JP2023007428A - 既設管の更生方法および更生管用浮上防止装置 - Google Patents

既設管の更生方法および更生管用浮上防止装置 Download PDF

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直弥 津田
Naoya Tsuda
佳郎 杉山
Yoshiro Sugiyama
宏樹 瀬沼
Hiroki Senuma
義典 上野
Yoshinori Ueno
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Abstract

【課題】既設管の更生方法において、裏込め材の充填時に更生管の浮上を防止するための支保工を更生管内に配置せずに済み、管軸方向の更生管の径の変動をも抑制できるようにする。【解決手段】既設管5の上壁面に浮上防止装置1を設置する工程と、既設管5の内側に更生管6をライニングする工程と、既設管5と更生管6との間に裏込め材7を充填する工程とを順に実行する。浮上防止装置1の設置工程は、既設管5の管軸方向に延びる細長い浮上防止部材10をアンカー20により仮保持するステップと、浮上防止部材10を位置決めし、この位置決め状態で、浮上防止部材10と既設管5の上壁面との間に隙間が形成されている場合には、この隙間に位置調節部材30を介在させるステップと、アンカー20により、浮上防止部材10を既設管5の上壁面に向かって締め込むことにより、浮上防止部材10を既設管5に本固定するステップと、を備えている。【選択図】図6A

Description

本発明は、既設管の内側に更生管をライニングした後で裏込め材を充填する既設管の更生方法、およびこの更生方法で用いられる更生管の浮上防止装置に関する。
地中に埋設された下水管等の老朽化した既設管を更生するために、更生管を既設管の内側にライニングすることは公知である。更生管をライニングした後、既設管と更生管との間にモルタル等の裏込め材を充填する。この裏込め材の充填時に更生管は裏込め材から浮力を受けるが、流路勾配を確保するために更生管が浮上するのを防止する必要がある。
特許文献1に開示された既設管の更生方法では、更生管を既設管の内側にライニングした後、更生管内に管軸方向に間隔をおいて多数の浮上防止用の支保工を設置する。各支保工は、上下方向に延びる真直の支保材と、この支保材の下端部に設けられたジャッキとを有している。更生管の管底部に管軸方向に延びる腹起し材を設置した状態で、この腹起し材に載ったジャッキを操作することにより、支保材が更生管の管頂部に形成された貫通穴を通り、既設管の管頂部に当たる。更生管の管底部は既設管の管底部に押し付けられているため、既設管と更生管との間に裏込め材が充填された時に、更生管が浮上するのを防止することができる。
特許文献1の方法では、更生管の管頂部に貫通穴を形成する必要があり、裏込め材の充填硬化後に貫通穴を封止する作業が必要である。
また、支保工が更生管内に多く配置されているため、更生管内に水を流した状態で施工すると支保工が流通の障害となり、水位の上昇を招く。局所的な集中豪雨が生じ水位が急上昇する場合には支保工の流通阻害により一層水位が上昇し、支保工が流出するリスクが生じる。また更生管のライニングと支保工の設置を同時に実行している場合には、ライニング部材も流出するリスクが生じる。
上記不都合を解消ないしは軽減するために、種々の方法が開発されている。特許文献2に開示された方法では、既設管の上壁面に管軸に沿って柔軟性を有する筒状部材を配設した状態で、更生管をライニングする。ライニング後に、筒状部材にセメントを充填して筒状部材を拡径させる。このセメントが硬化した後、既設管と更生管との間に裏込め材を充填する。この充填の際、既設管の上壁部と更生管の上壁部との間に配設された硬化セメント入りの筒状部材により、更生管の浮上を防止する。
特許文献3の図21に開示された方法では、更生管のライニング工程に先立ち、管軸方向に延びる細長いスペーサを、既設管の上壁面にアンカー等で固定する。更生管のライニング後に既設管と更生管との間に裏込め材を充填する際、スペーサにより更生管の浮上を防止する。
特開2019-25839号公報 特開2009-133477号公報 特開2014―104615号公報
特許文献2の方法では、筒状部材が柔軟であるため、更生管のライニングの際に、更生管を規制しない。そのため、既設管の内壁面に局所的な腐食がある場合には、更生管の断面形状が管軸方向に一定にならない。その結果、強度設計上の断面形状との差異が生じやすく、安全性を確実に担保することができない。
特許文献3の方法では、スペーサは一定の断面形状を有しており、既設管の内壁面に腐食がある場合には、スペーサの径方向位置が変化するため、文献2と同様の不都合が生じる。
上記課題を解決するために、本発明は、既設管の上壁面に浮上防止装置を設置する工程と、前記既設管の内側に更生管をライニングする工程と、前記既設管と前記更生管との間に裏込め材を充填する工程と、を順に実行する既設管更生方法において、
前記浮上防止装置の設置工程が、前記既設管の管軸方向に延びる浮上防止部材を、前記既設管の上壁面に沿い管軸方向に並べた状態で、アンカーにより前記既設管の径方向外方向に位置調節可能に仮保持する仮保持ステップと、所定の径を有する前記更生管が前記既設管の管底部から浮上するのを前記浮上防止部材で阻止できるように、前記浮上防止部材を位置決め手段により位置決めし、この位置決め状態で、前記浮上防止部材と前記既設管の上壁面との間に隙間が形成される場合には、この隙間に位置調節部材を介在させる位置調節ステップと、前記アンカーにより、前記浮上防止部材を前記既設管の上壁面に向かって締め込むことにより、前記浮上防止部材を前記既設管に本固定する本固定ステップと、を備えたことを特徴とする。
上記方法によれば、既設管の上壁面と更生管との間に浮上防止装置を配置するため、更生管内に浮上防止用の多数の支保工を配置せずに済み、水が施工されている状況で施工する場合でも水位の上昇を回避ないしは抑制することができる。また、この支保工を貫通させるための穴を更生管に形成せずに済む。さらに、既設管の腐食に拘わらず、浮上防止部材を所定径の更生管の浮き上がりを防止できる位置に正確に配置することができるので、管軸方向の更生管の径の変動を抑制することができる。
好ましくは、前記アンカーが、雄ネジ部とこの雄ネジ部の一端に設けられた頭部とを有し、前記仮保持ステップでは、前記アンカーの雄ネジ部が前記既設管の上壁面に浅くねじ込まれた状態で、前記頭部が前記浮上防止部材を係止することにより、前記浮上防止部材を吊り下げ状態で仮保持し、前記本固定ステップでは、前記アンカーを前記既設管の上壁面にさらにねじ込むことにより、前記頭部が前記浮上防止部材を前記既設管の上壁面に向かって押し付ける。
上記方法によれば、比較的簡単な構成のアンカーを提供することができる。
一実施形態では、前記位置調節部材が調節板からなり、前記位置調節ステップにおいて、位置決めされた前記浮上防止部材と前記既設管の上壁面との間に隙間が形成される場合には、この隙間を埋めるのに必要な枚数だけ前記調節板を挿入する。
上記方法によれば、簡単な作業で浮上防止部材の位置を調節することができる。
他の実施形態では、前記位置調節部材が前記浮上防止部材に螺合されたネジ部材からなり、前記位置調節ステップにおいて、位置決めされた前記浮上防止部材と前記既設管の上壁面との間に隙間が形成される場合には、前記ネジ部材を前記既設管の上壁面に向かって進めることにより、前記隙間に相当する量だけ前記浮上防止部材から突出させ、その先端を前記既設管の上壁面に当てる。
上記方法によれば、簡単な作業で浮上防止部材の位置を調節することができる。
好ましくは、前記位置決め手段が基準長さを有する位置決め部材からなり、前記位置調節ステップにおいて、前記位置決め部材の一端を前記浮上防止部材に位置させ、その他端を前記浮上防止部材と直径方向に対向する前記既設管の下壁面に位置させることにより、前記浮上防止部材を位置決めする。
上記方法によれば、浮上防止部材を簡単に位置決めすることができる。
さらに好ましくは、前記位置決め部材が直線状に延びる剛性の基準棒材からなる。
上記方法によれば、基準棒材により浮上防止部材の位置決め状態で一時的に保持することができ、位置調節部材を既設管の上壁面と更生管との間に介在させる作業や本固定を楽に行うことができる。
好ましくは、 前記位置決め手段が、前記更生管の外径と等しい外径を有する円環形状または半円以上の円弧形状の基準枠体からなり、前記位置調節ステップにおいて、前記基準枠体を前記既設管の下壁面に載せた状態で、前記浮上防止部材を前記基準枠体の外周面に当てることにより位置決めする。
上記方法によれば、浮上防止部材を簡単かつ正確に位置決めすることができる。
本発明の他の態様は、既設管の上壁面に設置され、前記既設管と前記既設管の内側にライニングされる更生管との間に裏込め材を充填する際に前記更生管の浮上を防止する装置であって、
前記既設管の管軸方向に延びる浮上防止部材と、前記浮上防止部材が所定の径を有する前記更生管の浮上を防止できる位置になるように前記浮上防止部材と前記既設管の上壁面との間に介在される位置調節部材と、前記既設管の上壁面に設けられ、前記浮上防止部材を前記既設管の径方向外方向に位置調節可能に仮保持することができるとともに、前記位置調節部材が前記既設管と前記浮上防止部材との間に介在された状態で、前記浮上防止部材を前記既設管の上壁面に向かって締め込むことにより、前記浮上防止部材を前記既設管に本固定するアンカーと、を備えていることを特徴とする。
好ましくは、前記アンカーが、前記浮上防止部材を貫通し前記既設管にねじ込み可能な雄ネジ部と、この雄ネジ部の一端に設けられ前記浮上防止部材を係止する頭部を有する。
好ましくは、前記浮上防止部材は、前記既設管側の第1壁と前記既設管の反対側の第2壁と一対の側壁とを有し、前記アンカーの雄ネジ部が前記第1壁を貫通するとともに前記頭部が前記第1壁に係止され、前記アンカーの頭部および前記位置調節部材が前記浮上防止部材の本固定状態において前記第2壁から突出しない。
上記構成によれば、浮上防止部材の第2壁からアンカーの頭部と位置調節部材が突出しないので、更生管を傷つけない。
一実施形態では、前記位置調節部材が、主板部と副板部を有してL字形をなす少なくとも1枚の調節板からなり、前記主板部には、前記副板部と直交する方向に延びて前記副板部の反対側の側縁で開放されるスリットが形成され、前記調節板は、前記スリットに前記アンカーの雄ネジ部を通し、前記主板部を前記浮上防止部材の前記第1壁に沿わせ、前記副板部を前記浮上防止部材の前記側壁に沿わせた状態で、前記浮上防止部材に装着される。
上記構成によれば、位置調節板を安定して浮上防止部材に装着することができる。
他の実施形態では、前記浮上防止部材の内部空間にはナットが配置され、前記位置調節部材が前記ナットに螺合されるネジ部材からなり、前記ネジ部材は、前記第1壁から突出して前記既設管の上壁面に当たる。
上記構成によれば、簡単かつ確実に位置調節することができる。
好ましくは、前記浮上防止部材と前記既設管との間には、前記アンカーの近傍かつ管軸方向片側または両側においてたわみ防止用スペーサが設けられており、前記たわみ防止用スペーサは、前記アンカーの締め込み時に前記浮上防止部材のたわみを防止する。
より好ましくは、前記位置調節部材が前記たわみ防止用スペーサを兼ねる。
好ましくは、前記浮上防止部材の前記第2壁には、前記浮上防止部材の全長にわたってスリットが形成され、このスリットにより前記第2壁が2つの壁部に分かれており、前記ナットが前記第2壁の前記2つの壁部に溶接されている。
上記構成によれば、浮上防止部材のスリットを介して円滑にアンカーの締め込み作業等を行うことができる。また、ナットを第2壁の2つの壁部に溶接するので、開断面形状の浮上防止部材を補強することができる。
本発明によれば、裏込め材の充填時に更生管の浮上を防止するための多数の支保工を更生管内に配置せずに済み、管軸方向の更生管の径の変動をも抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る更生管用の浮上防止装置で用いられる浮上防止部材を示し、(A)は側面図、(B)は上面図、(C)は下面図である。 上記浮上防止部材の要部をアンカーとともに拡大して示し、(A)は縦断面図、(B)は上面図、(C)は下面図、(D)は(A)におけるD-D矢視断面図である。 同浮上防止装置で用いられる位置調節板を示し、(A)は断面図、(B)は下面図である。 同浮上防止装置の設置工程において、上記浮上防止部材をアンカーで既設管に仮保持するステップを示す横断面図である。 同仮保持ステップを示す縦断面図である。 同浮上防止装置の設置工程において、上記浮上防止部材の位置を調節するステップを示す横断面図である。 同位置調節ステップを示す縦断面図である。 同浮上防止装置の設置工程において、上記浮上浮上部材を本固定するステップを示す横断面図である。 同本固定ステップを示す縦断面図である。 更生管のライニング工程を示す横断面図である。 裏込め材の充填工程を示す横断面図である。 同浮上防止装置の設置工程を順に示す要部拡大断面図であり、(A)は上記仮保持ステップ、(B)は上記位置調節ステップ、(C)は本固定ステップをそれぞれ示す。 本発明の第2実施形態における位置調節ステップを示す横断面図である。 本発明の第3実施形態における位置調節ステップを示す横断面図である。 本発明の第4実施形態における位置調節ステップを示す横断面図である。 本発明の第5実施形態における浮上防止装置を示し、(A)は上面図、(B)は位置調節ステップを実行する前の状態を示す要部拡大断面図、(C)は位置調節ステップを実行した時の状態を示す要部拡大断面図である。 同第5実施形態における本固定ステップを示す横断面図である。 本発明の第6実施形態において更生管のライニング工程の後に裏込め材の充填に先立って突っ張り部材を設置した状態を示す横断面図である。 (A)~(C)は、浮上防止部材のたわみ防止構造をそれぞれ示す縦断面図である。 本発明の第7実施形態で用いられる浮上防止部材を示し、(A)は下面図であり、(B)は同浮上防止部材の補強構造を示す断面図であり、(C)は同浮上防止部材の別の補強構造を示す断面図である。 本発明の第8実施形態で用いられる長短の浮上防止部材を示す下面図である。 同実施形態の長尺の浮上防止部材の要部拡大図であり、(A)は下面図、(B)は上面図、(C)は側面図である。 (A)は図19(B)におけるA-A線に沿う端面図、(B)は図19(B)におけるB-B線に沿う端面図、(C)は図19(B)におけるC-C線に沿う端面図である。 既設管に段ズレがある場合の浮上防止部材の設置状態を示す縦断面図である。
以下、本発明の第1実施形態を図1~図9を参照しながら説明する。最初に、更生管用浮上防止装置1(以下、単に浮上防止装置という。図5~図8参照)の各構成要素について説明する。浮上防止装置1は、図1、図2に示す浮上防止部材10と、図2に示すアンカー20と、図3に示す位置調節板30(位置調節部材)とを備えている。
浮上防止部材10は、細長い剛性材からなり全長にわたって同一断面形状を有している。具体的には浮上防止部材10は、断面が扁平な矩形をなす細長い中空の角型鋼からなり、例えば1~数mの長さを有しており、高さ16mm、幅40mm、厚さ1,6mmである。後述する既設管5がコンクリート管を繋ぐことにより構成されている場合には、浮上防止部材10の長さをコンクリート管の長さと等しくするのが好ましい。これにより、浮上防止部材10を、コンクリート管の継目を避けて設置することができる。浮上防止部材10は適宜切断して用いることもできる。
浮上防止部材10は、幅広をなし互いに平行をなして対向する第1壁11および第2壁12と、互いに平行をなして対向する一対の側壁13とを有している。第1壁11には、長手方向に延びる長穴からなる挿通穴15が長手方向に所定ピッチで形成されている。第2壁12には、長手方向に同ピッチで操作穴16が形成されている。操作穴16は楕円形をなし、壁11,12と直交する方向から見た時、挿通穴15を包含する大きさを有している。一対の側壁13には、挿通穴15,操作穴16より短いピッチで貫通穴17が形成されている。
アンカー20は、コンクリートビスからなり、雄ネジ部21と、この雄ネジ部21の一端に設けられた頭部22とを有している。雄ネジ部21の外径は、浮上防止部材10の挿通穴15の幅より小さい。頭部22は挿通穴15の幅より大きく操作穴16の幅より小さい。これにより、アンカー20は、操作穴16から浮上防止部材10内に挿入され、雄ネジ部21が挿通穴15に挿通され、頭部22が第1壁11に係止されるようになっている。
位置調節板30は、矩形の主板部31と、この主板部31より幅が狭く主板部31と直角をなす矩形の副板部32とを有して、L字形をなしている。主板部31には、副板部32と直交する方向に延び副板部32の反対側の側縁に至るスリット35が形成されている。スリット35の幅はアンカー20の雄ネジ部21の径より大きく、頭部22より小さい。
次に老朽化した下水道等の既設管5の更生作業を、図4~図9を参照しながら工程順に説明する。既設管5は2つのマンホールにわたって長く延びており、本実施形態ではコンクリートにより構成されている。
浮上防止装置の設置工程
浮上防止装置1の設置工程では、浮上防止部材10の仮保持ステップと、浮上防止部材10の位置調節ステップと、浮上防止部材10の本固定ステップと、をこの順に実行する。以下、ステップ毎に説明する。
<仮保持ステップ>
図4A、図4Bに示すように、この既設管5の上壁面に、管頂から所定角度左右に離れた位置で、管軸方向に延びる多数の浮上防止部材10をほぼ一直線上に並べて仮保持する。浮上防止部材10は、管軸に沿って連続させるのが好ましいが、既設管1がコンクリート管を繋いで構成されている場合等には、継ぎ目を避ける等のために100mm以下であれば管軸方向に離れていてもよい。
上記仮保持位置は管頂を0°とした時、左右に90°未満の角度をなしており、好ましくは図示のように45°以下にする。既設管5に土圧がかかった時の応力を最小限にするために45°に可能な限り近づけるのが最も好ましい。
各浮上防止部材10は、第1壁11を既設管5の上壁面に対面させるようにして少なくとも2箇所でアンカー20により仮保持される。図9(A)に示すように、既設管5の上壁面には第1壁11の挿通穴15に対応して下穴5aが掘削され、アンカー20の雄ネジ部21がこの挿通穴15を通り下穴5aに浅くねじ込まれている。このねじ込み作業で用いられる工具は、浮上防止部材10の第2壁12に形成された操作穴16から挿入され、アンカー20の頭部22に係合される。
浮上防止部材10は、その第1壁11が複数本のアンカー20の頭部22に係止されることにより、上方(既設管5の径方向外方向)への位置調節可能にして吊り下げ状態で仮保持される。
<位置調節ステップ>
次の位置調節ステップでは、図5A、図5Bに示すように、直線状に形成された剛性の基準棒材40(位置決め部材;位置決め手段)を用意する。この基準棒材40は、予定している更生管6の外径に対応する基準長さを有している。すなわち、この基準長さは、予定の外径を有する更生管6が既設管5の管底部に載っていると想定した時に、浮上防止部材10が更生管6の外周に当たる位置と、既設管5の直径方向に対峙する既設管5の下壁面との間の距離と等しく設定されている。基準長さは、仮保持位置が既設管5の管頂に近い場合には基準長さは更生管6の外径と略等しく、仮保持位置が既設管5の管頂から離れるにしたがって更生管6の外径より大きくなる。
基準棒材40を、図5Bに示すようにアンカー20の位置から管軸方向に少しずらし、図5Aに示すように既設管50のほぼ管軸を通るように配置し、その一端を既設管5の下壁面に当て、他端を浮上防止部材10の第2壁12に当てる。これにより、浮上防止部材10は基準棒材40によって持ち上げられ、図9(B)に示すように、浮上防止部材10の第1壁11がアンカー20の頭部22から離れる。このようにして、浮上防止部材10が位置決めされる。
上記のように浮上防止部材10を位置決めした状態で、浮上防止部材10の第1壁11と既設管5の上壁面との間に隙間が形成されている場合には、この隙間を埋めるために必要な枚数だけ、位置調節板30を差し込む。すなわち、1枚目の位置調節板30の主板部31を、浮上防止部材10の長手方向と直交する方向から、スリット35をアンカー20の雄ネジ部21に挿入するようにして差し込む。これにより、主板部31を第1壁11に載せ、副板部32を高い方の側壁13に当てる。必要に応じて追加の位置調節板30を、上記と同様にして先に差し込んだ位置調節板30と既設管5の上壁面との間に差し込む。位置調節板30の主板部31が重なり合い、副板部32同士が重なり合う。差し込まれた位置調節板30は、スリット35に雄ネジ部21に挿入されていること、および副板部32が高い方の側壁13に載っていることにより、安定して浮上防止部材10への装着状態を維持される。
浮上防止部材10の高さを、予定している外径の更生管6が既設管5の管底部に載っている状態で更生管6の外周面と既設管5の上壁面との間に形成される隙間と同等にするのが好ましい。このようにすれば、既設管5の上壁面に腐食がない箇所では、位置調節板30を用いずに済み、腐食がある箇所では、腐食の深さに応じた枚数だけ位置調節板30を介在させることになる。
<本固定ステップ>
次に、図6A,図6B、図9(C)に示すように、アンカー20を回すことにより既設管5の上壁面に向かって深くねじ込む。これにより、アンカー20の頭部22が浮上防止部材10の第1壁11を位置調節板30とともに既設管5の上壁面に向かって締め付ける。
上記のようにして浮上防止部材10が既設管5の上壁面に本固定される。この状態で位置調節板30は浮上防止部材10の第1壁11と既設管5の上壁面との間に挟圧されているから、より一層安定して装着状態を維持することができる。
図9(C)に示すように、本固定状態でアンカー20の頭部22は浮上防止部材10の内部に配置され第2壁12から径方向内方向に突出しない。また、位置調節部材30の副板部32の幅は浮上防止部材10の高さと同じかそれよりも狭いので、位置調節部材30も第2壁12から突出しない。
上記本固定後に、基準棒材40を既設管5の下壁面と浮上防止部材10の第2壁12との間から取り外す。基準棒材40により、位置調節ステップから本固定ステップにわたり浮上防止部材10を位置決め状態で維持することができるので、作業を円滑に行うことができる。
更生管のライニング工程
次に、図7に示すように、既設管5の内側に更生管6をライニングする。更生管6は、例えば塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製の帯状部材を螺旋状に巻き、隣接する巻き部分の縁どうしを嵌合することにより構成されるが、他の製管工法で更生管6を製管してもよい。浮上防止部材10の第2壁12と直径方向に対向する既設管5の下壁面との間の距離が、基準棒材40の基準長さと等しくなるように浮上防止部材10が位置決めされているので、更生管6を浮上防止部材10の第2壁12にほぼ内接するようにして製管することにより、管軸方向にわたって更生管6を予定された径で製管でき、径の変動を抑制できる。その結果、強度設計を正確に行うことができる。
更生管6が変形し浮上防止部材10との間に隙間が生じる場合には、アンカー20を緩めて浮上防止部材10を下げ、追加の位置調節板30を差し込むか、更生管6内に突っ張り部材を配置し、この突っ張り部材により更生管6が浮上防止部材10に当たるまで径方向に突っ張って形状を修正してもよい。
裏込め材の充填工程
次に図8に示すように、既設管5と更生管6との間に、モルタル等からなる裏込め材7を充填する。この裏込め材7の充填により更生管6には浮力が働くが、更生管6の上壁部が浮上防止部材10の第2壁12に当たることにより、更生管6の浮上を防止することができる。浮上防止部材10の側壁13には多数の貫通穴17が形成されており、裏込め材7が浮上防止部材10の両端開口から入り込む際に貫通穴17からエア抜きがなされる。また、裏込め材17が貫通穴17から内部空間に入り込む。そのため、裏込め材17を浮上防止部材10の内部空間に確実に充填でき、浮上防止部材10と裏込め材7を一体化させることができる。上述したようにアンカー20の頭部22と位置調節部材30が第2壁12から突出しないので、更生管6を傷つけない。
本実施形態では浮上防止部材10が既設管5の管頂から左右に離れて配置されているので、更生管6は浮力を受けても回転せずに安定して保持される。
他の実施形態
次に、本発明の他の実施形態について説明する。以下の実施形態において先行する実施形態に対応する構成部には同番号を付してその詳細な説明を省略する。
図10に示す第2実施形態では、位置決め部材(位置決め手段)としてワイヤや糸等の柔軟な基準条体41が用いられる。この基準条体41は、第1実施形態と同様に基準長さを有しており、一端を既設管5の下壁面に当て、他端を浮上防止部材10に当てた状態で、基準条体41がほぼ管軸を通って真っ直ぐに延びるように浮上防止部材10を持ち上げる。この状態で、第1実施形態と同様に、浮上防止部材10と既設管5の上壁面との間に隙間がある場合には位置調節板30を差し込み、その後で本固定する。
図11に示す第3実施形態では、位置決め手段として更生管6の予定している外径と同じ外径を有する円環形状の基準枠体43を用いる。位置調節ステップにおいて、基準枠体43を既設管5の管底に載せた状態で、基準枠体43の外周面を浮上防止部材10の第2壁12に当てることにより、浮上防止部材10を位置決めする。この基準枠体43により、簡単かつ正確に浮上防止部材10を位置決めすることができる。基準枠体43は半円以上の周長を有する円弧形状であってもよい。
図12に示す第4実施形態では、位置決め手段として計測装置例えばレーザー距離計45を用いる。すなわち、レーザー距離計45を既設管5の下壁面に設置し、レーザー45aを既設管5の管軸を通るようにして浮上防止部材10の第2壁12に照射する。測定される距離が、第1、第2実施形態の基準長さに対応する距離になるように浮上防止部材10を持ち上げ、その位置決め状態で必要に応じて位置調節板30を差し込む。
図13、図14に示す第5実施形態では、浮上防止部材10は第1実施形態と同様に扁平角型鋼からなり、第1壁11には細長い挿通穴15が形成され、第2壁12には操作穴16(図13には示されていない)が形成され、側壁13には貫通穴17(図13には示されていない)が形成されている。
第5実施形態の浮上防止部材10には、挿通穴15から離れた位置に挿通穴15と同じピッチで筒形状のナット18(雌ネジ部)が配置されている。このナット18は、第1壁11と第2壁12に溶接されている。ナット18には、ネジ部材50(位置調節部材)が螺合されている。このネジ部材50は、ホーローセットと称されるものであり、基端面に工具掛け穴51を有しており、先端面は平坦か丸みを帯びており尖っていない。
位置調節ステップ前には図13(B)に示すように、ネジ部材50は浮上防止部材10のナット18に収まっている。位置調節ステップでは、位置決めが完了した後、浮上防止部材10の第1壁11と既設管5の上壁面との間に隙間がある場合には、ネジ部材50を既設管5の上壁面に当てるまで螺合を進める。これにより、ネジ部材50の浮上防止部材10の第1壁11から突出した部位が浮上防止部材10と既設管5の上壁面との間に介在され、位置調節が完了する。ネジ部材50は頭部を有さないので浮上防止部材10から大きく突出させることができる。本実施形態の仮保持ステップと本固定ステップは第1実施形態と同様であるので説明を省略する。図14は本固定の状態を示す。
ネジ部材50の長さは浮上防止部材10の高さと等しくするか、それより短くするのが好ましい。浮上防止部材10の第1壁11と既設管5の上壁面との間に隙間がなく、ネジ部材50を第1壁11から突出させない場合でも、ネジ部材50が第2壁12から下方に突出せず、裏込め材の充填時に更生管6を傷つけない。
既設管5の上壁面が局所的に大きく腐食している場合には、浮上防止部材10の高さより長いネジ部材50を用いてもよい。この場合でも調節後にネジ部材50が第2壁12から突出して更生管6を傷つけることがないようにする。
ネジ部材50の先端面は尖っていないので、既設管5の上壁面に当たった状態で更生管6に浮力が加わっても、既設管5を傷つけない。
なお、頭部を有するネジ部材を用いる場合には、頭部を可能なかぎり低くするのが好ましい。
上述した実施形態のように、浮上防止部材10を、管頂を避けてその周方向の両側に少なくとも一対配置すれば、裏込め材7の充填時に更生管6が浮力を受けても回転しないが、図15に示す第6実施形態のように、浮上防止部材10は既設管5の上壁面において管頂の1か所に配置してもよい。この場合には裏込め材7の充填の際に更生管6が浮上防止部材10を中心に回転するのを抑えるために、突っ張り部材60を更生管6内に設置するのが好ましい。この突っ張り部材60は、例えば直線的に延びる本体61と、この本体61の上下に配置されたジャッキ62と、このジャッキ62に保持され更生管6の内面に当たる押さえ部材63とを有している。
浮上防止部材10をアンカー20により既設管5に本固定する場合、アンカー20の締付力が強すぎると浮上防止部材10がたわむ可能性がある。このたわみを防止するために、図16に示すように、アンカー20の近傍かつ両側(既設管5の管軸方向の両側)にたわみ防止用スペーサを配置するのが好ましい。アンカー20とスペーサの離間距離(図16に符号Dで示す)は100mm以下にするのが好ましい。
図16(A)に示すたわみ防止構造では、第1実施形態と同様の位置調節板30(位置調節部材)がたわみ防止用スペーサを兼ねる。ただし、この位置調節板30は第1実施形態のスリット35を有さない。
図16(B)に示すたわみ防止構造では、第5実施形態と同様のネジ部材50(位置調節部材)がたわみ防止用スペーサを兼ねる。
図16(C)に示すたわみ防止構造では、第5実施形態と同様にネジ部材50を位置調節部材として用い、このネジ部材50とは別にたわみ防止用スペーサ70を追加する。このたわみ防止用スペーサ70は、ネジ部材50より小径のネジ部材からなり浮上防止部材10の雌ネジ部18Aに螺合されている。
第5実施形態と同様にしてネジ部材50により位置調節された浮上防止部材10をその位置で維持したまま、スペーサ70を浮上防止部材10から既設管5の上壁面に当たるまで突出させる。
図17(A)は第7実施形態で用いられる浮上防止部材を示す。この浮上防止部材10Aの第2壁12Aには、全長にわたりスリット19が形成されており、第2壁12Aを2つの壁部に分断している。第1壁11と側壁13の構成は前述の実施形態と同様である。浮上防止部材10Aは形鋼により形成されるか、または長尺の鋼板を折り曲げ加工することにより形成される。浮上防止部材10Aはスリット19を有しているので、第1実施形態のように第2壁12に操作穴16の穴開け加工をせずに済む。また、アンカーを既設管に固定する作業のスペースを広くとることができる。
裏込め材の充填時に上記浮上防止部材10Aは更生管の浮力を受ける。この際、第2壁12Aは開断面形状であるため、分断された2つの壁部が広がる方向の力を受ける。この広がりを防止する補強構造を図17(B)、(C)にそれぞれ示す。
図17(B)は、第1実施形態と同様の位置調節板を用いる場合の補強構造であり、補強プレート80が第2壁12Aの2つの部位を跨ぐようにして溶接されている。補強プレート80は、挿通穴15から軸方向にずれた位置に複数配置される。
図17(C)は、第5実施形態と同様のナット18とネジ部材50を用いる場合の補強構造であり、ナット18が第2壁12Aの2つの壁部を跨ぐようにして溶接されている。
図18~図20は、本発明の第8実施形態で用いられる浮上防止装置を示す。本実施形態では、図18に示すように、通常のコンクリート管の長さに対応する浮上防止部材10Aが用いられるが、既設管の曲線部で用いられる短いコンクリート管に対応して短い浮上防止部材10A’も用いられる。浮上防止部材10Aは例えば2290mmまたは2420mmの長さを有している。浮上防止部材10A’は例えば300mmの長さを有している。
図20に示すように、浮上防止部材10A、10A’の断面形状は第7実施形態の浮上防止部材10Aと同様であり、第1壁11と、全長にわたってスリット19が形成された第2壁12Aと、一対の側壁13とを有している。
図18、図19に示すように、浮上防止部材10Aにはアンカーを通すための挿通穴15が長手方向(既設管の管軸方向)に間隔をおいて複数個所例えば5か所に形成されている。これら挿通穴15の近傍の長手方向両側または片側にはナット18が配置されている。
図20(A)に示すように、ナット18は浮上防止部材10Aの内部空間に収容されており、第2壁12Aの2つの壁部に溶接されている。第1壁11には、ナット18のネジ孔に対応して開口90が形成されている。
図20(B)に示すように、第1壁11と一対の側壁13が交差する角部には、挿通穴15の両側に位置して、第1壁11から側壁13にわたりエア抜き穴95が形成されている。
図20(C)に示すように、浮上防止部材10Aの両端には、第2壁12Aの2つの壁部を跨ぐ補強プレート80がこれら2つの壁部に溶接されている。
本実施形態において、挿通穴15を通るアンカー20により浮上防止部材10Aを仮保持するとともに本固定し、ナット18に螺合されたネジ部材50により浮上防止部材10Aを位置調節する点は、前述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。本実施形態では、アンカー20の近傍に配置されたネジ部材50により浮上防止部材10Aのたわみを防止し、第2壁12Aの2つの壁部に溶接されたナット18と補強プレート80により、開断面形状の浮上防止部材10Aを補強する。
裏込め材の充填工程において、裏込め材が浮上防止部材10Aの長手方向両端から内部空間に入り込む際、内部空間のエアがエア抜き穴95から排出されるので、円滑に裏込め材を内部空間に充填することができる。なお、浮上防止部材10Aが第1実施形態と同様に既設管の管頂部に左右に分かれて配置される場合には、浮上防止部材10Aが傾斜した姿勢となり、一対の角部に形成されたエア抜き穴95のうち、上側に位置するエア抜き穴95が浮上防止部材10Aの最上部に位置することになる。そのため、エア抜きをより一層良好に行うことができる。
短尺の浮上防止部材10A’も、長尺の浮上防止部材10Aと同様の構造を有しているが、挿通穴15の数は少なく例えば1箇所に形成されており、ナット18はその両側の2箇所に取り付けられているだけである。補強プレート80が両端に取り付けられており、挿通穴15に対応する角部にエア抜き穴(図示しない)が形成されている。
前述したように、既設管5がコンクリート管を繋ぐことにより更生されている場合には、浮上防止部材10はコンクリート管の継ぎ目部を避けるために100mm以下の距離だけ軸方向に離すのが好ましい。図21に示すように、継ぎ目部で段ズレが生じている場合には、浮上防止部材10をより長い距離D(ただし500mm以下)だけ離してもよい。この場合、段差に近い浮上防止部材10のネジ部材50の突出量(位置調節部材の介在量)を調節して、段差を緩和するように浮上防止部材10を管軸に対して傾斜させるのが好ましい。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨に反しない限りにおいて種々の改変をなすことができる。
アンカーは、既設管に埋め込まれたナットと、このナットに螺合する頭部付きのボルトの2部品により構成されていてもよい。また、既設管に打ち込まれた棒状のボルトとこのアンカーに螺合され浮上防止部材を係止するナットの2部品により構成されていてもよい。
浮上防止部材は中空をなす角型材に限らず、種々採用可能であり、例えばフラットバー、鉄板をコの字またはLの字の断面形状にしたもの、丸棒等であってもよい。また、裏込め材との一体性を向上させるために、パンチング加工したものを用いてもよいし、異形棒鋼を用いてもよい。
更生される既設管は下水管に限らず、上水管やその他の導水管等であってもよい。また、トンネルであってもよい。
本発明は、地中に埋設された下水管等の更生に適用できる。
1 更生管用浮上防止装置
5 既設管
6 更生管
7 裏込め材
10,10A 浮上防止部材
11 第1壁
12 第2壁
13 側壁
18 ナット(雌ネジ部)
19 スリット
20 アンカー
21 雄ネジ部
22 頭部
30 位置調節板(位置調節部材)
31 主板部
32 副板部
35 スリット
40 基準棒材(位置決め部材、位置決め手段)
41 基準条体(位置決め部材、位置決め手段)
43 基準枠体(位置決め手段)
45 レーザー距離計(位置決め手段)
50 ネジ部材(位置調節部材)

Claims (15)

  1. 既設管の上壁面に浮上防止装置を設置する工程と、前記既設管の内側に更生管をライニングする工程と、前記既設管と前記更生管との間に裏込め材を充填する工程と、を順に実行する既設管更生方法において、
    前記浮上防止装置の設置工程が、
    前記既設管の管軸方向に延びる浮上防止部材を、前記既設管の上壁面に沿い管軸方向に並べた状態で、アンカーにより前記既設管の径方向外方向に位置調節可能に仮保持する仮保持ステップと、
    所定の径を有する前記更生管が前記既設管の管底部から浮上するのを前記浮上防止部材で阻止できるように、前記浮上防止部材を位置決め手段により位置決めし、この位置決め状態で、前記浮上防止部材と前記既設管の上壁面との間に隙間が形成される場合には、この隙間に位置調節部材を介在させる位置調節ステップと、
    前記アンカーにより、前記浮上防止部材を前記既設管の上壁面に向かって締め込むことにより、前記浮上防止部材を前記既設管に本固定する本固定ステップと、
    を備えたことを特徴とする既設管更生方法。
  2. 前記アンカーが、雄ネジ部とこの雄ネジ部の一端に設けられた頭部とを有し、
    前記仮保持ステップでは、前記アンカーの雄ネジ部が前記既設管の上壁面に浅くねじ込まれた状態で、前記頭部が前記浮上防止部材を係止することにより、前記浮上防止部材を吊り下げ状態で仮保持し、
    前記本固定ステップでは、前記アンカーを前記既設管の上壁面にさらにねじ込むことにより、前記頭部が前記浮上防止部材を前記既設管の上壁面に向かって押し付けることを特徴とする請求項1に記載の既設管更生方法。
  3. 前記位置調節部材が調節板からなり、前記位置調節ステップにおいて、位置決めされた前記浮上防止部材と前記既設管の上壁面との間に隙間が形成される場合には、この隙間を埋めるのに必要な枚数だけ前記調節板を挿入することを特徴とする請求項1または2に記載の既設管更生方法。
  4. 前記位置調節部材が前記浮上防止部材に螺合されたネジ部材からなり、前記位置調節ステップにおいて、位置決めされた前記浮上防止部材と前記既設管の上壁面との間に隙間が形成される場合には、前記ネジ部材を前記既設管の上壁面に向かって進めることにより、前記隙間に相当する量だけ前記浮上防止部材から突出させ、その先端を前記既設管の上壁面に当てることを特徴とする請求項1または2に記載の既設管更生方法。
  5. 前記位置決め手段が基準長さを有する位置決め部材からなり、前記位置調節ステップにおいて、前記位置決め部材の一端を前記浮上防止部材に位置させ、その他端を前記浮上防止部材と直径方向に対向する前記既設管の下壁面に位置させることにより、前記浮上防止部材を位置決めすることを特徴とする請求項1または2に記載の既設管更生方法。
  6. 前記位置決め部材が直線状に延びる剛性の基準棒材からなることを特徴とする請求項5に記載の既設管更生方法。
  7. 前記位置決め手段が、前記更生管の外径と等しい外径を有する円環形状または半円以上の円弧形状の基準枠体からなり、前記位置調節ステップにおいて、前記基準枠体を前記既設管の下壁面に載せた状態で、前記浮上防止部材を前記基準枠体の外周面に当てることにより位置決めすることを特徴とする請求項1または2に記載の既設管更生方法。
  8. 既設管の上壁面に設置され、前記既設管と前記既設管の内側にライニングされる更生管との間に裏込め材を充填する際に前記更生管の浮上を防止する装置であって、
    前記既設管の管軸方向に延びる浮上防止部材と、
    前記浮上防止部材が所定の径を有する前記更生管の浮上を防止できる位置になるように前記浮上防止部材と前記既設管の上壁面との間に介在される位置調節部材と、
    前記既設管の上壁面に設けられ、前記浮上防止部材を前記既設管の径方向外方向に位置調節可能に仮保持することができるとともに、前記位置調節部材が前記既設管と前記浮上防止部材との間に介在された状態で、前記浮上防止部材を前記既設管の上壁面に向かって締め込むことにより、前記浮上防止部材を前記既設管に本固定するアンカーと、
    を備えていることを特徴とする更生管用浮上防止装置。
  9. 前記アンカーが、前記浮上防止部材を貫通し前記既設管にねじ込み可能な雄ネジ部と、この雄ネジ部の一端に設けられ前記浮上防止部材を係止する頭部を有することを特徴とする請求項8に記載の更生管用浮上防止装置。
  10. 前記浮上防止部材は、前記既設管側の第1壁と前記更生管に当たる第2壁と一対の側壁とを有し、前記アンカーの雄ネジ部が前記第1壁を貫通するとともに前記頭部が前記第1壁に係止され、前記アンカーの頭部および前記位置調節部材が前記浮上防止部材の本固定状態において前記第2壁から突出しないことを特徴とする請求項9に記載の更生管用浮上防止装置。
  11. 前記位置調節部材が、主板部と副板部を有してL字形をなす少なくとも1枚の調節板からなり、前記主板部には、前記副板部と直交する方向に延びて前記副板部の反対側の側縁で開放されるスリットが形成され、
    前記調節板は、前記スリットに前記アンカーの雄ネジ部を通し、前記主板部を前記浮上防止部材の前記第1壁に沿わせ、前記副板部を前記浮上防止部材の前記側壁に沿わせた状態で、前記浮上防止部材に装着されることを特徴とする請求項10に記載の更生管用浮上防止装置。
  12. 前記浮上防止部材の内部空間にはナットが配置され、前記位置調節部材が前記ナットに螺合されるネジ部材からなり、前記ネジ部材は、前記第1壁から突出して前記既設管の上壁面に当たることを特徴とする請求項10に記載の更生管用浮上防止装置。
  13. 前記浮上防止部材と前記既設管との間には、前記アンカーの近傍かつ管軸方向片側または両側においてたわみ防止用スペーサが設けられており、前記たわみ防止用スペーサは、前記アンカーの締め込み時に前記浮上防止部材のたわみを防止することを特徴とする請求項8~12のいずれかに記載の更生管用浮上防止装置。
  14. 前記位置調節部材が前記たわみ防止用スペーサを兼ねることを特徴とする請求項13に記載の更生管用浮上防止装置。
  15. 前記浮上防止部材の前記第2壁には、前記浮上防止部材の全長にわたってスリットが形成され、このスリットにより前記第2壁が2つの壁部に分かれており、前記ナットが前記第2壁の前記2つの壁部に溶接されていることを特徴とする請求項12に記載の更生管用浮上防止装置。
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