JP2023010349A - 歯車加工装置および位相検出装置 - Google Patents

歯車加工装置および位相検出装置 Download PDF

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俊太朗 高須
Shuntaro Takasu
尚 大谷
Takashi Otani
嘉太郎 大▲崎▼
Yoshitaro Osaki
雅樹 市川
Masaki Ichikawa
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Abstract

【課題】加工サイクルタイムを短くすることができる歯車加工装置を提供する。【解決手段】歯車加工装置1の制御装置50は、センサ40および回転角度検出器により、第一歯車の第一検出歯の位相および第二歯車の第二検出歯の位相を検出し、第一検出歯および第一歯車の歯ピッチ角度に基づいて、第一歯車の第一検出歯以外の歯の位相を演算し、第二検出歯および第二歯車の歯ピッチ角度に基づいて、第二歯車の第二検出歯以外の歯の位相を演算し、第一歯車の歯の位相と第二歯車の歯の位相とのずれ角度が最小となる基準組を判定し、基準組の位相を加工開始基準として位置決めを行った後に加工処理を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、歯車加工装置および位相検出装置に関する。
特許文献1~3には、複数段の歯車を有する工作物を加工する歯車加工装置が記載されている。
特開2015-89600号公報 特開2019-111610号公報 特開2018-138319号公報
ところで、歯車を加工する場合において、例えば、荒加工を行った後に、焼入れを施し、仕上げ加工を行うことがある。仕上げ加工を行う場合には、荒加工により歯が形成された工作物を工作物主軸装置に装着し、装着された工作物の歯位相を検出して、検出した工作物の歯位相に基づいて工作物と歯切り工具との位置決めを行い、工作物に仕上げ加工を施す。
工作物が複数段の歯車を有する場合において、第一段の歯車のいずれかの歯の位相と第二段の歯車のいずれかの歯の位相とのずれ角度が、許容範囲内であることが求められる場合がある。そのために、仕上げ加工前に、ずれ角度が最小となる歯の組合せを見つけ出し、その後に、組合せの歯を基準として仕上げ加工が施される。
そのため、第一段の歯車の全歯の位相を検出し、第二段の歯車の全歯の位相を検出し、それぞれ検出したそれぞれの全歯の位相からずれ角度が最小となる組合せを見つけることが必要となる。この場合、第一段の歯車の全歯の位相の検出、および、第二段の歯車の全歯の位相の検出が行うため、仕上げ加工を行う前に多くの時間を要する。そのため、加工サイクルタイムが長くなるという問題が生じていた。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、加工サイクルタイムを短くすることができる歯車加工装置、および、歯車加工装置などに用いられる位相検出装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
歯ピッチ角度が等角度の第一歯車および前記第一歯車の歯数と異なり歯ピッチ角度が等角度の第二歯車が予め形成された工作物を対象として、前記第一歯車の歯面および前記第二歯車の歯面の少なくとも一方に加工を施すように構成された歯車加工装置であって、
周方向に複数の工具刃を有する歯切り工具と、
前記歯切り工具を回転可能に保持する工具主軸装置と、
前記工作物を回転可能に保持すると共に、回転角度を検出する回転角度検出器を備える工作物主軸装置と、
前記工具主軸装置と前記工作物主軸装置とを相対的に移動する移動装置と、
前記工作物主軸装置が前記工作物を保持した状態であって前記工作物が回転している状態において、前記工作物における前記第一歯車の歯との距離および前記第二歯車の歯との距離を検出可能なセンサと、
前記工作物に歯車の歯を加工するために、前記工具主軸装置と前記工作物主軸装置とを同期して回転制御しながら前記移動装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記センサおよび前記工作物主軸装置の前記回転角度検出器により、前記第一歯車における全歯のうちの一部である第一検出歯の位相を検出する第一検出処理を実行し、
前記センサおよび前記工作物主軸装置の前記回転角度検出器により、前記第二歯車における全歯のうちの一部である第二検出歯の位相を検出する第二検出処理を実行し、
検出された前記第一検出歯の位相と予め記憶された前記第一歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、前記第一歯車の前記第一検出歯以外の歯の位相を演算する第一位相演算処理を実行し、
検出された前記第二検出歯の位相と予め記憶された前記第二歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、前記第二歯車の前記第二検出歯以外の歯の位相を演算する第二位相演算処理を実行し、
前記第一検出処理および前記第一位相演算処理により得られた前記第一歯車の前記全歯の位相と、前記第二検出処理および前記第二位相演算処理により得られた前記第二歯車の前記全歯の位相とに基づいて、前記第一歯車の歯の位相のそれぞれと前記第二歯車の歯の位相のそれぞれとのずれ角度を演算するずれ角度演算処理を実行し、
前記ずれ角度が最小となる前記第一歯車の歯の位相および前記第二歯車の歯の位相を基準組として判定する判定処理を実行し、
前記基準組を構成する前記第一歯車の歯の位相および前記第二歯車の歯の位相を加工開始基準として、前記歯切り工具および前記工作物を位置決めするために、前記工具主軸装置および前記工作物主軸装置を制御する位置決め処理を実行し、
前記第一歯車の歯面および前記第二歯車の歯面の少なくとも一方に加工を施すために、位置決めされた前記歯切り工具および前記工作物を同期して回転制御しながら、前記移動装置を制御する加工処理を実行する、歯車加工装置にある。
本発明の他の態様は、
歯ピッチ角度が等角度の第一歯車および前記第一歯車の歯数と異なり歯ピッチ角度が等角度の第二歯車を有する対象物において、前記第一歯車の歯の位相のそれぞれと前記第二歯車の歯の位相のそれぞれとのずれ角度が最小となる前記第一歯車の歯の位相および前記第二歯車の歯の位相を基準組として決定する位相検出装置であって、
前記対象物が回転している状態において前記対象物における前記第一歯車の歯との距離および前記第二歯車の歯との距離を検出可能なセンサと、
前記対象物を回転可能に保持すると共に、回転角度を検出する回転角度検出器を備える主軸装置と、
前記センサの検出結果および前記主軸装置の前記回転角度検出器の検出結果に基づいて前記基準組を決定する処理装置と、
を備え、
前記処理装置は、
前記センサおよび前記主軸装置の前記回転角度検出器により、前記第一歯車における全歯のうちの一部である第一検出歯の位相を検出する第一検出処理を実行し、
前記センサおよび前記主軸装置の前記回転角度検出器により、前記第二歯車における全歯のうちの一部である第二検出歯の位相を検出する第二検出処理を実行し、
検出された前記第一検出歯の位相と予め記憶された前記第一歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、前記第一歯車の前記第一検出歯以外の歯の位相を演算する第一位相演算処理を実行し、
検出された前記第二検出歯の位相と予め記憶された前記第二歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、前記第二歯車の前記第二検出歯以外の歯の位相を演算する第二位相演算処理を実行し、
前記第一検出処理および前記第一位相演算処理により得られた前記第一歯車の前記全歯の位相と、前記第二検出処理および前記第二位相演算処理により得られた前記第二歯車の前記全歯の位相とに基づいて、前記第一歯車の歯の位相のそれぞれと前記第二歯車の歯の位相のそれぞれとのずれ角度を演算するずれ角度演算処理を実行し、
前記ずれ角度が最小となる前記第一歯車の歯の位相および前記第二歯車の歯の位相を前記基準組として判定する判定処理を実行する、位相検出装置にある。
上記態様の歯車加工装置によれば、第一検出処理は、第一歯車の全歯のうちの一部である第一検出歯の位相を検出しており、第二検出処理は、第二歯車の全歯のうちの一部である第二検出歯の位相を検出している。つまり、第一検出処理は、第一歯車の全歯の位相を検出しておらず、第二検出処理は、第二歯車の全歯の位相を検出していない。従って、検出に要する時間は、全歯を検出する場合に比べて格段に短くできる。
第一検出処理および第二検出処理においては、全歯の位相を検出しないため、位相を検出していない残りの歯が存在する。センサにより検出していない残りの歯の位相は、第一位相演算処理および第二位相演算処理にて、演算により求めている。具体的には、第一位相演算処理が、第一検出歯の位相と予め記憶された第一歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、第一歯車における第一検出歯以外の歯の位相を演算する。第二位相演算処理は、第二検出歯と予め記憶された第二歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、第二歯車における第二検出歯以外の歯の位相を演算する。
第一歯車および第二歯車は、歯ピッチ角度が等角度である。従って、歯ピッチ角度は、歯数が分かれば容易に求めることができる。そして、第一歯車および第二歯車における複数の歯は、それぞれの歯ピッチ角度ずつずれた位置に位置することから、1つの歯の位相が分かれば、残りの歯の位相は容易に演算により求めることができる。従って、第一歯車の全歯の位相および第二歯車の全歯の位相を得るために要する時間を短くすることができる。その結果、加工サイクルタイムを短くすることができる。
また、上記態様の位相検出装置は、上述した歯車加工装置と同様に、第一歯車の全歯の位相および第二歯車の全歯の位相を得るために要する時間を短くすることができる。従って、第一歯車の歯の位相のそれぞれと第二歯車の歯の位相のそれぞれとのずれ角度が最小となる場合の第一歯車の歯の位相および第二歯車の歯の位相を基準組として決定するために要する時間を短くすることができる。
歯車加工装置の一例を示す図である。 X-Z平面において工作物の回転軸線に直交する方向から、工作物および工具を見た図である。工具を示す破線は、工作物に歯車加工を施した後の位置を示す。 Y方向から、工作物および工具を見た図である。工具を示す破線は、工作物に歯車加工を施した後の位置を示す。 歯車加工装置の一部構成についての機能ブロック図である。 制御装置による処理を示すフローチャートである。 制御装置の第一検出処理として、センサにより工作物の第一歯車における第一検出歯の位相を検出する場合における歯車加工装置の一部構成を示す図である。 制御装置の第一検出処理において、センサにより工作物の第一歯車における第一検出歯の位相を検出する際の出力波形を示す図である。 制御装置の第一検出処理において、センサにより検出する工作物の第一歯車における第一検出歯および残りの歯の一部を展開した図である。 制御装置の第二検出処理として、センサにより工作物の第二歯車における第二検出歯の位相を検出する場合における歯車加工装置の一部構成を示す図である。 制御装置の第二検出処理において、センサにより工作物の第二歯車における第二検出歯の位相を検出する際の出力波形を示す図である。 制御装置の第二検出処理において、センサにより検出する工作物の第二歯車における第二検出歯および残りの歯の一部を展開した図である。 制御装置の第一位相演算処理および第二位相演算処理において、演算された第一歯車の全歯の波形および第二歯車の全歯の波形を示す図である。 ずれ角度が最小となる第一歯車の歯の位相と第二歯車の歯の位相とからなる基準組と、その周辺の歯を示す展開図である。 センサが検出に用いられていない状態を示す歯車加工装置の一部構成を示す図である。 制御装置の加工処理を示すフローチャートである。
(1.歯車加工装置1の構成)
歯車加工装置1について図1を参照して説明する。歯車加工装置1は、歯切り工具としての工作物WとギヤスカイビングカッタTとを回転させながら相対移動させることにより、ギヤスカイビングカッタTによって工作物Wに歯形(歯車の歯)を創成加工する装置である。
本形態においては、歯車加工装置1は、汎用的な工作機械、例えば、マシニングセンタを適用する。マシニングセンタは、工具交換可能に構成されており、装着された工具に応じた加工が可能である。例えば、交換可能な歯切り工具としては、ギヤスカイビングカッタTの他に、ホブカッタ、シェーパカッタなどである。ホブカッタやシェーパカッタに交換することで、歯車加工装置1は、ホブ加工やシェーパ加工により工作物Wに歯形(歯車の歯)を加工する装置となる。
また、歯切り工具以外の交換可能な工具としては、例えば、エンドミル、フライス工具、ドリル、旋削工具、ねじ切り工具、研削工具などである。なお、図1においては、工具交換装置および複数の工具を収容する工具マガジンは図示しない。
また、本形態においては、歯車加工装置1としてのマシニングセンタは、横形マシニングセンタを基本構成とする。ただし、歯車加工装置1は、立形マシニングセンタなど、他の構成を適用することもできる。
図1に示すように、歯車加工装置1は、例えば、相互に直交する3つの直進軸(X軸、Y軸、Z軸)を駆動軸として有する。ここで、ギヤスカイビングカッタTの回転軸線(工具主軸の回転軸線に等しい)の方向をZ軸方向と定義し、Z軸方向に直交する2軸をX軸およびY軸と定義する。図1においては、水平方向をX軸方向とし、鉛直方向をY軸方向とする。
さらに、歯車加工装置1は、工作物WとギヤスカイビングカッタTとの相対姿勢を変更するための1つの回転軸(B軸)を駆動軸として有する。本形態において、B軸は、Y軸方向を回転中心とする回転軸である。また、歯車加工装置1は、ギヤスカイビングカッタTを回転するための回転軸としてのCt軸、および、工作物Wを回転するための回転軸としてのCw軸を有する。
歯車加工装置1において、工作物WとギヤスカイビングカッタTとを相対移動させる構成は、適宜選択可能である。例えば、歯車加工装置1は、B軸に代えて、X軸方向を回転中心とするA軸を有する構成としても良い。以下においては、歯車加工装置1は、ギヤスカイビングカッタTをY軸方向およびZ軸方向に直動可能とし、工作物WをX軸方向に直動可能とし、さらに工作物WをB軸に回転可能とする場合を例にあげる。
歯車加工装置1は、ベッド10、工作物保持装置20、工具保持装置30、センサ40および制御装置50を備える。ベッド10は、設置面上に設置され、工作物保持装置20の形状および工具保持装置30の形状などに応じた形状に形成される。本形態においては、ベッド10は、例えば、矩形状とする。ベッド10の上面には、X軸方向に延在する一対のX軸ガイドレール11、および、Z軸方向に延在する一対のZ軸ガイドレール12が形成されている。
工作物保持装置20は、工作物Wをベッド10に対して、X軸方向に直動し、B軸に回転可能とし、Cw軸に回転可能とする。工作物保持装置20は、X軸移動テーブル21、B軸回転テーブル22、工作物主軸装置23を主に備える。
X軸移動テーブル21は、図示しないリニアモータまたはボールねじ機構などの駆動装置によって駆動されることにより、ベッド10のX軸ガイドレール11に案内されながらX軸方向へ移動する。B軸回転テーブル22は、X軸移動テーブル21の上面に設置され、X軸移動テーブル21と一体的にX軸方向へ移動する。また、B軸回転テーブル22は、X軸移動テーブル21に対してB軸に回転可能に設けられる。B軸回転テーブル22には、図示しない回転モータが収納され、B軸回転テーブル22は、回転モータを駆動することでB軸に回転可能となる。
工作物主軸装置23は、B軸回転テーブル22に設けられ、B軸回転テーブル22と一体的にB軸回転する。工作物主軸装置23は、工作物Wを回転可能に保持する。工作物主軸装置23には、後述する回転モータおよび回転角度検出器が設けられ、工作物主軸装置23は、回転モータの駆動により工作物WをCw軸に回転可能とする。このようにして、工作物保持装置20は、工作物Wを、ベッド10に対して、X軸方向へ移動可能とし、B軸に回転およびCw軸に回転可能とする。
詳細には、工作物主軸装置23は、ハウジング23aと主軸23bとを備える。工作物主軸装置23のハウジング23aがB軸回転テーブル22に固定され、工作物主軸装置23の主軸23bがハウジング23aに回転可能に支持されている。この主軸23bの先端に、工作物Wが取り付けられている。つまり、工作物Wは、工作物主軸装置23の主軸23bに片持ち支持されている。
工具保持装置30は、コラム31、サドル32、工具主軸装置33を主に備える。コラム31は、図示しないリニアモータまたはボールねじ機構などの駆動装置によって駆動されることにより、ベッド10のZ軸ガイドレール12に案内されながらZ軸方向へ移動する。コラム31の上下方向に延びる面(図1の左面)には、Y軸ガイドレール31aが形成されている。サドル32は、図示しないリニアモータまたはボールねじ機構などの駆動装置によって駆動されることにより、コラム31のY軸ガイドレール31aに案内されながらY軸方向へ移動する。
工具主軸装置33は、サドル32に設けられると共に、サドル32と一体的にY軸方向へ移動する。工具主軸装置33は、ギヤスカイビングカッタTを保持する。工具主軸装置33には、図示しない回転モータが収納され、工具主軸装置33は、回転モータの駆動によりギヤスカイビングカッタTをCt軸に回転可能とする。このようにして、工具保持装置30は、ギヤスカイビングカッタTを、ベッド10に対して、Y軸方向およびZ軸方向に移動可能とし、かつ、Ct軸に回転可能に保持する。
詳細には、工具主軸装置33は、ハウジング33aと主軸33bとを備える。工具主軸装置33のハウジング33aがサドル32に固定され、工具主軸装置33の主軸33bがハウジング33aに回転可能に支持されている。この主軸の先端に、ギヤスカイビングカッタTが取り付けられている。つまり、ギヤスカイビングカッタTは、工具主軸装置33の主軸に片持ち支持されている。
センサ40は、例えば、サドル32に設けられている。センサ40は、工作物主軸装置23が工作物Wを保持した状態であって工作物Wが回転している状態において、工作物Wにおける歯との距離を検出可能なセンサである。センサ40は、例えば、渦電流やレーザなどによる非接触の距離センサを適用するのが好適である。ただし、センサ40は、接触式のセンサを適用することも可能である。センサ40は、サドル32に設けられるため、工具主軸装置33と一体に移動する。また、センサ40は、検出部を進退可能に設けられるようにしても良い。
制御装置50は、演算処理装置(プロセッサ)および記憶装置を備えており、加工プログラムを実行することにより、各駆動装置を制御する。つまり、制御装置50は、ギヤスカイビングカッタTの回転、工作物Wの回転、工作物WとギヤスカイビングカッタTとの相対的な移動を制御する。そして、制御装置50は、工作物Wに歯車の歯を加工するために、工作物主軸装置23と工具主軸装置33とを同期して回転制御しながら、各駆動装置を制御する。
(2.ギヤスカイビングカッタTの構成)
ギヤスカイビングカッタTの構成について図2および図3を参照して説明する。ギヤスカイビングカッタTは、刃部Taおよび軸部Tbを備える。
刃部Taは、周方向に複数の工具刃を有する。刃部Taにおける複数の工具刃は、軸方向端面がすくい面を構成し、工具刃の径方向外面が逃げ面を構成する。本形態においては、刃部Taの外接面、すなわち逃げ面である工具刃の径方向外面を接続した面は、円錐面を構成する。ただし、刃部Taの外接面は、円筒面をなすように構成することもできる。軸部Tbは、刃部Taにおけるすくい面の背面側に一体に設けられ、刃部Taと同軸上に設けられている。軸部Tbは、工具主軸装置33の主軸33b(図1に示す)に装着される。
(3.工作物Wの構成)
工作物Wの構成の例について図2を参照して説明する。図2に示すように、工作物Wは、軸方向に複数段の歯車を備える。本形態においては、工作物Wは、2段の歯車、すなわち、第一歯車W1および第二歯車W2を備える。ただし、工作物Wは、3段以上の歯車を備えるようにしても良い。
第一歯車W1は、歯ピッチ角度が等角度に形成されている。第二歯車W2も、歯ピッチ角度が等角度に形成されている。第一歯車W1の歯数と第二歯車W2の歯数とは異なる。本形態においては、図2に示すように、第一歯車W1が第二歯車W2よりも大径に形成されている場合とするが、第一歯車W1と第二歯車W2とは同径に形成されるようにしても良い。
(4.ギヤスカイビング加工の説明)
ギヤスカイビングカッタTにより、工作物Wに歯形(歯車の歯)を創成加工する際の状態について、図2および図3を参照して説明する。
本形態において、歯車加工装置1は、予め第一歯車W1および第二歯車W2が形成された工作物Wを対象とする。そして、歯車加工装置1は、予め形成された第一歯車W1の歯面および第二歯車W2の歯面の少なくとも一方に加工を施すように構成されている。本形態においては、歯車加工装置1は、予め形成された第一歯車W1の歯面に対して加工を施すと共に、予め形成された第二歯車W2の歯面に対して加工を施すこととする。例えば、歯車加工装置1は、第一歯車W1の歯面および第二歯車W2の歯面の仕上げ加工を行う。
図2および図3においては、ギヤスカイビングカッタTにより、工作物Wにおいて第二歯車W2の歯面にギヤスカイビング加工を施す場合を示す。なお、ギヤスカイビングカッタTにより、第一歯車W1の歯面にギヤスカイビング加工を施す場合も、実質同様である。
ギヤスカイビング加工は、図3に示すように、ギヤスカイビングカッタTの回転軸線Atを工作物Wの回転軸線Awに平行な軸線に対して交差角θを有する状態にする。また、図2に示すように、ギヤスカイビングカッタTの回転軸線Atと工作物Wの回転軸線Awは、X-Z平面に対して平行である。図2に示すように、ギヤスカイビングカッタTの回転軸線Atと工作物Wの回転軸線Awの中心間距離、すなわちY軸方向の距離をDaとする。
工作物Wを回転軸線Aw回り(Cw軸)に回転し、かつ、ギヤスカイビングカッタTを回転軸線At回り(Ct軸)に回転する。工作物Wの回転とギヤスカイビングカッタTの回転とを同期させながら、ギヤスカイビングカッタTを工作物Wに対して工作物Wの回転軸線Awの方向に相対移動させることで、工作物Wに歯形が創成加工される。ギヤスカイビング加工においては、工作物Wが1回転する間に、工作物Wの各歯溝の部分が、ギヤスカイビングカッタTによって1回だけ加工される。
上記のような仕上げ加工の他に、車両のマニュアルトランスミッションのシフトチェンジを円滑に行うために、シンクロメッシュ機構のチャンファを加工する場合などにも適用できる。つまり、歯車加工装置1は、予め形成されている第一歯車W1および第二歯車W2の歯面に、シンクロメッシュ機構のチャンファの加工を施すようにしても良い。チャンファは、各歯面の軸方向の一部分に形成されるため、歯車加工装置1は、第一歯車W1の歯面および第二歯車W2の歯面の一部分のみに加工を施すことになる。
(5.歯車加工装置1の機能ブロック構成)
次に、歯車加工装置1の一部構成における機能について図4を参照して説明する。図4に示すように、歯車加工装置1は、工作物WとギヤスカイビングカッタTとを、X軸方向に相対的に移動させるX軸移動装置61、Y軸方向に相対的に移動させるY軸移動装置62、および、Z軸方向に相対的に移動させるZ軸移動装置63を備える。
本形態においては、X軸移動装置61は、ベッド10に対してX軸移動テーブル21をX軸方向に移動するためのリニアモータまたはボールねじ機構などの駆動装置である。Y軸移動装置62は、コラム31に対してサドル32をY軸方向に移動するためのリニアモータまたはボールねじ機構などの駆動装置である。Z軸移動装置63は、ベッド10に対してコラム31をZ軸方向に移動するためのリニアモータまたはボールねじ機構などの駆動装置である。なお、図示しないが、X軸移動装置61、Y軸移動装置62およびZ軸移動装置63は、駆動回路、モータ(リニアモータまたは回転モータ)、および、位置検出器(リニア位置検出器または回転角度検出器)などを備えて構成される。
さらに、図4に示すように、歯車加工装置1は、工作物主軸装置23、工具主軸装置33、および、回転装置64を備える。工作物主軸装置23は、上述したように、工作物保持装置20を構成し、工作物WをCw軸回りに回転可能に保持する。工作物主軸装置23は、駆動回路23c、回転モータ23dおよび回転角度検出器23eを備えて構成される。
工具主軸装置33は、上述したように、工具保持装置30を構成し、ギヤスカイビングカッタTをCt軸回りに回転可能に保持する。工具主軸装置33は、図示しないが、駆動回路、回転モータおよび回転角度検出器を備えて構成される。回転装置64は、工作物WとギヤスカイビングカッタTとの姿勢を変更するための移動装置である。本形態においては、回転装置64は、X軸移動テーブル21に対してB軸回転テーブル22をB軸に回転するための回転モータを含む。さらに、回転装置64は、回転モータの他に、駆動回路および回転角度検出器などを備えて構成される。
センサ40は、工作物Wが回転している状態において工作物Wに予め形成された第一歯車W1の歯との距離を検出する。ただし、センサ40は、第一歯車W1の全歯を検出対象とするのではなく、第一歯車W1の全歯のうちの一部の歯のみを検出対象とする。また、センサ40は、工作物Wが回転している状態において工作物Wに予め形成された第二歯車W2の歯との距離を検出する。ただし、センサ40は、第二歯車W2の全歯を検出対象とするのではなく、第二歯車W2の全歯のうちの一部の歯のみを検出対象とする。
制御装置50は、工作物Wが回転している状態において、センサ40に対して、第一歯車W1の一部の歯との距離および第二歯車W2の一部の歯との距離を検出するように制御する。制御装置50は、センサ40による検出を実行するために、移動装置としてのX軸移動装置61、Y軸移動装置62およびZ軸移動装置63を制御し、さらに、工作物主軸装置23を制御する。
制御装置50は、センサ40の検出結果および工作物主軸装置23の回転角度検出器23eの検出結果に基づいて、第一歯車W1の一部の歯の位相および第二歯車W2の一部の歯の位相を検出する。例えば、制御装置50は、センサ40の検出時刻と回転角度検出器23eの検出時刻とを対応させる。そして、制御装置50は、センサ40により検出された距離、および、回転角度検出器23eにより検出された回転モータ23dの回転角度により、第一歯車W1の一部の歯の位相および第二歯車W2の一部の歯の位相を検出する。そして、制御装置50は、第一歯車W1の一部の歯の位相および第二歯車W2の一部の歯の位相に基づいて、工作物Wを加工するための情報を演算する。
また、制御装置50は、工作物Wを加工するために、移動装置としてのX軸移動装置61、Y軸移動装置62およびZ軸移動装置63を制御し、さらに、工作物主軸装置23、工具主軸装置33および回転装置64を制御する。
(6.制御装置50の処理)
制御装置50の処理(制御方法)について、図5~図15を参照して説明する。制御装置50は、工作物主軸装置23が工作物Wを保持した状態であって工作物Wが回転している状態において、センサ40および回転角度検出器23eにより、第一歯車W1における全歯のうちの一部である第一検出歯Wd1(図8に示す)の位相を検出する第一検出処理を実行する(第一検出工程ST1)。
制御装置50は、第一検出処理を実行するために、まず、工作物Wおよびセンサ40を図6に示す位置に位置決めする。ここで、図6に示すように、センサ40は、検出部41と、検出部41を支持する支持部42とを備える。センサ40の検出部41は、例えば、渦電流やレーザなどの非接触の距離センサである。センサ40の支持部42は、基端がサドル32に設けられ、先端に検出部41を保持する。センサ40の支持部42は、サドル32に対して進退可能に設けられている。制御装置50は、図6に示すように、センサ40の支持部42を延ばして、センサ40の検出部41を前進した状態とする。
さらに、制御装置50は、図6に示すように、センサ40の検出部41が第一歯車W1に対して第一歯車W1の径方向に対向するように、移動装置としてのX軸移動装置61、Y軸移動装置62およびZ軸移動装置63を制御する。つまり、センサ40の検出部41が、工作物Wにおいて第一歯車W1の軸方向位置に一致し、センサ40の検出部41と第一歯車W1との離間距離が、センサ40の検出可能範囲内に位置する。
そして、制御装置50は、工作物主軸装置23を制御して、工作物Wを回転させる。このとき、制御装置50は、工作物Wの回転角度を、1周分ではなく、1周よりも小さな角度とする。さらに、制御装置50は、回転角度検出器23eの検出結果を取得する。
第一検出処理により、センサ40は、工作物Wが回転している間、第一歯車W1における全歯のうちの一部である第一検出歯Wd1(図8に示す)の距離を検出する。同時に、回転角度検出器23eは、回転モータ23dの回転角度を検出する。そして、制御装置50は、センサ40の検出時刻と回転角度検出器23eの検出時刻とを対応させて取得する。つまり、センサ40および回転角度検出器23eによって、第一検出歯Wd1の位相が検出される。
このときのセンサ40による検出結果である出力波形H1は、図7に示すようになる。図7および図8に示すように、センサ40の検出値におけるピーク値が、歯底に対応する。また、図7において、横軸は、回転角度検出器23eから得られた工作物Wの回転角度(回転モータ23dの回転角度に相当)である。
また、第一検出処理においては、図7および図8に示すように、第一歯車W1の1周分よりも小さな角度範囲φd1の検出が行われる。例えば、第一検出処理は、第一歯車W1における全歯のうちの一部である複数の第一検出歯Wd1の位相を検出する。例えば、第一検出処理は、第一歯車W1における3歯分の第一検出歯Wd1の位相を検出する。
例えば、第一検出処理は、複数歯分の第一検出歯Wd1の歯底位相を検出する。図7および図8に示すように、第一検出処理において、センサ40は、3歯分の第一検出歯Wd1の歯底位相P1a,P1b,P1cを検出する。センサ40の検出値は、センサ40の検出部41から遠い位置に位置する歯底が大きな値となり、検出部41に近い位置に位置する歯先が小さな値となる。
なお、制御装置50は、第一検出処理において、第一歯車W1における全歯のうち1つの第一検出歯Wd1の位相を検出するようにしても良い。この場合、図7および図8において、第一検出処理においては、1つの第一検出歯Wd1の歯底位相P1aのみが検出される。また、制御装置50は、第一検出処理において、歯底ではなく、第一検出歯Wd1の歯先位相を検出するようにしても良い。
図5に示すように、制御装置50は、第一検出処理に続いて、工作物主軸装置23が工作物Wを保持した状態であって工作物Wが回転している状態において、センサ40および回転角度検出器23eにより、第二歯車W2における全歯のうちの一部である第二検出歯Wd2の位相を検出する第二検出処理を実行する(第二検出工程ST2)。なお、第二検出処理は、第一検出処理の前に実行するようにしても良い。
制御装置50は、第二検出処理を実行するために、まず、工作物Wおよびセンサ40を図9に示す位置に位置決めする。制御装置50は、図9に示すように、センサ40の検出部41が第二歯車W2に対して第二歯車W2の径方向に対向するように、移動装置としてのX軸移動装置61、Y軸移動装置62およびZ軸移動装置63を制御する。つまり、センサ40の検出部41が、工作物Wにおいて第二歯車W2の軸方向位置に一致し、センサ40の検出部41と第二歯車W2との離間距離が、センサ40の検出可能範囲内に位置する。このとき、制御装置50は、図9に示すように、センサ40の支持部42を延ばして、センサ40の検出部41を前進した状態とする。
そして、制御装置50は、工作物主軸装置23を制御して、工作物Wを回転させる。このとき、制御装置50は、工作物Wの回転角度を、1周分ではなく、1周よりも小さな角度とする。さらに、制御装置50は、回転角度検出器23eの検出結果を取得する。
第二検出処理により、センサ40は、工作物Wが回転している間、第二歯車W2における全歯のうちの一部である第二検出歯Wd2(図12に示す)の距離を検出する。同時に、回転角度検出器23eは、回転モータ23dの回転角度を検出する。そして、制御装置50は、センサ40の検出時刻と回転角度検出器23eの検出時刻とを対応させて取得する。つまり、センサ40および回転角度検出器23eによって、第二検出歯Wd2の位相が検出される。
このときのセンサ40による検出結果である出力波形H2は、図10に示すようになる。図10および図11に示すように、センサ40の検出値におけるピーク値が、歯底に対応する。また、図10において、横軸は、回転角度検出器23eから得られた工作物Wの回転角度(回転モータ23dの回転角度に相当)である。
また、第二検出処理においては、図10および図11に示すように、第二歯車W2の1周分よりも小さな角度範囲φd2の検出が行われる。例えば、第二検出処理は、第二歯車W2における全歯のうちの一部である複数の第二検出歯Wd2の位相を検出する。例えば、第二検出処理は、第二歯車W2における3歯分の第二検出歯Wd2の位相を検出する。
例えば、第二検出処理は、複数歯分の第二検出歯Wd2の歯底位相を検出する。図10および図11に示すように、第二検出処理において、センサ40は、3歯分の第二検出歯Wd2の歯底位相P2a,P2b,P2cを検出する。センサ40の検出値は、センサ40の検出部41から遠い位置に位置する歯底が大きな値となり、検出部41に近い位置に位置する歯先が小さな値となる。
なお、制御装置50は、第二検出処理において、第二歯車W2における全歯のうち1つの第二検出歯Wd2の位相を検出するようにしても良い。この場合、図10および図11において、第二検出処理においては、1つの第二検出歯Wd2の歯底位相P2aのみが検出される。また、制御装置50は、第二検出処理において、歯底ではなく、第二検出歯Wd2の歯先位相を検出するようにしても良い。
図5に示すように、制御装置50は、第二検出処理に続いて、第一位相演算処理を実行する(第一位相演算工程ST3)。なお、第一位相演算処理は、第一検出処理の後であって、第二検出処理の前に実行するようにしても良い。
第一位相演算処理は、第一検出処理(ST1)にて検出された第一検出歯Wd1の位相と予め記憶された第一歯車W1の歯ピッチ角度Pit1とに基づいて、第一歯車W1における第一検出歯Wd1以外の歯Wc1(図8に示す)の位相P1d~P1g,…(図12の上段に示す)を演算する。上述したように、第一検出処理(ST1)では、第一歯車W1の1周分よりも小さな角度範囲φd1に位置する第一検出歯Wd1の位相を検出した。そこで、第一位相演算処理(ST3)では、第一検出歯Wd1の位相を考慮して、第一歯車W1の残りの歯Wc1の位相P1d~P1g,…を演算する。
ここで、上述した第一検出処理においては、複数の第一検出歯Wd1の位相P1a,P1b,P1cを検出した。そこで、第一位相演算処理では、まず、複数の第一検出歯Wd1の位相P1a,P1b,P1cと第一歯車W1の歯ピッチ角度Pit1とに基づいて、複数の第一検出歯Wd1のうちの特定の1つの第一検出歯Wd1の位相P1a’を演算する。
第一歯車W1は等角度の歯車であるため、第一歯車W1の歯ピッチ角度Pit1は、第一歯車W1の歯数から求めることができる。例えば、第一歯車W1の歯数が31歯の場合には、歯ピッチ角度Pit1は、11.612°となる。第一歯車W1の歯ピッチ角度Pit1は、制御装置50に、予め記憶されている。
そして、特定の1つの第一検出歯Wd1の位相P1a’は、例えば、式(1)に従って、演算される。
P1a’={P1a+(P1b-Pit1)+(P1c-2×Pit1)}/3
・・・ (1)
式(1)より求められた特定の1つの第一検出歯Wd1の位相P1a’は、複数の第一検出歯Wd1の位相P1a,P1b,P1cを平均化した値に相当する。例えば、前工程としての熱処理による変形量の違いにより、今回の加工前の第一歯車W1の歯ピッチ角度Pit1がずれる可能性がある。そこで、式(1)のように複数の第一検出歯Wd1の位相P1a,P1b,P1cを用いて平均化することで、熱処理などによる変形の違いを平均化することができる。
続いて、第一位相演算処理では、図12の上段に示すように、特定の1つの第一検出歯Wd1の位相P1a’と、第一歯車W1の歯ピッチ角度Pit1とに基づいて、第一歯車W1における第一検出歯Wd1以外の歯Wc1の位相P1d~P1g,…を演算する。歯Wc1の位相P1d~P1g,…は、特定の1つの第一検出歯Wd1の位相P1a’に、歯ピッチ角度Pit1を順次加算することで、求めることができる。
ここで、第一検出処理においては、上述したように、複数の第一検出歯Wd1の位相P1a,P1b,P1cではなく、1つの第一検出歯Wd1のみの位相P1aを検出するようにしても良い。この場合、第一位相演算処理では、検出された1つの第一検出歯Wd1の位相P1aと、歯ピッチ角度Pit1とに基づいて、第一歯車W1における第一検出歯Wd1以外の歯Wc1の位相P1d~P1g,…を演算すれば良い。
図5に示すように、制御装置50は、第一位相演算処理に続いて、第二位相演算処理を実行する(第二位相演算工程ST4)。なお、第二位相演算処理は、第二検出処理の後であれば良く、第一位相演算処理の前に実行するようにしても良い。
第二位相演算処理は、第二検出処理(ST2)にて検出された第二検出歯Wd2の位相と予め記憶された第二歯車W2の歯ピッチ角度Pit2とに基づいて、第二歯車W2における第二検出歯Wd2以外の歯Wc2(図11に示す)の位相P2d~P2j,…(図12の下段に示す)を演算する。上述したように、第二検出処理(ST2)では、第二歯車W2の1周分よりも小さな角度範囲φd2に位置する第二検出歯Wd2の位相を検出した。そこで、第二位相演算処理(ST4)では、第二検出歯Wd2の位相を考慮して、第二歯車W2の残りの歯Wc2の位相P2d~P2j,…を演算する。
ここで、上述した第二検出処理においては、複数の第二検出歯Wd2の位相P2a,P2b,P2cを検出した。そこで、第二位相演算処理では、まず、複数の第二検出歯Wd2の位相P2a,P2b,P2cと第二歯車W2の歯ピッチ角度Pit2とに基づいて、複数の第二検出歯Wd2のうちの特定の1つの第二検出歯Wd2の位相P2a’を演算する。
第二歯車W2は等角度の歯車であるため、第二歯車W2の歯ピッチ角度Pit2は、第二歯車W2の歯数から求めることができる。例えば、第二歯車W2の歯数が15歯の場合には、歯ピッチ角度Pit2は、24°となる。第二歯車W2の歯ピッチ角度Pit2は、制御装置50に、予め記憶されている。
そして、特定の1つの第二検出歯Wd2の位相P2a’は、例えば、式(2)に従って、演算される。
P2a’={P2a+(P2b-Pit2)+(P2c-2×Pit2)}/3
・・・ (2)
式(2)より求められた特定の1つの第二検出歯Wd2の位相P2a’は、複数の第二検出歯Wd2の位相P2a,P2b,P2cを平均化した値に相当する。例えば、前工程としての熱処理による変形量の違いにより、今回の加工前の第二歯車W2の歯ピッチ角度Pit2がずれる可能性がある。そこで、式(2)のように複数の第二検出歯Wd2の位相P2a,P2b,P2cを用いて平均化することで、熱処理などによる変形の違いを平均化することができる。
続いて、第二位相演算処理では、図12の下段に示すように、特定の1つの第二検出歯Wd2の位相P2a’と、第二歯車W2の歯ピッチ角度Pit2とに基づいて、第二歯車W2における第二検出歯Wd2以外の歯Wc2の位相P2d~P2j,…を演算する。歯Wc2の位相P2d~P2j,…は、特定の1つの第二検出歯Wd2の位相P2a’に、歯ピッチ角度Pit2を順次加算することで、求めることができる。
ここで、第二検出処理においては、上述したように、複数の第二検出歯Wd2の位相P2a,P2b,P2cではなく、1つの第二検出歯Wd2のみの位相P2aを検出するようにしても良い。この場合、第二位相演算処理では、検出された1つの第二検出歯Wd2の位相P2aと、歯ピッチ角度Pit2とに基づいて、第二歯車W2における第二検出歯Wd2以外の歯Wc2の位相P2d~P2j,…を演算すれば良い。
図5に示すように、制御装置50は、第二位相演算処理に続いて、ずれ角度演算処理を実行する(ずれ角度演算工程ST5)。ずれ角度演算処理は、第一歯車W1の全歯の位相と第二歯車W2の全歯の位相とを比較して、第一歯車W1の歯の位相のそれぞれと第二歯車W2の歯の位相のそれぞれとのずれ角度を演算する。
ここで、第一歯車W1の全歯の位相は、第一検出処理により得られた第一検出歯Wd1の位相P1a,P1b,P1c、および、第一位相演算処理により得られた残りの歯Wc1の位相P1d~P1g,…である。
図12において、第一歯車W1の歯底位相P1dと、第一歯車W1の歯底位相P1dに最も近い第二歯車W2の歯底位相P2eとのずれ角度は、ΔP1dとなる。第一歯車W1の歯底位相P1gと、第一歯車W1の歯底位相P1gに最も近い第二歯車W2の歯底位相P2jとのずれ角度は、ΔP1gとなる。このように、それぞれのずれ角度は、最も近い歯同士を比較する。
なお、第一検出処理および第一位相演算処理により第一歯車W1の歯先位相が得られる場合であって、第二検出処理および第二位相演算処理により第二歯車W2の歯先位相が得られる場合には、ずれ角度は、歯先位相同士のずれ角度となる。また、第一歯車W1の歯先位相と第二歯車の歯底位相とのずれ角度を用いることもできるし、第一歯車W1の歯底位相と第二歯車の歯先位相とのずれ角度を用いることもできる。
図5に示すように、制御装置50は、ずれ角度演算処理に続いて、判定処理を実行する(判定工程ST6)。判定処理は、それぞれのずれ角度の中で、ずれ角度が最小となる第一歯車W1の歯の位相および第二歯車W2の歯の位相を基準組として判定する。図12においては、第一歯車W1の歯底位相P1gと、第一歯車W1の歯底位相P1gに最も近い第二歯車W2の歯底位相P2jとのずれ角度ΔP1gが、最小となる。従って、図12および図13に示すように、第一歯車W1の歯底位相P1gと第二歯車W2の歯底位相P2jとが、基準組となる。
なお、ずれ角度演算処理において歯先位相のずれ角度が得られる場合には、判定処理は、歯先位相同士のずれ角度が最小となる基準組を判定する。もちろん、ずれ角度演算処理において、第一歯車W1における歯底位相と第二歯車W2における歯先位相とのずれ角度が得られる場合には、判定処理は、当該ずれ角度が最小となる基準組を判定する。
図5に示すように、制御装置50は、判定処理に続いて、位置決め処理を実行する(位置決め工程ST7)。位置決め処理は、基準組を構成する第一歯車W1の歯底位相P1gおよび第二歯車W2の歯底位相P2jを加工開始基準として、ギヤスカイビングカッタTおよび工作物Wを位置決めするために、工作物主軸装置23および工具主軸装置33を制御する。
ここで、加工を開始する前の位置決め処理においては、図14に示すように、センサ40の支持部42を縮めて、センサ40の検出部41を後退させた状態とする。つまり、ギヤスカイビングカッタTにより工作物Wを加工する際に、センサ40が、工作物Wに干渉しない位置に移動する。
図5に示すように、制御装置50は、位置決め処理に続いて、加工処理を実行する(加工工程ST8)。加工処理は、加工プログラムに従って、ギヤスカイビングカッタTにより工作物Wの第一歯車W1の歯面および第二歯車W2の歯面に加工を施す。加工の順序は、第一歯車W1を加工した後に、第二歯車W2を加工するようにしても良いし、その逆でも良い。ただし、第一歯車W1の歯面および第二歯車W2の歯面の一方のみに加工を施す場合もある。
ここで、加工処理(加工方法)について、図15を参照して説明する。制御装置50は、判定処理にて判定された基準組におけるずれ角度が、許容範囲未満であるか否かを判定する(許容範囲判定工程ST11)。基準組におけるずれ角度は、上述したように、第一歯車W1の歯底位相のそれぞれと第二歯車W2の歯底位相のそれぞれとのずれ角度のうちで、最小となるずれ角度である。
基準組のずれ角度が許容範囲未満である場合には(ST11:Yes)、制御装置50は、後述する補正を行うことなく、第一歯車W1の歯面に対して加工を施す(第一歯車加工工程ST12)。つまり、制御装置50による加工処理は、第一歯車W1の歯面に加工を施すために、位置決めされたギヤスカイビングカッタTおよび工作物Wを同期して回転制御しながら、移動装置61,62,63,64を制御する。このようにして、第一歯車W1の歯面に加工が施される。
続いて、第一歯車W1の加工が終了すると、制御装置50は、後述する補正を行うことなく、第二歯車W2の歯面に対して加工を施す(第二歯車加工工程ST13)。つまり、制御装置50による加工処理は、第二歯車W2の歯面に加工を施すために、位置決めされたギヤスカイビングカッタTおよび工作物Wを同期して回転制御しながら、移動装置61,62,63,64を制御する。このようにして、第二歯車W2の歯面に加工が施される。
一方、基準組のずれ角度が許容範囲以上である場合には(ST11:No)、制御装置50の加工処理は、補正値を演算して設定する(補正値設定工程ST14)。ここでの補正は、加工後における基準組のずれ角度が小さくなるようにするための処理である。補正値は、第一歯車W1の加工および第二歯車W2の加工の両者に対して設定しても良いし、第一歯車W1および第二歯車W2の一方の加工に対して設定しても良い。例えば、ずれ角度が大きい場合には、第一歯車W1および第二歯車W2の両者に対して設定し、ずれ角度が小さい場合には、第一歯車W1および第二歯車W2の一方に対して設定する。
第一歯車W1の加工に対して補正値が設定された場合には、制御装置50は、当該補正値に基づいて補正を行いながら、第一歯車W1の歯面に対して加工を施す(第一歯車加工工程ST12)。つまり、制御装置50の加工処理は、基準組におけるずれ角度が小さくなるように、工作物主軸装置23および工具主軸装置33に対する補正を行って加工を行う。
続いて、第二歯車W2の加工に対して補正値が設定された場合には、第一歯車W1の加工が終了すると、制御装置50は、当該補正値に基づいて補正を行いながら、第二歯車W2の歯面に対して加工を施す(第二歯車加工工程ST13)。つまり、制御装置50の加工処理は、基準組におけるずれ角度が小さくなるように、工作物主軸装置23および工具主軸装置33に対する補正を行って加工を行う。
従って、基準組におけるずれ角度が許容範囲以上である場合には、補正しながら加工が施されることにより、加工後の第一歯車W1と第二歯車W2とにおける基準組のずれ角度が小さくなる。
(7.効果)
上述した歯車加工装置1によれば、第一検出処理は、第一歯車W1の全歯のうちの一部である第一検出歯Wd1の位相P1a,P1b,P1cを検出しており、第二検出処理は、第二歯車W2の全歯のうちの一部である第二検出歯Wd2の位相P2a,P2b,P2cを検出している。つまり、第一検出処理は、第一歯車W1の全歯の位相を検出しておらず、第二検出処理は、第二歯車W2の全歯の位相を検出していない。従って、検出に要する時間は、全歯を検出する場合に比べて格段に短くできる。
第一検出処理および第二検出処理においては、全歯の位相を検出しないため、位相を検出していない残りの歯Wc1,Wc2が存在する。センサ40により検出していない残りの歯Wc1,Wc2の位相P1d~P1g,…,P2d~P2j,…は、第一位相演算処理および第二位相演算処理にて、演算により求めている。具体的には、第一位相演算処理が、第一検出歯Wd1の位相P1a,P1b,P1cと予め記憶された第一歯車W1の歯ピッチ角度Pit1とに基づいて、第一歯車W1における第一検出歯Wd1以外の歯Wc1の位相P1d~P1g,…を演算する。第二位相演算処理は、第二検出歯Wd2と予め記憶された第二歯車W2の歯ピッチ角度Pit2とに基づいて、第二歯車W2における第二検出歯Wd2以外の歯Wc2の位相P2d~P2j,…を演算する。
第一歯車W1および第二歯車W2は、歯ピッチ角度Pit1,Pit2が等角度である。従って、歯ピッチ角度Pit1,Pit2は、歯数が分かれば容易に求めることができる。そして、第一歯車W1および第二歯車W2における複数の歯は、それぞれの歯ピッチ角度Pit1,Pit2ずつずれた位置に位置することから、1つの歯の位相が分かれば、残りの歯の位相は容易に演算により求めることができる。従って、第一歯車W1の全歯の位相および第二歯車W2の全歯の位相を得るために要する時間を短くすることができる。その結果、加工サイクルタイムを短くすることができる。
また、第一位相演算処理は、複数の第一検出歯Wd1の位相P1a,P1b,P1cを用いて、複数の第一検出歯Wd1のうちの特定の1つの第一検出歯Wd1の位相P1a’を演算することとした。このように、複数の第一検出歯Wd1の位相P1a,P1b,P1cを用いることで、各位相P1a,P1b,P1cのずれの影響を小さくすることができる。例えば熱処理などによる変形の違いが生じたとしても、特定の1つの第一検出歯Wd1の位相P1a’を演算することで、変形の違いの影響を小さくすることができる。第二位相演算処理においても同様である。
また、加工処理において、基準組のずれ角度が許容範囲以上である場合には、補正を行っている。このように補正を行うことで、加工後の基準組のずれ角度が許容範囲未満となるようにできる。
(8.他の例)
上記においては、歯車加工装置1について説明した。ここで、歯車加工装置1における基準組を判定する処理のみを抽出して、位相検出装置(1)として把握することが可能である。
位相検出装置(1)は、第一歯車W1および第二歯車W2を備える対象物を対象として、基準組となる第一歯車W1の歯の位相と第二歯車W2の歯の位相とを判定する。つまり、位相検出装置(1)は、ずれ角度が最小となる第一歯車W1の歯の位相および第二歯車W2の歯の位相を基準組として判定する。
位相検出装置(1)は、センサ40と、回転角度検出器23eと、上述した制御装置50の一部である処理装置(50)とを備える。処理装置(50)による処理は、上述した制御装置50によるST1~ST6(図5に示す)と同様の処理であるため、説明を省略する。
位相検出装置(1)によって、基準組となる第一歯車W1の歯の位相と第二歯車W2の歯の位相が判定されることにより、上述したように歯車加工装置1に適用することもできるし、歯車加工装置1の他に、製品検査などに適用することもできる。この場合の製品検査は、例えば、基準組となる第一歯車W1の歯の位相と第二歯車W2の歯の位相を明示して出荷する場合において、基準組を明示するための検査などである。
位相検出装置(1)は、上述した歯車加工装置1と同様に、第一歯車W1の全歯の位相および第二歯車W2の全歯の位相を得るために要する時間を短くすることができる。従って、第一歯車W1の歯の位相のそれぞれと第二歯車W2の歯の位相のそれぞれとのずれ角度が最小となる場合の第一歯車W1の歯の位相および第二歯車W2の歯の位相を基準組として決定するために要する時間を短くすることができる。
1 歯車加工装置、位相検出装置
23 工作物主軸装置
23e 回転角度検出器
33 工具主軸装置
40 センサ
50 制御装置、処理装置
61~64 移動装置
ST1 第一検出処理
ST2 第二検出処理
ST3 第一位相演算処理
ST4 第二位相演算処理
ST5 ずれ角度演算処理
ST6 判定処理
ST7 位置決め処理
ST8 加工処理
T ギヤスカイビングカッタ
W 工作物
W1 第一歯車
W2 第二歯車
Wd1 第一検出歯
Wd2 第二検出歯

Claims (9)

  1. 歯ピッチ角度が等角度の第一歯車および前記第一歯車の歯数と異なり歯ピッチ角度が等角度の第二歯車が予め形成された工作物を対象として、前記第一歯車の歯面および前記第二歯車の歯面の少なくとも一方に加工を施すように構成された歯車加工装置であって、
    周方向に複数の工具刃を有する歯切り工具と、
    前記歯切り工具を回転可能に保持する工具主軸装置と、
    前記工作物を回転可能に保持すると共に、回転角度を検出する回転角度検出器を備える工作物主軸装置と、
    前記工具主軸装置と前記工作物主軸装置とを相対的に移動する移動装置と、
    前記工作物主軸装置が前記工作物を保持した状態であって前記工作物が回転している状態において、前記工作物における前記第一歯車の歯との距離および前記第二歯車の歯との距離を検出可能なセンサと、
    前記工作物に歯車の歯を加工するために、前記工具主軸装置と前記工作物主軸装置とを同期して回転制御しながら前記移動装置を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記センサおよび前記工作物主軸装置の前記回転角度検出器により、前記第一歯車における全歯のうちの一部である第一検出歯の位相を検出する第一検出処理を実行し、
    前記センサおよび前記工作物主軸装置の前記回転角度検出器により、前記第二歯車における全歯のうちの一部である第二検出歯の位相を検出する第二検出処理を実行し、
    検出された前記第一検出歯の位相と予め記憶された前記第一歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、前記第一歯車の前記第一検出歯以外の歯の位相を演算する第一位相演算処理を実行し、
    検出された前記第二検出歯の位相と予め記憶された前記第二歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、前記第二歯車の前記第二検出歯以外の歯の位相を演算する第二位相演算処理を実行し、
    前記第一検出処理および前記第一位相演算処理により得られた前記第一歯車の前記全歯の位相と、前記第二検出処理および前記第二位相演算処理により得られた前記第二歯車の前記全歯の位相とに基づいて、前記第一歯車の歯の位相のそれぞれと前記第二歯車の歯の位相のそれぞれとのずれ角度を演算するずれ角度演算処理を実行し、
    前記ずれ角度が最小となる前記第一歯車の歯の位相および前記第二歯車の歯の位相を基準組として判定する判定処理を実行し、
    前記基準組を構成する前記第一歯車の歯の位相および前記第二歯車の歯の位相を加工開始基準として、前記歯切り工具および前記工作物を位置決めするために、前記工具主軸装置および前記工作物主軸装置を制御する位置決め処理を実行し、
    前記第一歯車の歯面および前記第二歯車の歯面の少なくとも一方に加工を施すために、位置決めされた前記歯切り工具および前記工作物を同期して回転制御しながら、前記移動装置を制御する加工処理を実行する、歯車加工装置。
  2. 前記ずれ角度演算処理は、前記第一歯車の歯先位相のそれぞれと前記第二歯車の歯先位相のそれぞれとのずれ角度を演算し、
    前記判定処理は、前記第一歯車の歯先位相と前記第二歯車の歯先位相とのずれ角度が最小となる場合の前記第一歯車の歯先位相と前記第二歯車の歯先位相とを前記基準組として判定する、請求項1に記載の歯車加工装置。
  3. 前記ずれ角度演算処理は、前記第一歯車の歯底位相のそれぞれと前記第二歯車の歯底位相のそれぞれとのずれ角度を演算し、
    前記判定処理は、前記第一歯車の歯底位相と前記第二歯車の歯底位相とのずれ角度が最小となる場合の前記第一歯車の歯底位相と前記第二歯車の歯底位相とを前記基準組として判定する、請求項1に記載の歯車加工装置。
  4. 前記第一検出処理は、前記第一歯車における前記全歯のうち1つの前記第一検出歯の位相を検出し、
    前記第二検出処理は、前記第二歯車における前記全歯のうち1つの前記第二検出歯の位相を検出し、
    前記第一位相演算処理は、検出された1つの前記第一検出歯の位相と前記第一歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、前記第一歯車の前記第一検出歯以外の歯の位相を演算し、
    前記第二位相演算処理は、検出された1つの前記第二検出歯の位相と前記第二歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、前記第二歯車の前記第二検出歯以外の歯の位相を演算する、請求項1~3のいずれか1項に記載の歯車加工装置。
  5. 前記第一検出処理は、前記第一歯車における前記全歯のうち複数の前記第一検出歯の位相を検出し、
    前記第二検出処理は、前記第二歯車における前記全歯のうち複数の前記第二検出歯の位相を検出し、
    前記第一位相演算処理は、
    複数の前記第一検出歯と前記第一歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、複数の前記第一検出歯のうちの特定の前記第一検出歯の位相を演算し、
    特定の前記第一検出歯の位相と前記第一歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、前記第一歯車の前記第一検出歯以外の歯の位相を演算し、
    前記第二位相演算処理は、
    複数の前記第二検出歯と前記第二歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、複数の前記第二検出歯のうちの特定の前記第二検出歯の位相を演算し、
    特定の前記第二検出歯の位相と前記第二歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、前記第二歯車の前記第二検出歯以外の歯の位相を演算する、請求項1~3のいずれか1項に記載の歯車加工装置。
  6. 前記加工処理は、
    前記第一歯車の歯面に加工を施すために、位置決めされた前記歯切り工具および前記工作物を同期して回転制御しながら、前記移動装置を制御し、
    前記第一歯車の歯面に加工を施すために、位置決めされた前記歯切り工具および前記工作物を同期して回転制御しながら、前記移動装置を制御する、請求項1~5のいずれか1項に記載の歯車加工装置。
  7. 前記加工処理は、
    前記基準組における前記ずれ角度が許容範囲以上の場合には、加工後の前記ずれ角度が小さくなるように前記工具主軸装置および前記工作物主軸装置に対する補正を行って加工し、
    前記ずれ角度演算処理にて演算された前記ずれ角度が許容範囲未満の場合には、前記補正を行うことなく加工する、請求項1~6のいずれか1項に記載の歯車加工装置。
  8. 前記歯切り工具は、軸方向端面をすくい面とし、かつ、径方向外面を逃げ面とする複数の前記工具刃を有するギヤスカイビングカッタである、請求項1~7のいずれか1項に記載の歯車加工装置。
  9. 歯ピッチ角度が等角度の第一歯車および前記第一歯車の歯数と異なり歯ピッチ角度が等角度の第二歯車を有する対象物において、前記第一歯車の歯の位相のそれぞれと前記第二歯車の歯の位相のそれぞれとのずれ角度が最小となる前記第一歯車の歯の位相および前記第二歯車の歯の位相を基準組として決定する位相検出装置であって、
    前記対象物が回転している状態において前記対象物における前記第一歯車の歯との距離および前記第二歯車の歯との距離を検出可能なセンサと、
    前記対象物を回転可能に保持すると共に、回転角度を検出する回転角度検出器を備える主軸装置と、
    前記センサの検出結果および前記主軸装置の前記回転角度検出器の検出結果に基づいて前記基準組を決定する処理装置と、
    を備え、
    前記処理装置は、
    前記センサおよび前記主軸装置の前記回転角度検出器により、前記第一歯車における全歯のうちの一部である第一検出歯の位相を検出する第一検出処理を実行し、
    前記センサおよび前記主軸装置の前記回転角度検出器により、前記第二歯車における全歯のうちの一部である第二検出歯の位相を検出する第二検出処理を実行し、
    検出された前記第一検出歯の位相と予め記憶された前記第一歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、前記第一歯車の前記第一検出歯以外の歯の位相を演算する第一位相演算処理を実行し、
    検出された前記第二検出歯の位相と予め記憶された前記第二歯車の歯ピッチ角度とに基づいて、前記第二歯車の前記第二検出歯以外の歯の位相を演算する第二位相演算処理を実行し、
    前記第一検出処理および前記第一位相演算処理により得られた前記第一歯車の前記全歯の位相と、第二検出処理および前記第二位相演算処理により得られた前記第二歯車の前記全歯の位相とに基づいて、前記第一歯車の歯の位相のそれぞれと前記第二歯車の歯の位相のそれぞれとのずれ角度を演算するずれ角度演算処理を実行し、
    前記ずれ角度が最小となる前記第一歯車の歯の位相および前記第二歯車の歯の位相を前記基準組として判定する判定処理を実行する、位相検出装置。
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