JP2023005658A - 車両制御装置 - Google Patents

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祐輔 上田
Yusuke Ueda
一美 星屋
Kazumi Hoshiya
聡 山中
Satoshi Yamanaka
国憲 熊谷
Kuninori Kumagai
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Toyota Motor Corp
Soken Inc
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Abstract

【課題】カーブ走行時に乗り心地の悪化を抑制できる車両制御装置を提供する。【解決手段】車両制御装置1において、曲率検出部36は、車両の前方のカーブの曲率を検出する。目標ロール角取得部26は、車両の目標ロール角を取得する。目標車速演算部28は、曲率と目標ロール角とにもとづいて、カーブへの進入時の車両の目標車速を演算する。制動力発生部32は、カーブへの進入時に目標車速まで減速するように車両に制動力を発生させる。【選択図】図3

Description

本発明は、カーブ進入前に車両を減速させる車両制御装置に関する。
車両の運転状況や前方の道路状況に応じて、自動回生制動により最適な制動力を得ることができる電気自動車の回生制動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置は、前方のカーブの曲率と目標の遠心加速度とに基づいてカーブ入口への目標進入車速を設定し、目標進入車速に基づいて回生制動力を決定する。
特開平10-201008号
本発明者らは、カーブの曲率と目標の遠心加速度とに基づいて目標進入車速を設定する場合、車両のサスペンション特性や重心高さなどによっては、カーブを安全に旋回できても乗り心地が悪化する可能性があることを認識した。
本発明の目的は、カーブ走行時に乗り心地の悪化を抑制できる車両制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両制御装置は、車両の前方のカーブの曲率を検出する曲率検出部と、車両の目標ロール角を取得する目標ロール角取得部と、曲率と目標ロール角とにもとづいて、カーブへの進入時の車両の目標車速を演算する目標車速演算部と、カーブへの進入時に目標車速まで減速するように車両に制動力を発生させる制動力発生部と、を備える。
本発明によれば、カーブ走行時に乗り心地の悪化を抑制できる。
第1の実施の形態の車両制御装置を搭載した車両がカーブを走行する状況を示す図である。 図2(a)は、ロール角と車速の関係を示す図であり、図2(b)は、ロール角とカーブの曲率の関係を示す図である。 図1の車両制御装置の構成を示す図である。 第2の実施の形態の車両制御装置の構成を示す図である。 ロール角とロール剛性の関係を示す図である。 第3の実施の形態の車両制御装置の構成を示す図である。 ロール角と車重の関係を示す図である。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の車両制御装置1を搭載した車両50がカーブ60を走行する状況を示す。車両制御装置1は、カーブ60に進入する前に車両50を目標車速まで自動的に減速させる。車両50は、内燃機関のみで車両駆動力を発生する車両に限らず、内燃機関とモータとで車両駆動力を発生するハイブリッド車両でもよいし、モータのみで車両駆動力を発生する電気自動車や燃料電池車でもよい。車両50は、運転者によって運転される車両でもよいし、自動運転車でもよい。
車両50がカーブ60の手前の位置P1に到達したとき、減速制御の開始条件が満たされたことを想定する。減速制御の開始条件は、例えば、車両50が前進走行中、前方の所定距離内にカーブが存在し、運転者によるアクセルペダルとブレーキペダルの踏み込みがないことである。減速制御の開始条件が満たされると、車両制御装置1は、減速制御を開始し、カーブ60の入口P2における目標車速vを演算し、位置P1における車両50の車速v1がカーブ60の入口P2で目標車速vに低減するよう車両50に減速度を発生させる。これにより、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作を必要とせず、車両50は、カーブ60の入口P2から出口P3までを目標車速v以下で走行できる。
ここで、カーブ60の走行中に車両50のロール角が大きくなり過ぎると、旋回挙動が不安定になり、乗り心地が悪化したり、乗員の安心感が低下したりする可能性がある。
図2(a)は、ロール角と車速の関係を示す。図2(b)は、ロール角とカーブの曲率の関係を示す。図2(a)では曲率を一定とし、図2(b)では車速を一定としている。ロール角は、車速の二乗に比例し、曲率に比例する。
そこで、車両制御装置1は、カーブ60の曲率と、車両50のカーブ走行時の目標ロール角と、車両50の車重などの車両特性とにもとづいて、目標車速vを演算する。目標ロール角は、車両50のカーブ走行時の横加速度が目標横加速度以下になるよう設定される。これにより、車両50がカーブ60を走行する間、横加速度が目標横加速度以下になり、かつ、ロール角が目標ロール角以下になるように減速できるので、安全に旋回でき、乗り心地の悪化や安心感の低下を抑制できる。また、カーブ走行時の車両50の旋回安定性の低下を抑制することもできる。
図3は、図1の車両制御装置1の構成を示す。車両制御装置1は、検出部10、演算部12および制御部14を備える。検出部10は、道路形状検出部20および車速検出部22を有する。
道路形状検出部20は、車両50の前方の道路形状を定期的に検出することでカーブ60を検出し、検出したカーブ60に関する情報を演算部12に出力する。道路形状検出部20は、検出したカーブ60の曲率を検出する曲率検出部36と、カーブ60の入口P2までの距離を定期的に検出する距離検出部38と、を有する。
道路形状検出部20は、たとえば、車両50に搭載された図示しないナビゲーションシステムから取得した、地図情報に含まれる車両50の現在位置の前方の道路の情報にもとづいて、道路形状、カーブの曲率、および、カーブの入口までの距離を検出する。
道路形状検出部20は、車両50に搭載された図示しない車載カメラで撮像された車両前方の道路の画像を取得し、その画像を画像認識することで、道路形状、カーブの曲率、および、カーブの入口までの距離を検出してもよい。
車速検出部22は、車速センサの出力信号に基づいて車両50の車速を定期的に検出し、検出した情報を演算部12に出力する。
演算部12は、減速制御の開始条件が満たされた場合、車両50の減速制御のための演算を実行する。演算部12は、車両特性記憶部24、目標ロール角取得部26、目標車速演算部28、および、減速度演算部30を有する。検出部10と演算部12の構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
車両特性記憶部24は、車両特性を予め記憶している。車両特性は、車両50の諸元であり、車重W、車体重心点とロール軸間の距離h、前輪ロール剛性K、および、後輪ロール剛性Kを含む。
目標ロール角取得部26は、車両50の目標ロール角θを取得し、取得した目標ロール角θを目標車速演算部28に出力する。具体的には、目標ロール角取得部26は、車両特性記憶部24から取得した車両特性と、目標横加速度y’’とにもとづいて、以下の式(1)に従って車両50の予測ロール角θ1を演算する。目標ロール角取得部26は、カーブ60を走行中の車両50の横加速度が目標横加速度y’’になるときの予測ロール角θ1を演算するともいえる。目標ロール角取得部26は、演算された予測ロール角θ1が、予め定められたロール角上限値θmax以下である場合、予測ロール角θ1を目標ロール角θとして取得し、予測ロール角θ1がロール角上限値θmaxより大きい場合、ロール角上限値θmaxを目標ロール角θとして取得する。つまり、目標ロール角θは、ロール角上限値θmax以下である。
Figure 2023005658000002
目標横加速度y’’は、カーブ60を走行中の車両50の目標の遠心加速度である。目標横加速度y’’は、実験やシミュレーションにより、車両50がカーブを安全に走行できる値に適宜設定される。目標横加速度y’’は、車両50の車種毎や用途毎に予め固定値に設定されてもよいし、カーブ毎に設定されてもよいし、運転者により設定できてもよい。カーブ毎に設定される目標横加速度y’’は、ナビゲーションシステムの地図情報に含まれ、道路形状検出部20が取得できる。
ロール角上限値θmaxは、車両50の乗り心地や旋回安定性が許容範囲に入るよう、実験やシミュレーションにより適宜設定される。ロール角上限値θmaxは、車両50の車種毎や用途毎に設定されてもよい。
式(1)から分かるように、車重Wなどの車両特性によっては、予測ロール角θ1はロール角上限値θmaxより大きくなる場合がある。この場合、目標ロール角θは、ロール角上限値θmaxに制限される。
なお、目標横加速度y’’が固定値に設定され、車両特性も固定値である場合、予測ロール角θ1は固定値である。この場合、予測ロール角θ1とロール角上限値θmaxとのうち小さい方を目標ロール角θとして車両特性記憶部24に予め記憶しておき、または、それらが等しい場合には予測ロール角θ1を目標ロール角θとして車両特性記憶部24に予め記憶しておき、目標ロール角取得部26は、車両特性記憶部24に記憶された目標ロール角θを取得してもよい。これにより、演算部12の処理を軽減できる。
目標車速演算部28は、道路形状検出部20から出力されたカーブ60の曲率φと、目標ロール角取得部26から出力された目標ロール角θと、車両特性記憶部24から取得した車両特性とにもとづいて、以下の式(2)に従ってカーブ60への進入時の車両50の目標車速vを演算する。目標車速演算部28は、カーブ60を走行中の車両50のロール角が目標ロール角θになる目標車速v、すなわちロール角がロール角上限値θmax以下になる目標車速vを演算するともいえる。式(2)は、関係式y’’=vφを用いて式(1)を変形することで得られる。目標車速演算部28は、演算した目標車速vを減速度演算部30に出力する。
Figure 2023005658000003
減速度演算部30は、車速検出部22から出力された現在の車速v1と、目標車速演算部28から出力された目標車速vと、道路形状検出部20から出力された現在の位置P1からカーブ60の入口P2までの距離とにもとづいて、車両50の減速度を演算する。減速度は、車両50がカーブ60の入口P2に達するまでに現在の車速v1を目標車速vまで減速させるために必要な負の加速度であり、公知の技術を用いて演算できる。減速度演算部30は、車両50がカーブ60の入口P2に達するまで、現在の車速と、目標車速vと、現在の位置からカーブ60の入口P2までの距離とにもとづいて、車両50の減速度を定期的に演算する。減速度を定期的に演算することで、より正確にカーブ60の入口P2での車速を目標車速vに近づけることができる。減速度演算部30は、減速度を演算する度に、演算した減速度を制御部14の制動力発生部32に出力する。
制御部14は、車両50の走行を制御する。制動力発生部32は、減速度演算部30から出力された減速度で減速するように制動力を車両50に発生させる。つまり、制動力発生部32は、カーブ60への進入時に車両50が目標車速vまで減速するように制動力を発生させる。制動力発生部32の構成は、車両50の構成に応じて適宜定めることができる。制動力発生部32は、接触摩擦により車輪に対して摩擦制動トルクを付与する摩擦ブレーキを含んでもよく、モータの回生発電により車輪に対して回生制動トルクを付与する回生ブレーキを含んでもよい。
実施の形態によれば、カーブ走行時の車両50のロール角が目標ロール角θ以下になるように目標車速vを定め、減速するので、カーブ走行時に乗り心地の悪化を抑制でき、安心感や旋回安定性の低下を抑制できる。
また、車両50のカーブ走行時の横加速度が目標横加速度y’’になるときの予測ロール角θ1を演算し、予測ロール角θ1がロール角上限値θmax以下である場合、予測ロール角θ1を目標ロール角θとするので、横加速度が目標横加速度y’’以下になるように減速でき、安全に旋回できる。
また、予測ロール角θ1がロール角上限値θmaxより大きい場合、ロール角上限値θmaxを目標ロール角θとするので、カーブ走行時の車両50のロール角がロール角上限値θmax以下になるよう減速できる。例えば、サスペンションが相対的に柔らかい車両50、または、重心点が相対的に高い車両50では、予測ロール角θ1がロール角上限値θmaxより大きくなる可能性があるが、このような車両50であってもカーブ走行時にロール角を制限して乗り心地の悪化を抑制できる。この場合、車両50のカーブ走行時の横加速度は、予測ロール角θ1の演算に用いられた目標横加速度y’’より小さくなる。よって、この場合にも安全に旋回できる。
(第2の実施の形態)
図4は、第2の実施の形態の車両制御装置1の構成を示す。車両50のサスペンション特性が可変であることが第1の実施の形態と異なる。サスペンション特性を変更することで、車両50のロール剛性を変更できる。車両制御装置1は、運転者の操作に応じて車両50のサスペンション特性を設定するサスペンション特性設定部40をさらに備える。サスペンション特性設定部40は、設定したサスペンション特性の情報を目標ロール角取得部26に出力する。
図5は、ロール角とロール剛性の関係を示す。図5では、横加速度を一定としている。サスペンションが柔らかいほど、即ちロール剛性が低いほど、ロール角は大きくなる。
車両特性記憶部24は、サスペンション特性の設定に応じた前輪ロール剛性Kと後輪ロール剛性Kを予め記憶している。例えば、サスペンション特性を複数段階に変更できる場合、車両特性記憶部24は、それぞれのサスペンション特性に関して前輪ロール剛性Kと後輪ロール剛性Kを記憶している。
目標ロール角取得部26は、車両特性記憶部24から取得した、サスペンション特性設定部40で設定されたサスペンション特性により定められる前輪ロール剛性Kと後輪ロール剛性Kを含む車両特性と、目標横加速度y’’とにもとづいて、予測ロール角θ1を演算する。これにより、サスペンション特性に合った予測ロール角θ1および目標車速vを得ることができる。
なお、目標ロール角取得部26は、車両50のロール剛性が最も低くなるようにサスペンション特性が設定された場合の前輪ロール剛性Kおよび後輪ロール剛性Kと、目標横加速度y’’とにもとづいて、予測ロール角θ1を演算してもよい。つまり、目標ロール角取得部26は、設定されたサスペンション特性によらず、車両50の最も低い前輪ロール剛性Kおよび後輪ロール剛性Kにもとづいて、予測ロール角θ1を演算する。
これにより、目標車速vが設定された後、カーブ60への進入前やカーブ60の走行中にサスペンション特性が柔らかくなるように変更された場合であっても、ロール角がロール角上限値θmax以下になるため、乗り心地の悪化を抑制できる。
(第3の実施の形態)
図6は、第3の実施の形態の車両制御装置1の構成を示す。検出部10が、車両50の重量を検出する車重検出部42を備えることが第1の実施の形態と異なる。車重検出部42は、公知のハイトセンサで検出された車両50の車高にもとづいて車重を推定し、推定した車重を演算部12に出力する。車重検出部42は、検出された車高が基準車高である場合、車重を基準車重に推定し、検出された車高が基準車高より低くなるほど、車重を基準車重より大きく推定する。検出された車高と推定される車重との関係は、実験やシミュレーションにより適宜定めることができる。車重検出部42は、他の公知の技術を用いて車重を検出してもよい。
図7は、ロール角と車重の関係を示す。図7では、横加速度を一定としている。車重が大きいほどロール角は大きくなる。
目標ロール角取得部26は、車重検出部42から出力された車重を含む車両特性と、目標横加速度y’’とにもとづいて、予測ロール角θ1を演算する。
本実施の形態によれば、車重が変化してもロール角を適切に制御でき、カーブ走行時に乗り心地の悪化、安心感や旋回安定性の低下を抑制できる。特に、乗用車と比較して、乗員数に応じて車重が頻繁かつ大きく変化するバスや、荷物の量に応じて車重が大きく変化するトラックなどの車両では、車重に応じてロール特性が大きく変化する。そのため、このような車両では、車重検出部42で検出された車重を用いて予測ロール角θ1を演算することが好ましい。特に、将来普及すると予想される自動運転バスにおいては、乗員の乗り心地をよくすることが望まれるため、本実施の形態の車両制御装置1を利用することが好ましい。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態はあくまでも例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、第2の実施の形態を第3の実施の形態と組み合わせてもよい。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。
1…車両制御装置、10…検出部、12…演算部、14…制御部、20…道路形状検出部、22…車速検出部、24…車両特性記憶部、26…目標ロール角取得部、28…目標車速演算部、30…減速度演算部、32…制動力発生部、36…曲率検出部、38…距離検出部、40…サスペンション特性設定部、42…車重検出部、50…車両。

Claims (1)

  1. 車両の前方のカーブの曲率を検出する曲率検出部と、
    前記車両の目標ロール角を取得する目標ロール角取得部と、
    前記曲率と前記目標ロール角とにもとづいて、前記カーブへの進入時の前記車両の目標車速を演算する目標車速演算部と、
    前記カーブへの進入時に前記目標車速まで減速するように前記車両に制動力を発生させる制動力発生部と、
    を備えることを特徴とする車両制御装置。
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