等である。
研修者は、第1〜第3フェーズで示された方針および情報等と、自身が作成した答案(模範解答)等に基づき、所定のフォーマットに記入する。第1〜3フェーズと同様に、研修者は、答案を記入後、提出ボタンをクリックすることで、答案を提出する。
判定部240は、研修者が提出した答案を取得する(S403)。判定部240は、取得した答案と、保持部260が保持する解答データ262の模範解答とを比較し、模範解答に含まれる項目が、答案に含まれているか否かを判定する(S404)。また、模範解答に含まれる項目が答案に含まれている場合には、該項目の時期1102、担当1103および1104が模範解答とそれぞれ一致するか否かを判定する。判定部240は、判定結果に応じて、進捗ポイントおよびヘルプ回数を増減させる。例えば、判定部240は、模範解答に含まれる項目が、答案に含まれていない場合には、1項目に対してヘルプ回数を1減少させる。また、制御部270は、答案が提出された時の、残り時間に基づき進捗ポイントおよびヘルプ回数を増減させる。例えば、制御部270は、残り時間5分毎に対して、進捗ポイントが1減少させる。表示部210は、判定結果および模範解答を、研修者に表示する(S405)。また、制御部270は、タイマ部250のカウント値をリセットする。
次に、表示部210は、制御部270の制御により、保持部260が保持する第4フェーズの第2の課題を表示する(S406)。第4フェーズの第2の課題は、オフィス移転に関する社内説明会の資料の作成である。
第4フェーズの第2の課題の表示に伴い、タイマ部250は、制御部270の制御により、カウントを開始する(S407)。
表示部210は、保持部260が保持する所定のフォーマットを表示する。研修者は、表示されたフォーマットに基づき、オフィス移転に関する社内説明会の資料を作成する。また、研修者は、作成した社内説明会の資料をアピールするコメント等を作成する。研修者は、オフィス移転に関する社内説明会の資料およびコメントを作成後、第1〜第3フェーズと同様に、提出ボタンをクリックすることで、オフィス移転に関する社内説明会の資料およびコメントを提出する。
研修者用端末200の制御部270は、研修者が提出した答案(オフィス移転に関する社内説明会の資料およびコメント)を取得する(S408)。また、制御部270は、答案を取得した時点の残り時間に応じて、進捗ポイントおよびヘルプ回数が増減する。例えば、制御部270は、残り時間5分毎に対して、進捗ポイントが1減少させる。
次に、制御部270は、通信部230を介して、取得した答案を指導者端末100に送信する(S409)。
指導者端末100の制御部160は、全ての研修者用端末200から答案および進捗ポイント等を受信する。指導者端末100の制御部160は、通信部130を介して、受信した全てのグループの答案を各研修者用端末200に送信する。
研修者用端末200の制御部270は、全てのグループの答案を受信する(S410)。表示部210は、受信した全てのグループの答案を表示する。
研修者は、表示部210に表示された全てのグループの答案(オフィス移転に関する社内説明会の資料およびコメント)を確認し、各グループの答案に順位をつける。研修者は、第1フェーズと同様に、提出ボタンをクリックすることで、研修者用端末200から答案の順位を提出する。例えば、研修者は、上位2グループを選択し提出する。また、研修者は、各答案の評価できる点等をコメントとして記載して提出する。
研修者用端末200の制御部270は、研修者が提出した答案の順位およびコメントを取得する(S411)。制御部270は、通信部230を介して、指導者用端末100に答案の順位およびコメントを送信する(S412)。また、制御部270は、現時点で保持部260が保持している進捗ポイントおよびヘルプ回数の情報を指導者用端末に送信する。
指導者用端末100の算出部140は、研修を行っている全ての研修者用端末200a〜200eからの順位を取得すると、取得した順位の集計を行い、各グループの第4フェーズの第2の課題に対する順位を決定する。また、指導者用端末100の制御部160は、順位の集計結果に基づき、各研修者用端末200から送信された進捗ポイントおよびヘルプ回数を増減させ、各グループの最終的な進捗ポイントおよびヘルプ回数を算出する。指導者用端末100の制御部160は、各グループの最終的な進捗ポイントおよびヘルプ回数から各グループの最終順位を判定する。例えば、制御部160は、各グループの最終的な進捗ポイントが低いグループほど上位と判定する。また、制御部160は、進捗ポイントが同じ場合には、ヘルプ回数が多い方を上位と判定する。
指導者用端末100の制御部160は、第4フェーズの第2の課題に対する順位の集計結果およびコメントと、全てのグループの最終の進捗ポイント、ヘルプ回数および順位を各研修者用端末200に送信する。
研修者用端末200の制御部270は、指導者用端末100が送信した第2の課題に対する順位の集計結果およびコメントと、全てのグループの最終の進捗ポイント、ヘルプ回数および順位を受信する。表示部210は、制御部270の制御により、受信した集計結果およびコメントを表示する(S413)。また、表示部210は、集計結果の順位に応じて、ペナルティーが発生した場合には、発生したペナルティーを表示する。次に、表示部210は、指導者用端末100が送信した全てのグループの最終の進捗ポイント、ヘルプ回数および順位を表示する。以上で、第4フェーズが終了する。
なお、第4フェーズにおいて、研修者用端末200は、第1の課題および第2の課題を個別に表示し、それぞれ答案の判定を行ったが、第1の課題および第2の課題を同時に表示し、同時に答案の判定を行ってもよい。さらに、第2の課題である社内説明会の資料およびコメントのみを表示してもよい。この場合は、各研修者用端末200の表示部210は、全てのグループの社内説明会の資料およびコメントを表示した後、必要な項目を記述した模範解答を表示してもよい。これにより、各グループの研修者は、表示された模範解答を参考にして、各グループの答案を判定することができ、実質的に上述した第4フェーズの第1の課題および第2の課題に対する評価を行うことができる。さらに、模範解答が含まれているか否かの判定は、指導者が行ってもよい。
以上により、本発明に係るプロジェクト管理教育装置1000において、研修者は、研修者用端末200に表示されるプロジェクト管理を擬似的に体験できる課題に対して、答案を作成する。これにより、研修者は、プロジェクト管理を擬似的に体験することができる。また、研修者が作成した答案は判定され、答案のできに応じて進捗ポイントおよびヘルプ回数が増減する。これにより、研修者は、研修者が作成した答案の是非を容易に認識することができる。よって、本発明に係るプロジェクト管理教育装置1000は、研修者にプロジェクト管理を擬似的に体験させ、効果的にプロジェクト管理の教育を行うことができる。
また、本発明に係るプロジェクト管理教育装置1000は、研修者が作成した答案と、模範解答とを比較することで、自動で答案の是非を判定することができる。よって、研修等を行う指導者の作業を削減することができる。
また、本発明に係るプロジェクト管理教育装置1000は、研修者の課題に対する答案の作成が困難な場合には、ヘルプを使用し、補助等を受けることができる。現実のプロジェクトにおいても、自身の知識または技術等からは、判断できない場面は存在する。このような場合には、上司または先輩から助言を受け、与えられた業務を、適切かつ迅速に処理することは重要である。本発明に係るプロジェクト管理教育装置1000においては、ヘルプは、上司または先輩からの助言に対応する。研修者は、どのような場面、かつ、どのようなタイミングで補助を使用することで、より補助が効果を発揮し、与えられた課題を、適切かつ迅速に処理できるかを体験することができる。これにより、研修者は、実際の業務においてので、上司または先輩からの助言を得ることの意味、および、どのような場面、かつ、どのようなタイミングで助言を得ることが好ましいかを体験することができる。
また、本発明に係るプロジェクト管理教育装置1000において、研修者は、ヘルプを使用することで、ランダムに模範解答の一部を見ることができる。実際の業務において、上司または先輩から助言を受けたとしても、上司または先輩は研修者が行う業務の全てを把握しているとはかぎらない。すなわち、上司または先輩から助言を受けたとしても、上司または先輩が知っている情報しか得ることができない。本発明に係るプロジェクト管理教育装置1000においては、補助を使用して、得られる模範解答の一部分は、ランダムに決定される。よって、研修者が、途中まで答案を作成し、分からない箇所が発生してから、ヘルプを使用した場合、既に作成している部分の模範解答を取得し、ヘルプが研修者の助けにならない場合も発生する。一方、答案の作成を開始する前に、ヘルプを使用した場合、得られる模範解答は、確実に有効な情報となる。これにより、研修者は、与えられた情況に応じて、どのようなタイミングで補助を使用すれば有効に作用するかを体験することができる。
また、本発明に係るプロジェクト管理教育装置1000は、研修者が答案を提出するまでの時間に応じて評価値および補助回数の少なくとも一方を増減させる。これにより、研修者は、与えられた時間内で、業務を効率的に行うことを体験することができる。
また、本発明に係るプロジェクト管理教育装置1000は、研修者が答案を提出するまでの時間量に応じて進捗ポイントおよびヘルプ回数の少なくとも一方を増減させる。実際の業務においても、より短時間で業務をこなしたほうが好ましい。よって、研修者は、より現実に近い、プロジェクト管理の疑似体験を経験することができる。
また、本発明に係るプロジェクト管理教育装置1000は、研修者が答案を作成中に、実際の業務において発生する可能性のあるアクシデントが表示する。研修者のアクシデントに対する対応(何もしないも含む)に応じて、進捗ポイント等が変動する。これにより、研修者は、業務において発生する予期しないアクシデントに対する対応を擬似的に体験することができる。
また、研修者は、ヘルプを使用することで、アクシデントの効果を打ち消すことができる。これは、実際の業務において、アクシデントが発生した場合に、上司または先輩等に、助言または補助を求めて、アクシデントを解決することに対応する。よって、研修者は、より現実に近いアクシデントに対する対応を体験することができる。
また、研修者が、与えられた所定の時間より早く答案を提出することで、アクシデントの効果を打ち消すことができる。実際の業務においても、与えられた時間よりも、早く業務を終了させていれば、予期しないアクシデントが発生した場合にも、対応する時間を設けることができる。よって、本発明に係るプロジェクト管理教育装置は、研修者に、より現実に近いアクシデントに対する対応を体験させることができる。
また、研修者は、イベントに対する対応案を与えられた時間内に提出しなかった場合にペナルティーを受け、例えば、時間内に提出した場合には、対応案の内容に関係なくペナルティーを受けない。これは、実際の業務においては、予期していない事象が発生した場合には、上司に報告することが最優先となることが多いことに対応している。すなわち、研修者は、対応案の内容よりも提出するまでの時間が重要であることを擬似的に体験することができる。
また、本発明に係るプロジェクト管理教育装置1000において、研修に参加している複数の研修者による投票により、研修者が作成した答案が判定される。これにより、答案の良否の判定が複雑でありソフトウェアで処理が困難な場合でも、各研修者が投票することで答案の良否を判定し、各研修者の順位を決定することができる。また、各研修者は、他の研修者の答案を判定する過程において、自身が作成した答案の問題点、および、他の研修者の答案の良い点等をより理解することができる。また、答案にコメントを付して自身が作成した答案のアピールを行うことができる。答案のできが良くても、アピールが悪い場合には、他のグループから十分な評価を得ることができない場合も発生する。これは、実際の業務においても同様である。研修者は、本発明に係るプロジェクト管理教育装置1000によるプロジェクト管理教育の疑似体験により、自身の成果物(または自社の製品等)をアピールすることの意味を理解することができる。また、研修者のアピールの訓練になり、技術の向上を図ることができる。
また、本発明に係るプロジェクト管理教育装置1000は、進捗ポイントおよびヘルプ等を導入することで、研修者の研修に対する興味を向上させることができる。これにより、高い教育効果を実現することができる。
以上、本発明の実施の形態に係るプロジェクト管理教育装置について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態は、引越しにおけるタイムマネージメントに関する研修の例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、社内の応援団の開設および同窓会の開催等のタイムマネージメントの研修として実施することもできる。さらに、タイムマネージメント以外のプロジェクト管理の研修として実施することもできる。例えば、総合マネジメント、スコープマネジメント、コストマネジメント、品質マネジメント、人的資源マネジメント、コミュニケーションマネジメントまたはリスクマネジメントの教育を行うプロジェクト管理教育装置として実現することができる。さらに、これらのマネジメントのうち複数を同時に教育するプロジェクト管理教育装置として実現することもできる。
また、上記説明において、研修者用端末200が5個の場合について説明しているがこれに限定されるものではない。例えば、上述した第3フェーズおよび第4フェーズの各グループでの他のグループの答案の順位判定を行わない場合には、研修者用端末200は、1以上であればよい。また、上述した第3フェーズおよび第4フェーズの各グループでの他のグループの答案の順位判定を行う場合には、研修者用端末200は、3以上であればよい。
また、上記説明において、各研修者用端末200が、判定部240およびタイマ部250を備えるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、判定部240およびタイマ部250の一方または両方を、指導者用端末100が備えてもよい。この場合、研修者用端末200で行われていた、判定部240およびタイマ部250に関する処理は、指導者用端末100で行われる。また、必要なデータは、ネットワーク300を介して指導者用端末100と研修者用端末200との間で送受信される。同様に、保持部260が保持する研修者データ261および解答データ262等のデータの一部または全部を指導者用端末100の保持部150が保持してもよい。また、上述した制御部270が処理する制御の一部を指導者用端末100の制御部160が行ってもよい。また、これらの機能は、指導者用端末100とは別の、ネットワーク300に接続されたサーバが有し、上述した処理を行ってもよい。さらに、複数の研修者用端末200のうちいずれかが、これらの機能を有し、上述した処理を行ってもよい。
また、上記説明において、第1フェーズの第1の課題、第2課題、第2フェーズおよび第4フェーズの第1の課題に対して、研修者が提出した答案を、判定部240が、保持部260が保持している模範解答と比較して適切であるかを判定するとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第1フェーズの第1の課題、第2課題、第2フェーズおよび第4フェーズの第1の課題の一部または全部において、制御部270は、研修者が提出した答案を指導者用端末100に送信し、指導者は答案が適切であるか否かを判定し、判定結果を研修者用端末200に送信してもよい。このように、指導者が答案を判定することで、ソフトウェアでは、良否の判定処理が困難な課題を出題することが可能となり、より現実に近いプロジェクト管理の疑似体験を実現することができる。
また、上記説明において、研修者による答案の提出が、制限時間を超過した場合には、進捗ポイントの増加等のペナルティーが科せられるとしてが、これに限定されるものではない。例えば、制限時間が過ぎると、次の課題(例えば、第1フェーズの第2の課題に対する提出が制限時間を過ぎた場合の、第2フェーズの課題)を表示してもよい。この場合、研修者は、前の課題と、次の課題とを平行して処理しなくてはならい。実際の業務においても、進捗が遅れた場合に次の業務を行わなくてはいけない場合が存在する。このような場合には、複数の業務を平行して処理しなくてはならない。よって、研修者は、より現実に近いプロジェクト管理を経験することができる。
また、上記説明において、第3フェーズおよび第4フェーズの第2の課題に対して、研修に参加している複数の研修者の投票により答案の判定を行うとしたが、複数の研修者の判定に加え、指導者による判定を加えて、各グループの答案の順位を決定してもよい。また、答案が、与えられた方針等から大きく外れている場合には、指導者は、該答案の順位を強制的に最下位にできるようにしてもよい。
また、上記説明において、研修に参加している複数の研修者の投票により答案の判定を行う場合にのみ、研修者が作成した答案を指導者用端末100に送信するとしたが、研修者端末200の判定部240が、答案の判定を行う場合にも、答案を指導者用端末100に送信してもよい。これにより、指導者は、研修者が作成した答案を確認することができ、必要に応じて、コメント等を送付することができる。
また、上記説明において、各フェーズの終了時等に、研修者用端末200から、進捗ポイントおよびヘルプ回数等の情報を指導者用端末100に送信するとしたが、任意のタイミングまたは定期的に研修者用端末200は、指導者用端末100に進捗ポイントおよびヘルプ回数等の情報を送信してもよい。また、指導者用端末100からの要求により、各グループの進捗ポイントおよびヘルプ回数等の情報を指導者用端末100の表示部110に表示してもよい。
また、上記説明において、ネットワークに接続された複数のPC等を使用することで、プロジェクト管理の研修を行うとしたがこれに限定されるものではない。例えば、研修が、同一の部屋内等で行われる場合には、各PC等が行う処理を、書面等を用い人為的に処理しても、本実施の形態と同様の効果を得られることは言うまでもない。例えば、研修者にプロジェクト管理の教育を行うカードキッドとして実施することもできる。この場合、研修者用端末200に表示される方針、課題および情報等の表示は、研修者に方針が記載された方針シート、課題が記載された課題シート、および、情報が記載された情報シートを配布することで実施することができる。また、研修者は、表示部210が表示した所定のフォーマットに解答を入力する代わりに、答案を記載するための所定のフォーマットが記載された答案シートに解答を記入してもよい。また、進捗ポイントの表示は、進捗ポイントの数値に対応する枠が記載された進捗シート上にマグネット等で構成される脱着可能な部材を付し、進捗ポイントの増減に伴い部材を移動させてもよい。また、ヘルプ回数は、研修者にヘルプカードを配布し、研修者は、ヘルプカードを一枚提出することで、ヘルプを一回受けられるようにしてもよい。また、アクシデントの発生は、上述したアクシデント発生ウィンドウ601に表示される内容が記載されたアクシデントカードを用い、複数のアクシデントカードから研修者がカードを引く方法を用いてもよい。また、イベントの発生は、上述したイベント発生ウィンドウ1001に表示される内容が記載されたイベントカードを用い、複数のイベントカードから研修者がカードを引く方法を用いてもよい。さらに、研修者のヘルプの使用による模範解答の一部の取得方法としては、研修者が、模範解答の一部が記載された複数のカードのうち一枚のカードを引く方法を用いてもよい。また、指導者への質問等は、直接口頭でおこなってもよい。また、研修者の作成した答案を、投票で判定する場合は、研修者が作成した答案に関するプレゼンテーションを行い、その後、各研修者が投票をおこなってもよい。