JP2023005175A - 血液浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】治療中に血液濃度の測定精度を維持可能な血液浄化装置を提供すること。【解決手段】血液回路110と、血液ポンプ111c及び血液浄化器120と、濃度変化手段と、測定部115と、制御装置150と、を備える血液浄化装置100であって、制御装置150は、血液の吸光度と血液の濃度との対応関係を記憶する検量線記憶部151と、測定部115において測定された光強度と検量線記憶部151に記憶された対応関係とに基づいて循環血液の濃度を算出する濃度算出部152と、濃度算出部152により算出された変化前濃度、注水量又は除水量、及び血液ポンプ111cにより送出される血液量に基づいて、校正用濃度を算出する校正用濃度算出部153と、変化後濃度と校正用濃度との差異が所定の範囲を超えた場合に、検量線記憶部151に記憶された対応関係を校正する検量線校正部154と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、血液濃度を測定可能な血液浄化装置に関する。
血液透析等の血液浄化治療においては、一般的に週に3回、1治療につき4時間程度の時間をかけて、体内の尿毒素や余剰水分を除去する「除水」が行われる。体内の余剰水分は、血管内の他に、細胞内液や細胞間質液として血管外にも存在している。除水により血管内の余剰水分が取り除かれると、血管外の余剰水分が血管内に移動することとなる。これを「血漿再充填」と呼ぶ。
除水に伴って血漿再充填が生じるが、血漿再充填速度に比べて除水速度が同程度であれば、血管内を循環する循環血液量は変化しない。しかしながら、除水速度が大きければ、徐々に循環血液量が減少することになり、循環血液量が減少しすぎると血圧低下や下肢痙攣等の症状が発生することがある。このような症状を予防するために、血圧を定期的に測定する、体内に補液を行う、心臓や内臓、脳への血流増加を促進するために下肢を拳上する等の処置がなされるが十分ではない。
そこで、循環血液量の変化率に基づいて除水速度を制御することで、前述の症状の発生を低減する等の方法が用いられている(特許文献1参照)。この循環血液量の変化率は、血液濃度の指標となるヘマトクリット値に基づいて算出される。よって、循環血液量の変化率を正確に算出するためには、血液濃度の測定精度を校正により維持する必要がある。
例えば、光学方式によるヘマトクリット値の測定は、体外循環回路中の血液に所定の波長の光を照射して測定される光強度(吸光度)に基づいて行われる(特許文献2参照)。発光素子のバラつきや劣化がヘマトクリット値の測定精度に影響を及ぼすため、測定装置には、製造時に校正が行われるのに加え、医療現場においても定期的に精度の確認が行われる。また、校正には血液の吸光による光強度の減衰を模擬した物理フィルタが用いられる。製造時には複数のフィルタによる2点校正が行われ、医療現場では1つのフィルタによる精度の確認が行われる。
特開2004-154348号公報 特開2004-097782号公報
上述したように、循環血液量の変化率の算出精度を維持するためには、血液濃度の測定装置の校正が定期的に必要となるが、医療現場での校正は1点校正であり、生産時の2点校正に比べて測定精度を維持することが難しい。また、校正は治療中以外のときに行う必要があり、治療中には行えなかった。
従って、本発明は、治療中に血液濃度の測定精度を維持可能な血液浄化装置を提供することを目的とする。
本発明は、血液回路と、前記血液回路に配置される血液ポンプ及び血液浄化器と、前記血液回路に注水又は除水を行うことにより循環血液の濃度を変化させる濃度変化手段と、前記血液回路における前記濃度変化手段による注水又は除水により血液濃度が変化する位置に配置され、該血液回路を流通する循環血液の光強度を測定する測定部と、制御装置と、を備える血液浄化装置であって、前記制御装置は、血液の光強度と血液の濃度との対応関係を記憶する検量線記憶部と、前記測定部において測定された光強度と検量線記憶部に記憶された対応関係とに基づいて循環血液の濃度を算出する濃度算出部と、前記濃度変化手段による濃度の変化前に前記濃度算出部により算出された変化前濃度、前記濃度変化手段による注水量又は除水量、及び前記血液ポンプにより送出される血液量に基づいて、前記濃度変化手段による変化後の血液の濃度であって前記検量線記憶部に記憶された対応関係の校正に用いる校正用濃度を算出する校正用濃度算出部と、を備える血液浄化装置に関する。
また、前記制御装置は、前記濃度変化手段による濃度の変化後に前記濃度算出部により算出された変化後濃度と前記校正用濃度との差異が所定の範囲を超えた場合に、前記検量線記憶部に記憶された前記対応関係を校正する検量線校正部を備えることが好ましい。
また、前記検量線校正部は、前記変化前濃度、前記校正用濃度、前記濃度変化手段による濃度の変化前に前記測定部により測定された変化前光強度、及び前記濃度変化手段による濃度の変化後に前記測定部により測定された変化後光強度に基づいて、前記対応関係を校正することが好ましい。
また、血液浄化装置は、前記血液浄化器に透析液を供給する透析液回路と、前記透析液回路から前記血液回路のうち前記血液浄化器の上流側に透析液を注水する補充液ラインと、を更に備え、前記制御装置は、前記補充液ラインを介して所定の注水量で注水を行い、前記測定部は、前記血液回路と前記補充液ラインとの接続部よりも下流側であって、前記血液浄化器よりも上流側に配置されることが好ましい。
また、前記制御装置は、前記血液浄化器において前記所定の注水量に対応する濾過量で濾過を行うことが好ましい。
また、血液浄化装置は、前記血液浄化器に透析液を供給する透析液回路を備え、前記濃度変化手段は、前記血液浄化器及び前記透析液回路を含み、前記測定部は、前記血液浄化器の下流側に配置され、前記制御装置は、前記血液浄化器を介して逆濾過により透析液を注水することが好ましい。
また、前記濃度変化手段は、前記血液浄化器を含み、前記測定部は、前記血液浄化器の下流側に配置され、前記制御装置は、前記血液浄化器において所定の除水量で除水を行うことが好ましい。
また、血液浄化装置は、前記血液浄化器に透析液を供給する透析液回路と、前記透析液回路から前記血液回路のうち前記血液浄化器の下流側に透析液を注水する補充液ラインと、を更に備え、前記測定部は、前記血液回路のうち前記血液浄化器よりも下流側であって前記血液回路と前記補充液ラインとの接続部よりも上流側に配置され、前記制御装置は、前記補充液ラインを介して所定の注水量で注水を行うことが好ましい。
また、前記制御装置は、前記血液浄化器から前記所定の注水量に対応する濾過量で濾過を行うことが好ましい。
本発明によれば、治療中に所定量の注水又は除水により血液に濃度変化を与えて濃度の算出に用いられる検量線を校正することにより血液濃度の測定精度を維持できる。
本発明の第1実施形態に係る血液浄化装置の概略構成を示す図である。 第1実施形態に係る血液浄化装置のブロック図である。 第1実施形態における血液濃度の変化前の状態を示す図である。 第1実施形態における血液濃度の変化後の状態を示す図である。 血液濃度を希釈した場合の検量線の校正方法の説明図である。 第1実施形態の変形例における血液濃度の変化前の状態を示す図である。 第1実施形態の変形例における血液濃度の変化後の状態を示す図である。 第2実施形態における血液濃度の変化前の状態を示す図である。 第2実施形態における血液濃度の変化後の状態を示す図である。 血液濃度を濃縮した場合の検量線の校正方法の説明図である。 第2実施形態の変形例における血液濃度の変化前の状態を示す図である。 第2実施形態の変形例における血液濃度の変化後の状態を示す図である。
以下、本発明の血液浄化装置の好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明の血液浄化装置は、腎不全患者や薬物中毒患者の血液を浄化すると共に、血液中の余分な水分を除去する透析工程を行う。また、本発明の血液浄化装置は、プライミング工程、脱血工程、透析工程、補液工程、返血工程等の各工程を、血液回路内の透析液の流れを制御することで連続して自動的に行う自動血液浄化装置である。
<第1実施形態>
図1~図5を参照して第1実施形態について詳細に説明する。第1実施形態では、注水により血液に濃度変化を与える場合について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る血液浄化装置100の概略構成を示す図であり、図2は、血液浄化装置100のブロック図である。
第1実施形態の血液浄化装置100は、血液浄化器120において血液透析及び濾過を行って血液を浄化すると共に、血液浄化器120に供給される透析液の一部を透析前の血液に補液(注水)して、補液(注水)による血液の希釈分を濾過するオンラインHDFを実施する。
図1に示すように、血液浄化装置100は、血液回路110と、測定部115と、血液浄化器120と、透析液回路130と、補充液ライン140Aと、制御装置150と、を備える。
血液回路110は、動脈側ライン111と、静脈側ライン112と、薬剤ライン113と、排液ライン114と、を有する。動脈側ライン111、静脈側ライン112、薬剤ライン113及び排液ライン114は、いずれも液体が流通可能な可撓性を有する軟質のチューブを主体として構成される。
動脈側ライン111は、一端側が後述する血液浄化器120の血液導入口122aに接続される。動脈側ライン111には、動脈側接続部111a、動脈側気泡検知器111b、血液ポンプ111c、及び動脈側クランプ111dが配置される。
動脈側接続部111aは、動脈側ライン111の他端側に配置される。動脈側接続部111aには、患者の血管に穿刺される針が接続される。
動脈側気泡検知器111bは、チューブ内の気泡の有無を検出する。
血液ポンプ111cは、動脈側ライン111における動脈側気泡検知器111bよりも下流側に配置される。血液ポンプ111cは、動脈側ライン111を構成するチューブをローラーでしごくことにより、動脈側ライン111の内部の血液やプライミング液等の液体を送出する。
動脈側クランプ111dは、動脈側気泡検知器111bよりも上流側に配置される。動脈側クランプ111dは、例えば、動脈側気泡検知器111bによる気泡の検出結果に応じて制御され、動脈側ライン111の流路を開閉する。
静脈側ライン112は、一端側が後述する血液浄化器120の血液導出口122bに接続される。静脈側ライン112には、静脈側接続部112a、静脈側気泡検知器112b、ドリップチャンバ112c、及び静脈側クランプ112dが配置される。
静脈側接続部112aは、静脈側ラインの他端側に配置される。静脈側接続部112aには、患者の血管に穿刺される針が接続される。
静脈側気泡検知器112bは、チューブ内の気泡の有無を検出する。
ドリップチャンバ112cは、静脈側気泡検知器112bよりも上流側に配置される。ドリップチャンバ112cは、静脈側ライン112に混入した気泡や凝固した血液等を除去するため、また、静脈圧を測定するため、一定量の血液を貯留する。
静脈側クランプ112dは、静脈側気泡検知器112bよりも下流側に配置される。静脈側クランプ112dは、静脈側気泡検知器112bによる気泡の検出結果に応じて制御され、静脈側ライン112の流路を開閉する。
薬剤ライン113は、血液透析中に必要な薬剤を動脈側ライン111に供給する。薬剤ライン113は、一端側が薬剤を送り出す薬液ポンプ113aに接続され、他端側が動脈側ライン111に接続される。また、薬剤ライン113には不図示のクランプ手段が設けられており、薬剤を注入するとき以外は、クランプ手段により流路は閉鎖された状態である。第1実施形態では、薬剤ライン113の他端側は、動脈側ライン111における血液ポンプ111cよりも下流側に接続される。
排液ライン114は、ドリップチャンバ112cに接続される。排液ライン114には、排液ラインクランプ114aが配置される。排液ライン114は、血液回路110及び血液浄化器120を洗浄して清浄化するプライミング工程でプライミング液を排液するためのラインである。
測定部115は、患者から取り出す血液濃度に応じて変わる血液性状を測定するためのセンサであり、血液回路110のうち注水により濃度変化が生じる箇所に配置される。
ここで、血液性状とは、具体的には、ヘマトクリット値、ヘモグロビン値、電気抵抗率等が挙げられる。本明細書で説明する各実施形態では、血液性状を示す指標としてヘマトクリット値が測定される。
本実施形態では、後述する補充液ライン140Aから透析液が注水されると共に、注水された透析液の量に対応する量が後述する血液浄化器120で濾過される。そのため、測定部115は、補充液ライン140Aと動脈側ライン111との接続部よりも下流であって血液浄化器120の上流側に配置される。本実施形態では、測定部115は、動脈側ライン111のうち血液浄化器120の血液導入口122aの近傍に配置される。
測定部115は、発光部と受光部とを有し、発光部は、血液の赤血球に吸光特性を有する所定の波長(例えば、800nm)の光を発光する。受光部は、発光部から血液に向けて照射された光の透過光又は反射光を受光して電圧に変換して出力する。この発光素子の輝度にはバラつきがあり、また、経時劣化により輝度が低下する。
血液浄化器120は、筒状に形成された容器本体121と、この容器本体121の内部に収容された透析膜(図示せず)と、を備え、容器本体121の内部は、透析膜により血液側流路と透析液側流路とに区画される(いずれも図示せず)。容器本体121には、血液回路110に連通する血液導入口122a及び血液導出口122bと、透析液回路130に連通する透析液導入口123a及び透析液導出口123bと、が形成される。
以上の血液回路110及び血液浄化器120によれば、対象者(透析患者)の動脈から取り出された血液は、血液ポンプ111cにより動脈側ライン111を流通して血液浄化器120の血液側流路に導入される。血液浄化器120に導入された血液は、透析膜を介して後述する透析液回路130を流通する透析液により浄化される。血液浄化器120において浄化された血液は、静脈側ライン112を流通して対象者の静脈に返血される。
透析液回路130は、第1実施形態では、いわゆる密閉容量制御方式の透析液回路130により構成される。この透析液回路130は、透析液供給ライン131aと、透析液排液ライン131bと、透析液導入ライン132aと、透析液導出ライン132bと、透析液送液部133と、を備える。
透析液送液部133は、透析液チャンバ1331と、バイパスライン1332と、除水/逆濾過ポンプ1333と、を備える。
透析液チャンバ1331は、一定容量(例えば、300mL~500mL)の透析液を収容可能な硬質の容器で構成され、この容器の内部は軟質の隔膜(ダイアフラム)により、送液収容部1331a及び排液収容部1331bに区画される。
バイパスライン1332は、透析液導出ライン132bと透析液排液ライン131bとを接続する。
除水/逆濾過ポンプ1333は、バイパスライン1332に配置される。除水/逆濾過ポンプ1333は、バイパスライン1332の内部の透析液を透析液排液ライン131b側に流通させる方向(除水方向)及び透析液導出ライン132b側に流通させる方向(逆濾過方向)に送液可能に駆動するポンプにより構成される。
透析液供給ライン131aは、基端側が透析液供給装置(図示せず)に接続され、先端側が透析液チャンバ1331に接続される。透析液供給ライン131aは透析液チャンバ1331の送液収容部1331aに透析液を供給する。
透析液導入ライン132aは、透析液チャンバ1331と血液浄化器120の透析液導入口123aとを接続し、透析液チャンバ1331の送液収容部1331aに収容された透析液を血液浄化器120の透析液側流路に導入する。
透析液導出ライン132bは、血液浄化器120の透析液導出口123bと透析液チャンバ1331とを接続し、血液浄化器120から排出された透析液を透析液チャンバ1331の排液収容部1331bに導出する。
透析液排液ライン131bは、基端側が透析液チャンバ1331に接続され、排液収容部1331bに収容された透析液の排液を排出する。
以上の透析液回路130によれば、透析液チャンバ1331を構成する硬質の容器の内部を軟質の隔膜(ダイアフラム)により区画することで、透析液チャンバ1331からの透析液の導出量(送液収容部1331aからの透析液の供給量)と、透析液チャンバ1331(排液収容部1331b)に回収される排液の量と、を同量にできる。
これにより、除水/逆濾過ポンプ1333を停止させた状態では、血液浄化器120に導入される透析液の流量と血液浄化器120から導出される透析液(排液)の量とを同量にできる。また、除水/逆濾過ポンプ1333を除水方向に送液するように駆動させた場合は、血液浄化器120において、血液から所定の速度で所定量の除水が行われる。また、除水/逆濾過ポンプ1333を逆濾過方向に送液するように駆動させた場合は、血液浄化器120において、血液回路110に所定量の透析液が注入(逆濾過)される。
補充液ライン140Aは、透析液回路130内の透析液を血液回路110に直接注入するラインであり、液体が流通可能な可撓性を有する軟質のチューブを主体として構成される。図1に示すように、補充液ライン140Aの上流側は、透析液回路130の透析液導入ライン132aに接続されている。補充液ライン140Aの下流側は、動脈側ライン111のうち血液ポンプ111cの下流側に接続される。補充液ライン140Aには、補充液ポンプ141及び補充液ラインクランプ142が配置される。
補充液ポンプ141は、透析液回路130から透析液を取り出して、血液回路110(動脈側ライン111)に送液する。除水/逆濾過ポンプ1333の送液量を変更しなかった場合、補充液ライン140Aを介して動脈側ライン111に注水された透析液と同量の水分が、血液浄化器120において除水により回収される。また、注水された透析液を患者の体内に送液する場合(補液を行う場合)、所定の補液流量で除水/逆濾過ポンプ1333を逆濾過方向に送液するよう駆動させる。本実施形態では、補充液ポンプ141は、精度よく送液可能なピストンポンプを用いることが好ましい。
補充液ラインクランプ142は、補充液ライン140Aの流路を開閉する。
制御装置150は、情報処理装置(コンピュータ)により構成され、制御プログラムを実行することにより、血液浄化装置100の動作を制御する。
制御装置150は、血液回路110、透析液回路130及び補充液ライン140Aに配置された各種のポンプやクランプ等の動作を制御して、血液浄化装置100により行われる各工程、例えば、プライミング工程、脱血工程、透析工程、補液工程、返血工程等を実行する。
第1実施形態では、制御装置150は、上述の各工程を実行する機能に加えて、血液回路110を流通する循環血液の光強度(吸光度)から血液濃度としてのヘマトクリット値を算出する機能、及びこのヘマトクリット値を算出するために用いられる検量線を校正する機能を有する。即ち、上述のように、測定部115の発光素子は、経時劣化により輝度が低下する。そのため、定期的に検量線を校正する必要があり、本実施形態では、透析工程等の治療中に検量線の校正を可能としている。
当該機能を実現するために、制御装置150は、検量線記憶部151と、濃度算出部152と、校正用濃度算出部153と、検量線校正部154と、を備える。
検量線記憶部151は、予め作成された所定の波長の光における血液の吸光度と血液の濃度との対応関係を所定の関数式(検量線)として記憶する。
濃度算出部152は、測定部115から出力された電圧値から吸光度を求め、求められた吸光度と検量線記憶部151に記憶された検量線に基づいてヘマトクリット値を算出する。
校正用濃度算出部153は、検量線記憶部151に記憶された検量線の精度を確認するための循環血液の濃度(ヘマトクリット値)である校正用濃度を算出する。
検量線校正部154は、濃度算出部152により算出されたヘマトクリット値、及び校正用濃度算出部153により算出された校正用濃度等に基づいて、検量線記憶部151に記憶された検量線を校正する。
校正用濃度算出部153及び検量線校正部154の詳細については、後述する。
ここで、上述の各種工程のうち、透析工程について図3を参照して簡単に説明する。
透析工程では、患者の余剰水分の除水及び老廃物の除去が行われる。
透析工程において、動脈側接続部111aから導入される患者の血液は、動脈側ライン111を通って血液浄化器120で浄化され、静脈側ライン112を通って静脈側接続部112aから患者に戻される。
透析工程では、図3に示すように、動脈側接続部111a及び静脈側接続部112aは、それぞれ患者の血管に穿刺される針に接続された状態であり、排液ラインクランプ114aは閉状態、静脈側クランプ112dは開状態である。
本血液浄化装置では、例えば、透析液チャンバ1331から平均500mL/minの送液量で透析液を供給及び排出し、除水/逆濾過ポンプ1333を、除水方向にQ(例えば、10mL/min)で送液するように作動させ、血液浄化器120において、Qの除水が行われる。
血液ポンプ111cは、Q(例えば、200mL/min)の流量で動脈側接続部111a側から血液浄化器120側に血液を送出する。
血液浄化器120内には、血液導入口122aからQの流量で血液が流入し、Qの流量で除水されて、血液導出口122bからQ-Qの流量で導出される。また、透析排液は、透析液導出口123bから導出される。
このようにして、透析工程においてQの流量で除水が行われる。
次に、具体的な検量線の校正方法について図3~図5を参照して説明する。
(校正方法)
本実施形態の血液浄化装置100は、濃度変化手段として透析液回路130及び補充液ライン140Aを用いて、血液回路110のうち測定部115が配置された箇所を流れる血液に濃度変化を与える。
具体的には、図3に示すように、所定の除水量Q(一例として、10mL/min)で透析工程を行っている状態(濃度変化前)から、図4に示すように、補充液ポンプ141を駆動して所定の注水量q[mL/min](一例として、20mL/min)で透析液を動脈側ライン111に注水する(濃度変化後)。これにより、血液回路110のうち測定部115が配置された箇所を流れる血液の濃度は、濃度変化前に比して濃度変化後の方が低くなる。
ここで、まず、濃度算出部152は、濃度変化手段による濃度の変化前の血液の濃度である変化前濃度、及び濃度変化手段による濃度の変化後の血液の濃度である変化後濃度を算出する。本実施形態では、濃度算出部152は、検量線記憶部151に記憶された検量線を用いて、血液の濃度としてのヘマトクリット値を算出する。
ここで、ヘマトクリット値をHctとして、検量線記憶部151に記憶された検量線をf(Hct)=aHct+Cで表すものとする。ここで、f(Hct)は、測定部115で測定された光強度(吸光度)を表し、傾きa及び切片Cは、既知の値である。濃度変化前のヘマトクリット値をHctb(変化前濃度)、濃度変化後のヘマトクリット値をHcta(変化後濃度)とすると、濃度変化前の光強度(吸光度)は、f(Hctb)で表せ、濃度変化後の光強度(吸光度)は、f(Hcta)で表せる(図5参照)。
校正用濃度算出部153は、変化前濃度Hctb、濃度変化手段による注水量q、及び血液ポンプにより送出される血液量Qに基づいて、濃度変化手段による変化後の血液の濃度であって検量線記憶部151に記憶された対応関係(検量線)の校正に用いる校正用濃度を算出する。この算出される校正用濃度をHctcとすると、Hctcは、数式(数1)で表せる。
Figure 2023005175000002
検量線校正部154は、濃度算出部152により算出された変化後濃度Hctaと、校正用濃度算出部153により算出された校正用濃度Hctcとの差異が所定の範囲を超えた場合に、検量線記憶部151に記憶された対応関係(検量線)を校正する。
ここで、校正後の検量線をfn+1(Hct)=an+1Hct+Cn+1で表す。真の変化前濃度を変化前濃度Hctbとし、真の変化後濃度を算出濃度Hctcとして、未知の検量線の傾きan+1と、未知の切片Cn+1を求める(図5参照)。真の変化前濃度Hctbのときの光強度(吸光度)は、f(Hctb)であり、真の変化後濃度Hctcのときの光強度(吸光度)は、f(Hcta)であるので、傾きan+1及び切片Cn+1は、それぞれ、数式(数2)及び(数3)で表せる。
Figure 2023005175000003
Figure 2023005175000004
以上より、校正後の検量線を求めることができる。
また、除水開始時のヘマトクリット値Hct開始及び治療中のヘマトクリット値Hct現在に基づいて、循環血液量の変化率ΔBV%が数式(数4)で算出されるが、校正により血液濃度の測定精度を維持することで循環血液量の変化率の測定精度も維持することが可能である。
Figure 2023005175000005
検量線校正部154による検量線の校正が必要かどうかの判定は、所定のタイミングで適宜、治療中に行うことができる。例えば、前希釈方式の血液透析濾過を行う場合に、血液回路110に患者の血液を充填後、補充液の注入を開始するタイミングや、患者の体内に補充液を注入する急速補液を行うタイミングで行えば、判定のために治療を中断する必要がないので好ましい。
以上説明した第1実施形態の血液浄化装置100によれば、以下のような効果を奏する。
(1)血液浄化装置100を、血液回路110と、循環血液の濃度を変化させる濃度変化手段と、測定部115と、制御装置150と、を含んで構成し、制御装置150を、血液の吸光度と血液の濃度との対応関係を記憶する検量線記憶部151と、測定部115において測定された光強度(吸光度)と検量線記憶部151に記憶された対応関係とに基づいて循環血液の濃度を算出する濃度算出部152と、濃度算出部152により算出された変化前濃度、注水量又は除水量、及び血液ポンプ111cにより送出される血液量に基づいて、校正用濃度を算出する校正用濃度算出部153と、を含んで構成した。これにより、濃度算出部152により算出された循環血液の変化後濃度と、校正用濃度算出部153により算出された校正用濃度とを比較することで、濃度算出部152により算出された循環血液の濃度の測定精度が維持できているかを確認できる。よって、治療中に血液濃度の測定精度を維持可能な血液浄化装置を提供できる。
(2)制御装置150を、変化後濃度と校正用濃度との差異が所定の範囲を超えた場合に、検量線記憶部151に記憶された対応関係を校正する検量線校正部154を含んで構成した。これにより、治療中に所定量の注水により血液に濃度変化を与えることにより濃度の算出に用いられる検量線を2点校正して、血液濃度の測定精度を維持できる。よって、血液濃度を用いて算出される循環血液量の変化率ΔBV%の測定精度も維持することが可能となる。
(3)血液の濃度を測定する測定部115を、血液回路110と補充液ライン140Aとの接続部よりも下流側であって血液浄化器120よりも上流側に配置し、濃度変化手段を、透析液回路130及び補充液ライン140Aにより構成して透析液を所定の注水量で注水した。これにより、医療従事者が所定量の生理食塩水を血液回路に注入する等の操作をしなくても、簡単に血液回路110を流れる血液に濃度変化を与えることができる。また、前希釈方式の血液透析濾過の治療を行う場合に、血液回路110に患者の血液を充填後、補充液の注入を開始するタイミングや、患者の体内に補充液を注入する急速補液を行うタイミングで、校正の必要性の判定を行えるので、治療を中断せずに検量線の校正を行うことができる。
(4)制御装置150に、血液浄化器120において所定の注水量qに対応する量を除水させた。これにより、所定の注水量qを大きくした場合であっても同量の濾過を行うことで、血液の濃度を変えることなく患者の体内に返血できる。よって、血液の濃度変化を大きくして検量線の校正を行えるので、検量線の校正の精度を高めることができる。
<第1実施形態の変形例>
次に、第1実施形態の変形例に係る血液浄化装置100Aについて図6及び図7を参照して説明する。
血液浄化装置100Aは、血液回路110と、測定部115と、血液浄化器120と、透析液回路130と、制御装置150と、を備えており、補充液ラインを備えていない点で第1実施形態とは回路の構成が異なっており、また、測定部115の配置箇所も異なる。以下、第1実施形態で説明した構成と同様のものには同じ符号を付して説明を省略し、異なる点について説明する。
図6に示すように、測定部115は、第1実施形態の場合と同様に、血液回路110のうち注水により濃度変化が生じる箇所に配置される。本実施形態では、血液浄化器120を介して逆濾過により透析液を注水するので、測定部115の配置箇所は、血液浄化器120の下流側であればよい。具体的には、変形例では、測定部115は、静脈側ライン112のうち血液浄化器120の血液導出口122b近傍に配置される。
次に、本実施形態における検量線の校正方法について、図6及び図7を参照して説明する。
(校正方法)
本実施形態の血液浄化装置100Aは、濃度変化手段として血液浄化器120を用いて、血液回路110のうち測定部115が配置された箇所を流れる血液に濃度変化を与える。具体的には、図6に示すように、除水/逆濾過ポンプ1333が停止し、血液ポンプ111cがQの流量で送液している状態(濃度変化前)から、図7に示すように、除水/逆濾過ポンプ1333を逆濾過方向に駆動して所定の注水量q[mL/min](一例として、q=50mL/min)で血液浄化器120を介して血液回路110に逆濾過透析液を注水する。
本実施形態では、濃度変化手段が第1実施形態で説明した場合と異なるが、以降の校正方法は、第1実施形態で説明した場合と同様であるので、説明を省略する。
以上説明した第1実施形態の変形例に係る血液浄化装置100Aによれば、上述の効果(1)及び(2)に加えて、以下のような効果を奏する。
(5)濃度変化手段を血液浄化器120により構成し、透析液を所定の注水量qで逆濾過により注水した。これにより、医療従事者が所定量の生理食塩水を血液回路に注入する等の操作をしなくても、簡単に血液回路110を流れる血液に濃度変化を与えることができる。また、患者の体内に補充液を注入する急速補液を行うタイミングを利用して、校正の必要性の判定を行えるので、治療を中断せずに検量線の校正を行うことができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る血液浄化装置100Aについて説明する。
血液浄化装置100Aは、第1実施形態の変形例で説明したものと同様の構成を有し、測定部115の配置箇所も同様であるので、各構成の説明は同じ符号を付して省略する。
本実施形態では、血液の濃度変化について、希釈ではなく濃縮を行う点で第1実施形態及びその変形例と異なる。
次に、本実施形態における検量線の校正方法について、図8~図10を参照して説明する。
(校正方法)
本実施形態の血液浄化装置100Aは、濃度変化手段として血液浄化器120を用いて、血液回路110のうち測定部115が配置された箇所を流れる血液に濃度変化を与える。具体的には、図8に示すように、除水/逆濾過ポンプ1333が停止し、血液ポンプ111cがQの流量で送液している状態(濃度変化前)から、図9に示すように、除水/逆濾過ポンプ1333を除水方向に駆動して所定の除水量q’[mL/min](一例として、q’=20mL/min)で血液浄化器120において除水を行う。
濃度算出部152は、第1実施形態及びその変形例と同様に、検量線記憶部151に記憶された検量線を用いて、濃度変化前後のヘマトクリット値を算出する。ここで、ヘマトクリット値をHctとして、現状で設定されている検量線をf(Hct)=aHct+Cで表すものとする。ここで、f(Hct)は、測定部115で測定された光強度(吸光度)を表し、傾きa及び切片Cは、既知の値である。濃度変化前のヘマトクリット値をHctb(変化前濃度)、濃度変化後のヘマトクリット値をHcta(変化後濃度)とすると、濃度変化前の光強度(吸光度)は、f(Hctb)で表せ、濃度変化後の光強度(吸光度)は、f(Hcta)で表せる(図10参照)。
校正用濃度算出部153は、変化前濃度Hctb、濃度変化手段による除水量q’、及び血液ポンプにより送出される血液量Qに基づいて、濃度変化手段による変化後の血液の濃度であって検量線記憶部151に記憶された対応関係(検量線)の校正に用いる校正用濃度を算出する。この算出される校正用濃度をHctcとすると、Hctcは、数式(数5)で表せる。
Figure 2023005175000006
検量線校正部154は、濃度算出部152により算出された変化後濃度Hctaと、校正用濃度算出部153により算出された校正用濃度Hctcとの差異が所定の範囲を超えた場合に、検量線記憶部151に記憶された対応関係(検量線)を校正する。
ここで、校正後の検量線をfn+1(Hct)=an+1Hct+Cn+1で表す。真の変化前濃度を変化前濃度Hctbとし、真の変化後濃度を算出濃度Hctcとして、未知の検量線の傾きan+1と、未知の切片Cn+1を求める(図10参照)。真の変化前濃度Hctbのときの光強度(吸光度)は、f(Hctb)であり、真の変化後濃度Hctcのときの光強度(吸光度)は、f(Hcta)であるので、傾きan+1及び切片Cn+1は、それぞれ、数式(数6)及び(数7)で表せる。
Figure 2023005175000007
Figure 2023005175000008
以上より、校正後の検量線を求めることができた。
検量線校正部154による検量線の校正が必要かどうかの判定は、所定のタイミングで適宜、治療中に行うことができる。例えば、血液濾過や血液透析の治療を行う場合に、血液回路110に患者の血液を充填後、除水を開始するタイミングを利用して、校正の必要性の判定を行えるので、治療を中断せずに検量線の校正を行うことができる。
以上説明した第2実施形態の血液浄化装置100Aによれば、上述の(1)及び(2)の効果を奏する他、以下のような効果を奏する。
(6)測定部115を、血液浄化器120の下流側に配置し、濃度変化手段を血液浄化器120により構成して所定の除水量q’で除水を行った。これにより、例えば、血液濾過や血液透析の治療を行う場合に、血液回路110に患者の血液を充填後、除水を開始するタイミングを利用して、校正の必要性の判定を行えるので、治療を中断せずに検量線の校正を行うことができる。
<第2実施形態の変形例>
次に、第2実施形態の変形例に係る血液浄化装置100Bについて図11及び図12を参照して説明する。
血液浄化装置100Bは、血液回路110と、測定部115と、血液浄化器120と、透析液回路130と、補充液ライン140Bと、制御装置150と、を備えており、補充液ライン140Bを備える点で、第2実施形態とは回路の構成が異なっているが、測定部115の配置箇所は同様である。
補充液ライン140Bは、透析液回路130内の透析液を血液回路110に直接注入するためのラインであり、液体が流通可能な可撓性を有する軟質のチューブを主体として構成される。図11に示すように、補充液ライン140Bの上流側は、透析液回路130の透析液導入ライン132aに接続されている。補充液ライン140Bの下流側は、静脈側ライン112に接続される。補充液ライン140Bには、補充液ラインクランプ142が配置されている。補充液ラインクランプ142は、補充液ライン140Bの流路を開閉する。
補充液ポンプ141は、補充液ライン140Bに配置され、透析液回路130から透析液を取り出して、血液回路110(静脈側ライン112)に送液する。除水/逆濾過ポンプ1333の送液量を変化させなかった場合、静脈側ライン112に注水した透析液と同量の水分が、血液浄化器120にて除水される。また、注水した透析液を患者の体内に送液する場合は、補充液ポンプ141を所定の補液流量で除水/逆濾過ポンプ1333を逆濾過方向に送液するよう駆動すればよい。
図9及び図11に示すように、測定部115は、第2実施形態と同様に、血液回路110のうち濾過により濃度変化が生じる箇所に配置される。本実施形態では、血液浄化器120にて濾過するので、測定部115の配置箇所は、血液浄化器120の下流側であって、静脈側ライン112と補充液ライン140Bとの接続部よりも上流側であればよい。具体的には、変形例では、測定部115は、静脈側ライン112のうち血液浄化器120の血液導出口122b近傍に配置される。
次に、本実施形態における検量線の校正方法について、図11及び図12を参照して説明する。
(校正方法)
本実施形態の血液浄化装置100Bは、濃度変化手段として血液浄化器120を用いて、血液回路110のうち測定部115が配置された箇所を流れる血液に濃度変化を与える。具体的には、図11に示すように、除水/逆濾過ポンプ1333が停止し、血液ポンプ111cがQの流量で送液している状態(濃度変化前)から、図12に示すように、除水/逆濾過ポンプ1333を除水方向に駆動して所定の濾過量q’[mL/min](一例として、q’=40mL/min)で血液浄化器120において濾過を行う。このとき、補充液ライン140Bを介して静脈側ライン112に所定の注水量q’で透析液を注水することにより、患者に戻される血液が過濃縮にならずに所定の濾過量q’を大きくすることができる。
本実施形態では、以降の校正方法は、第2実施形態で説明した場合と同様であるので、説明を省略する。
以上説明した第2実施形態の変形例の血液浄化装置100Bによれば、上述の効果(1)及び(2)に加えて、以下のような効果を奏する。
(7)血液浄化装置100Bを、透析液回路130から血液回路110のうち血液浄化器120の下流側に透析液を注水する補充液ライン140Bを含んで構成し、この補充液ライン140Bを介して、所定の注水量q’で血液回路110に透析液を注水することで、所定の注水量q’に対応する量を血液浄化器120で濾過した。これにより、患者に戻される血液が過濃縮にならずに所定の注水量q’を大きくすることができる。よって、血液の濃度変化を大きくすることができるので、検量線の校正の精度を高めることができる。また、後希釈方式の血液透析濾過の治療を行う場合に、血液回路110に患者の血液を充填後、補充液の注入を開始するタイミングや、患者の体内に補充液を注入する急速補液を行うタイミングで、校正の必要性の判定を行えるので、治療を中断せずに検量線の校正を行うことができる。
以上、本発明の血液浄化装置の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述した各実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、上述の各実施形態では、血液浄化装置が透析液回路を備える構成としたが、これに限らない。血液濃度変化を血液回路に生理食塩水を注入することにより行ってもよいし、透析を行わず血液濾過のみの除水で行ってもよい。
100、100A、100B 血液浄化装置
110 血液回路
111 動脈側ライン
111c 血液ポンプ
112 静脈側ライン
115 測定部
120 血液浄化器
130 透析液回路
133 透析液送液部
140A、140B 補充液ライン
141 補充液ポンプ
150 制御装置
151 検量線記憶部
152 濃度算出部
153 校正用濃度算出部
154 検量線校正部

Claims (9)

  1. 血液回路と、
    前記血液回路に配置される血液ポンプ及び血液浄化器と、
    前記血液回路に注水又は除水を行うことにより循環血液の濃度を変化させる濃度変化手段と、
    前記血液回路における前記濃度変化手段による注水又は除水により血液濃度が変化する位置に配置され、該血液回路を流通する循環血液の光強度を測定する測定部と、
    制御装置と、を備える血液浄化装置であって、
    前記制御装置は、
    血液の光強度と血液の濃度との対応関係を記憶する検量線記憶部と、
    前記測定部において測定された光強度と検量線記憶部に記憶された対応関係とに基づいて循環血液の濃度を算出する濃度算出部と、
    前記濃度変化手段による濃度の変化前に前記濃度算出部により算出された変化前濃度、前記濃度変化手段による注水量又は除水量、及び前記血液ポンプにより送出される血液量に基づいて、前記濃度変化手段による変化後の血液の濃度であって、前記検量線記憶部に記憶された対応関係の校正に用いる校正用濃度を算出する校正用濃度算出部と、を備える血液浄化装置。
  2. 前記制御装置は、前記濃度変化手段による濃度の変化後に前記濃度算出部により算出された変化後濃度と前記校正用濃度との差異が所定の範囲を超えた場合に、前記検量線記憶部に記憶された前記対応関係を校正する検量線校正部を更に備える請求項1に記載の血液浄化装置。
  3. 前記検量線校正部は、前記変化前濃度、前記校正用濃度、前記濃度変化手段による濃度の変化前に前記測定部により測定された変化前光強度、及び前記濃度変化手段による濃度の変化後に前記測定部により測定された変化後光強度に基づいて、前記対応関係を校正する請求項2に記載の血液浄化装置。
  4. 前記血液浄化器に透析液を供給する透析液回路と、前記透析液回路から前記血液回路のうち前記血液浄化器の上流側に透析液を注水する補充液ラインと、を更に備え、
    前記制御装置は、前記補充液ラインを介して所定の注水量で注水を行い、
    前記測定部は、前記血液回路と前記補充液ラインとの接続部よりも下流側であって、前記血液浄化器よりも上流側に配置される請求項1~3のいずれかに記載の血液浄化装置。
  5. 前記制御装置は、前記血液浄化器において前記所定の注水量に対応する濾過量で濾過を行う請求項4に記載の血液浄化装置。
  6. 前記血液浄化器に透析液を供給する透析液回路を更に備え、
    前記濃度変化手段は、前記血液浄化器及び前記透析液回路を含み、
    前記測定部は、前記血液浄化器の下流側に配置され、
    前記制御装置は、前記血液浄化器を介して逆濾過により透析液を注水する請求項1~3のいずれかに記載の血液浄化装置。
  7. 前記濃度変化手段は、前記血液浄化器を含み、
    前記測定部は、前記血液浄化器の下流側に配置され、
    前記制御装置は、前記血液浄化器において所定の除水量で除水を行う請求項1~3のいずれかに記載の血液浄化装置。
  8. 前記血液浄化器に透析液を供給する透析液回路と、前記透析液回路から前記血液回路のうち前記血液浄化器の下流側に透析液を注水する補充液ラインと、を備え、
    前記測定部は、前記血液回路のうち前記血液浄化器よりも下流側であって前記血液回路と前記補充液ラインとの接続部よりも上流側に配置され、
    前記制御装置は、前記補充液ラインを介して所定の注水量で注水を行う請求項1~3のいずれかに記載の血液浄化装置。
  9. 前記制御装置は、前記血液浄化器から前記所定の注水量に対応する濾過量で濾過を行う請求項8に記載の血液浄化装置。
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