JP2023005548A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】無通電時のコギングトルクを低減するとともに通電時のトルクリプルを低減可能な回転電機を提供する。【解決手段】ステータコア31は、円環の外縁をなすバックヨーク部41から径内方向に延伸する本体部42、及び、本体部42の先端において本体部42から周方向両側に突出する鍔部43を有するティース401が周方向に複数設けられている。ティース401は、本体部42の先端面に、回転軸方向の一端から他端にわたってバックヨーク部41側に凹む複数の凹溝441、442が形成されている。周方向に隣接する凹溝441、442の間に対応する位置に、非磁性材料または空間で構成され、隣接する凹溝441、442の間の磁路である流入磁路46を通る磁束を低減する一つ以上の磁束低減部45が設けられている。【選択図】図2
Description
本発明は、回転電機に関する。
従来、永久磁石式の回転電機において、ステータコアのティース形状に変更を加えることで無通電時のコギングトルクを低減する技術が知られている。
例えば特許文献1に開示された永久磁石形モータは、ティースの先端部に、1つのティースにつき2個の疑似スロットが設けられている。疑似スロットを設けることで、スロットの空間高調波が分散されてコギングトルクの周波数帯域が高次にシフトする効果があると記載されている。
特許文献1のモータは、疑似スロットを設けたことにより無通電時のコギングトルクを低減可能である反面、通電時の磁束歪が悪化し、トルクリプルが大きくなるという問題がある。例えば電動パワーステアリング装置の操舵アシストモータに適用した場合、低~中アシストトルク領域でのトルクリプルが増加し、ドライバの操舵フィーリングを悪化させるおそれがある。
本発明はこのような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、無通電時のコギングトルクを低減するとともに通電時のトルクリプルを低減可能な回転電機を提供することにある。
本発明の回転電機は、ステータ(30)と、ロータ(50)とが回転軸(O)に対して同軸に配置されている。ステータは、環状のステータコア(31)に巻線(35)が巻回されてなる。ロータは、円筒状のロータコア(51)の外周に沿って複数の磁石(55)が取り付けられてなり、巻線への通電により生成される回転磁界によりステータの内側で回転する。
ステータコアは、円環の外縁をなすバックヨーク部(41)から径内方向に延伸する本体部(42)、及び、本体部の先端において本体部から周方向両側に突出する鍔部(43)を有するティース(401-404)が周方向に複数設けられている。
ティースは、本体部の先端面に、回転軸方向の一端から他端にわたってバックヨーク部側に凹む複数の凹溝(441、442、445-448)が形成されている。複数の凹溝は、回転軸に対して平行に形成されてもよく、回転軸に対して傾斜していてもよい。
周方向に隣接する凹溝の間に対応する位置に、非磁性材料または空間で構成され、隣接する凹溝の間の磁路である流入磁路(46、461-463)を通る磁束を低減する一つ以上の磁束低減部(45、455-458)が設けられている。磁束低減部を構成する「非磁性材料」には、樹脂やアルミニウム等の非磁性金属が含まれる。「空間」には、板厚方向に貫通する空孔や板厚を局所的に薄くした窪み等が含まれる。
本発明では、特許文献1の従来技術と同様に、凹溝を有することで無通電時のコギングトルクが低減される。また、凹溝により通電時に流入磁路を通る磁束が歪むが、磁束低減部が流入磁路の磁気抵抗を増加させ、流入磁路を通る磁束を低減することで、通電時のトルクリプルを低減することができる。よって、例えば電動パワーステアリング装置の操舵アシストモータに適用した場合、低~中アシストトルク領域でのトルクリプルを低減し、ドライバの操舵フィーリングを向上させることができる。
以下、本発明による回転電機の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第1~第10実施形態を包括して「本実施形態」という。本実施形態の回転電機は永久磁石式の3相ブラシレスモータであり、例えば電動パワーステアリング装置の操舵アシストモータに適用される。操舵アシストモータでは、ドライバの操舵フィーリングの悪化を防ぐため、出力トルクの脈動(以下「トルクリプル」)の低減が求められる。
図1を参照し、モータ10の径方向断面構成について説明する。図1では、ステータコア及びロータコアについて、断面ハッチングを省略する。モータ10は、ステータ30とロータ50とが回転軸Oに対して同軸に配置されている。以下の明細書中、回転軸Oは各部の位置関係の基準となる。「回転軸方向」は図1の紙面に直交する方向を意味する。周方向の間隔やずれを示す角度は、回転軸Oを中心とする角度で表される。
ステータ30は、筒状のハウジング20に収容された環状のステータコア31に3相の巻線35が巻回されてなる。ロータ50は、円筒状のロータコア51の外周に沿って複数(本実施形態では8個)の磁石55が取り付けられてなる。磁石55は永久磁石である。図1には、磁石55がロータコア51に埋め込まれたIPM構造を示すが、磁石55がロータコア51の表面に設置されたSPM構造であってもよい。
ロータ50は、巻線35への通電により生成される回転磁界によりステータ30の内側で回転する。ロータ50の中心に固定されたシャフト59は、軸方向の両端が図示しない軸受により支持されている。モータ10のトルクは、シャフト59の一端から伝達機構を介して負荷に出力される。
ステータコア31及びロータコア51は鉄製である。ステータコア31及びロータコア51は、複数枚の電磁鋼板等の薄板が軸方向に積層されてもよく、一体に形成されてもよい。
図1に例示するステータコア31は、円環の外縁をなすバックヨーク部41が周方向に12分割された分割ステータコアで構成されている。ただし、バックヨーク部が全周にわたって一体に形成された環状ステータコアの構成であってもよい。ステータコア31は、ティース401が周方向に複数(本実施形態では12個)設けられている。図1には代表として第1実施形態のティース401の形状を記す。
ティース401は、本体部42及び鍔部43を有する。本体部42は、バックヨーク部41から径内方向に延伸する。鍔部43は、本体部42の先端において本体部42から周方向両側に突出する。本体部42の先端面は、ロータ50の外周面に対向し、磁石55の磁束が流入する。周方向に隣接するティース401の本体部42同士の間の空間は、巻線35が収容されるスロットをなす。スロットの径方向範囲は、外側がバックヨーク部41により規制され、内側が鍔部43により規制される。スロットの数はティース401の数に等しく、本実施形態では12個である。
ここで、ロータ50の磁石55の数(言い換えれば磁極数)をP、ステータ30のティース数(言い換えればスロット数)をSで表す。本実施形態では、磁石数Pが8であり、ティース数Sが12であるため、「8P12S」と表される。磁石数Pとティース数Sとの最小公倍数をkとすると、この構成での最小公倍数kは24となる。つまり、ロータ50が一回転する間に、いずれかの磁石55がいずれかのティース401の先端面の中心に正対するときが24回ある。そのため、無通電時のコギングトルクについて機械角24次の成分が顕著に現れる。
従来、特許文献1(特開2002-136001号公報)には、コギングトルクの低減を目的として、ティース先端面に疑似スロットを設けた構成が開示されている。この従来技術では、疑似スロットにより無通電時のコギングトルクを低減可能である反面、通電時の磁束歪が悪化し、トルクリプルが大きくなるという問題がある。
そこで本実施形態では、無通電時のコギングトルクを低減するとともに通電時のトルクリプルを低減可能な回転電機を提供することを目的とする。そのために、主にステータコア31のティースに特有の構成を設ける。以下、各実施形態のティース等の構成について順に説明する。各実施形態のティースの符号は、「40」に続く3桁目に実施形態の番号を付す。
(第1実施形態)
図2~図9を参照し、第1実施形態の構成及び作用効果について説明する。図2に示すように、12分割されたステータコア31は、バックヨーク部41の周方向両端の中心角が30°である。回転軸Oに直交する各断面において、ティース401は、回転軸Oを通る対称軸Vに対して対称に形成されている。三次元で表せば、ティース401は、回転軸Oを含む仮想平面に対して対称に形成されている。図3には、薄板積層構造で形成されたティース401の先端面を示す。
図2~図9を参照し、第1実施形態の構成及び作用効果について説明する。図2に示すように、12分割されたステータコア31は、バックヨーク部41の周方向両端の中心角が30°である。回転軸Oに直交する各断面において、ティース401は、回転軸Oを通る対称軸Vに対して対称に形成されている。三次元で表せば、ティース401は、回転軸Oを含む仮想平面に対して対称に形成されている。図3には、薄板積層構造で形成されたティース401の先端面を示す。
本体部42の先端面には、バックヨーク41部側に凹む二つの凹溝441、442が形成されている。凹溝441、442は、特許文献1の疑似スロットに相当する。第1実施形態では、二つの凹溝441、442は、ティース401の対称軸Vに対して対称に配置され、且つ平行に形成されている。したがって、二つの凹溝441、442は、対称軸Vを挟んで配置されている。また、図3に示すように、第1実施形態の凹溝441、442は、回転軸方向の一端から他端にわたって、回転軸Oに平行に形成されている。なお、二つの凹溝441、442が周方向に隣接することは自明である。
本体部42の先端面に沿って二つの凹溝441、442の間に形成される磁路を流入磁路46と定義する。ロータ50の磁石55がティース401の先端面の中心に正対したとき、磁石55の磁束が主に流入磁路46を通って本体部42へ流入する。また、対称軸Vから離れた側の凹溝441、442の角と鍔部43の周方向端部との間の磁路を外側流入磁路49と定義する。ロータ50の磁石55がティース401の先端面の中心に正対する位置、すなわちコギングトルクのピークとなる位置から少し外れた位置で、磁石55の磁束が外側流入磁路49を通って本体部42へ流入する。
凹溝441、442の間に対応する位置には、流入磁路46を通る磁束を低減する一つの磁束低減部45が設けられている。この例では「凹溝441、442の間に対応する位置」とは、凹溝441、442をそれぞれバックヨーク部41側に延長した部位の周方向の間の位置である。第1実施形態では、一つの磁束低減部45は、ティース401の対称軸Vに対して対称に配置されている。したがって、一つの磁束低減部45は、中心が対称軸V上に位置するように配置されている。
図4(a)に示すように、第1実施形態の磁束低減部45は、板厚方向に貫通する「空孔」で形成されている。或いは図4(b)に示す変形例のように、磁束低減部45は、かしめやつぶし等の工法で板厚を局所的に薄くした「窪み」で形成されてもよい。空孔や窪みは「空間」の用語で包括される。透磁率が小さい空気が収容された空間は、磁束低減部45として機能する。また、「その他の実施形態」の欄で後述するように、空孔や窪みに樹脂やアルミニウム等の非磁性材料を埋め込むことで磁束低減部45を構成してもよい。
このように、本実施形態のモータ10は、特許文献1の従来技術と同様に凹溝441、442を有することで無通電時のコギングトルクが低減される。また、凹溝441、442により通電時に流入磁路46を通る磁束が歪むが、磁束低減部45が流入磁路46の磁気抵抗を増加させ、流入磁路46を通る磁束を低減することで、通電時のトルクリプルを低減することができる。
第1実施形態のティース401は、二つの凹溝441、442と一つの磁束低減部45とを有することで、シンプルな構成を実現できる。また、凹溝441、442及び磁束低減部45は、ティース401の対称軸Vに対して対称に配置されているため、回転方向によるトルクリプル等の特性差がなくなる。さらに凹溝441、442は、ティース401の対称軸Vに平行に形成されているため、製造が容易である。
図5、図6を参照し、凹溝441、442及び磁束低減部45のより好ましい形状等について説明する。図5に示すように、磁束低減部45は、ティース401の周方向における長さDaがティース401の径方向における長さDbよりも長い長円形状に形成されている。ティース401が磁気飽和しにくくする観点から、磁束低減部45の面積を最小とし、鉄製の本体部42をできるだけ大きく確保することが好ましい。
また、ティース401の周方向における長さDaが長いほど、流入磁路46からバックヨーク部41に向かう磁束は、磁束低減部45の正面から両サイドへ迂回することとなり、磁気抵抗が大きくなる。したがって、ティース401の周方向における長さDaを径方向における長さDbよりも長くすることで、総磁束量の低下を最小に抑えつつ、流入磁路46を通る磁束をより制限し、通電時のトルクリプルをより低減することができる。
また、二つの凹溝441、442の周方向の中心同士の、回転軸Oを中心とする角度を凹溝間角度θgと記す。ティース401の数が12であり、一つのティース401の中心角が30°である構成において、凹溝間角度θgは、「7°<θg<9°」となるように構成されている。これにより、トルクリプル低減効果が最も高くなる。
図6に示すように、流入磁路46から磁束低減部45の両側を経由してバックヨーク部41に向かう二つの磁路を第1流出磁路471及び第2流出磁路472とする。第1流出磁路471の幅G1及び第1流出磁路471の幅G2の合計(G1+G2)は、流入磁路46の幅Fよりも小さくなるように構成されている。これにより、流入磁路46を通る磁束が、第1流出磁路471及び第2流出磁路472を通る磁束の合計以下に制限される。したがって、通電時のトルクリプルをより低減することができる。
また、流入磁路46の幅Fは、外側流入磁路49の幅Eよりも短く形成されている。ここで、ティース401は対称軸Vに対して対称であるため、両方の外側流入磁路49の幅Eは等しい。磁束低減部45が有ることでロータ50の磁石55からステータ30への総磁束量が減るため、モータ出力が低下する。仮に流入磁路46の幅Fを外側流入磁路49の幅Eよりも長くすると、流入磁路46を通る磁束を減らすために磁束低減部45を大きくする必要があり、モータ出力が大きく低下する。しかし、流入磁路46の幅Fを外側流入磁路49の幅Eよりも短くすることで、磁束低減部45の効果が及ぶ部位が流入磁路46のみに集中する。これにより、モータ出力の低下を抑えつつ、通電時のトルクリプルを低減することができる。
次に図7~図9を参照し、第1実施形態の効果の検証結果について、二通りの比較例のティースと対比しつつ説明する。図7(a)に示す比較例Aのティース409aは、本体部42の先端に凹溝が無い。図7(b)に示す比較例Bのティース409bは、本体部42の先端に二つの凹溝441、442が有るが、磁束低減部が設けられていない。比較例Bは、特許文献1に開示された従来技術に相当する。
図8に、モータ10の線電流(実効値)に対するトルクリプル特性を示す。横軸及び縦軸における0以外の数値の記載を省略する。電動パワーステアリング装置の操舵アシストモータにおいて、線電流が境界値Ix未満の領域は低~中アシストトルク領域に相当し、線電流が境界値Ix以上の領域は高アシストトルク領域に相当する。第1実施形態及び比較例Aでは、線電流の増加に連れてトルクリプルはほぼ単調増加し、高アシストトルク領域で最大となる。一方、比較例Bでは、低~中アシストトルク領域内でトルクリプルが最大となる。比較例Bのトルクリプル最大値は、高アシストトルク領域での第1実施形態及び比較例Aのトルクリプル最大値よりも大きい。
図9(a)に、無通電時(図8のa部)のコギングトルクを示す。図9(b)に、低~中アシストトルク領域での通電時(図8のb部)のトルクリプルを示す。縦軸における0以外の数値の記載を省略する。各波形の正のピークから負のピークまでの差分がコギングトルク及びトルクリプルである。12スロットの3相モータでは、電気角360°は機械角90°に相当する。したがって、横軸の一目盛である電気角6次成分の周期60°は、機械角24次成分の周期15°に相当する。
図9(a)に示すように、凹溝の無い比較例Aでは24次のコギングトルクが大きいのに対し、凹溝441、442を有する比較例Bでは24次のコギングトルクが低減されている。さらに第1実施形態では、比較例Bに比べても24次のコギングトルクが小さい。このように第1実施形態では、凹溝441、442の効果により無通電時のコギングトルクが低減することが検証された。
図9(b)に示すように、比較例Bでは、凹溝441、442により通電時に磁束歪が悪化するため、24次のトルクリプルが大きくなる。これに対し第1実施形態では、比較例Aと同程度に24次のコギングトルクが小さい。このように第1実施形態では、磁束低減部45の効果により通電時のトルクリプルが低減することが検証された。よって、第1実施形態の構成を電動パワーステアリング装置の操舵アシストモータに適用した場合、低~中アシストトルク領域でのトルクリプルを低減し、ドライバの操舵フィーリングを向上させることができる。
ところで、特開2015-192592号公報に開示されたブラシレスモータは、ティースの内周先端部に空孔が形成されており、ティースの内周先端側ツバ部に切り欠きが形成されている。これにより、高アシストトルク、低コギングトルクおよび低トルク脈動、弱め界磁域を含む広い範囲の回転数領域におけるモータの低振動化を同時に達成できると記載されている。しかし、この構成では切り欠きがティース本体部の両側面にあるため、先端ツバ部に作用する径方向電磁吸引力に対する繰り返し疲労強度が低いという問題がある。それに対し第1実施形態では、本体部42の線端面に凹溝441、442が形成されているため、繰り返し疲労強度が高くなる。
(第2実施形態)
図10を参照し、第2実施形態のティース402の構成について説明する。第2実施形態では、二つの凹溝441、442はティース402の対称軸Vに平行ではなく、回転軸Oを中心として放射状に形成されている。図10ではわかりやすいように、凹溝441、442の深さを深く表す。これにより、図6における磁束低減部45及び流出磁路471、472の寸法を維持しつつ、流入磁路46の幅Fがより小さくなる。したがって、流入磁路46を通る磁束をより制限し、通電時のトルクリプルをより低減することができる。
図10を参照し、第2実施形態のティース402の構成について説明する。第2実施形態では、二つの凹溝441、442はティース402の対称軸Vに平行ではなく、回転軸Oを中心として放射状に形成されている。図10ではわかりやすいように、凹溝441、442の深さを深く表す。これにより、図6における磁束低減部45及び流出磁路471、472の寸法を維持しつつ、流入磁路46の幅Fがより小さくなる。したがって、流入磁路46を通る磁束をより制限し、通電時のトルクリプルをより低減することができる。
(第3実施形態)
図11を参照し、第3実施形態のティース403の構成について説明する。第3実施形態では、ティース403の周方向における磁束低減部45の長さDaは、流入磁路46の幅Fよりも長く形成されている。これにより、流入磁路46からバックヨーク部41に向かう磁束は、破線矢印Φで示すように磁束低減部45の正面から両サイドへ大きく迂回するため、磁気抵抗が大きくなる。したがって、流入磁路46を通る磁束をより制限し、通電時のトルクリプルをより低減することができる。
図11を参照し、第3実施形態のティース403の構成について説明する。第3実施形態では、ティース403の周方向における磁束低減部45の長さDaは、流入磁路46の幅Fよりも長く形成されている。これにより、流入磁路46からバックヨーク部41に向かう磁束は、破線矢印Φで示すように磁束低減部45の正面から両サイドへ大きく迂回するため、磁気抵抗が大きくなる。したがって、流入磁路46を通る磁束をより制限し、通電時のトルクリプルをより低減することができる。
(第4実施形態)
ティースに形成される凹溝の数、及び、設けられる磁束低減部の数は、第1~第3実施形態の構成に限らない。つまり、二つ以上の凹溝と、周方向に隣接する凹溝の間の流入磁路に対応してそれぞれ一つ以上設けられた合計二つ以上の磁束低減部と、をティースが有する構成としてもよい。図12を参照し、凹溝及び磁束低減部の数が異なる第4実施形態のティース404の構成について説明する。第4実施形態のティース404は、四つの凹溝445-448と四つの磁束低減部455-458とを有する。
ティースに形成される凹溝の数、及び、設けられる磁束低減部の数は、第1~第3実施形態の構成に限らない。つまり、二つ以上の凹溝と、周方向に隣接する凹溝の間の流入磁路に対応してそれぞれ一つ以上設けられた合計二つ以上の磁束低減部と、をティースが有する構成としてもよい。図12を参照し、凹溝及び磁束低減部の数が異なる第4実施形態のティース404の構成について説明する。第4実施形態のティース404は、四つの凹溝445-448と四つの磁束低減部455-458とを有する。
ティース404の先端部には、周方向の一方(図12の左方)から他方(同右方)に向かって順に、第1凹溝445、第2凹溝446、第3凹溝447及び第4凹溝448が、対称軸Vに対して対称に形成されている。対称軸Vに近い第2凹溝446及び第3凹溝447は相対的に溝が深く、対称軸Vから遠い第1凹溝445及び第4凹溝448は相対的に溝が浅い。
第1磁束低減部455は、第1凹溝445と第2凹溝446との間の第1流入磁路461に対応して設けられている。第2磁束低減部456及び第3磁束低減部457は、第2凹溝446と第3凹溝447との間の第2流入磁路462に対応して設けられている。第4磁束低減部458は、第3凹溝447と第4凹溝448との間の第3流入磁路463に対応して設けられている。第2磁束低減部456及び第3磁束低減部457は相対的に大きな円形である。第1磁束低減部455及び第4磁束低減部458は相対的に小さな円形である。
第1流入磁路461から第1磁束低減部455の両側を経由してバックヨーク部41に向かう磁路を第1流出磁路481及び第2流出磁路482とする。第2流入磁路462から第2磁束低減部456の第2凹溝446側、第2磁束低減部456と第3磁束低減部457との間、及び、第3磁束低減部457の第3凹溝447側を経由してバックヨーク部41に向かう磁路を、それぞれ、第3流出磁路483、第4流出磁路484及び第5流出磁路485とする。第3流入磁路463から第4磁束低減部458の両側を経由してバックヨーク部41に向かう磁路を第6流出磁路486及び第2流出磁路487とする。
第1、第2、第3流入磁路461、462、463の幅をそれぞれF1、F2、F3とする。第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7流出磁路481、482、483、484、485、486、487の幅をそれぞれH1、H2、H3、H4、H5、H6、H7とする。七つの流出磁路481-487の幅の合計(H1+H2+H3+H4+H5+H6+H7)が三つの流入磁路461-463の幅の合計(F1+F2+F3)よりも小さくなるように構成されている。その作用効果は、第1実施形態に準ずる。
第4実施形態においても第2実施形態と同様に、四つの凹溝445-448が放射状に形成されてもよい。また、凹溝や磁束低減部の数や配置は、要求特性や製造しやすさ等に応じて適宜設定されてよい。
[スキュー構造]
図13~図18に、コギングトルクの低減を目的としてスキュー構造が採用された第5~第10実施形態を示す。一般にスキュー構造では、ステータ30とロータ50との間の磁気抵抗が回転軸方向の位置に応じて順にずれるように捩れた構造とする。第5~第10の各実施形態では、ティース全体、ティースの凹溝のみ、又は、ロータの磁石のうちいずれかがスキュー構造となっている。なお、スキュー構造の実施形態でのみ用いられるステータコア、ティース又はロータコアの符号については、特許請求の範囲での参照符号としての記載を省略する。
図13~図18に、コギングトルクの低減を目的としてスキュー構造が採用された第5~第10実施形態を示す。一般にスキュー構造では、ステータ30とロータ50との間の磁気抵抗が回転軸方向の位置に応じて順にずれるように捩れた構造とする。第5~第10の各実施形態では、ティース全体、ティースの凹溝のみ、又は、ロータの磁石のうちいずれかがスキュー構造となっている。なお、スキュー構造の実施形態でのみ用いられるステータコア、ティース又はロータコアの符号については、特許請求の範囲での参照符号としての記載を省略する。
スキュー構造には、段スキュー構造とリニアスキュー構造とが含まれる。段スキュー構造では、磁気抵抗の周方向分布が段階的に所定方向にずれるように複数段が積層される。段スキュー構造の段数をn(n≧2)で表す。図13、図15、図17には、3段(n=3)の例を示す。また本明細書では、段スキュー構造のステータコアをなす一段の単位を「サブステータコア」と称する。同様に、段スキュー構造のロータコアをなす一段の単位を「サブロータコア」と称する。リニアスキュー構造では、回転軸方向の一端から他端にわたって、磁気抵抗の周方向分布が連続的にずれるように構成されている。なお、図13~図18では、図3、図4に示すような薄板積層構造の図示を省略する。
各実施形態ではロータ50の磁石数Pが8、ティース数Sが12である8P12S構成を想定し、少なくとも、8と12との最小公倍数kに相当する24次成分のコギングトルクの低減を狙う。なお、24次成分以外に8次成分や12次成分の低減をあわせて狙ってもよい。一般化すると、各実施形態では、少なくとも、ロータ50の磁石数Pとティース数Sとの最小公倍数に相当するk次成分のコギングトルクの低減を目的とする。k次成分のコギングトルクを最小にする理論角度は、後述の計算式で算出される。
ただし、スキュー角度を大きくするほど通電時の出力トルクが低下するという背反がある。そこで、各実施形態のスキュー角度は、k次成分のコギングトルクを最小にする理論角度を超えないように、「0より大きく、理論角度以下」の範囲になるように構成されることが好ましい。なお、「0より大きく」の部分は自明であるため、適宜省略する。各実施形態では、凹溝441、442による効果との組み合わせによりコギングトルクが適切に低減される。
(第5、第6実施形態)
図13、図14を参照し、第5、第6実施形態について説明する。第5、第6実施形態では、ステータコアのティース全体がスキュー構造で構成されている。図13に示す第5実施形態は複数段(例では3段)の段スキュー構造である。図14に示す第6実施形態はリニアスキュー構造である。
図13、図14を参照し、第5、第6実施形態について説明する。第5、第6実施形態では、ステータコアのティース全体がスキュー構造で構成されている。図13に示す第5実施形態は複数段(例では3段)の段スキュー構造である。図14に示す第6実施形態はリニアスキュー構造である。
第5実施形態のステータコア315は、凹溝441、442が回転軸Oに平行に延びたサブステータコア3151、3152、3153が3段積層されている。各段のティース405は対称軸Vに対して対称に形成されており、第1実施形態のティース401の構成に準ずる。各段のティース405における凹溝441、442の位置は一定であり、各段の位置に応じて、凹溝441、442の周方向位置が所定方向にずれている。
隣接する段の凹溝441、442同士の、回転軸Oを中心とする凹溝段スキュー角度θsdは、下式の範囲となるように構成されている。図13には、二つの凹溝441、442の中間位置に角度指示線を記す。
0<θsd≦360°÷k÷n
0<θsd≦360°÷k÷n
24次成分のコギングトルクを低減対象とする場合の凹溝段スキュー角度θsdは、3段スキュー構造では5°以下となる。なお、2段スキュー構造では凹溝段スキュー角度θsdは、7.5°以下となる。
第6実施形態のステータコア315は、ティース406の凹溝441、442が回転軸Oに対して一定の角度で傾斜しているリニアスキュー構造となっている。回転軸O側から視たティース406の先端面の形状は平行四辺形を呈している。
この場合、三次元形状として、ティース406はある平面に対して対称でない。しかし、回転軸Oに直交する各断面において、ティース406は、回転軸Oを通る対称軸Vに対して対称に形成されている。また、凹溝441、442及び磁束低減部45は、回転軸Oに直交する各断面において、ティース406の対称軸Vに対して対称に配置されている。回転軸Oに直交する各断面において、第1実施形態と同様に、流入磁路46の幅Fは、外側流入磁路49の幅Eよりも短く形成されている。
凹溝441、442の一端と他端との、回転軸Oを中心とする凹溝リニアスキュー角度θsLは、下式の範囲となるように構成されている。図14には、二つの凹溝441、442の中間位置に角度指示線を記す。
0<θsL≦360°÷k
0<θsL≦360°÷k
24次成分のコギングトルクを低減対象とする場合の凹溝リニアスキュー角度θsLは15°以下となる。
(第7、第8実施形態)
図15、図16を参照し、第7、第8実施形態について説明する。第7、第8実施形態では、ステータコアのティース先端部の凹溝441、442のみがスキュー構造で構成されている。図15に示す第7実施形態は複数段(例では3段)の段スキュー構造である。図16に示す第8実施形態はリニアスキュー構造である。
図15、図16を参照し、第7、第8実施形態について説明する。第7、第8実施形態では、ステータコアのティース先端部の凹溝441、442のみがスキュー構造で構成されている。図15に示す第7実施形態は複数段(例では3段)の段スキュー構造である。図16に示す第8実施形態はリニアスキュー構造である。
第7実施形態のステータコア317は、凹溝441、442が回転軸Oに平行に延びたサブステータコア3171、3172、3173が3段積層されている。各段のティース4071、4072、4073の全体は周方向の同じ位置に配置されており、各ティース4071、4072、4073における凹溝441、442の位置のみがずれている。よって、各段の位置に応じて、凹溝441、442の周方向位置が所定方向にずれている。
隣接する段の凹溝441、442同士の、回転軸Oを中心とする凹溝段スキュー角度θsdは、第5実施形態と同様に、下式の範囲となるように構成されている。図15には、二つの凹溝441、442の中間位置に角度指示線を記す。
0<θsd≦360°÷k÷n
0<θsd≦360°÷k÷n
第8実施形態のステータコア318は、ティース408の凹溝441、442が回転軸Oに対して一定の角度で傾斜しているリニアスキュー構造となっている。ティース408自体はスキュー形状ではなく、回転軸O側から視て長方形を呈している。
凹溝441、442の一端と他端との、回転軸Oを中心とする凹溝リニアスキュー角度θsLは、第6実施形態と同様に、下式の範囲となるように構成されている。図16には、二つの凹溝441、442の中間位置に角度指示線を記す。
0<θsL≦360°÷k
0<θsL≦360°÷k
(第9、第10実施形態)
ロータ50の外周面を径外側から視た部分展開図である図17、図18を参照し、第9、第10実施形態について説明する。第9、第10実施形態では、ロータコアの磁石がスキュー構造で構成されている。図17に示す第9実施形態は複数段(例では3段)の段スキュー構造である。図18に示す第10実施形態はリニアスキュー構造である。
ロータ50の外周面を径外側から視た部分展開図である図17、図18を参照し、第9、第10実施形態について説明する。第9、第10実施形態では、ロータコアの磁石がスキュー構造で構成されている。図17に示す第9実施形態は複数段(例では3段)の段スキュー構造である。図18に示す第10実施形態はリニアスキュー構造である。
第9実施形態のロータコア519は、磁石55が回転軸Oに平行に延びたサブロータコア5191、5192、5193が3段積層されている。各段の位置に応じて、磁石55の周方向位置が所定方向にずれている。隣接する段の磁石55同士の、回転軸Oを中心とする磁石段スキュー角度ψsdは、下式の範囲となるように構成されている。段スキュー角度の例は、第5、第7実施形態と同様である。
0<ψsd≦360°÷k÷n
0<ψsd≦360°÷k÷n
第10実施形態のロータコア520は、磁石55が回転軸Oに対して一定の角度で傾斜しているリニアスキュー構造となっている。磁石55の一端と他端との、回転軸Oを中心とする磁石リニアスキュー角度ψsLは、下式の範囲となるように構成されている。リニアスキュー角度の例は、第6、第8実施形態と同様である。
0<ψsL≦360°÷k
0<ψsL≦360°÷k
(その他の実施形態)
(a)ロータ50の磁石数P、及び、ステータ30のティース数Sは、上記実施形態の8P12Sの他、4P6S、6P9S等の「2:3」の組み合わせでもよい。また、10P12S等、「2:3」以外の組み合わせでもよい。
(a)ロータ50の磁石数P、及び、ステータ30のティース数Sは、上記実施形態の8P12Sの他、4P6S、6P9S等の「2:3」の組み合わせでもよい。また、10P12S等、「2:3」以外の組み合わせでもよい。
(b)磁束低減部45の形状は、長円や円に限らず、どのような形状であってもよい。また、磁束低減部45は、空孔や窪み等の空間に限らず、鉄に比べて透磁率が小さい非磁性材料で構成されてもよい。非磁性材料には、樹脂やアルミニウム等の非磁性金属が含まれる。例えば空孔や窪みに埋め込まれた非磁性材料で磁束低減部45を構成することで、流入磁路46を通る磁束低減の効果がより高まる。
(c)本発明の回転電機は、電動パワーステアリング装置の操舵アシストモータに限らず、コギングトルクやトルクリプルの低減が求められる、どのような用途のモータ或いはジェネレータとして使用されてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
10 ・・・モータ(回転電機)、
30 ・・・ステータ、 31 ・・・ステータコア、 35 ・・・巻線、
401-404・・・ティース、
41 ・・・バックヨーク部、 42 ・・・本体部、 43 ・・・鍔部、
441、442、445-448・・・凹溝、
45、455-458・・・磁束低減部、
46、461-463・・・流入磁路、
50 ・・・ロータ、 51 ・・・ロータコア、 55 ・・・磁石。
30 ・・・ステータ、 31 ・・・ステータコア、 35 ・・・巻線、
401-404・・・ティース、
41 ・・・バックヨーク部、 42 ・・・本体部、 43 ・・・鍔部、
441、442、445-448・・・凹溝、
45、455-458・・・磁束低減部、
46、461-463・・・流入磁路、
50 ・・・ロータ、 51 ・・・ロータコア、 55 ・・・磁石。
Claims (16)
- 環状のステータコア(31)に巻線(35)が巻回されてなるステータ(30)と、円筒状のロータコア(51)の外周に沿って複数の磁石(55)が取り付けられてなり、前記巻線への通電により生成される回転磁界により前記ステータの内側で回転するロータ(50)とが回転軸(O)に対して同軸に配置された回転電機であって、
前記ステータコアは、円環の外縁をなすバックヨーク部(41)から径内方向に延伸する本体部(42)、及び、前記本体部の先端において前記本体部から周方向両側に突出する鍔部(43)を有するティース(401-404)が周方向に複数設けられており、
前記ティースは、
前記本体部の先端面に、前記回転軸方向の一端から他端にわたって前記バックヨーク部側に凹む複数の凹溝(441、442、445-448)が形成されており、
周方向に隣接する前記凹溝の間に対応する位置に、非磁性材料または空間で構成され、隣接する前記凹溝の間の磁路である流入磁路(46、461-463)を通る磁束を低減する一つ以上の磁束低減部(45、455-458)が設けられている回転電機。 - 前記ティースは、二つの前記凹溝(441、442)と一つの前記磁束低減部(45)とを有する請求項1に記載の回転電機。
- 前記磁束低減部は、前記ティースの周方向における長さが前記ティースの径方向における長さよりも長く形成されている請求項2に記載の回転電機。
- 前記ティースの周方向における前記磁束低減部の長さは、前記流入磁路(46)の幅よりも長く形成されている請求項3に記載の回転電機。
- 前記流入磁路から前記磁束低減部の両側を経由して前記バックヨーク部に向かう磁路である二つの流出磁路(471、472)の幅の合計が前記流入磁路の幅よりも小さくなるように構成されている請求項2~4のいずれか一項に記載の回転電機。
- 二つの前記凹溝の周方向の中心同士の、前記回転軸を中心とする角度である凹溝間角度をθgとすると、前記ティースの数が12のとき、前記凹溝間角度は、
7°<θg<9°
となるように構成されている請求項2~5のいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記ティースは、二つ以上の前記凹溝(445-448)と、隣接する前記凹溝の間の前記流入磁路に対応してそれぞれ一つ以上設けられた合計二つ以上の前記磁束低減部(455-458)と、を有する請求項1に記載の回転電機。
- 前記ティースは、
周方向に順に配置された第1凹溝(445)、第2凹溝(446)、第3凹溝(447)及び第4凹溝(448)の四つの前記凹溝と、
前記第1凹溝と前記第2凹溝との間の前記流入磁路(461)に対応して設けられた第1磁束低減部(455)、前記第2凹溝と前記第3凹溝との間の前記流入磁路(462)に対応して設けられた第2磁束低減部(456)及び第3磁束低減部(457)、前記第3凹溝と前記第4凹溝との間の前記流入磁路(463)に対応して設けられた第4磁束低減部(458)の四つの前記磁束低減部と、を有し、
各前記流入磁路から対応する前記磁束低減部の両側を経由して前記バックヨーク部に向かう磁路である複数の流出磁路(481-487)の幅の合計が複数の前記流入磁路の幅の合計よりも小さくなるように構成されている請求項7に記載の回転電機。 - 前記ティースは、前記回転軸に直交する各断面において、前記回転軸を通る対称軸(V)に対して対称に形成されており、
複数の前記凹溝及び一つ以上の前記磁束低減部は、前記回転軸に直交する各断面において、前記ティースの対称軸に対して対称に配置されている請求項1~8のいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記ティースは、二つの前記凹溝(441、442)を有し、
前記回転軸に直交する各断面において、二つの前記凹溝の間の前記流入磁路(46)の幅は、前記対称軸から離れた側の前記凹溝の角と前記鍔部の周方向端部との間の磁路(49)の幅よりも短く形成されている請求項9に記載の回転電機。 - 前記ステータコアは、前記凹溝が前記回転軸に平行に延びたサブステータコアが複数段積層されており、各段の位置に応じて前記凹溝の周方向位置が所定方向にずれたn段(n≧2)の段スキュー構造となっており、
前記ロータの前記磁石の数と前記ティースの数との最小公倍数をkとし、隣接する段の前記凹溝同士の、前記回転軸を中心とする凹溝段スキュー角度をθsdとすると、
0<θsd≦360°÷k÷n
となるように構成されている請求項1~10のいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記ステータコアは、前記凹溝が前記回転軸に対して一定の角度で傾斜しているリニアスキュー構造となっており、
前記ロータの前記磁石の数と前記ティースの数との最小公倍数をkとし、前記凹溝の一端と他端との、前記回転軸を中心とする凹溝リニアスキュー角度をθsLとすると、
0<θsL≦360°÷k
となるように構成されている請求項1~10のいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記ロータコアは、前記磁石が前記回転軸に平行に延びたサブロータコアが複数段積層されており、各段の位置に応じて前記磁石の周方向位置が所定方向にずれたn段(n≧2)の段スキュー構造となっており、
前記ロータの前記磁石の数と前記ティースの数との最小公倍数をkとし、隣接する段の前記磁石同士の、前記回転軸を中心とする磁石段スキュー角度をψsdとすると、
0<ψsd≦360°÷k÷n
となるように構成されている請求項1~10のいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記ロータコアは、前記磁石が前記回転軸に対して一定の角度で傾斜しているリニアスキュー構造となっており、
前記ロータの前記磁石の数と前記ティースの数との最小公倍数をkとし、前記磁石の一端と他端との、前記回転軸を中心とする磁石リニアスキュー角度をψsLとすると、
0<ψsL≦360°÷k
となるように構成されている請求項1~10のいずれか一項に記載の回転電機。 - 複数の前記凹溝は、前記回転軸を中心として放射状に形成されている請求項1~14のいずれか一項に記載の回転電機。
- 前記ティースは、前記回転軸に直交する各断面において前記回転軸を通る対称軸(V)に対して対称に形成されており、
複数の前記凹溝は、前記ティースの対称軸に平行に形成されている請求項1~14のいずれか一項に記載の回転電機。
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