JP2023007700A - 炭化ケイ素半導体装置 - Google Patents

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慶亮 小林
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Takeru SUTO
くみこ 小西
Kumiko Konishi
明生 島
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Abstract

【課題】SiCエピタキシャル基板の上面に形成されたトレンチの側面をチャネル領域として有するSiCパワーMISFETにおいて、抵抗が低く高性能かつ高信頼性の炭化ケイ素半導体装置を実現する。【解決手段】トレンチ9の側面に、ソース領域6と同じ導電型の半導体領域である蓄積層形成領域7を形成する。ここで、オフ時にボディ層5から延びる空乏層がトレンチ9の側面に接する領域と、当該空乏層がトレンチ9の側面から離間している領域との境界を第1点とし、ボディ層5と蓄積層形成領域7との境界面のうち、第1点から最も近い点を第2点としたとき、ボディ層5の一部は、第2点よりも下に位置する。【選択図】図3

Description

本発明は、パワー半導体装置である炭化ケイ素半導体装置であって、特にトレンチ構造を有するものに関する。
半導体パワー素子には高耐圧のほか、低オン抵抗、低スイッチング損失が要求されるが、現在の主流であるケイ素(Si)パワー素子は理論的な性能限界に近づいている。炭化ケイ素(SiC)はSiと比較して絶縁破壊電界強度が約1桁大きいため、耐圧を保持するドリフト層を約1/10に薄く、不純物濃度を約100倍高くすることで、素子抵抗を理論上3桁以上低減できる。また、Siに対してバンドギャップが約3倍大きいことから高温動作も可能であり、SiC半導体素子は、Si半導体素子を超える性能が期待され、SiCパワーデバイスの開発が進められている。
特許文献1(特開2015-72999号公報)には、炭化ケイ素から成るn型の基板と、基板上のn型のドリフト層と、ドリフト層の上にストライプ状の複数形成されたトレンチと、トレンチ内に絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、ドリフト層上に形成され、ドリフト層よりも不純物濃度が高いn型の電流分散層とを有する半導体装置が記載されている。当該ゲート電極は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を構成しており、トレンチの底部はp型のボトム層により覆われている。
特開2015-72999号公報
トレンチを有する構造は、チャネルの面積を増やし、オン抵抗の減少が期待される。しかし一般的に、オン抵抗と耐圧はトレードオフの関係があり、特にJFET領域を有する場合、JFET幅を狭くすると耐圧があがる一方で、抵抗も高くなる。このためJFET領域の設計は非常に重要である。さらに、SiCはSiに比べてバンドギャップが広く、高い絶縁破壊強度を有するが、その分絶縁膜にかかる電界も大きくなるため、絶縁膜の電界を緩和する技術は大変重要である。絶縁膜における電界が強いと、ゲート絶縁膜においてリーク電流が生じ、ゲート絶縁膜寿命の低下またはゲート絶縁膜の絶縁破壊などのデバイス動作不良に繋がる。したがって、ゲート絶縁膜形成プロセスの工夫などでゲート絶縁膜の耐圧を向上する技術、および、ゲート絶縁膜に掛かる電界を緩和する設計技術がある。例えば、トレンチの底部をp型の層で覆う事が有効であり、特許文献1で示される構造がある。
特許文献1に記載の電流分散層は、p型層から伸びた空乏層によって、各p型層の間における電流経路が狭まり、オン抵抗を上昇させるという問題を回避するために形成されている。ここでは、トレンチ底部のp型層の電位が浮いており、サージによるゲート絶縁膜破壊を防ぐため、トレンチとトレンチとの間に他のp型層を形成している。このp型層の存在は半導体装置のセルピッチを大きくし、さらに空乏層が形成されるため、オン抵抗が増加する問題がある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態である炭化ケイ素半導体装置は、トレンチ内に埋め込まれたゲート電極を備えた縦型MISFETにおいて、ソース領域の下端より下のトレンチの側面に、ソース領域と同じ導電型の半導体領域である蓄積層形成領域を形成するものである。ここで、オフ時にボディ層から延びる空乏層がトレンチの側面に接する領域と、当該空乏層がトレンチの側面から離間している領域との境界を第1点とし、蓄積層形成領域とボディ層との境界面のうち、第1点から最も近い点を第2点としたとき、ボディ層の一部は、第2点よりも下に位置する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明によれば、炭化ケイ素半導体装置の性能を向上させることができる。
本発明の実施の形態1である炭化ケイ素半導体装置を示す平面図である。 図1のA-A線における断面図である。 本発明の実施の形態1である炭化ケイ素半導体装置を示す拡大断面図である。 本発明の実施の形態1である炭化ケイ素半導体装置を示す拡大断面図である。 本発明の実施の形態1である炭化ケイ素半導体装置の半導体領域の形状を説明する概念的断面図である。 蓄積層形成領域の濃度とオン抵抗および耐圧との関係を示すグラフである。 耐圧とオン抵抗の関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態1の変形例である炭化ケイ素半導体装置を示す拡大断面図である。 本発明の実施の形態2である炭化ケイ素半導体装置を示す平面図である。 本発明の実施の形態2である炭化ケイ素半導体装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3である炭化ケイ素半導体装置を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。また、実施の形態を説明する図面においては、構成を分かり易くするために、平面図または斜視図などであってもハッチングを付す場合がある。さらに、実施の形態を説明する図面においては、構成を分かり易くするために、断面図においてハッチングを省略する場合がある。
また、「」および「」は、導電型がn型またはp型の相対的な不純物濃度を表記した符号であり、例えば「n--」、「n」、「n」、「n」、「n++」の順にn型不純物の濃度は高くなる。
(実施の形態1)
以下、トレンチ(溝、凹部)内の側面をチャネル領域として有するSiCパワーMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor、MIS型電界効果トランジスタ)、つまりトレンチ型MOSFETを例とし、炭化ケイ素半導体装置について図面を用いて説明する。
<炭化ケイ素半導体装置の構造>
本実施の形態1による炭化ケイ素半導体装置の構造について図1~図5を用いて説明する。図1において、半導体基板上の構造としてソース電極の一部である延在部分を示しているが、半導体基板上の他の構造である絶縁膜およびゲート電極の一部の図示を省略している。
図1に示すように、本実施の形態の炭化ケイ素半導体装置を構成するセルアレイは、所定の平面レイアウトを有するユニットセルを行列状に複数並べた構成を有している。図1では、1つのユニットセルを一点鎖線で囲んでいる。図1に示すX方向およびY方向は、半導体基板の上面(主面)に沿う方向である。X方向およびY方向は、平面視で互いに直交する関係にある。炭化ケイ素半導体装置は、半導体基板上に形成され、X方向に延在するソース電極1を有している。図1において、X方向に延在するソース電極1がY方向に複数並んで配置されているが、それらのソース電極1は、ストライプ状に並ぶ複数のソース電極1の上においてセルアレイを覆うソース電極1(図示しない)を介して一体化しており、互いに電気的に接続されている。ソース電極1は、半導体基板の上面に形成されたp++型半導体領域である電位固定領域14に電気的に接続されている。以下の説明で「ソース電極」という場合、特に説明する場合を除き、ソース電極1は平面視でストライプ状に形成された部分(ソースプラグ)を指し、ストライプ状の複数のソース電極1の上のソース電極1を含まない。
1つのユニットセルは、半導体基板の上面に形成されたn++型半導体領域であるソース領域6と、ソース領域6の周囲を囲む電位固定領域14と、平面視でソース領域6と電位固定領域14とに接して半導体基板の上面に形成されたトレンチ9とを有している。トレンチ9は、ソース領域6に接して、Y方向およびX方向に複数並んで形成されている。各トレンチ9のそれぞれの内側には、ゲート絶縁膜8を介してゲート電極2が埋め込まれている。本願では、トレンチ9内のゲート電極2をトレンチゲート電極と呼ぶ場合がある。ソース電極1は、ソース領域6およびソース領域6の周囲を囲む電位固定領域14に跨がるように延在している。つまり、延在するソース電極1の直下にはソース領域6および電位固定領域14が形成されている。
トレンチ9と電位固定領域14とが離間している場合、平面視においてトレンチ9の周囲は全てソース領域6により囲まれている。図1に示す構造では、1つのユニットセルは平面視でX方向における両方の端部を有している。
1つのユニットセルは、1つのソース領域6と、そのソース領域6に隣接する8つのトレンチ9とを含むものである。すなわち、1つのユニットセルは、Y方向に並ぶ4つのトレンチ9と、X方向においてそれらに並んでY方向に並ぶ4つのトレンチ9とを有している。1つのユニットセル内でY方向において隣り合うトレンチ9同士の間に、X方向に延在するソース電極1が配置されている。ここでは、上記のように8つのトレンチ9が並ぶ例について説明したが、ユニットセル内に形成するトレンチ9の数および並び方は、これに限定されない。平面視において、このようなユニットセルはY方向に複数並んでおり、X方向において反転しながら並んでいる。つまり、X方向で隣り合うユニットセルは、互いの境界線を軸として線対称の平面レイアウトを有している。言い換えれば、X方向で隣り合うユニットセルのそれぞれの構造は、平面視において線対称の関係にある。
トレンチ9はここではX方向に延在しているが、必ずしもX方向に延在していなくともよい。ただし、トレンチ9をX方向に延在させることで、容易にSiCパワーMISFETのチャネル幅を広げることができる。本実施の形態では、島状のトレンチゲート電極をY方向において互いに離間させて配置しているため、トレンチ9をX方向に延在させることで容易にチャネル幅を増大させ、SiCパワーMISFETのオン抵抗を低減することができる。
図2に示すように、本実施の形態の炭化ケイ素半導体装置は、n型の炭化ケイ素(SiC)エピタキシャル基板(以下、SiCエピタキシャル基板または半導体基板と呼ぶ)を有している。SiCエピタキシャル基板(半導体基板)は、炭化ケイ素を含むn型の炭化ケイ素基板と、炭化ケイ素基板上にエピタキシャル成長法により形成されたn型のエピタキシャル層(半導体層)とにより構成される積層基板である。エピタキシャル層は、SiCを含む半導体層である。なお、炭化ケイ素基板と半導体基板のそれぞれの上面は、互いに平行である。図2では、エピタキシャル層を主に構成するn型半導体領域であるドリフト層4を示し、ドリフト層4の下に、n型半導体領域の炭化ケイ素基板により構成されるドレイン領域12を示している。つまり、図2において、ドレイン領域12として示されている部分は炭化ケイ素基板である。
すなわち、半導体基板内にはドレイン領域12が形成されており、半導体基板内において、ドレイン領域12上にはドレイン領域12に接してドリフト層4が形成されている。ドレイン領域12のn型不純物濃度は、ドリフト層4のn型不純物濃度より高い。エピタキシャル層内には、ドリフト層4、ボディ層5、ソース領域6、蓄積層形成領域7、ドレイン領域12および電位固定領域14が形成されている。ドリフト層4、ソース領域6、蓄積層形成領域7およびドレイン領域12は、n型半導体領域である。
ドレイン領域12の下面、つまり半導体基板の下面には、ドレイン電極3が接して形成されている。すなわち、半導体基板の下面はドレイン電極3に覆われており、ドレイン電極3はドレイン領域12に電気的に接続されている。ドレイン電極3は、例えば金(Au)を含む積層導体膜から成る。半導体基板の上面(エピタキシャル層の上面)には、ソース領域6が形成されており、ソース領域6とドリフト層4との間には、ソース領域6の下面に接して、p型半導体領域であるボディ層5が形成されている。つまりボディ層5は、ソース領域6の下端からエピタキシャル層(ドリフト層4)の途中深さに亘って形成されている。ソース領域6は、ドリフト層4および下記の蓄積層形成領域7のいずれよりも高いn型不純物濃度を有しており、ソース電極1に電気的に接続されている。
ボディ層5の下面とドリフト層4の上面とは互いに接してる。ここでは、ボディ層5の下のエピタキシャル層内において、ボディ層5の下面からエピタキシャル層の下面に亘ってドリフト層4が形成されている。すなわち、ドリフト層4の下面はドレイン領域12、つまり炭化ケイ素基板に接している。
半導体基板の上面(エピタキシャル層の上面)から、ドリフト層4の途中深さに亘って、トレンチ9が形成されている。つまり、トレンチ9はボディ層5を貫通しており、ドリフト層4の上面に達している。ソース領域6の下において、トレンチ9側面は、p型半導体領域であるボディ層5に覆われている。トレンチ9は、エピタキシャル層の上面(半導体基板の上面)から、ソース領域6の下端よりも下のエピタキシャル層の途中深さに亘って形成されている。
トレンチ9内には、ゲート絶縁膜8を介してゲート電極2が完全に埋め込まれている。トレンチ9内のゲート電極2はソース領域6上に絶縁膜10およびゲート絶縁膜8を介して形成されている。トレンチ9と隣り合う半導体基板上には絶縁膜10が形成されており、ゲート絶縁膜8は、トレンチ9の内側の面、並びに、絶縁膜10の側面および上面を覆うように形成されている。ゲート電極2は、トレンチ9内および絶縁膜10の直上に亘って形成されている。半導体基板上において、絶縁膜10、ゲート絶縁膜8およびゲート電極2は、絶縁膜11に覆われている。ゲート電極2は、例えばポリシリコン膜から成り、ゲート絶縁膜8および絶縁膜11は、例えば酸化シリコン膜から成る。
半導体基板上の絶縁膜11を貫通する接続孔内および絶縁膜11上には、ソース電極1が形成されている。接続孔内を完全に埋め込んでいるソース電極1と、絶縁膜11上のソース電極1とは、互いに一体となっている。接続孔の底部において、ソース電極1は電位固定領域14に接続されている。ゲート絶縁膜8および絶縁膜11は、例えば酸化シリコン膜から成る。絶縁膜10は、トレンチ9をエッチング法により作成する際にハードマスクとして使用された膜であり、例えば窒化シリコン膜から成る。
電位固定領域14は、Y方向においてソース領域6と隣り合って半導体基板の上面に形成されている。つまり、電位固定領域14とソース領域6は、半導体基板の上面から所定の深さに亘って形成されている。電位固定領域14の下面はボディ層5の上面に接している。電位固定領域14は、ボディ層5よりも高いp型不純物濃度を有している。電位固定領域14の上面には、絶縁膜11の開口部(接続孔)に埋め込まれたソース電極1が接続されている。ボディ層5は、電位固定領域14を介してソース電極1に電気的に接続されているため、ソース電極1からボディ層5にソース電圧を印加することができる。ソース電極1は、絶縁膜11上、および、絶縁膜11の開口部内に形成されている。なお、図2に示していない箇所では、ゲート電極(トレンチゲート電極)2に電気的に接続されたゲートパッドも、ソース電極1と離間して絶縁膜11上に形成されている。
本実施の形態の主な特徴の1つとして、エピタキシャル層内には、トレンチ9の表面に沿ってn型半導体領域である蓄積層形成領域7が形成されている。蓄積層形成領域7は、ソース領域6から離間した位置において、トレンチ9の側面および底面に沿って連続的に形成されている。つまり、蓄積層形成領域7は、ソース領域6の下端よりも下に形成されている。ここでは、トレンチ9の側面は、半導体基板の上面に対してテーパーを有している。蓄積層形成領域7は、トレンチ9が形成された半導体基板の上面に対し、例えば垂直な方向からn型不純物を打ち込んで形成した半導体領域であるため、トレンチ9の側面に対して垂直な方向における蓄積層形成領域7の深さは、トレンチ9の上側よりも下側の方が大きい。つまり、蓄積層形成領域7の形成深さは、トレンチ9の上側から下側に向かって大きくなっている。蓄積層形成領域7は、例えば、トレンチ9の側面から20~300nmの幅を有する半導体領域である。蓄積層形成領域7のトレンチ9の側面からの幅は、トレンチ9のテーパー角度と蓄積層形成領域7の形成深さによるが、300nm以下であることが好ましい。
蓄積層形成領域7の下端は、ドリフト層4に達している。言い換えれば、蓄積層形成領域7の一部は、ドリフト層4内に形成されており、ドリフト層4と接している。このため、蓄積層形成領域7とドリフト層4とは電気的に接続されている。
次に、本実施の形態のSiCパワーMISFETの動作について説明する。SiCパワーMISFETは、少なくともドレイン領域12、ソース領域6、ボディ層5およびゲート電極2を有している。トレンチ9は、半導体基板の上面に沿って複数並んで形成されており、それらのトレンチ9のそれぞれの近傍のドレイン領域12、ソース領域6、ボディ層5およびゲート電極2が、SiCパワーMISFETを構成している。このSiCパワーMISFETでは、トレンチを密に複数並べることで、低いオン抵抗を実現している。
SiCパワーMISFETがオフ状態であるとき(以下、オフ時と呼ぶ場合がある)、ボディ層5から空乏層が延び、この空乏層はトレンチ9の側面に達する。図3では、オフ時にボディ層5から延びる空乏層の輪郭を破線で示している。SiCパワーMISFETがオフ状態であるときとは、例えば、ゲート電圧Vgが0Vのときである。なお、図3ではトレンチ9の片方の側面近傍の空乏層を示しているが、トレンチ9のもう一方の側面近傍の空乏層の図示は省略している。また、図3では、ゲート電極2および層間絶縁膜(絶縁膜11)の図示を省略している。
本実施の形態のように、トレンチ9の側面の大部分がn型半導体領域である蓄積層形成領域7に覆われていても、オフ時にはボディ層5から延びた空乏層がトレンチ9の側面まで届くため、耐圧は保持され、電流は流れない。このように空乏層がトレンチ9の側面に達するように、蓄積層形成領域7は浅く形成し、かつ、ソース領域6よりも低い不純物濃度で形成する必要がある。蓄積層形成領域7のn型不純物濃度は、例えば1018cm-3以下である。
一方、SiCパワーMISFETがオン状態であるとき(以下、オン時と呼ぶ場合がある)、トレンチ9と隣接するボディ層5内にはチャネルが形成される。具体的には、チャネルは主にトレンチ9の表面に形成される。これにより、電流はドレイン領域12から、ドリフト層4、蓄積層形成領域7およびボディ層5を順に介してソース領域6へ流れる。蓄積層形成領域7は、オン時においてキャリアである電子が蓄積されている領域である。このため、トレンチ9の側面に蓄積層形成領域7が形成されていない場合に比べ、オン時にエピタキシャル層内に電流が流れ込み易い。
上述したように、オフ時にボディ層5から延びる空乏層が蓄積層形成領域7を横切ってトレンチ9の側面に達するよう、蓄積層形成領域7は浅く形成され、かつ、低い不純物濃度で形成されている必要がある。そこで、蓄積層形成領域7の形状および空乏層の広がり方と関係について、図3~図5を用いて説明する。
図3に示すように、トレンチ9の側面におけるソース領域6とボディ層5との境界の点をCH1とする。また、オフ時にボディ層5から延びる空乏層がトレンチ9の側面に接する領域と、当該領域の下で当該空乏層がトレンチ9の側面から離れている領域との境界の点をCH2とする。言い換えれば、点CH2は、オフ時にボディ層5から延びる空乏層がトレンチ9の側面に接する領域の下端の点である。
ここで、ボディ層5とドリフト層4との境界面のうち、点CH2から最も近い点をJCとする。このとき、点CH2と点JCとを結ぶ直線上の距離である蓄積層形成領域7の幅は、点CH2を通る当該直線上の空乏層の幅と同じ、距離dである。点JCは、n型半導体領域である蓄積層形成領域7と、p型半導体領域であるボディ層5との接合面における点である。ここでは、ボディ層5の一部が、点JCよりも下にも形成されている。言い換えれば、ボディ層5とドリフト層4との境界は、点JCよりも下(ドレイン領域12側)に位置する。つまり、ボディ層5の最下面は、点JCよりも下に位置する。
蓄積層形成領域7の形成深さが過度に深い場合または蓄積層形成領域7の不純物濃度が高い場合、オフ時にボディ層5から延びる空乏層がトレンチ9の側面に達しないため、点CH2および点JCは存在しない。この場合、空乏層がトレンチ9の側面に達しないため、SiCパワーMISFETの耐圧を保つことができない。本実施の形態では、ボディ層5の一部が、点JCよりも下に形成されるように蓄積層形成領域7の深さおよび不純物濃度を設定することで、SiCパワーMISFETのオン抵抗の低減と、耐圧の保持とを両立できる。
さらに、図4に示すように、一点鎖線で示す面S1と、二点鎖線で示す面S2とを定義する。面S1は、チャネル形成領域に沿う面である。例えば、面S1は、点CH1および点CH2を通り、X方向に沿う面である。面S2は、点JCにおける、ボディ層5と蓄積層形成領域7との接合面に沿う面である。このとき、面S1と面S2とのなす角度をθ1とする。なお、図4では、面S1を示す一点鎖線を分かり易くするため、当該一点鎖線をトレンチ9の側面および点CH2よりも蓄積層形成領域7側にずらして示しているが、実際には、当該一点鎖線はトレンチ9の側面および点CH2と重なる。このことは、図5についても同様である。なお、図5は概念的断面図であり、ここでは図を分かり易くするため、ゲート電極およびゲート絶縁膜の図示を省略し、エピタキシャル層のハッチングを省略している。
図5に示すように、角度θ1が最も大きくなる場合を考えると、トレンチ9の形状はV字型となる。面S2の性質上、炭化ケイ素基板(または半導体基板)と面S2とのなす角度θ2は鈍角となることはなく、最大で90度である。よって、面S1と炭化ケイ素基板(または半導体基板)とのなす角度θ3が最も小さくなるときを考える。角度θ3が最も小さく角度θ2が最も大きいとき、面S1と面S2とのなす角度θ1は最大となる。ここでは、角度θ2は最大値である90度とする。
このとき、トレンチ9の深さZとトレンチ9の幅Xとの比は、深さZ:幅X=1:2である。なぜならば、トレンチ9の深さを縮小するとSiCパワーMISFETの耐圧が減少し、トレンチ9の幅を広くするとSiCパワーMISFETのオン抵抗が増大するためである。蓄積層形成領域7の側面のうち、トレンチ9側とは反対側の側面が半導体基板に対して垂直であるとき、角度θ1の最大値は、θ1=atan(1/(2×0.5))=45°となる。したがって、例えば角度θ1の値は45度以下である。角度θ1が大きいことは、トレンチ9の幅が大きいことを示す。つまり、角度θ1が大きいと、セルピッチが大きくなるため、半導体装置に内に並べることができるトレンチ9の数が少なくなり、その結果、オン抵抗が高くなる。
<半導体装置の製造方法>
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。以下で説明する極性はp型とn型とを反転してもよい。
まず、炭化ケイ素基板(ウェハ)、つまりSiCバルク基板を用意する。炭化ケイ素基板の上面の面方位はSi面、C面またはその他の面方位であり、当該上面のオフ角は4度である。炭化ケイ素基板は、昇華法を用いて作製した基板でも、溶液法を用いた基板でも、ガス成長法を用いた基板でも、既にエピタキシャル層を積んだ基板でもよい。後述するエピタキシャル成長工程の前に、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)を実施してもよい。炭化ケイ素基板のn型不純物濃度は、例えば1×1018cm-3~1×1021cm-3であり、ここでは例えば1×1018cm-3とする。炭化ケイ素基板結晶型は4H-SiCでも6Hでも3Cでもよい。ここでは、上面にオフ角の存在するウェハを用いる事が好ましいが、ジャスト基板を用いてもよい。
次に、炭化ケイ素基板上に、エピタキシャル成長工程により、エピタキシャル層を形成する。すなわち、SiHとCとをキャリアガスにHを用いて1500℃以上の温度で加熱してエピタキシャル成長を行う。これにより、炭化ケイ素基板上にエピタキシャル層を形成する。この時のエピタキシャル層の不純物濃度および膜厚は、作製するデバイスによって異なる。当該不純物濃度は、例えば1×1014cm-3~1×1018cm-3程度、当該膜厚は、例えば数μmから数十μmとする。また、エピタキシャル層を形成する前に、炭化ケイ素基板内に高濃度のバッファ層を形成してもよい。バッファ層の不純物濃度は1×1018cm-3程度である。このエピタキシャル層は、ドリフト層4とも呼ばれる。
次に、イオン注入領域を形成する工程について説明する。p型の注入イオンはAl(アルミニウム)またはB(ボロン)である。n型の注入イオンはN(窒素)またはP(リン)である。
ドリフト層4の上面からドリフト層4内の所定の深さに亘って、p型のボディ層、p++型の電位固定領域14、および、n++型のソース領域6をそれぞれイオン注入により形成する。ボディ層5はエピタキシャル成長法で形成してもよい。ソース領域6と電位固定領域14とは、SiCエピタキシャル基板であるウェハの上面(半導体基板の上面)に接している。
ボディ層5はソース領域6と接しており、ソース領域6よりも深く形成される。また、ボディ層5は電位固定領域14と電気的に接続されている。なお、本実施の形態ではSiCパワーMISFETが動作する最小限の構成について説明したが、例えばターミネーション領域などの機能を付加する構造を作製してもよい。
続いて、炭化ケイ素基板およびエピタキシャル層から成る半導体基板の周囲に、不純物活性化アニールのキャップ材である炭素膜を堆積させる。その後、不純物活性化アニールを、例えば1600~1800℃の温度で行う。その後、キャップ材の炭素層を酸素プラズマアッシングにより除去する。このアニールは、半導体基板の表面の荒れを防ぐ効果を奏する。この後、さらに清浄な表面を得る為に、半導体基板の表面を覆う熱酸化膜を形成した後、希釈フッ酸溶液を用いて当該熱酸化膜を除去してもよい。
次に、トレンチ9、蓄積層形成領域7およびゲート電極2を形成する工程について説明する。
ここでは、半導体基板の上面に、ソース領域6およびボディ層5を貫通し、ドリフト層内に底部が収まるようなトレンチ9を、絶縁膜10をハードマスクとして用いたエッチングにより形成する。この後、エッチングした表面の清浄化のための処理を行ってもよい。当該処理は、例えば、トレンチ9の表面を含む半導体基板の表面を覆う熱酸化膜を形成した後、当該熱酸化膜を希釈フッ酸溶液を用いて除去するものである。
次に、n型の蓄積層形成領域7を形成する。形成方法は、例えばイオン注入などがある。蓄積層形成領域7は、トレンチ9の側面から20~300nmの幅を有する半導体領域である。
次に、トレンチ9内部およびその周囲に不純物活性化アニールのキャップ材である炭素膜を堆積させる。この時の堆積膜の厚さは、例えば50~2000nmである。その後、不純物活性化アニールを、例えば1600~1800℃の温度で行う。その後、キャップ材の炭素層を酸素プラズマアッシングにより除去する。この後、さらに清浄な表面を得る為に、半導体基板の表面を覆う熱酸化膜を形成した後、希釈フッ酸溶液を用いて当該熱酸化膜を除去してもよい。
次に、半導体基板上にゲート絶縁膜8を形成する。ゲート絶縁膜8の厚さは、例えば10~100nm程度である。ゲート絶縁膜は、例えば堆積酸化絶縁膜から成る。続いて、厚さ100~300nm程度のn型多結晶シリコン膜から成るゲート電極2を形成する。その後、ゲート電極2を覆うように層間膜である絶縁膜11を形成する。
次に、ソース領域6および電位固定領域14とコンタクトを取るための接続孔を絶縁膜11に開口する。すなわち、絶縁膜11上に形成したレジストパターンをマスクとして用いて絶縁膜11をエッチングすることで、半導体基板の上面を露出する接続孔(開口部)を形成する。次に、半導体基板上にシリサイド用金属膜を堆積させ、例えば、700℃~1000℃のアニール処理によりシリサイド化を行い、これにより、接続孔の底面においてソース領域6および電位固定領域14のそれぞれの上面に亘って半導体基板の上面に接するシリサイド層(図示しない)を形成する。当該シリサイド層は、ソースベース共通コンタクトである。その後、ゲート電極2とコンタクトを取るための接続孔を絶縁膜11に開口する。すなわち、絶縁膜11上に形成したレジストパターンをマスクとして用いて絶縁膜11をエッチングすることで、ゲート電極2の上面を露出する接続孔(開口部)を形成する。
次に、絶縁膜11のソース領域6上の接続孔内を埋め込み、絶縁膜11の上面を覆うソース電極1を形成する。その後、半導体基板の下面側のドレイン領域12の下面もシリサイド化して、ドレインコンタクトを形成し、続いて、ドレイン電極3を形成する。シリサイド用金属膜、ソース電極1およびドレイン電極3には、例えばNi(ニッケル)またはAl(アルミニウム)などの材料を用いる。その後、デバイス保護の為に絶縁体から成る表面保護膜により、半導体基板の表面全体を覆う。その後、各電極への配線を行う工程を経て、本実施の形態の半導体装置が完成する。
<本実施の形態の効果>
本実施の形態の半導体装置では、SiCパワーMISFETがオン状態であるとき、トレンチ9と隣接する半導体基板内にチャネルが形成され、当該チャネルに電流が流れる。このとき、チャネル形成領域には蓄積層形成領域7が形成されており、蓄積層形成領域7はオン時にキャリアの蓄積層を形成するため、蓄積層形成領域7が形成されていない場合に比べ、オン時にエピタキシャル層内を電流が流れ易い。したがって、SiCパワーMISFETのオン抵抗を低減できる。
一方、SiCパワーMISFETがオフ状態であるとき、ボディ層5から延びた空乏層が蓄積層形成領域7を横切ってトレンチ9の側面に達するため、SiCパワーMISFETの耐圧を保持できる。また、トレンチ9の大部分はボディ層5内に形成されているため、トレンチ9内のゲート絶縁膜8における電界集中を緩和できる。また、ここでは、蓄積層形成領域7の上端がソース領域6に達していないため、蓄積層形成領域7の上端がソース領域6に達している場合に比べ、耐圧を高めることができる。
ここで、オン抵抗および耐圧の相互の関係について、図6および図7を用いて説明する。図6は、蓄積層形成領域の濃度とオン抵抗および耐圧との関係を示すグラフであり、横軸は蓄積層形成領域の不純物濃度を示し、縦軸はオン抵抗および耐圧のそれぞれの減少率を示している。図6に示すプロットのうち、丸いプロットはオン抵抗の値を示し、三角のプロットは耐圧の値を示す。図7は、耐圧とオン抵抗の関係を示すグラフであり、横軸は耐圧を示し、縦軸はオン抵抗を示している。
SiCパワーMISFETのオン抵抗は低い方が望ましく、耐圧は高い方が望ましいが、オン抵抗と耐圧とはトレードオフの関係にある。図6に示すように、蓄積層形成領域の不純物濃度が1018cm-3より大きくなると、オン抵抗の減少率は当該濃度が大きくなってもあまり変わらないが、一方で、耐圧の減少率は当該濃度が大きくなるにつれて大きくなる。したがって、図2に示す蓄積層形成領域7のn型不純物濃度は、1018cm-3以下であることが好ましい。
図7には、比較例のSiCパワーMISFETの耐圧とオン抵抗との関係(図7に×で示すプロット)と、本実施の形態のSiCパワーMISFETの耐圧とオン抵抗との関係(図7に四角で示すプロット)とをグラフで示している。比較例のSiCパワーMISFETは、図2に示す構造と異なり、蓄積層形成領域を有さず、トレンチの底部がドリフト層まで達しているものである。
図7に示すように、基本的に、耐圧が上がる場合にはオン抵抗も上がる。ここで、比較例のSiCパワーMISFETにおいてオン抵抗を下げようとすると、耐圧を大きく低下させる必要がある。これに対し本実施の形態のSiCパワーMISFETでは、耐圧が1に近いときには、耐圧を殆ど変えずに、オン抵抗を20%程度低減することができる。このように、本実施の形態の炭化ケイ素半導体装置によれば、オン抵抗の低減と耐圧の確保を両立することができる。
<変形例>
以下に、図8を用いて、本実施の形態の変形例について説明する。本変形例の構造は、トレンチ9の底面がドリフト層4に達していない点で、図1~図5を用いて説明した構造とは異なる。
すなわち、ここでは、半導体基板の上面(エピタキシャル層の上面)から、ボディ層5の途中深さに亘って、トレンチ9が形成されている。つまり、トレンチ9はボディ層5を貫通しておらず、ドリフト層4の上面に達していない。言い換えれば、トレンチ9の底面(最下面)とドリフト層4の上面(最上面)とは、半導体基板の上面に対して垂直な方向において互いに離間している。すなわち、トレンチ9の最下面の位置は、ドリフト層4の最上面の位置よりも高い。このため、ソース領域6の下において、トレンチ9側面および底面は、p型半導体領域であるボディ層5に覆われている。また、トレンチ9側面と底面との境界部分である角部も、ボディ層5に覆われている。
トレンチ9の側面を覆う蓄積層形成領域7は、ドリフト層4に接している。つまり、蓄積層形成領域7とドリフト層4とは、電気的に接続されている。蓄積層形成領域7とドリフト層4との間の領域には、JFET(Junction Field Effect Transistor)領域13が形成される。オン時には、電流はドリフト層4から、蓄積層形成領域7内のJFET領域13、および、蓄積層形成領域7の蓄積層を順に通り、ボディ層5の反転層を通って、ソース領域6に流れる。
本変形例では、SiCパワーMISFETのオン時には蓄積層形成領域7を電流が通るため、SiCパワーMISFETのオン抵抗を低減できる。一方、SiCパワーMISFETのオフ時には、ボディ層5から延びた空乏層が蓄積層形成領域7を横切ってトレンチ9の側面に達するため、SiCパワーMISFETの耐圧を保持できる。
また、ここではJFET領域13の幅を非常に狭くすることが可能なので、耐圧が上がる。また、トレンチ9の角部がボディ層5中にあるため、当該角部における電界集中が緩和される。ドリフト層4中の蓄積層形成領域7の長さWは、例えば0~500nmであり、耐圧を高める観点では、長さWは小さい方がゲート絶縁膜8の下に空乏層が延び耐圧が上がるので好ましい。
(実施の形態2)
本実施の形態2による炭化ケイ素半導体装置の構造について図9および図10を用いて説明する。図9において、半導体基板上の構造としてソース電極の一部である延在部分を示しているが、半導体基板上の構造である絶縁膜およびゲート電極の一部の図示を省略している。図10では図を分かり易くするため、絶縁膜(ゲート絶縁膜および層間絶縁膜)とゲート電極との図示を一部省略している。
図9に示すように、本実施の形態の炭化ケイ素半導体装置を構成するセルアレイは、所定の平面レイアウトを有するユニットセルを行列状に複数並べた構成を有している。図9では、1つのユニットセルを一点鎖線で囲んでいる。炭化ケイ素半導体装置は、半導体基板上に形成され、Y方向に延在するソース電極1を有している。図9において、Y方向に延在するソース電極1がX方向に複数並んで配置されているが、それらのソース電極1は、ストライプ状に並ぶ複数のソース電極1の上においてセルアレイを覆うソース電極1(図示しない)を介して一体化しており、互いに電気的に接続されている。ソース電極1は、半導体基板の上面に形成されたp++型半導体領域である電位固定領域14に電気的に接続されている。以下の説明で「ソース電極」という場合、特に説明する場合を除き、ソース電極1は平面視でストライプ状に形成された部分(ソースプラグ)を指し、ストライプ状の複数のソース電極1の上のソース電極1を含まない。
1つのユニットセルは、半導体基板の上面に形成されたn++型半導体領域であるソース領域6と、ソース領域6の周囲を囲む電位固定領域14と、平面視でソース領域6と電位固定領域14とに接して半導体基板の上面に形成されたトレンチ9とを有している。トレンチ9は、Y方向に延在するソース領域6と電位固定領域14との境界部において、Y方向に複数並んで形成されている。図9では、複数のトレンチ9がY方向に並ぶ領域を破線で囲んでいる。この破線で囲んだ領域は、複数のトレンチ9がストライプ状に並ぶトレンチ形成領域である。各トレンチ9のそれぞれの内側には、ゲート絶縁膜8を介してゲート電極2が埋め込まれている。ソース電極1は、ソース領域6およびソース領域6の周囲を囲む電位固定領域14に跨がるように延在している。つまり、延在するソース電極1の直下にはソース領域6および電位固定領域14が形成されている。
1つのユニットセルは、Y方向において並ぶ領域1Aと領域1Bとを備えている。領域1Bは、ユニットセル内のY方向の端部に形成されている。領域1AはMISFETとして動作する素子が形成された部分であり、領域1Bは素子を構成するp型半導体領域にソース電圧を印加するため、p型半導体領域とソース電極1とを電気的に接続する領域である。ここでは、領域1Aにのみソース領域6およびトレンチ9が形成されており、領域1Bにおいてソース電極1がp++型半導体領域である電位固定領域14に電気的に接続されている。
トレンチ9と電位固定領域14とが離間している場合、平面視においてトレンチ9の周囲は全てソース領域6により囲まれており、例えば、X方向において隣り合うユニットセル同士のソース領域6は互いに接続されている。
図9に示す構造では、1つのユニットセルは平面視でX方向における両方の端部を有し、ソース電極1はそれらの端部のうち一方に位置し、それらの端部のうち他方のエピタキシャル層の上面には、電位固定領域14が形成されている。つまり、平面視において、ユニットセルのX方向の両側の端部のうち、ソース電極1が形成されている端部の反対側の端部は、ソース領域6と離間している。このため、X方向において、第1のユニットセルと一方の側で隣り合う第2のユニットセルとの間では、ソース領域6同士は接続されており、第1のユニットセルと他方の側で隣り合う第3のユニットセルとの間では、ソース領域6同士は互いに離間している。
1つのユニットセルは、X方向において隣り合う2つのソース電極1のうち、1つのソース電極1の中心から、それらのソース電極1同士の中間までの範囲を占めている。また、1つのユニットセルは、Y方向において交互に並ぶソース領域6および電位固定領域14のうち、互いに隣り合う1つのソース領域6と1つの電位固定領域14とから成る範囲を占めている。平面視において、このようなユニットセルはY方向に複数並んでおり、X方向において反転しながら並んでいる。つまり、X方向で隣り合うユニットセルは、互いの境界線を軸として線対称の平面レイアウトを有している。言い換えれば、X方向で隣り合うユニットセルのそれぞれの構造は、平面視において線対称の関係にある。
トレンチ9はここではX方向に延在しているが、必ずしもX方向に延在していなくともよい。ただし、トレンチ9をX方向に延在させることで、容易にSiCパワーMISFETのチャネル幅を広げることができる。このようなチャネル幅の増大は、トレンチゲート電極がソース電極1と同様にY方向に延在するトレンチ型MOSFETでは実現が困難である。これに対し、本実施の形態では、島状のトレンチゲート電極をY方向において互いに離間させて配置しているため、トレンチ9をX方向に延在させることで容易にチャネル幅を増大させ、SiCパワーMISFETのオン抵抗を低減することができる。
図10に示すように、本実施の形態の炭化ケイ素半導体装置は、n型の炭化ケイ素(SiC)エピタキシャル基板(半導体基板)を有している。半導体基板内にはドレイン領域12が形成されており、半導体基板内において、ドレイン領域12上にはドレイン領域12に接してドリフト層4が形成されている。ドレイン領域12のn型不純物濃度は、ドリフト層4のn型不純物濃度より高い。エピタキシャル層内には、ドリフト層4、ボディ層5、ソース領域6、蓄積層形成領域7、電流拡散領域17、ガード領域18、ドレイン領域12、JFET領域13および電位固定領域14が形成されている。
ドレイン領域12の下面、つまり半導体基板の下面には、ドレイン電極3が接して形成されている。半導体基板の上面(エピタキシャル層の上面)には、ソース領域6が形成されており、ソース領域6とドリフト層4との間には、ソース領域6の下面に接して、p型半導体領域であるボディ層5が形成されている。ソース領域6は、下記の電流拡散領域17よりも高いn型不純物濃度を有しており、ソース電極1に電気的に接続されている。
ボディ層5の下には、ボディ層5の下面に接して、n型半導体領域である電流拡散領域17が形成されている。また、電流拡散領域17とX方向で隣り合う領域であって、Y方向に延在するソース電極1の下には、ドリフト層4が形成されている。ここでは、ボディ層5の下のエピタキシャル層内において、ボディ層5の下面からエピタキシャル層の下面に亘ってドリフト層4が形成されている。すなわち、ドリフト層4の下面はドレイン領域12、つまり炭化ケイ素基板に接している。ユニットセル内では、平面視において、電流拡散領域17はトレンチ9を囲むように形成されている。
電流拡散領域17は、ドリフト層4内に流れる電流をX方向に拡散させ、広い領域に電流を流すための低抵抗な領域である。つまり、電流拡散領域17を形成することで、電流が局所的に流れることを防ぐことができる。電流拡散領域17は、図9に示す領域1Aに形成されており、領域1Bには形成されていない。つまり、領域1Bは、平面視でソース領域6および電流拡散領域17と離間している。言い換えれば、領域1Bは、ソース領域6および電流拡散領域17と平面視で重なっていない。
電流拡散領域17の下には、電流拡散領域17の下面に接して、p型半導体領域であるガード領域18が形成されている。半導体基板の上面(エピタキシャル層の上面)、つまりソース領域6のボディ層5の上面から、ガード領域18の途中深さに亘って、トレンチ9が形成されている。つまり、トレンチ9はボディ層5を貫通しており、ガード領域18の下面(下端)に達していない。言い換えれば、トレンチ9の底面と、ガード領域18の下面(下端)とは、互いに離間している。
トレンチ9の底面はガード領域18の上面(上端)よりも深い箇所に位置しているため、平面形状が矩形であるトレンチ9の4つの側面のそれぞれの下端は、ガード領域18に接している。つまり、トレンチ9の底面の4辺および4隅である角部は、全てガード領域18に覆われている。言い換えれば、トレンチ9の底面とトレンチ9の4つの側面とは、ガード領域18に連続的に接している。すなわち、トレンチ9は平面視でガード領域18に囲まれている。このように、トレンチ9は、エピタキシャル層の上面からボディ層5より下のエピタキシャル層の途中深さに亘って形成されている。
ガード領域18とボディ層5との間において、トレンチ9の4つの側面は、蓄積層形成領域7を介して電流拡散領域17に接している。したがって、SiCパワーMISFETがオン状態のときには、トレンチ9の4つの側面の全てにチャネルが形成され得る。
ガード領域18とX方向で隣り合う領域であって、Y方向に延在するソース電極1の直下の領域には、ドリフト層4が形成されている。ガード領域18とX方向で隣り合う領域に形成された当該ドリフト層4の一部は、平面視において電流拡散領域17と重なっている。つまり、電流拡散領域17の直下には、ドリフト層4とガード領域18とがX方向に並んで配置されている。すなわち、平面視において、電流拡散領域17のソース電極1側の端部は、ガード領域18のソース電極1側の端部よりもソース電極1の近くに位置している。
以上より、ソース電極1の直下のドリフト層4とX方向で隣り合う領域において、電流拡散領域17から成る層と、ガード領域18から成る層とが縦方向に重なって形成されている。ガード領域18は、ボディ層5よりも高いp型不純物濃度を有している。また、電流拡散領域17とガード領域18とは互いに接している。したがって、ボディ層5およびガード領域18は、互いに電気的に接続されている。ボディ層5よりも高いp型不純物濃度を有するガード領域18によりトレンチ9の底面および角部を覆うことで、前記実施の形態1に比べ、よりトレンチ9の角部における電界集中を緩和できる。
トレンチ9は、Y方向に複数並んで形成されており、各トレンチ9内には、ゲート絶縁膜8を介してゲート電極2が完全に埋め込まれている。各トレンチ9内のゲート電極2同士はソース領域6上にゲート絶縁膜8を介して形成され、Y方向に延在するゲート電極2により互いに接続されている。つまり、Y方向に沿う断面において、ゲート電極2は櫛歯状の構造を有している。すなわち、Y方向に複数並ぶトレンチゲート電極は、それらの上部のゲート電極2により互いに並列に接続されている。ソース領域6上でY方向に延在するゲート電極2の下面、側面および上面は、絶縁膜11により覆われている。
半導体基板上の絶縁膜11を貫通する接続孔内および絶縁膜11上には、ソース電極1が形成されている。接続孔内を完全に埋め込んでいるソース電極1と、絶縁膜11上のソース電極1とは、互いに一体となっている。図10では、Y方向に延在する接続孔内のソース電極1の形状を分かり易くするため、Y方向に延在するソース電極1の直上のソース電極1の一部、および、絶縁膜11上のソース電極1の一部のそれぞれの図示を省略している。接続孔の底部において、ソース電極1は電位固定領域14に接続されている。
電位固定領域14は、Y方向においてソース領域6と隣り合って形成されている。電位固定領域14の下面はボディ層5の上面に接している。電位固定領域14は、ボディ層5およびガード領域18のいずれよりも高いp型不純物濃度を有している。ガード領域18は、ボディ層5および電位固定領域14を介してソース電極1に電気的に接続されているため、ソース電極1からガード領域18にソース電圧を印加することができる。また、ボディ層5は電位固定領域14を介してソース電極1に電気的に接続されているため、ソース電極1からボディ層5にソース電圧を印加することができる。
ここで、本実施の形態では、トレンチ9の側面は、半導体基板の上面に対して斜めに形成されており、ソース領域6の下において、エピタキシャル層内には各トレンチ9の側面および底面を連続的に覆う蓄積層形成領域7が形成されている。ここでは、トレンチ9の底面が電流拡散領域17の最下面より下に位置し、ガード領域18内にまで達している。蓄積層形成領域7の底面は、ガード領域18内に位置しており、蓄積層形成領域7はガード領域18の下のドリフト層4には達していない。ただし、トレンチ9の側面に形成された蓄積層形成領域7は、電流拡散領域17に接しており、電流拡散領域17を介してドリフト層4およびドレイン領域12に電気的に接続されている。
前記実施の形態1と同様に本実施の形態でも、トレンチ9とソース領域6の下面との接点である点CH1を定義でき、蓄積層形成領域7とオフ時にボディ層5から延びる空乏層がトレンチ9の側面に接する領域と、当該空乏層がトレンチ9の側面から離れている領域との境界の点をCH2と定義できる(図3参照)。また、ボディ層5と蓄積層形成領域7との境界面のうち、点CH2から最も近い点を、点JCと定義できる(図3参照)。ここで、点JCは、図10には示していないが、ボディ層5の下面よりも上に位置している。言い換えれば、点JCよりも下にp型半導体領域であるボディ層5が形成されている。また、点JCより下には、p型半導体領域であるガード領域18も形成されている。
図9では、X方向に並ぶ4つのユニットセルを示しており、1つのユニットセルを一点鎖線で囲んでいる。図9に示すように、X方向で隣り合うユニットセルのそれぞれは、当該ユニットセル同士の境界を軸として反転した構造を有している。1つのユニットセルは、ドレイン電極3、ドリフト層4、ボディ層5、ソース領域6、電流拡散領域17、ガード領域18、JFET領域13、トレンチ9、絶縁膜11、ゲート電極2、ソース電極1および電位固定領域14(図9参照)により構成されている。
X方向で隣り合うユニットセル同士は、Y方向に延在するソース電極1を共有している。このため、ストライプ状に形成されたソース電極1のそれぞれを形成可能な最小幅で形成する場合、全てのユニットセルをX方向において反転させることなく配置する場合に比べ、X方向におけるユニットセルのセルピッチを縮小することができる。
図10に示すように、電流拡散領域17の下のドリフト層4内には、n型またはn型の半導体領域であるJFET領域13が、X方向においてガード領域18と並んで形成されている。具体的には、電流拡散領域17の直下において、JFET領域13がガード領域18と隣接しており、JFET領域13の一部は、X方向で電流拡散領域17と隣接している。JFET領域13はソース電極1の直下においてY方向に延在している。つまり、ここでは、ソース電極1、複数のトレンチ9が並ぶトレンチ形成領域(図9参照)、および、JFET領域13が、互いに平行にY方向に延在している。図10では、JFET領域13の下端を破線で示している。
JFET領域13のn型不純物濃度は、ドリフト層4のn型不純物濃度と同等であるか、または、ドリフト層4のn型不純物濃度より高い。また、JFET領域13のn型不純物濃度は、電流拡散領域17およびソース領域6のそれぞれのn型不純物濃度よりも低い。JFET領域13は、X方向で隣り合うガード領域18同士の間の領域である。つまりJFET領域13は、SiCパワーMISFETがオフ状態のときに、隣り合うガード領域18の対向する側面のそれぞれから空乏層が延び、それらの空乏層が互いに接する領域である。X方向に複数並ぶガード領域18と、それらの間のJFET領域13が存在することで、耐圧を保つことができ、かつ、耐圧を制御できる。
本実施の形態のSiCパワーMISFETのオン時の電流は、ドレイン電極3、ドレイン領域12、ドリフト層4、JFET領域13、電流拡散領域17、蓄積層形成領域7、ボディ層5の反転層、ソース領域6およびソース電極1の順に流れる。図10では、この電流の経路を、太い矢印で示している。
本実施の形態では、トレンチ形成領域、ソース電極1(導電性接続部)、JFET領域13がいずれも同じY方向に延在し、平面視においてストライプ状に形成されている。ここでは、ソース電極1とJFET領域13とが平面視で重なるように配置され、互いにY方向に延在している。つまり、ユニットセル内では、平面視においてソース電極1とJFET領域13との間にトレンチ9が形成されていない。このため、平面視においてソース電極、トレンチおよびJFET領域が順に並ぶ場合に比べて、ユニットセルの微細化が容易である。このように、本実施の形態のSiCパワーMISFETは、トレンチ形成領域、ソース電極1(導電性接続部)、JFET領域13がいずれも同じY方向に延在し、かつ、トレンチ形成領域にストライプ状に並ぶ複数のトレンチ、電流拡散領域およびガード領域を備えている。このようなSiCパワーMISFETにおいても、前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図11に示すように、トレンチ9の側面に沿って形成させる蓄積層形成領域7は、ソース領域6の下面に達していてもよい。この場合、ソース領域6とドリフト層4との間のトレンチ9の側面は全て蓄積層形成領域7に覆われる。このため、トレンチ9とp型半導体領域であるボディ層5とは、蓄積層形成領域7を挟んで互いに離間する。ただし、このように蓄積層形成領域7がソース領域6およびドリフト層4に接していても、前記実施の形態1で説明したようにSiCパワーMISFETのオフ時にはボディ層5から延びた空乏層が蓄積層形成領域7を介してトレンチ9の表面まで達するため、耐圧は保たれる。
本実施の形態3の半導体装置では、SiCパワーMISFETがオン状態であるとき、トレンチ9と隣接する半導体基板内にチャネル(反転層)が形成され、当該チャネルに電流が流れる。このとき、チャネルを除くトレンチ9の側面には蓄積層形成領域7が形成されており、蓄積層形成領域7はオン時にキャリアの蓄積層を形成するため、蓄積層形成領域7が形成されていない場合に比べ、オン時にエピタキシャル層内に電流が流れ込み易い。したがって、SiCパワーMISFETのオン抵抗を低減できる。また、蓄積層形成領域7がソース領域6に接していることで、前記実施の形態1に比べオン抵抗を低減できる。
一方、SiCパワーMISFETがオフ状態であるとき、ボディ層5から延びた空乏層が蓄積層形成領域7を横切ってトレンチ9の側面に達するため、SiCパワーMISFETの耐圧を保持できる。また、トレンチ9の大部分はボディ層5内に形成されているため、トレンチ9内のゲート絶縁膜8における電界集中を緩和できる。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、各部の材質、導電型、および製造条件などは前述した実施の形態の記載に限定されるものではなく、各々多くの変形が可能であることはいうまでもない。ここで、説明の都合上、半導体基板および半導体膜の導電型を固定して説明したが、前述した実施の形態に記載した導電型には限定されない。
また、前記実施の形態1~3では、n型のSiCパワーMISFETについて説明したが、各半導体領域の導電型を反転させたp型のSiCパワーMISFETにおいても、前記実施の形態1~3の効果を得ることができる。また、前記実施の形態3に、前記実施の形態1の変形例を組み合わせてもよい。
1 ソース電極
2 ゲート電極
3 ドレイン電極
4 ドリフト層
5 ボディ層
6 ソース領域
7 蓄積層形成領域
8 ゲート絶縁
9 トレンチ
11 絶縁膜
12 ドレイン領域
13 JFET領域
14 電位固定領域
17 電流拡散領域
18 ガード領域

Claims (7)

  1. 第1導電型の炭化ケイ素半導体基板と、
    前記炭化ケイ素半導体基板上に形成され、炭化ケイ素を含む前記第1導電型の半導体層と、
    前記半導体層の上面に形成された、前記第1導電型の第1半導体領域と、
    前記半導体層内において前記第1半導体領域の下端から前記半導体層の途中深さに亘って形成された、前記第1導電型と異なる第2導電型の第2半導体領域と、
    前記第2半導体領域の下の前記半導体層内に形成された、前記第1導電型の第3半導体領域と、
    前記半導体層の前記上面から前記第1半導体領域の前記下端よりも下の前記半導体層の途中深さに亘って形成されたトレンチと、
    前記トレンチの内側に絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
    前記炭化ケイ素半導体基板内に形成された、前記第1導電型の第4半導体領域と、
    前記第1半導体領域の前記下端よりも下の前記半導体層内に形成され、前記トレンチの側面および底面に連続的に接する前記第1導電型の第5半導体領域と、
    を有し、
    前記第1半導体領域、前記ゲート電極、前記第2半導体領域および前記第4半導体領域は、電界効果トランジスタを構成し、
    前記トレンチの前記側面において、前記電界効果トランジスタのオフ時に前記第2半導体領域から延びる空乏層が前記トレンチの前記側面に接する第1領域と、前記第1領域の下で前記空乏層が前記トレンチの前記側面から離間している第2領域との境界を第1点とし、前記第2半導体領域と前記第5半導体領域との境界面のうち、前記第1点から最も近い点を第2点としたとき、前記第2半導体領域の一部は、前記第2点よりも下に位置する、炭化ケイ素半導体装置。
  2. 請求項1に記載の炭化ケイ素半導体装置において、
    前記第5半導体領域は、前記第3半導体領域に接している、炭化ケイ素半導体装置。
  3. 請求項1に記載の炭化ケイ素半導体装置において、
    前記トレンチは、前記第3半導体領域内に達している、炭化ケイ素半導体装置。
  4. 請求項1に記載の炭化ケイ素半導体装置において、
    前記トレンチは、前記第3半導体領域から離間している、炭化ケイ素半導体装置。
  5. 請求項1に記載の炭化ケイ素半導体装置において、
    前記半導体層上に形成され、平面視における第1方向に延在し、前記第1半導体領域に電気的に接続された導電性接続部と、
    前記第3半導体領域内に形成され、前記第1方向に延在する前記第1導電型の第6半導体領域と、
    前記第6半導体領域と隣り合う領域において、前記トレンチの前記底面の端部である角部を覆い、前記第3半導体領域内に形成された、前記第2導電型の第7半導体領域と、
    前記第7半導体領域上の前記第3半導体領域内において、平面視で前記トレンチを囲むように形成され、前記第3半導体領域よりも高い不純物濃度を有する前記第1導電型の第8半導体領域と、
    をさらに有し、
    平面視において、前記トレンチは前記第1方向に複数並んで配置され、
    複数の前記トレンチのそれぞれは、平面視において前記第1方向に交わる第2方向に延在している、炭化ケイ素半導体装置。
  6. 請求項1に記載の炭化ケイ素半導体装置において、
    前記第5半導体領域の上端は、前記第1半導体領域に接している、炭化ケイ素半導体装置。
  7. 請求項1に記載の炭化ケイ素半導体装置において、
    前記第5半導体領域の前記第1導電型の不純物濃度は、前記第1半導体領域の前記第1導電型の不純物濃度よりも低い、炭化ケイ素半導体装置。
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