JP2023006735A - 車両走行制御装置及び車両走行制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両走行制御システムSは、自車両Vの周囲における環境情報と、自車両の位置情報と、対象車両FVの位置情報とに基づき、対象車両に相対して自車両を走行させる相対運転制御を行う。本システムは、相対運転制御が行われているときに、対象車両、自車両に関する所定の走行条件が成立したと判定された場合に、環境情報と、自車両の位置情報と、対象車両の位置情報とに基づいて自車両の新たな走行予定経路を設定する。そして、新たな走行予定経路に沿って環境情報と、自車両の位置情報とに基づき、自車両を自律的に走行させる自律運転制御を行う。
【選択図】図1
Description
また、例えば高速道路での長距離運転において運転者の負担を軽減するために、自車両が自車両よりも前方を走行する前走車両を認識し、前走車両との車間距離を維持しながら前走車両に対して追従運転するためのアダプティブクルーズコントロールの技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、運転支援装置は、前走車両の走行予定経路を受信し、前走車両の走行予定経路において自車両の走行予定経路に合致する経路があるか否かを判定し、当該判定結果に基づき、自車両の走行予定経路に従って自律的に自動走行を行う「自律運転モード」と、前走車両に対して追従走行を行う「追従運転モード」とを切り替えることができる。
そうしたなかで、前走車両の挙動(走行状態の変化)に応じて「追従運転」と「自律運転」の切り替えを行い、より効率的な運転を実現可能な技術が求められていた。
例えば、前走車両が走行途中で停止した場合、あるいは走行途中で休憩場所に立ち寄った場合には、必要に応じて「追従運転」から「自律運転」に切り替えて前走車両を追い越すこと(前走車両を追い越すルートを設定すること)等が求められていた。
上記のように、車両走行制御装置は、自車両の「相対運転制御」が行われているときに、対象車両、自車両に関する所定の走行条件が成立したと判定された場合に、自車両の新たな走行予定経路を設定し、自車両の「自律運転制御」を行うこととしている。そのため、対象車両の挙動(走行状態の変化)に応じて「相対運転(追従運転)」と「自律運転」の切り替えを適宜行い、自車両が効率良く運転可能となる車両走行制御装置を実現することができる。
例えば、対象車両が走行途中で停止した場合、あるいは走行途中で休憩場所に立ち寄った場合には、必要に応じて「相対運転(追従運転)」から「自律運転」に切り替えて対象車両を追い越すこと(対象車両を追い越すルートを設定すること)が可能となる。
本実施形態の車両走行制御システムSは、図1に示すように、自車両Vの外部環境を把握し、運転者に代わって自車両Vの走行予定経路を計画し、当該走行予定経路に沿って自車両Vを制御することで走行させる「自動運転」と、所定の対象車両FVに相対して自車両Vを追従させて走行させる「追従運転」とを実現するシステムであって、自動運転制御モードと追従運転制御モードの間で切り替える「モード切替処理」を行うことが可能となっている。
なお、「追従運転(追従運転制御)」を「相対運転(相対運転制御)」と称しても良い。本実施形態では、以下「相対運転」と称して説明する。
また、本実施形態では、以下「自動運転制御モード(第1の運転制御モード)」を単に「自動運転モード」と称し、「追従運転制御モード(第2の運転制御モード)」を単に「相対運転モード」と称して説明する。
なお、遠隔運転において上記オペレータはヒトでなくても良く、例えばAI(人工知能)であっても良い。
「対象車両FV」は、後述の車両情報発信装置50を搭載し、ネットワークを介した通信によって車両情報(具体的には、車両識別情報、現在の位置情報、走行予定経路の情報)を発信することが可能な状態で走行する車両である。
対象車両FVは、自車両Vよりも前方を走行する前走車両に限定されず、自車両Vと並んで走行する並走車両であっても良い。あるいは、自車両よりも後方を走行する後走車両であっても良い。
対象車両FVは、例えば、予め設定された走行予定経路に沿って走行するバス、タクシー、トラック等のほか、所定の循環経路に沿って走行する循環バス等であっても良い。もちろん、その他の一般車両であっても良い。
車両走行制御システムSは、図1-図4に示すように、自車両Vに搭載され、自車両Vの走行を総合的に制御する車両走行制御装置1と、自車両Vの周囲の外部環境を検出する車載センサ10と、人工衛星SA及び基準局STからGNSS信号を受信し、自車両Vの現在位置を測定する車載ロケータ20と、自車両Vの操舵及び加減速等を制御する車載ECU30と、外部機器と通信する車載通信装置40と、を備えている。
また、車両走行制御システムSは、対象車両FVに搭載され、車両走行制御装置1とネットワークを介して接続され、ネットワークを介した通信によって対象車両FVの位置情報を含む対象車両情報を発信する車両情報発信装置50と、対象車両FVに取り付けられ、対象車両FVの車両識別情報が埋め込まれた識別マーク60と、備えている。
なお、自車両Vが、上記対象車両FVが備える車両情報発信装置50、識別マーク60を更に備えるほか、対象車両FVが、上記自車両Vが備える車載センサ10、車載ロケータ20、車載ECU30、車載通信装置40を更に備えるような構成であってもよい。つまり、自車両Vと対象車両EVとが同様の構成であってもよく、これによって自車両Vと対象車両FVとが相互に入れ替わり、車両走行制御システムSを構成することが可能となる。
さらに、車両走行制御システムSは、自車両Vの外部に設置され、車両走行制御装置1とネットワークを介した通信によって自車両Vの走行を操作(遠隔操作)する遠隔操作装置70を備えている。
なお、車両走行制御装置1と、車両情報発信装置50と、遠隔操作装置70とが直接通信を行うこととしても良い。
具体的には、車両走行制御装置1は、データの演算・制御処理装置としてのCPUと、記憶装置としてのROM、RAM及びHDD(SSD)と、車載ネットワークを通じて情報データの送受信を行う通信インタフェースと、を備えたコンピュータである。
車両走行制御装置1の記憶装置には、コンピュータとして必要な機能を果たすメインプログラムに加えて、車両走行制御プログラムが記憶されており、これらプログラムがCPUによって実行されることにより、車両走行制御装置1の機能が発揮されることになる。
なお、車載ECU30(総合ECU31)、車両情報発信装置50、遠隔操作装置70についても同様のハードウェア構成を備えたコンピュータである。
また、車両走行制御装置1は、「相対運転(追従運転)」を実行すべく、車載通信装置40を通じて車両情報発信装置50と無線通信し、所定の対象車両FVの位置情報を含む対象車両情報を受信する。そして、外部環境の情報と、自車両Vの位置情報と、対象車両FVの位置情報を含む対象車両情報とに基づいて車載ECU30(総合ECU31)を制御することで、対象車両FVに対する自車両Vの「相対走行(追従走行)」を制御する。
そのほか、車両走行制御装置1は、「遠隔運転」を実行すべく、車載通信装置40を通じて遠隔操作装置70と無線通信し、外部環境の情報と、自車両Vの位置情報と、自車両情報とを遠隔操作装置70に向けて送信する。遠隔操作装置70は、これら情報を受信し、外部環境の情報と、自車両Vの位置情報とに基づく内容をモニタ71(ナビモニタ72)に表示するほか、オペレータに向けてユーザ報知することができる。
なお、車載センサ10は、上記以外の検出センサをさらに有しても良い。
撮像装置11は、自車両Vに複数搭載されており、自車両Vのフロントガラスに取り付けられ、自車両Vの前方、右側方、左側方を撮像する第1撮像装置11a、第2撮像装置11b、第3撮像装置11cと、自車両Vのバックバンパーに取り付けられ、自車両Vの後方を撮像する第4撮像装置11dと、自車両Vの左右のミラーに取り付けられ、自車両Vの右斜め後方、左斜め後方を撮像する第5撮像装置11e、第6撮像装置11fと、をメインカメラとして備えている。
また、撮像装置11は、サブカメラとして、自車両Vのフロントバンパーに取り付けられ、自車両Vの前方を撮像する第7撮像装置11gと、自車両Vの左右のバックライトの周辺に取り付けられ、自車両Vの右斜め後方、左斜め後方を撮像する第8撮像装置11h、第9撮像装置11iと、を備えている。
なお、本実施形態では、撮像装置11が自車両Vの所定位置に計9個取り付けられているが、撮像装置11の個数や取り付け位置については自車両Vの車種や形状に応じて変更可能である。レーダ12及びライダ13についても同様である。
なお、サブカメラの別例として、第7撮像装置11gが、自車両Vのバックガラス(リアガラス)の上部に取り付けられ、当該位置から自車両Vの後方を撮像しても良い。その場合、第8撮像装置11hが自車両Vのフロントの右Aピラーに取り付けられ、第9撮像装置11iがフロントの左Aピラーに取り付けられていると良い。
レーダ12は、上記対象物体の検出結果データ(検出信号)を取得し、車両走行制御装置1に向けて検出結果データを送信する。
レーダ12は、自車両Vに複数搭載されており、自車両Vの左右のフロントライトの周辺に取り付けられる第1レーダ12a、第2レーダ12bと、自車両Vの左右のバックライトの周辺に取り付けられる第3レーダ12c、第4レーダ12dと、を備えている。
なお、レーダ12は、ミリ波レーダに特に限定されることなく、レーザーレーダ、超音波センサ等のレーダであっても良い。
ライダ13は、上記対象物体との距離を測定した距離測定データを取得し、車両走行制御装置1に向けて距離測定データを送信する。
ライダ13は、自車両Vに複数搭載されており、自車両Vの左右のフロントライトの周辺に取り付けられる第1ライダ13a、第2ライダ13bと、自車両Vのバックパンパ―に取り付けられる第3ライダ13cと、自車両Vの左右のバックライトの周辺に取り付けられる第4ライダ13d、第5ライダ13eと、を備えている。
車載ロケータ20は、具体的には、複数の人工衛星SAからGNSS電波(GPS電波)を受信するGNSS受信機21と、自車両Vの加速度及び角速度を測定する慣性測定装置22と、を備えている。
なお、基準局STは、既知点に設定された固定基準局であって、複数の人工衛星SAからGNSS電波を受信し、「GNSS補正情報」を生成し、GNSS受信機21に向けて送信する。
「GNSS情報」とは、複数の人工衛星SAとGNSS受信機21との距離情報である。
「GNSS補正情報」とは、既知点に位置する基準局STがGNSS電波を受信し、基準局STとGNSS受信機21が通信することで、「GNSS情報」の計測誤差を補正した距離情報である。
車両走行制御装置1は、GNSS受信機21から受信したGNSS情報(GNSS補正情報)と、慣性測定装置22から受信した自車両Vの角速度及び加速度の情報とを組み合わせて測位することで、より小さい誤差範囲で自車両Vの現在位置を測定することができる。
なお、ハンドルECU32は、ドライビングサポートコンピュータとも呼ばれ、アクセルECU33及びブレーキECU34は、パワーマネジメントコントロールユニットとも呼ばれている。
なお、総合ECU31と接続される個々のECUの数や機能については、上記の3つのECU32~34に特に限定されることなく、これらのECUと同階層でその他のECUをさらに備えていても良い。
電動パワーステアリングV1は、自車両Vの前輪を操舵する操舵機構を備えている。例えば、手動運転モードの際には、運転者によるハンドルV1aの操舵操作によって自車両Vの前輪を操舵する。
電動スロットルV2は、自車両Vの駆動車輪を回転させる駆動力を出力する駆動機構を備えている。例えば、手動運転モードの際には、運転者によるアクセルペダルV2aのアクセル操作に対応してエンジンの出力を調整する。
電磁ブレーキ装置V3は、自車両Vの各車輪に取り付けられ、車輪の回転に抵抗を加えることで自車両Vを減速又は停止させる機構を備えている。例えば、手動運転モードの際には、運転者によるブレーキペダルV3aのブレーキ操作に対応して電磁ブレーキ装置V3の作動を調整する。
具体的には、車載通信装置40は、「相対運転」に必要な情報として車両情報発信装置50が取得した対象車両FVの位置情報を含む対象車両情報を受信し、車両走行制御装置1に向けて送信する。
また、車載通信装置40は、「遠隔運転」に必要な情報として車両走行制御装置1が取得した外部映像の情報と、現在位置の情報とを遠隔操作装置70に向けて送信する。また、オペレータによるユーザ入力を受け付けた遠隔操作装置70から自車両Vの運転操作情報を受信し、車両走行制御装置1に向けて送信する。
そのほか、車載通信装置40は、不図示の外部サーバーと情報通信を行い、例えば、外部サーバーから最新の交通情報や天候情報等を受信することもできる。
「対象車両情報」とは、対象車両FVの位置情報(リアルタイムの位置情報)と、走行予定経路の情報と、車両識別情報とを含むものであって、車両情報発信装置50の記憶部500に記憶されている。
「車両識別情報」とは、対象車両FVを識別する車両IDであって、この車両IDごとに、車種名、型式、車台番号等の情報が対応付けられて記憶部500に記憶されたものである。車両識別情報は、記憶部500に記憶されているほか、対象車両FVに取り付けられた識別マーク60にも埋め込まれている。
車載通信装置52は、自車両Vに搭載された車両走行制御装置1とネットワークを通じて情報通信する装置である。
具体的には、車載通信装置52は、自車両Vの「相対運転」に必要な情報として対象車両情報を車両走行制御装置1(車載通信装置40)に向けて常時若しくは必要に応じて発信する。
詳しく述べると、車載通信装置52は、対象車両情報のうち対象車両FVの位置情報をリアルタイムで発信することができる。
「リアルタイムで発信」とは、対象車両FVの位置情報の変化と同じタイミングで位置情報を発信する場合のほか、多少のタイムラグが発生した状態で位置情報を発信する場合も含むものである。
識別マーク60は、自車両Vの撮像装置11によって認識される。
詳しく述べると、撮像装置11は、撮像装置11が撮像した映像内において識別マーク60を認識したときに、識別マーク60に埋め込まれた対象車両FVの車両識別情報、走行予定経路を特定できる情報等を認識結果として取得する。そして、車両走行制御装置1が、所定の通信方式におけるネットワーク通信や車載ネットワーク(CAN)を通じて撮像装置11から対象車両FVの車両識別情報を取得することができる。
上記例では、車両情報発信装置50、識別マーク60から車両識別情報を取得できることとしているが、少なくとも一方から取得できればよい。
また、識別マーク60は、対象車両FVの左側面において車両前後方向の中央部、前端部、後端部にそれぞれ取り付けられる第7識別マーク60g、第8識別マーク60h、第9識別マーク60iと、対象車両FVの右側面において中央部、前端部、後端部にそれぞれ取り付けられる第10識別マーク60j、第11識別マーク60k、第12識別マーク60lと、を備えている。
なお、対象車両FVの後面、前面、両側面それぞれの中央部に配置された第1識別マーク60a、第4識別マーク60d、第7識別マーク60g、第10識別マーク60jは、その他の識別マークと比較して幾分大きく形成されている。そのため、自車両Vが対象車両FVの周囲を走行しているときに、撮像装置11が識別マーク60を認識することが容易になる。言い換えれば、車両走行制御装置1が対象車両FVの存在を検知することが容易になる。
そのため、識別マーク60a~60lのうち、いずれかの識別マーク60が自車両Vの撮像装置11によって認識されることで、車両走行制御装置1が、対象車両FVの車両識別情報を取得し、対象車両FVを検知することができる。
また、識別マーク60a~60lのうち、例えば識別マーク60a及び識別マーク60cが認識されることで、あるいは識別マーク60cのみが認識されることで、車両走行制御装置1は、上記マーク位置情報に基づいて自車両Vが対象車両FVの後方位置にいること、さらには対象車両FVよりも右側位置にいることを検知することができる。
特に、車両走行制御装置1は、自車両Vの周囲の環境情報と、自車両Vの位置情報と、対象車両FVの位置情報と、識別マーク60によって得られるマーク位置情報とに基づいて自車両Vに対する対象車両FVの位置(相対位置)を精度良く把握することができる。
なお、遠隔操作装置70は、スピーカーやマイク、シフトレバー等の構成部品をさらに備えていても良い。
所定のレイアウト情報とは、例えば、オペレータの死角を作らない、オペレータが操作し易いレイアウトの表示態様である。このとき、所定のレイアウト情報を含む複数のレイアウト情報は、レイアウトID(レイアウト識別情報)によって対応付けられ、車両走行制御装置1の記憶部100に記憶されていると良い。この場合、操作スイッチ76等を用いて所定のレイアウト情報の変更操作を行うと、遠隔操作装置70から車両走行制御装置1に向けて変更後のレイアウトIDが送信される。
そして、車両走行制御装置1は、変更後のレイアウトIDに対するレイアウト情報に基づいて外部映像を合成した合成映像を生成し、当該合成映像を遠隔操作装置70に向けて
送信する。そうすることで、モニタ71にはその合成映像が変更表示される。
アクセルペダル74、ブレーキペダル75は、それぞれオペレータによって操作され、自車両Vの電動スロットルV2の駆動、電磁ブレーキ装置V3の作動を調整するために用いられる操作部である。
複数の操作スイッチ76は、例えば「遠隔運転」を行うための設定情報をユーザ入力するために用いられる。例えばオペレータが操作スイッチ76を適宜操作することで、自車両Vの外部映像(合成映像)を所定のレイアウト表示に切り替えることや、自律運転モードと、相対運転モードと、遠隔運転モードとの間で運転モードを切り替えることができる。
車両走行制御装置1は、図5に示すように、機能面から説明すると、各種プログラム及び各種データを記憶しておく記憶部100と、環境情報取得部101と、位置情報取得部102と、運転制御部103と、車両検知部104と、通信部105と、モード変更部106と、条件判定部107と、走行予定経路設定部108と、映像処理部109と、を主な構成要素として備えている。
これらは、CPU、ROM、RAM、HDD、通信用インタフェース、及び各種プログラム等によって構成されている。
なお、記憶部100には、自車両Vの車両識別情報、自車両Vの走行予定経路の情報、等が記憶されている。
記憶部500には、対象車両FVの現在の位置情報と、走行予定経路の情報と、車両識別情報とを含む「対象車両情報」が記憶されている。
位置情報取得部501は、車載ロケータ51を利用して対象車両FVの「現在の位置情報」をリアルタイムで取得する。そして、取得した「現在の位置情報」を記憶部500に記憶していくことで、車両情報発信装置50が搭載された対象車両FVの走行軌跡(過去の走行ルート)を記録することが可能となり、記憶部500には、対象車両FVの走行軌跡が記憶された状態となる。
通信部502は、車載通信装置52を利用して「対象車両情報」を車両走行制御装置1(車載通信装置40)に向けて発信する。また、対象車両情報のうち対象車両FVの「現在の位置情報」をリアルタイムで発信する。
<<自車両の外部環境情報、位置情報>>
環境情報取得部101は、車載センサ10から自車両Vの周囲における「環境情報(厳密には、外部環境の検出情報)」を取得するものである。
詳しく述べると、「環境情報」として、撮像装置11から自車両Vの周囲の外部映像データを取得し、レーダ12から自車両Vの周囲の対象物体の検出結果データを取得し、ライダ13から自車両Vの対象物体との距離を測定した距離測定データを取得する。
なお、「環境情報」とは、具体的には、自車両V周辺の移動物体(他の車両や歩行者等)、各種の構造物、道路形状等の検出情報であって、走行環境情報とも称され、交通環境情報や道路環境情報等を含むものである。
「走行状態に関する情報」とは、対象車両FVによる一定速度の走行動作、加速動作、減速動作、停止動作、左折動作、右折動作、後退動作等に関する情報であって、言い換えれば、対象車両FVの挙動情報(挙動に基づく情報)である。
環境情報取得部101が対象車両FVの走行状態に関する情報をリアルタイムで取得することで、車両走行制御装置1は、対象車両FVの走行状態に関する情報の変化(挙動情報の変化)に基づいて、例えば走行中の対象車両FVが停止したこと、停止中の対象車両FVが走行開始したこと、対象車両FVが走行予定経路とは異なる経路を走行開始したこと等を検知することが可能となる。
このときの「対象車両FVが自車両Vにおける走行予定経路とは異なる経路を走行開始したこと(対象車両FVの走行予定経路と、自車両Vの走行予定経路とが合致しなくなったこと)」は、対象車両FVの記憶部500において記憶されている、「対象車両FVの走行軌跡」と、後述する「自車両Vの走行軌跡」とをもとに、その自車両Vの走行軌跡が自車両Vの走行予定経路上であるか否かによって判断する。
詳しく述べると、位置情報取得部102は、GNSS受信機21からGNSS情報(GNSS補正情報)を取得し、慣性測定装置22から自車両Vの角速度及び加速度の情報を取得し、これらGNSS情報(GNSS補正情報)、角速度及び加速度の情報に基づいて、自車両Vの現在位置を特定する。
なお、取得した「現在の位置情報」を記憶部100に記憶していくことで、車両走行制御装置1が搭載された自車両Vの走行軌跡(過去の走行ルート)を記録することが可能となり、記憶部100には、自車両Vの走行軌跡が記憶された状態となる。この自車両Vの走行軌跡は、自車両Vが走行する走行予定経路上にあるか否かを判断し、必要に応じて走行予定経路上に導く新たな走行予定経路の設定に用いられる。
なお、「絶対位置」の位置精度は±10m程度であり、「相対位置」の位置精度は±40cm程度と言われている。また、「補正絶対位置」の位置精度は、絶対位置よりも位置精度が高く、「補正相対位置」の位置精度は±5cm程度であり、最も位置精度が高い。
以下、「絶対位置」、「相対位置」、「補正絶対位置」、「補正相対位置」の算出方法について詳しく説明する。
自車両Vの「絶対位置」とは、複数の人工衛星SAからGNSS電波を受信し、既知点にそれぞれ位置する人工衛星SAと自車両Vとの間の距離を測定し、それぞれの測定距離(GNSS情報に相当)から未知点を求める3次元方程式を解くことで得られる自車両Vの3次元位置である。
自車両Vの「相対位置」とは、既知点に位置する基準局STにおいてGNSS電波を受信し、基準局STから計測誤差がより小さい距離(それぞれの人工衛星SAと自車両Vとの間の距離)を取得し、それぞれの測定距離(GNSS補正情報に相当)から求められる自車両Vの3次元位置である。
「相対位置」の算出方法としては、RTK測位方式(干渉測位方式)の算出方法と、DGPS測位方式(相対測位方式)の算出方法とがある。いずれの算出方法であっても良い。
自車両Vの「補正絶対位置」とは、GNSS情報と、自車両Vの角速度及び加速度の情報(IMU情報とも呼ばれる)とを組み合わせて測位することで得られる自車両Vの3次元位置である。
また、補正位置算出部102cは、「GNSS補正情報」と、「加速度及び角速度の情報」とに基づいて自車両Vの相対位置を補正した「補正相対位置」を算出する。
具体的には、受信判定部102dは、自車両Vの周囲に障害物があって人工衛星SAから電波を受信できない場合、また基準局STとの間でデータの送受信ができない場合を想定し、人工衛星SAから電波を受信できるか否か、また基準局STとの間でデータの送受信ができるか否かを判定する。
また、位置情報取得部102は、GNSS情報をリアルタイムで受信でき、GNSS補正情報をリアルタイムで受信できないと判定された場合には、位置精度が高い「補正絶対位置」を用いて自車両Vの現在位置を特定する。
さらに、位置情報取得部102は、GNSS情報及びGNSS補正情報をリアルタイムで受信できないと判定された場合には、直前に受信した「GNSS情報」と、「加速度及び角速度の情報」とに基づいて算出された「推測位置」を用いて自車両Vの現在位置を特定することもできる。
なお、位置情報取得部102によって取得された自車両Vの走行開始位置から走行終了位置に至るまでの位置情報が集計処理されることで、自車両Vの実際の走行経路情報(走行軌跡情報、走行履歴情報とも称する)が生成される。
生成された自車両Vの走行経路情報(走行経路データ)は、走行日時、走行時間に関する情報と、自車両Vの運転モードに関する情報(例えば、運転モードの変更回数、各運転モードの実行時間)と、相対運転モードの際に追従対象となった対象車両FVの車両情報等とが紐づけられて記憶部100に記憶される。
運転制御部103は、環境情報取得部101によって得られた「環境情報」と、位置情報取得部102によって得られた「自車両Vの位置情報」とに基づいて総合ECU31を制御し、自車両Vの「自律運転制御」を行う(図6A参照)。
なお、運転制御部103は、自車両Vの「自律運転制御」を行うにあたって、車載ECU30から自車両Vの「車両情報」を取得し、「車両情報」をさらに組み合わせて総合ECU31を制御しても良い。
詳しく述べると、自車両Vが走行開始すると「自律運転モード」が設定された状態となり、運転制御部103は、「自律運転モード」が設定された状態で自律運転制御を行う。
その後、モード変更部106によって「自律運転モード」及び「相対運転モード」の間で運転モードの変更が行われながら、自車両Vが走行予定経路の目的地に向かって走行することになる。
なお、自車両Vが走行開始するタイミングで、既に追従対象となる対象車両FVが検知され、対象車両FVの位置情報がリアルタイムで得られる場合には、モード変更部106によって「自律運転モード」から「相対運転モード」に変更された状態となっても良い。その場合には、運転制御部103が、「相対運転モード」が設定された状態で相対運転制御を行い、対象車両FVに対する自車両Vの相対運転をスタートする。
あるいは、自車両Vが走行開始すると、「自律運転モード」の代わりに「遠隔運転モード」が設定された状態となって、運転制御部103は、「遠隔運転モード」が設定された状態で遠隔運転制御を行うこととしても良い。
「追従対象となる対象車両」とは、自車両Vの走行予定経路と少なくとも一部合致する走行予定経路を走行する車両のほか、一定の走行距離(走行時間)において自車両Vの走行予定経路と同じ経路を走行することになる車両を含むものである。
例えば、一定の走行距離(走行時間)において分岐点が存在しない高速道路や一般道路等を走行する場合に自車両Vの周辺を走行している車両が該当する。
例えば、対象車両FVの第1識別マーク60aが認識されたときには、車両検知部104は、自車両Vよりも前方位置に対象車両FVが存在することを検知する。
あるいは、対象車両FVの第7識別マーク60gが認識されたときには、車両検知部104は、自車両Vの右側位置に対象車両FVが存在することを検知する。
例えば、車両走行制御装置1は、自車両Vに対して対象車両FVが幾分左側寄りの前方位置を走行していることや、自車両Vに対して対象車両FVが並走しており、自車両Vの幾分前方側を走行していること等を精度良く検知することができる。この場合、対象車両FVの相対位置は、例えば、自車両Vを中心位置とする三次元座標位置によって特定されると良い。
そうすることで、図6Bに示すように、自車両Vと対象車両FVの間で適切な車間距離を維持しながら自車両Vを相対運転させることができる。また、図6Cに示すように、自車両Vが対象車両FVを適切に追い越せるように自車両Vを自律運転させることもできる。
例えば、車両検知部104は、車載通信装置40を利用して対象車両FVに搭載された車両情報発信装置50から対象車両FVの車両識別情報を無線通信によって取得し、当該車両識別情報に基づいて対象車両FVを検知しても良い。
言い換えれば、対象車両FVに取り付けられた識別マーク60によって対象車両FVが検知され得る状態としても良いし、あるいは、対象車両FVに搭載された車両情報発信装置50との無線通信によって対象車両FVが検知され得る状態としても良い。
詳しく述べると、通信部105は、車両検知部104によって対象車両FVが検知されると、車両情報発信装置50とネットワークを介した通信を開始する。
そして、通信部105は、対象車両FVに搭載された車両情報発信装置50から、対象車両FVの位置情報と、走行予定経路の情報とを受信する。
なお、車両情報発信装置50の位置情報取得部501は、上述の位置情報取得部102と同様にして対象車両FVの「現在の位置情報」をリアルタイムで取得している。
モード変更部106は、所定の相対運転開始条件を満たしたときに「自律運転モード(自律運転制御)」から「相対運転モード(相対運転制御)」に変更する。
具体的には、モード変更部106は、図6Aに示すように「自律運転モード」が設定された状態で自律運転制御が行われているときに、車両検知部104によって対象車両FVが検知され、通信部105によって対象車両情報が受信されると、図6Bに示すように「自律運転モード」から「相対運転モード」に変更する。
なお、上記前走車両が対象車両FVではないと判断された場合には、上記前走車両が検知された場合であっても、「所定の相対運転開始条件」を満たさないため、モード変更部106によるモード変更はなされない。
ここで「対象車両FV」とは、自車両Vに搭載された車両走行制御装置1(記憶部100)によって予め登録された車両IDを有し、当該車両IDによって識別される車両である。上記前走車両に当該車両IDが設定されている場合、「所定の相対運転開始条件」を満たし、当該車両IDが設定されていない場合には、当該条件を満たさないことになる。
このとき、モード変更部106は、両方のモードを設定した状態で「自律運転モード」を優先して継続させる。つまり、運転制御部103は、自律運転制御を継続して行う。
そして、モード変更部106は、両方のモードが設定された状態で自律運転制御が継続しているときに、対象車両FVの対象車両情報が得られると、両方のモードを設定した状態で「相対運転モード」を優先して実行させる。つまり、運転制御部103は、相対運転制御を新たに行う。
なお、モード変更部106は、両方のモードが設定された状態で自律運転制御が継続しているときに、対象車両FVの対象車両情報が得られなかった場合、すなわち、対象車両FVに搭載された車両情報発信装置50との無線通信ができなかった場合には、一度設定した「相対運転モード」を未設定の状態に戻す。言い換えれば、「相対運転モード」を有効状態から無効状態に戻す。このとき、「自律運転モード」は設定されたままの状態(有効状態)であるため、運転制御部103は、自律運転制御を継続して行うことになる。
運転制御部103は、「環境情報」と、「自車両Vの位置情報」と、「対象車両FVの対象車両情報」とに基づいて総合ECU31を制御し、対象車両FVに対して自車両Vの「相対運転制御」を行う(図6B参照)。
なお、運転制御部103は、「相対運転制御」を実行するにあたって、識別マーク60の認識結果から得られた「対象車両FVの車両識別情報」をさらに組み合わせて総合ECU31を制御することで、対象車両FVの車種(形状や大きさ、走行性能、燃費、排気量等)に応じた好適な相対運転を行うことができる。
具体的には、走行速度取得部が、慣性測定装置22から自車両Vの「角速度及び加速度の情報」を取得し、当該加速度及び角速度を積分演算することで自車両Vの「走行速度」をリアルタイムで取得する。
そして、運転制御部103は、記憶部100に記憶された図7に示す「車間距離データ」を参照しながら、対象車両FVの位置情報をもとに自車両が走行する位置情報を特定し、その自車両の位置情報と環境情報とに基づき、対象車両FVに相対して自車両Vを走行させる相対運転制御を行う。
この相対運転制御では、対象車両FVの位置情報をもとに特定した位置情報を自車両Vが実際に走行するように、「自車両Vの位置情報」をもとに補正、軌道修正する処理を行う。つまり、対象車両FVの位置情報をもとに特定した、自車両が走行する位置情報と、実際に自車両が走行している位置情報とのズレ(誤差)を補正、軌道修正する処理である。
これによって、自車両Vが実際に走行した走行軌跡(自車両Vの位置情報に基づく走行軌跡)を記憶部100で記憶する。
「車間距離データ」とは、自車両Vの走行速度と、設定車間距離との対応関係を示すデータテーブルである。
なお、運転制御部103は、これに限られず、自車両Vと対象車両FVの同期状態(例えば、対象車両FVが「1m」走行すると、自車両Vも「1m」走行する状態)により、対象車両FVに対して自車両Vの相対運転制御を行っても良い。
(対象車両が停止動作した場合)
モード変更部106は、図6Bに示すように「相対運転モード」が設定された状態で相対運転制御が行われているときに、対象車両FVに関する所定の走行条件、自車両Vに関する所定の走行条件がそれぞれ成立すると、相対運転モードから「自律運転モード」に変更する。
「対象車両FVに関する所定の走行条件」とは、自車両Vが効率良く走行するために、自車両Vが対象車両FVを追い越す必要が生じたこと、あるいは対象車両FVとは異なる経路を走行する必要が生じたことが対象車両FVの挙動(走行状態の変化)から検知された場合である。
例えば、走行中の対象車両FVが道路脇(路側帯)に停止動作したこと、または停止動作を開始したことが、対象車両FVの挙動から検知された場合である。「停止動作を開始したこと」とは、例えば、対象車両FVの加速度が0(km/h/s)以下となり、自車両Vとの走行速度(km/h)の差が所定の閾値以上になったこと等が想定される。
また「自車両Vに関する所定の走行条件」とは、自車両Vが対象車両FVを追い越すための走行予定経路を走行することが可能であることが検知された場合である。
第1判定部107aによって上記走行条件が成立したと判定された場合に、第2判定部107bが、「自車両Vに関する所定の走行条件」が成立したか否かを判定する。
第2判定部107bによって上記走行条件が成立したと判定された場合に、モード変更部106が、「相対運転モード」から「自律運転モード」に変更する。
一方で、第1判定部107aによって上記走行条件が成立しないと判定された場合、あるいは、第2判定部107bによって上記走行条件が成立しないと判定された場合には、モード変更部106は「相対運転モード」を継続し、運転制御部103は「相対運転制御」を継続して行う。
つまり、対象車両FV、自車両Vに関する所定の走行条件とは、自車両Vの相対運転制御を解除するための「相対運転解除条件」と言い換えることもできる。
当該検出結果に基づいて、第1判定部107aは、対象車両FVに関する走行条件が成立したと判定する。
続いて、第2判定部107bは、環境情報と、自車両Vの位置情報と、対象車両FVの位置情報とに基づいて自車両Vが対象車両FVを追い越すための走行予定経路を走行することが可能であると判定する(自車両Vに関する走行条件が成立したと判定する)。
これら判定結果に基づいて、モード変更部106は、「相対運転モード」から「自律運転モード」に変更する。
走行予定経路設定部108によって新たな走行予定経路が設定されると、運転制御部103は、環境情報と、自車両Vの位置情報とに基づいて、新たな走行予定経路に沿って自車両Vを自律的に走行させる自律運転制御を行う。
具体的には図6Cに示すように、運転制御部103は、自車両Vが対象車両FVを追い越すように自律運転制御を行う。
第1判定部107a、第2判定部107bによって判定される対象車両FV、自車両Vに関する走行条件のほか、モード変更部106は、「相対運転モード」が設定された状態で相対運転制御が行われているときに、対象車両FVの走行予定経路に応じた条件が成立すると、相対運転モードから「自律運転モード」に変更する。そして、走行予定経路設定部108は、自車両Vの新たな走行予定経路を設定する。
この場合、モード変更部106は、第1判定部107a、第2判定部107bによる判定結果を問わず、相対運転モードから「自律運転モード」に強制的に変更する。
例えば、対象車両FVの走行予定経路が予め取得されており、当該走行予定経路が合致しなくなったこと、あるいは対象車両FVの走行予定経路が変更され、変更後の走行予定経路が合致しなくなったこと等が想定される。
以下、対象車両FVと自車両Vが分岐点で別れる場合を想定して説明する。
当該「対象車両情報」に基づいて、第3判定部107cは、対象車両FVが自車両Vの走行予定経路とは異なる経路を走行したか否かを判定する。
第3判定部107cによって対象車両FVが異なる経路を走行したと判定された場合に、モード変更部106は、第1判定部107a、第2判定部107bによる判定結果を問わず、「相対運転モード」から「自律運転モード」に変更する。
走行予定経路設定部108によって新たな走行予定経路が設定されると、運転制御部103は、新たな走行予定経路に沿って自車両Vの自律運転制御を行い、自車両Vが既存の走行予定経路における所定地点まで戻るように自律走行する。その後、当該所定地点から目的地まで既存の走行予定経路に沿って自車両Vが自律走行する。
次に、自車両Vが対象車両FVを追い越す運転制御について詳しく説明する。
図6Cに示すように、走行中の対象車両FVが道路脇に停止動作し(対象車両FVに関する走行条件が成立し)、自車両Vが対象車両FVを追い越し可能である場合(自車両Vに関する走行条件が成立した場合)には、走行予定経路設定部108が、新たに第1走行経路から第3走行予定経路までを設定する。
そして、走行予定経路設定部108は、自車両Vが対象車両FVの横に並ぶ位置に到達したときに、自車両Vの現在の「走行位置P2」と、対象車両FVよりも前方に位置する「第2の走行予定位置(走行位置P3)」とを結ぶ「第2の走行予定経路R2」を設定する。
そして、走行予定経路設定部108は、自車両Vが対象車両FVよりも前方位置に到達したときに、自車両Vの現在の「走行位置P3」を基準とした「第3の走行予定経路R3」を設定する。
「第2の走行予定経路R2」とは、自車両Vが対象車両FVを追い越し、対象車両FVよりも前方位置に到達するための走行予定経路である。
「第3の走行予定経路R3」とは、対象車両FVを追い越した自車両Vが、現在の走行位置を基準として(スタート位置として)目的地に辿り着くための走行予定経路である。
なお、走行予定経路設定部108は、自車両Vが対象車両FVを円滑に追い越すべく、第1から第3までの走行予定経路を設定しているが、これに限定されることはない。
例えば、自車両Vの周囲に移動物体や建物等の障害物が多く存在する環境の場合には、走行予定経路設定部108は、第1から第N(Nは4以上の自然数)までの走行予定経路を設定しても良い。
また例えば、自車両Vの周囲に障害物が存在しない環境の場合、あるいは、対象車両FVが走行道路から完全に離れた場合(幅広な路側帯に停止した場合)には、走行予定経路設定部108は、第1の走行予定経路(目的地までの走行予定経路)のみ設定することとしても良い。
次に、自車両Vが対象車両FVの追い越しを中止する運転制御について詳しく説明する。
図6Dに示すように、自車両Vが対象車両FVを追い越すために自律運転制御が行われているときに、停止した対象車両FVが再び走行開始した場合を想定して説明する。
第1判定部107aは、上記自律運転制御が行われているときに、停止した対象車両FVが走行開始したか否かを環境情報に基づいて判断する。
すなわち、自車両Vは、対象車両FVの追い越しを中止し、対象車両FVに追従して走行する(図6Bに示す走行状態に戻る)。
詳しく述べると、走行予定経路設定部108が、自車両Vの現在の「走行位置P4」と、走行開始した対象車両FVよりも後方に位置する「走行予定位置(走行位置P5)」とを結ぶ「復帰予定経路R4」を設定する。
そして、自車両Vが対象車両FVよりも後方位置に到達したときに、モード変更部106が、「自律運転モード」から「相対運転モード」に変更する。そして、運転制御部103が、自車両Vの相対運転制御を行う。
あるいは、自車両Vと対象車両FVが所定の距離(閾値)以上離れていない場合には、運転制御部103が自律運転制御を行い、自車両Vは対象車両FVが進むのを待ってから、対象車両FVの後方位置に移動しても良い。当然ながら、その後は、運転制御部103が、自車両Vの相対運転制御を行う。
すなわち、自車両Vと対象車両FVの位置関係(追い越し位置関係)に基づいて、自車両Vが追い越しを継続するか、あるいは自車両Vが追い越しを中止するかを判断する「判断部(追い越し判断部)」を車両走行制御装置1が備えていても良い。
また、自車両V及び対象車両FVそれぞれの位置情報は、自車両V及び対象車両FV上の任意の位置(座標位置)によって特定され、例えば、自車両V及び対象車両FVの先端部分や後端部分のほか、中心点や重心点等であっても良い。
また、車両走行制御装置1を利用することで、対象車両FVが走行途中で停止した場合、あるいは走行途中で休憩場所に立ち寄った場合に、必要に応じて「相対運転(追従運転)」から「自律運転」に切り替えて対象車両を追い越すこと(対象車両を追い越すルートを設定すること)が可能となる。
次に、「遠隔運転制御」について説明する。
映像処理部109は、複数の撮像装置11a-11iから自車両Vの外部映像データをそれぞれ取得し、所定のレイアウト情報に基づいてそれぞれの外部映像を合成した合成映像(合成映像データ)を作成する。
上記合成映像を生成し、生成した合成映像データを遠隔操作装置70に向けて送信することで、複数の外部映像データを送信する場合と比較してデータ通信コストを削減できる。
具体的には、通信部105は、自車両Vの「遠隔運転」に必要な情報として、環境情報取得部101によって得られた「環境情報」と、位置情報取得部102によって得られた「現在の位置情報」とを遠隔操作装置70に向けて送信する。
また、通信部105は、オペレータによるユーザ入力を受け付けた遠隔操作装置70から、自車両Vの「運転操作情報」を受信する。
運転制御部103は、遠隔操作装置70から取得した自車両Vの「運転操作情報」に基づいて総合ECU31を制御し、自車両Vの「遠隔運転制御」を実行する。
そのため、対象車両FVの挙動に応じて「遠隔運転制御」と「相対運転制御」の切り替えを行うことも可能となる。「遠隔運転制御」から「相対運転制御」に切り替わると、オペレータが自車両Vの遠隔運転の作業から解放されることになる。
次に、車両走行制御システムSで実行される車両走行制御プログラム(車両走行制御作方法)の処理の一例について、図7、図8に基づいて説明する。
本実施形態に係る上記プログラムは、記憶部100を備えた車両走行制御装置1の機能的な構成要素として、上述した環境情報取得部101と、位置情報取得部102と、運転制御部103と、車両検知部104と、通信部105と、モード変更部106と、条件判定部107と、走行予定経路設定部108と、映像処理部109と、を実現させるためのプログラムであって、車両走行制御装置1のCPUがこの車両走行制御プログラムを実行する。
上記プログラムは、ユーザ(具体的には、自車両Vの運転手又は外部のオペレータ)からの操作指示を受け付けて実行されるものである。
なお、車両走行制御装置1は、「自律運転モード」の代わりに「遠隔操作運転モード」を設定しても良い。
仮に「遠隔操作運転モード」が設定された場合には、後述のステップS3で、運転制御部103が、自車両Vの遠隔操作運転制御を行うことになる。
そして、ステップS3で、運転制御部103が、環境情報と、自車両Vの位置情報とに基づいて総合ECU31を制御し、自車両Vの「自律運転制御」を行う(図6A参照)。
具体的には、車両検知部104は、撮像装置11によって認識された所定の前走車両の識別マーク60の認識結果をもとに、当該前走車両が対象車両FVであるか否かを上記の所定の相対運転開始条件をもとに判断する。
車両検知部104が、所定の相対運転開始条件を満たすことで対象車両FVであると判断した場合には(ステップS4:Yes)、ステップS5に進む。一方で、車両検知部104が、所定の相対運転開始条件を満たさず、対象車両FVであると判断していない場合には(ステップS4:Nо)、ステップS2に戻る。つまり、「自律運転モード」での自律運転制御を継続する。
詳しく述べると、通信部105は、対象車両FVに搭載された車両情報発信装置50とネットワークを介した通信を開始し、車両情報発信装置50から対象車両FVの位置情報を受信することを試みる。
一方で、通信部105が対象車両FVの位置情報を受信しなかった場合には(ステップS6:No)、ステップS8に進み、「自律運転モード」が設定された状態で、モード変更部106が「相対運転モード」を有効状態から無効状態へと変更して解除した上でステップS2に戻る。
具体的には、第1判定部107aは、対象車両FVが道路脇に停止動作したか否かを判定する(図6C参照)。
第1判定部107aによって上記走行条件が成立したと判定された場合には(ステップS9:Yes)、ステップS10に進み、第2判定部107bが、「自車両Vに関する所定の走行条件」が成立したか否かを判定する。
具体的には、第2判定部107bは、自車両Vが対象車両FVを追い越すための走行予定経路を走行することが可能であるか否かを判定する(図6C参照)。
一方で、ステップS9:Noの場合、またステップS10:Noの場合には、ステップS7に戻ることになる。
具体的には、運転制御部103は、自車両Vが対象車両FVを追い越すように自律運転制御を行う。
一方で、車両走行制御装置1が引き続き自車両Vの運転制御を行う場合には(ステップS14:Nо)、ステップS2に戻る。
まず、ステップS13-1で、第1判定部107aが、自律運転制御が行われているときに、停止中の対象車両FVが走行開始したか否かを環境情報に基づいて判断する。
第1判定部107aによって対象車両FVが走行開始したと判断された場合(ステップS13-1:Yes)、ステップS13-2に進み、運転制御部103は、対象車両FVの追い越しを中止するように運転制御を行う。
一方で、対象車両FVが走行開始していないと判断された場合には(ステップS13-1:No)、ステップS13-7に進み、運転制御部103は、対象車両FVの追い越しを継続するように運転制御を行う。
自車両Vが既に走行開始していると判断された場合(ステップS13-3:Yes)、ステップS13-4に進み、運転制御部103は、自車両Vが対象車両FVよりも後方位置に移動するように自律運転制御を行う(図6D参照)。
一方で、自車両Vが未だ走行開始していないと判断された場合には(ステップS13-3:No)、ステップS13-5に進む。
上記ステップS13-6を経て、図8のプロセスを終了する。
そして、ステップS13-8で、運転制御部103は、自車両Vが対象車両FVよりも前方位置に移動するように自律運転制御を行う。
最後に、ステップS13-9で、運転制御部103は、自車両が対象車両FVを追い越し、目的地に向かって走行するように自律運転制御を継続して行う。
上記ステップS13-9を経て図8のプロセスを終了する。
また、対象車両FVの位置情報をリアルタイムで受信し、対象車両FVの挙動に応じて「自律運転制御」と「相対運転制御」の切り替えを行うことが可能となる。
上記実施形態では、図2に示すように、車両走行制御システムSが、車両走行制御装置1と、車載ECU30とを備えており、「自律運転機能(車載ECU30)」を搭載した自車両Vに対して「相対運転機能及び遠隔運転機能(車両走行制御装置1)」を新たに付与するものであったが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、車両走行制御装置1が車載ECU30の機能を兼ねていても良い。すなわち、車両走行制御システムSが、車両走行制御装置1(車載ECU30の機能を含む)と、車載センサ10と、車載ロケータ20と、車載通信装置40と、車両情報発信装置50と、識別マーク60と、遠隔操作装置70と、から構成されていても良い(車載ECU30を構成から外しても良い)。
すなわち、車両走行制御システムSが、車両走行制御装置1と、車載センサ10と、車載ECU30と、車両情報発信装置50と、識別マーク60と、遠隔操作装置70と、から構成されていても良い。
ここで、対象車両FVが検知され、その後に前走車両情報が受信され、その後に「相対運転モード」に変更された場合に、運転制御部103が相対運転制御を行うことに限定されるものではない。
例えば、前走車両情報が受信され、その後に対象車両FVが検知され、その後に「相対運転モード」に変更された場合に、運転制御部103が相対運転制御を行っても良い。
あるいは、対象車両FVが検知され、その後に「相対運転モード」に変更され、その後に前走車両情報が受信された場合に、運転制御部103が相対運転制御を行っても良い。
そのほか、車両走行制御装置1となる端末(携帯端末)を利用して専用ソフトウェアを起動させて、ウェブブラウザ上で車両走行制御プログラムが実行されることとしても良い。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
V 自車両
V1 電動パワーステアリング
V1a ハンドル
V2 電動スロットル
V2a アクセルペダル
V3 電磁ブレーキ装置
V3a ブレーキペダル
FV 対象車両
1 車両走行制御装置
10 車載センサ
11 撮像装置
11a~11i 第1撮像装置~第9撮像装置
12 レーダ(ミリ波レーダ)
12a~12d 第1レーダ~第4レーダ
13 ライダ
13a~13e 第1ライダ~第5ライダ
20 車載ロケータ
21 GNSS受信機(RTK-GNSS受信機)
22 慣性測定装置(IMU)
30 車載ECU
31 総合ECU
32 ハンドルECU
33 アクセルECU
34 ブレーキECU
40 車載通信装置
50 車両情報発信装置
51 車載ロケータ
51a GNSS受信機
51b 慣性測定装置
52 車載通信装置
60 識別マーク
60a~60l 第1識別マーク~第12識別マーク
70 遠隔操作装置
71 表示モニタ
72 表示ナビモニタ
73 ハンドル
74 アクセルペダル
75 ブレーキペダル
76 操作スイッチ
100 記憶部
101 環境情報取得部
102 位置情報取得部
102a 絶対位置算出部
102b 相対位置算出部
102c 補正位置算出部
102d 受信判定部
103 運転制御部
104 車両検知部
105 通信部
106 モード変更部
107 条件判定部
107a 第1判定部
107b 第2判定部
107c 第3判定部
108 走行予定経路設定部
109 映像処理部
500 記憶部
501 位置情報取得部
502 通信部(第2通信部)
700 記憶部
701 通信部(第3通信部)
702 画面表示部
703 操作データ作成部
704 ユーザ報知部
P1~P5 走行位置
R1~R3 第1~第3の走行予定経路
R4 復帰予定経路
SA 人工衛星
ST 基準局
上記のように、車両走行制御装置は、自車両の「相対運転制御」が行われているときに、対象車両、自車両に関する所定の走行条件が成立したと判定された場合に、自車両の新たな走行予定経路を設定し、自車両の「自律運転制御」を行うこととしている。そのため、対象車両の挙動(走行状態の変化)に応じて「相対運転(追従運転)」と「自律運転」の切り替えを適宜行い、自車両が効率良く運転可能となる車両走行制御装置を実現することができる。
また前記課題は、自車両の走行を制御する車両走行制御装置としてのコンピュータに、前記自車両の周囲における環境情報を取得する環境情報取得処理と、前記自車両の位置情報を取得する位置情報取得処理と、走行予定経路における前記自車両の走行において対象となる対象車両の位置情報を受信する通信処理と、前記環境情報と前記自車両の位置情報とに基づいて、前記自車両の運転制御を行う運転制御処理と、前記対象車両に関する所定の走行条件が成立したか否かを判定する第1の判定処理と、前記自車両に関する所定の走行条件が成立したか否かを判定する第2の判定処理と、前記通信処理によって受信した前記対象車両の位置情報に基づき、前記対象車両が前記自車両の走行予定経路とは異なる経路を走行したか否かを判定する第3の判定処理と、前記自車両の新たな走行予定経路を設定する走行予定経路設定処理と、を実行させ、前記運転制御処理では、前記対象車両の位置情報をもとに特定される前記自車両の位置情報と前記環境情報とに基づき、前記対象車両に相対して前記自車両を走行させる相対運転制御を行い、前記走行予定経路設定処理では、前記運転制御処理によって前記相対運転制御が行われている場合において、前記第1の判定処理によって前記対象車両に関する所定の走行条件が成立したと判定され、前記第2の判定処理によって前記自車両に関する所定の走行条件が成立したと判定されたときに、前記環境情報と、前記自車両の位置情報と、前記対象車両の位置情報とに基づいて前記自車両の走行予定経路となる新たな走行予定経路を設定し、前記第3の判定処理によって前記対象車両が前記自車両の走行予定経路とは異なる経路を走行したと判定されたときには、前記第1の判定処理及び前記第2の判定処理による判定結果を問わず、前記自車両の走行予定経路へと導くまでの新たな走行予定経路を設定し、前記運転制御処理では、前記走行予定経路設定処理によって前記新たな走行予定経路が設定されたとき、前記相対運転制御に代えて、前記自車両を前記新たな走行予定経路に沿って前記環境情報と前記自車両の位置情報とに基づき自律走行させる自律運転制御を行う、車両走行制御プログラムによっても解決される。
Claims (7)
- 自車両の走行予定経路に沿って前記自車両の走行を制御する車両走行制御装置であって、
前記自車両の周囲における環境情報を取得する環境情報取得部と、
前記自車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記自車両の走行予定経路において対象となる対象車両の位置情報を受信する通信部と、
前記環境情報と、前記自車両の位置情報とに基づいて前記自車両の運転制御を行う運転制御部と、
前記通信部から前記対象車両の位置情報を受信し、該対象車両の位置情報をもとに前記自車両の位置情報が特定され、該自車両の位置情報と前記環境情報とに基づき、前記対象車両に相対して前記自車両を走行させる相対運転制御が行われているときに、前記対象車両に関する所定の走行条件が成立したか否かを判定する第1の判定部と、
前記相対運転制御が行われているときに、前記自車両に関する所定の走行条件が成立したか否かを判定する第2の判定部と、
前記対象車両に関する所定の走行条件が成立したと判定され、かつ、前記自車両に関する所定の走行条件が成立したと判定されたときに、前記環境情報と、前記自車両の位置情報と、前記対象車両の位置情報とに基づいて前記自車両の新たな走行予定経路を設定する走行予定経路設定部と、備え、
前記新たな走行予定経路が設定されたときに、前記運転制御部は、前記相対運転制御に代えて、前記自車両を前記新たな走行予定経路に沿って前記環境情報と、前記自車両の位置情報とに基づき自律的に走行させる自律運転制御を行うことを特徴とする車両走行制御装置。 - 前記相対運転制御が行われているときに、前記対象車両が前記自車両の走行予定経路とは異なる経路を走行したか否かを、前記対象車両の位置情報に基づいて判定する第3の判定部を備え、
前記対象車両が異なる経路を走行したと判定されたときには、前記第1の判定部及び前記第2の判定部による判定結果を問わず、前記走行予定経路設定部は、前記自車両の走行予定経路へと導くまでの新たな走行予定経路を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両走行制御装置。 - 前記第1の判定部は、前記対象車両に関する走行条件として前記対象車両が停止したか否かを、前記環境情報に基づいて判定し、
前記第2の判定部は、前記自車両に関する走行条件として前記自車両が前記対象車両を追い越すための走行予定経路を走行することが可能か否かを、前記環境情報と、前記自車両の位置情報と、前記対象車両の位置情報とに基づいて判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両走行制御装置。 - 前記自律運転制御が行われ、前記自車両が前記対象車両を追い越すために前記新たな走行経路に沿って走行しているときに、前記第1の判定部は、停止した前記対象車両が走行開始したか否かを前記環境情報に基づいて判定し、
前記対象車両が走行開始したと判定されたときに、
前記自車両が前記相対運転制御を行うことが可能な位置まで移動するように前記運転制御部が前記自律運転制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の車両走行制御装置。 - 前記走行予定経路設定部は、
前記自車両が前記対象車両よりも後方位置にいるときに、前記自車両の現在の走行位置と、前記対象車両の横に並ぶ第1の走行予定位置とを結ぶ第1の走行予定経路を設定し、
前記自車両が前記対象車両の横に並ぶ位置に到達したときに、前記自車両の現在の走行位置と、前記対象車両よりも前方に位置する第2の走行予定位置とを結ぶ第2の走行予定経路を設定し、
前記自車両が前記対象車両よりも前方位置に到達したときに、前記自車両の現在の走行位置を基準とした第3の走行予定経路を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両走行制御装置。 - 前記自律運転制御を行う第1の運転制御モードと、前記相対運転制御を行う第2の運転制御モードとを変更するモード変更部を備え、
前記運転制御部は、前記第2の運転制御モードが設定された状態で前記相対運転制御を行っているときに、前記新たな走行予定経路が設定され、前記モード変更部によって前記第2の運転制御モードから前記第1の運転制御モードに変更されたことにより、前記自律運転制御を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両走行制御装置。 - 自車両の走行予定経路に沿って前記自車両の走行を制御するコンピュータによって実行される車両走行制御方法であって、
前記コンピュータが、
前記自車両の周囲における環境情報を取得することと、
前記自車両の位置情報を取得することと、
前記自車両の走行予定経路において対象となる対象車両の位置情報を受信することと、
前記環境情報と、前記自車両の位置情報とに基づいて前記自車両の運転制御を行うことと、
前記対象車両の位置情報を受信し、該対象車両の位置情報をもとに前記自車両の位置情報が特定され、該自車両の位置情報と前記環境情報とに基づき、前記対象車両に相対して前記自車両を走行させる相対運転制御が行われているときに、前記対象車両に関する所定の走行条件が成立したか否かを判定することと、
前記相対運転制御が行われているときに、前記自車両に関する所定の走行条件が成立したか否かを判定することと、
前記対象車両に関する所定の走行条件が成立したと判定され、かつ、前記自車両に関する所定の走行条件が成立したと判定されたときに、前記環境情報と、前記自車両の位置情報と、前記対象車両の位置情報とに基づいて前記自車両の新たな走行予定経路を設定することと、
前記新たな走行予定経路が設定されたときに、前記相対運転制御に代えて、前記自車両を前記新たな走行予定経路に沿って前記環境情報と、前記自車両の位置情報とに基づき自律的に走行させる自律運転制御を行うこと、を実行することを特徴とする車両走行制御方法。
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