JP2023010073A - 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 Download PDF

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宏明 金岡
Hiroaki Kaneoka
明宏 野村
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Abstract

Figure 2023010073000001
【課題】柱状半導体層を有する半導体発光素子であっても、主面方向または裏面方向への光取り出し量を増加させることが可能な半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】成長基板(11)と、成長基板(11)上に形成された複数の柱状半導体層(14~16)と、柱状半導体層(14~16)を覆って形成された埋込層(17)とを備え、柱状半導体層(14~16)は、ナノワイヤ層(14)と、ナノワイヤ層(14)の外周に形成された活性層(15)と、活性層(15)の外周に形成されたp型層(16)を備え、活性層(15)の側面は成長基板(11)の主面に対して傾斜して形成されている半導体発光素子(10)。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法に関し、特に複数の柱状半導体層を埋込層で埋め込んだ構造を有する半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法に関する。
近年、窒化物系半導体の結晶成長方法が急速に進展し、この材料を用いた高輝度の青色、緑色発光素子が実用化された。従来から存在した赤色発光素子とこれらの青色発光素子、緑色発光素子を組み合わせることで光の3原色全てが揃い、フルカラーのディスプレイ装置も実現可能となった。即ち、光の3原色全てを混合させると白色の光を得ることもできるようになり、照明用デバイスへの応用も可能である。
照明用途の光源に用いる半導体発光素子では、高電流密度領域において高いエネルギー変換効率と高い光出力を実現できることが望ましく、放出される光の配光特性が安定していることが望ましい。これらの課題を解決するために特許文献1では、成長基板上にn型ナノワイヤコアと活性層とp型層を成長し、p型層の側面にトンネル接合層を形成し、n型の埋込層で埋め込んだ半導体発光素子が提案されている。
図4は従来から提案されている柱状半導体層を備えた半導体発光素子を示す模式図であり、図4(a)は模式断面図であり、図4(b)は光の取り出し方向を示す模式斜視図である。図4(a)に示したように半導体発光素子は、成長基板1と、下地層2と、マスク3と、ナノワイヤ層4と、活性層5と、p型層6と、埋込層7と、カソード電極8n、アノード電極8pを備えている。ここで、ナノワイヤ層4、活性層5およびp型層6は、成長基板1の主面に対して所定角度で立設して形成されており、ダブルヘテロ構造の柱状半導体層を構成している。
このような半導体発光素子では、アノード電極8pとカソード電極8nとの間に電圧が印加されると、埋込層7からp型層6にホールが注入され、下地層2からナノワイヤ層4に電子が注入され、活性層5で発光再結合により所定波長の光が発光する。このような半導体発光素子では、成長基板1の全面に活性層を形成したものよりも各半導体層に生じる結晶欠陥や貫通転位が少なく、高品質な結晶を得られる。また、活性層が柱状半導体層の側面に沿った非極性面であるm面をファセットとして有するため、高電流密度における外部量子効率の向上を図ることができる。
特開2020-077817号公報
しかしこのような従来技術では、活性層5が柱状半導体層の側面に沿って形成されており、さらにダブルヘテロ構造も側面に沿っていることから、活性層5で発光された光は図4(b)に示したように、主面方向よりも面内方向に取り出される傾向が強くなる。このような面内方向への光取り出しは、面発光型の半導体発光素子では好ましくない。また、各柱状半導体層から発光した光は、面内を進行するうちに他の柱状半導体層で吸収される場合があり、外部量子効率の向上が困難であるという問題があった。
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、柱状半導体層を有する半導体発光素子であっても、主面方向または裏面方向への光取り出し量を増加させることが可能な半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の半導体発光素子は、成長基板と、前記成長基板上に形成された複数の柱状半導体層と、前記柱状半導体層を覆って形成された埋込層とを備え、前記柱状半導体層は、ナノワイヤ層と、前記ナノワイヤ層の外周に形成された活性層と、前記活性層の外周に形成されたp型層を備え、前記活性層の側面は、前記成長基板の主面に対して傾斜して形成されていることを特徴とする。
このような本発明の半導体発光素子では、活性層の側面が成長基板の主面に対して傾斜しているため、活性層で発光した光は成長基板の斜め上方に向けて取り出され、主面方向への光取り出し量を増加させることが可能となる。
また本発明の一態様では、前記ナノワイヤ層は、前記主面に対して傾斜した側面である傾斜側面部を有している。
また本発明の一態様では、前記成長基板上にマスクが形成されており、前記ナノワイヤ層は前記マスクに設けられた開口部から選択的に成長されており、かつ前記傾斜側面部は前記マスクを部分的に覆う領域に形成されている。
また本発明の一態様では、前記ナノワイヤ層、前記活性層および前記p型層は、窒化物半導体で構成されている。
また上記課題を解決するために、本発明の半導体発光素子の製造方法は、成長基板上に複数の柱状半導体層を形成する柱状半導体成長工程と、前記柱状半導体層を覆って埋込層を形成する埋込層形成工程とを有し、前記柱状半導体層成長工程は、前記成長基板の主面に対して傾斜した側面である傾斜側面部を有するナノワイヤ層を形成するナノワイヤ層成長工程と、前記傾斜側面部の外周に活性層を形成する活性層成長工程と、前記活性層の外周にp型層を形成するp型層成長工程とを備えることを特徴とする。
また本発明の一態様では、前記ナノワイヤ層成長工程は、前記成長基板の主面に対して垂直な側面を有するナノワイヤコアを形成するナノワイヤコア成長工程と、前記ナノワイヤコアの外周に傾斜側面部を形成する傾斜側面部成長工程とを備える。
また本発明の一態様では、前記傾斜側面部成長工程では、前記ナノワイヤコア成長工程よりも原料のV/III比を低下させる。
また本発明の一態様では、前記傾斜側面部成長工程では、前記ナノワイヤコア成長工程よりも成長温度を低下させる。
本発明では、柱状半導体層を有する半導体発光素子であっても、主面方向または裏面方向への光取り出し量を増加させることが可能な半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係る半導体発光素子10を示す図であり、図1(a)は模式断面図であり、図1(b)は柱状半導体層を拡大して示す部分拡大断面図である。 半導体発光素子10の製造方法を示す模式図であり、図2(a)はマスク形成工程、図2(b)はナノワイヤ層成長工程のうちのナノワイヤコア成長工程、図2(c)はナノワイヤ層成長工程のうちの傾斜側面部成長工程、図2(d)は活性層15およびp型層16の成長工程を示している。 半導体発光素子10の製造方法を示す模式図であり、図3(e)は埋込層形成工程、図3(f)はメサ形成工程、図3(g)は電極形成工程を示している。 従来から提案されている柱状半導体層を備えた半導体発光素子を示す模式図であり、図4(a)は模式断面図であり、図4(b)は光の取り出し方向を示す模式斜視図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。図1は、本実施形態に係る半導体発光素子10を示す図であり、図1(a)は模式断面図であり、図1(b)は柱状半導体層を拡大して示す部分拡大断面図である。
図1に示すように、半導体発光素子10は、成長基板11と、下地層12と、マスク13と、ナノワイヤ層14と、活性層15と、p型層16と、埋込層17と、カソード電極18nと、アノード電極18pを備えている。ここで、ナノワイヤ層14、活性層15およびp型層16は、成長基板11上で選択成長されて鉛直方向に立設した柱形状とされており、本発明における柱状半導体層を構成している。図1(b)に示すように、柱状半導体層は成長基板11の主面に対して傾斜した側面(傾斜側面部)を有しており、断面が台形状とされている。ここでは、柱状半導体層として頂面を有して断面が台形の場合を示したが、頂面を小さくして傾斜した側面でほとんどの表面を構成し、断面が三角形状としてもよい。また、ナノワイヤ層14の側面に沿った活性層15は、ナノワイヤ層14とp型層16で挟まれたダブルヘテロ構造を構成している。
図1に示すように、半導体発光素子10の一部は表面から下地層12まで埋込層17が除去されてメサ溝(メサ構造)が形成されており、下地層12の表面が露出されてカソード電極18nが形成されている。また、埋込層17上にはアノード電極18pが形成されている。ここでメサ構造とは、所定領域を取り囲むように複数の半導体層を貫いた溝が形成されていることで、各半導体層の積層構造断面が側面から露出する構造をいう。
成長基板11は、半導体材料を結晶成長可能な材料で構成された略平板状の部材である。半導体発光素子10を窒化物系半導体で構成する場合には、成長基板11としてGaN基板を用いることが好ましく、レーザ発振させるためには、共振器面が劈開により形成しやすいc面GaN基板を用いてもよい。また、成長基板11として成長する半導体材料とは異なる材料で構成されたc面サファイア基板やSi基板等の異種基板を用いるとしてもよい。
下地層12は、成長基板11上に形成された単結晶の半導体層である。成長基板11と下地層12を異なる材料で構成する場合には、成長基板11の表面にバッファ層を成長し、バッファ層上に下地層12を形成することが好ましい。下地層12としては、例えばノンドープのGaNを数μmの厚さで形成し、その上にn型コンタクト層等のn型半導体層を備えた複数層で構成することが挙げられる。n型コンタクト層は、n型不純物がドープされた半導体層であり、例えばSiドープしたn型Al0.05Ga0.95Nが挙げられる。また、下地層12の主面側にはマスク13が形成されている。また、下地層12の一部は露出されてカソード電極18nが形成されている。
バッファ層は、成長基板11と下地層12の間に形成されて両者の格子不整合を緩和するための層である。成長基板11としてc面サファイア基板を用いる場合にはバッファ層にGaNを用いることが好ましいが、AlNやAlGaNなどを用いるとしてもよい。成長基板11と下地層12が同じ材料の場合にはバッファ層を設けない構成とすることもできる。また成長基板11としてGaN基板等の単結晶基板を用いる場合には、バッファ層と下地層12を設けずに成長基板の表面にカソード電極18nを形成するとしてもよい。
マスク13は、下地層12の表面に形成された誘電体材料からなる層である。マスク13を構成する材料としては、マスク13からは半導体の結晶成長が困難なものを選択し、例えばSiOやSiNやAlなどが好適である。マスク13には後述する開口部13aが複数形成されており、開口部13aから部分的に露出した下地層12の表面から半導体層が成長可能とされている。
柱状半導体層は、マスク13に設けられた開口部13aに結晶成長された半導体層であり、成長基板11の主面に対して鉛直方向に半導体層が立設して形成されて、柱状の構造を有している。このような柱状半導体層は、構成する半導体材料に応じて適切な成長条件を設定し、特定の結晶面方位が成長する選択成長を実施することで得られる。図1に示した例では、マスク13に複数の開口部13aを二次元的に周期的に形成しているため、柱状半導体層も成長基板11上に二次元的に周期的に形成されている。
ナノワイヤ層14は、マスク13の開口部13aから露出した下地層12に選択成長された柱状の半導体層であり、例えばn型不純物がドープされたGaNから構成されている。図1(b)に示したように、ナノワイヤ層14はナノワイヤコア14aと傾斜側面部14bから構成されている。ナノワイヤコア14aは、図1(b)において破線で示された領域であり、マスク13の開口部13aから垂直方向に延びる領域に形成された柱状の層である。傾斜側面部14bは、ナノワイヤコア14aの周囲に形成された層であり、マスク13を部分的に覆うように形成されている。また、傾斜側面部14bの側面はナノワイヤ層14の側面を構成しており、成長基板11に近い側の径が大きく、ナノワイヤコア14aの先端近傍に向かって縮径して、成長基板11の主面に対して傾斜し、断面が台形状とされている。図1(b)ではナノワイヤコア14aを破線で示し、その周囲に形成された傾斜側面部14bと区別して説明しているが、両者を同一材料で構成することができ、その場合には明確な境界は形成されない。
ナノワイヤ層14としてGaNを用いると、成長基板11上に選択成長されたナノワイヤコア14aは、6つのm面がファセットとして形成された略六角柱の形状として形成される。図1(b)では開口部13aが形成された領域にのみナノワイヤコア14aが成長しているように見えるが、実際には横方向成長によりマスク13上にも結晶成長が進むため、開口部13aの周囲に拡大した六角柱が形成される。例えば、開口部13aを直径150nm程度の円として形成した場合には、直径200nm程度の円に内接する六角形を底面とする高さ1~2μm程度の六角柱状のナノワイヤコア14aを形成することができる。下地層12およびナノワイヤ層14をGaNで構成する場合には、例えば電子濃度が1018atoms/cm-3程度のn型半導体層とすることが好ましい。
本実施形態ではナノワイヤ層14としてGaNを用いた例を示しているが、発光波長を長波長化するために活性層15のIn組成を高める場合には、格子不整合によるミスフィット転位を低減するためにナノワイヤ層14としてGaInNを用いるとしてもよい。同様に、半導体発光素子10の波長を短波長化する場合には、ナノワイヤ層14としてAlGaNを用いることや、活性層15の井戸層およびバリア層を各々組成の異なるAlGaNに変更することも可能である。
活性層15は、ナノワイヤ層14よりも外周に成長された半導体層であり、例えば厚さ3~10nmのGaInN量子井戸層と厚さ5~20nmのGaN障壁層を5周期重ねた多重量子井戸活性層が挙げられる。ここでは多重量子井戸活性層を挙げたが、単一量子井戸構造であってもよく、バルク活性層であってもよい。活性層15がナノワイヤ層14の側面および上面に形成されているため、活性層15の面積を確保することができる。活性層に取り込まれるInの比率が高くなるほど、半導体発光素子10の発光波長は長波長化し、In組成比を0.10以上とすることで発光波長を480nm以上とすることができる。また、In組成比を0.12以上とすることで発光波長を500nm以上とすることができる。
また、活性層15はナノワイヤ層14の外周に形成されているため、ナノワイヤ層14の側面と同様に成長基板11の主面に対して傾斜して半極性面を有している。ここで、GaNにおける半極性面とは、c面からの傾きが0度より大きく90度より小さい範囲の面である。したがって活性層15には、GaNのc面から傾斜した半極性面に電圧が印加されるため、ドループ特性を改善することができる。また、活性層15で発光した光は、傾斜側面部14bに垂直な方向の成分が多く含まれており、成長基板11の斜め上方に向かって進行する割合が大きくなる。
p型層16は、活性層15よりも外周に成長された半導体層であり、例えばp型不純物がドープされたGaNから構成されている。図1に示したように、p型層16は活性層15の側面および上面を覆うように形成されている。これにより、ナノワイヤ層14と活性層15とp型層16でダブルヘテロ構造が構成され、良好にキャリアを活性層15に閉じ込めて発光再結合の確率を向上させることができる。図1ではp型層16を単層で構成した例を示しているが、活性層15の側面を覆う複数層の層構造であってもよい。また、p型層16は活性層15の外周に形成されているため、ナノワイヤ層14と活性層15の側面と同様に成長基板11の主面に対して傾斜している。
埋込層17は、上述した複数の柱状半導体層の側面および上面を埋める層である。埋込層17を構成する材料としては、GaN等の半導体材料やITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極が挙げられる。埋込層17には、表面の一部にアノード電極18pが形成されている。図1では埋込層17を単層で構成した例を示しているが、下地層12の表面から柱状半導体層の上面まで埋込むものであれば複数層の積層構造であってもよい。また、埋込層17を半導体材料で構成する場合には、p型半導体層やn型半導体層を用いて、トンネル接合層やコンタクト層、電流拡散層等の機能を含めるとしてもよい。
メサ溝は、埋込層17から下地層12までの各半導体層を貫通して形成された溝であり、半導体発光素子10の発光領域を区分してメサ構造を構成する。メサ溝には、さらに素子分離溝が形成されて半導体発光素子10が個別に分離されている。
カソード電極18nは、メサ溝内において下地層12が露出された領域に形成された電極であり、露出された半導体層とオーミック接触する金属材料とパッド電極の積層構造で構成されている。アノード電極18pは、埋込層17上の一部に形成された電極であり、埋込層17の最表面とオーミック接触する金属材料とパッド電極の積層構造で構成されている。また、図1では図示を省略したが、必要に応じて半導体発光素子10の表面をパッシベーション膜で覆うなど公知の構造を適用してもよい。また、埋込層17全体にアノード電極18pを延伸した透明電極を形成するとしてもよい。
図2は、半導体発光素子10の製造方法を示す模式図であり、図2(a)はマスク形成工程、図2(b)はナノワイヤ層成長工程のうちのナノワイヤコア成長工程、図2(c)はナノワイヤ層成長工程のうちの傾斜側面部成長工程、図2(d)は活性層15およびp型層16の成長工程を示している。ナノワイヤコア成長工程と傾斜側面部成長工程は、2段階の成長条件で傾斜側面部14bを有するナノワイヤ層14を形成するものであり、本発明におけるナノワイヤ層成長工程に相当している。図3は、半導体発光素子10の製造方法を示す模式図であり、図3(e)は埋込層形成工程、図3(f)はメサ形成工程、図3(g)は電極形成工程を示している。
まず図2(a)に示すようにn型GaNからなる下地層12が形成された成長基板11を用意する。マスク形成工程では、下地層12上にスパッタ法でSiOからなるマスク13を厚さ30nm程度堆積させ、直径150nm程度の開口部13aを形成する。開口部13aの形成には、ナノインプリンティングリソグラフィーのような微細パターン形成方法を用いることができる。成長基板11としてサファイア等の異種基板を用いる場合には、サファイア基板上にバッファ層、下地層12およびn型半導体層を形成して、n型半導体層の表面を成長基板11の表面に用いるとしてもよい。バッファ層の成長条件としては、例えば原料ガスとしてTMA(TriMethylAlminium)、TMG(TriMethylGallium)およびアンモニアを用い、成長温度が1100℃、V/III比が1000、水素をキャリアガスとして圧力10hPaである。下地層およびn型半導体層の成長条件としては、例えば成長温度が1050℃、V/III比が1000、水素をキャリアガスとして圧力500hPaである。
次に図2(b)に示すナノワイヤコア成長工程では、MOCVD法による選択成長により、開口部13aから露出した下地層12上にGaNからなるナノワイヤコア14aを成長させる。ナノワイヤコア14aの成長条件としては、例えば原料ガスとしてTMGおよびアンモニアを用い、成長温度が1100℃、V/III比が20、水素をキャリアガスとして圧力100hPaである。この成長条件では、ナノワイヤコア14aは成長基板11に垂直なm面をファセットとした六角柱形状に成長される。
次に図2(c)に示す傾斜側面部成長工程では、ナノワイヤコア14aの側面および上面において結晶成長を継続して、成長基板11の主面に対して傾斜した側面を有する傾斜側面部14bを成長させる。傾斜側面部14bの成長条件としては、ナノワイヤコア14aの成長条件よりも原料のV/III比を低下させるか、成長温度を低下させることが挙げられる。一例としては、V/III比を1000~5000の範囲とし、成長温度を900~950℃の範囲とすることが挙げられる。
傾斜側面部成長工程をこれらの成長条件で実施することにより、ナノワイヤコア14aの周囲に形成される傾斜側面部14bは、半極性面をファセットとした側面を有して、断面が台形状となる。ナノワイヤコア14aは六角柱形状であるため、ナノワイヤコア14aと傾斜側面部14bを含めたナノワイヤ層14は、六角錐形状に形成される。ここで、半極性面のファセットとしては、例えば[10-11][10-12][10-13][20-21][30-31]で表される高次の面指数のものが挙げられ、それぞれc面に対する傾斜角度は62度、43度、32度、75度、80度となる。
次に図2(d)に示す活性層15およびp型層16の成長工程では、MOCVD法を用いてナノワイヤ層14の側面および上面に、活性層15およびp型層16を成長させる。活性層15としては、例えば厚さ3~10nmのGaInN量子井戸層と厚さ5~20nmのGaN障壁層を5周期重ねた多重量子井戸構造が挙げられる。また、p型層16としては、正孔濃度が1018~1019atoms/cm-3程度のp-GaN層が挙げられる。図2(b)ナノワイヤコア成長工程と、図2(c)の傾斜側面部成長工程と、図2(d)の活性層15およびp型層16の成長工程は、本発明における柱状半導体層成長工程に相当している。
活性層15の成長条件としては、例えば成長温度が800℃、V/III比が3000、窒素をキャリアガスとして圧力1000hPaで、原料ガスとしてTMG、TMI(TriMethylIndium)およびアンモニアを用いる。p型層16としては、例えばp型不純物をドープしたGaNからなるp型GaNが挙げられる。p型層16の成長条件としては、例えば成長温度が950℃、V/III比が4000、水素をキャリアガスとして圧力300hPaであり、原料ガスとしてTMG、CpMg(bisCycropentadienylMagnesium)およびアンモニアを用いる。
次に図3(e)に示す埋込層形成工程では、複数の柱状半導体層同士の側面と上面を覆うように埋込層17を形成する。埋込層17をp型の半導体層で構成する場合には、埋込層17の成長条件として、例えば成長温度が950℃、V/III比が1000、水素をキャリアガスとして圧力300hPaであり、原料ガスとしてTMG、CpMgおよびアンモニアを用いることができる。埋込層17をITO等の透明電極で形成する場合には、スパッタ法等の公知の方法を用いることができる。
上述したように埋込層17は、柱状半導体層の間に設けられたマスク13上に成長させる必要があり、埋込層17を成長する際に柱状半導体層の下部において空隙が生じる可能性がある。したがって、埋込層17の成長では、原料ガスとしてTMG、シランおよびアンモニアを用い、初期段階では横方向成長であるm面の成長を促進する低温かつ低V/III比で成長することが好ましい。低温かつ低V/III比の一例としては、800℃以下で100以下のV/III比、水素をキャリアガスとして圧力200hPaが挙げられる。埋込層17の横方向成長によって柱状半導体層の下部でマスク13上が隙間なく埋められた後には、縦方向成長であるc面の成長を促進する高温かつ高V/III比で成長することが好ましい。高温かつ高V/III比の一例としては、1000℃以上で2000以上のV/III比、水素をキャリアガスとして圧力500hPaが挙げられる。
次に図3(f)に示すメサ形成工程では、選択的にドライエッチングにより埋込層17から下地層12までを部分的に除去し、下地層12の上面を露出させてメサ溝を形成する。メサ溝を形成することでメサ溝に囲まれた領域が半導体発光素子10の発光領域として区画される。
次に図3(g)に示す電極形成工程では、メサ溝内に露出された下地層12の表面にカソード電極18nを形成し、埋込層17上にアノード電極18pを形成する。また、必要に応じて電極形成後のアニールやパッシベーション膜の形成、素子分割を実施して半導体発光素子10を得る。
本実施形態の半導体発光素子10では、カソード電極18nとアノード電極18pの間に電圧を印加すると、埋込層17、p型層16、活性層15、ナノワイヤ層14、下地層12の順に電流が流れ、活性層15で発光再結合により光が生じる。活性層15からの発光は、傾斜側面部14bと活性層15が成長基板11に対して傾斜しているため、成長基板11の斜め上方に進行し、主面方向への光取り出し量が向上する。
また、ナノワイヤ層14の傾斜側面部14bは半極性面となっているため、その外周に形成された活性層15とp型層16も互いに半極性面で接触している。半極性面は分極がc面よりも小さいため活性層15での発光効率も高く、しかも六角柱の側面全てが半極性面であることから半導体発光素子10の発光効率を向上させることができる。さらに、活性層の膜厚を厚くすることができるため、活性層15の体積を従来の半導体発光素子よりも3~10倍程度まで増加させることができ、注入キャリア密度を低減して効率ドループを大幅に低減できる。
上述したように本実施形態の半導体発光素子10および半導体発光素子10の製造方法では、活性層15の側面が成長基板11の主面に対して傾斜しているため、活性層15で発光した光は成長基板11の斜め上方に向けて取り出され、主面方向への光取り出し量を増加させることが可能となる。また、活性層15で発光した光が斜め上方に進行することで、他のナノワイヤ層14によって吸収される光を低減して、外部量子効率を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。第1実施形態では、ナノワイヤコア成長工程と傾斜側面部成長工程を別条件とした二段階成長でナノワイヤ層14を形成したが、本実施形態では、傾斜側面部14bを有するナノワイヤ層14を一括して形成する。
本実施形態では、図2(a)に示したマスク形成工程の後に、同一条件のナノワイヤ層成長工程でナノワイヤコア14aおよび傾斜側面部14bを継続して形成する。ナノワイヤ成長工程の成長条件としては、ナノワイヤコア成長工程でm面ファセットの側面が形成される成長条件よりも原料のV/III比が低いか、成長温度が低い条件となる。
一例としては、m面ファセットが形成される成長条件は、原料ガスとしてTMGおよびアンモニアを用い、成長温度が1100℃、V/III比が20、水素をキャリアガスとして圧力100hPaである。よって、ナノワイヤコア14aおよび傾斜側面部14bを一回の成長条件で成長する場合には、V/III比を100として成長温度を1100℃とすること、V/III比を20として成長温度を1000℃とすること、V/III比を100として成長温度を1000℃とすること等が挙げられる。このような成長条件を用いることで、図2(a)に示したマスク形成工程の後に、開口部13aから上方への成長とマスク13を覆う領域への横方向成長とを同時に平行して実施して、一回の成長条件でナノワイヤコア14aと傾斜側面部14bを形成することができる。
また、本実施形態で形成したナノワイヤ層14の側面も、第1実施形態と同様に半極性面を有しており、活性層15およびp型層16も成長基板11の主面に対して傾斜して形成される。よって、活性層15での分極を抑制して発光効率を向上させることと、斜め上方への光取り出し量の向上を図ることが可能となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の
変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて
得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10…半導体発光素子
11…成長基板
12…下地層
13…マスク
13a…開口部
14…ナノワイヤ層
14a…ナノワイヤコア
14b…傾斜側面部
15…活性層
16…p型層
17…埋込層
18n…カソード電極
18p…アノード電極

Claims (8)

  1. 成長基板と、
    前記成長基板上に形成された複数の柱状半導体層と、
    前記柱状半導体層を覆って形成された埋込層とを備え、
    前記柱状半導体層は、ナノワイヤ層と、前記ナノワイヤ層の外周に形成された活性層と、前記活性層の外周に形成されたp型層を備え、
    前記活性層の側面は、前記成長基板の主面に対して傾斜して形成されていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子であって、
    前記ナノワイヤ層は、前記主面に対して傾斜した側面である傾斜側面部を有していることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 請求項2に記載の半導体発光素子であって、
    前記成長基板上にマスクが形成されており、前記ナノワイヤ層は前記マスクに設けられた開口部から選択的に成長されており、かつ前記傾斜側面部は前記マスクを部分的に覆う領域に形成されていることを特徴とする半導体発光素子。
  4. 請求項1から3の何れか一つに記載の半導体発光素子であって、
    前記ナノワイヤ層、前記活性層および前記p型層は、窒化物半導体で構成されていることを特徴とする半導体発光素子。
  5. 成長基板上に複数の柱状半導体層を形成する柱状半導体成長工程と、
    前記柱状半導体層を覆って埋込層を形成する埋込層形成工程とを有し、
    前記柱状半導体層成長工程は、前記成長基板の主面に対して傾斜した側面である傾斜側面部を有するナノワイヤ層を形成するナノワイヤ層成長工程と、前記傾斜側面部の外周に活性層を形成する活性層成長工程と、前記活性層の外周にp型層を形成するp型層成長工程とを備えることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  6. 請求項5に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記ナノワイヤ層成長工程は、前記成長基板の主面に対して垂直な側面を有するナノワイヤコアを形成するナノワイヤコア成長工程と、前記ナノワイヤコアの外周に傾斜側面部を形成する傾斜側面部成長工程とを備えることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  7. 請求項6に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記傾斜側面部成長工程では、前記ナノワイヤコア成長工程よりも原料のV/III比を低下させることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  8. 請求項6または7に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記傾斜側面部成長工程では、前記ナノワイヤコア成長工程よりも成長温度を低下させることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。

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