JP2023006306A - 半導体受光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体受光素子およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023006306A
JP2023006306A JP2021108843A JP2021108843A JP2023006306A JP 2023006306 A JP2023006306 A JP 2023006306A JP 2021108843 A JP2021108843 A JP 2021108843A JP 2021108843 A JP2021108843 A JP 2021108843A JP 2023006306 A JP2023006306 A JP 2023006306A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor layer
mesa
layer
insulating film
semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021108843A
Other languages
English (en)
Inventor
奈津美 森
Natsumi Mori
章 古谷
Akira Furuya
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2021108843A priority Critical patent/JP2023006306A/ja
Publication of JP2023006306A publication Critical patent/JP2023006306A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

Figure 2023006306000001
【課題】暗電流の増加を抑制することが可能な半導体受光素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】第1の導電型を有する第1半導体層と、第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、光吸収層の上に設けられ、第1の導電型を有する第2半導体層と、第2半導体層の上に設けられ、第2の導電型を有する第3半導体層と、第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、第3半導体層と電気的に接続された第2電極と、絶縁膜と、誘電体層と、を具備し、第2半導体層および第3半導体層は、上側に突出するメサを構成し、絶縁膜は、第2半導体層の上面、メサの側面、およびメサのうち第2半導体層の上面とメサの側面との間の部分であるエッジを覆い、誘電体層は、絶縁膜の上面に設けられ、エッジを覆い、誘電体層の比誘電率は、第2半導体層および第3半導体層の比誘電率以上である半導体受光素子。
【選択図】 図1B

Description

本開示は半導体受光素子およびその製造方法に関するものである。
光を受光して電気信号を出力する半導体受光素子が知られている(例えば非特許文献1)。半導体受光素子は、光吸収層を含み、メサが設けられている。例えば光吸収層の下側にn型の半導体層を設け、当該n型層にn型電極を接続する。光吸収層の上側にn型の半導体層とp型の半導体層とを設け、p型層にp型電極を接続する。p型電極に負電圧を印加し、n型電極に正電圧を印加する。
"Leakage current in GaInAs/InP photodiodes grown by OMVPE" Journal of Crystal Growth, Volume 98, Issues 1-2(1989), p90-97
メサの一部に局所的に高い電界がかかることで、暗電流が増加する恐れがある。そこで、暗電流の増加を抑制することが可能な半導体受光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本開示に係る半導体受光素子は、基板の上に設けられ、第1の導電型を有する第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、前記光吸収層の上に設けられ、前記第1の導電型を有する第2半導体層と、前記第2半導体層の上に設けられ、第2の導電型を有する第3半導体層と、前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、前記第3半導体層と電気的に接続された第2電極と、絶縁膜と、誘電体層と、を具備し、前記第2半導体層および前記第3半導体層は、上側に突出するメサを構成し、前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、前記誘電体層は、前記絶縁膜の上面に設けられ、前記エッジを覆い、前記誘電体層の比誘電率は、前記第2半導体層および前記第3半導体層の比誘電率以上である。
本開示に係る半導体受光素子は、基板の上に設けられ、第1の導電型を有する第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、前記光吸収層の上に設けられ、前記第1の導電型を有する第2半導体層と、前記第2半導体層の上に設けられ、第2の導電型を有する第3半導体層と、前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、前記第3半導体層と電気的に接続された第2電極と、絶縁膜と、を具備し、前記第2半導体層および前記第3半導体層は、上側に突出するメサを構成し、前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、前記絶縁膜の前記エッジを覆う部分は、前記絶縁膜のうち前記絶縁膜の前記エッジを覆う部分以外の部分よりも厚い。
本開示に係る半導体受光素子は、基板の上に設けられ、第1の導電型を有する第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、前記光吸収層の上に設けられ、前記第1の導電型を有する第2半導体層と、前記第2半導体層の上に設けられ、第2の導電型を有する第3半導体層と、前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、前記第3半導体層と電気的に接続された第2電極と、絶縁膜と、を具備し、前記第2半導体層および前記第3半導体層は、上側に突出するメサを構成し、前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、前記絶縁膜は、前記第3半導体層のうち厚さ方向の1/3以上の部分を覆う。
本開示に係る半導体受光素子の製造方法は、基板の上に、第1の導電型を有する第1半導体層、光吸収層、前記第1の導電型を有する第2半導体層、および第2の導電型を有する第3半導体層を、この順に積層する工程と、前記第2半導体層および前記第3半導体層をエッチングすることで、前記第2半導体層および前記第3半導体層を含み、上側に突出するメサを形成する工程と、前記第1半導体層と電気的に接続される第1電極を形成する工程と、前記第3半導体層と電気的に接続される第2電極を形成する工程と、絶縁膜を形成する工程と、誘電体層を形成する工程と、を有し、前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、前記誘電体層は、前記絶縁膜の上面に設けられ、前記エッジを覆い、前記誘電体層の比誘電率は、前記第2半導体層および前記第3半導体層の比誘電率以上である。
本開示に係る半導体受光素子の製造方法は、基板の上に、第1の導電型を有する第1半導体層、光吸収層、前記第1の導電型を有する第2半導体層、および第2の導電型を有する第3半導体層を、この順に積層する工程と、前記第2半導体層および前記第3半導体層をエッチングすることで、前記第2半導体層および前記第3半導体層を含み、上側に突出するメサを形成する工程と、前記第1半導体層と電気的に接続される第1電極を形成する工程と、前記第3半導体層と電気的に接続される第2電極を形成する工程と、絶縁膜を形成する工程と、を有し、前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、前記絶縁膜の前記エッジを覆う部分は、前記絶縁膜のうち前記絶縁膜の前記エッジを覆う部分以外の部分よりも厚い。
本開示に係る半導体受光素子の製造方法は、基板の上に、第1の導電型を有する第1半導体層、光吸収層、前記第1の導電型を有する第2半導体層、および第2の導電型を有する第3半導体層を、この順に積層する工程と、前記第2半導体層および前記第3半導体層をエッチングすることで、前記第2半導体層および前記第3半導体層を含み、上側に突出するメサを形成する工程と、前記第1半導体層と電気的に接続される第1電極を形成する工程と、前記第3半導体層と電気的に接続される第2電極を形成する工程と、絶縁膜を形成する工程と、を有し、前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、前記絶縁膜は、前記第3半導体層のうち厚さ方向の1/3以上の部分を覆う。
本開示によれば暗電流の増加を抑制することが可能な半導体受光素子およびその製造方法を提供することが可能である。
図1Aは、第1実施形態に係る半導体受光素子を例示する平面図である。 図1Bは、図1Aの線A-Aに沿った断面図である。 図2Aは、半導体受光素子の製造方法を例示する平面図である。 図2Bは、図2Aの線A-Aに沿った断面図である。 図3Aは、半導体受光素子の製造方法を例示する平面図である。 図3Bは、図3Aの線A-Aに沿った断面図である。 図4Aは、半導体受光素子の製造方法を例示する平面図である。 図4Bは、図4Aの線A-Aに沿った断面図である。 図5Aは、半導体受光素子の製造方法を例示する平面図である。 図5Bは、図5Aの線A-Aに沿った断面図である。 図6Aは、半導体受光素子の製造方法を例示する平面図である。 図6Bは、図6Aの線A-Aに沿った断面図である。 図7Aは、半導体受光素子の製造方法を例示する平面図である。 図7Bは、図7Aの線A-Aに沿った断面図である。 図8Aは、半導体受光素子の製造方法を例示する平面図である。 図8Bは、図8Aの線A-Aに沿った断面図である。 図9Aは、比較例に係る半導体受光素子を例示する断面図である。 図9Bは、半導体受光素子を例示する断面図である。 図10Aは、第2実施形態に係る半導体受光素子を例示する平面図である。 図10Bは、図10Aの線B-Bに沿った断面図である。 図11Aは、第3実施形態に係る半導体受光素子を例示する平面図である。 図11Bは、図11Aの線C-Cに沿った断面図である。 図12Aは、第4実施形態に係る半導体受光素子を例示する平面図である。 図12Bは、図12Aの線D-Dに沿った断面図である。 図13Aは、第5実施形態に係る半導体受光素子を例示する平面図である。 図13Bは、図13Aの線E-Eに沿った断面図である。 図14Aは、第6実施形態に係る半導体受光素子を例示する断面図である。 図14Bは、第7実施形態に係る半導体受光素子を例示する断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
本開示の一形態は、(1)基板の上に設けられ、第1の導電型を有する第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、前記光吸収層の上に設けられ、前記第1の導電型を有する第2半導体層と、前記第2半導体層の上に設けられ、第2の導電型を有する第3半導体層と、前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、前記第3半導体層と電気的に接続された第2電極と、絶縁膜と、誘電体層と、を具備し、前記第2半導体層および前記第3半導体層は、上側に突出するメサを構成し、前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、前記誘電体層は、前記絶縁膜の上面に設けられ、前記エッジを覆い、前記誘電体層の比誘電率は、前記第2半導体層および前記第3半導体層の比誘電率以上である半導体受光素子である。電気力線は誘電体層を通るため、エッジ付近での電気力線の集中が抑制される。電気力線の集中による界面準位の変化を抑制する。暗電流の増加を抑制することができる。
(2)前記誘電体層は、五酸化タンタル、ジルコニア、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、および酸化ハフニウムの少なくとも1つを含む。誘電体層の比誘電率が高くなる。電気力線が誘電体層を通るため、エッジ付近での電気力線の集中が抑制される。暗電流の増加を抑制することができる。
(3)前記第1半導体層、前記第2半導体層、および前記第3半導体層は、インジウムリンで形成されてもよい。誘電体層の比誘電率はインジウムリンの比誘電率以上である。電気力線が誘電体層を通るため、エッジ付近での電気力線の集中が抑制される。暗電流の増加を抑制することができる。
(4)前記絶縁膜は窒化シリコン膜でもよい。誘電体層の比誘電率は窒化シリコンの比誘電率以上である。電気力線が誘電体層を通るため、エッジ付近での電気力線の集中が抑制される。暗電流の増加を抑制することができる。
(5)前記光吸収層は、インジウムガリウム砒素で形成されてもよい。光吸収層は、光を吸収することでキャリアを発生させる。半導体受光素子は光を検知することができる。
(6)前記誘電体層は、前記第3半導体層の平面内において前記メサを囲んでもよい。メサの周囲において電気力線の集中を抑制することで、暗電流の増加を効果的に抑制することができる。
(7)前記第3半導体層の平面内において、前記メサの形状は円形であり、前記第3半導体層の平面内において、前記誘電体層の形状は前記メサと同心円形状でもよい。メサの周囲において電気力線の集中を抑制することで、暗電流の増加を効果的に抑制することができる。
(8)前記誘電体層は、前記第3半導体層のうち厚さ方向の1/3以上を覆ってもよい。電気力線の集中を抑制することで、暗電流の増加を効果的に抑制することができる。
(9)基板の上に設けられ、第1の導電型を有する第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、前記光吸収層の上に設けられ、前記第1の導電型を有する第2半導体層と、前記第2半導体層の上に設けられ、第2の導電型を有する第3半導体層と、前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、前記第3半導体層と電気的に接続された第2電極と、絶縁膜と、を具備し、前記第2半導体層および前記第3半導体層は、上側に突出するメサを構成し、前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、前記絶縁膜の前記エッジを覆う部分は、前記絶縁膜のうち前記絶縁膜の前記エッジを覆う部分以外の部分よりも厚い半導体受光素子である。電気力線は絶縁膜を通るため、エッジ付近での電気力線の集中が抑制される。電気力線の集中による界面準位の変化を抑制する。暗電流の増加を抑制することができる。
(10)基板の上に設けられ、第1の導電型を有する第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、前記光吸収層の上に設けられ、前記第1の導電型を有する第2半導体層と、前記第2半導体層の上に設けられ、第2の導電型を有する第3半導体層と、前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、前記第3半導体層と電気的に接続された第2電極と、絶縁膜と、を具備し、前記第2半導体層および前記第3半導体層は、上側に突出するメサを構成し、前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、前記絶縁膜は、前記第3半導体層のうち厚さ方向の1/3以上の部分を覆う半導体受光素子である。電気力線は絶縁膜を通るため、エッジ付近での電気力線の集中が抑制される。電気力線の集中による界面準位の変化を抑制する。暗電流の増加を抑制することができる。
(11)基板の上に、第1の導電型を有する第1半導体層、光吸収層、前記第1の導電型を有する第2半導体層、および第2の導電型を有する第3半導体層を、この順に積層する工程と、前記第2半導体層および前記第3半導体層をエッチングすることで、前記第2半導体層および前記第3半導体層を含み、上側に突出するメサを形成する工程と、前記第1半導体層と電気的に接続される第1電極を形成する工程と、前記第3半導体層と電気的に接続される第2電極を形成する工程と、絶縁膜を形成する工程と、誘電体層を形成する工程と、を有し、前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、前記誘電体層は、前記絶縁膜の上面に設けられ、前記エッジを覆い、前記誘電体層の比誘電率は、前記第2半導体層および前記第3半導体層の比誘電率以上である半導体受光素子の製造方法である。電気力線は誘電体層を通るため、エッジ付近での電気力線の集中が抑制される。電気力線の集中による界面準位の変化を抑制する。暗電流の増加を抑制することができる。
(12)基板の上に、第1の導電型を有する第1半導体層、光吸収層、前記第1の導電型を有する第2半導体層、および第2の導電型を有する第3半導体層を、この順に積層する工程と、前記第2半導体層および前記第3半導体層をエッチングすることで、前記第2半導体層および前記第3半導体層を含み、上側に突出するメサを形成する工程と、前記第1半導体層と電気的に接続される第1電極を形成する工程と、前記第3半導体層と電気的に接続される第2電極を形成する工程と、絶縁膜を形成する工程と、を有し、前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、前記絶縁膜の前記エッジを覆う部分は、前記絶縁膜のうち前記絶縁膜の前記エッジを覆う部分以外の部分よりも厚い半導体受光素子の製造方法である。電気力線は絶縁膜を通るため、エッジ付近での電気力線の集中が抑制される。電気力線の集中による界面準位の変化を抑制する。暗電流の増加を抑制することができる。
(13)基板の上に、第1の導電型を有する第1半導体層、光吸収層、前記第1の導電型を有する第2半導体層、および第2の導電型を有する第3半導体層を、この順に積層する工程と、前記第2半導体層および前記第3半導体層をエッチングすることで、前記第2半導体層および前記第3半導体層を含み、上側に突出するメサを形成する工程と、前記第1半導体層と電気的に接続される第1電極を形成する工程と、前記第3半導体層と電気的に接続される第2電極を形成する工程と、絶縁膜を形成する工程と、を有し、前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、前記絶縁膜は、前記第3半導体層のうち厚さ方向の1/3以上の部分を覆う半導体受光素子の製造方法である。電気力線は絶縁膜を通るため、エッジ付近での電気力線の集中が抑制される。電気力線の集中による界面準位の変化を抑制する。暗電流の増加を抑制することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る半導体受光素子およびその製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<第1実施形態>
(半導体受光素子)
図1Aは、第1実施形態に係る半導体受光素子100を例示する平面図である。図1Bは、図1Aの線A-Aに沿った断面図である。
図1Aに示すように、XY平面内における半導体受光素子100の形状は矩形である。半導体受光素子100の2つの辺は、X軸方向に延伸する。別の2つの辺は、Y軸方向に延伸する。Z軸方向は、半導体受光素子100の半導体層の積層方向である。X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向は、互いに直交する。
図1Aに示すように、半導体受光素子100は、1つのメサ22および1つの凹部25を有する。XY平面におけるメサ22の形状は円形である。凹部25の形状は矩形である。凹部25の1辺の長さL1は例えば100μmである。メサ22と凹部25とは離間している。
半導体受光素子100は、基板10、n型半導体層12(第1半導体層)、光吸収層14、n型半導体層16(第2半導体層)、p型半導体層18(第3半導体層)、およびコンタクト層20を有する。基板10の下面には反射防止膜21が設けられている。Z軸方向に沿って、基板10の上面に、n型半導体層12、光吸収層14およびn型半導体層16が、この順に積層されている。n型半導体層12は、基板10の上面の全体に設けられている。凹部25は、Z軸方向においてn型半導体層16の上面よりも窪んだ部分である。凹部25には光吸収層14、n型半導体層16、p型半導体層18およびコンタクト層20が設けられておらず、n型半導体層12が設けられている。
n型半導体層16の一部はZ軸方向の上側に突出し、当該突出した部分にp型半導体層18およびコンタクト層20が、順に積層されている。n型半導体層16、p型半導体層18、およびコンタクト層20は、メサ22を形成する。n型半導体層16とp型半導体層18との接合界面は、メサ22に含まれる。コンタクト層20の上面が、メサ22の上面になる。n型半導体層16の上面がメサ22の底面になる。メサ22の側面はZ軸方向から傾斜してもよいし、Z軸方向に平行でもよい。側面とX軸方向との間の角度θは、例えば60°以上、90°以下である。メサ22の側面と底面との間においてメサ22が立ち上がる部分を、エッジ23とする。具体的には、メサ22の側面と、n型半導体層16の上面との境界をエッジ23とする。図1Bの点線Pは、n型半導体層16とp型半導体層18との接合界面からp型半導体層18の厚さの1/3だけ上側の位置である。つまり、点線Pは、p型半導体層18の下側1/3の位置を示す。
図1Bに示すメサ22の上面の直径D1は例えば100μmである。メサ22のエッジ23から凹部25の端部までの最短の距離D2は例えば200μmである。絶縁膜24の表面を基準とするメサ22の高さは、例えば0.6μmである。
絶縁膜24は、n型半導体層12の上面、光吸収層14およびn型半導体層16の側面、n型半導体層16の上面(メサ22の底面)、ならびにメサ22の側面および上面に連続的に設けられ、これらの面を覆う。絶縁膜24は、n型半導体層12の上面およびメサ22の上面に開口部を有する。
電極26(第1電極)は、凹部25の内側に位置し、n型半導体層12の上面に設けられ、n型半導体層12と電気的に接続される。電極28(第2電極)は、メサ22の上に位置し、コンタクト層20の上面に設けられ、コンタクト層20と電気的に接続される。電極26および28は、ボンディングワイヤなどを通じて、例えば読み出し回路などと電気的に接続される。
誘電体層30は、絶縁膜24の上面に設けられ、メサ22の底面の一部、メサ22のエッジ23、およびメサ22の側面の一部を覆う。メサ22の底面上における誘電体層30の幅W1は、例えば6μmである。メサ22の底面を基準とする誘電体層30のZ軸方向の厚さT1は例えば0.5μmである。誘電体層30の上面は、例えば厚さ方向におけるp型半導体層18の下側1/3(点線Pの位置)よりも上側に位置する。誘電体層30は、p型半導体層18の下側1/3の周囲を覆う。図1Aに示すように、XY平面内でのメサ22の形状および電極28の形状は円形である。XY平面内での誘電体層30の形状は、メサ22と同心円状の円環である。誘電体層30は、メサ22を完全に囲む。
基板10、n型半導体層12および16は、例えばn型のインジウムリン(n-InP)で形成されている。n型半導体層12の厚さは例えば3μmである。n型半導体層12のキャリア濃度は例えば2×1018cm-3である。n型半導体層16の厚さは例えば0.5μmである。n型半導体層16のキャリア濃度は例えば1×1015cm-3である。n型のドーパントとしては例えばシリコン(Si)が用いられる。InPの比誘電率は、12から14である。
光吸収層14は、例えば厚さが3μmでアンドープのインジウムガリウム砒素(InGaAs)で形成されている。p型半導体層18は、例えばp-InPで形成されている。p型半導体層18の厚さは例えば0.3μmである。p型半導体層18のキャリア濃度は例えば1×1018cm-3である。コンタクト層20は、例えばp型インジウムガリウム砒素(p-InGaAs)で形成されている。コンタクト層20の厚さは例えば0.3μmである。コンタクト層20のキャリア濃度は例えば1×1019cm-3である。p型のドーパントとしては例えば亜鉛(Zn)が用いられる。半導体受光素子100の半導体層は、上記以外の化合物半導体で形成されてもよい。
基板10のバンドギャップ、n型半導体層12および16のバンドギャップ、p型半導体層18のバンドギャップは、光吸収層14のバンドギャップよりも大きい。光吸収層14のバンドギャップは、例えば波長が1.6μmの光のエネルギーに対応する。半導体受光素子100は、波長が1.6μmの光に感受性を有する。
電極26は、例えばn型半導体層12の上に順に設けられた、金とゲルマニウムとの合金、ニッケルおよび金を積層した積層体(Au-Ge/Ni/Au)などの金属で形成されている。電極28は、例えばコンタクト層20の上に順にチタン、白金および金を積層した積層体(Ti/Pt/Au)などの金属で形成されている。
絶縁膜24はパッシベーション膜であり、半導体層の表面を保護する。絶縁膜24は、例えば厚さ0.3μmの窒化シリコン(SiN)などの絶縁体で形成されている。SiNの比誘電率は6から7である。
誘電体層30の材料の例は、五酸化タンタル(Ta、比誘電率:20から25)、ジルコニア(ZrO、比誘電率:25から45)、酸化チタン(TiO、比誘電率:80から180)、チタン酸バリウム(BaTiO、比誘電率:2920)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、比誘電率:2000)、酸化ハフニウム(HfO、比誘電率:25)である。上記の材料で形成される誘電体層30の比誘電率は、絶縁膜24の比誘電率、n型半導体層16およびp型半導体層18の比誘電率以上であり、空気の比誘電率より高い。誘電体層30の比誘電率は、例えばn型半導体層16およびp型半導体層18の比誘電率の2倍以上、5倍以上、10倍以上でもよい。
半導体受光素子100には、例えば10V以上、20V以下の逆バイアス電圧が印加される。電極28には負電圧が印加される。電極26には正電圧が印加される。基板10の下面側から入射する光は、バンドギャップの大きい基板10およびn型半導体層12を透過し、光吸収層14に吸収される。光吸収層14では、光の強度に応じた量のキャリア(正孔電子対)が生成する。光の強度に応じた電流が、半導体受光素子100から外部の機器に出力される。
半導体受光素子100に逆バイアス電圧が印加されると、n型半導体層16およびp型半導体層18のpn接合界面に大きな電界がかかる。一般に、大きな電界がかかる部分でキャリアが生成すると、側面(絶縁膜との界面)に形成される界面準位を通じて、暗電流が発生する恐れがある。本実施形態では、n型半導体層16およびp型半導体層18のバンドギャップは、光吸収層14のバンドギャップよりも大きいため、pn接合界面ではキャリアが発生しにくい。したがってメサ22と絶縁膜24との界面におけるリーク電流が抑制される。光吸収層14は、n型半導体層16およびp型半導体層18より小さなバンドギャップを有するが、メサ22よりも広く延伸しており、大きな電界がかかりにくい。具体的には、光吸収層14と絶縁膜24との界面(光吸収層14の側面)は、pn接合界面からは離れている。このため、光吸収層14の側面に形成される界面準位には、大きな電界がかかりにくい。これにより、光吸収層14と絶縁膜24との界面におけるリーク電流は抑制される。暗電流の増加を抑制することができる。
誘電体層30の比誘電率は、n型半導体層16およびp型半導体層18の比誘電率以上である。後述のように、電気力線は誘電体層30を通りやすく、エッジ23付近に集中しにくい。暗電流を抑制することができる。
(製造方法)
図2A、図3A、図4A、図5A、図6A、図7Aおよび図8Aは、半導体受光素子100の製造方法を例示する平面図である。図2B、図3B、図4B、図5B、図6B、図7Bおよび図8Bは、対応する平面図の線A-Aに沿った断面図である。
図2Aおよび図2Bに示すように、例えば有機金属気相成長法(MOVPE:Metal-organic Vapor Phase Epitaxy)などにより、基板10の上面に、n型半導体層12、光吸収層14、n型半導体層16、p型半導体層18、およびコンタクト層20を、この順にエピタキシャル成長する。
図3Aおよび図3Bに示すように、コンタクト層20の上に円形のマスク33を設ける。例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Depositin)法などで厚さ0.3μmのSiO層を設け、フォトリソグラフィおよびバッファードフッ酸によるエッチングを行うことで、マスク33を形成する。マスク33の直径は例えば100μmである。コンタクト層20の上面のうちマスク33で覆われない部分は、露出する。
図4Aおよび図4Bに示すように、例えば、ガスを用いたドライエッチングや、ケミカルエッチング液を用いたウェットエッチングを行い、メサ22を形成する。コンタクト層20、p型半導体層18およびn型半導体層16のうち、マスク33で覆われた部分はエッチングされず、メサ22が残存する。コンタクト層20およびp型半導体層18のうちマスク33から露出する部分は、取り除かれる。ウェットエッチングの深さは、例えば厚さ方向にn型半導体層16の途中まででもよいし、n型半導体層16とp型半導体層18との界面まででもよい。n型半導体層16の表面は、マスク33から露出し、メサ22の底面となる。メサ22を形成した後、バッファードフッ酸によるエッチングでマスク33を取り除く。
図5Aおよび図5Bに示すように、例えばSiOなどの絶縁膜を形成し、フォトリソグラフィおよびバッファードフッ酸によるエッチングなどで、マスク34を形成する。マスク34は、例えば厚さ0.3μmのSiOなどの絶縁体で形成されている。マスク34は、メサ22から離間した位置に開口部35を有する。開口部35のXY平面内での形状は、例えば1辺が100μmの矩形である。開口部35からn型半導体層16が露出する。
図6Aおよび図6Bに示すように、ガスを用いたドライエッチングや、ケミカルエッチング液を用いたウェットエッチングを行い、開口部35内のn型半導体層16および光吸収層14を取り除き、凹部25を形成する。凹部25からはn型半導体層12の上面が露出する。ウェットエッチングにより凹部25が形成される。マスク34で覆われる部分は、エッチングされない。ウェットエッチング後、バッファードフッ酸によるエッチングでマスク34は取り除く。
図7Aおよび図7Bに示すように、例えばプラズマCVD法などで、SiNの絶縁膜24を形成する。図8Aおよび図8Bに示すように、例えばスパッタリング法により誘電体層30を上面全体に形成する。フォトリソグラフィにより不図示のマスクを誘電体層30の上に形成し、ドライエッチングを行うことで、エッジ23近傍以外の誘電体層30を取り除く。図1Aおよび図1Bに示したように、エッジ23の近傍に誘電体層30が残存する。バッファードフッ酸によるエッチングで、絶縁膜24のうちメサ22の上および凹部25の内側に開口部を設ける。真空蒸着およびリフトオフにより、凹部25内のn型半導体層12の上面に電極26を設け、メサ22の上面に電極28を設ける。基板10の裏面を研磨した後に反射防止膜21を設ける。以上の工程で半導体受光素子100が形成される。
図9Aは、比較例に係る半導体受光素子100Rを例示する断面図であり、ハッチングの一部を省略している。図9Aに示すように、半導体受光素子100Rは誘電体層30を有さない。他の構成は、半導体受光素子100と同じである。
半導体受光素子100Rに逆バイアス電圧が印加されると、例えばn型半導体層16とp型半導体層18とのpn接合界面から、メサ22の外側に位置するn型半導体層16および光吸収層14まで、空乏層40が広がる。空乏層40のうち、p型半導体層18の近傍にはマイナス(-)の電荷が発生する。空乏層40のうち、n型半導体層16および光吸収層14の中で正電圧がかかるn型半導体層12に近い場所には、プラス(+)の電荷が発生する。プラスの電荷から電気力線が発生し、マイナス(-)の電荷で終端する。
電気力線は、比誘電率の高い物質中を通りやすく、比誘電率の低い物質中を通りにくい。空気の比誘電率はおよそ1である。SiNの比誘電率は、およそ6から7である。InPの比誘電率は、およそ12から14である。電気力線は、半導体受光素子100Rの外側の空気に比べて、InPで形成されたn型半導体層16およびSiNで形成された絶縁膜24を通りやすい。電気力線は、メサ22の形状の影響を受け、メサ22の底面から側面に沿って延伸する。このため、メサ22のエッジ23付近に電気力線が集中する。エッジ23の近傍における、n型半導体層16の表層部分および絶縁膜24における電界強度が局所的に大きくなる。
局所的に高い電界がかかることで、n型半導体層16と絶縁膜24との界面における界面準位の様態が変化する。例えば高温・高電圧などのストレス環境下で、再結合準位密度および再結合速度が増加する。界面にキャリアが多く生成され、暗電流が増加する。
図9Bは、半導体受光素子100を例示する断面図であり、図9Aと同様にハッチングの一部を省略している。半導体受光素子100に逆バイアス電圧が印加されることで、半導体受光素子100においても空乏層40が広がる。
第1実施形態によれば、誘電体層30は、絶縁膜24の表面に設けられ、メサ22のエッジ23を覆う。誘電体層30の比誘電率は、n型半導体層16およびp型半導体層18の比誘電率以上である。図9Bに矢印で示すように、電気力線の分布が比較例から変化し、電気力線の一部は誘電体層30を通る。すなわち、誘電体層30が、電気力線を引き込み、電気力線の経路となる。エッジ23の近傍における電気力線の経路が広くなるため、電気力線の集中が抑制され、電界を低下させることができる。高温および高電圧下においても界面準位の変化を抑制し、暗電流の増加を抑制することができる。
誘電体層30がエッジ23を覆い、電気力線の経路として機能する。エッジ23の近傍に電気力線の経路が形成されることで、電気力線の集中を抑制することができ、暗電流の増加を抑制することができる。空乏層40の広がり、およびメサ22の角度θに応じて、電気力線の分布が定まる。空乏層40の広がる範囲は、逆バイアス電圧の大きさ、半導体層のキャリア濃度などに依存し、変化しうる。例えば角度θが90°に近いほど、電気力線はエッジ23付近に集中しやすい。誘電体層30の大きさは、逆バイアス電圧の大きさ、半導体層のキャリア濃度、角度θなどに応じて定める。逆バイアス電圧が10Vから20V、キャリア濃度を上記の値とし、角度θを例えば60°以上、90°以下とする場合、誘電体層30の幅W1を6μmとする。電気力線の経路を広くするために、誘電体層30の厚さは、誘電体層30の上面が図1Bの点線Pより上側に位置する程度であればよい。
n型半導体層12および16は、n-InPで形成されている。p型半導体層18は、p-InPで形成されている。絶縁膜24はSiN膜である。InPおよびSiNの比誘電率は、空気よりも高い。電気力線は空気中に飛び出しにくく、n型半導体層16および絶縁膜24を通りやすい。第1実施形態によれば、誘電体層30の比誘電率は、InPの比誘電率およびSiNの比誘電率以上である。電気力線は誘電体層30を通りやすいため、エッジ23への電気力線の集中を抑制することができる。
誘電体層30の比誘電率は、n型半導体層16およびp型半導体層18の比誘電率以上であればよく、n型半導体層16およびp型半導体層18の比誘電率の2倍以上、5倍以上、10倍以上などでもよい。誘電体層30は、例えば五酸化タンタル(Ta)、ジルコニア(ZrO)、酸化チタン(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化ハフニウム(HfO)の少なくとも1つを含んでもよいし、これら以外の高い比誘電率を有する材料で形成されてもよい。
n型半導体層12および16、p型半導体層18は、InPなど光吸収層14よりもバンドギャップの大きな半導体で形成される。光吸収層14はInGaAsで形成されている。基板10の下面から入射する光は、n型半導体層12を透過し、光吸収層14に吸収される。半導体受光素子100が光を検知することができる。
バンドギャップの大きいn型半導体層16とp型半導体層18とがメサ22を形成し、光吸収層14はメサ22に含まれない。バンドギャップの小さい光吸収層14に大きな電界がかかりにくいため、光吸収層14と絶縁膜24との界面準位に起因する暗電流の増加を抑制することができる。光吸収層14はInGaAs以外の半導体で形成されてもよい。基板10、n型半導体層12および16、p型半導体層18はInP以外の半導体で形成されてもよく、光吸収層14よりも大きなバンドギャップを有していればよい。基板10上に積層する半導体層のn型とp型とは入れ替えてもよい。つまり、光吸収層14と基板10との間にp型半導体層を設け、光吸収層14の上にp型半導体層とn型半導体層とを順に積層してもよい。
図1Aに示すように、XY平面内で、誘電体層30はメサ22と同心円状の円環形状であり、メサ22を囲む。誘電体層30がメサ22の周囲全体を囲むことで、周囲全体において電気力線を終端させる。暗電流を効果的に抑制することができる。誘電体層30は、例えば円環以外のリング形状でもよい。誘電体層30はメサ22の周囲のうち一部(例えば周囲の50%以上、80%以上、90%以上など)を囲み、残りの部分を囲まなくてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態は、アレイセンサの例である。図10Aは、第2実施形態に係る半導体受光素子200を例示する平面図である。図10Bは、図10Aの線B-Bに沿った断面図である。第1実施形態と同じ構成については説明を省略する。
図10Aおよび図10Bに示すように、半導体受光素子200は例えば4つのメサ22、および4つの誘電体層30を有する。1つの誘電体層30は、1つのメサ22の周囲に設けられている。4つのメサ22は互いに離間する。4つの誘電体層30は互いに離間する。電極26は、4つのメサ22に共通の電極である。半導体受光素子200を動作させる際には、4つのメサ22の上の電極28、電極26から逆バイアス電圧を印加する。
第2実施形態によれば、4つの誘電体層30が4つのメサ22のエッジ23を覆う。エッジ23近傍での電気力線の集中を抑制することで、暗電流の増加を抑制することができる。メサ22の数および誘電体層30の数は、4つ以下でもよいし、4つ以上でもよい。誘電体層30の数はメサ22の数に等しい。言い換えれば、1つのメサ22に対して1つの誘電体層30を設ける。
<第3実施形態>
図11Aは、第3実施形態に係る半導体受光素子300を例示する平面図である。図11Bは、図11Aの線C-Cに沿った断面図である。第1実施形態と同じ構成については説明を省略する。図11Aおよび図11Bに示すように、誘電体層30は、メサ22の底面の一部、および側面の全体に設けられている。図10Bに示すように、誘電体層30の上面はメサ22の上面と同じ高さに位置する。
第3実施形態によれば、誘電体層30は、絶縁膜24の表面であって、メサ22の底面の一部、エッジ23、およびメサ22の側面を覆う。電気力線は誘電体層30を通るため、エッジ23の近傍における電気力線の集中が抑制される。暗電流の増加を抑制することができる。
<第4実施形態>
図12Aは、第4実施形態に係る半導体受光素子400を例示する平面図である。図12Bは、図12Aの線D-Dに沿った断面図である。第1実施形態と同じ構成については説明を省略する。図12Aおよび図12Bに示すように、誘電体層30は、メサ22の底面の一部、側面および上面を覆い、電極28に接触する。
第4実施形態によれば、誘電体層30は、絶縁膜24の表面であって、メサ22の底面の一部、エッジ23、メサ22の側面、および上面の一部を覆う。電気力線は誘電体層30を通るため、エッジ23の近傍における電気力線の集中が抑制される。暗電流の増加を抑制することができる。
<第5実施形態>
図13Aは、第5実施形態に係る半導体受光素子500を例示する平面図である。図13Bは、図13Aの線E-Eに沿った断面図である。第1実施形態と同じ構成については説明を省略する。図13Aおよび図13Bに示すように、メサ22の上面のうち中央部において、電極28およびコンタクト層20は開口部29を有する。XY平面において開口部29は例えば円形であり、メサ22と同心円状である。開口部29の直径は、メサ22の上面の直径より小さく、例えば70μmである。開口部29からp型半導体層18が露出する。誘電体層30は、絶縁膜24の表面であって、メサ22の底面の一部、エッジ23、メサ22の側面の一部を覆う。誘電体層30は、メサ22の側面全体を覆ってもよいし、上面まで達してもよい。反射防止膜21は設けられていない。
Z軸方向上側から照射される光は、開口部29から入射する。半導体受光素子500は、光を受光し電気信号を出力する、表面入射型の受光素子である。
第5実施形態によれば、電気力線は誘電体層30を通るため、エッジ23の近傍における電気力線の集中が抑制される。暗電流の増加を抑制することができる。
<第6実施形態>
第6実施形態においては、誘電体層30を設けず、絶縁膜24を局所的に厚くする。図14Aは、第6実施形態に係る半導体受光素子600を例示する断面図である。図14Aに示すように、絶縁膜24のうちエッジ23を覆う部分24aの厚さT2は、絶縁膜24のうち部分24a以外における厚さT3より大きい。厚さT3は例えば0.3μmである。厚さT2は例えば厚さT3の1.5倍以上、2倍以上などである。絶縁膜24の部分24aは、p型半導体層18の厚さ方向の下側1/3以上の周囲を覆う。部分24aの上面は、p型半導体層18の下側1/3の位置(点線Pの位置)より上側に位置する。絶縁膜24は例えばSiNなどの絶縁体で形成されており、空気よりも高い比誘電率を有する。
第6実施形態においては、図2Aから図6Bまでの工程を行い、図7Aおよび図7Bに対応する工程において、厚い絶縁膜24を設ける。絶縁膜24のうち部分24aは厚いままとし、例えばエッチングなどで他の部分を薄くする。絶縁膜24に開口部を形成し、電極26および28を設ける。
第6実施形態によれば、絶縁膜24のうちエッジ23を覆う部分24aが、他の部分よりも厚い。電気力線は絶縁膜24の部分24aを通るため、エッジ23付近での電気力線の集中が抑制される。暗電流を抑制することができる。
絶縁膜24の部分24aが厚いほど、電気力線の経路が広くなり、集中を抑制することができる。厚さT2は、例えば厚さT3の1.5倍以上、2倍以上などでもよい。部分24aの上面が、p型半導体層18の厚さ方向の下側1/3よりも上に位置することが好ましく、厚さ方向の下側1/2より上に位置してもよい。
<第7実施形態>
第7実施形態においては、誘電体層30を設けず、絶縁膜24全体を厚くする。図14Bは、第7実施形態に係る半導体受光素子700を例示する断面図である。図14Bに示す絶縁膜24の厚さT4は、例えば図14Aの厚さT3と同程度である。絶縁膜24は、p型半導体層18の厚さ方向の下側1/3以上の周囲を覆う。絶縁膜24の上面は、p型半導体層18の下側1/3の位置(点線Pの位置)より上側に位置する。絶縁膜24は例えばSiNなどの絶縁体で形成されており、空気よりも高い比誘電率を有する。
第7実施形態においては、図2Aから図6Bまでの工程を行い、図7Aおよび図7Bに対応する工程において、厚い絶縁膜24を設ける。絶縁膜24に開口部を形成し、電極26および28を設ける。
第7実施形態によれば、絶縁膜24がp型半導体層18の厚さ方向の下側1/3以上の周囲を覆う。電気力線は絶縁膜24を通るため、エッジ23付近での電気力線の集中が抑制される。暗電流を抑制することができる。
第6実施形態および第7実施形態における絶縁膜24を、例えば第1実施形態の誘電体層30と同様に、n型半導体層16およびp型半導体層18と同等以上の比誘電率を有する材料で形成してもよい。電気力線が絶縁膜24を通るため、集中しにくくなる。第3実施形態から第7実施形態において、メサ22を複数配置し、第2実施形態と同様にアレイセンサとしてもよい。
以上、本開示の実施形態について詳述したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12、16 n型半導体層
14 光吸収層
18 p型半導体層
20 コンタクト層
21 反射防止膜
24 絶縁膜
24a 部分
26、28 電極
22 メサ
25 凹部
29、35 開口部
30 誘電体層
33、34 マスク
100、100R、200、300、400、500、600、700 半導体受光素子

Claims (13)

  1. 基板の上に設けられ、第1の導電型を有する第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、
    前記光吸収層の上に設けられ、前記第1の導電型を有する第2半導体層と、
    前記第2半導体層の上に設けられ、第2の導電型を有する第3半導体層と、
    前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、
    前記第3半導体層と電気的に接続された第2電極と、
    絶縁膜と、
    誘電体層と、を具備し、
    前記第2半導体層および前記第3半導体層は、上側に突出するメサを構成し、
    前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、
    前記誘電体層は、前記絶縁膜の上面に設けられ、前記エッジを覆い、
    前記誘電体層の比誘電率は、前記第2半導体層および前記第3半導体層の比誘電率以上である半導体受光素子。
  2. 前記誘電体層は、五酸化タンタル、ジルコニア、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、および酸化ハフニウムの少なくとも1つを含む請求項1に記載の半導体受光素子。
  3. 前記第1半導体層、前記第2半導体層、および前記第3半導体層は、インジウムリンで形成されている請求項1または請求項2に記載の半導体受光素子。
  4. 前記絶縁膜は窒化シリコン膜である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体受光素子。
  5. 前記光吸収層は、インジウムガリウム砒素で形成されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体受光素子。
  6. 前記誘電体層は、前記第3半導体層の平面内において前記メサを囲む請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体受光素子。
  7. 前記第3半導体層の平面内において、前記メサの形状は円形であり、
    前記第3半導体層の平面内において、前記誘電体層の形状は前記メサと同心円形状である請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の半導体受光素子。
  8. 前記誘電体層は、前記第3半導体層のうち厚さ方向の1/3以上を覆う請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体受光素子。
  9. 基板の上に設けられ、第1の導電型を有する第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、
    前記光吸収層の上に設けられ、前記第1の導電型を有する第2半導体層と、
    前記第2半導体層の上に設けられ、第2の導電型を有する第3半導体層と、
    前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、
    前記第3半導体層と電気的に接続された第2電極と、
    絶縁膜と、を具備し、
    前記第2半導体層および前記第3半導体層は、上側に突出するメサを構成し、
    前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、
    前記絶縁膜の前記エッジを覆う部分は、前記絶縁膜のうち前記絶縁膜の前記エッジを覆う部分以外の部分よりも厚い半導体受光素子。
  10. 基板の上に設けられ、第1の導電型を有する第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、
    前記光吸収層の上に設けられ、前記第1の導電型を有する第2半導体層と、
    前記第2半導体層の上に設けられ、第2の導電型を有する第3半導体層と、
    前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、
    前記第3半導体層と電気的に接続された第2電極と、
    絶縁膜と、を具備し、
    前記第2半導体層および前記第3半導体層は、上側に突出するメサを構成し、
    前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、
    前記絶縁膜は、前記第3半導体層のうち厚さ方向の1/3以上の部分を覆う半導体受光素子。
  11. 基板の上に、第1の導電型を有する第1半導体層、光吸収層、前記第1の導電型を有する第2半導体層、および第2の導電型を有する第3半導体層を、この順に積層する工程と、
    前記第2半導体層および前記第3半導体層をエッチングすることで、前記第2半導体層および前記第3半導体層を含み、上側に突出するメサを形成する工程と、
    前記第1半導体層と電気的に接続される第1電極を形成する工程と、
    前記第3半導体層と電気的に接続される第2電極を形成する工程と、
    絶縁膜を形成する工程と、
    誘電体層を形成する工程と、を有し、
    前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、
    前記誘電体層は、前記絶縁膜の上面に設けられ、前記エッジを覆い、
    前記誘電体層の比誘電率は、前記第2半導体層および前記第3半導体層の比誘電率以上である半導体受光素子の製造方法。
  12. 基板の上に、第1の導電型を有する第1半導体層、光吸収層、前記第1の導電型を有する第2半導体層、および第2の導電型を有する第3半導体層を、この順に積層する工程と、
    前記第2半導体層および前記第3半導体層をエッチングすることで、前記第2半導体層および前記第3半導体層を含み、上側に突出するメサを形成する工程と、
    前記第1半導体層と電気的に接続される第1電極を形成する工程と、
    前記第3半導体層と電気的に接続される第2電極を形成する工程と、
    絶縁膜を形成する工程と、を有し、
    前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、
    前記絶縁膜の前記エッジを覆う部分は、前記絶縁膜のうち前記絶縁膜の前記エッジを覆う部分以外の部分よりも厚い半導体受光素子の製造方法。
  13. 基板の上に、第1の導電型を有する第1半導体層、光吸収層、前記第1の導電型を有する第2半導体層、および第2の導電型を有する第3半導体層を、この順に積層する工程と、
    前記第2半導体層および前記第3半導体層をエッチングすることで、前記第2半導体層および前記第3半導体層を含み、上側に突出するメサを形成する工程と、
    前記第1半導体層と電気的に接続される第1電極を形成する工程と、
    前記第3半導体層と電気的に接続される第2電極を形成する工程と、
    絶縁膜を形成する工程と、を有し、
    前記絶縁膜は、前記第2半導体層の上面、前記メサの側面、および前記メサのうち前記第2半導体層の上面と前記メサの側面との間の部分であるエッジを覆い、
    前記絶縁膜は、前記第3半導体層のうち厚さ方向の1/3以上の部分を覆う半導体受光素子の製造方法。
JP2021108843A 2021-06-30 2021-06-30 半導体受光素子およびその製造方法 Pending JP2023006306A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021108843A JP2023006306A (ja) 2021-06-30 2021-06-30 半導体受光素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021108843A JP2023006306A (ja) 2021-06-30 2021-06-30 半導体受光素子およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023006306A true JP2023006306A (ja) 2023-01-18

Family

ID=85107955

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021108843A Pending JP2023006306A (ja) 2021-06-30 2021-06-30 半導体受光素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023006306A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4220688B2 (ja) アバランシェホトダイオード
JP2011035114A (ja) メサ型フォトダイオード及びその製造方法
US10312390B2 (en) Light receiving device and method of producing light receiving device
US20100133637A1 (en) Avalanche photodiode
JP5501814B2 (ja) アバランシェフォトダイオード
JP4009106B2 (ja) 半導体受光素子、及びその製造方法
CN112490302B (zh) 一种多电极的高速光电探测器及其制备方法
JP5307750B2 (ja) 半導体受光素子
JP2008010776A (ja) 半導体受光素子、それを備えた光電変換回路およびそれらの製造方法
JP5394966B2 (ja) 半導体受光素子及びその製造方法
JP4861388B2 (ja) アバランシェホトダイオード
JP4109159B2 (ja) 半導体受光素子
JP6332096B2 (ja) 半導体受光素子
JP2023006306A (ja) 半導体受光素子およびその製造方法
US8541859B2 (en) Semiconductor light receiving element and method for manufacturing the same
JP2002083993A (ja) 光半導体受光素子およびその製造方法
JP2023006305A (ja) 半導体受光素子およびその製造方法
US20240096912A1 (en) Light receiving device and method of manufacturing the same
JP2024064739A (ja) 半導体受光素子およびその製造方法
JP2014060190A (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
US12009450B2 (en) Optical receiving element and manufacturing method therefor
JP7077889B2 (ja) 半導体受光素子
JP7452552B2 (ja) 受光素子の製造方法
JP5195463B2 (ja) 半導体受光素子およびその製造方法
JP2012060077A (ja) 半導体受光素子及び半導体受光素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240422