JP2023005986A - 排水栓装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】槽体内に湯水を貯留する際に排水口を閉栓し、供給された湯水が無駄になることを防止する排水栓装置を提供する。【解決手段】排水栓装置1は排水口101からの通水を検知する温度センサである検知部23を有する通水検知手段と、通水検知手段により検知された通水の終了後に前記排水口101を自動的に閉栓にする自動閉栓機能を備える。通水検知手段によって通水による温度変化が検知されると、当該通水が槽体100内に貯留された湯水によるものであることが認識されてセンサ無効時間経過後に閉栓待機状態となる。湯張り運転により給水装置300から供給された通水が検知部23に当接し、当該通水が給水装置300からの給水があることを認識されると、自動閉栓機能は栓蓋7を下降させて排水口101を自動的に閉栓する。【選択図】 図4

Description

本発明は、槽体に形成された排水口を開閉する排水栓装置に関するものである。
従来の排水栓装置としては、特許文献1のように、槽体に形成された排水口を覆う栓蓋を備え、当該栓蓋を昇降させることによって排水口を開閉する構造が知られている。
又、上記特許文献1に記載の排水栓装置は手動スイッチを直接押動することによって栓蓋を昇降させる手動操作機構と、台所や浴室内に配置された操作パネルを操作することによってモータ作動させ、栓蓋を昇降させる電動操作機構を備えており、使用者はどちらかの操作を選択し、排水口を開閉させることが可能となっている。
特開2018-131741号公報
上記排水栓装置において、給水装置が湯張り運転を行った際に排水口が開栓状態であると、槽体内に供給された湯水を貯めることができず、無駄となってしまう。しかし、排水口の開閉状態を確認するためには、湯水を槽体に流すか栓蓋や手動スイッチを目視で確認するしかないが、当該確認作業は煩雑であり、且つ確認作業を行ったとしても、使用者が開閉状態を誤認する可能性があった。
本発明は上記問題に鑑み、槽体内に湯水を貯留する際に排水口を閉栓し、供給された湯水が無駄になることを防止する排水栓装置の提供を課題とする。
第一の発明は、槽体に形成された排水口を開閉する排水栓装置について、
前記排水口の開閉を操作する操作部操作機構と、
前記操作部操作機構の操作に応じて前記排水口を開閉する栓蓋と、
前記排水口からの通水を検知するセンサを有する通水検知手段と、
前記通水検知手段により検知された通水の終了後に前記排水口を自動的に閉栓にする自動閉栓機能を備えることを特徴とする排水栓装置である。
この発明によれば、槽体内に貯水を行う際に排水口を自動的に閉栓状態とし、供給された湯水が無駄になることを防止することが可能となる。
第二の発明は、前記通水検知手段は、
前記検知した通水が槽体内に貯留された湯水であった場合に、
所定時間が経過するまで通水を検知しないセンサ無効状態となることを特徴とする請求項1記載の排水栓装置である。
この発明によれば、槽体からの湯水の排出中に誤って排水口を閉栓することを防止することが可能となる。
第三の発明は、前記センサは、
水温を検知する温度センサであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の排水栓装置である。
この発明によれば、排水口内通水の温度を検知することによって、検知した通水が槽体に貯留された湯水であるか否か等を判断することが可能となり、必要な場合のみ排水口を閉栓することが可能となる。
本発明によれば、槽体内に湯水を貯留する際に排水口を閉栓し、供給された湯水が無駄になることを防止することが可能となる。
浴室及び給水装置を示す概略図である。 排水栓装置を示す断面図である。 図2のA-A’断面図である。 自動閉栓機能の作動を示すフローチャートである。 第二実施形態に係る排水栓装置を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の排水栓装置を説明する。尚、以下に記載する発明は実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって発明が制限して理解されるものではない。
浴室200は内部に浴槽である槽体100、洗い場及びシャワーを備えており、側壁には操作パネル24が取り付けられている。又、浴室200の天面には排水栓装置1の電源ボックスが取り付けられている。
給水装置300は上水道に接続された給水管によって供給される水を加熱して給湯管へと出湯する給水運転を実行する給湯器であり、風呂往き管及び風呂戻り管(図示せず)によって槽体100に接続されている。又、給水装置300は操作パネル24からの信号に基づいて、槽体100の湯水を循環させながら加熱する追い炊き運転と、槽体100に対して設定された水量の湯を供給する湯張り運転と、噴出孔(図示せず)から洗浄水を噴射することによって槽体100内を洗浄する洗浄運転を実行可能となっている。
槽体100は底部及び縁部に開口が形成された浴槽であって、底部に形成された開口は排水口部材2及び配管部材4によって挟持されており、縁部に形成された開口には排水栓装置1の本体部10が取り付けられている。
図1乃至図3示すように、本発明の排水栓装置1は、上記浴室200に配置された浴槽である槽体100の排水口101を開閉するための装置である。又、排水栓装置1は手動操作によって排水口101を開閉する手動操作機構と、電気信号によって排水口101を開閉する電動操作機構から成る操作部操作機構と、栓蓋7の昇降状態を検知する開栓検知手段と、排水口101への通水を検知する通水検知手段と、通水検知手段により検知された通水の終了後に栓蓋7を下降させて排水口101を自動的に閉栓にする自動閉栓機能を備えている。
排水口部材2は上端にフランジが形成された中空且つ円筒状の部材であり、槽体100に取り付けられることによって槽体100内の湯水を排出する排水口101を構成する。又、排水口部材2は槽体100裏面において配管部材4と螺合しており、パッキンを介して槽体100を挟持することで水密に取り付けられている。
ワイヤ受け3は排水口部材2の内部に取り付けられ、排水口部材2内部にレリースワイヤ8を保持固定するための部材である。ワイヤ受け3は排水口部材2の内径と略同径を成す環状部と、レリースワイヤ8の端部を支持する支持部から構成されており、環状部が排水口部材2の内側面に係合することによって固定されている。
配管部材4は排水口101から排出された排水を下水側へ向けて排出する配管であって、側方に排出口5が形成されているとともに、排出口5と対向する側面にはレリースワイヤ8が挿通される枝管部6を備えている。
栓蓋7は排水口101を覆う円形の蓋体であって、レリースワイヤ8が裏面に係合されており、当該レリースワイヤ8を介して槽体100縁部に取り付けられた本体部10に接続されており、操作部操作機構に加えられた操作に応じて昇降することで排水口101を開閉する。
レリースワイヤ8は樹脂製のアウターチューブ及び金属製のインナーワイヤからなる動力伝達部材であり、排水栓装置1に対して手動操作又は電動操作が加えられた際、アウターチューブ内をインナーワイヤが摺動することによって手動操作機構又は電動操作機構からの動力を伝達し、栓蓋7を昇降させる。
ガイド管9は配管部材4の枝管部6と本体部10を繋ぐホース管であり、施工の際にレリースワイヤ8の配設をガイドするとともに、槽体100の縁部から本体部10内に流入した排水を排水口101から連続する排水流路へと合流させる。
本体部10は内部にスイッチ部15、操作軸16、ロック機構17、押動部18、駆動部19、制御部20を収納するケーシングである。又、本体部10は槽体100の縁部に上端が取り付けられており、槽体100表面に露出する部分を除き、槽体100の裏側に配置されている。
スイッチ部15は本体部10の上端から浴室200内に露出する円盤状であって、本体部10を上下方向に変位可能であるとともに、裏面に操作軸16が篏合されている。
操作軸16は天地方向に延びる棒状であり、その下端はロック機構17が連結されている。又、操作軸16は電動操作機構の押動部18が当接するための凸状の当接部161が外側に向けて突設されているとともに、内部には後述する開栓検知手段を構成する信号発生部21が取り付けられている。
ロック機構17は上端に操作軸16が接続されているとともに、下端にはレリースワイヤ8が接続されている。又、ロック機構17は操作軸16が下降する毎にレリースワイヤ8を介して栓蓋7へと動力を伝えるとともに、内部に収納された回転ギアと固定ギアの噛合と噛合の解除が切り替えられることによって、栓蓋7の昇降状態、即ち排水口101の開閉状態を保持する。
駆動部19は制御部20によって動作が制御されたステッピングモータであり、電気信号に基づいてギア191を回転させるとともに、押動部18を介して操作軸16を押し下げることによって駆動部19の動力を操作軸16に伝達する。尚、本実施形態において、駆動部19は双方向に回転可能となっている。
制御部20は駆動部19に隣接して配置され、操作パネル24からの指示を受けて駆動部19を作動させるとともに、開栓検知手段及び通水検知手段によって検知された情報に基づいて、内蔵する記憶部に予め記憶されている各種の設定情報やプログラムを読み出して実行する。
ギア191は押動部18と噛合するギア歯を有し、駆動部19の動作によって回転する。
押動部18は操作軸16の外周に配置された筒状の部材であり、外側面にギア191と噛合するラックが形成されており、ギア191の回転に伴い上下に変位する。又、押動部18は上端において、上記操作軸16に形成された当接部161の上面と当接する段部が形成されている。
開栓検知手段は信号発生部21と信号受信部22から構成されている。
信号発生部21は操作軸16に取り付けられた磁石であり、信号受信部22は信号発生部21から発せられる磁気を検知する磁気センサである。信号受信部22は本体部10に固定されており、操作軸16の軸方向に沿って上下に2か所設けられている。
尚、上記信号発生部21は、栓蓋7が上昇位置にある時には下方側の信号受信部22と正対するように位置するとともに、栓蓋7が下降状態にある時には上方の信号受信部22と正対するように位置する。これによって、上下どちらかの信号受信部22が磁気を検知するかによって栓蓋7の昇降状態を検知することができる。
通水検知手段は水温を検知する温度センサであって、排水口101からの通水の水温を検知する検知部23を有し、検知した温度を制御部20へと伝達する。又、検知部23はレリースワイヤ8に取り付けられており、検知部23と本体部10を繋ぐ電気配線はレリースワイヤ8に沿って配設されている。
又、検知部23は図2に示すように、施工完了状態において、配管部材4の枝管部6近傍に位置しており、排水口101が開栓状態となった際に排出された湯水の一部が当接し、当該湯水排水口101内の温度を検知することができる。
上記排水栓装置1は手動操作に基づいて排水口101の開閉を操作する手動操作機構と、電気信号に基づいて排水口101の開閉を操作する電動操作機構を備えている。以下に、手動操作機構による排水口101及び電動操作機構の開閉操作について説明する。
手動操作機構はスイッチ部15に対して手動による押動操作が加えられると作動する。栓蓋7が下降状態にあり、排水口101が栓蓋7によって閉栓された状態にある時にスイッチ部15に対して押動操作が加えられると、スイッチ部15及び操作軸16が下降するとともに、レリースワイヤ8内のインナーワイヤがアウターチューブより突出することによって栓蓋7が上昇し、排水口101が開栓される。この時、ロック機構17内部の回転ギアと固定ギアが噛合し、栓蓋7の上昇状態が保持されることで槽体100の湯水を排水口101より排出することができる。
次に、上記栓蓋7の上昇状態において、再度スイッチ部15に押動操作が加えられると、上記ロック機構17内のギアの噛合が解除され、図示しないスプリングの弾性によって栓蓋7が下降し、再び排水口101が閉栓される。
次に、上記排水栓装置1の施工について説明する。
まず、槽体100の底部に形成された開口に対して、排水口部材2及び配管部材4を取り付ける。
次に、槽体100の縁部に形成された開口に対して、本体部10を取り付ける。
次に、本体部10と配管部材4の枝管部6をガイド管9で接続し、本体部10側よりガイド管9内にレリースワイヤ8を挿通するとともに、排水口101からレリースワイヤ8端部を取り出す。取り出したレリースワイヤ8端部はワイヤ受け3によって排水口部材2内部に取り付けられる。この時、通水検知手段の検知部23はレリースワイヤ8に取り付けられており、レリースワイヤ8の配設完了に伴い検知部23も所定位置に配置される。
最後に、レリースワイヤ8の端部と栓蓋7を係合させるとともに、本体部10にスイッチ部15を取り付けることで施工が完了する。
次に、図4を用いて本発明の自動閉栓機能の動作について説明する。
まず、ステップS1において、栓蓋7は下降し、排水口101は閉栓された状態となっている。この時、開栓検知手段によって排水口101は閉栓されていることが検知されている。ここで、手動操作機構又は電動操作機構によって栓蓋7が上昇し、排水口101が開栓されると、開栓検知手段によって当該開栓状態が検知され、自動閉栓機能はステップS2へ移行する。
ステップS2では通水検知手段によって排水口101からの通水の温度判定が行われる。この時、温度変化が検知された場合には槽体100内に貯留された湯水による通水が有るものと認識されてステップS3へ移行し、温度変化が検知されなかった場合にはステップS4へと移行する。
ステップS3において、通水検知手段は所定時間が経過するまで、通水を検知しないセンサ無効状態となる。そして、当該所定時間が経過すると、ステップS4へと移行する。尚、ステップS3における「所定時間」は満水状態にある槽体100の排水完了までに要すると想定される時間よりも長く設定されることが望ましい。
ステップS4において、排水栓装置1は閉栓待機状態となり、通水検知手段によって排水流路内の温度変化が検知されると、ステップS5へと移行する。
ステップS5では閉栓判定を行い、検知された温度変化が基準未満であった場合には上記ステップS4に復帰し、閉栓待機状態を維持する。一方、検知された温度変化が基準以上であった場合には栓蓋7を下降させ、排水口101が閉栓される。又、この時開栓検知手段によって排水口101の閉栓状態が検知され、ステップS1へ復帰する。尚、上記ステップS5における「基準」は適宜変更可能であり、温度が上昇した場合のみを検知しても良く、温度が低下した場合のみを検知しても良い。
上記自動閉栓機能によれば、以下の様にして排水口101の閉栓忘れによる湯水の無駄を防止することができる。
まず、排水口101が手動操作機構又は電動操作機構によって開栓されると、自動閉栓機能はステップS1からステップS2に移行する。
次に、通水検知手段によって通水による温度変化が検知されると、
当該温度変化によって、槽体100内に貯留された湯水が排出され、排水口101に通水が行われているものと認識されて、自動閉栓機能はステップS3に移行し、センサ無効時間経過後にステップS4に移行する。一方、通水による通水検知手段によって温度変化が検知されない場合には、槽体100からの湯水の排出がない当該通水は清掃のために使用されたシャワー等からの通水であると認識し、ものとしてステップS3を経ずにステップS4へ移行し、閉栓待機状態となる。
ここで、使用者が閉栓作業を忘れたまま栓蓋7を放置すると、ステップS4のまま閉栓待機状態が維持され、排水口101は開栓された状態となる。
そして、排水口101が開栓状態のまま給水装置300に対して湯張り運転が指示されると、給水装置300から供給された通水が検知部23に当接するとともに、当該通水による温度変化が検知され、ステップS5による閉栓判定が実行される。そして、検知された温度変化が基準以上である場合、制御部20は給水装置300からの給水があることを認識し、栓蓋7を下降させて排水口101を自動的に閉栓し、ステップS1へと復帰する。尚、槽体100の清掃のためにシャワー等による通水が生じた場合、通水検知手段が基準以上の温度変化を検知しないため、ステップS4のまま閉栓待機状態が維持される。
このように、本発明の排水栓装置1は自動閉栓機能を備えることにより、排水口101の閉栓忘れがあったとしても、通水の終了後に排水口101を自動的に閉栓することによって湯水の無駄を防止することができる。
尚、上記自動閉栓機能はステップS3においてセンサ無効時間を設けることにより、槽体100からの湯水の排出中に閉栓状態となることを防止することができる。即ち、ステップS3において槽体100からの湯水の排出が完了すると想定される時間よりも長くセンサが無効になることにより、湯水の排出中に閉栓待機状態(ステップS4)を経て閉栓判定(ステップS5)が行われ、閉栓されることを防止している。
又、上記本発明の排水栓装置1おいては、通水検知手段を構成する検知部23がレリースワイヤ8に取り付けられているため、レリースワイヤ8の配設完了と同時に検知部23の配置が完了する。これにより、検知部23の配置を容易に行うことが可能となり施工性が向上する。
ここで、本発明の自動閉栓機能は排水栓装置1のみで作動しており、給水装置300との連動を必要としない。従って、どのような給水装置300が用いられた槽体100に対しても、自動閉栓機能を付与することが可能となる。
一方で、上記排水栓装置1は制御部20と給水装置300を通信させ、給水装置300の動作と連動させても良い。この場合において、排水栓装置1に対して以下のような電動操作機構を付与することが可能となるとともに、給水装置300と通信を行い、湯張り運転に連動して排水口101を閉塞させることが可能となる。
電動操作機構は電気信号に基づいて排水口101の開閉を操作する操作機構であって、浴室200内外に取り付けられた操作パネル24に対して操作が加えられると作動する。操作パネル24に対して操作が加えられると、開栓検知手段によって栓蓋7の位置が検出され、当該栓蓋7の状態が操作パネル24による開閉指示と異なる場合に駆動部19が作動し、ギア191を回転させる。この時、押動部18によって操作軸16が押し下げられることによって、駆動部19の動作が操作軸16へと伝達され、栓蓋7を昇降させる。尚、押動部18が所定位置まで下降した後、駆動部19は逆回転することで押動部18を上昇させ、操作前の位置に復帰する。このようにすることで、電動操作機構による操作を行った後に手動操作機構による操作を行うことが可能となる。
尚、操作パネル24によって指示された操作に対し、開栓検知手段によって検知された栓蓋7の位置が合致する場合、電動操作機構は作動しない。例えば、操作パネル24より排水口101を閉栓する旨の指示が行われた際に栓蓋7が既に下降状態にある時には電動操作機構は作動しない。
本発明の排水栓装置1は給水装置300と連動させるか否かを切替可能となっており、使用される給水装置300に応じて連動させるか否かを選択することができる。従って、給水装置300と連動可能である場合には電動操作機構によって排水口101の開閉操作を行うことが可能となるとともに、給水装置300と通信し、湯張り運転の際に自動的に排水口101を閉栓させることで湯水の無駄を防止することができる。一方、自動閉栓機能は給水装置300とは独立して作動可能であることから、取り付けられる給水装置300が排水栓装置1と連動不可能であったとしても、槽体100に対して自動閉栓機能を付与することが可能となる。又、独立して自動閉栓機能を有効化しつつ、給水装置300と連動させても良い。
このように、本発明においては給水装置300と連動させるか否かを問わず、自動閉栓機能を付与することが可能となることから、湯張り運転の際の湯水の無駄を確実に防止することができる。尚、給水装置300との連動は有線・無線での連動を問わず、インターネットを介して連動しても良い。更に、給水装置300及び排水栓装置1のどちらか一方又は両方がインターネットと接続できる通信部を備えることで、スマートフォン等の情報端末から遠隔操作が可能となる。
又、排水栓装置1は給水装置300以外とも連動して動作しても良い。
本発明の第一実施形態は以上であるが、本発明の排水栓装置1は上記第一実施形態の構成に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えても良い。例えば、上記第一実施形態において、排水栓装置1は給水装置300と連動しない場合には電動操作機構を備えておらず、スイッチ部15の押動により手動操作機構を作動させて排水口101の開閉操作を行っていたが、図5に示す第二実施形態のように、スイッチ部15に操作を加えることによって電動操作機構が作動するように構成しても良い。
第二実施形態の排水栓装置1は手動操作機構を備えておらず、電動操作機構のみを備えている。尚、第二実施形態における電動操作機構はスイッチ部15に操作を加えることで駆動部19が作動し、直接レリースワイヤ8を介して栓蓋7を昇降させる構造となっている。又、第二実施形態に係る排水栓装置1は、前記第一実施形態と同様の自動閉栓機能を備えており、給水装置300と連動することなく自動的に排水口101を閉栓することができる。尚、当然に給水装置300と連動させることも可能である。
又、各第一実施形態において通水検知手段は検知部として、水温を検知する温度センサを使用していたが、当該温度センサに代えてフロートセンサ、水流センサ、圧力感知センサ等種々のセンサを使用しても良い。
又、通水検知手段の配置について、各実施形態に記載した位置に限定されるものではない。例えば栓蓋7内やレリースワイヤ8端部等、自由に変更しても良い。
又、配置される場所は排水管路中に限られるものではなく、給水装置300と槽体100を繋ぐ給湯管の側面に取り付けて温度を検知しても良い。このようにすることで、給水装置300による湯張り運転を確実に検知することが可能となる。
更に、通水検知手段は必ずしも一か所に設けられる必要は無く、必要に応じて複数個所に設けられても良い。例えば、ガイド管8の内部において槽体100の底面よりも高い位置に取り付けられることによって槽体100内に大量の通水時に検知する通水検知手段と、配管部材4の底面に取り付けられることによって少量の通水時に検知する通水検知手段をそれぞれ備えていても良い。このようにすることで、より正確に槽体100や給水装置300の状態を把握することが可能となる。
1 排水栓装置
2 排水口部材
3 ワイヤ受け
4 配管部材
5 排出口
6 枝管部
7 栓蓋
8 レリースワイヤ
9 ガイド管
10 本体部
15 スイッチ部
16 操作軸
161 当接部
17 ロック機構
18 押動部
19 駆動部
191 ギア
20 制御部
21 信号発生部
22 信号受信部
23 検知部
24 操作パネル
100 槽体
101 排水口
200 浴室
300 給水装置
本発明は、槽体に形成された排水口を開閉する排水栓装置に関するものである。
従来の排水栓装置としては、特許文献1のように、槽体に形成された排水口を覆う栓蓋を備え、当該栓蓋を昇降させることによって排水口を開閉する構造が知られている。
又、上記特許文献1に記載の排水栓装置は手動スイッチを直接押動することによって栓蓋を昇降させる手動操作機構と、台所や浴室内に配置された操作パネルを操作することによってモータ作動させ、栓蓋を昇降させる電動操作機構を備えており、使用者はどちらかの操作を選択し、排水口を開閉させることが可能となっている。
特開2018-131741号公報
上記排水栓装置において、給水装置が湯張り運転を行った際に排水口が開栓状態であると、槽体内に供給された湯水を貯めることができず、無駄となってしまう。しかし、排水口の開閉状態を確認するためには、湯水を槽体に流すか栓蓋や手動スイッチを目視で確認するしかないが、当該確認作業は煩雑であり、且つ確認作業を行ったとしても、使用者が開閉状態を誤認する可能性があった。
本発明は上記問題に鑑み、槽体内に湯水を貯留する際に排水口を閉栓し、供給された湯水が無駄になることを防止する排水栓装置の提供を課題とする。
第一の発明は、槽体に形成された排水口を開閉する排水栓装置について、
前記排水口の開閉を操作する操作機構と、
前記操作機構の操作に応じて前記排水口を開閉する栓蓋と、
前記排水口からの通水を検知するセンサを有する通水検知手段と、
前記通水検知手段により検知された通水の終了後に前記排水口を自動的に閉栓にする自動閉栓機能を備えることを特徴とする排水栓装置である。
この発明によれば、槽体内に貯水を行う際に排水口を自動的に閉栓状態とし、供給された湯水が無駄になることを防止することが可能となる。
第二の発明は、前記通水検知手段は、
前記検知した通水が槽体内に貯留された湯水であった場合に、
所定時間が経過するまで通水を検知しないセンサ無効状態となることを特徴とする請求項1記載の排水栓装置である。
この発明によれば、槽体からの湯水の排出中に誤って排水口を閉栓することを防止することが可能となる。
第三の発明は、前記センサは、
温度センサであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の排水栓装置である。
この発明によれば、排水口内の温度を検知することによって、検知した通水が槽体に貯留された湯水であるか否か等を判断することが可能となり、必要な場合のみ排水口を閉栓することが可能となる。
本発明によれば、槽体内に湯水を貯留する際に排水口を閉栓し、供給された湯水が無駄になることを防止することが可能となる。
浴室及び給水装置を示す概略図である。 排水栓装置を示す断面図である。 図2のA-A’断面図である。 自動閉栓機能の作動を示すフローチャートである。 第二実施形態に係る排水栓装置を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の排水栓装置を説明する。尚、以下に記載する発明は実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって発明が制限して理解されるものではない。
浴室200は内部に浴槽である槽体100、洗い場及びシャワーを備えており、側壁には操作パネル24が取り付けられている。又、浴室200の天面には排水栓装置1の電源ボックスが取り付けられている。
給水装置300は上水道に接続された給水管によって供給される水を加熱して給湯管へと出湯する給水運転を実行する給湯器であり、風呂往き管及び風呂戻り管(図示せず)によって槽体100に接続されている。又、給水装置300は操作パネル24からの信号に基づいて、槽体100の湯水を循環させながら加熱する追い炊き運転と、槽体100に対して設定された水量の湯を供給する湯張り運転と、噴出孔(図示せず)から洗浄水を噴射することによって槽体100内を洗浄する洗浄運転を実行可能となっている。
槽体100は底部及び縁部に開口が形成された浴槽であって、底部に形成された開口は排水口部材2及び配管部材4によって挟持されており、縁部に形成された開口には排水栓装置1の本体部10が取り付けられている。
図1乃至図3示すように、本発明の排水栓装置1は、上記浴室200に配置された浴槽である槽体100の排水口101を開閉するための装置である。又、排水栓装置1は手動操作によって排水口101を開閉する手動操作機構から成る操作機構と、栓蓋7の昇降状態を検知する開栓検知手段と、排水口101への通水を検知する通水検知手段と、通水検知手段により検知された通水の終了後に栓蓋7を下降させて排水口101を自動的に閉栓にする自動閉栓機能を備えている。
排水口部材2は上端にフランジが形成された中空且つ円筒状の部材であり、槽体100に取り付けられることによって槽体100内の湯水を排出する排水口101を構成する。又、排水口部材2は槽体100裏面において配管部材4と螺合しており、パッキンを介して槽体100を挟持することで水密に取り付けられている。
ワイヤ受け3は排水口部材2の内部に取り付けられ、排水口部材2内部にレリースワイヤ8を保持固定するための部材である。ワイヤ受け3は排水口部材2の内径と略同径を成す環状部と、レリースワイヤ8の端部を支持する支持部から構成されており、環状部が排水口部材2の内側面に係合することによって固定されている。
配管部材4は排水口101から排出された排水を下水側へ向けて排出する配管であって、側方に排出口5が形成されているとともに、排出口5と対向する側面にはレリースワイヤ8が挿通される枝管部6を備えている。
栓蓋7は排水口101を覆う円形の蓋体であって、レリースワイヤ8が裏面に係合されており、当該レリースワイヤ8を介して槽体100縁部に取り付けられた本体部10に接続されており、操作機構に加えられた操作に応じて昇降することで排水口101を開閉する。
レリースワイヤ8は樹脂製のアウターチューブ及び金属製のインナーワイヤからなる動力伝達部材であり、排水栓装置1に対して手動操作が加えられた際、アウターチューブ内をインナーワイヤが摺動することによって手動操作機構からの動力を伝達し、栓蓋7を昇降させる。
ガイド管9は配管部材4の枝管部6と本体部10を繋ぐホース管であり、施工の際にレリースワイヤ8の配設をガイドするとともに、槽体100の縁部から本体部10内に流入した排水を排水口101から連続する排水流路へと合流させる。
本体部10は内部にスイッチ部15、操作軸16、ロック機構17、押動部18、駆動部19、制御部20を収納するケーシングである。又、本体部10は槽体100の縁部に上端が取り付けられており、槽体100表面に露出する部分を除き、槽体100の裏側に配置されている。
スイッチ部15は本体部10の上端から浴室200内に露出する円盤状であって、本体部10を上下方向に変位可能であるとともに、裏面に操作軸16が篏合されている。
操作軸16は天地方向に延びる棒状であり、その下端はロック機構17が連結されている。又、操作軸16は押動部18が当接するための凸状の当接部161が外側に向けて突設されているとともに、内部には後述する開栓検知手段を構成する信号発生部21が取り付けられている。
ロック機構17は上端に操作軸16が接続されているとともに、下端にはレリースワイヤ8が接続されている。又、ロック機構17は操作軸16が下降する毎にレリースワイヤ8を介して栓蓋7へと動力を伝えるとともに、内部に収納された回転ギアと固定ギアの噛合と噛合の解除が切り替えられることによって、栓蓋7の昇降状態、即ち排水口101の開閉状態を保持する。
駆動部19は制御部20によって動作が制御されたステッピングモータであり、電気信号に基づいてギア191を回転させるとともに、押動部18を介して操作軸16を押し下げることによって駆動部19の動力を操作軸16に伝達する。尚、本実施形態において、駆動部19は双方向に回転可能となっている。
制御部20は駆動部19に隣接して配置され、開栓検知手段及び通水検知手段によって検知された情報に基づいて、内蔵する記憶部に予め記憶されている各種の設定情報やプログラムを読み出して実行する。
ギア191は押動部18と噛合するギア歯を有し、駆動部19の動作によって回転する。
押動部18は操作軸16の外周に配置された筒状の部材であり、外側面にギア191と噛合するラックが形成されており、ギア191の回転に伴い上下に変位する。又、押動部18は上端において、上記操作軸16に形成された当接部161の上面と当接する段部が形成されている。
開栓検知手段は信号発生部21と信号受信部22から構成されている。
信号発生部21は操作軸16に取り付けられた磁石であり、信号受信部22は信号発生部21から発せられる磁気を検知する磁気センサである。信号受信部22は本体部10に固定されており、操作軸16の軸方向に沿って上下に2か所設けられている。
尚、上記信号発生部21は、栓蓋7が上昇位置にある時には下方側の信号受信部22と正対するように位置するとともに、栓蓋7が下降状態にある時には上方の信号受信部22と正対するように位置する。これによって、上下どちらかの信号受信部22が磁気を検知するかによって栓蓋7の昇降状態を検知することができる。
通水検知手段は水温を検知する温度センサであって、排水口101からの通水の水温を検知する検知部23を有し、検知した温度を制御部20へと伝達する。又、検知部23はレリースワイヤ8に取り付けられており、検知部23と本体部10を繋ぐ電気配線はレリースワイヤ8に沿って配設されている。
又、検知部23は図2に示すように、施工完了状態において、配管部材4の枝管部6近傍に位置しており、排水口101が開栓状態となった際に排出された湯水の一部が当接し、排水口101内の温度を検知することができる。
以下に、手動操作機構による排水口101の開閉操作について説明する。
手動操作機構はスイッチ部15に対して手動による押動操作が加えられると作動する。栓蓋7が下降状態にあり、排水口101が栓蓋7によって閉栓された状態にある時にスイッチ部15に対して押動操作が加えられると、スイッチ部15及び操作軸16が下降するとともに、レリースワイヤ8内のインナーワイヤがアウターチューブより突出することによって栓蓋7が上昇し、排水口101が開栓される。この時、ロック機構17内部の回転ギアと固定ギアが噛合し、栓蓋7の上昇状態が保持されることで槽体100の湯水を排水口101より排出することができる。
次に、上記栓蓋7の上昇状態において、再度スイッチ部15に押動操作が加えられると、上記ロック機構17内のギアの噛合が解除され、図示しないスプリングの弾性によって栓蓋7が下降し、再び排水口101が閉栓される。
次に、上記排水栓装置1の施工について説明する。
まず、槽体100の底部に形成された開口に対して、排水口部材2及び配管部材4を取り付ける。
次に、槽体100の縁部に形成された開口に対して、本体部10を取り付ける。
次に、本体部10と配管部材4の枝管部6をガイド管9で接続し、本体部10側よりガイド管9内にレリースワイヤ8を挿通するとともに、排水口101からレリースワイヤ8端部を取り出す。取り出したレリースワイヤ8端部はワイヤ受け3によって排水口部材2内部に取り付けられる。この時、通水検知手段の検知部23はレリースワイヤ8に取り付けられており、レリースワイヤ8の配設完了に伴い検知部23も所定位置に配置される。
最後に、レリースワイヤ8の端部と栓蓋7を係合させるとともに、本体部10にスイッチ部15を取り付けることで施工が完了する。
次に、図4を用いて本発明の自動閉栓機能の動作について説明する。
まず、ステップS1において、栓蓋7は下降し、排水口101は閉栓された状態となっている。この時、開栓検知手段によって排水口101は閉栓されていることが検知されている。ここで、手動操作機構によって栓蓋7が上昇し、排水口101が開栓されると、開栓検知手段によって当該開栓状態が検知され、自動閉栓機能はステップS2へ移行する。
ステップS2では通水検知手段によって排水口101からの通水の温度判定が行われる。この時、温度変化が検知された場合には槽体100内に貯留された湯水による通水が有るものと認識されてステップS3へ移行し、温度変化が検知されなかった場合にはステップS4へと移行する。
ステップS3において、通水検知手段は所定時間が経過するまで、通水を検知しないセンサ無効状態となる。そして、当該所定時間が経過すると、ステップS4へと移行する。尚、ステップS3における「所定時間」は満水状態にある槽体100の排水完了までに要すると想定される時間よりも長く設定されることが望ましい。
ステップS4において、排水栓装置1は閉栓待機状態となり、通水検知手段によって排水流路内の温度変化が検知されると、ステップS5へと移行する。
ステップS5では閉栓判定を行い、検知された温度変化が基準未満であった場合には上記ステップS4に復帰し、閉栓待機状態を維持する。一方、検知された温度変化が基準以上であった場合には栓蓋7を下降させ、排水口101が閉栓される。又、この時開栓検知手段によって排水口101の閉栓状態が検知され、ステップS1へ復帰する。尚、上記ステップS5における「基準」は適宜変更可能であり、温度が上昇した場合のみを検知しても良く、温度が低下した場合のみを検知しても良い。
上記自動閉栓機能によれば、以下の様にして排水口101の閉栓忘れによる湯水の無駄を防止することができる。
まず、排水口101が手動操作機構によって開栓されると、自動閉栓機能はステップS1からステップS2に移行する。
次に、通水検知手段によって温度変化が検知されると、当該温度変化によって、槽体100内に貯留された湯水が排出され、排水口101に通水が行われているものと認識されて、自動閉栓機能はステップS3に移行し、センサ無効時間経過後にステップS4に移行する。一方、通水検知手段によって温度変化が検知されない場合には、槽体100からの湯水の排出がないものとしてステップS3を経ずにステップS4へ移行し、閉栓待機状態となる。
ここで、使用者が閉栓作業を忘れたまま栓蓋7を放置すると、ステップS4のまま閉栓待機状態が維持され、排水口101は開栓された状態となる。
そして、排水口101が開栓状態のまま給水装置300に対して湯張り運転が指示されると、給水装置300から供給された通水が検知部23に当接するとともに、当該通水による温度変化が検知され、ステップS5による閉栓判定が実行される。そして、検知された温度変化が基準以上である場合、制御部20は給水装置300からの給水があることを認識し、栓蓋7を下降させて排水口101を自動的に閉栓し、ステップS1へと復帰する。尚、槽体100の清掃のためにシャワー等による通水が生じた場合、通水検知手段が基準以上の温度変化を検知しないため、ステップS4のまま閉栓待機状態が維持される。
このように、本発明の排水栓装置1は自動閉栓機能を備えることにより、排水口101の閉栓忘れがあったとしても、通水の終了後に排水口101を自動的に閉栓することによって湯水の無駄を防止することができる。
尚、上記自動閉栓機能はステップS3においてセンサ無効時間を設けることにより、槽体100からの湯水の排出中に閉栓状態となることを防止することができる。即ち、ステップS3において槽体100からの湯水の排出が完了すると想定される時間よりも長くセンサが無効になることにより、湯水の排出中に閉栓待機状態(ステップS4)を経て閉栓判定(ステップS5)が行われ、閉栓されることを防止している。
又、上記本発明の排水栓装置1おいては、通水検知手段を構成する検知部23がレリースワイヤ8に取り付けられているため、レリースワイヤ8の配設完了と同時に検知部23の配置が完了する。これにより、検知部23の配置を容易に行うことが可能となり施工性が向上する。
ここで、本発明の自動閉栓機能は排水栓装置1のみで作動し、給水装置300との連動を必要としない。従って、どのような給水装置300が用いられた槽体100に対しても、自動閉栓機能を付与することが可能となる。
一方で、上記排水栓装置1は制御部20と給水装置300を通信させ、給水装置300の動作と連動させても良い。この場合において、排水栓装置1に対して以下のような電動操作機構を付与することが可能となるとともに、給水装置300と通信を行い、湯張り運転に連動して排水口101を閉塞させることが可能となる。
電動操作機構は電気信号に基づいて排水口101の開閉を操作する操作機構であって、浴室200内外に取り付けられた操作パネル24に対して操作が加えられると作動する。操作パネル24に対して操作が加えられると、開栓検知手段によって栓蓋7の位置が検出され、当該栓蓋7の状態が操作パネル24による開閉指示と異なる場合に駆動部19が作動し、ギア191を回転させる。この時、押動部18によって操作軸16が押し下げられることによって、駆動部19の動作が操作軸16へと伝達され、栓蓋7を昇降させる。尚、押動部18が所定位置まで下降した後、駆動部19は逆回転することで押動部18を上昇させ、操作前の位置に復帰する。このようにすることで、電動操作機構による操作を行った後に手動操作機構による操作を行うことが可能となる。
尚、操作パネル24によって指示された操作に対し、開栓検知手段によって検知された栓蓋7の位置が合致する場合、電動操作機構は作動しない。例えば、操作パネル24より排水口101を閉栓する旨の指示が行われた際に栓蓋7が既に下降状態にある時には電動操作機構は作動しない。
本発明の排水栓装置1は給水装置300と連動させるか否かを切替可能となっており、使用される給水装置300に応じて連動させるか否かを選択することができる。従って、給水装置300と連動可能である場合には電動操作機構によって排水口101の開閉操作を行うことが可能となるとともに、給水装置300と通信し、湯張り運転の際に自動的に排水口101を閉栓させることで湯水の無駄を防止することができる。一方、自動閉栓機能は給水装置300とは独立して作動可能であることから、取り付けられる給水装置300が排水栓装置1と連動不可能であったとしても、槽体100に対して自動閉栓機能を付与することが可能となる。又、独立して自動閉栓機能を有効化しつつ、給水装置300と連動させても良い。
このように、本発明においては給水装置300と連動させるか否かを問わず、自動閉栓機能を付与することが可能となることから、湯張り運転の際の湯水の無駄を確実に防止することができる。尚、給水装置300との連動は有線・無線での連動を問わず、インターネットを介して連動しても良い。更に、給水装置300及び排水栓装置1のどちらか一方又は両方がインターネットと接続できる通信部を備えることで、スマートフォン等の情報端末から遠隔操作が可能となる。
又、排水栓装置1は給水装置300以外とも連動して動作しても良い。
本発明の第一実施形態は以上であるが、本発明の排水栓装置1は上記第一実施形態の構成に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えても良い。例えば、上記第一実施形態において、排水栓装置1は給水装置300と連動しない場合には電動操作機構を備えておらず、スイッチ部15の押動により手動操作機構を作動させて排水口101の開閉操作を行っていたが、図5に示す第二実施形態のように、スイッチ部15に操作を加えることによって電動操作機構が作動するように構成しても良い。
第二実施形態の排水栓装置1は手動操作機構を備えておらず、電動操作機構のみを備えている。尚、第二実施形態における電動操作機構はスイッチ部15に操作を加えることで駆動部19が作動し、直接レリースワイヤ8を介して栓蓋7を昇降させる構造となっている。又、第二実施形態に係る排水栓装置1は、前記第一実施形態と同様の自動閉栓機能を備えており、給水装置300と連動することなく自動的に排水口101を閉栓することができる。尚、当然に給水装置300と連動させることも可能である。
又、各実施形態において通水検知手段は検知部として、水温を検知する温度センサを使用していたが、当該温度センサに代えてフロートセンサ、水流センサ、圧力感知センサ等種々のセンサを使用しても良い。
又、通水検知手段の配置について、各実施形態に記載した位置に限定されるものではない。例えば栓蓋7内やレリースワイヤ8端部等、自由に変更しても良い。
又、配置される場所は排水管路中に限られるものではなく、給水装置300と槽体100を繋ぐ給湯管の側面に取り付けて温度を検知しても良い。このようにすることで、給水装置300による湯張り運転を確実に検知することが可能となる。
更に、通水検知手段は必ずしも一か所に設けられる必要は無く、必要に応じて複数個所に設けられても良い。例えば、ガイド管8の内部において槽体100の底面よりも高い位置に取り付けられることによって槽体100内に大量の通水時に検知する通水検知手段と、配管部材4の底面に取り付けられることによって少量の通水時に検知する通水検知手段をそれぞれ備えていても良い。このようにすることで、より正確に槽体100や給水装置300の状態を把握することが可能となる。
1 排水栓装置
2 排水口部材
3 ワイヤ受け
4 配管部材
5 排出口
6 枝管部
7 栓蓋
8 レリースワイヤ
9 ガイド管
10 本体部
15 スイッチ部
16 操作軸
161 当接部
17 ロック機構
18 押動部
19 駆動部
191 ギア
20 制御部
21 信号発生部
22 信号受信部
23 検知部
24 操作パネル
100 槽体
101 排水口
200 浴室
300 給水装置

Claims (3)

  1. 槽体に形成された排水口を開閉する排水栓装置について、
    前記排水口の開閉を操作する操作部操作機構と、
    前記操作部操作機構の操作に応じて前記排水口を開閉する栓蓋と、
    前記排水口からの通水を検知するセンサを有する通水検知手段と、
    前記通水検知手段により検知された通水の終了後に前記排水口を自動的に閉栓する自動閉栓機能を備えることを特徴とする排水栓装置。
  2. 前記通水検知手段は、
    前記検知した通水が槽体内に貯留された湯水であった場合に、
    所定時間が経過するまで通水を検知しないセンサ無効状態となることを特徴とする請求項1記載の排水栓装置。
  3. 前記センサは、
    水温を検知する温度センサであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の排水栓装置。
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